(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御モジュール(14)は、デジタル・ビーム形成を使用して、前記第2のビーム・パターン(18)を形成するように動作可能であり、あるいは前記トランシーバ・モジュール(12)は、アナログ・ビーム形成を使用して、前記第1のビーム・パターン(16)と、前記第2のビーム・パターン(18)とを形成するように動作可能であり、前記制御モジュール(14)は、前記トランシーバ・モジュール(12)においてビーム・パターンを選択するように動作可能である、請求項1に記載の装置。
モバイル通信システムのモバイル・トランシーバ(200)において動作可能な装置(20)であって、複数のアンテナ(25)に対するインターフェースを備えているトランシーバ・モジュール(22)及び制御モジュール(24)を備え、
前記制御モジュール(24)が、
前記複数のアンテナ(25)に基づいて、複数のサブセクタを含むビーム・パターンの第1の組(26)を決定し、
前記トランシーバ・モジュール(22)を使用して、且つ、ビーム・パターンの前記第1の組(26)からの第1のビーム・パターンを用いて、同期信号を基地局トランシーバ(100)から受信し、
前記複数のアンテナ(25)に基づいて、ビーム・パターンの前記第1の組(26)よりも多くのビーム・パターンを含むビーム・パターンの第2の組(28)を決定し、
前記同期信号に基づいて、ランダム・アクセス・プリアンブルの送信のための無線リソースに関連した情報を決定し、且つ、
前記トランシーバ・モジュール(22)及び前記同期信号に基づいて決定される前記無線リソースを使用して、ビーム・パターンの前記第2の組(28)からの第2のビーム・パターンを使用して、ランダム・アクセス・プリアンブルを前記基地局トランシーバ(100)に対して送信する、
ように動作可能であり、
前記モバイル・トランシーバ(200)は、
ダウンリンク測定結果から最良のサブセクタを決定し、且つ、
アップリンクにおけるサブセクタ固有のランダム・アクセス・プリアンブルを用いてその選択を示す、
ように構成されている、装置(20)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
いくつかの簡単化が、以下の概要の中でなされている可能性があり、この概要は、様々な例示の実施形態のいくつかの態様を強調し、また導入することを意図しているが、そのような簡単化は、本発明の範囲を限定することを意図してはいない。当業者が、本発明の概念を作り、また使用することを可能にするために十分である好ましい例示の実施形態についての詳細な説明が、以下の節において、続いているであろう。
【0007】
様々な実施形態は、基地局トランシーバについての装置、方法、およびコンピュータ・プログラムと、モバイル・トランシーバについての装置、方法、およびコンピュータ・プログラムとを提供している。実施形態は、ユーザ特有のビーム形成されたリンクをセットアップする基地局トランシーバにより、モバイル・トランシーバの獲得のための効率的な概念を提供することができる。実施形態は、ミリメートル−波アクセス・システムにおいて効率的な獲得を提供することができ、このミリメートル−波アクセス・システムは、限られたBF利得に起因してクリティカルと考えられることもあり、この限られたBF利得は、そのような獲得の始めに使用可能である可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態は、ある装置を提供しており、この装置は、モバイル通信システムの基地局トランシーバの中で、動作可能である。本装置は、トランシーバ・モジュールを備えており、このトランシーバ・モジュールは、複数のアンテナに対するインターフェースを備えており、これらのアンテナは、送信アンテナおよび/または受信アンテナに対応している可能性がある。トランシーバ・モジュールは、それらのインターフェースを使用して、それら複数のアンテナを複数のサブグループへと細分するように動作可能である。トランシーバ・モジュールは、さらに、サブグループのうちの1つまたは複数のアンテナを使用して、第1のビーム・パターンを形成するように動作可能である。本装置は、制御モジュールをさらに備えており、この制御モジュールは、トランシーバ・モジュールと、第1のビーム・パターンとを使用して、同期信号を送信するように動作可能である。制御モジュールは、さらに、トランシーバ・モジュールを使用して、モバイル・トランシーバから同期信号の送信の後に、応答信号を受信するように動作可能である。制御モジュールは、さらに、モバイル・トランシーバからの応答信号に基づいて、第2のビーム・パターンを決定するように動作可能であり、また制御モジュールは、第2のビーム・パターンと、トランシーバ・モジュールとを使用してモバイル・トランシーバに対して信号を送信するように動作可能である。第2のビーム・パターンは、第1のビーム・パターンよりも高いアンテナ利得を有している。例えば、第2のビーム・パターンは、第1のビーム・パターンよりもより多くのアンテナを使用することができる。
【0009】
実施形態は、基地局トランシーバが、モバイル・トランシーバからの同期信号に対する応答の受信の後に、BF利得を増大させることを可能にすることができる。言い換えれば、基地局トランシーバは、低減されたBF利得を使用して、モバイル・トランシーバから応答信号を受信し、またより高い利得BFを前記応答に基づいたものにすることができる。
【0010】
いくつかの実施形態においては、アンテナは、基地局トランシーバのセクタを対象として含む個別のビーム・パターンを使用することができる。第1のビーム・パターンは、セクタのうちのサブセクタに対応している可能性がある。制御モジュールは、アンテナの個別のビーム・パターン、または第1のビーム・パターンを使用して、同期信号を送信するように動作可能とすることができる。言い換えれば、いくつかの実施形態においては、同期信号は、セクタ、またはセクタの中のサブセクタの形で送信されることもある。いくつかの実施形態は、サブセクタ化を使用したモバイル・トランシーバからの同期信号および/またはその応答についてBF利得を活用することを可能にすることができる。いくつかの実施形態は、モバイル・トランシーバが、同期信号による異なるサブセクタを区別することができるように、異なるサブセクタにおいて異なる同期信号を使用することができる。次には、モバイル・トランシーバは、基地局トランシーバが、どのサブセクタの同期信号が、応答を搬送する無線リソースからモバイル・トランシーバによって受信されたかを決定することができるように、例えば、サブセクタ特有の無線リソースの上で、応答表示を送信することにより、異なる応答信号を使用することができる。実施形態は、効率的なサブセクタ検出を可能にすることができる。
【0011】
いくつかの実施形態においては、制御モジュールは、アンテナの個別のビーム・パターンを使用して同期信号を送信するように動作可能とすることができ、例えば、同期信号は、全体のセクタを通して送信されることもある。例えば、サブセクタは、少なくとも何らかのBF利得が、応答信号のために実現されることもあるように、モバイル・トランシーバから応答信号を受信するために使用されることもある。いくつかの実施形態においては、アンテナは、基地局トランシーバのセクタを対象として含む個別のビーム・パターンを使用することができる。トランシーバ・モジュールは、セクタを対象として含むサブセクタを含むビーム・パターンの第1の組を形成するように動作可能とすることができ、また第1のビーム・パターンは、そのようなサブセクタに対応している可能性がある。
【0012】
いくつかの実施形態においては、制御モジュールは、セクタの複数のサブセクタについての同期信号を送信するように動作可能とすることができる。追加として、または代わりに、制御モジュールは、ビーム・パターンの第1の組からサブセクタを決定するように動作可能とすることもでき、ビーム・パターンのこの第1の組は、モバイル・トランシーバの応答信号の最高の受信信号品質を提供する。制御モジュールは、第1のビーム・パターンとして、最高の受信信号品質を有するサブセクタを選択するように動作可能とすることができる。言い換えれば、制御モジュールは、サブセクタの組をスキャンして、応答信号についての最高の受信信号品質を有するサブセクタを決定することができ、このサブセクタは、次いで、第1のビーム・パターンとして選択されることもある。実施形態は、効率的なサブセクタ決定を可能にすることができる。
【0013】
制御モジュールは、第1のビーム・パターンを使用して、モバイル・トランシーバからのランダム・アクセス・プリアンブル信号を受信するように動作可能とすることができる。制御モジュールは、さらに、第1のビーム・パターンを使用して、ランダム・アクセス応答をモバイル・トランシーバに対して送信し、またモバイル・トランシーバからパイロット信号を受信するように動作可能とすることができる。制御モジュールは、さらに、パイロット信号に基づいて、第2のビーム・パターンを決定し、また第2のビーム・パターンを使用して、後続の信号を送信するように動作可能とすることができる。それゆえに、いくつかの実施形態においては、モバイル・トランシーバによって送信され、また基地局において受信されるパイロット信号または基準信号を使用して、第2のビーム・パターンを決定することができる。
【0014】
いくつかの実施形態においては、制御モジュールは、第1のビーム・パターンを使用して、モバイル・トランシーバからの1つまたは複数のランダム・アクセス・プリアンブル信号を受信するように動作可能とすることができる。制御モジュールは、1つまたは複数のランダム・アクセス・プリアンブル信号に基づいて、第2のビーム・パターンを決定し、また第2のビーム・パターンを使用してランダム・アクセス応答をモバイル・トランシーバに対して送信するように動作可能とすることができる。それゆえに、いくつかの実施形態においては、モバイル・トランシーバによって送信され、また基地局において受信されるランダム・アクセス・プリアンブル信号を使用して、第2のビーム・パターンを決定することができ、この第2のビーム・パターンは、次いで、モバイル・トランシーバに対してランダム・アクセス応答を送信するために使用される可能性がある。
【0015】
トランシーバ・モジュールは、いくつかのさらなる実施形態において、アナログBFを使用して、第1のビーム・パターンを形成するように動作可能とすることができ、また制御モジュールは、デジタルBFを使用して、第2のビーム・パターンを形成するように動作可能とすることができる。実施形態は、アナログBFと、デジタルBFとの効率的な組合せを可能にすることができる。いくつかの実施形態においては、トランシーバ・モジュールは、アナログBFを使用して、第1のビーム・パターンと、第2のビーム・パターンとを形成するように動作可能とすることができる。制御モジュールは、トランシーバ・モジュールにおいて、ビーム・パターンを選択するように動作可能とすることができる。実施形態は、それゆえに、アナログBFの効率的な利用を可能にすることができる。
【0016】
制御モジュールは、その後に、ますます狭くなるビーム・パターンを評価することにより、第2のビーム・パターンを繰り返して決定するように動作可能とすることができる。言い換えれば、制御モジュールは、より広いビーム・パターンの組から、1つのより広いビーム・パターンを最初に選択するように動作可能とすることができ、また次いで、以前に選択された、より広いビーム・パターンの内部で、より狭いビーム・パターンを選択することができる。その後に、制御モジュールは、より狭いビーム・パターンの内部で、より狭くさえあるビーム・パターンを選択することができ、以下同様である。実施形態は、階層的ビーム・パターン選択と、効率的なビーム選択とを可能にすることができる。
【0017】
いくつかの実施形態においては、制御モジュールは、同期信号に対する第1の所定のタイム・スロットにおいて、トランシーバ・モジュールを使用して、モバイル・トランシーバから同期信号に対する応答信号を受信するように動作可能とすることができる。制御モジュールは、第1のタイム・スロットとは異なる第2の所定のタイム・スロットにおいて、トランシーバ・モジュールを使用して、モバイル・トランシーバに特有の制御データを送信するように動作可能とすることができる。実施形態は、時分割多重化されたやり方で、例えば、時分割二重化システムにおいて、効率的な獲得を可能とすることができる。
【0018】
実施形態は、さらに、ある装置を提供しており、この装置は、モバイル通信システムのモバイル・トランシーバにおいて、動作可能である。モバイル・トランシーバは、ビーム形成を実行するように動作可能である。モバイル・トランシーバ装置は、トランシーバ・モジュールを備えており、このトランシーバ・モジュールは、複数のアンテナに対するインターフェースを備えており、これらのアンテナは、送信アンテナおよび/または受信アンテナに対応している可能性がある。モバイル・トランシーバ装置は、制御モジュールを備えており、この制御モジュールは、複数のアンテナに基づいて、ビーム・パターンの第1の組を決定するように動作可能である。制御モジュールは、さらに、トランシーバ・モジュールを使用して、ビーム・パターンの第1の組からの第1のビーム・パターンを使用した信号を、基地局トランシーバから受信するように動作可能である。制御モジュールは、さらに、複数のアンテナに基づいて、ビーム・パターンの第2の組を決定するように動作可能である。ビーム・パターンの第2の組は、ビーム・パターンの第1の組よりもより多くのビーム・パターンを含んでいる。制御モジュールは、さらに、第2のビーム・パターンを使用して、またトランシーバ・モジュールを使用して、基地局トランシーバに対して信号を送信するように動作可能である。実施形態は、モバイル・トランシーバにおいて、効率的なBFを可能にすることができる。
【0019】
いくつかの実施形態においては、制御モジュールは、基地局トランシーバからの信号として同期信号を受信し、またその同期信号に基づいて、ランダム・アクセス・プリアンブルの送信のために、無線リソースに関連した情報を決定するように動作可能とすることができる。制御モジュールは、さらに、同期信号に基づいて決定される無線リソースを使用して、ランダム・アクセス・プリアンブルを基地局トランシーバに対して送信するように動作可能とすることができる。
【0020】
上記に沿って、いくつかの実施形態においては、制御モジュールは、トランシーバ・モジュールを使用して、ビーム・パターンの第1の組からの第1のビーム・パターンを使用した、基地局トランシーバからの信号として、同期信号を受信するように動作可能とすることができる。制御モジュールは、さらに、第2のビーム・パターンを使用して、またトランシーバ・モジュールを使用して、ランダム・アクセス・プリアンブルを基地局トランシーバに対して送信するように動作可能とすることができる。いくつかの実施形態においては、制御モジュールは、トランシーバ・モジュールを使用して、ビーム・パターンの第1の組からの第1のビーム・パターンを使用した、基地局トランシーバからの信号として同期信号を受信し、また第1のビーム・パターンを使用して、またトランシーバ・モジュールを使用して、ランダム・アクセス・プリアンブルを基地局トランシーバに対して送信するように動作可能とすることができる。制御モジュールは、さらに、第1のビーム・パターンを使用して、またトランシーバ・モジュールを使用して、ランダム・アクセス応答を受信し、また第2のビーム・パターンを使用して、またトランシーバ・モジュールを使用して、パイロット信号を送信するように動作可能とすることができる。
【0021】
実施形態は、さらに、モバイル通信システムの基地局トランシーバのための方法を提供している。本方法は、複数のアンテナを複数のサブグループへと細分するステップと、サブグループのうちの1つまたは複数のアンテナを使用して、第1のビーム・パターンを形成するステップとを含む。本方法は、第1のビーム・パターンを使用して、同期信号を送信するステップと、トランシーバ・モジュールを使用して、モバイル・トランシーバから同期信号の送信の後に応答信号を受信するステップとをさらに含む。本方法は、モバイル・トランシーバからの応答信号に基づいて、第2のビーム・パターンを決定するステップと、第2のビーム・パターンを使用して、モバイル・トランシーバに対して信号を送信するステップとをさらに含む。第2のビーム・パターンは、第1のビーム・パターンよりも高いアンテナ利得を有している。
【0022】
実施形態は、さらに、モバイル通信システムのモバイル・トランシーバのための方法を提供している。本方法は、複数の送信アンテナおよび/または受信アンテナに基づいて、ビーム・パターンの第1の組を決定するステップと、ビーム・パターンの第1の組からの第1のビーム・パターンを使用した信号を、基地局トランシーバから受信するステップとを含む。本方法は、複数のアンテナに基づいて、ビーム・パターンの第2の組を決定するステップをさらに含む。ビーム・パターンの第2の組は、ビーム・パターンの第1の組よりも多くのビーム・パターンを含んでいる。本方法は、第2のビーム・パターンを使用して信号を基地局トランシーバに対して送信するステップをさらに含む。
【0023】
実施形態は、コンピュータ・プログラムが、コンピュータ、プロセッサ、またはプログラマブル・ハードウェア・コンポーネントの上で実行されるときに、さらに、1つまたは複数の上記で説明された方法を実行するためのプログラム・コードを有するコンピュータ・プログラムを提供している。さらなる一実施形態は、コンピュータ、プロセッサ、またはプログラマブル・ハードウェア・コンポーネントによって実行されるときに、コンピュータに、本明細書において説明される方法のうちの1つを実装するようにさせる命令を記憶するコンピュータ読み取り可能ストレージ媒体である。
【0024】
いくつかの他の特徴または態様は、例だけとして、装置、もしくは方法、またはコンピュータ・プログラム、あるいはコンピュータ・プログラム製品についての以下の非限定的な実施形態を使用して、また添付の図面を参照して説明されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0026】
様々な例示の実施形態は、次に、いくつかの例示の実施形態が示される添付の図面を参照してより十分に説明されるであろう。図面の中で、線、層、または領域の厚さは、明確にするために、誇張されることもある。
【0027】
それに応じて、例示の実施形態は、様々な修正形態、および代替的な形態とすることができるが、その実施形態は、図面の中で例として示されており、また本明細書において、詳細に説明されるであろう。しかしながら、例示の実施形態を開示される特定の形態だけに限定する意図はないが、反対に、例示の実施形態は、本発明の範囲内に含まれるすべての修正形態と、同等形態と、代替形態とを対象として含むべきであることを理解すべきである。同様な番号は、図面の説明全体を通して、同様な要素、または類似した要素を指す。
【0028】
本明細書において使用される場合、用語「論理和(or)」は、それ以外の方法(例えば、「排他的論理和(or else)」または「代替的な形の論理和(or in the alternative)」)で示されていない限り、非排他的論理和(non−exclusive or)のことを指す。さらに、本明細書において使用される場合、複数の要素の間の関係を説明するために使用される単語は、それ以外の方法で示されていない限り、直接の関係、または介在する要素の存在を含むように、広く解釈されるべきである。例えば、ある要素が、別の要素に対して、「接続され」ている、または「結合され」ていると称されるときに、その要素は、他の要素に対して直接に接続され、または結合されることもあり、あるいは介在する要素が、存在していてもよい。対照的に、ある要素が、別の要素に、「直接に接続され」ている、または「直接に結合され」ていると称されるときには、介在する要素は、存在していない。同様に、「間に(between)」、「隣接して(adjacent)」などの単語は、同様なやり方で、解釈されるべきである。
【0029】
本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけであり、例示の実施形態について限定することを意図してはいない。本明細書において使用される場合、単数形の形式「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が、明らかにそうでない場合を示していない限り、同様に複数形の形式を含むことを意図している。用語「備える/含む(comprises)」、「備えている/含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、または「含んでいる(including)」は、本明細書において使用されるときに、述べられた機能、整数、ステップ、オペレーション、要素、またはコンポーネントの存在を指定するが、1つまたは複数の他の機能、整数、ステップ、オペレーション、要素、コンポーネント、またはそれらのグループの存在もしくは追加を除外するものではないことが、さらに理解されるであろう。
【0030】
それ以外の方法で規定されていない限り、本明細書において使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、例示の実施形態が属する当業者によって一般的に理解されるような同じ意味を有している。用語、例えば、一般的に使用される辞書の中で規定されるこれらの用語は、関連のある技術の文脈でそれらの意味と整合している意味を有するように解釈されるべきであり、また本明細書において明示的にそのように規定されていない限り、理想化された意味で、または過度に形式的な意味で解釈されることにはならないことが、さらに理解されるであろう。
【0031】
以下では、基地局トランシーバと、モバイル・トランシーバとのための装置、方法、およびコンピュータ・プログラムについてのいくつかの実施形態が、説明されるであろう。
図1は、基地局トランシーバ100についての装置10の一実施形態のブロック図を示すものである。言い換えれば、装置10は、基地局トランシーバ100に適応させられることもあり、または基地局トランシーバ100の中で動作可能とすることができ、装置10は、基地局トランシーバ100の中で動作させられ、または基地局トランシーバ100に含まれることもある。実施形態はまた、装置10を備えている基地局トランシーバ100を提供することもできる。
図1は、さらに、装置10を備えている基地局トランシーバ100の一実施形態(破線)を示すものである。基地局トランシーバ100は、モバイル通信システムの中で、動作することができる。言い換えれば、基地局トランシーバ100と、その装置10とは、それぞれ、モバイル通信システムに準拠するように、適合させられ、動作可能であり、または構成されている可能性がある。
【0032】
モバイル通信システムは、例えば、第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP:Third Generation Partnership Project)で標準化されたモバイル通信ネットワークのうちの1つに対応している可能性があり、ここで、モバイル通信システムという用語は、モバイル通信ネットワークに対する同義語として使用される。モバイル通信システムまたはワイヤレス通信システムは、例えば、ロング・ターム・エボリューション(LTE:Long−Term Evolution)、LTE進化型(LTE−A:LTE−Advanced)、高速パケット・アクセス(HSPA:High Speed Packet Access)、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunication System)またはUMTS地上波無線アクセス・ネットワーク(UTRAN:UMTS Terrestrial Radio Access Network)、進化型−UTRAN(e−UTRAN:evolved−UTRAN)、移動通信用グローバル・システム(GSM:Global System for Mobile communication)またはGSMエボリューションのための拡張データ・レート(EDGE:Enhanced Data rates for GSM Evolution)ネットワーク、GSM/EDGE無線アクセス・ネットワーク(GERAN:GSM/EDGE Radio Access Network)、あるいは異なる規格を有するモバイル通信ネットワーク、例えば、マイクロ波アクセスのためのワールドワイド・インターオペラビリティ(WIMAX:Worldwide Interoperability for Microwave Access)ネットワーク IEEE 802.16またはワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN:Wireless Local Area Network) IEEE 802.11、一般には、直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA:Time Division Multiple Access)ネットワーク、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)ネットワーク、広帯域−CDMA(WCDMA:Wideband−CDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA:Frequency Division Multiple Access)ネットワーク、空間分割多元接続(SDMA:Spatial Division Multiple Access)ネットワークなどに対応している可能性がある。
【0033】
基地局トランシーバは、1つまたは複数のアクティブなモバイル・トランシーバと通信するように動作可能とすることができ、また基地局トランシーバは、別の基地局トランシーバの、例えば、マクロ・セル基地局トランシーバまたはスモール・セル・基地局トランシーバのカバレッジ・エリアの中に、またはカバレッジ・エリアに隣接して位置していることができる。それゆえに、実施形態は、1つまたは複数のモバイル・トランシーバと、1つまたは複数の基地局トランシーバとを備えているモバイル通信システムを提供することができ、そこでは、基地局トランシーバは、例えば、ピコ・セル、メトロ・セル、またはフェムト・セルとして、マクロ・セルまたはスモール・セルを確立することができる。モバイル・トランシーバは、スマートフォン、セル電話、ユーザ機器、ラップトップ、ノートブック、パーソナル・コンピュータ、携帯型個人情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、ユニバーサル・シリアル・バス(USB:Universal Serial Bus)−スティック、自動車などに対応している可能性がある。モバイル・トランシーバはまた、3GPP専門用語に沿って、ユーザ機器(UE:User Equipment)またはモバイルと称されることもある。
【0034】
基地局トランシーバは、ネットワークまたはシステムの固定部分または静止部分の中に位置している可能性がある。基地局トランシーバは、リモート無線ヘッド、送信ポイント、アクセス・ポイント、マクロ・セル、スモール・セル、マイクロ・セル、フェムト・セル、メトロ・セルなどに対応している可能性がある。基地局トランシーバは、有線ネットワークのワイヤレス・インターフェースとすることができ、このワイヤレス・インターフェースは、UEまたはモバイル・トランシーバに対する無線信号の送信を可能にしている。そのような無線信号は、例えば、3GPPによって標準化されるような、または一般に、1つまたは複数の上記でリストアップされたシステムと沿うように、無線信号に準拠している可能性がある。したがって、基地局トランシーバは、ノードB(NodeB)、eノードB、基地トランシーバ局(BTS:Base Transceiver Station)、アクセス・ポイント、リモート無線ヘッド、送信ポイントなどに対応している可能性があり、これらは、さらに、リモート・ユニットと、中央ユニットとにさらに細分されることもある。
【0035】
モバイル・トランシーバは、基地局トランシーバまたはセルに関連づけられ、キャンプさせられ、あるいは登録される可能性がある。セルという用語は、基地局トランシーバ、例えば、ノードB(NB)、eノードB(eNB)、リモート無線ヘッド、送信ポイントなどによって提供される無線サービスのカバレッジ・エリアのことを意味している。基地局トランシーバは、1つまたは複数の周波数レイヤの上で、1つまたは複数のセルを動作させることができ、いくつかの実施形態においては、セルは、セクタに対応している可能性がある。例えば、セクタは、セクタ・アンテナを使用して、達成される可能性があり、これらのセクタ・アンテナは、リモート・ユニットまたは基地局トランシーバの周囲の角度セクションを対象として含むための特性を提供する。いくつかの実施形態においては、基地局トランシーバは、例えば、120°(3つのセルの場合)、60°(6つのセルの場合)のセクタをそれぞれ対象として含む、3つのセル、または6つのセルを動作させることができる。基地局トランシーバは、複数のセクタ化されたアンテナを動作させることができる。以下では、セルは、そのセルを生成する、それに応じた基地局トランシーバを表すことができ、あるいは同様にして、基地局トランシーバは、基地局トランシーバが生成するセルを表すことができる。
【0036】
言い換えれば、実施形態においては、モバイル通信システムは、HetNetに対応している可能性があり、このHetNetは、異なるセル・タイプ、すなわち、閉鎖的加入者グループ(CSG:Closed Subscriber Group)セルおよびオープン・セルと、異なるサイズのセルとを、例えば、マクロ・セルおよびスモール・セルとして利用しており、ここで、スモール・セルのカバレッジ・エリアは、マクロ・セルのカバレッジ・エリアよりも小さい。スモール・セルは、メトロ・セル、マイクロ・セル、ピコ・セル、フェムト・セルなどに対応している可能性がある。そのようなセルは、それらのカバレッジ・エリアがそれらの送信電力と干渉状態とによって決定される基地局トランシーバによって確立される。いくつかの実施形態においては、スモール・セルのカバレッジ・エリアは、別の基地局トランシーバによって確立される、マクロ・セルのカバレッジ・エリアによって少なくとも部分的に周囲を取り囲まれる可能性がある。スモール・セルは、ネットワークの容量を拡張するように展開される可能性がある。メトロ・セルは、それゆえに、それを使用して、マクロ・セルよりも小さなエリアを対象として含むことができ、例えば、メトロ・セルは、大都市エリアの中の街路またはセクションを対象として含むことができる。マクロ・セルでは、カバレッジ・エリアは、1キロメートルまたは複数キロメートルの程度の直径を有することができ、マイクロ・セルでは、カバレッジ・エリアは、1キロメートルより短い直径を有することができ、またピコ・セルでは、カバレッジ・エリアは、100mよりも短い直径を有することができる。フェムト・セルは、最小のセルとすることができ、またそのフェムト・セルを使用して、住居、または空港におけるゲート・セクションを対象として含むことができ、すなわち、フェムト・セルのカバレッジ・エリアは、50mよりも短い直径を有することができる。このようにして、基地局トランシーバはまた、セルと称されることもある。
【0037】
図1に示されるように、基地局トランシーバ装置10は、トランシーバ・モジュール12を備えており、このトランシーバ・モジュールは、複数のアンテナに対するインターフェースをさらに備えており、これらの複数のアンテナは、送信アンテナおよび/または受信アンテナに対応している可能性がある。複数のアンテナは、
図1の中で、トランシーバ・モジュール12のインターフェースに接続された送信/受信アンテナのアレイ15によって示される。トランシーバ・モジュール12は、1つまたは複数のトランシーバ・デバイス、1つまたは複数のトランシーバ・ユニット、送受信するための、すなわち、受信するための、かつ/または送信するための任意の手段などに対応している可能性があり、またトランシーバ・モジュール12は、1つまたは複数の低雑音増幅器(LNA:Low−Noise Amplifiers)、1つまたは複数の電力増幅器(PA:Power Amplifiers)、1つまたは複数のフィルタまたはフィルタ回路、1つまたは複数のダイプレクサ、1つまたは複数のデュプレクサ、1つまたは複数のアナログ・デジタル変換器(A/D:Analog−to−Digital converters)、1つまたは複数のデジタル・アナログ変換器(D/A:Digital−to−Analog converters)、1つまたは複数の変調器もしくは復調器、1つまたは複数のミキサなどのグループのうちの1つまたは複数の要素など、典型的なレシーバ・コンポーネントと、トランスミッタ・コンポーネントとを備えていることができる。
【0038】
図1に示される実施形態においては、トランシーバ・モジュール12は、インターフェースを使用して複数のサブグループへと複数の送信/受信アンテナ15を細分するように動作可能である。さらに、トランシーバ・モジュール12は、サブグループの1つまたは複数の送信/受信アンテナを使用して、第1のビーム・パターン16を形成するように動作可能である。基地局トランシーバ装置10は、制御モジュール14をさらに備えており、この制御モジュール14は、トランシーバ・モジュール12に結合される。制御モジュール14は、トランシーバ・モジュール12と、第1のビーム・パターンとを使用して、同期信号を送信するように動作可能である。制御モジュール14は、さらに、トランシーバ・モジュール12を使用して、モバイル・トランシーバ200から同期信号の送信の後に、応答信号を受信するように動作可能である。さらに、制御モジュール14は、モバイル・トランシーバ200からの応答信号に基づいて第2のビーム・パターン18を決定するように動作可能である。第2のビーム・パターン18は、第1のビーム・パターン16よりも高いアンテナ利得を有している。例えば、第2のビーム・パターン18は、第1のビーム・パターン16よりも多くの送信/受信アンテナを使用することができる。制御モジュール14は、さらに、第2のビーム・パターン18と、トランシーバ・モジュール12とを使用して、信号をモバイル・トランシーバ200に対して送信するように動作可能である。
図1においては、第1のビーム・パターン16と、第2のビーム・パターン18とが、示され、また第2のビーム・パターン18が、第1のビーム・パターン16よりも高いアンテナ利得またはBF利得を提供することができること、および第2のビーム・パターン18が第1のビーム・パターン16よりも狭い可能性があることもまた、示される。
【0039】
実施形態においては、制御モジュール14は、それに応じて適合されたソフトウェアとともに動作可能であるプロセッサ、コンピュータ、プログラマブル・ハードウェア・コンポーネントなど、1つまたは複数の制御ユニット、制御デバイス、制御するための任意の手段を使用して、実装されることもある。言い換えれば、制御モジュール14の上記で説明された機能は、同様に、ソフトウェアの形で実装されることもあり、このソフトウェアは、次いで、1つまたは複数のプログラマブル・ハードウェア・コンポーネントの上で実行される。そのようなハードウェア・コンポーネントは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、マイクロ・コントローラなどを備えていることができる。複数15の送信/受信アンテナに接続するために使用されるトランシーバ・モジュール12のインターフェースは、任意の適切なインターフェース、例えば、同軸ワイヤを使用した高周波数インターフェースに対応している可能性があり、他の実施形態においては、複数15のアンテナのうちの少なくともいくつかは、インターフェースが、リモートに位置しているアンテナに対する光学的インターフェースに対応している可能性があるように、リモートなロケーションに位置している可能性があり、これは、依然として、上記で説明されたサブグループ化と、BFとを可能にするであろう。
【0040】
上記で述べられているように、実施形態は、BFを利用し、このBFは、個別の送信/受信アンテナによって送信される信号の規定された重ね合わせ、または制御された重ね合わせを達成する信号処理手段として、理解されるべきである。例えば、複数15の送信/受信アンテナの幾何学的形状は、線形アンテナ・アレイ、円形アンテナ・アレイ、三角形アンテナ・アレイ、任意の二次元アンテナ・アレイまたはフィールド、あるいはアンテナ要素の間の幾何学的関係が、知られており、または制御される限りの場合には、任意のアンテナ・アレイにさえも対応している可能性がある。いくつかの実施形態においては、複数15のアンテナ要素、または送信/受信アンテナは、一様な線形アンテナ・アレイに対応している可能性があり、そこでは、送信/受信アンテナが、一様に間隔をおいて配置されており、またそこでは、2つのアンテナ要素の間の距離は、例えば、これらのアンテナを使用して送信される/受信される信号の搬送波周波数の波長の2分の1に対応している可能性がある。BFについて知られているように、同じ信号の位相シフトされたバージョンを異なるアンテナに対して提供することにより、送信された信号の建設的な重ね合わせと、破壊的な重ね合わせとは、これらのアンテナに関して、異なる角度方向について達成されることもある。アンテナが使用される数が、多くなればなるほど、全体のビーム形成利得は、より高くなり、また形成され得るビームは、より狭くなる。実施形態においては、送信/受信アンテナまたは送信/受信アンテナ要素は、基地局トランシーバ100のセクタまたはセルを対象として含む個別のビーム・パターンを、例えば、120°のセクタまたはセルを対象として含むべき90°の電力半値ビーム幅アンテナ・パターンを使用することができる。
【0041】
実施形態においては、第1のビーム・パターン16は、そのようなセクタのうちのサブセクタに対応している可能性があり、また制御モジュール14は、送信/受信アンテナの個別のビーム・パターン、または第1のビーム・パターン16を使用して、同期信号を送信するように動作可能とすることができる。言い換えれば、個別のアンテナは、ある種のビーム幅を有する、例えば、90°、120°などの電力半値ビーム幅を有するアンテナに対応している可能性がある。送信/受信アンテナの個別のビーム・パターンは、次いで、第1のビーム・パターン16と同様に、BFに影響を及ぼす可能性がある。例えば、第1のビーム・パターン16は、120°の電力半値ビーム幅を有する2つのアンテナ要素を使用して形成されることもある。制御モジュール14は、例えば、120°の電力半値ビーム幅、または第1のビーム・パターン16を用いて、1つの単一アンテナを使用して同期信号を送信するように動作可能とすることができ、この第1のビーム・パターン16は、フル・セクタよりも狭い可能性がある。それゆえに、いくつかの実施形態においては、第1のビーム・パターン16は、セクタのサブセクタに対応している可能性がある。
【0042】
いくつかの実施形態においては、送信/受信アンテナは、基地局トランシーバ100のセクタを対象として含む個別のビーム・パターンを使用することができる。トランシーバ・モジュール12は、セクタを対象として含む複数のサブセクタを含むビーム・パターンの第1の組を形成するように動作可能とすることができ、また第1のビーム・パターン16は、サブセクタに対応している可能性がある。すなわち、第1のビーム・パターン16は、サブセクタの組のうちの1つに対応している可能性があり、そこでは、サブセクタの組は、基地局トランシーバ100の全体のセクタを対象として含んでいる。
【0043】
図2は、K個のデジタル経路を有するハイブリッド・アナログ/デジタルBFトランシーバのブロック図を示すものであり、ここで、各デジタル経路は、L個のアンテナ要素の(互いに素な)サブアレイに接続される。言い換えれば、
図2に示される実施形態においては、複数15のアンテナ要素は、L×Kのアンテナ要素15のフィールド・アレイとして実装される。さらに、複数15のアンテナ要素は、サブグループへと細分され、ここで、サブグループのうちのそれぞれに対して、それはまた、サブアレイと称される。
図2に示される実施形態においては、トランシーバ・モジュール12は、アナログBF機能を備えており、ここで、独立したアナログBFが、信号の送信および受信のために、各サブアレイの内部で適用される可能性があることが、仮定されることもある。本実施形態においては、制御モジュール14は、デジタルBFを実行し、このデジタルBFは、次いで、サブアレイを使用して適用される。
図2においては、制御モジュール14は、サブアレイ1..K当たりに1つのD/A変換器を備えており、また制御モジュール14が、それに応じた経路において適合された複雑な重みwd
1..wd
Kを適用することが、仮定される。制御モジュール14は、さらにある種の程度まで、トランシーバ・モジュール14においてアナログBFを制御するように動作可能とすることができることに注意すべきである。例えば、制御モジュール14、または別の制御エンティティは、例えば、それぞれが、mビットを有するK個のデジタル制御インターフェースを用いて、アナログBF重みを調整する役割を担い、または万一アナログ・バトラー行列が、アナログBFのために適用される場合には、入力ポート(単数または複数)を選択する役割を担うことができる。
【0044】
トランシーバ・モジュール12は、アナログBFを適用し、このアナログBFは、例えば、アナログ位相シフタ、またはバトラー行列を使用して実行されることもある。言い換えれば、
図2に示される実施形態においては、トランシーバ・モジュール12は、各サブアレイを使用して、ある種のビーム、ビームの組をそれぞれ形成するために、各サブアレイの内部でアナログBF重みを適用する。それに応じたアナログ重みの適用が、それぞれの信号との重みwa
11..wa
KLのアナログ乗算を用いて、
図2の中に、示される。いくつかの実施形態においては、ハイブリッド・デジタル/アナログBFは、それが、完全なデジタルBF実装形態と比較して、低減された複雑さを提供することができるので、使用されることもある。
【0045】
さらに、
図2は、基地局トランシーバ装置10を示すものであり、すなわち、それぞれの概念が、基地局トランシーバ100において適用されることが、仮定される。
図2は、さらに、個別のアンテナ・パターン17を示すものであり、この個別のアンテナ・パターン17は、基地局トランシーバ100のセクタを対象として含むことが、仮定される。さらに、
図2は、複数15のアンテナの1つのサブグループが、使用され得る第1のビーム・パターン16と、後で詳細に説明されることになるように、すべてのアンテナ要素が、本実施形態において使用され得る第2のビーム・パターン18の一例とを示すものである。
図2に示されるように、異なるパイロット信号が、異なるサブセクタ、パイロット
1..パイロット
Kの中で使用されることもある。さらに、個別のモバイル・トランシーバ200に対するデータが、第2のビーム・パターン18を使用して、送信されることもある。さらに、一実施形態においては、K=4であり、またL=16であることが、仮定される。64個の送信/受信アンテナ要素のうちのそれぞれは、7dBiの要素利得を、すなわち、個別のアンテナ・パターン17についての7dBiのセクタ利得を有することが、仮定される。
【0046】
すべての64個の送信/受信アンテナを使用して、25dBiのペンシル・ビームが、すべての使用可能なアンテナ要素を伴う、上記で説明されたハイブリッドA/D BFによって実現されることもある。さらに、すべてのアンテナ要素が、同じセクタを、例えば、90°のセクタを照らすことが、仮定される。さらに、サブセクタ化が、デジタルBFによって実装される可能性があるが、アナログ・ビーム形成は、
図1に示されるような時に、所定のセクタの重みを、例えば、K個の直交/隣接サブセクタを使用している。代わりに、これらのサブセクタは、例えば、トランシーバ・モジュール12の中のアナログ位相シフタに対して提供されるK倍のmビットによって類似して形成されることもある。
【0047】
実施形態は、BF利得が、獲得プロシージャの初めには限られていることもあるので、そのような高いBF利得を用いると、モバイル・トランシーバ200のための獲得プロシージャは、より複雑になることを考慮することができる。実施形態は、それゆえに、すべての送信/受信アンテナを使用していない、低減されたBF利得を伴う同期信号の送信を開始すること、および少なくとも第1の応答信号が、モバイル・トランシーバ200から受信されるときに、後で完全なBF利得を確立することにより、獲得を実行することができる。さらに、実施形態は、ダウンリンク通信とアップリンク通信とのために定期的な獲得タイム・スロットを導入することができる。獲得は、階層的なサブセクタ化を伴う複数のステップの中で実行されることもあり、この階層的なサブセクタ化は、後で詳細に説明されるであろう。さらに、実施形態は、サブセクタ−特有のランダム・アクセス・プリアンブルを利用することができる。
【0048】
実施形態においては、制御モジュール14は、セクタの複数のサブセクタにわたって同期信号を送信するように動作可能とすることができる。すなわち、同期信号は、サブセクタ特有、またはセクタ特有とすることができる。制御モジュール14は、さらに、モバイル・トランシーバ200からの受信信号の品質を評価することにより、ビーム・パターンの第1の組からサブセクタを決定するように動作可能とすることができる。例えば、制御モジュール14は、モバイル・トランシーバ200の応答信号の最高の受信信号品質を提供する、ビーム・パターンの第1の組からサブセクタを決定することができ、また制御モジュール14は、第1のビーム・パターン16として、最高の受信信号品質を有するサブセクタを選択するように動作可能とすることができる。言い換えれば、第1のビーム・パターン16は、
図2に示されるように、サブセクタの組の中の1つのサブセクタに対応している可能性がある。その組の中のサブセクタを評価することにより、制御モジュール14は、最高の信号品質を有するサブセクタを決定し、また選択し、また第1のビーム・パターン16として前記サブセクタを選択することができる。獲得フェーズ中に、最大のBF利得のうちの一部分だけが、実現されることもある。例示の獲得プロシージャが、後で説明されることになり、ここでは、モバイル・トランシーバ200においては単一のアンテナだけが存在することが仮定される。基地局トランシーバ100は、各サブセクタにおいて、13dBiのアンテナ利得で、デジタル的にプリコードされた同期信号を定期的に送信することが、仮定される。上記で既に述べられているように、代わりに、より堅牢な同期信号が、より広いビームを使用して全体のセクタの上で、しかしながら、それに応じて低減されたアンテナ利得で、送信されることもある。
【0049】
モバイル・トランシーバ200は、トリガ、またはトリガ信号を受信して、後続のステップを実行することができる。そのようなトリガは、モバイル・トランシーバ200におけるイベントに、対応している可能性があり、例えば、データが、送信されるべきであり、番号が、モバイル・トランシーバ200のユーザによってダイアルされるなどに対応している可能性がある。別のトリガは、ページング信号とすることができ、このページング信号は、モバイル・トランシーバ200によって受信される。例えば、モバイル・トランシーバ200のための着信コール、またはデータは、モバイル・トランシーバ200に対して送信されるべきである。そのようなトリガは、例えば、ページング・チャネル(PCH:Paging CHannel)の上で基地局トランシーバ100から受信されることもあり、トリガは、異なる基地局トランシーバから、例えば、異なるシステムから、受信されることもあり、かつ/またはトリガは、異なる周波数搬送波の上で受信されることもある。例えば、システム間ハンドオーバ、または周波数間ハンドオーバは、別のシステムの中で、または別の周波数の上で開始されていることもある。モバイル・トランシーバ200は、さらに、どの無線リソース、またはコード・リソースの上で、周波数キャリアなどを使用して、同期チャネルを受信し、かつ/またはシステムもしくは基地局トランシーバ100に応答し、あるいはアクセスすべきかという構成情報(例えば、ランダム・アクセス情報)を受信することができる。例えば、そのような情報が、ブロードキャスト・チャネル(BCH:Broadcast CHannel)の上で提供されることもある。
【0050】
次いで、モバイル・トランシーバ200は、定期的な同期信号を探索し、また基地局トランシーバ100とのダウンリンク同期を確立する。言い換えれば、モバイル・トランシーバ200は、同期信号を受信し、また無線フレーム・パターンの境界を決定し、この無線フレーム・パターンの境界は、基地局トランシーバ100と通信するために後で使用されることになる。次いで、モバイル・トランシーバ200は、所定の無線リソースの上でランダム・アクセス・プリアンブル(RAP:Random Access Preamble)を送信する。いくつかの実施形態においては、これらの無線リソースは、セクタに基づいて、またはセルに基づいてあらかじめ定義されており、他の実施形態においては、これらの無線リソースは、サブセクタに基づいて定義されることもある。基地局トランシーバ100は、各サブセクタにおいて、並列にRAPをスキャンする。RAPが、1つまたは複数のサブセクタの上で検出される場合に、基地局トランシーバ100は、最強のRAP−信号を有するサブセクタを選択し、またこのサブセクタの中でランダム・アクセス応答(RAR:Random Access Response)をトリガする/送信する。本実施形態においては、ダウンリンク・サブセクタと、アップリンク・サブセクタとが、同じになることが仮定されることに注意すべきである。いくつかの他の実施形態においては、ダウンリンク・サブセクタと、アップリンク・サブセクタとは、同様に、異なっていると仮定される可能性があり、任意のオープン・ループの概念、またはクローズド・ループの概念は、次いで、アップリンクと、ダウンリンクとにおいて、それぞれのセクタ/サブセクタに対してモバイル・トランシーバを割り当てるために使用されることもある。
【0051】
RARは、アップリンク・タイミング調整のための、またはモバイル・トランシーバIDの割当てのための情報を含むことができる。次いで、モバイル・トランシーバ200は、RARを検出することができ、また少なくともパイロット信号を送信することを開始することができる。基地局トランシーバ100は、選択されたサブセクタの上でパイロット信号を受信することができ、また次いで、アナログBFのための最良の重みを選択することができる。これは、サブセクタの4つのアナログ・ビームのそれぞれの上でパイロット信号を連続して受信することにより、例えば、4つのアナログ・ビームを通して切り替えることにより、行われることもある。そのような切り替えは、バトラー行列の異なる入力を選択することにより、またはサブアレイの中の対応する位相シフタ構造についての異なる重みを使用することにより、達成されることもあり、これは、モバイル・トランシーバ200による少なくとも4つの時間単位またはタイム・スロットの上でパイロット信号を送信することを含むことができる。ひとたび最良のアナログ・ビーム・パターン、例えば、19dBiのアンテナ利得を有するパターンが、基地局トランシーバ100によって選択された後に、パイロット信号を使用して、デジタル重みを微調整して、25dBiのペンシル・ビームを取得することができる。言い換えれば、この実施形態においては、モバイル・トランシーバ200によって送信されるパイロット信号を使用して、ビーム・パターンを微調整し、また第1のビーム・パターン16は、同期信号の送信によるセクタまたはサブセクタに対応している可能性があり、ここでは、第2のビーム・パターン18は、次いで、モバイル・トランシーバ200からの受信されたパイロット信号に基づいて形成される。
【0052】
言い換えれば、上記の実施形態においては、基地局トランシーバ装置10の制御モジュール14は、第1のビーム・パターン16を使用して、モバイル・トランシーバ200からRAP信号を受信するように動作可能である。制御モジュール14は、さらに、第1のビーム・パターン16を使用して、モバイル・トランシーバ200に対してRARを送信し、またモバイル・トランシーバ200からパイロット信号を受信するように動作可能である。制御モジュール14は、さらに、パイロット信号に基づいて、第2のビーム・パターン18を決定し、また第2のビーム・パターン18を使用して後続の信号を送信するように動作可能である。別の実施形態においては、モバイル・トランシーバ200は、基地局トランシーバ100が、デジタルおよびアナログのビーム形成の重みを選択するまで、RAP送信を繰り返すことができる。次いで、基地局トランシーバ100は、十分なBF利得で、RARを送信することができる。
【0053】
さらなる一実施形態においては、RAPリソースは、サブセクタについて規定され、またモバイル・トランシーバ200は、受信された同期/パイロット信号に基づいて、最良のサブセクタを選択する。次いで、モバイル・トランシーバ200は、サブセクタ−特有のRAPを送信することができる。言い換えれば、制御モジュール14は、第1のビーム・パターン16を使用して、モバイル・トランシーバから1つまたは複数のRAP信号を受信するように動作可能とすることができる。制御モジュール14は、さらに、1つまたは複数のRAP信号に基づいて、第2のビーム・パターン18を決定するように動作可能とすることができる。次いで、制御モジュール14は、第2のビーム・パターン18を使用してモバイル・トランシーバ200に対してRARを送信するように動作可能とすることができる。言い換えれば、いくつかの実施形態においては、十分なBF利得は、RARを送信するために既に達成されていることもある。
【0054】
上記の実施形態の両方は、基地局トランシーバ100が、十分なビーム形成利得で、モバイル・トランシーバ200に対して、データと、制御情報とを送信することを可能にすることができる。同様に、基地局トランシーバ100は、十分なBF利得で、モバイル・トランシーバ200からデータと、制御情報とを受信することができる。モバイル・トランシーバ200は、基地局トランシーバ100が、BFの重みをアップデートすることを可能にされるように、何らかのアップリンク・パイロット信号を送信し続けることができる。
【0055】
例えば、トランシーバ・モジュール12は、アナログBFを使用して、第1のビーム・パターン16を形成するように動作可能とすることができる。制御モジュール14は、その場合には、デジタルBFを使用して、第2のパターン18を形成するように動作可能とすることができる。他の実施形態においては、トランシーバ・モジュール12は、アナログBFを使用して、第1のビーム・パターン16と、第2のビーム・パターン18とを形成するように動作可能とすることができる。制御モジュール14は、その場合には、トランシーバ・モジュール12においてビーム・パターンを選択するように動作可能とすることができる。言い換えれば、トランシーバ・モジュール12は、例えば、バトラー行列を用いて、またはアナログ位相シフタを用いて、アナログBFを実行するように動作可能とすることができ、ここで、そのような位相シフタの調整のための入力が、デジタル的に提供されることもある。トランシーバ・モジュール12は、その場合には、選択するべき、制御モジュール14のためのいくつかのアナログ的に形成されたビームを提供することができる。いくつかの実施形態においては、制御モジュール14は、それに応じて、固定されたビームの切り替えを実行するように動作可能とすることができ、ここで、それらのビームは、トランシーバ・モジュール12によって調整され、また提供される。用語「調整する(fix)」は、BFが、無線フレーム当たりや無線スロット当たりなど、短時間のスケジュールまたはフレームの上では適合され得ず、むしろ、1s、2s、5sなどのより長い時間スケールの上で適合されることを示すものとする。そのような適合化は、その場合には、例えば、アナログ位相シフタに対して適合されたデジタル重みを提供することにより、実行されることもある。他の実施形態においては、ビームは、実際に、あらかじめ規定され、また調整されることもある。
【0056】
さらなる実施形態においては、制御モジュール14は、同期信号に対する第1の所定のタイム・スロットにおいて、トランシーバ・モジュール12を使用して、モバイル・トランシーバ200から同期信号に対する応答信号を受信するように動作可能とすることができる。制御モジュール14は、さらに、第1のタイム・スロットとは異なる第2の所定のタイム・スロットにおいて、トランシーバ・モジュール12を使用してモバイル・トランシーバ200に特有の制御データを送信するように動作可能とすることができる。
【0057】
一実施形態において使用されることもあるようなタイム・スロット、またはフレーム構造が、
図3に示されている。
図3は、定期的な獲得タイム・スロットを有するダウンリンク・タイミング図を示すものである。
図3は、最上部に、フレーム構造の第1の実施形態を示しており、そこでは、無線フレーム300は、獲得部分310と、アップリンク制御部分320と、ダウンリンク制御部分330と、アップリンク/ダウンリンクのデータ部分340とを含む。
図3に示されるように、アップリンク/ダウンリンクの制御部分およびデータ部分320、330および340は、1つのフレームの中で繰り返し送信され、そこでは、獲得部分310は、全体のフレームの最初に連結される。さらに、最上部にある
図3の中の例から分かるように、アップリンク/ダウンリンクのデータ部分および制御部分の持続時間にアップリンク/ダウンリンクのデータ部分の1つを加えたものは、Tに等しい。一実施形態の別の例が、
図3の最下部に示されている。
図3の最下部には、別の無線フレーム350が、示されており、この無線フレーム350はまた、獲得部分310と、アップリンク制御部分320と、ダウンリンクの制御部分330と、アップリンクおよびダウンリンクのデータ部分340とを含み、ここで、この実施形態においては、データ部分は、獲得部分310の送信を可能にするように短縮される。言い換えれば、
図3の最下部における第2の実施形態においては、獲得部分310は、ある種の周期を用いて送信され、また獲得部分が、送信されるときに、後続のデータ部分340は、獲得部分310と、アップリンク制御部分320と、ダウンリンク制御部分330と、短縮されたデータ部分340とが、Tという持続時間を有するように、短縮される。
【0058】
ハイブリッド・アナログ/デジタルBFは、時分割多重化(TDM:Time Division Multiplexing)を使用して、ユーザ特有の制御およびデータの獲得と送信とを分離することができる。
図3に示されるように、ダウンリンクと、アップリンクとの中の定期的な獲得タイム・スロット310が、使用されることもある。一実施形態においては、
図2に示されるようなトランシーバが、使用されることもあり、また獲得タイム・スロット310中に、アナログBFは、所定のセクタの重みを使用することができ、また純粋なデジタルBFが、適用されることもある。
図3は、アップリンク制御320と、ダウンリンク制御330と、アップリンク/ダウンリンクのデータ340とのうちの部分を含む、(動的な)TDMのためのサブフレーム構造を示しており、そこでは、各部分は、
図3に示されるように、タイム・ドメインの中で分離される1つまたは複数のシンボルを含んでいる。
図3の最上部における実施形態は、アップリンク制御320と、ダウンリンク制御330と、アップリンク/ダウンリンクのデータ340とについての部分の調整持続時間Tを仮定している。ダウンリンク獲得部分310が、周期的に挿入される。
図3の最下部における例は、ダウンリンク獲得タイム・スロット310の周期が、いくつかのアップリンク/ダウンリンクのデータ部分340を、例えば、ダウンリンク獲得部分に続く第1のアップリンク/ダウンリンクのデータ部分を短縮することにより達成されるTの整数倍であることを仮定している。
【0059】
いくつかの実施形態においては、制御モジュール14は、ますます狭くなるビームを後で評価することにより、第2のビーム・パターン18を繰り返して決定するように動作可能とすることができる。これは、階層的BFと称されることもある概念である。言い換えれば、制御モジュール14は、かなり少数のビームを有し、またより低い利得を有するビームを有するビームの組を最初に評価し、また次いで、後で、より高い利得を有するより多数のビームを有する組を評価するように動作可能とすることができる。例えば、制御モジュール14は、セクタを対象として含む2つのビームをチェックし、2つのビームのうちの一方を選択し、また次いで、選択されたビームを対象として含む2つのより狭いビームを評価することができるなどである。
【0060】
図4は、制御モジュール14のいくつかの実施形態の中で実行されることもあるような、階層的なビーム探索を使用した一実施形態を示すものである。
図4は、3つのステップ41と、42と、43とに細分される、ビーム探索のシーケンスを示すものである。第1のステップ41においては、2つの幅広のビームが、評価され、ステップ1において選択される幅広のビームのエリアの中で、第2のステップ42において、2つのより幅の狭いビームが、評価され、次いで、これらのビームのうちの一方が、選択される。次いで、今選択されたビームは、ステップ43において再評価され、ここでは、より幅の狭くさえあるビームは、ステップ42において選択されるビームのエリアの中にあると、次には考えられる。
図4は、3つの後続のタイム・スロットにおけるそのような方法を示すものであり、ステップ43の中に示される8つのペンシル・ビームのうちの最良のものが、3つのステップ、または3つのタイム・スロットにおいて選択される可能性がある。
【0061】
上記で説明されているように、獲得フェーズは、ビーム形成されたリンクをセットアップするだけでなく、またユーザが移動する場合に、または万一いくつかの送信経路がブロックされる場合に、BFの重みを適応させるようにも関連のあるものとすることができる。これもまた、
図4に示されている。以下の実施形態においては、純粋なアナログBFが、例えば、16個のビームを用いて、また単一のデジタル経路を使用して、考慮されることになる。一実施形態においては、最良のビームを見出すために、1つの前向きのやり方は、例えば、ユーザまたはモバイル・トランシーバ200の上記で説明されたアップリンク・パイロット信号に基づいて、すべての16個のビームをひとつずつスキャンするべきことになる。そのような一実施形態においては、16個のタイム・スロットを使用して、後続の評価を使用して、最良のビームを見出すことができる。いくつかの実施形態においては、アナログ・バトラー行列に類似したアプローチを使用して、単一のデジタル経路だけが使用可能である可能性があるので、1つのビームだけが、その時に測定されることもある。
【0062】
いくつかの実施形態は、より高速の技法を使用することができ、この技法はまた、サブセクタ化と称されることもある。いくつかの実施形態においては、制御モジュール14は、4つのサブセクタのうちから最良のものを、すなわち、その時に1つのサブセクタを、選択し、また次いで、サブセクタ当たりに最良のビームを選択することができる。これは、選択時間を8つのタイム・スロットへと低減させることができる。
図4に示されるように、また上記で説明されるように、いくつかの実施形態によって使用されるさらに高速の技法は、階層的なサブセクタ化と称されることもある。第1のタイム・スロット41において、2つのセクタが導入され、また最良のセクタが、選択される。第2のタイム・スロット42において、4つのサブセクタが規定され、これらの4つのサブセクタのうちの2つは、ステップ41において選択されているセクタの中にある。これら2つのうちからの最良のものが、次に、後続のステップのための基礎として選択されることもある。後続のステップは、そのうちの1つが
図4の中のステップ43によって例示されており、以前のステップ42のうちの選択されたサブセクタは、さらに、2つのより幅の狭いサブセクタへと細分され、これらの幅の狭いサブセクタのうちから最良のサブセクタが、次に選択される。最後のタイム・スロットにおいて、最良のビームが、ビームの小さなサブセットから選択される。16個のビームを有する一例においては、このプロシージャは、4つのタイム・スロットを必要とする可能性があるだけである。
【0063】
実施形態においては、類似したプロシージャが、ハイブリッド・デジタル/アナログBFと組み合わせてさらに適用されることもある。例えば、
図2に示されるトランシーバ100では、K=4個のサブセクタが、純粋なデジタルBFを用いて規定され、すなわち、4つのサブセクタは、最低限の1つのタイム・スロットを必要とするアップリンクにおいて同時に処理される可能性があることを仮定する。ひとたび最良のサブセクタが選択されると、サブセクタの内部の4つのビームのうちの最良のものが、決定されることもある。これは、ビームごとに、または階層的なサブセクタ化を使用することにより、行われることもある。階層的なサブセクタ化は、同様に、純粋なデジタルBFとともに使用されることもあり、また多数のビームを同時にスキャンすることと比較すると、計算の複雑さを低下させることができる。
【0064】
いくつかの実施形態においては、サブセクタ−特有のRAPが、使用されることもある。実施形態は、上記の説明に沿って、サブセクタ−特有の同期信号、またはパイロット信号を用いてダウンリンク送信のためのサブセクタを規定することができ、これらの同期信号またはパイロット信号は、ダウンリンクにおけるサブセクタ−特有のRAR、および/またはアップリンクにおけるRAPを規定することを可能にすることができる。実施形態は、獲得スピードまたは効率が、移動局200がダウンリンク測定結果から最良のサブセクタを決定し、またアップリンクにおけるサブセクタ−特有のRAPを用いてその選択を示す点で、増大させられることもあるという利点を提供することができる。実施形態は、例えば、Kというファクタだけ、直交ビームの上でSDMAを活用することによりRAについての容量を強化することができる。
【0065】
さらなる一実施形態においては、セル識別情報を搬送する一次同期信号は、全体のセクタの上でダウンリンク獲得部分中に、ブロードキャストされることもあり、またサブセクタ識別情報を搬送するK個の二次同期信号は、例えば、デジタル・ビーム形成を用いて同時に、K個のサブセクタの上で送信されることもある。モバイル・トランシーバ200は、次いで、セル識別情報を検出し、最良の受信されたサブセクタ同期信号を選択し、またその選択されたサブセクタに基づいて、モバイル・トランシーバ200は、サブセクタのために規定される組から、例えば、ザドフ−チュー・シーケンス(Zadoff−Chu sequences)の組からRAPを送信することができる。いくつかの実施形態においては、サブセクタ当たりのRAが、従来のセルラー方式通信システムにおいて、例えば、WCDMAシステムにおいて適用される可能性もあり、このシステムにおいては、RA生成のためのスクランブリング・コードは、二次スクランブリング・コードから導き出される可能性がある。
【0066】
図5は、モバイル通信システムのモバイル・トランシーバ200において動作可能な装置20の一実施形態を示すものである。言い換えれば、装置20は、モバイル・トランシーバ200に適合させられ、またはモバイル・トランシーバ200の中で動作可能とすることができ、またモバイル・トランシーバ200の中で動作させられ、またはモバイル・トランシーバ200の中に含まれることもある。実施形態はまた、装置20を備えているモバイル・トランシーバ200を提供する。
図5は、さらに、装置20を備えているモバイル・トランシーバ200の一実施形態(破線)を示している。装置20は、トランシーバ・モジュールを備えている。トランシーバ・モジュール22は、上記で説明されるような類似したトランシーバ・モジュールに対応している可能性があるが、しかしながら、モバイル・トランシーバ200に適合させられ、上記で説明された典型的なトランシーバ・コンポーネントを備えている。類似したやり方で、トランシーバ・モジュール22は、1つまたは複数のトランシーバ・デバイス、1つまたは複数のトランシーバ・ユニット、送受信するための、すなわち受信するための、かつ/または送信するための任意の手段などとして実装されることもある。トランシーバ・モジュール22は、複数のアンテナ25に対するインターフェースを備えており、この複数のアンテナは、送信アンテナおよび/または受信アンテナ25に対応している可能性がある。インターフェースに関しては、それは、同様に上記で説明されたインターフェースと称される。トランシーバ・モジュール22は、制御モジュール24に結合される。制御モジュール24は、複数の送信/受信アンテナ25に基づいて、ビーム・パターンの第1の組26を決定するように動作可能である。制御モジュール24は、トランシーバ・モジュール22を使用して、ビーム・パターンの第1の組26からの第1のビーム・パターンを使用して、基地局トランシーバ100から信号を受信するように動作可能である。制御モジュール24は、さらに、複数の送信/受信アンテナ25に基づいて、ビーム・パターンの第2の組28を決定するように動作可能である。
図5に示されるように、ビーム・パターンの第2の組28は、ビーム・パターンの第1の組26よりも多くのビーム・パターンを含んでいる。制御モジュール24は、さらに、第2のビーム・パターン28を使用して、またトランシーバ・モジュール22を使用して、基地局トランシーバ100に対して信号を送信するように動作可能である。
【0067】
上記で既に説明されているように、制御モジュール24は、基地局トランシーバ100からの信号として同期信号を受信し、またその同期信号に基づいて、RAPの送信のための無線リソースに関連した情報を決定するように動作可能とすることができる。制御モジュール24は、次いで、同期信号に基づいて決定される無線リソースを使用して、基地局トランシーバ100に対してRAPを送信するように動作可能とすることができる。言い換えれば、同期信号は、それが、セクタごとに送信されようが、またはサブセクタごとに送信されようが、無線リソースを決定することができる。さらなる実施形態においては、制御モジュール24は、ビーム・パターンの第1の組26からの第1のビーム・パターンを使用して、またトランシーバ・モジュール22を使用して、基地局トランシーバ100からの信号として、同期信号を受信するように動作可能とすることができる。制御モジュール24は、さらに、ビーム・パターンの第2の組28からの第2のビーム・パターンを使用して、またトランシーバ・モジュール22を使用して、基地局トランシーバ100に対してRAPを送信するように動作可能とすることができる。
【0068】
言い換えれば、モバイル・トランシーバ200は、複数の送信/受信アンテナ25を使用することができる。同期信号の処理は、
図2に示されているものと同様に、モバイル・トランシーバ200において4つのデジタル経路を仮定するときに、少数の(所定の)受信ビームについて、例えば、4つの受信ビームについて並列に実行されることもある。4つのビームは、その場合には、ビーム・パターンの第1の組26に対応している可能性がある。ダウンリンク同期が、確立されている場合に、移動局200は、より大きな組の(4よりも大きい)受信ビームを、すなわち、ビーム・パターンの第2の組28を使用して、デジタルBFのために重みを微調整することができる。この微調整は、モバイル・トランシーバ200によって定期的に実行されて、タイム・ドメイン/周波数ドメイン/空間ドメインにおいて同期を維持することができる。微調整されたBF重みは、次いで、送信と受信とのために、モバイル・トランシーバ200によって適用されて、例えば、RARを受信し、またRAP、アップリンク・パイロット信号などを送信することができる。
【0069】
さらなる実施形態においては、制御モジュール24は、ビーム・パターンの第1の組26からの第1のビーム・パターンを使用して、またトランシーバ・モジュール22を使用して、基地局トランシーバ100からの信号として、同期信号を受信するように動作可能とすることができる。制御モジュール24は、さらに、第1のビーム・パターンを使用して、またトランシーバ・モジュール22を使用して、基地局トランシーバ100に対してRAPを送信するように動作可能とすることができる。次いで、制御モジュール24は、さらに、第1のビーム・パターンを使用して、またトランシーバ・モジュール22を使用して、RARを受信し、また第2のビーム・パターンを使用して、またトランシーバ・モジュール22を使用して、パイロット信号を送信するように動作可能である。
【0070】
図6は、モバイル通信システムの基地局トランシーバのための方法についての一実施形態のブロック図を示すものである。本方法は、複数のアンテナ15を複数のサブグループへと細分するステップ30と、サブグループとして1つまたは複数のアンテナを使用して、第1のビーム・パターン16を形成するステップ32とを含む。本方法は、第1のビーム・パターン16を使用して、同期信号を送信するステップ34と、モバイル・トランシーバ200から同期信号の送信の後に、応答信号を受信するステップ36とをさらに含む。本方法は、モバイル・トランシーバ200からの応答信号に基づいて、第2のビーム・パターン18を決定するステップ38と、第2のビーム・パターン18を使用して、モバイル・トランシーバ200に対して信号を送信するステップ40とをさらに含む。第2のビーム・パターン18は、第1のビーム・パターン16よりも高いアンテナ利得を有している。
【0071】
図7は、モバイル通信システムのモバイル・トランシーバ200のための方法についての一実施形態のブロック図を示すものである。本方法は、複数のアンテナ25に基づいて、ビーム・パターンの第1の組26を決定するステップ42を含む。本方法は、ビーム・パターンの第1の組26からの第1のビーム・パターンを使用した信号を、基地局トランシーバ100から受信するステップ44をさらに含む。本方法は、複数のアンテナ25に基づいて、ビーム・パターンの第2の組28を決定するステップをさらに含む。ビーム・パターンの第2の組28は、ビーム・パターンの第1の組26よりも多くのビーム・パターンを含んでいる。本方法は、第2のビーム・パターンの組28からの第2のビーム・パターンを使用して、信号を基地局トランシーバ100に対して送信するステップ48をさらに含む。
【0072】
さらなる一実施形態は、コンピュータによって実行されるときに、本明細書において説明される方法のうちの1つを実装するようにコンピュータにさせる命令を記憶するコンピュータ読み取り可能ストレージ媒体である。他の実施形態は、コンピュータ・プログラムまたはコンピュータ・プログラム製品が、プロセッサ、コンピュータ、またはプログラマブル・ハードウェアの上で実行されるときに、上記で説明された方法のうちのどれかの方法を実行するためのプログラム・コードを有するコンピュータ・プログラムまたはコンピュータ・プログラム製品である。
【0073】
当業者なら、様々な上記で説明された方法のステップが、プログラムされたコンピュータによって実行され得ることを簡単に認識するであろう。本明細書においては、いくつかの実施形態はまた、プログラム・ストレージ・デバイス、例えば、デジタル・データ・ストレージ媒体を対象として含むことも意図しており、このプログラム・ストレージ・デバイスは、マシン読み取り可能、またはコンピュータ読み取り可能であり、また命令のマシン実行可能なプログラム、またはコンピュータ実行可能なプログラムを符号化しており、ここで、前記命令は、本明細書において説明される方法のステップのうちのいくつかまたはすべてを実行する。プログラム・ストレージ・デバイスは、例えば、デジタル・メモリ、磁気ディスクや磁気テープなどの磁気ストレージ媒体、ハード・ドライブ、または光学的に読み取り可能なデジタル・データ・ストレージ媒体とすることができる。それらの実施形態はまた、本明細書において説明される方法の前記ステップを実行するようにプログラムされるコンピュータ、あるいは上記で説明された方法の前記ステップを実行するようにプログラムされる、(フィールド)プログラマブル・ロジック・アレイ((F)PLA:(field) programmable logic arrays)または(フィールド)プログラマブル・ゲート・アレイ((F)PGA:(field) programmable gate arrays)を対象として含むことも意図している。
【0074】
説明および図面は、単に本発明の原理を示しているにすぎない。したがって、当業者なら、本明細書において明示的に説明されても、または示されてもいないけれど、本発明の原理を具現化し、また本発明の趣旨および範囲の内部に含まれる様々な構成を考案することができるようになることが理解されるであろう。さらに、本明細書において列挙されるすべての例は、主として、本発明者(単数または複数)が当技術を推進することに寄与している本発明の原理、および概念を理解するに際して、読者を支援する教育上の目的のためにすぎないように明示的に意図され、またそのような具体的に列挙された例および状態だけに限定することのないように解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様および実施形態を列挙している本明細書におけるすべての記述、ならびにその特定の例は、その同等物を包含することを意図している。
【0075】
(ある種の機能を実行する)「ための手段」として示される機能ブロックは、実行するために適合されている、またはそれぞれある種の機能を実行する回路を備えている機能ブロックとして理解されるべきである。それゆえに、「第sのための手段」は、同様に、「第sのために適合され、または適している手段」として理解されることもある。ある種の機能を実行するために適合されている手段は、それゆえに、そのような手段が、必ずしも前記機能を(与えられた瞬間に)実行していることを意味しているとは限らない。
【0076】
「手段」、「送受信するための手段」、「制御するための手段」などとしてラベル付けされる任意の機能ブロックを含めて、図面に示される様々な要素の機能は、「トランシーバ」、「制御装置/プロセッサ」などの専用のハードウェア、ならびに適切なソフトウェアに関連して、ソフトウェアを実行することができるハードウェアの使用を通して提供されることもある。さらに、本明細書において「手段」として説明される任意のエンティティは、「1つまたは複数のモジュール」、「1つまたは複数のデバイス」、「1つまたは複数のユニット」などに対応している可能性があり、または「1つまたは複数のモジュール」、「1つまたは複数のデバイス」、「1つまたは複数のユニット」などとして実装されることもある。プロセッサによって提供されるときに、それらの機能は、単一の専用のプロセッサによって、単一の共用のプロセッサによって、またはそれらのうちのいくつかが共用され得る複数の個別のプロセッサによって提供されてもよい。さらに、「プロセッサ」または「制御装置」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアだけを排他的に意味するように解釈されるべきではなく、また限定することなく、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)のハードウェアと、ネットワーク・プロセッサと、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)と、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:field programmable gate array)と、ソフトウェアを記憶するためのリード・オンリー・メモリ(ROM:read only memory)と、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)と、不揮発性ストレージとを暗黙のうちに含むことができる。他のハードウェアが、従来のもの、またはカスタムのものもまた、含められる可能性がある。それらの機能は、プログラム・ロジックのオペレーションを通して、専用のロジックを通して、プログラム制御と専用のロジックとの相互作用を通して、または手動によってさえも、実行される可能性があり、特定の技法は、文脈からもっと具体的に理解されるように、実装者によって選択可能である。
【0077】
本明細書における任意のブロック図は、本発明の原理を具現化する実例となる回路の概念図を表すことが、当業者によって理解されるべきである。同様に、任意のフロー・チャートと、流れ図と、状態遷移図と、擬似コードなどとは、コンピュータ読み取り可能媒体の形で実質的に表され、またそのようにしてコンピュータまたはプロセッサによって、そのようなコンピュータまたはプロセッサが明示的に示されているか否かにかかわらず、実行され得る様々なプロセスを表すことが、理解されるであろう。
【0078】
さらに、添付の特許請求の範囲は、これによって本願の中に組み込まれ、ここでは、各請求項は、別個の実施形態としてそれ自体に基づいたものとすることができる。各請求項は、別個の実施形態としてそれ自体に基づいたものとすることができるが、従属請求項は、それらの請求項において、1つまたは複数の他の請求項との特定の組合せについて言及することができるが、他の実施形態は、それぞれの他の従属請求項の主題とのその従属請求項の組合せを含むこともできることに注意すべきである。そのような組合せは、特定の組合せが意図されていないことが、述べられていない限り、本明細書において提案される。さらに、たとえこの請求項が、独立請求項に直接に従属させられていないとしても、任意の他の独立請求項に対する請求項の特徴もまた含むことが意図されている。
【0079】
明細書の中で、または特許請求の範囲の中で開示される方法は、これらの方法のそれぞれのステップのうちの各ステップを実行するための手段を有するデバイスによって実装され得ることに、さらに注意すべきである。