(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1ないし第4の光漏れ防止層のうちの少なくとも1つの光漏れ防止層は、残りの他の光漏れ防止層が透過させる光の色の補色の光を透過させる光漏れ防止層を含むことを特徴とする、請求項3に記載の有機発光表示装置。
前記第1のマイクロレンズおよび前記第2のマイクロレンズがそれぞれ配置されたサブピクセルを除いたサブピクセルのうちの少なくとも1個のサブピクセルに配置される第3のマイクロレンズをさらに含み、
前記第3のマイクロレンズは、前記第1のマイクロレンズおよび前記第2のマイクロレンズのうちのいずれかのマイクロレンズと同一または該第1のマイクロレンズおよび該第2のマイクロレンズと異なることを特徴とする、請求項6に記載の有機発光表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態は、図面を参照して詳細に説明する。次に紹介する実施形態は、当業者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために、例として提供されるものである。したがって、本発明は、以下にて説明する実施形態に限定されず、他の形状に具体化することもできる。また、図面において、装置の大きさや厚さなどは、便宜のために誇張して表現されることもある。明細書全体にわたって同じ参照番号は同じ構成要素を表す。
【0016】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は、以下に開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形状に具現されるものであり、ただ本実施形態は、本発明の開示が完全なものとなるようにし、本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項のカテゴリによって定義されるだけである。明細書全体にわたって同じ参照符号は、同一の構成要素を指す。図面における層および領域の大きさおよび相対的な大きさは、説明の明瞭性のために誇張されることがある。
【0017】
素子(element)または層が他の素子または「上(うえ)(on)」または「上(じょう)(on)」と称されるのは、他の素子または層の真上だけでなく、間に他の層または他の素子を介在した場合のいずれも含む。これに対し、素子が「直に上(directly on)」または「真上」と称されるのは、間に他の素子または層を介在していないことを表す。
【0018】
空間的に相対的な用語である「下(Below、BenEAth)」、「下部(lower)」、「上(ABove)」、「上部(upper)」などは、図面に示すように、一つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために用いられることができる。空間的に相対的な用語は、図面に示されている方向に加え、使用時または動作時、素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されるべきである。例えば、図面に示されている素子を逆にした場合、他の素子の「下(Below)」または「下(Beneath)」と記述された素子は、他の素子の「上(ABove)」に位置することができる。したがって、例示的な用語である「下」は、下と上の方向のいずれも含むことができる。
【0019】
また、本発明の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(B)などの用語を用いることができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によりその構成要素の本質、順番、順序または個数などが限定されない。
【0020】
図1は、実施形態による表示装置を簡略に示す図である。
図1を参照すると、実施形態による表示装置1000は、垂直方向である第1の方向に多数の第1のラインVL1〜VLmが形成され、水平方向である第2の方向に多数の第2のラインHL1〜HLnが形成される表示パネル1100と、多数の第1のラインVL1〜VLmに第1の信号を供給する第1の駆動部1200と、多数の第2のラインHL1〜HLnに第2の信号を供給する第2の駆動部1300と、第1の駆動部1200および第2の駆動部1300を制御するタイミングコントローラ1400などを含む。
【0021】
表示パネル1100には、前記第1の方向に形成された多数の第1のラインVL1〜VLmと前記第2の方向に形成された多数の第2のラインHL1〜HLnの交差によって多数の画素(P:Pixel)が定義される。
【0022】
前述した第1の駆動部1200および第2の駆動部1300のそれぞれは、画像を表示するための信号を出力する少なくとも一つの駆動集積回路(Driver IC)を含むことができる。
【0023】
表示パネル1100に前記第1の方向に形成された多数の第1のラインVL1〜VLmは一例として、垂直方向に形成され、垂直方向の画素列にデータ電圧(第1の信号)を伝達するデータ配線であってもよく、第1の駆動部1200は、データ配線にデータ電圧を供給するデータ駆動部であってもよい。
【0024】
また、表示パネル1100に第2の方向に形成された多数の第2のラインHL1〜HLnは、水平方向に形成され、水平方向の画素列にスキャン信号(第1の信号)を伝達するゲート配線であってもよく、第2の駆動部1300は、ゲート配線にスキャン信号を供給するゲート駆動部であってもよい。
【0025】
また、第1の駆動部1200と第2の駆動1300と接続するため、表示パネル1100には、パッド部が構成される。パッド部は、第1の駆動部1200から多数の第1のラインVL1〜VLmに第1の信号を供給すると、これを表示パネル1100へ伝達され、同様に第2の駆動部1300から多数の第2のラインHL1〜HLnに第2の信号を供給すると、これを表示パネル1100へ伝達する。
【0026】
一方、本発明の画素(pixel)は、一個以上のサブピクセル(subpixel)を含む。前記サブピクセルに定義する色として、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)と選択的に白色(W)を含むことができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0027】
また、表示パネルの各サブピクセルの発光を制御する薄膜トランジスタに連結された電極を第1の電極とし、表示パネルの前面に配置され、または二個以上の画素を含むように配置される電極を第2の電極とする。前記第1の電極がアノード電極である場合、第2の電極がカソード電極となり、その逆の場合も可能である。以下、第1の電極の一実施形態としてアノード電極を、第2の電極の一実施形態としてカソード電極を中心に説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0028】
また、有機発光表示装置は、有機発光素子の構造に応じて、上部発光(Top emission)方式または下部発光(bottom emission)方式などの形態に区分することができる。後述する実施形態では、下部発光方式に対する有機発光表示装置を中心に説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0029】
また、前述したサブピクセルには単一色のカラーフィルタが配置され、または配置されない基準となる。カラーフィルタは、単一の有機発光層の色を特定の波長色に変換させる。また、それぞれのサブピクセルには、有機発光層の光取り出し効率を高めるための散乱層(light−scattering layer)が配置されることができる。前述した散乱層は、マイクロレンズアレイ(micro lens array)、ナノパターン(nano pattern)、拡散パターン(diffuse pattern)、シリカビーズ(silica bead)と命名することができる。
【0030】
以下、散乱層の実施形態としてマイクロレンズアレイを中心に説明するが、本発明に係る実施形態がこれに局限されるものではなく、光を散乱させる様々な構造が結合されることができる。
【0031】
次に、
図2を参照して、本発明の第1の実施形態による有機発光表示装置の平面図を察しみると、次の通りである。
図2は、本発明の第1の実施形態による有機発光表示装置の平面図である。
【0032】
図2を参照すると、本発明の第1の実施形態による有機発光表示装置において1個の画素(P)は、複数のサブピクセルを含む。詳しくは、1個の画素(P)は、4個のサブピクセルを含むことができる。一方、後述する本発明の実施形態では、1個の画素(P)が、4個のサブピクセルを含む構成を中心に説明するが、本発明の実施形態は、これらに局限されず、1個の画素(P)が2個ないし4個のサブピクセルを含む構成をいずれも包括することができる。
【0033】
前記複数のサブピクセルは、それぞれ発光領域EA11、EA21、EA31、EA41を含むことができる。例えば、第1のサブピクセルは、第1の発光領域EA11を含み、第2のサブピクセルは、第2の発光領域EA21を含み、第3のサブピクセルは、第3の発光領域EA31を含み、第4のサブピクセルは、第4の発光領域EA41を含む。
【0034】
このとき、第1ないし第4の発光領域EA11、EA21、EA31、EA41は、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)および白色(W)の光を発光することができるが、本発明の実施形態は、これらに局限されず、それぞれの発光領域EA11、EA21、EA31、EA41のうちの少なくとも2つの発光領域が互いに異なる色に発光される構成であれば十分である。
【0035】
一方、それぞれの発光領域EA11、EA21、EA31、EA41は、複数のマイクロレンズが配置される。それぞれの発光領域EA11、EA21、EA31、EA41に配置されるマイクロレンズの形状を同じにすることができる。このようなマイクロレンズは、有機発光素子の外部光取り出し効率を向上させることができる。複数のマイクロレンズは、オーバーコート層120の第1の凹部201および第1の凹部と隣接して配置されるもう一つの第1の凹部201との間を連結する第1の連結部202からなることができる。
【0036】
このとき、前記第1ないし第4の発光領域EA11、EA21、EA31、EA41には、同じ形状のマイクロレンズが配置されることができる。このような構成を、
図3を参照して、詳しく検討すると、次の通りである。
【0037】
図3は、本発明の第1の実施形態による有機発光表示装置のA−Bに沿って切断した断面図である。
図3を参照すると、本発明の第1の実施形態による有機発光表示装置は、第1ないし第4のサブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4を含む。
【0038】
一方、有機発光素子ELから発光された光のうち、基板100の方向に進む光の一部は、他の色を発光する隣接サブピクセルまたは隣接して配置される他の画素のマイクロレンズに到達して光漏れ現象を引き起こし得る。具体的には、表示装置がカラーフィルタを備えていないサブピクセルを含む場合、他のサブピクセルから発生した光漏れ成分がカラーフィルタを備えていないサブピクセルのマイクロレンズに到達して視認される現象が大きく発生する。特に、白色(W)のサブピクセルにカラーフィルタが配置されていない場合、他のサブピクセルで発生した光漏れ成分が白(W)のサブピクセルのマイクロレンズに到達して視聴者に光漏れ成分が視認される問題がある。
【0039】
これを解決すべく本発明に係る有機発光表示装置は、第1ないし第4のサブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4に区分される基板100上に配置される光漏れ防止層110、111、112、113を含む。詳しくは、前記第1のサブピクセルSP1上には、第1の光漏れ防止層110が配置され、第2のサブピクセルSP2には第2の光漏れ防止層111が配置され、第3のサブピクセルSP3には第3の光漏れ防止層112が配置され、第4のサブピクセルSP4には第4の光漏れ防止層113が配置される。
【0040】
第1ないし第4の光漏れ防止層110、111、112、113を含む基板100上にオーバーコート層120が配置される。前記オーバーコート層120上には、第1の電極130、有機発光層140および第2の電極150から構成される有機発光素子ELが配置される。
【0041】
このとき、前記有機発光素子ELは、発光領域EA11、EA21、EA31、EA41において外部光取り出し効率を向上させるためのマイクロレンズを備える。前記発光領域EA11、EA21、EA31、EA41は、第1の電極130の上面の一部を露出するように配置されるバンクパターン160によって定義されることができる。
【0042】
詳しくは、前記オーバーコート層120は、発光領域EA11、EA21、EA31、EA41において、複数の第1の凹部201および第1の凹部201と隣接して配置される他の第1の凹部201を連結する第1の連結部からなるマイクロレンズを備える。一方、有機発光素子ELが発光領域EA11、EA21、EA31、EA41において、マイクロレンズを備える場合、パターンの特性上、前記オーバーコート層120に形成された複数の凹部(161)によって有機発光素子ELの表面に凹とした屈曲が生じるようになる。
【0043】
一方、前記第1ないし第4の光漏れ防止層110、111、112、113は、第1ないし第4のサブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4のそれぞれの発光領域EA11、EA21、EA31、EA41と対応する領域に配置することができる。これにより、本発明の第1の実施形態による有機発光表示装置は、互いに異なるサブピクセル間の光漏れ現象を抑制することができる。ここで、第1ないし第4の光漏れ防止層110、111、112、113は、特定の波長光を透過させ、残りの波長光を吸収することができる。また、第1ないし第4の光漏れ防止層110、111、112、113のうちの少なくともいずれか一つの光漏れ防止層は、残りの光漏れ防止層よりも肉薄になることから、他の光漏れ防止層に比べて光透過率が高めることができる。
【0044】
第1ないし第4の光漏れ防止層110、111、112、113によって光漏れ現象が防止される原理を具体的に説明すると、前記有機発光素子ELの第1の電極130と、有機発光層140の屈折率は、前記基板100およびオーバーコート層120の屈折率よりも大きくなることができる。例えば、前記基板100とオーバーコート層120の屈折率は、約1.5であり、有機発光素子ELの第1の電極130および有機発光層140の屈折率は、1.7ないし2.0であってもよい。
【0045】
このとき、前記有機発光層140から発光された光800の一部は、第2の電極150によって反射され、第1の電極130方向に光経路が切り換えられ、残りの一部は、前記第1の電極130方向に出射される。すなわち、前記有機発光層140によって発光された光800のほとんどは、前記第1の電極130の方向に向かう。
【0046】
ここで、前記有機発光層140と、第1の電極130の屈折率は、ほぼ同じであるため、前記有機発光層140から発光された光800は、前記有機発光層140と第1の電極130の界面において光経路が変更されない。一方、前記第1の電極130を通過した光は、前記第1の電極130とオーバーコート層120との屈折率の差により、前記第1の電極130とオーバーコート層120の界面において、臨界角以上に入射された光は、全反射されることができる。
【0047】
このとき、前記第1の電極130とオーバーコート層120の界面において、全反射された光は、第2の電極150によって再び反射され、第2の電極150によって再び反射された光は、有機発光層140と第1の電極130を経て、前記オーバーコート層140とほぼ同じ屈折率を有する基板100を通過して前記基板100の背面に配置される偏光板(図示しない)に到達し、前記偏光板(図示しない)で再び反射され、基板100方向に経路が切り換えられる。
【0048】
一方、本発明の第1の実施形態による有機発光表示装置は、前記基板100上に配置され、それぞれの発光領域と対応する領域に、第1ないし第4の光漏れ防止層110、111、112、113が配置されることにより、全反射臨界角よりも大きい角度で進む光が隣接する他のサブピクセルまたは隣接して配置される他の画素のマイクロレンズに到達することを防止する。
【0049】
詳しくは、有機発光層140から発光した光800は、第1の電極130およびオーバーコート層120の界面で全反射が起こり、第2の電極150によって再び反射され、基板100方向に経路が切り換えられる。ここで、全反射臨界角よりも大きい角度で進む光は、前記オーバーコート層120および基板100を通過して前記基板100と偏光板(図示しない)界面で再び反射され、前記基板100の方向に光経路が切り換えられる。
【0050】
それから、基板100の方向に経路が変更された光は、再び基板100を通過して、基板100上に配置される第1ないし第4の光漏れ防止層110、111、112、113のうちのいずれかに到達する。第1ないし第4の光漏れ防止層110、111、112、113のうちのいずれかの光漏れ防止層に到達した光は、到達した光漏れ防止層によって吸収される。このように、他のサブピクセルまたは他の画素から発光された光が光漏れ防止層によって吸収されることにより、複数のマイクロレンズを含む有機発光表示装置の光漏れ現象を抑制することができる効果がある。
【0051】
一方、本実施形態による第1ないし第4の光漏れ防止層110、111、112、113は、特定の波長光を透過させ、残りの波長光を吸収することができる特性を有するため、第1ないし第4の光漏れ防止層110、111、112、113は、光漏れ成分のうち、特定の波長光は透過させ、残りの波長光は吸収することができる。例えば、第4のサブピクセルSP4に青色(B)光を透過させる第4の光漏れ防止層113が配置される場合、光漏れ成分が青色(B)光の波長を有する場合、透過させることができ、青色(B)光ではない他の波長を有する光の場合、第4の光漏れ防止層113によって吸収されることができる。この場合、第4のサブピクセルSP4には、ブルーイッシュ(Bluish)な光が発光され得、青色(B)光の効率の悪い表示装置の場合、これにより、青色(B)が補償され得る。
【0052】
また、第1ないし第4の光漏れ防止層110、111、112、113のうちの少なくとも2つの光漏れ防止層は、同じ色の光を透過させることができる。例えば、第1の光漏れ防止層110、第2の光漏れ防止層111および第3の光漏れ防止層112は、それぞれ異なる色の光を透過させて、第4の光漏れ防止層113は、第1ないし第3の光漏れ防止層110、111、112のうちの1つの光漏れ防止層と同じ色の光を透過させることができる。
【0053】
さらに説明すると、第1の光漏れ防止層110が赤色(R)光を透過させ、第2の光漏れ防止層111が緑色(G)光を透過させ、第3の光漏れ防止層112が青色(B)光を透過させる場合、第4の光漏れ防止層113は、赤色(R)、緑色(G)、または青色(B)の光のいずれかの色の光を透過させることができる。ただし、前記第4の光漏れ防止層113は、前記第1ないし第3の光漏れ防止層110、111、112よりも肉薄になることにより、赤色(R)、緑色(G)または青色(B)の光のうちのいずれか1つの色だけでなく、可視光線領域の波長への光を透過させることができる。このとき、第1ないし第3の光漏れ防止層110、111、112の特定の波長への透過率は60%以上であってもよい。また、前記第4の光漏れ防止層113の可視光線領域の波長への光の透過率は60%以上であってもよい。一方、前記第1ないし第3の光漏れ防止層110、111、112は、透過させる色の光を除き、残りの色の光は、吸収することができる。
【0054】
ここで、前記第1の光漏れ防止層110と第4の光漏れ防止層113が同じ色の光を透過させ、第2のサブピクセルSP1または第3のサブピクセルで発生した光漏れ成分が第4のサブピクセルSP4に進む場合、前記第4の光漏れ防止層113によって光漏れ成分が吸収されることにより、互いに異なるサブピクセル間、または互いに異なる画素間の光漏れ現象を防止することができる。また、第4の光漏れ防止層113の厚みが、第1ないし第3の光漏れ防止層110、111、112の厚みよりも薄く成されることにより、第4のサブピクセルSP4は、可視光線の波長領域の光の透過率が比較的高いことがある。すなわち、第4のサブピクセルSP4は、肉薄の第4の光漏れ防止層113を備えることにより、光漏れ防止および他のサブピクセルに比べて高い光透過率を同時に確保することができる。
【0055】
また、第2のサブピクセルSP2または第3のサブピクセルSP3で発生した緑色(G)または青色(B)の光漏れ成分が第4のサブピクセルSP4に進む場合、前記第4の光漏れ防止層113が緑色(G)または青色(B)の光を吸収するため、光漏れ現象を防止することができる。このとき、前記第4の光漏れ防止層113は、赤色(R)光のみを透過させることにより、第2のサブピクセルSP2または第3のサブピクセルSP3で発生した光を吸収することができる。
【0056】
また、前記第1の光漏れ防止層110は、第2のサブピクセルSP2および第3のサブピクセルSP3で発生した緑色(G)、青色(B)の光漏れ成分を吸収し、第2の光漏れ防止層111は、第1のサブピクセルSP1および第3のサブピクセルSP3で発生した赤色(R)、青色(B)の光漏れ成分を吸収し、第3の光漏れ防止層112は、第1および第2のサブピクセルで発生した赤色(R)、緑色(G)の光漏れ成分を吸収することができる。
【0057】
上述したように、第4の光漏れ防止層113が第1の光漏れ防止層110と同じ色の光を透過させる構成を例示したが、本発明の第1の実施形態による有機発光表示装置は、これに局限されず、第4の光漏れ防止層113は、第2または第3の光漏れ防止層(111、112)と同じ色の光を透過させることもできる。
【0058】
このように、他のサブピクセルまたは他の画素から発光された光が光漏れ防止層によって吸収されることにより、複数のマイクロレンズを含む有機発光表示装置の光漏れ現象を抑制することができる効果がある。
【0059】
また、前記第1ないし第4の光漏れ防止層110、111、112、113は、これに局限されず、前記第1ないし第4の光漏れ防止層110、111、112、113のうちの少なくとも1つの光漏れ防止層は、残りの他の光漏れ防止層が透過させる光の色の補色の光を透過させることができる。
【0060】
例えば、第1の光漏れ防止層110、第2の光漏れ防止層111および第3の光漏れ防止層112は、それぞれ異なる色の光を透過させて、第4の光漏れ防止層113は、第1ないし第3の光漏れ防止層110、111、112のうちの1つの光漏れ防止層の補色の色の光を透過させることができる。
【0061】
詳しくは、前記第4の光漏れ防止層113は、緑色(G)の補色の色に対応する波長光を透過させることができる。つまり、第4の光漏れ防止層113は、1931 CIE−xy素色系で(0.35、0.1)ないし(0.55、3)に該当する色の波長光を透過させることができる。
【0062】
これにより、前記第4の光漏れ防止層113は、第1ないし第3のサブピクセルSP1、SP2、SP3から発生した赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光漏れ成分を吸収することにより、互いに異なるサブピクセル間、または互いに異なる画素間の光漏れ現象を抑制することができる。特に、前記第4の光漏れ防止層113が、1931 CIE−xy素色系で(0.35、0.1)ないし(0.55、3)に該当する色の波長光を透過させることにより、1931 CIE−xy素色系で(0.35、0.1)ないし(0.55、3)に該当する色を除いた残りの色の光を吸収することにより、光漏れを最小化することができる。
【0063】
これに加え、前記第4の光漏れ防止層113が、1931 CIE−xy素色系で(0.35、0.1)ないし(0.55、3)に該当する色の波長光を透過させることにより、第4のサブピクセルSP4に配置される有機発光素子ELから発光される光の損失を抑制することができる。特に、効率の低い青色(B)光および赤色(G)光の吸収を最小化することにより、第4の光漏れ防止層113により、第4のサブピクセルSP1において、有機発光素子の光効率が劣ることを防ぐことができる。
【0064】
上述したように、本発明の第1の実施形態による有機発光表示装置の第4の光漏れ防止層113が緑色(G)の補色の色に対応する波長光を透過させる構成を例示したが、本発明の第1の実施形態による有機発光表示装置の第4の光漏れ防止層113は、これに局限されず、赤色(R)の補色または青色(B)の補色の色に対応する波長光を透過させることもできる。
【0065】
このように、本発明の第1の実施形態による有機発光表示装置は、第1ないし第4のサブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4において、それぞれの発光領域EA11、EA21、EA31、EA41と対応する領域に、第1ないし第4の光漏れ防止層110、111、112、113が配置されることにより、互いに異なるサブピクセル間、または互いに異なる画素間で発生する光漏れ現象を抑制することができる効果がある。
【0066】
また、本発明の第1の実施形態による有機発光表示装置は、第4の光漏れ防止層113が、1931 CIE−xy素色系で(0.35、0.1)ないし(0.55、3)に該当する色の波長光を透過させることにより、互いに異なるサブピクセル間、または互いに異なる画素間から発生する光漏れ現象を抑制し、かつ有機発光素子から発光される光の効率が劣るのを防止することができる効果がある。
【0067】
次に、
図4および
図5を参照して、本発明の第2の実施形態による有機発光表示装置を検討すると、次の通りである。
図4は、本発明の第2の実施形態による有機発光表示装置の平面図である。
【0068】
本発明の第2の実施形態による有機発光表示装置は、前述した実施形態と同じ構成要素を含むことができる。前述した実施形態と重複する説明は省略することができる。また、同一の構成とは同一の符号を有する。
【0069】
図4を参照すると、本発明の第2の実施形態による有機発光表示装置は、第1の実施形態による有機発光表示装置と比較したとき、少なくとも1つの発光領域に配置されるマイクロレンズの形状が異なることに差がある。
【0070】
詳しくは、第1ないし第4のサブピクセルは、それぞれ、第1の発光領域EA11、第2の発光領域EA21、第3の発光領域EA32および第4の発光領域EA41を含み、前記第1ないし第4の発光領域(EA11、EA21、EA32、EA41)のうちの少なくとも1つの発光領域に配置されるマイクロレンズの形状が異なるように形成されることができる。
【0071】
図4において、第1の発光領域EA11、第2の発光領域EA21および第4の発光領域EA41には、第1のマイクロレンズが配置され、第3の発光領域EA32には、第2のマイクロレンズが配置される。このとき、前記第1のマイクロレンズと第2のマイクロレンズは、互いに異なることができる。
【0072】
詳しくは、前記第1のマイクロレンズは、第1の凹部201および前記第1の凹部201と隣接して配置されるもう一つの第1の凹部201との間を連結する第1の連結部から構成される。また、前記第2のマイクロレンズは、第2の凹部301および前記第2の凹部301と隣接して配置されるもう一つの第2の凹部301との間を連結する第2の連結部から構成される。
【0073】
このとき、前記第1の凹部201と第2の凹部301の直径(D(Diameter))、高さ(H(Height))、半値全幅(F(Full Width Half Max))、凹部と凹部との間の離隔距離(G(Gap))、傾き(S(Slope))またはアスペクト比(A/R(Aspect Ratio))のうちの少なくともいずれかが異なることがある。一方、前記半値全幅(F)は、高さの半分の位置で二つの凹部間の長さを意味する。また、前記アスペクト比(A/R)は、凹部の高さ(H)を凹部の半径(D/2)で除した値を意味する。
【0074】
図4および
図5では、前記第2のマイクロレンズの第2の凹部301の直径D2が、前記第1のマイクロレンズの第1の凹部201の直径D1よりも小さくなる構成を開示しているが、本発明に係る第2の実施形態は、これに局限されず、前記第1の凹部201と第2の凹部301の形状が異なる構成であれば十分である。
【0075】
このような構成を
図5を参照して、詳しく検討すると、次の通りである。
図5は、本発明の第2の実施形態による有機発光表示装置のC−Dに沿って切断した断面図である。
図5を参照すると、第1の発光領域EA11、第2の発光領域EA21および第4の発光領域EA41には、同じ形状を有する第1のマイクロレンズが配置される。また、第3の発光領域EA32には、前記第1のマイクロレンズと異なる第2のマイクロレンズが配置される。
【0076】
このとき、前記第2のマイクロレンズの第2の凹部301の直径D2は、第1のマイクロレンズの第1の凹部201の直径D1よりも小さくなることができる。一方、外部光取り出し効率を向上させるためにオーバーコート層120に挿入されたマイクロレンズの凹部の形状による光経路の変化が光取り出し効率の改善への主な要因であるため、マイクロレンズの凹部の径(D)に応じて光効率が変わり得る。
【0077】
詳しくは、前記第3の発光領域EA32に配置される第2のマイクロレンズの第2の凹部301の直径D2が第1の発光領域EA11、第2の発光領域EA21および第4の発光領域EA41に配置される第1のマイクロレンズの第1の凹部201の直径D2より小さく成されることにより、第3の発光領域EA32の有機発光素子ELから発光された光が第3のマイクロレンズ構造に当たる回数が増加され得る。したがって、効率の低い有機発光素子ELが配置されたサブピクセルにおいて光取り出し効率をさらに向上させることができる効果がある。
【0078】
また、第1ないし第4のサブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4にそれぞれ第1ないし第4の光漏れ防止層110、111、112、113が配置されることにより、互いに異なるサブピクセル、または互いに異なる画素間の光漏れ現象を防止することができる効果がある。
【0079】
次に、
図6および
図7を参照して、本発明の第3の実施形態による有機発光表示装置を検討すると、次の通りである。
図6は、本発明の第3の実施形態による有機発光表示装置の平面図である。
図7は、本発明の第3の実施形態による有機発光表示装置のE−Fに沿って切断した断面図である。
【0080】
本発明の第3の実施形態による有機発光表示装置は、前で説明した実施形態と同一の構成要素を含むことができる。前述の実施形態と重複する説明は省略することができる。また、同一の構成は同一の符号を有する。
【0081】
図6および
図7を参照すると、本発明の第3の実施形態による有機発光表示装置は、1個の画素(P)に含まれる4つの発光領域EA11、EA21、EA33、EA42のうちの少なくとも1つの発光領域は、光漏れ防止層未配置領域を備えることができる。また、4つの発光領域EA11、EA21、EA33、EA42のうちの少なくとも1つの発光領域は、マイクロ未配置領域を含むことができる。
【0082】
例えば、第1の発光領域EA11および第2の発光領域EA21は、光漏れ防止層を含み、第3の発光領域EA33および第4の発光領域EA42は、光漏れ防止層を含まなくてもよい。また、第1の発光領域EA11および第2の発光領域EA21は、マイクロレンズを含み、第3の発光領域EA33および第4の発光領域EA42は、マイクロレンズを含まなくてもよい。すなわち、前記光漏れ防止層未配置領域を含む発光領域は、マイクロレンズもやはり含まなくてもよい。
【0083】
また、本発明の第3の実施形態による有機発光表示装置は、これに局限されず、光漏れ防止層を含む発光領域がマイクロレンズを含まなくてもよい。
【0084】
詳しくは、第1の発光領域EA11および第2の発光領域EA21は、それぞれ、第1の光漏れ防止層110および第2の光漏れ防止層111を備える。これに対し、第3の発光領域EA33および第4の発光領域EA42は、光漏れ防止層を備えていない。
【0085】
第1の発光領域EA11および第2の発光領域EA21において、オーバーコート層220は同じ形状のマイクロレンズを備える。また、第3の発光領域EA33および第4の発光領域EA42において、オーバーコート層220はマイクロレンズを具備しなくてもよい。
【0086】
すなわち、前記第3の発光領域EA33および第4の発光領域EA42でオーバーコート層220は、平坦になり得る。これにより、第3の発光領域EA33および第4の発光領域EA42上に配置される第1の電極230、有機発光層240および第2の電極250もやはり平坦に形成され得る。
【0087】
ここで、前記第4の発光領域EA42には、光漏れ防止層およびマイクロレンズが配置されない。このように、光漏れに最も脆弱な第4のサブピクセルSP4において、マイクロレンズを備えないことにより、異なる色を発光するサブピクセルで発生した光漏れ成分が、前記第4のサブピクセルSP4に配置されるマイクロレンズによって取り出され視認される現象を防止することができる。
【0088】
上述したように、第4のサブピクセルSP4にマイクロレンズが配置されず、光漏れ現象を防止することができるため、第4のサブピクセルSP4には、光漏れ防止層の構成を省略することができる。
【0089】
また、
図6および
図7は、第3の発光領域EA33において光漏れ防止層およびマイクロレンズが配置されない構成を開示しているが、本発明の第3の実施形態による有機発光表示装置は、これに局限さされず、第4のサブピクセルSP4だけでなく、第1ないし第3のサブピクセルSP1、SP2、SP3のうちの少なくともいずれか一つのサブピクセルに、マイクロレンズおよび光漏れ防止層を配置しないこともできる。
【0090】
これにより、第4のサブピクセルSP4だけでなく、光漏れに脆弱な他のサブピクセルにおいて、光漏れに作用する光がマイクロレンズによって外部に取り出されることを防止することができる。
【0091】
次に、
図8および
図9を参照して、本発明の第4の実施形態による有機発光表示装置を検討すると、次の通りである。
図8は、本発明の第4の実施形態による有機発光表示装置の平面図である。
図9は、本発明の第4の実施形態による有機発光表示装置のG−Hに沿って切断した断面図である。
【0092】
本発明の第4の実施形態による有機発光表示装置は、前述した実施形態と同一の構成要素を含むことができる。前述の実施形態と重複する説明は省略することができる。また、同一の構成は同一の符号を有する。
【0093】
図8および
図9を参照すると、本発明の第4の実施形態による有機発光表示装置は、本発明の第3の実施形態による有機発光表示装置と比較したとき、1個の画素(P)に含まれる複数の発光領域EA12、EA21、EA33、EA42のうちの少なくとも2つの発光領域にマイクロレンズが配置される。このとき、少なくとも1つの発光領域に配置されるマイクロレンズの形状が互いに異なる発光領域に配置されるマイクロレンズの形状とは異なることに差がある。
【0094】
詳しくは、第1ないし第4のサブピクセルは、それぞれ第1の発光領域EA11、第2の発光領域EA21、第3の発光領域EA33および第4の発光領域EA42を含み、前記第1ないし第4の発光領域EA12、EA21、EA33、EA42のうちの少なくとも2つの発光領域にマイクロレンズが配置され、前記2つの発光領域に配置されるマイクロレンズの形状は、互いに異なることができる。そして、少なくとも1つの発光領域には、光漏れ防止層およびマイクロレンズが配置されないようにすることができる。
【0095】
例えば、第1の発光領域EA12には、第2のマイクロレンズが配置され、第2の発光領域EA21には、第1のマイクロレンズが配置され、第3の発光領域EA33および第4の発光領域EA42には、マイクロレンズが配置されなくてもよい。このとき、前記第1のマイクロレンズと第2のマイクロレンズの形状は異なることができる。
【0096】
詳しくは、第1の発光領域EA12に配置される第2のマイクロレンズの第2の凹部301の直径D2は、第1のマイクロレンズの第1の凹部201の直径D1より大きくなることができる。したがって、前記第2のマイクロレンズを有する第1の発光領域EA12は、第1のマイクロレンズを有する第2の発光領域EA21より単位面積当たり含まれるマイクロレンズの数が多いことがある。
【0097】
このように、第2の発光領域EA21よりも低い効率の有機発光素子が配置される第1の発光領域EA12において、より多くの数のマイクロレンズを備えることにより、有機発光素子330、340、350から発光された光が、マイクロレンズに当たる確率が高くなり、これにより、第1の発光領域EA12における発光効率が増し、消費電力を下げることができる効果がある。
【0098】
次に、
図10および
図11を参照して、本発明の第5の実施形態による有機発光表示装置を検討すると、次の通りである。
図10は、本発明の第5の実施形態による有機発光表示装置の平面図である。
図11は、本発明の第5の実施形態による有機発光表示装置のI−Jに沿って切断した断面図である。
【0099】
本発明の第5の実施形態による有機発光表示装置は、前述した実施形態と同一の構成要素を含むことができる。前述の実施形態と重複する説明は省略することができる。また、同一の構成には同一の符号を有する。
【0100】
図10および
図11を参照すると、本発明の第5の実施形態による有機発光表示装置は、1個の画素(P)に含まれる複数の発光領域EA12、EA21、EA34、EA42のうちの少なくとも3つの発光領域でオーバーコート層420にマイクロレンズが形成される
【0101】
このとき、少なくとも1つの発光領域に配置されるマイクロレンズの形状は、残りの発光領域に配置されるマイクロレンズと形状が異なってなされることができる。また、少なくとも1つの発光領域に配置されるマイクロレンズの形状は、残りの発光領域に配置されるマイクロレンズのうちのいずれかひとつの発光領域に配置されるマイクロレンズとその形状が同じようになされることができる。
【0102】
また、1個の画素(P)に含まれる複数の発光領域EA12、EA21、EA34、EA42のマイクロレンズが配置された発光領域を除いた残りの発光領域には、マイクロレンズが配置されてなくてもよい。
【0103】
例えば、前記第1の発光領域EA12、第2の発光領域EA21および第3の発光領域EA34には、それぞれのマイクロレンズが配置されることができる。また、第4の発光領域EA42には、マイクロレンズが配置されないようにすることができる。
【0104】
ここで、前記第1の発光領域EA12、第2の発光領域EA21および第3の発光領域EA34には、それぞれ、第2のマイクロレンズ、第1のマイクロレンズおよび第3のマイクロレンズが配置されることができる。このとき、第1ないし第3のマイクロレンズの形状は、それぞれ異なることができる。
【0105】
詳しくは、前記第1のマイクロレンズの第1の凹部201の直径D1は、第2のマイクロレンズの第2の凹部301の直径D2よりも大きく、第2のマイクロレンズの第2の凹部301の直径D2は、第3のマイクロレンズの第3の凹部401の直径D3より大きくなることができる。
【0106】
したがって、前記第3の発光領域EA34の単位面積当たり配置されるマイクロレンズの数が第2の発光領域EA21の単位面積当たり配置されるマイクロレンズの数よりも多く、第2の発光領域EA21で単位面積当たりに配置されるマイクロレンズの数が第1発光領域EA12の単位面積当たりに配置されるマイクロレンズの数よりも多くてもよい。
【0107】
これにより、前記第3の発光領域EA34の有機発光素子430、440、450から発光された光が、マイクロレンズに当たり得る確率は、第1の発光領域EA12および第2の発光領域EA21でより高くなり、第1の発光領域EA12において有機発光素子430、440、450から発光された光が、マイクロレンズに当たり得る確率は、第2の発光領域EA21よりも高くなる。
【0108】
すなわち、本発明の第5の実施形態による有機発光表示装置は、各発光領域に配置される有機発光素子の効率に応じて、マイクロレンズの形状が異なることにより、発光領域単位で光の効率を向上させることができる効果がある。
【0109】
また、
図10および
図11においては、第1のマイクロレンズ、第2のマイクロレンズおよび第3のマイクロレンズの第1の凹部201、第2の凹部301および第3の凹部401の直径が互いに異なる構成を示したが、本発明はこれに局限されず、直径、高さ、半値全幅、凹部と凹部との間の離隔距離、傾きまたはアスペクト比のうちの少なくともいずれかが異なる構成であれば十分である。
【0110】
次に、
図12および
図13を参照して、本発明の第6の実施形態による有機発光表示装置を検討すると、次の通りである。
図12は、本発明の第6の実施形態による有機発光表示装置の平面図である。
図13は、本発明の第6の実施形態による有機発光表示装置のK−Lに沿って切断した断面図である。
【0111】
本発明の第6の実施形態による有機発光表示装置は、前述した実施形態と同一の構成要素を含むことができる。前述の実施形態と重複する説明は省略することができる。また、同一の構成には同一の符号を有する。
【0112】
図12および
図13を参照すると、本発明の第6の実施形態による有機発光表示装置は、1個の画素(P)に含まれる複数の発光領域EA11、EA22、EA31、EA41のうち、第1の発光領域EA11、第3の発光領域EA31および第4の発光領域EA41にそれぞれマイクロレンズが配置され、第2の発光領域EA22には、マイクロレンズが配置されなくてもよい。
【0113】
このとき、それぞれの発光領域EA11、EA22、EA31、EA41と対応する領域において、基板100上に第1の光漏れ防止層110、第2の光漏れ防止層111、第3の光漏れ防止層112および第4の光漏れ防止層113が配置されることができる。
【0114】
前記第2の発光領域EA22に緑色(G)を発光する有機発光素子530、540、550が配置される場合、第2の発光領域EA22より発光効率が低下する第1の発光領域EA11、第3の発光領域EA31および第4の発光領域EA41に複数のマイクロレンズが配置されることにより、光効率を向上させることができる効果がある。
【0115】
次に、
図14および
図15を参照して、本発明の第6の実施形態による有機発光表示装置を検討すると、次の通りである。
図14は、本発明の第7の実施形態による有機発光表示装置の平面図である。
図15は、本発明の第7の実施形態による有機発光表示装置のM−Nに沿って切断した断面図である。
【0116】
本発明の第7の実施形態による有機発光表示装置は、前述した実施形態と同一の構成要素を含むことができる。前述の実施形態と重複する説明は省略することができる。また、同一の構成は同一の符号を有する。
【0117】
まず、
図14を参照すると、本発明の第7の実施形態による有機発光表示装置は、1個の画素(P)に含まれる複数の発光領域EA11、EA22、EA31、EA43にそれぞれマイクロレンズが配置される。また、1個の画素(P)に含まれるサブピクセルには、マイクロレンズを備えるオーバーコート層320の下部に光漏れ防止層が配置されることができる。
【0118】
一方、1個の画素(P)にて少なくとも1個のサブピクセルに配置される光漏れ防止層は、残りの他のサブピクセルに配置される光漏れ防止層の材料と他の材料からなることができる。これにより、特定のサブピクセルの反射率を低減させ、光漏れ現象を緩和させることができる。
【0119】
このような構成を
図15を参照して、検討すると、次の通りである。
図15を参照すると、本発明の第7の実施形態による有機発光表示装置は、1個の画素に含まれる複数のサブピクセルのうちの少なくとも1個のサブピクセルに配置される第4の光漏れ防止層210は、光を反射させる物質からなることができる。また、1個の画素に含まれる複数のサブピクセルのうち、残りのサブピクセルに配置される第1ないし第3の光漏れ防止層110、111、112は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光のうちのいずれかの色の光を透過させることができる。
【0120】
具体的には、有機発光表示装置の基板100上に絶縁層200が配置される。また、絶縁層200上には、各サブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4の発光領域EA11、EA21、EA1、EA43と対応する領域に、第1ないし第3の光漏れ防止層110、111、112、210が配置される。このとき、第1のサブピクセルから第3のサブピクセルSP1、SP2、SP3のそれぞれに配置される第1ないし第3の光漏れ防止層110、111、112は、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光のいずれかの色の光を透過させることができる。また、第4のサブピクセルSP4に配置される第4の光漏れ防止層210は、光を反射させることができる。
【0121】
一方、第4のサブピクセルSP4に配置される第4の光漏れ防止層210は、少なくとも2層以上からなることができる。具体的には、第4のサブピクセルSP3に配置される第4の光漏れ防止層210は、絶縁層200上に配置される第1の金属層211と第1の金属層211上に配置される第2の金属層212を含む。ここで、絶縁層200は、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiNx)などの無機絶縁層であってもよいが、本実施形態がこれに局限されるものではない。
【0122】
上述したように、第4のサブピクセルSP4に、少なくとも2層以上の金属層からなる第4の光漏れ防止層210が配置されることにより、第4のサブピクセルSP4を除いた残りのサブピクセルで発生する光漏れ成分が第1の金属層211または第2の金属層212によって反射され、基板100の方向に経路が切り換えられ、基板100の下部に配置された偏光板(図示しない)に到達することができる。
【0123】
ここで、第1の金属層211または第2の金属層212によって反射され、経路が切り換えられた光漏れ成分の光軸は、偏光板(図示しない)の光軸とは異に切り換えられ、基板100の外部に取り出されず、表示装置内に閉じ込められる。すなわち、第1の金属層211または第2の金属層212によって経路が切り換えられた光漏れ成分を表示装置内に閉じ込めておくことにより、視聴者に光漏れが視認されないことがある。
【0124】
言い換えれば、第4のサブピクセルSP4に第4の光漏れ防止層210が配置されていない場合、異なるサブピクセルで発生した光漏れ成分が基板100と偏光板(図示しない)の境界で、経路が切り換えられ、第4のサブピクセルSP4のマイクロレンズに光が到達することができる。このとき、マイクロレンズに到達した光は、マイクロレンズによって取り出され、基板100外に出射されて光漏れ現象を引き起こし得る。すなわち、マイクロレンズに到達した光の光軸は、マイクロレンズによって偏光板(図示しない)の光軸と同じであってもよく、これにより、基板100外に取り出され、視聴者に光漏れが視認されることができる。
【0125】
また、基板100の外部から入射される外光850が第4のサブピクセルSP4に入射される場合、外光850が第1の金属層211または第2の金属層212によって反射され、外光850の経路が第1の基板100の方向に再び切り換えられることができる。一方、外光850が第1金属層211または第2の金属層212によって反射される過程で、外光850の光軸が変わるようになるため、基板100背面に配置された偏光板(図示しない)を通過しないようになる。したがって、外光850が表示装置の外部に漏れないように、外光850反射率を低くすることができる効果がある。
【0126】
第1の金属層211は、負の値の誘電率(permittivity)を有する物質からなることができる。また、第1の金属層211の誘電率の絶対値は、絶縁層200の誘電率の絶対値よりも大きくてもよい。
【0127】
第1の金属層211は、負の値の誘電率を有し、かつ誘電率の絶対値が絶縁層200の誘電率の絶対値よりも大きいアルカリ土類金属からなることができるが、本実施形態による第1の金属層211の物質がこれに局限されるものではない。例えば、第1の金属層211は、負の値の誘電率を有するベリリウム(Be)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、ラジウム(Ra)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)またはマグネシウム(Mg)のうちの少なくともいずれか一つからなることができる。
【0128】
第1の金属層211上には金属物質からなる第2の金属層212が配置される。このとき、第2の金属層212は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)または金(Au)の少なくともいずれか一つからなることができる。
【0129】
一方、絶縁層と誘電率が高い金属層の境界に光が入射される場合、金属層によって入射された光が吸収されることにより、また、非発光プラズモンモードによりほとんどの光が失われることにより、透過率が低下することがある。ここで、非発光プラズモンモードとは、反射板の役割をする金属層の表面から金属の表面電子の振動と有機発光素子から発光光の波長の干渉による損失と金属層が有する吸収が含まれて現れるモードである。すなわち、絶縁層と反射板の役割をする金属層が接するように配置される場合、絶縁層と金属層の界面で光が失われて透過率が低くなる現象が発生する。
【0130】
これに対し、第4のサブピクセルSP4においては絶縁層200と第2の金属層212との間に負の値の誘電率を有し、誘電率の絶対値が絶縁層200の誘電率の絶対値より大きい第1の金属層211が配置されることにより、損失する光量を減らし、第4のサブピクセルSP4の透過率を向上させることができる。したがって、有機発光素子ELから発光された光が、第1の金属層211と第2の金属層212から構成される第4の光漏れ防止層210を透過して基板100の外部に取り出され得る。
【0131】
具体的には、第1の金属層211が負の誘電率を有することによって、第1の金属層211の屈折率は、負の値を有することができる。より具体的には、屈折率は誘電率(permittivity)と透磁率(permeability)の積の平方根で表すことができるが、第1の金属層211の誘電率が負の値なので、第1の金属層211の屈折率もやはり音の値であってもよい。
【0132】
一方、負の屈折率を有する物質は、入射される光を反射させたり吸収せず、光を透過させる。また、第1の金属層211と第2の金属層212の厚みを非常に薄くすることができる。例えば、第1の金属層211と第2の金属層212の厚みは、1nmないし30nmの厚みからなることができる。このように、第1の金属層211と第2の金属層212の厚みが薄くなることによって、第4の光漏れ防止層210の透過率を向上させることができる。
【0133】
有機発光素子ELから発光された光がオーバーコート層320を経て、第4の光漏れ防止層210の第2の金属層212に到達する場合、一部の光は、第2の金属層212によって反射されるが、残りの一部の光は、第2の金属層212を透過して、第1の金属層211に到達する。また、第1の金属層211は、上述したように、光を反射させたり吸収せず、光が第1の金属層211を透過して、第1の基板100の外部に取り出すことができる。
【0134】
すなわち、第4のサブピクセルSP4に基板100上に配置される絶縁層200、絶縁層200上に配置される第1の金属層211および第2の金属層212を通じて、光漏れ成分および反射率を低減し、有機発光素子ELから発光される光透過率を向上させることができる効果がある。
【0135】
一方、第4のサブピクセルSP4に配置される絶縁層200および第4の光漏れ防止層210の配置構造は、上述した構造に限定されない。
【0136】
図16を参照して、もう一つの実施形態による第4のサブピクセルの絶縁層および第4の光漏れ防止層の配置構造を検討すると、次の通りである。
図16は、もう一つの実施形態による第4のサブピクセルの絶縁層および第4の光漏れ防止層の配置構造を示す図である。
【0137】
図16を参照すると、もう一つの実施形態による表示装置は、第1ないし第3のサブピクセルSP1、SP2、SP3には、基板100上に絶縁層300層が配置され、絶縁層300上に第1ないし第3の光漏れ防止層110、111、112が配置される。
【0138】
第1ないし第3のサブピクセルSP1、SP2、SP3のそれぞれに配置される第1ないし第3の光漏れ防止層110、111、112上にマイクロレンズを備えるオーバーコート層420が配置される。また、オーバーコート層420上には第1の電極430、有機発光層440および第2の電極450を具備する有機発光素子ELが配置される。
【0139】
また、第4のサブピクセルSP4には、基板100上に第4の光漏れ防止層310が配置される。このとき、第4の光漏れ防止層310は、第3の金属層311および第4の金属層312を含む。第4の金属層312上には第1ないし第3のサブピクセルSP1、SP2、SP3に配置された絶縁層300と一体になる絶縁層300が配置される。すなわち、第4のサブピクセルSP4に配置される絶縁層300を形成するのに工程を追加せずに、第1ないし第3のサブピクセルSP1、SP2、SP3に絶縁層300を形成する工程で同時に形成することができる。
【0140】
第4のサブピクセルSP4の絶縁層300上にはマイクロレンズが備えられたオーバーコート層420が配置され、オーバーコート層420上には第1の電極430、有機発光層440および第2の電極450を具備する有機発光素子ELが配置される。ここで、第1ないし第4のサブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4に配置された第1の電極430、有機発光層440および第2の電極450は、オーバーコート層420に備えられたマイクロレンズの形態学(morphology)に従う形状であってもよい。
【0141】
一方、第4のサブピクセルSP4に配置される第3の金属層311および第4の金属層312は、それぞれ、少なくとも1層以上からなることができる。また、第3の金属層311は、金属物質からなることができる。例えば、第3の金属層311は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)または金(Au)のうちの少なくともいずれか一つからなることができる。
【0142】
また、第4の金属層312は、負の値の誘電率を有するとともに誘電率の絶対値が絶縁層300の誘電率の絶対値より大きいアルカリ土類金属からなることができるが、本実施形態による第4の金属層312の物質がこれに局限されるものではない。例えば、第4の金属層312は、負の値の誘電率を有するベリリウム(Be)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、ラジウム(Ra)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)またはマグネシウム(Mg)のうちの少なくともいずれか一つからなることができる。
【0143】
また、第30の金属層311と第4の金属層312の厚みを非常に薄くすることができる。例えば、第3の金属層311と第4の金属層312の厚みは、1nmないし30nmの厚みからなることができる。このように、第3の金属層311と第4の金属層312の厚みが薄くなることにより、第4の光漏れ防止層310の透過率を向上させることができる。
【0144】
上述したように、第4のサブピクセルSP4において基板100上に配置される第3の金属層311、第3の金属層311上に配置される第4の金属層312および第4の金属層312上に配置される絶縁層300を介して、光漏れ成分および反射率を低減し、有機発光素子ELから発光される光透過率を向上させることができる効果がある。
【0145】
すなわち、本実施形態による有機発光表示装置は、少なくとも1個のサブピクセルに配置される光漏れ防止層が少なくとも2層の金属層からなり、負の値の誘電率を有するとともに誘電率の絶対値が絶縁層の絶対値よりも大きい物質からなる金属層が絶縁層と反射率の高い金属層との間に配置される構成であれば十分である。
【0146】
次に、本実施形態および比較例による有機発光表示装置の反射率低減の効果を検討すると、次の通りである。
図17は、本実施形態および比較例による有機発光表示装置の反射率低減の効果を示すグラフである。
【0147】
図17を参照して、有機発光表示装置に光漏れ防止層に反射率の高い金属層のみが配置される場合(比較例)と負の値の誘電率を有するとともに誘電率の絶対値が光漏れ防止層と接して配置される絶縁層の誘電率の絶対値よりも大きい金属層および反射率が大きい金属層が積層された光漏れ防止層(実施形態)が、有機発光表示装置に適用されたときの反射率を比較すると、次の通りである。
【0148】
図17のx軸は、外光が有機発光表示装置に入射される角度を意味し、y軸は、有機発光表示装置の反射率を意味する。一方、
図17で、反射率の高い金属層は、銀(Ag)を用い、負の値の誘電率を有するとともに誘電率の絶対値が光漏れ防止層と接して配置される絶縁層の誘電率の絶対値よりも大きい金属層は、カルシウム(Ca)を使用した。
【0149】
マイクロレンズが適用された有機発光表示装置の場合、外光が高い角度で入射されたとき(例えば、40度以上の角度)、マイクロレンズにより、外光が拡散し、視聴者に視認される問題がある。したがって、上述した実施形態のように、有機発光表示装置に入射される外光の光軸を光漏れ防止層などを利用して変更することにより、表示装置の外部に漏れることを防止する必要がある。
【0150】
しかし、
図17に示すように、有機発光表示装置に高角度(40度以上の角度)で外光が入射される場合、銀(Ag)だけからなる光漏れ防止層が5nmと10nmが適用された比較例に係る有機発光表示装置は、外光を5%ないし30%程度だけ反射させることがわかる。すなわち、表示装置に入射された外光の光軸が偏光板の光軸と異なる比率が5%ないし30%に過ぎないことがわかる。
【0151】
これに対し、カルシウム(Ca)と銀(Ag)がそれぞれ5nmないし10 nmが積層された光漏れ防止層を備えた有機発光表示装置は、高角度で入射された外光を50%ないし80%反射させることを知ることができる。すなわち、表示装置に入射された外光の光軸が偏光板の光軸と異なる比率が50%ないし80%であることを知ることができる。
【0152】
このように、実施形態による有機発光表示装置において、光漏れ防止層を介して反射される外光の量が比較例に係る有機発光表示装置において光漏れ防止層を介して反射される外光の量よりも多いことを知ることができる。すなわち、実施形態による有機発光表示装置に適用された光漏れ防止層を介して反射される外光の量が多いことにより、外光の光軸が偏光板の光軸と異ならして表示装置の外部に漏れる光量が減るため、外光反射率を下げることができる効果がある。
【0153】
上述したように、本発明の実施形態による有機発光表示装置は、複数のサブピクセルのうちの少なくとも1個のサブピクセルにおいて発光領域と対応する領域に配置される光漏れ防止層を含むことにより、互いに異なるサブピクセル間、または異なる画素間で発生する光漏れ現象を抑制し、かつ有機発光素子から発光される光の効率が劣るのを防止することができる効果がある。
【0154】
また、本発明の実施形態による有機発光表示装置は、複数のサブピクセルから構成される画素において、互いに異なるマイクロレンズを含むサブピクセルを備えたり、マイクロレンズ未配置のサブピクセルを備えすることにより、サブピクセル毎に光取り出し効率を調節することができ、光漏れ現象を防止することができる。
【0155】
上述した実施形態で説明した特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれ、必ずしも一つの実施形態のみに限定されるものではない。さらに、各実施形態にて例示された特徴、構造、効果などは、実施形態が属する分野の通常の知識を有する者によってもう一つの実施形態にも組み合わせまたは変形されて実施可能である。したがって、これらの組み合わせと変形に係る内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【0156】
また、以上で実施形態を中心に説明したが、これは単なる例示に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明が属する分野の通常の知識を有する者であれば、本実施形態の本質的な特性を逸脱しない範囲で今までに例示していないいくつかの変形と応用が可能であることを知ることができるだろう。例えば、実施形態に具体的に示された各構成要素は、変形して実施することができるものである。