(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記作成手段は、分岐点の形状を示す分岐点形状画像に、前記進行方向毎に作成した前記前方看板画像または前記合成方面看板画像を分岐点の各進行方向に対応付けて重畳した分岐点拡大図を作成し、
前記表示手段は、前記作成手段が作成した前記分岐点拡大図を表示する、
請求項1ないし3いずれか1つに記載の電子装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、各分岐点には、当該分岐点の分岐先を示す方面情報を記載した看板が設置されている。例えば、
図17(a)に示す分岐点のように、1つの分岐点に対して、分岐点の数百m手前に設置された案内看板SG1や分岐地点に設置された確認看板SG2など複数の方面看板が設置されているところが存在する。
これらの案内看板と確認看板を設置する位置は、「分岐点の手前300m以内」などとおおかたの設置範囲は決められているが、明確に「〇〇m手前に設置」というような基準がないため、全ての分岐点の案内看板および確認看板が分岐点に対して同じ距離に設置されているわけではない。
ナビゲーション装置には、このような案内看板と確認看板の方面情報を地図データベースに格納しているが、方面看板の設置位置の情報は地図データ提供会社によって整備されていないため、地図データベースに格納されていない。よって、看板の設置位置の情報がないため、これらの方面看板の方面情報は、その方面看板が示す1つの分岐点に紐付けて格納せざるを得なかった。
【0006】
ナビゲーション装置で、分岐点での進行方向を案内するとき、地図データベースの分岐点の情報から分岐点拡大図を作成し、ディスプレイに表示して誘導案内を行っているが、上述するように、これらの方面看板の設置位置は分岐点毎に多様であり、かつ、設置位置の情報がないため、案内看板から確認看板に切り替える最適なタイミングを設定することができず、どちらか一方の方面情報のみを用いて誘導案内している。例えば、本来なら案内看板が見える位置を走行中(PO1)には案内看板を表示し、その後、案内看板を通過し、確認看板が見える位置を走行中(PO2)には確認看板を表示したいが、案内看板から確認看板に切り替える最適なタイミングが分からず、分岐点の所定距離手前から分岐点までの分岐点拡大図を表示する区間SC1で、案内看板SG1の方面情報を用いて、
図17(b)に示す分岐点拡大
図FG1を表示している。
【0007】
このとき、案内看板と確認看板の方面情報が同じ場合には特に問題は発生しないが、
図17(a)のように、案内看板と確認看板の情報が全く異なる場合には、案内看板から案内分岐点までの区間SC2において、実際にユーザが目で見ている方面看板の中に、ナビゲーション装置が表示している方面看板に同じ方面情報が存在しない。例えば、
図17(a)のように、直進方向に分岐する道路に対する案内看板SG1と確認看板SG2の方面情報は同じであるため、区間SC1において、ユーザには確認看板SG2に記載された「L方面」の方面情報が見えており、ナビゲーション装置が表示する分岐点拡大
図FG1も「L方面」の方面情報を表示するため、問題ない。しかし、右方向に分岐する道路に対する案内看板SG1と確認看板SG2の方面情報が異なるため、区間SC2において、ユーザには確認看板SG2に記載された「O方面」、「P方面」、「Q方面」の3つの方面情報が見えているが、ナビゲーション装置が表示する分岐点拡大
図FG1には「M方面」、「N方面」の方面情報が表示されており、同じ方面情報が存在していないことになってしまう。
それにより、ユーザは本当にナビゲーション装置が案内する方向に進んでいいのか戸惑ってしまう。
以上のことから、従来のナビゲーション装置は、分岐点での誘導案内において、地図データベースに格納されている方面看板の情報を有効に活用しきれていないと言える。
また、上述する特許文献1は、このような課題を解決するための構成を何ら示すものではない。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みて創作されたものであり、その目的は、地図データベースに格納される複数の看板情報を有効に活用し、ユーザが実際に目で見ている看板とナビゲーション装置が指し示す看板の情報との不一致を低減させることができる電子装置、およびその誘導案内方法、誘導案内プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電子装置は、目的地までの経路上に存在する案内ポイントで誘導案内を行うナビゲーション機能を備えた電子装置であって、分岐点より前方に設置された方面看板の前方看板情報と、当該分岐点より後方に設置された方面看板の後方看板情報と、を分岐点毎に格納する方面看板情報格納手段と、前記前方看板情報と前記後方看板情報を比較し、共通する看板情報が存在するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果により存在すると判定されたとき、前記前方看板情報を用いて前記案内ポイントで誘導案内を行い、前記判定手段の判定結果により存在しないと判定されたとき、前記前方看板情報と前記後方看板情報を組み合わせて前記案内ポイントで誘導案内を行う誘導案内手段と、を有する。
【0010】
なお、前記誘導案内手段は、前記判定手段の判定結果により存在すると判定されたとき、前記前方看板情報を用いて前方看板画像を作成し、前記判定手段の判定結果により存在しないと判定されたとき、前記前方看板情報と前記後方看板情報を組み合わせた合成方面看板画像を作成する作成手段と、前記作成手段が作成した前記前方看板画像または前記合成方面看板画像を表示する表示手段と、を有する。
好ましくは、前記作成手段は、前記合成方面看板画像を作成する際、前記前方看板情報と前記後方看板情報のそれぞれ一番目に格納された看板情報を組み合わせて作成する。
【0011】
さらに、前記判定手段は、前記分岐点の進行方向毎に前記判定を行い、前記作成手段は、前記分岐点の進行方向毎に、前記判定結果に応じて、前記前方看板画像または前記合成方面看板画像の作成を行い、前記表示手段は、前記分岐点の進行方向毎に、前記作成手段が作成した前記前方看板画像または前記合成方面看板画像を表示する。
または、前記判定手段は、前記分岐点の各進行方向のうち、前記経路上の進行方向に対してのみ、前記判定を行い、前記作成手段は、前記経路上の進行方向に対して、前記判定手段による前記判定結果に応じて、前記前方看板画像または前記合成方面画像の作成を行い、前記経路以外の進行方向に対して、前記前方看板画像を作成する。
【0012】
さらに、前記作成手段は、分岐点の形状を示す分岐点形状画像に、前記進行方向毎に作成した前記前方看板画像または前記合成方面看板画像を分岐点の各進行方向に対応付けて重畳した分岐点拡大図を作成し、前記表示手段は、前記作成手段が作成した前記分岐点拡大図を表示する。
【0013】
また、本発明の電子装置は、目的地までの経路上に存在する案内ポイントで誘導案内を行う電子装置であって、分岐点より前方に設置された方面看板の前方看板情報と、当該分岐点より後方に設置された方面看板の後方看板情報と、を分岐点毎に格納する方面看板情報格納手段と、前記前方看板情報を用いた前方看板画像の作成、および、前記後方看板情報を用いた後方看板画像の作成を行う作成手段と、前記前方看板情報と前記後方看板情報を比較し、共通する看板情報が存在するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果により存在すると判定されたとき、前記作成手段により作成された前方看板画像を表示し、前記判定手段の判定結果により存在しないと判定されたとき、前記前方看板画像と前記後方看板画像を切り替え可能なように少なくともいずれか一方の看板画像を表示する表示制御手段と、を有する。
【0014】
このとき、前記判定手段は、前記分岐点の進行方向毎に前記判定を行い、前記表示制御手段は、前記分岐点の進行方向毎の判定結果に応じて、表示する看板画像の表示制御を行う。さらに、前記判定手段は、前記分岐点の各進行方向のうち、前記経路上の進行方向に対してのみ、前記判定を行うようにしてもよい。
好ましくは、前記表示制御手段は、前記前方看板画像と前記後方看板画像の切り替えをユーザ操作に応じて制御する。
【0015】
さらに、前方を撮像する撮像手段と、前記撮像手段による撮像データから方面看板を特定し、当該方面看板より看板情報を認識する認識手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記認識手段により認識された看板情報と合致する前記前方看板画像または前記後方看板画像のいずれか一方の看板画像を優先的に表示されるように自動的に切り替える。
好ましくは、前記表示制御手段は、前記前方看板画像と前記後方看板画像のいずれか一方を、他方の看板画像より奥行き感を持たせて表示し、前記表示制御手段は、前記前方看板画像と前記後方看板画像のいずれか一方のみを表示するとき、他方の看板画像に切り替えが可能なことを示す印を付して表示する。
そして、前記表示制御手段は、前記前方看板画像と前記後方看板画像の両方を表示するとき、表示面に対して、上下に並べて配置して表示する。
【0016】
なお、前記看板情報は、文字列により構成される方面名称の情報であり、好ましくは、前記判定手段は、前記方面名称の文字列を比較することにより、共通する方面名称が存在するか否かを判定する。
また、前記前方看板情報は、案内用方面看板情報であり、前記後方看板情報は、確認用方面看板情報である。
【0017】
本発明の電子装置の誘導案内方法は、目的地までの経路上に存在する案内ポイントで誘導案内を行うナビゲーション機能を備えた電子装置の誘導案内方法であって、分岐点より前方に設置された方面看板の前方看板情報と、当該分岐点より後方に設置された方面看板の後方看板情報と、を分岐点毎に記憶しておき、前記前方看板情報と前記後方看板情報を比較し、共通する看板情報が存在するか否かを判定するステップと、前記判定結果により存在すると判定されたとき、前記前方看板情報を用いて前記案内ポイントで誘導案内を行い、前記判定結果により存在しないと判定されたとき、前記前方看板情報と前記後方看板情報を組み合わせて前記案内ポイントで誘導案内を行うステップと、を有する。
【0018】
本発明の電子装置の誘導案内プログラムは、目的地までの経路上に存在する案内ポイントで誘導案内を行うナビゲーション機能を備えた電子装置の誘導案内プログラムであって、分岐点より前方に設置された方面看板の前方看板情報と、当該分岐点より後方に設置された方面看板の後方看板情報と、を分岐点毎に記憶しておき、前記前方看板情報と前記後方看板情報を比較し、共通する看板情報が存在するか否かを判定するステップと、前記判定結果により存在すると判定されたとき、前記前方看板情報を用いて前記案内ポイントで誘導案内を行い、前記判定結果により存在しないと判定されたとき、前記前方看板情報と前記後方看板情報を組み合わせて前記案内ポイントで誘導案内を行うステップと、を有する。
【0019】
また、本発明の電子装置の誘導案内方法は、目的地までの経路上に存在する案内ポイントで誘導案内を行う電子装置の誘導案内方法であって、分岐点より前方に設置された方面看板の前方看板情報と、当該分岐点より後方に設置された方面看板の後方看板情報と、を分岐点毎に記憶しておき、前記前方看板情報を用いた前方看板画像の作成、および、前記後方看板情報を用いた後方看板画像の作成を行うステップと、前記前方看板情報と前記後方看板情報を比較し、共通する看板情報が存在するか否かを判定するステップと、前記判定結果により存在すると判定されたとき、前記作成された前方看板画像を表示し、前記判定結果により存在しないと判定されたとき、前記前方看板画像と前記後方看板画像を切り替え可能なように少なくともいずれか一方の看板画像を表示するステップと、を有する。
【0020】
本発明の電子装置の誘導案内プログラムは、目的地までの経路上に存在する案内ポイントで誘導案内を行う電子装置の誘導案内プログラムであって、分岐点より前方に設置された方面看板の前方看板情報と、当該分岐点より後方に設置された方面看板の後方看板情報と、を分岐点毎に記憶しておき、前記前方看板情報を用いた前方看板画像の作成、および、前記後方看板情報を用いた後方看板画像の作成を行うステップと、前記前方看板情報と前記後方看板情報を比較し、共通する看板情報が存在するか否かを判定するステップと、前記判定結果により存在すると判定されたとき、前記作成された前方看板画像を表示し、前記判定結果により存在しないと判定されたとき、前記前方看板画像と前記後方看板画像を切り替え可能なように少なくともいずれか一方の看板画像を表示するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、地図データベースに格納された複数の看板情報を比較し、その比較結果に応じて、分岐点案内時に表示する方面看板の方面情報を選択するので、地図データベースに格納された情報を有効に活用できる。そのため、電子装置に表示される分岐点拡大図の看板情報には、ユーザが実際に目で確認できる看板情報と一致する方面情報が必ず表示され、ユーザが戸惑いを感じることなく、誘導案内される方向に進行していくことができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本発明の電子装置は、自動車等の移動体上に固定的に搭載されるもの、ユーザによって移動体に持ち込むことができるもの、あるいは、移動体から着脱可能なもののいずれであってもよい。また、本発明の電子装置は、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型パーソナルコンピュータ、パームトップコンピュータ、多機能携帯電話(スマートフォン)、携帯電話、車載装置、車載システム、ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム等の電子装置または電子システムにおいて実施することができる。
以下の説明では、電子装置の一例として、移動体である車両に搭載されたナビゲーション装置を例にとって説明する。さらに、以下の説明で使用する分岐点とは、進路が2つ以上の方向に分かれる地点を指し、進路が2方向以上に分かれるという観点で交差点も分岐点に含むことに留意すべきである。
【0024】
図1は、本発明の第1の実施例に係るナビゲーション装置1の構成を示す図である。同図において、ナビゲーション装置1は、ユーザインタフェースを構成する入力部10と、GPS受信機11と、自律航法センサ12と、音声をスピーカ13Aから出力する音声出力部13と、各種画像や映像をディスプレイ14Aに表示する表示出力部14と、他の電子装置とのインタフェースを構成する外部インタフェース(外部I/F)15と、各種データを格納するデータメモリ20と、各種プログラムやアプリケーションを記憶するプログラムメモリ25と、各部を制御する制御部30と、を含んで構成される。ただし、
図1に示すナビゲーション装置1の構成は一例であることに留意すべきである。ナビゲーション装置1は、例えば、記憶媒体に記憶されたマルチメディアデータを再生する機能、ラジオやテレビ放送を受信する機能、携帯電話やスマートフォンなどの外部装置を接続する機能、有線や無線通信機能などを適宜備えるものであってもよい。
【0025】
入力部10は、ナビゲーション装置1における各種指示操作を受け付けるためのものであり、各種ボタンやディスプレイ14Aに取り付けられたタッチパネル、音声入力などの入力手段を含むことができ、ユーザ操作に応じた指示を制御部30に出力する。
【0026】
GPS受信機11は、GPS衛星から配信されるGPS信号(時刻や軌道に関する情報)を受信し、受信したGPS信号を、制御部30に出力する。
自律航法センサ12は、車両の回転角度を検出するジャイロなどの角度センサや一定走行距離ごとにパルスを発生する距離センサなどからなり、車両の車速、角速度や自車方位などを検出し、検出信号を、制御部30に出力する。なお、これらの情報は、車両と接続するための通信バス(図示しない)を介して、車両に備え付けられた各自律航法センサからも取得することも可能である。
【0027】
音声出力部13は、制御部30から提供される誘導案内音声などの音声信号をD/A変換し、アンプ(図示しない)やスピーカ13Aを介して、音声出力する。
表示出力部14は、制御部30から提供される地図画像や分岐点拡大図画像、各種設定画面などの各種画像データをディスプレイ14Aに表示させる。また必要に応じて、2画面表示など、複数個の画像データを1画面上に表示させるマルチ表示制御する。
外部インタフェース(外部I/F)15は、無線や有線により他の電子装置との接続を可能にし、各種データ通信を行う。
【0028】
データメモリ20は、HDD(Hard Disc Drive)、フラッシュメモリなどの記憶装置であり、地図データの集合である地図データベース(地
図DB)21やナビゲーション装置1で利用される各種画像データや音声データなどを記憶する。
地
図DB21の地図データは、所定の地理的区域ごとに図葉と呼ばれる矩形単位で管理されており、各図葉は地図の詳細度に応じた複数の縮尺レベルで構成されている。
地図データは、
図2に示すように、地図データの制作日時やバージョン情報などを記述した管理データ、地図を表す基本地図データ、施設、店舗、建物、建築物などの詳細情報を表す施設情報データ、経路探索時に利用するコスト情報などを有する経路探索データ、誘導案内に利用する誘導案内データなどを含んで構成される。
【0029】
そして、基本地図データは、道路ネットワークを表す道路ユニットと、地形や図形、地図画像である背景地図画像を表す描画ユニットなどを有する。
道路ユニットは、交差点などの道路の連結点を表すノードと、ノード間を連結するリンクの集合として道路ネットワークを定義しており、道路ユニットは、ノード毎に設けられたノードデータを含むノードテーブルと、リンク毎に設けられたリンクデータを含むリンクテーブルとを有する。
【0030】
ノードテーブルは、全ノードの情報を格納し、各ノードは、識別番号(ノードID)として例えば#0、#1、・・・、#nが付与されている。そして、各ノードデータには、ノードIDに対応付けられ、経度・緯度を示す位置座標データ、ノードが交差点ノードであるか否かを示す交差点ノードフラグ、ノードに対応する実世界の交差点の交差点名称、ノードに接続されるリンクIDを示す接続リンクなどが含まれる。
【0031】
リンクテーブルは、全リンクの情報を格納し、各リンクは、識別番号(リンクID)として例えば#0、#1、・・・、#nが付与されている。そして、各リンクデータには、リンクIDに対応付けられ、リンクの始点および終点の位置座標(ノードの位置座標データに対応する)、リンクに対応する実世界の道路の道路名称、リンクに対応する実世界の道路が高速道路、国道、主要県道、細街路などのいずれであるかを示す道路種別、リンクに対応する実世界の道路に付与された路線番号、リンクが接続されるノードIDを示す接続ノード、リンクの距離や道幅を示す距離データ、登坂車線、右折または左折専用車線、車線数などを示す車線データなどが含まれる。
【0032】
誘導案内データは、探索された経路を誘導案内するために必要な各種情報が格納されており、分岐案内ユニットなどを有する。分岐案内ユニットは、分岐点毎に設けられた分岐点テーブルを有する。
分岐点テーブルは、全ての分岐点の情報を格納し、各分岐点は、識別番号(分岐点ID)として例えば#0、#1、・・・#nが付与されている。そして、各分岐点データには、分岐点IDに対応付けられ、分岐点に対応するノードを示す対応ノード、分岐点に対して実世界に設置された方面看板の情報である方面看板情報、レーン毎の分岐方向を示すレーン情報などを有する。
【0033】
方面看板情報は、
図3に示すように、分岐点に進入するリンクを進入リンク、分岐点から脱出するリンクを脱出リンクとして、進入リンクに対して1つ以上の脱出リンクが関連付けられている。そして、脱出リンクに対して、案内看板であるか確認看板であるかを示す看板種別、看板種別毎にその看板種別である方面看板に記載されている方面の名称情報を含んで構成されている。この方面名称情報は、文字列によって格納されている。
【0034】
例えば、リンクA、リンクB、リンクCがそれぞれノードZと接続関係にあり、ノードZを分岐点とする
図4(a)に示す分岐点では、
図4(b)のように、まずリンクAを進入リンクとして格納すると、このリンクAに対して、リンクBとリンクCが脱出リンクに格納される。そして、脱出リンクのリンクBには、案内看板の方面名称に「L方面」、確認看板の方面名称に「L方面」が格納され、脱出リンクCには、案内看板の方面名称に「M方面」「N方面」、確認看板の方面名称に「O方面」「P方面」「Q方面」が格納される。
続いて、リンクBを進入リンクとして格納すると、リンクBに対して、リンクAとリンクCが脱出リンクに格納され、それぞれ看板種別とその看板種別の方面名称が格納される。そして、リンクCを進入リンクとして格納すると、リンクCに対して、リンクAとリンクBが脱出リンクに格納され、それぞれ看板種別とその看板種別の方面名称が格納される。
【0035】
この地図データにおいて、各データが存在しない場合は、そのデータ項目自体を格納しないようにする。また、別の形態では、各データが存在しない場合は、存在しないことを示す値(例えば「FFFF」や「NoData」、「N/A」など)を格納する。
なお、上述する地図データの構成は一例であり、本発明を限定するものではなく、看板種別と方面名称とを判断可能な態様であれば、地図データのフォーマットに応じて適宜変更することができる。
また外部I/F15が、ネットワークを介してサーバと接続されている場合、この地図データをサーバから取得するようにすることも可能である。
【0036】
プログラムメモリ25は、制御部30が実行する各種プログラムやアプリケーションが格納される。ナビゲーション装置1が実行する主なプログラムには、現在位置特定プログラム251と、地図描画プログラム252、目的地設定プログラム253と、経路探索プログラム254と、誘導案内プログラム255と、が存在する。
【0037】
現在位置特定プログラム251は、GPS受信機11や自律航法センサ12からの検出信号に基づき、現在位置を特定する。このとき、必要に応じて、データメモリ20の地図データに基づき、マップマッチングなどの処理を行う。
【0038】
地図描画プログラム252は、現在位置特定プログラム251によって特定された現在位置周辺や、入力部10により指定されたカーソル位置周辺の地図データを、地
図DB21から読み出し、地図画像を描画する。
【0039】
目的地設定プログラム253は、ユーザによって選択指示された施設、地点などを目的地に設定する、目的地の設定は、地図データにある施設情報データの検索や地図上のカーソル位置、登録地点データの検索、目的地設定履歴の検索などにより行われる。
【0040】
経路探索プログラム254は、現在位置特定プログラム251によって特定された現在位置やその他のユーザによって指定された位置を出発地とし、目的地設定プログラム252によって設定された目的地までの最適な誘導経路を探索する。誘導経路の探索は、ダイクストラ法などの周知のアルゴリズムにより、所定の条件(最短距離となる経路、最短時間となる経路、一般道のみを利用する経路、道幅が広い道路を利用する経路など)を満たすように探索される。
【0041】
誘導案内プログラム255は、経路探索プログラム253によって探索された誘導経路に基づき、誘導案内を行う地点(例えば分岐点)を抽出し、分岐点拡大図の表示や音声案内を行うとともに、誘導経路を地図に協調表示させ、誘導案内に関する各種制御を行う。このとき、誘導案内プログラム255は、表示出力部14に分岐点拡大図を提供し、表示させ、音声出力部13に誘導案内のための音声データを提供し、音声出力させる。この分岐点拡大図表示制御の詳細は後述する。
【0042】
制御部30は、中央処理装置、マイクロコンピュータ、またはマイクロプロセッサなどの装置を含み、プログラムメモリ25に記憶された各種プログラムを実行し、ナビゲーション装置1の各部の制御を行う。
【0043】
次に、第1の実施例のナビゲーション装置1の分岐点拡大図表示制御に関する機能的な構成ブロック図を
図5に示す。この分岐点拡大図表示制御は、誘導案内プログラム255によって実行され、
図5に示すように、分岐点抽出部261、案内地点到達判定部262、分岐点情報取得部263と、共通名称判定部264と、方面看板作成部265と、分岐点形状作成部266と、画像合成部267と、表示制御部268と、を含んで構成される。ただし、同図には、分岐点拡大図表示制御を実現するための機能ブロックのみを示している。
【0044】
分岐点抽出部261は、経路探索プログラム254によって探索された誘導経路から誘導案内の対象となる分岐点を抽出する。具体的には、誘導経路の情報は、複数のリンクおよびノードの羅列によって構成されており、分岐点抽出部261は、分岐点であるノードを抽出することで、分岐点の抽出を行う。
【0045】
案内地点到達判定部262は、分岐点拡大図画像の表示や音声による誘導案内を開始する地点(案内地点)に到達したか否かを判定し、具体的には、現在位置特定プログラム251によって特定された現在位置が分岐点抽出部261によって抽出された分岐点から所定距離(例えば1km)離れた案内地点に到達したか否かを判定する。この案内地点到達判定部262による案内地点への到着判定は、随時実行される。
案内地点到達判定部262は、この到着判定の際、どの方向(リンク)から分岐点に近づいているかをあわせて判定する。具体的には、案内地点到達判定部262は、現在位置と分岐点の位置情報およびリンクの接続関係に基づき、分岐点への進入リンクを特定する。
【0046】
分岐点情報取得部263は、案内地点到達判定部262によって案内地点に到達したと判定されると、この案内地点で誘導案内を行う対象である分岐点を特定し、特定した分岐点の方面看板情報を地
図DB21から取得する。分岐点情報取得部263は、取得した方面看板情報を共通名称判定部264に提供する。
【0047】
共通名称判定部264は、分岐点情報取得部263が取得した方面看板情報に基づき、案内看板と確認看板の方面名称を比較し、共通する(同じ)方面名称が存在するかを判定する。このとき、車両が分岐点に進入する進入リンクに対する脱出リンク毎に比較を行う。また、案内看板の方面名称および/または確認看板の方面名称が複数存在する場合、そのうちの一部でも一致すれば、共通する方面名称が存在すると判定する。
例えば、
図4(a)に示す形状の道路を車両がリンクAから分岐点(ノードZ)に進入する場合、分岐点情報取得部263により、
図4(b)に示す分岐点データが取得される。そして、共通名称判定部264は、進入リンクAから脱出リンクBに対して、案内看板の方面名称「L方面」と確認看板の方面名称「L方面」を文字列比較する。このとき、共通名称判定部264は、ともに「L方面」であるため、比較結果として、共通する方面名称は存在すると判定する。続いて、進入リンクAから脱出リンクCに対して、案内看板の方面名称「M方面」「N方面」と確認看板の方面名称「O方面」「P方面」「Q方面」を文字列比較する。このとき、共通名称判定部264は、これらの共通の方面名称が存在しないため、比較結果として、共通する方面名称は存在しないと判定する。
そして、共通名称判定部264は、これらの判定結果を、方面看板作成部265に提供する。
【0048】
方面看板作成部265は、共通名称判定部264の判定結果に応じて、案内看板の方面名称と確認看板の方面名称に共通する方面名称が存在するとき、案内看板の方面名称を用いて分岐点拡大図に描画する方面看板画像を作成する。一方、共通する方面名称が存在しない場合、案内看板の方面名称と確認看板の方面名称と組み合わせて、方面看板画像を作成する。なお、好ましい態様では、案内看板の方面名称と確認看板の方面名称とを組み合わせ方面看板画像を作成するとき、案内看板および確認看板の1番目に格納されている方面名称をそれぞれ取得し、それを組み合わせた方面看板画像を作成する。また、別の態様では、方面看板画像に表示可能な方面名称の個数に応じて、組み合わせる方面名称を可変にするようにすることもできる。
【0049】
例えば、方面看板作成部265は、共通名称判定部264によって、進入リンクAから脱出リンクBに対する案内看板の方面名称と確認看板との比較した結果、共通する方面名称が存在すると判定されると、案内看板の方面名称「L方面」を用いて、方面看板画像(
図6(a−1))を作成する。一方、方面看板作成部265は、共通名称判定部264によって、進入リンクAから脱出リンクCに対する案内看板の方面名称と確認看板との比較した結果、共通する方面名称が存在しないと判定されると、案内看板の方面名称のうち1番目に格納される方面名称「M方面」と確認看板の方面名称のうち1番目に格納される方面名称「O方面」を組み合わせて、方面看板画像(
図6(a−2))を作成する。
そして、方面看板作成部265は、作成した方面看板画像を画像合成部267に提供する。
【0050】
分岐点形状作成部266は、案内対象となる分岐点の構造を地
図DB21のリンク情報およびノード情報、レーン情報などの各種情報を用いて、分岐点の形状を表す分岐点形状画像(
図6(b))を作成する。そして、分岐点形状作成部266は、作成した分岐点形状画像を画像合成部267に提供する。
【0051】
画像合成部267は、方面看板作成部265によって作成された方面看板画像および分岐点形状作成部266によって作成された分岐点形状画像、その他分岐点拡大図画像を作成するための各種画像(例えば、残距離メーター(
図6(c−1))、誘導矢印(
図6(c−2))など)を合成し、分岐点拡大図画像(
図6(d))を作成する。
【0052】
表示制御部268は、画像合成部267が作成した分岐点拡大図画像を表示出力部14に出力し、これを表示するように指示を行う。このとき、好ましい態様では、現在位置周辺の地図画像と共に表示した2画面表示を行うように指示し、また別の態様では、単に分岐点拡大図画像のみを表示するよう指示するようにしてもよい。
【0053】
次に、上記のように構成された第1の実施例に係るナビゲーション装置1の分岐点拡大図表示制御の動作を、
図7を参照して説明する。
ユーザが入力部10を操作して目的地を設定すると、目的地設定プログラム253は、現在位置から目的地までの経路を探索し、誘導経路を設定する(ステップS101)。
続いて、分岐点抽出部261は、設定された誘導経路から誘導案内の対象となる分岐点を抽出する(ステップS103)。そして、ユーザが誘導案内に従い、走行を開始すると、案内地点到着判定部262は、現在位置がステップS103で抽出した分岐点に対して所定距離離れた案内地点に到達したか否かを判定する(ステップS105)。このとき、案内地点到達判定部262は、分岐点をどの方向から進入するかを判定し、進入リンクの特定も行う。なお、案内地点到達判定部262は、ステップS105で到達したと判定するまでステップS105の判定を継続して行う。
【0054】
分岐点情報取得部263は、案内地点到達判定部262によって案内地点に到達したと判定されたとき、この案内地点で誘導案内を行う対象である分岐点を特定し、特定した分岐点の方面看板情報を地
図DB21の分岐点データから取得する(ステップS107)。
そして、共通名称判定部264は、分岐点情報取得部263が取得した方面看板情報と案内地点到達判定部262が判定した進入リンクに基づき、この進入リンクに対する脱出リンク毎に案内看板の方面名称と確認看板の方面名称を比較する(ステップS109)。
【0055】
この比較の結果、案内看板の方面名称と確認看板の方面名称に共通する方面名称が存在する場合、方面看板作成部265は、案内看板の方面名称を用いて、方面看板画像を作成する(ステップS111)。一方、比較の結果、案内看板の方面名称と確認看板の方面名称に共通する方面名称が存在しない場合、方面看板作成部265は、案内看板の方面名称と確認看板の方面名称をそれぞれ1番目に格納される方面名称を組み合わせて、方面看板画像を作成する(ステップS113)。そして、方面看板作成部265は、作成した方面看板画像を画像合成部267に提供する。
また、方面看板作成部265が、方面看板画像を作成するとき、分岐点形状作成部266は、分岐点形状画像を作成する。
【0056】
画像合成部267は、ステップS111またはステップS113にて作成された方面看板画像と、分岐点形状作成部266が作成した分岐点形状画像と、その他の画像を合成し、分岐点拡大図画像を作成する(ステップS115)。そして、表示制御部268は、画像合成部267によって作成された分岐点拡大図画像を表示出力部14に出力し、表示出力部14は、この分岐点拡大図画像と地図画像との2画面表示または分岐点拡大図画像のみをディスプレイ14Aに表示する(ステップS117)。
【0057】
具体的には、
図8(a)に示すリンクA、リンクB、リンクC、ノードZで構成された分岐点において、経路探索の結果、リンクAからノードZをリンクC方向に進行する経路(RP1)が探索されると、分岐点抽出部261がノードZを分岐点として抽出する。そして、車両がリンクAを走行中、分岐点であるノードZから所定距離離れた位置(PO3)に到達すると、案内地点到達判定部262が案内地点に到達したと判定する。このとき、案内地点到達判定部262は、進入リンクとしてリンクAを特定する。分岐点情報取得部263は、案内地点到達判定部262により到達したと判定されたとき、到達判定された案内地点に対する分岐点として、ノードZを特定し、このノードZの方面看板情報(INF)を地
図DB21の分岐点データから取得する。そして、分岐点情報取得部263は、取得したノードZの方面看板情報を共通名称判定部264に提供する。
【0058】
続いて、共通名称判定部264は、まず、案内地点到達判定部262が特定した進入リンクAから脱出リンクB方向に関連付けられる案内看板の方面名称「L方面」と確認看板の方面名称「L方面」を確認し、共通の方面名称(「L方面」)が存在すると判定し、これを方面看板作成部265に提供する。次に、共通名称判定部264は、進入リンクAから脱出リンクC方向に関連付けられる案内看板の方面名称「M方面」「N方面」と確認看板の方面名称「O方面」「P方面」「Q方面」を確認し、共通の方面名称が存在しないと判定し、これを方面看板作成部265に提供する。
【0059】
方面看板作成部265は、リンクB方向に対して、共通の方面名称が存在するとの判定結果を受け、案内看板の方面名称「L方面」を用いて方面看板画像(SN1)を作成する。一方、方面看板作成部265は、リンクC方向に対して、共通の方面名称が存在しないとの判定結果を受け、案内看板の方面名称から1番目に格納されている方面名称の「M方面」と確認看板の方面名称から1番目に格納されている方面名称の「O方面」とを組み合わせて方面看板画像(SN2)を作成する。
【0060】
そして、分岐点形状作成部266は、この分岐点の形状を地
図DB21のリンク情報、ノード情報、レーン情報などから分岐点形状画像を作成し、画像合成部267は、これらの画像データを合成し、分岐点拡大図画像(FG2)を作成する。
画像合成部267によって、分岐点拡大図画像(FG2)が作成されると、表示制御部268が、この画像を表示出力部14に出力し、表示出力部14が、地図画像とこの分岐点拡大図画像を2画面表示した画面(
図8(b))をディスプレイ14Aに表示する。
【0061】
このように、第1の実施例によれば、ナビゲーション装置1は、分岐点拡大図を表示する際、地図データベースに格納された複数の看板情報を比較し、その結果、共通する方面名称が存在しないとき、各看板情報を組み合わせて表示するようにしたので、地図データベースに格納された方面看板の情報を有効に活用することができる。それにより、
図9(a)に示す分岐点での誘導案内において、分岐点拡大図が表示される区間SC3を走行中、
図9(b)に示す分岐点拡大図が表示されるので、分岐点で右方向に進行する経路上に対して、案内看板が見える区間SC4では、目視可能な方面看板とナビゲーション装置1に表示される方面看板とで、方面名称「M方面」が一致し、また、案内看板を過ぎ、確認看板のみが見える区間SC5では、目視可能な方面看板とナビゲーション装置1に表示される方面看板とで、方面名称「O方面」が一致するので、ユーザは戸惑いを感じることなく、誘導案内される方向に進行していくことができる。
【0062】
次に、本発明に係る第2の実施例について図面を用いて説明する。なお、実施例1と同じ構成については、同じ符号番号を付して、その説明を省略する。
本発明の第2の実施例に係るナビゲーション装置2は、第1の実施例に係るナビゲーション装置1と構成は同じであるが、プログラムメモリ25が実行する誘導案内プログラム255の代わりに、誘導案内プログラム255Bによって実現される。
【0063】
誘導案内プログラム255Bは、経路探索プログラム253によって探索された誘導経路に基づき、誘導案内を行う地点(例えば分岐点)を抽出し、分岐点拡大図の表示や音声案内を行うとともに、誘導経路を地図に協調表示させ、誘導案内に関する各種制御を行う。
このとき、誘導案内プログラム255Bは、表示出力部14に分岐点拡大図を提供し、表示させ、音声出力部13に誘導案内のための音声データを提供し、音声出力させる。この分岐点拡大図表示制御の詳細は後述する。
【0064】
次に、第2の実施例のナビゲーション装置2の分岐点拡大図表示制御に関する機能的な構成ブロック図を
図10に示す。この分岐点拡大図表示制御は、誘導案内プログラム255Bによって実行され、
図10に示すように、分岐点抽出部261、案内地点到達判定部262、分岐点情報取得部263と、共通名称判定部264と、方面看板作成部265Bと、分岐点形状作成部266と、画像合成部267Bと、表示制御部268と、を含んで構成される。ただし、同図には、分岐点拡大図表示制御を実現するための機能ブロックのみを示している。
【0065】
方面看板作成部265Bは、共通名称判定部264の判定結果に応じて、案内看板の方面名称と確認看板の方面名称に共通する方面名称が存在するとき、案内看板の方面名称を用いて分岐点拡大図に描画する単一方面看板画像を作成する。一方、共通する方面名称が存在しない場合、案内看板の方面名称から案内看板画像を作成し、確認看板の方面名称から確認看板画像を作成し、これらの2つの方面看板画像を切り替え可能に表現された複合方面看板画像を作成する。なお、案内看板画像と確認看板画像の切り替えは所定の操作によって可能であり、例えば、複合方面看板画像が表示されている領域をタッチ操作することで実現される。
【0066】
例えば、方面看板作成部265Bは、共通名称判定部264によって、進入リンクAから脱出リンクBに対する案内看板の方面名称と確認看板との比較した結果、共通する方面名称が存在すると判定されると、案内看板の方面名称「L方面」を用いて、単一方面看板画像(
図11)を作成する。一方、方面看板作成部265Bは、共通名称判定部264によって、進入リンクAから脱出リンクCに対する案内看板の方面名称と確認看板との比較した結果、共通する方面名称が存在しないと判定されると、案内看板の方面名称「M方面」「N方面」を用いて、案内看板画像(
図12(a))を作成し、そして、確認看板の方面名称「O方面」「P方面」「Q方面」を用いて、確認看板画像(
図12(b))を作成する。そして、案内看板画像と確認看板画像を、奥行き感を持たせ、さらに2つの方面看板が存在することが分かるように少しずらして重ね合わせた複合方面看板画像(
図12(c))を作成する。
そして、方面看板画像作成部265Bは、作成した単一方面看板画像または複合方面看板画像を画像合成部267Bに提供する。
【0067】
以下の例では、複合方面看板画像として、
図12(c)に示す表示形態で複合方面看板画像を作成する例を説明するが、これに限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で自由である。例えば、
図13の(a)〜(c)に示すように切り替え可能なように任意の画像や操作キーなどを追加した複合方面看板画像を作成するようにしてもよく、また
図13(d)に示すように2つの方面看板画像を上下に並べた複合方面看板画像を作成するようにしてもよい。
【0068】
画像合成部267Bは、方面看板作成部265Bによって作成された単一方面看板画像または複合方面看板画像と、分岐点形状作成部266によって作成された分岐点形状画像、その他分岐点拡大図画像を作成するための各種画像を合成し、分岐点拡大図画像(
図14)を作成する。
【0069】
次に、上記のように構成された第2の実施例に係るナビゲーション装置2の分岐点拡大図表示制御の動作を、
図15を参照して説明する。
ユーザが入力部10を操作して目的地を設定すると、目的地設定プログラム253は、現在位置から目的地までの経路を探索し、誘導経路を設定する(ステップS201)。
続いて、分岐点抽出部261は、設定された誘導経路から誘導案内の対象となる分岐点を抽出する(ステップS203)。そして、ユーザが誘導案内に従い、走行を開始すると、案内地点到着判定部262は、現在位置がステップS203で抽出した分岐点に対して所定距離離れた案内地点に到達したか否かを判定する(ステップS205)。このとき、案内地点到達判定部262は、分岐点をどの方向から進入するかを判定し、進入リンクの特定も行う。なお、案内地点到達判定部262は、ステップS205で到達したと判定するまでステップS205の判定を継続して行う。
【0070】
分岐点情報取得部263は、案内地点到達判定部262によって案内地点に到達したと判定されたとき、この案内地点で誘導案内を行う対象である分岐点を特定し、特定した分岐点の方面看板情報を地
図DB21の分岐点データから取得する(ステップS207)。
そして、共通名称判定部264は、分岐点情報取得部263が取得した方面看板情報と案内地点到達判定部262が判定した進入リンクに基づき、この進入リンクに対する脱出リンク毎に案内看板の方面名称と確認看板の方面名称を比較する(ステップS209)。
【0071】
この比較の結果、案内看板の方面名称と確認看板の方面名称に共通する方面名称が存在する場合、方面看板作成部265Bは、案内看板の方面名称を用いて、単一方面看板画像を作成する(ステップS211)。一方、比較の結果、案内看板の方面名称と確認看板の方面名称に共通する方面名称が存在しない場合、方面看板作成部265Bは、案内看板の方面名称から案内看板画像を作成し、確認看板の方面名称から確認看板画像を作成する。そして、これらの2つの方面看板画像が切り替え可能な形態で表示された複合方面看板画像を作成する(ステップS213)。そして、方面看板作成部265Bは、作成した単一方面看板画像あるいは複合方面看板画像を画像合成部267Bに提供する。
また、方面看板作成部265Bが、単一方面看板画像あるいは複合方面看板画像を作成するとき、分岐点形状作成部266は、分岐点形状画像を作成する。
【0072】
画像合成部267Bは、ステップS211またはステップS213にて作成された方面看板画像と、分岐点形状作成部266が作成した分岐点形状画像と、その他の画像を合成し、分岐点拡大図画像を作成する(ステップS215)。そして、表示制御部268は、画像合成部267Bによって作成された分岐点拡大図画像を表示出力部14に出力し、表示出力部14は、この分岐点拡大図画像と地図画像との2画面表示または分岐点拡大図画像のみをディスプレイ14Aに表示する(ステップ217)。
【0073】
具体的には、
図16(a)に示すリンクA、リンクB、リンクC、ノードZで構成された分岐点において、経路探索の結果、リンクAからノードZをリンクC方向に進行する経路(RP2)が探索されると、分岐点抽出部261がノードZを分岐点として抽出する。そして、車両がリンクAを走行中、分岐点であるノードZから所定距離離れた位置(PO4)に到達すると、案内地点到達判定部262が案内地点に到達したと判定する。このとき、案内地点到達判定部262は、進入リンクとしてリンクAを特定する。分岐点情報取得部263は、案内地点到達判定部262により到達したと判定されたとき、到達判定された案内地点に対する分岐点として、ノードZを特定し、このノードZの方面看板情報(INF)を地
図DB21の分岐点データから取得する。そして、分岐点情報取得部263は、取得したノードZの方面看板情報を共通名称判定部264に提供する。
【0074】
続いて、共通名称判定部264は、まず、案内地点到達判定部262が特定した進入リンクAから脱出リンクB方向に関連付けられる案内看板の方面名称「L方面」と確認看板の方面名称「L方面」を確認し、共通の方面名称(「L方面」)が存在すると判定し、これを方面看板作成部265に提供する。次に、共通名称判定部264は、進入リンクAから脱出リンクC方向に関連付けられる案内看板の方面名称「M方面」「N方面」と確認看板の方面名称「O方面」「P方面」「Q方面」を確認し、共通の方面名称が存在しないと判定し、これを方面看板作成部265Bに提供する。
【0075】
方面看板作成部265Bは、リンクB方向に対して、共通の方面名称が存在するとの判定結果を受け、案内看板の方面名称「L方面」を用いて単一方面看板画像(SN3)を作成する。一方、方面看板作成部265Bは、リンクC方向に対して、共通の名称が存在しないとの判定結果を受け、案内看板の方面名称「M方面」「N方面」を用いて案内看板画像を作成し、また、確認看板の方面名称「O方面」「P方面」「Q方面」を用いて確認看板画像を作成する。そして、方面看板作成部265Bは、作成した案内看板画像と確認看板画像から複合方面看板画像(SN4)を作成する。
そして、分岐点形状作成部266は、この分岐点の形状を地
図DB21のリンク情報、ノード情報、レーン情報などから分岐点形状画像を作成し、画像合成部267Bは、これらの画像データを合成し、分岐点拡大図画像(FG3)を作成する。
【0076】
画像合成部267Bによって、分岐点拡大図画像(FG3)が作成されると、表示制御部268が、この画像を表示出力部14に出力し、表示出力部14が、地図画像とこの分岐点拡大図画像を2画面表示した画面(
図16(b))をディスプレイ14Aに表示する。
この分岐点拡大図画像(FG3)において、複合方面看板画像(SN4)をタッチ操作すると、案内看板画像から確認看板画像に切り替わるように構成される。
【0077】
このように、第2の実施例によれば、ナビゲーション装置は、分岐点拡大図を表示する際、地図データベースに格納された複数の看板情報を比較し、その結果、共通する方面名称が存在しないとき、複数の看板情報を複合的に表示するようにしたので、地図データベースに格納された方面看板の情報を有効に活用することができる。それにより、ユーザは、戸惑いを感じることなく、誘導案内される方向に進行していくことができる。
【0078】
なお、上述する第2の実施例に係るナビゲーション装置に、車両に搭載され、車両の前方を撮像するカメラなどの撮像装置を、外部I/F15を介して接続している場合には、カメラで撮像された画像に基づき、複合方面看板画像の案内看板画像あるいは確認看板画像のいずれかを優先的に表示させるようにすることも可能である。好ましい態様では、カメラで撮像した画像データを画像認識技術により、車両前方に見える看板と合致する方面看板画像を優先的に表示させる。
【0079】
なお、上記第1および第2の実施例では、案内看板と確認看板の2つの方面看板が存在する例を説明したが、これに限らず、例えば、中国国内において設置されている案内看板よりさらに手前に存在する予告看板も含めて、予告看板、案内看板、確認看板の3つの方面看板が存在する分岐点においても適用可能である。この場合、3つのうちの案内看板と、確認看板の情報を用いて、上記分岐点拡大図の表示制御を行うことができる他、共通名称判定部264がこれら3つの方面看板の方面名称に共通する方面名称が存在するか判定し、その結果に応じて、第1の実施例では、方面看板作成部265が方面看板画像を作成することができ、第2の実施例では、方面看板作成部265Bが単一方面看板画像や複合方面看板画像を作成することができる。
【0080】
また、上記第1および第2の実施例では、方面名称を表示する方面看板についての表示制御を例に説明したが、例えば、道路名称、路線番号など、道路に設置された看板に記載されるいかなる情報にも適用可能である。
【0081】
さらに、上記第1および第2の実施例では、各分岐点において、共通名称判定部264により脱出方向(脱出リンク)毎に共通する方面名称が存在するか否かを判定し、方面看板作成部265または方面看板作成部265Bがその判定結果に応じた方面看板画像を作成する例を説明したが、これに限らず、経路が引かれている脱出方向(脱出リンク)に対してのみ、この処理を実行するようにすることも可能である。この場合、経路が引かれていない脱出方向は、従来通り、案内看板の方面名称を用いた方面看板画像を作成する。このようにすることで、ユーザが進行する方向に限定して処理を実行できるので、方面看板表示制御の処理負荷を低減することができる。
【0082】
さらに、上記第1および第2の実施例では、案内地点に到達したときに方面看板画像を作成するようにしたが、これに限らず、方面看板画像の作成は、目的地までの探索経路に基づき事前に作成しておくことも可能である。