(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
走行経路に沿って走行する走行体と、前記走行体に立設されたマストと、物品を移載する移載装置を備えるとともに索状体に吊り下げられた状態で前記マストに沿って昇降する昇降体と、前記索状体をその延在方向に沿って移動させて前記昇降体を昇降駆動する昇降駆動部と、を備えた物品搬送装置であって、
前記走行体は、当該走行体の走行方向と平面視で直交する左右方向に離間して配置された第1支持部材及び第2支持部材と、前記第1支持部材及び前記第2支持部材の間に配置されて前記索状体が巻き掛けられた回転体と、を備え、
前記回転体は、前記左右方向に沿う支持軸に回転自在な状態で支持されており、
前記第1支持部材及び前記第2支持部材のそれぞれは、少なくとも上下方向に沿う板状部分を備え、
前記板状部分は、前記支持軸が挿通される貫通孔を形成する貫通孔形成部を備え、
前記貫通孔形成部は、前記左右方向に見て前記貫通孔の外周部の全周が連続する環状に構成されるとともに、前記支持軸が使用位置にある状態において前記支持軸の外周面のうち周方向での一部が当接する当接部と、前記支持軸が前記左右方向に見て前記使用位置と異なる離脱位置にある状態において前記支持軸の外周面が周方向の全周に亘って前記貫通孔形成部から離間する形状の解放部とを備え、
前記支持軸が前記使用位置に位置している状態において前記支持軸の外周面に当接して前記支持軸が前記左右方向に見て前記使用位置から移動することを規制する規制部材が、前記第1支持部材及び前記第2支持部材に移動自在に取り付けられ、
前記支持軸は、前記回転体の回転軸心に直交する断面の外形が円形に構成され、
前記支持軸が前記使用位置にある状態において、前記左右方向に見て、前記支持軸の外周面における前記当接部と当接する円弧状部分の中心角である第1中心角の角度範囲が、前記回転体の外周部において前記索状体が巻き掛けられる円弧状部分の中心角である第2中心角の対頂角の角度範囲を少なくとも含んでおり、
前記索状体に、前記支持軸を前記当接部に押し当てる方向の力を発生させる張力が付与されている物品搬送装置。
走行経路に沿って走行する走行体と、前記走行体に立設されたマストと、物品を移載する移載装置を備えるとともに索状体に吊り下げられた状態で前記マストに沿って昇降する昇降体と、前記索状体をその延在方向に沿って移動させて前記昇降体を昇降駆動する昇降駆動部と、を備えた物品搬送装置であって、
前記走行体は、当該走行体の走行方向と平面視で直交する左右方向に離間して配置された第1支持部材及び第2支持部材と、前記第1支持部材及び前記第2支持部材の間に配置されて前記索状体が巻き掛けられた回転体と、を備え、
前記回転体は、前記左右方向に沿う支持軸に回転自在な状態で支持されており、
前記第1支持部材及び前記第2支持部材のそれぞれは、少なくとも上下方向に沿う板状部分を備え、
前記板状部分は、前記支持軸が挿通される貫通孔を形成する貫通孔形成部を備え、
前記貫通孔形成部は、前記左右方向に見て前記貫通孔の外周部の全周が連続する環状に構成されるとともに、前記支持軸が使用位置にある状態において前記支持軸の外周面のうち周方向での一部が当接する当接部と、前記支持軸が前記左右方向に見て前記使用位置と異なる離脱位置にある状態において前記支持軸の外周面が周方向の全周に亘って前記貫通孔形成部から離間する形状の解放部とを備え、
前記支持軸が前記使用位置に位置している状態において前記支持軸の外周面に当接して前記支持軸が前記左右方向に見て前記使用位置から移動することを規制する規制部材が、前記第1支持部材及び前記第2支持部材に移動自在に取り付けられ、
前記回転体は、前記支持軸にラジアルベアリングを介して回転自在に支持され、
前記左右方向で、前記ラジアルベアリングと前記第1支持部材の内側面との間、及び、前記ラジアルベアリングと前記第2支持部材の内側面との間において前記支持軸に外嵌されるようにスペーサが配置され、
前記当接部は、前記左右方向に見て、前記支持軸の外周面のうち前記当接部に当接する部分の外周形状に一致した形状に構成され、
前記支持軸が前記使用位置に位置している状態において、前記スペーサの両端面のうち前記内側面側の端面が前記内側面に当接しており、
前記貫通孔形成部は、前記支持軸が前記離脱位置に位置している状態において、前記スペーサが前記貫通孔を通して前記第1支持部材又は前記第2支持部材より外方側に前記左右方向に沿って移動可能な大きさに形成されている物品搬送装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のような物品搬送装置において、メンテナンスのために、下部回転体は着脱可能に構成される。特許文献1の物品搬送装置では、下部回転体を支持部材へ取付ける場合においては、支軸の軸方向視において、下部回転体及びスペーサが支持部材の貫通孔に対して適正な位置となるように、下部回転体の位置を微調整しながら支軸を支持部材の貫通孔に差し込むという煩雑な作業が発生する。しかしながら、下部回転体は物品搬送装置の下端部分に存在する走行体に取付けられているため、作業者は腰を屈めるなどして、低い位置で上記のような煩雑な作業を行わねばならず、作業性が悪かった。
【0008】
また、特許文献1の物品搬送装置では、下部回転体を支持部材から取外す場合に、支軸を支持部材の貫通孔を介して外方に移動させて、支軸を回転体及びスペーサから引き抜くことになる。これにより、回転体とスペーサとが支軸から外れ、分解された状態となる。しかしながら、回転体とスペーサとが分解された後にはそれらを腰を屈めて拾い集める等の作業が発生し得る。
【0009】
そこで、走行体に回転体を着脱する作業を作業性よく行える物品搬送装置が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明にかかる物品搬送装置は、走行経路に沿って走行する走行体と、前記走行体に立設されたマストと、物品を移載する移載装置を備えるとともに索状体に吊り下げられた状態で前記マストに沿って昇降する昇降体と、前記索状体をその延在方向に沿って移動させて前記昇降体を昇降駆動する昇降駆動部と、を備えたものであって、
前記走行体は、当該走行体の走行方向と平面視で直交する左右方向に離間して配置された第1支持部材及び第2支持部材と、前記第1支持部材及び前記第2支持部材の間に配置されて前記索状体が巻き掛けられた回転体と、を備え、前記回転体は、前記左右方向に沿う支持軸に回転自在な状態で支持されており、前記第1支持部材及び前記第2支持部材のそれぞれは、少なくとも上下方向に沿う板状部分を備え、前記板状部分は、前記支持軸が挿通される貫通孔を形成する貫通孔形成部を備え、前記貫通孔形成部は、前記左右方向に見て前記貫通孔の外周部の全周が連続する環状に構成されるとともに、前記支持軸が使用位置にある状態において前記支持軸の外周面のうち周方向での一部が当接する当接部と、前記支持軸が前記左右方向に見て前記使用位置と異なる離脱位置にある状態において前記支持軸の外周面が周方向の全周に亘って前記貫通孔形成部から離間する形状の解放部とを備え、前記支持軸が前記使用位置に位置している状態において前記支持軸の外周面に当接して前記支持軸が前記左右方向に見て前記使用位置から移動することを規制する規制部材が、前記第1支持部材及び前記第2支持部材に移動自在に取り付けら
れ、
前記支持軸は、前記回転体の回転軸心に直交する断面の外形が円形に構成され、前記支持軸が前記使用位置にある状態において、前記左右方向に見て、前記支持軸の外周面における前記当接部と当接する円弧状部分の中心角である第1中心角の角度範囲が、前記回転体の外周部において前記索状体が巻き掛けられる円弧状部分の中心角である第2中心角の対頂角の角度範囲を少なくとも含んでおり、前記索状体に、前記支持軸を前記当接部に押し当てる方向の力を発生させる張力が付与されている点に特徴を有する。
【0011】
すなわち、回転体を走行体に取付ける場合には、回転体が支持された支持軸の一方の端部(第1端部と称する)を、第1支持部材及び第2支持部材の並び方向内方側から、第1支持部材の板状部分に形成された貫通孔における開放部側の部分に斜めに挿通し、軸心方向の移動を伴って支持軸を第1端部側に移動させる。支持軸における第1端部と逆側の端部(第2端部と称する)が、左右方向で第2支持部分の板状部材よりも第1支持部材側に位置する状態となったら、支持軸を左右方向に沿う姿勢にし、第2端部を第2支持部材の板状部分に形成された貫通孔における開放部側の部分に挿通する。
そして、支持軸の両端部が、走行方向視で第1支持部材及び第2支持部材夫々における板状部材と重複する状態で、支持軸を走行方向に沿って使用位置側に移動させる。続いて、規制部材を移動させて第1支持部材及び第2支持部材に対して支持軸が移動しないように規制部材を当接させた状態で固定する。
【0012】
このように、回転体が取り付けられた支持軸を走行体に取付けることで、回転体を走行体に取付けることができる。このため、回転体を第1支持部材と第2支持部材との間に位置させたのちに第1支持部材と第2支持部材との並び方向外方から支持軸を差し込んで回転体と係合させるような構成と比べて、回転体の走行体への取付作業を容易に行うことができる。したがって、例えば走行体が低い位置にあっても、作業者はその低い位置で回転体の位置を微調整する等の煩雑な作業を行う必要が無い。
【0013】
また、回転体を走行体から取り外す場合には、第1支持部材及び第2支持部材における規制部材を使用位置から離脱位置への支持軸の移動が許容される状態とし、支持軸を走行方向に沿って離脱位置側に移動させる。なお、規制部材の移動の態様としては、第1支持部材及び第2支持部材から規制部材を分離させてもよいし、規制部材を板状部分に沿って移動させる形態でもよい。その後、支持軸の第1端部側が第1支持部材の板状部分に形成された貫通孔における開放部側の部分を通過する形態で、第2端部が左右方向で第2支持部材の板状部分よりも第1支持部材側となる位置まで支持軸を左右方向に沿って移動させる。続いて、支持軸を傾斜させて、支持軸の第1端部側を貫通孔における開放部側の部分から引き抜く。このようにして、回転体を支持した状態のままの支持軸を走行体から取り外すことができる。
【0014】
このように、支持軸と回転体とを一体として走行体から取り外すことができるので、取外し作業が行い易い。
したがって、走行体に回転体を着脱する作業を作業性よく行える物品搬送装置を提供できる。
【0015】
また、索状体に付与された張力によって、支持軸を当接部側に押し付ける方向の力が当該支持軸にかかる。このため、支持軸が使用位置から離脱位置に移動することを規制する力を得ることができる。このため、規制部材に必要となる強度を低減することができ、堅牢な構造を採用せずに済む。
【0016】
上記課題を解決するための本発明にかかる物品搬送装置は、走行経路に沿って走行する走行体と、前記走行体に立設されたマストと、物品を移載する移載装置を備えるとともに索状体に吊り下げられた状態で前記マストに沿って昇降する昇降体と、前記索状体をその延在方向に沿って移動させて前記昇降体を昇降駆動する昇降駆動部と、を備えたものであって、
前記走行体は、当該走行体の走行方向と平面視で直交する左右方向に離間して配置された第1支持部材及び第2支持部材と、前記第1支持部材及び前記第2支持部材の間に配置されて前記索状体が巻き掛けられた回転体と、を備え、前記回転体は、前記左右方向に沿う支持軸に回転自在な状態で支持されており、前記第1支持部材及び前記第2支持部材のそれぞれは、少なくとも上下方向に沿う板状部分を備え、前記板状部分は、前記支持軸が挿通される貫通孔を形成する貫通孔形成部を備え、前記貫通孔形成部は、前記左右方向に見て前記貫通孔の外周部の全周が連続する環状に構成されるとともに、前記支持軸が使用位置にある状態において前記支持軸の外周面のうち周方向での一部が当接する当接部と、前記支持軸が前記左右方向に見て前記使用位置と異なる離脱位置にある状態において前記支持軸の外周面が周方向の全周に亘って前記貫通孔形成部から離間する形状の解放部とを備え、前記支持軸が前記使用位置に位置している状態において前記支持軸の外周面に当接して前記支持軸が前記左右方向に見て前記使用位置から移動することを規制する規制部材が、前記第1支持部材及び前記第2支持部材に移動自在に取り付けられ、
前記回転体は、前記支持軸にラジアルベアリングを介して回転自在に支持され、前記左右方向で、前記ラジアルベアリングと前記第1支持部材の内側面との間、及び、前記ラジアルベアリングと前記第2支持部材の内側面との間において前記支持軸に外嵌されるようにスペーサが配置され、前記当接部は、前記左右方向に見て、前記支持軸の外周面のうち前記当接部に当接する部分の外周形状に一致した形状に構成され、前記支持軸が前記使用位置に位置している状態において、前記スペーサの両端面のうち前記内側面側の端面が前記内側面に当接しており、前記貫通孔形成部は、前記支持軸が前記離脱位置に位置している状態において、前記スペーサが前記貫通孔を通して前記第1支持部材又は前記第2支持部材より外方側に前記左右方向に沿って移動可能な大きさに形成されている点に特徴を有する。
【0017】
すなわち、回転体を走行体に取付ける場合には、回転体が支持された支持軸の一方の端部(第1端部と称する)を、第1支持部材及び第2支持部材の並び方向内方側から、第1支持部材の板状部分に形成された貫通孔における開放部側の部分に斜めに挿通し、軸心方向の移動を伴って支持軸を第1端部側に移動させる。支持軸における第1端部と逆側の端部(第2端部と称する)が、左右方向で第2支持部分の板状部材よりも第1支持部材側に位置する状態となったら、支持軸を左右方向に沿う姿勢にし、第2端部を第2支持部材の板状部分に形成された貫通孔における開放部側の部分に挿通する。
そして、支持軸の両端部が、走行方向視で第1支持部材及び第2支持部材夫々における板状部材と重複する状態で、支持軸を走行方向に沿って使用位置側に移動させる。続いて、規制部材を移動させて第1支持部材及び第2支持部材に対して支持軸が移動しないように規制部材を当接させた状態で固定する。
このように、回転体が取り付けられた支持軸を走行体に取付けることで、回転体を走行体に取付けることができる。このため、回転体を第1支持部材と第2支持部材との間に位置させたのちに第1支持部材と第2支持部材との並び方向外方から支持軸を差し込んで回転体と係合させるような構成と比べて、回転体の走行体への取付作業を容易に行うことができる。したがって、例えば走行体が低い位置にあっても、作業者はその低い位置で回転体の位置を微調整する等の煩雑な作業を行う必要が無い。
また、回転体を走行体から取り外す場合には、第1支持部材及び第2支持部材における規制部材を使用位置から離脱位置への支持軸の移動が許容される状態とし、支持軸を走行方向に沿って離脱位置側に移動させる。なお、規制部材の移動の態様としては、第1支持部材及び第2支持部材から規制部材を分離させてもよいし、規制部材を板状部分に沿って移動させる形態でもよい。その後、支持軸の第1端部側が第1支持部材の板状部分に形成された貫通孔における開放部側の部分を通過する形態で、第2端部が左右方向で第2支持部材の板状部分よりも第1支持部材側となる位置まで支持軸を左右方向に沿って移動させる。続いて、支持軸を傾斜させて、支持軸の第1端部側を貫通孔における開放部側の部分から引き抜く。このようにして、回転体を支持した状態のままの支持軸を走行体から取り外すことができる。
このように、支持軸と回転体とを一体として走行体から取り外すことができるので、取外し作業が行い易い。
したがって、走行体に回転体を着脱する作業を作業性よく行える物品搬送装置を提供できる。
【0018】
また、支持軸が使用位置にある状態では、回転体は、スペーサによって支持軸における左右方向の位置を維持されることになる。そして、支持軸が離間位置にある状態では、貫通孔における開放部側の部分を通してスペーサを支持軸に対して取付け或いは取外しすることができる。
支持軸の外径は、スペーサの外径よりも小さいため、貫通孔における開放部側の部分の開口量を有効に利用して支持軸を傾斜させ易い。このため、支持軸の走行体に対する着脱作業が行い易い。
【0019】
本発明に係る物品搬送装置においては、前記スペーサは、中空の円筒状に構成され、前記貫通孔形成部は、前記左右方向に見て、円弧状の前記当接部と前記当接部と径が異なる円弧状の前記解放部とが接続された形状であり、前記当接部は、前記左右方向に見て、前記支持軸における前記端部の外周面の曲率半径に一致した曲率半径で中心角が180度以下の円弧状に形成され、前記解放部は、前記左右方向に見て、前記スペーサの外周面の曲率半径よりも長い曲率半径の円弧状に形成されていることが好ましい。
【0020】
すなわち、当接部は左右方向に見て中心角が180度以下の円弧状に形成されているから、支持軸が一対の貫通孔に挿通されている状態のまま、支持軸を当接部と解放部との間で移動させることができる。
このとき、支持軸を使用位置に位置させた状態においては、支持軸の周方向の一部が当接部に密接する。このため、支持軸を使用位置としかつ規制部材を取付けた状態においては、支持軸が位置決めされた状態で適切に使用位置に保持される。
また、支持軸を離脱位置に位置させた状態においては、スペーサを、その外周面の曲率半径よりも長い曲率半径の円弧状の解放部を介して支持軸に着脱することができる。このため、開放部に対して支持軸を斜め方向に傾斜させ易く、支持軸の着脱を行い易い。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づいて、本発明の物品搬送装置をスタッカークレーンに適用した実施形態を示す。
図1に、示すように、スタッカークレーン1は、走行レールR上を転動する走行輪Wを支持する走行フレーム10と、当該走行フレーム10の上部に走行方向(
図1にてXで示す方向。以降、走行方向Xと称する。)に離間して立設された一対のマスト20(第1マスト20A、第2マスト20B)と、一対のマスト20夫々の上端同士を接続する上部フレーム30と、マスト20に沿って昇降する昇降体40と、を備えている。走行輪Wとして、走行モータM1により駆動される走行輪W1と、遊転自在な従動輪W2とが、走行フレーム10の前端部と後端部とに離間して設けられている。
【0023】
昇降体40には、移載対象箇所(図示省略)との間で、搬送対象の物品Bを移載する移載装置が設けられている。移載対象箇所としては、例えば、平面視で走行レールRの延在方向と直交する位置に設けられた物品収納棚や、他の搬送装置(例えばコンベヤ等)との授受箇所等がある。
【0024】
昇降体40は、一対のマスト20の並び方向に離間して配置された一対のアップライト部41(第1アップライト部41A、第2アップライト部41B)と、当該一対のアップライト部41の下端部同士を接続する物品載置部とを備えている。昇降体40は、チェーンC(第1チェーンCA、第2チェーンCB)の移動により昇降駆動される。
【0025】
第1アップライト部41Aの上端には、第1チェーンCAの第1端部C1が接続され、第1アップライト部41Aの下端には、第1チェーンCAの第2端部C2が接続されている。また、第2アップライト部41Bの上端には、第2チェーンCBの第1端部C1が接続され、第2アップライト部41Bの下端には、第2チェーンCBの第2端部C2が接続されている。
【0026】
第1チェーンCA、第2チェーンCBの夫々は、駆動スプロケット90に巻き掛けられており、当該駆動スプロケット90は昇降モータ90Mによって回転駆動される。昇降モータ90Mによって駆動スプロケット90を回転させることで、駆動スプロケット90に巻き掛けられたチェーンC(第1チェーンCA、第2チェーンCB)を、当該チェーンCの延在方向に沿って移動させることができる。なお、昇降モータ90M及び走行モータM1は、スタッカークレーン1の作動を制御する制御部H(
図1参照)によって制御されている。
【0027】
なお、本実施形態においては、スプロケットPは、円周方向に並ぶ歯列が左右方向Yに2つ並ぶように形成されており、チェーンCは、上記2つの歯列の夫々に咬合するように形成されている。
【0028】
チェーンCにおける第1端部C1と第2端部C2との間は、複数のスプロケットP及び駆動スプロケット90に巻き掛けられている。駆動スプロケット90に巻き掛けられた第1チェーンCAのうち、第1端部C1側に延びる部分は、走行フレーム10に回転自在に支持される下部第1スプロケットP1によって上向きに延在方向を転換され、さらに、上部フレーム30に回転自在に支持される上部第1スプロケットP2によって下向きに案内されて、第1アップライト部41Aの上端に接続されている。また、駆動スプロケット90に巻き掛けられた第1チェーンCAのうち、第2端部C2側に延びる部分は、走行フレーム10に回転自在に支持される下部第2スプロケットP3により走行方向Xに沿う向きに案内され、且つ、走行フレーム10に回転自在に支持される下部第3スプロケットP4により上向きに案内されて、物品載置部42の下端における第1アップライト部41A側の端部に接続されている。
【0029】
駆動スプロケット90に巻き掛けられた第2チェーンCBのうち、第1端部C1側に延びる部分は、走行フレーム10に回転自在に支持される下部第1スプロケットP1によって上向きに案内され、上部フレーム30に回転自在に支持される上部第1スプロケットP2によって走行方向Xに沿う向きに案内され、さらに、上部フレーム30に回転自在に支持される上部第2スプロケットP7によって下向きに案内されて、第2アップライト部41Bの上端に接続される。また、駆動スプロケット90に巻き掛けられた第2チェーンCBのうち第2端部C2側に延びる部分は、走行フレーム10に回転自在に支持される下部第2スプロケットP3により走行方向Xに沿う方向に案内され、走行フレーム10に回転自在に支持される下部第3スプロケットP4により斜め上向きに案内され、走行フレーム10に回転自在に支持される下部第4スプロケットP5により斜め下向きに案内され、さらに、下部第5スプロケットP6により上向きに案内されて、物品載置部42の下端における第2アップライト部41B側の端部に接続されている。
【0030】
下部第1スプロケットP1、下部第2スプロケットP3、下部第3スプロケットP4、下部第4スプロケットP5、及び下部第5スプロケットP6の夫々、及び、上部第1スプロケットP2及び上部第2スプロケットP7の夫々は、走行方向Xと平面視で直交する左右方向(
図2にてYで示す方向。以降、左右方向Yと称する。)に沿う支持軸にラジアルベアリングを介して回転自在な状態で支持されている。
【0031】
上記のスプロケットPのうち、下部第1スプロケットP1、上部第1スプロケットP2、下部第2スプロケットP3、及び下部第3スプロケットP4の夫々は、走行方向Xと平面視で直交する左右方向Yに沿う支持軸に、左右方向に2つのスプロケットが並べて支持される形態で設けられている。これらの2つのスプロケットの一方には第1チェーンCAが巻き掛けられ、他方に第2チェーンCBが巻き掛けられるようになっている。
【0032】
走行フレーム10には、
図1に示す如く、走行方向Xで第1マスト20Aの存在側を走行第1方向X1とし、走行方向Xで第2マスト20Bの存在側を走行第2方向X2としたときに、走行方向Xにおいて、下部第2スプロケットP3、下部第1スプロケットP1、下部第3スプロケットP4、下部第4スプロケットP5、及び下部第5スプロケットP6が並ぶ形態で設けられている。これらのうち、下部第2スプロケットP3は第1マスト20Aよりも走行第1方向X1側、下部第1スプロケットP1は第1マスト20Aの下方、下部第3スプロケットP4と下部第4スプロケットP5と下部第5スプロケットP6とは走行方向Xで第1マスト20Aと第2マスト20Bの間に配置されている。
【0033】
走行経路は、走行レールRに沿って形成されている。本実施形態では、走行フレーム10が走行体に相当し、チェーンCが索状体に相当する。また、本実施形態では、昇降モータ90M及び駆動スプロケット90とで昇降駆動部が構成されている。
すなわち、スタッカークレーン1は、走行レールRに沿って走行する走行フレーム10と、走行フレーム10に立設されるマスト20に沿って昇降する昇降体40と、昇降体40を昇降駆動する昇降駆動部と、を備えている。
【0034】
図2に示すように、走行フレーム10は、第1支持部材10F1及び第2支持部材10F2を、走行方向Xと平面視で直交する左右方向Yに離間して備えている。第1支持部材10F1及び第2支持部材10F2の夫々は、上下方向に沿う第1部分11と、第1部分11の上端から水平方向に延出する第2部分12と、第1部分11の下端から水平方向に延出する第3部分13とを備えて、断面形状が角ばったC字状に形成されている。第1支持部材10F1と第2支持部材10F2とは、走行方向Xに見て、角ばったC字状の開口する側が互いに離れる方向を向くように配置される。
【0035】
第1支持部材10F1と第2支持部材10F2とは、走行方向Xの複数箇所において互いに連結されている。また、第1支持部材10F1の第2部分12と第2支持部材10F2の第2部分12とを接続するマスト支持体15が、走行方向Xに離間して一対設けられている。図示は省略するが、マスト支持体15及び走行フレーム10の第2部分12には、ボルト孔が形成されている。また、
図3及び
図5に示すように、マスト20の下端にはフランジ部25が形成され、そのフランジ部25には、マスト支持体15及び第2部分12のボルト孔に対応する位置にボルト孔が形成されている。走行第1方向X1側のマスト支持体15と第1マスト20Aのフランジ部25とがボルトにて締結され、走行第2方向X2側のマスト支持体15と第2マスト20Bのフランジ部25とがボルトにて締結される形態で、走行フレーム10に一対のマスト20が立設される。
【0036】
本実施形態では、第1支持部材10F1及び第2支持部材10F2夫々の第1部分11が板状部分に相当する。すなわち、第1支持部材10F1及び第2支持部材10F2のそれぞれは、上下方向に沿う第1部分11を備えている。
【0037】
図2に示すように、下部第1スプロケットP1、下部第2スプロケットP3、下部第3スプロケットP4、下部第4スプロケットP5、及び下部第5スプロケットP6の夫々は、第1支持部材10F1と第2支持部材10F2との間に配置されている。
【0038】
スタッカークレーン1において、例えば、チェーンCやスプロケットPのメンテナンスのために、スプロケットPを取り外すことがある。低い位置に位置する走行フレーム10に取付けられるスプロケットPの着脱についての作業性を向上するために、本実施形態では、特に、下部第3スプロケットP4の走行フレーム10への取付構造を以下のような構造としている。
【0039】
図4に示すように、下部第3スプロケットP4は、支持軸JにラジアルベアリングPbを介して回転自在で、かつ、支持軸Jに対して左右方向に移動自在に支持されている。また、左右方向Yで、ラジアルベアリングPbと第1支持部材10F1の内側面11uとの間、及び、ラジアルベアリングPbと第2支持部材10F2の内側面11uとの間において、支持軸Jに外嵌されるようにスペーサPcが配置されている。
【0040】
なお、本実施形態では、支持軸Jの軸心方向で下部第3スプロケットP4を2つ(下部第3スプロケットP41・P42)並べて設けており、スペーサPcは、下部第3スプロケットP41と下部第3スプロケットP42との間にも版地されている。すなわち、スペーサPcは、下部第3スプロケットP41と下部第3スプロケットP42との間、下部第3スプロケットP41と支持軸Jの第1支持部材10F1側の端部Jtとの間、及び、下部第3スプロケットP42と支持軸Jの第2支持部材10F2側の端部Jtとの間、の3箇所に嵌挿される。
【0041】
図3に示すように、支持軸Jは、下部第3スプロケットP4の回転軸心に直交する断面の外形が円形に構成されている。また、
図3〜
図8に示すように、支持軸Jの端部Jtは、左右方向Yに見て、外周面の一部が直線状に切り欠かれた形状となっている。スペーサPcは、内径が支持軸Jの外径とほぼ同じで、外径が支持軸Jの外径よりも大きい円筒体にて構成されている。
また、
図4に示すように、支持軸Jは、端部Jtに切欠部Jkを備える他には左右方向Yの全長に亘って同径である中実の円柱状に形成されており、下部第3スプロケットP4とスペーサPcとは支持軸から取り外すことができる。このため、摩耗等により下部第3スプロケットP4を交換する必要が生じた場合には、下部第3スプロケットP4のみを交換すればよく、メンテナンスコストを低減できる。
【0042】
図3及び
図4に示すように、第1支持部材10F1及び第2支持部材10F2夫々の第1部分11は、支持軸Jが挿通される貫通孔11Kを形成する貫通孔形成部11Tを備えている。貫通孔形成部11Tは、左右方向に見て貫通孔11Kの外周部の全周が連続する環状に構成されるとともに、支持軸Jが使用位置にある状態(
図4参照)において支持軸Jの外周面のうち周方向での一部が当接する当接部11Tbと、支持軸Jが左右方向に見て使用位置と異なる離脱位置にある状態(
図5参照)において支持軸Jの外周面が周方向の全周に亘って貫通孔形成部11Tから離間する形状の解放部11Taとを備えている。なお、離脱位置は、スペーサPcが貫通孔11Kを通過可能な位置であればよく、
図5はその代表的な位置を示している。
【0043】
図3及び
図5に示すように、貫通孔形成部11Tは、左右方向に見て、円弧状の当接部11Tbと、当接部11Tbと径が異なる円弧状の解放部11Taとが接続された形状に形成されている。
当接部11Tbと解放部11Taとは、当接部11Tbの円弧の中心と解放部11Taの円弧の中心とが上下方向で同じ高さとなるように配置されている。
当接部11Tbは、左右方向に見て、支持軸Jの端部Jtの外周面のうち当接部11Tbに当接する部分の外周形状に一致した形状(すなわち、軸心方向視で支持軸Jの端部Jtの円弧部分に沿う形状及び大きさの円弧状)に構成されている。すなわち、当接部11Tbは、左右方向に見て、支持軸Jにおける端部の外周面の曲率半径に一致した曲率半径で中心角が180度以下の円弧状に形成されている。したがって、
図3及び
図4に示すように、支持軸Jが使用位置に位置している状態においては、3つのスペーサPcのうち、下部第3スプロケットP4と第1部分11との間に位置するスペーサPc(2個)の両端面のうち、第1部分11側の端面が第1部分11の内側面11uに当接する。これにより、走行フレーム10に対する左右方向Yでの下部第3スプロケットP4の位置決めと、スペーサPcの抜け止めができている。
【0044】
また、
図5に示すように、解放部11Taは、左右方向に見て、スペーサPcの外周面の曲率半径よりも長い曲率半径の円弧状に形成されている。すなわち、貫通孔形成部11Tは、支持軸が離脱位置に位置している状態において、
図8に示すように、スペーサPcが貫通孔11Kを通して第1支持部材10F1又は第2支持部材10F2より外方側に左右方向に沿って移動可能な大きさに形成されている。
【0045】
図6に示すように、チェーンCとそれが巻き掛けられる下部第3スプロケットP4の周方向の部分との関係は、支持軸Jにおける当接部11Tbと当接する円弧状部分の中心角である第1中心角r1の角度範囲が、下部第3スプロケットP4の外周部においてチェーンCが巻き掛けられる円弧状部分の中心角である第2中心角r2の対頂角の角度範囲(r2’)を含むように設定されている。チェーンCにおける延在方向の一部には引っ張りバネが挿入されており、チェーンCには張力が付与されている。この為、下部第3スプロケットP4においてチェーンCが巻きかけられている円周部分の中点から支持軸Jの軸心に向かう方向に、力fが発生する。このため、支持軸Jには、チェーンCによって当接部11Tbに押し当てる方向の力fが与えられる。すなわち、チェーンCに、支持軸Jを当接部11Tbに押し当てる方向の力を発生させる張力が付与されている。なお、
図6では、第1チェーンCAにおける巻き掛け状態を示したが、第2チェーンCBについても上記の条件を満たしている。
【0046】
また、
図3及び
図4に示すように、支持軸Jを走行フレーム10に取付けた状態においては、支持軸Jが使用位置に位置している状態で、支持軸Jの端部Jtの外周面に当接して支持軸Jが左右方向に見て使用位置から移動することを規制する規制部材Kを、第1支持部材10F1及び第2支持部材10F2にボルト11Bにて取り付ける。このため、上記のチェーンCには張力と相俟って、使用位置に位置している支持軸Jが解放位置に移動することが規制される。
【0047】
規制部材Kは、
図3に示すように、左右方向Yに見て、支持軸Jに当接する直線部分Kkが上下方向に沿う直線状に形成される。また、
図5に示すように、支持軸Jの端部Jtには、支持軸Jの軸心を左右方向Yに沿わせた場合に、左右方向Yに見て円弧の一部が直線状に切り欠かれた切欠部Jkが形成されている。したがって、支持軸Jを走行フレーム10に取付け、さらに規制部材を第1支持部材10F1及び第2支持部材10F2に取付けた状態では、
図3に示すように規制部材Kの直線部分Kkと支持軸Jの端部Jtにおける切欠部Jkが当接して、支持軸Jの第1支持部材10F1及び第2支持部材10F2に対する回転が規制される。なお、下部第3スプロケットP4は、支持軸JにラジアルベアリングPbを介して支持されている為、支持軸Jが回転しなくても下部第3スプロケットP4は回転可能である。このため、支持軸J及び第1支持部材10F1又は第2支持部材10F2の摩耗が抑制される。
【0048】
次に、下部第3スプロケットP4の走行フレーム10への着脱方法について説明する。
下部第3スプロケットP4を走行フレーム10に取付ける場合、
図7に示すように、まず、支持軸Jに下部第3スプロケットP4(下部第3スプロケットP41及び下部第3スプロケットP42の2つ)及びスペーサPcを取付けた状態としておく。次に、第1支持部材10F1と第2支持部材10F2の間の空間を通して、支持軸Jの一方側の端部Jtを第1支持部材10F1の貫通孔11Kの解放部11Taに斜め上方から挿通する(第1の挿通ステップと称する)。支持軸Jの他方側の端部Jtが、第2支持部材10F2よりも第1支持部材10F1側となる位置となった状態で、支持軸Jを左右方向Yに沿う姿勢に切換える(
図8参照)。これにより、支持軸Jが、左右方向Yに見て離脱位置に位置する状態となる。
【0049】
次に、支持軸Jを左右方向Yに移動させる。これにより、支持軸Jの他方側の端部Jtが第2支持部材10F2の貫通孔11Kの解放部11Taに挿通され、支持軸Jの両方の端部Jtが走行方向Xに見て第1支持部材10F1及び第2支持部材10F2の板状部分11と重複する状態となる(第2の挿通ステップと称する)。このとき、3つのスペーサPcのうち、下部第3スプロケットP4と第1部分11との間に位置する2つのスペーサPcの板状部分11側の端部が、板状部分11の内側面11uよりも内方に位置する状態とする。続いて、支持軸Jを第1走行方向Xに沿って移動させることにより、左右方向Yに見て支持軸Jが当接部11Tbと重複する状態(使用位置に位置する状態)とする。このとき、支持軸Jの切欠部Jkが解放部11Ta側を向く状態としておく。そして、規制部材Kを板状部材11にボルト11Bによって取り付ける。なお、支持軸Jの軸心方向での切欠部Jkの形成領域は、支持軸Jの端面から板状体11の外側面の存在位置までとするのが好ましいが、支持軸Jの端面から板状体11の外側面よりも内方までとしてもよい。また、走行方向Xに見て規制部材Kの存在する領域のみに切欠部Jkを形成してもよい。
【0050】
下部第3スプロケットP4を走行フレーム10から取り外す場合は、上記と逆の作業を行うことになる。すなわち、第1支持部材10F1及び第2支持部材10F2の板状部分11双方から規制部材Kを取外し、支持軸Jを第2走行方向X2に沿って移動させることにより、左右方向Yに見て、支持軸Jが解放部11Taと重複する状態(離脱位置に位置する状態)とする。続いて、
図8に示すように、左右方向Yで支持軸Jの他方側の端部が上下方向視で第1支持部材10F1と第2支持部材10F2の間に位置する状態となるまで支持軸Jを左右方向Yに沿って移動させる。引き続き、
図7に示すように、当該支持軸Jの他方側の端部を第1支持部材10F1及び第2支持部材10F2の上端よりも上方に引き上げる。その後、支持軸Jの一方側の端部を第1支持部材10F1の貫通孔11Kの解放部11Taから引き抜くことにより、下部第3スプロケットP4及びそれを支持したままの支持軸Jを走行フレーム10から取り外すことができる。
【0051】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、当接部11Tbと解放部11Taとを、当接部11Tbの円弧の中心と解放部11Taの円弧の中心とが上下方向で同じ高さとなるように配置する形態を示した。これは、支持軸を使用位置から離脱位置に移動させるときに、当接部11Tbと解放部11Taとが、当接部11Tbの円弧の中心と解放部11Taの円弧の中心とが上下方向で異なる高さとなる配置であると、下部第3スプロケットP4の着脱時に下部第3スプロケットP4を走行レールRに近接する方向に移動させる必要が生じることがあり、走行フレーム10の上下方向寸法が大型化したり、下部第3スプロケットP4を取外し難くなることがあるためである。しかしながら、走行フレーム10の上下方向寸法の大型化や取外し作業の困難性が生じない場合にあっては、当接部11Tbと解放部11Taとを、当接部11Tbの円弧の中心と解放部11Taの円弧の中心とが上下方向で異なる高さとなる配置としてもよい。
【0052】
(2)上記実施形態では、第1の挿通ステップとして、支持軸Jの一方の端部Jtを第1支持部材10F1の貫通孔11Kの解放部11Taに挿通する構成を示したが、第1の挿通ステップとして支持軸Jの一方の端部Jtを第2支持部材10F2の貫通孔11Kの解放部11Taに挿通してもよい。この場合も、走行方向Xに見て手順が左右対称となることが異なるのみであり、基本的な手順は同等である。
【0053】
(3)上記実施形態では、単一の支持軸Jに下部第3スプロケットP4を2つ(下部第3スプロケットP41及び下部第3スプロケットP42)支持させる例を示したが、このような構成に限定されるものではなく、単一の支持軸Jに下部第3スプロケットP4を1つ又は3つ以上支持させる構成としてもよい。
【0054】
(4)上記実施形態では、下部第3スプロケットP4を、支持軸JにラジアルベアリングPbを介して支持する形態を示したが、ラジアルベアリングPbを設けない構成としてもよい。この場合、支持軸Jに下部第3スプロケットP4を相対回転不能に固定し、支持軸Jの端部Jtに当接部11Tbとの間の摩擦抵抗を低減する部材(内輪回転型のベアリング等)を設ける構成としてもよい。
【0055】
(5)上記実施形態では、左右方向で、ラジアルベアリングPbと第1支持部材10F1の内側面11uとの間、及び、ラジアルベアリングPbと第2支持部材10F2の内側面11uとの間に、支持軸Jに外嵌するスペーサPcを配置する構成を示したが、このような構成に限定されるものではない。例えば、下部第3スプロケットP4のラジアルベアリングPbを支持軸Jに対して軸心方向に移動不可能に固定する構成とし、スペーサPcを支持軸Jに固定状態で取付ける構成としてもよい。また、支持軸J自体の端部Jt以外の部分を、上記スペーサPcの外径程度の径に形成してもよい。
【0056】
(6)上記実施形態では、貫通孔形成部11Tを、左右方向Yに見て、円弧状の当接部11Tbと当接部11Tbと径が異なる円弧状の解放部11Taとが接続された形状に形成したが、このような構成に限定されるものではなく、当接部11Tbについては支持軸Jの外周に沿う円弧状に形成し、解放部11Taを円弧状以外の形状(例えば多角形状)に形成してもよい。
【0057】
(7)上記実施形態では、貫通孔形成部11Tにおける解放部11Ta側の部分を、支持軸Jが離脱位置に位置している状態において、スペーサPcが貫通孔11Kを通して第1支持部材10F1又は第2支持部材10F2より外方側に左右方向Yに沿って移動可能な大きさに形成する構成を示したが、このような構成に限定されるものではない。例えば、貫通孔形成部11Tを、貫通孔11Kの上下方向の寸法が支持軸Jの径でかつ走行方向Xに長い長孔が形成される形状に形成してもよい。この場合、支持軸の着脱に当たっては、支持軸Jを水平面に沿って回転させることで、支持軸Jの両端部Jtが第1支持部材10F1及び第2支持部材10F2の一対の第1部材11の間に位置する状態とすることになる。なお、この場合、3つのスペーサPcのうち第1部材11側の2つのスペーサPcの第1部材11側の端部と第1部材11の内側面11uが当接していると、支持軸Jを水平面に沿って回転させることができないので、第1部材11の内側面11uに、支持軸Jを水平面に沿って回転させた場合にスペーサPcの第1部材11側の端部が通過可能な凹部を形成することが好ましい。
【0058】
(8)上記実施形態では、支持軸Jを使用位置に位置させた状態において、支持軸Jの周方向の一部が当接部に当接するように構成したが、このような構成に限定されるものではなく、支持軸Jの周方向に離散して、複数の箇所で支持軸Jの外周部が当接部に当接するように構成してもよい。
【0059】
(9)上記実施形態では、支持軸Jを、下部第3スプロケットP4の回転軸心に直交する断面の外形が円形に形成し、スペーサPcを中空の円筒状に形成する構成を説明したが、このような構成に限定されるものではなく、支持軸Jの回転軸心に直交する断面の外形を多角形とし、スペーサPcを中空の多角形筒としてもよい。この場合、貫通孔形成部11Tの形状は、当該多角形状に当接する形状の当接部と、当該多角形状と同形状でかつスペーサの外寸よりも大きい解放部とを備える構成としてもよい。
また、上記実施形態では、支持軸Jを中実の円柱状に形成する例を示したが、このような構成に限定されるものではなく、支持軸Jを円筒状に形成してもよい。
【0060】
(10)上記実施形態では、使用位置における支持軸Jに支持された下部第3スプロケットP4の回転中心Jcに関して、支持軸Jの外周における当接部11Tbと当接する円弧状部分の中心角である第1中心角r1の角度範囲を、下部第3スプロケットP4の外周部においてチェーンCが巻き掛けられる円弧状部分の中心角である第2中心角r2の対頂角の角度範囲を含むように形成する例を示したが、このように形成しなくてもよい。すなわち、第1中心角r1の角度範囲を第2中心角r2の対頂角の角度範囲を含まないような構成としてもよい。この場合、規制部材K及び当該規制部材Kを第1部分11に固定する部材を強固に構成することが好ましい。
また、上記実施形態では、支持軸Jを使用位置に位置させた後、規制部材Kを第1部分11に取付ける構成を示したが、チェーンCによって支持軸Jを当接部11Tbに押し当てる方向の力が十分に強い場合、規制部材Kを第1部分11に取付けない構成としてもよい。
【0061】
(11)上記実施形態では、規制部材Kを第1部分11にビス止め等によって取り付ける例を示したが、このような構成に限定されるものではない。例えば、規制部材Kを、左右方向Yに見て貫通孔11K(解放部11Ta)に重複する位置と重複しない位置とに上下方向スライド移動可能に第1部分11に取付ける構成としてもよい。
【0062】
(12)上記実施形態では、本発明の回転体及びその取付構造を下部第3スプロケットP4に適用した構成を説明したが、このような構成に限定されるものではなく、本発明の回転体及びその取付構造を他のスプロケットP(例えば、下部第1スプロケットP1、上部第1スプロケットP2、下部第2スプロケットP3、下部第4スプロケットP5、下部第5スプロケットP6、上部第2スプロケットP7、及び駆動スプロケット90の何れか又は全て)に適用してもよい。また、上記実施形態では、回転体をスプロケットPとし、索状体をチェーンCとする例を示したが、このような構成に限定されるものではない。例えば、回転体をプーリとし、索状体をワイヤやロープとしたり、回転体をギヤとし、索状体を歯付ベルトとしてもよい。
【0063】
(13)上記実施形態では、支持軸Jの端部Jtが当接部に当接する構成を示したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、支持軸Jの端部Jtよりも左右方向Yで中央側の部分が当接部に当接する構成としてもよい。すなわち、第1支持部材10F1及び第2支持部材10F2の第1部分11の間隔と当接部の円弧状部分の径との関係で許容される範囲で、支持軸Jの端部Jtが第1部分11よりも第1支持部材10F1及び第2支持部材10F2の第1部分11の並び方向外方側に突出していてもよい。