特許第6489764号(P6489764)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6489764情報コード生成方法、情報コード、情報コード読取システム、及び情報コード利用システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6489764
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】情報コード生成方法、情報コード、情報コード読取システム、及び情報コード利用システム
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/06 20060101AFI20190318BHJP
   G06K 1/12 20060101ALI20190318BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
   G06K19/06 037
   G06K1/12 A
   G06K7/14 017
【請求項の数】20
【全頁数】47
(21)【出願番号】特願2014-126389(P2014-126389)
(22)【出願日】2014年6月19日
(65)【公開番号】特開2016-4535(P2016-4535A)
(43)【公開日】2016年1月12日
【審査請求日】2017年1月20日
【審判番号】不服2018-5970(P2018-5970/J1)
【審判請求日】2018年5月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(72)【発明者】
【氏名】田中 正己
(72)【発明者】
【氏名】牛嶋 隆雄
【合議体】
【審判長】 辻本 泰隆
【審判官】 ▲はま▼中 信行
【審判官】 須田 勝巳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−216088(JP,A)
【文献】 特開2009−295145(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/077186(WO,A1)
【文献】 特開2014−71469(JP,A)
【文献】 特開2010−218343(JP,A)
【文献】 特開2010−166537(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/00
G06K 7/10
G06K 19/06
G06K 1/12
G06K 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のコード領域の内部に情報を表示する単位となるセルを配列した情報コードを情報コード生成装置によって生成して表示部に表示する情報コード生成方法であって、
前記コード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類の前記セルによってデータを記録するデータ記録領域と、複数種類の前記セルによって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とを設け、前記コード領域の内部において、前記特定パターン領域及び前記データ記録領域以外の位置に、前記セルによって解読対象データが記録されない領域であって前記誤り訂正符号による誤り訂正の対象にならない空き領域を、単一の前記セルのサイズよりも大きいサイズで設け、前記空き領域内を検索キーの表示予定領域である認識対象領域として構成し、
前記情報コードは、前記表示部に表示される際に、前記情報コード生成装置に対して前記検索キーの画像として外部から入力された画像である検索キー画像が前記認識対象領域に表されるものであって、前記データ記録領域に、前記検索キー画像を送信する送信先としてインターネット上の検索サイトを特定するアドレス情報を記録することを特徴とする情報コード生成方法。
【請求項2】
前記データ記録領域に、検索条件を指定する条件情報を記録することを特徴とする請求項1に記載の情報コード生成方法。
【請求項3】
前記コード領域内での前記認識対象領域の位置を示す位置データを前記データ記録領域に記録することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報コード生成方法。
【請求項4】
前記認識対象領域が前記コード領域内に存在することを示す識別情報を前記データ記録領域に記録することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報コード生成方法。
【請求項5】
所定のコード領域の内部に情報を表示する単位となるセルを配列してなる情報コードであって、
前記コード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類の前記セルによってデータを記録するデータ記録領域と、複数種類の前記セルによって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とが設けられ、前記コード領域の内部において、前記特定パターン領域及び前記データ記録領域以外の位置に、前記セルによって解読対象データが記録されない領域であって前記誤り訂正符号による誤り訂正の対象にならない空き領域が、単一の前記セルのサイズよりも大きいサイズで設けられ、前記空き領域内が検索キーの表示予定領域である認識対象領域として構成され、
前記検索キーの画像となる検索キー画像が前記認識対象領域に表されるように表示部に表示され、
前記データ記録領域に、前記検索キー画像を送信する送信先としてインターネット上の検索サイトを特定するアドレス情報が記録されていることを特徴とする情報コード。
【請求項6】
前記データ記録領域に、検索条件を指定する条件情報が記録されていることを特徴とする請求項5に記載の情報コード。
【請求項7】
前記コード領域内での前記認識対象領域の位置を示す位置データが前記データ記録領域に記録されていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の情報コード。
【請求項8】
前記認識対象領域が前記コード領域内に存在することを示す識別情報が前記データ記録領域に記録されていることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の情報コード。
【請求項9】
所定のコード領域の内部に情報を表示する単位となるセルを配列してなる情報コード表示部に表示された状態で撮像し、前記情報コードを読み取る情報コード読取装置と、
管理装置と、
を備える情報コード読取システムであって、
前記情報コードは、前記コード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類の前記セルによってデータを記録するデータ記録領域と、複数種類の前記セルによって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とが設けられ、前記コード領域の内部において、前記特定パターン領域及び前記データ記録領域以外の位置に、前記セルによって解読対象データが記録されない領域であって前記誤り訂正符号による誤り訂正の対象にならない空き領域が、単一の前記セルのサイズよりも大きいサイズで設けられ、前記空き領域内が検索キーの表示予定領域である認識対象領域として構成されたものであり、前記検索キーの画像となる検索キー画像が前記認識対象領域に表されるように前記表示部に表示され、
前記情報コードは、前記データ記録領域に、前記検索キー画像を送信する送信先として前記管理装置で提供される検索サイトを特定するアドレス情報が記録されたものであり、
前記情報コード読取装置は、
前記表示部に表示された前記情報コードを撮像可能な撮像部と、
前記情報コードが撮像された場合に、その撮像された前記情報コードにおける前記データ記録領域に記録されたデータを読み取るデータ記録領域読取部と、
前記情報コードが撮像された場合に、前記空き領域内に構成される前記認識対象領域の画像を抽出する画像抽出部と、
前記画像抽出部により抽出された画像を前記検索キー画像として前記データ記録領域読取部により読み取られた前記アドレス情報で特定される前記管理装置に送信する送信部と、
を有し、
前記管理装置は、
前記送信部から送信されたデータを受信する受信部と、
複数の検索候補をそれぞれ表した候補画像が記憶される記憶部と、
前記受信部で受信したデータに基づき、前記記憶部に記憶される複数の前記候補画像の中から前記検索キー画像に類似する所定の類似画像を抽出する類似画像抽出部と、
を有し、
前記情報コード読取装置では、前記類似画像抽出部により抽出された画像が検索結果として表示されることを特徴とする情報コード読取システム。
【請求項10】
前記情報コードは、前記データ記録領域に検索条件を指定する条件情報が記録されたものであり、
前記送信部から送信されたデータには、前記データ記録領域読取部にて読み取られた前記条件情報が含まれ、
前記類似画像抽出部は、前記受信部で受信したデータに基づき、予め用意された複数の検索候補の画像の中から、前記条件情報で指定される検索条件に合致し且つ前記認識対象領域内に表された前記検索キーと類似する画像を検索することを特徴とする請求項9に記載の情報コード読取システム。
【請求項11】
前記表示部にて前記認識対象領域内に前記検索キーが表され且つ前記認識対象領域内に記号情報が表された状態で前記情報コードが撮像された場合に、前記送信部から送信されたデータには、撮像されることで認識された前記記号情報が含まれ、
前記類似画像抽出部は、前記受信部で受信したデータに基づき、予め用意された複数の検索候補の画像の中から、前記記号情報で指定される条件に合致し且つ前記認識対象領域内に表された前記検索キーと類似する画像を検索することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の情報コード読取システム。
【請求項12】
前記類似画像抽出部は、前記情報コード読取装置により前記検索キーが前記認識対象領域に表された複数の前記情報コードが同時期に、又は所定の連続状態で撮像された場合に、それら複数の前記情報コードにおけるそれぞれの前記認識対象領域に表される表示内容に基づいて、予め用意された複数の検索候補の画像の中から、それぞれの前記認識対象領域内に表された前記検索キーと類似する画像を検索することを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。
【請求項13】
前記情報コードは、前記コード領域内での前記認識対象領域の位置を示す位置データが前記データ記録領域に記録されたものであり、
前記画像抽出部は、前記データ記録領域読取部が読み取った前記位置データに基づいて前記コード領域内での前記認識対象領域の位置を特定することを特徴とする請求項9から請求項12のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。
【請求項14】
前記情報コードは、前記認識対象領域が前記コード領域内に存在することを示す識別情報が前記データ記録領域に記録されたものであり、
前記画像抽出部は、前記データ記録領域読取部による前記データ記録領域の読取結果に基づき、前記データ記録領域に前記識別情報が記録されていることを条件として前記認識対象領域の画像の抽出を行うことを特徴とする請求項9から請求項13のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。
【請求項15】
所定のコード領域の内部に情報を表示する単位となるセルを配列した情報コードを生成する情報コード生成システムと、
示部に表示された前記情報コードを撮像し、前記情報コードを読み取る情報コード読取装置と、
管理装置と、
を備えた情報コード利用システムであって、
前記情報コード生成システムは、前記コード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類の前記セルによってデータを記録するデータ記録領域と、複数種類の前記セルによって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とを設け、前記コード領域の内部において、前記特定パターン領域及び前記データ記録領域以外の位置に、前記セルによって解読対象データが記録されない領域であって前記誤り訂正符号による誤り訂正の対象にならない空き領域を、単一の前記セルのサイズよりも大きいサイズで設け、前記空き領域内を検索キーの表示予定領域である認識対象領域として構成し、前記データ記録領域に画像を送信する送信先として前記管理装置で提供される検索サイトを特定するアドレス情報が記録されるように前記情報コードを生成し、
前記情報コード読取装置は、
前記表示部に表示された情報コードを撮像可能な撮像部と、
前記情報コードが撮像された場合に、その撮像された前記情報コードにおける前記データ記録領域に記録されたデータを読み取るデータ記録領域読取部と、
前記情報コードが撮像された場合に、前記空き領域内に構成される前記認識対象領域の画像を抽出する画像抽出部と、
前記画像抽出部により抽出された画像を検索キー画像として前記データ記録領域読取部により読み取られた前記アドレス情報で特定される前記管理装置に送信する送信部と、
を有し、
前記管理装置は、
前記送信部から送信されたデータを受信する受信部と、
複数の検索候補をそれぞれ表した候補画像が記憶される記憶部と、
前記受信部で受信したデータに基づき、前記記憶部に記憶される複数の前記候補画像の中から前記検索キー画像に類似する所定の類似画像を抽出する類似画像抽出部と、
を有し、
前記情報コード読取装置では、前記類似画像抽出部により抽出された画像が検索結果として表示されることを特徴とする情報コード利用システム。
【請求項16】
前記情報コード生成システムは、前記データ記録領域に検索条件を指定する条件情報を記録した構成で前記情報コードを生成し、
前記送信部から送信されたデータには、前記データ記録領域読取部にて読み取られた前記条件情報が含まれ、
前記類似画像抽出部は、前記受信部で受信したデータに基づき、予め用意された複数の検索候補の画像の中から、前記条件情報で指定される検索条件に合致し且つ前記認識対象領域内に表された前記検索キーと類似する画像を検索することを特徴とする請求項15に記載の情報コード利用システム。
【請求項17】
前記表示部にて前記認識対象領域内に前記検索キーが表され且つ前記認識対象領域内に記号情報が表された状態で前記情報コードが撮像された場合に、前記送信部から送信されたデータには、撮像されることで認識された前記記号情報が含まれ、
前記類似画像抽出部は、前記受信部で受信したデータに基づき、予め用意された複数の検索候補の画像の中から、前記記号情報で指定される条件に合致し且つ前記認識対象領域内に表された前記検索キーと類似する画像を検索することを特徴とする請求項15又は請求項16に記載の情報コード利用システム。
【請求項18】
前記類似画像抽出部は、前記情報コード読取装置により前記検索キーが前記認識対象領域に表された複数の前記情報コードが同時期に、又は所定の連続状態で撮像された場合に、それら複数の前記情報コードにおけるそれぞれの前記認識対象領域に表される表示内容に基づいて、予め用意された複数の検索候補の画像の中から、それぞれの前記認識対象領域内に表された前記検索キーと類似する画像を検索することを特徴とする請求項15から請求項17のいずれか一項に記載の情報コード利用システム。
【請求項19】
前記情報コード生成システムは、前記コード領域内での前記認識対象領域の位置を示す位置データを前記データ記録領域に記録した構成で前記情報コードを生成し、
前記画像抽出部は、前記データ記録領域読取部が読み取った前記位置データに基づいて前記コード領域内での前記認識対象領域の位置を特定することを特徴とする請求項15から請求項18のいずれか一項に記載の情報コード利用システム。
【請求項20】
前記情報コード生成システムは、前記認識対象領域が前記コード領域内に存在することを示す識別情報を前記データ記録領域に記録した構成で前記情報コードを生成し、
前記画像抽出部は、前記データ記録領域読取部による前記データ記録領域の読取結果に基づき、前記データ記録領域に前記識別情報が記録されていることを条件として前記認識対象領域の画像の抽出を行うことを特徴とする請求項15から請求項19のいずれか一項に記載の情報コード利用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報コード生成方法、情報コード、情報コード読取システム、及び情報コード利用システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、インターネットショッピングなどが浸透しており、ユーザが商品などを検索する機会も増えている。例えば、商品検索を行う場合、一般的には、検索サイトにアクセスし、その検索サイトにおいて物品種別、企業名、ブランド名、商品名などをキーワードとして検索を行うことになる。このようなキーワード検索が予定された検索サイトでは、予め用意されたデータベースにおいて、物品毎に詳細内容や画像などが登録されており、キーワード検索がなされた場合には、キーワードに合致した物品を抽出し、その画像などをリスト表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−251850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した一般的なキーワード検索は、検索対象の具体的内容が判明している場合にはある程度の効果を発揮するが、検索対象の具体的内容が判明していない場合には検索を効率的に行い難いという問題がある。例えば、物品の外観などは判明しているが、物品の種別や名称などの重要な検索項目が不明であると、膨大な候補の中から候補数を絞り込むことが難しく、検索に非常に時間がかかってしまうことになる。
【0005】
一方、検索に関する技術として、特許文献1のようなものも提案されている。この技術では、希望する商品の画像自体をキーとして類似画像検索を行い、該当する候補を抽出してリスト表示している。しかしながら、この技術では、ユーザが希望する商品の画像ファイルを自身のコンピュータで詳細に作成した上で、検索サイトにアクセスし、その検索サイトにて様々な操作を行うことで、画像ファイルをキーとした検索が可能となる。このような方法では、使い勝手が悪く、検索処理が円滑に行われにくいという問題がある。
【0006】
本発明は、検索対象の画像をより正確に特定しやすく、検索対象の画像を用いた検索処理をより円滑に行うことを可能とする情報コードの生成方法、情報コード、情報コード読取システム、及び情報コード利用システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、所定のコード領域の内部に情報を表示する単位となるセルを配列した情報コードを情報コード生成装置によって生成して表示部に表示する情報コード生成方法であって、
前記コード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類の前記セルによってデータを記録するデータ記録領域と、複数種類の前記セルによって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とを設け、前記コード領域の内部において、前記特定パターン領域及び前記データ記録領域以外の位置に、前記セルによって解読対象データが記録されない領域であって前記誤り訂正符号による誤り訂正の対象にならない空き領域を、単一の前記セルのサイズよりも大きいサイズで設け、前記空き領域内を検索キーの表示予定領域である認識対象領域として構成し、
前記情報コードは、前記表示部に表示される際に、前記情報コード生成装置に対して前記検索キーの画像として外部から入力された画像である検索キー画像が前記認識対象領域に表されるものであって、前記データ記録領域に、前記検索キー画像を送信する送信先としてインターネット上の検索サイトを特定するアドレス情報を記録することを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、所定のコード領域の内部に情報を表示する単位となるセルを配列してなる情報コードであって、
前記コード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類の前記セルによってデータを記録するデータ記録領域と、複数種類の前記セルによって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とが設けられ、前記コード領域の内部において、前記特定パターン領域及び前記データ記録領域以外の位置に、前記セルによって解読対象データが記録されない領域であって前記誤り訂正符号による誤り訂正の対象にならない空き領域が、単一の前記セルのサイズよりも大きいサイズで設けられ、前記空き領域内が検索キーの表示予定領域である認識対象領域として構成され、
前記検索キーの画像となる検索キー画像が前記認識対象領域に表されるように表示部に表示され、
前記データ記録領域に、前記検索キー画像を送信する送信先としてインターネット上の検索サイトを特定するアドレス情報が記録されていることを特徴とする。
【0009】
第3の発明は、所定のコード領域の内部に情報を表示する単位となるセルを配列してなる情報コード表示部に表示された状態で撮像し、前記情報コードを読み取る情報コード読取装置と、
管理装置と、
を備える情報コード読取システムであって、
前記情報コードは、前記コード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類の前記セルによってデータを記録するデータ記録領域と、複数種類の前記セルによって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とが設けられ、前記コード領域の内部において、前記特定パターン領域及び前記データ記録領域以外の位置に、前記セルによって解読対象データが記録されない領域であって前記誤り訂正符号による誤り訂正の対象にならない空き領域が、単一の前記セルのサイズよりも大きいサイズで設けられ、前記空き領域内が検索キーの表示予定領域である認識対象領域として構成されたものであり、前記検索キーの画像となる検索キー画像が前記認識対象領域に表されるように前記表示部に表示され、
前記情報コードは、前記データ記録領域に、前記検索キー画像を送信する送信先として前記管理装置で提供される検索サイトを特定するアドレス情報が記録されたものであり、
前記情報コード読取装置は、
前記表示部に表示された前記情報コードを撮像可能な撮像部と、
前記情報コードが撮像された場合に、その撮像された前記情報コードにおける前記データ記録領域に記録されたデータを読み取るデータ記録領域読取部と、
前記情報コードが撮像された場合に、前記空き領域内に構成される前記認識対象領域の画像を抽出する画像抽出部と、
前記画像抽出部により抽出された画像を前記検索キー画像として前記データ記録領域読取部により読み取られた前記アドレス情報で特定される前記管理装置に送信する送信部と、
を有し、
前記管理装置は、
前記送信部から送信されたデータを受信する受信部と、
複数の検索候補をそれぞれ表した候補画像が記憶される記憶部と、
前記受信部で受信したデータに基づき、前記記憶部に記憶される複数の前記候補画像の中から前記検索キー画像に類似する所定の類似画像を抽出する類似画像抽出部と、
を有し、
前記情報コード読取装置では、前記類似画像抽出部により抽出された画像が検索結果として表示されることを特徴とする。
【0010】
第4の発明は、所定のコード領域の内部に情報を表示する単位となるセルを配列した情報コードを生成する情報コード生成システムと、
示部に表示された前記情報コードを撮像し、前記情報コードを読み取る情報コード読取装置と、
管理装置と、
を備えた情報コード利用システムであって、
前記情報コード生成システムは、前記コード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類の前記セルによってデータを記録するデータ記録領域と、複数種類の前記セルによって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とを設け、前記コード領域の内部において、前記特定パターン領域及び前記データ記録領域以外の位置に、前記セルによって解読対象データが記録されない領域であって前記誤り訂正符号による誤り訂正の対象にならない空き領域を、単一の前記セルのサイズよりも大きいサイズで設け、前記空き領域内を検索キーの表示予定領域である認識対象領域として構成し、前記データ記録領域に画像を送信する送信先として前記管理装置で提供される検索サイトを特定するアドレス情報が記録されるように前記情報コードを生成し、
前記情報コード読取装置は、
前記表示部に表示された情報コードを撮像可能な撮像部と、
前記情報コードが撮像された場合に、その撮像された前記情報コードにおける前記データ記録領域に記録されたデータを読み取るデータ記録領域読取部と、
前記情報コードが撮像された場合に、前記空き領域内に構成される前記認識対象領域の画像を抽出する画像抽出部と、
前記画像抽出部により抽出された画像を検索キー画像として前記データ記録領域読取部により読み取られた前記アドレス情報で特定される前記管理装置に送信する送信部と、
を有し、
前記管理装置は、
前記送信部から送信されたデータを受信する受信部と、
複数の検索候補をそれぞれ表した候補画像が記憶される記憶部と、
前記受信部で受信したデータに基づき、前記記憶部に記憶される複数の前記候補画像の中から前記検索キー画像に類似する所定の類似画像を抽出する類似画像抽出部と、
を有し、
前記情報コード読取装置では、前記類似画像抽出部により抽出された画像が検索結果として表示されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明で生成された情報コードでは、コード領域の内部において、前記特定パターン領域及び前記データ記録領域以外の位置に、前記セルによって解読対象データが記録されない領域であって前記誤り訂正符号による誤り訂正の対象にならない空き領域を、単一の前記セルのサイズよりも大きいサイズで設け、前記空き領域内を、検索キーの表示予定領域である認識対象領域として構成することができる。この情報コードでは、検索キーが認識対象領域に表されている状態で情報コードを読み取るという簡単な読取操作によって読取側が検索キーの画像を認識可能となり、検索キーの画像を用いた検索をより円滑に行うことができる。
【0012】
特に、前記コード領域の内部において、前記特定パターン領域及び前記データ記録領域以外の位置に、前記セルによって解読対象データが記録されない領域である空き領域を、単一の前記セルのサイズよりも大きいサイズで設け、前記空き領域内を前記認識対象領域としている。
この方法では、コード領域の内部においてデータ記録領域及び特定パターン領域以外の位置に、セルによって解読対象データが記録されない領域(空き領域)を確保することができ、且つこの空き領域を認識対象領域として利用し得る情報コードを生成することができる。空き領域はセルによって解読対象データが記録されない領域であるため、認識対象領域がセルの影響を受け難くなり、認識対象領域をより自由に構成し易くなる。
【0013】
特に、前記情報コード生成装置に対して外部から入力された画像である検索キー画像が前記認識対象領域に表されるように情報コードを表示部に表示する。
この方法で生成された情報コードによれば、より簡易な操作で検索キーを検索することが可能となる。また、予め位置が明確に規定された領域を認識対象領域として利用できるため、単に検索キーを写真撮影するような方法と比較して、検索キーを抽出すべき範囲をより正確に特定することができ、その抽出に際し複雑な作業を省略しやすくなる。
【0017】
特に、前記データ記録領域に、前記検索キー画像を送信する送信先としてインターネット上の検索サイトを特定するアドレス情報を記録する。
この方法で生成された情報コードによれば、認識対象領域の画像と、データ記録領域に記録されたアドレス情報とを関連付けて利用することが可能となる。例えば、情報コードの読み取りに際し、検索キー画像をデータ記録領域に記録されたアドレス情報で特定される送信先に自動的に送信するといった処理が可能となり、これにより、送信先において検索処理を行うことができるようになる。特に、情報コードの読み取り毎に、送信先を特定するアドレス情報の入力操作などを行わずに済み、入力操作に伴う作業負担や入力間違えなどを確実に抑えることができる。
【0018】
請求項の発明では、前記データ記録領域に、検索条件を指定する条件情報を記録する。
この方法で生成された情報コードによれば、必要となる検索条件を予めデータ記録領域内に用意しておくことができ、検索時に条件を指定する手間を抑えることができるため、省力化、迅速化を図り易くなる。しかも、認識対象領域の画像だけでなく、他の条件を加味して検索を行うことが可能となるため、検索の精度を高めやすくなる。
【0019】
請求項の発明では、前記コード領域内での前記認識対象領域の位置を示す位置データを前記データ記録領域に記録する。
この方法で生成された情報コードによれば、読み取りの際に、データ記録領域に記録される位置データに基づいてコード画像内での認識対象領域の位置をより正確に特定しやすくなる。
【0020】
請求項の発明では、前記認識対象領域が前記コード領域内に存在することを示す識別情報を前記データ記録領域に記録する。
この方法で生成された情報コードによれば、読み取りの際に、認識対象領域がコード領域内に存在するか否かを識別情報の有無によって判別し易くなる。
【0021】
請求項の発明によれば、請求項1と同様の効果を奏する情報コードを実現できる。
請求項の発明によれば、請求項2と同様の効果を奏する情報コードを実現できる。
請求項の発明によれば、請求項3と同様の効果を奏する情報コードを実現できる。
請求項の発明によれば、請求項4と同様の効果を奏する情報コードを実現できる
【0022】
請求項9の発明によれば、認識対象領域内に検索キーが表された状態で情報コードが撮像された場合には、識対象領域内に表される検索キーを検索する所定の検索処理を行うことができる。特に、検索キーが認識対象領域に表されている状態で情報コードを読み取るという簡単な読取操作によって読取側が検索キーの画像を認識可能となり、検索キーの画像を用いた検索をより円滑に行うことができる。
【0023】
特に、前記情報コード媒体は、前記コード領域の内部において、前記特定パターン領域及び前記データ記録領域以外の位置に、前記セルによって解読対象データが記録されない領域である空き領域が、単一の前記セルのサイズよりも大きいサイズで設けられ、前記空き領域内が前記認識対象領域とされたものであり、前記情報コード媒体が撮像された場合に、前記空き領域内に構成される前記認識対象領域の画像を抽出する画像抽出部を有する。
この構成によれば、コード領域内においてデータ記録領域及び特定パターン領域以外の位置にセルによって解読対象データが記録されない領域(空き領域)が確保され、この空き領域が認識対象領域として利用された情報コードを読取対象とすることができる。そして、その情報コードの認識対象領域に表された内容を画像として抽出し、その画像を条件として円滑に検索処理を行うことができる。
【0028】
特に、前記情報コードは、前記データ記録領域に、前記検索キー画像を送信する送信先としてインターネット上の検索サイトを特定するアドレス情報が記録されたものであり、前記情報コード読取装置は、前記画像抽出部により抽出された画像を前記検索キー画像として前記アドレス情報で特定される送信先に送信する送信部を有し、前記管理装置は、前記送信部から送信されたデータを受信する受信部と、複数の検索候補をそれぞれ表した候補画像が記憶される記憶部と、前記受信部で受信したデータに基づき、前記記憶部に記憶される複数の前記候補画像の中から前記検索キーの画像に類似する所定の類似画像を抽出する類似画像抽出部と、を有する。
この構成によれば、認識対象領域の画像と、データ記録領域に記録されたアドレス情報とを関連付けて利用することが可能となる。例えば、情報コードの読み取りに際し、検索キー画像をデータ記録領域に記録されたアドレス情報で特定される送信先に自動的に送信するといった処理が可能となり、これにより、送信先において検索処理を行うことができるようになる。特に、情報コードの読み取り毎に、送信先を特定するアドレス情報の入力操作などを行わずに済み、入力操作に伴う作業負担や入力間違えなどを確実に抑えることができる。
【0029】
請求項10の発明では、前記情報コードは、前記データ記録領域に検索条件を指定する条件情報が記録されたものであり、前記送信部から送信されたデータには、前記データ記録領域読取部にて読み取られた前記条件情報が含まれ、前記類似画像抽出部は、前記受信部で受信したデータに基づき、予め用意された複数の検索候補の画像の中から、前記条件情報で指定される検索条件に合致し且つ前記認識対象領域内に表された前記検索キーと類似する画像を検索する。
この構成によれば、必要となる検索条件を予めデータ記録領域内に用意しておくことができ、検索時に条件を指定する手間を抑えることができるため、省力化、迅速化を図り易くなる。しかも、認識対象領域の画像だけでなく、他の条件を加味して検索を行うことが可能となるため、検索の精度を高めやすくなる。
【0030】
請求項11の発明では、前記表示部にて前記認識対象領域内に前記検索キーが表され且つ前記認識対象領域内に記号情報が表された状態で前記情報コードが撮像された場合に、前記送信部から送信されたデータには、撮像されることで認識された前記記号情報が含まれ、前記類似画像抽出部は、前記受信部で受信したデータに基づき、予め用意された複数の検索候補の画像の中から、前記記号情報で指定される条件に合致し且つ前記認識対象領域内に表された前記検索キーと類似する画像を検索する。
このように画像と記号を条件として検索処理を行えば、絞り込みを効率的に行うことができる。特に、単一の画像だけで検索を行った場合、この画像条件に合致する候補が膨大になってしまう虞があるが、画像だけでなく文字などの記号をも条件として検索を行えば、条件に合致する候補を効果的に絞り込むことができ、目的の内容を迅速に抽出しやすくなる。
【0031】
請求項12の発明では、前記類似画像抽出部は、前記情報コード読取装置により前記検索キーが前記認識対象領域に表された複数の前記情報コードが同時期に、又は所定の連続状態で撮像された場合に、それら複数の前記情報コードにおけるそれぞれの前記認識対象領域に表される表示内容に基づいて、予め用意された複数の検索候補の画像の中から、それぞれの前記認識対象領域内に表された前記検索キーと類似する画像を検索する。
このように複数の画像を条件として検索処理を行えば、絞り込みを効率的に行うことができる。特に、単一の画像だけで検索を行った場合、この画像条件に合致する候補が膨大になってしまう虞があるが、複数の画像を条件として検索を行えば、条件に合致する候補を効果的に絞り込むことができ、目的の内容を迅速に抽出しやすくなる。
【0032】
請求項13の発明では、前記情報コードは、前記コード領域内での前記認識対象領域の位置を示す位置データが前記データ記録領域に記録されたものであり、前記画像抽出部は、前記データ記録領域読取部が読み取った前記位置データに基づいて前記コード領域内での前記認識対象領域の位置を特定する。
この構成によれば、読み取りの際に、データ記録領域に記録される位置データに基づいてコード画像内での認識対象領域の位置をより正確に特定しやすくなる。
【0033】
請求項14の発明では、前記情報コードは、前記認識対象領域が前記コード領域内に存在することを示す識別情報が前記データ記録領域に記録されたものであり、前記画像抽出部は、前記データ記録領域読取部による前記データ記録領域の読取結果に基づき、前記データ記録領域に前記識別情報が記録されていることを条件として前記認識対象領域の画像の抽出を行う。
この構成によれば、読み取りの際に、認識対象領域がコード領域内に存在するか否かを識別情報の有無によって判別し易くなる。
【0034】
請求項15の発明によれば、請求項と同様の効果を奏する情報コード利用システムを実現できる。
請求項16の発明によれば、請求項10と同様の効果を奏する情報コード利用システムを実現できる。
請求項17の発明によれば、請求項11と同様の効果を奏する情報コード利用システムを実現できる。
請求項18の発明によれば、請求項12と同様の効果を奏する情報コード利用システムを実現できる。
請求項19の発明によれば、請求項13と同様の効果を奏する情報コード利用システムを実現できる。
請求項20の発明によれば、請求項14と同様の効果を奏する情報コード利用システムを実現できる
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る情報コード利用システムを概略的に例示する概略図である。
図2図2は、図1の情報コード利用システムを構成する情報コード読取装置の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図3図3は、図1の情報コード利用システムで用いられる情報コードのデータ構成を概念的に説明する説明図である。
図4図4は、図1の情報コード利用システムで用いられる情報コードと対応する他種のコードを説明する説明図である。
図5図5は、図1の情報コード利用システムを構成する情報コード生成装置で生成される情報コードでの各データワードの配置と、他種のコードでの各データワードの配置との対応関係を説明する説明図である。
図6図6は、図1の情報コード利用システムで用いられる情報コードのフォーマットデータを概念的に説明する説明図である。
図7図7は、図1の情報コード利用システムを構成する情報コード生成装置で生成される情報コードでの各データワードの配置と、他種のコードでの各データワードの配置との対応関係を説明する説明図であり、図5とは異なる対応関係に変更した図である。
図8図8は、図1の情報コード利用システムを構成する情報コード生成装置での情報コードの生成の流れを例示するフローチャートである。
図9図9は、図1の情報コード利用システムで用いられる情報コードを概略的に示す説明図である。
図10図10は、図1の情報コード利用システムを構成する情報コード読取装置での検索処理の流れを例示するフローチャートである。
図11図11は、図10の検索処理におけるコード読取処理の流れを例示するフローチャートである。
図12図12は、図9の情報コードを用いて類似画像検索を行った場合の検索結果の一例を示す説明図である。
図13図13は、第2実施形態に係る情報コード利用システムで用いられる情報コードを説明する説明図であり、図13(A)は、空き領域を空白にした状態を示す図であり、図13(B)は、空き領域に検索対象の画像を表示した状態を示す図である。
図14図14は、第3実施形態に係る情報コード利用システムで用いられる情報コードを説明する説明図であり、図14(A)は、空き領域を空白にした状態を示す図であり、図14(B)は、空き領域に検索対象の画像を表示した状態を示す図である。
図15図15(A)は、図13の情報コードにおける解読対象データのデータ構成を概念的に示す説明図であり、図15(B)は、図14の情報コードにおける解読対象データのデータ構成を概念的に示す説明図である。
図16図16は、第4実施形態に係る情報コード利用システムで用いられる情報コードを説明する説明図であり、図16(A)は、形成対象媒体を表面側から見た平面図であり、図16(B)は、その形成対象媒体を縦方向中心位置で横方向に切断した断面を概略的に示す断面概略図である。
図17図17は、情報コードが形成された形成対象媒体と、これを被せる被写体とを説明する説明図である。
図18図18(A)は、図17のように被写体に被せられた形成対象媒体等を読取装置によって撮像する様子を説明する説明図であり、図18(B)は、その撮像で得られるコード画像を例示する説明図である。
図19図19は、第5実施形態に係る情報コード利用システムで用いられる情報コードを説明する説明図である。
図20図20(A)は、図19(A)で示す情報コード媒体の空き領域に検索対象が記載された例を示す説明図であり、図20(B)はその媒体を撮像する様子を示す説明図である。
図21図21は、図20(B)の撮像で得られるコード画像を例示する説明図である。
図22図22は、第6実施形態における情報コード読取装置での検索処理の流れを例示するフローチャートである。
図23図23(A)は、第7実施形態で用いられる情報コード媒体の空き領域に検索対象及び記号情報が記載された例を示す説明図であり、図23(B)はその媒体を撮像する様子を示す説明図である。
図24図24は、第7実施形態におけるコード読取処理の流れを例示するフローチャートである。
図25図25は、第8実施形態におけるコード読取処理の流れを例示するフローチャートである。
図26図26は、他の実施形態に係る情報コード利用システムで用いられる情報コードの一例を説明する説明図である。
図27図27は、他の実施形態に係る情報コード利用システムで用いられる情報コードの別例を説明する説明図である。
図28図28は、他の実施形態に係る情報コード利用システムで用いられる情報コードの別例2を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
[第1実施形態]
以下、本発明を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示す情報コード利用システム1は、所定のコード領域の内部に情報を表示する単位となるセルを配列した情報コード100を生成する情報コード生成装置2と、情報コード生成装置2によって生成された情報コード100を読み取る情報コード読取装置10と、管理装置190と、を備えている。なお、情報コード生成装置2は、情報コード生成システムの一例に相当する。また、情報コード読取装置10及び管理装置190は、情報コード読取システムの一例に相当する。
【0037】
(情報コード生成装置)
情報コード生成装置2(以下、生成装置2ともいう)は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置として構成されており、CPUなどからなる制御部3と、キーボード、マウス、その他の入力装置からなる操作部4と、ROM、RAM、HDD、不揮発性メモリ等の記憶装置からなる記憶部5と、公知の表示装置(液晶ディスプレイやその他の表示デバイス)などからなる表示部6と、外部装置と有線通信或いは無線通信を行うための通信インタフェースとして機能する通信部7と、公知のプリンタ等と同様のハードウェア構成をなし且つ制御部3からの印刷データに基づいて情報コード100等を印刷可能な印刷部8(印刷装置)とを備えている。
【0038】
(管理装置)
管理装置190は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置として構成されており、CPUなどからなる制御部と、キーボード、マウス、その他の入力装置からなる操作部と、ROM、RAM、HDD、不揮発性メモリ等の記憶装置からなる記憶部と、公知の表示装置(液晶ディスプレイやその他の表示デバイス)などからなる表示部と、外部装置と有線通信或いは無線通信を行うための通信インタフェースとして機能する通信部とを備えている。この管理装置190は、インターネットに接続されており、インターネット上で検索結果を表示する検索サイトとして機能する部分である。この管理装置190の記憶部には、後述する検索候補の画像が多数記憶されており、各検索候補の画像に対してキーワード(例えば、商品名、製造会社名、商品種別、商品番号など)を対応付けた状態で、それぞれの検索候補の画像を記憶している。
【0039】
(情報コード読取装置)
次に、情報コード読取装置10(以下、読取装置10ともいう)の全体構成について説明する。図2に示すように、情報コード読取装置10は、ハードウェア的には二次元コードを読取可能なコードリーダとして構成されており、図示しないケース(筐体)によって外郭が構成され、このケース内に各種電子部品が収容された構成をなしている。なお、この読取装置10も、インターネットに接続可能とされており、インターネットを介して管理装置190にアクセスすることが可能な構成となっている。
【0040】
この情報コード読取装置10は、主に、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示器46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、電池49等の電源系と、から構成されている。なお、これらは、図略のプリント配線板に実装あるいはケース(図示略)内に内装される構成で、ケース(筐体)に一体的に組み付けられている。
【0041】
光学系は、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等から構成されている。照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられる拡散レンズ、集光レンズ等とから構成されている。本実施形態では、受光センサ23を挟んだ両側に照明光源21が設けられており、ケースに形成された読取口(図示略)を介して読取対象物Rに向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。この読取対象物Rとしては、例えば、樹脂材料、金属材料等の様々な対象が考えられ、このような読取対象物Rに例えば図1のような情報コード100(後述)が印刷などによって形成されることで、読取対象となる情報コード媒体が構成されている。
【0042】
受光センサ23は、情報コード100(後述)を撮像可能な「撮像部」の一例に相当し、読取対象物Rや情報コード100に照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。この受光センサ23は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光面23aで受光可能に図略のプリント配線板に実装されている。
【0043】
フィルタ25は、例えば反射光Lrの波長相当以下の光の通過を許容し、当該波長相当を超える光の通過を遮断し得る光学的なローパスフィルタで、ケースに形成された読取口(図示略)と結像レンズ27との間に設けられている。これにより、反射光Lrの波長相当を超える不要な光が受光センサ23に入射することを抑制している。また、結像レンズ27は、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、本実施形態では、ケースに形成された読取口(図示略)に入射する反射光Lrを集光し、受光センサ23の受光面23aに情報コード100のコード画像を結像するように構成されている。
【0044】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40及びメモリ35を中心として構成され、前述した光学系によって撮像された情報コード100の画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。
【0045】
光学系の受光センサ23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力され、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力され、当該メモリ35の画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0046】
メモリ35は、半導体メモリ装置などによって構成され、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)等がこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、後述する読取処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源21、受光センサ23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0047】
制御回路40は、情報コード読取装置10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるものであり、情報処理機能を有している。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)が接続されており、本実施形態の場合、電源スイッチ41、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等が接続されている。また、通信インタフェース48には、情報コード読取装置10の上位システムに相当するホストコンピュータHSTなどを接続できるようになっている。
【0048】
電源系は、電源スイッチ41、電池49等により構成されており、制御回路40により管理される電源スイッチ41のオンオフによって、上述した各装置や各回路に、電池49から供給される駆動電圧の導通や遮断が制御されている。なお、電池49は、所定の直流電圧を発生可能な2次電池で、例えば、リチウムイオン電池等がこれに相当する。
【0049】
(情報コード)
次に、図1の情報コード利用システムで利用される情報コード100について図1図5等を参照して説明する。なお、図1の例と図5右図の例では、セル配列や特定パターンのサイズ等が若干異なるが基本的な考えは同様であり、同様の特徴を有している。図1図5等に示す情報コード100は、例えば上述の情報コード生成装置2によって生成されるものであり、所定のコード領域の内部に情報を表示する単位となるセル102を配列した構成となっている。なお、図1図5等の情報コード100において、「コード領域」は、複数配列された暗色セルを全て含み得る矩形状の領域であり、情報コード100を構成するセルを全て含む最小の正方形領域又は長方形領域となっている。具体的には、3つの位置検出パターン(切り出しシンボル)104を全て含む最小の正方形領域又は長方形領域となっている。なお、図1図5等の例では、複数のセル102が、矩形状(例えば外径が正方形状)の明色(白色)セル及び暗色(黒色)セルのいずれかによって構成されており、コード領域の内部において後述する空き領域110の周囲にこれらセル102がマトリックス状に配置されている。明色セル及び暗色セルは、それぞれ白色セル、黒色セルに限られるものではなく、暗色セルが所定の明度で構成される場合、明色セルはそれよりも明度が高ければよい。また、情報コード100において上記コード領域の周囲には、当該コード領域を取り囲むように明色又は暗色のマージン領域が構成されるようになっており、図1図5等の例では、明色(例えば、白色或いは暗色セルよりも明度の大きい他色)のマージン領域がコード領域の周囲に隣接して配置されている。
【0050】
この情報コード100は、矩形状(例えば、正方形状或いは長方形状等)のコード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類のセル102によってデータを記録するデータ記録領域と、複数種類のセル102によって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とが設けられている。図1図5等のように、情報コード100の特定パターンは、例えば、QRコード(登録商標)の公知の所定型番(図5の例では、JIS等で規格化されたQRコードの所定型番)の特定パターンと同一の形状及び位置となっており、図1図5等の例では、コード領域の3つの角部にそれぞれ、特定パターンとしての位置検出パターン(切り出しシンボル)104が配置されている。また、上記所定型番において予め定められた位置に、特定パターンとしてのタイミングパターン106やアライメントパターン108も設けられている。このように、情報コード100では、予め定められた位置に決まった形状の特定パターン(位置検出パターン104、タイミングパターン106、アライメントパターン108(図5では省略))が配置されるようになっている。なお、コード領域の内部において、後述する空き領域110以外の位置は、このような特定パターンの領域、記録領域(データ記録領域及び誤り訂正符号記録領域のいずれかからなる領域)などによって構成されている。
【0051】
情報コード100のセルの行数及び列数、特定パターンの形状及び位置、フォーマット情報の位置、コードワードの候補位置(コードワードの配置順序を特定するアドレス)等は読取装置がどのような方法で把握してもよい。例えば、情報コード100の種別において複数の型番が設けられていてもよく、この場合、型番毎にセルの行数及び列数、特定パターンの形状及び位置、フォーマット情報の位置、コードワードを配置する候補位置(アドレス)が予め定められていればよい。そして、上記型番を特定する型番情報がコード領域内の決められた位置(予約領域)に配置されていれば、読取装置はこの型番情報に基づいて情報コード100のセルの行数及び列数、特定パターンの形状及び位置、フォーマット情報の位置、コードワードの候補位置(アドレス)を把握できるようになる。なお、この方法に限定されるものではなく、読取装置が把握し得る方法であれば他の方法でもよい。
【0052】
そして、コード領域の内部において、特定パターン領域、データ記録領域、誤り訂正符号記録領域以外の位置には、セル102によってデータが記録されない領域であり且つ誤り訂正符号による誤り訂正の対象にならない領域である空き領域110が、単一のセル102のサイズよりも大きいサイズで設けられている。なお、図1図5等の例では、データ記録領域、誤り訂正符号記録領域がコード領域の周縁に沿って環状且つ矩形状に配置されており、コード領域の中央部(コード領域の中心を含む所定領域)に空き領域110が構成されている。なお、「セル102によってデータが記録されない領域」とは、即ち、後述するデータコードワードや誤り訂正コードワードなどのコードワードが記録されない領域であり、且つフォーマット情報が記録されない領域であることを意味する。また、「誤り訂正符号による誤り訂正の対象にならない領域」とは、即ち、誤り訂正符号記録領域に記録された誤り訂正符号を用いた誤り訂正が行われない領域であることを意味する。従って、空き領域110に何らかの情報(後述する追加情報等)が記録されていても、空き領域110の周囲に存在する誤り訂正符号記録領域の誤り訂正符号によってその情報に対する誤り訂正がなされることはない。
【0053】
なお、以下の説明では、図5右図のような上記所定型番に対応する構成と、図5左図のような所定型番よりもサイズが小さい別の型番(Ver.番号)とが対応付けられ、図5右図の情報コード100の各コードワードの位置と、図5左図の他種コード120の各コードワードの位置とが図5下図のような配置変換表によって対応付けられている例を代表例として説明する。この例では、図5左図の他種コード120で格納し得るデータ量であれば、図5右図のような情報コード100により空き領域110を設けた上で表現できるようになっている。逆に、図5右図の情報コード100を読み取る場合には、情報コード100の各コードワードを、図5左図のような他種コード120のコードワードとして読み取ることができるようになっている。
【0054】
また、図5右図では、空き領域110の周囲に配置される各コードワードの領域を破線枠等によって概念的に示している。また、フォーマット情報を記録する領域(所定位置105)は、所定種類のハッチングにて概念的に示している。なお、図5右図では、フォーマット情報を記録する領域や、コードワードを記録する領域では、升目のみを示し、明色セルや暗色セルの具体的配列を省略して示している。また、図5右図の例では、セル配列と対応付けるべく空き領域110(コード領域の中央部分)の内部にも升目を付しているが、空き領域110の構成は自由であり、図1のように構成してもよく、その他の構成であってもよい。
【0055】
フォーマット情報(形式情報)は、例えば図6のように構成されて情報コード100内の所定位置105(所定種類のハッチング位置)に特定のフォーマット構成で記録されている。このフォーマット情報は、誤り訂正レベルを特定する訂正レベル情報と、マスク番号を特定するマスク番号情報とを含んでいる。訂正レベル情報は、情報コード100で用いる誤り訂正レベルを特定する情報であり、例えば他種コード120に変換して読み取る場合の当該他種コード120で用いる誤り訂正レベルにも相当する。また、マスク番号は、情報コード100のコードワード領域(データコードワードや誤り訂正コードワードが記録されている領域)にかけられているマスクがどのマスク種別であるかを特定する情報である。
【0056】
図6に示すようにフォーマット情報は、所定種類のマスクパターン(特定マスク)を反映した状態で記録されており、公知のQRコードと同様の方法でフォーマット情報のマスク種別を識別することで、図5右図に示すような特定のコード種別(空き領域110を設けた種別)であることを検出できるようになっている。公知規格のQRコードでは、例えばモデル1として構成する場合には、図6のようなフォーマット情報に対してモデル1用のマスクをかけたときに表現されるデータ(セル配列)を所定位置に記録し、モデル2として構成する場合には、図6のようなフォーマット情報に対してモデル2用のマスクをかけたときに表現されるデータ(セル配列)を所定位置に記録するようになっている。一方、図5に示す本実施形態の情報コード100(空き領域110を有する特別種類のコード)では、図6のようなフォーマット情報に対してモデル1、2とは異なる種類の特定マスク(図6では額縁QR用と例示)をかけたときに表現されるデータ(セル配列)を所定位置105に記録するようになっている。そして、公知規格のモデル1及びモデル2、情報コード100の種別のいずれの場合でも、記録する訂正レベル(訂正レベル情報)及びマスク番号(マスク番号情報)に対応するチェックデジットが付された上でフォーマット情報が構成されており、その上で各種別用のマスクがかけられるようになっている。具体的には、各種別用のマスクパターンを用いて公知の方法でマスク処理が行われ、マスク処理後のビットパターンが所定位置105に記録されるようになっている。従って、情報コード100のようにフォーマット情報に対して特定マスク(図6では額縁QR用と例示)をかけた上で所定位置105に記録する場合、このように所定位置105に記録された情報を上記特定マスクに基づいてマスク処理を解除して解読すればチェックデジットが合うため、情報コード100の種別であることを特定することができる。逆に、情報コード100の所定位置105のデータを、モデル1やモデル2のマスクに基づいてマスクを外しても、チェックデジットが合わなくなるため、公知規格のモデル1やモデル2でないことを特定することができる。
【0057】
この情報コード100では、特定パターン(位置検出パターン104等)を検出し、公知のQRコードと同様の方法でコード領域、コードの向き、各セル位置を特定した後、公知のQRコードと同様の方法でフォーマット情報が記録された所定位置105を解読することで、解読時に成功したマスクの種別により情報コード100の種別(空き領域110を有する特別種類)であることを特定することができる。そして、解読されたフォーマット情報により、情報コード100で用いる誤り訂正レベルを特定でき、且つ情報コード100のコードワード領域(セルによってデータコードワードや誤り訂正コードワードが記録されている領域)にかけられているマスク種別を特定できるようになっている。
【0058】
情報コード100に記録する内容は、例えば、図3のような構成をなしており、データ配列の先頭部分にヘッダデータ(額縁QR用ヘッダー)が設定され、ヘッダデータの後に入力データ(解読対象データ)が続くようになっている。図3の例では、入力データ(解読対象データ)については、例えば公知の方法で圧縮し、データワード(データコードワード)に変換しているが、このような圧縮を行わなくてもよい。なお、情報コード100で用いるヘッダデータは、以降の説明では、「額縁QR用ヘッダー」とも称する。また、本明細書では、このようなヘッダデータ及び入力データ(解読対象データ)のデータワード(データコードワード)を記録する領域、及び上述のフォーマット情報を記録する領域が「データ記録領域」に相当する。また、図3の例では、ヘッダデータ(額縁QR用ヘッダー)として、後述する他種コード120(情報コード100を解読するために用いるコード種別であり、配置変換表(図5)によって情報コード100と対応付けられたコード)の種別(型番)を特定し得る情報(図3では、Ver.番号と例示)や、空き領域内の形式を特定し得る識別情報が記録されている。なお、図3の例では、ヘッダデータとして、他種コードの種類(Ver.番号)に加え、空き領域110の形式が図1図5図9等に示す画像形式(認識対象領域を設けた形式)であることを特定する情報(第1情報)と、空き領域110の位置(図1図9等の例では認識対象領域121の位置)を特定し得る情報(第2情報に相当する「画像領域位置情報」)とが記録されている。このうち、空き領域110の形式が画像形式(認識対象領域を設けた形式)であることを特定する情報(第1情報)は、認識対象領域の存在を示す「識別情報」の一例に相当する。また、空き領域121の位置(認識対象領域121の位置)を特定し得る情報(第2情報)は、認識対象領域121のコード領域内での位置を示す「位置データ」の一例に相当する。
【0059】
本構成では、例えば、空き領域110の全体が認識対象領域121に相当しており、図3図5の例では、空き領域110(即ち、認識対象領域121)の列位置及び行位置を特定し得る情報が画像領域位置情報(位置データ)として記録されている。より具体的には、図5に示すような矩形状に構成される情報コード100を複数行且つ複数列に格子状に分割したときの認識対象領域121の左上の行位置及び列位置の組み合わせと、認識対象領域121の右下の行位置及び列位置の組み合わせとが画像領域位置情報(位置データ)として記録されている。なお、ここでは、認識対象領域121の左上の行位置及び列位置の組み合わせと、認識対象領域121の右下の行位置及び列位置の組み合わせを画像領域位置情報(位置データ)としているが、認識対象領域121の四隅の各位置における行位置及び列位置の組み合わせを画像領域位置情報(位置データ)としてもよい。また、図5のように情報コード100を格子状に分割したときの各行及び各列の幅は、それぞれ単一のセルの行方向の幅及び列方向の幅に相当している。
【0060】
そして、入力データ(解読対象データであるデータワード)の後には誤り訂正符号となる誤り訂正コードワード(ECCワード)が続いている。情報コード100では、この誤り訂正符号を記録する領域が誤り訂正符号記録領域となる。なお、データワード(図3の例ではヘッダデータ及び入力データ(解読対象データ))に基づいて誤り訂正符号(誤り訂正コードワード)を生成する方法は、公知の二次元コード(QRコード等)の規格で定められた方法などを用いることができる。例えば、データワード(データコードワード)に基づいて誤り訂正コードワードを生成する方法として、JISX0510:2004に規定された誤り訂正コード語の生成方法(JISX0510:2004、8.5誤り訂正)などを用いることができる。なお、誤り訂正コードワードの生成方法はこれに限られず、公知の様々な方法を用いることができる。
【0061】
また、情報コード100では、解読対象データを表現する各データワード(データコードワード)や誤り訂正コードワードが予め定められた配置位置情報に基づいてコード領域内に配置されている。本構成では、図5のように、情報コード100のコード領域内において予め各コードワードの配置候補位置が定められており、各配置候補位置にそれぞれ番号(アドレス)が割り当てられている。そして、配置位置情報は、図3に示す記録内容を構成する各コードワードをそれぞれどの配置候補位置に配置すべきかを特定する情報となっている。なお、図5右図の例では、1〜25番の配置候補位置を概略的に例示しており、各配置候補位置では、先頭と最後のビット部分に番号を付して明示している。また、図5右図では、26番以降の配置候補位置は省略している。
【0062】
具体的には、他種コード120(公知のQRコード)の型番(図3に示すヘッダデータで特定される他種コード120の型番)では、各順番のコードワードを他種コード120内のどの位置に配置すべきかが公知規格等により予め定められており、他種コード120を解読する場合にはこのように定められた配置に基づいて各順番のコードワードを解読する。例えば、図5左図に示す他種コード120の例では、0番目のコードワードを右下に配置し、1番目のコードワードをその上に配置し、2番目のコードワードをその上に配置するといった具合に各コードワードの配置位置が予め決められている。従って、この他種コード120を解読する場合には、このように決められた配置に基づいて0番目のコードワード、1番目のコードワード、2番目のコードワード、3番目のコードワード・・・といった具合に順番に解読することになる。
【0063】
一方、図5に示す配置位置情報(配置変換表)では、このように他種コード120で予め定められた各配置位置(各順番のコードワードの配置位置)の番号を、情報コード100において予め定められた候補位置(各コードワードの配置候補位置)の番号にそれぞれ対応付けている。具体的には、「他種コード120における1番目のコードワードの配置位置が情報コード100の1番目の配置候補位置に相当」、「他種コード120における2番目のコードワードの配置位置が情報コード100の2番目の配置候補位置に相当」、「他種コード120における3番目のコードワードの配置位置が情報コード100の3番目の配置候補位置に相当」といった情報が、例えばテーブルデータなどとしてそれぞれ記録されており、他種コード120における各番号のコードワードの配置位置を、情報コード100の各配置候補位置にそれぞれ対応付けている。このように構成されているため、情報コード100を解読する場合には、コード領域内の各配置候補位置のコードワード(各アドレスのコードワード)を配置位置情報(配置変換表)で対応付けられた他種コード120の各配置位置にそれぞれ配置し直し、このように配置し直された他種コード120を公知の方法で解読すれば良い。例えば、図5下図に示す配置変換表を用いて情報コード100の解読を行う場合、情報コード100の1番目の配置候補位置のコードワードを他種コード120における1番目のコードワードの配置位置に配置し、情報コード100の2番目の配置候補位置のコードワードを他種コード120における2番目のコードワードの配置位置に配置し、情報コード100のN番目の配置候補位置のコードワードを他種コード120において当該N番目の配置候補位置に対応付けられているM番目のコードワードの配置位置に配置するといった具合にそれぞれ配置し直した上で、このように配置し直された他種コード(QRコード)を公知の方法で解読すればよい。なお、上述の配置位置情報(配置変換表)については、情報コード100を生成する情報コード生成装置2及び情報コード100を読み取る情報コード読取装置10に共通のデータ(共通の配置変換表)がそれぞれ設けられていることが望ましい。
【0064】
(情報コードの生成処理)
次に、図8等を参照して情報コード生成処理及び情報コード生成方法について説明する。以下では、図5のように他種コード120がQRコード(登録商標)であり、情報コード100がQRコードと同様の特定パターンを有する場合を例に挙げて説明する。なお、この例では、空き領域110を有する情報コード100を「額縁QR」とも称する。
【0065】
図8の情報コード生成処理は、情報コード生成装置2によって行われる処理であり、例えば、操作部4での所定操作によって実行開始される。この処理では、まず、外部からコード化するデータ(解読対象データ)と、属性データと、コード種別データ(情報コード100を生成するか、一般的な二次元コード(例えば一般的なQRコード)を生成するかを特定するデータ)を取得する(S1)。なお、本構成では、制御部3、操作部4が「データ取得部」の一例に相当し、解読対象データ(外部からの入力データ)を取得するように機能する。また、このような例に限らず、例えば、制御部3と通信部7が「データ取得部」として構成され、外部から通信によって入力されるデータを解読対象データとして取得するように機能してもよい。なお、図1図9のように、空き領域110に予め検索対象画像T1を組み込む形で情報コード100を形成する場合、S1では、このような検索対象画像T1の画像データをも取得する。なお、このような検索対象画像T1を構成するための画像データは、利用者が生成装置2に対して入力したデータであってもよく、予め生成総理2に蓄積されていたデータであってもよい。
【0066】
S1でデータを取得した後には、その取得したデータを圧縮する方法を公知の方法で定め(S2)、入力データを圧縮したデータ(解読対象データ)を複数のデータワード(データコードワード)で表現する(S3)。そして、S3の後には、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(額縁QR)であるか否かを判断する。S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(額縁QR)である場合には、S4にてYesに進み、空き領域110を有する情報コード100の種別(額縁QR)で用いられる特有のヘッダデータ(上述)を生成し、図3のように複数のデータワードを含んだデータ配列の先頭にセットする(S5)。図3のヘッダデータには、上述したように、図5右図に示す他種コード120の種別(型番)を特定し得る情報(バージョン番号情報等)と、空き領域110の形式が画像形式(認識対象領域を設けた形式)であることを特定する情報(第1情報)と、空き領域110内での画像領域(認識対象領域)を特定し得る情報(第2情報に相当する「画像領域位置情報」)とが記録されることになる。一方、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(額縁QR)でない場合(一般的な二次元コードを選択するデータ(例えば、モデル1又はモデル2を選択するデータ)である場合)には、S4にてNoに進む。
【0067】
S4でNoに進む場合、S3で生成されたデータワード(データコードワード)の構成に基づいて公知の方法で誤り訂正符号を生成し、この誤り訂正符号を表現する複数の誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)を生成する(S6)。一方、S4からS5に進む場合、S3、S5で生成された最終的なデータワード(ヘッダデータ及び入力データを表現する複数のデータコードワード)の構成に基づいて公知の方法で誤り訂正符号を生成し、この誤り訂正符号を表現する複数の誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)を生成する(S6)。
【0068】
S6の後には、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(額縁QR)であるか否かを判断し(S7)、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(額縁QR)でない場合には、S7にてNoに進み、公知の方法で二次元コード(例えばQRコード)を生成することになる。S7でNoに進む場合、S3で生成されたデータワード(データコードワード)及びS6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)を格納しうるサイズの二次元コードの型番(この例では、規格化された公知のQRコードの複数の型番において、S3で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワードを格納しうるサイズの型番)を決定し、当該型番で予め定められた配置パターンに従い、S3で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワードを配置する(S9)。
【0069】
一方、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(額縁QR)である場合には、S7にてYesに進み、S3、S5で生成されたデータワード(データコードワード)と、S6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)と、空き領域と、を格納しうる情報コード100の型番を決定する(S10)。なお、空き領域のサイズは、予め定められた一定サイズであってもよく、S10の前段階でユーザが入力などによって指定してもよい。また、空き領域のサイズは、行数及び列数で特定してもよく、何ワード分に相当するか、あるいは何セル分に相当するか等の情報によって特定してもよい。図5図8の例では、例えば情報コード100の種別で予め定められた複数の型番(サイズ)において、S3、S5で生成されたデータワード(データコードワード)、S6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)、及び空き領域を格納しうるサイズの型番を決定することになる。なお、情報コード100の種別で複数の型番を使用可能とする場合、各型番毎に、行数及び列数、特定パターンの形状及び配置、フォーマットデータの配置、各コードワードの配置候補位置をそれぞれ定めておけばよい。また、いずれの型番でも、図5右図のように外周側から順番に各コードワードの配置候補位置を定めるようにし(例えば、外周側から内側に渦巻き状に配置候補位置を順番に設定し)、番号が若い配置候補位置ほど外側とするように各コードワードの配置候補位置を定め、用意された配置候補位置の内、コードワードが配置されない部分(即ち、使用されない部分)については、空き領域として用いるようにすれば、中央部により広い空き領域を確保し易くなる。また、S3、S5で生成されたデータワード(データコードワード)、S6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)、及び空き領域を格納しうるサイズの型番が複数存在する場合には、その中から一番小さい型番(サイズ)を決定するようにしてもよく、ユーザがその中からいずれかの型番(サイズ)を指定できるようにしてもよい。そして、情報コード100を生成する際には、このように決定された型番において予め定められたサイズ(行数及び列数)、特定パターンの配置、コードワードの各配置候補位置を用いると共に、具体的な各コードワードの配置位置は、上述の配置変換表に従って決定することになる。なお、以下では、S10において図5右図のような型番が決定された例について具体的に説明する。
【0070】
S10の後には、S3、S5で生成されたデータワード(データコードワード)及びS6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)を上述の配置位置情報(配置変換表)に基づいて配置することになる。情報コード生成装置2では、上述の配置位置情報(配置変換表)が記憶部5に記憶されており、この配置変換表では、上述したように他種コード120で定められた各配置位置(各順番のコードワードの配置位置)を、情報コード100において予め定められた候補位置(各コードワードの配置候補位置)にそれぞれ対応付けている。S11の処理では、記録すべきコードワード(S3、S5で生成されたデータワード(データコードワード)及びS6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード))を、図4図5左図で示す他種コード120(情報コード100よりもサイズが小さく、且つS3、S5で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワードを格納し得るサイズの二次元コード)で表現するときの各コードワード(各順番のコードワード)の配置位置を特定した上で、それら各順番のコードワードを、配置位置情報(配置変換表)によって各順番のコードワードの配置位置に対応付けられている情報コード100内の各配置候補位置に配置する。例えば、図5の配置位置情報(配置変換表)では、他種コード120での1番目のコードワードの配置位置と、情報コード100の1番の配置候補位置とが対応付けられているため、記録すべきコードワード(S3、S5で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワード)の内の1番目のコードワードについては情報コード100内の1番の配置候補位置に配置する。また、他種コード120での2番目のコードワードの配置位置と、情報コード100の2番の配置候補位置とが対応付けられているため、記録すべきコードワードの内の2番目のコードワードについては情報コード100内の2番の配置候補位置に配置する。このように、記録すべきコードワードにおいてN番目のコードワードを配置する他種コード120での配置位置(N番目のコードワードの配置位置)と、情報コード100のM番の配置候補位置とが対応付けられていれば、記録すべきコードワードの内のN番目のコードワードについては情報コード100内のM番の配置候補位置に配置することになる。
【0071】
つまり、S3、S5で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワードだけなら、情報コード100よりも小サイズの他種コード120(公知のQRコードとして構成されたもの)で表現できるが、S3、S5で生成されたデータワード、S6で生成された誤り訂正ワード、及び空き領域110を格納する場合には、これよりも大きいサイズの情報コード100によって表現する必要がある。そこで、本実施形態では、S3、S5で生成されたデータワード、S6で生成された誤り訂正ワード、及び空き領域110を、他種コード120よりも大きいサイズの情報コード100によって表し、S3、S5で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワードを他種コード120(公知のQRコード)で表現した場合のコードワードの各配置と、これよりも大きいサイズの情報コード100に格納する場合のコードワードの各配置との対応関係を、予め定められた配置変換表によって特定できるようにしている。
【0072】
なお、本構成では、図5のような「配置変換表」が「解読対象データを表現する複数のデータワードをコード領域に配置する際の各配置位置を特定する配置位置情報」の一例に相当しており、この配置変換表(配置位置情報)は、解読対象データを複数のデータワードで表現したときの各順番のデータワードと、各順番のデータワードのコード領域内での各配置位置とを対応付けて定める情報として構成されている。また、記憶部5が「配置位置情報記録部」の一例に相当し、このような配置変換表のデータ(配置位置情報)を記録するように機能する。
【0073】
S9又はS11の後には、S9又はS11で配置場所が決定されたコードワードに対してかけるべきマスクパターンを公知の所定方法(例えばQRコードで用いられる公知方法)で決定し、その決定されたマスクパターンをS9又はS11で配置場所が決定されたコードワードに反映するように公知のマスク処理方法でマスクをかける(S12)。そして、S12で設定したマスクパターンの情報(マスク番号)及び誤り訂正レベルの情報に基づいてチェックデジットを算出し、図6のように誤り訂正レベル、マスク番号、チェックデジットを含んだフォーマット情報を生成する(S13)。なお、フォーマット情報として記録するマスク番号や誤り訂正レベルなどのデータは、S1で入力できるようにしてもよい。
【0074】
そして、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(額縁QR)である場合には、S14にてYesに進み、S13で生成されたフォーマット情報に、上述の特定マスク(額縁QRマスク)を反映するようにマスク処理を行う(図6参照)。一方、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(額縁QR)でない場合には、S14にてNoに進み、S16で設定するマスクパターンとは異なるマスクパターンのマスク(モデル1のマスク又はモデル2のマスク)をセットする。S15又はS16によりフォーマット情報に対してマスクをかけた後には、そのマスク処理後のフォーマット情報をコード領域内の所定位置105に配置する(S17)。
【0075】
このようにして、特定パターン領域、データ記録領域、誤り訂正領域が構成された後には、空き領域110の構成要素を配置する(S18)。図3の例では、空き領域110の位置(即ち、認識対象領域121の位置)がそれぞれ行位置及び列位置によって指定されているため、S18では、このように指定された位置で特定される領域内の構成要素を決定する。例えば、図1図9に示す認識対象領域121のように、検索対象の画像T1を予め配置した構成とする場合、S18では、S1で取得された検索対象画像T1のデータによって表される画像を上述の空き領域110に組み込む。なお、空き領域110は、このように情報コード100の生成時に検索対象の表示領域(図1図9では、画像T1の表示領域)として構成しておいてもよく、後述する実施形態のように、情報コード100の生成時には空き領域110に検索対象を表示せずに空白領域(図19参照)や空間領域(図17のような光透過領域)などとし、情報コード100の使用時に事後的に検索対象を表すような「検索対象の表示予定領域」であってもよい。
【0076】
なお、上述した例では、図3のヘッダデータに含まれる画像領域の位置(画像領域の位置)、形状及び色、識別表示の形状や色などが予め定められていたが、画像領域の位置をユーザが入力によって指定できるようにしてもよく、更に、画像領域の形状や色、或いは識別表示の形状や色などをユーザが入力によって指定できるようにしてもよい。この場合、ユーザが指定した位置に、ユーザが指定した形状及び色の画像領域が構成されることになり、ユーザが指定した形状や色の識別表示によってその範囲が示されることになる。また、認識対象領域121内又は画像領域外に、文字や数字等の記号や図形などを配置してもよい。この場合、例えば、表示すべき記号や図形、及びその記号や図形の位置をユーザが入力できるようにし、S18では、指定された記号や図形を指定された位置(例えば画像領域の上位置など)に配置すればよい。
【0077】
このようにして情報コード100又は他の二次元コードが生成された後には、そのコードを印刷部8によって印刷する(S19)。なお、S19では、印刷に代えて、表示部6にて情報コード100等の表示を行ってもよく、S17までの処理によって生成された情報コード100のデータを外部装置(例えば、携帯端末やコンピュータ等の情報機器)に送信してもよい。
【0078】
本構成では、情報コード生成装置2の制御部3が「データ記録領域生成部」の一例に相当し、情報コード100のコード領域の内部に空き領域110を設ける場合、コード領域内の所定位置に特定のフォーマット構成でフォーマット情報を記録し、且つ、データ取得部で取得された解読対象データ(入力データ)を表現する各データワードを、配置位置情報記録部に記録された配置位置情報に基づいて配置するように、データ記録領域を生成している。また、制御部3によって構成される「データ記録領域生成部」では、コード領域の内部に空き領域110を設ける場合、所定種類のマスクパターン(特定マスク)を反映した状態で所定位置105のセル配列を構成している。
【0079】
(情報コードを用いた検索処理)
次に、図2の情報コード読取装置10によって図1図5右図、図9等に示す情報コード100を用いた検索処理について説明する。図10の検索処理は、例えばユーザによって所定操作(例えば、操作スイッチ42の操作等)がなされたときに実行されるものであり、処理開始後、情報コード100の読取処理を行う(S10)。このS10の処理は、例えば図11のような流れで行われ、まず、情報コード100の撮像及びフォーマット情報の解読を行う(S40)。この処理では、受光センサ23の撮像エリアにある二次元コードを撮像して当該二次元コードの撮像画像を取得すると共に、その二次元コードの形を検出する。具体的には、位置検出パターン104の認識や二次元コードの外形の検出を公知の方法で試みる。例えば、QRコード(登録商標)で行われる、1:1:3:1:1の波形を検出する公知の方法等により位置検出パターン104を検出し、撮像された二次元コードの外形をQRコード(登録商標)で行われる公知の方法で検出する。このような外形検出処理を行った場合、情報コード100が撮像されている場合には、情報コード100の外形が検出されることになる。なお、外形検出方法は、特定パターンの形状や二次元コードの外形を検出し得る方法であれば他の方法であってもよい。
本構成では、受光センサ23が「撮像部」の一例に相当し、情報コード生成装置2によって生成された情報コード100を撮像するように機能する。
【0080】
そして、情報コード100の外形を検出し、情報コード100のコード領域を抽出できた場合には、情報コード100の所定位置105の情報(フォーマット情報)を解読し、撮像された情報コードの種別及びマスク訂正レベルを取得する。具体的には、例えば、上述したように所定位置105に記録された情報を上述の特定マスク(額縁QR用マスク)に基づいてマスク処理を解除して解読を試みる。上述の特定マスクのマスクを解除し得る方法でマスク処理を解除した時にチェックデジットが合う場合(即ち、所定位置105を解読したときの訂正レベルのデータとマスク番号のデータとに基づいて算出されたチェックデジットが、所定位置105に記録されたチェックデジットと合うような場合)には、情報コード100の種別(空き領域110を有する種別)であることを特定することでき、フォーマット情報に含まれる誤り訂正レベル及びマスク番号も取得できることとなる。このように特定のマスクに基づいてマスク処理を解除できたとき(即ち、情報コード100の種別(額縁QR)であることが認識できたとき)には、S41にてYesに進む。一方、図6に示すモデル1用のマスクやモデル2用のマスクなど、特定のマスク(額縁QR用マスク)以外の他のマスクによってマスク処理を解除できたときには、S41にてNoに進む。他のマスクによってマスク処理が解除できるときは、S40で撮像された二次元コードが公知のQRコード(登録商標)のケースであるため、S41でNoに進む場合は、公知の方法で当該QRコードを解読して解読結果を出力することになる。なお、図9では、S41でNoとなる場合の処理は省略して示している。
【0081】
S41でYesに進む場合、まず、データ記録領域に記録されたデータを解読する(S42)。具体的には、S40で取得されたフォーマット情報に含まれるマスク番号に基づいてコード全体(具体的には、コードワードの領域)のマスクを解除する。そして、データワードの先頭に設けられたヘッダデータ(額縁QRヘッダー)に基づいて、元のコードサイズ(他種コード120の型番、形式)を特定し、図5と同様の配置変換表に従って、図5右図に示すような情報コード100から図5左図に示すような元のコード(他種コード120)の配置に戻す。具体的には、情報コード100の各配置候補位置のコードワード(データコードワード及び誤り訂正コードワード)を、配置変換表において各配置候補位置に対応付けられている他種コード120内での配置位置に配置し直す。このように配置変換することにより、情報コード100に配置されていたデータコードワードや誤り訂正コードワードを記録してなる他種コード120が得られることになる。そして、他種コード120は、公知のQRコードであるため、公知のQRコードと同様の方法でデータを解読する(即ち、誤り訂正コードワードに基づいて公知の方法で誤り訂正計算を実施すると共に、データコードワードを解読する)。
【0082】
本構成では、制御回路40が「判別部」の一例に相当し、撮像部によって情報コード100が撮像された場合に、コード領域の所定位置105が特定のフォーマット構成であるか否かを判別するように機能する。具体的には、所定位置105に所定種類のマスクパターン(特定マスク)が反映されているか否かを判別するように機能する。
【0083】
また、制御回路40が「データ記録領域読取部」「解読部」の一例に相当し、撮像部によって情報コード100が撮像された場合に、その撮像された情報コード100のコード画像におけるデータ記録領域及び誤り訂正符号記録領域の内容に基づいてデータ記録領域に記録されたデータを読み取るように機能する。具体的には、判別部によって所定位置105が特定のフォーマット構成であると判別された場合(より詳しくは、所定位置105に所定種類のマスクパターンが反映されている場合)に、対応情報記録部に記録された対応情報(配置変換表)に基づいてコード領域内の各データワードの位置を特定し、解読対象データを解読するように機能する。
【0084】
なお、配置変換表は、「対応情報」の一例に相当し、コード領域において各配置位置で表される各順番のデータワードを、情報コード100とは異なる他種コード120において予め定められた方式(例えば公知規格等で定められた方式など)で表現する場合の当該他種コード120内での各対応位置を定める情報として構成されている。そして、解読部に相当する制御回路40は、判別部によって所定位置105が特定のフォーマット構成であると判別された場合、コード領域の各配置位置で表される各順番のデータワードを、対応情報で定められる他種コード120内での各対応位置に置換した構成で当該他種コード120を解読するように機能する。
【0085】
S42にてデータ記録領域のデータを解読した後には、ヘッダデータ(額縁QRヘッダー)に含まれる形式情報を読み取る。そして、この形式情報が「画像形式」(認識対象領域を有する形式)を示す形式情報である場合には、S44でYesに進む。その他の形式の場合には、S44にてNoに進む。なお、図9では、S44でNoに進む場合の処理を省略して示している。なお、S44でNoに進む場合、S11以降の処理を行わずに図10の処理を終了してもよい。
【0086】
S44でYesに進む場合(即ち、ヘッダデータ(額縁QRヘッダー)に含まれる形式情報が「画像形式」を示す形式情報である場合)、ヘッダデータに含まれる画像領域位置情報(位置データ)を読み取る(S45)。そして、情報コード100内における画像領域の位置(認識対象領域121の位置)を特定する(S46)。具体的には、本構成では、矩形状の画像領域を形成することを想定しており、S46ではコード画像を解析してコード画像における画像領域の四隅の位置を特定する。例えば、画像領域位置情報(位置データ)として、認識対象領域121(画像領域)の四隅の位置情報(例えば四隅の各位置における列位置と行位置の組合せ)が記録されている場合、この位置データによって画像領域の四隅の位置を特定できる。
【0087】
S46にて認識対象領域121(画像領域)の四隅の位置を特定した後には、その認識対象領域121の画像を抽出する。なお、S47で抽出する画像は、例えば、ビットマップ形式であってもよく、GIF形式やJPEG形式など、公知の他の画像ファイル形式であってもよい。なお、S46、S47等の処理を行う制御回路40が画像抽出部の一例に相当し、情報コード100が撮像された場合に空き領域110内に構成される認識対象領域121の画像を抽出するように機能する。
【0088】
図11の処理が終わると、S10の処理後に予定されたS11の処理を行う。この処理では、データ記録領域に記録されたアドレス情報に従い、そのアドレス情報で特定されるサイトにアクセスする。図1図9等に示す情報コード100には、アドレス情報として、例えば特定の検索サイトのURLなどが記録されており、S11では、このようなURLで特定される検索サイトにアクセスすることになる。例えば、情報コード100に記録されるアドレス情報で特定されるインターネット上のサイトが、図1等で示す管理装置190で提供される検索サイトである場合、図11のS47の処理で抽出された認識対象領域121(特定領域)の画像をその検索サイトに送信する(S12)。S12の処理では、具体的には検索サイトの情報をインターネット上に提供する管理装置190に認識対象領域121(特定領域)の画像が送信されることになる。
【0089】
そして、このS12の処理に応じて、送信先の検索サイト、即ち、管理装置190では、S12で送信された画像(検索対象の画像)を用いた類似画像検索が行われる。検索サイトの情報をインターネット上に提供する管理装置190では、上述したように、図示しない記憶部において複数の検索候補の画像データが登録されている。管理装置190に登録される各検索候補のデータには、各検索候補の名称や種別などの基本データに加え、各検索候補の外観を表す画像データなどが含まれている。S13の処理では、このように登録された複数の検索候補の画像データの中から、S12で送信された検索対象の画像と類似する画像を抽出する。このような類似画像の検索処理は、例えば、公知の様々な種類の類似画像検索技術(所定の類似基準を満たす画像を類似画像として抽出する公知技術)を用いることができ、例えば、公知のパターンマッチング処理や特徴点の比較処理などによって行ってもよい。
【0090】
なお、本構成では、例えば読取装置10及び管理装置190が検索処理部の一例に相当する。より具体的には、図10の処理を実行する制御回路40と、S12の処理を受けてS12で送信された検索対象の画像と類似する検索候補の画像を管理装置190に設けられた記憶部から検索する処理を行う制御部(管理装置190に設けられたCPU等の制御部)と、が検索処理部の主要素として機能する。
【0091】
S13の処理の後には、S13の処理で類似画像として抽出された各候補の情報を検索結果として表示する(S14)。例えば、図12では、図1図9のような検索対象の画像T1を検索キーとして管理装置190の記憶部内で類似画像検索を行った場合の検索結果を検索元の読取装置10でリスト表示した例を示している。
【0092】
そして、S14での検索結果の表示に応じていずれかの物品が選択されたか否かを判断し(S15)、選択された場合には、S15にてYesに進み、例えば、その選択された物品を購入するための所定の注文画面を表示する(S16)。そして、その購入画面での注文処理が確定した場合にはS17にてYesに進み、その確定した物品の注文手続きを行う。なお、この注文手続きは、電子商取引で用いられる公知の手続き処理を行えばよい。
【0093】
(本構成の効果例)
本構成によれば、特徴的な情報コードを表示する情報コード媒体(例えば、情報コード100が紙、樹脂部材、金属部材等の形成対象物に形成されてなる媒体)を読み取り対象とし、認識対象領域121内に検索対象が表された状態でその情報コード媒体が撮像された場合には、識対象領域121内に表される検索対象を検索する所定の検索処理を行うことができる。特に、検索対象が認識対象領域121に表されている状態で情報コード100を読み取るという簡単な読取操作によって読取側が検索対象の画像T1を認識可能となり、検索対象の画像T1を用いた検索をより円滑に行うことができる。
【0094】
また、本構成では、情報コード100は、コード領域の内部において、特定パターン領域及びデータ記録領域以外の位置に、セルによって解読対象データが記録されない領域である空き領域110が、単一のセルのサイズよりも大きいサイズで設けられ、この空き領域110の内部が認識対象領域とされている。そして、読取システムに設けられた画像抽出部は、情報コード100が撮像された場合に、空き領域110内に構成される認識対象領域の画像T1を抽出する構成となっている。
この構成によれば、コード領域内においてデータ記録領域及び特定パターン領域以外の位置にセルによって解読対象データが記録されない領域(空き領域)が確保され、この空き領域が認識対象領域121として利用された情報コードを読取対象とすることができる。そして、その情報コード100の認識対象領域121に表された内容を画像T1として抽出し、その画像T1を条件として円滑に検索処理を行うことができる。
【0095】
また、図1図9等で例示される情報コード100では、検索対象の画像が予め認識対象領域121に表された構成となっており、検索処理部は、予め用意された複数の検索候補の画像の中から、認識対象領域121に表された検索対象の画像T1と類似する画像を検索する所定の類似画像検索処理を行う構成となっている。この構成によれば、より簡易な操作で検索対象を検索することが可能となる。また、予め位置が明確に規定された領域を認識対象領域として利用できるため、単に検索対象を写真撮影するような方法と比較して、検索画像を抽出すべき範囲をより正確に特定することができ、その抽出に際し複雑な作業を省略しやすくなる。
【0096】
また、本構成では、情報コード100のデータ記録領域において、検索対象の画像T1又は検索対象の画像T1を解析して得られるデータの送信先を特定するアドレス情報が記録されている。そして、検索処理部は、読取装置10と管理装置190とによって構成されており、検索対象の画像T1又は検索対象の画像T1を解析して得られるデータを、アドレス情報で特定される送信先に送信する送信部と、送信部から送信されたデータを受信する受信部と、複数の検索候補をそれぞれ表した候補画像が記憶される記憶部と、受信部で受信したデータに基づき、記憶部に記憶される複数の候補画像の中から検索対象の画像に類似する所定の類似画像を抽出する類似画像抽出部と、が設けられている。
この構成によれば、認識対象領域121の画像T1と、データ記録領域に記録されたアドレス情報とを関連付けて利用することが可能となる。例えば、情報コード100の読み取りに際し、検索対象の画像T1又は前記検索対象の画像T1を解析して得られるデータをデータ記録領域に記録されたアドレス情報で特定される送信先に自動的に送信するといった処理が可能となり、これにより、送信先において検索処理を行うことができるようになる。特に、情報コードの読み取り毎に、送信先を特定するアドレス情報の入力操作などを行わずに済み、入力操作に伴う作業負担や入力間違えなどを確実に抑えることができる。
【0097】
また、本構成では、情報コード100のデータ記録領域において、コード領域内での認識対象領域121の位置を示す位置データが記録されている。そして、検索処理部は、データ記録領域読取部が読み取った位置データに基づいてコード領域内での認識対象領域121の位置を特定し、当該認識対象領域121の画像T1を用いて検索処理を行う構成となっている。この構成によれば、読み取りの際に、データ記録領域に記録される位置データに基づいてコード画像内での認識対象領域121の位置をより正確に特定しやすくなる。
【0098】
また、本構成では、情報コード100のデータ記録領域において、認識対象領域121がコード領域内に存在することを示す識別情報が記録されている。そして、検索処理部は、データ記録領域読取部によるデータ記録領域の読取結果に基づき、データ記録領域に識別情報が記録されていることを条件として検索処理を行う構成となっている。この構成によれば、読み取りの際に、認識対象領域がコード領域内に存在するか否かを識別情報の有無によって判別し易くなる。
【0099】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について、図面を参照して説明する。
第2実施形態の情報コード利用システムは、ハードウェア構成については第1実施形態と同一であり、上述した図1図2のような構成が用いられる。また、第2実施形態では、情報コードの構成が第1実施形態等と異なるが、空き領域内の画像の利用方法は第1実施形態やそれ以外の実施形態と同様の方法を用いることができる。
【0100】
第2実施形態の情報コード利用システムでは、情報コード生成装置2(図1等参照)により図13(B)のような情報コード200を生成する。この構成でも、コード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターン(位置検出パターン204)が配置される特定パターン領域と、複数種類のセルによってデータを記録するデータ記録領域と、情報コード読取装置10によって所定の検索処理を行う対象となる認識対象領域121とを設けている。
【0101】
この構成では、空き領域210内の構成以外は、公知のQRコード(登録商標)として構成されており、まず、図13(A)のように、コード領域の内部に、特定パターン領域と、データ記録領域と、複数種類のセルによって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とを設けている。なお、データ記録領域でのデータコードワードの記録方法及び誤り訂正符号記録領域での誤り訂正コードワードの記録方法は公知のQRコード(登録商標)と同様であり、例えば、JISX0510で規定される方式でコード領域内の位置検出パターン204の配置、データ記録領域におけるデータコードワードの配置、誤り訂正符号記録領域での誤り訂正コードワードの配置が定められている。
【0102】
但し、図13(A)のように、一部領域のコードワードを、白セルのみによって表現されるコードワードとして構成した情報コード200’を生成し、このように白セルのみによって表現される領域ARを空き領域210として、図13(B)のように、この空き領域210の一部又は全部を認識対象領域121としている。なお、図13(B)の例では、空き領域210の全体が認識対象領域121である例を示している。図13(B)の例では、空き領域210内に、第1実施形態と同様の検索対象画像T1を表している。このように構成した場合、図13(A)のような本来のデータ表示とは異なった構成になるが、この空き領域210でのデータの誤りは、誤り訂正符号記録領域に記録された誤り訂正符号を用いて公知の誤り訂正を行えばよい。
【0103】
また、図13(B)に示す情報コード200では、空き領域210の位置が予め特定されるため、空き領域210内にデザインや情報を付加して表示する場合にはこの表示による誤り位置が予め分かっていることになる。従って、空き領域210の位置を誤り位置として消失訂正を行うように誤り訂正符号記録領域の誤り訂正符号を構成することもできる。この場合、空き領域210の位置を示す情報を予めデータ記録領域に記録しておいたり、或いは、予め読取装置10(図1)内に記憶しておくことで、読取時に読取装置10が空き領域210の位置(即ち、誤りが生じているデータコードワードの位置)を特定することができるようになり、読取装置10は、このように位置が特定された空き領域210に存在するデータコードワードの誤りを訂正するように、誤り訂正符号記録領域に記録された誤り訂正符号を用いて消失訂正を行うようにすればよい。
【0104】
また、図13のように既存のQRコード(登録商標)の一部を空き領域210として構成する場合、データ記録領域に記録されるデータにおいて、図15(A)のような識別情報を含ませておけばよい。図15(A)は、データ記録領域に記録される解読対象データ構成を概念的に示しており、この例では、解読対象データの先頭部分に、所定構成(%%IMAGE%%)のデータが付されている。このように構成しておけば、読取装置10は、データ記録領域に記録される解読対象データの中からこの識別情報(%%IMAGE%%)を検出したときに、認識対象領域121の画像を用いた検索処理(例えば第1実施形態の図10と同様の処理)を行うことができるようになり、逆に、識別情報(%%IMAGE%%)を検出できないときには通常のデコード処理を行うことになる。また、この例では、データ記録領域のデータとして、通常のデータ以外に、画像領域の位置を特定する位置データや、その他の付随情報が含まれていることが望ましい。また、図15(A)に示すデータは、データ記録領域に記録されるデータの内、終端子よりも前に配置される解読対象データを示しており、終端子よりも後に配置される埋め草コードは省略している。本構成では、例えば、この埋め草コードの領域を全て白セルのみで表示するようにし、この領域を空き領域210として扱うようにすることができる。
【0105】
また、識別情報の例はこの例に限られるものではなく、例えばモード番号として専用のモード番号を用いるようにしてもよい。例えば、QRコードの規格では、1:数字モード、2:英数字モード、3:連結モード等が定められており、このようなモード番号の1つとして14:画像認識モード(検索モード)を設けるようにしてもよい。このような例では、モード番号「14」が設定されている場合に、認識対象領域121の画像を用いた検索処理を行えばよい。
【0106】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。
第3実施形態の情報コード利用システムも、ハードウェア構成については第1実施形態と同一であり、上述した図1図2のような構成が用いられる。
【0107】
第3実施形態の情報コード利用システムでは、情報コード生成装置2(図1等参照)により図14(B)のような情報コード300を生成する。この構成でも、コード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターン(L字状のアライメントパターン304a及び明色セルと暗色セルが1セルずつ交互に配置され、コード領域の境界に沿ったL字状の領域を構成するタイミングパターン(タイミングセル)304b)が配置される特定パターン領域と、複数種類のセルによってデータを記録するデータ記録領域とを設け、コード領域の内部において、特定パターン領域以外の位置に、データ記録領域にデータを記録する方法とは異なる方法で、データの記録又はデザインの表示の少なくともいずれかが可能となる空き領域310を、単一のセルのサイズよりも大きい所定サイズで設けている。
【0108】
この構成では、空き領域310の構成以外は、公知のデータマトリックスコードとして構成されており、まず、図14(A)のように、コード領域の内部に、特定パターン領域と、データ記録領域と、複数種類のセルによって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とを設けている。なお、データ記録領域でのデータコードワードの記録方法及び誤り訂正符号記録領域での誤り訂正コードワードの記録方法は公知のデータマトリックスコードと同様であり、コード領域内のアライメントパターン304aやタイミングパターン304bの配置、データ記録領域におけるデータコードワードの配置、誤り訂正符号記録領域での誤り訂正コードワードの配置は、例えばECC200バージョンに従って定められている。
【0109】
但し、図14(A)のように、一部領域のコードワードを、白セルのみによって表現されるコードワードとして構成した情報コード300’を生成し、このように白セルのみによって表現される領域ARを空き領域310とし、図14(B)のように、この空き領域310の一部又は全部を認識対象領域121として検索対象の画像T1を表している。なお、図14(B)では空き領域310の全体が認識対象領域121として機能する例を示している。図14(B)のように空き領域310を認識対象領域121とする場合、図14(A)のような本来のデータ表示とは異なった構成になるが、この空き領域310でのデータの誤りは、誤り訂正符号記録領域に記録された誤り訂正符号を用いて公知の誤り訂正を行えばよい。
【0110】
また、図14(B)に示す情報コード300では、空き領域310の位置が予め特定されるため、空き領域310内にデザインや情報を付加して表示する場合にはこの表示による誤り位置が予め分かっていることになる。従って、空き領域310の位置を誤り位置として消失訂正を行うように誤り訂正符号記録領域の誤り訂正符号を構成することもできる。この場合、空き領域310の位置を示す情報を予めデータ記録領域に記録しておいたり、或いは、予め読取装置10(図1)内に記憶しておくことで、読取時に読取装置10が空き領域310の位置(即ち、誤りが生じているデータコードワードの位置)を特定することができるようになり、読取装置10は、このように位置が特定された空き領域310に存在するデータコードワードの誤りを訂正するように、誤り訂正符号記録領域に記録された誤り訂正符号を用いて消失訂正を行うようにすればよい。
【0111】
また、図14のように既存のデータマトリックスコードの一部を空き領域310として構成する場合、データ記録領域に記録されるデータにおいて、図15(B)のような識別情報を含ませておけばよい。図15(B)は、データ記録領域に記録される解読対象データ構成を概念的に示しており、この例では、解読対象データの先頭部分に、所定構成(%%IMAGE%%)のデータが付されている。このように構成しておけば、読取装置10は、データ記録領域に記録される解読対象データの中からこの識別情報(%%IMAGE%%)を検出したときに、認識対象領域121の画像を用いた検索処理を行うことができるようになり、逆に、識別情報(%%IMAGE%%)を検出できないときには通常のデコード処理を行うことになる。また、この例では、データ記録領域のデータとして、通常のデータ以外に、画像領域の位置を特定する位置データや、その他の付随情報が含まれていることが望ましい。
【0112】
また、識別情報の例はこの例に限られるものではなく、例えば専用のコードワードを用いるようにしてもよい。データマトリックスコードの仕様として、例えば、0〜128をASCII文字、233を連結モードなどとして定めている場合、「234」を画像認識用の特別なコードワードとして新たに定めるようにしてもよい。このような例では、データ記録領域のデータに「234」のコードワードが含まれている場合に、認識対象領域121の画像を用いた検索処理を行えばよい。また、未使用のコードワードが存在する場合、未使用のコードワードを識別情報として含ませておき、データ記録領域のデータに未使用のコードワードが含まれている場合に、識対象領域121の画像を用いた検索処理を行うようにしてもよい。
【0113】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。
第4実施形態の情報コード利用システムは、ハードウェア構成については第1実施形態と同一であり、上述した図1図2のような構成が用いられる。特に、生成装置2及び読取装置10のハードウェア構成は第1実施形態と同一であるため、適宜、図1図2等を参照して説明することとする。
【0114】
第4実施形態で用いられる情報コード400は、空き領域410の内容が第1実施形態の情報コード100と異なるだけであり、それ以外の特定パターン領域やデータ記録領域の構成は、第1実施形態の情報コードと同一である。なお、特定パターン配置領域やデータ記録領域の構成は、第1実施形態と全く同一であってもよく、若干配置が異なっていてもよい。また、空き領域410の位置については特に限定されず、第1実施形態の情報コード100の空き領域110と全く同じ位置に設けてもよく、空き領域110とは異なる位置であってもよい。
【0115】
図16(A)(B)に示すように、生成装置2によって生成される情報コード400は、矩形状(例えば、正方形状或いは長方形状等)のコード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類のセル102によってデータを記録するデータ記録領域と、複数種類のセル102によって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とが設けられている。本構成でも、第1実施形態と同様の特定パターンとなっており、例えば、QRコード(登録商標)の公知の所定型番の特定パターンと同一の形状及び位置となっており、図16(A)等の例では、コード領域の3つの角部にそれぞれ、特定パターンとしての位置検出パターン(切り出しシンボル)104が配置されている。
【0116】
本システムでは、例えば生成装置2により、所定の形成対象媒体401に位置検出パターン104やその他のセルの図形を印刷する構成で情報コード400を形成している。形成対象媒体401は、紙材料、樹脂材料、金属材料、その他の公知材料によって構成されており、例えば、所定の厚さのシート状或いは板状に構成されている。なお、形成対象媒体401は、一方面側に情報コード400が形成可能な構成であり、且つ窓部が形成可能な構成であればよく、具体的な形状は特に限定されない。例えば、複数の材料が積層された構成などであってもよい。
【0117】
生成装置2によって形成される情報コード400は、例えば、形成対象媒体401の表面401aの所定領域に特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域が印刷やダイレクトマーキングなどの公知の形成方法によって表されている。なお、形成対象媒体401に形成される特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域は、表面401a側から視認可能に形成されていればよく、その形成位置は表面401aに限定されるものではない。例えば、紙材料、樹脂材料、金属材料などからなる部材の表面に特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域を形成し、その上から透明なシート状又は板状の部材を配置して覆うようにしてもよい。この構成では、透明な部材の表面が表面401aとなり、特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域などは、表面401aよりも奥側(裏面側)の位置に形成されることになる。いずれにしても、形成対象媒体401の表面401a側から特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域が視認可能となる構成で形成対象媒体401に特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域が形成されればよい。
【0118】
そして、形成対象媒体401において、コード領域の外縁部よりも内側には、表面401a側から裏面401b側を視認させる窓部403が設けられている。図16等に示す例では、窓部403が四角形状の貫通孔として形成されており、この貫通孔が表面401aと裏面401bとの間に続く構成となっている。なお、図16のような情報コード400が付された情報コード媒体を形成する場合、生成装置2によって窓部403を形成する前の形成対象媒体(紙材料、樹脂材料、金属材料、その他の材料によるシート状或いは板状の部材)に対して特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域を形成し、その後、形成対象媒体から窓部403内の部分を切り取って図16のような情報コード400を得るようにしてもよい。或いは、紙材料、樹脂材料、金属材料、その他の材料によるシート状或いは板状の部材に対して窓部403を形成して予め形成対象媒体401を作成しておき、この形成対象媒体401に生成装置2によって特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域を形成して図16のような情報コード400を得るようにしてもよい。なお、この例では、窓部403の内側の開口領域が光透過領域に相当する。
【0119】
このように構成された情報コード400は、コード領域内の一部領域(窓部403の内部領域である認識対象領域)が、検索対象の表示予定領域として機能する。そして、読み取りの際には、情報コード読取装置10によって所定の検索処理を行う対象となる検索対象の画像をコード領域内に表すことができるようになっている。例えば、図17のように、検索対象となる物品の画像T2が表された被写体430を撮像して画像として利用したい場合、その被写体430において画像として利用したい領域が窓部403内に収まるように形成対象媒体401をその被写体の上に配置すればよい。このようにすることで、図17のように、情報コード400と被写体430とが重なり合った合成部において、検索対象の画像T2(被写体430において窓部403内に配置される領域、即ち、表面401a側から窓部403を介して視認される領域)が情報コード400のコード領域内に表されることになる。なお、この例では、情報コード400において窓部403の内側が空き領域410になっており、例えばデータ記録領域によってデータが記録されず、且つ誤り訂正領域による誤り訂正の対象とならない領域となっている。また、図17では、被写体の例として被写体430を例示しているが、被写体の例はこれに限定されず、上述した実施形態で示される画像領域の画像など、様々な画像を被写体にすることができる。
【0120】
そして、図17のように表された情報コード400と被写体430を、図18(A)のように読取装置10によって撮像することで、図18(B)のように、認識対象領域に検索対象の画像T2が表された撮像画像400’(コード画像)が得られる。なお、図18(B)の画像は、読取装置10によって撮像された画像から、コード領域内の画像のみを切り取って表したものである。この撮像画像400’では、空き領域410の画像410’が認識対象領域の画像であり、画像410’には検索対象の画像T2を撮像した撮像画像T2’が含まれることになる。このように得られた撮像画像400’により、第1実施形態と同様の方法で情報コード400を読み取ることができ、第1実施形態と同様の方法で空き領域410の画像410’を抽出し、検索対象の撮像画像T2’を用いた検索処理を行うことができる。なお、空き領域410の画像を抽出した後の検索処理は、図10のS12以降の処理と同様である。
【0121】
本構成によれば、情報コード生成装置により、形成対象媒体に対し、特定パターン領域、データ記録領域、及び窓部が形成された特徴的な情報コードを形成することができる。そして、情報コード読取装置がこの形成対象媒体を撮像して情報コードを読み取る際には、その形成対象媒体の表面側から窓部を通して把握される内容を画像として認識できるようになる。特に、情報コードの読み取りに伴い、データ記録領域に記録されたデータの利用に加え、形成対象媒体に予め表示されていなかった被写体(窓部を通して把握される被写体)の画像を利用するという新規な画像利用方法が可能となり、利用者の利便性を高めることができる。また、情報コードの読み取りの際には、形成対象媒体の後方に位置する被写体のうち、必要な範囲のみが窓部を通して写るように位置を調整すれば、必要な領域の画像を選択的に利用できるようになり、画像を利用する上での利便性が一層高まる。
【0122】
なお、画像領域の画像(空き領域410の画像410’)を抽出した後の、当該画像に対する画像処理方法は、上述した又は後述する実施形態のいずれの処理方法を用いてもよい。
【0123】
上述した例では、貫通孔として構成される窓部403を例示したが、窓部403は裏側が視認できる構成であればよい。例えば、上述した四角形状の貫通孔を塞ぐように透明部材(透明な樹脂シートなど)が配置され、この透明部材を介して裏側が視認できるような構成であってもよい。また、窓部403の形状は四角形状に限られず、円形状、楕円形状、三角形状、他の多角形状などであってもよい。
【0124】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明する。
第5実施形態の情報コード利用システムも、ハードウェア構成については第1実施形態と同一であり、上述した図1図2のような構成が用いられる。特に、生成装置2及び読取装置10のハードウェア構成は第1実施形態と同一であるため、適宜、図1図2等を参照して説明することとする。
【0125】
第5実施形態で用いられる情報コード500は、空き領域510の内容が第1実施形態の情報コード100と異なるだけであり、それ以外の特定パターン領域やデータ記録領域の構成は、第1実施形態の情報コードと同一である。なお、特定パターン配置領域やデータ記録領域の構成は、第1実施形態と全く同一であってもよく、若干配置が異なっていてもよい。また、空き領域510の位置については特に限定されず、第1実施形態の情報コード100の空き領域110と全く同じ位置に設けてもよく、空き領域110とは異なる位置であってもよい。
【0126】
図19に示すように、生成装置2によって生成される情報コード500は、矩形状(例えば、正方形状或いは長方形状等)のコード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類のセル102によってデータを記録するデータ記録領域と、複数種類のセル102によって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とが設けられている。本構成でも、第1実施形態と同様の特定パターンとなっており、例えば、QRコード(登録商標)の公知の所定型番の特定パターンと同一の形状及び位置となっており、図19等の例では、コード領域の3つの角部にそれぞれ、特定パターンとしての位置検出パターン(切り出しシンボル)104が配置されている。
【0127】
本システムでは、例えば生成装置2により、所定の形成対象媒体501に位置検出パターン104やその他のセルの図形を印刷する構成で情報コード500を形成している。形成対象媒体401は、紙材料、樹脂材料、金属材料、その他の公知材料によって構成されており、例えば、所定の厚さのシート状或いは板状に構成されている。なお、形成対象媒体501は、一方面側に情報コード500が形成可能な構成であればよく、具体的な形状は特に限定されない。例えば、複数の材料が積層された構成でなどであってもよい。
【0128】
生成装置2によって形成される情報コード500は、例えば、形成対象媒体501の表面501aの所定領域に特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域が印刷やダイレクトマーキングなどの公知の形成方法によって表されている。なお、形成対象媒体501に形成される特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域は、表面501a側から視認可能に形成されていればよく、その形成位置は表面501aに限定されるものではない。例えば、紙材料、樹脂材料、金属材料などからなる部材の表面に特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域を形成し、その上から透明なシート状又は板状の部材を配置して覆うようにしてもよい。この構成では、透明な部材の表面が表面501aとなり、特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域などは、表面501aよりも奥側(裏面側)の位置に形成されることになる。いずれにしても、形成対象媒体501の表面501a側から特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域が視認可能となる構成で形成対象媒体501に特定パターン領域、データ記録領域、訂正符号記録領域が形成されればよい。
【0129】
そして、図19のように、形成対象媒体501において、コード領域の外縁部よりも内側には、文字や絵柄などの事後的な記載を可能とする記載可能領域が設けられている。本構成では、情報コード500においてセル102が配置されない内側領域(セル102の配置領域の内縁境界よりも内側の領域)が空き領域510になっている。この空き領域510は、例えばデータ記録領域によってデータが記録されず、且つ誤り訂正領域による誤り訂正の対象とならない領域となっており、この空き領域510の全体が記載可能領域となっている。空き領域510は、例えば所定色の空白領域となっており、この空白領域に様々な筆記具によって文字、図形、記号などを手書きにて書き込むことができるようになっている。例えば、図20(A)では、空き領域510内に検索対象の絵T3を手書きによって記載した例を示している。なお、空き領域510には、枠などの図形や文字が手書き入力前に予め書かれていてもよい。
【0130】
そして、図20(A)のように表された情報コード500を、図20(B)のように読取装置10によって撮像することで、図21のような撮像画像が得られる。なお、図21の画像は、読取装置10によって撮像された画像から、コード領域内の画像のみを切り取って表したものである。このように得られたコード領域内の画像により、第1実施形態と同様の方法で情報コード500を読み取ることができ、第1実施形態と同様の方法で空き領域510の画像510’を抽出することができる。空き領域510の画像を抽出した後の検索処理は、図10のS12以降の処理と同様である。なお、空き領域510の画像510’を抽出した後の、当該画像を用いた検索処理は、上述した又は後述する実施形態のいずれの処理方法を用いてもよい。
【0131】
このように本構成では、所定の表面と裏面とを有する形成対象媒体501の表面側から特定パターン領域及びデータ記録領域が視認可能となる構成で形成対象媒体501に特定パターン領域及びデータ記録領域が形成されるようになっている。そして、形成対象媒体501において特定パターン領域及びデータ記録領域が表されてなるコード領域の外縁部よりも内側に、認識対象領域として、検索対象の事後的な記載が可能となる記載可能領域(空き領域510)が設けられている。そして、検索処理部に相当する読取装置10及び管理装置190は、この記載可能領域内に検索対象が記載された状態で情報コード媒体が撮像された場合に、予め用意された複数の検索候補の画像の中から、記載可能領域内に記載された検索対象の撮像画像T3’と類似する画像を検索する所定の類似画像検索処理を行う。
この構成によれば、形成対象媒体501の所定領域に事後的に記載された内容を検索条件として利用できるようになる。特に、予め位置が明確に規定された領域を記載可能領域として利用できるため、単に記載内容を写真撮影するような方法と比較して、必要範囲の記載内容をより正確に抽出することができ、その抽出に際し複雑な作業を省略しやすくなる。
【0132】
[第5実施形態の変更例]
次に、第5実施形態の変更例について説明する。
第5実施形態の上述の例では、図19で示す情報コード媒体の空き領域510に対して手書き等によって検索対象を記載する例を示したが、図19で示す情報コード媒体の空き領域510に重ねるように検索対象そのもの、又は検索対象を表した物体を配置し、これらを読取装置10によって撮像することで検索対象の画像を取得するようにしてもよい。例えば、所定の時計が検索対象であれば、図19で示す情報コード媒体の空き領域510に重ねるように検索対象の時計そのものを配置してこれらを読取装置10によって読み取ることで、空き領域の画像(検索対象の画像)を取得してもよく、空き領域510に重ねるように検索対象の時計を表した物体(例えば、雑誌の切り抜きや写真)を配置し、これらを読取装置10によって撮像することで検索対象の画像を取得するようにしてもよい。
【0133】
この例でも、図19のように、所定の表面と裏面とを有する形成対象媒体501の表面側から特定パターン領域及びデータ記録領域が視認可能となる構成で形成対象媒体501に特定パターン領域及びデータ記録領域が形成されることになる。そして、この形成対象媒体501において特定パターン領域及びデータ記録領域が表されてなるコード領域の外縁部よりも内側には、認識対象領域としての空き領域510が設けられることになる。そして、この空き領域510は、検索対象又は検索対象を表した物体を事後的に重ね合わせて配置することが可能となる配置可能領域として機能する。
【0134】
このような情報コード媒体が用いられる場合でも、情報コード500の撮像後の処理は上記実施形態と同様であり、配置可能領域(空き領域510)上に検索対象又は検索対象を表した物体(例えば、検索対象となる物品が表された写真や雑誌など)が重なった状態で当該情報コード媒体が撮像された場合、図21と同様の画像(検索対象の撮像画像T3’が空き領域510の画像510’に表されたコード画像500’)が得られる。そして、空き領域の画像を抽出した後には、図10のS12以降と同様の処理を行い、予め用意された複数の検索候補の画像の中から、配置可能領域と重なって表された検索対象の撮像画像T3’と類似する画像を検索する所定の類似画像検索処理を行えばよい。
【0135】
この構成によれば、形成対象媒体501の所定領域に事後的に配置された物体(物体そのものや物体に表された絵柄など)を検索条件として利用できるようになる。特に、予め位置が明確に規定された領域を配置可能領域として利用できるため、単に物体を写真撮影するような方法と比較して、必要範囲の物体をより正確に抽出することができ、その抽出に際し複雑な作業を省略しやすくなる。
【0136】
[第6実施形態]
次に、第6実施形態について説明する。
この第6実施形態の例では、図10の検索処理に代えて図22の処理を行うようにしており、データ記録領域に条件情報(補助情報)が記録されている点、及び図22のS12、S13の処理において、この条件情報を利用した検索を行っている点のみが上記第1実施形態と異なり、それ以外は上記実施形態と同様である。なお、このような条件情報を利用する方法は、いずれの実施形態においても利用することができる。
【0137】
この構成では、図9等に示す情報コード100のデータ記録領域において、条件情報として、検索対象の種別を特定する情報(この例では、例えば「スキャナ」といった情報)が記録されている。そして、検索処理部に相当する読取装置10及び管理装置190は、図22のS12、S13の処理において、データ記録領域から読み出された条件情報と、認識対象領域内に表された検索対象の画像と、に基づき、予め用意された複数の検索候補の画像の中から、条件情報で指定される検索条件に合致し且つ認識対象領域内に表された検索対象と類似する画像を検索している。なお、補助情報は検索対象の物品種別に限られるものではなく、大きさ、色、サイズ、材料などであってもよい。
【0138】
この構成によれば、必要となる検索条件を予めデータ記録領域内に用意しておくことができ、検索時に条件を指定する手間を抑えることができるため、省力化、迅速化を図り易くなる。しかも、認識対象領域の画像だけでなく、他の条件を加味して検索を行うことが可能となるため、検索の精度を高めやすくなる。例えば、上述の例では、検索対象の種別(例えばスキャナ)に絞った上で、検索対象の画像T1に類似する画像を検索することができるため、全く関係の無い種別の類似画像(例えば、鉄砲のおもちゃのような無関係の種別の類似画像)が抽出されることがない。
【0139】
[第7実施形態]
次に、第7実施形態について説明する。
この第7実施形態の例では、図11の読取処理に代えて図24の処理を行う点、図23(A)のように空き領域510に条件情報(例えば、検索対象の種別の情報)を記載可能とした点、及び図10のS12、S13の処理において、この条件情報を利用した検索を行っている点のみが上記第5実施形態と異なり、それ以外は第5実施形態と同様である。なお、このような条件情報を利用する方法は、いずれの実施形態においても利用することができる。
【0140】
この例では、図23(A)のような画像(検索対象の画像T3)の記載に加え、文字情報などの記号情報(例えば、検索対象の種別を示す文字情報など)が条件情報(補助情報)として記載可能となっている。そして、検索処理部に相当する読取装置10及び管理装置190では、図23(A)のように認識対象領域(空き領域510)内に検索対象が表され且つ認識対象領域内に記号情報(例えば、検索対象の種別を示す文字情報など)が表された状態で情報コード媒体が撮像された場合、図24の読取処理において、S48のOCR認識(例えば、公知の光学的文字認識処理)により、認識対象領域(空き領域510)内の記号情報を認識できるようになっている。そして、図10のS12、S13の処理では、認識対象領域(空き領域510)から抽出された検索対象の撮像画像と、OCR処理で認識された記号情報とに基づき、予め用意された複数の検索候補の画像の中から、記号情報で指定される条件に合致し且つ認識対象領域内に表された検索対象と類似する画像を検索している。例えば、図23(A)のように「てぶくろ」と記載がなされている場合、「てぶくろ」の種別に属する登録候補の中から、認識対象領域(空き領域510)に表された検索対象T3に類似する画像を検索することになる。なお、この例でも、空き領域510に記載する条件情報(補助情報)は検索対象の物品種別に限られるものではなく、大きさ、色、サイズ、材料などであってもよい。
【0141】
このように画像と記号を条件として検索処理を行えば、絞り込みを効率的に行うことができる。特に、単一の画像だけで検索を行った場合、この画像条件に合致する候補が膨大になってしまう虞があるが、画像だけでなく文字などの記号をも条件として検索を行えば、条件に合致する候補を効果的に絞り込むことができ、目的の内容を迅速に抽出しやすくなる。
【0142】
[第8実施形態]
次に、第8実施形態について説明する。
この第8実施形態の例では、図11の読取処理に代えて図25の処理を行う点等が第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同様である。なお、このような条件情報を利用する方法は、いずれの実施形態においても利用することができる。
【0143】
この構成において、検索処理部に相当する読取装置10及び管理装置190では、検索対象が認識対象領域に表された複数の情報コードが同時期に、又は所定の連続状態で撮像された場合に、それら複数の情報コードにおけるそれぞれの認識対象領域に表される表示内容に基づいて、予め用意された複数の検索候補の画像の中から、それぞれの認識対象領域内に表された検索対象と類似する画像を検索する。
【0144】
複数の情報コード100の読み取りの方法は様々であり、例えば、検索対象についての異なる画像がそれぞれ表された複数の情報コード100が同時期に一括して撮像された場合に、予め登録される複数の登録候補画像の中から、その撮像画像に含まれる複数の情報コード100における全ての検索対象画像に類似する候補を抽出するようにしてもよい。
【0145】
或いは、複数の情報コードが順次撮像され、それぞれ読み取られた場合において、それらの撮像画像に含まれる複数の情報コード100における全ての検索対象画像に類似する候補を抽出するようにしてもよい。この方法としては、例えば、図25のような読取処理の例が挙げられる。図25の例では、図9での検索処理開始に伴って実行される読取処理(S10)において、図25のような流れで読取処理を行う。この処理では、最初に撮像、解読を行った情報コード100において、記録内容の分割を示す識別情報(複数の情報コードで記録内容を表すことを示す分割情報)が存在するか否かを判断し(S52)、分割情報が存在しない場合にはS52にてNoに進む。この場合、S51では、図10と同様の処理が行われ、図9の検索処理では、上述の各実施形態と同様の検索がなされる。一方、分割情報が存在する場合には、S52にてYesに進み、次の情報コードの読取を行う(S53)。この読取処理は、図10と同様の流れで行われ、認識対処領域の画像の抽出も行われる。S53の後には、分割が終了か否か(即ち、最初に読み取った情報コードで指定された分割数に達したか否か)を判断し、達した場合にはS54にてYesに進み、達していない場合には、S54にてNoに進む。このような方法でも、複数の情報コード100を読み取ることができ、それぞれの情報コード100から検索対象の画像を抽出できるようになる。そして、この場合でも、抽出した複数の画像を用いて類似画像検索を行えばよい。
【0146】
このように複数の画像を条件として検索処理を行えば、絞り込みを効率的に行うことができる。特に、単一の画像だけで検索を行った場合、この画像条件に合致する候補が膨大になってしまう虞があるが、複数の画像を条件として検索を行えば、条件に合致する候補を効果的に絞り込むことができ、目的の内容を迅速に抽出しやすくなる。
【0147】
なお、複数の検索対象画像で検索を行う場合、複数の画像すべてに類似する画像を検索してもよく、少なくともいずれかの検索対象画像に類似する画像を検索するようにしてもよい。或いは、少なくともいずれかの検索対象画像に類似する画像の中から、他の画像と色などが類似する画像を絞り込むようにしてもよい。
【0148】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0149】
第1実施形態等では、情報コード100内に、画像領域(認識対象領域)の位置を示す位置データ(例えば、図3に示す画像領域位置情報など)を含ませるようにしていたが、このような例に限られない。例えば、情報コード生成装置2が、空き領域において予め定められた所定位置に画像領域(認識対象領域)を配置するように情報コードを生成する構成であってもよい。この場合、所定位置を特定する情報(図3に示す画像領域位置情報などの情報)が記憶部5に記憶されていればよい。また、この場合、情報コード読取装置10には、情報コード生成装置2と同様、所定位置を特定する特定情報(図3に示す画像領域位置情報などの情報)をメモリ35に記憶しておけばよい。そして、情報コード読取装置10では、図9のS45において、メモリ35からこのような特定情報を読み出して情報入力領域を特定した上で、それ以降の処理を行えばよい。また、この場合、図3に示す画像領域位置情報は、ヘッダデータに含めなくてもよい。
【0150】
本発明は、上述したいずれか1又は複数若しくは全ての情報コードを表示し得る表示装置として構成することもできる。また、上述したいずれか1又は複数若しくは全ての情報コードを印刷し得る印刷装置として構成することもできる。更に、上述したいずれか1又は複数若しくは全ての情報コードを生成するためのコンピュータ読取可能なプログラムとして構成することもできる。また、上述した1又は複数若しくは全ての情報コードを生成するためのプログラムを記録した記録媒体として構成することもできる。更に、上述した1又は複数若しくは全ての情報コードが付された情報コード媒体(印刷物、ダイレクトマーキング等によって構成された形成物など)として把握することもできる。また、上述した1又は複数若しくは全ての情報コードが表示された表示画像として把握することもできる。
【0151】
図1等の構成では、情報コード生成装置2と情報コード読取装置10が別々の装置として構成された例を示しているが、情報コード生成装置2が情報コード読取装置10として構成されていてもよい。また、情報コード生成システムに相当する情報コード生成装置2は、単一の装置によって構成されていてもよく、複数の装置によって構成されていてもよい。また、情報コード読取装置10は、単一の装置によって構成されていてもよく、複数の装置によって構成されていてもよい。また、管理装置190は、単一の装置によって構成されていても良く、複数の装置によって構成されていてもよい。例えば、管理装置190は、読取装置10と通信を行う装置と、検索の候補となる候補画像を蓄積する装置とが同一の装置によって構成されていてもよく、別々の装置によって構成されていてもよい。
【0152】
上記実施形態では、コード領域の中央部に空き領域110を設けた例を示したが、空き領域110の配置はこの例に限られない。同様に認識対象領域121の位置も上述の例に限られない。例えば、コード領域の周縁付近に空き領域を設け、この位置に認識対象領域121を設けてもよい。また、上記実施形態では、空き領域110の全体が認識対象領域121である例(即ち、空き領域110が認識対象領域121である例)を示したが、空き領域110の一部が認識対象領域121として使用され、他の部分が検索以外の用途(例えば、検索とは関係ない単なるデザイン表示や、検索以外の認証などの用途等)に利用されてもよい。また、認識対象領域121のデザインとしては、図形、模様、色彩又はこれらの結合からなる構成であれば他の様々なデザインを採用することができる。また、デザインに代えて、或いはデザインと共に情報を表示する場合、その情報の内容は様々である。
【0153】
上記実施形態では、他種コードとしてQRコードを例に挙げ、情報コード100で用いる特定パターンとしてQRコードの特定パターンを例に挙げたが、これ以外の種類の二次元コードを用いてもよい。例えば、他種コードとしてデータマトリックスコードを用い、情報コード100で用いる特定パターンをデータマトリックスコードの特定パターンとしてもよい。
【0154】
図5のように設定した配置変換表における対応関係は、図7のように任意に変更することができる。例えば、情報コード生成装置2、情報コード読取装置10において図5のように設定されていた配置変換表を図7のように変更した場合、生成される情報コード100では、22〜23番目のコードワードの配置が、図5右図のような配置(22〜23番の配置候補位置に記録する配置)から図7右図のような配置(42〜43番の配置候補位置に記録する配置)に変更され、これにより空き領域110の位置や形状も変化することになる。この場合、22〜23番の配置候補位置は空き領域としてもよく、他のコードワードの配置位置としてもよい。つまり、この構成では、配置変換表を調整することで空き領域110の位置や形状を調整することができ、空き領域を構成する上での自由度をより高めることができる。
【0155】
上記実施形態では、「コード領域」の一例を示したが、「コード領域」は、情報コードを構成する複数種類のセルを全て含む最小の正方形領域又は長方形領域であればよく、コード領域の内縁部の一部にセルが配列されていなくてもよい。例えば、図26の情報コード800ように、空き領域810がコード領域の周縁部に隣接して形成されていてもよい。この場合、情報コード800を構成する複数種類のセルを全て含む最小の正方形領域又は長方形領域は、一点鎖線ARのようになり、空き領域810の外縁は、例えば二点鎖線AR2のようになる。また、認識対象領域はコード領域内に少なくとも一部が存在すればよく、図27の符号AR3で表される領域のように、コード領域内に認識対象領域の一部が存在し、残余の部分がコード領域外に存在するような構成であってもよい。なお、図27のような例では、予め認識対象領域AR3がどのような範囲になるかを特定する情報をデータ記録領域に記録しておけばよい。
【0156】
上記実施形態では、コード領域内を構成する複数種類のセルとして、白色セルなどの明セルと黒色セルなどの暗セルを例示したが、コード領域内の特定パターン領域、データ記録領域、誤り訂正符号記録領域が、所定の濃度、輝度、色彩の第1種セルと、この第1種セルとは濃度、輝度、色彩のいずれかが異なる第2種セルとによって構成されていてもよい。或いは、コード領域内の特定パターン領域、データ記録領域、誤り訂正符号記録領域が、濃度、輝度、色彩のいずれかがそれぞれ異なる三種類以上のセルによって構成されていてもよい。
【0157】
上記実施形態では、コード領域内の特定パターン領域、データ記録領域、誤り訂正符号記録領域において、外形が正方形状のセルを複数配列した例を示したが、各セルの外形は正方形以外の四角形であってもよく、四角形以外の多角形や、円形、楕円形などの図形であってもよい。
【0158】
上記実施形態では、特定パターンの例として位置検出パターン104、タイミングパターン106、アライメントパターン108などを例示したが、データ記録領域及び誤り訂正符号記録領域の内容に関係なく固定のパターンとして構成される領域であれば、特定パターンを構成する図形は他の固有図形であってもよい。
【0159】
上記実施形態では、空き領域の一例を示したが、空き領域は、セルによって解読対象データが記録されない領域であり、データ記録領域にデータを記録する方法とは異なる方法で情報の表示又は画像の表示がなされる領域であればよい。例えば、第1実施形態のように、コードワードが全く配置されない領域として空き領域が構成されていてもよく、公知のQRコードなどにおいて、誤り訂正符号を表現する誤り訂正コードワードや解読対象データを表現するデータコードワードが配置されず、埋め草コードワードが配置される領域を空き領域としてもよい。また、いずれの空き領域の場合でも、「セルによってデータ記録領域にデータを記録する方法とは異なる方法で情報の表示」を行うことができ、この情報の表示は、上記実施形態で例示される情報のほか、例えば、文字、数字、その他の記号などによるその他の情報であってもよく、商標などによって特定の商品やサービスを表すような情報の表示方法であってもよい。また、空き領域では、「セルによってデータ記録領域にデータを記録する方法とは異なる方法での画像の表示」を行うことができ、この画像の表示は、上記実施形態で例示される画像のほか、様々な形状、模様、色彩、それらの結合などを表すことができる。
【0160】
また、図28の情報コード900のように構成してもよい。この例は、第1実施形態と同様の空き領域を設ける構成であるが、空き領域の特定のみが第1実施形態と異なっている。なお、図28の例では、一部の特定パターン以外の領域の具体的内容は省略して示しており、実際は、空き領域910外の外部領域に明色セルや暗色セルが配置されることになる。また、空き領域910内は、例えば第1実施形態の空き領域110と同様の画像、或いは他の実施形態の空き領域と同様の画像が表示される。
本構成でも、情報コード900の種別において複数の型番が用意されており、型番毎にセルの行数及び列数、特定パターンの形状及び位置、フォーマット情報の位置、コードワードの候補位置(アドレス)が予め定められている。そして、生成装置2が情報コード900を生成する際には、型番情報をコード領域内の決められた位置(図28の例では予約領域107)に配置するようになっている。従って、読取装置10が情報コード900を読み取る際には、情報コード900のコード画像を解析し、所定位置に配置された型番情報を読み取ることで、情報コード900のセルの行数及び列数、特定パターンの形状及び位置、フォーマット情報の位置、コードワードの候補位置(アドレス)を把握できることになる。
情報コード900を生成する際には、予め用意された複数の型番の中からいずれかの型番を選択する。これにより、コード領域内の基本構成(特定パターン104の位置、セルの行数及び列数、コードワードの候補位置)が決定する。例えば、図28に示す構成の型番では、29行29列のセル配列となっており、予め定められた3つの角部に、QRコード(登録商標)の切り出しシンボルと同一の構造の特定パターン104が配置されるようになっている。そして、特定パターン104の近くの所定位置に、フォーマット情報を記録する領域(所定位置105)が設けられている。また、29行29列のマトリックス領域において、特定パターン104及び所定位置105以外の位置に、予めコードワードの候補位置が定められており、各候補位置に0〜67までのアドレスが割り当てられている。このように、型番に対応する構成で予めコード領域内の構成が規定されているため、型番が特定されれば、どの順番のコードワードがどの位置に配置されるかを特定することが可能となる。なお、決定した型番の情報は、その型番の配列において予め定められた固定位置に記録される。例えば図28の例では、所定種類のハッチングで特定される領域107に型番の情報が記録されるようになっている。
そして、型番が決定し、コード領域内の基本構成が決定した後には、空き領域の形状及び位置を決定する。空き領域の形状の決定方法は、例えば、予め用意された複数の候補形状の中から選定する方式で決定してもよく、或いは、情報コード生成装置2に対して外部から入力された形状指定情報に従った形状に設定する方式で決定してもよい。或いは、決められた固定形状のみに決定してもよい。また、空き領域の位置については、予め決められた固定位置に決定してもよく、ユーザが位置を指定する情報を入力することで、その位置に決定するようにしてもよい。
そして、空き領域が決定した後には、決定された空き領域の位置から外れるコードワードの候補位置に、データ記録領域のコードワード及び誤り訂正符号記録領域のコードワードをそれぞれ配置する構成で情報コード900を生成する。例えば、図28のような構成の型番では、3つの角部に特定パターン104が配置され、これら特定パターン104の位置を基準として、0〜67の番号が付された68個のコードワードの候補位置が予め規定されている。このようなレイアウトにおいて、図28のように空き領域910が決定した場合、少なくとも一部が空き領域910内に入るコードワードの候補位置を配置対象位置から除外し、その除外されたコードワードの位置を飛ばすようにして、順番にコードワードを配置する。例えば、図28の例では、50、51番、53、54番、60〜67番のコードワードの候補位置に入り込むように空き領域910が設定されているため、これら50、51番、53、54番、60〜67番のコードワードの候補位置にはコードワードを配置しないようにする。即ち、0〜49番の位置に順番にコードワードを配置した後、50、51番を飛ばして52番の位置にコードワードを配置し、その後、53、54番を飛ばして55〜59番の位置にコードワードを順番に配置することになる。このようにすれば、解読対象データを符号化したデータコードワードと、誤り訂正符号を表す誤り訂正コードワードとを、空き領域910から外れた候補位置に確実に配置することができる。
このように特定パターン領域(特定パターン104やその他の特定パターンの領域)、フォーマット領域(所定位置105)、型番領域107、各コードワード領域などを決定した後には、空き領域910の具体的な内容を決定する。この情報コード900でも、空き領域910に、上述した各実施形態で例示される空き領域と同様の画像を表すことで、図1で示す情報コード100や、その他の図で示す情報コードと同様の機能を有する情報コード900を構成することができる。なお、情報コード900の利用方法は第1実施形態やその他の実施形態と同様である。
【符号の説明】
【0161】
1…情報コード利用システム
2…情報コード生成装置(情報コード生成システム)
10…情報コード読取装置(情報コード読取システム、検索処理部)
23…受光センサ(撮像部)
40…制御回路(データ記録領域読取部、画像抽出部、検索処理部)
100,200,300,400,500,800,900…情報コード
102…セル
104…位置検出パターン(特定パターン)
110,210,310,410,510,810,910…空き領域(認識対象領域)
190…管理装置(情報コード読取システム、検索処理部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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