(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
10μm〜80μmに含まれる幅を有するマイクロエングレービング(16)のために構成され、前記点光源(25〜27)の前記直径D及び前記コリメート部材(30)の前記焦点長Fは関係:
D≦Fλ/5a
を反映し、ここで、λは前記点光源(25〜27)の波長であることを特徴とする、請求項1に記載の光学機器。
30μm〜60μmに含まれる幅を有するマイクロエングレービング(16)のために構成され、λは800〜900nmに含まれ、一方でFは150〜300mmに含まれることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学機器。
前記点光源は、分散光源(25)と、前記分散光源(25)に対向して配置されたピンホール(27)を含むダイアフラム(26)とにより形成され、したがって、前記ピンホール(27)の直径が前記点光源の前記直径Dを形成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学機器。
さらに、自身の両側に前記点光源(25〜27)と前記画像捕捉ユニット(31)の前記対物レンズ(35)とが配置される半透ミラー(28)を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学機器。
前記後方散乱器(112)を回転させるように駆動する前記装置(50)と前記画像捕捉ユニット(31)とは、前記画像捕捉ユニット(31)が撮像する各期間が、前記後方散乱器(112)が整数回回転する期間を有するように構成された制御装置(51)へ接続されることを特徴とする、請求項8に記載の光学機器。
前記後方散乱器(112)を回転させるように駆動する前記装置(50)と前記点光源(25〜27)とは、前記点光源(25〜27)に閃光を発射させるように構成された制御装置(55)へ接続され、それぞれの閃光は前記後方散乱器(112)が整数回回転する期間を有することを特徴とする、請求項8に記載の光学機器。
前記光を受信及び解析するアセンブリ(42)は、前記眼用レンズ(14)と前記開口(41;141;241)とを通過した後の前記平行光のビーム(20)の前記光により照射されるハルトマンマトリックス(45)と、前記ハルトマンマトリックス(45)を通過した後の前記光により照射される追加画像捕捉ユニット(46)と、前記眼用レンズ(14)の前記少なくとも1つの光学的特性を判断するために前記追加画像捕捉ユニット(46)により捕捉された前記像を解析する解析装置(47)とを含むことを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の光学機器。
前記追加画像捕捉ユニット(46)により捕捉された前記像を解析する前記解析装置(47)は、前記眼用レンズ(14)の前記少なくとも1つの光学的特性を表示できるようにするために表示ユニット(32)へ接続されることを特徴とする、請求項8〜11のいずれか一項に記載の光学機器。
前記追加画像捕捉ユニット(46)により捕捉された前記像を解析する前記解析装置(47)は、前記眼用レンズ(14)の面(15)上に心出しピンを自動的に配置する装置(38)へ接続されることを特徴とする、請求項8〜12のいずれか一項に記載の光学機器。
前記後方散乱器(112)は円形輪郭を有し、且つ前記開口(41;141)は鋭角を有する扇形の形状をとることを特徴とする、請求項8〜13のいずれか一項に記載の光学機器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、より良い性能を有する同タイプの機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本発明は、眼用レンズ上(14)に存在するマイクロエングレービング(16)を識別及び定位するための光学機器であって、
前記光学機器が、
− 点光源と、
− コリメート部材(30)と、
− 光を送り返す部材と、
− ホルダ(13)と、
− 画像活用ユニット(32)と、
− 画像捕捉ユニット(31)と
を含み、
前記点光源(25〜27)は、700〜1000nmの波長λを有し、自身から発せられた光が、前記コリメート部材(30)を通過した後に平行光のビーム(20)となるように前記コリメート部材(30)の第1の焦点に配置され、前記コリメート部材の焦点長Fの50分の1以下の直径Dを有し、
前記ホルダ(13)は、前記コリメート部材(30)と前記光を送り返すための部材との間に前記眼用レンズ(14)を保持するように構成され、
前記画像活用ユニット(32)は、画像捕捉ユニット(31)に接続され、
前記画像捕捉ユニット(31)は、前記コリメート部材の第2の焦点に配置された対物レンズ(35)を含み、
前記コリメート部材(30)、前記ホルダ(13)及び前記光を送り返すための部材は、前記コリメート部材(30)から発せられた前記平行光のビーム(20)が、前記マイクロエングレービング(16)が存在する前記眼用レンズ(14)上の位置(15)に衝突し、前記眼用レンズ(14)を通過し、前記光を送り返すための部材に衝突し、前記眼用レンズ(14)に向かって戻り、さらに、前記眼用レンズ(14)と次に前記コリメート部材(30)とを再度通過するように配置され、
前記光を送り返すための部材は、後方散乱器(12)であり、さらに、
前記画像捕捉ユニット(31)の前記対物レンズ(35)は、前記画像捕捉ユニット(31)へ接続された前記画像活用ユニット(32)へ送出される前記後方散乱器(12)の像が、前記マイクロエングレービング(16)を識別及び定位し得るようにする前記マイクロエングレービング(16)の表像を含むように合焦されることを特徴とする、光学機器、を提案する。
【0008】
したがって、本発明による光学機器では、光を送り返すための部材は反射器ではなく後方散乱器であるため、眼用レンズに向かって送り返される光はもはや空間的にコヒーレントではない。
【0009】
その結果、眼用レンズに向かって送り返されるビームは眼用レンズを通過する際にマイクロエングレービングによる影響を受けない。
【0010】
本発明による光学機器では、点光源は700nm〜1000nmの波長(すなわち可視光のスペクトル近傍の赤外線)を有するため、点光源と画像捕捉ユニットとの間のその経路上の光の減衰が緩和される(眼用レンズが着色された場合を含む)。
【0011】
当然のことながら、画像捕捉ユニットはこの波長帯において敏感であるように選択される。
【0012】
この範囲の波長を実現することに加えて、本発明による光学機器の点光源はコリメート部材の焦点長Fの50分の1以下の直径Dを有する。
【0013】
具体的には、この波長帯と点光源のこのような直径Dとにより、マイクロエングレービングのコントラスト像は後方散乱器上へ投影され得ることが観察された。
【0014】
像のコントラスト特徴は、平行光のビームの横方向空間的コヒーレンス幅がマイクロエングレービングの幅に良く一致することに起因すると考えられる。
【0015】
像のコントラスト特徴のために、画像捕捉ユニットの対物レンズの開口は比較的大きいことができる。
【0016】
このような開口は、画像捕捉ユニット内の光束の損失を制限する。
【0017】
したがって、本発明による機器はマイクロエングレービングの流体利用(fluid exploitation)を可能にし得る。例えば、画像活用ユニットが表示ユニットであれば、マイクロエングレービングはユーザが眼用レンズをホルダ上に置いている間に表示ユニット上に観察され得る。
【0018】
対称的に、前述の欧州特許第1,613,450号明細書及び欧州特許出願公開第1,739,472号明細書で説明したような従来技術の光学機器では、マイクロエングレービングが存在する眼用レンズの面上に対物レンズが合焦されると、画像捕捉ユニットは反射器から戻ってくる光の影響をこの面上に見ることに注意されたい。これは、捕捉像がぼやける傾向を有することと、したがって画像捕捉ユニットの対物レンズの開口は比較的小さくなければならないこととを意味する。これは、画像捕捉ユニット内の光束にかなりの損失を生じる。
【0019】
さらに、透明材料のシートなどの物体中の欠陥を検知するための方法及び光学装置であって、光が後方散乱器により物体に向かって戻る方法及び光学装置は、既に欧州特許第0,856,728号明細書から知られていることに注意されたい。
【0020】
この文献に記載された方法及び光学装置は、全欠陥を容易に識別できるようにし、したがって、眼用レンズ上に存在するマイクロエングレービングの識別及び定位とは関係ない。
【0021】
欧州特許出願公開第1,093,907号明細書は、印刷マーク又は隠しマークの形式をとる眼用レンズの特性を検知するために、欧州特許第0,856,728号明細書の光学装置の使用を提案していることにも注意されたい。上に示した理由のため、これらの隠しマークはマイクロエングレービングではあり得ない。
【0022】
有利な特徴によると、特に、保証されるマイクロエングレービング識別及び定位精度のために、本発明による光学機器は、10μm〜80μmに含まれる幅を有するマイクロエングレービングのために構成され、前記点光源の直径D及び前記コリメート部材の前記焦点長Fは関係:
D≦Fλ/5a
を反映し、ここで、λは前記点光源の波長である。
【0023】
優れたマイクロエングレービング識別及び定位精度を保証するより特に有利な特徴によると、本発明による光学機器は、30μm〜60μmに含まれる幅を有するマイクロエングレービングのために構成され、λは800〜900nmに含まれ、一方でFは150〜300mmに含まれる。
【0024】
他の有利な特徴によると、
− 前記点光源は、分散光源と、前記分散光源に対向して配置されたピンホールを含むダイアフラムとにより形成され、したがって、前記ピンホールの直径が前記点光源の直径Dを形成し、
− 光学機器は、半透ミラー(half−silvered mirror)であって、その両側に前記点光源と前記画像捕捉ユニットの前記対物レンズとが配置される半透ミラーを含み、
− 前記後方散乱器は回転可能であり、及び/又は
− 前記光学機器は、前記マイクロエングレービングを識別及び定位するように構成された画像解析装置と、前記眼用レンズの面上に心出しピンを自動的に配置する装置であって、前記画像解析装置へ接続された装置とを含む。
【0025】
有利な特徴によると、光学機器はさらに、
− 後方散乱器を回転させるように駆動する装置であって、後方散乱器を所定の回転中心のまわりで回転させるように構成された装置と、
− 前記後方散乱器内の開口であって、後方散乱器の回転中心が開口内以外の箇所にあるように構成された開口と、
前記ホルダの反対側である後方散乱器の側に配置されている、光を受信及び解析するアセンブリであって、前記ホルダ、前記後方散乱器及び前記開口は、前記光を受信及び解析するアセンブリが、前記眼用レンズ及び前記開口を通過した後の前記平行光のビームから光を受信するように構成され、前記光を受信及び解析するアセンブリは前記眼用レンズの少なくとも1つの光学的特性を判断するように構成される、アセンブリと
を含む。
【0026】
後方散乱器の回転中心は開口内に配置されないため、開口のいかなる部分も回転中心を中心としない。
【0027】
したがって、その回転中心とその周囲との間の後方散乱器に対向するいかなる定常点(stationary point)も各回転の少なくとも一部期間中は後方散乱器の非開口部分と一致する。
【0028】
したがって、画像活用ユニットへ送出される後方散乱器の像は、開口に対応する空隙を含まず、したがってマイクロエングレービングがその全体として見られるようにする。
【0029】
欧州特許第1,997,585号明細書は、光学機器であって、光の反射器が2つの部分から作製され、中心のその1つは静止しており、環状である中心の他の部分は回転可能であり、中心における反射器の定常部(stationary portion)は、光を受信及び解析するアセンブリの上面である、光学機器について説明することに注意されたい。
【0030】
この光学機器では、表示ユニットにより表示される像はその中心に反射器の定常部に対応する中央空隙を含む。この空隙は、眼用レンズの中心に配置されたマークの可視性を低減する。
【0031】
有利な特徴によると、後方散乱器を回転させるように駆動する装置と画像捕捉ユニットとは、画像捕捉ユニットが撮像する各期間が、後方散乱器が整数回回転する期間を有するように構成された制御装置へ接続される。
【0032】
別の有利な特徴によると、後方散乱器を回転させるように駆動する装置と点光源とは、前記点光源に閃光を発射させるように構成された制御装置へ接続され、それぞれの閃光は後方散乱器が整数回回転する期間を有する。
【0033】
他の有利な特徴によると、
− 前記光を受信及び解析するアセンブリは、前記眼用レンズと前記開口とを通過した後の前記平行光のビームの前記光により照射されるハルトマンマトリックスと、ハルトマンマトリックスを通過した後の光により照射される追加画像捕捉ユニットと、眼用レンズの前記少なくとも1つの光学的特性を判断するために追加画像捕捉ユニットにより捕捉された像を解析する解析装置とを含み、
− 追加画像捕捉ユニットにより捕捉された像を解析する前記解析装置は、眼用レンズの前記少なくとも1つの光学的特性を表示できるようにするために表示ユニットへ接続され、
− 追加画像捕捉ユニットにより捕捉された像を解析する前記解析装置は、前記眼用レンズの面上に心出しピンを自動的に配置する装置へ接続され、
− 前記後方散乱器は円形輪郭を有し、且つ前記開口は鋭角を有する扇形(angular sector)の形状をとり、及び/又は
− 前記後方散乱器は円形輪郭を有し、且つ前記開口は楕円形状である。
【0034】
本発明の開示は、以下の例示及び非限定的例を所与として、実施形態の詳細な説明により、及び添付図面を参照して続けられる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1〜
図4に示された光学機器10は、光を発射及び受信するアセンブリ11と、後方散乱器12と、マイクロエングレービング16が存在する面15が光を発射及び受信するアセンブリ11に対向する位置のアセンブリ11と後方散乱器12との間に眼用レンズ14を保持するように構成されたホルダ13(
図1)とを含む。
【0037】
マイクロエングレービング16はレンズ厚さの小さい局所変動又は屈折率の小さい局所変動である。
【0038】
様々な技術が、マイクロエングレービング16が眼用レンズの面上に形成され得るようにし、マイクロエングレービングは眼用レンズにより成形される際に小さい追加厚さの形態を採用し得、小さい凹部はレーザにより生成され得るか、又はレーザはレンズ材料の屈折率を局所的に修正するために使用され得る。
【0039】
コヒーレント光ビームがマイクロエングレービング16に衝突すると、その位相はマイクロエングレービングにより局所的に修正される。
【0040】
位相のこの局所変動は光ビームを回折させる。
【0041】
空間的コヒーレント光ビームの場合、回析は局所強度修正(フレネル回折)により可視化される。
【0042】
マイクロエングレービング16は、眼用レンズ14の特性点(例えばそのプリズム基準点)(PRP)を正確に示す役割を果たす。
【0043】
光を発射及び受信するアセンブリ11は空間的コヒーレント平行光のビーム20(
図1)を発射する。
【0044】
図2の左側に示すように、ビーム20がマイクロエングレービング16に衝突すると光は局所的に回折される。
【0045】
同光がレンズ14を通過した後、後方散乱器12上のその投影は、マイクロエングレービング16に起因する光の回析のために強度変動を含む。
【0046】
したがって、後方散乱器12上に投影されるビーム20の像はマイクロエングレービング16と同じ形状の強度変動を含む。
【0047】
図2の右側に示すように、後方散乱器12に到達した光は送り返され、これにより同じ方向に若干散乱される。
【0048】
後方散乱器により後方散乱された光ビーム21は、この若干の散乱のために空間的にコヒーレントでない。
【0049】
図3に見られるように、後方散乱器12によりこのように発射された光ビーム21はマイクロエングレービング16により修正されることなく、又はほとんど修正されることなく眼用レンズ14を通過し、光を発射及び受信するアセンブリ11に到達する。
【0050】
以上の説明では、レンズを通過する際に入射光線20が受けるプリズム偏差と後方散乱器12により発射されたビーム21がレンズを再度通過する際に受けるプリズム偏差とについて述べなかった。
【0051】
これは、これらの2つの連続プリズム偏差が互いに完全に相殺するからである。
【0052】
したがって、後方散乱器12上に形成されるマイクロエングレービング16の像はプリズム偏差により変形され、一方でアセンブリ11により眼用レンズ14を通して見られる後方散乱器12の像は正確に逆の方法で変形される。
【0053】
したがって、アセンブリ11により見られる後方散乱器12の像はマイクロエングレービング16の正確な表像を含む。
【0054】
眼用レンズ14を通過する光学ビームが平行にされ空間的にコヒーレントであることが、後方散乱器12上のマイクロエングレービング16の非常にコントラストされた投影を得ることを可能にする。
【0055】
ホルダ13は、後方散乱器12上のマイクロエングレービング16の投影が容易に観察されるように、すなわち、眼用レンズ14と後方散乱器12との距離が、後方散乱器12上の投影が明瞭なままであるのに十分に小さく(この距離が大き過ぎれば、像はマイクロエングレービング16における回析のためにぼやけるであろう)、及びマイクロエングレービング16の投影が観察されるのに十分に大きくなるように配置される。
【0056】
次に、光を発射及び受信するアセンブリ11について
図4を参照して詳細に説明する。
【0057】
図示の例では、アセンブリ11は、分散光源25と、ピンホール27を含むダイアフラム26と、半透ミラー28と、再配向ミラー(redirecting mirror)29と、コリメートレンズ30と、ビデオカメラ31と、ビデオカメラ31へ接続された表示ユニット32とを含む。
【0058】
ダイアフラム26とビデオカメラ31の対物レンズ35とは、共役場所である半透ミラー28の両側に配置される。すなわち、これらは、再配向ミラー29の視点から同一の場所に配置されているものとして見られる。
【0059】
この場所はコリメートレンズ30の焦点となるように選択される。したがって、2つの共役場所のそれぞれはコリメートレンズ30の焦点に対応する。
【0060】
したがって、ダイアフラム26のピンホール27はコリメートレンズ30の第1の焦点に配置されると考えられ得、ビデオカメラ31の対物レンズ35はコリメートレンズ30の第2の焦点に配置されると考えられ得る。
【0061】
分散光源25はダイアフラム26の可能な限り近く(例えば0.5mm未満)に配置されるため、ダイアフラム26のピンホール27は点光源を形成する。
【0062】
この点光源により発射された光は、半透ミラー28により次に再配向ミラー29により反射され、コリメートレンズ30を通過する。
【0063】
ピンホール27はコリメートレンズ30の焦点に配置されるため、レンズ30から現れるビーム20は平行化される、すなわちその光線はすべて互いに平行に配向される。
【0064】
図5は、コリメートレンズ30の焦点長F及びピンホール27の直径D(すなわち、分散光源25とダイアフラム26とにより形成される点光源の直径)を概略的に示す。
【0065】
実際には、点光源は、分散光源25を形成するLEDとダイアフラム26とを組み合わせた市販部品により形成され得る。
【0066】
光束が十分であることを保証するために、直径Dは少なくとも10μm又はさらには少なくとも20μmである。直径Dに与えられる最大値について以下に説明する。
【0067】
後方散乱器12から発せられたビーム21の光は、眼用レンズ14を通過した後、コリメートレンズ30を通過し、再配向ミラー29により反射され、半透ミラー28を通過し、ビデオカメラ31の対物レンズ35へ到達する。
【0068】
対物レンズは、ビデオカメラ31のセンサ36が後方散乱器12を撮像するように合焦される。
【0069】
これらの像はビデオカメラ31へ接続された表示ユニット32上に表示される。
【0070】
したがって、表示ユニット32を見る観察者は、眼用レンズ14の面15上に存在するマイクロエングレービング16が識別及び定位され得るようにする像を見る。
【0071】
これにより、オペレータは、マイクロエングレービング16が眼用レンズ14上のいずれの箇所にあるか、したがって光学中心とこの眼用レンズの球面屈折力の軸とがいずれに配置されるかを判断できるようになる。これらのパラメータは、例えば、オペレータが眼用レンズ14を縁取り(すなわち、眼用レンズ14の端を、合わせられなければならないフレームの形状にカット)しようとする場合にオペレータに役立つ。
【0072】
実際には、縁取り機へ眼用レンズ15を取り付けるのに使用される心出しピンは、このように観察されるマイクロエングレービング16のために機器10内に配置される。心出しピンはオペレータにより手動で配置され得る。
【0073】
図6は、心出しピンが自動的に配置され得るようにする要素を示す。
【0074】
表示ユニット32へ接続されることに加えて、ビデオカメラ31はマイクロエングレービング16を識別及び定位することができる画像解析装置37へ接続される。心出しピンを自動的に配置する装置38が装置37へ接続され、装置37は心出しピンが配置されなければならない眼用レンズ14の面15上に位置する座標を装置38へ提供する。
【0075】
心出しピンを自動的に配置する装置38は,例えば米国特許第6,888,626号明細書に対応する仏国特許第2,825,466号明細書に記載されたものである。
【0076】
一般的に、700nm〜1000nmに含まれる波長(すなわち可視光のスペクトル近傍の赤外線)を有することは、分散光源25としたがってダイアフラム26により形成する点光源とに有利である。
【0077】
したがって、ピンホール27とビデオカメラ31のセンサ36との間のその経路上の光の減衰は、眼用レンズ14が着色された場合を含み、緩和される。
【0078】
当然のことながら、ビデオカメラ31のセンサ36はこの波長帯において敏感であるように選択される。
【0079】
一般的に、機器10はここでは、幅が10〜80μmに含まれるマイクロエングレービング16のために構成される。
【0080】
後方散乱器12上に投影されるマイクロエングレービング16の像がコントラストされることが重要である。具体的には、これにより、比較的大きいサイズの対物レンズ35の開口を有するビデオカメラ31を使用できるようにする。このような開口は、ビデオカメラ31のセンサ36までの経路上の光束の損失を制限する。
【0081】
したがって、マイクロエングレービング16の流体観察を可能にするために十分な光束がビデオカメラ31のセンサ36により受信される。すなわち、ユーザは、表示ユニット32がリアルタイムで(実際には、少なくとも15Hzに等しい周波数で)リフレッシュされる間に眼用レンズ14をホルダ13の上で移動させ得る。
【0082】
前述の範囲の波長により、コリメートレンズ30の焦点長F(レンズ30とその焦点との間の距離)の50分の1以下の直径Dを有するピンホール27は後方散乱器12上に投影されるマイクロエングレービング16の像がコントラストされることを保証できるようにすることが観察された。
【0083】
これはビーム20の横方向空間的コヒーレンス幅とマイクロエングレービング16の幅との良好な一致の結果であると考えられる。
【0084】
一般的に、マイクロエングレービングの幅の10μmの前述の下限を所与として、ビーム20の横方向空間的コヒーレンス幅はマイクロエングレービング16の幅の5倍以上であることが有利である。
【0085】
定義により、横方向空間的コヒーレンス幅はFλ/Dに等しい。ここでλは光束の波長である。
【0086】
マイクロエングレービングの幅がaで表されれば、次の関係:D≦Fλ/5aが得られる。
【0087】
例えば、
− マイクロエングレービングの幅が50μmであり、
− 光束の波長が850nmであり、
− コリメートレンズ30の焦点長が200mmであれば、
ピンホール27の直径Dは680μm以下である。
【0088】
光束の波長λが800〜900μmに含まれ、焦点長Fが150〜300mmに含まれる場合、30μm〜60μmに含まれる幅を有するマイクロエングレービング16に対して優れた結果が得られることが観察された。
【0089】
上に示すように、700nm〜1000nmに含まれる波長で発射する光源25と、コリメートレンズ30の焦点長Fの50分の1以下の光源直径Dとにより、後方散乱器12上に投影されるマイクロエングレービング16の像は良くコントラストされる。
【0090】
状況によっては、直径Dは、焦点長Fの100分の1以下、150分の1、200分の1、又は250分の1となるように選択される。
【0091】
ビデオカメラ31のセンサ36により受信される光束を十分なものにするために好ましいパラメータは、
− ダイアフラム26のピンホール27を通して発射される高強度の光束、及び/又は
− 後方散乱器12により散乱される光の散乱角に一致する対物レンズ35の開口(
図3及び
図2の右側の部分を参照)
であることも観察された。
【0092】
矢印39により
図7に示すように、粒状性を平均化するために、後方散乱器12は機器10の使用中に回転される。
【0093】
校正パターンを後方散乱器12上に配置することも可能であり(ここで、ビデオカメラ31の対物レンズ35が後方散乱器12上に合焦されることと、したがって、しかも眼用レンズ14が存在してもしなくても見られるのは後方散乱器12であることとが想起される)、このような校正パターンは後方散乱器が急速回転しているときにはもはや感知可能でない。
【0094】
参照符号16などのマイクロエングレービングはそれらの製造者により提供される眼用レンズが担持するマークより精密であることと、本発明による機器はマイクロエングレービングが精度の利点のために直接使用され得るようにすることとに注意されたい。
【0095】
例えば心出しのためのこのような精度は、レンズがますます個人専用になりつつあるため、重要である。
【0096】
機器10は既存機器(例えばリーダブロッカ(reader−blocker)、グラインダ)に容易に一体化可能であることに注意されたい。
【0097】
本発明による機器の1つの可能な利用はマイクロエングレービングにより与えられた基準とレンズ上に存在する他の基準マーク(例えばレンズが供給されるマーク)間のいかなるずれも測定することであり、及び/又は本発明による機器の別の可能な利用は、機器10による読み出しのために、マークをマイクロエングレービングに対して極めて正確にすることであることにも注意されたい。
【0098】
これまでに説明した機器10の実施形態では、後方散乱器12は非開口回転可能プラテン(すなわち開口を含まないプラテン)により形成される。
【0099】
後方散乱器12が、開口を含む後方散乱器により置換され、光を受信及び解析するアセンブリはこの後方散乱器の下(すなわち眼用レンズ14を保持するように設けられたホルダ13の反対側である後方散乱器の側)に配置される本発明による光学機器の第2の実施形態について、次に
図8〜
図13を参照して説明する。
【0100】
ホルダ13、後方散乱器内の開口及び光を受信及び解析するアセンブリは、光を受信及び解析するアセンブリが、平行光のビーム20から、眼用レンズ14及び後方散乱器内の開口を通過した後の光を受信するように構成される。
【0101】
受信光は眼用レンズ14のいくつかの光学データ(特には、その光学中心と円柱屈折力の軸)を判断するために解析される。これらのデータは、眼用レンズ14が縁取りされる場合に、又はさらに球面屈折力及び円柱屈折力などの他のデータを判断するために役立つ。
【0102】
第2の実施形態による光学機器の第1のバージョンは
図8及び
図9に、第2のバージョンは
図10及び
図11に、第3のバージョンは
図12に示される。
【0104】
第1のバージョン、第2のバージョン及び第3のバージョンのそれぞれでは、後方散乱器12は後方散乱器112により置換される。
【0105】
後方散乱器12と同様に、後方散乱器112は回転中心40を中心とする円形輪郭を有するが、開口41、開口141及び開口241をそれぞれ有する。
【0106】
図8及び
図9に示す第1のバージョンでは、開口41は鋭角を有する扇形の形状をとる。開口41は回転中心40から後方散乱器112の周囲まで延びる。
【0107】
図8に見られるように、光を受信及び解析するアセンブリ42は回転中心40を中心として配置される。
【0108】
図9に見られるように、眼用レンズ14のホルダ13は回転中心40に対して中心に配置される。
【0109】
平行光のビーム20からの光は、眼用レンズ14と開口41とを通過した後、光を受信及び解析するアセンブリ42へ到達する。
【0110】
図8に照らして理解されるように、光を受信及び解析するアセンブリ42の一部分は開口41といかなる時点でも一致する。
【0111】
したがって、光を受信及び解析するアセンブリ42の一部分は開口41を通過した光をいかなる時点でも受信する。
【0112】
後方散乱器112の回転運動のために、光を受信及び解析するアセンブリ42の各部分はある瞬間に、後方散乱器112が回転すると開口41と一致する。
【0113】
したがって、後方散乱器112の各回転時に、光を受信及び解析するアセンブリ42の全体は眼用レンズ14と開口41とを通過した光を受信する。
【0114】
したがって、後方散乱器112の各回転時に、光を受信及び解析するアセンブリ42は眼用レンズ14の対応ゾーンの全体を通過した光を受信する。
【0115】
後方散乱器112の少なくとも一回転中に受信された光を解析することにより、光を受信及び解析するアセンブリ42はレンズ14(より正確には、光を受信及び解析するアセンブリ42に到達する前に光が通過したゾーン)の光学データを判断することができる。
【0116】
回転中心40は開口41内に配置されない(中心40はここでは開口41の周囲上にある)ため、開口41のいかなる部分も回転中心40を中心としない。
【0117】
したがって、その回転中心41とその周囲との間の後方散乱器112に対向するいかなる定常点も、各回転の一部期間中、開口41の一部を形成しない後方散乱器112の部分(すなわち非開口部分)と一致する。
【0118】
ここで、開口41が、回転中心40にその頂点を有し30°の開口角を有する鋭角を有する扇形の形状をとる場合、各定常点は一回転の1/12(30/360)中に開口41と一致し、したがって、一回転の11/12中、開口41の一部を形成しない後方散乱器112の部分と一致する。
【0119】
したがって、表示ユニット32により表示される後方散乱器112の像は開口41に対応する空隙を含まず、したがってマイクロエングレービング16がその全体として見られるようにする。
【0120】
開口41が表示ユニット32上のすべてにおいて現われるのを防止することを可能にする測定について、
図11及び
図14を参照して以下に説明する。
【0121】
図9及び
図10に示された第2の実施形態による光学機器の第2のバージョンは第1のバージョンの変形形態である。ここでは、開口41は、鋭角を有する扇形の形状をとる開口141によりまた置換されるが、その頂点は回転中心40から離れた距離にあり、さらに、光を受信及び解析するアセンブリ42は、眼用レンズ14を保持するように設けられたホルダ13がそうであるように、回転中心40に対し偏心されており、ホルダ13と光を受信及び解析するアセンブリ42とは互いに同一の中心点を有する。
【0122】
平行光のビーム20からの光は、眼用レンズ14と開口141とを通過した後、光を受信及び解析するアセンブリ42に到達する。
【0123】
図10に照らして理解されるように、光を受信及び解析するアセンブリ42の一部分は開口141といかなる時点でも一致する。
【0124】
したがって、光を受信及び解析するアセンブリ42の一部分は開口141を通過した光をいかなる時点でも受信する。
【0125】
後方散乱器112の回転運動のために、光を受信及び解析するアセンブリ42の各部分はある瞬間に、後方散乱器112が回転すると開口141と一致する。
【0126】
したがって、後方散乱器112の各回転時、光を受信及び解析するアセンブリ42の全体は眼用レンズ14と開口141とを通過した光を受信する。
【0127】
したがって、後方散乱器112の各回転時、光を受信及び解析するアセンブリ42は眼用レンズ14の対応ゾーンの全体を通過した光を受信する。
【0128】
回転中心40は開口141内に配置されないため、開口141のいかなる部分も回転中心40を中心としない。
【0129】
開口41に関して上に説明したのと同じ理由で、開口141を含む後方散乱器112の像であって表示ユニット32により表示される像は、開口141に対応する空隙を含まず、したがって眼用レンズ14のマイクロエングレービング16がその全体として見られるようにする。
【0130】
第2の実施形態による光学機器の
図12に示される第3のバージョンは、螺旋形状である開口241により開口41が置換される第1のバージョンの変形形態である。さらに、眼用レンズ14を保持するように設けられたホルダ13がそうであるように、光を受信及び解析するアセンブリ42は回転中心40に対して偏心されている、すなわちホルダ13と光を受信及び解析するアセンブリ42は互いに同一の中心点を有する。
【0131】
平行光のビーム20からの光は、眼用レンズ14と開口241とを通過した後、光を受信及び解析するアセンブリ42に到達する。
【0132】
図12に照らして理解されるように、光を受信及び解析するアセンブリ42の一部分は開口241といかなる時点でも一致する。
【0133】
したがって、光を受信及び解析するアセンブリ42の一部分は開口241を通過した光をいかなる時点でも受信する。
【0134】
後方散乱器112の回転運動のために、光を受信及び解析するアセンブリ42の各部分はある瞬間に、後方散乱器112が回転すると開口241と一致する。
【0135】
したがって、後方散乱器112の各回転時、光を受信及び解析するアセンブリ42の全体は眼用レンズ14と開口241とを通過した光を受信する。
【0136】
したがって、後方散乱器112の各回転時、光を受信及び解析するアセンブリ42は眼用レンズ14の対応ゾーンの全体を通過した光を受信する。
【0137】
回転中心40は開口241内に配置されないため、開口141のいかなる部分も回転中心40を中心としない。
【0138】
開口41に関して上に説明したのと同じ理由で、開口241を含む後方散乱器112の像であって表示ユニット32により表示される像は、開口241に対応する空隙を含まず、したがって眼用レンズ14のマイクロエングレービング16がその全体として見られるようにする。
【0139】
図9及び
図11に見られるように、光を受信及び解析するアセンブリ42はハルトマンマトリックス45と、ハルトマンマトリックス45から所定の距離e(
図11)に配置された画像センサ46とを含む。
【0140】
ハルトマンマトリックス45は一定間隔で穿孔された不透明板であるため、センサ46により捕捉される像はそれぞれがマトリックス45の1つの孔に対応する発光点のマトリックスであり、これらの発光点の位置は眼用レンズ14の光学的特性に依存する。
【0141】
したがって、画像センサ46により捕捉された像の解析は、例えばハルトマン又はシャック−ハルトマン偏向計測法を介し、眼用レンズ14の光学的特性(特にその光学中心、その円柱屈折力の軸、その球面屈折力、その円柱屈折力及び他特性)を判断できるようにする。より詳細については、読者は、例えば米国特許第6,888,626号明細書又は国際公開第95/34800号パンフレットに対応する仏国特許出願第2,825,466号明細書を参照し得る。
【0142】
図11に見られるように、画像センサ46は、眼用レンズ14の光学的特性を判断することができる画像解析装置47へ接続される。
【0143】
画像解析装置47は、画像解析装置47により判断された眼用レンズ14の光学的特性を表示し得る表示ユニット32へ接続される。
【0144】
図13に示すように、本発明による光学機器の第2の実施形態では、心出しピンを配置する装置38は画像解析装置37だけでなく画像解析装置47へも接続される。このことは、心出しピンを自動的に配置する装置38が、心出しピンがマイクロエングレービング16によってだけでなく、レンズ14の光学的特性によっても配置されなければならない眼用レンズ14の面15上の場所の座標を取得し得ることを意味する。
【0145】
図11は、後方散乱器122を回転させるように駆動する装置50であって、後方散乱器122を回転中心40を中心として回転させるように構成された装置50を概略的に示す。
【0146】
図11を参照して、どのようにして参照符号41、141又は241などの開口に対応する空隙が表示ユニット32上に現われるのを防止することができるかを説明する。
【0147】
ビデオカメラ31と、後方散乱器112を回転させるように駆動する装置50とは、ビデオカメラ31が撮像する各時間間隔が後方散乱器112の整数回転数に対応するように構成された制御装置51へ接続される。
【0148】
図示の例では、各像は1/20秒期間中に撮影され、後方散乱器112は1/20秒で一回転する(すなわち1200回転/分の速度)。
【0149】
上に説明したように、回転中心40は参照符号41、141又は241などの開口内に配置されていないため、これら開口のいかなる部分も回転中心40を中心としない。
【0150】
したがって、その回転中心40とその周囲との間の後方散乱器112に対向するいかなる定常点も、各回転の少なくとも一部期間中は、開口の一部分を形成しない後方散乱器112の一部分(非開口部分)と一致する。
【0151】
同様に、ビデオカメラ31のセンサ36の各画素は、各回転の一部期間中、開口の一部分を形成しない後方散乱器112の部分から光を受信する。
【0152】
各像は後方散乱器112の1又は複数の整数回転中に撮影されるため、各画素は、参照符号41、141又は241などの開口の一部分を形成しない後方散乱器112の部分から到来する光のうちの同じ割合の光を受信する。
【0153】
したがって、ビデオカメラ31により撮影された各像は、参照符号41、141又は241などの開口に対応する空隙を含まない。
【0154】
表示ユニット32を見るオペレータは、後方散乱器112のすべて又は一部があまり明るく見えないことを除いて、非開口後方散乱器12による像と同じ像を見る。
【0155】
例えば、
図8及び
図9に示す開口41を有する後方散乱器112について、後方散乱器112の感知輝度は、他のすべてが等しければ、全体として後方散乱器12の感知輝度の11/12である。
【0156】
したがって、
図8及び
図9に示す開口41を有する後方散乱器112は、光を光受信及び解析ユニット42へ依然として通すが、完全に非開口の後方散乱器(後方散乱器12と全く同様)として感知される。
【0157】
図10及び
図11に示す開口141を有する後方散乱器112について、その半径が回転中心40と開口141の頂点との間の距離に対応する中央部は後方散乱器12と同じ輝度でもって感知され、一方、後方散乱器112の残り部分はあまり明るくないと感知される。
【0158】
これらすべての場合、後方散乱器112の像はマイクロエングレービング16がその全体として見られるようにする。
【0159】
制御装置51の実装は、例えば、ビデオカメラ31と回転駆動装置50とを制御するための共通時間ベース生成器を含む。
【0160】
図11に示す例では、後方散乱器112の位置を判断するための検知器52がまた、その回転速度が自動的に制御され得るようにするために設けられた。
【0161】
変形形態として、
図14に示すように、ビデオカメラ31と後方散乱器12を回転させるように駆動する装置50とを制御するために参照符号51などの制御装置を設けるのではなく、後方散乱器112を回転させるように駆動する装置50、及び分散光源25とダイアフラム26とにより形成された点光源の分散光源25へ接続される装置55を設ける。
【0162】
制御装置55は光源25に閃光を発射させるように構成され、光源25が閃光を発射する各期間は後方散乱器112の整数回転数に対応する。
【0163】
例えば、後方散乱器112が1200回転/分の速度で回転すれば、したがって1/20秒毎に一回転すれば、各閃光は1/20秒の期間又は1/20秒の倍数の期間を有する。
【0164】
閃光間にはいかなる光も発射されないため、閃光が発射される瞬間のみが表示ユニット32上に現われる。
【0165】
像が表示ユニット32上に現われる各瞬間は後方散乱器112の1又は複数回転の間のみ持続するため、表示された各画像は、参照符号41、141又は241などの開口に対応する空隙を含まない。
【0166】
表示ユニット32を見るオペレータは、像が、光源25により発射された閃光のリズムで振動する輝度を有することを除き、参照符号51などの制御装置によるものと同じ像を見る。
【0167】
制御装置55の実装は、例えば、光源25の閃光と回転駆動装置50とを制御するための共通時間ベース生成器を含む。
【0168】
一般的に、後方散乱器12又は後方散乱器112の回転の好適な範囲は600〜5000回転/分である。
【0169】
本発明による光学機器の第2の実施形態の変形形態(図示せず)では、開口41、141又は241は、回転中心40を含まない異なる形状/形態の開口(例えば後方散乱器112の周囲まで延びない開口又はその輪郭が光を受信及び解析するアセンブリ42より大きい開口)により置換され、及び/又は複数の開口により置換される。
【0170】
本発明による光学機器の第1及び第2実施形態の変形形態(図示せず)では、
− 参照符号29などの再配向ミラーは存在しないか、又はミラー29はミラー29とコリメートレンズ30との役割を併せて果たす湾曲ミラーにより置換され、
− 点光源は異なる方法で構成され、例えば点光源は所定の直径のペンシルビームを発射するレーザであり、
− コリメートレンズは例えば複数のレンズからなる異なるコリメート部材により置換され、
− ビデオカメラ31は別の画像捕捉ユニットにより置換され、
− 表示ユニット32は別の画像活用ユニット(例えば参照符号37などの画像解析装置)により置換され、及び/又は
− 参照符号16などのマイクロエングレービングは参照符号15などの前面上以外の箇所(例えば後面上又はレンズの厚さ方向)に配置される。
【0171】
状況に応じて他の多くの変形形態が可能であり、この点で、本発明は説明及び示された例に限定されないことが想起される。