(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両の複数のタイヤにそれぞれ設けられており、該タイヤの空気圧を検出して得られる空気圧情報及び自身の識別子を含む空気圧信号を無線送信する複数の検出装置から送信された該空気圧信号を受信して各タイヤの空気圧を監視する監視装置であって、
前記複数のタイヤがそれぞれ設けられる複数のタイヤ位置と、各タイヤ位置に設けられる前記検出装置の識別子とを対応付けて記憶する記憶部と、
少なくとも一の前記タイヤ位置に対して、前記検出装置の識別子を要求する要求信号を複数回送信する要求信号送信部と、
前記要求信号に応じて前記検出装置から送信された識別子を受信する識別子受信部と、
複数回送信された前記要求信号に応じて前記検出装置から送信された複数の識別子に基づいて、前記要求信号を送信した前記タイヤ位置に設けられる前記検出装置の識別子を特定する特定部と、
前記記憶部が記憶する前記タイヤ位置に対応する識別子を前記特定部によって特定された識別子に更新する更新部と、
前記車両のイグニッションスイッチがオン状態であるか否かを判定するスイッチ状態判定部と、
前記車両が走行中か否かを判定する走行状態判定部と
を備え、
前記要求信号は、前記記憶部が記憶する前記タイヤ位置及び識別子の対応関係の整合性を確認するための第1要求信号と、統計処理にて各タイヤ位置に対応する識別子を特定するための第2要求信号を有し、
前記要求信号送信部は、
前記複数のタイヤ位置それぞれに対して、前記第1要求信号を送信するようにしてあり、
前記識別子受信部は、前記第1要求信号に応じて前記複数の検出装置から送信された複数の識別子を受信するようにしてあり、
前記要求信号送信部が前記第1要求信号を送信した場合、前記識別子受信部にて受信した識別子と、前記記憶部が記憶する前記タイヤ位置に対応する識別子とが一致しているか否かを判定する判定部を備え、該判定部は、前記第1要求信号を送信した前記複数のタイヤ位置と前記識別子受信部で受信した複数の識別子との対応関係が、前記記憶部が記憶する前記複数のタイヤ位置と識別子との対応関係と一致しているか否かを判定する第1の判定と、前記識別子受信部が受信した複数の識別子のそれぞれが前記記憶部が記憶する複数の識別子のいずれかに一致しているか否かを判定する第2の判定とを行うものであり、
前記要求信号送信部は、
前記判定部が、前記第1要求信号を送信して前記識別子受信部が受信した識別子と、前記記憶部が記憶する前記タイヤ位置に対応する識別子とが一致していないと判定した場合、前記イグニッションスイッチがオン状態にあり、前記第1の判定の判定結果が不一致、かつ前記第2の判定の判定結果が一致であるとき、前記タイヤ位置に対して前記第2要求信号を複数回送信し、
前記判定部が、前記第1要求信号を送信して前記識別子受信部が受信した識別子と、前記記憶部が記憶する前記タイヤ位置に対応する識別子とが一致していないと判定した場合、前記車両が走行中で、前記第1の判定又は前記第2の判定の判定結果が不一致であるとき、前記タイヤ位置に対して前記第2要求信号を複数回送信するようにしてあり、
前記特定部は、
複数回送信した前記第2要求信号に応じて前記検出装置から送信された前記複数の識別子に基づいて、受信した複数の識別子の中で最も受信頻度が高く、受信した前記複数の識別子の数に対する割合が所定割合以上の一の前記検出装置の識別子を特定する
監視装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0014】
(1)本発明の一態様に係る監視装置は、車両の複数のタイヤにそれぞれ設けられており、該タイヤの空気圧を検出して得られる空気圧情報及び自身の識別子を含む空気圧信号を無線送信する複数の検出装置から送信された該空気圧信号を受信して各タイヤの空気圧を監視する監視装置であって、前記複数のタイヤがそれぞれ設けられる複数のタイヤ位置と、各タイヤ位置に設けられる前記検出装置の識別子とを対応付けて記憶する記憶部と、少なくとも一の前記タイヤ位置に対して、前記検出装置の識別子を要求する要求信号を複数回送信する要求信号送信部と、前記要求信号に応じて前記検出装置から送信された識別子を受信する識別子受信部と、複数回送信された前記要求信号に応じて前記検出装置から送信された複数の識別子に基づいて、前記要求信号を送信した前記タイヤ位置に設けられる前記検出装置の識別子を特定する特定部と、前記記憶部が記憶する前記タイヤ位置に対応する識別子を前記特定部によって特定された識別子に更新する更新部とを備える。
【0015】
本態様にあっては、要求信号送信部は、少なくとも一のタイヤ位置に対して要求信号を送信する。該タイヤ位置のタイヤに設けられる検出装置は要求信号を受信し、自身の識別子を監視装置へ送信する。ところが、他のタイヤ位置、その他任意箇所にある検出装置又は他車両の検出装置も前記要求信号を受信することがある。この場合、前記タイヤ位置以外の他の箇所に設けられた、又は配された他のタイヤの検出装置から監視装置へ識別子が送信される。
そこで、要求信号送信部は、前記タイヤ位置に対して要求信号を複数回送信し、識別子受信部は、該複数の要求信号に応じて送信された複数の識別子を受信する。そして、監視装置の特定部は、受信した複数の識別子に基づいて、前記タイヤ位置に対応する識別子を特定する。言い換えると、監視装置は、複数の識別子を用いて、前記タイヤ位置に対応する、統計的に確からしい識別子を特定する。他のタイヤ位置に対応する識別子も同様にして特定することができる。そして、更新部は、特定部が識別子の特定を行った場合、特定された識別子によって記憶部が記憶する識別子を更新する。
従って、タイヤローテーション若しくはタイヤ交換が行われた場合、又は他車両から送信された識別子を受信した場合であっても、タイヤ位置に対応する識別子を誤り無く特定し、記憶部が記憶する識別子を誤り無く更新することができる。
なお、本発明は、少なくとも一のタイヤ位置に対応する識別子の特定及び更新を行う監視装置であり、必ずしも全てのタイヤ位置に対応する識別子の更新を行う必要は無い。
【0016】
(2)前記特定部は、受信した前記複数の識別子に、所定割合以上の同一の識別子が含まれている場合、該同一の識別子を前記要求信号を送信した前記タイヤ位置に設けられる前記検出装置の識別子として特定する構成が好ましい。
【0017】
本態様にあっては、監視装置の特定部は、受信した複数の識別子に、同一の識別子が所定割合以上で含まれている場合、つまり最頻の識別子が所定割合以上含まれている場合、該識別子を、前記タイヤ位置に対応する識別子として特定し、更新する。最頻であって、かつ所定割合の識別子を特定することによって、より精度良く、前記タイヤ位置に対応する識別子を特定することができる。他のタイヤ位置に対応する識別子も、同様にして精度良く、特定し、更新することができる。
【0018】
(3)前記要求信号は第1要求信号及び第2要求信号を有し、前記要求信号送信部が前記第1要求信号を送信した場合、前記識別子受信部にて受信した識別子と、前記記憶部が記憶する前記タイヤ位置に対応する識別子とが一致しているか否かを判定する判定部を備え、前記要求信号送信部は、前記判定部が一致していないと判定した場合、前記タイヤ位置に対して前記第2要求信号を送信するようにしてあり、前記特定部は、前記第1要求信号又は前記第2要求信号の少なくともいずれか一方の前記要求信号に応じて前記検出装置から送信された前記複数の識別子に基づいて、前記タイヤ位置に設けられる前記検出装置の識別子を特定する構成が好ましい。
【0019】
本態様にあっては、監視装置は、第1要求信号を送信し、監視装置の判定部は、受信した一の識別子と、記憶部が記憶しているタイヤ位置に対応する識別子とが一致しているか否かを判定する。そして、監視装置は、識別子が一致しなかったタイヤ位置に対して第2要求信号を送信することによって識別子を追加で受信し、該タイヤ位置に対応する識別子を特定し、更新することができる。本態様の第2要求信号は、少なくとも1回送信すれば良い。
【0020】
(4)前記車両のイグニッションスイッチがオン状態であるか否かを判定するスイッチ状態判定部を備え、前記要求信号送信部は、前記イグニッションスイッチがオン状態にあり、前記判定部が一致していないと判定した場合、前記第2要求信号を送信する構成が好ましい。
【0021】
本態様によれば、監視装置は、受信した識別子と、記憶部が記憶しているタイヤ位置に対応する識別子とが一致しておらず、イグニッションスイッチがオン状態にある場合、識別子が一致しなかったタイヤ位置の識別子を特定し、更新する処理を実行する。
【0022】
(5)前記車両が走行中か否かを判定する走行状態判定部を備え、前記要求信号送信部は、前記車両が走行中で、前記判定部が一致していないと判定した場合、前記第2要求信号を送信する構成が好ましい。
【0023】
本態様によれば、監視装置は、受信した識別子と、記憶部が記憶しているタイヤ位置に対応する識別子とが一致しておらず、車両が走行中である場合、識別子が一致しなかったタイヤ位置の識別子を特定し、更新する処理を実行する。
【0024】
(6)前記要求信号送信部は、前記複数のタイヤ位置それぞれに対して、前記第1要求信号を送信するようにしてあり、前記識別子受信部は、前記第1要求信号に応じて前記複数の検出装置から送信された複数の識別子を受信するようにしてあり、前記判定部は、前記第1要求信号を送信した複数のタイヤ位置と前記識別子受信部で受信した複数の識別子との対応関係が、前記記憶部が記憶する複数のタイヤ位置と識別子との対応関係と一致しているか否かを判定する第1の判定と、前記識別子受信部が受信した複数の識別子のそれぞれが前記記憶部が記憶する複数の識別子のいずれかに一致しているか否かを判定する第2の判定とを行うものであり、前記要求信号送信部は、前記第1の判定及び前記第2の判定の判定結果に応じたタイミングで、前記第2要求信号を送信する構成が好ましい。
【0025】
本態様によれば、判定部は、第1の判定において、複数のタイヤ位置毎に、記憶部が記憶する識別子と、受信した識別子とが全て一致しているか否かを判定する。例えば、右前、左前、右後、左後のタイヤ位置に対応する識別子として「11111」、「22222」、「33333」及び「44444」を記憶部が記憶しており、右前、左前、右後、左後のタイヤ位置に設けられる検出装置から受信した識別子が「11111」、「22222」、「33333」及び「44444」である場合、判定部は一致していると判定する(
図7参照)。ところが、右前、左前、右後、左後のタイヤ位置に設けられる検出装置から受信した識別子が「22222」、「11111」、「33333」及び「44444」である場合、判定部は一致していないと判定する(
図8参照)。
判定部は、第2の判定において、タイヤ位置との対応関係を問わず、受信した複数の識別子と、記憶部が記憶する識別子とが一致しているか否かを判定する。例えば、右前、左前、右後、左後のタイヤ位置に対応する識別子として「11111」、「22222」、「33333」及び「44444」を記憶部が記憶しており、右前、左前、右後、左後のタイヤ位置に設けられる検出装置から受信した識別子が「22222」、「11111」、「33333」及び「44444」である場合、判定部は一致していると判定する。
なお、右前、左前、右後、左後のタイヤ位置に対応する識別子として「11111」、「22222」、「33333」及び「44444」を記憶部が記憶しており、右前、左前、右後、左後のタイヤ位置に設けられる検出装置から受信した識別子が「11111」、「77777」、「33333」及び「44444」である場合、判定部は、第1の判定及び第2の判定のいずれにおいても一致していないと判定する。
第1の判定及び第2の判定によれば、タイヤの位置が変化していない状態、タイヤローテーションが行われた状態、検出装置の交換、タイヤ交換又は他車両の検出装置から識別子を受信した状態などが発生している可能性を判別することができる。これらの状態を判別することによって、識別子が一致していない各状況に適したタイミングで、識別子の特定処理を行うことができる。
【0026】
(7)前記イグニッションスイッチがオン状態であるか否かを判定するスイッチ状態判定部を備え、前記要求信号送信部は、前記イグニッションスイッチがオン状態にあり、前記第1の判定の判定結果が不一致、かつ前記第2の判定の判定結果が一致である場合、前記第2要求信号を送信する構成が好ましい。
【0027】
本態様によれば、第1の判定の判定結果が不一致であり、かつ第2の判定の判定結果が一致である場合、検出装置の交換、タイヤ交換又は他車両から送信された識別子の受信の可能性は無く、タイヤローテーションが行われている可能性がある。この場合、タイヤ位置との対応関係はともかく、少なくとも監視装置は、自車両の各タイヤに設けられる検出装置から送信された識別子を受信していると予想される。逆に言えば、他車両から送信された識別子を受信している可能性を排除できる。従って、車両が停止している状態でも、識別子の特定処理を行うことができる。そこで、監視装置は、イグニッションスイッチがオン状態で、識別子の特定処理を行う。本態様によれば、車両が走行を開始する前に、各タイヤ位置の識別子を誤り無く特定し、更新することができる。
【0028】
(8)前記車両が走行中か否かを判定する走行状態判定部を備え、前記要求信号送信部は、前記車両が走行中で、前記第1の判定又は前記第2の判定の判定結果が不一致である場合、前記第2要求信号を送信する構成が好ましい。
【0029】
本態様によれば、第1の判定又は第2の判定の判定結果が不一致である場合、例えば第1及び第2の判定の判定結果が不一致である場合、タイヤ交換又は他車両から送信された識別子を受信している可能性がある。この場合、車両が停止したままでは、他車両から送信された識別子を受信している可能性を排除することができない。そこで、監視装置は、車両の走行中に、識別子の特定処理を行う。本態様によれば、車両の走行中に識別子の特定処理を行うことにより、各タイヤ位置の識別子を誤り無く特定し、更新することができる。
【0030】
(9)本発明の一態様に係るタイヤ空気圧監視システムは、車両の複数のタイヤにそれぞれ設けられており、該タイヤの空気圧を検出して得られる空気圧情報及び自身の識別子を含む空気圧信号を無線送信する複数の検出装置と、態様(1)〜態様(8)のいずれか一つに記載の監視装置とを備え、前記監視装置は、前記複数の検出装置から送信された前記空気圧信号を受信して各タイヤの空気圧を監視する。
【0031】
本態様にあっては、態様(1)と同様、タイヤローテーション、検出装置の交換若しくは、タイヤ交換が行われた場合、又は他車両から送信された識別子を受信した場合であっても、各タイヤ位置に対応する識別子を誤り無く特定し、更新することができる。
【0032】
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係るタイヤ空気圧監視システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0033】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るタイヤ空気圧監視システムの一構成例を示す模式図である。本実施形態1に係るタイヤ空気圧監視システムは、車体の適宜箇所に設けられた監視装置1と、車両Cに設けられた複数のタイヤ3のホイール夫々に設けられた検出装置2と、報知装置4とを備える。本実施形態1のタイヤ空気圧監視システムでは、監視装置1が各検出装置2と無線通信を行うことにより、各タイヤ3の空気圧を取得し、報知装置4は取得した空気圧に応じた報知を行う。監視装置1には、各タイヤ3に対応するLF(Low Frequency)送信アンテナ14aが接続されている。例えば、LF送信アンテナ14aは車両Cの右前、左前、右後及び左後の部分に設けられている。監視装置1は、各LF送信アンテナ14aからLF帯の電波により空気圧情報を要求する要求信号を各検出装置2それぞれへ各別に送信する。検出装置2は、監視装置1の要求信号に応じて、タイヤ3の空気圧を検出し、検出して得た空気圧情報及び自身のセンサID(識別子)を含む空気圧信号をUHF(Ultra High Frequency)帯の電波により監視装置1へ送信する。また、検出装置2は、定期的にタイヤ3の空気圧を検出し、自発的に空気圧信号を監視装置1へ送信する機能を有する。
また、監視装置1は、RF受信アンテナ13aを備え、各検出装置2から送信された空気圧信号をRF受信アンテナ13aにて受信し、該空気圧信号から各タイヤ3の空気圧情報を取得する。なおLF帯及びUHF帯は無線通信を行う際に用いる電波帯域の一例であり、必ずしもこれに限定されない。監視装置1には通信線を介して報知装置4が接続されており、監視装置1は取得した空気圧情報を報知装置4へ送信する。報知装置4は監視装置1から送信された空気圧情報を受信し、各タイヤ3の空気圧を報知する。また、報知装置4はタイヤ3の空気圧が所定の閾値未満である場合、警告を発する。
【0034】
図2は、監視装置1の一構成例を示すブロック図である。監視装置1は、該監視装置1の各構成部の動作を制御する制御部11を備える。制御部11には、記憶部12、車載受信部13、車載送信部14、計時部15、車内通信部16及び入力部17が接続されている。
【0035】
制御部11は、例えば一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、マルチコアCPU、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インタフェース等を有するマイコンである。制御部11のCPUは入出力インタフェースを介して記憶部12、車載受信部13、車載送信部14、計時部15、車内通信部16及び入力部17に接続している。制御部11は記憶部12に記憶されている制御プログラムを実行することにより、各構成部の動作を制御し、本実施形態に係るセンサID更新処理及びタイヤ空気圧監視処理を実行する。
【0036】
記憶部12は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。記憶部12は、制御部11が監視装置1の各構成部の動作を制御することにより、センサID更新処理及びタイヤ空気圧監視処理を実行するための制御プログラムを記憶している。また、記憶部12は、4つのタイヤ位置と、各タイヤ位置に設けられたタイヤ3の検出装置2を識別するセンサID(識別子)との関係を登録したセンサIDテーブルを記憶している。
【0037】
図3は、センサIDテーブルの一例を示す概念図である。センサIDテーブルは、タイヤ位置と、各LF送信アンテナ14aを識別するためのアンテナIDと、各タイヤ位置のタイヤ3に設けられた検出装置2のセンサIDと、検出装置2によって検出された現在の空気圧とを対応付けて登録している。空気圧は、例えばkPa単位の数値である。
【0038】
車載受信部13には、RF受信アンテナ13aが接続されている。車載受信部13は、検出装置2からRF帯の電波を用いて送信された信号を、RF受信アンテナ13aにて受信する。車載受信部13は、受信した信号を復調し、復調された信号を制御部11へ出力する回路である。搬送波としては300MHz〜3GHzのUHF帯を使用するが、この周波数帯に限定するものでは無い。
【0039】
車載送信部14は、制御部11から出力された信号をLF帯の信号に変調し、変調された信号を複数のLF送信アンテナ14aからそれぞれ各別に検出装置2へ送信する回路である。搬送波としては30kHz〜300kHzのLF帯を使用するが、この周波数帯に限定するものでは無い。
また、車載送信部14は、各LF送信アンテナ14aから送信する信号の送信強度を変更する送信強度変更部14bを備える。送信強度変更部14bは、例えば増幅器であり、制御部11の制御に従って、各LF送信アンテナ14aから送信される要求信号の送信強度を変更することができる。
以下、車載送信部14から送信される要求信号の内、主にセンサIDテーブルの整合性を確認する際に送信される要求信号を第1要求信号、従来の統計処理において各タイヤ位置に対応するセンサIDを特定する際に送信される要求信号を第2要求信号と呼ぶ。
【0040】
計時部15は、例えばタイマ、リアルタイムクロック等により構成され、制御部11の制御に従って計時を開始し、計時結果を制御部11に与える。
【0041】
車内通信部16は、CAN(Controller Area Network)又はLIN(Local Interconnect Network)等の通信プロトコルに従って通信を行う通信回路であり、報知装置4に接続されている。車内通信部16は、制御部11の制御に従って、タイヤ3の空気圧情報を報知装置4へ送信する。
【0042】
報知装置4は、例えば、車内通信部16から送信されたタイヤ3の空気圧情報を画像又は音声によって報知する表示部又はスピーカを備えたオーディオ機器、インスツルメントパネルの計器に設けられた表示部等である。表示部は液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ等である。例えば、報知装置4は、車両Cに設けられた各タイヤ3の空気圧を表示する。
【0043】
入力部17には、車速センサ5及びイグニッションスイッチ6が接続されている。
車速センサ5は、例えば車両Cに備えられた車軸の回転数に比例した信号を発信する磁気ピックアップ、ホール素子等を備えた非接触センサ、及び該非接触センサからのパルス数を計測する計数回路を備え、パルス数を計測することによって車両Cの速度を検出する。車速センサ5は、車両Cの速度を示した車速信号を入力部17へ出力し、制御部11は、入力部17に入力された車速信号に基づいて、車両Cの停止状態、走行開始状態、走行状態等を判定することができる。非接触センサは速度検出部の一例であり、かかる構造に限定されるものでは無い。例えば、GPSにて検出された車両Cの位置情報に基づいて、車両Cの速度を検出するように車速センサ5を構成しても良い。
また、入力部17には、イグニッションスイッチ6のオンオフ状態を示したイグニッション信号(以下、IG信号と呼ぶ)が入力しており、制御部11は、入力部17に入力されたIG信号に基づいて、イグニッションスイッチ6のオンオフ状態を判定することができる。
【0044】
図4は、検出装置2の一構成例を示すブロック図である。検出装置2は、該検出装置2の各構成部の動作を制御するセンサ制御部21を備える。センサ制御部21には、センサ用記憶部22、センサ送信部23、センサ受信部24、空気圧検出部25及び計時部26が接続されている。
【0045】
センサ制御部21は、例えば一又は複数のCPU、マルチコアCPU、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するマイコンである。センサ制御部21のCPUは入出力インタフェースを介してセンサ用記憶部22、センサ送信部23、センサ受信部24、空気圧検出部25及び計時部26に接続している。センサ制御部21はセンサ用記憶部22に記憶されている制御プログラムを読み出し、各部を制御する。検出装置2は、図示しない電池を備え、当該電池からの電力により動作する。
【0046】
センサ用記憶部22は不揮発性メモリである。センサ用記憶部22には、センサ制御部21のCPUがタイヤ3の空気圧の検出及び送信に係る処理を行うための制御プログラムが記憶されている。
【0047】
空気圧検出部25は、例えばダイヤフラムを備え、圧力の大きさによって変化するダイヤフラムの変形量に基づき、タイヤ3の空気圧を検出する。空気圧検出部25は検出したタイヤ3の空気圧を示す信号をセンサ制御部21へ出力する。センサ制御部21は、制御プログラムを実行することにより、空気圧検出部25からタイヤ3の空気圧を取得し、該空気圧、検出装置2に固有のセンサID等の情報を含む空気圧信号を生成し、センサ送信部23へ出力する。
なお、タイヤ3の温度を検出し、検出した温度を示す信号をセンサ制御部21へ出力する温度検出部(不図示)を備えても良い。この場合、センサ制御部21は、空気圧情報、温度情報、センサID等の情報を含む空気圧信号を生成し、センサ送信部23へ出力する。
【0048】
センサ送信部23には、RF送信アンテナ23aが接続されている。センサ送信部23は、センサ制御部21が生成した空気圧信号をUHF帯の信号に変調し、変調した空気圧信号を、RF送信アンテナ23aを用いて送信する。
【0049】
センサ受信部24には、LF受信アンテナ24aが接続されている。センサ受信部24は、監視装置1からLF帯の電波を用いて送信された要求信号を、LF受信アンテナ24aにて受信し、受信した信号をセンサ制御部21へ出力する。
【0050】
次に、センサIDテーブルの更新処理手順を説明する。
図5は、実施形態1に係るセンサID更新処理手順を示すフローチャートである。監視装置1は、所定のタイミングで以下の処理を実行する。例えば、監視装置1は、イグニッションスイッチ6がオフ状態からオン状態になった場合をトリガとして、以下の処理を実行する。また、アクセサリー電源がオフ状態からオン状態になった場合、又はバッテリ電源がオフ状態からオン状態になった場合をトリガとして、以下の処理を実行しても良い。制御部11は、各LF送信アンテナ14aから第1要求信号を送信させる(ステップS11)。そして、制御部11は、ステップS11で送信した第1要求信号に応じて検出装置2から送信されたセンサIDを含む空気圧信号を受信する(ステップS12)。そして、制御部11は、各タイヤ位置に対応するセンサIDを一時記憶する(ステップS13)。例えば、車両Cの右前部分に設けられたLF送信アンテナ14aから第1要求信号を送信させた場合、監視装置1は、該第1要求信号に応じて検出装置2から送信されたセンサIDを受信し、該センサIDを、右前のタイヤ位置に対応するセンサIDとして一時記憶する。他のタイヤ位置についても同様にしてセンサIDを一時記憶する。
【0051】
次いで、制御部11は、受信した各タイヤ位置に対応するセンサIDと、センサIDテーブルに登録された各タイヤ位置に対応するセンサIDとの整合性を判定する整合性判定処理に係るサブルーチンを実行する(ステップS14)。
【0052】
ステップS14の整合性判定処理の詳細を説明する。
図6は、センサIDの整合性判定処理に係るに係るサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。ステップS14においてセンサIDの整合性判定処理に係るサブルーチンを呼び出した制御部11は、各タイヤ位置に対応するセンサIDを、センサIDテーブルから読み出す(ステップS31)。次いで、制御部11は、受信した各タイヤ位置に対応する一時記憶したセンサIDと、センサIDテーブルに登録されたセンサIDとが一対一で完全一致しているか否かを判定する(ステップS32)。ステップS32の処理は、本態様における第1の判定に相当する。
センサIDが一対一で完全一致していると判定した場合(ステップS32:YES)、制御部11は、各タイヤ位置に対応するセンサIDが確定した状態にあることを記憶し(ステップS33)、整合性判定処理に係るサブルーチンの処理を終え、処理をステップS15へ戻す。以下、タイヤ位置毎に、センサIDテーブルに登録されたセンサIDと、受信したセンサIDとが一対一で一致している状態をセンサID確定状態と呼ぶ。
【0053】
図7は、センサID確定状態を説明するための図表である。
図7に示すように、右前、左前、右後、左後の4つのタイヤ位置には、それぞれ、アンテナIDが「1」、「2」、「3」、「4」のLF送信アンテナ14aが対応付けられている。また、各タイヤ位置の4つのタイヤ3にそれぞれ設けられた検出装置2のセンサIDは、該検出装置2が設けられたタイヤ3のタイヤ位置にそれぞれ関連付けて、センサIDテーブルに登録されている。例えば、右前のタイヤ位置には、センサID「11111」が、左前のタイヤ位置には、センサID「22222」が、右後のタイヤ位置にはセンサID「33333」が、左後のタイヤ位置にはセンサID「4444
4」が関連付けられている。
一方、
図7中「受信したセンサID」は、受信した各タイヤ位置に対応するセンサIDを示しており、タイヤ位置毎に、センサIDテーブルに登録されているセンサIDと、受信したセンサIDとが一対一で完全に一致している。具体的には、車両Cの右前に位置するLF送信アンテナ14aから第1要求信号を送信し、受信したセンサIDが「11111」、左前に位置するLF送信アンテナ14aから第1要求信号を送信し、受信したセンサIDが「22222」である。同様に、車両Cの右後に位置するLF送信アンテナ14aから第1要求信号を送信し、受信したセンサIDが「33333」、左後に位置するLF送信アンテナ14aから第1要求信号を送信し、受信したセンサIDが「44444」である。
【0054】
図6に戻り、ステップS32において、センサIDが一対一で対応していないと判定した場合(ステップS32:NO)、制御部11は、受信した各タイヤ位置に対応するセンサIDそれぞれが、センサIDテーブルに登録されたセンサIDのいずれかと一致しているが、タイヤ位置との対応関係が整合していない状態にあるか否かを判定する(ステップS34)。ステップS34の処理は、本態様における第2の判定に相当する。タイヤ位置との対応関係が整合していないと判定した場合(ステップS34:YES)、各タイヤ位置及びセンサIDの対応が不確定な状態にあることを記憶し(ステップS35)、整合性判定に係るサブルーチンの処理を終え、処理をステップS15へ戻す。以下、各タイヤ位置及びセンサIDの対応関係が不確定な状態を、適宜、対応不確定状態と呼ぶ。
【0055】
図8は、各タイヤ位置及びセンサIDの対応不確定状態を説明するための図表である。
図8に示すタイヤ位置、アンテナID及び記憶部12が記憶しているセンサIDの内容は、
図7の図表と同様である。
図8中「受信したセンサID」は、受信した各タイヤ位置に対応するセンサIDを示しており、記憶部12が記憶する4つのセンサIDと、受信した4つのセンサIDとが一致しているものの、タイヤ位置との対応関係が整合していない状態にある。具体的には、車両Cの右前に位置するLF送信アンテナ14aから第1要求信号を送信し、受信したセンサIDが「22222」、左前に位置するLF送信アンテナ14aから第1要求信号を送信し、受信したセンサIDが「11111」である。この場合、タイヤローテーションによって、右前のタイヤ3と、左前のタイヤ3とが交換された状態にある可能性がある。
【0056】
図6に戻り、ステップS34において、受信したセンサIDと、センサIDテーブルに登録されたセンサIDとが相違していると判定した場合(ステップS34:NO)、制御部11は、センサIDが未確定な状態にあることを記憶し(ステップS36)、整合性判定処理に係るサブルーチンの処理を終え、処理をステップS15へ戻す。以下、一部のタイヤ位置に対応するセンサIDが未確定な状態を、適宜、センサID未確定状態と呼ぶ。
【0057】
図9は、センサID未確定状態を説明するための図表である。
図9に示すタイヤ位置、アンテナID及び記憶部12が記憶しているセンサIDの内容は、
図7の図表と同様である。
図9中「受信したセンサID」は、受信した各タイヤ位置に対応するセンサIDを示しており、受信した一部のセンサIDは、センサIDテーブルに登録された4つのセンサIDのいずれとも一致していない状態にある。具体的には、車両Cの左前に位置するLF送信アンテナ14aから第1要求信号を送信し、受信したセンサIDが「77777」である。この場合、左前のタイヤ3が、検出装置2と共に他のタイヤ3に交換され、又は検出装置2が交換された可能性がある。また、車両Cの左前に設けられたLF送信アンテナ14aから送信された第1要求信号に応答して、他車両Cの検出装置2から送信されたセンサID「77777」を監視装置1が受信した可能性がある。
【0058】
図5に戻り、ステップS14の処理を終えた制御部11の処理を説明する。
ステップS14の処理を終えた制御部11は、ステップS14の判定結果を参照し、センサID確定状態にあるか否かを判定する(ステップS15)。センサID確定状態にないと判定した場合(ステップS15:NO)、制御部11は、入力部17に入力した車速信号に基づいて、車両Cが走行中であるか否かを判定する(ステップS16)。車両Cが走行中であると判定した場合(ステップS16:YES)、制御部11は、受信したセンサIDと、センサIDテーブルに登録されたセンサIDとが不一致であったタイヤ位置に対応するセンサIDを特定及び更新するための統計処理に係るサブルーチンを実行する(ステップS17)。統計処理は、各タイヤ位置に設けられた検出装置2に第2要求信号を送信することによって、複数のセンサIDを取得し、統計的に各タイヤ3のセンサIDを特定及び更新する処理である。ここで特定は、あるタイヤ位置に設けられる検出装置2の正しい又は確からしいセンサIDを統計的に求めることを意味する。統計処理に係るサブルーチンの詳細は後述する。
【0059】
次いで、制御部11は、センサIDの特定及び更新に係るステップS17の統計処理が成功したか否かを判定する(ステップS18)。例えば、制御部11は、後述する統計処理に係るサブルーチンの戻り値に基づいて、統計処理の成否を判定すれば良い。実体的には、制御部11は、例えば、4つのタイヤ位置の内、一つでもタイヤ位置に対応するセンサIDが未確定で更新ができなかった場合、失敗であると判定し、全てのタイヤ位置に対応するセンサIDが確定して更新できた場合、成功であると判定する。センサIDの特定に失敗したと判定した場合(ステップS18:NO)、所定のエラー処理を実行し(ステップS22)、処理を終える。例えば、制御部11は、各タイヤ3の空気圧情報が得られなかったことを示すエラー信号を報知装置4へ送信することによって、エラーメッセージを報知する。また、制御部11は、ステップS12にて受信した空気圧情報が示す空気圧の中に閾値未満のものがあれば、いずれかのタイヤの空気圧に異常がある旨を報知装置4に報知させるように構成しても良い。なお、センサIDの特定に失敗したと判定した場合、処理をステップS16へ戻し、所定時間経過後、走行中にステップS17の統計処理を実行するように構成しても良い。
【0060】
タイヤ位置に対応するセンサIDを特定する統計処理に成功したと判定した場合(ステップS18:YES)、又はステップS15においてセンサID確定状態にあると判定した場合(ステップS15:YES)、制御部11は、センサIDテーブルを用いて、各タイヤ位置に設けられたタイヤ3の空気圧を監視する処理を実行し(ステップS19)、処理を終える。具体的には、制御部11は、各タイヤ3の空気圧情報を報知装置4へ送信することによって、各タイヤ3の空気圧情報を報知する処理を実行する。また、制御部11は、各タイヤ3の空気圧が閾値以上であるか否かを判定し、閾値未満のタイヤ3がある場合、該タイヤ3の空気圧が閾値未満である旨の情報を報知装置4へ送信することにより、警告を発する処理を実行する。
なお、言うまでもなく、空気圧監視処理は、イグニッションスイッチ6がオフ状態からオン状態になったタイミングのみならず、車両Cの走行中、又はエンジン駆動中、所要のタイミングで継続的に実行しても良い。また、この場合、所定のタイミングで処理をステップS11へ戻し、各タイヤ位置のセンサIDを更新するように構成しても良い。
【0061】
車両Cが走行中でないと判定した場合(ステップS16:NO)、制御部11は、入力部17に入力したIG信号に基づいて、イグニッションスイッチ6がオン状態であるか否かを判定する(ステップS20)。イグニッションスイッチ6がオン状態でないと判定した場合(ステップS20:NO)、制御部11は、所定のエラー処理を実行し(ステップS22)、処理を終える。なお、イグニッションスイッチ6がオン状態でないと判定した場合、処理をステップS16へ戻して車両Cが走行を開始するまで待機し、走行開始後、ステップS17の統計処理を実行するように構成しても良い。
イグニッションスイッチ6がオン状態であると判定した場合(ステップS20:YES)、制御部11は、ステップS14の判定結果を参照し、各タイヤ位置及びセンサIDの対応関係が不確定な対応不確定状態にあるか否かを判定する(ステップS21)。対応不確定状態にあると判定した場合(ステップS21:YES)、制御部11は、受信したセンサIDと、センサIDテーブルに登録されたセンサIDとが不一致であったタイヤ位置に対応するセンサIDを特定及び更新するための統計処理を実行する(ステップS17)。
【0062】
対応不確定状態に無いと判定した場合(ステップS21:NO)、つまり、受信した一部のセンサIDが、記憶部12が記憶するセンサIDのいずれにも一致してしないセンサID未確定状態であって、車両Cが停止状態にある場合、所定のエラー処理を実行し(ステップS22)、処理を終える。なお、センサID未確定状態であって、車両Cが停止状態にある場合、処理をステップS16へ戻して車両Cが走行を開始するまで待機し、走行開始後、ステップS17の統計処理を実行するように構成しても良い。
【0063】
次に、受信したタイヤ位置に対応するセンサIDと、センサIDテーブルに登録されたセンサIDとが一致しない場合に、該タイヤ位置に対応するセンサIDを特定及び更新するための統計処理について説明する。
【0064】
図10は、統計処理を実行すべきタイミングを示す図表である。本実施形態1においては、
図10に示すように、イグニッションスイッチ6のオン状態時と、車両Cの走行時とで、監視装置1は、センサIDの特定に係る統計処理を実行する。ただし、統計処理は、各タイヤ位置に対応するセンサIDを一定の確率で受信できる状況で実行する必要があるため、センサIDが整合していない状態の種類によって、統計処理に適したタイミングが異なる。
図10に示す図表の中央の列は、センサIDの不整合状態の種類を示しており、右側の列は、統計処理を実行するか否かを示している。センサID確定状態にある場合、言うまでもなく、統計処理は不要であり、統計処理は実行されない。
各タイヤ位置及びセンサIDの対応関係が不確定な状態にある場合、少なくとも自車両Cの各タイヤ3に設けられた検出装置2から送信されたセンサIDを受信できているため、イグニッションスイッチ6がオン状態であるとき、車両Cが走行中であるときのいずれであっても、統計処理を行うことができる。
しかし、センサID未確定状態にある場合、他車両Cの検出装置2から送信されたセンサIDを受信している可能性があるため、車両Cが停止した状態で行っても、統計処理により、各タイヤ位置に対応するセンサIDを正しく特定できないおそれがある。このため、センサID未確定状態にある場合、監視装置1は、車両Cが走行中で、自車両Cと、他車両Cとの位置関係が変化した状態において、統計処理を行うことが好ましい。従って、センサID未確定状態においては、イグニッションスイッチ6がオン状態でも、まだ車両Cが走行していない場合、監視装置1は、統計処理を実行しない。
【0065】
図11は、センサIDを特定及び更新するための統計処理に係るサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。ステップS17において統計処理に係るサブルーチンを呼び出した制御部11は、各LF送信アンテナ14aから第2要求信号を送信させる(ステップS51)。そして、制御部11は、ステップS51で送信した第2要求信号に応じて検出装置2から送信されたセンサIDを含む空気圧信号を受信する(ステップS52)。そして、制御部11は、各タイヤ位置に対応するセンサIDを、サンプルとして追加記憶する(ステップS53)。次いで、制御部11は、LF送信アンテナ14a毎に第2要求信号の送信及びセンサIDの受信処理を所定回数実行したか否かを判定する(ステップS54)。第2要求信号の送信及びセンサIDの受信処理を所定回数実行していないと判定した場合(ステップS54:NO)、制御部11は処理をステップS51へ戻す。
【0066】
第2要求信号の送信及びセンサIDの受信処理を所定回数実行したと判定した場合(ステップS54:YES)、制御部11は、ステップS13の処理によって一時記憶したセンサIDと、ステップS51〜ステップS54の処理によって追加記憶したセンサIDとに基づいて、一のタイヤ位置に対応するセンサIDとして、最頻かつ所定割合以上のセンサIDを特定する(ステップS55)。例えば、ステップS13の処理によって、監視装置1は、車両Cの右前にあるLF送信アンテナ14aから第1要求信号を1回送信し、第1要求信号に応じて検出装置2から送信されたセンサIDを右前のタイヤ位置に対応付けて一時記憶している。また、ステップS51〜ステップS54の処理によって、監視装置1は、車両Cの右前にあるLF送信アンテナ14aから第2要求信号を複数回送信し、各第2要求信号に応じて検出装置2から送信された複数のセンサIDを右前のタイヤ位置に対応付けて追加記憶している。ステップS55において、制御部11は、右前のタイヤ位置に対応付けて一時記憶及び追加記憶した複数のセンサIDの内、最も多く受信し、かつその割合が所定割合以上のセンサIDを特定する。具体的には、制御部11は、センサIDを2回、追加記憶した場合、一時記憶したセンサIDと合わせた3つのセンサIDの中から、最頻かつ所定割合以上のセンサIDを特定する。最頻かつ所定割合以上のセンサIDとは、受信した複数のセンサIDの中で最も受信頻度が多いセンサIDであり、かつ、受信した複数のセンサIDに対する当該センサIDの割合が所定割合以上のセンサIDである。
なお、以上の説明では、所定回数が複数回である場合を説明したが、所定回数は1回であっても良い。所定回数が1回である場合、ステップS54の処理を省略しても良い。所定回数が1回である場合、制御部11は、追加記憶した1つのセンサIDと、一時記憶した1つのセンサIDと合わせた2つのセンサIDの中から、最頻かつ所定割合以上のセンサIDを決定する。
【0067】
次いで、制御部11は、センサIDの特定に成功したか否か、つまり最頻かつ所定割合以上のセンサIDを特定できたか否かを判定する(ステップS56)。センサIDを特定できたと判定した場合(ステップS56:YES)、センサIDテーブルにおける前記一のタイヤ位置に対応するセンサIDを、ステップS55で特定したセンサIDにて更新する(ステップS57)。ここで更新とは、センサIDテーブルに登録されたセンサIDを、他のセンサIDに書き換えて登録することを意味する。この他のセンサIDは、タイヤ位置に設けられる検出装置2のセンサIDとして、最も確からしいセンサIDである。
【0068】
センサIDの特定に失敗したと判定した場合(ステップS56:NO)、制御部11は、センサIDテーブルにおける前記一のタイヤ位置に対応するセンサIDを、未確定状態に更新する(ステップS58)。
【0069】
ステップS57又はステップS58の処理を終えた場合、制御部11は、全てのタイヤ位置に対して、ステップS57におけるセンサIDの更新、又はステップS58における未確定状態への更新の処理を終えたか否かを判定する(ステップS59)。ステップS57又はステップS58の処理が行われてないタイヤ位置があると判定した場合(ステップS59:NO)、制御部11は処理をステップS55へ戻す。全てのタイヤ位置に対してステップS59又はステップS60の処理を終えたと判定した場合(ステップS59:YES)、制御部11は統計処理に係るサブルーチンの処理を終え、処理をステップS18へ戻す。統計処理のサブルーチンにおいて、一つでもタイヤ位置に対応するセンサIDの特定及び更新ができなかった場合、統計処理に失敗した旨を示す変数を戻り値としてサブルーチンの処理を終える。統計処理のサブルーチンにおいて、全てのタイヤ位置に対応するセンサIDの特定及び更新を行った場合、統計処理に成功した旨を示す変数を戻り値としてサブルーチンの処理を終える。
例えば、一のタイヤ位置に対して、ステップS13で一時記憶したセンサIDが1111であって、ステップS53にて追加で2回取得したセンサIDが1112であった場合、最頻のIDは1112となる。そして、所定割合が6割であれば、3つのセンサIDの内で2つ取得した最頻のセンサIDが1112で6割以上を占めるため、1112が正しいセンサIDとしてIDデータテーブルに更新登録される。
【0070】
このように構成された実施形態1に係るタイヤ空気圧監視システムによれば、タイヤローテーション、タイヤ3の交換、検出装置2の交換が行われた場合、又は他車両Cから送信されたセンサIDを受信した場合であっても、各タイヤ位置に対応するセンサIDを誤り無く特定し、センサIDテーブルに登録されたセンサIDを更新することができる。
【0071】
また、統計処理のステップS55〜ステップS58の処理によって、最頻かつ所定割合のセンサIDを特定する構成であるため、より精度良く、各タイヤ位置に対応するセンサIDを特定し、センサIDテーブルに登録されたセンサIDを更新することができる。
【0072】
更に、監視装置1は、タイヤ位置と、該タイヤ位置に設けられる検出装置2のセンサIDとの対応関係を、センサIDテーブルに登録しており、所定のタイミングで、センサIDテーブルの内容を確認し、更新することができる。
従って、タイヤローテーション、タイヤ3の交換が行われた場合であっても、センサIDテーブルに登録された各タイヤ位置に対応するセンサIDを自動的に更新することができる。
【0073】
更にまた、イグニッションスイッチ6がオフ状態からオン状態になった場合、又は車両Cが走行を開始したタイミングで、センサIDテーブルの内容を確認し、センサIDテーブルに登録された各タイヤ位置に対応するセンサIDを自動的に更新することができる。
【0074】
更にまた、タイヤ位置及びセンサIDが対応不確定状態にある場合、イグニッションスイッチ6がオン状態又は車両Cが走行中のときに、各タイヤ位置に対応するセンサIDを統計的に特定し、センサIDテーブルの内容を更新することができる。
【0075】
更にまた、センサID未確定状態にある場合、車両Cの走行時に、各タイヤ位置に対応するセンサIDをより正確に特定し、センサIDテーブルの内容を更新することができる。
【0076】
なお、本実施形態1においては、統計処理を行う際も、監視装置1は、空気圧情報及びセンサIDを含む空気圧信号を受信する構成を説明したが、統計処理を行う際は、検出装置2にセンサIDのみを要求し、センサIDのみを受信するように構成しても良い。
【0077】
また、本実施形態1においては、監視装置1が各タイヤ3に設けられた検出装置2に要求信号を送信し、空気圧信号を受信する構成を主に説明したが、検出装置2は、自発的にタイヤ3の空気圧を検出し、検出した空気圧及びセンサIDを含む空気圧信号を監視装置1へ送信することもできる。この場合、監視装置1は、空気圧信号に含まれるセンサIDを用いてセンサIDテーブルを参照し、該空気圧信号の送信元の検出装置2があるタイヤ位置を特定する。従って、監視装置1は、タイヤ毎にタイヤの空気圧を認識することができ、各タイヤの空気圧を監視することができる。
【0078】
更にまた、
図11に示す統計処理によるセンサIDの更新の処理は、本実施形態1に記載のタイミングで行うことには限定されず、任意のタイミングで
図11の統計処理によるセンサIDの更新処理を単独で行うものであっても良い。
【0079】
更にまた、本実施形態1では、統計処理として最頻のセンサIDを抽出し、その割合が所定割合以上であるセンサIDを、各タイヤ位置に対応する正しい又は確からしいセンサIDとして特定していたが、この方法に限らず様々な方法を用いて正しい又は確からしいセンサIDを特定してよい。例えば、必ずしも割合を計算する必要はなく最頻のセンサIDの取得数が所定の数以上であればセンサIDの更新を行うものでもよい。また、最頻のセンサIDが選定されたら、割合を見ることなく最頻のセンサIDで更新を行ってもよい。更にまた、受信して得られた複数のセンサIDが全て同一である場合に、該センサIDを用いてセンサIDテーブルを更新するように更新しても良い。
【0080】
更にまた、本実施形態1においては、ステップS55の一例として、ステップS13の処理によって一時記憶したセンサIDと、ステップS51〜ステップS54の処理によって追加記憶したセンサIDとを利用する例を説明したが、ステップS13の処理によって一時記憶したセンサIDを利用せず、ステップS51〜ステップS54の処理によって追加記憶したセンサIDのみを用いて、最頻のセンサIDを特定するように構成しても良い。
【0081】
更にまた、実施形態1においては、主にタイヤ空気圧監視システムに係る実施形態を説明したが、タイヤ空気圧監視システムの無線通信に係るハードウェアを、他の通信システムと兼用しても良い。例えば、無線通信に係るハードウェアを共用し、TPMS及びパッシブエントリシステムの車両用通信システムを構成しても良い。
パッシブエントリシステムは、監視装置1と、パッシブエントリシステムに係る携帯機とによって構成される。監視装置1は、使用者が所持する携帯機との間で無線通信を行い、携帯機を認証し、該携帯機の位置を検出する。車両Cのドアハンドルには図示しないタッチセンサが設けられており、タッチセンサによって使用者の手がドアハンドルに触れたことを検出した場合、又はドアスイッチが押された場合等、正規の携帯機が車外に位置するとき、監視装置1は、車両Cのドアの施錠及び解錠等の処理を実行する。監視装置1は、携帯機と無線通信を行うときは、LF送信アンテナ14aから送信される信号の送信強度を高く設定し、検出装置2へ要求信号を送信するときは、LF送信アンテナ14aから送信される信号の送信強度を低く設定する。
なお、車両用通信システムを構成するパッシブエントリシステムは一例であり、携帯機と、監視装置1との間で無線通信を行い、各種車両制御を行うシステムに本発明を適用することができる。例えば、車両用通信システムは、TPMSと共に、キーレスエントリシステム、メカニカルキーを用いること無く、車輌に搭載された原動機の始動を可能にするスマートスタートシステム等を構成しても良い。
【0082】
(実施形態2)
実施形態2に係るタイヤ空気圧監視システムの構成は実施形態1と同様であり、LF送信アンテナ14aから送信される要求信号の送信強度を調整する処理が実施形態1と異なるため、以下では主にかかる相違点を説明する。その他の構成及び作用効果は実施形態1と同様であるため、対応する箇所には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0083】
実施形態2に係る監視装置1は、センサID未確定状態において車両Cが走行していない場合、又は統計処理に失敗した場合、以下の処理を実行する。センサID未確定状態においては、タイヤ3又は検出装置2が交換された可能性と、他車両Cの検出装置2から送信されたセンサIDを受信している可能性とがある。しかし、以下の処理を実行して各LF送信アンテナ14aの送信強度の調整を行うことによって、他車両Cの検出装置2から送信されたセンサIDを受信している可能性を除去することができ、タイヤ3が交換されたことを確認することができる。また、統計処理に失敗した際に、以下の処理を実行して各LF送信アンテナ14aの送信強度の調整を行うことによって、統計処理が成功し易い状況にすることができる。
【0084】
実施形態2に係る監視装置1の記憶部12は、タイヤ位置及びセンサIDに加え、各LF送信アンテナ14aから、対応する検出装置2へ要求信号を送信するときの送信強度が登録されたセンサIDテーブルを記憶している。
【0085】
図12は、実施形態2に係るセンサIDテーブルの一例を示す概念図である。センサIDテーブルは、タイヤ位置と、各LF送信アンテナ14aを識別するためのアンテナIDと、要求信号に係る送信強度の調整が完了しているか否かを示す完了フラグと、各LF送信アンテナ14aに対応する検出装置2を識別するセンサIDと、要求信号の送信強度とを対応付けて登録している。
完了フラグの値「1」は、送信強度の調整が完了していることを示し、値「0」は、送信強度の調整が完了していないことを示す。完了フラグは、例えば、イグニッションスイッチ6がオフ状態からオン状態になったときにリセットされ、「0」になる。
要求信号の送信強度は送信電力によって表されるが、ここでは送信電力を複数段階に区分し、センサIDテーブルには送信強度を示す区分の数字が登録されている。
【0086】
次に、要求信号に係る送信強度の調整処理手順を説明する。
図13及び
図14は、実施形態2に係る送信強度調整処理手順を示すフローチャートである。制御部11は、各LF送信アンテナ14aの完了フラグが全てオン「1」であるか否かを判定する(ステップS271)。全LF送信アンテナ14aの完了フラグがオン「1」であると判定した場合(ステップS271:YES)、制御部11は、記憶部12が記憶している各LF送信アンテナ14aに対応する送信強度を記憶部12、即ちセンサIDテーブルから読み出し(ステップS272)、要求信号の送信強度調整処理を終える。
【0087】
一部のLF送信アンテナ14aの完了フラグがオフ「0」であると判定した場合(ステップS271:NO)、制御部11は、完了フラグが「0」に設定されているLF送信アンテナ14a、つまり送信強度の調整対象である一のLF送信アンテナ14aを選択する(ステップS273)。そして、制御部11は、選択されたLF送信アンテナ14aの送信強度として、所定の初期値を設定する(ステップS274)。次いで、制御部11は、ステップS273で選択した一のLF送信アンテナ14aからステップS274にて設定した送信強度で要求信号を送信させる(ステップS275)。そして、制御部11は、ステップS275で送信した要求信号に応じて検出装置2から送信された空気圧信号を受信する(ステップS276)。
【0088】
ステップS276の処理を終えた制御部11は、要求信号の送信後、所定時間の間に単一の空気圧信号を受信したか否かを判定する(ステップS277)。単一の空気圧信号を受信したと判定した場合(ステップS277:YES)、制御部11は、要求信号の送信強度を所定量増加させる(ステップS278)。そして、制御部11は、ステップS273で選択した一のLF送信アンテナ14aから、送信強度増加後の送信強度で要求信号を再送信させる(ステップS279)。
【0089】
次いで、制御部11は、ステップS279で再送信した要求信号に応じて検出装置2から送信される空気圧信号を受信する(ステップS280)。そして、制御部11は、要求信号の再送信後、所定時間の間に単一の空気圧信号を受信したか否かを判定する(ステップS281)。単一の空気圧信号を受信したと判定した場合(ステップS281:YES)、制御部11は、処理をステップS278へ戻し、複数の空気圧信号を受信するまで要求信号の送信強度を増加させる処理を繰り返し実行する。
【0090】
複数の空気圧信号を受信したと判定した場合(ステップS281:NO)、制御部11は、調整対象である一のLF送信アンテナ14aの送信強度として、送信強度の調整処理1回前の送信強度を選択し、記憶部12に記憶させる(ステップS282)。具体的には、記憶部12は、調整対象である一のLF送信アンテナ14aを識別するためのアンテナIDと、調整処理1回前の送信強度とを対応付けてセンサIDテーブルに登録する。
【0091】
ステップS277において、単一の空気圧信号を受信していないと判定した場合(ステップS277:NO)、制御部11は、要求信号の送信強度を所定量減少させる(ステップS283)。そして、制御部11は、ステップS273で選択した一のLF送信アンテナ14aから、送信強度減少後の送信強度で要求信号を再送信させる(ステップS284)。
【0092】
次いで、制御部11は、ステップS284で再送信した要求信号に応じて検出装置2から送信される空気圧信号を受信する(ステップS285)。そして、制御部11は、要求信号の送信後、所定時間の間に単一の空気圧信号を受信したか否かを判定する(ステップS286)。単一の空気圧信号を受信していないと判定した場合(ステップS286:NO)、制御部11は、処理をステップS283へ戻し、単一の空気圧信号を受信するまで要求信号の送信強度を減少させる処理を繰り返し実行する。
【0093】
単一の空気圧信号を受信したと判定した場合(ステップS286:YES)、制御部11は、調整対象である一のLF送信アンテナ14aの送信強度として、送信強度の今回調整時の送信強度を選択し、記憶部12に記憶させる(ステップS287)。具体的には、記憶部12は、調整対象である一のLF送信アンテナ14aを識別するためのアンテナIDと、今回調整時の送信強度とを対応付けてセンサIDテーブルに登録する。
【0094】
ステップS282又はステップS287の処理を終えた制御部11は、送信強度の調整を終えた一のLF送信アンテナ14aの完了フラグに「1」を設定し(ステップS288)、処理をステップS271へ戻す。
【0095】
このように構成された実施形態2のタイヤ空気圧監視システムによれば、監視装置1は、各LF送信アンテナ14aから送信した要求信号に対して、単一の検出装置2が応答するように、要求信号の送信強度を変更することによって、各タイヤ位置に設けられたタイヤ3の検出装置2から送信される空気圧信号を確実に受信することができる。
従って、監視装置1は、センサID未確定状態において車両Cが走行していない場合であっても、タイヤ3が交換された状態を特定し、センサIDテーブルを更新することができる。
また、統計処理に失敗した場合、各LF送信アンテナ14aの送信強度の調整を行うことによって、統計処理によるセンサIDの特定成功確率を向上させることができる。
【0096】
なお、本実施形態2においては、ステップS278〜ステップS281において、複数の空気圧信号を受信するようになるまで、要求信号の送信強度を増加させる例を説明したが、送信強度を増加させる回数を所定回数の制限しても良い。所定回数は1回であっても良いし、複数回であっても良い。
また、ステップS283〜ステップS286にて送信強度を減少させる際、単一の空気圧信号を受信するようになってから更に、所定回数、送信強度を減少させるように構成しても良い。