特許第6488532号(P6488532)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 浦田 全の特許一覧

<>
  • 特許6488532-椅子ベッド 図000002
  • 特許6488532-椅子ベッド 図000003
  • 特許6488532-椅子ベッド 図000004
  • 特許6488532-椅子ベッド 図000005
  • 特許6488532-椅子ベッド 図000006
  • 特許6488532-椅子ベッド 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6488532
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】椅子ベッド
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/16 20060101AFI20190318BHJP
   A47C 17/16 20060101ALI20190318BHJP
   A47C 13/00 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
   A61G7/16
   A47C17/16 Z
   A47C13/00 B
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-113108(P2017-113108)
(22)【出願日】2017年6月8日
(65)【公開番号】特開2018-202020(P2018-202020A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2017年7月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】717003644
【氏名又は名称】浦田 全
(74)【代理人】
【識別番号】110000822
【氏名又は名称】特許業務法人グローバル知財
(72)【発明者】
【氏名】浦田 豊
(72)【発明者】
【氏名】浦田 全
【審査官】 木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−208985(JP,A)
【文献】 英国特許出願公告第00349769(GB,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01295582(EP,A2)
【文献】 特開2007−167609(JP,A)
【文献】 特開2010−005235(JP,A)
【文献】 特開2006−314690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/10− 7/16
A61G 5/00− 5/14
A61G 1/017
A47C 17/16−17/213
A47C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
背凭れ
座席シート
前記座席シートの前端部に連結される脚シート
前記背凭れの上端部に取り付けられるヘッドレストと、
前記背凭れ及び前記座席シートと連結する座台
を備え、
前記背凭れは、椅子の状態から前記座台と平行になるまで後方に倒れた状態まで動くように下端部が前記座台に連結され、
前記座席シートは、前記背凭れと解除可能な連結手段で連結され連動して動き、前記背凭れが後方に倒れる際に椅子が倒れる状態に動くように後端部が前記座台に連結され、
前記脚シートは、椅子の状態から前記背凭れが前記座台と平行になるまで後方に倒れた状態まで前記座席シートとの位置関係を維持可能に前記座席シートと連結され、
前記座台は、前記座席シートを前記背凭れの方向に付勢する付勢手段と、前記座席シートを前記座台の上面と平行な位置に固定でき解除可能な固定手段が取り付けられ、
前記背凭れが後方に倒れた状態で、前記連結手段を解除すると、前記背凭れと前記座席シートがベッドのように平らな状態となり得ることを特徴とする椅子型ベッド。
【請求項2】
前記連結手段は前記背凭れと前記座席シートを連結可能に設けられたベルトとカラビナで構成されていることを特徴とする請求項1記載の椅子型ベッド。
【請求項3】
前記付勢手段はガスダンパーで構成され、前記固定手段はベルトとカラビナで構成されていることを特徴とする請求項記載の椅子型ベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は椅子の状態からベッドの状態に、またベッドの状態から椅子の状態に、使用者が座ったまま変化させることができる椅子型ベッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の椅子ベッドは、座面角度はそのままで起伏可能な背もたれが漸次座面とフラットになるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表平09-508041
【0004】
また、この種のベッドと似た今までの特徴は、介護ベッド、マッサージベッドともにベッドの横から座り、ベッドの向きに体勢を変えて足を伸ばして座ってから、電動又は、手動で、背もたれを倒していって、寝ている状態にもっていくとする構成のものもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の椅子型ベッドは、脊柱に問題がある場合(慢性・急性の脊椎の症状等)、座面部が動かない状態で背もたれを倒していくと、上半身部(特に背部)に引っ張りの重力がかかり痛みがでて、利用者の症状によっては首・腰を含めた体を痛めることが多かった。
【0006】
また、介護ベッド、マッサージベッドも共通するが、背ボトムと膝ボトムが動いてチェアーポジションを保つベッドがあるが、これは、寝たきりの人等がベッドからずれないようにという目的であるため、座面(腰ボトム)自体は動かず、また、脊椎の急性症状では、起きる時に重力が背・腰に痛みがあり、利用者の症状増悪の危険があった。
本発明はこのような課題を解決し、腰や背中に全く負担をかけることなく使用者が座ったまま椅子の状態からベッドの状態に、またベッドの状態から椅子の状態に変化させることができる椅子型ベッドを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の椅子ベッドは、ヘッドレスト、背凭れ、座席シート、脚シート、および前記背凭れ及び前記座席シートを支持する座台を備え、上記ヘッドレストは上記背もたれの上端部に取り付けられ、上記背凭れは上記座台に起伏可能に取り付けられ、上記座席シートと上記背凭れは解除可能な連結手段で連結されているとともに上記脚シートは上記座席シートの前端部で支持されるようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、背凭れと座席シートを解除可能な連結手段で連結しているため、背凭れを倒した時に座席シートが上がるため、背中とお尻の角度が変わらず、背凭れが倒れた後に座席シートを倒せるので、首・背中に痛みがある人の脊柱から骨盤を保護し、利用者に負担をかけることなく椅子の状態からベッドの状態に、またベッドの状態から椅子の状態に変化させることができる
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の椅子型ベッドの全体図である。
図2図1の背面図である。
図3】本発明椅子型ベッドの背凭れ角度90度、座席シート角度90度の使用状態図である。
図4】本発明椅子型ベッドの背凭れ角度90度、座席シート角度0度の使用状態図である。
図5】本発明椅子型ベッドの座台だけを表した構成図である。
図6】本発明椅子型ベッドの斜め上からの図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明における、椅子型ベッドの実施形態を図に基づいて説明する。
【0011】
図1図2において、1はヘッドレスト、2は背凭れ、3は座席シート、4は脚シート、5は座台である。以下、それらについての結合関係を説明していく。
【0012】
1はヘッドレストで、芯のまわりをクッション28が覆うように形成され、ヘッドレスト1は、背凭れ2の上端部に固定できるように2本の棒1a,1bが
取り付けられていている。
【0013】
2は背凭れで、背凭れ2には、ベッドを倒しやすいように、取手10a,10bをつけている。また、背凭れ2は、ベッドに横になる形になった時の腕を支えるために左右に腕置台12a,12bを設置している。さらに、背凭れ2には、左右を貫通する3本のボルト11a,11b,11cが取り付けられている。
【0014】
3は座席シートで、左右を貫通する3本のボルト16a,16b,16cが取付けられている。また、座席シート3には、座席シート3の端部にはめ込むことができて簡単に立ち座りしやすいように着脱式の腕置き17a,17bが設けられている。
【0015】
4は脚シートで、脚シート4は座台5とは連結せずに、座席シート3と蝶番18a,18bで連結させている。図1のように、座席シート3の前端部と座台5の前端部との間に若干の空間が設けられているので脚シート4の下端部は図1の位置から後方に変位するようになっているので、脚シート4が座席シート3に吊られている状態となっている。
【0016】
5は座台で、図5に示すように箱型の土台となっている。座台5の真ん中の上下に背凭れ2と連結する座台上中間版8、座席シート3と連結する座台下中間版14があり、また、座台下中間版14にはボルト27がとりつけられている。座台5の外側には、ボルト24a,24bと、座台5を貫通するように真ん中の長いボルト21と下方にも座台5を貫通する(長いボルト22)が設けられているとともに長いボルト21の支え台29a,29bが取り付けられている。
【0017】
また、座台5は、図5に示すように箱型の土台となっているが、後端部には、開口部5aが設けられている。これは背凭れ2を倒す時、取っ手10a,10bを持ちながら倒す時足をこの開口部5aに入れると力が出しやすく、また、背もたれ2が座台5に倒れた状態でも起こしやすくするためである。
【0018】
背凭れ2と座台5は、背凭れ2の下端と座台5の上中間版8を蝶番9a,9bで連結していることで背凭れ2が座台5と平行になるまで後方に倒すことができる。また、背凭れ2に取り付けられているボルト11bは、ガスダンパー6a,6bで座台5の長いボルト21につながっている。
【0019】
背凭れ2と座席シート3は、直接連結せずに背凭れ2の長いボルト11aにVベルト7a,7bとカラビナ23a,23bを固定し、座席シート3の長いボルト16aにカラビナ23a,23bを引っ掛けることによって連結している。
したがってこの状態では背凭れ2と座席シート3は連動して動くことになり、このカラビナ23aとカラビナ23bを外すとそれぞれが単独に動くことができる。
【0020】
座席シート3と座台5は、座台5と座席シート3を直接連結すると座席シート3動きが制限されるから、座席シート3の左端のボルト13aから座台下中間版14に取り付けられているボルト27の下をワイヤー15で通して座席シート右端のボルト13b(図示せず)にかけることによって、間接的に座席シート3と連結させている。また、座台5に通されている長いボルト22と座席シート3の左右を貫通するボルト16cの間にダンパー20a,20bを取り付けている。
【0021】
座台5のボルト22と座席シート3のボルト16cをつないでいるガスダンパー20a,20bは圧縮した状態で取り付けられているため図1のように座席シート3が平らな状態になっているときは、座席シート3の長いボルト16bに取り付けているミニVベルト25a,25bをカラビナ26a,26bを介して座台のボルト24a24bに結合し、浮き上がらないように固定しておくようにしている。
【0022】
この椅子型ベッドが椅子の状態からベッドになるまでの動作を説明する。図1の椅子の状態で、被施術者を座らせ、施術者が座席シート3に取り付けているカラビナ26a,26bを座台5のボルト24a,24bから外して、背凭れ2の取っ手10a,10bを座台5の方へ後方に引くと背凭れ2が図2の蝶番9a,9bを軸に倒れると同時に、背凭れ2の長いボルト11aに取り付けているVベルト7a,7bとカラビナ23a,23bが座席シート3の長いボルト16aに結合しているので、座席シート3が背凭れ2の方へ引っ張られて上方に上がり、図3のような椅子が倒れるような状態となる。
図3の状態からベッドの形にするにはカラビナ23a,23bを座席シート3の長いボルト16aから外して、座席シート3を座台5の所まで倒す。座席シート3も倒してベッドのように平らになった時に、着脱式の腕置き17a,17bを外す。また、脚シート4の下に座台5がないので、脚シートの下に台19を入れれば脚シート4が真っすぐに伸ばせる。そして、まだ座席シート3と座台5を繋いでいるガスダンパー20a,20bの浮き上がる力が強いので、座席シート3に取り付けているVベルト25a,25bに結合しているカラビナ26a,26bを座台のボルト24a,24bに引っ掛けることで図4のようなベッドの状態へとなる。
【0023】
この椅子型ベッドがベッドの状態から椅子にするためには図4のように背凭れ2も座席シート3もフラットな状態から、座席シート3に取り付けているVベルト25a,25bに結合しているカラビナ26a,26bを座台のボルト24a,24bから外して、着脱式の腕置き17a,17b座席シート3にはめ込み、座席シート3を上方へ上げて、カラビナ23a,23bを座席シート3の長いボルト16aにつなげると図3の状態となる。この時、被施術者のお尻を挟み込むので背凭れ2の下部と座席シート3の上の所の間にくぼみ30を設けている。(図6図示)。
図3の座席シート3が上がった状態から、背凭れ2の取っ手10a,10bを持ち背凭れ2を上方に上げると背凭れ2は上がり、座席シート3は被施術者の体重も加わり座台5の所まで倒れ、フラットとなり、そこから被施術者が立ち上がっても座席シート3と座台5を繋いでいるガスダンパー20a,20bにより座席シート3が浮き上がらないように、カラビナ26a,26bを座台のボルト24a,24bに引っ掛けることで、図1の椅子の状態へと戻る。

【符号の説明】
【0024】
1ヘッドレスト
2背凭れ
3座席シート
4脚シート
5座台
6a,6bガスダンパー
7a,7b Vベルト
8座台上中間版
9a,9b蝶番
10a,10b 取っ手
11a,11b,11c長いボルト
12a,12b腕置台
13a,13bボルト
14座台下中間版
15ワイヤー
16a,16b,16c長いボルト
17a,17b腕置き
18a,18b蝶番
19脚シートの台
20a,20bガスダンパー
21長いボルト
22長いボルト
23a,23bカラビナ
24a,24b座台のボルト
25a,25bミニVベルト
26a,26bカラビナ
27座台下中間版のボルト
28 クッション
29a,29b 長いボルト21の下支え台
30 くぼみ
図1
図2
図3
図4
図5
図6