(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記モータが駆動されている状態において前記目標情報の入力が停止されたとき、前記速度制御回路により前記速度指令情報を出力して前記モータを減速させる制御を行い、
前記モータを減速させる制御が開始された後で、前記速度指令情報が前記所定値以下になり、かつ、前記モータの回転数が前記第1の閾値以下になったとき、前記駆動停止制御回路により前記第1の駆動停止制御信号を出力して前記モータの短絡制動制御を行い、
前記モータの短絡制動制御が開始された後で、前記速度指令情報が前記所定値以下で、かつ、前記モータが駆動停止状態になったとき、前記駆動停止制御回路により前記第2の駆動停止制御信号を出力して前記モータのフリーラン停止制御を行う、請求項1に記載のモータ制御回路。
前記駆動停止制御回路は、前記モータのフリーラン停止制御が行われている場合において、前記速度指令情報が前記所定値以下であって、かつ、前記モータの回転数が所定の第2の閾値以上であることの検知結果に基づいて、前記第1の駆動停止制御信号を出力する、請求項1又は2に記載のモータ制御回路。
前記モータのフリーラン停止制御が行われているときに前記モータの回転数が前記第2の閾値以上となり、その後、前記駆動停止制御回路から前記第1の駆動停止制御信号が出力されて前記モータの短絡制動制御が開始された場合において、前記速度指令情報が前記所定値以下で、かつ、前記モータが駆動停止状態になったとき、前記駆動停止制御回路により前記第2の駆動停止制御信号を出力して前記モータのフリーラン停止制御を行う、請求項3に記載のモータ制御回路。
前記駆動停止制御回路は、さらに、前記モータの短絡制動制御を行うための制動指令情報が入力されたとき、前記第1の駆動停止制御信号を出力し、前記モータのフリーラン停止制御を行うための駆動指令情報が入力されたとき、前記第2の駆動停止制御信号を出力するように構成されており、
前記駆動停止制御回路は、前記目標情報の入力が停止され、かつ、前記制動指令情報及び前記駆動指令情報のいずれも入力されていないとき、前記回転数検出情報と前記速度指令情報とに基づいて前記第1の駆動停止制御信号又は前記第2の駆動停止制御信号を出力する、請求項1から4のいずれか1項に記載のモータ制御回路。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態におけるモータ駆動制御装置について説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるモータ駆動制御装置の回路構成を示すブロック図である。
【0023】
図1に示されるように、モータ駆動制御装置1は、モータ20を例えば正弦波駆動により駆動させるように構成されている。本実施の形態において、モータ20は、例えば3相のブラシレスモータである。モータ駆動制御装置1は、ロータの回転位置信号に基づいて、モータ20の電機子コイルLu,Lv,Lwに正弦波状の駆動電流を流すことで、モータ20を回転させる。本実施の形態において、ロータの回転位置信号は、ホール(HALL)素子の出力信号から、ロータの回転位置を推定した信号である(不図示)。
【0024】
モータ駆動制御装置1は、インバータ回路2a及びプリドライブ回路2bを有するモータ駆動部2と、モータ制御回路4とを有している。なお、
図1に示されているモータ駆動制御装置1の構成要素は、全体の一部であり、モータ駆動制御装置1は、
図1に示されたものに加えて、他の構成要素を有していてもよい。
【0025】
本実施の形態において、モータ駆動制御装置1は、その全部がパッケージ化された集積回路装置(IC)である。なお、モータ駆動制御装置1の一部が1つの集積回路装置としてパッケージ化されていてもよいし、他の装置と一緒にモータ駆動制御装置1の全部又は一部がパッケージ化されて1つの集積回路装置(IC)が構成されていてもよい。
【0026】
インバータ回路2aは、プリドライブ回路2bとともに、モータ駆動部2を構成する。インバータ回路2aは、プリドライブ回路2bから出力された出力信号に基づいてモータ20に駆動信号を出力し、モータ20が備える電機子コイルLu,Lv,Lwに通電する。インバータ回路2aは、例えば、直流電源Vccの両端に設けられた、上側と下側との2つのスイッチ素子の直列回路の対(スイッチ素子Q1,Q2の対、スイッチ素子Q3,Q4の対、及びスイッチ素子Q5,Q6の対)が、電機子コイルLu,Lv,Lwの各相(U相、V相、W相)に対してそれぞれ配置されて構成されている。2つのスイッチ素子の各対において、スイッチ素子同士の接続点に、モータ20の各相の端子が接続されている。具体的には、スイッチ素子Q1,Q2同士の接続点に、U相の端子が接続されている。スイッチ素子Q3,Q4同士の接続点に、V相の端子が接続されている。スイッチ素子Q5,Q6同士の接続点に、W相の端子が接続されている。
【0027】
プリドライブ回路2bは、モータ制御回路4による制御に基づいて、インバータ回路2aを駆動するための出力信号を生成し、インバータ回路2aに出力する。出力信号としては、例えば、インバータ回路2aのスイッチ素子Q1〜Q6のそれぞれに対応するVuu,Vul,Vvu,Vvl,Vwu,Vwlの6種類が出力される。すなわち、スイッチ素子Q1には、出力信号Vuuが出力される。スイッチ素子Q2には、出力信号Vulが出力される。スイッチ素子Q3には、出力信号Vvuが出力される。スイッチ素子Q4には、出力信号Vvlが出力される。スイッチ素子Q5には、出力信号Vwuが出力される。スイッチ素子Q6には、出力信号Vwlが出力される。これらの出力信号が出力されることで、それぞれの出力信号に対応するスイッチ素子Q1〜Q6がオン、オフ動作を行い、モータ20に駆動信号が出力されてモータ20の各相に電力が供給される。全相の駆動をオフとする場合には、スイッチ素子Q1〜Q6はいずれもオフにされる(フリーラン状態)。
【0028】
本実施の形態において、モータ制御回路4には、回転数信号(回転数検出情報の一例)Srと、クロック信号(目標情報の一例)Scと、ブレーキ信号(制動指令情報の一例)Sbと、スタート信号(駆動指令情報の一例)Ssとが入力される。
【0029】
回転数信号Srは、モータ20からモータ制御回路4に入力される。回転数信号Srは、例えば、モータ20のロータの回転に対応するFG信号である。すなわち、回転数信号Srは、モータ20の回転数の検出結果を示す回転数情報である。FG信号は、ロータの側にある基板に設けたコイルパターンを用いて生成される信号(パターンFG)であってもよいし、モータ20に配置されたホール(HALL)素子の出力を用いて生成される信号(ホールFG)であってもよい。なお、モータ20の各相(U,V,W相)に誘起する逆起電圧を検出する回転位置検出回路を設け、検出された逆起電圧に基づき、モータ20のロータの回転位置と回転数とを検出するようにしてもよいし、モータの回転数や回転位置を検出するエンコーダなどのセンサ信号を用いてもよい。
【0030】
クロック信号Scは、例えば、モータ制御回路4の外部から入力される。クロック信号Scは、モータ20の回転数に関する信号であって、例えば、モータ20の目標回転速度に対応する周波数の信号である。換言すると、クロック信号Scは、モータ20の目標回転速度を指定する指令情報である。なお、目標回転数に関する目標情報は、クロック信号に限定されず、PWM(パルス幅変調)信号であってもよい。
【0031】
ブレーキ信号Sbは、例えば、モータ制御回路4の外部から入力される。ブレーキ信号Sbは、モータ20の短絡制動制御を行うか(各相の下側スイッチ素子Q2、Q4、Q6をオンとするショートブレーキ命令を行うか)、制動制御を行わない状態とするかを設定するための制動指令信号である。換言すると、ブレーキ信号Sbは、モータ20の短絡制動制御を行うための信号である。本実施形態では、ブレーキ信号Sbが「0」のときには短絡制動は行わず、ブレーキ信号Sbが「1」のときに短絡制動を行うものとする。
【0032】
スタート信号Ssは、例えば、モータ制御回路4の外部から入力される。スタート信号Ssは、モータ20の駆動制御を行うか、駆動制御を行わないスタンバイ状態とする制御を行うかを設定するための駆動指令信号である。モータ20が回転しているとき、駆動制御を行わず、短絡制動制御を行わないことにより、全相のスイッチ素子Q1〜Q6をオフとするフリーラン停止制御を行うことができる。換言すると、スタート信号Ssは、フリーラン停止制御を行うための信号である。本実施形態では、スタート信号Ssが「0」のときにはフリーラン停止制御は行わず、スタート信号Ssが「1」のときにフリーラン停止制御を行うものとする。
【0033】
モータ制御回路4は、例えば、マイクロコンピュータやデジタル回路等で構成されている。モータ制御回路4は、回転数信号Srと、クロック信号Scと、ブレーキ信号Sbと、スタート信号Ssと、回転位置信号とに基づいて、駆動制御信号Sdをプリドライブ回路2bに出力する。モータ制御回路4は、駆動制御信号Sdを出力することで、モータ20がクロック信号Scに対応する回転数で回転するようにモータ20の回転制御を行う。すなわち、モータ制御回路4は、モータ20を駆動させるための駆動制御信号Sdをモータ駆動部2に出力し、モータ20の回転制御を行う。モータ駆動部2は、駆動制御信号Sdに基づいて、モータ20に駆動信号を出力してモータ20を駆動させる。なお、モータ制御回路4は、後述のように、モータ20が短絡制動状態やフリーラン状態になるように駆動制御信号Sdを生成して出力することにより、3相の下側をすべてオンとする短絡制動制御を行ったり、全相をオフとするフリーラン停止制御を行ったりすることができる。
【0035】
図2は、モータ制御回路4の構成を示すブロック図である。
【0036】
図2に示されるように、モータ制御回路4は、速度制御回路33と、正弦波駆動回路(駆動信号生成回路の一例)35と、駆動停止制御回路41とを含む。各回路は、デジタル回路である。なお、
図2において、各回路間での信号や情報等の送受は、駆動制御信号Sdの生成に関する説明に係るものが示されている。
【0037】
速度制御回路33には、クロック信号Scと回転数信号Srとが入力される。速度制御回路33は、クロック信号Scと回転数信号Srとに基づいて、モータ20の回転数に関するトルク指令信号(速度指令情報の一例)S1を出力する。トルク指令信号S1は、正弦波駆動回路35と、駆動停止制御回路41とに入力される。
【0038】
正弦波駆動回路35は、入力されたトルク指令信号S1に応じた駆動制御信号Sdを出力する。また、正弦波駆動回路35は、後述のように駆動停止制御回路41から駆動停止制御信号S5が入力されたときは、駆動停止制御信号S5とトルク指令信号S1とに基づいて、駆動停止制御信号S5に対応する制御モードに基づく駆動制御信号Sdを出力する。このように正弦波駆動回路35から駆動制御信号Sdが出力されることで、モータ駆動部2の動作が制御される。
【0039】
駆動停止制御回路41には、回転数信号Srと、速度制御回路33から出力されたトルク指令信号S1と、ブレーキ信号Sbと、スタート信号Ssとが入力される。駆動停止制御回路41は、クロック信号Scのモータ制御回路4への入力が停止されたとき(モータ制御回路4へクロック信号Scが入力されないとき及びモータ制御回路4へ入力されるクロック信号Scがモータ20の駆動停止状態(回転数が略ゼロ)に対応する信号になったときを含む)、回転数信号Srとトルク指令信号S1とに基づいて、駆動停止制御信号S5(第1の駆動停止制御信号S5a又は第2の駆動停止制御信号S5b)を正弦波駆動回路35に出力する。なお、モータ20の回転数が略ゼロとは、モータ20が完全に停止している、回転数がゼロである状態と、モータ20が停止していると判断できる、所定回転数(例えば、数rpm)以下の回転数である状態とを含み、この状態をモータ20の駆動停止状態と呼ぶ。また、駆動停止制御回路41は、ブレーキ信号Sbやスタート信号Ssに基づいて、駆動停止制御信号S5を正弦波駆動回路35に出力する。
【0040】
駆動停止制御回路41には、回転数検知回路42と、ステートマシン回路44とが含まれている。
【0041】
回転数検知回路42には、回転数信号Srが入力される。回転数検知回路42は、入力された回転数信号Srに基づいて、回転数情報信号S2をステートマシン回路44に出力する。回転数情報信号S2は、モータ20の回転状態(閾値以上の回転/閾値以下の回転/略ゼロ)を表す信号である。
【0042】
ステートマシン回路44には、回転数情報信号S2と、トルク指令信号S1と、ブレーキ信号Sbと、スタート信号Ssとが入力される。ステートマシン回路44は、これらの入力された信号の状態に基づいて、予め定められたとおりに、信号を出力する。本実施の形態では、ステートマシン回路44は、予め設定された、モータ20の回転数についての第1の閾値及び第2の閾値と、トルク指令信号S1についての第3の閾値とに基づいて、駆動停止制御信号S5を出力するように構成されている。ステートマシン回路44は、回転数情報信号S2に基づいて、予め定められた条件に従って、駆動停止制御信号S5を出力する。
【0043】
なお、各閾値は、図示しないメモリ等に記憶されて、予め設定されていてもよい。ステートマシン回路44は、メモリ等に記憶されている閾値を用いて、動作を行うようにしてもよい。
【0044】
ステートマシン回路44は、駆動停止制御信号S5として、第1の駆動停止制御信号S5aと、第2の駆動停止制御信号S5bとを出力することができる。第1の駆動停止制御信号S5aは、モータ20の短絡制動制御を行うための信号である。第2の駆動停止制御信号S5bは、モータ20のフリーラン停止制御を行うための信号である。
【0045】
正弦波駆動回路35は、短絡制動制御を行うための短絡制動制御回路51と、フリーラン停止制御を行うためのフリーラン停止制御回路52とを有している。第1の駆動停止制御信号S5aが正弦波駆動回路35に入力されたとき、正弦波駆動回路35は、短絡制動制御回路51を用いて、短絡制動が行われるように、駆動制御信号Sdをモータ駆動部2に出力する。また、第2の駆動停止制御信号S5bが正弦波駆動回路35に入力されたとき、正弦波駆動回路35は、フリーラン停止制御回路52を用いて、フリーラン停止制御が行われるように、駆動制御信号Sdをモータ駆動部2に出力する。このように、モータ制御回路4は、駆動停止制御回路41が駆動停止制御信号S5を出力することで、それに応じた態様でモータ20の駆動停止制御を行うことができる。
【0046】
図3は、本実施の形態における、モータ20の制御動作の態様と各信号との関係を説明する図である。
【0047】
図3においては、それぞれの制御動作の態様における各信号がとりうる値や状態が表形式で示されている。ハイフンは、各信号が任意の値、状態を取りうることを示している。
【0048】
図3に示されるように、通常駆動時においては、モータ20を駆動させる駆動制御信号Sdが出力される。このとき、ブレーキ信号Sbとスタート信号Ssとは、共に「0」である。クロック信号Scは入力されており(「有り」)、回転数信号Srはモータ20の回転に応じて入力され、回転数情報信号S2も回転数信号Srに応じて出力される。トルク指令信号S1は、クロック信号Scと回転数信号Srとに応じて出力される(「有り」)。第1の駆動停止制御信号S5a及び第2の駆動停止制御信号S5bは、共に出力されない(「無し」)。
【0049】
モータ20の停止方法としては、一般に、以下の態様のものがある。本実施の形態においても、モータ制御回路4は、これらの停止方法を利用可能である。
【0050】
停止方法の1つには、短絡制動がある。ブレーキ信号Sbが「1」、スタート信号Ssが「0」になると、モータ20を短絡制動させる駆動制御信号Sdが生成され、出力される(制御動作:短絡制動)。これは、第1の駆動停止制御信号S5aが出力される(「有り」)ことにより行われる。クロック信号Scが「有り」である場合であって回転数信号Srがどの条件であったとしても(「任意(回転中/閾値以下/略ゼロ)」)、ブレーキ信号Sbが「1」となることにより、短絡制動が行われる。短絡制動では、モータ20の下側3相がオンとなる。これにより、ロータを回転させるためのコイル電流が接地電位に流れるため、モータ20が急停止する。なお、モータ20を急停止させる短絡制動は、実際には、扇風機等に用いられるモータ20の制御方法としては用いられない場合があった。すなわち、扇風機等の用途では、モータ20が急停止すると、振動やガタつきといった、ユーザへの不快感を与える事象が発生する可能性があるためである。
【0051】
停止方法の1つには、フリーラン停止がある。スタート信号Ssが「1」、ブレーキ信号Sbが「0」になると、モータ20をフリーラン停止させる駆動制御信号Sdが生成され、出力される(制御動作:フリーラン停止)。これは、第2の駆動停止制御信号S5bが出力される(「有り」)ことにより行われる。フリーラン停止は、モータ20の全相をオフとするものである。全相がオフとなることにより、モータ20は、惰性回転しながら、自然に停止する。なお、このようにフリーラン停止を行う命令(スタート信号Ss:「1」)が入力されると、クロック信号Scが「有り」である場合であって、回転数信号Srがどの条件であったとしても(「任意(回転中/閾値以下/略ゼロ)」)、強制的にフリーラン停止制御が行われる。
【0052】
また、停止方法としては、いわゆるスロー停止がある。本実施の形態において、スロー停止は、モータ20の回転数が所定の第1の閾値以上であるときに行われる。本実施の形態において、モータ制御回路4は、クロック信号Scが「無し」(回転数ゼロに対応)になり、モータ20を停止させるときに、速度制御回路33が、トルク指令信号S1をすぐにゼロにするのではなく、トルク指令信号S1を徐々にゼロに近づけていくことにより、スロー停止でモータ20の回転数を徐々に小さくする制御を行う。スロー停止は、一般に、扇風機等のファンを用いた製品特有の機能として用いられることが多い。モータの回転数を徐々に落とすことで、急激な速度変化による製品のがたつきや振動の発生を防止し、ファンを静かに停止させることができる。なお、スロー停止の態様としては、種々のものがある。クロック信号Scを徐々に下げることで、トルク指令信号S1を徐々に下げて、スロー停止と同様にモータ20を減速させることもできる。
【0053】
ここで、本実施の形態において、モータ制御回路4は、クロック信号Scの入力が停止されている状態において、スロー停止(制御動作(1):減速制御(開始))、短絡制動(制御動作(2):減速制御(実行)→短絡制動(開始))、及びフリーラン停止(制御動作(3):短絡制動→フリーラン停止(開始))の各制御動作を切り替えながら、モータ20を停止させる駆動停止制御を行う。制御動作の切替えは、モータ20の回転数に応じて行われる。
【0054】
減速モード(スロー停止モード)の制御動作(1)では、クロック信号Scの入力が停止され「無し」となっており、速度制御回路33によりトルク指令信号S1が出力されて、スロー停止によりモータ20を減速させる制御が行われる。スロー停止が開始されると、トルク指令信号S1は「有り」のままで徐々にゼロに近づいていく。
【0055】
クロック信号Scが「無し」のままで、トルク指令信号S1が所定の第3の閾値以下になり、かつ、モータ20の回転数が第1の閾値以下になれば(このとき、回転数信号Srが第1の閾値に対応する閾値以下になり、回転数情報信号S2が第1の閾値以下になる。)、短絡制動モードの制御動作(2)が行われる。制御動作(2)では、モータ制御回路4は、短絡制動が行われるように駆動制御信号Sdを出力する。すなわち、スロー停止から短絡制動に制御動作が切り替えられる。駆動停止制御回路41において、ステートマシン回路44で回転数情報信号S2と第1の閾値とに基づいてモータ20の回転数が第1の閾値以下であることが検知される。その結果に応じて、ステートマシン回路44から第1の駆動停止制御信号S5aが出力されることにより、制御動作が切り替えられる。
【0056】
クロック信号Scが「無し」のままで、トルク指令信号S1が第3の閾値以下になり、かつ、モータ20の回転数が略ゼロになれば(例えば、FG信号の間隔が所定時間以上になれば)、モータ20が駆動停止状態であると検知し、フリーラン停止モードの制御動作(3)が行われる。制御動作(3)では、モータ制御回路4は、フリーラン停止が行われるように駆動制御信号Sdを出力する。すなわち、短絡制動からフリーラン停止に制御動作が切り替えられる。駆動停止制御回路41において、ステートマシン回路44で回転数情報信号S2に基づいてモータ20の回転数が略ゼロであることが検知される。その結果に応じて、ステートマシン回路44から第2の駆動停止制御信号S5bが出力されることにより、制御動作が切り替えられる。
【0057】
図4は、本実施の形態の駆動停止制御が行われるときのモータ駆動制御装置1の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【0058】
図4においては、駆動されているモータ20が停止される場合の動作について示されている。
図4の上段から、クロック信号Sc、トルク指令信号S1及び第3の閾値、回転数信号Sr及び第1の閾値、回転数情報信号S2、動作モードが順に並んでいる。
【0059】
まず、
図4の初期状態として、駆動モードで、モータ20を500Hzで回転させる制御が行われている場合を想定する。クロック信号Scは500Hzであり、トルク指令信号S1が略一定で、回転数信号Srが略500Hzである。その後、例えば時刻t1においてクロック信号Scが1000Hzに変更されると、トルク指令信号S1を高くする制御が行われ、回転数信号Srが上昇し、1000Hzとなる。
【0060】
ここで、時刻t2に、クロック信号Scが停止される(例えば、0Hzになる)と、動作モードが減速モードに切り替えられる。上述の制御動作(1)のとおり、スロー停止による減速制御が開始され、トルク指令信号S1が徐々に低くされる。これに伴い、回転数信号Srも徐々に小さくなる。
【0061】
時刻t2より後の時刻t3に、モータ20の回転数が第1の閾値以下になると、回転数情報信号S2に基づいて、ステートマシン回路44でそのことが検知される(低速検知)。また、時刻t3の時点で、トルク指令信号S1は第3の閾値以下となっている。そうすると、時刻t3において、動作モードが短絡制動モードに切り替えられ、短絡制動制御が開始される(制御動作(2))。これにより、モータ20の回転数が、第1の閾値からゼロに向けて比較的急速に低下する。
【0062】
時刻t3より後の時刻t4に、モータ20の回転数が略ゼロになると、回転数情報信号S2に基づいて、ステートマシン回路44でそのことが検知される(停止検知)。このとき、トルク指令信号S1は略ゼロであり、第3の閾値以下となっている。そうすると、時刻t4において、動作モードがフリーラン停止モードに切り替えられ、フリーラン停止制御が開始される(制御動作(3))。モータ20の駆動電圧が全相オフとなり、モータ20が停止した状態となる。なお、トルク指令信号S1が略ゼロとは、トルク指令信号S1がゼロである場合に加え、モータ20が停止していると判断できる所定回転数以下の回転数に対応した所定値以下のトルク値である場合を含む。
【0063】
なお、第1の閾値となる回転数の値は、例えば10rpm程度とすることができるが、これに限られず、モータ20の用途等やモータ20の特性等に応じて、適宜設定されればよい。すなわち、その回転数で回転している状態のモータ20を短絡制動により急減速させたとしても、モータ20を用いた機器ががたついたり振動が発生したりしないような、回転数の値を第1の閾値として設定すればよい。このような値は、実際に実験を行うことで定めたり、シミュレーション技術等を用いて定めたりすることができる。
【0064】
また、トルク指令信号S1に関して、第3の閾値となる所定値は、モータ20に通電が行われる状態が保たれる、小さい値が設定されればよい。トルク指令信号S1がゼロでないとき(入力されているとき)には、モータ20を駆動するための駆動信号が出力され、スイッチ素子のオンオフ動作が行われることにより、コイル電流が流れている通電状態となる。トルク指令信号S1がゼロであるとき(入力されていないとき)には、モータ20を駆動するためのスイッチ素子が全相オフとなる、非通電状態となる。通電状態から停止状態に移行する場合に短絡制動が開始されると、各相の下側スイッチ素子Q2,Q4,Q6がオンとなり、コイル電流が流れる経路がある状態になるので、回生の発生を回避することができる。本実施の形態では、トルク指令信号S1が第3の閾値以下となり、ゼロではない状態において、短絡制動が開始されることで、回生の発生を回避し、回生が行われることに伴う異常状態の発生を防止することができる。
【0065】
以上ではモータ20が駆動されている状態からモータ20を停止させる際の動作について説明されているが、本実施の形態において、モータ制御回路4は、モータ20が停止している状態でも、モータ20の回転数に応じて、制御動作の切替えを行うように構成されている。
【0066】
すなわち、
図3に戻って、モータ20がフリーラン停止状態である場合において、所定の場合に、短絡制動モードの制御動作(4)が行われる。すなわち、トルク指令信号S1が「無し」であるとき(モータ20が通常であれば停止している状態であるとき)、モータ20の回転数が第2の閾値以上になれば(このとき、回転数信号Srが第2の閾値に対応する閾値以上になり、回転数情報信号S2が第2の閾値以上になる)、制御動作(4)が行われる。制御動作(4)では、駆動停止制御回路41から第1の駆動停止制御信号S5aが出力され、モータ制御回路4は、短絡制動が行われるように駆動制御信号Sdを出力する。すなわち、フリーラン停止から短絡制動に制御動作が切り替えられる。
【0067】
また、例えば制御動作(4)が行われて短絡制動が実行されている状態で、所定の場合に、フリーラン停止モードの制御動作(5)が行われる。すなわち、トルク指令信号S1が「無し」であるとき、モータ20の回転数が略ゼロになれば、制御動作(5)が行われる。制御動作(5)では、駆動停止制御回路41から第2の駆動停止制御信号S5bが出力され、モータ制御回路4は、フリーラン停止が行われるように駆動制御信号Sdを出力する。すなわち、短絡制動からフリーラン停止に制御動作が切り替えられる。
【0068】
なお、このように制御動作(4)及び制御動作(5)が行われるとき、クロック信号Scは「有り」でも「無し」でもよい。また、スタート信号Ssは、「0」であっても「1」であってもよい。制御動作(4)及び制御動作(5)は、例えば、上述の制御動作(1)から制御動作(3)が行われた状態で、外力によりモータ20が回転した場合などに行われる。このとき、クロック信号Scは「無し」であって、スタート信号Ssは「0」である。また、制御動作(4)及び制御動作(5)は、スタート信号Ssが「1」となることでフリーラン停止制御が行われてモータ20が停止した後に、外力によりモータ20が回転した場合などにも行われる。このとき、クロック信号Scは「有り」であり、スタート信号Ssは「1」である。
【0069】
図5は、本実施の形態においてモータ20が停止している状態で駆動停止制御が行われるときのモータ駆動制御装置1の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【0070】
図5においては、モータ20が停止している場合の各信号についての推移の例が示されている。
図5の上段から、
図4と同様に、クロック信号Sc、トルク指令信号S1及び第3の閾値、回転数信号Sr及び閾値(第1の閾値、第2の閾値)、回転数情報信号S2、動作モードが順に並んでいる。
【0071】
まず、
図5の初期状態として、動作モードがフリーラン停止モードであり、モータ20が停止している場合を想定する。クロック信号Scは停止状態に対応する値(例えば、0Hz)であり、トルク指令信号S1が略ゼロ(「無し」)で、回転数信号Srが略0Hzである。
【0072】
ここで、時刻t10に、外部の要因により外力が加わるなどして、モータ20が回転し始めた場合を想定する。モータ20が回転すると、回転数信号Srが上昇する。このとき、クロック信号Scは停止状態のままで、トルク指令信号S1も略ゼロのままである。
【0073】
時刻t10より後の時刻t11に、モータ20の回転数が第2の閾値以上になると、回転数情報信号S2に基づいて、ステートマシン回路44でそのことが検知される(回転検知)。また、時刻t11の時点で、トルク指令信号S1は「無し」のままである。そうすると、時刻t11において、動作モードが短絡制動モードに切り替えられ、短絡制動制御が開始される(制御動作(4))。これにより、モータ20の回転数が、第2の閾値からゼロに向けて低下する。
【0074】
時刻t11より後の時刻t12に、モータ20の回転数が略ゼロになると、回転数情報信号S2に基づいて、ステートマシン回路44でそのことが検知される(停止検知)。また、時刻t12の時点で、トルク指令信号S1は「無し」のままである。そうすると、時刻t12において、動作モードがフリーラン停止モードに切り替えられ、フリーラン停止制御が開始される(制御動作(5))。これにより、モータ20の回転数が略ゼロとなって維持される。
【0075】
なお、第2の閾値は、第1の閾値と同じか、第1の閾値よりも小さい値とすればよい。第1の閾値よりも低い回転数であるときに短絡制動を行えば、モータ20を搭載する機器でがたつきが発生したり振動が発生したりすることがない。
【0076】
本実施の形態において行われる駆動停止制御をフローチャートで説明すると、以下のようになる。
【0077】
図6は、本実施の形態における駆動状態のモータを停止させるときのモータ駆動制御装置1の動作を示すフローチャートである。
【0078】
図6に示されるように、ステップS11において、モータ20を駆動しているとき、クロック信号Scが停止されると、モータ制御回路4はそれを検知する。
【0079】
ステップS12において、モータ制御回路4は、減速制御を開始する。上述の制御動作(1)が行われる。
【0080】
ステップS13において、モータ制御回路4は、トルク指令信号S1が第3の閾値以下であり、かつ、モータ20の回転数が所定の第1の閾値以下であることを検知する。すなわち、モータ制御回路4は、トルク指令信号S1が第3の閾値以下であって、モータ20の回転数が第1の閾値以下であるか否かを判断する。
【0081】
ステップS13において、トルク指令信号S1が所定値以下であり、かつ、モータ20の回転数が所定の第1の閾値以下であることが検知されると(「YES」の場合)、ステップS14において、モータ制御回路4は、短絡制動制御を行うための駆動制御信号Sdを出力する。これにより、短絡制動が開始される(上述の制御動作(2))。なお、ステップS13において、トルク指令信号S1が所定値を超えている、あるいは、モータ20の回転数が第1の閾値を超えている場合(「NO」の場合)は、ステップS13を繰り返す。
【0082】
ステップS15において、モータ制御回路4は、トルク指令信号S1が第3の閾値以下であり、かつ、モータ20の回転数が略ゼロであることを検知する。すなわち、モータ制御回路4は、トルク指令信号S1が第3の閾値以下であって、モータ20の回転数が略ゼロであるか否かを判断する。
【0083】
ステップS15において、トルク指令信号S1が第3の閾値以下であり、かつ、モータ20の回転数が略ゼロであることが検知されると、ステップS16において、モータ制御回路4は、フリーラン停止制御を行うための駆動制御信号Sdを出力する。これにより、全相オフとなり、フリーラン停止状態となる(上述の制御動作(3))。なお、ステップS15において、トルク指令信号S1が第3の閾値を超えている、あるいは、モータ20の回転数が略ゼロではない場合(「NO」の場合)は、ステップS15を繰り返す。
【0084】
図7は、モータが停止状態であるときのモータ駆動制御装置1の動作を示すフローチャートである。
【0085】
図7に示されるように、ステップS31において、モータ駆動制御装置1により、モータ20がフリーラン停止により制御され、停止している場合を想定する(上述の制御動作(3)又はスタート信号Ssが「1」となりフリーラン停止制御が行われた場合)。
【0086】
ステップS32において、モータ制御回路4は、トルク指令信号S1が第3の閾値以下であり、かつ、モータ20の回転数が所定の第2の閾値以上であることを検知する。すなわち、モータ制御回路4は、トルク指令信号S1が第3の閾値以下であって、モータ20の回転数が第2の閾値以上であるか否かを判断する。
【0087】
ステップS32において、トルク指令信号S1が所定値以下であり、かつ、モータ20の回転数が第2の閾値以上であることが検知されると、ステップS33において、モータ制御回路4は、短絡制動制御を行うための駆動制御信号Sdを出力する。これにより、短絡制動が開始される(上述の制御動作(4))。なお、ステップS32において、トルク指令信号S1が所定値を超えている、あるいは、モータ20の回転数が第2の閾値を超えている場合(「NO」の場合)は、ステップS32を繰り返す。
【0088】
ステップS34において、モータ制御回路4は、トルク指令信号S1が第3の閾値以下であり、かつ、モータ20の回転数が略ゼロであることを検知する。すなわち、モータ制御回路4は、トルク指令信号S1が第3の閾値以下であって、モータ20の回転数が略ゼロであるか否かを判断する。
【0089】
ステップS34において、トルク指令信号S1が第3の閾値以下であり、かつ、モータ20の回転数が略ゼロであることが検知されると、ステップS35において、モータ制御回路4は、フリーラン停止制御を行うための駆動制御信号Sdを出力する。これにより、全相オフとなり、フリーラン停止状態となる(上述の制御動作(5))。なお、ステップS34において、トルク指令信号S1が第3の閾値を超えている、あるいは、モータ20の回転数が略ゼロではない場合(「NO」の場合)は、ステップS34を繰り返す。
【0091】
従来、上述のように、フリーラン停止方法によりモータが停止中であるとき、外部要因などによってモータが回転し発電が起こると、モータ駆動制御装置の回路部品等に異常状態が発生する場合があった(第1の異常状態)。
【0092】
また、従来、モータを駆動している場合において、フリーラン停止方法によりモータを停止させようとすると、回生状態となり、モータ駆動制御装置の回路部品等に異常状態が発生する場合があった(第2の異常状態)。さらに、このような場合において、回生状態になると、モータ駆動制御装置で、耳障りな、「カチ」というクリック音のような異音が発生する場合があった(第3の異常状態)。
【0093】
これに対して、本実施の形態では、フリーラン停止中(ロータは回転停止)に、トルク指令信号S1が第3の閾値以下であって、モータ20の回転数が第2の閾値以上となったときに、短絡制動が開始される。これにより、上述の第1の異常状態が発生することを防止することができる。
【0094】
具体的には、フリーラン停止命令中において、トルク指令信号S1がゼロであり、モータの回転数が第2の閾値以上となったときに、短絡制動制御が行われるので、発電状態となることが回避される。したがって、例えばモータ20がファンを回転させる用途等に用いられている場合において、強風がファンに当たるなどの外力によりロータが回転しても、速やかに短絡制動に移行することで、発電や回生によるモータ駆動制御装置1の電源電圧の上昇を防止できる。したがって、モータ駆動制御装置1において回路部品が破損したり異常動作したりというような異常状態が発生することを防止することができる。
【0095】
また、本実施の形態では、モータ20が駆動されているとき、クロック信号Scが停止された後、減速制御モードから短絡制動モードを経て、フリーラン停止モードに制御動作が切り替えられるように構成されている。制御動作の切替えは、トルク指令信号S1と、モータ20の回転数とに応じて行われる。このように制御が行われることにより、上述の第2の異常状態や第3の異常状態が発生することを防止することができる。
【0096】
具体的には、モータ20の回転数が高い領域では、フリーラン停止ではなく、スロー停止による減速制御が行われるので、回生が発生することなく、徐々に回転数を低くすることができる。減速制御モードで動作させることにより、減速中に外力等が加わっても発電状態になることがなく、モータ駆動制御装置1の電源電圧が上昇することがなくなる。したがって、第2の異常状態や第3の異常状態の発生を防止することができる。
【0097】
また、減速制御モードで動作中に、トルク指令信号S1が所定値以下であって、モータ20の回転数が所定の第1の閾値以下になったときには、短絡制動モードに移行する。超低速回転(トルク指令信号S1が極めて小さい値)において、短絡制動に移行させることができるため、急激な電流発生もなく、短絡制動を行うことによる振動の発生やがたつきの発生を防止して、モータ20を停止させることができる。さらに、ロータを回転させようとする外部要因がある場合にも、短絡制動が行われることにより、ロータを回転させにくくして確実にロータを停止させることができる。
【0098】
また、短絡制動モードで動作中に、トルク指令信号S1が所定値以下であって、モータ20の回転数が略ゼロになったときには、フリーラン停止モードに移行する。したがって、モータ20が停止した状態では、モータ20に電圧を印加しない、全相オフの安定した状態に置くことができる。
【0099】
本実施の形態においては、ステートマシン回路44が、外部からブレーキ信号Sb等が入力されなくても、所定の条件下において短絡制動を開始するための第1の駆動停止制御信号S5aを出力する。モータ駆動制御装置1が、クロック信号Scとモータ20の回転数信号Srとに基づいて自律的に減速制御モードから短絡制動モードに移行させた後で、モータ20の回転数が略ゼロとなった段階でフリーラン停止モードに移行する。したがって、フリーラン停止方法を用いるときの異常状態の発生を防止するためにモータ駆動制御装置1に入力する信号について細かな制御を行う必要がなくなり、モータ駆動制御装置1を容易に種々の用途に用いることができるようになる。
【0101】
モータ制御回路は、
図2に示されるような回路構成に限定されない。本発明の目的にあうように構成された、様々な回路構成が適用できる。
【0102】
上述の
図3は、あくまで1つの具体例である。
図3では、クロック信号Sc<ブレーキ信号Sb<スタート信号Ssの順に優先順位が高く設定されているが、モータ駆動制御装置の仕様に応じて、適宜設定することができる。
【0103】
モータ駆動制御装置の各構成要素は、少なくともその一部がハードウェアによる処理ではなく、ソフトウェアによる処理であってもよい。
【0104】
上述のタイミングチャートの動作例(回転数など)やフローチャートの動作例は具体例であって、このような動作例に限定されない。フローチャートの各処理の間には、他の処理が行われるようにしてもよい。
【0105】
本実施の形態のモータ駆動制御装置により駆動されるモータは、3相のブラシレスモータに限られない。ホール素子の数は、3個に限られない。モータの駆動方式は、正弦波駆動方式に限定されず、例えば、矩形波駆動方式であってもよい。
【0106】
上述の実施の形態における処理の一部又は全部が、ソフトウェアによって行われるようにしても、ハードウェア回路を用いて行われるようにしてもよい。
【0107】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。