特許第6489544号(P6489544)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーインスツル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6489544-電気化学セル 図000002
  • 特許6489544-電気化学セル 図000003
  • 特許6489544-電気化学セル 図000004
  • 特許6489544-電気化学セル 図000005
  • 特許6489544-電気化学セル 図000006
  • 特許6489544-電気化学セル 図000007
  • 特許6489544-電気化学セル 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6489544
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】電気化学セル
(51)【国際特許分類】
   H01G 11/82 20130101AFI20190318BHJP
   H01G 11/74 20130101ALI20190318BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20190318BHJP
   H01M 2/26 20060101ALI20190318BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20190318BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALI20190318BHJP
   H01G 9/08 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
   H01G11/82
   H01G11/74
   H01M2/02 Z
   H01M2/26 A
   H01M10/04 Z
   H01M10/0585
   H01G9/08 E
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-184409(P2014-184409)
(22)【出願日】2014年9月10日
(65)【公開番号】特開2016-58583(P2016-58583A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2017年7月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100166305
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118315
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 博道
(74)【代理人】
【識別番号】100120488
【弁理士】
【氏名又は名称】北口 智英
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 涼
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 忠仁
【審査官】 馬場 慎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−232569(JP,A)
【文献】 特開2012−227333(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 11/82
H01G 9/08
H01G 11/74
H01M 2/02
H01M 2/26
H01M 10/04
H01M 10/0585
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹状容器と、
前記凹状容器の外部に形成された外部端子と、
前記凹状容器の上面を塞ぐ蓋部と、
を備える電気化学セルであって、
前記凹状容器、及び前記蓋部によって形成される空間には、正極活物質、及び電解質が収容され、
前記凹状容器の底部内には、層間配線が形成されるとともに、前記外部端子と電気的に接続され、
前記凹状容器底面と前記層間配線との間の前記底部を貫通する貫通孔が形成され、
前記貫通孔の内部及び前記底面上には、前記層間配線及び前記正極活物質と接合する導電ペーストの硬化物が設けられ
前記貫通孔の下部の開口部の面積は、当該貫通孔の上部の開口部の面積より小さく形成されていることを特徴とする電気化学セル。
【請求項2】
前記貫通孔は、
上部貫通孔と、
前記上部貫通孔の下部に前記上部貫通孔より小さく形成され、かつ前記上部貫通孔と対をなす下部貫通孔と、を備え、
前記上部貫通孔と前記下部貫通孔との間に段差が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気化学セル。
【請求項3】
凹状容器と、
前記凹状容器の外部に形成された外部端子と、
前記凹状容器の上面を塞ぐ蓋部と、
を備える電気化学セルであって、
前記凹状容器、及び前記蓋部によって形成される空間には、正極活物質、及び電解質が収容され、
前記凹状容器の底部内には、層間配線が形成されるとともに、前記外部端子と電気的に接続され、
前記凹状容器底面と前記層間配線との間の前記底部を貫通する貫通孔が形成され、
前記貫通孔は、
上部貫通孔と、
前記上部貫通孔の下部に前記上部貫通孔より小さく形成され、かつ前記上部貫通孔と対をなす下部貫通孔と、を備え、
前記下部貫通孔には、前記層間配線と接合するビア配線が形成され、
前記上部貫通孔の内部及び前記底面上には、前記ビア配線及び前記正極活物質と接合する導電ペーストの硬化物が設けられていることを特徴とする電気化学セル。
【請求項4】
前記上部貫通孔及び前記下部貫通孔を含む前記貫通孔は、複数設けられている請求項2又は3に記載の電気化学セル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表面実装可能な電気化学セルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
小型の電子機器の内部基板に実装されるチップ型の電気化学セルは小型化・薄型化の要望が強い。このチップ型の電気化学セルは、主として内部に電極と電解質を収容可能な凹状容器と、凹状容器の開口部を塞ぐ蓋部とから構成されている。この凹状容器の電極等が収容される収容部の底面には、集電用の配線(内部配線)が設けられており、この内部配線の上面に正極活物質が配置されている。ところで、タングステン等の金属を正極の内部配線として使用する場合、電解質と直に接触した状態で充放電を行うと、電圧の印加により内部配線が電解質中に溶出する。このため、実用化されている電気化学セルにおいては、内部配線を保護すべく、弁金属であるアルミニウムを使用したアルミニウム保護膜を内部配線の表面に設けている。このアルミニウム保護膜は、セラミック製の凹状容器と内部配線や外部端子となる配線とを一括して焼成した後、蒸着等により形成される。そして正極活物質は、内部配線の上面に形成されたアルミニウム保護膜に導電ペースト(導電性接着剤)を塗布し、接着することにより接合される。
【0003】
一方、アルミニウム保護膜を設けずに導電ペーストのみで内部配線を保護することができれば、アルミ蒸着等の工程を省くことができるためコストダウンに繋がる。ここで、以下の特許文献において、導電ペーストのみで内部配線を保護する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−232569号公報
【特許文献2】特開2012−227333号公報
【特許文献3】特開2012−44074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、導電ペーストは、導電性の炭素材料とフェノール樹脂等とを組み合わせて製造されるが、導電ペーストが硬化した樹脂は、内部に空隙を有しやすい。そのため、樹脂内の空隙を電解質が伝わり、内部配線に達すると、そこから腐食が発生する。また、凹状容器の収容部の底面と樹脂との間の隙間を伝って電解質が内部電極に達する虞もある。
このような課題に対し、特許文献1及び特許文献2に記載の発明では、導電ペーストを薄く塗布すると、樹脂内の空隙を電解質が伝って内部配線を十分に保護できない。また、導電ペーストを厚く塗布すると、内部配線を保護できるものの、電気化学セルの薄型化が達成できない。さらに、特許文献3の図2(d)に記載の発明を小型の電気化学セルに適用すると、縦に長い貫通孔に導電ペーストを隙間なく充填することが難しく実用化にまでは至っていない。
【0006】
そこで本発明は、導電ペーストを用いても内部配線を十分に保護することが可能な、低コストの電気化学セルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(請求項1)
本発明のうち請求項1に記載の発明は、凹状容器2と、凹状容器2の外部に形成された外部端子(正極外部端子6d)と、凹状容器2の上面を塞ぐ蓋部4と、を備える電気化学セル1であって、凹状容器2、及び蓋部4によって形成される空間には、正極活物質8、及び電解質11が収容され、凹状容器2の底部2b内には、層間配線6cが形成されるとともに、外部端子(正極外部端子6d)と電気的に接続され、凹状容器2底面と層間配線6cとの間の底部2bを貫通する貫通孔20が形成され、貫通孔20の内部及び前記底面上には、層間配線6c及び正極活物質8と接合する導電ペーストの硬化物が設けられ、貫通孔20の下部の開口部の面積は、貫通孔20の上部の開口部の面積より小さく形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明において、「凹状容器2底面」とは、凹状容器2によって形成される収容部2aの底面、換言すると、凹状容器2の底部2bの上面に相当する。
(作用・効果)
本発明では、凹状容器2の底部2bに貫通孔20を設けるとともに、貫通孔20に導電体6aを充填することにより、底部2b内部に形成した層間配線6cと正極活物質8とを接合する。この層間配線6cは、正極活物質8と正極外部端子6dとを電気的に接続するとともに、貫通孔20において露出している部分が集電用の配線部分となる。また、この導電体6aには、例えば、炭素素材とフェノール系樹脂からなる導電ペーストを用いることができる。
【0009】
本発明によれば、貫通孔20に導電ペーストを充填することにより、導電ペーストの厚さを確保することができるため、導電ペーストが硬化し形成される導電体6aの内部に空隙があったとしても、空隙を伝って電解質11が層間配線6cに到達することを防止することができる。
また、貫通孔20は下部の開口部の面積が貫通孔20の上部の開口部の面積より小さく形成されている。換言すると、上部の開口部が下部の開口部よりも広いため、導電ペーストを貫通孔20に充填しやすくなり、導電ペーストが硬化して形成される導電体6aと貫通孔20の内面との隙間の発生を防止することができる。このため、導電体6aと貫通孔20の内面との隙間を伝って電解質11が層間配線6cに到達することを防止することができる。
【0010】
(請求項2)
本発明のうち請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の特徴に加えて次の特徴を有する。
すなわち、貫通孔20は、上部貫通孔21と、上部貫通孔21の下部に上部貫通孔21より小さく形成され、かつ上部貫通孔21と対をなす下部貫通孔22と、を備え、上部貫通孔21と下部貫通孔22との間に段差が形成されていることを特徴とする。
(作用・効果)
本発明によれば、段差を有する貫通孔20を形成することにより、下部貫通孔22の内面のみならず下部貫通孔22の上部の開口部とその周囲を覆うように導電体6aを設けることができる。このため、導電体6aと上部貫通孔21の内面との間に隙間があり、この隙間を電解質11が伝うことがあっても、下部貫通孔22の上部の開口部の周囲で食い止めることができ、電解質11が層間配線6cに到達することを防止することができる。
【0011】
(請求項3)
本発明のうち請求項3に記載の発明は、凹状容器2と、凹状容器2の外部に形成された外部端子(正極外部端子6d)と、凹状容器2の上面を塞ぐ蓋部4と、を備える電気化学セル1であって、凹状容器2、及び蓋部4によって形成される空間には、正極活物質8、及び電解質11が収容され、凹状容器2の底部2b内には、層間配線6cが形成されるとともに、外部端子(正極外部端子6d)と電気的に接続され、凹状容器2底面と層間配線6cとの間の底部2bを貫通する貫通孔20が形成され、貫通孔20は、上部貫通孔21と、上部貫通孔21の下部に上部貫通孔21より小さく形成され、かつ上部貫通孔21と対をなす下部貫通孔22と、を備え、下部貫通孔22には、層間配線6cと接合するビア配線6bが形成され、上部貫通孔21の内部及び前記底面上には、ビア配線6b及び正極活物質8と接合する導電ペーストの硬化物が設けられていることを特徴とする。
【0012】
本発明は、下部貫通孔22にビア配線を形成したものである。
(作用・効果)
本発明によれば、請求項1記載の発明と同様に貫通孔20に導電ペーストを充填することにより、導電ペーストの厚さを確保することができるため、導電ペーストが硬化し形成される導電体6aの内部に空隙があったとしても、空隙を伝って電解質11が層間配線6cに到達することを防止することができる。また、ビア配線6bの上面を覆うように導電体6aを設けることができるため、導電体6aと上部貫通孔21の内面との間に隙間があり、この隙間を電解質11が伝うことがあっても、ビア配線6bの上面で食い止めることができ、電解質11が層間配線6cに到達することを防止することができる。
(請求項4)
本発明のうち請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明の特徴に加えて次の特徴を有する。
すなわち、上部貫通孔21及び下部貫通孔22を含む貫通孔20は、複数設けられている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、導電ペーストを用いても内部配線を十分に保護することが可能な、低コストの電気化学セルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施の形態の電気化学セルの垂直断面図である。
図2】第1の実施の形態の電気化学セルの凹状容器の平面図である。
図3】第1の実施の形態の電気化学セルの貫通孔の(A)拡大断面図、及び(B)斜視図である。
図4】第2の実施の形態の電気化学セルの垂直断面図(図5のA−A断面図)である。
図5】第2の実施の形態の電気化学セルの凹状容器の平面図である。
図6】第3の実施の形態の電気化学セルの垂直断面図である。
図7】第3の実施の形態の電気化学セルの凹状容器の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施の形態)
(電気化学セル1)
本実施の形態の電気化学セル1は、その外観が略立方形状である。大きさは、例えば、長さ3.2mm×幅2.5mm×高さ0.9mm、又は長さ2.5mm×幅2.0mm×高さ0.7mmとすることができる。図1及び図2に示すとおり、電気化学セル1は、内部に収容部2aを有する絶縁材料からなる有底四角筒状の凹状容器2と、凹状容器2の上端面に接合された四角枠状のシールリング3と、シールリング3の上面に接合され、かつ、シールリング3の上面を塞ぐ四角板状の蓋部4とから構成されている。
【0016】
凹状容器2の収容部2aには、正極及び負極からなる一対の電極と電解質などが収容されている。具体的には、収容部2aには図1に示すように、収容部2aの底面に充填されている導電体6aに接合される正極活物質8と、正極活物質8の上に設置されるセパレータ10と、セパレータ10により正極活物質8と隔離された負極活物質9が収容されている。なお、負極活物質9と蓋部4とは接着部7aにて接合されている。また、収容部2a内は、電解質11で満たされている。
(凹状容器2)
凹状容器2は、上方を開放した箱体状のセラミックからなる容器であって、長方形状の底部2bと、底部2bの外縁に立設した長方形枠状の壁部2cを有している。また、図1に示すとおり、底部2bの厚さの略半分の位置には層間配線6cが形成されている。この層間配線6cは、底部2bの中央部から凹状容器2の側面に向けて形成されている。また、凹状容器2の側面に露出した層間配線6cの露出部分から底部2bの下面にかけて正極外部端子6dが延設形成されている。また、正極外部端子6dのある凹状容器2の側面と対向する側面には、凹状容器2の上面から、壁部2cを経て底部2bの下面にかけて負極外部端子7bが形成されている。さらに、収容部2aの底面中央部(図2参照)には、収容部2aの底面から底部2bの厚さの略半分の位置に向けて、貫通孔20が形成されている。そして、貫通孔20の下部の開口部には層間配線6cが露出している。
【0017】
(貫通孔20)
貫通孔20は、図3(A)及び(B)に示すように、その上部略半分は上部貫通孔21として、その下部略半分は、上部貫通孔21より縮径された下部貫通孔22として形成されている。この貫通孔20は、導電体6aとなる導電ペーストが充填される部分となる。そして、貫通孔20に導電ペーストが充填されることにより、集電用の配線としての層間配線6cが電解質11と直に接触することを防ぐことができる。
導電ペーストが硬化し形成される導電体6aの内部に空隙ができることを想定すると、貫通孔20の高さはできるだけ高いことが望ましい。また、貫通孔20の下部の開口部は、層間配線6cの露出部分となる。したがって、保護すべき層間配線6cの面積を少なくするためには、下部の開口部の面積は極力小さい方が望ましい。一方、導電ペーストはシリンジにより塗布を行うが、貫通孔20の内径が小さく、また、高さが増すほど内面への塗布が難しくなり充填が不完全となる。そのため、貫通孔20の内面に隙間を生ずることなく確実に充填を行うためには、貫通孔20の上部の開口部が下部の開口部より大きいことが望ましい。上記の事情を考慮した結果、凹状容器2の底部2bに底部2bの厚さ未満で、かつ、層間配線6cが形成可能な範囲の高さで貫通孔20を設けるとともに、下部の開口部の面積が貫通孔20の上部の開口部の面積より小さくなるように形成することとした。具体的には、上部貫通孔21と、上部貫通孔21の下部に上部貫通孔21より小さく形成された下部貫通孔22とを段状に形成した。
【0018】
本実施の形態の電気化学セル1では、上部貫通孔21の内径は0.3から0.5mmであるが、導電ペーストの充填が可能な程度に小さく形成することが望ましい。また、下部貫通孔22の内径は上部貫通孔21の半分程度としている。さらに、上部貫通孔21及び下部貫通孔22の高さについては、それぞれ0.075mmとしている。なお、底部2bの厚さに対して、貫通孔20の内径が大きすぎると、底部2bの貫通孔20部分が薄くなるため、容器の強度や耐熱性を確保することができない。
なお、本実施の形態の貫通孔20は、上部貫通孔21と、上部貫通孔21の下部に上部貫通孔21より小さく形成された下部貫通孔22とが段状に形成されているが、これに限らない。例えば、上部貫通孔21と下部貫通孔22との間に、両者の中間の内径を持つ中部貫通孔を設けてもよい。すなわち、貫通孔20に形成する段の数を増やすことができる。また、貫通孔20の上部の開口部の面積が下部の開口部の面積よりも大きく形成されていれば、テーパー状の孔であっても構わない。さらに、貫通孔20の開口部は円形に限らず、楕円形や長円形であってもよい。
【0019】
(凹状容器2の製造方法)
凹状容器2は、アルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化アルミ、ムライト及びこれらの複合材料からなる群から選ばれた少なくとも1種類を含むセラミックから構成されている。一方、層間配線6c、正極外部端子6d及び負極外部端子7bは、タングステン、モリブデン、ニッケル、金及びこれらの複合材料から形成されている。
この凹状容器2は、長方形状に打ち抜かれた底部2bに対応するセラミックグリーンシートに、長方形枠状に打ち抜かれた壁部2cに対応するセラミックグリーンシートを貼り合せた後、焼成することにより形成される。この際、あらかじめセラミックグリーンシートに電極のパターンを印刷しておけば、層間配線6c、正極外部端子6d及び負極外部端子7bを形成することができる。また、あらかじめセラミックグリーンシートに孔を開ければ貫通孔20を形成することができる。
【0020】
具体的に説明すると、まず、第1層として、長方形状に打ち抜かれたセラミックグリーンシートを用意する。そして、このセラミックグリーンシートに、タングステンペーストを用いて層間配線6c、正極外部端子6d及び負極外部端子7bに対応するパターンを印刷する。次に、第2層として、第1層と同じく長方形状に打ち抜かれたセラミックグリーンシートを用意する。そして、このセラミックグリーンシートの中央部に、パンチングにより下部貫通孔22となる孔を開口する。次に、第3層として、第1層及び第2層と同じく長方形状に打ち抜かれたセラミックグリーンシートを用意する。そして、このセラミックグリーンシートの中央部に、パンチングにより第2層に開口した孔よりも径の大きい孔、すなわち上部貫通孔21となる孔を開口する。この第1層から第3層までが底部2bとなる。
【0021】
さらに、第4層として、長方形枠状に打ち抜かれた壁部2cに対応するセラミックグリーンシートを用意する。そして第1層から第4層までのセラミックグリーンシートを貼り合せた後、約1500℃で一括焼結することにより、凹状容器2を形成することができる。本実施の形態では、第2層及び第3層に厚さ0.075mmのセラミックグリーンシートを使用している。ここで、第2層に下部貫通孔22を、第3層に上部貫通孔21をそれぞれ形成していることから、上部貫通孔21及び下部貫通孔22の高さは共に0.075mmとなる。
【0022】
(導電体6a)
導電体6aは収容部2aの底面と正極活物質8とを接着する導通性接着剤として機能するともに、層間配線6cと正極活物質8とを電気的に接続するものである。また、導電体6aは収容部2aの底面を覆うとともに、貫通孔20に充填されている。この導電体6aは、導電材と樹脂バインダーからなる液状の導電ペーストを固化させたものである。この導電ペーストの材質は、硬化後に十分な密度を保つことができるものが望ましい。また、硬化後に空隙が発生し難いものが望ましい。
【0023】
ここで、収容部2aの底面と正極活物質8を接着するために塗布される導電ペーストは、収容部2aの底面に正極活物質8の底面とほぼ同程度の範囲で塗布される。なお、正極活物質8の接着、及び層間配線6cとの電気的接続を達成していれば、正極活物質8の底面よりも小さい範囲の塗布や、収容部2aの底面全面の塗布など、導電ペーストの塗布の範囲は問わない。
導電ペーストに配合される導電材としては、黒鉛、カーボンブラックなどの炭素素材の他、粒子(粉末)状の金属を用いることができる。例えば、アルミニウムや金などの貴金属を用いることができる。樹脂バインダーとしては、例えば、フェノール系樹脂が挙げられる。導電ペーストの粘度は、低い方が塗布の際の作業性が向上するが、低すぎると溶剤を伴って導電性のペーストが収容部2aの底面から壁部2cの内面を這い上がる。そして、這い上がった状態で乾燥硬化すると壁部2cの内面が導電性の状態となるため、正極活物質8及び負極活物質9を積層したときにショートが生じる虞がある。
【0024】
導電体6aを収容部2aの底面に形成する際は、導電ペーストを収容部2aの底面に塗布した後、凹状容器2を加熱する。そして、加熱により溶媒を乾燥させてフェノール系樹脂成分を重合(固化)させると、フェノール系の樹脂をバインダーとし、炭素を導電体とする樹脂製の導電体6aが形成される。
この導電ペーストの塗布に際しては、貫通孔22から収容部2aの底面にかけて段階的に行う。まず、導電ペーストを注入したシリンジから下部貫通孔22に導電ペーストを塗布により充填し、加熱乾燥させる。次に、同様にシリンジから上部貫通孔21に導電ペーストを塗布により充填し、加熱乾燥させる。そして、収容部2aの底面において正極活物質8が置かれる位置に導電ペーストを塗布し、ここに正極活物質8を置いた上で、加熱乾燥させる。これにより、正極活物質8は収容部2aの底面と接着されるとともに、層間配線6cと電気的に接続される。
【0025】
なお、導電ペーストを貫通孔22に充填する際は、隙間なく充填する点に留意する必要がある。特に、層間配線6cとの間に隙間が生じると導通不良の原因となる。また、貫通孔22の内面との間に隙間が生じると電解質11が層間配線6cまで伝わり、層間配線6cを腐食させる原因となる。
なお、本実施の形態では、導電ペーストを段階的に塗布しているが、一度に塗布してもよい。
(シールリング3)
シールリング3は、図1に示すように、凹状容器2の壁部2cの上端面の形状に合わせた四角枠状の断面を有しており、壁部2cの上端面にロウ材を介して接合されている。このシールリング3は、熱膨張係数がセラミックの熱膨張係数と近いコバールなどを用いることができる。また、ロウ材は、Ag−Cu合金やAu−Cu合金などから形成されている。
【0026】
(蓋部4)
蓋部4は、シールリング3の上面に接合されており、凹状容器2の収容部2aを密封している。蓋部4には、熱膨張係数がセラミックの熱膨張係数と近いコバールや42alloyなどの合金にニッケルメッキを施したものが使用される。このような材料を用いた蓋部4は、例えば、抵抗シーム溶接、レーザーシーム溶接、電子ビーム溶接などによってシールリング3に溶接させることができ、塞がれた状態の収容部2aの気密性を向上させる。なお、シールリング3を使用せず、壁部2cの上端面と蓋部4とをロウ材を介して接合させてもよい。
【0027】
本実施の形態の蓋部4は、導電性を有する材料であるため、蓋部4自体が負極集電体としての役割を果たしている。一方、蓋部4に耐熱樹脂、ガラス、セラミック又はセラミックガラス等の材料を使用した場合、蓋部4の下面に負極集電体を形成する必要がある。この負極集電体は、耐食性に優れかつ膜厚法での形成が可能なタングステン、銀や金を使用することが好ましい。
また、蓋部4と負極活物質9との間に設けられた接着部7aは、導通性接着剤から形成されており、この導通性接着剤については、導電体6aに使用される導電ペーストと同様のものを用いることができる。蓋部4がシールリング3に接合されることにより、負極活物質9と負極外部端子7bとが電気的に接続される。
【0028】
(正極活物質8及び負極活物質9)
正極活物質8と負極活物質9は、電気化学セルを電気二重層キャパシタとして使用する場合には、それぞれおが屑、椰子殻、ピッチなどを賦活処理して得られる活性炭粉末を、適当なバインダーと一緒にプレス成型、又は圧延ロールしたものを用いることができる。また、フェノール系、レーヨン系、アクリル系、ピッチ系などの繊維を、不融化及び炭化賦活処理して活性炭又は活性炭繊維とし、これをフェルト状、繊維状、紙状、又は焼結体状にして用いてもよい。またポリアニリン(PAN)やポリアセンなども用いてもよい。
【0029】
また、正極活物質8は、電気化学セルを電池として使用する場合には、リチウム含有マンガン酸化物、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物、リチウム含有チタン酸化物、三酸化モリブデン、五酸化ニオブなど、従来から知られている活物質に適当なバインダーと導電助剤であるグラファイトを混合したものを用いることができる。
また、負極活物質9は、電気化学セルを電池として使用する場合には、炭素、リチウム−アルミニウムなどのリチウム合金、シリコンやシリコン酸化物など従来から知られている活物質に適当なバインダーと導電助剤であるグラファイトを混合したものを用いることができる。
【0030】
(セパレータ10)
セパレータ10には、大きなイオン透過度を有し、機械的強度を有する絶縁膜を用いることができる。リフローハンダ付けにおける炉での実装と、蓋部4との溶接による熱影響を考慮すると、セパレータ10は、熱的、機械的耐性に優れたガラス繊維を用いることができる。また、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレンなどの樹脂を用いてもよい。
(電解質11)
電解質11は、公知の電気二重層キャパシタや非水電解質二次電池に用いられる液体状、ゲル状のものが好ましい。
【0031】
液体状及びゲル状の電解質11に用いられる有機溶媒には、アセトニトリル、ジエチルエーテル、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボーネート、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、γ−ブチロラクトン(γBL)、スルホラン、プロピオン酸エステル、鎖状スルホンなどがあり、これらを単一または混合して用いことができる。
特に、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、γ−ブチロラクトン(γBL)、スルホランなどの高沸点の主溶媒に対し、プロピオン酸エステルや鎖状スルホンを副溶媒として含有させたものが適しているが、これらに限定されるものではない。
【0032】
液体状及びゲル状の電解質11に含まれる材料には、(CPBF、(CPBF、(CH)(CNBF、(CNBF、(CPPF、(CPCFSO、(CNPF、過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CFSO]、チオシアン塩、アルミニウムフッ化塩、リチウム塩などを用いることができる。液体状の電解質11の支持塩としては、4級アンモニウム塩、4級フォスフォニウム塩などが挙げられる。この4級アンモニウム塩としては、脂肪鎖のみを有する化合物、脂肪鎖と脂肪環を有する脂環式化合物、もしくは脂肪環のみを有するスピロ化合物が挙げられる。特に、スピロ化合物である5−アゾニアスピロ[4,4]ノナンテトラフルオロボレート(スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウム:SBP−BF4)は電気伝導率が高いため使用に適しているが、これに限定するものではない。
【0033】
また、ゲル状の電解質11は、液体状の電解質をポリマーゲルに含浸させたものである。ポリマーゲルとしては、ポリエチレンオキシド、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデンが適しているが、これらに限定するものではない。
更に、ピリジン系や脂環式アミン系、脂肪族アミン系やイミダゾリウム系のイオン性液体やアミジン系等の常温溶融塩を用いても構わない。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、貫通孔22を収容部2aの底面中央の1カ所に形成しているが、複数形成してもよい。例えば、第2の実施の形態として、収容部2aの底面4カ所に貫通孔22を形成した例を図4及び図5に示す。以下、第1の実施の形態との相違点のみ説明する。
【0034】
本実施の形態の凹状容器2の収容部2aの底面には、上部貫通孔21及び下部貫通孔22からなる貫通孔20が4個形成されている。本実施の形態の4個の貫通孔20は、図4に示すように、長さ方向の中心線に対して左右非対称に配置されている。なお、貫通孔20の配置方法については、上下左右対称に配置してもよいし、収容部2aの底面に不均等に配置してもよい。
この凹状容器2は、第1の実施の形態の凹状容器2と同様に、長方形状に打ち抜かれた底部2bに対応するセラミックグリーンシートに、長方形枠状に打ち抜かれた壁部2cに対応するセラミックグリーンシートを貼り合せた後、焼成することにより形成される。この際、下部貫通孔22を形成するセラミックグリーンシートには、パンチングにより4個の孔を開口する。また、上部貫通孔21を形成するセラミックグリーンシートには、4個の下部貫通孔22に対応する位置にパンチングにより4個の孔を開口する。そして、凹状容器2となる全てのセラミックグリーンシートを貼り合せた後、約1500℃で一括焼結することにより、凹状容器2を形成することができる。
【0035】
なお、第2の実施の形態では、各貫通孔20の下部の開口部付近から正極外部端子6dに向かう層間配線6cを独立した配線とした。これにより、仮に1の貫通孔20に充填されている導電体6aにおいて電解質11が層間配線6cまで伝わり、この層間配線6cが腐食したとしても、他の層間配線6cに腐食が及ぶことを防ぐことができる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態は、図6及び図7に示すように、第1の実施の形態の下部貫通孔22にビア配線6bを設けたものである。以下、第1の実施の形態との相違点のみ説明する。
【0036】
本実施の形態の貫通孔20のうち、下部貫通孔22には下部の開口部から上部の開口部にかけてビア配線6bが形成されている。
本実施の形態の凹状容器2は、第1の実施の形態の凹状容器2と同様に、長方形状に打ち抜かれた底部2bに対応するセラミックグリーンシートに、長方形枠状に打ち抜かれた壁部2cに対応するセラミックグリーンシートを貼り合せた後、焼成することにより形成される。この際、下部貫通孔22を形成するセラミックグリーンシートには、パンチングにより孔を開口した後、炭素と樹脂を混合したペーストを充填する。また、上部貫通孔21を形成するセラミックグリーンシートには、下部貫通孔22に対応する位置にパンチングにより下部貫通孔22よりも径の大きい孔を開口する。
そして、凹状容器2となる他のセラミックグリーンシートと貼り合せた後、約1500℃で一括焼結することにより、凹状容器2を形成することができる。
【0037】
一括焼結することにより、下部貫通孔22に充填したペーストがビア配線6bとなる。なお、ビア配線6bに使用するペーストとしては、炭素と樹脂を混合したペーストに限らず、タングステン、モリブデン、ニッケル、金、又はこれらの複合材料と樹脂を混合したペーストを用いてもよい。
導電体6aを収容部2aの底面に形成する工程は、下部貫通孔22に導電ペーストを充填する必要がない以外は、第1の実施の形態と同様である。すなわち、導電ペーストを注入したシリンジから上部貫通孔21に導電ペーストを充填し、加熱乾燥させる。そして、収容部2aの底面に導電ペーストを充填し、正極活物質8を置いた上で、加熱乾燥させる。なお、本実施の形態では、導電ペーストを段階的に塗布しているが、一度に塗布してもよい。
【0038】
(まとめ)
本実施の形態では、凹状容器2の底部2bに貫通孔20を設けるとともに、貫通孔20に導電体6aを充填することにより、底部2b内部に形成した層間配線6cと正極活物質8とを接合する。この導電体6aには、例えば、炭素素材とフェノール系樹脂からなる導電ペーストを用いることができる。本実施の形態によれば、貫通孔20に導電ペーストを充填することにより、導電ペーストの厚さを確保することができ、導電ペーストが硬化し形成される導電体6aの内部に空隙があったとしても、空隙を伝って電解質11が層間配線6cに到達することを防止することができる。
【0039】
また、収容部2aの底面に導電ペーストを厚く塗布する方法の場合、収容部2aの収容空間が減ることになる。このため、電極等(正極活物質8、負極活物質9、セパレータ10)の収容空間を確保するためには、壁部2cを高くするか、または、底部2bを薄くする必要がある。しかし、壁部2cを高くする場合、電気化学セル1の高さが増すため、薄型化の要望に反することになる。一方、底部2bを薄くする場合、凹状容器2の断熱性が低くなり、リフローハンダ付けを行う上で好ましくない。本実施の形態によれば、収容部2aの底面の一部に形成した貫通孔20に導電ペーストを厚めに充填可能としているため、壁部2cを高くすることなく、また、底部2bを薄くすることなく層間配線6cを保護することができる。
【0040】
さらに、貫通孔20は下部の開口部の面積が貫通孔20の上部の開口部の面積より小さく形成されている。換言すると、上部の開口部が下部の開口部よりも広く形成されている。そのため、液状の導電ペーストを塗布により貫通孔20に充填しやすくなり、貫通孔20の内面に隙間を生じさせることなく確実に充填することができる。これにより、導電ペーストが硬化して形成される導電体6aと貫通孔20の内面との隙間の発生を防止することができる。そして、導電体6aと貫通孔20の内面との隙間を伝って電解質11が層間配線6cに到達することを防止することができる。
【0041】
ビア配線又は内部配線が電解質11と直に接触していると、充放電の際、電圧の印加によって電解質11中に溶出してしまう。これを防止するために、ビア配線又は内部配線をアルミニウム保護膜などで保護する必要がある。このアルミニウム保護膜は、凹状容器2の壁部2cの内面にマスクを施し、該凹部内に蒸着、スパッタ等の方法で形成する必要がある。本実施の形態によれば、本来、ビア配線又は内部配線と正極活物質8とを接着するだけに用いられる導電ペーストを配線の保護にも使用することが可能になる。したがって、アルミニウム保護膜などを形成する工程を削減でき、製造コストを下げることができる。
【0042】
なお、導電体6aにおいて、貫通孔20に充填される導電ペーストと収容部2aの底面と正極活物質8とを接着する導電ペーストについて、それぞれ異なる導電性材料を用いてもよい。具体的には、貫通孔20に充填される導電ペーストは、導電性及び耐食性に優れたアルミニウムを主成分とするものを用い、収容部2aの底面と正極活物質8とを接着する導電ペーストは、安価な炭素素材を主成分とするものを用いることができる。また、貫通孔20のうち下部貫通孔22に充填される導電ペーストのみアルミニウムを主成分とするものを用い、上部貫通孔21に充填される導電ペースト及び収容部2aの底面と正極活物質8とを接着する導電ペーストは、炭素素材を主成分とするものを用いてもよい。
【0043】
なお、導電ペーストが硬化し形成される導電体6aの内部の空隙を低減するために、導電ペーストを塗布により貫通孔20に充填した後、減圧することにより、充填の際、導電ペーストと一緒に巻き込んだ気泡を脱泡することができる。
なお、層間配線6a及びビア配線6bの露出部分は金―ニッケルメッキが施されていてもよい。これにより、導電体6aとの接触抵抗を減らすことができる。
【符号の説明】
【0044】
1 電気化学セル
2 凹状容器 2a 収容部
2b 底部 2c 壁部
3 シールリング 4 蓋部
6a 導電体 6b ビア配線
6c 層間配線 6d 正極外部端子
7a 接着部 7b 負極外部端子
8 正極活物質 9 負極活物質
10 セパレータ 11 電解質
20 貫通孔 21 上部貫通孔
22 下部貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7