(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6487911
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】アクチュエータシステム
(51)【国際特許分類】
H02K 23/66 20060101AFI20190311BHJP
F16H 25/20 20060101ALI20190311BHJP
H02K 11/026 20160101ALI20190311BHJP
H02K 7/06 20060101ALI20190311BHJP
【FI】
H02K23/66 A
F16H25/20 Z
H02K11/026
H02K7/06 A
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-522276(P2016-522276)
(86)(22)【出願日】2014年7月4日
(65)【公表番号】特表2016-527854(P2016-527854A)
(43)【公表日】2016年9月8日
(86)【国際出願番号】DK2014000037
(87)【国際公開番号】WO2015000484
(87)【国際公開日】20150108
【審査請求日】2017年6月15日
(31)【優先権主張番号】PA201300408
(32)【優先日】2013年7月4日
(33)【優先権主張国】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】594167956
【氏名又は名称】リナック エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100161274
【弁理士】
【氏名又は名称】土居 史明
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】バストルム、イェッペ クリスチャン
【審査官】
田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭50−049606(JP,U)
【文献】
国際公開第2013/004232(WO,A1)
【文献】
特開2006−287335(JP,A)
【文献】
特開2001−268852(JP,A)
【文献】
特開2002−198235(JP,A)
【文献】
特開平06−224059(JP,A)
【文献】
特開2008−005666(JP,A)
【文献】
米国特許第8552615(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/00−11/40,23/00−23/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モータ、トランスミッション、前記トランスミッションを介して前記電気モータに連結されたスピンドル、当該スピンドルに設けられたスピンドルナット、を含む、少なくとも1つの電動リニアアクチュエータと、
操作ユニットを備える電気コントローラと、
第1のインダクタンス及び2つのコンデンサを含んで構成される、前記電気モータの第1の電気的ノイズ減衰のための第1回路と、
前記電気モータの第1の電気的ノイズ減衰のための前記第1回路と前記電気コントローラとの間に配置されており、第2のインダクタンス及びコンデンサを含んで構成される、前記電気モータの第2の電気的ノイズ減衰のための第2回路と、を含むアクチュエータシステムであって、
前記アクチュエータシステムはコイルを含んでおり、前記第1のインダクタンス及び前記第2のインダクタンスは、それぞれ、前記コイルの第1セクション及び第2セクションを構成しており、
前記電気モータは、電気的に互いに反対側の第1端子および第2端子を含み、前記第1端子から前記第2端子には前記電気モータを作動する電流が流れ、前記第1端子から前記第2端子に向かう電流経路のうち、前記第1のインダクタンスを介さない電流経路は、前記電気モータを介する電流経路のみである、アクチュエータシステム。
【請求項2】
前記コイルはタップを備えており、前記タップは、前記コイルを前記第1セクションと前記第2セクションとに分割する共有の中間点である、請求項1に記載のアクチュエータシステム。
【請求項3】
前記コイルは、一本の繋がった巻き線によって構成されている、請求項2に記載のアクチュエータシステム。
【請求項4】
ユニットとしての前記コイルは、1つの磁心を備えている、請求項2に記載のアクチュエータシステム。
【請求項5】
前記コイルは、前記2つのセクションのそれぞれに個別に磁心を備えている、請求項2に記載のアクチュエータシステム。
【請求項6】
前記磁心は、フェライトを含む材料によって形成されている、請求項4に記載のアクチュエータシステム。
【請求項7】
前記電気モータの電気的ノイズ減衰のための前記第1回路及び第2回路の前記コイルは、前記電気モータのハウジング内に配置されているか、あるいは、前記電気モータの端子に取り付けられている、請求項2に記載のアクチュエータシステム。
【請求項8】
前記電気モータの電気的ノイズ減衰のための前記第1回路及び第2回路の前記コイルは、前記アクチュエータのハウジング内に配置されている、請求項2に記載のアクチュエータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータシステムに関する。当該アクチュエータシステムは、少なくとも1つのハウジング及び少なくとも1つの電動リニアアクチュエータを含み、当該電動リニアアクチュエータは、電気モータ、トランスミッション、及び、トランスミッションを介して電気モータに連結されたスピンドルを有し、スピンドルにはスピンドルナットが取り付けられている。アクチュエータシステムは、さらに、操作ユニットを備える電気コントローラと、第1のインダクタンス及び少なくとも1つのコンデンサを含んで構成される、電気モータの第1の電気的ノイズ減衰のための第1回路と、電気モータの第1の電気的ノイズ減衰のための第1回路と電気コントローラとの間に配置されており、第2のインダクタンスを含んで構成される、モータの第2の電気的ノイズ減衰のための第2回路と、を含む。
【背景技術】
【0002】
電動リニアアクチュエータを有するアクチュエータシステムは、調節式テーブル、調節式ベッド、及び、調節式椅子などの調節式家具の分野で広く用いられている。電動リニアアクチュエータは、他の多くの工業製品にも用いられており、これらの製品においては、可動型機械部品を調節するための電動リニアアクチュエータが、機械式構造体に適宜組み込まれている。
【0003】
製造業者は、電動リニアアクチュエータ及びコントローラを備える完成済みのアクチュエータシステムを購入し、対象とする製品に組み込むことができる。この場合、アクチュエータに特有の課題についてはアクチュエータの製造業者がすでに考慮しているため、このような課題に注意を払うことなく製品自体に集中できるという利点がある。特に考慮されているのは、規制法的要件の対象である、電気的及び磁気的ノイズの低減である。ノイズの発生は、主として、直流モータの使用に関係している。直流モータでは、電機子のコイルに電気的に接続された整流子のブラシが、モータの作動中、トルクを発生させるために、電機子コイルへの電力供給を連続的に切り替える。整流中のコイルの誘電作用によって電気的ノイズが発生し、これが制御装置に戻り伝播する。
【0004】
しかし、市場では、製造業者が、電動リニアアクチュエータを別個に購入し、これを自社の制御装置に接続して、当該制御装置から電動リニアアクチュエータを直接制御及び駆動することを望む傾向がある。これによれば、明らかに費用面で有利である上に、構造をより単純化することができる。
【0005】
しかしながら、義務化されたノイズ減衰に関連して、新たな問題が発生している。この問題は、アクチュエータの製造業者が、アクチュエータにノイズ減衰手段を組み込んでも存在する。これは、顧客がどのようにアクチュエータを制御したいかに応じて、電動アクチュエータのノイズ減衰回路の設計を異なるものとしなければならことに起因する。
【0006】
最も一般的なDCモータのノイズ減衰は、整流子とDCモータの端子との間にインダクタンスを直列に挿入接続することによって行われ、これによって、ノイズが制御装置に戻り伝播することが効果的に防止される。また、コンデンサを端子に対して並列に設けて制御装置に接続することによって、整流によって生成される高周波ノイズのエネルギーをコンデンサが効果的に吸収することができる。これらのコンデンサは、端子の1つを介して、モータのハウジングに接続される。
【0007】
DCモータのこのノイズ減衰方法は、DCモータへの電力供給をオンオフするスイッチを直接操作することによって、例えばバッテリや電源などの制御されたDC電源から、モータを直接駆動する場合には問題はない。
【0008】
例えばスイッチモードのコントローラを用いて、エネルギー効率及び速度制御の面で有利である、作動電圧のパルス幅変調によってモータを制御することを希望する場合、ノイズ減衰は、DCモータの制御を複雑化する。コンデンサが存在するため、スイッチング中には、コンデンサの充電及び放電のための大電流が流れることになる。通常、スイッチとして、典型的にはFETタイプのものなどのトランジスタが使用されるが、これらは、開状態の時には、オン抵抗が小さい。スイッチが閉状態の時は、オン抵抗は大きい。ただし、オン状態とオフ状態との切り替え速度は、スイッチ損失、すなわち、トランジスタのオンオフ切り替えの際にトランジスタ内でどれだけの電力が消散されるか、に重大な影響を及ぼし、電流が大きいほどスイッチ損失が大きい。パルス幅変調の周波数を大きくすると、言うまでもなく、スイッチ損失はこれに応じて大きくなる。換言すれば、ノイズ減衰コンデンサは、スイッチング中に大きなエネルギー損失を引き起こし、これは、モータ作動電圧のパルス幅変調を用いることによって顧客が得ようとした利点を相殺してしまう。また、スイッチモードのコントローラにおけるトランジスタが、損傷することなく高いピーク電流に対応できることが求められている。
【0009】
これは、スイッチモードコントローラの出力段に、スイッチ電流を減衰するインダクタンスを挿入することによって、解決することができる。しかし、そのようなインダクタンスを挿入すると、その構造の価格が上昇する。また、製造業者は、その組み込み作業を自身で行わなければならなくなる。あるいは、アクチュエータの製造業者が、様々な構成のアクチュエータを提供することもできるが、この場合、顧客は、所望の制御形態に合う構成を能動的に選択しなければならない。
【0010】
従って、顧客が希望する態様の、アクチュエータのDCモータに対する電力供給及び制御に合致するノイズ減衰手段を、アクチュエータが具備するようにすることは、物流の面で困難であるとともに、アクチュエータの製造業者及び顧客の双方に多大なコストがかかる。不十分又は不適切なノイズ減衰手段を備えるアクチュエータを顧客が選択してしまうことによって、エラー修正などに関して不利益が生じるおそれがある。
【発明の概要】
【0011】
本発明の目的は、上述した問題に対する解決策を提供することであり、すなわち、モータのDC作動ならびにパルス幅変調作動の両方に用いることができる、電動リニアアクチュエータにおけるDCモータのノイズ減衰回路を提供することである。また、よりコンパクトで、価格を大きく上昇させない解決策が望まれており、可能であれば、より安価あるいは妥当な価格の解決策が望まれている。
【0012】
本発明によれば、これは、アクチュエータシステムを請求項1に述べたように設計することによって達成することができる。すなわち、コイルを備え、第1のインダクタンス及び第2のインダクタンスが、それぞれ、コイルの第1セクション及び第2セクションを構成する。
【0013】
より具体的には、アクチュエータシステムは、少なくとも1つのハウジング及び少なくとも1つの電動リニアアクチュエータを含み、当該電動リニアアクチュエータは、電気モータ、トランスミッション、及び、トランスミッションを介して電気モータに連結されたスピンドルを有し、スピンドルにはスピンドルナットが取り付けられている。アクチュエータシステムは、さらに、操作ユニットを備える電気コントローラと、第1のインダクタンス及び2つのコンデンサを含んで構成される、電気モータの第1の電気的ノイズ減衰のための第1回路と、電気モータの第1の電気的ノイズ減衰のための第1回路と電気コントローラとの間に配置されており、第2のインダクタンス及びコンデンサを含んで構成される、第2の電気的ノイズ減衰のための第2回路と、を含む。第1のインダクタンス及び第2のインダクタンスは、それぞれ、コイルの第1セクション及び第2セクションを構成している。
【0014】
本発明による構成は、このように、電気モータ及びアクチュエータの外部に位置していた(通常はコントローラ内に配置されていた)コンポーネントを移動させて、これを電気モータと共にモータのハウジング内に位置するコンポーネントと組み合わせることによって、コンパクトな構成を実現している。組み合わされたコンポーネントの価格は、モータのハウジング内にもともと位置していたコンポーネントよりわずかに高いだけなので、この構成は費用効率がよい。一体化された2つのコンポーネントは、同じ性質のものではあるが、互いに異なる目的で設けられ、構造体において大きく異なる効果をもたらすため、この組み合わせは自明ではない。
【0015】
ワイヤの太さ及びコイル巻線の材料の選択次第では、巻線は、自己支持型の機械構造を構成することができ、従って、支持手段を必要としない。ただし、場合によっては、電気モータのハウジングが、取り付け及び作動の間コイルを保持するための手段を備えることにより、短絡が回避されるよう導電体を互いに離間配置する構成としてもよい。
【0016】
巻線の導体が、コイルが自己支持型の機械構造を構成しないような材料で形成されている、あるいはそのような寸法である場合、巻線を1つの同じ巻型に巻回すればよい。
【0017】
第1のノイズ減衰用と第2のノイズ減衰用のコイルが同じ巻型に巻回されているという点で、よりコンパクトなデザインを実現できる。多くの場合、場所を取るのは、コイル上の巻線というよりはむしろ巻型であるためである。この構成によれば、巻型にかかる費用を減らすこともできる。
【0018】
巻回機は、コイルの2つのセクションを1回の工程サイクルで巻回することができ、このことによっても費用を削減することができる。この実施形態においては、2つの巻線を電気的に接続させずに、両巻線を独立させてもよい。
【0019】
コイルの第1セクションと第2セクションとを、コイルを2つのセクションに分割する共有の中間点としてのタップを有する、一本の繋がった巻線として巻回することによって、さらに費用を削減することができる。
【0020】
コイルは、ユニットとして、又は、2つのセクションのそれぞれに個別に、フェライトを含む材料を含んで構成された磁心を備えてもよい。これによって、コイルのインダクタンスが向上するため、物理的により小さなコイルによっても必要なノイズ減衰を実現することができ、このことは、デザインをよりコンパクトにするとともにコストが削減されるという利点をもたらす。
【0021】
解決策の構造はコンパクトであるため、モータの電気的ノイズ減衰用のための第1及び第2回路のコイル及び追加コンポーネントは、適宜、モータのハウジング内に配置されるか、あるいはモータの端子に取り付けられる。
【0022】
別の実施形態において、モータの電気的ノイズ減衰のための第1及び第2回路のコイル及び追加コンポーネントは、コントローラ内に配置される。この実施形態においても、電気アクチュエータ内のノイズ対策のされていないモータ(non-silenced)からの電気的ノイズは十分に減衰される。
【0023】
さらなる実施形態において、モータの電気的ノイズ減衰のための第1及び第2回路のコイル及び追加コンポーネントは、アクチュエータのハウジング内に配置される。電動アクチュエータは、印刷回路基板を備えており、当該基板にディスクリート電気コンポーネントが実装されている。この印刷回路基板に、モータの電気的ノイズ減衰のためのコンポーネントを備える構成とすることもできる。さらに別の実施形態においては、コンポーネントを、電気モータに接続されたケーブル接続部に配置するか、あるいは、モータへのプラグ接続用ソケットに直接取り付ける。
【0024】
一実施形態においては、電気的ノイズ減衰のための第1及び第2回路のコイル及び追加コンポーネントは、別体のハウジングに配置される。当該ハウジングは、適当なプラグ接続部を備え、これが電動アクチュエータのモータとコントローラとの間に挿入される構成とすることができる。当該ハウジングは、貫通するケーブル接続部を備え、これが、適当なプラグ接続部とともに電動アクチュエータのモータとコントローラとの間に挿入される構成とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明によるリニア電動アクチュエータシステムを、添付図面を参照して以下により詳細に説明する。
【
図1】第1の実施形態におけるアクチュエータシステムを有する病院用又は介護用ベッドの概略図である。
【
図2】別の実施形態におけるアクチュエータシステムを有する病院用又は介護用ベッドの概略図である。
【
図3】
図1に示したベッドにおけるアクチュエータシステムのブロック図である。
【
図5】モータのハウジング及び外管のそれぞれの一部を取り除いた状態の、
図4のリニアアクチュエータを示す図である。
【
図6】コントローラの出力段用の、モータの電気的ノイズ減衰のための構成を示す図である。
【
図7】
図6に従った電気的ノイズ減衰のコンポーネントの写真である。
【
図8】
図6に従った電気的ノイズ減衰のためのコンポーネントが見えるよう分解されたモータを示す。
【
図9】
図8と同じ写真における、電気的ノイズ減衰のためのコンポーネントの位置が目立つようにスケッチした図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、駆動輪2をそなえた下側フレーム3及び上側フレーム4を有する病院用ベッド1を示している。上側フレーム4は、マットレス(図示せず)用の調節可能な支持面5を備えている。支持面5は、背もたれ部6、関節動式足乗せ部7、及び、これらの間の固定中間部8を有する。背もたれ部及び足乗せ部6、7は、支持面9が様々な形状となるように、それぞれ、アクチュエータ9、10によって調節することができる。上側フレーム4は、各端部にあるリンク機構11、12によって下側フレーム2に連結されている。上側フレーム4は、リンク機構11、12に連結された一対のアクチュエータ13、14によって、昇降可能となっている。すべてのアクチュエータ9、10、13、14は、コントローラ19(
図3参照)を含む制御ボックス15に連結されている。制御ボックス15は、主電源に接続することができ、たとえば電源回路を含むこともできる。制御ボックス15は、さらに充電式電池パックを含むこともできる。
【0027】
制御ボックス15には接続ボックス16が連結されており、当該接続ボックスは、1つ又は複数の操作ユニット、例えば、手持ち式コントローラ17、ベッドのヘッドボード部に組み込まれた操作パネル18、ならびにその他の周辺機器など、を接続するためのものである。アクチュエータ9、10、13、14、制御ボックス15及び操作ユニット17、18を含んで組み付けられたシステムは、アクチュエータシステムとして知られている。なお、一実施形態において、操作ユニット17、18を制御ボックス15に直接接続することもできる。アクチュエータシステムのこのような実施形態は、接続ボックスを含まない。
【0028】
図2は、
図1のベッドとは異なる実施形態の病院用及び介護用ベッド20の概略図である。この実施形態では、下側フレーム3と上側フレーム4とは、リンク機構によって連結されておらず、代わりに、昇降支柱21、22として設計された2つのリニアアクチュエータを介して連結されている。
【0029】
図3は、
図1のベッドにおけるアクチュエータシステムのブロック図を示している。
【0030】
図4は、前提的構成要件であるピストンロッドを含むタイプであり、従ってリニアアクチュエータ9、10、13、14と同じタイプのリニアアクチュエータ23を示している。ピストンロッドは、内管とも呼ばれている。リニアアクチュエータ23は、外管25及びモータハウジング26を含んでいる。リニアアクチュエータ23は、内管24の外側端部に設けられた前方取り付け部27、及び、モータハウジング36に設けられた後方取り付け部28をさらに含んでいる。
【0031】
図5は、
図4におけるリニアアクチュエータを示しており、モータハウジング26及び外管25のそれぞれの一部を取り除いた状態を示している。リニアアクチュエータ23の主要構成要素は、スピンドルナット30が設けられたスピンドル29によって構成されるスピンドルユニットを含む。スピンドルナット30は、回転しないように固定することができる。内管24は、スピンドルナット30に固定されており、スピンドル29の回転方向に応じて、外管25に対して出入動する。スピンドル29は、トランスミッションを介して、可逆電気モータ31によって駆動される。トランスミッションは、電気モータのドライブシャフトの延長線上に配置されたウォーム(worm)、ならびに、スピンドル29に固定されたウォーム歯車32を含む。さらに、ベアリング33が、スピンドル29に固定されている。ベアリング33は、例えば、ボールベアリング又はローラーベアリングとすることができる。
【0032】
図4及び
図5には、リニアアクチュエータ23の主要なコンポーネントのみを示している。従って、リニアアクチュエータ23は、制動装置、追加のベアリング、クイックリリース機構などをさらに備える場合がある。
【0033】
図6は、コントローラの出力段のための、電気モータの電気的ノイズ減衰回路を示す図面である。FETトランジスタ34、35として示す、コントローラの出力段は、作動電圧のパルス幅変調に適したスイッチモードコントローラである。換言すれば、これらのトランジスタは、スイッチとして機能し、完全な開状態か完全な閉状態のいずれかとなる。スイッチモードコントローラを採用することで、エネルギー効率及び速度制御の面で利点が得られる。トランジスタ35が閉の状態でトランジスタ34を起動すると、電流がインダクタンス36に流れ、さらにインダクタンス37に流れて電気モータ31を作動させ、さらに、インダクタンス38及び39に流れる。トランジスタ35が閉の状態でトランジスタ34を切ってもなお、インダクタンスによって電流が流れる。この電流は、短時間一定であると考えることができる。従って、トランジスタ34、35の開閉時間を変更することによって、エネルギー効率のよい電気モータの速度制御を行うことができる。整流、電磁的接続、及びスイッチモードコントローラが電気的ノイズを生成するため、電気モータに対しては必ず電気的ノイズ減衰を行わなければならない。ノイズは、インダクタンス36、39及びインダクタンス37、38の共有の中間点に挿入されたコンデンサ40によって減衰することができる。インダクタンス36、39が挿入されているが、これは、コンデンサ40がトランジスタ34、35に並列に接続されているために非常に高いピーク電流が流れるのを防止するためである。高いピーク電流が流れる場合、大電流を扱うトランジスタに多大な能力が求められる。また、トランジスタ34、35の抵抗がスイッチ損失となるため、大量の電力がトランジスタにおいて消散される。さらに、コンデンサ41、42が挿入されているが、これらは、モータのハウジングに対する電気モータのノイズを効率的に減衰する。インダクタンス36、39;37、38は単一のコイルであり、通常なら、これらのうち、コイル37、38は電気モータのハウジング内に配置され、コイル36、39は、電気モータの出力段に接続されて配置される。図からすぐにわかるように、コイル36、37及びコイル38、39は、共有の中間点43、44を有する。このように、本発明による2つのコイル36、37及び38、39は、タップを備える一本のコイルとして巻回することができ、タップにコンデンサ40、41、42が接続される。これによってシンプルな構造を実現でき、組み付けられたコンポーネント36、37及び38、39の原価は、1つの単一のコイル36、37、38、39の価格よりわずかに高いだけである。また、この構成は、電気モータの効果的なノイズ減衰を実現し、DCコントローラとスイッチモードコントローラの両方について用いることができるため、顧客及び製造業者は、異なるタイプの電気的ノイズ減衰のバリエーションの中から選択したり、ノイズ減衰手段を自身で設計したりする必要がなくなる。
【0034】
図7は、
図6の図面に従った電気的ノイズ減衰のコンポーネントの写真である。コイル36、37及びコイル38、39は、それぞれ、タップ43、44を有する一本の繋がったコイルとして巻回されている。このように、タップ43は、コイルのセクション36と37との間に位置しており、タップ44は、コイルのセクション38と39との間に位置している。ブラシ45、46は、コイル36、37及びコイル38、39の一端に接続されている。コンデンサ40は、タップ43及び44に接続されている。コンデンサ41、42のそれぞれの供給ラインのうちの一方がタップ43、44に接続されている。コンデンサ41、42のそれぞれの供給ラインのうちの他方は、
図7には何かに接続されているものとして図示していないが、
図6に示すように、モータのハウジングに接続されるようになっている。
【0035】
図8及び
図9は、むき出しにした状態で、
図6による電気的ノイズ減衰に焦点をあてたモータの写真である。ここでは、電気的ノイズ減衰手段は、モータのブラシホルダー47に接続して配置されている。従って、モータのハウジングは示されていない。
図9では、コイル36、37及びコイル38、39ならびにコンデンサ40、41、42が、位置が目立つようにスケッチされている。背後には、電機子48及びモータシャフト49が見えている。コイル36、37及びコイル38、39は、一本の繋がったコイルとして巻回され、共通の中間点43、44としての中央タップをそれぞれ備えており、これにコンデンサ40、41、42が接続されている。これによれば、コイルを1つの工程サイクルで形成することができるので、実用的であるとともに費用の面で有利である。