特許第6489002号(P6489002)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6489002
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】乗客コンベアの防振装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 23/00 20060101AFI20190318BHJP
【FI】
   B66B23/00 C
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-240508(P2015-240508)
(22)【出願日】2015年12月9日
(65)【公開番号】特開2017-105587(P2017-105587A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2017年9月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 甫
【審査官】 有賀 信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−126542(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3122287(JP,U)
【文献】 特開2005−170655(JP,A)
【文献】 実開平05−012142(JP,U)
【文献】 特開2004−338529(JP,A)
【文献】 実開昭55−131351(JP,U)
【文献】 特開平07−252069(JP,A)
【文献】 特開平02−225721(JP,A)
【文献】 特開昭63−017786(JP,A)
【文献】 特開昭61−162484(JP,A)
【文献】 実開昭57−011179(JP,U)
【文献】 特開2005−002606(JP,A)
【文献】 特開2004−155561(JP,A)
【文献】 実開昭58−140970(JP,U)
【文献】 実開昭57−007768(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00─31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客コンベアの乗降口の開口部の下側に設けられ、上方に突き出した締結体と、
前記締結体に対して上下方向に移動自在に設けられ、前記開口部を塞ぐマンホールを下方から支持した弾性体と、
を備え、
前記弾性体は、前記マンホールが予め設定された高さに配置された際の前記マンホールの下面と前記マンホールの下方において前記締結体の一部に設けられた基準面との間の鉛直方向の距離に対応した高さを有し、下面が前記基準面に突き当たるまで前記締結体に対して上方からねじ込まれた状態で、前記マンホールを下方から支持する乗客コンベアの防振装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、乗客コンベアの防振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、乗客コンベアを開示する。当該乗客コンベアは、下部乗降口と上部乗降口とを備える。当該下部乗降口と当該上部乗降口とは、開口部を備える。当該開口部は、マンホールに塞がれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−188365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の乗客コンベアにおいては、マンホールの高さを調整する際に時間がかかる。このため、乗客コンベアの保守作業に時間がかかる。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされた。この発明の目的は、マンホールの高さを容易に調整することができる乗客コンベアの防振装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
の発明に係る乗客コンベアの防振装置は、乗客コンベアの乗降口の開口部の下側に設けられ、上方に突き出した締結体と、前記締結体に対して上下方向に移動自在に設けられ、前記開口部を塞ぐマンホールを下方から支持した弾性体と、を備え、前記弾性体は、前記マンホールが予め設定された高さに配置された際の前記マンホールの下面と前記マンホールの下方において前記締結体の一部に設けられた基準面との間の鉛直方向の距離に対応した高さを有し、下面が前記基準面に突き当たるまで前記締結体に対して上方からねじ込まれた状態で、前記マンホールを下方から支持する。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、弾性体は、締結体に対して上下方向に移動自在に設けられる。このため、弾性体の高さを容易に調整することができる。その結果、マンホールの高さを容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態1における乗客コンベアの防振装置が適用された乗客コンベアの縦断面図である。
図2】この発明の実施の形態1における乗客コンベアの防振装置が適用された乗客コンベアの下部乗降口の平面図である。
図3】この発明の実施の形態1における乗客コンベアの防振装置が適用された乗客コンベアの下部乗降口の縦断面図である。
図4】この発明の実施の形態1における乗客コンベアの防振装置の要部の斜視図である。
図5】この発明の実施の形態1における乗客コンベアの防振装置の要部の斜視図である。
図6】この発明の実施の形態1における乗客コンベアの防振装置の要部の縦断面図である。
図7】この発明の実施の形態2における乗客コンベアの防振装置の要部の縦断面図である。
図8】この発明の実施の形態2における乗客コンベアの防振装置の要部の縦断面図である。
図9】この発明の実施の形態3における乗客コンベアの防振装置の要部の縦断面図である。
図10】この発明の実施の形態3における乗客コンベアの防振装置の要部の縦断面図である。
図11】この発明の実施の形態4における乗客コンベアの防振装置の要部の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における乗客コンベアの防振装置が適用された乗客コンベアの縦断面図である。
【0011】
図1において、乗客コンベア1は、エスカレーターである。例えば、乗客コンベア1は、隣接階の一方から他方に跨るように設けられる。下部乗降口2は、乗客コンベア1の下部に設けられる。下部乗降口2は、隣接階の下方階に設けられる。上部乗降口3は、乗客コンベア1の上部に設けられる。上部乗降口3は、隣接階の上方階に設けられる。
【0012】
下部機械室4は、下部乗降口2の直下に設けられる。上部機械室5は、上部乗降口3の直下に設けられる。図示しない各種機器は、下部機械室4と上部機械室5とに設けられる。
【0013】
複数のステップ6は、下部乗降口2と上部乗降口3との間に設けられる。複数のステップ6は、無端状に設けられる。ステップ6の各々は、金属で形成される。
【0014】
一対のスカートガード7は、複数のステップ6の両外側に設けられる。一対のスカートガード7は、乗客コンベア1の長手方向に沿う。
【0015】
欄干パネル8の各々は、スカートガード7の各々に設けられる。欄干パネル8の各々は、乗客コンベア1の長手方向に沿う。欄干パネル8の各々は、下部ニュアル部8aと下部水平部8bと斜行部8cと上部水平部8dと上部ニュアル部8eとを備える。下部ニュアル部8aと下部水平部8bと斜行部8cと上部水平部8dと上部ニュアル部8eとは、金属で形成される。
【0016】
手摺9の各々は、欄干パネル8の各々に設けられる。手摺9の各々は、下部ニュアル部8aの縁部と下部水平部8bの縁部と斜行部8cの縁部と上部水平部8dの縁部と上部ニュアル部8eの縁部とに沿って設けられる。手摺9の各々は、無端状に設けられる。
【0017】
乗客コンベア1の上昇運転時において、下部乗降口2は、乗り口となる。上部乗降口3は、降り口となる。露出したステップ6は、下部乗降口2から水平方向に移動する。その後、ステップ6は、斜め上方に移動する。その後、ステップ6は、上部乗降口3に向かって水平方向に移動する。手摺9は、ステップ6の循環移動に合わせて循環移動する。
【0018】
乗客コンベア1の下降運転時において、上部乗降口3は、乗り口となる。下部乗降口2は、降り口となる。露出したステップ6は、上部乗降口3から水平方向に移動する。その後、ステップ6は、斜め下方に移動する。その後、ステップ6は、下部乗降口2に向かって水平方向に移動する。手摺9は、ステップ6の循環移動に合わせて循環移動する。
【0019】
次に、図2を用いて、下部乗降口2を説明する。
図2はこの発明の実施の形態1における乗客コンベアの防振装置が適用された乗客コンベア1の下部乗降口2の平面図である。
【0020】
図2に示すように、下部乗降口2において、複数のマンホール10は、乗客コンベア1の長手方向に並ぶ。複数のマンホール10は、下部乗降口2の開口部を塞ぐ。
【0021】
図示しないが、上部乗降口3において、複数のマンホール10は、乗客コンベア1の長手方向に並ぶ。複数のマンホール10は、上部乗降口3の開口部を塞ぐ。
【0022】
次に、図3を用いて、防振装置11の概要を説明する。
図3はこの発明の実施の形態1における乗客コンベアの防振装置が適用された乗客コンベア1の下部乗降口2の縦断面図である。
【0023】
図3に示すように、下部乗降口2において、複数の防振装置11は、マンホール10の下方に設けられる。複数の防振装置11は、下部乗降口2の開口部の下側において乗客コンベア1の短手方向の両側に並んで設けられる。複数の防振装置11は、対応したマンホールを下方から支持する。
【0024】
図示しないが、上部乗降口3において、防振装置11は、マンホール10の下方に設けられる。防振装置11は、上部乗降口3の開口部の下側において乗客コンベア1の短手方向の両側に並んで設けられる。防振装置11は、マンホールを支持する。
【0025】
次に、図4図5とを用いて、防振装置11の詳細を説明する。
図4図5とはこの発明の実施の形態1における乗客コンベアの防振装置の要部の斜視図である。
【0026】
図4に示すように、下部乗降口2において、防振装置11は、締結体12と弾性体13とを備える。
【0027】
締結体12は、下部乗降口2の開口部の下側に設けられる。締結体12は、ボルトを備える。締結体12のボルトは、上方に突き出す。例えば、弾性体13の外形は、円柱状である。
【0028】
図5に示すように、弾性体13は、締結体12に対して上下方向に移動自在に設けられる。具体的には、弾性体13は、締結体12に対して上下方向に移動自在にねじ込まれる。
【0029】
図示しないが、上部乗降口3において、防振装置11は、締結体12と弾性体13とを備える。
【0030】
締結体12は、上部乗降口3の開口部の下側に設けられる。締結体12は、ボルトを備える。締結体12のボルトは、上方に突き出す。例えば、弾性体13の外形は、円柱状である。
【0031】
図示しないが、弾性体13は、締結体12に対して上下方向に移動自在に設けられる。具体的には、弾性体13は、締結体12に対して上下方向に移動自在にねじ込まれる。
【0032】
次に、図6を用いて、マンホール10の高さの調整を説明する。
図6はこの発明の実施の形態1における乗客コンベアの防振装置の要部の縦断面図である。
【0033】
図6に示すように、マンホール10は、弾性体13に下方から支持される。このため、マンホール10の高さは、弾性体13の高さに応じて決定する。具体的には、マンホール10の高さは、締結体12に対する弾性体13のねじ込み量に応じて決定する。
【0034】
以上で説明した実施の形態1によれば、弾性体13は、締結体12に対して上下方向に移動自在に設けられる。このため、弾性体13の高さを容易に調整することができる。その結果、マンホール10の高さを容易に調整することができる。
【0035】
また、弾性体13は、締結体12に対して上下方向に移動自在にねじ込まれる。このため、締結体12に対する弾性体13のねじ込み量を調整するだけでマンホール10の高さを容易に調整することができる。
【0036】
なお、弾性体13が締結体12に対してある程度の長さねじ込み量でねじ込まれていれば、マンホール10の開閉時に弾性体13が締結体12に対して外れない。このため、弾性体13がなくなることを防止できる。
【0037】
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2における乗客コンベアの防振装置の要部の縦断面図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には、同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0038】
実施の形態2の防振装置11は、締結体14と金属体15と弾性体16とを備える。
【0039】
締結体14は、実施の形態1の締結体12と同様である。金属体15は、締結体14に対して上下方向自在にねじ込まれる。弾性体16は、少なくとも金属体15の上面を覆う。
【0040】
次に、図8を用いて、防振装置11の詳細を説明する。
図8はこの発明の実施の形態2における乗客コンベアの防振装置の要部の縦断面図である。
【0041】
図8において、利用者が乗客コンベア1を利用するたびに、マンホール10は利用者に踏まれる。このため、弾性体16の上部は、摩耗する。その結果、弾性体16の高さ方向の摩耗量が予め設定された摩耗量になると、金属体15の上部が露出する。
【0042】
以上で説明した実施の形態2によれば、弾性体16の高さ方向の摩耗量が予め設定された摩耗量になると、金属体15が露出する。この際、金属体15の質感と弾性体16の質感とは、互いに異なる。このため、乗客コンベア1の保守作業者に対して防振装置11の交換時期を容易に認識させることができる。
【0043】
また、締結体14に対してねじ込まれる対象は金属体15である。このため、防振装置11の破損を抑制することができる。
【0044】
実施の形態3.
図9はこの発明の実施の形態3における乗客コンベアの防振装置の要部の縦断面図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には、同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0045】
実施の形態3の弾性体13は、第1弾性部17と第2弾性部18とを備える。
【0046】
第1弾性部17は、締結体12に対して上下方向に移動自在にねじ込まれる。第2弾性部18は、少なくとも第1弾性部17の上面を覆う。第1弾性部17の色と第2弾性部18の色とは、互いに異なる。
【0047】
次に、図10を用いて、防振装置11の詳細を説明する。
図10はこの発明の実施の形態3における乗客コンベアの防振装置の要部の縦断面図である。
【0048】
図10において、利用者が乗客コンベア1を利用するたびに、マンホール10は利用者に踏まれる。このため、第2弾性部18の上部は、摩耗する。その結果、第2弾性部18の高さ方向の摩耗量が予め設定された摩耗量になると、第1弾性部17の上部が露出する。
【0049】
以上で説明した実施の形態3によれば、第2弾性部18の高さ方向の摩耗量が予め設定された摩耗量になると、第1弾性部17が露出する。この際、第1弾性部17の色と第2弾性部18の色とは、互いに異なる。このため、乗客コンベア1の保守作業者に対して防振装置11の交換時期を容易に認識させることができる。
【0050】
実施の形態4.
図11はこの発明の実施の形態4における乗客コンベア1の防振装置の要部の縦断面図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には、同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0051】
実施の形態4の弾性体13は、予め設定された高さを有する。具体的には、弾性体13は、マンホール10が予め設定された高さに配置された際のマンホールの下面と予め設定された基準面との間の鉛直方向の距離に対応した高さを有する。弾性体13は、当該基準面に突き当たるまでねじ込まれる。
【0052】
例えば、基準面は、締結体12の一部に設定される。例えば、基準面は、乗客コンベア1の図示しないトラスの一部に設定される。
【0053】
以上で説明した実施の形態4によれば、弾性体13は、マンホール10が予め設定された高さに配置された際のマンホール10の下面と予め設定された基準面との間の鉛直方向の距離に対応した高さを有する。このため、予め設定された基準面に突き当たるまで弾性体13をねじ込むだけでマンホール10の高さを容易に調整することができる。
【0054】
なお、マンホール10が予め設定された高さに配置された際のマンホール10の下面と予め設定された基準面との間の鉛直方向の距離に対応した高さの部品を乗客コンベア1が設置された建築物において製作してもよい。例えば、モデリングコンパウンドを用いて当該部品を製作してもよい。この場合、実際の乗客コンベア1における寸法誤差に応じた専用の部品によりマンホール10の高さを容易に調整することができる。
【0055】
また、弾性体13の外形と弾性体16の外形とは、円柱状以外の形状でもよい。例えば、弾性体13の外形と弾性体16の外形とを四角柱状にしてもよい。この場合、弾性体13と弾性体16とを手またはスパナで容易にねじ込むことができる。
【0056】
また、動く歩道に防振装置11を適用してもよい。この場合も、マンホール10の高さを容易に調整することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 乗客コンベア、 2 下部乗降口、 3 上部乗降口、 4 下部機械室、 5 上部機械室、 6 ステップ、 7 スカートガード、 8 欄干パネル、 8a 下部ニュアル部、 8b 下部水平部、 8c 斜行部、 8d 上部水平部、 8e 上部ニュアル部、 9 手摺、 10 マンホール、 11 防振装置、 12 締結体、 13 弾性体、 14 締結体、 15 金属体、 16 弾性体、 17 第1弾性部、 18 第2弾性部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11