(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施例)
(脱液機2の構成)
図1に示す脱液機2は、固液混合原料(例えば汚泥等)から液体を分離するために用いられる螺旋体式の脱液機である。以下では、固液混合原料のことを単に「原料」と呼ぶ。
図1〜
図5に示すように、脱液機2は、ケーシング10と、スクリュー型螺旋体20と、軸体30と、駆動機構40と、ホッパー50と、原料投入部52と、軸支持体56と、回転軸60と、軸受体70と、カプリング継手74と、終端部材80と、固定台90と、テーブル94とを備える。
図2に示すように、この脱液機2は、ホッパー50に投入された原料(矢印S1参照)を、ケーシング10内で終端部材80に向かって搬送しながら脱液を行い(矢印S2参照)、脱液後の原料(即ち脱液後の固形物。「ケーク」とも呼ばれる)を終端部材80の排出口82から排出する。以下では、原料の搬送方向の入口方向(
図2、
図4の左側)のことを「入口」と呼び、原料の搬送方向の出口方向(
図2、
図4の右側)のことを「出口」と呼ぶ場合がある。
【0019】
図2、
図3に示すように、ケーシング10と、スクリュー型螺旋体20と、軸体30とは、外側からこの順番で同心状に配置されている。即ち、ケーシング10の内側にスクリュー型螺旋体20が同心状に配置され、スクリュー型螺旋体20の内側の空間内に、軸体30が同心状に配置される。ケーシング10と、スクリュー型螺旋体20と、軸体30とは中心軸が共通する(同軸である)と言い換えてもよい。
【0020】
図2〜
図4に示すように、ケーシング10は、外筒体12と、濾材16とを備えている。外筒体12と濾材16とはいずれも円筒状に形成されている。外筒体12と濾材16とは外側からこの順で重ね合せられている。即ち、濾材16の外周面が外筒体12の内周面によって覆われている。外筒体12は、剛性を有する金属製の筒体である。外筒体12は一般的に「バレル」とも呼ばれる。そのため、外筒体12のことを「バレル」と呼んでもよい。
図3、
図4に示すように、外筒体12には、多数個の脱液孔14が形成されている。濾材16は、例えば金属製のメッシュ材又は不織布等を筒状に成形して構成される筒体である。即ち濾材16は、外筒体12の脱液孔14よりも細かい目のメッシュで作られている。
図2に示すように、ケーシング10の入口部は、原料投入部52の排出口53bを覆うように原料投入部52に固定され、ケーシング10の出口部は、終端部材80の導入口84を覆うように終端部材80に固定されている。即ち、ケーシング10は、原料投入部52と終端部材80との間に固定されている。なお、変形例では、外筒体12は、円筒状の外筒体12を軸心に沿って分割可能な形状を組み合わせることによって形成されていてもよい。同様に、濾材16も、円筒状の濾材16を軸心に沿って分割可能な形状を組み合わせることによって形成されていてもよい。
【0021】
図4の例では、スクリュー型螺旋体20は、金属線をコイル状に巻いて成形された部材である。他の例では、スクリュー型螺旋体20は、平板状部材を螺旋状に成形した部材であってもよい。スクリュー型螺旋体20のピッチは入口側端部22から出口側端部24に向けて狭くなるように形成されている。また、
図2、
図3に示すように、スクリュー型螺旋体20の外周部は、濾材16の内周面と摺動可能に当接している。スクリュー型螺旋体20の内部空間には軸体30が挿通されている。ただし、スクリュー型螺旋体20と軸体30とは固定されておらず、スクリュー型螺旋体20の内周は軸体30の濾材32の外周面(濾材面)と摺動可能に当接している。スクリュー型螺旋体20の出口側端部24は、回転軸60の継手部62の平滑面64に固定されている。出口側端部24と平滑面64とは例えば溶接等によって固定されている。そして、スクリュー型螺旋体20の入口側端部22は、原料投入部52内に設けられたベアリング54に支持されている。ただし、入口側端部22はベアリング54に固定されていない。これにより、回転軸60が回転(
図2の矢印R参照)すると、それに伴ってスクリュー型螺旋体20が同軸回転する。
【0022】
また、スクリュー型螺旋体20は、原料の搬送方向に沿って圧縮コイルばねのように伸縮変形可能である。スクリュー型螺旋体20の一部(例えば隣接するピッチ溝間や、スクリュー型螺旋体20の両端部など)に所定の閾値以上の圧力が加わる場合に、スクリュー型螺旋体20は伸縮変形する。スクリュー型螺旋体20が伸縮変形することに伴って、スクリュー型螺旋体20の長さが変化する。
【0023】
図2〜
図4に示すように、軸体30は、濾材32と、内筒体34とを備えている。濾材32と内筒体34とはいずれも円筒状に形成されている。濾材32と内筒体34とは外側からこの順で重ね合せられている。即ち、内筒体34の外周面が濾材32の内周面によって覆われている。濾材32は、例えば金属製のメッシュ材や不織布等を筒状に成形して構成される筒体である。即ち、濾材32には、内筒体34の脱液孔36(後述)よりも細かい目のメッシュ孔が多数形成されている。一方、内筒体34は、剛性を有する金属製の筒体である。
図3、
図4に示すように、内筒体34には、多数個の脱液孔36が形成されている。また、内筒体34の入口側端部の近傍の所定の位置には濾過孔38が形成されている。濾過孔38の開口面積は、脱液孔36の開口面積よりも大きい。
図2に示すように、軸体30の入口側端部の近傍は軸支持体56によって固定されている。この際、内筒体34の濾過孔38は軸支持体56よりも外側(
図2中の左側)に露出する。軸体30の出口側端部の近傍は終端部材80によって支持されている。そして、軸体30の出口側端部は、回転軸60の継手部62に設けられた軸受け空間66内に挿入されている。ただし、軸体30の出口側端部は継手部62とは固定されていない。即ち、軸体30は、回転しない態様で軸支持体56と終端部材80とによって保持されている。
【0024】
図2、
図3に示すように、濾材16の内周面とスクリュー型螺旋体20と濾材32の外周面との間には、圧搾空間100(「ピッチ空間」又は「螺旋体溝断面積」と呼び変えてもよい)が形成される。圧搾空間100は、原料の通路であるとともに、原料に圧力を加えて原料から液体を絞り出すための空間である。上記の通り、スクリュー型螺旋体20のピッチは入口側端部22側から出口側端部24側に向けて徐々に狭くなるように形成されている。そのため、圧搾空間100の容積も、入口側から出口側に向けて徐々に狭くなる。これにより、スクリュー型螺旋体20を回転させることで、圧搾空間100内の原料を出口側に向けて搬送する(
図2の矢印S2参照)とともに、原料に圧搾圧力を加えて原料から液体を絞り出す(即ち分離する)ことができる。
【0025】
図1、
図2に示すように、ホッパー50は、原料を原料投入部52内に導入するためのガイド部材である。ホッパー50の上端面は大きく開口している。ホッパー50の下端面は、原料投入部52の投入口53aに連通されている。作業者は、ホッパー50に原料を投入することで(
図2の矢印S1参照)、原料を原料投入部52内に送りこむことができる。
【0026】
原料投入部52は、ホッパー50を介して投入された原料を、スクリュー型螺旋体20のピッチ間に挟み込むとともに、スクリュー型螺旋体20の回転に伴って、スクリュー型螺旋体20のピッチ間に挟み込まれた原料を出口側に送り出すための部材である。
図2及び
図5に示すように、原料投入部52には、スクリュー型螺旋体20及び軸体30が挿通されている。原料投入部52は、ホッパー50と連通する投入口53aと、ケーシング10に接続される排出口53bとを有する。即ち、ホッパー50及び投入口53aを介して投入された原料は、スクリュー型螺旋体20のピッチ間に挟み込まれ、スクリュー型螺旋体20の回転に伴って、排出口53bから出口側に向けて送り出される。また、原料投入部52の内部には、ベアリング54が設けられている。上記の通り、ベアリング54は、スクリュー型螺旋体20の入口側端部22を回転可能な態様で支持している。この際、ベアリング54とスクリュー型螺旋体20は固定されていない。原料投入部52の入口側端部は、軸支持体56にボルト(図示省略)で固定されている。
【0027】
軸支持体56は、軸体30の入口側端部の近傍を固定するための部材である。軸支持体56には、軸体30が挿通されている。軸支持体56の下端部は固定台90上に固定されている。
図5に示すように、軸支持体56のうち、スクリュー型螺旋体20の入口側端部22に対向する部分には凹部57が形成されている。上記の通り、本実施例のスクリュー型螺旋体20は所定の閾値以上の圧力が加わる場合に伸縮変形し、搬送方向における長さが変化する。スクリュー型螺旋体20の出口側端部24は回転軸60の継手部62の平滑面64に固定されているため、スクリュー型螺旋体20の長さが長くなる場合、
図5の破線部に示すように、伸びたスクリュー型螺旋体20の入口側端部22が凹部57内の空間に入る。即ち、凹部57は、スクリュー型螺旋体20が伸びる場合の伸びしろ部分を収容するための空間(いわゆるあそびの空間)を形成している。
【0028】
終端部材80は、軸体30の出口側端部の近傍を支持するための部材である。終端部材80の下側には排出口82が開口されている。また、終端部材80は、ケーシング10の出口側端部を接続し、圧搾空間100内を搬送されてきた原料(この場合はケーク)を終端部材80内に導入するための導入口84を有している。導入口84を介してケーシング10から終端部材80内に導入された原料(ケーク)は、排出口82から落下して外部に排出される(
図2の矢印S3参照)。
【0029】
回転軸60は、スクリュー型螺旋体20を回転させるための軸である。回転軸60は、軸部61と継手部62とを備える。軸部61は軸受体70によって回転可能に支持されている。軸部61の出口側端部(図中右側の端部)はカプリング継手74に固定されている。継手部62は、軸部61の入口側端部(図中左側の端部)に設けられている。継手部62は、軸部61よりも大径である。継手部62の入口側の端面は、摩擦が少なくなるように研磨された平滑面64である。平滑面64は、終端部材80に摺動可能な態様で当接されており、終端部材80の出口側端部の開口部を閉塞している。また、上記の通り、平滑面64には、スクリュー型螺旋体20の出口側端部24が溶接等によって固定されている。また、継手部62には、軸体30の出口側端部を収容するための軸受け空間66も形成されている。上記の通り、軸受け空間66内には軸体30の出口側端部が収容されるが、継手部62と軸体30とは固定されない。
【0030】
軸受体70は、回転軸60の軸部61を回転可能に支持する部材である。
図1に示すように、軸受体70は固定台90上に固定されている。
【0031】
カプリング継手74は、回転軸60の軸部61と駆動機構40の回転軸42とを接続するための接続部材である。カプリング継手74は、回転軸60の軸部61と駆動機構40の回転軸42とを固定している。
【0032】
駆動機構40は、スクリュー型螺旋体20を回転させるための動力源である。駆動機構40は、固定台90上に固定されている。駆動機構40は例えばモータである。駆動機構40は、回転軸42を備える。回転軸42は、上記の通りカプリング継手74に固定されている。駆動機構40を動作させると、回転力が、回転軸42、カプリング継手74、回転軸60、及びスクリュー型螺旋体20に伝達され、これらの各部材が同軸回転する(
図2の矢印R参照)。これにより、スクリュー型螺旋体20が、ケーシング10の内側かつ軸体30の外側で回転する。軸体30及びケーシング10は回転しないため、スクリュー型螺旋体20が回転することにより、圧搾空間100内に存在する原料が出口側に向かって搬送される(
図2の矢印S2参照)。
【0033】
固定台90は、上記の軸支持体56、終端部材80、軸受体70、及び駆動機構40を固定可能な台である。
図1、
図2に示すように、固定台90の中央部分には、原料から分離させた液体を下方に落下させるための孔92が形成されている。
【0034】
テーブル94は、固定台90を支持するための台である。上述の孔92は、テーブル94を貫通するように設けられている。
図1では、理解の容易のためにテーブル94を水平に配置しているように図示しているが、実際には、テーブル94の上面は、駆動機構40側(
図2の右端側)が軸支持体56側(
図2の左端側)よりも高くなるように傾斜している。即ち、テーブル94の上面は入口側から出口側に向けて高くなるように傾斜している。これにより、ケーシング10、スクリュー型螺旋体20及び軸体30も、出口側の端部が入口側の端部よりも高くなるように設置される。
【0035】
(脱液機2の動作)
上記の構成を有する脱液機2の動作について説明する。本実施例の脱液機2を用いて固液混合原料の脱液処理を行う場合、作業者は、まず、駆動機構40を駆動させる。駆動機構40が駆動すると、回転軸42、カプリング継手74、回転軸60、及びスクリュー型螺旋体20が同軸回転する(
図2の矢印R参照)。
【0036】
続いて、作業者は、ホッパー50に、固液混合状態の原料を投入する(
図2の矢印S1参照)。ホッパー50に投入された原料は、ホッパー50を通過し、投入口53aを介して原料投入部52内に導入される。原料投入部52内では、スクリュー型螺旋体20が回転している。原料投入部52内に導入された原料は、スクリュー型螺旋体20のピッチ間に挟み込まれ、スクリュー型螺旋体20の回転に伴って、排出口53bからケーシング10内に送り出される。ケーシング10内に送り込まれた原料は、回転するスクリュー型螺旋体20によって出口側に向かって送られる(
図2の矢印S2参照)。ケーシング10内では、原料は圧搾空間100内を通る。この際、出口側端部に向かうに従って圧搾空間100は徐々に狭くなるため、圧搾空間100内の原料は、ケーシング10の内周面とスクリュー型螺旋体20と軸体30との間に挟まれて圧搾される。原料が圧搾されると、原料に含まれる液体が原料から分離される。圧搾空間100内で原料が圧搾される際には、濾材16の内周面及び軸体30の表面に、液体を含まない微細な原料の層(いわゆるケーク層)が形成される。そして、ケーク層自身が濾材としての役割を果たし、原料を固体(即ちケーク)と液体に分離する。このように、本実施例ではいわゆるケーク濾過が行われることによって、原料が固体と清澄な液体とに分離させることが可能となる。また、以下では原料から分離された液体のことを「脱液」と呼ぶ場合がある。
【0037】
また、圧搾空間100内で原料が圧搾される際に、原料内の異物が噛みこまれる等の状況が発生し、スクリュー型螺旋体20に所定の閾値以上の圧力が加わる場合、スクリュー型螺旋体20が伸縮変形して、搬送方向における長さが長くなる(即ち伸びる)。その場合、伸びたスクリュー型螺旋体20の入口側端部22が凹部57内の空間に入る(
図5参照)。これによりスクリュー型螺旋体20に所定の閾値以上の圧力が加わる場合であっても、スクリュー型螺旋体20の回転が阻害されることなく、脱液処理が継続される。
【0038】
原料から分離された液体(脱液)の一部は、ケーシング10の濾材16のメッシュ孔、及び、外筒体12の脱液孔14を通ってケーシング10の外部に排出される。ケーシング10の外部に排出された脱液は、孔92を通って下方に落下し、テーブル94の下方に設けられる排液回収ホッパー(図示しない)内に回収される。上記の通り、ケーシング10は、出口側の端部が入口側の端部よりも高くなるように設置されるため、ケーシング10から排出された脱液が、搬送方向の出口側に向かってケーシング10を伝うことがない。そのため、脱液が原料に再浸入することもない。
【0039】
脱液の他の一部は、軸体30の濾材32のメッシュ孔、及び、内筒体34の脱液孔36を通って内筒体34の内部に導入される。上記の通り、軸体30も、出口側の端部が入口側の端部よりも高くなるように配置されるため、内筒体34の内部に導入された脱液は、搬送方向の出口側に向かって内筒体34内を伝うことなく、入口側に向かって内筒体34内を伝って移動する。そのため、脱液後の原料に液体(脱液)が再浸入することもない。内筒体34内の出口側端部まで伝い落ちた脱液は、濾過孔38から軸体30の外部に排出される。軸体30から排出された脱液は下方に落下し、下方に設けられる排液回収ホッパー(図示しない)内に回収される。
【0040】
このように、圧搾空間100内の原料は、出口側に向かって搬送されながら圧搾される。この結果、圧搾空間100内の原料は、終端部材80に到着する時点で液体と分離されたケークになる。終端部材80に到達した原料(即ちケーク)は、排出口82から落下して外部に排出される(
図2の矢印S3参照)。
【0041】
以上、本実施例の脱液機2の構成及び動作を説明した。続いて、本実施例の脱液機2の作用効果をより明確に説明するための比較例として、従来のスクリュー脱液機について説明する。従来のスクリュー脱液機は、多孔板によって形成された円筒状のケーシングと、ケーシング内に配置されたスクリュー体と、スクリュー体を回転させてケーシング内に投入された原料をケーシングの一方の端部に向かって送る搬送機構とを有している。スクリュー軸は、溝深さが、固液混合原料の搬送方向における出口側に向けて浅くなるように形成されている。スクリューピッチ溝は、間隔が出口側に向けて狭くなるように形成されている。スクリュー体が回転することにより、ケーシング内に投入された原料はケーシングの出口に向かって送られる。この際、出口側に向かうに従ってスクリューピッチ溝が徐々に狭くなるため、固液混合原料は、ケーシングの内周面(濾材面)とスクリュー体との間に挟まれて圧搾される。
【0042】
比較例のスクリュー脱液機では、ケーシングの内周面(濾材面)とスクリューピッチ溝のうち、ケーシングの内周面(濾材面)に面していない範囲(主に羽根と軸の間の谷間部分)では、固液混合原料と他部材との間の相対摩擦力が小さく、固液混合原料に十分な圧搾圧力が加わらない場合がある。また、固液混合原料がスムーズに搬送されない事態も発生し得る。この結果、特許文献1のスクリュー脱液機では、効率的に脱液処理を行えないおそれがある。
【0043】
これに対し、本実施例の脱液機2では、上記の通り、スクリュー型螺旋体20が回転し、ケーシング10が回転しない(即ちスクリュー型螺旋体20とケーシング10が相対回転する)ことで、圧搾空間100のうち、ケーシング10の内周面に面する範囲において、原料とケーシング10との間の相対摩擦力を大きくでき、原料に大きい圧力を加えることができる。それに加えて、軸体30とスクリュー型螺旋体20も相対回転するため、圧搾空間100のうちの軸体30に面する範囲においても、原料と軸体30との間の相対摩擦力が生じ、原料に大きい圧力が加わる。その結果、圧搾空間100内に存在する原料が十分に圧縮され、より効率的に脱液が適切に行われる。さらに、原料とケーシング10の間、及び、原料と軸体30の間の双方において相対摩擦力が働くことで、原料がスムーズに搬送され易くなる。
【0044】
また、本実施例の脱液機2では、スクリュー型螺旋体20の外周部とケーシング10の濾材16の内周面(濾材面)とが互いに摺動可能に当接するとともに、スクリュー型螺旋体20の内周部と軸体30の濾材32の外周面(濾材面)とが互いに摺動可能に当接するため、圧搾空間100を狭くすることができる。その結果、圧搾空間100の圧搾力を高くすることができる。圧搾空間100内の原料に十分に圧搾圧力を加えることができ、高い脱液効率を実現することができる。
【0045】
また、上記の通り、本実施例の脱液機2では、ケーシング10、スクリュー型螺旋体20及び軸体30は、出口側の端部が入口側の端部よりも高くなるように配置される。そのため、上記の通り、原料から分離されてケーシング10から外部に排出された液体、及び、原料から分離されて軸体30の内筒体34内に導入された液体が、搬送方向の出口側に向かって伝い落ちることを防止することができる。そのため、脱液が行われた後の原料に液体が再浸入することを抑制することができ、高い脱液効率を実現することができる。
【0046】
また、上記の通り、本実施例の脱液機2では、スクリュー型螺旋体20は、原料の搬送方向に沿って圧縮コイルばねのように伸縮変形可能である。スクリュー型螺旋体20の一部(例えば隣接する金属線間や、スクリュー型螺旋体20の両端部など)に所定の閾値以上の圧力が加わる場合に、スクリュー型螺旋体20は伸縮変形する。スクリュー型螺旋体20が伸縮変形することに伴って、スクリュー型螺旋体20の長さが変化する。そのため、圧搾操作中に原料の目詰まり等が起こると、スクリュー型螺旋体20を搬送方向に沿って伸縮させることができる。これによって、ケーシング10及び軸体30の組合せと、スクリュー型螺旋体20と、の相対回転が阻害されることを抑制することができる。本実施例によると、原料内に異物が含まれるような場合においても、脱液を停止することなく継続的に行うことができる。
【0047】
(第2実施例)
続いて、
図6を参照して、第2実施例の脱液機102の構成及び動作を説明する。
図6に示すように、本実施例の脱液機102は、ケーシング110、スクリュー型螺旋体120及び軸体130が、いずれも垂直に(即ち縦向きに)設置されている点が第1実施例の脱液機2とは異なる。本実施例で説明する脱液機102は、原料が下方から上方に向かって搬送されながら脱液を行う型の脱液機である。なお、変形例では、脱液機は、原料が上方から下方に向かって搬送されながら脱液を行う型であってもよい。その場合も、本実施例の脱液機102と基本的な構成要素は共通する。
図6に示すように、本実施例の脱液機102は、ケーシング110と、スクリュー型螺旋体120と、軸体130と、駆動機構140と、ホッパー150と、原料投入部152と、軸支持体156と、回転軸160と、終端部材180と、固定台190とを備える。この脱液機102は、ホッパー150に投入された原料(矢印S11参照)を、ケーシング110内で終端部材180に向かって(即ち上方に向かって)搬送しながら脱液を行い(矢印S12参照)、脱液後のケークを終端部材180の排出口182から排出する。本実施例でも、原料の搬送方向の入口方向(
図6の下側)のことを「入口」と呼び、原料の搬送方向の出口方向(
図6の上側)のことを「出口」と呼ぶ場合がある。
図6では、理解の容易のために、縦向きに配置される各部材110〜190を支持するための支持部材の図示を省略しているが、実際の脱液機102では、各部材110〜190は、図示されていない様々な支持部材によって支持されていてもよい。
【0048】
ケーシング110、スクリュー型螺旋体120、軸体130は、第1実施例のケーシング10、スクリュー型螺旋体20、軸体30と同様の構成を有する。本実施例でも、ケーシング110、スクリュー型螺旋体120、軸体130は、外側からこの順番で同心状に配置されている。ただし、本実施例では、ケーシング110、スクリュー型螺旋体120、軸体130は、縦向きに設置されている点が第1実施例とは異なる。
【0049】
本実施例でも、ケーシング110は、外筒体(バレル)112と、濾材116とを備えている。外筒体112には、多数個の脱液孔(図示しない)が形成されている。
図6に示すように、ケーシング110の入口部は、原料投入部152の排出口153bを覆うように原料投入部152に固定され、ケーシング110の出口部は、終端部材180の導入口184を覆うように終端部材180に固定されている。即ち、ケーシング110は、原料投入部152と終端部材180との間に固定されている。
【0050】
本実施例でも、スクリュー型螺旋体120のピッチは入口側端部122から出口側端部124に向けて狭くなるように形成されている。スクリュー型螺旋体120の外周部は、濾材116の内周面(濾材面)と摺動可能に当接している。スクリュー型螺旋体120の内部空間には軸体130が挿通されている。ただし、スクリュー型螺旋体120と軸体130とは固定されておらず、スクリュー型螺旋体120の内周は軸体130の濾材132の外周面(濾材面)と摺動可能に当接している。スクリュー型螺旋体120の出口側端部124は、回転軸160の継手部162の平滑面164に固定されている。そして、スクリュー型螺旋体120の入口側端部22は、原料投入部152内に設けられたベアリング154に支持されている。ただし、入口側端部122はベアリング154に固定されていない。これにより、本実施例でも、回転軸160が回転(
図6の矢印R参照)すると、それに伴ってスクリュー型螺旋体120が同軸回転する。また、本実施例でも、スクリュー型螺旋体120は伸縮変形可能である。
【0051】
軸体130は、濾材132と、内筒体134とを備えている。内筒体134には多数個の脱液孔136(図示しない)が形成されている。また、内筒体134の入口側端部の近傍には濾過孔138が形成されている。
図2に示すように、軸体130の入口側端部の近傍は軸支持体156によって固定されている。この際、内筒体134の濾過孔138は軸支持体156よりも下方に露出する。軸体130の出口側端部の近傍は終端部材180によって支持されている。そして、軸体130の出口側端部は、回転軸160の継手部162に設けられた軸受け空間166内に挿入されている。ただし、軸体130の出口側端部は継手部162とは固定されていない。即ち、本実施例でも、軸体130は、回転しない態様で軸支持体156と終端部材180とによって保持されている。
【0052】
本実施例でも、濾材116の内周面とスクリュー型螺旋体120と濾材132の外周面との間に圧搾空間200が形成される。スクリュー型螺旋体120のピッチが入口側端部22側から出口側端部124側に向けて徐々に狭くなることに伴い、圧搾空間200の容積も入口側から出口側に向けて徐々に狭くなる。
【0053】
ホッパー150は、原料を原料投入部152内に導入する部材である。ホッパー150の上面は大きく開口している。ホッパー150の下端面は、原料投入部152の側方に設けられた投入口153aに連通されている。
【0054】
原料投入部152は、ホッパー150を介して投入された原料を、スクリュー型螺旋体120のピッチ間に挟み込むとともに、スクリュー型螺旋体120の回転に伴って出口側に送り出すための部材である。本実施例でも、原料投入部152には、スクリュー型螺旋体120及び軸体130が挿通されている。原料投入部152は、ホッパー150と連通する投入口153aと、ケーシング110に接続される排出口153bとを有する。原料投入部152の内部には、ベアリング154が設けられている。上記の通り、ベアリング154は、スクリュー型螺旋体120の入口側端部22を回転可能な態様で支持している。この際、ベアリング154とスクリュー型螺旋体120は固定されていない。原料投入部152の入口側端部は、軸支持体156に固定されている。
【0055】
軸支持体156は、軸体130の入口側端部の近傍を固定する部材である。軸支持体156には、軸体130が挿通されている。軸支持体56の下面は固定台190上に固定されている。本実施例でも、軸支持体156のうち、スクリュー型螺旋体120の入口側端部122に対向する部分には凹部157が形成されている。本実施例でも、スクリュー型螺旋体120が伸縮変形する場合に、伸びたスクリュー型螺旋体120の入口側端部122が凹部157内の空間に入る。
【0056】
終端部材180は、軸体130の出口側端部の近傍を支持する部材である。終端部材180の側方には排出口182が開口されている。また、終端部材180は、ケーシング110の出口側端部を接続し、圧搾空間200内を搬送されてきた原料(この場合はケーク)を終端部材180内に導入するための導入口184を有している。導入口184を介してケーシング110から終端部材180内に導入された原料(ケーク)は、排出口182から外部に排出される(
図6の矢印S13参照)。
【0057】
回転軸160は、スクリュー型螺旋体120を回転させるための軸である。回転軸160は、軸部161と継手部162とを備える。本実施例では、軸部161の出口側端部(図中上側の端部)は駆動機構140に接続されている。継手部162は、軸部161の入口側端部(図中下側の端部)に設けられている。継手部162の入口側の端面は、摩擦が少なくなるように研磨された平滑面164である。平滑面164は、終端部材180に摺動可能な態様で当接されており、終端部材180の上端開口部を閉塞している。また、上記の通り、平滑面164には、スクリュー型螺旋体20の出口側端部24が固定されている。また、継手部162には、軸体130の出口側端部を収容するための軸受け空間166も形成されている。上記の通り、軸受け空間166内には軸体130の出口側端部が収容されるが、継手部162と軸体130とは固定されない。
【0058】
駆動機構140は、スクリュー型螺旋体120を回転させるための動力源である。本実施例では、駆動機構140は回転軸160の上方に配置されている。他の例では、回転軸160を回転可能な駆動系(例えばベルト及びプーリー等)を備えていれば、駆動機構140は回転軸160の上方以外の位置に配置されていてもよい。駆動機構140を動作させると、回転力が、回転軸160及びスクリュー型螺旋体120に伝達され、これらが同軸回転する(
図6の矢印R参照)。これにより、スクリュー型螺旋体120が、ケーシング110の内側かつ軸体130の外側で回転する。軸体130及びケーシング110は回転しないため、スクリュー型螺旋体120が回転することにより、圧搾空間200内に存在する原料が出口側に向かって(即ち上方に向かって)搬送される(
図6の矢印S12参照)。
【0059】
本実施例の固定台190は、上記の軸支持体56の下面を固定する台である。
【0060】
(脱液機102の動作)
上記の構成を有する脱液機102の動作について説明する。本実施例でも、まず、作業者は駆動機構140を駆動させる。駆動機構140が駆動すると、回転軸160及びスクリュー型螺旋体120が同軸回転する(矢印R参照)。作業者は、ホッパー150に、固液混合状態の原料を投入する(矢印S11参照)。ホッパー150に投入された原料は、ホッパー150を通過し、投入口153aを介して原料投入部152内に導入される。原料投入部152内では、スクリュー型螺旋体120が回転している。原料投入部152内に導入された原料は、スクリュー型螺旋体120のピッチ間に挟み込まれ、スクリュー型螺旋体120の回転に伴って、排出口153bからケーシング110内に送り出される。ケーシング110内に送り込まれた原料は、回転するスクリュー型螺旋体20によって出口側に向かって送られる(矢印S12参照)。出口側端部に向かうに従って圧搾空間200は徐々に狭くなるため、圧搾空間200内の原料は、ケーシング110の内周面とスクリュー型螺旋体120と軸体130との間に挟まれて圧搾される。原料が圧搾されると、原料に含まれる液体が原料から分離される。
【0061】
また、圧搾空間200内で原料が圧搾される際に、原料内の異物が噛みこまれる等の状況が発生し、スクリュー型螺旋体120に所定の閾値以上の圧力が加わる場合、スクリュー型螺旋体120が伸縮変形して伸びる。その場合、伸びたスクリュー型螺旋体20の入口側端部122が凹部157内の空間に入る。これによりスクリュー型螺旋体120に所定の閾値以上の圧力が加わる場合であっても、スクリュー型螺旋体120の回転が阻害されることなく、脱液処理が継続される。
【0062】
原料から分離された液体(脱液)の一部は、ケーシング110の濾材116のメッシュ孔、及び、外筒体112の脱液孔(図示省略)を通ってケーシング110の外部に排出される。ケーシング110は、出口側端部が入口側端部よりも高くなるように設置されるため、ケーシング110から排出された脱液が、出口側に向かってケーシング110を伝うことがない。そのため、脱液が原料に再浸入することもない。
【0063】
脱液の他の一部は、軸体130の濾材132のメッシュ孔、及び、内筒体134の脱液孔を通って内筒体134の内部に導入される。上記の通り、軸体130も、出口側の端部が入口側の端部よりも高くなるように配置されるため、内筒体134の内部に導入された脱液は、入口側に向かって内筒体134内を伝って移動する。そのため、脱液が分離された後の原料に脱液が再浸入することもない。内筒体134内の出口側端部まで伝い落ちた脱液は、濾過孔138から軸体130の外部に排出される。
【0064】
このように、本実施例でも、圧搾空間200内の原料は、出口側に向かって搬送されながら圧搾される。この結果、圧搾空間200内の原料は、終端部材180に到着する時点で液体と分離されたケークになる。終端部材180に到達した原料(即ちケーク)は、排出口182から外部に排出される(矢印S13参照)。
【0065】
以上、本実施例の脱液機102の構成及び動作を説明した。本実施例の脱液機102でも、第1実施例と同様の作用効果をすべて発揮することができる。また、本実施例では、脱液機102がいわゆる縦型であるため、第1実施例のような横型の脱液機2と比べると、各部材の自重による撓みが生じ難くなるとともに、脱液機102の設置面積も少なく済むという利点がある。
【0066】
以上、本明細書で開示する技術の実施例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例を含んでもよい。
【0067】
(変形例1)上記の各実施例では、ケーシング10、110はメッシュ材で構成される濾材16、116を備える。同様に、軸体30、130もメッシュ材で構成される濾材32、132を備える。濾材は、メッシュ材に限られず、他の任意の濾材を用いることができる。例えば、濾材として不織布を用いてもよい。
【0068】
(変形例2)実施例では、スクリュー型螺旋体20、120のみを回転させ、ケーシング10、110及び軸体30、130を固定させる(回転させない)構成を採用している。これに限られず、スクリュー型螺旋体20、120を回転させずに、ケーシング10、110及び軸体30、130を同じ方向に同軸回転させることにより、スクリュー型螺旋体20、120と、ケーシング10、110及び軸体30、130の組合せと、を相対回転させる構成を採用してもよい。また、スクリュー型螺旋体20、120と、ケーシング10、110及び軸体30、130の組合せと、を互いに逆方向に同軸回転させることにより、スクリュー型螺旋体20、120と、ケーシング10、110及び軸体30、130の組合せと、を相対的に回転させる構成を採用してもよい。
【0069】
(変形例3)スクリュー型螺旋体20、120の外周部とケーシング10、110の濾材16、116の内周面とが当接しておらず、両者の間に最適な隙間が設けられていてもよい。同様に、スクリュー型螺旋体20、120の内周部と軸体30、130の濾材32、132の外周面とが当接しておらず、両者の間に最適な隙間が設けられていてもよい。
【0070】
(変形例4)ケーシング10、110、スクリュー型螺旋体20、120及び軸体30、130は、出口側の端部と入口側の端部とが同じ高さになるように設置されていてもよい。
【0071】
(変形例5)また、第2実施例において、ケーシング110、スクリュー型螺旋体120及び軸体130は、入口側の端部が出口側の端部よりも高くなるように設置されていてもよい。この場合、原料に重力が加わることで、圧搾操作時における原料の搬送が促進され易くなり得る。
【0072】
(変形例6)軸体30、130の内筒体34、134の脱液孔を省略してもよい。
【0073】
(変形例7)上記の各実施例の脱液機2、102は、終端部材80、180の排出口82、182にダイ板を備えることでダイ抵抗を付与させてもよい。ダイ板の間隙は調整可能となっている。この変形例によると、終端部材の排出口近傍においても原料に適度な圧力を加えることができ、排出口近傍においても適切に原料を圧搾することができる。また、排出口近傍に原料が所定量以上堆積すると、新たに排出口近傍に到達した原料によって、それまでに排出口近傍に堆積していた原料が押され、その結果、原料がダイ板を押す。この場合、ダイ板の変形によって、脱液後の原料を適切に外部に排出することができる。
【0074】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。