特許第6489962号(P6489962)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6489962
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】スラリーポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04C 5/00 20060101AFI20190318BHJP
【FI】
   F04C5/00 311B
   F04C5/00 311D
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-136464(P2015-136464)
(22)【出願日】2015年7月7日
(65)【公開番号】特開2017-20367(P2017-20367A)
(43)【公開日】2017年1月26日
【審査請求日】2017年4月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】394019738
【氏名又は名称】株式会社杉原工業
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉原 満
(72)【発明者】
【氏名】林 二一
(72)【発明者】
【氏名】河嶋 武彦
【審査官】 原田 愛子
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公告第01059902(GB,A)
【文献】 特開平02−173375(JP,A)
【文献】 特開平06−249160(JP,A)
【文献】 実開平01−078276(JP,U)
【文献】 実開昭64−027489(JP,U)
【文献】 実開平03−106191(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スラリーポンプであって、
スラリーの吸込口及び吐出口が形成されているケーシングと、
前記ケーシング内に設けられる複数枚の回転体と、
前記複数枚の回転体を前記ケーシング内で回転させる駆動機構とを備えており、
前記ケーシングは、
第1壁部と、
前記第1壁部に対向する第2壁部と、
前記第1壁部と前記第2壁部との間に設けられている周壁部とを有しており、
前記周壁部は、円筒形状に形成されており、その中心軸方向の一方の端部が前記第1壁部によって閉塞され、前記中心軸方向の他方の端部が前記第2壁部によって閉塞されており、
前記複数枚の回転体のそれぞれは、
前記第1壁部と前記第2壁部との間に配置されており、
前記中心軸に対して偏心した位置に設けられる軸体と、
弾性材料で形成されており、前記軸体の外周に固定されている複数枚の羽根とを有しており、
前記複数枚の羽根のそれぞれは、軸体付近の第1部分に比べて先端付近の第2部分がより肉厚である形状に形成されており、
前記複数枚の回転体は、前記ケーシング内において、相互に前記羽根の固定角度が異なるように、軸方向に重ねられて配置されており、
前記複数枚の回転体が前記軸体を中心として、前記ケーシング内で回転することに伴って、各回転体に設けられた前記複数枚の羽根は前記周壁部の内周面に接して弾性変形し、前記周壁部と、前記複数枚の回転体の前記羽根と、前記第1壁部と、前記第2壁部との間に形成される搬送空間の容積が徐々に減少し、
前記吐出口は、前記搬送空間の容積が徐々に減少する範囲における、前記第1壁部と前記第2壁部とのうちの少なくとも1つに形成されており、
前記駆動機構は、前記回転体を60rpm以下の回転速度で回転させる、
スラリーポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、例えば汚泥、食品材料等、液体と固形物とが混合した状態のスラリー(即ち固液混合物)を搬送するために用いられるスラリーポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スラリーポンプが開示されている。このスラリーポンプは、ケーシング、回転可能なインペラ、インペラを回転支持するシャフト、及びシャフトを介してインペラを回転させるモーターを備えている。ケーシングにはスラリーの吸込口及び吐出口が形成されている。インペラは、主板と側板との間に多数の羽根板を周方向に等間隔に配置して形成されている。シャフトは、主板の中央に挿入されて固定されている。このスラリーポンプは、モーターによってインペラを高速回転させることによってケーシング内のスラリーに圧縮力を加えることにより、スラリーをケーシング外に吐出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−92049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のスラリーポンプは、スラリーに圧縮力を加えてスラリーをケーシング外に搬送する。そのために、インペラを高速回転させる必要がある。この結果、インペラを高速回転させることによってスラリーに大きい撹拌力が作用することにより、スラリー(例えば、凝集体フロック)が破損してしまう場合もある。特に、スラリーが食品材料である場合には、スラリー内の固形物(例えば固形の食品材料等)が破損するのが好ましくない場合もある。
【0005】
本明細書では、スラリー内の固形物の破損を抑制し、スラリーを最適に搬送することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示するスラリーポンプは、スラリーの吸込口及び吐出口が形成されているケーシングと、ケーシング内に設けられる回転体(インペラ)と、回転体をケーシング内で回転させる駆動機構とを備えている。ケーシングは、第1壁部と、第1壁部に対向する第2壁部と、第1壁部と第2壁部との間に設けられている周壁部とを有している。周壁部は、円筒形状に形成されており、その中心軸方向の一方の端部が第1壁部によって閉塞され、中心軸方向の他方の端部が第2壁部によって閉塞されている。回転体は、第1壁部と第2壁部との間に配置されており、中心軸に対して偏心した位置に設けられる軸体と、弾性材料で形成されており、軸体の外周に固定されている複数枚の羽根とを有している。回転体が軸体を中心として、ケーシング内で回転することに伴って、複数枚の羽根は周壁部の内周面に接して弾性変形し、周壁部と、羽根と、第1壁部と、第2壁部との間に形成される搬送空間の容積が徐々に減少する。吐出口は、搬送空間の容積が徐々に減少する範囲における、第1壁部と第2壁部と周壁部とのうちの少なくとも1つに形成されている。
【0007】
上記のスラリーポンプでは、回転体が軸体を中心としてケーシング内で回転することに伴って、複数枚の羽根は周壁部の内周面に接して弾性変形し、周壁部、羽根、第1壁部、及び第2壁部の間に形成される搬送空間の容積が徐々減少する。これにより、搬送空間内に収容されたスラリーが徐々に圧縮され、吐出口を介してケーシング外に吐出される。即ち、上記のスラリーポンプでは、搬送空間の容積を徐々に減少させることによってスラリーを圧縮し、圧縮されたスラリーを吐出口から吐き出すことができる。そのため、このスラリーポンプでは、回転体を高速で回転させなくても、スラリーを搬送することができる。また、羽根は弾性材料で形成するため、スラリーに過度の撹拌力が加わることも抑制することができる。そのため、上記のスラリーポンプによると、スラリー内の固形物の破損を抑制することができる。従って、スラリーを最適状態で搬送することができる。
【0008】
吐出口は、搬送空間の容積が徐々に減少する範囲における周壁部に形成されていてもよい。
【0009】
駆動機構は、回転体を60rpm以下の回転速度で回転可能である。この構成によると、スラリーに大きな遠心力が加わることを抑制するとともに、スラリーに適度の圧縮力を加えることができる。スラリーをより最適状態で搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施例のスラリーポンプの全体構造を示す斜視図。
図2図1のスラリーポンプのケーシングを部分的に断面で示した正面説明図。
図3図1のスラリーポンプのケーシングを部分的に断面で示した平面説明図。
図4】第2実施例のスラリーポンプの全体構造を示す斜視図。
図5図4のスラリーポンプのケーシングを部分的に断面で示した正面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施例)
図1に示すスラリーポンプ2は、例えば汚泥、食品材料等、液体と固形物とが混合した状態のスラリー(固液混合原料)を搬送するために用いられるスラリーポンプである。図1に示すように、スラリーポンプ2は、ケーシング10、回転体40、回転軸70、軸受80、90、及び、モーター100を備えている。
【0012】
図1図3に示すように、ケーシング10は、回転体40を回転可能に収容するとともに、搬送対象であるスラリーを投入するための容器である。ケーシング10は、平板状の第1壁部12、第1壁部12と対向する第2壁部14、及び、第1壁部12と第2壁部14との間に設けられる周壁部16を有している。周壁部16は、円筒形状に形成されている。円筒形状の周壁部16の中心軸方向の一方の端部が第1壁部12によって閉塞され、他方の端部が第2壁部14によって閉塞されている。
【0013】
図2に示すように、周壁部16の一部にはスラリーをケーシング10内に投入するための吸込口18が形成されている。吸込口18は、周壁部16のうち、回転体40の羽根42a〜42fが接しない範囲に形成されている。また、吸込口18には、外部から供給されるスラリーを吸込口18に導入するための吸込管30が連結されている。
【0014】
また、図2図3に示すように、第2壁部14の一部には、ケーシング10内のスラリーを外部に吐き出すための吐出口20が形成されている。さらに詳しく説明を加えると、吐出口20は、回転体40の羽根42a〜42fが周壁部16に接する範囲における第2壁部14に形成されている。即ち、吐出口20は、回転体40の複数枚の羽根42a〜42fのうちの一部の羽根(図2の例では羽根42b、42c、42d、42e)、第1壁部12、第2壁部14、及び周壁部16の間に搬送空間(図2中の50a〜50c)が形成される範囲で、かつ、回転体40の回転に伴って上記の搬送空間の容積が徐々に減少する範囲における第2壁部14に形成されている。また、吐出口20には、吐出口20からケーシング10外に吐出されたスラリーを搬送するための吐出管32が連結されている。
【0015】
回転体(インペラ)40は、ケーシング10内に回転可能に収容されている。図2に示すように、回転体40は、軸部41と、複数枚(図中の例では6枚)の羽根42a〜42fとを備える。軸部41は、ケーシング10内に挿入される回転軸70に固定されており、回転軸70と同期回転する。軸部41の中心44(即ち回転軸70の中心)は、円筒形状の周壁部16の中心軸11に対して偏心した位置に配置されている。また、図3に示すように、回転体40は、第1壁部12と第2壁部14との間に密に(隙間なく)配置されている。即ち、回転体40の側面は、第1壁部12及び第2壁部14に接している。
【0016】
図2に示すように、羽根42a〜42fは、それぞれ、軸部41の外周に固定されている。羽根42a〜42fは、例えばゴム、樹脂等の弾性材料で形成されている。上記の通り、軸部41の中心44(即ち回転軸70の中心)が周壁部16の中心軸11に対して偏心した位置に配置されているため、複数枚の羽根42a〜42fのうちの一部(図2の例では羽根42b〜42fの5枚)は、周壁部16の内面に接して弾性変形している。また、羽根42a〜42fは、それぞれ、軸部41付近の部分に比べて先端付近の部分がより肉厚である形状に形成されている。即ち、羽根42a〜42fの軸部41付近の部分は、先端付近の部分に比べて変形し易く形成されている。このような形状を有するため、羽根42a〜42fは、いずれも、周壁部16に接した際に容易に弾性変形することができる。なお、以下では、複数枚の羽根42a〜42fを総称して単に「羽根42」と呼ぶ場合がある。
【0017】
回転軸70は、ケーシング10及び回転体40の軸部41に挿入されている。また、上記の通り、回転軸70は軸部41に固定されている。そのため、回転軸70と回転体40は同期回転する。回転軸70のうち、ケーシング10の外側に突出した箇所では、軸受80、90によって回転可能に支持されている。
【0018】
モーター100は、回転軸70の一方の端部に固定されている。モーター100は回転軸70を回転させることができる。モーター100が回転軸70を回転させることにより、回転軸70に固定されている回転体40がケーシング10内で回転する。モーター100が回転体40を回転させる回転速度は、60rpm程度である。他の例では、回転速度は、60rpmより遅くてもよく、特に20rpm以下であることも可能である。
【0019】
(スラリーポンプ2の作動)
上記の構成を有するスラリーポンプ2の作動について説明する。本実施例のスラリーポンプ2を用いてスラリーの搬送を行う場合、予め、ケーシング10内、吸込管30内、及び吐出管32内に呼び水として液体を満たしておく。さらに、吸込管30の端部をスラリー供給部(図示省略)に接続しておく。その上で、作業者は、モーター100を駆動させる。モーター100が駆動すると、回転軸70が回転し、それに伴って、ケーシング10内で、回転体40(インペラ)が回転軸70を中心に回転する。回転体40は、図2の矢印A方向に回転する。
【0020】
回転体40が回転することにより、複数枚の羽根42a〜42fのうちの3〜5枚が周壁部16の内面に接して弾性変形する。この結果、例えば図2に示すように、周壁部16に接した羽根42b〜42e、第1壁部12、第2壁部14、及び周壁部16の間に搬送空間50a、50b、50cが形成される。回転体40の回転に伴って、各搬送空間50a〜50cの容積は徐々に減少する。その結果、各搬送空間50a〜50c内に収容されている呼び水によって吸込み圧力が低下して、第2壁部14に形成されている吐出口20を介して吐出管32に吐き出される。以下では、図2の搬送空間50a〜50cのような搬送空間を総称して単に「搬送空間50」と呼ぶ場合がある。
【0021】
予めケーシング10内に満たされていた呼び水が吐出口20を介して吐出管32に吐き出されることにより、ケーシング10内及び吸込管30内に負圧が作用する。その結果、スラリーが、スラリー供給部から吸込管30及び吸込口18を介して、ケーシング10内に送り込まれる(即ち吸い込まれる)。
【0022】
ケーシング10内に吸い込まれたスラリーは、回転体40の回転に伴って、周壁部16に接した羽根42、第1壁部12、第2壁部14、及び周壁部16の間に形成される搬送空間50(図2の搬送空間50a〜50c参照)内に収容される。上述の通り、回転体40の回転に伴って、各搬送空間50の容積は徐々に減少する。その結果、各搬送空間50内に収容されたスラリーが徐々に圧縮され、吐出口20を介して吐出管32に吐き出される(即ち圧送される)。
【0023】
以降、回転体40を回転させ続けることにより、スラリーは吸込管30及び吸込口18を介してケーシング10内に継続して吸い込まれ、ケーシング10内のスラリーは、吐出口20を介して吐出管32に継続して吐き出される。
【0024】
以上、本実施例のスラリーポンプ2の構成及び作動を説明した。次いで、本実施例の作用効果を説明する。上記の通り、本実施例のスラリーポンプ2では、回転体40が回転軸70を中心としてケーシング10内で回転することに伴って、複数の羽根42a〜42fのうちの少なくとも1枚が周壁部16の内面に接して弾性変形し、周壁部16、羽根42、第1壁部12、及び第2壁部14の間に形成される搬送空間50の容積が徐々に減少する。これにより、搬送空間50内に収容されたスラリーが徐々に圧縮され、吐出口20を介して吐出管32へと吐き出される。即ち、本実施例のスラリーポンプ2では、搬送空間50の容積を徐々に減少させることによってスラリーを圧縮し、圧縮されたスラリーを吐出口20から吐き出すことができる。そのため、このスラリーポンプ2では、回転体40を高速回転させなくてもスラリーを吐き出すことができる。具体的には、本実施例では、モーター100が回転体40を回転させる回転速度は、60rpm(毎分60回転)程度である。この回転速度は、従来のスラリーポンプのインペラの回転速度(100rpm以上)に比べて遅い。即ち、このスラリーポンプ2では、スラリーに大きな撹拌力が加わることを抑制することができる。また、羽根42が弾性材料によって形成されているため、スラリーに過度の撹拌が加わることも抑制することができる。その結果、本実施例のスラリーポンプ2によると、スラリーに含まれる固形物の破損を抑制することができる。従って、スラリーを最適状態で搬送することができる。
【0025】
さらに、羽根42が弾性材料によって形成されているため、仮に、スラリーがガラス片や金属片等の異物を含んでいた場合であっても、回転体40と周壁部16の間に異物が噛み込まれることを防ぐこともできる。そのため、回転体40の回転が異物によって妨げられたり、異物によってケーシング10が損傷したりする事態の発生を抑制することもできる。また、ガラス粒、砂粒等の粒状物を含む粘着力(粘性)が強いスラリーを搬送する場合における回転体40の耐摩耗性にも優れる。
【0026】
ここで、本実施例の記載と請求項の記載との対応関係を説明しておく。回転軸70及び軸部41が「軸体」の一例である。また、モーター100が「駆動機構」の一例である。
【0027】
(第2実施例)
図4図5を参照して、本実施例のスラリーポンプ102について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。なお、図4図5では、第1実施例と同様の構成を有する要素については図1図3と同じ符号を用いて示し、詳しい説明を省略する。本実施例では、吐出口120の形成位置及び吐出管132の配置位置が第1実施例とは異なる。
【0028】
図5に示すように、本実施例では、吐出口120は、周壁部16に形成されている。図5の例では、複数個の吐出口120が、回転体40の羽根42a〜42fが接する範囲の周壁部16に形成されている。言い換えると、吐出口120は、回転体40の羽根42a〜42bのうちの一部の羽根、第1壁部12、第2壁部14、及び周壁部16の間に搬送空間50が形成され、かつ、回転体40の回転に伴って上記の搬送空間50の容積が徐々に減少する範囲における周壁部16に開口されている。なお、他の例では、吐出口120は一箇所に1つだけ形成してもよい。吐出口120には、吐出管132が連結されている。図4図5に示すように、本実施例では、吐出管132は、周壁部16の外側に配置されている。
【0029】
本実施例のスラリーポンプ102の作動も、第1実施例のスラリーポンプ2の作動と同様である。そのため、詳しい説明を省略する。また、本実施例のスラリーポンプ102も、第1実施例のスラリーポンプ2と同様の作用効果を発揮することができる。
【0030】
以上、本明細書で開示する技術の実施例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例を含んでもよい。
【0031】
(変形例1)上記の各実施例では、回転体40の羽根42a〜42fは、軸部41の外周に等間隔に固定されている(図2図5参照)。それに限られず、回転体の羽根は、軸部に互いに異なる間隔で固定されていてもよい。その場合、スラリーポンプは、例えばスラリーを間欠搬送するなど、スラリーを不規則的に(脈動流で)搬送することができる。
【0032】
(変形例2)回転体40の形状は、上記のものには限られず、任意とすることができる。例えば、羽根の枚数も、6枚に限らず、任意とすることができる。また、各羽根の形状も、図2図5に示すものに限られず、任意とすることができる。また、ケーシング内に、羽根の固定角度が異なる複数枚の回転体を軸方向に重ねて配置してもよい。
【0033】
(変形例3)吐出口の形成位置及び吐出管の配置位置及び形状は、上記の各実施例に記載の位置及び形状には限られない。従って、例えば、吐出口は、回転体の羽根が周壁部に接する範囲における第1壁部に形成されていてもよい。その場合、吐出管は、第1壁部の外側に配置されていてもよい。即ち、吐出口の開口部は、形状(面積)、場所、数を変化させることができる。一般的に言うと、吐出口は、搬送空間の容積が徐々に減少する範囲における、第1壁部と第2壁部と周壁部とのうちの少なくとも1つに形成されていればよい。
【0034】
(変形例4)吸込口の形成位置及び吸込管の配置位置も、上記の各実施例に記載の位置には限られない。従って、例えば、吸込口は、第1壁部又は第2壁部に形成されていてもよい。
【0035】
(変形例5)モーター100が回転体40を回転させる回転速度は、60rpmに限られない。モーター100は、任意の回転速度で回転体40を回転させてもよい。ただし、モーター100は、60rpm以下(特に、20rpm以下)の回転速度で回転させることが好ましい。
【0036】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0037】
2:スラリーポンプ
10:ケーシング
11:中心軸
12:第1壁部
14:第2壁部
16:周壁部
18:吸込口
20:吐出口
30:吸込管
32:吐出管
40:回転体
41:軸部
42a〜42b:羽根
44:軸部の中心
50a〜50c:搬送空間
70:回転軸
80、90:軸受
100:モーター
102:スラリーポンプ
120:吐出口
132:吐出管
図1
図2
図3
図4
図5