(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6489721
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】スチームモップ用スチーム加熱装置および方法
(51)【国際特許分類】
F22B 27/16 20060101AFI20190318BHJP
F22B 1/28 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
F22B27/16
F22B1/28 Z
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-560579(P2017-560579)
(86)(22)【出願日】2015年11月18日
(65)【公表番号】特表2018-518647(P2018-518647A)
(43)【公表日】2018年7月12日
(86)【国際出願番号】CN2015094859
(87)【国際公開番号】WO2016197545
(87)【国際公開日】20161215
【審査請求日】2018年1月19日
(31)【優先権主張番号】201510308921.9
(32)【優先日】2015年6月8日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517384844
【氏名又は名称】キングクリーン エレクトリック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ニー、ズーゲン
【審査官】
柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3122060(JP,U)
【文献】
中国実用新案第202328130(CN,U)
【文献】
登録実用新案第3100056(JP,U)
【文献】
米国特許第5666910(US,A)
【文献】
国際公開第2015/018641(WO,A2)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0126533(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 27/16
F22B 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スチーム加熱装置であって、
筐体と、
加熱器と、
給水口と、
スチーム出口と
を備え、
前記加熱器は、基部および前記基部から鉛直下方に延びる加熱体を有し、
前記加熱体は、取水路、スチーム出口流路および加熱管を含み、
前記取水路および前記スチーム出口流路は、前記加熱管の一対の鉛直加熱部の間に位置し、
前記取水路は、前記加熱器の一端に配置された前記給水口と連通している一方の端と、スチームが流出できるよう開口している他方の端とを含み、
前記給水口の底部には、前記給水口と連通しているノズルが配置され、
水が前記給水口から流入し、前記ノズルにより前記取水路の管状壁に散布され、
前記スチーム出口流路は、前記加熱器の他方の端に設けられた前記スチーム出口と連通しており、
前記基部は、前記筐体を覆っており、
前記加熱体は、前記スチーム出口が外部に延びるのを可能にする筐体開口部を有する、前記筐体の中に配置され、
前記加熱器と前記筐体の内壁との間には、加熱室が形成され、
前記スチーム出口流路の上部には、スチーム取り入れ孔が設けられ、
加熱された前記スチームは、前記スチーム出口流路の前記上部の前記スチーム取り入れ孔から入り、前記スチーム出口流路の底部から放出される、
スチーム加熱装置。
【請求項2】
前記加熱管は、U字形加熱管であり、前記基部を超えて上方に延びる電極が、前記U字形加熱管の2つの上端部のそれぞれに配置される、請求項1に記載のスチーム加熱装置。
【請求項3】
前記加熱体の一方の側に前記取水路が配置され、前記取水路の位置とは反対にあたる、前記加熱体の他方の側に前記スチーム出口流路が配置される、請求項1に記載のスチーム加熱装置。
【請求項4】
前記取水路および前記スチーム出口流路は、前記加熱管の前記一対の鉛直加熱部のちょうど中間に位置する、請求項1に記載のスチーム加熱装置。
【請求項5】
前記加熱器の前記基部は、スナップを備え、前記スナップと適合する差し込みピンが、前記筐体の接触面に設けられ、前記加熱器および前記筐体は、前記スナップおよび前記差し込みピンにより気密的に連結される、請求項1に記載のスチーム加熱装置。
【請求項6】
前記加熱器の前記基部に接触する、前記筐体の前記接触面には、筐体密封リングが配置される、請求項5に記載のスチーム加熱装置。
【請求項7】
前記筐体開口部の直径が、前記スチーム出口と前記筐体開口部との交差面の直径に等しく、前記交差面には、スチーム出口密封リングが配置される、請求項1に記載のスチーム加熱装置。
【請求項8】
前記加熱体の外径が、前記基部の外径よりも小さい、請求項1に記載のスチーム加熱装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のスチーム加熱装置が適用される、スチーム加熱方法であって、
水が前記給水口から入って前記ノズルにより前記取水路に注入され、加熱されてスチームになり、前記取水路に沿って前記取水路の一端にある開口部から流出する段階と、
前記取水路により変換された前記スチームが、前記加熱器と前記筐体の前記内壁との間に形成された前記加熱室を充填し、前記加熱器の周囲で再び加熱される段階と、
前記スチームが、前記スチーム取り入れ孔を介して前記スチーム出口流路に入ってもう一度加熱され、前記スチーム出口流路に沿って前記スチーム出口から前記スチーム加熱装置の外に流れる段階と
を備える、スチーム加熱方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年6月8日に中華人民共和国国家知識産権局に出願された「HEATING APPARATUS AND METHOD FOR USE IN STEAM MOP」と題する中国特許出願第201510308921.9号に対する優先権を主張するものであり、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、加熱装置および加熱方法、特に、スチームモップに適用されるスチーム加熱装置およびスチーム加熱方法に関する。
【背景技術】
【0003】
スチームモップは、高温殺菌および油汚れの洗浄といった機能を有する。水が加熱されて圧力と高温を発生させ、高温かつ高圧のスチームが、清潔な住居環境を作り出すべく、消毒および殺菌に直接使われる。高圧下で発生したスチームは、洗浄を行うだけでなく、殺菌を行うこともでき、頑固な汚れに容易に対処することができる。スチームモップは、例えば、キッチンの換気扇フードの古くなった取り除きにくい油汚れ、湿った浴室内で繁殖しているカビ、または、自動車エンジンおよび自動車内部の汚れなどの汚れを素早く洗浄することができる。このことは、時間の節約および労力の節約になり、経済的かつ実用的である。洗剤を加える必要は全くなく、経済的原則に完全に適っている。
【0004】
高温および高圧のスチームで消毒および殺菌を行うことがスチームモップの原則なので、スチームモップが、瞬間加熱機能および良好な加熱効果を有するスチーム加熱装置を備えることは非常に重要である。従来のスチームモップ用スチーム発生器は、通常ボイラー式スチーム発生器またはコイル式スチーム発生器である。ボイラー式スチーム発生器は、貯水容器内の水を継続的に加熱して、液体水面からスチームを発生させる。しかしながら、使用後はその都度容器に貯えられた水が適時に排出されねばならず、さもなければ容器に貯えられた水が劣化し、結果的に不衛生になるのが欠点であり、スチーム発生時の液体水の沸騰がスチーム発生器の漏れを起こし得るのが別の欠点である。コイル式スチーム発生器においては、コイルが水源およびスチーム出口にそれぞれ連結され、熱交換器と加熱器との間で熱が交換された後、水源からの水流がコイル内で蒸発してスチームとなる。
【0005】
中国特許CN201836857は、スチームモップ用スチーム発生器を開示している。スチーム発生器は、熱交換器と、電気加熱器と、コイルにより形成されたスチーム発生室とを含む。2層のスチームコイルおよびその間に挟まれた電気加熱管により、コイルと電気加熱管との間で熱交換が行われ、スチームの発生が実現される。しかしながらこのような方式だと、熱交換の際にコイルが直列連結状態にあるため、前側コイルと後側コイルとの間に大きな温度差が生じ、結果的にスチーム加熱器全体の加熱効率および熱活用率が低くなると同時にスチームの乾き度が減少する。更には、給水口および排水口が加熱管の外側に位置するのでスチーム変換効果が乏しくなり、また、スチームが依然として幾つかの水滴を含み得るのでスチーム排出効果が乏しくなる。その上、コイルの容積が小さいため、不純物が混入した水の侵入により閉塞が起こりやすい。従って、スチーム発生器の性能が乏しい。
【0006】
従って、水のスチームへの変換効率を高め、熱を十分に活用するだけでなく、閉塞を回避する加熱装置が求められている。
【発明の概要】
【0007】
このような事情を鑑みて、本出願の通り、スチームモップ用加熱装置を提供する。加熱装置の加熱器の上には加熱装置の給水口およびスチーム出口が直接配置され、加熱装置の加熱器の内側には取水路およびスチーム出口流路が両方とも配置される。これにより、水のスチームへの変換効率を高めるだけでなく、加熱器の熱を十分に活用する。
【0008】
本出願の目的に基づいて提案されるスチーム加熱装置は、筐体、加熱器、給水口およびスチーム出口を含む。加熱器は、基部および基部から鉛直下方に延びる加熱体を含む。加熱体は、取水路、スチーム出口流路および加熱管を含む。取水路およびスチーム出口流路は、加熱管の一対の鉛直加熱部の間に位置する。取水路は、加熱器の一端に配置された給水口と連通している一方の端と、スチームが流出できるよう開口している他方の端とを有する。給水口の底部には、給水口と連通しているノズルが配置される。水が給水口から流入し、ノズルにより取水路の管状壁に散布される。スチーム出口流路は、加熱器の他方の端に設けられたスチーム出口と連通している。基部は筐体を覆っている。加熱体は、スチーム出口が外部に延びるのを可能にする筐体開口部を備える筐体の中に配置される。加熱器と筐体の内壁との間には、加熱室が形成される。スチーム出口流路の上部には、スチーム取り入れ孔が設けられる。加熱されたスチームは、スチーム出口流路の上部のスチーム取り入れ孔から入り、スチーム出口流路の底部から放出される。
【0009】
加熱管はU字形加熱管であるのが好ましい。U字形加熱管の2つの上端部のそれぞれに、基部を超えて上方に延びる電極が配置される。
【0010】
加熱体の一方の側に取水路が配置され、取水路の位置とは反対にあたる、加熱体の他方の側にスチーム出口流路が配置されるのが好ましい。
【0011】
取水路およびスチーム出口流路は、加熱管の一対の鉛直加熱部のちょうど中間に位置するのが好ましい。
【0012】
加熱器の基部はスナップを備えるのが好ましい。スナップと適合する差し込みピンが筐体の接触面に設けられ、加熱器および筐体はこのスナップおよび差し込みピンにより気密的に連結される。
【0013】
筐体密封リングが、加熱器の基部に接触する、筐体の接触面に配置されるのが好ましい。
【0014】
筐体開口部の直径がスチーム出口と筐体開口部との交差面の直径に等しく、スチーム出口密封リングが交差面に設けられるのが好ましい。
【0015】
加熱体の外径は基部の外径よりも小さいのが好ましい。
【0016】
更には、本出願によれば、上記のスチーム加熱装置が適用されるスチーム加熱方法を提供するが、当該スチーム加熱方法は以下の段階を含む。水が給水口から入ってノズルにより取水路に注入され、加熱されてスチームになり、取水路に沿って取水路の端にある開口部から流出する、S1。取水路により変換されたスチームが加熱器と筐体の内壁との間に形成された加熱室を充填し、加熱器の周囲で再び加熱される、S2。スチームがスチーム取り入れ孔を介してスチーム出口流路に入ってもう一度加熱され、スチーム出口流路に沿ってスチーム出口から加熱装置の外に流れる、S3。
【0017】
従来の技術と比べて、本出願には以下の技術的利点がある。
【0018】
給水口およびスチーム出口は加熱器の上に直接配置され、取水路およびスチーム出口流路は両方とも加熱器の加熱体の中に配置される。これにより、水のスチームへの変換効率を高めるだけでなく、加熱器の熱エネルギーを十分に活用する。
【0019】
給水口に連結されたノズルにより、水が取水路に注入される。このノズルを有する設計により、水流の分散が可能となり、水がより広い空間に注入され、かつ、水流のより十分な加熱が可能となるため、水のスチームへの変換効率が高まる。
【0020】
給水口および取水路は加熱体の一方の側に位置し、スチーム出口およびスチーム出口流路は加熱体の他方の側に位置する。これにより、加熱器の様々な部分の周囲でスチームが加熱され、加熱器の熱が十分に活用され得る。従って、スチーム変換効率が高くなり、スチームの質が良くなる。
【0021】
取水路は加熱器の中に位置するように設計され、外部空間を占有しないため、取水路はより大きな流路容積を有するように設計され得る。結果的に不純物により起こる流路閉塞の問題が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本出願の実施形態または従来技術における技術的解決手段をより明確に説明すべく、実施形態または従来技術について述べるために言及されている図面について簡単に後述する。以下の記述における図面は本出願の単なる例に過ぎず、当業者であれば何の創造的努力もせずにこれらの図面に基づいて他の図面を取得し得ることが明らかである。
【0023】
【
図1】本出願の好ましい実施形態に係る加熱装置の全体構造を示す正面図である。
【0024】
【
図2】本出願の好ましい実施形態に係る加熱装置の全体構造を示す模式図であり、(a)は、本出願の好ましい実施形態に係る加熱装置の横断面図であり、(b)は、本出願の好ましい実施形態に係る加熱装置の縦断面1および加熱器内の水および気流の流動過程を示し、(c)は、本出願の好ましい実施形態に係る加熱装置の縦断面2である。
【0025】
【
図3】(a)および(b)は、
図2の(b)の部分的に拡大された構造模式図である。
【0026】
【
図4】本出願の好ましい実施形態に係る加熱器の構造模式図である。
【0027】
【
図5】本出願の好ましい実施形態に係る、筐体から分離された加熱器の構造模式図である。
【0028】
【
図6】取水路が設けられた、加熱器の一方の側にある、部品を示す分解図である。
【0029】
【
図7】スチーム出口流路が設けられた、加熱器の一方の側にある、部品を示す分解図である。
【0030】
図面で参照される参照番号および構成要素の説明:
1.筐体
2.加熱器
3.給水口
4.スチーム出口
5.取水路
6.スチーム出口流路
7.スチーム取り入れ孔
8.加熱管
9.電極
10.筐体開口部
11.筐体密封リング
12.スチーム出口密封リング
【発明を実施するための形態】
【0031】
背景技術で述べたように、従来のスチームモップ用加熱装置は、加熱効率、変換効率および熱活用率が低く、スチーム排出効果が乏しく、かつ閉塞しやすいため、スチーム発生器の性能が乏しい。
【0032】
本出願の具体的な技術的解決手段について詳しく後述する。
【0033】
図1から
図7を参照すると、本出願の好ましい実施形態に係るスチームモップ用加熱装置は、筐体1、加熱器2、給水口3、スチーム出口4を含む。加熱器2は、基部および基部から鉛直下方に延びる加熱体を含む。加熱体の外径は、基部の外径よりも小さい。加熱体は、取水路5、スチーム出口流路6および加熱管8を備える。給水口は基部の上部に設けられ、基部を通って取水路内へと下方に延びる。取水路は、加熱体を通って加熱体に沿って鉛直に延びる。取水路5は、取水路内に延びる給水口3と連通している一方の端と、スチームが流出するのを可能にする貫通開口部がある他方の端とを有する。スチーム出口流路6は、加熱器の一端に配置されたスチーム出口4と連通している。筐体1は、スチーム出口が外部に延びるのを可能にする筐体開口部10を備える。加熱器2の基部は、筐体を覆っている。加熱器の加熱体は筐体1に収容され、加熱器と筐体の内壁との間には加熱室が形成される。スチーム出口流路6は、スチーム出口流路6および加熱室と連通しているスチーム取り入れ孔7を備える。
【0034】
具体的には、加熱管8はU字形の部分である。基部を超えて上方に延びる電極9がU字形加熱管の2つの上端部のそれぞれに配置される。電極9は、加熱管8の一方の端に連結された一方の端と、電気配線(図示せず)により電源(図示せず)に連結された他方の端とを有する。取水路5は加熱器2の一方の側に配置され、取水路はU字形加熱管8の一対の鉛直加熱部の間にある範囲「A」に位置する。給水口3は中空筒状を有し、加熱器の上方端部に配置され、かつ、加熱器と一体に成形されるか、気密的に連結される。一方、給水口3の底部には、給水口3と連通しているノズルが配置される。水が給水口を介して流入し、ノズルを通して取水路5の管状壁に散布される。ノズルの採用により、水流を分散させ、水がより広い空間に注入されるようにし、水分子と取水路5の内壁との間に広い接触領域を形成することができる。従って、水流がより十分に加熱され得るため、水のスチームへの変換効率は高まる。一方、取水路5は加熱器の中に位置するように設計され、外部容積を占有しないので、より大きな流路容積を有するように設計され得る。結果的に水がノズルを通してより広い空間に注入され、不純物により起こる流路閉塞の問題が回避される。取水路5の上方端部が加熱器の上方端部に配置された給水口3と連通している。スチームが取水路5から加熱室に流入するのを可能にする、開口部が取水路5の下方端部に配置される。取水路5は加熱器の中に直接配置されるので、極めて高い温度を有する。水は取水路5に注入されると、高温でスチームに素早く変換され得る。従って、変換効率は高く、エネルギー消費量は低く、加熱器の全体性能が高まる。変換されたスチームは、取水路5に沿って取水路5の下方端部にある開口部から流出し、加熱器2と筐体の内壁との間に形成された加熱室を充填し、結果的に加熱器の周囲で再び加熱される。
【0035】
筐体1および加熱器2の基部は、スナップまたはロック爪などにより気密的な方式で確実に連結され得る。例えば、加熱器2の基部はスナップを備え、スナップと適合する差し込みピンが、基部に接触する、筐体1の接触面に設けられる。代替的に、基部および筐体が、対応するネジ穴を備え、ネジにより連結される。また、筐体1と加熱器2との密封性を更に確保すべく、加熱器2の基部に接触する、筐体1の接触面に密封リングが配置され、水およびスチームが溢れるのを回避する
【0036】
スチーム出口流路6は、取水路の位置とは反対にあたる、加熱体の他方の側に配置され、U字形加熱管8の一対の鉛直加熱部の間に位置する。スチーム出口流路6は、加熱器の下方端部に配置されたスチーム出口4と連通している。スチーム出口4が突出するのを可能にする、筐体開口部10が筐体1の底部端に設けられる。筐体開口部10の直径がスチーム出口4と筐体開口部との交差面の直径に等しい。密封性を更に確保すべく、交差面の側にはスチーム出口密封リング12が配置され、水およびスチームが溢れるのを回避する。スチーム出口流路6は、スチーム出口流路6および加熱室と連通しているスチーム取り入れ孔7を備える。取水路5により変換されたスチームは、加熱室の周囲で再び加熱された後、スチーム出口流路6内の圧力が低いため、スチーム取り入れ孔7からスチーム出口流路6に流れ込む。この場合、スチーム出口流路6が加熱器の中に直接配置されているため、スチーム出口流路6は極めて高い温度を有し、スチームは高温でもう一度加熱される。加熱されたスチームは、スチーム出口流路6およびスチーム出口4に沿って加熱装置から流出する。
【0037】
具体的には、本出願の好ましい実施形態に係る加熱器の横断面図である
図2の(a)を参照する。給水口3、取水路5は加熱体の一方の側に位置し、スチーム出口4およびスチーム出口流路6は加熱体の他方の側に位置する。これらはU字形加熱管8の一対の鉛直加熱部のちょうど間に位置する。図から分かるように、加熱管の一対の鉛直加熱部の中心が2本の鉛直線で提示される。取水路5およびスチーム出口流路6の位置は、U字形加熱管の鉛直加熱部の中心を通過する2本の線がなす角度内に配置されてよく、水平線に対してそれぞれ45度の角度で傾けられる。すなわち範囲「A」に配置される。取水路5およびスチーム出口流路6がU字形加熱管の一対の鉛直加熱部のちょうど中間に位置するのが好ましい。従って、加熱器の様々な部分の周囲でスチームが加熱され、結果的に加熱器の熱が十分に活用され得る。それにより、スチーム変換効率がより高くなり、スチームがより乾燥し、スチームの質が良くなる。
【0038】
別の実施形態によると、給水口3と取水路5、およびスチーム出口4とスチーム出口流路6は、対応する開口部の位置が変更される限り、代替的に加熱体の同じ側に位置してよく、U字形加熱管8の一対の鉛直加熱部の間には位置しなくてよい。
【0039】
本出願においては、給水口およびスチーム出口が加熱器に直接配置され、取水路およびスチーム出口流路が両方とも加熱器の中に配置されるため、占有される容積がより小さくなり、取水路およびスチーム出口流路がより大きくされ得る。加熱器内の水および気流の流動過程が示されている
図2の(b)を参照する。水がノズルにより取水路内に散布され、十分に加熱されてスチームになる。スチームは加熱器と筐体の内壁との間に形成された加熱室に流入し、加熱室を充填し、加熱器の周囲で再び加熱される。その後、スチームはスチーム取り入れ孔を介してスチーム出口流路に入り、高温でもう一度加熱される。加熱されたスチームは、スチーム出口流路およびスチーム出口に沿って加熱装置から流出する。本出願に係る加熱装置は、加熱器の熱を十分に活用することができ、より高いスチーム変換効率を有し、より質の良いスチームを発生させ、その上閉塞を回避する。結果的に加熱装置の性能が高まる。
【0040】
本明細書における実施形態の記述により、当業者が本出願を実装または使用することが可能になる。当業者にとっては実施形態に対する様々な修正が明らかであり、本明細書で定義される一般原理は、本出願の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態で実装され得る。従って、本出願は本明細書で述べた実施形態に限定されないが、本明細書で開示した原則および新規な特徴と整合する最も広い範囲に準拠しているべきである。