特許第6489271号(P6489271)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6489271
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】表示システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/14 20060101AFI20190318BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
   G06F3/14 400
   G06F13/00 520B
   G06F13/00 550A
【請求項の数】3
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2018-110622(P2018-110622)
(22)【出願日】2018年6月8日
(62)【分割の表示】特願2014-113552(P2014-113552)の分割
【原出願日】2014年5月30日
(65)【公開番号】特開2018-156685(P2018-156685A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2018年6月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】仁瓶 広誉
【審査官】 桜井 茂行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−78739(JP,A)
【文献】 特開2001−16201(JP,A)
【文献】 特開2007−004491(JP,A)
【文献】 特開2012−008616(JP,A)
【文献】 特開2005−141529(JP,A)
【文献】 特開2005−099911(JP,A)
【文献】 特開2004−350044(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0216754(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/14
G06F 13/00
G06F 21/10−21/14
G09C 1/00− 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末記憶部を備える表示端末と、
表示データを前記表示端末に送信する表示制御装置と、を備え、
前記表示制御装置は、
前記表示データを複数の分割データに分割し、複数の前記分割データの各々に、前記端末記憶部におけるアドレスを前記分割データごとに異なるようにランダムに割り当て、前記分割データと前記分割データに割り当てられた前記アドレスとを含む送信データを、複数の前記分割データの各々に対して生成するデータ生成部と、
複数の前記分割データの各々に割り当てられた前記アドレスを前記分割データに対応付けて記憶する装置記憶部と、
複数の前記分割データから前記表示データを前記表示端末に復元させるためのコマンドを、複数の前記分割データが生成されるごとに異なるコマンドとして前記装置記憶部が記憶する前記アドレスに基づいて生成するコマンド生成部と、
複数の前記送信データと前記コマンドとを送信する送信部と、を備え、
前記表示端末は、
複数の前記送信データと前記コマンドとを受信する受信部と、
前記分割データを記憶する前記端末記憶部と、
前記コマンドを実行して、前記端末記憶部に記憶された複数の前記分割データから前記表示データを復元するコマンド処理部と、を備え、
前記送信部は、相互に異なる複数の送信端末を備え、複数の前記送信端末の各々が、近距離無線通信によって前記送信データを前記表示端末に送信するように構成されて相互に異なる場所に配置され、
複数の前記送信端末の各々が相互に異なる前記送信データを送信する
表示システム。
【請求項2】
端末記憶部を備える表示端末と、
表示データを前記表示端末に送信する表示制御装置と、を備え、
前記表示制御装置は、
前記表示データを複数の分割データに分割し、複数の前記分割データの各々に、前記端末記憶部におけるアドレスを前記分割データごとに異なるようにランダムに割り当て、前記分割データと前記分割データに割り当てられた前記アドレスとを含む送信データを、複数の前記分割データの各々に対して生成するデータ生成部と、
複数の前記分割データの各々に割り当てられた前記アドレスを前記分割データに対応付けて記憶する装置記憶部と、
複数の前記分割データから前記表示データを前記表示端末に復元させるためのコマンドを、複数の前記分割データが生成されるごとに異なるコマンドとして前記装置記憶部が記憶する前記アドレスに基づいて生成するコマンド生成部と、
複数の前記送信データと前記コマンドとを送信する送信部と、を備え、
前記表示端末は、
複数の前記送信データと前記コマンドとを受信する受信部と、
前記分割データを記憶する前記端末記憶部と、
前記コマンドを実行して、前記端末記憶部に記憶された複数の前記分割データから前記表示データを復元するコマンド処理部と、を備え、
前記表示データは、第1表示データであり、
前記アドレスは、第1アドレスであり、
前記分割データは、第1分割データであり、
前記送信データは、第1送信データであり、
前記データ生成部は、
前記第1表示データとは異なる第2データを複数の第2分割データに分割し、複数の前記第2分割データの各々に、前記端末記憶部における前記第1アドレスとは異なる第2アドレスを前記第2分割データごとに異なるようにランダムに割り当て、前記第2分割データと前記第2分割データに割り当てられた前記第2アドレスとを含む第2送信データを、複数の前記第2分割データの各々に対して生成し、
前記送信部は、前記第2送信データを前記表示端末に送信し、
前記受信部は、前記送信部の送信した前記第2送信データを受信し、
前記端末記憶部は、前記受信部が受信した前記第2送信データに含まれる前記第2分割データを記憶し、
前記表示端末は、前記第1分割データに基づく情報を表示する表示部をさらに備える
表示システム。
【請求項3】
前記端末記憶部は、
前記分割データの記憶されたアドレス以外のアドレスにダミーデータを記憶する
請求項1または2に記載の表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置から表示端末に送信された表示データに基づいて、表示端末が情報を表示する表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
表示制御装置と表示端末とを備える表示システムであって、表示端末が、表示制御装置から表示端末に送信された表示データに基づいて情報、例えば、文字や画像を表示する表示システムが知られている。表示システムにおいて、表示制御装置と表示端末とは、例えば、無線通信によって接続され、表示制御装置の送信した情報は、無線通信を介して表示端末に受信される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−174013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、表示システムでは、表示制御装置から表示端末に送信された1つの表示データは、表示端末の備えるソフトウェアから見て、表示端末の備えるメモリにおける連続する複数のアドレス空間に書き込まれる。一方で、こうして書き込まれた1つのデータは、連続する複数のアドレス空間の各々に書き込まれたデータをアドレスの順に従って読み出すことによって得られてしまうため、表示制御装置の送信した1つの表示データは、容易に解析されてしまう。それゆえに、表示端末に書き込まれた表示データがより解析されにくい表示システムが求められている。
【0005】
本発明は、表示制御装置から表示端末に送信された表示データに基づいて表示端末が情報を表示する表示システムにおいて、表示データを解析されにくくすることのできる表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
表示システムの一態様は、端末記憶部を備える表示端末と、表示データを前記表示端末に送信する表示制御装置と、を備える。前記表示制御装置は、前記表示データを複数の分割データに分割し、複数の前記分割データの各々に、前記端末記憶部におけるアドレスを前記分割データごとに異なるようにランダムに割り当て、前記分割データと前記分割データに割り当てられた前記アドレスとを含む送信データを、複数の前記分割データの各々に対して生成するデータ生成部と、複数の前記分割データの各々に割り当てられた前記アドレスを前記分割データに対応付けて記憶する装置記憶部と、複数の前記分割データから前記表示データを前記表示端末に復元させるためのコマンドを、複数の前記分割データが生成されるごとに異なるコマンドとして前記装置記憶部が記憶する前記アドレスに基づいて生成するコマンド生成部と、複数の前記送信データと前記コマンドとを送信する送信部と、を備える。前記表示端末は、複数の前記送信データと前記コマンドとを受信する受信部と、前記分割データを記憶する前記端末記憶部と、前記コマンドを実行して、前記端末記憶部に記憶された複数の前記分割データから前記表示データを復元するコマンド処理部と、を備える。前記送信部は、相互に異なる複数の送信端末を備え、複数の前記送信端末の各々が、近距離無線通信によって前記送信データを前記表示端末に送信するように構成されて相互に異なる場所に配置され、複数の前記送信端末の各々が相互に異なる前記送信データを送信する。
【0007】
表示システムの一態様によれば、表示データが複数の分割データに分割されて、複数の分割データの各々は、表示端末における端末記憶部のアドレスの中で、表示制御装置がランダムに割り当てたアドレスに記憶される。そして、複数の分割データの各々に割り当てられたアドレスを記憶する表示制御装置が、表示制御装置の割り当てたアドレスに基づいて、表示データを復元するためのコマンドを生成する。それゆえに、端末記憶部に記憶された複数の分割データを特定することは難しく、また仮に、複数の分割データが特定されるとしても、複数の分割データを単に読み出すだけでは表示データを復元させることは難しいため、表示データが解析されにくくなる。
【0008】
また、複数の送信端末の各々は、相互に異なる送信データを送信するため、表示端末は、全ての送信端末から送信データを受信したときのみ表示データに基づく画像の全体を表示することができる。
【0009】
表示システムの一態様は、端末記憶部を備える表示端末と、表示データを前記表示端末に送信する表示制御装置と、を備える。前記表示制御装置は、前記表示データを複数の分割データに分割し、複数の前記分割データの各々に、前記端末記憶部におけるアドレスを前記分割データごとに異なるようにランダムに割り当て、前記分割データと前記分割データに割り当てられた前記アドレスとを含む送信データを、複数の前記分割データの各々に対して生成するデータ生成部と、複数の前記分割データの各々に割り当てられた前記アドレスを前記分割データに対応付けて記憶する装置記憶部と、複数の前記分割データから前記表示データを前記表示端末に復元させるためのコマンドを、複数の前記分割データが生成されるごとに異なるコマンドとして前記装置記憶部が記憶する前記アドレスに基づいて生成するコマンド生成部と、複数の前記送信データと前記コマンドとを送信する送信部と、を備える。前記表示端末は、複数の前記送信データと前記コマンドとを受信する受信部と、前記分割データを記憶する前記端末記憶部と、前記コマンドを実行して、前記端末記憶部に記憶された複数の前記分割データから前記表示データを復元するコマンド処理部と、を備える。前記表示データは、第1表示データであり、前記アドレスは、第1アドレスであり、前記分割データは、第1分割データであり、前記送信データは、第1送信データである。前記データ生成部は、前記第1表示データとは異なる第2データを複数の第2分割データに分割し、複数の前記第2分割データの各々に、前記端末記憶部における前記第1アドレスとは異なる第2アドレスを前記第2分割データごとに異なるようにランダムに割り当て、前記第2分割データと前記第2分割データに割り当てられた前記第2アドレスとを含む第2送信データを、複数の前記第2分割データの各々に対して生成する。前記送信部は、前記第2送信データを前記表示端末に送信し、前記受信部は、前記送信部の送信した前記第2送信データを受信し、前記端末記憶部は、前記受信部が受信した前記第2送信データに含まれる前記第2分割データを記憶する。前記表示端末は、前記第1分割データに基づく情報を表示する表示部をさらに備える。
【0010】
表示システムの一態様によれば、表示データが複数の分割データに分割されて、複数の分割データの各々は、表示端末における端末記憶部のアドレスの中で、表示制御装置がランダムに割り当てたアドレスに記憶される。そして、複数の分割データの各々に割り当てられたアドレスを記憶する表示制御装置が、表示制御装置の割り当てたアドレスに基づいて、表示データを復元するためのコマンドを生成する。それゆえに、端末記憶部に記憶された複数の分割データを特定することは難しく、また仮に、複数の分割データが特定されるとしても、複数の分割データを単に読み出すだけでは表示データを復元させることは難しいため、表示データが解析されにくくなる。
【0011】
また、端末記憶部は、ランダムに割り当てられたアドレスに複数の第1分割データを記憶し、さらに、ランダムに割り当てられたアドレスに複数の第2分割データを記憶する。そのため、第2分割データを改竄する改竄者が第2分割データのみを改竄することは難しく、こうした改竄者が第2分割データを改竄するときには、第1分割データにまで変更が加えられやすくなる。そして、表示端末が第1分割データに基づく情報を表示する表示部を備えているため、第2データを構成する第2分割データが改竄された場合には、表示端末に表示される情報が、本来表示されるべき情報とは異なる情報になる。それゆえに、第1分割データに基づき表示部に表示された情報が本来表示されるべき情報であるか否かによって、第1分割データに変更が加えられたか否か、ひいては、第2分割データが改竄されたか否かを検知することができる。
【0012】
上記表示システムの他の態様において、前記端末記憶部は、前記分割データの記憶されたアドレス以外のアドレスにダミーデータを記憶することが好ましい。
上記表示システムの他の態様によれば、端末記憶部は、複数の分割データに加えて、ダミーデータも記憶しているため、端末記憶部に記憶されたデータのうちで、どのデータが分割データであるかが分かりにくくなる。それゆえに、複数の分割データから表示データを復元することがより難しくなり、結果として、表示データが解析されにくくなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、表示制御装置から表示端末に送信された表示データに基づいて表示端末が情報を表示する表示システムにおいて、表示データが解析されにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明を具体化した第1実施形態における表示システムの模式的な構成を示すシステム構成図である。
図2】第1実施形態における表示制御装置の電気的な構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態における表示データの構成と送信データの構成とを模式的に示すデータ構成図である。
図4】第1実施形態における表示端末の電気的な構成を示すブロック図である。
図5】第1実施形態における端末記憶部の複数のアドレス空間と、各アドレス空間に記憶された情報とを模式的に示すメモリ構成図である。
図6】第1実施形態における処理の順番を示すシーケンスチャートである。
図7】本発明を具体化した第2実施形態における表示システムの模式的な構成を示すシステム構成図である。
図8】第2実施形態におけるコマンド送信端末の電気的構成を示すブロック図である。
図9】第2実施形態における処理の順番を示すシーケンスチャートである。
図10】第2実施形態の変形例における処理の一部を順番に示すシーケンスチャートである。
図11】第2実施形態の変形例における処理の一部を順番に示すシーケンスチャートである。
図12】本発明を具体化した第3実施形態における表示システムの模式的な構成を示すシステム構成図である。
図13】第3実施形態における表示制御装置の電気的な構成を示すブロック図である。
図14】第3実施形態における処理の順番を示すシーケンスチャートである。
図15】第3実施形態の作用を説明するための作用図である。
図16】第3実施形態の作用を説明するための作用図である。
図17】本発明を具体化した第4実施形態における第1表示データ、第1送信データ、第2データ、および、第2送信データの各々の構成を模式的に示すデータ構成図である。
図18】第4実施形態における端末記憶部の複数のアドレス空間と、各アドレス空間に記憶された情報とを模式的に示すメモリ構成図である。
図19】第4実施形態における端末記憶部の情報が改竄された状態を模式的に示すメモリ構成図である。
図20】第4実施形態における処理の順番を示すシーケンスチャートである。
図21】第4実施形態における作用を説明するための作用図である。
図22】第4実施形態における作用を説明するための作用図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1実施形態]
図1から図6を参照して表示システムを具体化した第1実施形態を説明する。以下では、表示システムの構成、表示システムの構成要素、および、表示システムにおける処理を順番に説明する。
【0016】
[表示システムの構成]
図1を参照して表示システムの構成を説明する。
図1が示すように、表示システム10は、表示制御装置11と表示端末12とを備えている。表示制御装置11は、所定の画像を表示端末12に表示させるための表示データを表示端末12に送信し、表示端末12は、表示制御装置11の送信した表示データを記憶する記憶部を備えている。表示データは、第1表示データの一例である。
【0017】
表示システム10において、表示制御装置11と表示端末12とは、所定の通信13、例えば、近距離無線通信で接続されている。近距離無線通信は、例えばNFCであり、NFC以外の近距離無線通信であるBluetooth(登録商標)、IrDA、および、ZigBee(登録商標)などでもよい。あるいは、通信13は、近距離無線通信に限らず、他の通信、例えば有線通信などでもよい。
【0018】
表示制御装置11は、例えばパーソナルコンピュータであるが、スマートフォンなどでもよく、上述した通信13によって表示端末12に表示データを送信することのできる装置であればよい。表示端末12は、例えば表示カードであるが、スマートフォンなどでもよく、表示データを記憶するための記憶部を有して、表示データを表示することのできる端末であればよい。
【0019】
表示データに基づき表示端末に表示される情報は、文字、および、模様や図形を含む画像の少なくとも1つを有していればよく、これらが適宜組み合わせられていてもよい。また、情報は、白黒表示であってもよいし、カラー表示であってもよい。
【0020】
[表示制御装置の構成]
図2および図3を参照して表示制御装置の構成を説明する。なお、図3では、表示送信データを説明する便宜上、表示送信データが模式的に示されている。
【0021】
図2が示すように、表示制御装置11は、装置記憶部21、装置制御部22、および、送信部23を備え、装置制御部22は、装置記憶部21と送信部23との各々に電気的に接続している。
【0022】
装置記憶部21は、少なくともデータと装置制御部22が解釈して実行するプログラムとを記憶している。プログラムには、例えば、分割データ生成用プログラム、アドレス指定用プログラム、コマンド生成用プログラム、および、データ送信用プログラムが含まれている。
【0023】
分割データ生成用プログラムは、表示データを所定のデータサイズに分割して表示分割データを生成するためプログラムである。表示分割データは、第1分割データの一例である。分割データ生成用プログラムによって、例えば、所定のデータサイズを有する1つの表示データが、表示データそのもののサイズよりも小さいデータサイズであって、表示端末12の端末記憶部に設定された1つのアドレス空間に格納することのできるサイズ、例えば1バイトの表示分割データに分割される。
【0024】
アドレス指定用プログラムは、各表示分割データに表示端末12の端末記憶部における1つのアドレスである表示用アドレスを対応付けるためのプログラムである。アドレス指定用プログラムによれば、例えば、疑似乱数が用いられて、複数の表示分割データの各々に対して1つのアドレスがランダムに対応付けられる。表示用アドレスが、第1アドレスの一例であり、各表示分割データに対応付けられた表示用アドレスは、表示端末12の備えるソフトウェアからみてランダムである。
【0025】
コマンド生成用プログラムは、各表示分割データに対応付けられたアドレスに基づき、複数の表示分割データから1つの表示データを復元するためのコマンドを生成するためのプログラムである。
【0026】
データ送信用プログラムは、表示用アドレスの割り当てられた表示分割データを含む表示送信データを表示端末12に対して送信部23に送信させるためのプログラムである。表示送信データは、第1送信データの一例である。
【0027】
装置記憶部21に記憶されたデータには、表示端末に情報を表示させるための表示データが含まれている。また、装置記憶部21に記憶されたデータには、各表示分割データに割り当てられたアドレスが、表示データにおける各表示分割データの並び順に対応付けられたデータである表示用アドレスデータが含まれている。表示用アドレスデータは、複数の分割データの各々に割り当てられたアドレスを各分割データに対応付けている。
【0028】
送信部23は、1つの表示分割データと、表示分割データに割り当てられたアドレスとを含む表示送信データを表示端末12に送信する。表示送信データは、第1送信データの一例である。
【0029】
装置制御部22は、データ生成部22aと、コマンド生成部22bとを備えている。コマンド生成部22bは、コマンド生成用プログラムと、アドレスデータとに基づいて、複数の表示分割データから1つの表示データを復元するためのコマンドを生成する。コマンド生成部22bは、複数の表示分割データが生成されるごとに異なるコマンドを生成し、コマンド生成部22bの生成するコマンドは、表示用アドレスデータごとに固有である。
【0030】
図3が示すように、データ生成部22aは、1つの表示データ31から複数の表示送信データ34を生成する。データ生成部22aは、例えば、分割データ生成用プログラムを実行して、1つの表示データ31を複数の表示分割データ32に分割する。そして、データ生成部22aは、アドレス指定用プログラムを実行して、各表示分割データ32に端末記憶部における1つの表示用アドレス33をランダムに割り当てることで、複数の表示分割データ32の各々に対して表示送信データ34を生成する。
【0031】
このとき、データ生成部22aは、表示用アドレスデータを装置記憶部21に格納する。表示用アドレスデータは、表示分割データ32に割り当てられた表示用アドレス33と、表示用アドレス33が割り当てられた表示分割データ32の表示データ31における並び順とから構成される。
【0032】
[表示端末の構成]
図4および図5を参照して表示端末の構成を説明する。
図4が示すように、表示端末12は、受信部41、端末制御部42、端末記憶部43、および、表示部44を備え、端末制御部42は、受信部41、端末記憶部43、および、表示部44に電気的に接続している。受信部41は、表示制御装置11の送信した複数の表示送信データ34と、表示送信データ34に含まれる表示分割データ32を表示データ31に復元するためのコマンドとを受信する。
【0033】
端末記憶部43は、少なくともデータと端末制御部42が解釈して処理するプログラムとを記憶している。このうち、プログラムには、例えば、コマンド処理用プログラムが含まれ、コマンド処理用プログラムは、受信部41の受信したコマンドを実行して、複数の表示分割データ32から1つの表示データ31を復元するためのプログラムである。データには、受信部41の受信した複数の表示分割データ32が含まれている。
【0034】
端末制御部42は、コマンド処理部42aを備え、コマンド処理部42aは、コマンド処理用プログラムを実行して、表示制御装置11から受信されたコマンドを解釈する。そして、コマンド処理部42aは、端末記憶部43に記憶された複数の表示分割データ32を表示データ31における並び順に従って並べて1つの表示データ31を復元する。
【0035】
表示部44は、端末制御部42の復元した表示データ31に基づいて所定の情報を表示する。表示部44は、例えば、電子ペーパーであるが、有機ELディスプレイやプラズマディスプレイなど、他のディスプレイであってもよい。
【0036】
表示端末12は、内部に電源を有しない構成であることが好ましく、こうした構成では、表示端末12は、表示端末12に必要な電力を表示制御装置11との通信13により供給される構成であればよい。
【0037】
図5は、端末記憶部43を模式的に示す図であって、端末記憶部43に区画された複数のアドレス空間を模式的に示す図である。図5では、説明の便宜上、アドレス空間の各々にドットなどのハッチングが付されている。
【0038】
図5が示すように、各表示送信データ34の含む表示分割データ32は、表示分割データ32に割り当てられた1つの表示用アドレス33に従い、端末記憶部43のうち、1つのアドレス空間に記憶される。なお、以下では、表示用アドレス33は、アドレス空間に対応する行番号と列番号とを順に並べる形で表される。
【0039】
例えば、表示送信データ34に含まれる表示用アドレス33が「10」であるとき、表示分割データ32は「10」が対応付けられた第1アドレス空間43aに記憶され、表示送信データ34に含まれる表示用アドレス33が「32」であるとき、表示分割データ32は「32」が対応付けられた第2アドレス空間43bに記憶される。
【0040】
また、表示送信データ34に含まれる表示用アドレス33が「63」であるとき、表示分割データ32は「63」が対応付けられた第3アドレス空間43cに記憶され、表示送信データ34に含まれる表示用アドレス33が「92」であるとき、表示分割データ32は「92」が対応付けられた第4アドレス空間43dに記憶される。
【0041】
そして、表示送信データ34に含まれる表示用アドレス33が「A1」であるとき、表示分割データ32は「A1」が対応付けられた第5アドレス空間43eに記憶され、表示送信データ34に含まれる表示用アドレス33が「D3」であるとき、表示分割データ32は「D3」が対応付けられた第6アドレス空間43fに記憶される。
【0042】
端末記憶部43において、表示分割データ32の記憶されていないアドレス空間には、表示データ31を構成しないデータであるダミーデータが記憶されている。
なお、表示端末12において、例えば、一旦、表示データ31の復元が行われると、端末記憶部43のアドレス空間の全てにダミーデータが記憶される。あるいは、表示端末12が新たな複数の表示分割データ32を受信したとき、アドレス空間の全てにダミーデータが記憶される。
【0043】
[表示システムの処理]
図6を参照して表示システムの実行する処理を説明する。
図6が示すように、表示制御装置11は、表示制御装置11から所定の範囲内に接続要求信号を送信し(ステップS11)、表示制御装置11の所定の範囲内に表示端末12が位置するとき、表示端末12が接続要求信号を受信して(ステップS12)、受信した接続要求信号に対応する接続応答信号を送信する(ステップS13)。このとき、接続応答信号には、表示端末12を特定するための情報、例えば、表示端末12のIDが含まれている。
【0044】
表示制御装置11が接続応答信号を受信し、表示制御装置11が、表示端末12のIDから表示端末12が表示送信データ34を送信すべき端末として認証する(ステップS14)。そして、表示制御装置11は、表示データ31に基づく表示送信データ34を生成し(ステップS15)、表示送信データ34を表示端末12に送信する(ステップS16)。次いで、表示端末12が表示送信データ34を受信し(ステップS17)、表示送信データ34ごとのアドレス空間に表示分割データ32を記憶する(ステップS18)。
【0045】
なお、表示制御装置11は、表示端末12への表示送信データ34の送信に続いて、表示送信データ34に含まれる表示分割データ32から表示データ31を復元させるためのコマンドを生成する(ステップS19)。
【0046】
表示制御装置11が、コマンド生成用プログラムを実行してコマンドを生成すると、例えば、コマンド生成用プログラムにより、コマンドを表示端末12に送信するか否かの選択肢が表示制御装置11の表示部に表示される。そして、表示制御装置11において、例えば、使用者により、コマンドの送信が選択されると、表示制御装置11が、表示データを復元させるためのコマンドを表示端末12に送信する(ステップS20)。
【0047】
表示端末12は、表示制御装置11の送信したコマンドを受信し(ステップS21)、コマンドを実行して複数の表示分割データ32から1つの表示データ31を復元する(ステップS22)。これにより、表示部44が、表示データ31に基づく情報を表示する(ステップS23)。
【0048】
なお、ステップS11からステップS23では、例えば、表示端末12の所持者が、表示制御装置11の送信部23としてのリーダライタに表示端末12をかざすことで、リーダライタと表示端末12との間の距離を所定の距離以内に保っている。これにより、表示端末12と表示制御装置11との間では、NFCによる通信13が可能である。
【0049】
なお、表示データの解析を難しくする上では、表示端末12が、表示制御装置11から送信された表示データを、1つのアドレス空間に書き込むことのできるデータサイズごとに、不規則なアドレス空間に書き込む構成とすることも可能である。
【0050】
ただし、こうした構成では、表示データの配列を決定する機能がソフトウェアで具体化される場合には、表示端末12に記憶されたソフトウェアの解析によって、分割して記憶された表示データの配列が解析されてしまう。
【0051】
また、ハードウェアで具体化された場合であれ、表示端末を解析することによって表示データの配列の解析と、順番に並べられた表示データの解析とが行われることもある。さらには、表示データの配列を決定する機能がハードウェアで具体化される場合には、表示データの配列を決める専用のハードウェアの開発も必要である。
【0052】
これに対して、上述した表示システム10によれば、端末記憶部43に記憶された複数の表示分割データ32を特定することは難しく、また仮に、複数の表示分割データ32が特定されるとしても、複数の表示分割データ32を単に読み出すだけでは表示データ31を復元させることは難しい。さらには、表示端末12が、表示データ31の配列を決定する機能を有していないため、表示データ31の配列も特定されにくい。
【0053】
以上説明したように、第1実施形態の表示システムによれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)表示データ31が複数の表示分割データ32に分割されて、複数の分割32データの各々は、表示端末12における端末記憶部43のアドレスの中で、表示制御装置11がランダムに割り当てたアドレス空間に記憶される。そして、複数の表示分割データ32に割り当てられた表示用アドレス33を記憶する表示制御装置11が、表示制御装置11の割り当てたアドレスに基づいて、表示データ31を復元するためのコマンドを生成する。それゆえに、端末記憶部43に記憶された表示分割データ32を特定することは難しく、また、仮に、複数の表示分割データ32が特定されるとしても、複数の表示分割データ32を単に読み出すだけでは表示データ31を復元させることは難しいため、表示データ31が解析されにくくなる。
【0054】
(2)端末記憶部43は、複数の表示分割データ32に加えて、ダミーデータも記憶しているため、端末記憶部43に記憶されたデータのうちで、どのデータが表示分割データ32であるかが分かりにくくなる。それゆえに、複数の表示分割データ32から表示データ31を復元することがより難しくなり、結果として、表示データ31が解析されにくくなる。
【0055】
なお、上述した第1実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・端末記憶部43には、ダミーデータが記憶されていなくてもよい。こうした構成であっても、表示端末12のソフトウェアから見て、複数の表示分割データ32が複数のアドレス空間に対してランダムに記憶され、かつ、複数の表示分割データ32を1つの表示データ31に復元するためのコマンドを表示制御装置11が生成する構成であれば、上述した(1)に準じた効果を得ることができる。
【0056】
・表示制御装置11が、表示端末12の認証を表示制御装置11の内部に有するデータに基づき行わなくともよく、例えば、表示制御装置11が、受信した表示端末12のIDを表示端末12の認証を行うための外部装置であるサーバに送信し、表示端末12のIDを受信したサーバが行ってもよい。
【0057】
・表示制御装置11と表示端末12との間の通信13がNFCではなく、例えばインターネットなどの所定のネットワークであるときには、ステップS11からステップS23の処理が実行されるとき、表示制御装置11と表示端末12との間の距離が、所定の距離内でなくともよい。要は、表示制御装置11と表示端末12との間での通信が可能な状態であればよい。
【0058】
[第2実施形態]
図7から図9を参照して表示システムを具体化した第2実施形態を説明する。第2実施形態の表示システムは、第1実施形態の表示システムと比べて、表示端末に表示データを復元させるコマンドを送信する装置が異なる。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明する一方で、第2実施形態の表示システムにおいて第1実施形態の表示システムと共通する構成には、第1実施形態の表示システムと同一の符号を付すことによって、第1実施形態の表示システムと共通する構成の説明を省略する。また、以下では、表示システムの構成、コマンド送信端末の構成、および、表示システムの処理を順番に説明する。
【0059】
[表示システムの構成]
図7を参照して表示システムの構成を説明する。
図7が示すように、表示システム10は、表示制御装置11と表示端末12とを備え、さらに、コマンド送信端末51を備えている。コマンド送信端末51は、上述した通信13によって、表示制御装置11の送信したコマンドを受信し、受信したコマンドを表示端末12に送信する。
【0060】
コマンド送信端末51は、例えばスマートフォンであるが、パーソナルコンピュータなどでもよく、上述した通信13によって表示制御装置11の送信したコマンドを受信し、かつ、表示端末12にコマンドを送信することのできる端末であればよい。
【0061】
[コマンド送信端末の構成]
図8を参照してコマンド送信端末の構成を説明する。
図8が示すように、コマンド送信端末51は、コマンド受信部61、コマンド制御部62、コマンド記憶部63、および、コマンド送信部64を備え、コマンド制御部62は、コマンド受信部61、コマンド記憶部63、および、コマンド送信部64に電気的に接続している。
【0062】
コマンド受信部61は、表示制御装置11の送信したコマンドであって、表示端末12の端末記憶部43に記憶された複数の表示分割データ32を1つの表示データ31に復元するためのコマンドを受信する。一方で、コマンド送信部64は、コマンド受信部61の受信したコマンドを表示端末12に送信する。
【0063】
コマンド記憶部63は、少なくともコマンドと、コマンド制御部62が解釈して実行するプログラムとを記憶している。このうち、プログラムには、例えば、送信制御用プログラムと、受信制御用プログラムとが含まれている。これらのプログラムは、コマンド制御部62によって実行されて、コマンド受信部61によるコマンドの受信と、コマンド送信部64によるコマンドの送信とを実行させる。
【0064】
コマンド制御部62は、送信制御用プログラム、および、受信制御用プログラムを解釈して実行することで、コマンド受信部61にコマンドを受信させ、コマンド送信部64にコマンドを送信させる。
【0065】
[表示システムの処理]
図9を参照して表示システムの実行する処理を説明する。
図9が示すように、表示制御装置11は、表示制御装置11から所定の範囲内に接続要求信号を送信し(ステップS31)、表示制御装置11の所定の範囲内に表示端末12が位置するとき、表示端末12が接続要求信号を受信して(ステップS32)、受信した接続要求信号に対応する接続応答信号を送信する(ステップS33)。このとき、接続応答信号には、表示端末12を特定するための情報、例えば、表示端末12のIDが含まれている。
【0066】
表示制御装置11が接続応答信号を受信し、表示制御装置11が、表示端末12のIDから表示端末12が表示送信データ34を送信すべき端末であるとして認証する(ステップS34)。そして、表示制御装置11は、表示データ31に基づく表示送信データ34を生成し(ステップS35)、表示送信データ34を表示端末12に送信する(ステップS36)。次いで、表示端末12が表示送信データ34を受信し(ステップS37)、表示送信データ34ごとのアドレス空間に表示分割データ32を記憶する(ステップS38)。
【0067】
なお、ステップS31からステップS38では、例えば、表示端末12の所持者が、表示制御装置11のリーダライタに表示端末12をかざして、リーダライタと表示端末12との間の距離を所定の距離以内に保っている。
【0068】
また、表示制御装置11は、表示端末12への表示送信データ34の送信に続いて、表示送信データ34に含まれる表示分割データ32から表示データ31を復元させるためのコマンドを生成する(ステップS39)。
【0069】
一方で、コマンド送信端末51が接続要求信号を送信し(ステップS40)、コマンド送信端末51が表示制御装置11の所定の範囲内に位置するとき、表示制御装置11が接続要求信号を受信する(ステップS41)。コマンド送信端末51の送信した接続要求信号には、コマンド送信端末51を特定するための情報、例えば、コマンド送信端末51のIDが含まれている。
【0070】
表示制御装置11は、コマンド送信端末51のIDからコマンド送信端末51がコマンドを送信すべき端末として認証すると、コマンド送信端末51に接続応答信号とコマンドとを送信する(ステップS42)。そして、コマンド送信端末51が、コマンドを受信する(ステップS43)。
【0071】
なお、ステップS40からステップS43では、例えば、コマンド送信端末51の所持者が、表示制御装置11のリーダライタにコマンド送信端末51をかざして、リーダライタとコマンド送信端末51との間の距離を所定の距離以内に保っている。
【0072】
コマンド送信端末51が接続要求信号を送信し(ステップS44)、表示端末12がコマンド送信端末51の所定の範囲内に位置するとき、表示端末12が接続要求信号を受信する(ステップS45)。そして、表示端末12がコマンド送信端末51に接続応答信号を送信する(ステップS46)。このとき、接続応答信号には、表示端末12のIDが含まれている。
【0073】
コマンド送信端末51が接続応答信号を受信し(ステップS47)、コマンド送信端末51が、表示端末12のIDから表示端末12がコマンドを送信すべき端末として認証すると、コマンド送信端末51が、表示端末12にコマンドを送信する(ステップS48)。
【0074】
表示端末12は、コマンド送信端末51の送信したコマンドを受信し(ステップS49)、コマンドを実行して複数の表示分割データ32から1つの表示データを復元する(ステップS50)。これにより、表示部44が、表示データ31に基づく情報を表示する(ステップS51)。
【0075】
なお、ステップS44からステップS49では、例えば、同一の人物が表示端末12とコマンド送信端末51とを所持し、所持者が、コマンド送信端末51に表示端末12をかざすことで、表示端末12とコマンド送信端末51との間の距離を所定の距離以内に保っている。
【0076】
以上説明したように、第2実施形態の表示システムによれば、以下の効果を得ることができる。
(3)コマンドを生成する表示制御装置11とは異なるコマンド送信端末51が、表示端末12へのコマンドの送信を行う。そのため、表示端末12に記憶された表示分割データ32に基づく情報を表示端末12に表示させるためには、表示分割データ32の記憶された表示端末12と、コマンドを送信するコマンド送信端末51との両方が必要である。
【0077】
なお、上述した第2実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・表示端末12の表示する情報が、例えば、認証用の情報などであるとき、表示システム10は、上述したステップS47にて実行される処理の後、図10に示される処理を実行してもよい。
【0078】
すなわち、図10が示すように、コマンド送信端末51がコマンドを送信し、表示端末12が、受信したコマンドの実行により表示データ31を復元して、情報を表示する(ステップS48からステップS51)。次いで、コマンド送信端末51が、例えば、コマンド送信端末51の備えるカメラによって表示端末12の表示した情報を撮像し(ステップS52)、コマンド送信端末51が、撮像した画像に対応する画像データを表示制御装置11に送信する(ステップS53)。なお、コマンド送信端末51は、表示制御装置11に対して、上述した近距離無線通信によって画像データを送信してもよいし、他の通信方法によって画像データを送信してもよい。
【0079】
そして、表示制御装置11は、画像データを受信し(ステップS54)、例えば、表示制御装置11に記憶された画像データと照合することなどによって、画像データの認証処理を行う(ステップS55)。表示制御装置11は、認証結果をコマンド送信端末51に送信し、コマンド送信端末51は、表示制御装置11の送信した認証結果を受信する(ステップS56およびステップS57)。
【0080】
・なお、図10を用いて説明された変形例では、表示制御装置11が表示端末12に表示された情報による認証を行っている。これに限らず、表示制御装置11以外の装置、例えば、認証用サーバSが画像の認証を行ってもよい。
【0081】
例えば、図11が示すように、コマンド送信端末51がコマンドを送信し、表示端末12が、受信したコマンドの実行により表示データ31を復元して、情報を表示する(ステップS48からステップS51)。次いで、コマンド送信端末51が、例えば、カメラによって表示端末12の表示した情報を撮像し(ステップS58)、コマンド送信端末51が、撮像した画像に対応する画像データを認証用サーバSに送信する(ステップS59)。なお、コマンド送信端末51は、所定の通信用のネットワークを介して、認証用サーバSに対して画像データを送信すればよい。
【0082】
そして、認証用サーバSは、画像データを受信し(ステップS60)、例えば、認証用サーバSに記憶された画像データと照合することなどによって、画像データの認証処理を行う(ステップS61)。認証用サーバSは、認証結果をコマンド送信端末51に送信し、コマンド送信端末51は、認証用サーバSの送信した認証結果を受信する(ステップS62およびステップS63)。
【0083】
・ステップS40からステップS42の処理は、以下に説明される処理であってもよい。すなわち、コマンド送信端末51が、インターネットを介して所定のウェブサイトであって、コマンド送信端末51のIDが予め登録されたウェブサイトに接続する。そして、コマンド送信端末51が、ウェブサイトにIDを送信し、ウェブサイトから認証用のサーバにIDが送信されることで、コマンド送信端末51の認証処理が行われる。
【0084】
そして、認証用のサーバによってコマンド送信端末51が認証されると、認証用のサーバから、コマンド送信端末51がコマンドを送信すべき端末であることに関する情報が表示制御装置11に送信される。表示制御装置11が、コマンドを送信すべき端末のIDとしてコマンド送信端末51のIDを記憶する。
【0085】
表示制御装置11がコマンド送信端末51のIDを記憶すると、表示制御装置11が、認証用のサーバにIDの記憶が完了したことを通知する。完了通知を受けた認証用のサーバは、上述のウェブサイトに「表示制御装置11にかざして下さい」、あるいは、「表示制御装置11との通信を開始できる状態にして下さい」などの情報を表示させる。
【0086】
次いで、コマンド送信端末51と表示制御装置11との間の距離が所定の距離以内であると、表示制御装置11によってコマンド送信端末51が認証されて、表示制御装置11がコマンド送信端末51にコマンドを送信する。
【0087】
・第2実施形態の表示システム10は、第1実施形態の変形例の構成と組み合わせて実施することもできる。
[第3実施形態]
図12から図16を参照して、表示システムを具体化した第3実施形態を説明する。第3実施形態の表示システムは、第2実施形態の表示システムと比べて、表示制御装置の構成が異なる。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明する一方で、第3実施形態の表示システムにおいて第2実施形態の表示システムと共通する構成には、第2実施形態の表示システムと同一の符号を付すことによって、第2実施形態の表示システムと共通する構成の説明を省略する。また、以下では、表示システムの構成、表示制御装置の構成、表示システムの処理、表示システムの作用、および、表示システムの用途を順番に説明する。
【0088】
[表示システムの構成]
図12を参照して表示システムの構成を説明する。
図12が示すように、表示システム10は、表示制御装置70、表示端末12、および、コマンド送信端末51を備えている。表示制御装置70は、1つの生成端末71と、複数のデータ送信端末72とから構成されている。複数のデータ送信端末72の各々は、送信端末の一例である。なお、図12では、4つのデータ送信端末72を備える構成が例示されているが、表示制御装置70の備えるデータ送信端末72の数は、2以上の複数であればよく、例えば、表示制御装置70の生成する送信データの数と同じであればよい。
【0089】
生成端末71は、複数の表示送信データ34を生成し、複数の表示送信データ34の各々を相互に異なるデータ送信端末72に出力する。生成端末71は、例えば、1つのデータ送信端末72に対して1つの表示分割データ32を出力するが、各データ送信端末72に出力される表示分割データ32が相互に異なるデータであれば、複数の表示分割データ32を出力してもよい。生成端末71は、複数の表示分割データ32から1つの表示データ31を復元するためのコマンドを生成する。
【0090】
生成端末71は、例えばパーソナルコンピュータであるが、送信データとコマンドとの生成が可能な他の装置であってもよい。
各データ送信端末72は、近距離無線通信73によって表示送信データ34を送信するように構成され、複数のデータ送信端末72は、相互に異なる場所に配置されている。複数のデータ送信端末72は、相互に異なる表示送信データ34、すなわち、相互に異なる表示分割データ32を表示端末12に送信する。各データ送信端末72は、例えば、生成端末71に接続されたリーダライタであるが、パーソナルコンピュータやスマートフォンなどでもよく、近距離無線通信73によって表示端末12に表示送信データ34を送信することのできる端末であればよい。
【0091】
近距離無線通信は73、例えばNFCであるが、Bluetooth(登録商標)、IrDA、および、ZigBee(登録商標)などでもよい。
コマンド送信端末51は、表示制御装置11の生成したコマンドを近距離無線通信73によって表示端末12に送信する。コマンド送信端末51は、例えば、生成端末71に接続されたリーダライタであるが、スマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよく、近距離無線通信73によって表示端末12にコマンドを送信することのできる端末であればよい。なお、第3実施形態のコマンド送信端末51は、第2実施形態のコマンド送信端末51とは異なり、生成端末71の生成したコマンドが、予めコマンド記憶部63に記憶されている。
【0092】
[表示制御装置の構成]
図13を参照して表示制御装置の構成を説明する。
図13が示すように、表示制御装置70は、生成端末71と複数のデータ送信端末72とを備え、生成端末71は、装置記憶部81と装置制御部82とを備えている。
【0093】
装置記憶部81は、第1実施形態の装置記憶部21と同様、少なくともデータとプログラムとを格納し、プログラムには、分割データ生成用プログラム、アドレス指定用プログラム、および、コマンド生成用プログラムが含まれる。
【0094】
データには、表示データと、各表示分割データに割り当てられたアドレスが、表示データにおける各表示分割データの並び順に対応付けられたデータである表示用アドレスデータとが含まれている。
【0095】
装置制御部82は、第1実施形態の装置制御部22と同様、データ生成部82aとコマンド生成部82bとを備えている。データ生成部82aは、1つの表示データ31から複数の表示送信データ34を生成し、コマンド生成部82bは、複数の表示分割データ32から1つの表示データ31を復元するためのコマンドを生成する。
【0096】
データ送信端末72の各々は、送信部72aと送信端末記憶部72bとを備え、送信部72aは、第1実施形態の送信部23と同様、表示送信データ34を表示端末12に送信する。送信端末記憶部72bには、データ送信端末72ごとに相互に異なる表示分割データ32が予め記憶されている。
【0097】
[表示システムの処理]
図14を参照して表示システムの実行する処理を説明する。なお、複数のデータ送信端末72において、各データ送信端末72の実行する処理は相互に共通している。そのため、以下では、4つのデータ送信端末72のうち、2つのデータ送信端末72についてのみ説明する。
【0098】
表示システム10では、表示制御装置70の備える生成端末71が、上述した分割データ生成用プログラムとアドレス指定用プログラムとを実行して、1つの表示データ31から複数の表示送信データ34を生成する。そして、生成端末71は、複数の表示送信データ34の各々を相互に異なるデータ送信端末72に出力する。そして、各データ送信端末72は、生成端末71の出力した表示送信データ34の1つを送信端末記憶部72bに記憶する。
【0099】
一方で、生成端末71は、コマンド生成プログラムを実行してコマンドを生成し、コマンド送信端末51に出力する。コマンド送信端末51は、生成端末71の出力したコマンドをコマンド記憶部63に記憶する。
【0100】
図14が示すように、4つのデータ送信端末72のうち、1つのデータ送信端末72である第1のデータ送信端末72が、第1のデータ送信端末72から所定の距離内に接続要求信号を送信する(ステップS71)。第1のデータ送信端末72の所定の範囲内に表示端末12が位置するとき、表示端末12が接続要求信号を受信して(ステップS72)、受信した接続要求信号に対応する接続応答信号を送信する(ステップS73)。このとき、接続要求信号には、表示端末12を特定するための情報、例えば、表示端末12のIDが含まれている。
【0101】
第1のデータ送信端末72が接続応答信号を受信し、第1のデータ送信端末72が、表示端末12のIDから表示端末12が表示送信データ34を送信すべき端末であるとして認証する(ステップS74)。なお、第1のデータ送信端末72は、例えば、送信端末記憶部72bに記憶された情報に基づいて表示端末12の認証を行ってもよいし、表示端末12のIDを生成端末71に出力して、生成端末71が表示端末12の認証を行ってもよい。
【0102】
第1のデータ送信端末72は、送信端末記憶部72bに記憶された1つの表示送信データ34を表示端末12に送信する(ステップS75)。表示端末12は、表示送信データ34を受信し(ステップS76)、表示送信データ34に含まれるアドレスに対応するアドレス空間に表示分割データ32を記憶する(ステップS77)。
【0103】
なお、ステップS71からステップS77では、例えば、表示端末12の所持者が、第1のデータ送信端末72に表示端末12をかざして、第1のデータ送信端末72と表示端末12との間の距離を所定の距離以内に保っている。
【0104】
そして、4つのデータ送信端末72のうち、先のデータ送信端末72とは異なる第2のデータ送信端末72が、第2のデータ送信端末72から所定の距離内に接続要求信号を送信する(ステップS78)。第2のデータ送信端末72の所定の距離内に表示端末12が位置するとき、表示端末12が接続要求信号を受信して(ステップS79)、受信した接続要求信号に対応する接続応答信号を送信する(ステップS80)。このとき、上述したステップS73と同様、接続応答信号には、表示端末12を特定するためのIDが含まれている。
【0105】
第2のデータ送信端末72が接続応答信号を受信し、第2のデータ送信端末72が、表示端末12のIDから表示端末12が表示送信データ34を送信すべき端末であるとして認証する(ステップS81)。なお、第2のデータ送信端末72は、例えば、第1のデータ送信端末72と同じ方法で、表示端末12を認証する。
【0106】
第2のデータ送信端末72は、送信端末記憶部72bに記憶された1つの表示送信データ34であって、第1のデータ送信端末72が送信した表示送信データ34とは異なるデータを表示端末12に送信する(ステップS82)。表示端末12は、表示送信データ34を受信し(ステップS83)、表示送信データ34に含まれる表示用アドレス33であって、第1のデータ送信端末72が送信した表示送信データ34に含まれる表示用アドレス33とは異なるアドレスに対応するアドレス空間に表示分割データ32を記憶する(ステップS84)。
【0107】
なお、ステップS78からステップS84では、例えば、表示端末12の所持者が、第1のデータ送信端末72の配置された場所から第2のデータ送信端末72の配置された場所に移動して、第2のデータ送信端末72に表示端末12をかざしている。これにより、所持者は、第2のデータ送信端末72と表示端末12との間の距離を所定の距離以内に保っている。
【0108】
また、表示端末12は、第3のデータ送信端末72、および、第4のデータ送信端末72の双方とも、上述した信号およびデータのやり取りを行う。
次いで、コマンド送信端末51が、コマンド送信端末51から所定の距離内に接続要求信号を送信する(ステップS85)。コマンド送信端末51の所定の距離内に表示端末12が位置するとき、表示端末12が接続要求信号を受信して(ステップS86)、受信した接続要求信号に対応する接続応答信号を送信する(ステップS87)。このとき、上述したステップS73と同様、接続応答信号には、表示端末12を特定するためのIDが含まれている。
【0109】
コマンド送信端末51が接続応答信号を受信し、コマンド送信端末51が、表示端末12のIDから表示端末12がコマンドを送信すべき端末であるとして認証する(ステップS88)。なお、コマンド送信端末51は、例えば、第1のデータ送信端末72と同じ方法で、表示端末12を認証する。
【0110】
コマンド送信端末51は、コマンド記憶部63に記憶されたコマンドを表示端末12に送信する(ステップS89)。表示端末12は、コマンドを受信し(ステップS90)、コマンドを実行することで、複数の表示分割データ32から1つの表示データ31を復元する(ステップS91)。そして、表示部44が、表示データ31に基づく画像を表示する(ステップS92)。
【0111】
なお、ステップS85からステップS92の処理が行われる前に、例えば、表示端末12の所持者が、第2のデータ送信端末72の配置された場所から第3のデータ送信端末72の配置された場所に移動する。そして、所持者が、第3のデータ送信端末72に表示端末12をかざして、表示端末12に第3のデータ送信端末72の表示送信データ34に含まれる表示分割データ32を記憶させる。
【0112】
次いで、所持者が第3のデータ送信端末72の配置された場所から第4のデータ送信端末72の配置された場所に移動する。そして、所持者が、第4のデータ送信端末72に表示端末12をかざして、表示端末12に第4のデータ送信端末72の表示送信データ34に含まれる表示分割データ32を記憶させる。
【0113】
その後、所持者が、第4のデータ送信端末72の配置された場所からコマンド送信端末51の配置された場所に移動する。そして、ステップS85からステップS92では、表示端末12の所持者が、コマンド送信端末51に表示端末12をかざして、コマンド送信端末51と表示端末12との間の距離を所定の距離内に保っている。
【0114】
[表示システムの作用]
図15および図16を参照して、表示システムの作用を説明する。なお、以下では、表示データ31が、例えば所定の画像を表示させるためのデータである例を説明する。
【0115】
図15が示すように、表示端末12が、第1のデータ送信端末72から第4のデータ送信端末72の各々の送信する相互に異なる表示送信データ34の各々を受信し、かつ、コマンド送信端末51の送信するコマンドを受信したとき、表示部44には、画像Pが表示される。
【0116】
画像Pは、例えば、第1部分P1、第2部分P2、第3部分P3、および、第4部分から構成されている。そして、第1のデータ送信端末72の送信する表示送信データ34に含まれる表示分割データ32が第1部分P1に対応し、第2のデータ送信端末72の送信する表示送信データ34に含まれる表示分割データ32が第2部分P2に対応している。また、第3のデータ送信端末72の送信する表示送信データ34に含まれる表示分割データ32が第3部分P3に対応し、第4のデータ送信端末72の送信する表示送信データ34に含まれる表示分割データ32が第4部分P4に対応している。
【0117】
そのため、例えば、表示端末12が、各データ送信端末72の送信する表示送信データ34の少なくとも1つを受信していない状態で、表示端末12にて表示データ31を復元するためのコマンドが実行されると、表示部44には、画像Pのうち、少なくとも一部が欠けた画像Pが表示される。そのため、表示端末12に画像Pが表示されることによって、表示端末12が全てのデータ送信端末72から表示送信データ34を受信したか否か、および、表示端末12がどのデータ送信端末72から表示送信データ34を受信していないかが検知可能である。
【0118】
なお、こうした画像Pに基づく検知は、例えば、表示端末12の所持者などの人によって行われてもよいし、例えば、画像Pに関するデータが表示制御装置11や表示システム10の外部装置としてのサーバに送信されることによって、表示制御装置11やサーバによって行われてもよい。
【0119】
例えば、図16が示すように、表示端末12に表示された画像Pが、第1部分P1、第2部分P2、および、第4部分P4を有する一方で、第3部分P3を有しないとき、表示端末12が第3のデータ送信端末72の送信する表示送信データ34を受信していないことを検知することができる。
【0120】
このように、表示端末12は、全てのデータ送信端末72から表示分割データ32を受信したときのみ、表示データ31に基づく画像の全体を表示することができる。
[表示システムの用途]
上述した表示システム10は、例えば、スタンプラリーに適用される。この場合には、表示制御装置11の備える複数のデータ送信端末72の各々は、相互に異なる場所であって、スタンプラリーの参加者が立ち寄るべき場所であるチェックポイントに配置されている。
【0121】
例えば、スタンプラリーの参加者が表示端末12を所持し、相互に異なるチェックポイントに配置された複数のデータ送信端末72の各々に対して表示端末12をかざす。これにより、表示端末12の端末記憶部43には、データ送信端末72ごとの表示分割データ32が記憶される。そして、参加者が、複数のデータ送信端末72の各々が配置された場所とは相互に異なる場所、例えば、スタンプラリーのゴールに配置されたコマンド送信端末51に表示端末12をかざすと、表示端末12には、複数の表示分割データ32から復元された表示データ31に基づく情報が表示される。そのため、表示端末12に表示された情報によって、参加者がスタンプラリーで立ち寄るべき場所の全てに立ち寄ったか否かを把握することができる。
【0122】
あるいは、表示システム10は、所定の物品を製造する工程を管理する工程管理に適用される。例えば、複数の工程の各々における処理を経て製造される物品であれば、物品が製造されるまでに行われる工程の各々が行われる場所に、データ送信端末72が1つずつ配置され、完成した物品が配置される場所にコマンド送信端末51が配置される。そして、表示端末12が、各製造工程にて所定の処理が施される物品とともに、各製造工程が行われる場所に運搬され、かつ、表示端末12は、各製造工程での物品に対する処理が完了するごとに、各製造工程が行われる場所に配置されたデータ送信端末72にかざされればよい。
【0123】
これにより、表示端末12には、製造工程が完了するごとに1つの表示分割データ32が記憶され、かつ、全ての製造工程が完了した後に、コマンドが送信されて、表示部44に情報が表示される。そのため、表示端末12に表示された情報によって、物品に対して複数の製造工程の処理の全てが行われたか否かを把握することができる。
【0124】
以上説明したように、第3実施形態の表示システムによれば、以下の効果を得ることができる。
(4)複数のデータ送信端末72の各々は、相互に異なる表示分割データ32を送信するため、表示端末12は、全てのデータ送信端末72から表示分割データ32を受信したときのみ、表示データ31に基づく画像の全体を表示することができる。
【0125】
なお、上述した第3実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・複数のデータ送信端末72の各々は、送信端末記憶部72bを備えていなくともよく、送信部72aのみを備える構成でもよい。こうした構成では、例えば、表示端末12が、表示送信データ34やコマンドを送信するべき端末であるか否かを生成端末71が認証する構成であればよい。そして、生成端末71が、表示端末12を認証するごとに、データ送信端末72ごとに相互に異なる表示送信データ34をデータ送信端末72に出力し、データ送信端末72が、表示端末12に表示送信データ34を送信すればよい。
【0126】
・表示分割データ32の一部が端末記憶部43に記憶されていないときには、コマンドが実行されても、表示部44に情報が全く表示されない構成でもよい。こうした構成であっても、上述した(4)に準じた効果を得ることはできる。
【0127】
・第3実施形態の表示システム10は、第2実施形態の変形例の各々の構成と組み合わせて実施することもできる。
[第4実施形態]
図17から図22を参照して、表示システムを具体化した第4実施形態を説明する。第4実施形態の表示システムは、第1実施形態の表示システムと比べて、表示制御装置が表示端末に送信するデータが異なる。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明する一方で、第4実施形態の表示システムにおいて第1実施形態の表示システムと共通する構成には、第1実施形態の表示システムと同一の符号を付すことによって、第1実施形態の表示システムと共通する構成の説明を省略する。また、以下では、表示制御装置が表示端末に送信する送信データ、端末記憶部の構成、表示システムの処理、および、表示システムの作用を順番に説明する。
【0128】
[送信データ]
図17を参照して送信データを説明する。なお、図17では、送信データを説明する便宜上、送信データが模式的に示されている。また、以下では、送信データとともに、表示制御装置11の装置記憶部21に記憶されたデータおよびプログラムも説明する。
【0129】
図17が示すように、第4実施形態の表示システム10において、表示制御装置11の装置記憶部21は、少なくともデータとプログラムとを記憶し、データには、第1実施形態における表示データ31に加えて、データの改竄が行われたか否かの検知の対象となるデータである検知対象データ91が含まれる。検知対象データ91は、例えば、画像などの情報を表示するためのデータではなく、表示端末12の認証などに用いられるIDなどの情報や、秘匿性の高い情報などである。すなわち、表示端末12は、例えば、認証用の情報や、所定のプログラムなどを形成するためのテキストデータなどを持ち運ぶための携帯用のメモリとしての機能を有する。検知対象データ91は、第2データの一例である。
【0130】
プログラムには、分割データ生成用プログラム、アドレス指定用プログラム、コマンド生成プログラム、および、データ送信用プログラムが含まれる。このうち、分割データ生成用プログラムは、表示データ31から複数の表示分割データ32を生成することに加えて、検知対象データ91を所定の情報の大きさごとに分割して、1つの検知対象データ91から複数の検知分割データ92を生成するためのプログラムである。検知分割データ92は、第2分割データの一例である。
【0131】
分割データ生成プログラムによって、所定の大きさを有する検知対象データ91が、検知対象データ91のデータサイズよりも小さいサイズであって、表示端末12の端末記憶部43に設定された1つのアドレス空間に記憶することのできるサイズ、例えば1バイトの検知分割データに分割される。
【0132】
アドレス指定用プログラムは、各表示分割データ32に表示端末12の端末記憶部43における1つの表示用アドレス33を対応付け、かつ、各検知分割データ92に表示端末12の端末記憶部43における1つのアドレスである検知用アドレス93を対応付けるためのプログラムである。アドレス指定用プログラムによれば、例えば、疑似乱数が用いられて、複数の表示分割データ32の各々、および、複数の検知分割データ92の各々に対して1つのアドレスがランダムに割り当てられる。表示分割データ32に割り当てられる表示用アドレス33と、検知分割データ92に割り当てられる検知用アドレス93とは、相互に異なるアドレスである。検知用アドレス93が、第2アドレスの一例であり、各検知分割データに対応付けられた検知用アドレスは、表示端末12の備えるソフトウェアからみてランダムである。
【0133】
データ送信用プログラムは、表示用アドレス33の割り当てられた表示分割データ32を含む表示送信データ34と、検知用アドレス93の割り当てられた検知分割データ92を含む検知送信データ94とを表示端末12に対して送信部23に送信させるためのプログラムである。検知送信データ94は、第2送信データの一例である。
【0134】
装置制御部22のデータ生成部22aは、分割データ生成用プログラムを実行して、1つの表示データ31を複数の表示分割データ32に分割し、かつ、1つの検知対象データ91を複数の検知分割データ92に分割する。そして、データ生成部22aは、アドレス指定用プログラムを実行して、各表示分割データ32に1つの表示用アドレス33をランダムに割り当て、かつ、各検知分割データ92に1つの検知用アドレス93をランダムに割り当てる。
【0135】
これにより、データ生成部22aは、1つの表示分割データ32と1つの表示用アドレス33とを含む複数の表示送信データ34を表示分割データ32の各々に対して生成し、1つの検知分割データ92と1つの検知用アドレス93とを含む複数の検知送信データ94を検知分割データ92の各々に対して生成する。
【0136】
このとき、データ生成部22aは、表示用アドレスデータと、検知用アドレスデータとを装置記憶部21に格納する。検知用アドレスデータは、検知分割データ92に割り当てられた検知用アドレス93と、検知用アドレス93が割り当てられた検知分割データ92の検知対象データ91における並び順とから構成される。
【0137】
[端末記憶部の構成]
図18および図19を参照して端末記憶部の構成を説明する。なお、図18および図19は、端末記憶部43に区画された複数のアドレス空間を模式的に示す図であり、図18および図19では、説明の便宜上、アドレス空間の各々にドットなどのハッチングが付されている。
【0138】
図18が示すように、各表示送信データ34の含む表示分割データ32は、第1アドレス空間43aから第6アドレス空間43fのいずれかに記憶される。これに対して、検知対象データ91が、例えば、6つの検知分割データ92に分けられるとき、複数の検知分割データ92の各々は、以下の6つのアドレス空間のうち、相互に異なる1つのアドレス空間に記憶される。なお、以下では、検知用アドレス93は、表示用アドレス33と同様、アドレス空間に対応付けられた行番号と列番号とを順に並べる形で表される。
【0139】
例えば、検知送信データ94に含まれる検知用アドレス93が「04」であるとき、検知分割データ92は「04」が対応付けられた第7アドレス空間43gに記憶され、検知送信データ94に含まれる検知用アドレス93が「24」であるとき、検知分割データ92は「24」が対応付けられた第8アドレス空間43hに記憶される。
【0140】
また、検知送信データ94に含まれる検知用アドレス93が「70」であるとき、検知分割データ92は「70」対応付けられた第9アドレス空間43iに記憶され、検知送信データ94に含まれる検知用アドレス93が「B4」であるとき、検知分割データ92は「B4」が対応付けられた第10アドレス空間43jに記憶される。
【0141】
そして、検知送信データ94に含まれる検知用アドレス93が「D0」であるとき、検知分割データ92は「D0」が対応付けられた第11アドレス空間43kに記憶され、検知送信データ94に含まれる検知用アドレス93が「F4」であるとき、検知分割データ92は「F4」が対応付けられた第12アドレス空間43lに記憶される。
【0142】
端末記憶部43において、表示分割データ32、および、検知分割データ92の記憶されていないアドレス空間には、表示データ31および検知対象データ91のいずれも構成しないデータであるダミーデータが記憶されている。
【0143】
図19は、端末記憶部43の記憶領域に、複数の表示分割データ32と、複数の検知分割データ92とが格納された後に、各アドレス空間に記憶されたデータの一部が、第三者によって改竄された状態の一例を模式的に示している。
【0144】
図19が示すように、端末記憶部43のうち、「03」から「F3」の各々のアドレスに対応付けられたアドレス空間と、「04」から「F4」の各々のアドレスに対応付けられたアドレス空間とに記憶されたデータが、第三者によって改竄される。この場合には、改竄されたデータに、第3アドレス空間43cに記憶された表示分割データ32と、第6アドレス空間43fに記憶された表示分割データ32とが含まれている。また、改竄されたデータに、第7アドレス空間43gに記憶された検知分割データ92、第8アドレス空間43h、第10アドレス空間43jに記憶された検知分割データ92、および、第12アドレス空間43lに記憶された検知分割データ92が含まれている。
【0145】
このように、端末記憶部43には、ランダムに割り当てられたアドレス空間に複数の表示分割データ32と、同じく、ランダムに割り当てられたアドレス空間に複数の検知分割データ92とが記憶されている。そのため、検知分割データ92を改竄する改竄者が、検知分割データ92のみを改竄することは難しく、こうした改竄者が検知分割データ92を改竄するときには、表示分割データ32にまで変更が加えられやすくなる。結果として、第三者の改竄によって、複数の表示分割データ32の一部と、複数検知分割データ92の一部とが改竄されている。
【0146】
[表示システムの処理]
図20を参照して表示システムの実行する処理を説明する。なお、以下では、表示制御装置11から表示端末12に送信されたデータのうち、図19を用いて説明したデータが第三者によって改竄された例を説明する。
【0147】
図20が示すように、表示制御装置11は、表示制御装置11から所定の範囲内に接続要求信号を送信し(ステップS101)、表示制御装置11の所定の範囲内に表示端末12が位置するとき、表示端末12が接続要求信号を受信して(ステップS102)、受信した接続要求信号に対応する接続応答信号を送信する(ステップS103)。このとき、接続応答信号には、表示端末12を特定するための情報、例えば、表示端末12のIDが含まれている。
【0148】
表示制御装置11が接続応答信号を受信し、表示制御装置11が、表示端末12のIDから表示端末12のIDが、表示送信データ34、および、検知送信データ94を送信すべき端末として認証する(ステップS104)。そして、表示制御装置11は、表示データ31に基づく表示送信データ34と、検知対象データ91に基づく検知送信データ94とを生成し(ステップS105)、表示送信データ34および検知送信データ94を表示端末12に送信する(ステップS106)。表示端末12は、表示送信データ34および検知送信データ94を受信し(ステップS107)、表示送信データ34ごとのアドレス空間に表示分割データ32を記憶し、かつ、検知送信データ94ごとのアドレス空間に検知分割データ92を記憶する(ステップS108)。
【0149】
なお、表示制御装置11は、表示端末12への表示送信データ34の送信に続いて、表示送信データ34に含まれる表示分割データ32から表示データ31を復元させるためのコマンドを生成する(ステップS109)。
【0150】
また、ステップS101からステップS108では、例えば、表示端末12の所持者が、表示制御装置11のリーダライタに表示端末12をかざして、リーダライタと表示端末12との間の距離を所定の距離以内に保っている。
【0151】
ここで、例えば、表示端末12が所持者の手を離れて、郵送などされているとき、改竄者によって、表示端末12に格納されたデータが改竄され(ステップS110)、これにより、表示端末12に格納されたデータの一部が改変される(ステップS111)。
【0152】
次いで、表示制御装置11が、表示制御装置11から所定の範囲内に接続要求信号を送信し(ステップS112)、表示制御装置11の所定の範囲内に表示端末12が位置するとき、表示端末12が接続要求信号を受信する(ステップS113)。そして、表示端末12は、受信した接続要求信号に対応する接続応答信号を送信する(ステップS114)。このとき、接続応答信号には、上述と同様、表示端末12の例えばIDが含まれている。
【0153】
表示制御装置11が接続応答信号を受信し、表示制御装置11が、表示端末12のIDから表示端末12が、表示送信データ34と検知送信データ94とを送信した表示端末12であるか否かを判断する(ステップS115)。そして、表示制御装置11が、表示端末12が表示送信データ34と検知送信データ94とを受信した端末であると判断すると、表示制御装置11が、表示端末12にコマンドを送信する(ステップS116)。
【0154】
表示端末12は、表示制御装置11の送信したコマンドを受信し(ステップS117)、コマンドを実行して複数の表示分割データ32から1つの表示データ31を復元する(ステップS118)。これにより、表示部44が、表示データ31に基づく情報を表示する(ステップS119)。
【0155】
なお、ステップS112からステップS119では、例えば、表示端末12の所持者が、表示制御装置11のリーダライタに表示端末12をかざして、リーダライタと表示端末12との間の距離を所定の距離以内に保っている。
【0156】
[表示システムの作用]
図21および図22を参照して表示システムの作用を説明する。なお、以下では、表示データ31が、例えば所定の画像を表示させるためのデータである例を説明する。
【0157】
図21が示すように、例えば、表示部44は、表示データ31に基づき画像Pを表示する。表示データ31が、例えば、6つの表示分割データ32から構成されるとき、各表示データ31は、画像Pにおける第1部分P1、第2部分P2、第3部分P3、第4部分P4、第5部分P5、および、第6部分P6のいずれかに対応するデータである。
【0158】
表示端末12が表示分割データ32と検知分割データ92とを記憶した後、表示分割データ32が改竄されなければ、表示分割データ32から復元された表示データ31に基づく画像Pは、第1部分P1から第6部分P6の全てを有した状態で、表示部44に表示される。
【0159】
一方で、図22が示すように、表示部44に表示された画像Pが、例えば、第3部分P3、および、第6部分P6を有していないとき、表示分割データ32のうち、第3部分P3に対応するデータと、第6部分P6に対応するデータとが改変されたことを検知することができる。そして、表示分割データ32の一部が改変されていることを検知することにより、表示分割データ32とともに端末記憶部43に記憶された検知分割データ92が改竄されている可能性が高いことを検知することができる。
【0160】
このように、表示分割データ32が、検知分割データ92とともに端末記憶部43に記憶されることによって、表示分割データ32に基づく画像Pが表示部44に表示されることで、検知分割データ92の改竄の有無を検知することが可能になる。それゆえに、検知対象データ91そのものが情報を表示させるデータでなくとも、また、検知分割データ92そのものを解析しなくとも、検知分割データ92の改竄の有無を検知することが可能になる。
【0161】
なお、こうした画像Pに基づく改竄の検知は、例えば、表示端末12の所持者などの人によって行われてもよいし、例えば、画像Pに関するデータが表示制御装置11や表示システム10の外部装置としてのサーバに送信されることによって、表示制御装置11やサーバによって行われてもよい。
【0162】
以上説明したように、第4実施形態の表示システムによれば、以下の効果を得ることができる。
(5)端末記憶部43は、ランダムに割り当てられたアドレスに複数の表示分割データ32を記憶し、さらに、ランダムに割り当てられたアドレスに複数の検知分割データ92を記憶する。そのため、検知分割データ92を改竄する改竄者が検知分割データ92のみを改竄することは難しく、こうした改竄者が検知分割データ92を改竄するときには、表示分割データ32にまで変更が加えられやすくなる。そして、表示端末12が表示分割データ32に基づく画像を表示する表示部44を備えているため、検知対象データ91を構成する検知分割データ92が改竄された場合には、表示端末12に表示される画像Pが、本来表示されるべき画像Pとは異なる画像になる。それゆえに、表示分割データ32に基づき表示部44に表示された画像Pが本来表示されるべき画像Pであるか否かによって、表示分割データ32に変更が加えられたか否か、ひいては、検知分割データ92が改竄されたか否かを検知することができる。
【0163】
なお、上述した第4実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・装置記憶部21は、検知用アドレスデータを記憶していなくともよく、こうした構成では、例えば、表示制御装置11以外の端末などが検知用アドレスデータを記憶していればよい。
【0164】
・表示制御装置11は、表示分割データ32から表示データ31を復元するコマンドに加えて、検知分割データ92から検知対象データ91を復元するコマンドを生成してもよい。こうした構成では、例えば、コマンド処理部42aが検知対象データ91を復元するコマンドを解釈して、複数の検知分割データ92を検知対象データ91における並び順に従って並べて1つの検知対象データを復元する。
【0165】
・表示分割データ32の一部が改変されたときには、コマンドが実行されても、表示部44に情報が全く表示されない構成でもよい。こうした構成であっても、上述した(5)に準じた効果を得ることはできる。
【0166】
・第4実施形態の表示システム10は、第1実施形態の変形例の各々の構成と組み合わせで実施することもできる。
・第4実施形態の表示システム10は、第2実施形態の構成と組み合わせて実施することもできる。すなわち、表示システム10は、表示制御装置11と表示端末12とに加えて、コマンド送信端末51を備える構成であってもよい。
【0167】
・第4実施形態の表示システム10は、第2実施形態の変形例の各々の構成と組み合わせて実施することもできる。
・検知対象データ91は、所定の画像を表示させるためのデータであってもよい。
【符号の説明】
【0168】
10…表示システム、11,70…表示制御装置、12…表示端末、13…通信、21,81…装置記憶部、22,82…装置制御部、22a,82a…データ生成部、22b,82b…コマンド生成部、23…送信部、31…表示データ、32…表示分割データ、33…表示用アドレス、34…表示送信データ、41…受信部、42…端末制御部、42a…コマンド処理部、43…端末記憶部、43a…第1アドレス空間、43b…第2アドレス空間、43c…第3アドレス空間、43d…第4アドレス空間、43e…第5アドレス空間、43f…第6アドレス空間、43g…第7アドレス空間、43h…第8アドレス空間、43i…第9アドレス空間、43j…第10アドレス空間、43k…第11アドレス空間、43l…第12アドレス空間、44…表示部、51…コマンド送信端末、61…コマンド受信部、62…コマンド制御部、63…コマンド記憶部、64…コマンド送信部、71…生成端末、72…データ送信端末、73…近距離無線通信、91…検知対象データ、92…検知分割データ、93…検知用アドレス、94…検知送信データ、P…画像、P1…第1部分、P2…第2部分、P3…第3部分、P4…第4部分。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22