特許第6489976号(P6489976)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6489976
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】遊技場用管理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20190318BHJP
【FI】
   A63F7/02 350Z
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-171069(P2015-171069)
(22)【出願日】2015年8月31日
(65)【公開番号】特開2017-46798(P2017-46798A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2018年5月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129654
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 達也
(72)【発明者】
【氏名】島田 知樹
【審査官】 柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−161451(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の始動条件の成立に応じて大当たり抽選を実行する大当たり抽選手段と、
前記大当たり抽選の結果を遊技者に対して表示する抽選結果表示手段と、
前記抽選結果表示手段が大当たり抽選の結果を表示する際に、当該結果を遊技者に示唆するための演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段が演出を実行する際に、各種の効果音を出力する効果音出力手段と、
前記演出実行手段が実行する演出の種類を示す演出情報を音響透かしに変換し、前記効果音出力手段から出力される効果音に重畳させて出力することが可能な音響透かし出力手段と、を備えた遊技機を管理する遊技場用管理システムであって、
前記音響透かし出力手段から出力される音響透かしに基づいて演出情報を取得し、演出の種類を特定する演出特定手段と、
前記演出特定手段により特定された演出の種類を記憶する演出記憶手段と、
遊技者が遊技を終了した遊技終了時点を特定する遊技終了特定手段と、
前記演出記憶手段により記憶された演出の種類の中で、前記遊技終了時点から遡った所定期間内に実行された演出の種類を終了契機演出として特定する終了契機演出特定手段と、
前記終了契機演出を出力する終了契機演出出力手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用管理システム。
【請求項2】
前記終了契機演出特定手段により終了契機演出として特定された回数を、演出の種類別に終了契機回数として算出する終了契機回数算出手段と、
前記終了契機回数を出力する終了契機回数出力手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技場用管理システム。
【請求項3】
所定の始動条件の成立に応じて大当たり抽選を実行する大当たり抽選手段と、
前記大当たり抽選の結果を遊技者に対して表示する抽選結果表示手段と、
前記抽選結果表示手段が大当たり抽選の結果を表示する際に、当該結果を遊技者に示唆するための演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段が演出を実行する際に、各種の効果音を出力する効果音出力手段と、
前記演出実行手段が実行する演出の種類を示す演出情報を音響透かしに変換し、前記効果音出力手段から出力される効果音に重畳させて出力することが可能な音響透かし出力手段と、を備えた遊技機を管理する遊技場用管理システムであって、
前記音響透かし出力手段から出力される音響透かしに基づいて演出情報を取得し、演出の種類を特定する演出特定手段と、
前記演出特定手段により特定された演出の種類を記憶する演出記憶手段と、
遊技者の顔画像を取得する顔画像取得手段と、
前記顔画像取得手段が取得した顔画像を分析することにより、遊技者の表情を特定する表情特定手段と、
前記演出記憶手段により記憶された演出の種類と対応付けて前記表情特定手段により特定された遊技者の表情を記憶する表情記憶手段と、
前記演出記憶手段に記憶された演出の種類と前記表情記憶手段に記憶された表情に対応する情報とを出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用管理システム。
【請求項4】
前記表情記憶手段により記憶された表情の数を、演出の種類及び表情の種類に区分し、表情数として算出する表情数算出手段と、
前記表情数を出力する表情数出力手段と、を備えたことを特徴とする請求項3に記載の遊技場用管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載されているように、遊技機には様々な遊技情報を外部に出力するための外部出力端子が設けられている。遊技機は、例えば大当たり信号、図柄変動信号、不正信号などの遊技情報を、外部出力端子を介して遊技情報表示装置やホールコンピュータなどの周辺機器に対して出力するように構成されている。
【0003】
遊技情報表示装置は、上記の遊技情報を受信することにより遊技機の良し悪しを判断するための情報を遊技者に対して表示する。ホールコンピュータは、上記の遊技情報を元にして、遊技場の管理者が遊技機の稼動状況を管理するための情報を集計し、表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−124248号公報号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、遊技機が備える外部出力端子から出力される情報の種類は端子の数に比例しており、現状はせいぜい10種類程度という制約があり、種類を増やすためには外部出力端子の数自体を増やす必要があった。このような制約の下では、遊技機で実行される何十種類もの演出を示す信号を出力するのは困難であり、演出に関する詳細な情報を収集できていないという事情がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、大規模なハード的な変更を伴うことなく遊技機から演出に関する詳細な遊技情報を収集することが可能で、遊技機で実行される演出に対して遊技者がどのような感情を抱き、どのような動向を示すのかについて分析可能なシステムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遊技場用管理システムは、演出の実行に応じて各種の効果音を出力する際、演出情報を表す音響透かしを効果音に重畳させて出力可能な遊技機に対応する管理システムである。この遊技場用管理システムは、効果音に重畳された音響透かしから演出情報を取得して演出の種類を特定して記憶可能である。
【0008】
本発明の第1の態様の遊技場用管理システムは、遊技者が遊技を終了した遊技終了時点を特定する遊技終了特定手段を備えている。この態様の遊技場用管理システムは、遊技終了時点から遡る所定期間内に実行された演出の種類を終了契機演出として特定して出力可能である。
【0009】
本発明の第2の態様の遊技場用管理システムは、遊技者の顔画像から表情を特定する表情特定手段を備えている。第2の態様の遊技場用管理システムは、実行された演出の種類を対応付けて特定された遊技者の表情を記憶し、出力可能である。
【0010】
本発明に係る遊技機は、実行された演出の種類を示す情報を音響透かしに変換し、効果音に重畳させて出力可能である。そのため、本発明の遊技場用管理システムでは、遊技機側に特別なハード構成を追加等することなく、演出に関連する詳細な情報を収集することが可能となっている。
【0011】
この遊技場用管理システムでは、各演出が実行されたときの遊技者の表情、あるいは遊技の継続や終了を特定することにより、各演出に対して遊技者がどのような感情を抱くのか、あるいは遊技を止めようと考えるのか等についての分析が可能となっている。このような分析で得られる情報は、例えば、次の遊技機開発や、遊技者の遊技動向を把握するために極めて有用な情報である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】遊技場用管理システムの構成を示すシステム図。
図2】パチンコ台を示す正面図。
図3】パチンコ台の電気的構成を示すブロック図。
図4】遊技情報表示装置を示す正面図。
図5】遊技情報表示装置の電気的構成を示すブロック図。
図6】演出別の各表情の検出回数(表情数)。
図7】演出別の終了契機回数。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、音響透かし技術を利用して演出情報を外部出力可能な遊技機を含む遊技場用管理システム1に関する例である。この内容について、図1図7を用いて説明する。
【0014】
遊技場用管理システム1は、図1のごとく、パチンコ台2やスロットマシン(図示略)など多数の遊技機を管理する管理装置41を中心として構築されたシステムである。この遊技場用管理システム1では、2台の遊技機毎に1台ずつ設置された中継装置42が、管理装置41、景品交換装置13、精算装置15等と共に通信ネットワーク40に接続されている。
【0015】
さらに、本例の遊技場用管理システム1では、遊技者の顔を撮影した顔画像に画像処理を施す画像処理装置100が通信ネットワーク40に接続されている。遊技場用管理システム1を適用する遊技場では、遊技者の顔画像を取得する顔画像取得手段としてのカメラ10が遊技機毎に設置され、4台のカメラ10毎に上記の画像処理装置100が1台ずつ設置されている。カメラ10は、パチンコ台2の側方の隣接する位置に目立たないように設置されている。
【0016】
中継装置42には、パチンコ台2等の遊技機のほか、遊技機毎の遊技情報表示装置3及び計数貸出ユニット43が通信可能に接続されている。中継装置42は、遊技機側と管理装置41との間のデータ通信を実現するほか、遊技情報表示装置3と遊技機との間のデータ通信を中継する。2台の遊技機に対して1台ずつの割合で設置される中継装置42は、各遊技機、計数貸出ユニット43、遊技情報表示装置3からの各種稼動情報を収集して管理装置41へ送信すると共に、管理装置41から受信した各種の設定情報を遊技機等へ送信する。
【0017】
計数貸出ユニット43は、遊技価値として遊技に使用する玉の貸出、及び遊技者が獲得した玉の計数を行う装置であり、各パチンコ台2について1台ずつ個別に設置されている。計数貸出ユニット43は、投入等された貨幣を対価として玉を貸し出し、計数受け皿に投入された玉を計数する。遊技の終了時には、計数玉数及び投入貨幣の残金等を記録した記録媒体を発行可能である。
【0018】
景品交換装置13は、計数貸出ユニット43が発行した記録媒体に記録された計数玉数に応じた景品交換処理を実行する装置である。
精算装置15は、計数媒体が発行した記録媒体に記録された残金の精算処理により、その残金分の現金を払い出す装置である。
【0019】
本例の遊技場用管理システム1は、パチンコ台2等の遊技機、遊技機に付設された遊技情報表示装置3、及び管理装置41を含めて構成されている。以下、この遊技場用管理システム1を構成する各機器について説明する。
【0020】
(遊技機)
図1及び図2に例示するパチンコ台2は、パチンコ玉を遊技媒体として遊技される遊技機である。このパチンコ台2は、始動入賞部をなす特図始動口22への入賞に応じて大当たり抽選(特別図柄の当否判定、特図判定)を実行し、大当たりに当選したときに大当たり図柄を表示して大当たり状態を発生させる、いわゆるセブン機である。パチンコ台2では、大当たり抽選が実行される遊技状態として、遊技者側の有利度合いが低い通常状態、大当たり確率が高くなる確変状態等が設けられている。
【0021】
パチンコ台2の前面は、略円形状の遊技領域230が設けられた上部と、玉の受け皿である上皿235や下皿237のほか操作ハンドル245等が配置された下部と、により構成されている。遊技領域230の上部両側には装飾ランプ部236が配置され、下部左側にはスピーカ231が配置されている。
【0022】
遊技媒体である玉が流下する遊技領域230は、大当たり抽選の結果を報知するための演出用図柄を表示する液晶表示部29を中心として形成されている。遊技領域230の最下部には、入賞することなく流下した玉を回収するためのアウト孔238が設けられている。液晶表示部29とアウト孔238との間隙には、始動入賞口である特図始動口22や、大当り状態のときに開放する大入賞口246が配置されている。遊技者側から見て液晶表示部29の左側領域には、通過ゲート式の普図始動口244が配置されている。さらに、遊技領域230の左縁に沿うように特図表示部211、普図表示部212が配置されている。
【0023】
普図始動口244は、通過玉を検出するためのゲートである。玉を通過させるのみの通過ゲート式の普図始動口244には、賞球の払い出しが設定されていない。普図始動口244の通過玉が検出されると、普通図柄の当否判定(以下、普図判定という。)用の抽選用乱数が抽出され、普図判定が実行される。なお、普図当選は、普図表示部212の点灯により報知される。
【0024】
特図始動口22は、大当たり抽選(特図判定)の契機となる入賞口である。特図始動口22に玉が入賞すると、特図判定用の抽選用乱数が抽出され大当たり抽選が実行される。特図始動口22には、一対の可動羽根221を含む電動チューリップ(電動役物)が設けられ、普図当選に応じて電動チューリップが所定秒数に渡って開放して入賞が格段に容易になる。電動チューリップの開放時間は、遊技状態の種類に応じて相違し、確変状態では3秒、通常状態では0.2秒となっている。
【0025】
特図表示部211は、大当たり抽選の結果を遊技者に対して表示する抽選結果表示手段の一例をなす表示部である。大当たり抽選の結果は、特図表示部211による図柄変動期間を経て、停止した図柄により報知される。ただし、特図表示部211による表示図柄は、遊技機内部の制御コードであり、遊技者にとっては理解し難いものとなっている。そこで、大当たり抽選の結果は、演出用の数字図柄を変動表示する液晶表示部29による演出により、わかり易く表示される。
【0026】
次に、パチンコ台2の電気的な構成について、図3を参照して説明する。パチンコ台2は、主制御部25を中心として構成されている。主制御部25に対しては、玉の払出を制御する払出制御部285、玉の打込を制御する発射制御部287、表示あるいは効果音による遊技演出を制御する演出制御部281、入賞玉あるいは通過玉の検出センサ261〜263、特図始動口22の可動羽根221を駆動する電チューソレノイド266、大入賞口246を開放させる大入賞口ソレノイド268、抽選結果の表示部である特図表示部211及び普図表示部212、各種信号を外部出力する外部出力端子284、電力供給のための電源回路部289等が電気的に接続されている。
【0027】
演出制御部281には、スピーカ231から効果音を出力させるアンプ282や装飾ランプ部236が電気的に接続されているほか、液晶表示部29を制御する表示制御部283が通信可能に接続されている。
【0028】
入賞玉あるいは通過玉の検出センサとしては、始動入賞を検出する特図入賞センサ261、普図始動口244の通過玉を検出する普図入賞センサ262、及び大入賞口246への入賞玉を検出する大入賞センサ263がある。特図入賞センサ261は、入賞玉を検出できるように特図始動口22に取り付けられている。大入賞センサ263は、大入賞口246に流入した入賞玉を検出できるように取り付けられている。
【0029】
払出制御部285は、入賞が発生したとき、主制御部25からの指示を受けて払出機構部286を制御し、所定数の玉の払出を実行させる。
発射制御部287は、操作ハンドル245の操作量に応じて発射装置288を制御することで、玉の打ち出し強さをコントロールする。
【0030】
図3に示す主制御部25は、CPU251、記憶素子であるROM252・RAM253、入出力インタフェースをなすI/O部254、所定範囲の乱数を発生する乱数発生部256、抽選用乱数を抽出する乱数抽出部255等を備えている。
【0031】
ROM252は、CPU251に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、図示しない特図判定用の抽選テーブル及び普図判定用の抽選テーブルを記憶している。
特図判定用の抽選テーブルでは、通常状態における大当たりの当選乱数、及び確変状態における大当たりの当選乱数が規定されている。確変状態の当選乱数の数は、通常状態の当選乱数よりも多く規定され、これにより、確変状態の方が大当たりの期待度が高くなっている。なお、大当たりの当選乱数には、大当たり状態の終了後に通常状態に移行する通常大当たりの当選乱数と、確変状態が後続する確変大当たりの当選乱数と、があり、特図判定用の抽選テーブルでは、大当たりの当選乱数が所定の振分割合で通常大当たりの当選乱数か確変大当たりの当選乱数に振分けられている。
【0032】
RAM253は、CPU251のワークエリアや一時書き込みに利用される読み書き可能な記憶素子である。RAM253の記憶エリアには、4データ分の特図保留エリア等が設けられている。特図保留エリアは、特図判定の当否を表す保留乱数の記憶領域である。特図保留エリアには、特図始動口22への始動入賞に応じて抽出された抽選用乱数が4個を上限として、特図判定の保留乱数として記憶される。なお、特図判定の保留乱数が4個記憶された状態で、特図始動口22への入賞が発生しても、そのときの抽選用乱数はキャンセルされてそのまま消去される。
【0033】
パチンコ台2は、以下の各手段としての機能を備えている。
(1)大当たり抽選手段:特図始動口22への玉の入賞により所定の始動条件が成立したときに大当たり抽選を実行する手段であって、主制御部25により実現される。
(2)演出パターン決定手段:予め用意された様々なパターンの中から、大当たり抽選結果を表示する際の演出の種類を決定するという主制御部25により実現される手段。
(3)演出実行手段:抽選結果表示手段としての特図表示部211が大当たり抽選の結果を表示する際に、その結果を遊技者に示唆するための演出を実行する手段。演出実行手段は、液晶表示部29による演出用図柄の変動表示や、装飾ランプ部236の点滅等により、大当たり抽選結果を示唆する演出を実行する。
(4)効果音出力手段:演出実行手段が演出を実行する際に、各種の効果音を出力する手段。効果音出力手段は、大当たり抽選結果を報知するための図柄変動中(大当たり抽選から結果報知までのゲームの進行中)に各種の効果音をスピーカ231から出力する。
(5)音響透かし出力手段:前記演出実行手段が実行する演出の種類を示す演出情報を音響透かしに変換し、前記効果音出力手段から出力される効果音に重畳させて出力することが可能な手段。音響透かしは、主制御部25が実行するエンコード処理により変換された演出情報である。なお、CPU251の処理負荷を低減して変換処理の高速化を図るために、上記のエンコード処理を実行する専用の音声処理チップを採用することもできる。
【0034】
パチンコ台2は、遊技信号を外部出力する外部出力端子を備えており、遊技の進行に伴って以下の遊技信号を中継装置42に出力可能である。
(1)払出信号(セーフ信号):払出玉10玉毎に1回出力される。払出玉数(セーフ)は、払出信号数×10玉となる。
(2)打込信号(アウト信号):打込玉10玉毎に1回出力される。打込玉数(アウト)は、打込信号数×10玉となる。なお厳密には、打込信号はパチンコ台2ではなく、使用玉を回収するために付設された図示しない玉回収装置から出力される。
(3)スタート信号:特図始動口22への入賞を契機とした図柄変動(役物作動、スタート処理)1回につき1パルス出力される。
(4)大当たり信号:大当たり状態の継続中にレベル出力される状態信号。
【0035】
さらに、パチンコ台2は、音響透かしを効果音に重畳することでスピーカ231から情報を外部出力する機能を備えており、図柄変動等の演出の実行中に以下の演出情報を出力可能である。
(5)演出情報:図柄変動や効果音による演出(大当たり抽選の結果を示唆する演出)の複数種類(例えば100種類)のパターンのうち、いずれの種類の演出を実行中であるかを示す情報。
【0036】
(遊技情報表示装置)
遊技情報表示装置3は、図1図4及び図5のごとく、パチンコ台2等の遊技機に関する各種の案内情報を表示する機能のほか、従業員の呼び出し機能を備えた装置である。詳しくは後述するが、本例の遊技情報表示装置3は、後述する音響透かし取得手段としてのマイク37を備えている。
【0037】
遊技情報表示装置3は、図4のごとく、大型の液晶表示部33を備えている。液晶表示部33の表示エリア330の下側には、従業員を呼び出すための呼出ボタン341やデータ切替ボタン343等の操作ボタンが配置されている。遊技情報表示装置3の上部には、呼び出し中等に所定パターンで点灯するランプ部32が設けられている。
【0038】
液晶表示部33は、透明シート状のタッチパネル331が積層されたタッチ操作可能な表示部である。液晶表示部33の表示エリア330には、大当たり履歴や過去の遊技データ等、各種の情報を表示可能である。例えば、通常の遊技中においては、図4に例示する通常画面が表示エリア330に表示される。初期設定では、対応するパチンコ台2の遊技データを表示する通常画面が表示され、データ切替ボタン343を操作すれば、例えば遊技者の個人データを表示する通常画面等に切替可能である。
【0039】
遊技情報表示装置3は、図5のごとく、制御部30を中心として電気的に構成されている。制御部30は、ソフトウェアを実行して各種演算を実施するCPU301、メモリ手段としてのROM302、RAM304、信号の入出力を行うI/O部305を含んでいる。制御部30に対しては、外部と信号の送受信を実行する外部I/F部38、液晶表示部33、ランプ部32、タッチパネル331、呼出ボタン341、データ切替ボタン343、マイク37等が電気的に接続されている。
【0040】
遊技情報表示装置3は、以下の各手段としての機能を備えている。
(1)音響透かし取得手段:パチンコ台2が出力する音響透かしを取得する手段であり、マイク37により実現される。
(2)演出特定手段:遊技機が備える前記音響透かし出力手段から出力される音響透かしに基づいて演出情報を取得し、演出の種類を特定する手段。演出情報の取得は、CPU301が所定の演算処理(デコード処理)を音響透かしに適用して実現される。なお、CPU301の処理負荷を軽減して処理を高速化するために専用の音声処理チップ等を採用することもできる。
(3)遊技終了特定手段:遊技者が遊技を終了した遊技終了時点を特定する手段。
【0041】
(画像処理装置)
画像処理装置100は、カメラ10が取得した遊技者の顔画像に所定の画像処理を施す装置である。画像処理装置100は、4台のカメラ10毎に1台ずつ設置され、4台のカメラ10の出力画像を時間的に切り換えて順番に取り込むように構成されている。
【0042】
画像処理装置100は、通信ネットワーク40に接続され、画像処理結果等を管理装置41に送信可能である。画像処理結果を送信する際には、対応する遊技機を送信先で特定できるよう、画像を取得したカメラ10が取り付けられた遊技機の台番IDを対応付けて画像処理結果を出力する。
【0043】
画像処理装置100は、以下の各手段としての機能を備えている。
(1)表情特定手段:顔画像取得手段としてのカメラ10が取得した顔画像を分析することにより、遊技者の表情を特定する手段。表情特定手段は、カメラ10が取得した画像について顔の存否を判定し、顔が映っていればその表情の種類を特定する。
(2)認識情報出力手段:顔の存否、遊技者の表情などの画像処理結果を管理装置41に出力する手段。管理装置41で出力元の遊技機を特定できるよう、認識情報としての画像処理結果の出力時には、対応する遊技機の台番IDを対応付ける。
【0044】
(管理装置)
管理装置41は、パチンコ台2などの遊技機、遊技機毎に設置された計数貸出ユニット43や遊技情報表示装置3、景品カウンタに設置された景品交換装置13、遊技島の島端等に設置された精算装置15など、遊技場内に設置される全ての機器の稼動状況を管理するための装置である。
【0045】
管理装置41は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、I/O(Input/Output)等を含む制御部やHDD(ハードディスクドライブ)等よりなる記憶部を含む本体413、モニタ411及びプリンタ(図示略)等からなる出力部、キーボード412及びマウス(図示略)等を含む操作部を備えている。管理装置41は、台番(遊技機ID)が割り当てられた各パチンコ台2の遊技情報を個別に集計等して特定する機能を備えている。
【0046】
管理装置41は、以下の各手段としての機能を備えている。
(1)演出記憶手段:遊技情報表示装置3が備える前記演出特定手段により特定された演出の種類を記憶する手段。演出記憶手段は、演出の種類別で実行回数等を集計し、その集計結果を併せて記憶する。
(2)表情記憶手段:演出記憶手段により記憶された演出の種類と対応付けて前記画像処理装置100が備える表情特定手段により特定された遊技者の表情を記憶する手段。
(3)遊技終了特定手段:遊技者が遊技を終了した遊技終了時点を特定する手段。
(4)終了契機演出特定手段:前記演出記憶手段により記憶された演出の種類の中で、前記遊技終了時点から遡った所定期間(本例では5分を設定)内に実行された演出の種類を終了契機演出として特定する手段。
(5)終了契機回数算出手段:終了契機演出特定手段により終了契機演出として特定された回数を、演出の種類別に終了契機回数として算出する手段。
(6)表情数算出手段:表情記憶手段により表情が記憶された回数を、演出の種類及び表情の種類に区分して表情数として算出する手段。
(7)終了契機演出出力手段:前記終了契機演出を出力する手段。
(8)終了契機回数出力手段:前記終了契機回数を出力する手段。
(9)出力手段:演出記憶手段に記憶された演出の種類と、前記表情記憶手段に記憶された表情に対応する情報とを出力する出力手段。
(10)表情数出力手段:前記表情数を出力する手段。
【0047】
なお、終了契機演出出力手段や表情数出力手段などが情報を出力する方法としては、モニタ411の表示画面への表示出力、プリンタによる印字出力等、様々な出力方法を採用することができる。
【0048】
以上のような構成の遊技場用管理システム1の動作について説明する。
(遊技機の動作)
パチンコ台2の遊技では、特図始動口22への玉の入賞(所定の始動条件)に応じて、大当たり判定用の抽選乱数の抽出により大当たり抽選が行われると共に、特図表示部211による図柄変動が行われるというゲームがスタートする。大当たり抽選(特図判定)の結果は、変動中の図柄に対応するものを除いて4個を上限として保留(記憶)され、繰り返し実行される図柄変動により順次、消化される。
【0049】
大当たり抽選(特図判定)の結果は、特図表示部211により報知されると共に、液晶表示部29や装飾ランプ部236等によって大当たり抽選の結果を示唆する演出が実行される。液晶表示部29や装飾ランプ部236等では、様々な演出のパターンの中から大当たり抽選結果に応じて内部的に決定されたいずれかの種類の演出が実行される。さらに、液晶表示部29等による演出の実行中では、スピーカ231から効果音が出力される。
【0050】
パチンコ台2の液晶表示部29による演出は、演出用の数字図柄の変動表示を開始し、所定の図柄変動時間の経過後に停止表示した図柄の組合せに応じて特図判定の当否(大当たりかハズレか)を示唆する表示演出である。スピーカ231は、液晶表示部29による表示演出の際、この表示演出をさらに効果的に盛り上げるための効果音を出力する。
【0051】
大当たり当選が発生したときには、ゾロ目の3桁の数字図柄が液晶表示部29に停止表示される。偶数の数字図柄のゾロ目は、確変大当たりの報知図柄であり、奇数のゾロ目は、通常大当たりの報知図柄となっている。確変大当たりは、大当たり状態の終了後に、大当たり抽選の当選確率が高まる有利な確変状態に移行する大当たりであり、通常大当たりは、大当たり状態の終了後に、遊技者にとって不利な通常状態に移行する大当たりである。
【0052】
大当たりが報知されると、アタッカーとも呼ばれる大入賞口246が開放して入賞確率が格段に高くなり出玉が急激に増える大当たり状態が発生する。大当たり状態では、大入賞口246が最大30秒開放されて玉が10個まで入賞可能な遊技ラウンドが15回に渡って繰返し実行される。大当たり状態が終了すると、確変状態あるいは通常状態に移行する。確変状態は、新たな大当たり状態が発生するまで継続するので、確変大当たりが当選すれば、その後、通常大当たりが当選するまで大当たりが連続的に発生(連チャン)することになる。
【0053】
特に、本例のパチンコ台2は、大当たり抽選結果を示唆するための図柄変動やランプの発光等による演出の実行中に、その演出の種類を表す演出情報を暗号化した音響透かしを効果音に重畳させて出力可能である。パチンコ台2が効果音に重畳させて出力する音響透かしを利用すれば、演出情報の復合化により実行中の演出の種類を特定可能である。
【0054】
(画像処理装置の動作)
画像処理装置100は、対応する遊技機が遊技中であるか否かに関わらず、接続された4台のカメラ10が撮像した画像を1秒毎に切り換えながら4秒周期で順番に取り込む。取り込んだ画像に対して所定の画像処理を施し、画像の中に遊技者の顔が存在するか否かを判定すると共に、顔が存在していればその表情を分析する。
【0055】
具体的には、画像処理装置100は、取り込んだ画像について目や口等の顔のパーツが占有する領域の特定を試み、これらの領域が特定できたとき画像の中に遊技者の顔が存在していると判定する。そして、画像の中に顔が存在している場合には、目や口等の領域における目尻の相対高さや口角の相対高さ等を計測することで、(1)真顔の表情、(2)驚きの表情、(3)喜びの表情、(4)怒りの表情、(5)悲しみの表情、の中のいずれの種類に区別できるかを特定する。
【0056】
画像処理装置100は、画像を取得する毎に、画像処理結果である認識情報を管理装置41に送信する。認識情報は、画像中の顔の存否、及び表情の種類を示す情報であり、管理装置41側で対応する遊技機を特定できるよう、台番IDが対応付けられている。なお、遊技者が着席している場合であっても顔の向きや姿勢によっては遊技者の顔を検出できない場合もあり、このような場合には画像中に顔が存在していない旨の認識情報が送信される。
【0057】
(遊技情報表示装置の動作)
遊技情報表示装置3は、対応する遊技機の遊技開始や遊技終了を判定し、遊技開始から遊技終了までの遊技期間を特定する。具体的には、アウト信号の検出等に応じて遊技開始を判定し、アウト信号の受信が所定時間以上に渡って途切れたときに遊技終了を判定する。なお、遊技開始及び遊技終了については、管理装置41側でも判定しているので、その判定結果を取得して遊技期間を特定することも良い。
遊技情報表示装置3は、遊技期間において遊技情報の集計等を行いつつ、遊技機が出力する効果音に重畳された音響透かしからの演出情報の取得を実行する。
【0058】
遊技情報表示装置3は、中継装置42を介して(1)払出信号、(2)打込信号、(3)スタート信号、(4)大当たり信号等の遊技信号をパチンコ台2側から受信し、その受信回数をカウント等することで以下の遊技情報の集計等を実行する。
【0059】
(1)大当たり回数:大当たり状態の発生回数。
(2)大当たり間スタート回数:直前の大当たり状態が終了してからの大当たり抽選のスタート回数。
(3)本日累計スタート回数:当日、開店後の累計のスタート回数。
(4)差玉数:遊技者側から見た玉収支。払出信号を入力する毎に10玉ずつ加算される払出玉数から、打込信号を入力する毎に10玉ずつ加算される打込玉数を差し引いて差玉数が演算される。
【0060】
遊技情報表示装置3は、図4に例示する通常画面を表示エリア330に表示し、その通常画面内で各種の遊技データを表示する。図4に例示する通常画面の場合、中央にグラフ領域391、392が配置され、左右にデータ表示エリアが設けられている。上側のグラフ領域391は、払出玉数から打込玉数を差引いた差玉数の変動を折れ線グラフによって表示するグラフ領域である。下側のグラフ領域392は、過去の大当たり10回分の大当たり間スタート回数を棒グラフによって表示するグラフ領域である。
【0061】
左側のデータ表示エリアでは、本日、前日、前々日の大当たり回数が、それぞれ、上段の表示欄361、中段の表示欄363、下段の表示欄365に表示されている。
右側のデータ表示エリアでは、過去最高大当たり回数、大当たり間スタート回数、本日累計スタート回数が、それぞれ、上段の表示欄371、中段の表示欄373、下段の表示欄375に表示されている。
【0062】
なお、データ切替ボタン343を操作すれば、その遊技者が遊技を開始してからの個人情報の表示に切り換えできるほか、各演出の実行回数や、演出毎の大当たり回数などの演出データの表示に切り換え可能である。
【0063】
特に、遊技情報表示装置3は、パチンコ台2が出力する効果音をマイク37で集音して効果音に重畳された音響透かしを取得し、デコード処理等の演算処理を施して音響透かしを復号化して演出情報を取得する。このように演出情報を取得することで、大当たり抽選の結果を示唆するために遊技機が実行中の演出の種類を特定する。遊技情報表示装置3は、遊技機が実行中の演出の種類を示すこの演出情報を管理装置41に送信する。
【0064】
(管理装置の動作)
管理装置41の動作は、以下の通り、(1)遊技データの集計管理、(2)演出データの集計管理、(3)遊技者の遊技開始・終了判定、(4)演出と遊技者動向の分析・管理に区分して説明できる。
【0065】
(1)遊技データの集計管理
管理装置41は、中継装置42から各種の遊技データを受信し、各遊技機の稼動状況を集計、管理する。集計する遊技データの種類としては、例えば以下のものがある。
・アウト玉数:遊技機に投入された遊技媒体の数を示す遊技データ。
・セーフ玉数:遊技機から払い出された遊技媒体の数を示す遊技データ。
・大当たり回数:遊技機で発生した大当たりの回数を示す遊技データ。
・スタート回数:遊技機で実行された図柄変動の回数を示す遊技データ。
・稼動時間:遊技機が稼動している時間を示す遊技データ。
【0066】
(2)演出データの集計管理
管理装置41は、遊技機で実行された演出の種類を表す演出情報を画像処理装置100から受信し、その演出情報を基にした演出データを集計管理すると共に、各遊技機が実行した演出のパターンを遊技機毎に時系列で記憶する。集計管理する演出データとしては、例えば以下のものがある。
・演出別実行回数:各演出が実行された回数。
・演出別実行確率:(演出別実行回数/図柄変動回数)で算出する確率。
・演出別大当たり回数:各演出が実行されたときに大当たりが発生した回数。
・演出別大当たり確率:(演出別大当たり回数/演出別実行回数)で算出する確率。
【0067】
(3)遊技者の遊技開始・終了判定
管理装置41は、各遊技機について、遊技者の顔画像を認識していない状態から認識する状態へ変化し、アウト玉が発生したときに遊技開始と判定する。その後、アウト玉の発生が途切れ、顔画像を認識していない状態(カメラ10の取得画像の中に顔が存在しないと判定する状態)へ変化したときに遊技終了と判定して、その時点を遊技終了時点として特定する。
【0068】
(4)演出と遊技者動向の分析・管理
管理装置41は、遊技場に設置された遊技機のうち機種毎に、演出と遊技者動向との関係を明らかにするための分析を実行する。
・演出別表情数:演出の種類別の遊技者の5種類の各表情の検出回数。
・演出別終了契機回数:遊技終了の5分前以内に実行された演出の種類別の回数。
【0069】
具体的には、例えば機種Aの分析結果を例示する図6のように、演出の種類別にて、遊技者の上記の5種類の表情が検出された各回数を表情数としてそれぞれ集計して算出する。また、遊技終了時点を基準として5分前以内に実行された演出を終了契機演出として特定し、例えば図7に示すように、演出の種類別にて、終了契機演出として特定された回数(終了契機回数)を集計して算出する。
【0070】
管理装置41は、図6に例示の表情数や、図7に例示の終了契機回数を含め、このような集計結果を演出の種類別に出力可能である。このような演出の種類別の集計結果の出力があれば、各演出の実行に応じて遊技者がどのような表情をするか等の傾向を明らかにできる。また、演出の種類別の終了契機回数の出力があれば、遊技終了の契機となる演出の傾向を把握できるようになる。
【0071】
以上のように、遊技場用管理システム1を構成するパチンコ台2は、大当たり抽選結果を示唆する演出のパターンを表す演出情報を音響透かしに変換し、効果音に重畳させて出力可能である。遊技場用管理システム1は、効果音に重畳された音響透かしから演出情報を取得して演出の種類を特定して記憶する。
【0072】
この遊技場用管理システム1は、遊技者が遊技を終了した遊技終了時点から遡る所定期間内に実行された演出の種類を終了契機演出として特定して出力することが可能である。また、遊技場用管理システム1は、遊技者の顔画像から表情を特定可能であるため、遊技機が実行した演出の種類を対応付けて遊技者の表情を記憶し、出力することも可能である。
【0073】
この遊技場用管理システム1によれば、各演出が実行されたときの遊技者の表情、あるいは遊技の継続や終了を特定することにより、各演出に対して遊技者がどのような感情を抱くのか、あるいは遊技を止めようと考えるのか等についての分析が可能となっている。このような分析で得られる情報は、例えば、次の遊技機開発や、遊技者の遊技動向を把握するために極めて有用である。
【0074】
また、音響透かしを効果音に重畳して外部出力可能な遊技機によれば、外部出力端子を増設することなく、実行中の演出の種類を外部出力可能である。また、音響透かしへの変換や効果音への重畳等の処理についてはCPU251を備える主制御部25で処理可能であり、音響透かしを重畳した効果音はスピーカ231を介して出力可能である。音響透かしは、パチンコ台2が備える既存のハード構成により実現できる可能性が十分にあり、特別なハード構成を追加する必要性が少なくなっている。
【0075】
なお、本例の構成に代えて、あるいは加えて、以下のような構成を採用することも可能である。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
音響透かしを取得するためのマイクを遊技情報表示装置に設けたが、マイクの設置位置はこれに限定されない。遊技機から出力される音響透かしを取得可能な位置であればどこでもよい。
カメラについては、その設置位置は遊技者の顔画像を取得できる位置であればどこでもよいが、遊技機の側方で顔の高さ辺りに設置するのが好適である。
【0076】
中継装置は遊技機2台毎に1台ずつ設置したが、3台以上に対して1台ずつ設置するようにしてもよい。画像処理装置も同様に、対応するカメラの数は4つに限定されない。
遊技データの種類及び演出データの種類は例示であり、説明中で記載したものに限定されない。遊技機から受信する信号に基づいて様々な種類の遊技データ、演出データを算出することができる。
【0077】
終了契機演出を特定するための所定期間を遊技終了時点から5分前以内としたが、これに限定されず適宜設定することができる。
また、時間に代えてアウト玉数や図柄変動回数に基づいて所定期間を定めるようにしてもよい。
【0078】
遊技機としてパチンコ台2を例示したが、スロットマシンに対しても同様に適用することができる。スロットマシンの場合、遊技媒体(メダル、玉など)が投入された状態でスタート操作が行われたときに大当たり抽選を実行するとともにリールによる図柄変動を開始し、ストップ操作が行われたときにリールを停止させて入賞の有無を判定するというゲームが実行される。
【0079】
パチンコ台としては、入賞に応じて玉を払い出すタイプであっても良いし、ポイントを使用して玉を発射し入賞に応じてポイントが付与される、いわゆる封入式のパチンコ台であっても良い。スロットマシンとしては、メダルやコイン等を遊技媒体(遊技価値)として利用して遊技されるタイプであっても良いが、メダル等を使用せず遊技価値としてのポイントを使用して(賭けて)遊技でき、入賞したときにポイントが付与される、いわゆる完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。さらに、遊技媒体として玉を使用するパロット(登録商標)であっても良い。
【0080】
複数の遊技場に設置された管理装置から情報を収集して集計する遊技場外管理装置を設けるようにしてもよい。
演出別実行回数や演出別大当たり回数の演出データの集計や、演出別表情数や演出別終了契機回数等の集計等を、管理装置41が実行する構成を例示しているが、これらの集計を遊技情報表示装置3が実行し、集計結果を管理装置41で管理するように構成することも良い。
なお、本例の構成に代えて、あるいは加えて、遊技者の表情に対応する記号や図形などを出力することも良い。
【0081】
以上のごとく本発明の実施例を詳細に説明したが、これらの実施例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、実施例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して実施例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
【符号の説明】
【0082】
1 遊技場用管理システム
10 カメラ(顔画像取得手段)
100 画像処理装置(表情特定手段、認識情報出力手段)
2 パチンコ台(遊技機、大当たり抽選手段、演出パターン決定手段、演出実行手段、効果音出力手段、音響透かし出力手段)
22 特図始動口
21 特図表示部(抽選結果表示手段)
29 液晶表示部
25 主制御部
231 スピーカ
281 演出制御部
3 遊技情報表示装置(音響透かし取得手段、演出特定手段、遊技終了特定手段)
37 マイク
40 通信ネットワーク
41 管理装置(演出記憶手段、表情記憶手段、遊技終了特定手段、終了契機演出特定手段、終了契機回数算出手段、表情数算出手段、終了契機演出出力手段、終了契機回数出力手段、出力手段、表情数出力手段)
42 中継装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7