【課題を解決するための手段】
【0020】
発明の詳細な説明
本発明の第一の面において、(a)配列番号1の相補性決定領域(CDR)H1、配列番号2のCDRH2および以下の式1
X
1−X
2−X
3−X
4−X
5−X
6−X
7−Phe−Asp−Tyr (式1)
(式中、X
1は、His、Asn、SerまたはAlaであり、X
2は、Leu、Phe、Tyr、His、Met、Trp、Asn、IleまたはAlaであり、X
3は、GlyまたはCysであり、X
4は、GlyまたはSerであり、X
5は、Thr、MetまたはAlaであり、X
6は、Ala、Ser、GlyまたはThrであり、そしてX
7は、Ser、Ala、CysまたはThrである。)
で示されるCDRH3を含む、重鎖可変領域;ならびに
(b)軽鎖可変領域
を含む、ヒト上皮細胞増殖因子受容体2(HER2)に対する抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0021】
本発明者らは、HER2関連疾患、特に癌(より具体的には、乳癌および胃癌)を予防または処置し得る抗体を開発するために鋭意研究を行った。特に、本発明者らは、単剤としてのトラスツズマブ治療に伴う抗癌効果の限界を克服することができる、トラスツズマブと併用する抗体を開発するために鋭意研究を行った。その結果、本発明者らは、それ自体が顕著な抗癌効果を有し、癌(特に、乳癌および胃癌、より具体的には、HER2を発現する乳癌および胃癌)の予防または処置のためにトラスツズマブと併用してより有益な効果を有する新規の抗体を開発した。
【0022】
本発明の抗体は、HER2に特異的な結合能を有している。特に、本発明の抗体は、トラスツズマブが結合するエピトープとは異なるHER2上のエピトープに結合する。
【0023】
本明細書で用いる用語“トラスツズマブ”は、米国特許第5,821,337号に記載の抗体を意味する。
【0024】
本発明の抗体は、種々のHER2を発現する癌細胞に対する細胞毒性効果または増殖阻害効果を示す。癌細胞に関連して用語“細胞毒性”および“増殖阻害”には意図的な区別はなく、これらの用語は、本明細書中で互換的に用いられる。
【0025】
本明細書で用いる用語“抗体”は、全抗体ならびに抗体の抗原結合フラグメントを含む、HER2特異的抗体を意味する。
【0026】
全抗体は、2つの完全長軽鎖および2つの完全長重鎖を含み、各軽鎖は、ジスルフィド結合によって重鎖に連結されている。重鎖定常領域は、γ1、γ2、γ3、γ4、α1およびα2のサブグループに分類されている、5つの異なるアイソタイプ(y、μ、α、δおよびε)を含む。軽鎖定常領域は、2つの異なるアイソタイプ(κおよびλ)を含む(Cellular and Molecular Immunology, Wonsiewicz, M. J., Ed., Chapter 45, pp. 41−50, W. B. Saunders Co. Philadelphia, PA(1991); Nisonoff, A., Introduction to Molecular Immunology, 2nd Ed., Chapter 4,pp. 45−65, sinauer Associates, Inc., Sunderland, MA (1984))。
【0027】
抗原結合フラグメントは、Fab、F(ab’)、F(ab’)
2、Fvなどを含む、抗原に結合できる抗体フラグメントを意味する。Fabは、抗体の重鎖および軽鎖の可変ドメイン、軽鎖の定常ドメインおよび重鎖の第一定常ドメイン(CH
1)からなる一つの抗原結合部位を有する。Fab’は、重鎖のCH
1ドメインのC末端に1つまたはそれ以上のシステイン残基を含むヒンジ領域が存在するという意味で、Fabとは異なる。F(ab’)
2抗体は、Fab’のヒンジ領域のシステイン残基との間にジスルフィド結合を形成することにより作製される。Fvは、重鎖および軽鎖の可変領域からなる最小の抗体フラグメントであり、Fvフラグメントを製造するための組換え技術は、国際公開番号WO88/10649、WO88/106630、WO88/07085、WO88/07086およびWO88/09344に開示されている。二本鎖において、重鎖および軽鎖の可変領域は非共有結合により連結され、一本鎖Fvにおいて、重鎖および軽鎖の可変領域は、一般的に、ペプチドリンカーを介して共有結合によって連結されているか、またはC末端で互いに直接結合されて、二本鎖Fvのような二量体を形成する。このような抗体フラグメントは、タンパク質分解酵素を用いて得ることができ(例えば、抗体全体をパパインで消化して、Fabフラグメントを生産し、ペプシン処理の結果、F(ab’)
2フラグメントを生産する)、また遺伝子組換え技術により製造することができる。
【0028】
ひとつの態様では、本発明の抗体は、Fab抗体および全抗体を含む。加えて、重鎖定常領域は、γ、μ、α、δまたはεからなるアイソタイプから選択される。好ましくは、重鎖定常領域は、γ1、γ3およびγ4アイソタイプを含み、より好ましくは、γ1アイソタイプを含む。軽鎖定常領域は、κおよびλアイソタイプであり得て、好ましくは、κアイソタイプであり得る。従って、本発明の抗体の好ましい態様は、κ軽鎖およびγ1重鎖を含むFabまたはIgG1抗体である。
【0029】
本明細書で用いる用語“重鎖”は、完全長重鎖ならびに抗原に特異的に結合するための可変領域配列および3つの定常ドメイン(C
H1、C
H2およびC
H3)のアミノ酸配列を含む可変ドメイン(V
H)を含むその部分の両方を意味する。本明細書で用いる用語“軽鎖”は、完全長軽鎖ならびに抗原に特異的に結合するための可変領域配列および定常ドメイン(C
L)のアミノ酸配列を含む可変ドメイン(V
L)を含むその部分の両方を意味する。
【0030】
本明細書で用いる用語“CDR(相補性決定領域)”は、免疫グロブリンの重鎖および軽鎖の超可変領域のアミノ酸配列を意味する(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 4th Ed., U.S. Department of Health and Human Services, National Institutes of Health (1987))。重鎖および軽鎖のそれぞれは、3つのCDR(重鎖(CDRH1、CDRH2およびCDRH3)および軽鎖(CDRL1、CDRL2およびCDRL3))を含む。CDRは、抗原またはエピトープに結合する抗体において重要な役割を果たす接触残基(contacting residue)を提供する。
【0031】
本発明の抗体において、CDRH3は、式1で示される。
【0032】
式1中、X
1は、His、Asn、SerまたはAlaであり、具体的には、His、AsnまたはSerであり、より具体的には、HisまたはAsnであり、さらにより具体的には、Hisである。
【0033】
式1中、X
2は、Leu、Phe、Tyr、His、Met、Trp、Asn、IleまたはAlaであり、具体的には、Leu、Phe、Tyr、His、Met、Trp、AsnまたはIleであり、より具体的には、Leu、PheまたはTyrであり、さらにより具体的には、Leuである。
【0034】
式1中、X
3は、GlyまたはCysであり、具体的にはGlyである。
【0035】
式1中、X
4は、GlyまたはSerであり、具体的にはGlyである。
【0036】
式1中、X
5は、Thr、MetまたはAlaであり、具体的にはThrである。
【0037】
式1中、X
6は、Ala、Ser、GlyまたはThrであり、具体的にはAlaである。
【0038】
式1中、X
7は、Ser、Ala、CysまたはThrであり、具体的にはSerである。
【0039】
ひとつの態様では、X
1は、His、AsnまたはSerであり、X
2は、Leu、PheまたはTyrであり、X
3は、Glyであり、X
4は、Glyであり、X
5は、Thr、MetまたはAlaであり、X
6は、Ala、Ser、GlyまたはThrであり、そしてX
7は、Ser、Ala、CysまたはThrである。
【0040】
より具体的には、X
1は、His、AsnまたはSerであり、X
2は、Leu、PheまたはTyrであり、X
3は、Glyであり、X
4は、Glyであり、X
5は、Thrであり、X
6は、Alaであり、そしてX
7は、Serである。
【0041】
さらにより具体的には、CDRH3は、配列番号3、27−28、32および39−86からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。さらにより具体的には、CDRH3は、配列番号3、43、64、67、71、76、83、84または85のアミノ酸配列を含み、最も具体的には、配列番号3のアミノ酸配列を含む。
【0042】
ひとつの態様では、軽鎖可変領域は、配列番号4のCDRL1、配列番号5のCDRL2、および以下の式2
Y
1−Y
2−Y
3−Y
4−Y
5−Y
6−Pro−Trp−Thr (2)
(式中、Y
1は、Gln、AspまたはAlaであり、Y
2は、Gln、Asn、GluまたはAlaであり、Y
3は、Leu、Met、Asn、Ile、Ser、Thr、AlaまたはLysであり、Y
4は、Tyr、Ala、Ser、Arg、Val、Gly、MetまたはPheであり、Y
5は、Ser、Phe、Tyr、Arg、Ile、Gly、Lys、Asn、ValまたはAlaであり、そしてY
6は、Thr、Ser、Val、Ile、Ala、Gly、Asn、Glu、PheまたはLeuである。)
で示されるCDRL3を含む。
【0043】
式2中、Y
1は、Gln、AspまたはAlaであり、具体的には、GlnまたはAspであり、より具体的には、Glnである。
【0044】
式2中、Y
2は、Gln、Asn、GluまたはAlaであり、具体的には、Gln、AsnまたはGluであり、より具体的には、Glnである。
【0045】
式2中、Y
3は、Leu、Met、Asn、Ile、Ser、Thr、AlaまたはLysであり、具体的には、Leu、Met、Asn、Ile、SerまたはThrであり、より具体的には、Leu、Met、AsnまたはIleであり、さらにより具体的には、LeuまたはMetであり、最も具体的には、Leuである。
【0046】
式2中、Y
4は、Tyr、Ala、Ser、Arg、Val、Gly、MetまたはPheであり、具体的には、TyrまたはAlaである。
【0047】
式2中、Y
5は、Ser、Phe、Tyr、Arg、Ile、Gly、Lys、Asn、ValまたはAlaであり、具体的には、Ser、Phe、Tyr、ArgまたはIleであり、より具体的には、Ser、PheまたはTyrである。
【0048】
式2中、Y
6は、Thr、Ser、Val、Ile、Ala、Gly、Asn、Glu、PheまたはLeuであり、具体的には、Thr、Ser、Val、Ile、Ala、GlyまたはAsnであり、より具体的には、Thr、SerまたはAlaである。
【0049】
ひとつの態様では、Y
1は、GlnまたはAspであり、Y
2は、Glnであり、Y
3は、Leu、Met、Asn、Ile、SerまたはThrであり、Y
4は、Tyr、Ala、Ser、Arg、Val、Gly、MetまたはPheであり、Y
5は、Ser、Phe、Tyr、ArgまたはIleであり、そしてY
6は、Thr、Ser、Val、Ile、Ala、GlyまたはAsnである。
【0050】
より具体的には、CDRL3は、配列番号6、33−38または87−245のアミノ酸配列を含む。さらにより具体的には、CDRL3は、配列番号6、88、109、131、155、156、157、178、218、220、222または239のアミノ酸配列を含み、より具体的には、配列番号6、88(hz1E11−3)、218(hz1E11−133)または239(hz1E11−154)のアミノ酸配列を含む。
【0051】
ひとつの態様では、重鎖可変領域は、配列番号8(1E11)または24(hz1E11)のアミノ酸配列を含む。
【0052】
ひとつの態様では、軽鎖可変領域は、配列番号10(1E11)、26(hz1E11)、247(hz1E11−3)、249(hz1E11−133)または251(hz1E11−154)のアミノ酸配列を含む。
【0053】
実施例に示す通り、本発明の抗体は、特に、HER2の細胞外ドメインのうちサブドメイン4に結合しているが、本発明の抗体は、トラスツズマブのエピトープとは異なるサブドメイン4上のエピトープに結合している。
【0054】
本発明のHER2抗体またはその抗原結合フラグメントは、それらが特異的にHER2を認識することが可能である限り、配列表に記載のアミノ酸配列の変異体を包含する。例えば、抗体のアミノ酸配列は、抗体の結合親和性および/または他の生物学的特徴を改善するために改変されてもよい。例えば、そのような改変は、抗体のアミノ酸残基の欠失、挿入および/または置換を含む。
【0055】
かかるアミノ酸の変異は、アミノ酸側鎖の相対的類似性に基づいて、例えば、疎水性、親水性、電荷および大きさに基づいて提供され得る。アミノ酸側鎖の大きさ、形状、およびタイプの分析により、アルギニン、リジンおよびヒスチジン残基は全て、正の電荷を有するものであり、アラニン、グリシンおよびセリンは、同様の大きさを有し、フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシンは、同様の形状を有することが明らかであり得る。従って、これらの大きな要因に基づき、アルギニン、リジンおよびヒスチジン、アラニン、グリシンおよびセリン、ならびにフェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシンは、生物学的に機能的等価物であるとみなされ得る。
【0056】
変異を導入するために、アミノ酸の疎水親水性(ハイドロパシー)指標を考慮することができる。疎水性および電荷に基づいて、疎水親水性指標が各アミノ酸に与えられる。イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(−0.4);スレオニン(−0.7);セリン(−0.8);トリプトファン(−0.9);チロシン(−1.3);プロリン(−1.6);ヒスチジン(−3.2);グルタミン酸(−3.5);グルタミン(−3.5);アスパラギン酸(−3.5);アスパラギン(−3.5);リシン(−3.9);および、アルギニン(−4.5)。
【0057】
タンパク質の相互作用の生物学的機能を提供するために、アミノ酸の疎水親水性指数が顕著に重要である。これはよく、変異体は、タンパク質が同様の疎水親水性指標を有するアミノ酸で置換されている場合にのみ、同様の生物学的活性を有することができることは、当業者によく知られている。変異が疎水親水性指標に基づいて導入される場合、置換は、好ましくは、±2以下の疎水親水性指標の差異、より好ましくは±1以内、さらにより好ましくは±0.5以内の差異を有するアミノ酸残基との間で行われる。
【0058】
同様の親水性値を有する他のアミノ酸とのアミノ酸置換が、生物学的に同等の活性を有する変異体の作製をもたらし得ることもまた、当業者には明らかであり得る。米国特許第4,554,101に記載の通り、各アミノ酸残基は、以下の親水性値を有する。アルギニン(+3.0);リシン(+3.0);アスパラギン酸(+3.0±1);グルタミン酸(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);スレオニン(−0.4);プロリン(−0.5±1);アラニン(−0.5);ヒスチジン(−0.5);システイン(−1.0);メチオニン(−1.3);バリン(−1.5);ロイシン(−1.8);イソロイシン(−1.8);チロシン(−2.3);フェニルアラニン(−2.5);トリプトファン(−3.4)。
【0059】
変異が親水性値に基づいて導入することを意図される場合、置換は、好ましくは、±2以下の親水性値の差異、より好ましくは±1以内、さらにより好ましくは±0.5以内の差異を有するアミノ酸残基との間で行われる。
【0060】
実質的にタンパク質の活性を損なうことのないアミノ酸残基の改変は、当業者によく知られている(H. Neurath, R. L. Hill, The Proteins, Academic Press, New York, 1979)。このようなアミノ酸改変には、Ala/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Thr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/GluおよびAsp/Glyの置換が含まれるが、これらに限定されない。
【0061】
生物学的に等価な活性を有する上記の変異を考慮して、本発明の抗体またはそれをコードする核酸のいずれかは、配列表に記載の配列と実質的に同一の配列を含むことが理解され得る。実質的に同一の配列とは、常套的に用いられている配列比較アルゴリズムの1つを用いて測定される通り、好ましくは、配列表の配列と少なくとも61%、より好ましくは少なくとも70%、さらにより好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%のヌクレオチド同一性を示すものであることを意味する。比較のための配列のアライメントの方法は、当技術分野で周知である。種々のプログラムおよびアライメントアルゴリズムが記載されている。Smith and Waterman, Adv. Appl. Math. 2:482(1981); Needleman and Wunsch, J. Mol. Bio. 48:443(1970); Pearson and Lipman, Methods in Mol. Biol. 24: 307−31(1988); Higgins and Sharp, Gene 73:237−44(1988); Higgins and Sharp, CABIOS 5: 151−3(1989); Corpet et al., Nuc. Acids Res. 16:10881−90(1988); Huang et al., Comp. Appl. BioSci. 8:155−65(1992); および、Pearson et al., Meth. Mol. Biol. 24:307−31(1994)。blastp、blasm、blastx、tblastnおよびtblastx用の配列分析プログラムに関連して使用するための、NCBI Basic Local Alignment 検索ツール (BLAST) (Altschul et al., J. Mol. Biol. 215: 403−10(1990))は、国立生物情報センター(NBCI、Bethesda、Md.)を含むいくつかの供給源ならびにインターネット上から入手可能である。それは、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/において入手可能である。このプログラムを用いて配列同一性を決定する方法の説明は、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BI−AST/blast help.htmlにおいて利用可能である。
【0062】
本発明の抗体には、モノクローナル抗体、多重特異性抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、一本鎖Fv(scFV)、一本鎖抗体、Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、ジスルフィド結合Fv(sdFV)、ならびに抗イディオタイプ(抗Id)抗体およびそのエピトープ結合フラグメントが含まれるが、これらに限定されない。
【0063】
本発明の抗体のCDR配列は、CDR配列がユニークであるために、公知の抗体のCDR配列に対して低い類似性を示す。例えば、BLAST検索(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)において本発明の抗体に高い類似性を有する米国特許第7,329,737号および同第7,993,646号に記載の抗体は、親抗体(mother antibody)である1E11抗体のCDR配列に50%未満の類似性を示し、さらに、本発明の抗体の標的とは異なるhK−1に結合する。
【0064】
従って、本発明の抗体のアミノ酸配列は、新規かつユニークであると考えられ得る。
【0065】
本発明の別の面において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントをコードする核酸分子が提供される。
【0066】
本明細書で用いる用語“核酸分子”は、包括的にDNA(gDNAおよびcDNA)またはRNA分子を意味し、核酸分子の基本的なヌクレオチドは、修飾された糖類または塩基の類似体、ならびに天然ヌクレオチドを含む(Scheit, Nucleotide Analogs, John Wiley, New York (1980); Uhlman and Peyman, Chemical Reviews, 90:543−584 (1990))。重鎖および軽鎖の可変領域をコードする本発明の核酸分子の配列を変更することができる。このような修飾は、ヌクレオチドの付加、欠失または非保存的もしくは保存的置換が含まれる。
【0067】
ひとつの態様では、重鎖可変領域をコードする核酸分子は、配列番号7または23のヌクレオチド配列を含む。
【0068】
ひとつの態様では、軽鎖可変領域をコードする核酸分子は、配列番号9、25、246、248または250のヌクレオチド配列を含む。
【0069】
本発明のHER2抗体をコードする核酸分子はまた、上記のヌクレオチド配列と実質的な相同性を共有するヌクレオチド配列を含む。実質的な相同性とは、本発明のヌクレオチド配列と他のランダム配列との間の最大のアラインメントならびに当業者に公知のアルゴリズムを用いる配列アラインメント分析によって、少なくとも80%、より好ましくは90%、最も好ましくは95%の相同性を共有するヌクレオチド配列を意味する。
【0070】
本発明のさらに別の面では、上記の本発明の核酸分子を含む組み換えベクターが提供される。
【0071】
本明細書で用いる用語“ベクター”は、プラスミドベクター、コスミドベクター、ならびに、バクテリオファージベクター、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクターおよびアデノ随伴ウイルスベクターのようなウイルスベクターを含む、宿主細胞において標的遺伝子を発現するためのツールである。
【0072】
ひとつの態様では、軽鎖および重鎖の可変領域をコードする核酸分子は、プロモーターに操作可能に連結されている。
【0073】
本明細書で用いる用語“操作可能に連結されている”とは、核酸発現制御配列(例えば、プロモーター、シグナル配列、または転写因子結合部位のアレイ)と第二の核酸配列との間の機能的結合を意味し、ここで、発現制御配列は、第二の配列に対応する核酸の転写および/または翻訳に影響を与える。
【0074】
本発明の組み換えベクターは、当業者に公知の種々の方法によって構築され得て、その実用的な方法は、Sambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press (2001)に記載されており、それは引用により本明細書中に包含される。
【0075】
典型的に、本発明のベクターは、クローニングまたは発現ベクターとして構築され得る。加えて、本発明のベクターは、原核または真核細胞を宿主細胞として用いて構築され得る。
【0076】
例えば、発現ベクターが、真核宿主細胞について構築されているとき、哺乳類細胞のゲノム由来のプロモーター(例えば、メタロチオネインプロモーター、β−アクチンプロモーター、ヒトヘモグロビンプロモーターおよびヒト筋肉クレアチンプロモーター)または哺乳動物ウイルス(例えば、アデノウイルス後期プロモーター、ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター、SV40プロモーター、サイトメガロウイルスプロモーター、HSVのtkプロモーター、マウス乳癌ウイルス(MMTV)プロモーター、HIVのLTRプロモーター、モロニーウイルスプロモーター、エプスタイン−バール ウイルス(EBV)プロモーター、およびラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーター)を用いることができる。ベクターは、一般的に、転写ターミネーターとしてポリアデニル化配列を含む。
【0077】
本発明のベクターは、発現された抗体を精製するために、他の配列と融合され得る。例えば、融合される配列としては、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ (Pharmacia, USA)、マルトース結合タンパク質(NEB, USA)、FLAG(IBI, USA)および6xHis(ヘキサヒスチジン;Quiagen, USA)が含まれる。
【0078】
本発明のベクターによって発現されるタンパク質は抗体であるため、発現された抗体はまた、精製のための付加配列なしに容易にプロテインAカラムを通して精製することができる。
【0079】
本発明の発現ベクターは、選択マーカー、例えばアンピシリン、ゲンタマイシン、カルベニシリン、クロラムフェニコール、ストレプトマイシン、カナマイシン、ジェネテシン、ネオマイシンおよびテトラサイクリンに対する耐性遺伝子として当業者に知られている抗生物質耐性遺伝子を含む。
【0080】
本発明のさらなる面において、上記の組み換えベクターで形質転換された宿主細胞を提供する。
【0081】
本発明のベクターが安定に、かつ連続的にクローニングされ、発現される宿主細胞はまた、当業者に公知の任意のものが利用され、例えば、好適な真核宿主細胞としては、COS7細胞(サル腎臓細胞)、NSO細胞、SP2/0、CHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞、W138、BHK(ベビーハムスター腎臓)細胞、MDCK、骨髄腫細胞株、HuT78細胞およびHEK−293細胞が含まれるが、これらに限定されない。
【0082】
本発明の別の面において、(a)薬学的に有効量の本発明のHER2に対する抗体またはその抗原結合フラグメント、ならびに(b)薬学的に許容される担体を含む、癌の予防または処置のための医薬組成物を提供する。
【0083】
本発明の医薬組成物は、本発明のHER2抗体またはその抗原結合フラグメントを活性成分として含むため、それらに共通する説明は、本明細書の過度の複雑化を避けるために省略されている。
【0084】
実施例に記載の通り、トラスツズマブと組み合わせた本発明のHER2抗体は、顕著に増強された細胞毒性を有して癌細胞(特に、乳癌細胞、より具体的には、HER2を発現する乳癌細胞)を殺し、それ故に、癌(特に、乳癌および胃癌、より具体的には、HER2を発現する乳癌および胃癌)の治療により有効である。一態様によれば、該医薬組成物は、トラスツズマブをさらに含む。
【0085】
本発明の組成物によって予防または処置される癌としては、当業者に公知の種々の癌、例えば、乳癌、卵巣癌、胃癌、肺癌、肝臓癌、気管支腫瘍、鼻咽頭癌、喉頭癌、膵臓癌、膀胱癌、結腸直腸癌、結腸癌、子宮頚癌、脳腫瘍、前立腺癌、骨腫瘍、頭頸部癌、皮膚癌、甲状腺癌、副甲状腺癌または輸尿管癌が含まれる。
【0086】
具体的には、該組成物によって予防または処置されるべき癌は、HER2を発現する癌であり、より具体的にはHER2を発現する乳癌または胃癌である。
【0087】
本発明のさらに別の面において、(a)薬学的に有効量の本発明のHER2に対する抗体またはその抗原結合フラグメント、ならびに(b)薬学的に許容される担体を含む、アポトーシスを誘導するための医薬組成物を提供する。
【0088】
ひとつの態様では、該医薬組成物は、アポトーシスを誘導して、癌、過形成、ケロイド、クッシング症候群、原発性アルドステロン症、紅板症、真性赤血球増加症、白板症、肥厚性瘢痕、扁平苔癬、黒子症、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、再狭窄または狭窄である過剰増殖性疾患を予防または処置する。
【0089】
薬学的に許容される担体は、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、ラバーアラブル(rubber arable)、リン酸カリウム、アルギン酸、ゼラチン、ケイ酸カリウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油を含むが、これらに限定されない、製剤用に常套の担体であってよい。本発明の医薬組成物は、潤滑剤、湿潤剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁化剤、および防腐剤をさらに含んでいてよい。好適な薬学的に許容される担体および製剤の詳細は、レミントンの薬学(Remington's Pharmaceutical Sciences (19th ed., 1995))に見出すことができ、それは引用により本明細書中に包含される。
【0090】
本発明の医薬組成物は、例えば、静脈内、皮下、筋肉内、腹腔内、局所、経鼻、肺または直腸投与により、非経腸的に投与され得る。
【0091】
本発明の医薬組成物の好適な用量は、医薬製剤方法、投与方法、患者の年齢、体重、性別、疾患の重症度、食餌、投与時間、投与経路、排泄速度および該医薬組成物に対する感受性によって変化し得る。好ましくは、本発明の医薬組成物は、0.0001−100mg/kg(体重)の日用量で投与される。用語“薬学的に有効な量”は、癌を予防または処置するのに適した量を意味する。
【0092】
当業者に公知の従来技術によれば、医薬組成物は、薬学的に許容される担体および/または添加剤と共に製剤され得て、最終的には単位用量形態および複数回投与量形態を含むいくつかの形態で提供される。製剤は、油性または水性媒体、再懸濁液またはエマルジョン、抽出物、粉末、坐薬、顆粒、錠剤またはカプセル剤であってもよく、さらには、分散剤または安定化剤を含む。
【0093】
本発明の抗体は、HER2発現に関係する障害、疾患または病状を診断するために使用され得る。
【0094】
本発明のさらなる面において、本発明のHER2に対する抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、HER2発現に関係する障害、疾患または病状を診断するためのキットを提供する。
【0095】
HER2発現に関係する障害、疾患または病状は、特に、癌、例えば、乳癌、卵巣癌、胃癌、肺癌、肝臓癌、気管支腫瘍、鼻咽頭癌、喉頭癌、膵臓癌、膀胱癌、結腸直腸癌、結腸癌、子宮頚癌、脳腫瘍、前立腺癌、骨腫瘍、頭頸部癌、皮膚癌、甲状腺癌、副甲状腺癌または輸尿管癌である。具体的には、本発明の診断キットは、HER2を発現する癌、より具体的にはHER2を発現する乳癌または胃癌を診断するために使用される。
【0096】
本発明の抗体は、患者における本発明の抗体の薬剤反応性を分析するために使用することができる。
【0097】
本発明の別の面において、本発明の抗体を含む薬剤反応性を分析するためのキットを提供する。
【0098】
本発明の分析キットは、患者における本発明の抗体の薬剤反応性を評価するために使用される。例えば、患者から得られた癌細胞を本発明の抗体と共にインキュベートし、抗体が細胞に結合することが明らかにされる場合、該患者は、本発明の抗体の薬剤反応性を有すると決定される。
【0099】
本発明のキットは抗体を含むため、免疫アッセイまたは免疫染色のために製造され得る。免疫アッセイまたは免疫染色の形式としては、放射免疫アッセイ、放射免疫沈降、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、捕捉ELISA、阻害または競合アッセイ、サンドイッチアッセイ、フローサイトメトリー、免疫蛍光染色および免疫親和性精製が含まれるが、これらに限定されない。免疫アッセイまたは免疫染色の手順は、Enzyme Immunoassay, E. T. Maggio, ed., CRC Press, Boca Raton, Florida, 1980; Gaastra, W., Enzyme−linked immunosorbent assay (ELISA), in Methods in Molecular Biology, Vol. 1, Walker, J.M. ed., Humana Press, NJ, 1984; および、 Ed Harlow and David Lane, Using Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1999に見出すことができ、これは、引用により本明細書に包含される。
【0100】
例えば、放射免疫アッセイによれば、放射性同位体(例えば、C
14、I
125、P
32およびS
35)で標識された抗体は、癌細胞の表面上のHER2を識別するために使用され得る。ELISA法によれば、本発明の方法の具体例は、以下の工程を含む。(i)分析すべき生体サンプルで固体基質の表面をコーティングし、(ii)該生体サンプルを一次抗体としての本発明のHER2抗体と共にインキュベートし、(iii)工程(ii)の結果物を酵素と結合した二次抗体と共にインキュベートし、そして(iv)酵素の活性を測定する。
【0101】
固体基質は、炭化水素ポリマー(例えば、ポリスチレンおよびポリプロピレン)、ガラス、金属またはゲルであってもよい。最も好ましくは、固体基質は、マイクロタイタープレートである。
【0102】
二次抗体に結合した酵素は、比色、蛍光、発光または赤外線反応を触媒する酵素、例えば、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、およびシトクロムP
450を含む。アルカリホスファターゼを用いるとき、ブロモクロロインドリルホスフェート(BCIP)、ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)、ナフトール−AS−B1−ホスフェートおよびECF(増強化学蛍光)を基質として使用してもよい。西洋ワサビペルオキシダーゼを使用する場合、クロロナフトール、アミノエチルカルバゾール、ジアミノベンジジン、D−ルシフェリン、ルシゲニン(ビス−N−メチルアクリジニウムニトレート)、レゾルフィンベンジルエーテル、ルミノール、アンプレックスレッド試薬(10−アセチル−3,7−ジヒドロキシフェノキサジン、Pierce)、HYR(p−フェニレンジアミン−HClおよびピロカテコール)、TMB(3,3,5,5−テトラメチルベンジジン)、ABTS(2,2−アジン−ジ[3−エチルベンズチアゾリンスルホン酸])、o−フェニレンジアミン(OPD)およびナフトール/ピロニン、グルコースオキシダーゼおよびt−NBT(ニトロブルーテトラゾリウム)ならびにm−PMS(フェナジンメチルスルファート)を基質として使用してもよい。
【0103】
捕捉ELISA法によれば、本発明の方法の具体例は、以下の工程を含み得る。(i)固体基質の表面を捕捉抗体としてのHER2抗体でコーティングし、(ii)捕捉抗体を分析すべき生体サンプルと共にインキュベートし、(iii)工程(ii)の結果物を、検出抗体として、検出可能なシグナルを発生する標識と結合したHER2抗体と共にインキュベートし、そして(iv)標識から生じたシグナルを測定する。
【0104】
検出抗体は、検出可能なシグナルを発生する標識を有している。標識には、化学物質(例えば、ビオチン)、酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、およびシトクロムP
450)、放射性物質(例えば、C
14、I
125、P
32およびS
35)、蛍光物質(例えば、フルオレセイン)、発光、化学発光およびFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)標識が含まれるが、これらに限定されない。抗体を標識するための種々の標識および方法は、Ed Harlow and David Lane, Using Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1999 に見出され得る。
【0105】
ELISAおよび捕捉ELISAにおける酵素活性またはシグナルの測定は、当技術分野で周知の種々の方法によって行われ得る。ビオチンを標識として使用する場合、検出はストレプトアビジンを用いて行うことができる。ルシフェラーゼが使用される場合、検出はルシフェリンを用いて行われ得る。
【0106】
本発明のキットに適用可能な生体サンプルには、細胞、組織、組織由来の抽出物、溶解物または精製物、血液、血漿、血清、リンパ液および腹水が含まれるが、これらに限定されない。
【0107】
本発明の抗体は、インビボまたはインビトロでの画像化のために使用され得る。本発明の別の面において、本発明の抗体および該抗体に結合してシグナルを発生する標識を含むイメージング組成物を提供する。
【0108】
シグナル発生標識としては、T1造影剤(例えば、Gdキレート化合物)、T2造影剤(例えば、超常磁性物質(例えば、マグネタイト、Fe
3O
4、γ−Fe
2O
3、マンガンフェライト、コバルトフェライト、ニッケルフェライト))、放射性同位体(例えば、
11C、
15O、
13N、P
32、S
35、
44Sc、
45Ti、
118I、
136La、
198Tl、
200Tl、
205Biおよび
206Bi)、蛍光物質、例えば、フルオレセイン、フィコエリトリン、ローダミン、リサミン、Cy3およびCy5)、化学発光物質、磁性粒子、質量標識および電子密度の高い粒子が含まれるが、これらに限定されない。
【0109】
本発明の抗体は、単独で癌治療において有用であるが、該抗体はHER2を発現する細胞を標的とし得るから、他の薬剤と組み合わせることによりADC(抗体薬物複合体)の形態で提供されてもよい。
【0110】
従って、本発明の別の面では、本発明の抗体および該抗体と結合した薬剤を含むADC(抗体薬物複合体)が提供される。
【0111】
抗体と組み合わせる薬剤には、化学物質、放射性核種、免疫療法剤、サイトカイン、ケモカイン、毒素、生物学的薬剤および酵素阻害剤、特に以下の抗癌剤:アシビシン、アクラルビシン、アコダゾール(acodazole)、アクロマイシン、アドゼレシン、アラノシン、アルデスロイキン、アロプリノールナトリウム、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アモナフィド、アンプリゲン、アムサクリン、アンドロゲン、アングイジン、グリシン酸アフィジコリン、アシュリー(asaley)、アスパラギナーゼ、5−アザシチジン、アザチオプリン、バチルス・カルメット・ゲラン(BCG)、ベーカーズアンチフォール、ベータ−2’−デオキシチオグアノシン、ビサントレン塩酸、硫酸ブレオマイシン、ブスルファン、ブチオニンスルホキシミン、BWA773U82、BW502U83/HCl、BW7U85メシル酸、セラセミド(ceracemide)、カルベタイマー(carbetimer)、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、クロロキノキサリン−スルホンアミド、クロロゾトシン、クロモマイシンA3、シスプラチン、クラドリビン、コルチコステロイド、コリネバクテリウムパルブム、CPT−11、クリスナトール、シクロシチジン、シクロホスファミド、シタラビン、シテムベナ、ダビスマレアート、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシンHCl、ジアザウリジン(deazauridine)、デクスラゾキサン、ジアンヒドロガラクチトール、ジアジクオン、ジブロモズルシトール、ジデムニンB、ジエチルジチオカルバメート、ジグリコールアルデヒド、ジヒドロ−5−アザシチジン、ドキソルビシン、エキノマイシン、エダトレキセート(dedatrexate)、エデルフォシン、エフロルニチン、エリオット溶液、エルサミトルシン、エピルビシン、エピルビシン(esorubicin)、リン酸エストラムスチン、エストロゲン、エタニダゾール、エチオホス、エトポシド、ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチム、フィナステリド、フラボン酢酸、フロクスウリジン、リン酸フルダラビン、5−フルオロウラシル、フルオゾール
(商標)、フルタミド、硝酸ガリウム、ゲムシタビン、酢酸ゴセレリン、ヘプスルファム、ヘキサメチレンビスアセトアミド、ホモハリングトニン、硫酸ヒドラジン、4−ヒドロキシアンドロステンジオン、ヒドロキシウレア(hydrozyurea)、イダルビシンHCl、イホスファミド、4−イポメアノール、イプロプラチン、イソトレチノイン、ロイコボリンカルシウム、酢酸リュープロリド、レバミゾール、リポソームダウノルビシン、リポソームカプセル化ドキソルビシン、ロムスチン、ロニダミン、メイタンシン、メクロレタミン塩酸塩、メルファラン、メノガリル、メルバロン、6−メルカプトプリン、メスナ、カルメット・ゲラン桿菌のメタノール抽出残渣、メトトレキサート、N−メチルホルムアミド、ミフェプリストン、ミトグアゾン、マイトマイシン−C、ミトタン、ミトキサントロン塩酸塩、単球/マクロファージコロニー刺激因子、ナビロン、ナフォキシジン、ネオカルチノスタチン、酢酸オクトレオチド、オルマプラチン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パーラ、ペントスタチン、ピペラジンジオン、ピポブロマン、ピラルビシン、ピリトレキシム、ピクサントロン(piroxantrone)塩酸塩、PIXY−321、プリカマイシン、ポルフィマーナトリウム、プレドニムスチン、プロカルバジン、プロゲスチン、ピラゾフリン、ラゾキサン、サルグラモスチム、セムスチン、スピロゲルマニウム、スピロムスチン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、スロフェヌール(sulofenur)、スラミンナトリウム、タモキシフェン、タキソテール、テガフール、テニポシド、テレフタルアミジン、テロキシロン(teroxirone)、チオグアニン、チオテパ、チミジン注射、チアゾフリン、トポテカン、トレミフェン、トレチノイン、トリフルオペラジン塩酸塩、トリフルリジン、トリメトレキサート、TNF(腫瘍壊死因子)、ウラシルマスタード、TNFビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ビンゾリジン、Yoshi864、ゾルビシン、シトシンアラビノシド、エトポシド、メルファラン、タキソテールおよびタキソールが含まれるが、これらに限定されない。