特許第6489714号(P6489714)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6489714
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】方向指示具
(51)【国際特許分類】
   B25H 7/00 20060101AFI20190318BHJP
【FI】
   B25H7/00 A
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-4835(P2017-4835)
(22)【出願日】2017年1月16日
(65)【公開番号】特開2018-114560(P2018-114560A)
(43)【公開日】2018年7月26日
【審査請求日】2018年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】512097189
【氏名又は名称】株式会社 横山工房
(74)【代理人】
【識別番号】100107917
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 英俊
(72)【発明者】
【氏名】横山 敬一
【審査官】 稲葉 大紀
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−026477(JP,U)
【文献】 実開昭51−153899(JP,U)
【文献】 特公昭46−001240(JP,B1)
【文献】 実開昭53−004499(JP,U)
【文献】 米国特許第2495841(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 1/00−11/02
B25H 1/00− 7/04
G01B 3/00− 3/08
3/11− 5/30
G01C 1/00− 1/14
5/00−15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交するx軸、y軸及びz軸に3辺が平行な直方体形状をなす当接部分であって、該直方体のy軸に垂直な一外面にz軸に平行な一対の当接稜が、該当接部分のx軸方向に関し真ん中から互いに等しい距離に存するように、該一外面の該一対の当接稜の間に凹部が形成されることで形成される当接部分と、
該直方体形状の外面のうち該一外面に平行な他の外面が属する平面によって分割される2の空間のうち該一外面が存する空間とは異なる空間においてy軸に沿って延びると共に該当接部分のx軸方向に関し真ん中に存する縁又は面である指示部を有する指示部分と、を備えてなる、方向指示具。
【請求項2】
前記一外面と前記他の外面とに2の外面が属し3辺がそれぞれx軸、y軸及びz軸に平行な直方体形状をなす窪みとして凹部が形成されることで、前記他の外面にz軸に平行な一対の当接稜が形成されるものである、請求項1に記載の方向指示具。
【請求項3】
指示部分が、3辺がそれぞれx軸、y軸及びz軸に平行な直方体形状をなし、該直方体の一面が指示部を構成するものであり、
該一面が前記他の外面に取り付けられており、
前記凹部の底面と、指示部分の外面のうち該一面と垂直な一面と、は一平面に属するものである、請求項2に記載の方向指示具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方向指示具に関し、より詳細には、第1直円柱の側面の少なくとも一部に沿った凸形状の第1外面を有する対象物の第1外面の周方向に関して異なる少なくとも2の位置である第1当接位置に当接した際、第1直円柱の中心軸である第1軸を含む第1直線に対し垂直な方向を示す方向指示具に関する。
【背景技術】
【0002】
以前から、第1直円柱の側面の少なくとも一部に沿った凸形状の第1外面を有する対象物の第1外面の周方向に関して異なる少なくとも2の位置である第1当接位置に当接した際、第1直円柱の中心軸である第1軸を含む第1直線に対し垂直な方向を示す方向指示具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、『内外周面や端面に押当てるだけで芯出しが行えるようにし、大径品の芯出しを行う場合にも、一人で極めて容易かつ短時間に行えると共に、個人誤差の生じる割合が少なく、精度のよい芯出しが行える芯出し治具を提供」(特許文献1、明細書第3頁第2行〜第6行)するために提案されたものであり、具体的には、『直定規と、該直定規の一端部に重合状一体的に固着する略Y字状をなす板体の中心線より振分け状に分岐した腕部分の突出長さを同長とし、かつその夫々の途中に折曲部を設けて段差突出せしめると共にその前端に当接用の円弧面を形成してなる当接部材とから成り、該当接部材の上記中心線上に上記直定規の一側基準縁を重合状に一致せしめかつ直定規の遊端側が上記両腕間に位置するように一体的に固着せしめるよう構成したことを特徴とする芯出し治具』(特許文献1、実用新案登録請求の範囲)が開示されている。かかる芯出し治具(方向指示具)によれば、『筒状体(1)の端面に直定規(4)の当接面を沿わせ、・・・・腕(6)部分を筒状体(1)の外周に押当てる。この場合両腕(6)(6)の先端が同径の円弧面(8)(8)であり、しかも直定規(4)の基準縁(9)を中心とした対称形であるので、円弧面(8)(8)を同時に押当てると、直定規(4)の基準縁(9)の延長線が中心に合致することになり、基準縁(9)に沿って直線を罫書』(特許文献1、明細書第4頁第9〜18行)くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭55−138087号公報(例えば、実用新案登録請求の範囲、明細書第1〜4頁、第3図、第4図等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の芯出し治具によれば、確かに、筒状体(1)(第1直円柱の側面の少なくとも一部に沿った凸形状の第1外面を有する対象物)の端面に直定規(4)の当接面を沿わせると共に腕(6)部分(円弧面(8)(8))を筒状体(1)の外周(第1直円柱の側面の少なくとも一部に沿った凸形状の第1外面)に押当てる(当接)ことにより、直定規(4)の基準縁(9)の延長線が中心に合致すること(第1直円柱の中心軸である第1軸を含む第1直線に対し垂直な直線である第1基準線に基準縁(9)が沿い、基準縁(9)が第1直線方向に向かって第1基準線の方向を示す。)になり基準縁(9)に沿って線分を罫書くことができる。しかしながら、特許文献1に開示の芯出し治具においては、基準縁(9)が当接部材(5)から第1直線に近づく方向に向かって第1基準線を示すものであり(当接部材(5)に取り付けられた直定規(4)の一端から他端に向かって第1直線に近づく)、第1直円柱の側面の少なくとも一部に沿った凸形状の第1外面から遠ざかる方向に第1基準線を示すものではない。
そこで、本発明では、第1直円柱の側面の少なくとも一部に沿った凸形状の第1外面を有する対象物の第1外面の周方向に関して異なる少なくとも2の位置である第1当接位置に当接することで、第1直円柱の中心軸である第1軸を含む第1直線に対し垂直な直線である第1基準線の方向を第1外面から遠ざかる方向に示すことができる方向指示具(特許文献1にいう芯出し治具)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の方向指示具(以下、「本指示具」という)は、第1直円柱の側面の少なくとも一部に沿った凸形状の第1外面を有する対象物の第1外面の周方向に関して異なる少なくとも2の位置である第1当接位置に当接する第1当接部を有する当接部分と、第1当接部が第1当接位置に当接した際、第1直円柱の中心軸である第1軸を含む第1直線に対し垂直な直線である第1基準線に沿い、一端から他端に向かって第1直線から遠ざかる縁又は面である指示部を有する指示部分であって、該他端側が突出するように該一端側が当接部分に取り付けられる指示部分と、を備えてなる、方向指示具である。
本指示具は、当接部分と指示部分とを備えてなる。
また、本指示具を使用する対象物は第1外面を有し、第1外面は、第1直円柱の側面の少なくとも一部(全部であってもよい)に沿った凸形状をなしている。 当接部分は第1当接部を有している。第1当接部は、対象物の第1外面の周方向に関して異なる少なくとも2の位置である第1当接位置に当接する。第1当接位置は、第1外面の周方向に関して異なる少なくとも2の位置をいい、「第1外面の周方向に関して異なる位置」とは、第1直円柱の中心軸である第1軸から見てそれぞれの位置の方向が異なること(第1軸に対して垂直な平面に、それぞれの位置から下ろした垂線の足の位置が異なること)をいい、さらに第1当接位置は、第1外面の周方向に関して異なる2個、3個、4個、5個・・・・のように2個以上の位置であればよい。
指示部分は、指示部を有すると共に当接部分に取り付けられる。指示部は、第1当接部が第1当接位置に当接した際に第1基準線(第1直円柱の中心軸である第1軸を含む第1直線に対し垂直な直線)に沿う縁又は面であり、一端から他端に向かって第1直線から遠ざかる。そして、指示部分は、指示部の該他端側が突出するように指示部の該一端側が当接部分に取り付けられる。即ち、指示部の該一端及び該他端は第1基準線上に略存し(該一端と該他端との間の指示部は第1基準線に沿っている)、該一端から該他端に向かって第1直線から遠ざかる。
このため本指示具によれば、当接部分の第1当接部が第1当接位置に当接すると、指示部分の指示部が、該一端から該他端に向かって第1直線から遠ざかるように第1基準線に沿う縁又は面となるので(該一端から該他端に向かって第1直線から遠ざかるよう指示部分が当接部分から突出するよう、該一端側の指示部分が当接部分に取り付けられる)、指示部が第1基準線を指し示す。指示部は、当接部分に取り付けられた該一端から該他端に向かって第1外面から離れるので、本指示具は、第1直円柱の中心軸である第1軸を含む第1直線に対し垂直な直線である第1基準線の方向を第1外面から遠ざかる方向に示すことができる。
【0006】
本指示具においては、当接部分が、第1外面の周方向に関して異なる少なくとも2の位置である第2当接位置に当接する第2当接部を有し、第2当接部が第2当接位置に当接した際、指示部が第1基準線に沿うと共に前記一端から前記他端に向かって第1直線に近づくもの(以下、「第2当接本指示具」という。)であってもよい。
第2当接本指示具の当接部分は第2当接部を有している。第2当接部は、対象物の第1外面の周方向に関して異なる少なくとも2の位置である第2当接位置(第1当接位置との異同を問わない)に当接する。第2当接位置は、第1外面の周方向に関して異なる少なくとも2の位置をいい、「第1外面の周方向に関して異なる位置」とは、第1直円柱の中心軸である第1軸から見てそれぞれの位置の方向が異なること(第1軸に対して垂直な平面に、それぞれの位置から下ろした垂線の足の位置が異なること)をいい、さらに第2当接位置は、第1外面の周方向に関して異なる2個、3個、4個、5個・・・・のように2個以上の位置であればよい。
そして、当接部分の第2当接部が第2当接位置に当接すると、指示部分の指示部が、該一端から該他端に向かって第1直線に近づく(指示部分のうち該一端側が当接部分に取り付けられ、該一端から該他端に向けて第1直線に近づくよう当接部分から指示部分が突出する)ように第1基準線に沿う縁又は面となるので、この場合も指示部が第1基準線を指し示す。指示部は、当接部分に取り付けられた方に存する該一端から該他端に向かって第1直線に近づくので、第1外面から第1直線方向に向かって指示部が第1基準線を指し示すことができる(なお、この場合、指示部分が対象物との衝突を回避するため、第1外面の第1軸方向に沿った両端近傍に第2当接本指示具を配置する。)。
【0007】
第2当接本指示具においては、対象物が、第1直円柱の底面の少なくとも一部に沿った第1対象物底面を有し、指示部分が、第1対象物底面に面当接しつつ、第2当接部が第2当接位置に当接するものであってもよい。
こうすることで指示部分が、第1直円柱の底面の少なくとも一部に沿った第1対象物底面に面当接すると共に第2当接部が第2当接位置に当接するので、対象物に対して第2当接本指示具の相対位置を適したものとすることができ、指示部が第1基準線を正確に指し示すことができる。
【0008】
本指示具においては、第1当接部及び/又は第2当接部が、第1外面に線接触又は面接触するものであってもよい。
第1当接部及び/又は第2当接部(即ち、第1当接部のみ、第2当接部のみ、第1当接部と第2当接部との両方の3のいずれかである。)が、第1外面に線接触又は面接触することで、対象物に対して本指示具の相対位置を適したものとすることができ、指示部が第1基準線を正確に指し示すことができる。
【0009】
本指示具においては、対象物が、第2直円柱の側面の少なくとも一部に沿った凹形状の第2内面を有してなり、当接部分が、第2内面の周方向に関して異なる少なくとも2の位置である第3当接位置に当接する第3当接部を有し、第3当接部が第3当接位置に当接した際、指示部が、第2直円柱の中心軸である第2軸を含む第2直線に対し垂直な直線である第2基準線に沿い、前記一端から前記他端に向かって第2直線から遠ざかるもの(以下、「第3当接本指示具」という。)であってもよい。
ここでは対象物が、第2直円柱の側面の少なくとも一部(全部であってもよい)に沿った凹形状の第2内面を有しており、当接部分は第3当接部を有している。第3当接部は、対象物の第2内面の周方向に関して異なる少なくとも2の位置である第3当接位置に当接する。第3当接位置は、第2内面の周方向に関して異なる少なくとも2の位置をいい、「第2内面の周方向に関して異なる位置」とは、第2直円柱の中心軸である第2軸から見てそれぞれの位置の方向が異なること(第2軸に対して垂直な平面に、それぞれの位置から下ろした垂線の足の位置が異なること)をいい、さらに第3当接位置は、第2内面の周方向に関して異なる2個、3個、4個、5個・・・・のように2個以上の位置であればよい。
当接部分の第3当接部が第3当接位置に当接すると、指示部分の指示部が、該一端から該他端に向かって第2直線(第2直円柱の中心軸である第2軸を含む直線)から遠ざかる(該一端側が当接部分に取り付けられ、該他端側が第2直線から遠ざかるよう当接部分から突出する)ように第2基準線(第2直線に対し垂直な直線)に沿う縁又は面となるので、指示部が第2基準線を指し示す。指示部は、当接部分に取り付けられた該一端から該他端に向かって第2直線から遠ざかるので、指示部が第2基準線の方向を第2内面から遠ざかる方向に示すことができる(なお、この場合、指示部分が対象物との衝突を回避するため、第2内面の第2軸方向に沿った両端近傍に第3当接本指示具を配置する。)。
【0010】
第3当接本指示具においては、対象物が、第2直円柱の底面が属する平面の少なくとも一部に沿った対象物の第2対象物底面を有し、指示部分が、第2対象物底面に面当接しつつ、第3当接部が第3当接位置に当接するものであってもよい。
対象物が、第2直円柱の底面が属する平面の少なくとも一部に沿った第2対象物底面を有し、指示部分が第2対象物底面に面当接すると共に第3当接部が第3当接位置に当接するので、対象物に対して第3当接本指示具の相対位置を適したものとすることができ、指示部が第2基準線を正確に指し示すことができる。
【0011】
本指示具においては、対象物が、第2直円柱の側面の少なくとも一部に沿った凹形状の第2内面を有してなり、当接部分が、第2内面の周方向に関して異なる少なくとも2の位置である第4当接位置に当接する第4当接部を有し、第4当接部が第4当接位置に当接した際、指示部が、第2直円柱の中心軸である第2軸を含む第2直線に対し垂直な直線である第2基準線に沿い、前記一端から前記他端に向かって第2直線に近づくもの(以下、「第4当接本指示具」という。)であってもよい。
ここでは対象物が、第2直円柱の側面の少なくとも一部(全部であってもよい)に沿った凹形状の第2内面を有しており、当接部分は第4当接部を有している。第4当接部は、対象物の第2内面の周方向に関して異なる少なくとも2の位置である第4当接位置(第3当接位置との異同は問わない)に当接する。第4当接位置は、第2内面の周方向に関して異なる少なくとも2の位置をいい、「第2内面の周方向に関して異なる位置」とは、第2直円柱の中心軸である第2軸から見てそれぞれの位置の方向が異なること(第2軸に対して垂直な平面に、それぞれの位置から下ろした垂線の足の位置が異なること)をいい、さらに第4当接位置は、第2内面の周方向に関して異なる2個、3個、4個、5個・・・・のように2個以上の位置であればよい。
当接部分の第4当接部が第4当接位置に当接すると、指示部分の指示部が、該一端から該他端に向かって第2直線(第2直円柱の中心軸である第2軸を含む直線)に近づく(該一端側が当接部分に取り付けられ、該一端から該他端に向かって第2直線に近づくよう当接部分から突出する)ように第2基準線(第2直線に対し垂直な直線)に沿う縁又は面となるので、指示部が第2基準線を指し示す。指示部は、当接部分に取り付けられた該一端から該他端に向かって第2直線に近づくので、指示部分が第2内面に接触することなく指示部が第2基準線を指し示すようにすることができ、第2直線に沿った位置を問わず、指示部が第2基準線の方向を示すことができる。
【0012】
第3当接本指示具及び第4当接本指示具においては、第3当接部及び/又は第4当接部が、第2内面に線接触又は面接触するものであってもよい。
第3当接部及び/又は第4当接部(即ち、第3当接部のみ、第4当接部のみ、第3当接部と第4当接部との両方の3のいずれかである。)が、第2内面に線接触又は面接触することで、対象物に対して本指示具の相対位置を適したものとすることができ、指示部が第2基準線を正確に指し示すことができる。
【0013】
本指示具においては、指示部が、第1直線を含む平面に存する指示面であってもよい(以下、「指示面本指示具」という。)。
こうすることで指示部分の指示部が、第1直線を含む平面に存する指示面であるので、第1直線に対し垂直な第1基準線を明確に示すことができる(第1基準線の集合である面により第1基準線を明確に示すことができる。)。
【0014】
指示面本指示具においては、指示面が、第1直線に垂直かつ互いに平行な一対の線分の間に形成されるものであってもよい。
このように第1直線に垂直で互いに平行な一対の線分(いずれの線分も一端が第1直線に属すると共に第1基準線に属する)の間に指示面を形成することで、指示面の縁が第1基準線を示すことから、第1基準線を一層明確に示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る方向指示具(本指示具)の正面図である。
図2】本指示具の平面図(図1中、矢印J方向)である。
図3】本指示具の底面図(図1中、矢印K方向)である。
図4】本指示具の背面図(図2中、矢印M方向)である。
図5】本指示具の右側面図(図1中、矢印N方向)である。
図6】本指示具の左側面図(図1中、矢印O方向)である。
図7】本指示具の斜視図である。
図8】本指示具の第1使用例を説明する背面図である。
図9図9(a)は図8のA−A断面図であり、図9(b)は図9(a)のB−B断面図である。
図10】本指示具の第2使用例を説明する背面図である。
図11図10のC−C断面図である。
図12図11のD−D断面図である。
図13】本指示具の第3使用例を説明する背面図である。
図14図13のE−E断面図である。
図15図14のF−F断面図である。
図16】本指示具の第4使用例を説明する背面図である。
図17図16のG−G断面図である。
図18図17のH−H断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。しかしながら、これらによって本発明は何ら制限されるものではない。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る中心軸方向指示具(本指示具)11の正面図であり、図2は本指示具11の平面図(図1中、矢印J方向から見たところを示している。)であり、図3は本指示具11の底面図(図1中、矢印K方向から見たところを示している。)であり、図4は本指示具11の背面図(図2中、矢印M方向から見たところを示している。)であり、図5は本指示具11の右側面図(図1中、矢印N方向から見たところを示している。)であり、図6は本指示具11の左側面図(図1中、矢印O方向から見たところを示している。)であり、そして図7は本指示具11の斜視図である。図1乃至図7を参照して本指示具11について説明する。なお、説明及び理解を容易にするため、互いに直交するx軸、y軸及びz軸の座標軸3軸を用いる(x軸、y軸及びz軸の方向を図中に矢印x、矢印y及び矢印zとして示す。)。
【0018】
本指示具11は、大まかには、y軸に長手方向が平行な短冊状の第1部分21と、第1部分21の一端に取り付けられ長手方向がx軸に平行な第2部分31と、を含んでなる。
【0019】
第1部分21は、3辺がそれぞれx軸、y軸及びz軸に平行な直方体形状をなしており、x軸方向に沿った寸法がx1であり、y軸方向に沿った寸法がy1であり、そしてz軸方向に沿った寸法がz1であり、ここではz1<x1<y1となっている。
そして、後述の如く、第1部分21が有する長方形の6の外面(該6の外面のうち一面は第2部分31に連なっている。)のうちx軸に垂直な一対の外面22、23の一面23が、対象とする直円柱の軸の方向を指し示す。
【0020】
第2部分31は、3辺がそれぞれx軸、y軸及びz軸に平行な直方体形状(後述の凹部38を除く)をなしており、x軸方向に沿った寸法がx2であり、y軸方向に沿った寸法がy2であり、そしてz軸方向に沿った寸法がz2であり、ここではz2<y2<x2となっている。
そして、第1部分21の一面23が、第2部分31のx軸方向に関し真ん中(即ち、第2部分31が有する長方形の6の外面のうちy軸に垂直な一対の外面34、35の一面34をx軸方向に関し等分する位置に一面23が取り付けられている。)に取り付けられている(一面23と一面34とは垂直である。)。
さらに、第2部分31が有する長方形の6の外面のうちz軸に垂直な一対の外面36、37の一面36から他面37に向かって凹部38が形成されている。凹部38は、3辺がそれぞれx軸、y軸及びz軸に平行な直方体形状をなす窪みを形成するものであり、x軸方向に沿った寸法がx3(x3<x2)であり、y軸方向に沿った寸法がy2(第2部分31のy軸方向に沿った寸法と同じ)であり、そしてz軸方向に沿った寸法がz3(z3<z2)であり、ここではz3<y2<x3となっている。
このような第2部分31は、z軸に平行な8の辺(稜)を有しており、これら8の辺(稜)は、後述の通り、対象とする直円筒の外周面及び内周面に当接することで、該直円筒の中心軸を含む平面に一面23が存するように本指示具11を向ける。これら8の当接稜は、具体的には、外面35のx軸方向に関し両側に存する一対の当接稜41、42と、外面34のx軸方向に関し両側に存する一対の当接稜43、44と、凹部38により外面35に形成される当接稜45、46と、凹部38により外面34に形成される当接稜47、48と、を含む。
【0021】
凹部38を規定するz軸に垂直な面38c(凹部38の底面)と、第1部分21が有する長方形の6の外面(該6の外面のうち一面は第2部分31に連なっている。)のうちz軸に垂直な一対の外面26、27の一面26(外面36、37のうち一面36に近い方の面)と、は一平面(無論、z軸に垂直な平面)に属するように形成されている。これにより、直円筒(半径r1で高さh1の第1直円柱から、半径r2(r2<r1)で高さh2(h2=h1)の第2直円柱を、第1直円柱の軸と第2直円柱の軸とを一致させた状態でくり抜いた形状をいう。)の底面(第1直円柱の底面により形成され、半径r1の円から半径r2の円を同心でくり抜いた形状)に一面26及び面38cを当接させると共に、該直円筒の外周面に当接稜47、48を当接させることができ、これによって第1部分21の一面23が、第1直円柱の軸を指し示す(第1直円柱の中心軸を含む平面に一面23が存する)ように本指示具11を用いることができる(後述の第3使用例)。
加えて、該直円筒の該底面に一面26を当接させると共に、該直円筒の内周面に当接稜43、44を当接させることができ、これによって第1部分21の一面23が、該直円筒の軸(第2直円柱の中心軸)から放射方向(一端が該軸に存し該軸に対し垂直な線分が延びる方向)を指し示す(第2直円柱の中心軸を含む平面に一面23が存する)ように本指示具11を用いることができる(後述の第2使用例)。
【0022】
本指示具11の使用方法について説明する。
図8は、本指示具11の第1使用例を説明する背面図(本指示具11については図4と同様の方向から見たところを示している。)であり、図9(a)は図8のA−A断面図であり、そして図9(b)は図9(a)のB−B断面図である。図8及び図9を参照して、本指示具11の第1使用例について説明する。
ここでは対象物としてはパイプ101であり、パイプ101は、半径r1で高さh1の第1直円柱から、半径r2(r2<r1)で高さh2(h2=h1)の第2直円柱を、第1直円柱の軸と第2直円柱の軸とを一致させた状態でくり抜いた直円筒形状を有している。
ここでは当接稜41、42が、第2直円柱の軸201に沿ってパイプ101の内周面103に当接するように、本指示具11をパイプ101の内部空間107に配設している(図示しない作業者の手等により本指示具11を支持している。)。これによって第1部分21の一面23が、軸201を含む平面に存することで、軸201の位置や方向を明確に示す。
【0023】
図10は、本指示具11の第2使用例を説明する背面図(本指示具11については図4と同様の方向から見たところを示している。)であり、図11図10のC−C断面図であり、そして図12図11のD−D断面図である。図10乃至図12を参照して、本指示具11の第2使用例について説明する。
ここの対象物は、第1使用例にて用いたパイプ101と同じものであるので、詳細な説明は省略する。
ここでは当接稜43、44が、第2直円柱の軸201に沿ってパイプ101の内周面103に当接するように、本指示具11をパイプ101の内部空間107に配設している(図示しない作業者の手等により本指示具11を支持している。)。このとき、パイプ101の底面102に第1部分21の一面26が当接することで、パイプ101に対して本指示具11を安定して支持できる。これによって第1部分21の一面23が、軸201を含む平面に存することで、軸201の位置や方向を明確に示す。加えて、この状態の一面23に沿って筆記用具(例えば、ペンや鉛筆等)を動かすことで、軸201に対して垂直な線分を底面102に描くことができる。
【0024】
図13は、本指示具11の第3使用例を説明する背面図(本指示具11については図4と同様の方向から見たところを示している。)であり、図14図13のE−E断面図であり、そして図15図14のF−F断面図である。図13乃至図15を参照して、本指示具11の第3使用例について説明する。
ここの対象物は、第1使用例にて用いたパイプ101と同じものであるので、詳細な説明は省略する。
ここでは当接稜47、48が、第1直円柱の軸201に沿ってパイプ101の外周面105に当接するように、本指示具11をパイプ101の外部空間109に配設している(図示しない作業者の手等により本指示具11を支持している。)。このとき、パイプ101の底面102に第1部分21の一面26が当接することで、パイプ101に対して本指示具11を安定して支持できる。これによって第1部分21の一面23が、軸201を含む平面に存することで、軸201の位置や方向を明確に示す。加えて、この状態の一面23に沿って筆記用具(例えば、ペンや鉛筆等)を動かすことで、軸201に対して垂直な線分を底面102に描くことができる。
【0025】
図16は、本指示具11の第4使用例を説明する背面図(本指示具11については図4と同様の方向から見たところを示している。)であり、図17図16のG−G断面図であり、そして図18図17のH−H断面図である。図16乃至図18を参照して、本指示具11の第4使用例について説明する。
ここの対象物は、第1使用例にて用いたパイプ101と同じものであるので、詳細な説明は省略する。
ここでは当接稜45、46が、第1直円柱の軸201に沿ってパイプ101の外周面105に当接するように、本指示具11をパイプ101の外部空間109に配設している(図示しない作業者の手等により本指示具11を支持している。)。これによって第1部分21の一面23が、軸201を含む平面に存することで、軸201の位置や方向を明確に示す。
また、面34と面22とは直角をなすので、何らかの2の面が直角をなすかどうかを該2の面にこの両面34、22を沿わせることで確認することができる。同様に、面34と面23とは直角をなすので、何らかの2の面が直角をなすかどうかを該2の面にこの両面34、23を沿わせることで確認することができる。
【0026】
以上、図16乃至図18を参照して説明した通り(第4使用例)、本指示具11は、第1直円柱(半径r1、高さh1)の側面の少なくとも一部(ここでは全部)に沿った凸形状の第1外面(外周面105)を有する対象物(ここではパイプ101)の第1外面(外周面105)の周方向に関して異なる少なくとも2の位置(ここでは2)である第1当接位置に当接する第1当接部(ここでは当接稜45、46)を有する当接部分(ここでは第2部分31)と、第1当接部(当接稜45、46)が第1当接位置に当接した際(図16乃至図18)、第1直円柱の中心軸である第1軸(ここでは軸201)を含む第1直線に対し垂直な直線である第1基準線V1に沿い、一端21aから他端21bに向かって第1直線(軸201を含む直線)から遠ざかる縁又は面である指示部(ここでは一面23)を有する指示部分(ここでは第1部分21)であって、該他端21b側が突出するように該一端21a側が当接部分(第2部分31)に取り付けられる指示部分(第1部分21)と、を備えてなる、方向指示具である。
【0027】
図13乃至図15を参照して説明した通り(第3使用例)、本指示具11は、当接部分(第2部分31)が、第1外面(外周面105)の周方向に関して異なる少なくとも2(ここでは2)の位置である第2当接位置に当接する第2当接部(ここでは当接稜47、48)を有し、第2当接部(当接稜47、48)が第2当接位置に当接した際(図13乃至図15)、指示部(一面23)が第1基準線V1に沿うと共に前記一端21aから前記他端21bに向かって第1直線(第1軸(軸201)を含む直線)に近づくものである。
図13乃至図15の第3使用例においては、本指示具11は、対象物(パイプ101)が、第1直円柱の底面の少なくとも一部に沿った第1対象物底面102を有し、指示部分(第1部分21)が、第1対象物底面102に面当接しつつ(底面102に第1部分21の一面26が面当接する)、第2当接部(当接稜47、48)が第2当接位置に当接するものである。
本指示具11においては、第1当接部(当接稜45、46)及び第2当接部(当接稜47、48)が、第1外面(外周面105)に線接触するものである。
【0028】
図10乃至図12を参照して説明した通り(第2使用例)、本指示具11は、対象物(パイプ101)が、第2直円柱(半径r2(r2<r1)、高さh2(h2=h1))の側面の少なくとも一部(ここでは全部)に沿った凹形状の第2内面(ここでは内周面103)を有してなり、当接部分(第2部分31)が、第2内面(内周面103)の周方向に関して異なる少なくとも2(ここでは2)の位置である第3当接位置に当接する第3当接部(ここでは当接稜43、44)を有し、第3当接部(当接稜43、44)が第3当接位置に当接した際(図10乃至図12)、指示部(一面23)が、第2直円柱の中心軸である第2軸(ここでは軸201。なお、ここでは第1軸と第2軸とが一致している。)を含む第2直線に対し垂直な直線である第2基準線V2に沿い、前記一端21aから前記他端21bに向かって第2直線から遠ざかるものである。
図10乃至図12を参照して説明した第2使用例においては、対象物(パイプ101)が、第2直円柱の底面が属する平面の少なくとも一部に沿った対象物(パイプ101)の第2対象物底面102を有し、指示部分(第1部分21)が、第2対象物底面102に面当接しつつ(底面102に第1部分21の一面26が面当接する)、第3当接部(当接稜43、44)が第3当接位置に当接するものである。
【0029】
図8及び図9を参照して説明した通り(第1使用例)、本指示具11は、対象物(パイプ101)が、第2直円柱(半径r2(r2<r1)、高さh2(h2=h1))の側面の少なくとも一部(ここでは全部)に沿った凹形状の第2内面(ここでは内周面103)を有してなり、当接部分(第2部分31)が、第2内面(内周面103)の周方向に関して異なる少なくとも2(ここでは2)の位置である第4当接位置に当接する第4当接部(ここでは当接稜41、42)を有し、第4当接部(当接稜41、42)が第4当接位置に当接した際(図8及び図9)、指示部(一面23)が、第2直円柱の中心軸である第2軸(ここでは軸201。なお、ここでは第1軸と第2軸とが一致している。)を含む第2直線に対し垂直な直線である第2基準線V2に沿い、前記一端21aから前記他端21bに向かって第2直線に近づくものである。
本指示具11においては、第3当接部(当接稜43、44)及び第4当接部(当接稜41、42)が、第2内面(内周面103)に線接触するものである。
【0030】
本指示具11においては、指示部が、第1直線(軸201を含む直線)を含む平面に存する指示面(一面23)である。
そして、本指示具11においては、指示面(一面23)が、第1直線(軸201を含む直線)に垂直かつ互いに平行な一対の線分(ここでは一面23が形成するy軸方向に細長い長方形の一対の2辺)の間に形成されるものである。
【符号の説明】
【0031】
11 本指示具
21 第1部分
21a 一端
21b 他端
22 面
23 一面
26 一面
27 面
31 第2部分
34、35 面
36 一面
37 他面
38 凹部
38c 面
41、42 当接稜
43、44 当接稜
45、46 当接稜
47、48 当接稜
101 パイプ
102 底面
103 内周面
105 外周面
107 内部空間
109 外部空間
201 軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図18