(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の部品と前記第2の部品とが当接し、前記第1の部品の前記第2の部品との当接面に凹部が形成され、前記第2の部品の前記第1の部品との当接面に前記凹部に圧入される凸部が形成された、
請求項10に記載のチェーンソーのガイドバー。
前記長穴は、前記中心軸線を含む所定幅の領域の両側の各々に、前記所定幅の領域に沿って1個または複数個設けられ、該1個または複数個設けられた前記長穴の長手方向の合計長さが、前記ガイドバー本体の全長の1/3以上の長さを有するよう構成された、
請求項1〜12のいずれかに記載のチェーンソーのガイドバー。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。
【0011】
以下で説明する実施形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、あくまで一例であり、本開示を限定するものではない。
【0012】
また、全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する場合がある。また、図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状及び寸法比等については正確な表示ではない場合がある。
【0013】
(実施形態)
本実施形態のチェーンソーのガイドバーは、チェーンソーに用いられるガイドバーであって、その周縁部でソーチェーンを支持する細長い板状のガイドバー本体と、前記ガイドバー本体の長手方向に延びる中心軸線を含む所定幅の領域を挟んで、その両側に前記ガイドバー本体を貫通するように設けられ、前記長手方向に長い複数の長穴と、各々、前記長穴を塞ぐ形状に予め成形されており前記長穴ごとに装着された複数の装着部材と、を有している(例えば、
図1、
図13、
図14等参照)。
【0014】
この構成によれば、装着部材として、例えば樹脂等で作製された軽量部品を用いることにより軽量化を図ることができる。また、長穴は、中心軸線を含む所定幅の領域の両側に例えば1個ずつ設ければよく、この場合、予め成形された装着部材を2箇所(2個の長穴)に装着すればよいので、製造時間を短縮し、製造コストの低減を図ることが可能になる。
【0015】
上記ガイドバーにおいて、前記装着部材は、前記長穴に嵌められて前記長穴の開口縁部と接続されていてもよい(例えば、
図2(A)〜(E)、
図3等参照)。
【0016】
上記ガイドバーにおいて、前記装着部材は、前記ガイドバー本体の厚み方向における前記長穴の両端に配置される2枚の金属薄板を有し、前記金属薄板と前記長穴の開口縁部とが溶接加工によって接続されていてもよい(例えば、
図2(A)〜(C)等参照)。
【0017】
上記ガイドバーにおいて、前記装着部材は、前記2枚の金属薄板の間に配置され前記長穴の断面形状と同一形状を有する1個または複数の部品をさらに有していてもよい(例えば、
図2(A)、(B)等参照)。
【0018】
上記ガイドバーにおいて、前記装着部材の前記長穴の開口縁部と接する部分と、前記長穴の開口縁部とのうちの少なくとも一方に面取り部を設け、前記面取り部に接着剤を充填することにより前記装着部材と前記長穴の開口縁部とが接続されていてもよい(例えば、
図2(D)、(E)等参照)。
【0019】
上記ガイドバーにおいて、前記装着部材は、前記長穴の断面形状と同一形状を有する1個の部品からなり、該部品が前記長穴に嵌められて該部品と前記長穴の開口縁部とがレーザ溶接により接続されていてもよい(例えば、
図3等参照)。
【0020】
上記ガイドバーにおいて、前記ガイドバー本体は、前記長穴の側壁から内側へ延びる張出し部または前記長穴の側壁の対向する部分を連結する梁部からなる被挟持部を有し、前記装着部材は、前記被挟持部を両側から挟む第1及び第2の部品を有していてもよい(例えば、
図4〜
図12等参照)。
【0021】
上記ガイドバーにおいて、前記第1及び第2の部品の前記被挟持部との当接面が平面状であり、前記第1と第2の部品の隙間に接着剤が充填されていてもよい(例えば、
図5(A)、(B)等参照)。
【0022】
上記ガイドバーにおいて、前記被挟持部に、その厚み方向に貫通する複数の穴が設けられ、前記穴に接着剤が充填されていてもよい(例えば、
図7、
図8等参照)。
【0023】
上記ガイドバーにおいて、前記被挟持部は、前記長穴の周方向に間隔をあけて設けられた複数の前記張出し部からなるものでもよい(例えば、
図9等参照)。
【0024】
上記ガイドバーにおいて、前記第1の部品は、前記長手方向に間隔をあけて複数の穴が形成され、前記第2の部品は、前記第1の部品の各々の前記穴と嵌合する複数の凸部が形成されていてもよい(例えば、
図5(C)等参照)。
【0025】
上記ガイドバーにおいて、前記第1の部品は、前記長手方向に間隔をあけて複数の穴が形成され、前記第2の部品は、前記第1の部品の各々の前記穴を挿通して前記穴から突出するよう形成された複数の凸部を有し、前記凸部の前記穴から突出した部分が摩擦撹拌接合によって前記第1の部品と接続されていてもよい(例えば、
図5(D)等参照)。
【0026】
上記ガイドバーにおいて、前記第1の部品は、前記長手方向に間隔をあけて複数の穴が形成され、前記第2の部品は、前記第1の部品の各々の前記穴と対応する位置に穴が形成され、各々の対応する前記第1の部品の前記穴と前記第2の部品の前記穴とに1つの軸が圧入されることによって前記第1の部品と前記第2の部品とが接続されていてもよい(例えば、
図5(E)等参照)。
【0027】
上記ガイドバーにおいて、前記ガイドバー本体は、前記長穴の側壁から内側へ延びる張出し部を有し、前記装着部材は、前記張出し部を両側から挟む第1及び第2の部品と、前記第1及び第2の部品の両外側に配置される2枚の金属薄板とを有し、前記金属薄板と前記長穴の開口縁部とが溶接加工によって接続されていてもよい(例えば、
図6(A)〜(C)等参照)。
【0028】
上記ガイドバーにおいて、前記第1及び第2の部品の前記被挟持部との当接面が平面状であり、前記第1と第2の部品の隙間に接着剤が充填されていてもよい(例えば、
図6(B)等参照)。
【0029】
上記ガイドバーにおいて、前記第1の部品と前記第2の部品とが当接し、前記第1の部品の前記第2の部品との当接面に凹部が形成され、前記第2の部品の前記第1の部品との当接面に前記凹部に圧入される凸部が形成されていてもよい(例えば、
図6(C)等参照)。
【0030】
上記ガイドバーにおいて、前記長穴は、前記中心軸線を含む所定幅の領域の両側の各々に、前記所定幅の領域に沿って1個設けられ、該1個の前記長穴の長手方向の長さが、前記ガイドバー本体の全長の1/3以上の長さを有するよう構成されていてもよい(例えば、
図1等参照)。また、前記長穴は、前記所定幅の領域の両側の各々に、前記所定幅の領域に沿って複数個設けられ、該複数個設けられた前記長穴の長手方向の合計長さが、前記ガイドバー本体の全長の1/3以上の長さを有するよう構成されていてもよい(例えば、
図13、
図14等参照)。
【0031】
〔具体構成例〕
図1は、本実施形態のチェーンソーのガイドバーの一例を示す正面図である。尚、ガイドバーにおいて、矢印x方向が長手方向であり、矢印y方向が幅方向である。また、矢印x方向及びy方向と直交する方向(
図1の紙面の奥行方向)が厚み方向である。
【0032】
このガイドバーは、細長い板状のガイドバー本体1と、ガイドバー本体1を貫通して設けられ、ガイドバー本体1の長手方向に長い複数の長穴2a、2bと、各々、長穴2a、2bを塞ぐ形状に予め成形されており各長穴2a、2bに装着された複数の装着部材3、3とを備えている。
【0033】
ガイドバー本体1の基端部1Rには、チェーンソー本体(図示せず)と係合するための丸穴6や長穴7等が設けられており、チェーンソー本体に装着できるようになっている。また、ガイドバー本体1の外周に沿って、ソーチェーン(図示せず)を案内する案内溝4(例えば、
図2(A)等参照)が形成されている。すなわち、ガイドバー本体1の周縁部でソーチェーンが支持される。
【0034】
このガイドバー本体1は、
図1の例では、例えば鋼板製の本体部1aに先端部1bが固定されている。そして、先端部1bの先端にはスプロケット5が取り付けられており、スプロケット5とともに先端部1bを交換できるようになっている。なお、スプロケット5を有する先端部1bが、本体部1aと一体に構成されていてもよい。また、先端部1bが本体部1aと一体に構成され、スプロケット5を有していない構成でもよい。
【0035】
2つの長穴2a、2bは、ガイドバー本体1に、その長手方向に延びる中心軸線CLを含む所定幅L3の領域からなる中心軸部1cを挟んで、その両側にガイドバー本体1を貫通するように設けられている。よって、長穴2a、2bは、ガイドバー本体1に、中心軸部1cを残すように中心軸線CLの両側に所定の間隔(L3)をあけて形成されている。
【0036】
このガイドバー本体1は、長穴2a、2bの部分を除いて、長手方向における長さL2で示される範囲内の厚みが均一である。よって、少なくとも中心軸部1cと、各長穴2a、2bの側壁となる各長穴2a、2bの全周囲領域と、を含む領域の厚みが均一である。そして、各長穴2a、2bは、その長手方向両端部を除き、間隔L4で示すように、長穴2a、2bの外側縁部とガイドバー本体1の外周縁部との距離が等しくなるように形成されている。これにより、長穴2a、2bの長手方向両端部を除く長穴形成領域におけるガイドバー本体1の断面係数が略等しくなり、曲げ強度のばらつきを防止することができる。
【0037】
次に、長穴2a、2bの各々に装着される装着部材3の例について説明する。
図2(A)〜
図2(E)及び
図3は、それぞれ装着部材3の一例を示す図であり、
図1のA−A線断面部分に相当する図である。
【0038】
図2(A)の各装着部材3は、厚みが薄い2枚の金属板(金属薄板)11と、これらの間に挟まれた軽量部品12とで構成されている。軽量部品12は例えば合成樹脂で各長穴2a、2bと適合する形状に形成されており、各長穴2a、2bに嵌めこまれている。各金属板11は、各長穴2a、2bと適合する形状に加工されており、各長穴2a、2bの両端の穴の口に当接して嵌められ、その周囲部分がレーザ溶接等によってガイドバー本体1に固定されている。金属板11には、例えば、アルミニウム板、鉄板等が用いられる。また、軽量部品12として、ハニカム構造の例えば樹脂製部材を用いることにより、より軽量化を図ることができる。また、軽量部品12として、ハニカム構造の軽金属製部材を用いてもよい。
【0039】
図2(B)の各装着部材3は、厚みが薄い2枚の金属板11と、これらの間に挟まれた3つの軽量部品13,14,13とで構成されている。これらの軽量部品13,14,13は、例えば、樹脂あるいはアルミニウム等からなる軽量部材によって、それぞれ各長穴2a、2bと適合する形状に形成されている。各金属板11は、
図2(A)の場合と同様にしてガイドバー本体1に固定されている。
【0040】
図2(C)の各装着部材3は、厚みが薄い2枚の金属板11のみからなり、これらの間は空隙15になっている。各金属板11は、
図2(A)の場合と同様にして固定されている。
【0041】
図2(D)の場合、各長穴2a、2bの両端の穴の口の周囲に面取り部18が形成されている。そして、各装着部材3は、例えば合成樹脂で各長穴2a、2bと適合する形状に形成された軽量部品16からなる。軽量部品16を各長穴2a、2bに入れて、面取り部18に接着剤19を塗布することにより、軽量部品16をガイドバー本体1に固定する。
【0042】
図2(E)の場合、
図2(D)の場合において、軽量部品16の縁部に面取り部20が形成されている軽量部品17を、装着部材3として用いた構成である。これにより、接着剤19による接着面積が大きくなり、接着強度を大きくすることができる。
【0043】
図3では、その左側に、装着部材3とこれを装着前のガイドバー本体1とが示され、その右側に、装着部材3を装着したガイドバー本体1が示されている。この
図3の場合、各装着部材3は、例えば合成樹脂で各長穴2a、2bと適合する形状に形成された軽量部品16からなる。そして軽量部品16を各長穴2a、2bに嵌めた後、軽量部品16と長穴2a、2bの開口縁部とがレーザ溶接(レーザ接合)によって接合部37が形成されて接続されることにより、装着部材3がガイドバー本体1に固定されている。
【0044】
以上に述べた構成によれば、ガイドバー本体1には、2個の長穴2a、2bを設ければよく、この長穴2a、2bは、レーザ加工あるいはプレス加工によって短時間で空けることができる。また、2個の長穴2a、2bに予め成形された装着部材3を装着すればよいので、製造時間を短縮し、製造コストの低減を図ることが可能になる。
【0045】
また、長穴2a、2bに装着する装着部材3として、軽量部品12,13,14,16,17を用いることにより、軽量化を図ることができる。
【0046】
この軽量化を図るために、長穴2a、2bの長手方向の長さL2をガイドバー本体1の全長L1の1/3以上の長さとするのが好ましい。
【0047】
また、軽量部品12,13,14,16は、例えばシート状の素材からレーザ切断あるいは打ち抜き加工によって容易に作製することができる。
【0048】
また、
図2(A)、(B)のように、装着部材3の外側の部品として金属板11を用いることにより、長期間の使用による軽量部品12,13,14の割れ、脱落、摩耗等を防止することができる。
【0049】
次に、
図4は、ガイドバー本体1の第1変形例を示すガイドバーの主要部の正面図である。
【0050】
この
図4に示すガイドバー本体1は、各長穴2a、2bの側壁(内壁)の厚み方向中央部から内側へ張り出した張出し部f1が全周にわたって形成されていることが、
図1に示すガイドバー本体1とは異なる点である。
【0051】
この
図4に示すガイドバー本体1は、例えば、レーザ加工あるいはプレス加工によって張出し部f1の内側領域に貫通穴をあけた後、切削加工によって張出し部f1を形成することにより、短時間で作製でき、コストの低減が可能となる。
【0052】
この
図4に示すガイドバー本体1を用いたときの装着部材3の例について説明する。
図5(A)〜
図5(E)、
図6(A)〜
図6(C)は、それぞれ装着部材3の一例を示す図であり、
図4のB−B線断面部分に相当する図である。
【0053】
図5(A)の各装着部材3は、例えば合成樹脂で各長穴2a、2bと適合する形状に形成された2つの軽量部品21で構成されている。2つの軽量部品21の間には、これらを接着する接着剤からなる接着剤層22が形成されている。2つの軽量部品21は、その間に接着剤層22となる接着剤と張出し部f1とを挟むようにして、張出し部f1に当接して各長穴2a、2bに嵌めこまれる。この場合、接着剤層22は張出し部f1の厚みと同じ厚みになり、張出し部f1の厚みを接着剤層22の望ましい厚みにしておくことで、接着剤層22の厚みを望ましい厚みにすることができる。
【0054】
図5(B)の各装着部材3は、例えば合成樹脂で各長穴2a、2bと適合する形状に形成された2つの軽量部品23で構成されている。2つの軽量部品23の間には、これらを接着しかつ硬化後に弾性を有する接着剤層24が形成されている。この接着剤層24には、例えば、ニトリルゴム、合成ゴムを主成分としたゴム系接着剤を用いることができる。この
図5(B)の場合、
図5(A)の場合に比べて、張出し部f1の厚み、すなわち接着剤層24の厚みを厚くしている。この接着剤層24が弾性を有することで、チェーンソー使用時の振動を吸収することができる。
【0055】
図5(A)、(B)における軽量部品21,23は、例えばシート状の素材からレーザ切断あるいは打ち抜き加工によって容易に作製することができる。
【0056】
図5(C)の各装着部材3は、例えば合成樹脂で各長穴2a、2bと適合する形状に形成された2つの軽量部品25,26で構成されている。一方の軽量部品26には、例えば円形の凸部26aが、例えば
図4の複数の領域P1に配置されるように、ガイドバー本体1の長手方向に間隔をあけて複数設けられている。他方の軽量部品25には、凸部26aが挿入される穴25aが複数設けられるとともに、張出し部f1が嵌まる凹部25fが設けられている。2つの軽量部品25,26は互いの対向面に接着剤が塗布されて接着されている。
【0057】
図5(D)の各装着部材3は、例えば合成樹脂で各長穴2a、2bと適合する形状に形成された2つの軽量部品25,26で構成されている。一方の軽量部品25の穴25b及び他方の軽量部品26の凸部26bは、
図5(C)の穴25a及び凸部26aと同様に、例えば
図4の複数の領域P1に配置されるように、ガイドバー本体1の長手方向に間隔をあけて複数設けられている。
図5(D)の装着前の軽量部品26の凸部26bは、
図5(C)の軽量部品26の凸部26aよりも大きく突出している。そして、凸部26bが挿入される軽量部品25の穴25bには、面取り部25cが設けられている。この場合、2つの軽量部品25,26を、各長穴2a、2bへ配置して当接させると、凸部26bの頭部が穴25bから突出した状態となる。この突出部分を摩擦攪拌接合により変形させて面取り部25cが埋められることにより、軽量部品25,26が張出し部f1を挟んでガイドバー本体1に固定される。そのため、接着剤は不要である。
【0058】
図5(E)の各装着部材3は、例えば合成樹脂で各長穴2a、2bと適合する形状に形成された2つの軽量部品27,28と、合成樹脂製の軸29とで構成されている。軽量部品27,28には、例えば円形の穴27a,28aが、例えば
図4の領域P1に配置されるように、ガイドバー本体1の長手方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、張出し部f1が半分ずつ嵌まる凹部27f,28fが設けられている。2つの軽量部品27,28は、互いの対向面に接着剤が塗布されて接着され、さらに、軸29が穴27a,28aに圧入されて結合されている。
【0059】
図6(A)の各装着部材3は、例えば合成樹脂で各長穴2a、2bと適合する形状に形成された2つの軽量部品31,32と、厚みが薄い2枚の金属板11とで構成されている。軽量部品31,32には、張出し部f1が半分ずつ嵌まる凹部31f,32fが設けられている。軽量部品31,32は、各長穴2a、2bに嵌めこまれ、各金属板11は、
図2(A)の場合と同様にしてガイドバー本体1に固定されている。
【0060】
図6(B)の各装着部材3は、例えば合成樹脂で各長穴2a、2bと適合する形状に形成された2つの軽量部品33と、厚みが薄い2枚の金属板11とで構成されている。2つの軽量部品33の間には、これらを接着する接着剤からなる接着剤層34が形成されている。これは、
図5(A)において、両側に金属板11が配置された構成であり、各金属板11は、
図2(A)の場合と同様にしてガイドバー本体1に固定されている。
【0061】
図6(C)の各装着部材3は、例えば合成樹脂で各長穴2a、2bと適合する形状に形成された2つの軽量部品35,36と、厚みが薄い2枚の金属板11とで構成されている。一方の軽量部品36には、ガイドバー本体1の長手方向に延びる線状の凸部36aが、例えば
図4の領域P2に配置されるように設けられている。他方の軽量部品35には、凸部36aが圧入される溝(凹部)35aが設けられるとともに、張出し部f1が嵌まる凹部35fが設けられている。2つの軽量部品35,36は、各長穴2a、2bに嵌めこまれ、各金属板11は、
図2(A)の場合と同様にしてガイドバー本体1に固定されている。
【0062】
なお、一方の軽量部品36には、線状の凸部36aに代えて、例えば
図4の複数の領域P1に配置される複数の凸部を設け、他方の軽量部品35には、溝35aに代えて、上記複数の凸部の各々が圧入される有底穴を設けるようにしてもよい。
【0063】
この
図6(A)〜(C)のように、装着部材3の外側の部品として金属板11を用いることにより、長期間の使用による軽量部品31,32,33,35,36の割れ、脱落、摩耗等を防止することができる。
【0064】
次に、
図7は、ガイドバー本体1の第2変形例を示すガイドバーの主要部の正面図である。
【0065】
この
図7に示すガイドバー本体1は、各長穴2a、2bの側壁(内壁)の厚み方向中央部から内側へ張り出した張出し部f1が全周にわたって形成され、かつ、張出し部f1に間隔をあけて複数の穴f1aが設けられていることが、
図1に示すガイドバー本体1とは異なる点である。
【0066】
この
図7に示すガイドバー本体1は、例えば、レーザ加工あるいはプレス加工によって張出し部f1の内側領域に貫通穴をあけた後、切削加工によって張出し部f1及び穴f1aを形成することにより、短時間で作製でき、コストの低減が可能となる。
【0067】
図8は、
図7に示すガイドバー本体1を用いたときの装着部材3の一例を示す図であり、
図7のC−C線断面部分に相当する図である。
【0068】
図8の各装着部材3は、例えば合成樹脂で各長穴2a、2bと適合する形状に形成された2つの軽量部品41で構成されている。この場合、各軽量部品41と、張出し部f1の各軽量部品41と当接する面とが接着剤で接着されるとともに、張出し部f1の穴f1aにも接着剤が充填されて、接着強度を大きくできる。また、2つの軽量部品41の隙間42は、空間であってもよいし、接着剤が充填されるようにしてもよい。隙間42に接着剤を充填することにより接着強度をより大きくできる。
【0069】
次に、
図9は、ガイドバー本体1の第3変形例を示すガイドバーの主要部の正面図である。
【0070】
この
図9に示すガイドバー本体1は、各長穴2a、2bの側壁(内壁)の厚み方向中央部から内側へ張り出した張出し部f2が設けられていることが、
図1に示すガイドバー本体1とは異なる点である。この張出し部f2は、長穴2a、2bの全周に渡って設けられた前述の張出し部f1とは異なり、複数に分断されて設けられている。
【0071】
この
図9に示すガイドバー本体1は、例えば、レーザ加工あるいはプレス加工によって張出し部f2の内側領域に貫通穴をあけた後、切削加工によって張出し部f2を形成することにより、短時間で作製でき、コストの低減が可能となる。
【0072】
図10は、
図9に示すガイドバー本体1を用いたときの装着部材3の一例を示す図であり、
図9のD−D線断面部分に相当する図である。
【0073】
図10の各装着部材3は、例えば合成樹脂で各長穴2a、2bと適合する形状に形成された2つの軽量部品51で構成されている。この場合、各軽量部品51と、張出し部f2の各軽量部品51と当接する面とが接着剤で接着されている。また、2つの軽量部品51の隙間52は、空間であってもよいし、接着剤が充填されるようにしてもよい。隙間52に接着剤を充填することにより接着強度を大きくできる。
【0074】
次に、
図11は、ガイドバー本体1の第4変形例を示すガイドバーの主要部の正面図である。
【0075】
この
図11に示すガイドバー本体1は、長穴2a、2bに、
図9の張出し部f2に代えて、ガイドバー本体1の長手方向に延びる梁部f3と、幅方向に延びる梁部f4とが設けられた構成である。これらの梁部f3,f4は、長穴2a,2bの側壁(内壁)の厚み方向中央部から延びて対向する部分を連結するように設けられている。
【0076】
この
図11に示すガイドバー本体1は、例えば、レーザ加工あるいはプレス加工によって長穴2a、2bの内側で梁部f3,f4を除く領域に貫通穴をあけた後、切削加工によって梁部f3,f4を形成することにより、短時間で作製でき、コストの低減が可能となる。
【0077】
図12は、
図11に示すガイドバー本体1を用いたときの装着部材3の一例を示す図であり、
図12のE−E線断面部分に相当する図である。
【0078】
図12の各装着部材3は、
図10の装着部材3と同様であり、2つの軽量部品51の隙間52は、空間であってもよいし、接着剤が充填されるようにしてもよい。隙間52に接着剤を充填することにより接着強度を大きくできる。
【0079】
なお、
図9の張出し部f2及び
図11の梁部f3,f4にも、
図7の穴f1aと同様の穴を設け、その穴に接着剤を充填して接着強度を大きくするようにしてもよい。
【0080】
次に、
図13、
図14は、それぞれガイドバー本体1の第5、第6変形例を示すガイドバーの正面図である。
【0081】
図1に示すガイドバー本体1では、中心軸部(所定幅L3の領域)1cの両側の各々に1個ずつの長穴2a、2bを設けていたのに対し、
図13、
図14に示す各ガイドバー本体1は、中心軸部1cの両側の各々に、中心軸部1cに沿ってガイドバー本体1の長手方向に並ぶ複数の長穴を設けた場合の一例である。
【0082】
すなわち、
図13に示すガイドバー本体1は、中心軸部1cの両側に2個ずつ長穴2aA、2aB、2bA、2bBを設け、これらの長穴に装着部材3A、3Bを装着している。装着部材3A、3Bには、
図1に示すガイドバー本体1の装着部材3と同様のものを用いることができる。
【0083】
この
図13に示すガイドバー本体1において、ガイドバーの軽量化を図るために、長穴(2aA、2aB/2bA、2bB)の長手方向の合計長さ(L2A+L2B)を、ガイドバー本体1の全長L1の1/3以上の長さとするのが好ましい。
【0084】
また、
図14に示すガイドバー本体1は、中心軸部1cの両側に3個ずつ長穴2aC、2aD、2aE、2bC、2bD、2bEを設け、これらの長穴に装着部材3C、3D、3Eを装着している。装着部材3C、3D、3Eには、
図1に示すガイドバー本体1の装着部材3と同様のものを用いることができる。
【0085】
この
図14に示すガイドバー本体1において、ガイドバーの軽量化を図るために、長穴(2aC、2aD、2aE/2bC、2bD、2bE)の長手方向の合計長さ(L2C+L2D+L2E)を、ガイドバー本体1の全長L1の1/3以上の長さとするのが好ましい。
【0086】
なお、
図13、
図14に示す各長穴(2aA、2aB、2bA、2bB/2aC、2aD、2aE、2bC、2bD、2bE)においても、前述の第1〜第4変形例で説明したように、張出し部(f1、f2)あるいは梁部(f3、f4)が設けられ、それに応じた装着部材が装着されるようにしてもよい。
【0087】
以上に述べた、
図1、
図4、
図7、
図9、
図11、
図13、
図14に示すように、ガイドバー本体1に、中心軸線CLを含む中心軸部1cを残して長穴(2a、2b/2aA、2aB、2bA、2bB/2aC、2aD、2aE、2bC、2bD、2bE)を形成することにより、ガイドバーの曲げ強度等の強度の低下を抑えることができる。
【0088】
また、
図1、
図4、
図7、
図9、
図11、
図13、
図14に示すガイドバー本体1と、以上に述べた種々の装着部材3を適宜組み合わせてもよい。例えば、
図7、
図9、
図11に示すガイドバー本体1を用いた場合でも、装着部材3の両外側の部品として金属板11を設けるようにしてもよい。
【0089】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。