特許第6490160号(P6490160)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6490160
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】平面的RFセンサ技術の強化について
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/18 20060101AFI20190318BHJP
   G01R 15/06 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
   G01R15/18 Z
   G01R15/06
【請求項の数】10
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-146593(P2017-146593)
(22)【出願日】2017年7月28日
(62)【分割の表示】特願2015-163847(P2015-163847)の分割
【原出願日】2013年8月12日
(65)【公開番号】特開2017-223691(P2017-223691A)
(43)【公開日】2017年12月21日
【審査請求日】2017年8月10日
(31)【優先権主張番号】61/684,013
(32)【優先日】2012年8月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/828,628
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592053963
【氏名又は名称】エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】デニス エム.ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】デビッド ジェイ.クームー
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド ブルックス
【審査官】 青木 洋平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−282017(JP,A)
【文献】 米国特許第06624624(US,B1)
【文献】 特開平11−101824(JP,A)
【文献】 米国特許第06501285(US,B1)
【文献】 特開2000−228323(JP,A)
【文献】 特開2005−101244(JP,A)
【文献】 特開2010−232392(JP,A)
【文献】 特開2008−134118(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 15/00−17/22
H01F 38/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
RF(無線周波数)センサシステムであって、
第1の層、第2の層、及び内周部を含み、前記内周部によって開口が規定されたPCB(プリント基板)であって、前記第1の層、前記第2の層、及び前記内周部が基板に形成されたPCBと、
前記第1の層を通る第1の複数のビアへ第1の複数のトレースによってそれぞれ電気的に連結された第1の複数のセンサパッドを含み、当該第1の複数のセンサパッドが前記開口の概ね軸方向に沿って前記内周部に配置されており、前記第1の複数のトレースが前記第1の層に形成された、第1のループと、
前記第2の層を通る第2の複数のビアへ第2の複数のトレースによってそれぞれ電気的に連結された第2の複数のセンサパッドを含み、当該第2の複数のセンサパッドが前記開口の概ね軸方向に沿って前記内周部に配置されており、前記第2の複数のトレースが前記第2の層に形成された第2のループであって、上記第1のループに電気的に並列な第2のループと、
前記第1および第2の複数のセンサパッド、前記第1および第2の複数のビア、および前記第1および第2の複数のトレースに近接する前記PCBの前記第1の層および前記第2の層に内蔵されたコアリングと、
を備え、
RF電流を伝搬させるための中心導体が、前記開口の中を通って延伸し、
前記第1および第2のループは、前記第1および第2の複数のセンサパッド、前記第1および第2の複数のビア、前記第1および第2の複数のトレース、ならびに、前記コアリングに基づいて、電気的信号を生成する
ことを特徴とするRFセンサシステム。
【請求項2】
第3の層、第4の層、および、第2の内周部を含み、前記第2の内周部によって第2の開口が規定された第2のPCBであって、前記第3の層、前記第4の層、及び前記内周部が基板に形成された第2のPCBと、
前記第3の層を通る第3の複数のビアへ第3の複数のトレースによってそれぞれ電気的に連結された第3の複数のセンサパッドを含み、当該第3の複数のセンサパッドが前記開口の概ね軸方向に沿って前記第2の内周部に配置されており、前記第3の複数のトレースが前記第3の層に形成された、第3のループと、
前記第4の層を通る第4の複数のビアへ第4の複数のトレースによってそれぞれ電気的に連結された第4の複数のセンサパッドを含み、当該第4の複数のセンサパッドが前記開口の概ね軸方向に沿って前記第2の内周部に配置されており、前記第4の複数のトレースが前記第4の層に形成された第4のループであって、上記第3のループに電気的に並列な第4のループと、
をさらに備え
前記コアリングが、前記第3および第4の複数のセンサパッド、前記第3および第4の複数のビア、および前記第3および第4の複数のトレースに近接する前記第2のPCBの前記第3の層および前記第4の層に内蔵されていることを特徴とする請求項1に記載のRFセンサシステム。
【請求項3】
前記第4の層は、前記第1の層に電気的に結合される
ことを特徴とする請求項2に記載のRFセンサシステム。
【請求項4】
前記第1の複数のセンサパッド、前記第2の複数のセンサパッド、前記第3の複数のセンサパッド、および前記第4の複数のセンサパッドは、全て、電気的に直列に接続されている
ことを特徴とする請求項3に記載のRFセンサシステム。
【請求項5】
前記第1の複数のセンサパッド、前記第2の複数のセンサパッド、前記第3の複数のセンサパッド、および前記第4の複数のセンサパッドは、電気的に並列に接続されている
ことを特徴とする請求項3に記載のRFセンサシステム。
【請求項6】
RF(無線周波数)検出方法であって、
第1の層、第2の層、及び内周部を含んだPCB(プリント基板)に対し、当該PCBを貫く開口を規定するステップと、
前記第1の層を通る第1の複数のビアへ第1の複数のトレースによってそれぞれ電気的に連結された第1の複数のセンサパッドを含む第1のループを電気的に連結し、前記第1の複数のセンサパッドを前記開口の概ね軸方向に沿って前記内周部に配置するステップと、
前記第2の層を通る第2の複数のビアへ第2の複数のトレースによってそれぞれ電気的に連結された第2の複数のセンサパッドを含み、上記第1のループに並列な第2のループを電気的に連結し、前記第2の複数のセンサパッドを前記開口の概ね軸方向に沿って前記内周部に配置するステップと、
前記第1および第2の複数のセンサパッド、前記第1および第2の複数のビア、および前記第1および第2の複数のトレースに近接する前記PCBの前記第1の層および前記第2の層にコアリングを内蔵させるステップと、
を含み、
前記第1の層、前記第2の層、及び前記内周部は基板に形成されており、
前記第1の複数のトレースは前記第1の層に形成されており、
前記第2の複数のトレースは前記第2の層に形成されており、
RF電流を伝搬させるための中心導体が、前記開口の中を通って延伸し、
前記第1および第2のループは、前記第1および第2の複数のセンサパッド、前記第1および第2の複数のビア、前記第1および第2の複数のトレース、ならびに、前記コアリングに基づいて、電気的信号を生成する
ことを特徴とするRF検出方法。
【請求項7】
第3の層、第4の層、および第2の内周部を含んだ第2のPCBに対し、第2の開口を規定するステップと、
前記開口の概ね軸方向に沿って前記第2の内周部に配置されている第3の複数のセンサパッドであって、前記第3の層を通る第3の複数のビアへ第3の複数のトレースによってそれぞれ電気的に連結された第3の複数のセンサパッドを含む第3のループを形成するステップと、
前記開口の概ね軸方向に沿って前記第2の内周部に配置されている第4の複数のセンサパッドであって、前記第4の層を通る第4の複数のビアへ第4の複数のトレースによってそれぞれ電気的に連結された第4の複数のセンサパッドを含み、上記第3のループに並列な第4のループを連結するステップと、
をさらに含み、
前記第3の層、前記第4の層、及び前記内周部は基板に形成されており、
前記第3の複数のトレースは前記第3の層に形成されており、
前記第4の複数のトレースは前記第4の層に形成されており、
前記コアリングが、前記第3および第4の複数のセンサパッド、前記第3および第4の複数のビア、および前記第3および第4の複数のトレースに近接する前記第2のPCBの前記第3の層および前記第4の層に内蔵されている
ことを特徴とする請求項6に記載のRF検出方法。
【請求項8】
前記第4の層を前記第1の層に電気的に結合するステップ
をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のRF検出方法。
【請求項9】
前記第1の複数のセンサパッド、前記第2の複数のセンサパッド、前記第3の複数のセンサパッド、および前記第4の複数のセンサパッドを、全て、電気的に直列に接続するステップを更に含む
ことを特徴とする請求項8に記載のRF検出方法。
【請求項10】
前記第1の複数のセンサパッド、前記第2の複数のセンサパッド、前記第3の複数のセンサパッド、および前記第4の複数のセンサパッドを、電気的に並列に接続するステップを更に含む
ことを特徴とする請求項8に記載のRF検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線周波数センサ、および、特に、垂直無線周波数電圧/電流センサに関する。
【0002】
〔関連出願の相互参照〕
この出願は、米国特許仮出願第61/684,013号(2012年8月16日出願)に基づく優先権主張を伴う。上記出願の全開示は、これを参照することにより、本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
ここに与えられた背景技術の記載は、上記開示の背景を、一般的に提示することを目的とするものである。この背景技術及び明細書のいくつか側面にて記述される本願の発明者による研究は、出願時において先行技術としてみなされるものではなく、明示的にも暗示的にも本願に対する先行技術とは認められない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
RF(無線周波数)電流センサは、プローブとしても知られており、RF導体を貫流する電流の大きさを示す信号を生成する。電流プローブは、例えば、RFグラウンドまたはシールド導体といった基準電位に関するRF電圧を示す第2の信号を生成するRF電圧/電流(VI)プローブを形成するために、電圧プローブと一体化され得る。
【0005】
RF電流およびVIプローブは、フィードバック情報を供給するために、RF制御回路において使用される。フィードバック情報は、計測されるRF電力を供給するRF増幅器の制御に使用され得る。いくつかの適用例において、上記RF電力は、半導体製造、メタルコーティング、または、ミクロ機械加工プロセスのためのプラズマを発生させるために用いられる。
【0006】
本開示のさらなる適用範囲は、以下に提供された詳細な説明から明らかになる。上記詳細な説明および特定の実施例は、実例の目的のみを意図したものであり、本開示の範囲の制限を目的とするものではないことが理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るRF(無線周波数)センサシステムは、第1の層、第2の層、及び内周部を含み、前記内周部によって開口が規定されたPCB(プリント基板)であって、前記第1の層、前記第2の層、及び前記内周部が基板に形成されたPCBと、第1の複数のトレースによって第1の複数のビアに連結された第1の複数のセンサパッドを含み、当該第1の複数のセンサパッドが前記内周部に配置されており、前記第1の複数のトレースが前記第1の層に形成された、第1のループと、第2の複数のトレースによって第2の複数のビアに連結された第2の複数のセンサパッドを含み、当該第2の複数のセンサパッドが前記内周部に配置されており、前記第2の複数のトレースが前記第2の層に形成された第2のループであって、上記第1のループに並列な第2のループと、前記第1の複数のセンサパッド、前記第1の複数のビア、および前記第1の複数のトレースに近接する前記PCBの 前記第1の層および前記第2の層に内蔵されたコアリングと、を備え、RF電流を伝搬させるための中心導体が、前記開口の中を通って延伸し、前記第1および第2のループは、前記第1および第2の複数のセンサパッド、前記第1および第2の複数のビア、前記第1および第2の複数のトレース、ならびに、前記コアリングに基づいて、電気的信号を生成する。
【0008】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るRF(無線周波数)検出方法は、第1の層、第2の層、及び内周部を含んだPCB(プリント基板)に対し、当該PCBを貫く開口を規定するステップと、前記内周部に配置されている第1の複数のセンサパッドを含む第1のループを、第1の複数のトレースによって第1の複数のビアへ連結するステップと、前記内周部に配置されている第2の複数のセンサパッドを含み、上記第1のループに並列な第2のループを、第2の複数のトレースによって第2の複数のビアへ連結するステップと、前記第1の複数のセンサパッド、前記第1の複数のビア、および前記第1の複数のトレースに近接する前記PCBの前記第1の層および前記第2の層にコアリングを内蔵させるステップと、を含み、前記第1の層、前記第2の層、及び前記内周部は基板に形成されており、前記第1の複数のトレースは前記第1の層に形成されており、前記第2の複数のトレースは前記第2の層に形成されており、RF電流を伝搬させるための中心導体が、前記開口の中を通って延伸し、前記第1および第2のループは、前記第1および第2の複数のセンサパッド、前記第1および第2の複数のビア、前記第1および第2の複数のトレース、ならびに、前記コアリングに基づいて、電気的信号を生成する。
【0009】
本開示のさらなる適用範囲は、以下に提供された詳細な説明から明らかになる。上記詳細な説明および特定の実施例は、実例の目的のみを意図したものであり、本開示の範囲の制限を目的とするものではないことが理解されるべきである。
【0010】
本開示は、詳細な説明および以下の添付の図面から、より十分に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の多様な実施形態による垂直無線周波数(RF)電流及び電圧センサの平面図である。
図2】本開示の多様な実施形態による垂直無線周波数(RF)電流及び電圧センサの電流センサトレースの等角投影図である。
図3A図2の電流センサトレースの平面図である。
図3B図2の電流センサトレースの平面図である。
図3C図2の電流センサトレースの平面図である。
図4】本開示の多様な実施形態による垂直無線周波数(RF)電流及び電圧センサの電流センサトレースの平面図である。
図5A】従来技術の電流センサの模式図である。
図5B】本開示の多様な実施形態による電流センサの模式図である。
図5C】本開示の多様な実施形態による電流センサの模式図である。
図6】本開示の多様な実施形態による電流センサの模式図である。
図7図6の電流センサの導体における、ポイントAおよびBの電圧の間の容量性結合の関係を示す回路の回路図である。
図8】本開示の多様な実施形態による電圧電流センサの模式図である。
図9A】本開示の多様な実施形態による電圧電流センサの導電性円環の平面図である。
図9B】は、本開示の多様な実施形態による電圧電流センサの導電性円環の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
RF(無線周波数)電流センサは、プローブとしても知られており、RF導体を貫流する電流の大きさを示す信号を生成する。電流プローブは、例えば、RFグラウンドまたはシールド導体のような、基準電位に関するRF電圧を示す第2の信号を生成するRF電圧/電流(VI)プローブを形成するため、電圧プローブと一体化され得る。
【0013】
RF電流およびVIプローブは、フィードバック情報を供給するために、RF制御回路において使用される。フィードバック情報は、計測されるRF電力を供給するRF増幅器の制御に使用され得る。いくつかの適用例において、上記RF電力は、半導体製造、メタルコーティング、または、ミクロ機械加工プロセスのためのプラズマを発生させるために用いられる。正確な周波数(例えば、低周波または高周波)で動作している間、VIプローブは、VIプローブの構成部品内における寄生共振に起因する干渉を体験し得る。加えて、センサの中心導体への低周波結合は、低下し得る。それ故、本開示の原理は、VIプローブの周波数特性の改善のために配置され得る。
【0014】
図1を参照すると、垂直無線周波数(RF)電圧/電流(VI)プローブ10が示されている。VIプローブ10は、少なくとも4つの導電層と一体となったプリント基板(PCB)12を含む。第1の外側層14aおよび第2の外側層14bは、互いに平行であり、PCB12の絶縁基板によって間隔が空けられた状態での関係が維持される。第1および第2の層14a,14bは、まとめて接地面14と呼ばれる。多数のビア16は、接地面14と互いに電気的に接続される。ビア16は、開口18の境界の周囲において、半径方向に間隔が空けられ得る。ビア16は、以下で説明されるPCB12の内側層からは電気的に隔離される。接地面14およびビア16は、測定されているRF電流を伝搬させる同軸ケーブル(図示されない)の外側層へ接続される。同軸ケーブルの中心導体は、開口18内で軸方向且つ同軸に位置する導体20へ接続される。VIプローブ10は、また、当該VIプローブ10を、制御のためのRF発電機(図示されない)に連結する際の助けとなる複数の取り付け孔13を含み得る。
【0015】
第2の複数のビア22は、接地面14から電気的に隔離され、そして、PCB12の内側層に位置する電流ループバックトレースに接続する。第3の複数のビア24は、接地面14から電気的に隔離され、そして、電圧センサ磁界キャンセル構造体の一部を実施する。ビア22,24、及び、PCB12の内側層におけるこれらに関連したトレースは、以下で詳細に説明される。
【0016】
PCB12は、内蔵されたコアリング42を含み得る。コアリング42は、PCB12の少なくとも一つの層に内蔵される。さらに、コアリング42は、ビア22および24と、電流センサパッド30との間に配置される。コアリング42は、VIプローブ10の磁場を強めるために配置される。
【0017】
コアリング42は、VIプローブ10の磁場における媒体の透磁性を高める材料を含む。例えば、上記磁場における上記媒体には、空気が含まれ得、コアリング42は、空気よりも透磁性が高い材料を含む。例えば、コアリング42は、強磁性体またはフェリ磁性体を含み得る。PCB12において、ビア22および24と、電流センサパッド30との間に、コアリング42を埋め込むことにより、上記磁場における上記媒体(すなわち、コアリング42の材料)の上記透磁性が高められる。上記磁場における上記媒体の透磁性の増加により、上記関連する磁場が強まる。VIプローブ10のダイナミックレンジは、上記磁場の選択的な調整によって制御され得る。PCB12におけるストレスの削減のため、コアリング42は、PCB12の絶縁体材料と同じかまたは小さい熱膨張係数を有する材料によって製造され得る。
【0018】
PCB12は、また、PCB12の内側層の多様なトレースおよび接地面14に接続され得る電子回路の構成部品の取り付けのための、一般的には28に示される、トレースおよびパッドを含み得る。構成部品の一例として以下を含む。電子回路へ電力を供給するため、および/または、それらから電気信号を得るためのコネクタ、増幅器、変圧器、および/または、導体20のRF電圧および/または電流を表す信号をバッファ、および/または、調整するフィルタ、等。
【0019】
図2および3を参照すると、PCB12の多様な図が示されている。接地面14、ビア16、およびビア24は、明確化のために省略される。第1の内側層32は、絶縁基板36に形成されたトレース44aおよび44bを含む。第2の内側層34は、基板36の反対側におけるトレース44aおよび44bを含む。トレース44aおよび44bは、まとめてトレース44と呼ばれる。トレース44は、一対の絡み合った電気的なループまたは巻線を形成するために、ビア22によってパターン化および接続されている。当然のことながら、基板36は、図示されない1または複数の追加の導電層を含み得る。追加の導電層は、例えば、以下で説明される電圧センサを実施し得る。
【0020】
第1および第2の内側層32,34は、下部に配置され、それぞれの接地面14の一つから絶縁される。ビア22は、以下で説明される第1および第2の内側層において、関連したトレース44の間で延伸し、該トレース44を接続する。関連したトレース44は、また、開口18の内側に沿って形成された各電流センサパッド30によって接続される。電流センサパッド30は、基板36における開口18の縁部にメッキされ、レーザ、機械的摩耗、または、他の製造技術によって、成形のために切断され得る。
【0021】
絶縁基板36は、電流センサパッド30に長さLを与える。RF電流が導体20を貫流している間、磁場は、導体20の周りを回転する。磁場は、
【0022】
【数1】
【0023】
を与えるビオ・サバールの法則によって規定され得る。“radius”は導体20と電流センサパッド30との間隔であり、“ACcurrent”は導体20を貫流する電流であり、“μ0”は磁気定数であり、
【0024】
【数2】
【0025】
に等しい。磁場は、電流センサパッド30と交差する。
【0026】
ファラデーの法則から、上記誘起電圧は、電流センサパッド30の長さL、磁場の変化率、および、電流センサパッド30、トレース44、およびビア22によって形成されたループの高さの関数である。上記長さLの増加は、例えば、基板36の厚さの増加によるものであり、RF同軸ケーブル(図示されない)とVIプローブ10との結合度を高める。
【0027】
Lの増加につれて、PCB36の製造中におけるドリルの破損の危険性を削減するため、ビア22の直径の拡大が必要と成り得る。ビア22の直径の拡大は、また、センサのサイズを増加させる、および/または、開口18の周に沿って取り付けられた、電流センサパッド30またはループ(図示されない)の数を削減させる。ビア22の直径の拡大は、また、導体20への容量性結合の比例的増加を引き起こし、導体20に生じた電界による、所望の電流信号の劣化、および、VIプローブ10のダイナミックレンジの減少が許されてしまう。多様な実施形態において、電流センサパッド30の幅は、電界による劣化およびダイナミックレンジの問題を緩和することが可能となるように、非常に狭く製造され得る。端部がメッキ加工された電流センサパッド30は、電流信号の電界による劣化を削減する、VIプローブ10に必要な、ビア22のサイズおよび数を削減する。上記電流信号は、導体20を貫流する電流を表し、トレース44から取り込まれる。
【0028】
他の実施形態において、VIプローブ10のダイナミックレンジは、電流センサパッド30の長さ(L)の増加によって、増大される。電流センサパッド30の長さの増加のため、第2のPCB15は、図2に示されているように、PCB12に結合され得る。第2のPCB15は、第2のPCB15とPCB12との間の結合層(図示されない)を伴って、PCB12に結合され得る。結合層は、第2のPCB15をPCB12に電気的に結合するために配置された導体材料で構成されている。例えば、上記結合層は、銅から構成され得る。いくつかの実施形態において、電流センサパッド30は、第2のPCB15からPCB12へ、直列に接続され得る。さらにもう一つの実施形態において、電流センサパッド30は、第2のPCB15およびPCB12から、並列に接続され得る。第2のPCB15のみがPCB12に結合されることが示されているが、いくつかのPCB(例えば、第3、第4、または第5のPCB)が、PCB12に結合され得ることが理解される。
【0029】
他の実施形態において、VIプローブ10のダイナミックレンジは、第2のPCB15およびPCB12へコアリング42を内蔵させることにより、増大され得る。コアリング42は、第2のPCB15およびPCB12の各々において、ビア22および24、電流センサパッド30、ならびにトレース44の間に内蔵され得る。コアリング42は、VIプローブ10の磁場を強めるために配置される。例えば、コアリング42は、VIプローブ10の磁場における上記媒体の透磁性を高める素材から製造される。上記磁場における上記媒体の透磁性の増加により、上記関連する磁場が強まる。図2では、第2のPCB15およびPCB12の両方に内蔵されたコアリング42が示されているが、コアリング42は、第2のPCB15およびPCB12の、どちらか一方または両方に内蔵され得ること、または、どちらにも内蔵され得ないことが理解される。
【0030】
VIプローブ10のダイナミックレンジは、ビア22および24、電流センサパッド30、ならびにトレース44のパラメータの選択的な調整によって、さらに増大され得る。例えば、コアリング42は、複数の巻線によって取り囲まれる。複数の巻線は、ビア22および24、電流センサパッド30、ならびにトレース44から構成される。VIプローブ10の共振は、巻線の数の選択的な調整、および/または、ビア22および24、電流センサパッド30、ならびにトレース44のサイズの選択的な調整によって、制御され得る。VIプローブ10の共振の制御により、VIプローブ10のダイナミックレンジが増大され得る。
【0031】
トレース44は、図3A−Cにより詳細に示されている。トレース44aおよびトレース44bは、2つの絡み合ったワイヤのループを形成するために接続される。図3Aのトレース44aおよび44bは、電流センサパッド30をループバックビア22へ接続する。ループバックビア22は、図3Cに示されているように、センサの裏側、他のトレース44aまたはトレース44b、および、次の電流センサパッド30に接続する。理解を容易にするため、図3は、トレース44aおよび44bのように2つのループを表している。破線は、上記基板の裏側のトレースを示す。図3のヘキサゴン(hexagon)40は、RF経路接地ビア16の一つとして、両方のループのための共通グラウンド点となり得る。この共通グラウンドシステムは、グラウンドループの削減のために使用され得る。
【0032】
開口18の内周部に沿った空間的な均一性を伴う、電流センサパッド30の交互性により、この電流ループは、導体20の移動(例えば、VIプローブ10の分解/組み立て、または、VIプローブ10の動作中における熱変化)からの自己補正機能を与える。上記設計による、この自己補正機能は、導体20から電流センサパッド30までの間隔の合計を維持することにより、機能する。もし、例えば、導体20が右側へ移動した場合、右側の電流センサパッド30と導体20との間隔が縮まる一方、左側の電流センサパッド30と中心の導体20との間隔が同じ量広がり、間隔の合計および電流信号レベルが同一に保たれる。
【0033】
図4では、本開示の多様な実施形態によるPCB12の他の図が示されている。接地面14およびビア16は、明確化のために省略される。第1の内側層32は、絶縁基板36に形成されたトレース44aおよび44bを含む。第1の内側層34は、基板36の反対側におけるさらなるトレース44aおよび44bを含む。トレース44aおよび44bは、まとめてトレース44と呼ばれる。トレース44は、一対の絡み合った電気的ループまたは巻線を形成するために、ビア22によって、パターン化および接続される。基板36は、図示されない、1または複数の追加の導電層を含み得ることが理解されるべきである。この追加の導電層は、例えば、以下で説明される電圧センサを実施し得る。図4に示されたPCB12において、ビア24は、以下で説明されるような電圧センサ(例えば、図8を参照)を実施するため、電流センサパッド30へ電気的に接続される。
【0034】
図5Aでは、従来技術の電流センサの模式図が示されている。アンペールの法則から、RF電流の紙面への伝搬に伴い、磁場は、導体20の周りにおいて時計回り方向に生成される。この磁場は、ピックアップループ60において、変圧器50を貫流する電流を引き起こす。上記ループ60によって検出されたいずれの電界も、グランドへ短絡される。図5Aの回路は、ループ60間の結合が生じないように、センサループ60の端と端とがつないで配置された、電流センサとして作用する。
【0035】
図5Bでは、本開示の多様な実施形態による電流センサの模式図が示されている。図5Bの回路において、共通グラウンドは、ループ60のために使用される。アンペールの法則から、RF電流の紙面への伝搬に伴い、磁場は、導体20の周りにおいて時計回り方向に生成される。この磁場は、ピックアップループ60において、変圧器50を貫流する電流を引き起こす。上記ループ60によって検出されたいずれの電界も、グランドへ短絡される。図5Bの回路は、互いに隣り合った(または、互いに並列な)2つのループ60を含み、ループ60の間に結合は生じない。
【0036】
図5では、本開示の多様な実施形態による電流センサの模式図が示されている。図5Cの回路において、ループ60は共通グラウンドに接続されない。アンペールの法則から、RF電流の紙面への伝搬に伴い、磁場は、導体20の周りにおいて時計回り方向に生成される。2つの電流ピックアップループ60の各々と直列な抵抗55が含まれ得る。抵抗55は、VIプローブ10と共に利用され得るいずれかの付随した処理装置へ、センサインピーダンスを適合させるために使用され、反射信号の低下、ノイズ低下、処理装置へ伝搬するセンサ信号出力の最大化をもたらす。この磁場は、ピックアップループ60において、変圧器50および抵抗55を貫流する電流を引き起こす。上記ループ60によって検出された電界は、図5Aおよび図5Bの場合と異なり、グラウンドへ短絡されない。変圧器50におけるポイントAおよびBの電界は、しかしながら、等しくなり、電界による変圧器50の電流の貫流を引き起こさない。それゆえ、この電界は、変圧器50の二次または出力側において効果的にキャンセルされる。さらに、変圧器50のポイントAおよびBは、相対的に、導体20の電位に対して磁場によってループ60において生成された電流信号からの影響に起因する追加の成分を加えたものに相当する、同電位となる。
【0037】
図5Bおよび図5Cに描かれているように、上記2つのループが互いに配置されることにより、上記2つのループ60は、同一の磁界および電界にさらされ、より良好に、電界のキャンセルおよび電流センサのダイナミックレンジの増大をもたらす。電流センサ検出線(例えば、電流センサパッド30)の長さは、センサ10の結合および周波数特性に関連する。長い電流センサピックアップは、VIプローブ10の破壊電圧の低下および他の悪影響を生じさせることなく、センサ10の低周波数特性、および信号の結合を改善する。
【0038】
変圧器50は、概して、一次および二次巻線に関して、巻き数比(“N”)を有する。抵抗器55は、出力インピーダンスの実部を補正する。出力インピーダンスの虚部は、実伝送線センサ部の存在によって、または、マッチング/フィルタ回路によって補正され得る。多様な実施形態において、抵抗器55の値は、以下によって定義され得る。
【0039】
【数3】
【0040】
Zoutputは、分析ユニットへ提示される好ましい出力インピーダンスである。Nは、変圧器の巻数比である。
【0041】
ここで図6を参照すると、本開示の多様な実施形態による、さらにもう一つの電流センサの概略図が示されている。図6の回路において、グラウンドの除去、および、1つの連続的なループ60を形成するためのループ60の接続(例えば、端と端との接続)により、図5Cの回路が、改変されている。これは、ヘキサゴン40の位置において、ビアによってトレース44aおよび44bを接続することにより、達成し得る(図3A図3C参照)。この構成において、電流センサへ影響を及ぼす電界は、グラウンドへ短絡されず、それ故、電界電位は、直列な抵抗器55を貫流する電流を引き起こす。この電界からの電流は、他の電流ループにおいて電流が減じられている間、一の電流ループにおいて、変圧器50における電界信号の一部の貫流を引き起こし得ることにより、役立つ。この電界の影響は、電流センサのダイナミックレンジを減じ得る。RFグラウンドからの電流センサのグラウンドの除去により、電流センサのグラウンドは、PCB12を貫流する電流による影響を受けず、電流センサは、導体20の電流のみを計測する。
【0042】
アンペールの法則から、RF電流の紙面への伝搬に伴い、導体20の周りにおいて、時計回り方向に磁場が生成される。抵抗55は、VIプローブ10と共に利用され得るいずれかの付随した処理装置へ、センサインピーダンスを適合させるために使用され、反射信号の低下、ノイズ低下、処理装置へ伝搬するセンサ信号出力の最大化をもたらす。この磁場は、ピックアップループ60において、変圧器50および抵抗器55を貫流する電流を引き起こす。上述したように、ループ60によって検出された電界は、図5AおよびBの場合のように、グラウンドへ短絡されない。変圧器50のポイントAおよびBにおける電界は、しかしながら、等しいため、この電界による変圧器50の電流の貫流を生じさせない。それ故、この電界は、変圧器50の二次または出力側57において効果的にキャンセルされる。さらに、変圧器50のポイントAおよびBは、相対的に同電位となる。
【0043】
上述したように、ポイントAおよびBにおける電圧電位は、容量性結合に起因して、導体20の電位に比例する。ポイントAおよびBにおける電圧電位は、導体20の電位に対して、磁場によってループ60において生成された電流信号からの影響に起因する追加の成分を加えたものと考えられ得る。
【0044】
図7は、図6の導体20の電圧における、ポイントAおよびBの電圧の間の容量性結合の関係を表す回路を示す回路図である。図7において、抵抗器Rmは、例えば、アナログ・デジタル変換器または受信器において、入力インピーダンス測定である。また、Imは、導体20の周りにおける磁場の変化によって生じた電流を示す。また、Ccは、導体20と電流ループ60との間の結合容量を示す。そして、Veは、導体20のRF電圧である。
【0045】
図7の構成の利用により、導体20のRF電圧電位は、ガウスの法則によって定義され得る。ポイントAおよびBの電圧(それぞれ、VAおよびVB)を定義する節点方程式を使用し、
【0046】
【数4】
【0047】
【数5】
【0048】
【数6】
【0049】
とすることによって、各々のノードを求めるためのキルヒホッフの法則の方程式は、以下をもたらす。
【0050】
【数7】
【0051】
【数8】
【0052】
もし、同類項をまとめると、以下となる。
【0053】
【数9】
【0054】
【数10】
【0055】
VAおよびVBの解は、以下をもたらす。
【0056】
【数11】
【0057】
【数12】
【0058】
変圧器50のセンタータップによる(または、代わりに、ADC/DSP(アナログ・デジタル変換器/デジタル・シグナル・プロセッサ)システムによる)VAおよびVB信号の加算(Vsum=VA+VB)は、以下をもたらす。
【0059】
【数13】
【0060】
【数14】
【0061】
この結果は、導体20の電界、Ve、および減衰項である。変圧器50(二次巻線)またはADC/DSPシステムによる、VAからVBを差し引くことにより(Vdiff=VA−VB)、以下をもたらす。
【0062】
【数15】
【0063】
【数16】
【0064】
この結果は、導体20を貫流する電流、Im、および減衰項である。これらの方程式から、導体20の電圧(Ve)および電流(Im)が決定され得る。
【0065】
図8では、本開示の多様な実施形態による電圧/電流センサの模式図が示されている。アンペールの法則から、RF電流の紙面への伝搬に伴い、導体20の周りにおいて、時計回り方向に磁場が生成される。この磁場は、ピックアップループ60において、変圧器50を貫流する電流を引き起こす。同様の回路が図6に示されており、電圧/電流センサに影響を与える電界は、グランドへ短絡されず、それ故、電界電位は、直列な抵抗器55を貫流する電流を引き起こす。この電界からの電流は、他の電流ループにおいて電流が減じられている間、電界信号の一部の変圧器50の貫流を引き起こし得ることで、一の電流ループの役に立つ。この電界の影響は、電流センサのダイナミックレンジを削減し得る。
【0066】
電流センサのグラウンドをRFグラウンドから除去することにより、電流センサのグラウンドは、PCB12を貫流するRF電流に影響されることなく、電流センサは、導体20の電流のみ計測する。導体20の電流を表す電気的信号は、変圧器50の二次側から得られ得る。変圧器50のセンタータップ59は、導体20の電圧を表す電気的信号を得るために使用され得る。これらの電気的信号から、例えば上述の方程式に基づいて、導体20の電圧および電流が決定され得る。
【0067】
図9Aおよび図9Bを参照すると、PCB12の多様な図が示されている。接地面14,ビア16,およびビア22は、明確化のために省略される。第3の内側層33は、絶縁基板36に形成された導電性円環102aを含む。第4の内側層35は、基板36の反対側における他の導電性円環102bを含む。導電性円環102aおよび102bは、まとめて導電性円環102と呼ばれる。導電性円環102は、ビア24によって互いに接続およびパターン化される。導電性円環102の各々は、導体20の縦軸に直交する平面を規定する。さらに、トレース104は、各導電性円環102を、開口18の内側に沿って形成された電圧センサパッド100に連結する。
【0068】
いくつかの実施形態において、電圧センサパッド100は、上述の電流センサパッド30と同一であり得る。電圧センサパッド100は、基板36における開口18の縁部にメッキされ、レーザ、機械的摩耗、または、他の製造技術によって、成形のために切断され得る。ヘキサゴン40は、導体20の電圧を決定するための参照用グラウンドとして利用され得る。上記内側層33もまた、内蔵されたコアリング42を含む。コアリング42は、上記内側層33において、導電性円環102および102bの間に内蔵される。
【0069】
上述の説明は、一例にしか過ぎず、決して、この開示、その適用、または使用を制限することを目的とするものではない。この開示の広範囲な内容は、多様な形態で実施し得る。それ故、この開示は特定の実施例を含むだけでなく、他の変形例が図面、明細書、特許請求の範囲において明らかとなることから、この開示の真の範囲は制限されるべきでない。明確化の目的のため、同様の要素を一致させるための同一の参照番号が、図面において使用される。ここで使用されている、“A、B、およびCの少なくとも一つ”の表現は、非排他的論理和を使用する、論理的な(AまたはBまたはC)を意味することが、解釈されるべきである。方法に含まれている1または複数のステップは、本開示の原理を改変することなく、異なる順番で(または、同時に)実行され得ることが理解されるべきである。
【0070】
[付記事項]
無線周波数センサシステムは、PCB(プリント基板)を含む。PCBは、第1の外側層、第2の外側層、第1の内側層、第2の内側層、および、当該PCBの開口を規定する内周部を含む。PCBは、また、第1のループを含む。第1のループは、第1の複数のトレースによって第1の複数のビアに連結された第1の複数のセンサパッドを含む。第1の複数のセンサパッドは、上記内周部に配置されている。PCBは、また、第2のループを含む。第2のループは、第2の複数のトレースによって第2の複数のビアに連結された第2の複数のセンサパッドを含む。第2の複数のセンサパッドは、上記内周部に配置されている。コアリングは、上記第1の複数のセンサパッド、上記第1の複数のビア、および上記第1の複数のトレースに近接する上記第1の内側層に内蔵されている。RF電流を伝搬させるための中心導体は、上記開口の中を通って延伸する。上記第1および第2のループは、上記第1および第2の複数のセンサパッド、上記第1および第2の複数のビア、上記第1および第2の複数のトレース、ならびに、上記コアリングに基づいて、電気的信号を生成する。
【0071】
他の形態において、無線周波数検出方法は、PCB(プリント基板)を貫く開口を規定することを含む。PCBは、第1の外側層、第2の外側層、第1の内側層、第2の内側層、および内周部を含む。第1の複数のトレースによって、第1のループを第1の複数のビアへ連結する。第1のループは、第1の複数のセンサパッドを含む。第1の複数のセンサパッドを、上記内周部に配置する。第2の複数のトレースによって、第2のループを第2の複数のビアへ連結する。 第2のループは、第2の複数のセンサパッドを含む。第2の複数のセンサパッドを、上記内周部に配置する。第1の複数のセンサパッド、第1の複数のビア、および第1の複数のトレースに近接する第1の内側層に、コアリングを内蔵させる。RF(無線周波数)電流を伝搬させるための中心導体が、前記開口の中を通って延伸し、前記第1および第2のループは、前記第1および第2の複数のセンサパッド、前記第1および第2の複数のビア、前記第1および第2の複数のトレース、ならびに、前記コアリングに基づいて、電気的信号を生成する。
【0072】
[付記事項2]
RF(無線周波数)センサシステムは、第1の外側層、第2の外側層、第1の内側層、第2の内側層、及び内周部を含み、前記内周部によって開口が規定されたPCB(プリント基板)と、第1の複数のトレースによって第1の複数のビアに連結された第1の複数のセンサパッドを含み、当該第1の複数のセンサパッドが前記内周部に配置されている、第1のループと、第2の複数のトレースによって第2の複数のビアに連結された第2の複数のセンサパッドを含み、当該第2の複数のセンサパッドが前記内周部に配置されている第2のループであって、上記第1のループに平行な第2のループと、前記第1の複数のセンサパッド、前記第1の複数のビア、および前記第1の複数のトレースに近接する前記第1の内側層に内蔵されたコアリングと、を備え、RF電流を伝搬させるための中心導体が、前記開口の中を通って延伸し、前記第1および第2のループは、前記第1および第2の複数のセンサパッド、前記第1および第2の複数のビア、前記第1および第2の複数のトレース、ならびに、前記コアリングに基づいて、電気的信号を生成する。
【0073】
他の形態において、RFセンサシステムは、第3の外側層、第4の外側層、第3の内側層、第4の内側層、および、第2の内周部を含み、前記第2の内周部によって第2の開口が規定された第2のPCBと、第3の複数のトレースによって第3の複数のビアに連結された第3の複数のセンサパッドを含み、当該第3の複数のセンサパッドが前記第2の内周部に配置されている、第3のループと、第4の複数のトレースによって第4の複数のビアに連結された第4の複数のセンサパッドを含み、当該第4の複数のセンサパッドが前記第2の内周部に配置されている第4のループであって、上記第3のループに平行な第4のループと、をさらに備える。
【0074】
他の形態において、前記第4の外側層は、前記第1の外側層に電気的に結合される。
【0075】
他の形態において、前記第1の複数のセンサパッド、前記第2の複数のセンサパッド、前記第3の複数のセンサパッド、および前記第4の複数のセンサパッドは、電気的に直列に接続されている。
【0076】
他の形態において、前記第1の複数のセンサパッド、前記第2の複数のセンサパッド、前記第3の複数のセンサパッド、および前記第4の複数のセンサパッドは、電気的に並列に接続されている。
【0077】
RF(無線周波数)検出方法は、第1の外側層、第2の外側層、第1の内側層、第2の内側層、及び内周部を含んだPCB(プリント基板)に対し、当該PCBを貫く開口を規定するステップと、前記内周部に配置されている第1の複数のセンサパッドを含む第1のループを、第1の複数のトレースによって第1の複数のビアへ連結するステップと、前記内周部に配置されている第2の複数のセンサパッドを含み、上記第1のループに平行な第2のループを、第2の複数のトレースによって第2の複数のビアへ連結するステップと、前記第1の複数のセンサパッド、前記第1の複数のビア、および前記第1の複数のトレースに近接する前記第1の内側層にコアリングを内蔵させるステップと、を含み、RF電流を伝搬させるための中心導体が、前記開口の中を通って延伸し、前記第1および第2のループは、前記第1および第2の複数のセンサパッド、前記第1および第2の複数のビア、前記第1および第2の複数のトレース、ならびに、前記コアリングに基づいて、電気的信号を生成する。
【0078】
他の形態において、RF検出方法は、第3の外側層、第4の外側層、第3の内側層、第4の内側層、および第2の内周部を含んだ第2のPCBに対し、第2の開口を規定するステップと、前記第2の内周部に配置されている第3の複数のセンサパッドを含む第3のループを、第3の複数のトレースによって第3の複数のビアへ連結するステップと、前記第2の内周部に配置されている第4の複数のセンサパッドを含み、上記第3のループに平行な第4のループを、第4の複数のトレースによって第4の複数のビアへ連結するステップと、をさらに含む。
【0079】
他の形態において、RF検出方法は、前記第4の外側層を前記第1の外側層に電気的に結合するステップをさらに含む。
【0080】
他の形態において、RF検出方法は、前記第1の複数のセンサパッド、前記第2の複数のセンサパッド、前記第3の複数のセンサパッド、および前記第4の複数のセンサパッドを、電気的に直列に接続するステップを更に含む。
【0081】
他の形態において、RF検出方法は、前記第1の複数のセンサパッド、前記第2の複数のセンサパッド、前記第3の複数のセンサパッド、および前記第4の複数のセンサパッドを、電気的に並列に接続するステップを更に含む。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9A
図9B