【文献】
Journal of Medicinal Chemistry,1964年,Vol.7, No.5,pp.671-673
【文献】
Chemical & Pharmaceutical Bulletin,1964年,Vol.12, No.11,pp.1271-1276
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0003】
新規な官能化核酸および核酸プロドラッグの合成のための方法を、本明細書に記載する。いくつかの実施形態において、核酸は、キラルなリン部分を含む。
【0004】
一実施形態は、構造IIIaのホスホロチオトリエステルの調製のためのプロセスであって、
i)構造IaのH−ホスホネートをシリル化試薬と反応させて、シリルオキシホスホネートをもたらすステップと、
ii)シリルオキシホスホネートを構造IIaのチオスルホネート試薬と反応させて、構造IIIaのホスホロチオトリエステルをもたらすステップと、を含み、
構造IaのH−ホスホネートは、次の構造:
【化1】
を有し、
式中、
Wは、独立して、O、S、NH、またはCH
2から選択され、
R
3は、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−P(O)(R
e)
2、−HP(O)(R
e)、−OR
a、または−SR
cであり、
Y
1は、O、NR
d、S、またはSeであり、
R
aは、ブロッキング基であり、
R
cは、ブロッキング基であり、
各場合のR
dは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アシル、置換シリル、カルバメート、−P(O)(R
e)
2、または−HP(O)(R
e)であり、
各場合のR
eは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
2−、アルケニル−Y
2−、アルキニル−Y
2−、アリール−Y
2−、もしくはヘテロアリール−Y
2−、またはNa
+1、Li
+1、もしくはK
+1であるカチオンであり、
Y
2は、O、NR
d、またはSであり、
各場合のR
4は、独立して、水素、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−OR
b、または−SR
cであり、R
bは、ブロッキング基であり、
各場合のBaは、独立して、ブロックまたは非ブロックのアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、または修飾核酸塩基であり、
R
5は、水素、ブロッキング基、固体支持体に結合した連結部分、または核酸に結合した連結部分であり、
nは、1〜約200であり、
構造IIaのチオスルホネート試薬は、次の構造:
【化2】
を有し、
式中、
Xは、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロアリールであり、
Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、またはR
1−R
2であり、
R
1は、−S−アルケニレン−、−S−アルキレン−、−S−アルキレン−アリール−アルキレン−、−S−CO−アリール−アルキレン−、または−S−CO−アルキレン−アリール−アルキレン−から選択され、
R
2は、ヘテロシクロ−アルキレン−S−、ヘテロシクロ−アルケニレン−S−、アミノアルキル−S−、または(アルキル)
4N−アルキレン−S−から選択され、
構造IIIaのホスホロチオトリエステルは、次の構造:
【化3】
を有し、
式中、
Wは、独立して、O、S、NH、またはCH
2から選択され、
Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、またはR
1−R
2であり、
R
1は、−S−アルケニレン−、−S−アルキレン−、−S−アルキレン−アリール−アルキレン−、−S−CO−アリール−アルキレン−、または−S−CO−アルキレン−アリール−アルキレン−から選択され、
R
2は、ヘテロシクロ−アルキレン−S−、ヘテロシクロ−アルケニレン−S−、アミノアルキル−S−、または(アルキル)
4N−アルキレン−S−から選択され、
R
3は、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−P(O)(R
e)
2、−HP(O)(R
e)、−OR
a、または−SR
cであり、
Y
1は、O、NR
d、S、またはSeであり、
R
aは、ブロッキング基であり、
R
cは、ブロッキング基であり、
各場合のR
dは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アシル、置換シリル、カルバメート、−P(O)(R
e)
2、または−HP(O)(R
e)であり、
各場合のR
eは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
2−、アルケニル−Y
2−、アルキニル−Y
2−、アリール−Y
2−、もしくはヘテロアリール−Y
2−、またはNa
+1、Li
+1、もしくはK
+1であるカチオンであり、
Y
2は、O、NR
d、またはSであり、
各場合のR
4は、独立して、水素、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−OR
b、または−SR
cであり、R
bは、ブロッキング基であり、
各場合のBaは、独立して、ブロックまたは非ブロックのアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、または修飾核酸塩基であり、
R
5は、水素、ブロッキング基、固体支持体に結合した連結部分、または核酸に結合した連結部分であり、
nは、1〜約200である、プロセスを提供する。
【0005】
別の実施形態は、構造IIIaのホスホロチオトリエステルの調製のためのプロセスであって、WはOである、プロセスを提供する。
【0006】
別の実施形態は、構造IIIaのホスホロチオトリエステルの調製のためのプロセスであって、R
1は、
【化4】
から選択され、
R
2は、
【化5】
から選択される、プロセスを提供する。
【0007】
別の実施形態は、構造IIIaのホスホロチオトリエステルの調製のためのプロセスであって、シリル化試薬は、
1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジフェニルジシラザン、
1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラフェニルジシラザン、
1−(トリメチルシリル)イミダゾール、
N−トリメチルシリル−N−メチルトリフルオロアセトアミド、
ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、
ブロモトリメチルシラン、
クロロジメチル(ペンタフルオロフェニル)シラン、
クロロトリエチルシラン、
クロロトリイソプロピルシラン、
クロロトリメチルシラン、
ジクロロジメチルシラン、
ヘキサメチルジシラザン、
N,N′−ビス(トリメチルシリル)尿素、
N,N−ビス(トリメチルシリル)メチルアミン、
N,N−ジメチルトリメチルシリルアミン、
N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、
N,O−ビス(トリメチルシリル)カルバメート、
N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、
N−メチル−N−(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、
N−メチル−N−トリメチルシリルアセトアミド、
N−メチル−N−トリメチルシリルヘプタフルオロブチルアミド、
N−tert−ブチルジメチルシリル−N−メチルトリフルオロアセトアミド、
N−メチル−N−トリメチルシリルヘプタフルオロブチルアミド、
トリメチルシリルトリフラート、
トリエチルシリルトリフラート、
トリイソプロピルシリルトリフラート、または
tert−ブチルジメチルシリルトリフラートから選択される、プロセスを提供する。
【0008】
別の実施形態は、シリル化試薬が、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、トリメチルシリルトリフラート、クロロトリメチルシラン、または1−(トリメチルシリル)イミダゾールから選択される、プロセスを提供する。
【0009】
別の実施形態は、シリル化試薬が、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミドから選択される、プロセスを提供する。
【0010】
別の実施形態は、H−ホスホネートが、固相に共有結合される、プロセスを提供する。
【0011】
一実施形態は、構造IIIbの非立体無作為性リン酸連結を含む、ホスホロチオトリエステルの調製のためのプロセスであって、
i)構造Ibの非立体無作為性リン酸連結を含むH−ホスホネートを、シリル化試薬と反応させて、シリルオキシホスホネートをもたらすステップと、
ii)シリルオキシホスホネートを、構造IIbのチオスルホネート試薬と反応させて、構造IIIbの非立体無作為性リン酸連結を含むホスホロチオトリエステルをもたらすステップと、を含み、
構造Ibの非立体無作為性リン酸連結を含むH−ホスホネートは、次の構造:
【化6】
を有し、
式中、
Wは、独立して、O、NH、またはCH
2から選択され、
R
3は、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−P(O)(R
e)
2、−HP(O)(R
e)、−OR
a、または−SR
cであり、
Y
1は、O、NR
d、S、またはSeであり、
R
aは、ブロッキング基であり、
R
cは、ブロッキング基であり、
各場合のR
dは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アシル、置換シリル、カルバメート、−P(O)(R
e)
2、または−HP(O)(R
e)であり、
各場合のR
eは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
2−、アルケニル−Y
2−、アルキニル−Y
2−、アリール−Y
2−、もしくはヘテロアリール−Y
2−、またはNa
+1、Li
+1、もしくはK
+1であるカチオンであり、
Y
2は、O、NR
d、またはSであり、
各場合のR
4は、独立して、水素、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−OR
b、または−SR
cであり、R
bは、ブロッキング基であり、
各場合のBaは、独立して、ブロックまたは非ブロックのアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、または修飾核酸塩基であり、
R
5は、水素、ブロッキング基、固体支持体に結合した連結部分、または核酸に結合した連結部分であり、
nは、1〜約200であり、
構造IIbのチオスルホネート試薬は、次の構造:
【化7】
を有し、
式中、
Xは、アルキル、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、またはR
1−R
2であり、
R
1は、−S−アルケニレン−、−S−アルキレン−、−S−アルキレン−アリール−アルキレン−、−S−CO−アリール−アルキレン−、または−S−CO−アルキレン−アリール−アルキレン−から選択され、
R
2は、ヘテロシクロ−アルキレン−S−、ヘテロシクロ−アルケニレン−S−、アミノアルキル−S−、または(アルキル)
4N−アルキレン−S−から選択され、
構造IIIbの非立体無作為性リン酸連結を含むキラルホスホロチオトリエステルは、次の構造:
【化8】
を有し、
式中、
Wは、独立して、O、NH、またはCH
2から選択され、
Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、またはR
1−R
2であり、
R
1は、−S−アルケニレン−、−S−アルキレン−、−S−アルキレン−アリール−アルキレン−、−S−CO−アリール−アルキレン−、または−S−CO−アルキレン−アリール−アルキレン−から選択され、
R
2は、ヘテロシクロ−アルキレン−S−、ヘテロシクロ−アルケニレン−S−、アミノアルキル−S−、または(アルキル)
4N−アルキレン−S−から選択され、
R
3は、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−P(O)(R
e)
2、−HP(O)(R
e)、−OR
a、または−SR
cであり、
Y
1は、O、NR
d、S、またはSeであり、
R
aは、ブロッキング基であり、
R
cは、ブロッキング基であり、
各場合のR
dは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アシル、置換シリル、カルバメート、−P(O)(R
e)
2、または−HP(O)(R
e)であり、
各場合のR
eは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
2−、アルケニル−Y
2−、アルキニル−Y
2−、アリール−Y
2−、もしくはヘテロアリール−Y
2−、またはNa
+1、Li
+1、もしくはK
+1であるカチオンであり、
Y
2は、O、NR
d、またはSであり、
各場合のR
4は、独立して、水素、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−OR
b、または−SR
cであり、R
bは、ブロッキング基であり、
各場合のBaは、独立して、ブロックまたは非ブロックのアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、または修飾核酸塩基であり、
R
5は、水素、ブロッキング基、固体支持体に結合した連結部分、または核酸に結合した連結部分であり、
nは、1〜約200である、プロセスを提供する。
【0012】
別の実施形態は、構造IIIbの非立体無作為性リン酸連結を含むホスホロチオトリエステルの調製のためのプロセスであって、WはOである、プロセスを提供する。
【0013】
別の実施形態は、構造IIIbの非立体無作為性リン酸連結を含むホスホロチオトリエステルの調製のためのプロセスであって、R
1は、
【化9】
から選択され、
R
2は、
【化10】
から選択される、プロセスを提供する。
【0014】
別の実施形態は、構造IIIbの非立体無作為性リン酸連結を含むホスホロチオトリエステルの調製のためのプロセスであって、シリル化試薬は、
1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジフェニルジシラザン、
1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラフェニルジシラザン、
1−(トリメチルシリル)イミダゾール、
N−トリメチルシリル−N−メチルトリフルオロアセトアミド、
ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、
ブロモトリメチルシラン、
クロロジメチル(ペンタフルオロフェニル)シラン、
クロロトリエチルシラン、
クロロトリイソプロピルシラン、
クロロトリメチルシラン、
ジクロロジメチルシラン、
ヘキサメチルジシラザン、
N,N′−ビス(トリメチルシリル)尿素、
N,N−ビス(トリメチルシリル)メチルアミン、
N,N−ジメチルトリメチルシリルアミン、
N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、
N,O−ビス(トリメチルシリル)カルバメート、
N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、
N−メチル−N−(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、
N−メチル−N−トリメチルシリルアセトアミド、
N−メチル−N−トリメチルシリルヘプタフルオロブチルアミド、
N−tert−ブチルジメチルシリル−N−メチルトリフルオロアセトアミド、
N−メチル−N−トリメチルシリルヘプタフルオロブチルアミド、
トリメチルシリルトリフラート、
トリエチルシリルトリフラート、
トリイソプロピルシリルトリフラート、または
tert−ブチルジメチルシリルトリフラートから選択される、プロセスを提供する。
【0015】
別の実施形態は、シリル化試薬が、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、トリメチルシリルトリフラート、クロロトリメチルシラン、または1−(トリメチルシリル)イミダゾールから選択される、プロセスを提供する。
【0016】
別の実施形態は、シリル化試薬が、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミドから選択される、プロセスを提供する。
【0017】
別の実施形態は、H−ホスホネートが、固相に共有結合される、プロセスを提供する。
【0018】
一実施形態は、構造IIIcのホスホロチオトリエステルの調製のためのプロセスであって、
i)構造IcのH−ホスホネートを、シリル化試薬と反応させて、シリルオキシホスホネートをもたらすステップと、
ii)シリルオキシホスホネートを、構造IVcのビス(チオスルホネート)試薬と反応させて、構造Vcのチオスルホネート基を含むホスホロチオトリエステルをもたらすステップと、
iii)構造Vcのチオスルホネート基を含むホスホロチオトリエステルを、構造VIcの求核試薬と反応させて、構造IIIcのホスホロチオトリエステルをもたらすステップと、を含み、
構造IcのH−ホスホネートは、次の構造:
【化11】
を有し、
式中、
Wは、独立して、O、S、NH、またはCH
2から選択され、
R
3は、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、P(O)(R
e)
2、−HP(O)(R
e)、−OR
a、または−SR
cであり、
Y
1は、O、NR
d、S、またはSeであり、
R
aは、ブロッキング基であり、
R
cは、ブロッキング基であり、
各場合のR
dは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アシル、置換シリル、カルバメート、−P(O)(R
e)
2、または−HP(O)(R
e)であり、
各場合のR
eは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
2−、アルケニル−Y
2−、アルキニル−Y
2−、アリール−Y
2−、もしくはヘテロアリール−Y
2−、またはNa
+1、Li
+1、もしくはK
+1であるカチオンであり、
Y
2は、O、NR
d、またはSであり、
各場合のR
4は、独立して、水素、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−OR
b、または−SR
cであり、R
bは、ブロッキング基であり、
各場合のBaは、独立して、ブロックまたは非ブロックのアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、または修飾核酸塩基であり、
R
5は、水素、ブロッキング基、固体支持体に結合した連結部分、または核酸に結合した連結部分であり、
nは、1〜約200であり、
構造IVcのビス(チオスルホネート)試薬は、次の構造:
【化12】
を有し、
式中、
Xは、アルキレン、アルケニレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
各R
6は、独立して、アルキル、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
構造VIcの求核試薬は、次の構造:
R
7−SHを有し、式中、R
7は、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロシクロ、アミノアルキル、または(ヘテロシクロ)アルキルから選択され、
構造IIIcのホスホロチオトリエステルは、次の構造:
【化13】
を有し、
式中、
Wは、独立して、O、S、NH、またはCH
2から選択され、
Rは、R
7−S−S−X−であり、
R
7は、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロシクロ、アミノアルキル、または(ヘテロシクロ)アルキルであり、
Xは、アルキレン、アルケニレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
R
3は、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−P(O)(R
e)
2、−HP(O)(R
e)、−OR
a、または−SR
cであり、
Y
1は、O、NR
d、S、またはSeであり、
R
aは、ブロッキング基であり、
R
cは、ブロッキング基であり、
各場合のR
dは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アシル、置換シリル、カルバメート、−P(O)(R
e)
2、または−HP(O)(R
e)であり、
各場合のR
eは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
2−、アルケニル−Y
2−、アルキニル−Y
2−、アリール−Y
2−、もしくはヘテロアリール−Y
2−、またはNa
+1、Li
+1、もしくはK
+1であるカチオンであり、
Y
2は、O、NR
d、またはSであり、
各場合のR
4は、独立して、水素、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−OR
b、または−SR
cであり、R
bは、ブロッキング基であり、
各場合のBaは、独立して、ブロックまたは非ブロックのアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、または修飾核酸塩基であり、
R
5は、水素、ブロッキング基、固体支持体に結合した連結部分、または核酸に結合した連結部分であり、
nは、1〜約200であり、
構造IcのH−ホスホネートのリン酸連結は、ホスホロチオトリエステルが構造Vcのチオスルホネート基を含み、構造IIIcのホスホロチオトリエステルが、任意で、非立体無作為性リン酸連結を含んでもよい、プロセスを提供する。
【0019】
別の実施形態は、構造IIIbのホスホロチオトリエステルが、非立体無作為性リン酸連結を含み、構造IcのH−ホスホネートが、非立体無作為性リン酸連結を含み、Wが、独立して、O、NH、またはCH
2から選択される、プロセスを提供する。別の実施形態は、WがOであるプロセスを提供する。
【0020】
別の実施形態は、R
6がメチルであるプロセスを提供する。
【0021】
別の実施形態は、構造IVcのビス(チオスルホネート)試薬が、
【化14】
から選択される、プロセスを提供する。
【0022】
別の実施形態は、構造VIcの求核試薬が、次の構造:
【化15】
を有する、プロセスを提供する。
【0023】
別の実施形態は、構造IIIaのホスホロチオトリエステルの調製のためのプロセスであって、シリル化試薬が、
1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジフェニルジシラザン、
1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラフェニルジシラザン、
1−(トリメチルシリル)イミダゾール、
N−トリメチルシリル−N−メチルトリフルオロアセトアミド、
ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、
ブロモトリメチルシラン、
クロロジメチル(ペンタフルオロフェニル)シラン、
クロロトリエチルシラン、
クロロトリイソプロピルシラン、
クロロトリメチルシラン、
ジクロロジメチルシラン、
ヘキサメチルジシラザン、
N,N′−ビス(トリメチルシリル)尿素、
N,N−ビス(トリメチルシリル)メチルアミン、
N,N−ジメチルトリメチルシリルアミン、
N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、
N,O−ビス(トリメチルシリル)カルバメート、
N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、
N−メチル−N−(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、
N−メチル−N−トリメチルシリルアセトアミド、
N−メチル−N−トリメチルシリルヘプタフルオロブチルアミド、
N−tert−ブチルジメチルシリル−N−メチルトリフルオロアセトアミド、
N−メチル−N−トリメチルシリルヘプタフルオロブチルアミド、
トリメチルシリルトリフラート、
トリエチルシリルトリフラート、
トリイソプロピルシリルトリフラート、または
tert−ブチルジメチルシリルトリフラートから選択される、プロセスを提供する。
【0024】
別の実施形態は、シリル化試薬が、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、トリメチルシリルトリフラート、クロロトリメチルシラン、または1−(トリメチルシリル)イミダゾールから選択される、プロセスを提供する。
【0025】
別の実施形態は、シリル化試薬が、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミドから選択される、プロセスを提供する。
【0026】
別の実施形態は、H−ホスホネートが固相に共有結合される、プロセスを提供する。
参照による組み込み
【0027】
本明細書に記載される全ての出版物および特許出願は、各個々の出版物または特許出願が、具体的かつ個別に参照によって組み込まれることが示されるのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
別段の記述がない限り、本明細書および特許請求の範囲を含む、本願で使用される以下の用語は、以下に提供される定義を有する。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される際、単数形「1つの(a)」、「1つのan)」、および「その(the)」は、文脈によりそうでないことが明確に示されない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。別段の指定がない限り、質量分析、NMR,HPLC,タンパク質化学、生化学、組み換えDNA技術、および薬理学の従来的な方法を利用する。本願において、「または」または「および」の使用は、別段の記述がない限り、「および/または」を意味する。さらに、「含む(including)」という用語、ならびに「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含まれる(included)」といった他の形態の使用は、限定するものではない。
特定の化学用語
【0031】
別段に示されない限り、「アルキル」、「アミン」、「アリール」等であるがこれらに限定されない、一般的な化学用語の使用は、非置換である。
【0032】
本明細書で使用される際、C
1−C
xは、C
1−C
2、C
1−C
3、...C
1−C
xを含む。単なる例として、「C
1−C
4」と指定された基は、その部分に1〜4個の炭素原子が存在すること、すなわち、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、または4個の炭素原子、ならびにC
1−C
2およびC
1−C
3の範囲を含む基を示す。したがって、単なる例として、「C
1−C
4アルキル」は、アルキル基中に1〜4個の炭素原子が存在することを示し、すなわち、アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、およびt−ブチルの中から選択される。本明細書中に現れる場合は常に、「1〜10」等の数値範囲は、与えられた範囲内の各整数を指し、例えば、「1〜10個の炭素原子」は、その基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子、6個の炭素原子、7個の炭素原子、8個の炭素原子、9個の炭素原子、または10個の炭素原子を有し得ることを意味する。
【0033】
本明細書に使用される「ヘテロ原子」または「ヘテロ」という用語は、単独または組み合わせで、炭素または水素以外の原子を指す。ヘテロ原子は、独立して、酸素、窒素、硫黄、リン、シリコン、セレン、およびスズの中から選択され得るが、これらの原子に限定されない。2つ以上のヘテロ原子が存在する実施形態において、2つ以上のヘテロ原子は、互いに同じであってもよく、または2つ以上のヘテロ原子のうちのいくつかもしくは全てが、それぞれ、他と異なるものであってもよい。
【0034】
本明細書に使用される「アルキル」という用語は、単独または組み合わせで、1〜約10個の炭素原子、または1〜6個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素モノラジカルを指す。例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−3−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−アミルおよびへキシル、ならびにヘプチル、オクチル等のより長いアルキル基が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中に現れる場合は常に、「C
1−C
6アルキル」または「C
1−6アルキル」等の数値範囲は、アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子、または6個の炭素原子からなり得ることを意味する。一実施形態において、「アルキル」は、置換される。別段に示されない限り、「アルキル」は、非置換である。
【0035】
本明細書に使用される「アルケニル」という用語は、単独または組み合わせで、1つ以上の炭素−炭素二重結合を有し、2〜約10個の炭素原子または2〜約6個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素モノラジカルを指す。この基は、二重結合(複数可)に関して、シスまたはトランスのいずれかの配座であり得、両方の異性体を含むと理解されるべきである。例としては、エテニル(−CH=CH
2)、1−プロペニル(−CH
2CH=CH
2)、イソプロペニル[−C(CH
3)=CH
2]、ブテニル、1,3−ブタジエニル等が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中に現れる場合は常に、「C
2−C
6アルケニル」または「C
2−6アルケニル」等の数値範囲は、アルケニル基が、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子、または6個の炭素原子からなり得ることを意味する。一実施形態において、「アルケニル」は、置換される。別段の指定がない限り、「アルケニル」は、非置換である。
【0036】
本明細書に使用される「アルキニル」という用語は、単独または組み合わせで、1つ以上の炭素−炭素三重結合を有し、2〜約10個の炭素原子または2〜約6個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素モノラジカルを指す。例としては、エチニル、2−プロピニル、2−ブチニル、1,3−ブタジイニル等が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中に現れる場合は常に、「C
2−C
6アルキニル」または「C
2−6アルキニル」等の数値範囲は、アルキル基が、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子、または6個の炭素原子からなり得ることを意味する。一実施形態において、「アルキニル」は、置換される。別段の指定がない限り、「アルキニル」は、非置換である。
【0037】
本明細書に使用される「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、および「ヘテロアルキニル」という用語は、単独または組み合わせで、骨格鎖炭素原子(および必要に応じて任意の結合した水素原子)のうちの1つ以上が、それぞれ独立して、ヘテロ原子(すなわち、酸素、窒素、硫黄、シリコン、リン、スズ等、もしくはそれらの組み合わせであるが、これらに限定されない、炭素以外の原子)、または−O−O−、−S−S−、−O−S−、−S−O−、=N−N=、−N=N−、−N=N−NH−、−P(O)
2−、−O−P(O)
2−、−P(O)
2−O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−SnH
2−等であるがこれらに限定されないヘテロ原子基で、置き換えられた、それぞれ、上に記載されるアルキル、アルケニル、およびアルキニル構造を指す。
【0038】
本明細書で使用される「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」、および「ハロアルキニル」という用語は、単独または組み合わせで、1つ以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子、またはそれらの組み合わせで置き換えられた、それぞれ、上に定義されるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基を指す。いくつかの実施形態では、2つ以上の水素原子は、互いに同じであるハロゲン原子で置き換えられてもよく(例えば、ジフルオロメチル)、他の実施形態では、2つ以上の水素原子は、互いに全てが同じではないハロゲン原子で置き換えられてもよい(例えば、1−クロロ−1−フルオロ−1−ヨードエチル)。ハロアルキル基の非限定的な例は、フルオロメチル、クロロメチル、およびブロモエチルである。ハロアルケニル基の非限定的な例は、ブロモエテニルである。ハロアルキニル基の非限定的な例は、クロロエチニルである。
【0039】
本明細書で使用される「炭素鎖」という用語は、単独または組み合わせで、直鎖、環状、またはそれらの任意の組み合わせである、任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニル基を指す。鎖が、リンカーの一部であり、リンカーが、主骨格の一部として1つ以上の環を含む場合、鎖長を計算する目的で、「鎖」は、所与の環の底部または頂部を構成し、その両方ではない炭素原子のみを含み、環(複数可)の頂部および底部の長さが同じではない場合、より短い距離を、鎖長の判定に使用するものとする。鎖が、骨格の一部としてヘテロ原子を含む場合、それらの原子は、炭素鎖長の一部として計算されない。
【0040】
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、単独または組み合わせで、3〜約15個または3〜約10個の環炭素原子を含む、飽和炭化水素モノラジカル環を指すが、追加の非環炭素原子を置換基として含んでもよい(例えば、メチルシクロプロピル)。本明細書中に現れる場合は常に、「C
3−C
6シクロアルキル」または「C
3−6シクロアルキル」等の数値範囲は、シクロアルキル基が、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子、または6個の炭素原子からなり得る、すなわち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘプチルであることを意味するが、本定義は、数値範囲が指定されない「シクロアルキル」という用語の存在もまた含む。この用語は、縮合、非縮合、架橋、およびスピロラジカルを含む。縮合シクロアルキルは、2〜4個の縮合環を含み得、ここで、結合環はシクロアルキル環であり、他の個々の環は、脂環式、複素環式、芳香族、複素芳香族、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。例としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロへキシル、デカリニル(decalinyl)、ならびにビシクロ[2.2.1]ヘプチルおよびアダマンチル環系が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な例には、次の部分:
【化16】
等が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、「シクロアルキル」は、置換される。別段の指定がない限り、「シクロアルキル」は、非置換である。
【0041】
本明細書に使用される「非芳香族ヘテロシクリル」および「ヘテロアシクリル」という用語は、単独または組み合わせで、3〜約20個の環原子を含む、飽和、部分不飽和、または完全不飽和の非芳香族環モノラジカルを指し、環原子のうちの1つ以上は、独立して、酸素、窒素、硫黄、リン、シリコン、セレン、およびスズの中から選択されるが、これらに限定されない、炭素以外の原子である。環に2つ以上のヘテロ原子が存在する実施形態においては、2つ以上のヘテロ原子は、互いに同じであってもよく、または2つ以上のヘテロ原子のうちのいくつかまたは全てが、それぞれ、他のものと異なってもよい。この用語は、縮合、非縮合、架橋、およびスピロラジカルを含む。縮合非芳香族複素環式ラジカルは、2〜4個の縮合環を含み得、ここで、結合環は非芳香族複素環であり、他の個々の環は、脂環式、複素環式、芳香族、複素芳香族、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。縮合環系は、単結合または二重結合にわたって、ならびに、炭素−炭素、炭素−ヘテロ原子、またはヘテロ原子−ヘテロ原子の結合にわたって、縮合され得る。この用語はまた、3〜約12個の骨格環原子を有するラジカル、ならびに、3〜約10個の骨格環原子を有するものを含む。非芳香族複素環式サブユニットのその親分子への結合は、ヘテロ原子または炭素原子を介してもよい。同様に、追加の置換は、ヘテロ原子または炭素原子を介してもよい。非限定的な例として、イミダゾリジン非芳香族複素環は、親分子に、そのN原子(イミダゾリジン−1−イルもしくはイミダゾリジン−3−イル)またはその炭素原子のうちの任意のもの(イミダゾリジン−2−イル、イミダゾリジン−4−イル、もしくはイミダゾリジン−5−イル)のいずれかを介して、結合することができる。ある特定の実施形態において、非芳香族複素環は、例えば、オキソ−およびチオ−含有基等、1つ以上のカルボニルまたはチオカルボニル基を含む。例としては、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、モホピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、3H−インドリル、およびキノリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。非芳香族複素環とも称されるヘテロシクロアルキル基の例示的な例には、
【化17】
等が挙げられる。
【0042】
これらの用語はまた、炭水化物の全ての環形態を含み、単糖、二糖、およびオリゴ糖が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態において、「非芳香族ヘテロシクリル」または「ヘテロアリシクリル」は、置換される。別段の指定がない限り、「非芳香族ヘテロシクリル」または「ヘテロアリシクリル」は、非置換である。
【0043】
本明細書に使用される「アリール」という用語は、単独または組み合わせで、6〜約20個の環炭素原子の芳香族炭化水素ラジカルを指し、縮合および非縮合アリール環を含む。縮合アリール環ラジカルは、2〜4個の縮合環を含み、ここで、結合環はアリール環であり、他の個々の環は、脂環式、複素環式、芳香族、複素芳香族、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。さらに、アリールという用語には、6〜約12個の環炭素原子を含む縮合および非縮合環、ならびに6〜約10個の環炭素原子を含むものが含まれる。単環アリール基の非限定的な例には、フェニルが含まれ、縮合環アリール基には、ナフチル、フェナントレニル、アントラセニル、アズレニルが含まれ、非縮合ビアリール基には、ビフェニルが含まれる。一実施形態において、「アリール」は、置換される。別段の指定がない限り、「アリール」は、非置換である。
【0044】
本明細書に使用される「ヘテロアリール」という用語は、単独または組み合わせで、約5〜約20個の骨格環原子を含む芳香族モノラジカルを指し、環原子のうちの1つ以上は、独立して、酸素、窒素、硫黄、リン、シリコン、セレン、およびスズの中から選択されるが、これらの原子に限定されないヘテロ原子であり、ただし、前記基の環が、2つの隣接するOまたはS原子を含まないことを条件とする。環に2つ以上のヘテロ原子が存在する実施形態においては、2つ以上のヘテロ原子は、互いに同じであってもよく、または2つ以上のヘテロ原子のうちのいくつかまたは全てが、それぞれ、他のものと異なってもよい。ヘテロアリールという用語は、少なくとも1つのヘテロ原子を有する縮合および非縮合ヘテロアリールラジカルを含む。ヘテロアリールという用語はまた、5〜約12個の骨格環原子を有する縮合および非縮合ヘテロアリール、ならびに5〜約10個の骨格環原子を有するものを含む。ヘテロアリール基への結合は、炭素原子またはヘテロ原子を介してもよい。したがって、非限定的な例として、イミダゾール基は、その炭素原子のうちの任意のもの(イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、もしくはイミダゾール−5−イル)、またはその窒素原子(イミダゾール−1−イルもしくはイミダゾール−3−イル)を介して親分子に結合され得る。同様に、ヘテロアリール基は、その炭素原子のうちのいずれかもしくは全て、および/またはそのヘテロ原子のうちのいずれかもしくは全てを介して、さらに置換されてもよい。縮合ヘテロアリールラジカルは、2〜4個の縮合環を含み、ここで、結合環は複素芳香族環であり、他の個々の環は、脂環式、複素環式、芳香族、複素芳香族、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。単環ヘテロアリール基の非限定的な例にはピリジルが挙げられ、縮合環ヘテロアリール基には、ベンズイミダゾリル、キノリニル、アクリジニルが挙げられ、非縮合ビヘテロアリール基には、ビピリジニルが挙げられる。ヘテロアリールのさらなる例には、限定されることなく、フラニル、チエニル、オキサゾリル、アクリジニル、フェナジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾキサジアゾリル(benzoxadiazolyl)、ベンゾトリアゾリル、イミダゾリル、インドリル、イソオキサゾリル、イソキノリニル、インドリジニル、イソチアゾリル、イソインドリルオキサジアゾリル、インダゾリル、ピリジル、ピリダジル、ピリミジル、ピラジニル、ピロリル、ピラジニル、ピラゾリル、プリニル、フタラジニル、プテリジニル、キノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、トリアジニル、チアジアゾリル等、および例えばピリジル−N−オキシド等、それらのオキシドが挙げられる。ヘテロアリール基の例示的な例には、次の部分:
【化18】
等が挙げられる。
一実施形態において、「ヘテロアリール」は、置換される。別段の指定がない限り、「ヘテロアリール」は、非置換である。
【0045】
本明細書に使用される「ヘテロシクリル」という用語は、単独または組み合わせで、ヘテロアリシクリルおよびヘテロアリール基を集合的に指す。本明細書では、複素環中の炭素原子の数が示される場合(例えば、C
1−C
6複素環)は常に、少なくとも1つの非炭素原子(ヘテロ原子)が環に存在しなければならない。「C
1−C
6複素環」等の表記は、環の炭素原子の数のみを指し、環内の原子の総数を示すものではない。「4〜6員複素環」等の指定は、環に含まれる原子の総数を指す(すなわち、少なくとも1つの原子が炭素原子であり、少なくとも1つの原子がヘテロ原子であり、残りの2〜4個の原子が、炭素原子またはヘテロ原子のいずれかである、4、5、または6員環)。2つ以上のヘテロ原子を有する複素環については、それらの2つ以上のヘテロ原子は、互いに同じかまたは異なってもよい。非芳香族複素環式基は、環内に3個の原子のみを有する基を含むが、芳香族複素環式基は、環内に少なくとも5個の原子を有する必要がある。複素環への結合(すなわち、親分子への結合またはさらなる置換)は、ヘテロ原子または炭素原子を介してもあってもよい。一実施形態において、「ヘテロシクリル」は、置換される。別段の指定がない限り、「ヘテロシクリル」は、非置換である。
【0046】
本明細書に使用される「ハロゲン」、「ハロ」、または「ハロゲン化物」という用語は、単独または組み合わせで、フルオロ、クロロ、ブロモ、および/またはヨードを指す。
【0047】
化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩は、1つ以上の不斉中心を含んでもよく、したがって、エナンチオマー、ジアステレオマー、および(R)−または(S)−等、絶対立体化学に関して定義することができる他の立体異性体形態をもたらし得る。本明細書に記載される化合物が、オレフィン二重結合または他の幾何学的不斉中心を含む場合、そうでないことが示されない限り、化合物は、ZおよびE両方の幾何異性体(例えば、シスまたはトランス)を含むことが意図される。同様に、全ての可能性のある異性体、ならびにそれらのラセミ形態および光学的に純粋な形態、ならびに全ての互変異性体形態もまた、含まれることが意図される。
【0048】
「立体異性体」は、同じ結合によって結合された同じ原子で構成されるが、異なる3次元構造を有し、重ね合わせることができない、2つ以上の化合物間の関係を指す。「エナンチオマー」という用語は、重ね合わせることができない互いの鏡像である、2つの立体異性体を指す。本明細書に開示される化合物の種々の立体異性体、およびそれらの混合物は、本開示の範囲内であり、特に、エナンチオマーを含むことが企図される。
【0049】
「互変異性体」は、分子の1つの原子から同じ分子の別の原子へのプロトン移動が可能な化合物を指す。本明細書に提示される化合物は、互変異性体として存在してもよい。互変異性化が可能である溶液中では、互変異性体の化学均衡が存在することになる。互変異性体の正確な比率は、温度、溶媒、およびpHを含む、複数の因子に依存する。互変異性平衡のいくつかの例を、以下に示す。
【化19】
【0050】
本明細書に使用される「非立体無作為性リン酸連結(複数可)」という用語は、ホスホジエステル、または他の等比体積連結型であるヌクレオチド間連結中のキラルなリン原子を指す。1つを上回るヌクレオチド間リン酸連結を含む実施形態については、リンにおけるキラリティの掌性は、独立して、各リン原子で選択される。一実施形態において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、純粋なジアステレオマーである。別の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、ジアステレオマー純度が95%を上回る。別の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、ジアステレオマー純度が90%を上回る。
【0051】
「任意な」または「任意に」とは、続いて記載される事象または状況が、発生してもよく、または発生しなくてもよいこと、ならびに、説明には、事象または状況が発生する場合の例、およびそれが発生しない場合の例が含まれることを意味する。例えば、「任意に置換されたアルキル」とは、アルキルラジカルが、置換されてもされなくてもよいこと、ならびに説明には、置換されたアリールラジカルおよび置換を有さないアリールラジカルの両方が含まれることを意味する。
特定の核酸に関する用語
【0052】
天然核酸は、リン酸骨格を有し、人工核酸は、他の種類の骨格を含み得るが、同じ塩基を含む。
【0053】
本明細書に使用される「ヌクレオチド」という用語は、複素環塩基、糖、および1つ以上のリン酸基からなるポリヌクレオチドのモノマー単位を指す。天然に存在する塩基(グアニン(G)、アデニン(A)、シトシン(C)、チミン(T)、およびウラシル(U))は、プリンまたはピリミジンの誘導体であるが、天然および非天然の塩基類似体もまた含まれることを理解されたい。天然に存在する糖は、ペントース(5炭糖)デオキシリボース(DNAを形成する)またはリボース(RNAを形成する)であるが、天然および非天然の糖類似体もまた含まれることを理解されたい。核酸は、リン酸結合を介して連結されて核酸またはポリヌクレオチドを形成するが、多数の他の連結が当該技術分野で既知である(例えば、限定されないが、ホスホロチオエート、ボラノホスフェート等)。人工核酸は、PNA(ペプチド核酸)、ホスホチオネート、および天然核酸のリン酸骨格の他の変異体を含む。
【0054】
「ヌクレオシド」という用語は、核酸塩基または修飾核酸塩基が、糖または修飾糖に共有結合された部分を指す。
【0055】
「糖」という用語は、閉および/または開形態にある単糖を指す。糖には、リボース、デオキシリボース、ペントフラノース、およびヘキソピラノース部分が含まれるが、これらに限定されない。
【0056】
「修飾糖」という用語は、糖と置き換えることができる部分を指す。修飾糖は、糖の空間配置、電子特性、または何らかの他の物理化学特性を模倣する。
【0057】
本明細書に使用される「核酸」および「ポリヌクレオチド」という用語は、リボヌクレオチド(RNA)またはデオキシリボヌクレオチド(DNA)のいずれかの任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。これらの用語は、分子の一次構造を指し、したがって、二本鎖および一本鎖DNA、ならびに二本鎖および一本鎖RNAが含まれる。これらの用語は、同等物として、メチル化および/またはキャッピングしたポリヌクレオチド等であるがこれらに限定されない、ヌクレオチド類似体および修飾ポリヌクレオチドから形成されたRNAまたはDNAのいずれかの類似体を含む。これらの用語は、ポリまたはオリゴリボヌクレオチド(RNA)およびポリまたはオリゴデオキシリボヌクレオチド(DNA);核酸塩基および/または修飾核酸塩基のN−グリコシドまたはC−グリコシドに由来するRNAまたはDNA;糖および/または修飾糖に由来する核酸;ならびに、リン酸架橋および/または修飾リン原子架橋に由来する核酸を包含する。これらの用語は、核酸塩基、修飾核酸塩基、糖、修飾糖、リン酸架橋、または修飾リン原子架橋の任意の組み合わせを含む核酸を包含する。例としては、リボース部分を含む核酸、デオキシリボース部分を含む核酸、リボースおよびデオキシリボース両方の部分を含む核酸、リボースおよび修飾リボース部分を含む核酸が挙げられるがこれらに限定されない。接頭辞ポリとは、約1〜約10,000ヌクレオチドモノマー単位を含む核酸を指し、接頭辞オリゴとは、約1〜約200ヌクレオチドモノマー単位を含む核酸を指す。
【0058】
「核酸塩基」という用語は、配列特異的な方式で、1つの核酸鎖を別の相補鎖に結合させる水素結合に関与する核酸の部分を指す。最も一般的な天然に存在する核酸塩基は、アデニン(A)、グアニン(G)、ウラシル(U)、シトシン(C)、およびチミン(T)である。
【0059】
「修飾核酸塩基」という用語は、核酸塩基と置き換えることができる部分を指す。修飾核酸塩基は、核酸塩基の空間配置、電子特性、または何らかの他の物理化学特性を模倣し、配列特異的な方式で、1つの核酸鎖を別のものに結合させる水素結合の特性を保持する。修飾核酸塩基は、融解挙動、細胞内酵素による認識、またはオリゴヌクレオチド二本鎖の活性に影響を及ぼすことなく、5つの天然に存在する塩基(ウラシル、チミン、アデニン、シトシン、またはグアニン)の全てと対形成することができる。
【0060】
「キラル試薬」という用語は、キラルまたはエナンチオピュアであり、核酸合成の不斉誘導に使用することができる化合物を指す。
【0061】
「キラルリガンド」または「キラル補助基」という用語は、キラルまたはエナンチオピュアであり、反応の立体化学的結果を制御する部分を指す。
【0062】
縮合反応において、「縮合試薬」という用語は、反応性の低い部位を活性化し、求核試薬による攻撃をより受けやすくする試薬を指す。
【0063】
「ブロッキング基」という用語は、官能基の反応性を一時的に遮蔽する基を指す。官能基は、その後、ブロッキング基の除去によって脱遮蔽することができる。
【0064】
「部分」という用語は、分子の特定のセグメントまたは官能基を指す。化学的部分は、しばしば、分子内に埋め込まれるか、またはそこに付加された化学的実体と認識される。
【0065】
「固体支持体」という用語は、核酸の合成大量生成を可能にし、必要時に再利用することができる任意の支持体を指す。本明細書に使用される際、この用語は、核酸を合成するために実行される反応ステップに利用される媒体に不溶性であり、反応基を含むように誘導体化されるポリマーを指す。
【0066】
「連結部分」という用語は、任意で、末端ヌクレオシドと固体支持体の間、または末端ヌクレオシドと別のヌクレオシド、ヌクレオチド、もしくは核酸との間に配置される、任意の部分を指す。
【0067】
「DNA分子」とは、一本鎖形態または二本鎖へリックスのいずれかの状態にあるデオキシリボヌクレオチド(アデニン、グアニン、チミン、もしくはシトシン)のポリマー形態を指す。この用語は、分子の一次および二次構造のみを指し、それをいずれの特定の三次形態にも限定するものではない。したがって、この用語は、とりわけ、直鎖DNA分子(例えば、制限フラグメント)、ウイルス、プラスミド、および染色体中に見られる二本鎖DNAを含む。特定の二本鎖DNA分子の構造について論じる際、配列は、DNAの非転写鎖(すなわち、mRNAに相同な配列を有する鎖)に沿って、5’から3’への方向の配列のみを提供する通常の慣例に従って本明細書に記載することができる。
【0068】
本明細書に使用される際、「アンチセンス」核酸分子は、タンパク質をコードする「センス」核酸に相補的である、例えば、二本鎖cDNA分子のコード鎖に相補的、mRNA配列に相補的、または遺伝子のコード配列に相補的である、ヌクレオチド配列を含む。したがって、アンチセンス核酸分子は、センス核酸分子に水素結合することができる。
【0069】
本明細書に使用される際、「相補的DNA」または「cDNA」は、mRNAの逆転写によって合成された組み換えポリヌクレオチド、およびそこから介在配列(イントロン)が除去されたものを含む。
新規な官能化核酸および核酸プロドラッグの調製のための合成方法
【0070】
新規な官能化核酸および核酸プロドラッグの合成のための方法を本明細書に記載する。いくつかの実施形態において、核酸は、キラルなリン部分を含む。
【0071】
一実施形態は、構造IIIaのホスホロチオトリエステルの調製のためのプロセスであって、
i)構造IaのH−ホスホネートをシリル化試薬と反応させて、シリルオキシホスホネートをもたらすステップと、
ii)シリルオキシホスホネートを構造IIaのチオスルホネート試薬と反応させて、構造IIIaのホスホロチオトリエステルをもたらすステップと、を含み、
構造IaのH−ホスホネートは、次の構造:
【化20】
を有し、
式中、
Wは、独立して、O、S、NH、またはCH
2から選択され、
R
3は、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−P(O)(R
e)
2、−HP(O)(R
e)、−OR
a、または−SR
cであり、
Y
1は、O、NR
d、S、またはSeであり、
R
aは、ブロッキング基であり、
R
cは、ブロッキング基であり、
各場合のR
dは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アシル、置換シリル、カルバメート、−P(O)(R
e)
2、または−HP(O)(R
e)であり、
各場合のR
eは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
2−、アルケニル−Y
2−、アルキニル−Y
2−、アリール−Y
2−、もしくはヘテロアリール−Y
2−、またはNa
+1、Li
+1、もしくはK
+1であるカチオンであり、
Y
2は、O、NR
d、またはSであり、
各場合のR
4は、独立して、水素、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−OR
b、または−SR
cであり、R
bは、ブロッキング基であり、
各場合のBaは、独立して、ブロックまたは非ブロックのアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、または修飾核酸塩基であり、
R
5は、水素、ブロッキング基、固体支持体に結合した連結部分、または核酸に結合した連結部分であり、
nは、1〜約200であり、
構造IIaのチオスルホネート試薬は、次の構造:
【化21】
を有し、
式中、
Xは、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロアリールであり、
Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、またはR
1−R
2であり、
R
1は、−S−アルケニレン−、−S−アルキレン−、−S−アルキレン−アリール−アルキレン−、−S−CO−アリール−アルキレン−、または−S−CO−アルキレン−アリール−アルキレン−から選択され、
R
2は、ヘテロシクロ−アルキレン−S−、ヘテロシクロ−アルケニレン−S−、アミノアルキル−S−、または(アルキル)
4N−アルキレン−S−から選択され、
構造IIIaのホスホロチオトリエステルは、次の構造:
【化22】
を有し、
式中、
Wは、独立して、O、S、NH、またはCH
2から選択され、
Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、またはR
1−R
2であり、
R
1は、−S−アルケニレン−、−S−アルキレン−、−S−アルキレン−アリール−アルキレン−、−S−CO−アリール−アルキレン−、または−S−CO−アルキレン−アリール−アルキレン−から選択され、
R
2は、ヘテロシクロ−アルキレン−S−、ヘテロシクロ−アルケニレン−S−、アミノアルキル−S−、または(アルキル)
4N−アルキレン−S−から選択され、
R
3は、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−P(O)(R
e)
2、−HP(O)(R
e)、−OR
a、または−SR
cであり、
Y
1は、O、NR
d、S、またはSeであり、
R
aは、ブロッキング基であり、
R
cは、ブロッキング基であり、
各場合のR
dは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アシル、置換シリル、カルバメート、−P(O)(R
e)
2、または−HP(O)(R
e)であり、
各場合のR
eは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
2−、アルケニル−Y
2−、アルキニル−Y
2−、アリール−Y
2−、もしくはヘテロアリール−Y
2−、またはNa
+1、Li
+1、もしくはK
+1であるカチオンであり、
Y
2は、O、NR
d、またはSであり、
各場合のR
4は、独立して、水素、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−OR
b、または−SR
cであり、R
bは、ブロッキング基であり、
各場合のBaは、独立して、ブロックまたは非ブロックのアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、または修飾核酸塩基であり、
R
5は、水素、ブロッキング基、固体支持体に結合した連結部分、または核酸に結合した連結部分であり、
nは、1〜約200である、プロセスを提供する。
【0072】
別の実施形態は、構造IIIaのホスホロチオトリエステルの調製のためのプロセスであって、WがOである、プロセスを提供する。
【0073】
別の実施形態は、構造IIIaのホスホロチオトリエステルの調製のためのプロセスであって、R
1は、
【化23】
から選択され、
R
2は、
【化24】
から選択される、プロセスを提供する。
【0074】
別の実施形態は、構造IIIaのホスホロチオトリエステルの調製のためのプロセスであって、シリル化試薬が、
1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジフェニルジシラザン、
1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラフェニルジシラザン、
1−(トリメチルシリル)イミダゾール、
N−トリメチルシリル−N−メチルトリフルオロアセトアミド、
ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、
ブロモトリメチルシラン、
クロロジメチル(ペンタフルオロフェニル)シラン、
クロロトリエチルシラン、
クロロトリイソプロピルシラン、
クロロトリメチルシラン、
ジクロロジメチルシラン、
ヘキサメチルジシラザン、
N,N′−ビス(トリメチルシリル)尿素、
N,N−ビス(トリメチルシリル)メチルアミン、
N,N−ジメチルトリメチルシリルアミン、
N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、
N,O−ビス(トリメチルシリル)カルバメート、
N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、
N−メチル−N−(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、
N−メチル−N−トリメチルシリルアセトアミド、
N−メチル−N−トリメチルシリルヘプタフルオロブチルアミド、
N−tert−ブチルジメチルシリル−N−メチルトリフルオロアセトアミド、
N−メチル−N−トリメチルシリルヘプタフルオロブチルアミド、
トリメチルシリルトリフラート、
トリエチルシリルトリフラート、
トリイソプロピルシリルトリフラート、または
tert−ブチルジメチルシリルトリフラートから選択される、プロセスを提供する。
【0075】
別の実施形態は、シリル化試薬が、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、トリメチルシリルトリフラート、クロロトリメチルシラン、または1−(トリメチルシリル)イミダゾールから選択される、プロセスを提供する。
【0076】
別の実施形態は、シリル化試薬が、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミドから選択される、プロセスを提供する。
【0077】
別の実施形態は、H−ホスホネートが、固相に共有結合される、プロセスを提供する。
【0078】
一実施形態は、構造IIIbの非立体無作為性リン酸連結を含むホスホロチオトリエステルの調製のためのプロセスであって、
i)構造Ibの非立体無作為性リン酸連結を含むH−ホスホネートを、シリル化試薬と反応させて、シリルオキシホスホネートをもたらすステップと、
ii)シリルオキシホスホネートを、構造IIbのチオスルホネート試薬と反応させて、構造IIIbの非立体無作為性リン酸連結を含むホスホロチオトリエステルをもたらすステップと、を含み、
構造Ibの非立体無作為性リン酸連結を含むH−ホスホネートは、次の構造:
【化25】
を有し、
式中、
Wは、独立して、O、NH、またはCH
2から選択され、
R
3は、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−P(O)(R
e)
2、−HP(O)(R
e)、−OR
a、または−SR
cであり、
Y
1は、O、NR
d、S、またはSeであり、
R
aは、ブロッキング基であり、
R
cは、ブロッキング基であり、
各場合のR
dは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アシル、置換シリル、カルバメート、−P(O)(R
e)
2、または−HP(O)(R
e)であり、
各場合のR
eは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
2−、アルケニル−Y
2−、アルキニル−Y
2−、アリール−Y
2−、もしくはヘテロアリール−Y
2−、またはNa
+1、Li
+1、もしくはK
+1であるカチオンであり、
Y
2は、O、NR
d、またはSであり、
各場合のR
4は、独立して、水素、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−OR
b、または−SR
cであり、R
bは、ブロッキング基であり、
各場合のBaは、独立して、ブロックまたは非ブロックのアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、または修飾核酸塩基であり、
R
5は、水素、ブロッキング基、固体支持体に結合した連結部分、または核酸に結合した連結部分であり、
nは、1〜約200であり、
構造IIbのチオスルホネート試薬は、次の構造:
【化26】
を有し、
式中、
Xは、アルキル、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、またはR
1−R
2であり、
R
1は、−S−アルケニレン−、−S−アルキレン−、−S−アルキレン−アリール−アルキレン−、−S−CO−アリール−アルキレン−、または−S−CO−アルキレン−アリール−アルキレン−から選択され、
R
2は、ヘテロシクロ−アルキレン−S−、ヘテロシクロ−アルケニレン−S−、アミノアルキル−S−、または(アルキル)
4N−アルキレン−S−から選択され、
構造IIIbの非立体無作為性リン酸連結を含むキラルホスホロチオトリエステルは、次の構造:
【化27】
を有し、
式中、
Wは、独立して、O、NH、またはCH
2から選択され、
Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、またはR
1−R
2であり、
R
1は、−S−アルケニレン−、−S−アルキレン−、−S−アルキレン−アリール−アルキレン−、−S−CO−アリール−アルキレン−、または−S−CO−アルキレン−アリール−アルキレン−から選択され、
R
2は、ヘテロシクロ−アルキレン−S−、ヘテロシクロ−アルケニレン−S−、アミノアルキル−S−、または(アルキル)
4N−アルキレン−S−から選択され、
R
3は、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−P(O)(R
e)
2、−HP(O)(R
e)、−OR
a、または−SR
cであり、
Y
1は、O、NR
d、S、またはSeであり、
R
aは、ブロッキング基であり、
R
cは、ブロッキング基であり、
各場合のR
dは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アシル、置換シリル、カルバメート、−P(O)(R
e)
2、または−HP(O)(R
e)であり、
各場合のR
eは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
2−、アルケニル−Y
2−、アルキニル−Y
2−、アリール−Y
2−、もしくはヘテロアリール−Y
2−、またはNa
+1、Li
+1、もしくはK
+1であるカチオンであり、
Y
2は、O、NR
d、またはSであり、
各場合のR
4は、独立して、水素、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−OR
b、または−SR
cであり、R
bは、ブロッキング基であり、
各場合のBaは、独立して、ブロックまたは非ブロックのアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、または修飾核酸塩基であり、
R
5は、水素、ブロッキング基、固体支持体に結合した連結部分、または核酸に結合した連結部分であり、
nは、1〜約200である、プロセスを提供する。
【0079】
別の実施形態は、構造IIIbの非立体無作為性リン酸連結を含むホスホロチオトリエステルの調製のためのプロセスであって、WがOである、プロセスを提供する。
【0080】
別の実施形態は、構造IIIbの非立体無作為性リン酸連結を含むホスホロチオトリエステルの調製のためのプロセスであって、R
1は、
【化28】
から選択され、
R
2は、
【化29】
から選択される、プロセスを提供する。
【0081】
別の実施形態は、構造IIIbの非立体無作為性リン酸連結を含むホスホロチオトリエステルの調製のためのプロセスであって、シリル化試薬は、
1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジフェニルジシラザン、
1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラフェニルジシラザン、
1−(トリメチルシリル)イミダゾール、
N−トリメチルシリル−N−メチルトリフルオロアセトアミド、
ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、
ブロモトリメチルシラン、
クロロジメチル(ペンタフルオロフェニル)シラン、
クロロトリエチルシラン、
クロロトリイソプロピルシラン、
クロロトリメチルシラン、
ジクロロジメチルシラン、
ヘキサメチルジシラザン、
N,N′−ビス(トリメチルシリル)尿素、
N,N−ビス(トリメチルシリル)メチルアミン、
N,N−ジメチルトリメチルシリルアミン、
N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、
N,O−ビス(トリメチルシリル)カルバメート、
N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、
N−メチル−N−(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、
N−メチル−N−トリメチルシリルアセトアミド、
N−メチル−N−トリメチルシリルヘプタフルオロブチルアミド、
N−tert−ブチルジメチルシリル−N−メチルトリフルオロアセトアミド、
N−メチル−N−トリメチルシリルヘプタフルオロブチルアミド、
トリメチルシリルトリフラート、
トリエチルシリルトリフラート、
トリイソプロピルシリルトリフラート、または
tert−ブチルジメチルシリルトリフラートから選択される、プロセスを提供する。
【0082】
別の実施形態は、シリル化試薬が、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、トリメチルシリルトリフラート、クロロトリメチルシラン、または1−(トリメチルシリル)イミダゾールから選択される、プロセスを提供する。
【0083】
別の実施形態は、シリル化試薬が、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミドから選択される、プロセスを提供する。
【0084】
別の実施形態は、H−ホスホネートが、固相に共有結合される、プロセスを提供する。
【0085】
一実施形態は、構造IIIcのホスホロチオトリエステルの調製のためのプロセスであって、
i)構造IcのH−ホスホネートを、シリル化試薬と反応させて、シリルオキシホスホネートをもたらすステップと、
ii)シリルオキシホスホネートを、構造IVcのビス(チオスルホネート)試薬と反応させて、構造Vcのチオスルホネート基を含むホスホロチオトリエステルをもたらすステップと、
iii)構造Vcのチオスルホネート基を含むホスホロチオトリエステルを、構造VIcの求核試薬と反応させて、構造IIIcのホスホロチオトリエステルをもたらすステップと、を含み、
構造IcのH−ホスホネートは、次の構造:
【化30】
を有し、
式中、
Wは、独立して、O、S、NH、またはCH
2から選択され、
R
3は、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、P(O)(R
e)
2、−HP(O)(R
e)、−OR
a、または−SR
cであり、
Y
1は、O、NR
d、S、またはSeであり、
R
aは、ブロッキング基であり、
R
cは、ブロッキング基であり、
各場合のR
dは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アシル、置換シリル、カルバメート、−P(O)(R
e)
2、または−HP(O)(R
e)であり、
`
各場合のR
eは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
2−、アルケニル−Y
2−、アルキニル−Y
2−、アリール−Y
2−、もしくはヘテロアリール−Y
2−、またはNa
+1、Li
+1、もしくはK
+1であるカチオンであり、
Y
2は、O、NR
d、またはSであり、
各場合のR
4は、独立して、水素、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−OR
b、または−SR
cであり、R
bは、ブロッキング基であり、
各場合のBaは、独立して、ブロックまたは非ブロックのアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、または修飾核酸塩基であり、
R
5は、水素、ブロッキング基、固体支持体に結合した連結部分、または核酸に結合した連結部分であり、
nは、1〜約200であり、
構造IVcのビス(チオスルホネート)試薬は、次の構造:
【化31】
を有し、
式中、
Xは、アルキレン、アルケニレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
各R
6は、独立して、アルキル、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
構造VIcの求核試薬は、次の構造:
R
7−SHを有し、式中、R
7は、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロシクロ、アミノアルキル、または(ヘテロシクロ)アルキルから選択され、
構造IIIcのホスホロチオトリエステルは、次の構造:
【化32】
を有し、
式中、
Wは、独立して、O、S、NH、またはCH
2から選択され、
Rは、R
7−S−S−X−であり、
R
7は、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロシクロ、アミノアルキル、または(ヘテロシクロ)アルキルであり、
Xは、アルキレン、アルケニレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
R
3は、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−P(O)(R
e)
2、−HP(O)(R
e)、−OR
a、または−SR
cであり、
Y
1は、O、NR
d、S、またはSeであり、
R
aは、ブロッキング基であり、
R
cは、ブロッキング基であり、
各場合のR
dは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アシル、置換シリル、カルバメート、−P(O)(R
e)
2、または−HP(O)(R
e)であり、
各場合のR
eは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
2−、アルケニル−Y
2−、アルキニル−Y
2−、アリール−Y
2−、もしくはヘテロアリール−Y
2−、またはNa
+1、Li
+1、もしくはK
+1であるカチオンであり、
Y
2は、O、NR
d、またはSであり、
各場合のR
4は、独立して、水素、−OH、−SH、−NR
dR
d、−N
3、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−Y
1−、アルケニル−Y
1−、アルキニル−Y
1−、アリール−Y
1−、ヘテロアリール−Y
1−、−OR
b、または−SR
cであり、R
bは、ブロッキング基であり、
各場合のBaは、独立して、ブロックまたは非ブロックのアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、または修飾核酸塩基であり、
R
5は、水素、ブロッキング基、固体支持体に結合した連結部分、または核酸に結合した連結部分であり、
nは、1〜約200であり、
構造IcのH−ホスホネートのリン酸連結は、ホスホロチオトリエステルが構造Vcのチオスルホネート基を含み、構造IIIcのホスホロチオトリエステルが、任意で、非立体無作為性リン酸連結を含んでもよい、プロセスを提供する。
【0086】
別の実施形態は、構造IIIbのホスホロチオトリエステルが、非立体無作為性リン酸連結を含み、構造IcのH−ホスホネートが、非立体無作為性リン酸連結を含み、Wが、独立して、O、NH、またはCH
2から選択される、プロセスを提供する。別の実施形態は、WがOであるプロセスを提供する。
【0087】
別の実施形態は、R
6がメチルであるプロセスを提供する。
【0088】
別の実施形態は、構造IVcのビス(チオスルホネート)試薬が、
【化33】
から選択される、プロセスを提供する。
【0089】
別の実施形態は、構造VIcの求核試薬が、次の構造:
【化34】
を有する、プロセスを提供する。
【0090】
別の実施形態は、構造IIIaのホスホロチオトリエステルの調製のためのプロセスであって、シリル化試薬が、
1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジフェニルジシラザン、
1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラフェニルジシラザン、
1−(トリメチルシリル)イミダゾール、
N−トリメチルシリル−N−メチルトリフルオロアセトアミド、
ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、
ブロモトリメチルシラン、
クロロジメチル(ペンタフルオロフェニル)シラン、
クロロトリエチルシラン、
クロロトリイソプロピルシラン、
クロロトリメチルシラン、
ジクロロジメチルシラン、
ヘキサメチルジシラザン、
N,N′−ビス(トリメチルシリル)尿素、
N,N−ビス(トリメチルシリル)メチルアミン、
N,N−ジメチルトリメチルシリルアミン、
N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、
N,O−ビス(トリメチルシリル)カルバメート、
N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、
N−メチル−N−(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、
N−メチル−N−トリメチルシリルアセトアミド、
N−メチル−N−トリメチルシリルヘプタフルオロブチルアミド、
N−tert−ブチルジメチルシリル−N−メチルトリフルオロアセトアミド、
N−メチル−N−トリメチルシリルヘプタフルオロブチルアミド、
トリメチルシリルトリフラート、
トリエチルシリルトリフラート、
トリイソプロピルシリルトリフラート、または
tert−ブチルジメチルシリルトリフラートから選択される、プロセスを提供する。
【0091】
別の実施形態は、シリル化試薬が、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、トリメチルシリルトリフラート、クロロトリメチルシラン、または1−(トリメチルシリル)イミダゾールから選択される、プロセスを提供する。
【0092】
別の実施形態は、シリル化試薬が、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミドから選択される、プロセスを提供する。
【0093】
別の実施形態は、H−ホスホネートが、固相に共有結合される、プロセスを提供する。
修飾オリゴヌクレオチド
【0094】
オリゴヌクレオチドは、プロドラッグ戦略の適用を通じて改善することができる複数の薬学的特性を有する。特に、オリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼによって急速に分解され、細胞質細胞膜を通じた低い細胞内取り込みを示す(Poijarvi−Virta et al.,Curr.Med.Chem.(2006),13(28);3441−65、Wagner et al.,Med.Res.Rev.(2000),20(6):417−51、Peyrottes et al.,Mini Rev.Med.Chem.(2004),4(4):395−408、Gosselin et al.,(1996),43(1):196−208、Bologna et al.,(2002),Antisense&Nucleic Acid Drug Development12:33−41)。一例では、Vivesら(Nucleic Acids Research(1999),27(20):4071−76)は、tert−ブチルSATEプロオリゴヌクレオチドが、親オリゴヌクレオチドと比較して、著しく増加した細胞透過を示したことを見出した。修飾オリゴヌクレオチドまたはプロヌクレオチドの合成のための方法を本明細書に記載する。
本発明の方法に使用される反応条件および試薬。
条件
【0095】
アキラルH−ホスホネート部分を含む分子と5′−OH部分を含むヌクレオシドを反応させて、縮合中間体を形成するステップは、いずれの中間体も単離することなく行うことができる。いくつかの実施形態において、アキラルH−ホスホネート部分を含む分子と5′−OH部分を含むヌクレオシドを反応させて、縮合中間体を形成するステップは、ワンポット反応で行われる。一実施形態において、アキラルH−ホスホネート部分を含む分子、縮合試薬、キラル試薬、および遊離求核部分を含む化合物を、異なる時間で反応混合物に追加する。別の実施形態において、アキラルH−ホスホネート部分を含む分子、縮合試薬、およびキラル試薬は、同じ反応容器または同じポット中に存在する。別の実施形態において、アキラルH−ホスホネート部分を含む分子、縮合試薬、キラル試薬、および遊離求核部分を含む化合物は、同じ反応または同じポット中に存在する。これは、中間体を単離することなく反応を実行することを可能にし、時間のかかるステップを排除し、経済的かつ効率的な合成をもたらす。特定の実施形態において、アキラルH−ホスホネート、縮合試薬、キラルアミノアルコール、5′−OHヌクレオシドは、反応中に同時に存在する。さらなる実施形態において、縮合のためのキラル中間体の形成は、インサイチュで形成され、縮合反応より前に単離されない。別の実施形態において、アキラルH−ホスホネート部分を含む分子は、キラル中間体を遊離5′−OH部分を含む化合物と反応させる際に使用したものとは異なる反応容器において、縮合試薬、キラル試薬との反応によって活性化されている。
固体支持体上での合成
【0096】
いくつかの実施形態において、核酸の合成は、溶液中で行われる。他の実施形態において、核酸の合成は、固相上で行われる。固体支持体の反応基は、保護されていなくてもよく、または保護されていてもよい。オリゴヌクレオチド合成中、固体支持体を、複数の合成サイクル中に種々の試薬で処理して、個々のヌクレオチド単位での成長するヌクレオチド鎖の段階的な伸長を達成する。固体支持体に直接連結した鎖の末端のヌクレオシド単位は、本明細書に使用される際、「第1のヌクレオシド」と称される。第1のヌクレオシドは、リンカー部分、すなわち、ジラジカルを介して、固体支持体のポリマーおよびヌクレオシドの両方への共有結合により、固体支持体に結合される。リンカーは、オリゴヌクレオチド鎖を構築するために行われる合成サイクル中、無傷なままであり、鎖構築後に開裂されて、オリゴヌクレオチドが支持体から解放される。
【0097】
固相核酸合成のための固体支持体には、例えば、米国特許第4,659,774号、同第5,141,813号、同第4,458,066号、Caruthers米国特許第4,415,732号、同第4,458,066号、同第4,500,707号、同第4,668,777号、同第4,973,679号、および同第5,132,418号、Andrusら米国特許第5,047,524号、同第5,262,530号、ならびにKoster米国特許第4,725,677号(Re34,069として再発行)に記載される支持体が挙げられる。いくつかの実施形態において、固相は、有機ポリマー支持体である。他の実施形態において、固相は、無機ポリマー支持体である。いくつかの実施形態において、有機ポリマー支持体は、ポリスチレン、アミノメチルポリスチレン、ポリエチレングリコール−ポリスチレングラフトコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、高度架橋ポリマー(HCP)、もしくは他の合成ポリマー、セルロースおよびデンプン等の炭水化物、もしくは他のポリマー炭水化物、あるいは他の有機ポリマーおよび任意のコポリマー、複合材料または上述の無機もしくは有機材料の組み合わせである。他の実施形態において、無機ポリマー支持体は、シリカ、アルミナ、シリカゲル支持体である制御多孔質ガラス(CPG)、またはアミノプロピルCPGである。他の有用な固体支持体としては、フルオラス固体支持体(例えば、WO/2005/070859号を参照されたい)、長鎖アルキルアミン(LCAA)制御多孔質ガラス(CPG)固体支持体(例えば、S.P.Adams,K.S.Kavka,E.J.Wykes,S.B.Holder and G.R.Galluppi,J.Am.Chem.Soc.,1983,105,661−663、G.R.Gough,M.J.Bruden and P.T.Gilham,Tetrahedron Lett.,1981,22,4177−4180を参照されたい)が挙げられる。膜支持体およびポリマー膜(例えば、Innovation and Perspectives in Solid Phase Synthesis,Peptides,Proteins and Nucleic Acids,ch 21 pp157−162,1994,Ed.Roger Eptonおよび米国特許第4,923,901号を参照されたい)もまた、核酸の合成に有用である。いったん形成されると、膜は、核酸合成で使用するために化学的に官能化することができる。官能基を膜に結合させることに加えて、膜に結合したリンカーまたはスペーサー基の使用が、膜と合成された鎖との間の立体障害を最小限に抑えるために用いられてもよい。
【0098】
他の好適な固体支持体には、固相方法での使用に好適であることが当該技術分野で一般的に知られているものが挙げられ、例えば、PrimerTM 200支持体として販売されるガラス、制御多孔質ガラス(CPG)、オキサリル−制御多孔質ガラス(例えば、Alul,et al.,Nucleic Acids Research,1991,19,1527を参照されたい)、TentaGel Support−アミノポリエチレングリコール誘導体化支持体(例えば、Wright,et al.,Tetrahedron Lett.,1993,34,3373)、Poros−ポリスチレン/ジビニルベンゼンのコポリマーが挙げられる。
【0099】
表面活性化ポリマーは、複数の固体支持体媒体上での天然および修飾された核酸およびタンパク質の合成における使用が例証されている。固体支持体材料は、好適に多孔性が均一な任意のポリマーであり得、十分なアミン含量を有し、完全性を失うことなく任意の付随操作を受けるのに十分に柔軟性がある。好適な選択される材料の例としては、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、およびニトロセルロースが挙げられる。他の材料は、研究者の設計に応じて、固体支持体として機能し得る。いくつかの設計を考慮すると、例えば、被覆金属、特に金または白金を選択することができる(例えば、米国公開第20010055761号を参照されたい)。オリゴヌクレオチド合成の一実施形態において、例えば、ヌクレオシドは、ヒドロキシルまたはアミノ残基で官能化された固体支持体に固定される。あるいは、固体支持体を、トリメトキシトリチル基(TMT)等、酸に不安定なトリアルコキシトリチル基をもたらすように誘導体化する。理論に束縛されるものではないが、トリアルコキシトリチル保護基の存在が、DNA合成装置で広く使用される条件下での初期脱トリチル化を可能にすることが予想される。アンモニア水を有する溶液中でのオリゴヌクレオチド材料のより速い放出のために、ジグリコエートリンカーが、任意で支持体上に導入される。
連結部分
【0100】
連結部分またはリンカーは、任意で、遊離求核部分を含む化合物に固体支持体を結合させるために使用される。固相合成技術において、固体支持体を初期ヌクレオシド分子の官能基(例えば、ヒドロキシル基)に結合させるように機能する短分子等、好適なリンカーが、既知である。いくつかの実施形態において、連結部分は、スクシンアミド酸リンカー、またはコハク酸塩リンカー(−CO−CH
2−CH
2−CO−)、またはオキサリルリンカー(−CO−CO−)である。他の実施形態において、連結部分およびヌクレオシドは、エステル結合を通じて一緒に結合される。他の実施形態において、連結部分およびヌクレオシドは、アミド結合を通じて一緒に結合される。さらなる実施形態において、連結部分は、ヌクレオシドを別のヌクレオチドまたは核酸に結合させる。好適なリンカーは、例えば、Oligonucleotides And Analogues A Practical Approach,Ekstein,F.Ed.,IRL Press,N.Y.,1991,Chapter1に記載されている。
【0101】
リンカー部分は、遊離求核部分を含む化合物を、別のヌクレオシド、ヌクレオチド、または核酸に結合させるために使用される。いくつかの実施形態において、連結部分は、ホスホジエステル連結である。他の実施形態において、連結部分は、H−ホスホネート部分である。なおも他の実施形態において、連結部分は、X−ホスホネート部分である。
合成のための溶媒
【0102】
核酸の合成は、非プロトン性有機溶媒中で実行される。いくつかの実施形態において、溶媒は、アセトニトリル、ピリジン、またはNMPである。いくつかの実施形態において、溶媒は、アセトン、アセトニトリル、NMP、酢酸エチル、THF、ジオキサン、DMF、DMSO、DCM、クロロホルム、ピリジン、2,6−ルチジン、HMPA、HMPT、DMA、グリム、ジグリム、スルホン、メチルtert−ブチルエーテル、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、溶媒は、極性の非プロトン性有機溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒は、無水である。
ブロッキング基を除去するための酸性化条件
【0103】
ブロッキング基を除去するための酸性化は、ブレンステッド酸またはルイス酸によって達成される。いくつかの実施形態において、酸性化は、R
1ブロッキング基を除去するために用いられる。有用なブレンステッド酸は、カルボン酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、リン酸およびその誘導体、ホスホン酸およびその誘導体、アルキルホスホン酸およびそれらの誘導体、アリールホスホン酸およびそれらの誘導体、ホスフィン酸、ジアルキルホスフィン酸、ならびにジアリールホスフィン酸であり、これらは、有機溶媒または水(80%酢酸の場合)中−0.6(トリフルオロ酢酸)〜4.76(酢酸)のpKa(水中25℃)を有する。酸性化ステップで使用される酸の濃度(1〜80%)は、酸の酸性度に依存する。強酸条件は、プリニルまたはピリミジニル塩基をリボース環から開裂する、脱プリン化/脱ピリミジン化をもたらすことになるため、酸の強度の検討も考慮に入れる必要がある。
【化35】
【0104】
いくつかの実施形態において、酸性化は、有機溶媒中でルイス酸によって達成される。有用なルイス酸は、ZnX
2であり、式中、Xは、Cl、Br、I、またはCF
3SO
3である。
【0105】
いくつかの実施形態において、酸性化は、縮合中間体からプリン部分を除去することなく、縮合中間体を式4の化合物に変換させるのに有効なある量のブレンステッド酸またはルイス酸を添加することを含む。
【0106】
酸性化ステップに有用な酸にはまた、有機溶媒中10%リン酸、有機溶媒中10%塩酸、有機溶媒中1%トリフルオロ酢酸、有機溶媒中3%ジクロロ酢酸、または水中80%酢酸が挙げられるが、これらに限定されない。プロセスで使用される任意のブレントステッド酸またはルイス酸の濃度は、酸の濃度が、糖部分からの核酸塩基の開裂を引き起こす濃度を超えないように選択される。
【0107】
いくつかの実施形態において、酸性化は、有機溶媒中1%トリフルオロ酢酸を添加することを含む。いくつかの実施形態において、酸性化は、有機溶媒中約0.1%〜約8%トリフルオロ酢酸を添加することを含む。他の実施形態において、酸性化は、有機溶媒中3%ジクロロ酢酸を添加することを含む。他の実施形態において、酸性化は、有機溶媒中約0.1%〜約10%ジクロロ酢酸を添加することを含む。さらに他の実施形態において、酸性化は、有機溶媒中3%トリクロロ酢酸を添加することを含む。なおも他の実施形態において、酸性化は、有機溶媒中約0.1%〜約10%トリクロロ酢酸を添加することを含む。いくつかの実施形態において、酸性化は、水中80%酢酸を添加することを含む。いくつかの実施形態において、酸性化は、水中約50%〜約90%、または約50%〜約80%、約50%〜約70%、約50%〜約60%、約70%〜約90%酢酸を添加することを含む。いくつかの実施形態において、酸性化は、酸性溶媒へのカチオンスカベンジャーのさらなる添加を含む。特定の実施形態において、カチオンスカベンジャーは、トリエチルシランまたはトリイソプロピルシランであり得る。いくつかの実施形態において、R
1は、縮合中間体を酸性化するステップの前に脱ブロックされる。いくつかの実施形態において、R
1は、有機溶媒中1%トリフルオロ酢酸を添加することを含む、酸性化によって脱ブロックされる。いくつかの実施形態において、R
1は、有機溶媒中3%ジクロロ酢酸を添加することを含む、酸性化によって脱ブロックされる。いくつかの実施形態において、R
1は、有機溶媒中3%トリクロロ酢酸を添加することを含む、酸性化によって脱ブロックされる。
ブロッキング部分または基の除去
【0108】
核酸塩基または糖部分に位置するヒドロキシルまたはアミノ部分等の官能基は、合成中にブロッキング(保護)基(部分)で定期的にブロックされ、続いて脱ブロックされる。一般的に、ブロッキング基は、分子の化学官能性を特定の反応条件に対して不活性にし、後に、分子の残りに実質的に損害を与えることなく、分子内のこのような官能性から除去することができる(例えば、Green and Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,2
nd Ed.,John Wiley&Sons,New York,1991を参照されたい)。例えば、アミノ基は、フタルイミド、9−フルドレニルメトキシカルボニル(FMOC)、トリフェニルメチルスルフェニル、t−BOC、4,4’−ジメトキシトリチル(DMTr)、4−メトキシトリチル(MMTr)、9−フェニルキサンチン−9−イル(Pixyl)、トリチル(Tr)、または9−(p−メトキシフェニル)キサンチン−9−イル(MOX)等の窒素ブロッキング基でブロッキングすることができる。カルボキシル基は、アセチル基として保護することができる。ヒドロキシ基は、テトラヒドロピラニル(THP)、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(Ctmp)、1−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−4−イル(Fpmp)、1−(2−クロロエトキシ)エチル、3−メトキシ−1,5−ジカルボメトキシペンタン−3−イル(MDP)、ビス(2−アセトキシエトキシ)メチル(ACE)、トリイソプロピルシリルオキシメチル(TOM)、1−(2−シアノエトキシ)エチル(CEE)、2−シアノエトキシメチル(CEM)、[4−(N−ジクロロアセチル−N−メチルアミノ)ベンジルオキシ]メチル、2−シアノエチル(CN)、ピバロイルオキシメチル(PivOM)、レブニルオキシメチル(ALE)等として保護することができる。他の代表的なヒドロキシルブロッキング基が説明されている(例えば、Beaucage et al.,Tetrahedron,1992,46,2223を参照されたい)。いくつかの実施形態において、ヒドロキシルブロッキング基は、トリチル、モノメトキシトリチル、ジメトキシトリチル、トリメトキシトリチル、9−フェニルキサンチン−9−イル(Pixyl)、および9−(p−メトキシフェニル)キサンチン−9−イル(MOX)等、酸に不安定な基である。化学官能基はまた、それらを前駆体形態で含めることによってブロックすることができる。したがって、アジド基は容易にアミンに変換されるため、アジド基は、アミンのブロック形態と見なすことができる。核酸合成に利用されるさらなる代表的な保護基が既知である(例えば、Agrawal et al.,Protocols for Oligonucleotide Conjugates,Eds.,Humana Press,New Jersey,1994,Vol.26,pp.1−72を参照されたい)。
【0109】
核酸からブロッキング基を除去するための種々の方法が既知であり、使用されている。いくつかの実施形態においては、全てのブロッキング基が除去される。他の実施形態において、ブロッキング基は部分的に除去される。さらに他の実施形態において、反応条件は、ある特定の部分のブロッキング基を除去するように調整することができる。R
2がブロッキング基である、ある特定の実施形態において、R
2でのブロッキング基の除去は、R
1でのブロッキング基の除去と無関係である。R
1およびR
2におけるブロッキング基は、合成ステップ中無傷なままであり、鎖構築後に集合的に除去される。いくつかの実施形態において、R
2ブロッキング基は、固体支持体からの核酸の開裂および核酸塩基ブロッキング基の除去と同時に除去される。特定の実施形態において、R
1におけるブロッキング基は除去されるが、一方で、R
2におけるブロッキング基および核酸塩基は無傷なままとどまる。R
1におけるブロッキング基は、第1級アミン、第2級アミン、またはそれらの混合物等、有機塩基により固体支持体上で開裂可能である。R
1位置の脱ブロッキングは、一般的に、前脱保護と称される。
【0110】
ある実施形態において、核酸塩基ブロッキング基は、存在する場合、それぞれの核酸を構築した後、酸性試薬で開裂可能である。別の実施形態において、核酸塩基ブロッキング基のうちの1つ以上は、酸性でも塩基性でもない条件下で開裂可能であり、例えば、フッ化物塩またはフッ化水素酸複合体で開裂可能である。さらに別の実施形態において、核酸塩基ブロッキング基のうちの1つ以上は、それぞれの核酸を構築した後に塩基または塩基性溶媒の存在下で開裂可能であり、核酸塩基ブロッキング基は、アミンでの前脱保護ステップの条件に対して安定である。
【0111】
いくつかの実施形態において、核酸塩基のブロッキング基は必要ない。他の実施形態において、核酸塩基のブロッキング基が必要である。さらに他の実施形態において、ある特定の核酸塩基は、ブロッキング基を必要とするが、一方で他の核酸塩基はブロッキング基を必要としない。核酸塩基がブロックされる実施形態では、ブロッキング基は、初めにブロッキング基を除去するのに適した条件下で、完全にかまたは部分的にのいずれかで除去される。例えば、R
1は、OR
aを示し得、ここで、R
aはアシルであり、Baは、イソブチリル、アセチル、または4−(tert−ブチルフェノキシ)アセチルを含むがこれらに限定されないアシル基でブロックされたグアニンを示す。R
1およびBaにおけるアシル基は、同じ脱ブロッキングステップ中に除去されるか、または部分的に除去されることになる。
オリゴヌクレオシドホスホロチオエート連結の立体化学
【0112】
オリゴヌクレオシドホスホロチオエートは、治療的可能性を示している(Stein et al.,Science(1993),261:1004−12、Agrawal et al.,Antisence Res.and Dev.(1992),2:261−66、Bayever et al.,Antisense Res.and Dev.(1993),3:383−390)。ホスホロチオエートの立体化学を考慮することなく調製されたオリゴヌクレオシドホスホロチオエートは、2
nジアステレオマーの混合物として存在し、このnは、ヌクレオチド間ホスホロチオエート連結の数である。これらのジアステレオマーホスホロチオエートの化学的および生物学的特性は、はっきりと区別することができる。例えば、Wadaら(Nucleic Acids Symposium Series No.51 p.119−120;doi:10.1093/nass/nrm060)は、立体定義された(Rp)−(Ups)
9U/(Ap)
9A二本鎖が、天然の(Up)
9U/(Ap)
9Aのものよりも高いTm値を示し、立体定義された(Sp)−(Ups)
9Uが二本鎖を形成しなかったことを見出した。別の例において、Tangらによる研究(Nucleosides Nucleotides(1995),14:985−990)では、立体的に純粋なRp−オリゴデオキシリボヌクレオシドホスホロチオエートが、定義されていないリンキラリティを有する親オリゴデオキシリボヌクレオシドホスホロチオエートよりも、ヒト血清に内在性であるヌクレアーゼに対してより低い安定性を有することがわかった。
核酸塩基および修飾核酸塩基
【0113】
本明細書に記載の化合物および方法で利用される核酸塩基Baは、天然の核酸塩基または天然の核酸塩基に由来する修飾された核酸塩基である。例としては、それぞれのアミノ基がアシル保護基によって保護された、ウラシル、チミン、アデニン、シトシン、およびグアニン、2−フルオロウラシル、2−フルオロシトシン、5−ブロモウラシル、5−ヨードウラシル、2,6−ジアミノプリン、アザシトシン、プソイドシトシンおよびプソイドウラシルを含むピリミジン類似体、ならびに8−置換プリン、キサンチン、ヒポキサンチン(後者の2つは、天然の分解生成物である)等の他の修飾核酸塩基が挙げられるが、これらに限定されない。Chiu and Rana,RNA,2003,9,1034−1048、Limbach et al.Nucleic Acids Research,1994,22,2183−2196、およびRevankar and Rao,Comprehensive Natural Products Chemistry,vol.7,313に開示される修飾核酸塩基もまた、本明細書に記載の化合物および方法のBa部分として企図される。
【0114】
次の一般式によって表される化合物もまた、修飾核酸塩基として企図される。
【化36】
【0115】
上述の式中、R
8は、1〜15個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖アルキル、アリール、アラルキル、またはアリールオキシルアルキル基であり、例示のみの目的で、メチル、イソプロピル、フェニル、ベンジル、またはフェノキシメチル基が挙げられ、R
9およびR
10のそれぞれは、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基を表す。
【0116】
修飾核酸塩基はまた、1つ以上のベンゼン環が付加されている、伸長寸法の核酸塩基を含む。Glen Researchカタログ(www.glenresearch.com)、Krueger AT et al,Acc.Chem.Res.,2007,40,141−150、Kool,ET,Acc.Chem.Res.,2002,35,936−943、Benner S.A.,et al.,Nat.Rev.Genet.,2005,6,553−543、Romesberg,F.E.,et al.,Curr.Opin.Chem.Biol.,2003,7,723−733、Hirao,I.,Curr.Opin.Chem.Biol.,2006,10,622−627に記載される核酸塩基の置き換えは、本明細書に記載される核酸の合成に有用であるとして企図される。これらの伸長寸法の核酸塩基のいくつかの例を、以下に示す。
【化37】
【0117】
本明細書において、修飾核酸塩基はまた、核酸塩基とは見なされないが、コリンまたはポルフィリンに由来する環等であるがこれらに限定されない他の部分である、構造を包含する。ポルフィリン由来塩基の置き換えは、Morales−Rojas,H and Kool,ET,Org.Lett.,2002,4,4377−4380に記載されている。塩基の置き換えとして使用することができるポルフィリン由来環の一例を、以下に示す。
【化38】
【0118】
他の修飾核酸塩基はまた、以下に示されるもの等の塩基の置き換えを含む。
【化39】
【0119】
蛍光性である修飾核酸塩基もまた企図される。これらの塩基置換の非限定的な例には、以下に示されるように、フェナントレン、ピレン、スチルベン、イソキサンチン、イソザントプテリン、テルフェニル、テルチオフェン、ベンゾテルチオフェン、クマリン、ルマジン、テザースチルベン(tethered stillbene)、ベンゾ−ウラシル、およびナフト−ウラシルが挙げられる。
【化40】
【0120】
修飾核酸塩基は、非置換であり得るか、またはヘテロ原子、アルキル基、もしくは蛍光部分、ビオチンもしくはアビジン部分、または他のタンパク質もしくはペプチドに結合された連結部分等、さらなる置換を含み得る。修飾核酸塩基はまた、最も古典的な意味では核酸塩基ではないが、核酸塩基と同様に機能する、ある特定の「普遍的塩基(universal base)」を含む。このような普遍的塩基の1つの代表的な例は、3−ニトロピロールである。
【0121】
他のヌクレオシドもまた、本明細書に開示されるプロセスで使用することができ、修飾核酸塩基、または修飾糖に共有結合された核酸塩基を組み込むヌクレオシドが挙げられる。修飾核酸塩基を組み込むヌクレオシドのいくつかの例には、4−アセチルシチジン;5−(カルボキシヒドロキシルメチル)ウリジン;2′−O−メチルシチジン;5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン;5−カルボキシメチルアミノメチルウリジン;ジヒドロウリジン;2′−O−メチルプソイドウリジン;β,D−ガラクトシルキューオシン;2′−O−メチルグアノシン;N
6−イソペンテニルアデノシン;1−メチルアデノシン;1−メチルプソイドウリジン;1−メチルグアノシン;l−メチルイノシン;2,2−ジメチルグアノシン;2−メチルアデノシン;2−メチルグアノシン;N
7−メチルグアノシン;3−メチル−シチジン;5−メチルシチジン;N
6−メチルアデノシン;7−メチルグアノシン;5−メチルアミノエチルウリジン;5−メトキシアミノメチル−2−チオウリジン;β,D−マンノシルキューオシン;5−メトキシカルボニルメチルウリジン;5−メトキシウリジン;2−メチルチオ−N
6−イソペンテニルアデノシン;N−((9−β,D−リボフラノシル−2−メチルチオプリン−6−イル)カルバモイル)スレオニン;N−((9−β,D−リボフラノシルプリン−6−イル)−N−メチルカルバモイル)スレオニン;ウリジン−5−オキシ酢酸メチルエステル;ウリジン−5−オキシ酢酸(v);プソイドウリジン;キューオシン;2−チオシチジン;5−メチル−2−チオウリジン;2−チオウリジン;4−チオウリジン;5−メチルウリジン;2′−O−メチル−5−メチルウリジン;および2′−O−メチルウリジンが挙げられる。
【0122】
いくつかの実施形態において、ヌクレオシドは、6′位に(R)または(S)−キラリティのいずれかを有する6′−修飾二環式ヌクレオシド類似体を含み、米国特許第7,399,845号に記載される類似体を含む。他の実施形態において、ヌクレオシドは、5′位に(R)または(S)−キラリティのいずれかを有する5′修飾二環式ヌクレオシド類似体を含み、米国特許出願公開第20070287831号に記載される類似体を含む。
【0123】
いくつかの実施形態において、核酸塩基または修飾核酸塩基は、抗体、抗体フラグメント、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、受容体リガンド、またはキレート部分等の生体分子結合部分を含む。他の実施形態において、Baは、5−ブロモウラシル、5−ヨードウラシル、または2,6−ジアミノプリンである。さらに他の実施形態において、Baは、蛍光性または生体分子結合部分での置換によって修飾される。いくつかの実施形態において、Ba上の置換基は、蛍光性部分である。他の実施形態において、Ba上の置換基は、ビオチンまたはアビジンである。
ヌクレオチド/ヌクレオシドの修飾糖
【0124】
最も一般的な天然のヌクレオチドは、核酸塩基であるアデノシン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、およびチミン(T)またはウラシル(U)に連結されたリボース糖である。ヌクレオチド中のリン酸基または修飾リン原子部分を、糖または修飾糖の種々の位置に連結させることができる、修飾ヌクレオチドもまた企図される。非限定的な例として、リン酸基または修飾リン原子部分は、糖または修飾糖の2′、3′、4′、または5′ヒドロキシル部分に連結させることができる。上述の修飾核酸塩基を組み込むヌクレオチドもまた、本明細書に開示されるプロセスで使用することができる。いくつかの実施形態において、保護されていない−OH部分を含むヌクレオチドまたは修飾ヌクレオチドを、本明細書に開示されるプロセスで使用する。
【0125】
スキーム1〜4bに記載のリボース部分に加えて、他の修飾糖もまた、本明細書に開示される核酸に組み込むことができる。いくつかの実施形態において、修飾糖は、2′位に、次のうちの1つを含む1つ以上の置換基を含む:F;CF
3、CN、N
3、NO、NO
2、O−、S−、もしくはN−アルキル;O−、S−、もしくはN−アルケニル;O−、S−、もしくはN−アルキニル;またはO−アルキル−O−アルキル、O−アルキル−N−アルキル、もしくはN−アルキル−O−アルキル(ここで、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、置換または非置換C
1−C
10アルキル、またはC
2−C
10アルケニル、およびアルキニルであり得る)。置換基の例には、O(CH
2)
nOCH
3、およびO(CH
2)
nNH
2(式中、nは1〜約10である)、MOE、DMAOE、DMAEOEが挙げられるが、これら限定されない。WO2001/088198号、およびMartin et al.,Helv.Chim.Acta,1995,78,486−504に記載される修飾糖もまた、企図される。いくつかの実施形態において、修飾糖は、置換シリル基、RNA開裂基、レポーター基、蛍光標識、挿入分子、核酸の薬物動態特性を改善するための基、または核酸の薬理学特性を改善するための基、および類似の特性を有する他の置換基を含む。修飾は、3′−末端ヌクレオチド上の糖の3′位または5′−末端ヌクレオチドの5′位を含む、糖または修飾糖の2′、3′、4′、5′、または6′位に行われ得る。
【0126】
修飾糖はまた、ペントフラノシル糖の代わりに、シクロブチルまたはシクロペンチル部分等の糖模倣体を含む。このような修飾糖構造の調製を教示する代表的な米国特許には、米国特許第4,981,957号、同第5,118,800号、同第5,319,080号、および同第5,359,044号が挙げられるが、これらに限定されない。企図されるいくつかの修飾糖には、
【化41】
が挙げられる。
【0127】
修飾糖の他の非限定的な例としては、グリセロールが挙げられ、これは、グリセロール核酸(GNA)類似体を形成する。GNA類似体の一例は、以下に示され、Zhang,R et al.,J.Am.Chem.Soc.,2008,130,5846−5847、Zhang L,et al.,J.Am.Chem.Soc.,2005,127,4174−4175、およびTsai CH et al.,PNAS,2007,14598−14603に記載されている:
【化42】
式中、Xは、本明細書に定義される通りである。GNA由来の類似体の別の例である、ホルミルグリセロールの混合アセタールアミナールに基づく柔軟性のある核酸(FNA)は、Joyce GF et al.,PNAS,1987,84,4398−4402およびHeuberger BD and Switzer C,J.Am.Chem.Soc.,2008,130,412−413に記載されており、以下に示される。
【化43】
【0128】
修飾糖の他の非限定的な例には、ヘキソピラノシル(6’から4’)、ペントピラノシル(4’から’2’)、ペントピラノシル(4’から3’)、またはテトロフラノシル(tetrofuranosyl)(3’から2’)糖が挙げられる。
【0129】
企図されるヘキソピラノシル(6’から4’)糖には、
【化44】
が挙げられる。
【0130】
企図されるペントピラノシル(4’から2’)糖には、
【化45】
が挙げられる。
【0131】
企図されるペントピラノシル(4’から3’)糖には、
【化46】
が挙げられる。
【0132】
企図されるテトロフラノシル(3’から2’)糖には、
【化47】
が挙げられる。
【0133】
企図される他の修飾糖には、
【化48】
が挙げられる。
【0134】
以下に図示される糖模倣体が、さらに企図され、式中、Xは、S、Se、CH
2、N−Me、N−Et、またはN−iPrから選択される。
【化49】
【0135】
修飾糖および糖模倣体は、A.Eschenmoser,Science(1999),284:2118、M. Bohringer et al,Helv.Chim.Acta(1992),75:1416−1477、M.Egli et al,J.Am.Chem.Soc.(2006),128(33):10847−56、A.Eschenmoser in Chemical Synthesis:Gnosis to Prognosis,C.Chatgilialoglu and V.Sniekus,Ed.,(Kluwer Academic,Netherlands,1996),p.293、K.−U.Schoning et al,Science(2000),290:1347−1351、A.Eschenmoser et al,Helv.Chim.Acta(1992),75:218、J.Hunziker et al,Helv.Chim.Acta(1993),76:259、G.Otting et al,Helv.Chim.Acta(1993),76:2701、K.Groebke et al,Helv.Chim.Acta(1998),81:375、およびA.Eschenmoser,Science(1999),284:2118を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の方法によって、調製することができる。
ブロッキング基
【0136】
記載される反応において、ある特定の実施形態では、反応性官能基、例えば、ヒドロキシ、アミノ、チオール、またはカルボキシ基が最終生成物中に所望される場合、反応への望まれない関与を避けるために、これらを保護することが必要である。保護基は、一部または全ての反応性部分をブロックし、保護基が除去されるまで、このような基が化学反応に関与することを防止するために使用される。一実施形態において、各保護基は、異なる手段で除去可能である。完全に異なる反応条件下で開裂される保護基は、異なる除去の要件を満たす。いくつかの実施形態において、保護基は、酸、塩基、および/または水素化分解によって除去される。トリチル、ジメトキシトリチル、アセタール、およびt−ブチルジメチルシリル等の基は、酸に不安定であり、ある特定の実施形態において、水素化分解によって除去可能なCbz基および/または塩基に不安定なFmoc基で保護されたアミノ基の存在下で、カルボキシおよびヒドロキシ反応性部分を保護するために使用される。他の実施形態において、カルボン酸およびヒドロキシ反応性部分は、t−ブチルカルバメート等の酸に不安定な基で、または酸および塩基の両方に安定であるが、加水分解で除去可能なカルバメートでブロックされたアミンの存在下で、メチル、エチル、およびアセチル等であるがこれらに限定されない、塩基に不安定な基でブロックされる。
【0137】
別の実施形態において、ヒドロキシ反応性部分は、ベンジル基等の加水分解で除去可能な保護基でブロックされるが、一方で、酸との水素結合が可能なアミン基は、Fmoc等の塩基に不安定な基でブロックされる。別の実施形態において、カルボン酸反応性部分は、単純エステル化合物への変換によって保護されるか、またはそれらは、さらに別の実施形態では、2,4−ジメトキシベンジル等の酸化的に除去可能な保護基でブロックされるが、一方で、共存するアミノ基は、フッ化物に不安定なシリルまたはカルバメートブロッキング基でブロックされる。
【0138】
アリルブロッキング基は、酸および塩基保護基の存在下で有用であり、これは、前者が安定であり、後で金属またはπ酸触媒によって除去することができるためである。例えば、アリルブロックヒドロキシ基は、酸に不安定なt−ブチルカルバメートまたは塩基に不安定なアセテートアミン保護基の存在下で、Pd(0)に触媒される反応で脱保護することができる。保護基のさらに別の形態は、化合物または中間体が結合される樹脂である。残基が樹脂に結合している限り、官能基はブロックされ、反応することができない。樹脂から放出されると、官能基は反応できるようになる。
【0139】
典型的には、本明細書に記載される化合物の合成に有用なブロッキング/保護基は、例示のみを目的として、
【化50】
である。
【0140】
合成中にヌクレオチドを保護するのに有用な代表的な保護基には、塩基に不安定な保護基および酸に不安定な保護基が含まれる。塩基に不安定な保護基は、複素環式核酸塩基の環外アミノ基を保護するために使用される。この種類の保護は、概して、アシル化によって達成される。この目的で、3つの一般的に使用されるアシル化基は、塩化ベンゾイル、フェノキシ酢酸無水物、および塩化イソブチリルである。これらの保護基は、核酸合成時に使用される反応条件に安定であり、合成終了時の塩基処理中におおよそ等しい速度で開裂される。
【0141】
いくつかの実施形態において、5′−保護基は、トリチル、モノメトキシトリチル、ジメトキシトリチル、トリメトキシトリチル、2−クロロトリチル、DATE、TBTr、9−フェニルキサンチン−9−イル(Pixyl)、または9−(p−メトキシフェニル)キサンチン−9−イル(MOX)である。
【0142】
いくつかの実施形態において、チオール部分は、本明細書に記載される化合物に組み込まれ、保護される。いくつかの実施形態において、保護基には、pixyl、トリチル、ベンジル、p−メトキシベンジル(PMB)、またはtert−ブチル(t−Bu)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0143】
他の保護基、加えて、保護基の生成およびそれらの除去に適用可能な技術の詳細な説明は、Greene and Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3
rd Ed.,John Wiley&Sons,New York,NY,1999、およびKocienski,Protective Groups,Thieme Verlag,New York,NY,1994に記載され、これらは、このような開示のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0144】
以下に提供される実施例は、本発明の化合物およびこのような化合物の調製の方法を、さらに図示および例証する。本発明の範囲は、決して、以下の実施例および調製物の範囲に制限されるものではないことを理解されたい。
実施例
実施例1−メタンチオスルホネート試薬の合成
【化51】
【0145】
化合物2:DCM(50ml)中の(Z)−ブト−2−エン−1,4−ジオール(0.93ml、11.3mmol)およびトリエチルアミン(3.3ml、24mmol)の溶液を、DCM(50ml)中のメタンスルホニルクロリド(1.9ml、24mmol)の撹拌氷冷溶液に、滴下方式で添加した。室温で0.5時間撹拌した後、混合物を、氷上に注いで抽出した。有機層を収集し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、2.66g、96%の化合物2まで濃縮し、これは、NMRによって、次の反応ステップで直接使用するために十分に純粋であると判断した。
【0146】
1H NMR(399MHz,CDCl
3)δ5.94(ddd,J=5.4,4.1,1.3Hz,2H),4.83(dd,J=4.1,1.3Hz,4H),3.04(s,6H);
13C NMR128.34,64.38,38.27;MS(ESI+ve):計算値(M+NH
4):262.04、実測値:262.05。R
f=0.3(1:1EtOAc/ヘキサン)。
【0147】
化合物3:MeOH(20ml)中のメタンスルホノチオエートナトリウム(1.51g、11.3mmol)の溶液を、室温で、未希釈(Z)−ブト−2−エン−1,4−ジイルジメタンスフホネート(1.25g、5.12mmol)で処理した。5分後に、沈殿の発生が観察された。36時間後、混合物を、水とDCMとに分割した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濃縮して、無色の油を得た。カラムクロマトグラフィー(ISCO)により、淡い無色の油として純粋な生成物を得た。カラムクロマトグラフィーにより、無色の油として純粋な化合物3(0.89g、63%)を得た。
【0148】
1H NMR(399MHz,CDCl
3)δ5.84(ddd,J=6.6,5.1,1.5Hz,2H),3.92(dd,J=5.1,1.5HZ,4H),3.33(s,6H);
13C NMR128.1,51.47,33.13;MS(ESI+ve):計算値(M+NH
4):294.00、実測値:294.04。R
f=0.4(1:1EtOAc/ヘキサン)。
【0149】
化合物4:アルゴン雰囲気下で、モルホリン(10g、115mmol)を、丸底フラスコにおいてエチレンスルフィド(15g、250mmol)に添加した。反応物を、7時間撹拌し、シリカゲルカラムに直接充填した。カラムをまずDCMで洗浄し、次いで、2%MeOH/DCMを使用して、無色の油として化合物4(15.3g、91%)を得た。
【0150】
1H NMR(399MHz,CDCl
3)δ3.67−3.59(m,4H),2.63−2.52(m,2H),2.51−2.45(m,2H),2.44−2.34(m,4H);MS(ESI+ve):計算値(M+H)+=148.07、実測値:148.1。
【0151】
化合物5:2−モルホリノエタンチオール(0.21g、1.44mmol)のDCM溶液(1ml)を、室温で、DCM(10ml)中の撹拌溶液の化合物3(0.40g、1.44mmol)に、シリンジを介して滴下添加した。添加の直後に、TLCを検査し、生成物およびある量の二量体の急速な形成が明らかとなった。0.5時間後、混合物を、水の添加によって分割した。抽出した後、有機層を分離し、次いで乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにより、無色の油として化合物5(0.29g、58%)を得た。
【0152】
1H NMR(399MHz,CDCl
3)δ5.78(m,2H),3.92(d,J=7.3Hz,2H),3.70(t,J=4.7Hz,4H),3.46(d,J=5.5Hz,2H),3.31(s,3H),2.84(dd,J=7.8,6.7Hz,2H),2.66(dd,J=7.8,6.7,2H),2.48(t,J=4.6Hz,4H);
13C NMR130.35,126.27,66.97,58.20,53.67,51.52,36.22,35.16,33.67;MS(ESI+ve):計算値(M+H):344.05、実測値:344.06。R
f=0.3(EtOAc)。
【0153】
化合物5b:化合物4b(395mg、1.085mmol)のDCM溶液(1mL)を、室温で、撹拌DCM(15ml)溶液の化合物3(300mg、1.085mmol)に、シリンジを介して滴下添加した。1時間後、結果として得られた溶液を、水の添加によって分割した。抽出した後、有機層を分離し、次いで乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにより、無色の油として化合物5bを得た(0.35g、58%)。
1H NMR(399MHz,CDCl
3)δ5.83−5.70(m,2H),5.35−5.21(dt,J=26.0,9.3Hz,2H),5.16−5.07(m,1H),4.59−4.54(d,J=9.5Hz,1H),4.29−4.23(m,1H),4.23−4.18(m,1H),3.99−3.88(dd,J=6.7,1.2Hz,2H),3.80−3.72(ddd,J=10.1,4.6,2.6Hz,1H),3.64−3.56(m,1H),3.50−3.43(m,1H),3.31(s,3H),2.09(s,3H),2.03(s,6H),2.00(s,3H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ170.68,170.30,169.51,169.30,129.43,127.14,87.73,76.49,73.89,69.16,67.99,61.99,51.64,35.89,33.58,20.95,20.80,20.74,20.71;MS(ESI+ve):計算値(M+NH
4+):578.07、実測値:577.96。R
f=0.5(1:1EtOAc/ヘキサン)。
【0154】
化合物6:DCM(50ml)中の(Z)−ブト−2−エン−1,4−ジオール(0.93ml、11.3mmol)およびトリエチルアミン(1.6ml、11.5mmol)の氷冷溶液に、2分間にわたって、シリンジを介して塩化ピバロイル(1.4ml、11.4mmol)で滴下処理を行った。1時間後、TLCは、良好な反応を示した。
【0155】
結果として得られた混合物を、水の添加によって分割した。抽出した後、有機層を分離し、次いで乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空で濃縮した。この粗製化合物は、TLC(Rf=0.6、1:1EtOAc/ヘキサン)によって、出発ジオールを全く含まないことが判明し、これを粗製のまま使用してメシレートを調製した。粗製材料を、トリエチルアミン(1.7ml、12mmol)を含有するDCM(50ml)中に取り込み、氷浴で冷却した。メタンスルホニルクロリド(0.98ml、12.66mmol)を、2分間にわたりシリンジを介して滴下添加した。添加直後のTLCは、出発材料の完全な消耗を示した。結果として得られた混合物を、水の添加によって分割した。抽出した後、有機層を分離し、次いで乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにより、無色の油として、1.48g、52%の純粋な化合物6を得た。
【0156】
1H NMR(399MHz,CDCl3)δ5.89-5.75(m,2H),4.89-4.84(d,J=5.7Hz,2H),4.68-4.63(d,J=5.9Hz,2H),3.03(s,3H),1.19(s,9H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ178.28,130.61,126.11,65.08,59.65,38.84,38.21,27.25;MS(ESI+ve):計算値(M+NH4):268.12、実測値:268.20、Rf=0.3(20%EtOAc/ヘキサン)。
【0157】
化合物7:メタンスルホノチオエートナトリウム(0.63g、4.70mmol)および(Z)−4−(メチルスルホニルオキシ)ブト−2−エニルピバレート(1.00g、4.00mmol)のMeOH(10ml)溶液を、白色沈殿物の形成(10分後)を伴いながら、室温で18時間撹拌した。結果として得られた混合物を、水およびDCMの添加によって分割した。DCMに抽出した後、有機層を分離し、次いで乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにより、無色の油として、0.83g、78%の化合物7を得た。
【0158】
1H NMR(399MHz,CDCl
3)δ5.82−5.73(m,2H),4.73−4.66(m,2H),3.95−3.87(m,2H),3.32(s,3H),1.19(s,9H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ178.35,129.37,127.32,59.50,51.44,38.84,33.61,27.28;MS(ESI+ve):計算値(M+NH
4):284.10、実測値:284.19、R
f=0.4(20%EtOAc/ヘキサン)。
【0159】
化合物9:塩化ピバロイル(0.60g、5.0mmol)を、DCM(20ml)中のS−2−ヒドロキシエチルメタンスルホノチオエート(0.65g、4.16mmol)の撹拌溶液に、滴下方式で添加した。室温で2時間後、結果として得られた白色沈殿物を有する混合物を、水で分割した。有機層を分離し、乾燥させ(Ns
2SO
4)、濾過し、油に濃縮した。カラムによって、無色の油として化合物9を得た(0.45g、45%)。
1H NMR(399MHz,CDCl
3)δ4.39−4.34(t,J=6.3Hz,2H),3.44−3.39(t,J=6.3Hz,2H),3.36(s,3H),1.20(s,9H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ62.10,51.11,38.96,35.19,27.24;MS(ESI+ve):計算値(M+NH
4):158.08、実測値:158.04。R
f=0.3(20%EtOAc/ヘキサン)。
【0160】
化合物11:塩化ピバロイル(4.96ml、40.3mmol)を、2−(ヒドロキシメチル)フェノール(5g、40.3mmol)およびトリエチルアミン(5.61ml、40.3mmol)の氷冷DCM溶液(50ml)に、シリンジを介して滴下添加した。粗製ピバル酸エステルの氷冷溶液を、トリエチルアミン(6.74ml、48.4mmol)および50mlのDCMで処理した。次いで、メタンスルホニルクロリド(3.43ml、44.3mmol)を、シリンジを介してゆっくりと添加し(5分間)、結果として得られた混合物を、室温まで温めた。混合物を、氷上に注ぎ、有機層を分離し、次いで飽和NaHCO3(水溶液)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、10.5gの粗製淡黄色油に濃縮した。
【0161】
カラム(ISCO)により、5.45g、47%の純粋な11を得た。
【0162】
1H NMR(399MHz,CDCl
3)δ7.53-7.46(dd,7.7,1.8Hz,1H),7.46-7.40(dt,7.7,1.8Hz,1H),7.32-7.24(t,7.7Hz,1H),7.13-7.06(d,7.7Hz,1H),5.21(s,2H),2.79(s,3H),1.40(s,9H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ177.05,150.06,131.18,131.07,126.35,125.94,123.21,66.88,39.48,38.82,27.30,27.26。MS(ESI+ve):計算値(M+NH
4):304.12、実測値:303.99。R
f=0.4(20%EtOAc/ヘキサン)。
【0163】
化合物12:メタンスルホノチオエートナトリウム(0.825g、6.15mmol)のMeOH(20ml)溶液を、室温で2−((メチルスルホニルオキシ)メチル)フェニルピバレート(1.76g、6.15mmol)で処理し、18時間撹拌したままにした。混合物を、水とDCMとに分割した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濃縮して、無色の油を得た。カラムクロマトグラフィーにより、無色の油として、0.754g、41%の純粋な化合物12を得た。
【0164】
1H NMR(399MHz,CDCl
3)δ7.48-7.44(dd,J=7.7,1.7Hz,1H),7.39-7.34(td,J=7.8,1.7Hz,1H),7.25-7.20(td,J=7.6,1.2Hz,1H),7.10-7.06(dd,J=8.2,1.2Hz,1H),4.29(s,2H),2.90(s,3H),1.39(s,9H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ176.69,149.59,131.17,129.85,127.41,126.18,123.40,51.43,39.47,36.01,27.30;MS(ESI+ve):計算値(M+NH
4):320.10、実測値:320.09。R
f=0.4(20%EtOAc/ヘキサン)。
【0165】
化合物14:クロロメチルピバレート(0.478ml、3.32mmol)を、室温で、アセトン(7ml)中のヨウ化ナトリウム(0.050g、0.33mmol)およびメタンスルホノチオエートナトリウム(0.445g、3.32mmol)の撹拌混合物に添加した。24時間後、TLCは、生成物への良好な変換を示した。溶媒を除去し、残渣を水とDCMとに分割した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濃縮して、無色の油を得た。カラムクロマトグラフィーにより、薄いピンク色の固体として、0.41g、55%の純粋な14を得た。
【0166】
1H NMR(399MHz,CDCl
3)δ5.67(s,2H),3.39(s,3H),1.24(s,9H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ177.35,67.84,52.20,38.93,27.05。R
f=0.5(20%EtOAc/ヘキサン)。
【0167】
化合物16:15およびNaMTSから、前述のように調製した:米国特許第3,484,473号。
1H NMR(399MHz,CDCl
3)δ4.86(s,2H),3.45(s,6H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ52.15,41.50。
【0168】
化合物18:17およびNaMTSから、前述のように調製した:Chem.Pharm.Bull.Vol.12(11)p.1271,1964。
1H NMR(399MHz,CDCl
3)δ3.55(s,4H),3.40(s,6H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ50.67,35.96。
【0169】
化合物19:2−モルホリノエタンチオール(0.17g、1.2mmol)のDCM溶液(1ml)を、室温で、DCM(10ml)中の化合物18(300mg、1.2mmol)の撹拌溶液に、シリンジを介して滴下添加した。添加した直後に、TLCを検査し、生成物およびいくらかの二量体の急速な形成が明らかとなった。0.5時間後、混合物を、NaHCO
3の添加によって分割した。抽出した後、有機層を分離し、次いで乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにより、無色の油として純粋な19(0.20g、53%)を得た。
1H NMR(399MHz,CDCl
3)δ3.73−3.67(t,J=4.7Hz,4H),3.51−3.46(m,2H),3.35(s,3H),3.07−3.01(m,2H),2.88−2.83(m,2H),2.69−2.63(m,2H),2.52−2.43(t,J=4.6Hz,4H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ66.96,57.91,53.58,50.79,37.66,36.10,35.52;MS(ESI+ve):計算値(M+H):318.03、実測値:318.04。R
f=0.3(EtOAc)。
【0170】
化合物21:化合物20を、化合物11について記載されたものに類似の手順によって、化合物21に変換させる。
【0171】
化合物22:化合物21を、化合物12について記載したものに類似の手順によって、化合物22に変換させる。
【0172】
化合物23:化合物23を、文献の方法(Journal of Medicinal Chemistry,50(23),5568−5570;2007)に従って調製する。
【0173】
化合物24:化合物23(1mmol)の氷冷ピリジン溶液(10ml)を、連続的に、滴下方式で塩化アセチル(1mmol)で処理し、続いて5分後にMsCl(1.1mmol)で処理する。溶液を室温に温め、次いで溶媒を除去する。残渣をEtOAc中に溶解し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空で濃縮する。カラムクロマトグラフィーによる精製によって、純粋な化合物24を得る。
【0174】
化合物25:化合物24を、化合物12について記載したものに類似の手順によって、化合物25に変換させる。
【0175】
化合物27:化合物26を、化合物14について記載したものに類似の手順によって、化合物27に変換させる。
【0176】
化合物29:化合物28を、化合物14について記載したものに類似の手順によって、化合物29に変換させる。
【0177】
化合物30:化合物30を、文献の方法(Tetrahedron,42(2),601−7;1986.)に従って調製する。
【0178】
化合物31:化合物31を、特許の手順(米国特許第20090181444号)に従って、化合物30から調製する。
【0179】
化合物33:化合物33を、特許の手順(米国特許第20090181444号)に従って、化合物32から調製する。
【0180】
化合物36:化合物34(1mmol)の氷冷DCM(20ml)溶液を、NEt
3(1mmol)で処理し、続いてTMS−Cl(1.1mmol)の滴下添加を行う。1時間後、この溶液を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空で濃縮する。粗製TMS保護材料をTHF(10ml)中に再溶解し、そこにPPh
3(1.2mmol)、化合物35(1.2mmol)、次いでDEAD(1.2mmol、滴下)を連続して添加する。室温で18時間撹拌した後、溶媒を真空下で除去し、残渣をDCM中に再溶解し、その溶液を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空で濃縮する。カラムクロマトグラフィーによる精製によって、純粋な化合物36を得る。
【0181】
化合物37:化合物36(0.5mmol)のTHF(10ml)溶液を、TBAF(THF 1M溶液中1mmol)で処理し、TLCによって監視する。
TMS開裂が完了した後、溶媒を真空下で除去し、残渣をDCM中に再溶解し、その溶液を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空で濃縮する。
粗製アルコールをピリジン(5ml)中に再溶解し、TsCl(0.55mmol)を添加する。室温で18時間後、溶媒を除去し、残渣をDCM中に再溶解し、その溶液を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空で濃縮する。カラムクロマトグラフィーによる精製によって、純粋な化合物37を得る。
【0182】
化合物38:化合物37を、化合物12について記載したものに類似の手順によって、化合物38に変換させる。
【0183】
化合物40:化合物39(1mmol)の氷冷DCM(20ml)溶液を、NEt
3(1mmol)で処理し、続いてTMS−Cl(1.1mmol)の滴下添加を行う。1時間後、この溶液を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空で濃縮する。粗製TMS保護材料をTHF(10ml)中に再溶解し、そこにPPh
3(1.2mmol)、カリウムp−トルエンチオスルホネート(KTTS、1.2mmol)、無水ZnCl
2(1mmol)、次いでDEAD(1.2mmol、滴下)を連続して添加する。室温で18時間撹拌した後、溶媒を真空下で除去し、残渣をDCM中に再溶解し、その溶液を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空で濃縮する。カラムクロマトグラフィーによる精製によって、純粋な化合物40を得る。
【0184】
化合物41:化合物40(0.5mmol)のTHF(10ml)溶液を、TBAF(THF 1M溶液中1mmol)で処理し、TLCによって監視する。TMS開裂が完了した後、溶媒を真空下で除去し、残渣をDCM中に再溶解し、その溶液を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空で濃縮する。粗製アルコールをTHF(10ml)中に再溶解し、そこにPPh
3(1.2mmol)、化合物35(1.2mmol)、次いでDEAD(1.2mmol、滴下)を連続して添加する。室温で18時間撹拌した後、溶媒を真空下で除去し、残渣をDCM中に再溶解し、その溶液を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空で濃縮する。カラムクロマトグラフィーによる精製によって、純粋な化合物40を得る。
【0185】
化合物42:化合物41を、化合物14について記載したものに類似の手順によって、化合物42に変換させる。
実施例2−溶液相にホスホロチオトリエステルをもたらすためのH−ホスホネートのチオアルキル化
【化52】
【0186】
化合物100:Di−DMTr H−ホスホネートTT二量体(100)の合成手順は、既に説明され記載されている(Froehler,Brian C.;Ng,Peter G.;Matteucci,Mark D.,Nucleic Acids Research(1986),14(13),5399−5407、Garegg,Per J.;Lindh,Ingvar;Regberg,Tor;Stawinski,Jacek;Stroemberg,Roger;Henrichson,Christina Tetrahedron Letters(1986),27(34),4051−4054)。
【0187】
化合物101:ジアステレオマー(200mg、0.176mmol)の混合物である化合物100を、ACN(6ml)中に溶解し、次いで、トリメチルシリル2,2,2−トリフルオロ−N−(トリメチルシリル)アセトイミデート(227mg、0.882mmol)を添加した。次いで、ACN(2ml)中の(Z)−S−4−((2−モルホリノエチル)ジスルファニル)ブト−2−エニルメタンスルホノチオエート(121mg、0.353mmol)の溶液を、TLCおよびHPLC/MSによって監視しながら、3つのおおよそ等しい分量で1時間にわたり添加した。3時間後、結果として得られた溶液を、水の添加によって分割した。抽出した後、有機層を分離し、次いで乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにより、白色の発泡体として、225mg、91%の化合物101を得た。
【0188】
1H NMR(399MHz,CDCl
3)δ9.72(d,br,1H),9.27,(d,br,1H),7.53(dd,J=25.0,1Hz,1H),7.42,(t,J=7.0Hz,2H),7.37−7.16(m,17H),6.83(m,8H),6.43−6.28(m,2H),5.63−5.42(m,2H),5.21(q,J=7.1Hz,1H),4.27(m,br,1H),3.94(m,br,2H),3.77(m,12H),3.74−3.60(m,6H),3.51−3.22(m,5H),2.82−2.76(m,2H),2.68−2.60(m,2H),2.59−2.46(m,5H),2.44−2.33(m,2H),2.03−1.88(m,1H),1.84(m,3H),1.75−1.66(m,1H),1.48−1.32(dd,J=11.8,1.2Hz,3H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ164.10,164.07,164.00,163.94,159.14,159.10,150.80,150.78,150.75,150.63,145.09,144.30,144.27,136.31,136.27,136.22,136.18,135.95,135.82,135.43,135.35,135.33,135.24,135.22,130.52,130.43,130.40,129.49,129.30,128.54,128.43,128.39,127.64,127.57,113.78,113.76,113.73,113.67,112.05,111.56,87.77,87.66,87.58,85.77,85.59,84.63,84.51,74.42,74.33,67.02,66.95,63.63,63.49,58.27,58.23,55.60,55.58,53.69,53.62,39.48,39.26,39.18,35.88,35.61,35.43,35.36,28.18,12.83,12.79,12.02,11.95.;
31P NMR(162MHz,CDCl
3)δ29.25,29.12;MS(ESI+ve):計算値(M+H):1398.46、実測値:1398.64。R
f=0.4(5%MeOH/DCM)。
【0189】
化合物201:化合物101(0.150g、0.107mmol)を、3%TCA/DCM(10ml)とともに10分間にわたり撹拌した。TLCおよびHPLC/MSは、反応が完了したことを示した。10mlのMeOHを添加し、2分間撹拌を継続した。溶媒を蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色の固体として化合物201(85mg、100%)を得た。
【0190】
1H NMR(399MHz,CD
3OD)δ7.78(dd,J=7.2,1.3Hz,1H),7.53(d,J=1.3Hz,1H),6.33−6.27(m,2H),5.83−5.70(m,2H),5.25−5.19(m,1H),4.47−4.30(m,3H),4.27−4.22(m,1H),4.11−4.05(m,1H),3.89−3.82(t,J=4.8Hz,4H),3.85(m,2H),3.76−3.70(ddd,J=15.5,7.2,1.7Hz,2H),3.52(dd,J=7.3,3.7Hz,2H),3.28−3.19(br,2H),3.16−3.05(br,4H),3.05−2.98(ddd,J=9.8,5.5,2.0Hz,2H),2.62−2.52(tdd,J=11.5,5.7,1.9Hz,1H),2.47−2.36(m,1H),2.33−2.28(m,2H),1.92−1.87(m,6H);
31P NMR(162MHz,CD
3OD)δ30.22,30.19;MS(ESI+ve):計算値(M+H):794.20、実測値:794.18。R
f=0.3(10%MeOH/DCM)。
【0191】
化合物102:化合物100(400mg、0.352mmol)を、化合物101について記載されたものに類似の手順によって、化合物102に変換させた(417mg、90%)。
【0192】
1H NMR(399MHz,CDCl
3)δ9.17(d,J=6.0Hz,1H),9.13−9.00(d,J=25.7Hz,1H),7.58−7.49(dd,J=26.3,1.5Hz,1H),7.45−7.40(ddd,J=8.0,5.2,1.3Hz,2H),7.40−7.18(m,17H),6.87−6.81(m,8H),6.44−6.30(m,2H),5.65−5.53(m,1H),5.53−5.44(m,1H),5.26−5.16(5重線,J=6.4Hz,1H),4.61−4.54(m,2H),4.30−4.24(m,1H),4.19−4.13(m,1H),3.97−3.88(m,2H),3.80−3.72(m,12H),3.69−3.57(m,1H),3.54−3.30(m,5H),2.61−2.49(dt,J=14.4,5.4Hz,1H),2.44−2.32(m,1H),2.02−1.91(dt,J=12.5,5.4Hz,1H),1.85−1.80(dd,J=5.0,1.3Hz,3H),1.76−1.63(m,1H),1.43−1.36(dd,J=10.2,1.2Hz,3H),1.19−1.14(d,J=2.0Hz,8H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ178.22,178.17,163.82,163.80,163.75,158.92,158.88,150.52,150.43,144.90,144.88,144.10,144.05,136.11,136.08,136.05,136.01,135.59,135.28,135.16,135.03,135.01,130.30,130.23,130.19,130.16,128.69,128.64,128.59,128.39,128.34,128.23,128.21,128.17,127.42,127.34,113.54,113.45,111.85,111.82,111.41,111.36,87.59,87.43,87.37,85.47,85.33,84.43,84.29,84.08,84.00,83.92,74.24,67.36,63.38,63.26,59.42,55.37,39.22,38.77,27.94,27.24,12.57,11.80,11.74;
31P NMR(162MHz,CDCl
3)δ29.23,28.97;MS(ESI+ve):計算値(M+H):1338.51、実測値:1338.84。R
f=0.5(5%MeOH/DCM)。
【0193】
化合物202:化合物102(200mg、0.151mmol)を、化合物101について記載されたものに類似の手順によって、化合物202に変換させた(105mg、97%)。
【0194】
1H NMR(399MHz,CD
3OD)δ7.81−7.75(dd,J=8.2,1.3Hz,1H),7.57−7.51(dd,J=8.2,1.3Hz,1H),6.33−6.23(m,2H),5.85−5.75(m,1H),5.75−5.66(m,1H),5.26−5.19(m,1H),4.72−4.66(m,2H),4.47−4.30(m,3H),4.27−4.20(m,1H),4.11−4.04(m,1H),3.83−3.76(m,2H),3.74−3.64(m,2H),2.62−2.51(m,1H),2.45−2.35(td,J=8.7,6.5Hz,1H),2.32−2.24(m,2H),1.93−1.82(m,6H),1.20−1.15(d,J=2.1Hz,9H);
13C NMR(126MHz,CD
3OD)δ179.65,166.28,152.30,152.28,152.22,137.90,137.81,137.79,130.07,130.04,129.26,129.24,111.93,111.88,111.87,87.26,87.22,86.96,86.90,86.76,86.54,86.12,86.07,85.98,85.92,85.88,85.82,80.54,80.49,80.46,80.41,71.84,71.67,68.71,68.66,68.45,68.40,62.58,62.50,60.72,40.51,40.44,39.70,39.52,39.48,28.67,28.64,28.61,27.53,12.64,12.48;
31P NMR(162MHz,CDCl
3)δ29.23,28.97;MS(ESI+ve):計算値(M+H):717.22、実測値:717.23。R
f=0.5(10%MeOH/DCM)。
【0195】
化合物103:化合物100(400mg、0.352mmol)を、化合物101について記載されたものに類似の手順によって、化合物103に変換させた(379mg、83%)。
【0196】
1H NMR(399MHz,CDCl
3)δ9.48(s,1H),9.41−9.29(m,1H),7.60−7.48(dd,J=9.0,1.0Hz,1H),7.46−7.40(dt,J=6.9,1.2Hz,2H),7.39−7.17(m,17H),6.89−6.79(m,8H),6.44−6.31(m,2H),5.27−5.20(t,J=6.5Hz,1H),4.30−4.24(t,J=6.1Hz,1H),4.19−4.15(m,2H),4.13−4.07(t,J=7.1Hz,1H),3.99−3.90(m,2H),3.79−3.74(m,12H),3.70−3.58(m,1H),3.51−3.43(td,J=8.8,7.2,2.3Hz,1H),3.40−3.32(m,1H),3.02−2.85(m,2H),2.61−2.49(dt,J=18.5,7.0Hz,1H),2.47−2.33(m,1H),1.98−1.90(dt,J=10.2,5.0Hz,1H),1.85−1.81(m,3H),1.74−1.62(td,J=14.2,7.1Hz,1H),1.42−1.36(m,3H),1.19−1.13(d,J=4.9Hz,9H);
31P NMR(162MHz,CDCl
3)δ29.36,29.18;
13C NMR(126MHz,CDCl
3)δ177.97,177.89,163.94,163.91,163.90,163.86,158.91,158.87,150.63,150.54,150.53,150.50,144.88,144.85,144.10,144.04,136.09,135.99,135.52,135.50,135.24,135.16,135.12,135.04,135.00,130.31,130.29,130.20,130.16,130.13,128.34,128.20,128.18,128.14,127.39,127.31,124.89,113.55,113.52,113.43,111.84,111.38,87.58,87.42,87.36,85.30,84.98,84.95,84.40,84.33,84.27,83.98,83.91,83.84,79.31,79.27,78.88,78.84,74.16,74.08,67.56,67.50,67.46,67.41,63.33,63.24,62.79,62.75,55.34,39.21,39.16,39.04,39.00,38.85,38.82,29.95,29.92,29.66,29.63,27.17,12.53,11.80,11.72;MS(ESI+ve):計算値(M+H):1312.69、実測値:1312.49。R
f=0.4(5%MeOH/DCM)。
【0197】
化合物203:化合物103(200mg、0.154mmol)を、化合物201について記載されたものに類似の手順によって、化合物203に変換させた(103mg、98%)。
【0198】
1H NMR(399MHz,CD
3OD)δ7.80−7.76(dd,J=8.2,1.2Hz,1H),7.55−7.51(dd,7.1,1.2Hz,1H),6.32−6.24(m,2H),5.26−5.19(m,1H),4.46−4.20(m,6H),4.10−4.05(m,1H),3.82−3.78(dd,J=6.5,3.2Hz,2H),3.22−3.14(ddd,J=16.6,7.0,5.8Hz,2H),2.61−2.51(tdd,J=13.0,5.9,2.1Hz,1H),2.46−2.37(ddd,J=14.3,8.3,6.0Hz,1H),2.31−2.26(t,J=5.8Hz,2H),1.91−1.86(dt,J=11.0,1.2Hz,6H),1.21−1.17(m,9H);
31PNMR(162MHz,CD
3OD)δ30.15;
13C NMR(100MHz,CD
3OD)δ179.45,179.42,166.29,152.31,152.29,152.23,137.82,137.80,137.78,111.91,111.88,87.21,87.17,86.94,86.87,86.63,86.52,86.11,86.06,85.92,85.84,85.77,80.67,80.60,80.49,80.43,71.79,71.64,68.80,68.74,68.58,68.52,64.11,64.07,64.02,62.54,62.44,40.48,40.43,39.81,39.71,39.68,39.52,39.47,30.74,30.72,30.68,27.52,12.65,12.50;MS(ESI+ve):計算値(M+H):691.21、実測値:691.09。R
f=0.5(10%MeOH/DCM)。
【0199】
化合物104:化合物100(400mg、0.352mmol)を、化合物101について記載されたものに類似の手順によって、化合物104に変換させた(451mg、94%)。
【0200】
1H NMR(399MHz,CDCl
3)δ9.17−9.01(m,2H),7.51−7.46(dd,J=7.8,1.5Hz,1H),7.45−7.38(m,2H),7.37−7.09(m,19H),7.01−6.90(m,2H),6.87−6.78(m,8H),6.39−6.27(m,2H),5.15−5.01(m,1H),4.20−4.13(m,1H),3.96−3.90(m,1H),3.90−3.83(m,2H),3.80−3.68(m,14H),3.52−3.20(m,3H),2.45−2.16(m,2H),2.01−1.88(ddd,J=23.3,13.6,5.6Hz,1H),1.85−1.79(dd,J=9.3,1.2Hz,3H),1.69−1.53(m,1H),1.40−1.31(m,12H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ176.46,176.37,163.84,163.78,158.90,158.87,150.52,150.50,150.43,149.38,149.28,144.95,144.88,144.16,144.10,136.13,136.11,136.09,136.03,135.57,135.49,135.37,135.26,135.21,135.08,135.04,130.83,130.74,130.29,130.21,130.16,129.51,129.49,129.40,129.36,129.35,129.31,128.38,128.35,128.27,128.23,128.19,128.14,127.39,127.33,126.05,125.94,122.94,122.86,113.53,113.42,111.77,111.73,111.39,111.28,87.55,87.52,87.37,87.32,85.33,84.95,84.90,84.29,84.20,84.00,83.92,83.87,83.79,79.05,79.00,74.29,74.24,67.31,67.24,67.17,67.11,63.37,55.37,55.35,39.37,39.32,39.15,39.10,38.64,30.51,30.41,30.36,27.28,27.24,12.59,12.51,11.75,11.67;
31P NMR(162MHz,CDCl
3)δ29.12,28.49;MS(ESI+ve):計算値(M+NH
4):1374.51、実測値:1374.74。R
f=0.4(5%MeOH/DCM)。
【0201】
化合物204:化合物104(200mg、0.147mmol)を、化合物201について記載されたものに類似の手順によって、化合物204に変換させた(98mg、88%)。
【0202】
1H NMR(399MHz,CD
3OD)δ7.77−7.73(m,1H),7.51−7.43(m,2H),7.38−7.31(m,1H),7.25−7.19(ddd,J=9.2,5.4,1.6Hz,1H),7.08−7.02(ddd,J=8.0,3.8,1.3Hz,1H),6.28−6.17(m,2H),5.10−5.01(m,1H),4.30−4.16(m,3H),4.11−4.03(m,3H),4.03−3.97(d,J=5.3Hz,2H),3.74−3.63(m,2H),2.48−2.11(m,5H),1.90−1.82(m,6H),1.43−1.36(d,J=3.4Hz,9H);
13C NMR(100MHz,CD
3OD)δ178.05,166.26,152.25,152.19,150.78,137.80,137.76,132.13,132.09,130.61,130.56,127.24,124.10,111.92,111.84,111.79,87.14,87.09,86.80,86.71,86.50,85.98,85.95,85.92,85.87,85.83,85.75,80.55,80.48,80.32,80.27,71.97,71.73,68.67,68.61,68.35,68.29,62.51,62.42,40.41,40.36,40.32,39.66,39.64,39.35,39.29,31.08,31.04,27.61,12.68,12.65,12.49;
31P NMR(162MHz,CD
3OD)δ29.54,29.29;MS(ESI+ve):計算値(M+H):753.22、実測値:753.12。R
f=0.5(10%MeOH/DCM)。
【0203】
化合物105:化合物100(200mg、0.176mmol)を、化合物101について記載されたものに類似の手順によって、化合物105に変換させた(158mg、70%)。
【0204】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.46−7.39(m,2H)7.38−7.16(m,18H),6.90−6.77(m,8H),6.43−6.27(m,1H),5.39−5.18(m,2H),4.31−4.23(dd,J=12.0,6.2Hz,1H),4.20−4.12(m,1H),3.98−3.86(m,1H),3.82−3.70(m,12H),3.69−3.52(m,1H),3.50−3.43(td,J=9.9,8.9,2.7Hz,1H),3.41−3.29(ddd,J=17.2,10.8,2.5Hz,1H),2.59−2.49(m,1H),2.44−2.30(m,1H),2.03−1.93(m,1H),1.86−1.79(d,J=2.9Hz,3H),1.75−1.67(m,4H),1.43−1.36(d,3H),1.16−1.08(d,J=9.3Hz,9H);
31P NMR(162MHz,CDCl
3)δ28.14,27.81(2つのジアステレオマー)。MS(ESI+ve):計算値(M+H):1281.4、実測値:1281.1(M+H)
+および1298.6(M+NH
4)
+
【0205】
化合物205:化合物105(137mg、0.107mmol)を、化合物201について記載されたものに類似の手順によって、化合物205に変換させた(66mg、91%)。
1H NMR(399MHz,CD
3OD)δ7.83−7.76(m,1H),7.56−7.50(m,1H),6.34−6.22(m,2H),5.51−5.43(m,H),5.28−5.20(qt,J=7.8,1.8Hz,1H),4.47−4.31(m,3H),4.29−4.21(m,1H),4.10−4.05(m,1H),3.87−3.73(dd,J=7.6,3.1Hz,2H),2.62−2.50(tdd,J=16.9,5.7,1.9Hz,1H),2.45−2.36(m,1H),2.32−2.25(ddd,J=6.9,5.4,1.5Hz,3H),1.92−1.84(m,6H),1.22−1.18(d,J=5.3Hz,9H);
31P NMR(162MHz,CD
3OD)δ28.71,28.42(2つのジアステレオマー)。MS(ESI+ve):計算値(M+H):677.2、実測値:677.2(M+H)
+、694.2(M+NH
4)
+
【0206】
化合物106:化合物100(405mg、0.357mmol)を、化合物19を使用して、化合物101について記載されたものに類似の手順に従って、化合物106に変換させた(0.35g、71%)。
1H NMR(399MHz,CDCl
3)δ9.97−9.42(m,2H),7.58−7.47(m,1H),7.46−7.39(m,2H),7.39−7.13(m,17H),6.87−6.78(m,8H),6.44−6.29(dtd,J=20.4,9.2,4.7Hz,2H),5.27−5.16(dt,J=14.7,7.3Hz,1H),4.30−4.22(m,1H),4.22−4.12(m,1H),4.02−3.90(q,J=3.8,3.4Hz,2H),3.80−3.73(m,12H),3.72−3.65(m,5H),3.51−3.43(m,1H),3.40−3.31(m,1H),3.14−2.93(m,2H),2.85−2.72(m,4H),2.67−2.59(m,2H),2.57−2.34(m,6H),1.97−1.87(td,J=13.7,13.1,5.7Hz,1H),1.84(s,3H),1.73−1.61(td,J=14.1,6.8Hz,1H),1.42−1.37(d,J=6.7Hz,3H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ163.97,163.94,163.91,158.88,158.84,150.64,150.60,150.52,144.86,144.83,144.09,144.04,136.06,136.04,135.95,135.93,135.54,135.19,135.09,135.03,134.99,130.28,130.17,130.13,128.29,128.17,128.14,127.38,127.31,113.51,113.42,111.82,111.79,111.44,111.38,87.53,87.38,87.33,85.29,85.26,84.89,84.85,84.41,84.36,84.29,84.25,83.88,83.85,83.80,83.76,79.28,79.23,78.72,78.67,74.04,67.53,67.46,67.37,67.29,66.77,63.33,63.21,57.84,55.34,53.41,53.34,39.23,39.09,39.01,38.92,38.55,38.51,38.46,38.42,35.64,35.59,30.35,30.30,30.26,12.60,11.79,11.74;
31P NMR(162MHz,CDCl
3)δ29.30,29.14;MS(ESI+ve):計算値(M+H):1372.44、実測値:1372.79。R
f=0.4(5%MeOH/DCM)。
【0207】
化合物206:化合物106(200mg、0.146mmol)を、化合物201について記載されたものに類似の手順によって、化合物206に変換させた(110mg、98%)。
1H NMR(399MHz,CD
3OD)δ7.83−7.75(dd,J=7.6,1.4Hz,1H),7.56−7.48(d,J=1.6Hz,1H),6.35−6.23(m,2H),5.27−5.20(m,1H),4.48−4.31(m,3H),4.28−4.21(dd,J=9.7,2.1Hz,1H),4.11−4.04(t,J=4.0Hz,1H),3.97−3.84(br,4H),3.83−3.77(dd,J=6.0,3.2Hz,2H),3.43−3.36(m,2H),3.29−3.18(m,6H),3.11−3.00(m,4H),2.62−2.51(tdd,J=11.7,5.7,1.7Hz,1H),2.47−2.38(ddd,J=14.3,8.4,6.0Hz,1H),2.38−2.25(q,J=5.3,4.8Hz,2H),1.91(s,3H),1.88(s,3H);
31P NMR(162MHz,CD
3OD)δ30.19,30.12;
13C NMR(100MHz,CD
3OD)δ166.28,166.24,166.23,152.32,152.27,152.24,138.05,138.00,137.77,137.75,112.08,112.03,111.97,111.94,87.28,87.24,87.01,86.96,86.62,86.51,86.10,86.06,85.76,85.68,71.73,71.51,68.91,68.58,68.51,65.44,62.60,62.50,57.50,53.50,40.25,40.16,39.64,39.57,39.20,39.16,39.06,32.56,32.55,31.04,31.00,12.73,12.69,12.52;MS(ESI+ve):計算値(M+H):768.18、実測値:768.14。R
f=0.3(10%MeOH/DCM)。
【0208】
化合物107:化合物5の代わりに化合物22を使用して、化合物100を、化合物101について記載されたものに類似の手順によって、化合物107に変換させる。
【0209】
化合物207:化合物107を、化合物201について記載されたものに類似の手順によって、化合物207に変換させる。
【0210】
化合物108:化合物5の代わりに化合物25を使用して、化合物100を、化合物101について記載されたものに類似の手順によって、化合物108に変換させる。
【0211】
化合物208:化合物108を、化合物201について記載されたものに類似の手順によって、化合物208に変換させる。
【0212】
化合物109:化合物5の代わりに化合物27を使用して、化合物100を、化合物101について記載されたものに類似の手順によって、化合物109に変換させる。
【0213】
化合物209:化合物109を、化合物201について記載されたものに類似の手順によって、化合物209に変換させる。
【0214】
化合物110:化合物5の代わりに化合物29を使用して、化合物100を、化合物101について記載されたものに類似の手順によって、化合物110に変換させる。
【0215】
化合物210:化合物110を、化合物201について記載されたものに類似の手順によって、化合物210に変換させる。
【0216】
化合物111:化合物5の代わりに化合物31を使用して、化合物100を、化合物101について記載されたものに類似の手順によって、化合物111に変換させる。
【0217】
化合物211:化合物111を、化合物201について記載されたものに類似の手順によって、化合物211に変換させる。
【0218】
化合物112:化合物5の代わりに化合物33を使用して、化合物100を、化合物101について記載されたものに類似の手順によって、化合物112に変換させる。
【0219】
化合物212:化合物112を、化合物201について記載されたものに類似の手順によって、化合物212に変換させる。
【0220】
化合物113:化合物5の代わりに化合物38を使用して、化合物100を、化合物101について記載されたものに類似の手順によって、化合物113に変換させる。
【0221】
化合物213:化合物113を、化合物201について記載されたものに類似の手順によって、化合物213に変換させる。
【0222】
化合物114:化合物5の代わりに化合物41を使用して、化合物100を、化合物101について記載されたものに類似の手順によって、化合物114に変換させる。
【0223】
化合物214:化合物114を、化合物201について記載されたものに類似の手順によって、化合物214に変換させる。
【0224】
化合物115:化合物5の代わりに化合物43を使用して、化合物100を、化合物101について記載されたものに類似の手順によって、化合物115に変換させる。
【0225】
化合物215:化合物115を、化合物201について記載されたものに類似の手順によって、化合物215に変換させる。
実施例3−ビス(メタンチオスルホネート)試薬を使用した、ホスホロチオトリエステルの代替的合成
【化53】
【0226】
化合物150:化合物100(300mg、0.264mmol)を、化合物101について記載されたものに類似の手順によって、化合物150に変換させた(170mg、50%)。
【0227】
1H NMR(399MHz,CDCl
3)δ9.34−9.30(s,1H),9.28−9.17(d,J=30.6Hz,1H),7.57−7.47(m,1H),7.47−7.40(m,2H),7.38−7.18(m,17H),7.18−7.07(d,J=1.4Hz,1H),6.88−6.77(dd,J=9.0,1.5Hz,8H),6.44−6.34(ddd,J=15.6,8.9,5.4Hz,1H),6.32−6.21(ddd,J=18.9,8.5,5.9Hz,1H),5.27−5.19(q,J=5.9Hz,1H),4.46−4.33(m,2H),4.31−4.16(m,2H),4.03−3.91(m,2H),3.81−3.67(m,12H),3.54−3.46(m,1H),3.42−3.34(m,1H),3.34−3.25(d,J=20.2Hz,3H),2.64−2.53(td,J=13.4,5.4Hz,1H),2.47−2.34(dq,J=19.9,6.5,5.9Hz,1H),1.99−1.91(m,1H),1.85−1.80(t,J=1.5Hz,3H),1.78−1.65(tt,J=14.1,7.5Hz,1H),1.44−1.37(dd,J=7.3,1.2Hz,3H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ171.27,163.83,163.80,158.95,158.93,158.90,150.64,150.53,150.46,150.38,144.91,144.88,144.09,144.02,136.00,135.98,135.94,135.81,135.11,135.04,134.98,134.97,130.34,130.27,130.20,128.30,128.23,128.20,127.46,127.36,113.59,113.56,113.48,111.95,111.38,87.60,87.47,87.43,86.03,85.83,84.44,84.34,83.81,79.82,79.58,73.99,73.91,67.85,67.78,63.31,63.20,55.39,51.77,51.70,39.16,38.99,38.90,37.21,37.16,37.12,37.05,12.63,12.57,11.85,11.80;
31P NMR(162MHz,CDCl
3)δ26.15,25.60;MS(ESI+ve):計算値(M+H):1308.37、実測値:1308.70。R
f=0.5(5%MeOH/DCM)。
【0228】
化合物151:化合物150(150mg、0.116mmol)のDCM(5ml)溶液を、室温で、TLCで監視しながら、2−モルホリノエタンチオール(17mg、0.116mmol)で処理した。0.5時間後、混合物を、NaHCO
3で洗浄し、DCM中に5回抽出した。有機抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィーにより、無色の固体発泡体として化合物151を得た(81mg、51%)。
【0229】
1H NMR(399MHz,CDCl
3)δ9.68−9.54(m,1H),9.44(s,1H),7.59−7.48(m,1H),7.47−7.40(m,2H),7.40−7.13(m,17H),6.90−6.76(ddd,J=9.3,4.4,2.7Hz,8H),6.45−6.27(m,2H),5.32−5.22(dd,J=8.5,5.7Hz,1H),4.34−4.25(m,1H),4.23−4.14(m,1H),4.07−3.89(m,2H),3.79−3.74(m,12H),3.74−3.65(m,6H),3.51−3.33(m,2H),2.90−2.79(dd,J=14.2,7.6Hz,2H),2.73−2.55(m,3H),2.55−2.34(m,6H),2.02−1.91(m,1H),1.87−1.81(dd,J=4.9,1.2Hz,3H),1.77−1.66(ddd,J=14.2,8.7,6.4Hz,1H),1.41−1.35(dd,J=6.6,1.2Hz,3H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ163.97,163.93,163.88,158.90,158.86,158.71,150.64,150.59,150.53,150.50,144.92,144.88,144.13,144.08,136.11,136.07,136.03,136.00,135.73,135.60,135.22,135.14,135.08,135.04,135.02,130.32,130.30,130.23,130.18,128.33,128.19,128.17,127.39,127.33,113.56,113.52,113.45,111.85,111.82,111.38,111.29,87.56,87.41,87.38,85.71,85.35,84.91,84.38,84.27,84.22,84.05,83.97,83.85,83.78,79.36,79.11,79.05,74.25,74.07,67.39,66.88,66.79,63.27,57.80,55.36,53.55,53.51,53.40,43.06,40.72,40.54,39.25,39.16,39.01,35.91,12.64,12.60,11.78,11.74;
31P NMR(162MHz,CDCl
3)δ27.76,27.46;MS(ESI+ve):計算値(M+H):1358.43、実測値:1358.74。R
f=0.4(5%MeOH/DCM)。
【0230】
化合物251:化合物151(75mg、0.055mmol)を、化合物201について記載されたものに類似の手順によって、化合物251に変換させた(10mg、24%)。MS(ESI+ve):計算値(M+H):754.17、実測値:754.19。R
f=0.3(10%MeOH/DCM)。
【0231】
化合物152:化合物100を、化合物101について記載されたものに類似の手順によって、化合物152に変換させる。
【化54】
【0232】
化合物153:化合物4の代わりに1−チオ−β−D−グルコース四酢酸を使用して、化合物152を、化合物151について記載されたものに類似の手順によって、化合物153に変換させる。
【0233】
化合物253:化合物153を、化合物201について記載されたものに類似の手順によって、化合物253に変換させる。
【0234】
化合物154:化合物100を、化合物101について記載されたものに類似の手順によって、化合物154に変換させる。
【0235】
化合物155:化合物154を、化合物151について記載されたものに類似の手順によって、化合物155に変換させる。
【0236】
化合物255:化合物155を、化合物201について記載されたものに類似の手順によって、化合物255に変換させる。
実施例4−H−固相でホスホロチオトリエステルをもたらすためのホスホネートのチオアルキル化
【0237】
化合物300:(Rp)−CAGT−H−ホスホネート−オキサリルリンカー−CPGの合成を、報告されている方法(Journal of American Chemical Society 2008,130,16031−16037、Angewandte Chemie International Edition 2009,48,496−499)に従って、Applied Biosystems 394 DNA/RNAシンセサイザー上で行った。
【0238】
化合物301:(Sp)−CAGT−ホスホロチオエート(R=H):(Rp)−CAGT−H−ホスホネート−オキサリルリンカー−CPGを、0.2M Beaucage試薬/CH
3CN−BSA(9:1、v/v)によって処理し、室温で1時間撹拌し、次いで、CS
2およびアセトニトリルで連続的に洗浄し、減圧下で乾燥させた。結果のCPGを、2mlの28%NH
3水溶液で処理し、室温で18時間撹拌した。減圧下でNH
3を除去した後、結果として得られた生成物を、LC/MSおよびHPLCによって分析した。
【0239】
化合物302:(Sp)−CAGT−S−メチルホスホロチオトリエステル(R=Me):BSTFA(50μL、188μmol)およびアセトニトリル(500μL)を、(Rp)−CAGT−H−ホスホネート−オキサリルリンカー−CPG(14.7mg、1μmol)に添加し、次いで、混合物を、室温で20分間振盪させた。S−メチルメタンスルホノチオエート(20μL、212μmol)およびNEt
3(50μL)を添加し、室温で1時間振盪を継続した。CPGを、CH
3CNで洗浄し、次いで、真空で乾燥させた。乾燥CH
3CN(2ml)中の20%PrNH
2を、CPGに添加し、混合物を、室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、CH
3CNを混合物に添加した。CPGを濾過によって除去し、濾液を減圧下で濃縮した。CH
3CN/DMSO/0.5M AA緩衝液(1:1:1、v/v/v)を添加し、混合物を室温で16時間撹拌し、次いで、LC/MSおよびHPLCによって分析した。
【0240】
化合物303:化合物303を、支持体上で化合物300の硫黄化によって調製し、続いて開裂させる。ACN(450μL)、BSTFA(50μL)、および化合物12(20mg)を、化合物300(1μmol)に添加し、それを18時間振盪させる。CPGを、濾過によって収集し、乾燥CH
3CN(2ml)中の20%PrNH
2中に再懸濁させ、室温で16時間振盪させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をRPHPLCによって精製して、純粋な化合物303を得る。
実施例5−溶液相でホスホロチオトリエステルをもたらすためのH−ホスホネートのチオアルキル化
【化55】
【0241】
化合物305:化合物300(0.5μmol)を、ACN(125μL)中に取り込み、続いてBSTFA(62μL)を添加し、混合物を20分間振盪させた。PrNH
2(125μL)を添加し、バイアルを18時間回転させた。濾過して1mlのACNで洗浄した後、溶媒を真空で除去し、残渣をトルエンで3回共蒸発させて、粗製化合物304を得た。残渣をピリジン(375μL)中に再溶解し、Ar下で撹拌させながら、BSTFA(16μl、60.0μmol)、続いて化合物9(7.2mg、30.0μmol)で処理した。室温で2時間後、溶媒を除去し、残渣を1時間MeOH(0.125ml)で処理し、次いでAA(0.5M、0.125ml)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。生成物をRPHPLCによって精製し、化合物305を得た。
【0242】
化合物303:化合物9の代わりに化合物12を用いて、化合物303を、化合物305について記載されたものに類似の手順によって調製した。
【0243】
化合物306:化合物14の代わりに化合物12を用いて、化合物306を、化合物305について記載されたものに類似の手順によって調製した。
【0244】
化合物307:化合物29の代わりに化合物12を用いて、化合物307を、化合物305について記載されたものに類似の手順によって調製した。
【0245】
化合物308:化合物31の代わりに化合物12を用いて、化合物308を、化合物305について記載されたものに類似の手順によって調製した。
【0246】
化合物309:化合物38の代わりに化合物12を用いて、化合物309を、化合物305について記載されたものに類似の手順によって調製した。
実施例6−H−ホスホネートの立体選択的チオアルキル化
【0247】
目的:ホスホロチオトリエステルを生成するためのH−ホスホネートとMTS試薬の反応が立体特異的であることを実証する。
31P NMRを使用して、反応の経過中の変化を追跡した。
【化56】
【0248】
実験手順:NMR管に、0.8mlのCD
3CN中の化合物100S 5′−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジン−3′−イル3′−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジン−5′−イルH−ホスホネート(20mg、18μmol)を添加し、
31P NMRスペクトルを記録した。BSTFA(17μL、176μmol)を、同じNMR管に添加し、5分後に
31P NMRスペクトルを再度記録した。トリエチルアミン(49μL、352μmol)およびS−メチルメタンチオスルホネート(22μL、88μmol)を、同じNMR管に添加し、
31P NMRスペクトルを即座に記録した。
【0249】
同じ手順を、Rp異性体(化合物100R)に対して繰り返した。出発材料、中間体、および生成物に対して記録された
31P NMRスペクトルは、リン原子の立体化学が、反応の間保持されることを示す。
【0250】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に示され、記載されているが、このような実施形態は、例示のみの目的で提供されることが、当業者には明らかであろう。今後、当業者は、本発明から逸脱することなく、多数の変化形、変更、および置換が思いつくであろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の種々の代替物が、本発明の実施に利用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求およびそれらの均等物の範囲内にある方法および構造がその適用範囲となることが意図される。