(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
調理容器を加熱するコンロバーナと、前記コンロバーナの火力を調節する火力調節手段と、火力調節指令を指令する火力調節指令手段と、前記コンロバーナの燃焼開始指令および燃焼停止指令を指令する点消火指令手段と、前記コンロバーナの燃焼を制御する運転制御手段とを備え、
前記運転制御手段が、前記点消火指令手段の前記燃焼開始指令に基づいて、前記コンロバーナの燃焼を開始し、かつ、前記燃焼停止指令に基づいて、前記コンロバーナの燃焼を停止させる燃焼制御を実行するとともに、
前記火力調節指令手段の前記火力調節指令に基づいて、前記コンロバーナの火力を、設定最大火力、設定最小火力、および、前記設定最大火力と前記設定最小火力との間に設定された中間火力に調節することができるように前記火力調節手段が作動するように構成されたガスコンロであって、
前記コンロバーナの温度を判定する温度判定手段と、前記設定最小火力を変更設定する設定最小火力変更設定部と、前記設定最大火力を変更設定する設定最大火力変更設定部とを備え、
前記コンロバーナの温度を判定する前記温度判定手段により判定された判定温度が所定の温度以上である第2判定状態の場合には、前記設定最小火力変更設定部が、前記温度判定手段により判定された判定温度が所定の温度未満の第1判定状態である場合と比べて、前記設定最小火力を小さくする変更設定を行い、前記設定最大火力変更設定部が、前記第1判定状態である場合と比べて前記設定最大火力を大きくする変更設定を行うように構成されていること
を特徴とするガスコンロ。
前記火力調節用操作具を最も小火力側に操作したときに、前記コンロバーナに対して前記設定最小火力に対応する設定最小火力対応ガス量の燃料ガスを供給する複数の最小火力流路を備え、
前記第2判定状態の場合に、前記複数の最小火力流路のうち少なくとも一つの特定最小火力流路を閉止し、前記第1判定状態の場合に前記特定最小火力流路を開放する第1弁体を備え、
前記火力調節用操作具を最も大火力側に操作したときに、前記コンロバーナに対して前記設定最大火力に対応する設定最大火力対応ガス量の燃料ガスを供給する複数の最大火力流路を備え、
前記第1判定状態の場合に、前記複数の最大火力流路のうち少なくとも一つの特定最大火力流路を閉止し、前記第2判定状態の場合に前記特定最大火力流路を開放する第2弁体を備え、
前記第1弁体と前記第2弁体とが一つの駆動部によって駆動されるように構成されていること
を特徴とする請求項2記載のガスコンロ。
前記コンロバーナの温度を検出するコンロバーナ温度検出手段が、前記温度判定手段が前記コンロバーナの温度を判定するための温度データの検出手段として機能するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスコンロ。
前記コンロバーナに形成される火炎の温度を検出して前記コンロバーナの着火を検出する着火検出手段を備えている場合において、前記着火検出手段が、前記温度判定手段が前記コンロバーナの温度を判定するための温度データの検出手段として機能するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスコンロ。
前記燃焼開始指令が指令された後における、前記コンロバーナの燃焼時間を計測する燃焼時間タイマを備え、前記燃焼時間タイマにより計測される前記燃焼時間が所定の時間以上の場合には、前記判定温度が所定の温度以上である前記第2判定状態であると判定し、前記設定最小火力を小さくする変更設定と、前記設定最大火力を大きくする変更設定とを行うように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスコンロ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するものであり、最大火力を可能な範囲で大きい値に、最小火力を可能な範囲で小さい値に、それぞれ設定することが可能で、しかも、リフト燃焼などの燃焼不良を生じさせるおそれのないガスコンロを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明のガスコンロは、
調理容器を加熱するコンロバーナと、前記コンロバーナの火力を調節する火力調節手段と、火力調節指令を指令する火力調節指令手段と、前記コンロバーナの燃焼開始指令および燃焼停止指令を指令する点消火指令手段と、前記コンロバーナの燃焼を制御する運転制御手段とを備え、
前記運転制御手段が、前記点消火指令手段の前記燃焼開始指令に基づいて、前記コンロバーナの燃焼を開始し、かつ、前記燃焼停止指令に基づいて、前記コンロバーナの燃焼を停止させる燃焼制御を実行するとともに、
前記火力調節指令手段の前記火力調節指令に基づいて、前記コンロバーナの火力を、設定最大火力、設定最小火力、および、前記設定最大火力と前記設定最小火力との間に設定された中間火力に調節することができるように前記火力調節手段が作動するように構成されたガスコンロであって、
前記コンロバーナの温度を判定する温度判定手段と、前記設定最小火力を変更設定する設定最小火力変更設定部と、前記設定最大火力を変更設定する設定最大火力変更設定部とを備え、
前記コンロバーナの温度を判定する前記温度判定手段により判定された判定温度が所定の温度以上である第2判定状態の場合には、前記設定最小火力変更設定部が、前記温度判定手段により判定された判定温度が所定の温度未満の第1判定状態である場合と比べて前記設定最小火力を小さくする変更設定を行い、前記設定最大火力変更設定部が、前記第1判定状態である場合と比べて前記設定最大火力を大きくする変更設定を行うように構成されていること
を特徴としている。
【0011】
また、本発明のガスコンロにおいては、
前記火力調節指令手段として火力調節用操作具を備え、
前記火力調節手段が、前記火力調節用操作具と機械的に連動するように構成され、
前記火力調節手段が、前記火力調節用操作具を最も小火力側に操作したときに前記コンロバーナに対して前記設定最小火力に対応する設定最小火力対応ガス量の燃料ガスを供給するように構成されているとともに、前記第2判定状態の場合には、前記第1判定状態の場合と比べて前記設定最小火力対応ガス量を少なく変更する最小火力変更用作用体を備えており、
前記火力調節手段が、前記火力調節用操作具を最も大火力側に操作したときに前記コンロバーナに対して前記設定最大火力に対応する設定最大火力対応ガス量の燃料ガスを供給するように構成されているとともに、前記第2判定状態の場合には、前記第1判定状態の場合と比べて前記設定最大火力対応ガス量を大きく変更する最大火力変更用作用体を備えていること
が好ましい。
【0012】
また、本発明のガスコンロにおいては、
前記火力調節用操作具を最も小火力側に操作したときに、前記コンロバーナに対して前記設定最小火力に対応する設定最小火力対応ガス量の燃料ガスを供給する複数の最小火力流路を備え、
前記第2判定状態の場合に、前記複数の最小火力流路のうち少なくとも一つの特定最小火力流路を閉止し、前記第1判定状態の場合に前記特定最小火力流路を開放する第1弁体を備え、
前記火力調節用操作具を最も大火力側に操作したときに、前記コンロバーナに対して前記設定最大火力に対応する設定最大火力対応ガス量の燃料ガスを供給する複数の最大火力流路を備え、
前記第1判定状態の場合に、前記複数の最大火力流路のうち少なくとも一つの特定最大火力流路を閉止し、前記第2判定状態の場合に前記特定最大火力流路を開放する第2弁体を備え、
前記第1弁体と前記第2弁体とが一つの駆動部によって駆動されるように構成されていること
が好ましい。
【0013】
また、前記コンロバーナの温度を検出するコンロバーナ温度検出手段が、前記温度判定手段が前記コンロバーナの温度を判定するための温度データの検出手段として機能するように構成されていることが好ましい。
【0014】
また、前記コンロバーナに形成される火炎の温度を検出して前記コンロバーナの着火を検出する着火検出手段を備えている場合において、前記着火検出手段が、前記温度判定手段が前記コンロバーナの温度を判定するための温度データの検出手段として機能するように構成されていることが好ましい。
【0015】
また、前記燃焼開始指令が指令された後における、前記コンロバーナの燃焼時間を計測する燃焼時間タイマを備え、前記燃焼時間タイマにより計測される前記燃焼時間が所定の時間以上の場合には、前記判定温度が所定の温度以上である前記第2判定状態であると判定し、前記設定最小火力を小さくする変更設定と、前記設定最大火力を大きくする変更設定とを行うように構成されていることが好ましい。
【0016】
また、前記燃焼開始指令が指令された後における、前記コンロバーナの燃焼時間を計測する燃焼時間タイマと、前記燃焼時間タイマにより計測される前記燃焼時間が所定の時間以上の場合に前記燃焼停止指令が指令された後の経過時間を燃焼後燃焼停止時間として計測する燃焼後燃焼停止時間タイマを備え、前記燃焼後燃焼停止時間タイマにより計測される前記燃焼後燃焼停止時間が所定の時間以下の状態で燃焼開始指令が指令された場合には、前記判定温度が所定の温度以上である前記第2判定状態であると判定し、前記設定最小火力を小さくする変更設定と、前記設定最大火力を大きくする変更設定とを行うように構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明のガスコンロは、上述のように構成されており、コンロバーナの温度を判定する温度判定手段により判定された判定温度が所定の温度以上である第2判定状態の場合には、設定最小火力変更設定部が、温度判定手段により判定された判定温度が所定の温度未満の第1判定状態である場合と比べて、設定最小火力を小さくする変更設定を行い、前記設定最大火力変更設定部が、第1判定状態である場合と比べて設定最大火力を大きくする変更設定を行うように構成されているので、最小火力を可能な範囲で小さい値に、最大火力を可能な範囲で大きい値に、それぞれ設定することが可能で、しかもリフト燃焼などの燃焼不良を生じさせるおそれの少ないガスコンロを提供することが可能になる。
【0018】
すなわち、判定温度が所定の温度以上の場合(第2判定状態の場合)には、判定温度が所定の温度未満の場合(第1判定状態の場合)と比べて、最小火力を小さい値に、最大火力を大きい値に、それぞれ設定することができ、使い勝手を向上させることができる。
【0019】
しかも、判定温度が所定の温度以上の場合(第2判定状態の場合)には、コンロバーナの燃焼速度が速くなるので、最小火力を小さくした場合において、最小火力に対応する燃料ガス量に見合った流量より大流量の一次空気が供給されても吹き消えやリフト燃焼などの燃焼不良を引き起こすことがなく、また、最大火力を大きくした場合において、燃料ガス量が先に多く供給され、適切な量の一次空気の供給がいくらか遅れることがあっても、リフト燃焼などの燃焼不良を引き起こすことがないため、使い勝手がよく、信頼性の高いガスコンロを提供することが可能になる。
【0020】
また、本願請求項2の発明のように、火力調節手段が火力調節用操作具と機械的に連動し、火力調節手段が、火力調節用操作具を最も小火力側に操作したときにコンロバーナに対して設定最小火力に対応する設定最小火力対応ガス量の燃料ガスを供給するように構成され、第2判定状態の場合には、第1判定状態の場合と比べて設定最小火力対応ガス量を少なく変更する最小火力変更用作用体を備え、火力調節手段が、火力調節用操作具を最も大火力側に操作したときにコンロバーナに対して設定最大火力に対応する設定最大火力対応ガス量の燃料ガスを供給するように構成され、第2判定状態の場合には、第1判定状態の場合と比べて設定最大火力対応ガス量を大きく変更する最大火力変更用作用体を備えた構成とした場合にも、上述の本発明(本願請求項1の発明)の場合と同様の効果を得ることが可能で、判定温度が所定の温度以上の場合には、最小火力は小さい値とし、最大火力は大きい値とすることができ、使い勝手を向上させることができる。
また、判定温度が所定の温度以上の場合には、最小火力は小さい値とし、最大火力は大きい値とした場合にも、リフト燃焼などの燃焼不良の発生を防止することができる。
【0021】
また、本願請求項3の発明のように、複数の最小火力流路と、第1弁体と、複数の最大火力流路と、第2弁体を備え、第1弁体と第2弁体とが一つの駆動部によって駆動されるように構成した場合、簡素な構成で、上述の本願請求項1の発明において得られる効果と同様の効果を得ることが可能になり、有意義である。
【0022】
また、コンロバーナの温度を検出するコンロバーナ温度検出手段が、温度判定手段がコンロバーナの温度を判定するための温度データの検出手段として機能するように構成した場合、コンロバーナの温度を確実に検出することができるため、的確に設定最小火力および設定最大火力を変更設定することが可能になる。
【0023】
また、コンロバーナに形成される火炎の温度を検出してコンロバーナの着火を検出する着火検出手段を備えている場合において、着火検出手段を、温度判定手段がコンロバーナの温度を判定するための温度データの検出手段として用いるようにした場合、コンロバーナが本来的に備える構成要素を、温度判定手段がコンロバーナの温度を判定するための温度データの検出手段としても用いることができるため、製造コストの低減を図ることが可能になる。
【0024】
また、燃焼開始指令が指令された後における、コンロバーナの燃焼時間を計測する燃焼時間タイマを備え、燃焼時間タイマにより計測される燃焼時間が所定の時間以上の場合には、判定温度が所定の温度以上である第2判定状態であると判定し、設定最小火力を小さくする変更設定と、設定最大火力を大きくする変更設定とを行うように構成した場合、特にコンロバーナ温度検出手段などのセンサを設けたりすることを必要とせずに、ソフトウェアのみで、コンロバーナの温度判定を行うことが可能になり、製造コストの低減を図ることができる。
【0025】
また、燃焼開始指令が指令された後における、コンロバーナの燃焼時間を計測する燃焼時間タイマと、燃焼時間タイマにより計測される燃焼時間が所定の時間以上の場合に燃焼停止指令が指令された後の経過時間を燃焼後燃焼停止時間として計測する燃焼後燃焼停止時間タイマを備え、燃焼後燃焼停止時間タイマにより計測される燃焼後燃焼停止時間が所定の時間以下の状態で燃焼開始指令が指令された場合には、判定温度が所定の温度以上である第2判定状態であると判定し、設定最小火力を小さくする変更設定と、設定最大火力を大きくする変更設定とを行うように構成した場合、コンロバーナの温度が高いときにはそれだけ設定最小火力が小さく設定され、設定最大火力が大きく設定されることになるので、使い勝手を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を示して、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0028】
[実施形態]
以下、本発明の一実施形態にかかるガスコンロについて、添付図面を参照しつつ説明を行う。なお、この実施形態にかかるガスコンロは、コンロとグリルを備えたビルトイン型のガスコンロである。
【0029】
この実施形態のガスコンロ1は、その天面部を構成するトッププレート111
に、
図1に示すように、向かって左側に標準火力のコンロバーナ(標準火力バーナ)31(31a)を、右側に高火力のコンロバーナ(高火力バーナ)31(31b)を備えるとともに、グリル112を備えている。
トッププレート111の上面には、さらに、各コンロバーナ31(31a,31b)を中心にして五徳51が設けられている。
【0030】
また、ガスコンロ1の前面113には、開閉可能に構成されたグリル扉28が配設されている。
また、コンロバーナ31(31a,31b)は、点火装置7および着火検出手段8(
図4参照)を備えている。
【0031】
また。グリル112は、ガスコンロ1の本体内の中央部に形成されるグリル庫と、グリル庫内に設けられる加熱手段としてのグリルバーナ2(2a、2b、2c)(
図4)と、点火装置7および着火検出手段8(
図4)とを備えており、グリル112の前端はガスコンロ1の前面部113に開口しており、グリル扉28によって開閉することができるように構成されている。
【0032】
なお、コンロバーナ31およびグリルバーナ2へのガス供給に関する構成は、
図4に示すとおりであり、元ガス供給路(主ガス配管)11に元ガス電磁弁12が設けられており、元ガス供給路11は、標準バーナ用分岐路13a、高火力バーナ用分岐路13b、グリルバーナ用分岐路13dに分岐している。
【0033】
グリル扉28の両側には、
図1に示すように、グリル扉28とともにガスコンロ1の前面部113を構成する前面パネルP1、P2が設けられており、左側の前面パネルP1には、左側のコンロバーナ31aを点火/消火するための点消火ボタン14aが設けられている。
【0034】
また、右側の前面パネルP2には、グリルバーナを点火/消火するための点消火ボタン14c、右側のコンロバーナ31bを点火/消火するための点消火ボタン14bが設けられている。そして、これら点消火ボタン14(14a,14b,14c)が、加熱の開始/加熱の停止を手動で行うための加熱/停止手動操作部を構成している。
【0035】
コンロバーナ用点消火ボタン14a、14bを押し操作すると、コンロバーナ用点消火ボタン14a、14bの操作と連動して、手動開閉弁21(
図2)が開くとともに、電磁安全弁22(
図2)が開き、後述する火力調節部23を経由して、コンロバーナ31に燃料ガスが供給される。なお、
図2は、本発明の一実施形態にかかるガスコンロ1の火力調節部23(標準バーナ火力調節部23a、高火力バーナ火力調節部23b)を示す図であり、
図2においては、標準バーナ火力調節部23a、高火力バーナ火力調節部23bを構成する各部材は、それぞれ同様の機能を果たすものであることから、それぞれを同じ符号で示している。
【0036】
また、この実施形態では、主として、コンロバーナ31(31a,31b)について、その動作(その最大火力および最小火力の変更設定の方法など)を詳しく説明する。なお、グリルバーナ2(2a,2b,2c)については、最大火力および最小火力の変更設定を行わないので特に詳しい説明は行わない。ただし、グリルバーナ2(2a,2b,2c)については、最大火力および最小火力の変更設定を行うように構成することも可能である。
【0037】
このガスコンロ1においては、コンロバーナ用点消火ボタン14(14a、14b)への押し操作力を解除した後も、手動開閉弁21の開弁は、図示しないラッチ機構によって保持されるように構成されている。
なお、手動開閉弁21の開弁状態で、再度コンロバーナ用点消火ボタン14を押し操作すると、図示しないラッチ機構による手動開閉弁21の開弁の保持は解除されて、手動開閉弁21が閉弁する。
【0038】
また、コンロバーナ用点消火ボタン14を押し操作すると、制御部(運転制御手段)が電磁安全弁22(
図2参照)への通電を開始し、コンロバーナ用点消火ボタン14への押し操作力を解除した後も、電磁安全弁22の開弁が電磁的に維持される。なお、手動開閉弁21の開弁状態で、再度コンロバーナ用点消火ボタン14を押し操作すると、手動開閉弁21の開弁の保持は解除されるとともに、制御部(運転制御手段)による電磁安全弁22(
図2参照)への通電が停止して、電磁安全弁22の開弁の電磁的な維持が終了する。
【0039】
点火装置7は、入力回路(高圧トランスの1次側巻き線を含む)が一つに対して出力回路(高圧トランスの2次側巻き線)が各バーナの数だけ備えられ、一つの上記入力回路への通電により各々の上記出力回路(高圧トランスの2次側巻き線)に高電圧が発生し、各バーナの全てに点火用放電のための高電圧が供給されるように構成されている。
【0040】
着火検出手段8は、コンロバーナ31およびグリルバーナ2a,2b,2cに設けられる熱電対から構成されており、点火されると火炎の熱により発生する熱起電力が制御部(運転制御手段)に認識される。
【0041】
そして、制御部(運転制御手段)は、火炎の熱により発生する熱起電力が所定の着火検出用閾値(例えば1.2mV)以上のときは、電磁安全弁22(
図2参照)への通電を継続して燃焼を継続するが、火炎の熱により発生する熱起電力が所定の消火検出用閾値(例えば1.0mV)以下のときは、電磁安全弁22(
図2参照)への通電を停止して燃焼を停止する。
【0042】
また、
図1に示すように、ガスコンロ1の前面部113には、各加熱部(コンロバーナ31a,31bおよびグリルバーナ2(2a,2b,2c)の加熱量を手動で調節するための加熱量手動操作部となる火力調節レバー(火力調節指令手段)15(15a,15b,15c)が、それぞれ各点消火ボタン14(14a,14b,14c)の上に設けられている。
【0043】
つまり、ガスコンロ1は、調理容器を加熱するコンロバーナ31(31a,31b)およびグリルバーナ2(2a,2b,2c)と、その火力を調節する火力調節手段と、火力調節指令を指令する火力調節指令手段と、コンロバーナの燃焼開始指令および燃焼停止指令を指令する点消火指令手段と、コンロバーナの燃焼を制御する制御部(運転制御手段)とを備えている。
【0044】
そして、制御部(運転制御手段)が、点消火指令手段の燃焼開始指令に基づいて、コンロバーナの燃焼を開始し、かつ、燃焼停止指令に基づいて、コンロバーナの燃焼を停止させる燃焼制御を実行するように構成されている。
【0045】
ガスコンロ1は、火力調節手段23(標準バーナ火力調節部23a、高火力バーナ火力調節部23b)を備えている(
図2)。
標準バーナ火力調節部23(23a)の構成を
図3A、
図3B、
図3C、
図3Dに示す(標準バーナ火力調節部23aと高火力バーナ火力調節部23bとは同様に構成されており、以下、標準バーナ火力調節部23(23a)を例示して詳細に説明する。)。
なお、
図3A〜
図3Dでは、手動開閉弁21(
図2)および電磁安全弁22(
図2)の記載を省略してある。
【0046】
ガスコンロ1は、火力調節レバー(火力調節指令手段)15(15a,15c)の火力調節指令に基づいて、コンロバーナ31(31a,31b)の火力を、設定最小火力、設定最大火力、および、設定最小火力と設定最大火力との間に設定された中間火力に調節することができるように標準バーナ火力調節部(火力調節手段)23(23a)および大火力バーナ火力調節部23(23b)が作動するように構成されている(
図2、
図3A〜
図3D)。
【0047】
ガスコンロ1は、コンロバーナ31aの温度を判定する温度判定手段と、設定最小火力を変更設定する設定最小火力変更設定部と、設定最大火力を変更設定する設定最大火力変更設定部とを備えている(
図5および
図6参照)。
【0048】
そして、設定最小火力変更設定部が、コンロバーナの温度を判定する温度判定手段により判定された判定温度が所定の温度以上である第2判定状態の場合には、温度判定手段により判定された判定温度が所定の温度未満である第1判定状態の場合と比べて、設定最小火力を小さくする変更設定を行い、かつ、設定最大火力変更設定部が、第2判定状態の場合には、第1判定状態の場合と比べて、設定最大火力を大きくする変更設定を行うように構成されている。
【0049】
なお、以下の第1実施形態および第2実施形態においては、制御部(運転制御手段)(
図4、
図5、
図6)が、コンロバーナ31の温度を判定する温度判定手段としての機能を果たすように構成されている。
【0050】
ガスコンロ1は、上述のように構成されているので、温度判定手段による判定温度が所定の温度以上の場合(第2判定状態の場合)には、最小火力をより小さい値とし、最大火力をより大きい値とすることができるので、火力の調節範囲を広くして使い勝手を向上させることができる。
【0051】
しかも、温度判定手段による判定温度が所定の温度以上の場合(第2判定状態の場合)には、コンロバーナ31の燃焼速度が速くなるので、(a)最小火力を小さくしたときに最小火力に対応する燃料ガス量に見合った流量より大流量の一次空気が供給されることがあっても吹き消えやリフト燃焼などの燃焼不良を引き起こすことがなく、また、(b)最大火力を大きくしたときに、燃料ガス量が先に多く供給され、適切な量の一次空気の供給がいくらか遅れることがあっても、リフト燃焼などの燃焼不良を引き起こすことがないため、安定した燃焼状態が維持される。
【0052】
さらに具体的に説明する。ここでは、コンロバーナ31として、標準火力バーナ31(31a)についてその制御態様などを説明するが、高火力バーナ31(31b)の場合も同様である。
【0053】
この実施形態のガスコンロ1は、
図1に示すように、標準火力バーナ31a用の火力調節指令手段として火力調節レバー15a(火力調節用操作具)を備え、標準バーナ火力調節部(火力調節手段)が火力調節レバー15a(火力調節用操作具)と機械的に連動するように構成されている。
【0054】
また、ガスコンロ1は、火力調節レバー15a(火力調節用操作具)を最も小火力側に操作したときに、
図2,
図3A〜
図3Dに示すように標準火力バーナ31(31a)に対して設定最小火力に対応する設定最小火力対応ガス量の燃料ガスを供給する複数の最小火力流路、つまり、第1最小火力オリフィス41と第2最小火力オリフィス42とを備えている。
【0055】
また、
図3A〜
図3Dに示すように、第2判定状態の場合に複数の最小火力流路、つまり、第1最小火力オリフィス41および第2最小火力オリフィス42のうち第2最小火力オリフィス42(特定最小火力流路)を閉止し、第1判定状態の場合に第2最小火力オリフィス42(特定最小火力流路)を開放するように働く第2最小火力オリフィス用弁体(第1弁体)43を備えている。
【0056】
また、
図2,
図3A〜
図3Dに示すように、ガスコンロ1は、火力調節レバー15(15a)(火力調節用操作具)を最も大火力側に操作したときに標準火力バーナ31(31a)に対して設定最大火力に対応する設定最大火力対応ガス量の燃料ガスを供給する複数の最大火力流路、つまり、最大火力制限オリフィス55とバイパス56とを備えている。
【0057】
また、第1判定状態の場合に、複数の最大火力流路、つまり、最大火力制限オリフィス55とバイパス56のうちバイパス(特定最大火力流路)56を閉止し、第2判定状態の場合にバイパス(特定最大火力流路)56を開放するバイパス用弁体(第2弁体)57を備えている。
なお、第2弁体とバイパス56の開口部が火力制御弁54を構成する。
【0058】
また、第2最小火力オリフィス用弁体43とバイパス用弁体57とは、運転制御手段(
図4、
図5、
図6)から出力される駆動指令によって、一つの駆動部53(
図2、
図3A〜
図3D)によって駆動されるように構成されている。
【0059】
そして、火力調節レバー15(15a)(火力調節用操作具)を最も小火力側に操作して火力調節レバー連動手動調節弁24(
図2,
図3A〜
図3D)が閉止したときに、温度判定手段により判定された判定温度が所定の温度未満である第1判定状態の場合は、
図3Aに示すように、最小火力変更用作用体としての第2最小火力オリフィス42の弁体(第2最小火力オリフィス用弁体)43が第2最小火力オリフィス42から離間して、すなわち、
図2の火力制御弁52が開弁して、第1最小火力オリフィス41および第2最小火力オリフィス42の両方を燃料ガスが通過し、標準火力バーナ31(31a)に対して設定最小火力(例えば330kcal/h)に対応する設定最小火力対応ガス量の燃料ガスが供給されるように構成されている。
【0060】
また、火力調節レバー15(15a)(火力調節用操作具)を最も小火力側に操作して火力調節レバー連動手動調節弁24(
図2,
図3A〜
図3D)が閉止したときに、温度判定手段により判定された判定温度が所定の温度以上である第2判定状態の場合には、
図3Cに示すように、最小火力変更用作用体としての第2最小火力オリフィス用弁体43が第2最小火力オリフィス42と当接して、すなわち、
図2の火力制御弁52が閉弁して、第1最小火力オリフィス41だけを燃料ガスが通過し、標準火力バーナ31(31a)に対して第1判定状態の場合と比べて減少変更された設定最小火力(例えば300kcal/h)に対応する設定最小火力対応ガス量の燃料ガスが供給される(つまり、第2判定状態の場合には、第1判定状態の場合と比べて設定最小火力対応ガス量を少なく変更する)ように構成されている。
【0061】
さらに、火力調節レバー15(15a)(火力調節用操作具)を最も大火力側に操作して火力調節レバー連動手動調節弁24(
図2,
図3A〜
図3D)が弁座25から最も離間したときに、温度判定手段により判定された判定温度が所定の温度未満である第1判定状態の場合は、
図3Bに示すように、最大火力変更用作用体としてのバイパス用弁体57が、バイパス56と当接して(すなわち、
図2の火力制御弁54が閉弁して)、火力調節レバー連動手動調節弁24の下流側に、火力調節レバー連動手動調節弁24と直列に挿入された最大火力制限オリフィス55により燃料ガスの通流量が制限され、標準火力バーナ31(31a)に対して設定最大火力(例えば3300kcal/h)に対応する設定最大火力対応ガス量の燃料ガスが供給されるように構成されている。
【0062】
また、火力調節レバー15(15a)(火力調節用操作具)を最も大火力側に操作して火力調節レバー連動手動調節弁24(
図2,
図3A〜
図3D)が弁座25から最も離間したときに、温度判定手段により判定された判定温度が所定の温度以上である第2判定状態の場合には、
図3Dに示すように、最大火力変更用作用体としてのバイパス用弁体57が、最大火力制限オリフィス55と並列に形成されたバイパス56から離間して(すなわち、
図2の火力制御弁54が開弁して)、最大火力制限オリフィス55およびバイパス56の両方を燃料ガスが通過し、標準火力バーナ31(31a)に対して第1判定状態の場合と比べて増加変更された設定最大火力(例えば3610kcal/h)に対応する設定最小火力対応ガス量の燃料ガスが供給される(つまり、第2判定状態の場合には、第1判定状態の場合と比べて設定最大火力対応ガス量が大きくなるように変更する)ように構成されている。
【0063】
なお、第2最小火力オリフィス用弁体43とバイパス用弁体57とは一つの駆動部53(
図2、
図3A〜
図3D)によって駆動される。この実施形態のガスコンロ1においては、駆動部53への駆動指令は、運転制御手段(
図4、
図5、
図6)から出力される。
【0064】
上述のように構成することにより、標準バーナ火力調節部(火力調節手段)と火力調節レバー15(15a)(火力調節用操作具)とを機械的に連動させるようにした、いわゆるメカニカル式で、所定の条件を満たす場合には、最小火力を可能な範囲で小さい値に、最大火力を可能な範囲で大きい値に、それぞれ設定することが可能な、低価格で、使い勝手のよいガスコンロを提供することが可能になる。また、第2最小火力オリフィス用弁体43とバイパス用弁体57とは、一つの駆動部53(
図2、
図3A〜
図3D)によって駆動されるので、メカニカル式であっても、構成を簡素化することができる。
【0065】
しかも、判定温度が所定の温度以上の場合には、コンロバーナの燃焼速度が速くなるので、(a)最小火力を小さくしたときに最小火力に対応する燃料ガス量に見合った流量より大流量の一次空気が供給されることがあっても吹き消えやリフト燃焼などの燃焼不良を引き起こすことがなく、また、(b)最大火力を大きくしたときに、燃料ガス量が先に多く供給され、適切な量の一次空気の供給がいくらか遅れることがあっても、リフト燃焼などの燃焼不良を引き起こすことがないため、安定した燃焼状態を維持することが可能な、信頼性の高いガスコンロを実現することができる。
【0066】
次に、本発明の実施形態にかかるガスコンロの構成を、
(1)コンロバーナ31の、炎孔131aが形成されたバーナキャップ131の温度を検出する温度センサ110(
図5)を、温度判定手段がコンロバーナ31の温度を判定するための温度データを検出する手段として用いるようにした場合(第1実施形態)(
図5参照)、および、(2)コンロバーナ31に供給される燃料ガスを空気と混合する混合管141の温度を検出する温度センサ110a(
図6)を、温度判定手段がコンロバーナ31の温度を判定するための温度データの検出手段として用いるようにした場合(第2実施形態)(
図6参照)、
とに分けて構成を説明する。
【0067】
なお、この第1実施形態および第2実施形態は、コンロバーナ31の温度を検出するための手段である上記温度センサ110または混合管141の温度を検出するための手段である温度センサ110aを、温度判定手段がコンロバーナ31(標準火力バーナ31a,高火力バーナ31b)の温度を判定するために必要な温度データを検出する手段として用いるようにした場合の構成例である。
また、第1実施形態および第2実施形態においては、制御部(運転制御手段)(
図4、
図5、
図6)が、コンロバーナ31(標準火力バーナ31a,高火力バーナ31b)の温度を判定する温度判定手段としての機能を果たすように構成されている。
【0068】
(1)コンロバーナ31の温度を検出する温度検出手段を、温度判定手段がコンロバーナ31の温度を判定するための温度データの検出手段として用いるようにした場合(第1実施形態)について。
図5に示すように、第1実施形態にかかるガスコンロ1は、コンロバーナ31の、炎孔131aを周囲に備えたバーナキャップ131の温度を検出するための温度センサ(サーミスタ)110をコンロバーナ31温度検出手段として備えている。そして、この温度センサ110が、温度判定手段がコンロバーナ31の温度を判定するための温度データの検出手段として機能するように構成されている。
【0069】
第1実施形態にかかるガスコンロ1においては、制御部(運転制御手段)(
図4、
図5)がコンロバーナ31の温度を判定する温度判定手段としての機能を果たすように構成されている。
【0070】
そして、この第1実施形態のガスコンロ1において、バーナキャップ131の温度を判定する温度センサ110の検出温度が180℃未満である場合には、温度判定手段が、コンロバーナ31の温度が所定の温度よりも低い(すなわち、第1判定状態にある)と判定して、
図2、
図3A、
図3Bに示すように、駆動部53を駆動して第2最小火力オリフィス42を開放するとともにバイパス56を閉止して、設定最小火力を330kcal/hに維持し、設定最大火力を3300kcal/hに維持する。
【0071】
一方、バーナキャップ131の温度を検出する温度センサ110の検出温度が180℃以上である場合には、温度判定手段が、コンロバーナ31の温度が所定の値より高い(すなわち、第2判定状態にある)と判定して、
図2、
図3C、
図3Dに示すように、駆動部53を駆動して第2最小火力オリフィス42を閉止するとともにバイパス56を開放して、設定最小火力を300kcal/hにまで小さくする変更設定、および、設定最大火力を3610kcal/hにまで大きくする変更設定を行う。
【0072】
この第1実施形態のように、コンロバーナ31の、炎孔131aを周囲に備えたバーナキャップ131の温度を検出するための温度センサ(サーミスタ)110を、コンロバーナ31温度検出手段として利用するようにした場合、コンロバーナ31の燃焼速度に直接関連する炎孔131a近傍の温度を検出できるので、より的確に設定最小火力および設定最大火力を変更設定することが可能になる。
【0073】
なお、温度判定手段が、コンロバーナ31の温度が所定の温度よりも低いか高いかを判定する場合における「所定の温度」は、実際にガスバーナを燃焼させる場合において、リフト燃焼などを起こさずに燃料ガスを効率よく燃焼させることができる温度であるか否かを分ける概念であるが、コンロバーナ31の構造や、燃料ガスの種類、燃料ガス、一次空気、二次空気などの供給態様などとの関係を考慮して定められる温度であり、固定的な値として特定されるものではない。
【0074】
(2)コンロバーナ31に供給される燃料ガスを空気と混合する混合管141の温度を検出する温度センサ110aを、温度判定手段がコンロバーナ31の温度を判定するための温度データの検出手段として用いるようにした場合(第2実施形態)について。
【0075】
第2実施形態にかかるガスコンロ1は、上述の第1実施形態の構成とは異なり、
図6に示すように、コンロバーナ31に供給される燃料ガスを空気と混合する混合管141の温度を検出する温度センサ(サーミスタ)110aが、温度判定手段がコンロバーナ31の温度を判定するための温度データの検出手段として機能するように構成されている。
【0076】
この第2実施形態においても、制御部(運転制御手段)(
図4,
図6)がコンロバーナ31の温度を判定する温度判定手段としての機能を果たすように構成されている。
【0077】
そして、温度センサ110aの検出温度が60℃未満である場合には、温度判定手段が、コンロバーナ31の温度が所定の温度よりも低い(すなわち、第1判定状態にある)と判定して、
図2、
図3A、
図3Bに示すように、駆動部53を駆動して第2最小火力オリフィス42を開放するとともにバイパス56を閉止して、設定最小火力を330kcal/hに維持し、設定最大火力を3300kcal/hに維持する。
【0078】
一方、混合管141の温度を検出する温度センサ110aの検出温度が60℃以上である場合には、温度判定手段が、コンロバーナ31の温度が所定の値より高い(すなわち、第2判定状態にある)と判定して、
図2、
図3C、
図3Dに示すように、駆動部53を駆動して第2最小火力オリフィス42(
図3)を閉止するとともにバイパス56(
図3)を開放して、設定最小火力を300kcal/hにまで小さくする変更設定、および、設定最大火力を3610kcal/hにまで大きくする変更設定を行う。
【0079】
混合管141は、ノズル142から噴出する燃料ガスと、このノズル142の周囲からエジェクタ効果により吸引された一次空気が混合される管であり、この混合管141に当接する温度センサ110aを、温度判定手段がコンロバーナ31の温度を判定するための温度データの検出手段として用いることにより、コンロバーナ31の温度を判定する温度判定手段が、コンロバーナ31の温度を判定するのに必要な温度データが検出される。
【0080】
混合管141は、その温度がコンロバーナ31の燃焼速度に直接関連する炎孔131a付近とは離れているが、混合管141の温度は、炎孔131a付近の温度に密接な相関関係があるので、混合管141の温度(炎孔付近の温度と密接な相関関係のある温度)を、温度判定手段がコンロバーナ31の温度を判定するための温度データとして利用することで、温度判定手段がコンロバーナ31の温度を精度よく判定することが可能になり、的確に設定最小火力および設定最大火力を変更設定することができる。
【0081】
上述のように、上記第1実施形態では、温度センサ110を用いて、バーナキャップ131の温度を検出し、また、上記第2実施形態では、温度センサ110aを用いて混合管141の温度を検出することで得られた温度データから、温度判定手段がコンロバーナ31の温度を判定することができるように構成しているので、第1実施形態および第2実施形態のいずれの場合も、コンロバーナ31の温度を精度よく判定することができる。
【0082】
その結果、コンロバーナ31についての判定温度に基づいて、的確に設定最小火力および設定最大火力を変更設定することが可能になり、最小火力を抑制しても吹き消えやリフト燃焼などを引き起こすことがなく、最大火力を増加してもリフト燃焼などを引き起こすことがないガスコンロを提供することが可能になる。
【0083】
<変形例>
上記第1実施形態では、温度センサ110を用いて、バーナキャップ131の温度を検出し、また、上記第2実施形態では、温度センサ110aを用いて混合管141の温度を検出して得た温度データを用いて、温度判定手段がコンロバーナ31の温度を判定するように構成しているが、本発明においては、以下の変形例1〜5のような構成とすることも可能である。
【0084】
(変形例1)
上記第1実施形態では、バーナキャップ131の温度を検出する温度センサ10を用い、上記第2実施形態では、混合管141の温度を検出する温度センサ10aを用いて、温度判定手段がコンロバーナ31の温度を判定するための温度データを得るようにしているが、着火検出手段(この実施形態では熱電対)8(
図4,
図5,6参照)により、温度判定手段がコンロバーナ31の温度を判定する際に必要な温度データを得るように構成することも可能である。
【0085】
着火検出手段8により、温度判定手段がコンロバーナ31の温度を判定する際に必要な温度データを得るように構成した場合、コンロバーナ31に本来的に備える構成要素を、コンロバーナ31の温度判定に利用することができるので、コンロバーナ31のバーナキャップ131の温度を検出する温度センサ110や、コンロバーナ31の混合管141の温度を検出する温度センサ110aなどを設けることを不要にして、製造コストを削減することが可能になり、経済性に優れたガスコンロを提供することができる。
【0086】
(変形例2)
また、特に図示しないが、燃焼開始指令が指令された後における、コンロバーナ31の燃焼時間を計測する燃焼時間タイマを備えている場合において、燃焼時間タイマにより計測される燃焼時間が所定の時間(例えば100秒)以上の場合には、判定温度が所定の温度以上であると判定し、設定最小火力を小さくし、設定最大火力を大きくする変更設定を行うように構成してもよい。
【0087】
このような構成とした場合、燃焼時間タイマの値が所定時間(例えば100秒)以上のときは、燃焼時間タイマの値が所定時間(例えば100秒)未満のときと比べて、コンロバーナ31の温度が高いと判定することができることから、バーナキャップ131の温度を検出する温度センサや、コンロバーナ31の混合管に当接する温度センサを設けることなく、ソフトウェアのみで温度判定を行うことが可能になり、コストの削減を行うことが可能になる。
【0088】
(変形例3)
また、特に図示しないが、燃焼時間を計測する燃焼時間タイマを備える場合、さらに、燃焼時間タイマの値が所定時間(例えば100秒)以上のときに燃焼停止指令が指令された後、燃焼停止時間を計測する燃焼後燃焼停止時間タイマを備え、燃焼後燃焼停止時間タイマの値が所定の時間(例えば1秒)以下の状態で燃焼開始指令が指令されたときは、判定温度が所定の温度以上であると判定し、設定最小火力を小さくし、設定最大火力を大きくする変更設定を行うように構成することも可能である。
【0089】
このような構成とすることにより、所定時間の燃焼後における燃焼停止時間が短い場合(すなわち、コンロバーナ31がまだ高い温度を保っていると考えられる状況にある場合)に、コンロバーナ31の温度(判定温度)が高いと判定することで、設定最小火力を小さくし、設定最大火力を大きく変更設定することが可能になり、さらに使い勝手のよいガスコンロを提供することができる。
【0090】
(変形例4)
また、上記実施形態では、第1最小火力オリフィス41が、火力調節レバー連動手動調節弁24および火力調節レバー連動手動調節弁24の弁座25とは別体として設けられているが、
図7に示すように、火力調節レバー連動手動調節弁24を貫通する孔410aによって第1最小火力オリフィス41を構成するようにしてもよい。
【0091】
(変形例5)
また、
図8に示すように、火力調節レバー連動手動調節弁24の弁座25を貫通する孔410bによって第1最小火力オリフィス41を構成するようにしてもよい。
【0092】
また、
図1〜3に示す上記実施形態では、標準バーナ火力調節部(火力調節手段)が火力調節レバー15a(火力調節用操作具)と機械的に連動し、バーナ火力調節部23に火力調節レバー連動手動調節弁24を備えるように構成しているが、火力調節レバー15a(火力調節用操作具)の操作と連動して電気信号を出力する火力調節指令手段(たとえば、ポテンショメータやロータリーエンコーダなど)を備えた構成とするとともに、火力調節指令手段から出力される電気信号に基づいて運転制御手段によって制御されるモータなどによって駆動される電動火力調節弁を構成し、バーナ火力調節部に、火力調節レバー連動手動調節弁24に代えて、上記電動火力調節弁を備えるように構成してもよい。
【0093】
本発明はさらにその他の点においても、上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、発明の範囲内において種々の応用、変形を加えることが可能である。