(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の椅子型ベッドは、脊柱に問題がある場合(慢性・急性の脊椎の症状等)、座面部が動かない状態で背もたれを倒していくと、上半身部(特に背部)に引っ張りの重力がかかり痛みがでて、利用者の症状によっては首・腰を含めた体を痛めることが多かった。
【0006】
また、介護ベッド、マッサージベッドも共通するが、背ボトムと膝ボトムが動いてチェアーポジションを保つベッドがあるが、これは、寝たきりの人等がベッドからずれないようにという目的であるため、座面(腰ボトム)自体は動かず、また、脊椎の急性症状では、起きる時に重力が背・腰に痛みがあり、利用者の症状増悪の危険があった。
本発明はこのような課題を解決し、腰や背中に全く負担をかけることなく使用者が座ったまま椅子の状態からベッドの状態に、またベッドの状態から椅子の状態に変化させることができる椅子型ベッドを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の椅子ベッドは、ヘッドレスト、背凭れ、座席シート、脚シート、および前記背凭れ及び前記座席シートを支持する座台を備え、上記ヘッドレストは上記背もたれの上端部に取り付けられ、上記背凭れは上記座台に起伏可能に取り付けられ、上記座席シートと上記背凭れは解除可能な連結手段で連結されているとともに上記脚シートは上記座席シートの前端部で支持されるようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、背凭れと座席シートを解除可能な連結手段で連結しているため、背凭れを倒した時に座席シートが上がるため、背中とお尻の角度が変わらず、背凭れが倒れた後に座席シートを倒せるので、首・背中に痛みがある人の脊柱から骨盤を保護し、利用者に負担をかけることなく椅子の状態からベッドの状態に、またベッドの状態から椅子の状態に変化させることができる
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明における、椅子型ベッドの実施形態を図に基づいて説明する。
【0011】
図1と
図2において、1はヘッドレスト、2は背凭れ、3は座席シート、4は脚シート、5は座台である。以下、それらについての結合関係を説明していく。
【0012】
1はヘッドレストで、芯のまわりをクッション28が覆うように形成され、ヘッドレスト1は、背凭れ2の上端部に固定できるように2本の棒1a,1bが
取り付けられていている。
【0013】
2は背凭れで、背凭れ2には、ベッドを倒しやすいように、取手10a,10bをつけている。また、背凭れ2は、ベッドに横になる形になった時の腕を支えるために左右に腕置台12a,12bを設置している。さらに、背凭れ2には、左右を貫通する3本のボルト11a,11b,11cが取り付けられている。
【0014】
3は座席シートで、左右を貫通する3本のボルト16a,16b,16cが取付けられている。また、座席シート3には、座席シート3の端部にはめ込むことができて簡単に立ち座りしやすいように着脱式の腕置き17a,17bが設けられている。
【0015】
4は脚シートで、脚シート4は座台5とは連結せずに、座席シート3と蝶番18a,18bで連結させている。
図1のように、座席シート3の前端部と座台5の前端部との間に若干の空間が設けられているので脚シート4の下端部は
図1の位置から後方に変位するようになっているので、脚シート4が座席シート3に吊られている状態となっている。
【0016】
5は座台で、
図5に示すように箱型の土台となっている。座台5の真ん中の上下に背凭れ2と連結する座台上中間版8、座席シート3と連結する座台下中間版14があり、また、座台下中間版14にはボルト27がとりつけられている。座台5の外側には、ボルト24a,24bと、座台5を貫通するように真ん中の長いボルト21と下方にも座台5を貫通する(長いボルト
22)が設けられているとともに長いボルト21の支え台29a,29bが取り付けられている。
【0017】
また、座台5は、
図5に示すように箱型の土台となっているが、後端部には、開口部5aが設けられている。これは背凭れ2を倒す時、取っ手10a,10bを持ちながら倒す時足をこの開口部5aに入れると力が出しやすく、また、背もたれ2が座台5に倒れた状態でも起こしやすくするためである。
【0018】
背凭れ2と座台5は、背凭れ2の下端と座台5の上中間版8を蝶番9a,9bで連結していることで背凭れ2が座台5と平行になるまで後方に倒すことができる。また、背凭れ2に取り付けられているボルト11bは、ガスダンパー6a,6bで座台5の長いボルト21につながっている。
【0019】
背凭れ2と座席シート3は、直接連結せずに背凭れ2の長いボルト11aにVベルト7a,7bとカラビナ23a,23bを固定し、座席シート3の長いボルト16aにカラビナ23a,23bを引っ掛けることによって連結している。
したがってこの状態では背凭れ2と座席シート3は連動して動くことになり、このカラビナ23aと
カラビナ23bを外すとそれぞれが単独に動くことができる。
【0020】
座席シート3と座台5は、座台5と座席シート3を直接連結すると座席シート3動きが制限されるから、座席シート3の左端のボルト13aから座台下中間版14に取り付けられているボルト27の下をワイヤー15で通して座席シート右端のボルト13b(図示せず)にかけることによって、間接的に座席シート3と連結させている。また、座台5に通されている長いボルト22と座席シート3の左右を貫通するボルト16cの間にダンパー20a,20bを取り付けている。
【0021】
座台5のボルト22と座席シート3のボルト16cをつないでいるガスダンパー20a,20bは圧縮した状態で取り付けられているため
図1のように座席シート3が平らな状態になっているときは、座席シート3の長いボルト16bに取り付けているミニVベルト25a,25bをカラビナ26a,26bを介して座台のボルト24a24bに結合し、浮き上がらないように固定しておくようにしている。
【0022】
この椅子型ベッドが椅子の状態からベッドになるまでの動作を説明する。
図1の椅子の状態で、被施術者を座らせ、施術者が座席シート3に取り付けているカラビナ26a,26bを座台5のボルト24a,24bから外して、背凭れ2の取っ手10a,10bを座台5の方へ後方に引くと背凭れ2が
図2の蝶番9a,9bを軸に倒れると同時に、背凭れ2の長いボルト11aに取り付けているVベルト7a,7bとカラビナ23a,23bが座席シート3の長いボルト
16aに結合しているので、座席シート3が背凭れ2の方へ引っ張られて上方に上がり、
図3のような椅子が倒れるような状態となる。
図3の状態からベッドの形にするにはカラビナ23a,23bを座席シート3の長いボルト16aから外して、座席シート3を座台5の所まで倒す。座席シート3も倒してベッドのように平らになった時に、着脱式の腕置き17a,17bを外す。また、脚シート4の下に座台5がないので、脚シートの下に台19を入れれば脚シート4が真っすぐに伸ばせる。そして、まだ座席シート3と座台5を繋いでいるガスダンパー20a,20bの浮き上がる力が強いので、座席シート3に取り付けているVベルト25a,25bに結合しているカラビナ26a,26bを座台のボルト24a,24bに引っ掛けることで
図4のようなベッドの状態へとなる。
【0023】
この椅子型ベッドがベッドの状態から椅子にするためには
図4のように背凭れ2も座席シート3もフラットな状態から、座席シート3に取り付けているVベルト25a,25bに結合しているカラビナ26a,26bを座台のボルト24a,24bから外して、着脱式の腕置き17a,17b座席シート3にはめ込み、座席シート3を上方へ上げて、カラビナ23a,23bを座席シート3の長いボルト
16aにつなげると
図3の状態となる。この時、被施術者のお尻を挟み込むので背凭れ2の下部と座席シート3の上の所の間にくぼみ30を設けている。(
図6図示)。
図3の座席シート3が上がった状態から、背凭れ2の取っ手10a,10bを持ち背凭れ2を上方に上げると背凭れ2は上がり、座席シート3は被施術者の体重も加わり座台5の所まで倒れ、フラットとなり、そこから被施術者が立ち上がっても座席シート3と座台5を繋いでいるガスダンパー20a,20bにより座席シート3が浮き上がらないように、カラビナ26a,26bを座台のボルト24a,24bに引っ掛けることで、
図1の椅子の状態へと戻る。