特許第6490166号(P6490166)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6490166
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】電解還元モジュールおよび浄水装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/461 20060101AFI20190318BHJP
【FI】
   C02F1/461 101A
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-168204(P2017-168204)
(22)【出願日】2017年9月1日
(65)【公開番号】特開2018-202379(P2018-202379A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2017年9月1日
(31)【優先権主張番号】106118565
(32)【優先日】2017年6月5日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】▲胡▼ 伯瑜
(72)【発明者】
【氏名】梁 ▲徳▼明
【審査官】 松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−053886(JP,A)
【文献】 特開昭57−203783(JP,A)
【文献】 特開2003−251358(JP,A)
【文献】 特開平04−219193(JP,A)
【文献】 特表2001−504383(JP,A)
【文献】 特開昭57−017573(JP,A)
【文献】 特開2006−342394(JP,A)
【文献】 特開2013−000709(JP,A)
【文献】 特開2017−057482(JP,A)
【文献】 特開2005−103518(JP,A)
【文献】 特開2013−194296(JP,A)
【文献】 特開2012−012695(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/46− 1/48
C25B 1/00− 9/20
C25B 13/00− 15/08
C25B 11/00− 11/18
C02F 1/58− 1/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極と、第1陰極および第2陰極と、を含む電極セットと、
第1バッフルおよび第2バッフルと、
を含み、
前記陽極が、前記第1陰極と前記第2陰極の間に配置され、前記第1陰極が、前記第1バッフルと前記陽極の間に配置され、前記第2陰極が、前記第2バッフルと前記陽極の間に配置され、
前記第1陰極および前記第2陰極の比表面積が、それぞれ前記陽極の比表面積の2〜10倍である電解還元モジュール。
【請求項2】
前記陽極と前記第1陰極の間に配置された第1隔離構造、および前記陽極と前記第2陰極の間に配置された第2隔離構造をさらに含む請求項1に記載の電解還元モジュール。
【請求項3】
前記第1隔離構造および前記第2隔離構造が、メッシュ、パッド、多孔質構造、またはその組み合わせを含む請求項2に記載の電解還元モジュール。
【請求項4】
前記第1バッフルおよび前記第2バッフルが、蛇行開口を有する請求項1に記載の電解還元モジュール。
【請求項5】
0.2wt%のNaClO水溶液において、前記第1陰極および前記第2陰極の水素発生電位が、−1.9V〜−2.5Vの範囲である請求項1に記載の電解還元モジュール。
【請求項6】
0.2wt%のNaClO水溶液において、前記陽極の酸素発生電位が、0.8V〜1.3Vの範囲である請求項1に記載の電解還元モジュール。
【請求項7】
前記陽極の材料が、チタン系イリジウム酸化物(Ti/IrO2)を含む請求項1に記載の電解還元モジュール。
【請求項8】
前記第1陰極および前記第2陰極の材料が、炭素を含む請求項1に記載の電解還元モジュール。
【請求項9】
前記第1陰極および前記第2陰極の前記材料が、グラファイトフェルトを含む請求項に記載の電解還元モジュール。
【請求項10】
吸水口および排水口を含む筐体と、
電極セットと、第1バッフルおよび第2バッフルと、をそれぞれ含む複数の電解還元モジュールと、を含み、
前記電極セットが、
陽極と、
第1陰極および第2陰極と、を含み、
前記第1バッフルまたは前記第2バッフルが、隣接する2つの前記電解還元モジュールによって共有され、
前記陽極が、前記第1陰極と前記第2陰極の間に配置され、前記第1陰極が、前記第1バッフルと前記陽極の間に配置され、前記第2陰極が、前記第2バッフルと前記陽極の間に配置され、
前記第1陰極および前記第2陰極の比表面積が、それぞれ前記陽極の比表面積の2〜10倍である浄水装置。
【請求項11】
前記電解還元モジュールが、4つの電解還元モジュールである請求項1に記載の浄水装置。
【請求項12】
第1水遮断パッドおよび第2水遮断パッドをさらに含み、前記電解還元モジュールが、前記第1水遮断パッドと前記第2水遮断パッドの間に配置された請求項1に記載の浄水装置。
【請求項13】
前記第1バッフルおよび前記第2バッフルが、蛇行開口を有する請求項1に記載の浄水装置。
【請求項14】
0.2wt%のNaClO水溶液において、前記第1陰極および前記第2陰極の水素発生電位が、−1.9V〜−2.5Vの範囲である請求項1に記載の浄水装置。
【請求項15】
前記陽極の材料が、チタン系イリジウム酸化物(Ti/IrO2)を含む請求項1に記載の浄水装置。
【請求項16】
前記第1陰極および前記第2陰極の材料が、炭素を含む請求項1に記載の浄水装置。
【請求項17】
前記第1陰極および前記第2陰極の前記材料が、グラファイトを含む請求項1に記載の浄水装置。
【請求項18】
前記第1陰極および前記第2陰極の前記材料が、グラファイトフェルトを含む請求項1に記載の浄水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解還元モジュールおよび浄水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般家庭用の水は、搬送または保存される時に、搬送中や保存環境の無機物質または有機物質で汚染されるため、バクテリア、ウィルス、または水質を悪化させる他の微生物等の人体に有害な物質が家庭用の水から大量に発見される。したがって、家庭用の水が一般使用の基準に達するように、ほとんどの場合は、家庭用の水に化学薬品(殺菌剤や洗浄剤)が追加されており、例えば、水に塩素酸ナトリウムの追加や塩素ガスの導入が施される。また、塩素酸ナトリウムの追加や塩素ガスの導入によって水域中で酸化反応させることにより、遊離残留塩素(HOCl+OCl-)や他の酸化物質が水中に存在するようにして、使用前の水にバクテリアの繁殖や他の有害物質がないことを確保する。
【0003】
しかしながら、塩素を追加して消臭殺菌する工程において、水中の有機物質が遊離残留塩素と反応するため、トリハロメタン(trihalomethane)が形成される。トリハロメタンは、約40℃の沸点を有する揮発性有機化合物である。そのため、トリハロメタンを含む水がトリハロメタンの沸点よりも高い温度に達した時に、トリハロメタンが蒸発し、呼吸や皮膚吸収によって人体に侵入する可能性があり;その結果、人体の中枢神経系の機能が低下して、目眩、疲労、頭痛、肝毒性、腎毒性等の症状を起こす。また、トリハロメタンの過剰摂取によって、人体に癌が生じることもある。
【0004】
したがって、塩素を追加して殺菌した後、脱塩素装置により水中の遊離残留塩素を除去しなければならない。しかしながら、従来の脱塩素装置は、構造が複雑で、サイズも非常に大きいため、従来の脱塩素装置は、特定の場所に設置して使用するのに適している。例えば、一般家庭において、従来の脱塩素装置は、シンクの下の収容スペースに設置して水を脱塩素するのに適している。さらに、従来の脱塩素装置は、吸収剤として亜硫酸カルシウムや亜鉛と胴の合金を充填することにより、水中の遊離残留塩素を吸収する。しかしながら、充填された吸収剤は、水が長期間吸収剤と接触していると、水を汚染する可能性があるため、脱塩素装置内の吸収剤を定期的に交換しなければならない。また、従来の脱塩素装置のスムーズな運転を確保するには、かなりの操作電力を必要とするため、従来の脱塩素装置は、コストが大幅に増加する。そのため、従来の脱塩素装置は、その大きさと過剰なエネルギー消費によって制限されるため、他のタイプの給水設備には幅広く適用されない。
【0005】
したがって、現在、水中の遊離残留塩素を除去することのできる効率が高く、構造が単純な装置が早急に必要とされている。このような装置を家庭用に幅広く応用することによって、水中の遊離残留塩素が人体に害を及ぼすのを防ぐことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、水中の遊離残留塩素を除去することのできる効率が高く、構造が単純な電解還元モジュールを提供する。
【0007】
本発明は、水中の遊離残留塩素を除去することのできる効率が高く、構造が単純な浄水装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、電極セット、第1バッフル(baffle)、および第2バッフルを含む電解還元モジュールを提供する。電極セットは、陽極、第1陰極、および第2陰極を含む。陽極は、第1陰極と第2陰極の間に配置される。第1陰極は、第1バッフルと陽極の間に配置される。第2陰極は、第2バッフルと陽極の間に配置される。
【0009】
本発明は、筐体および複数の電解還元モジュールを含む浄水装置を提供する。筐体は、吸水口および排水口を含む。各電解還元モジュールは、電極セット、第1バッフル、および第2バッフルを含む。第1バッフルまたは第2バッフルは、隣接する2つの電解還元モジュールによって共有される。電極セットは、陽極、第1陰極、および第2陰極を含む。陽極は、第1陰極と第2陰極の間に配置される。第1陰極は、第1バッフルと陽極の間に配置される。第2陰極は、第2バッフルと陽極の間に配置される。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明の電解還元モジュールは、水、第1陰極、および第2陰極の間の接触領域が増えるため、水から遊離残留塩素を除去する効果を高めることができる。さらに、本発明の実施形態に基づく陽極の材料は、水素発生電位が低いチタン系イリジウム酸化物を含むため、水中の遊離残留塩素が陽極で酸化して塩素を生成するのを防ぐことができる。また、本発明の実施形態が提供する電解還元モジュールは、第1バッフルおよび第2バッフルが蛇行開口(meandering opening)を含み、それにより、水が内部を流れる時に第1陰極および第2陰極と接触する時間が増えるため、水から遊離残留塩素を除去する効果を高めることができる。さらに、本発明の実施形態の浄水装置は、上述した電解還元モジュールを含むため、より優れた遊離残留塩素の除去効果を提供することができる。また、本発明の実施形態の第1バッフルおよび第2バッフルは、隣接する2つの電解還元モジュールによって共有することができる。そのため、浄水装置に配置する必要のある構成部品を減らすことができるため、浄水装置の構造が単純になり、浄水装置の製造コストを減らすことができる。
【0011】
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点をより分かり易くするため、図面と併せた幾つかの実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付図面は、本発明の原理がさらに理解されるために含まれており、本明細書に組み込まれかつその一部を構成するものである。図面は、本発明の実施形態を例示しており、説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たしている。
【0013】
図1】本発明の1つの実施形態に係る電解還元モジュールの概略的断面図である。
図2】本発明の1つの実施形態に係る電解還元モジュールのバッフルの上面図である。
図3】本発明の1つの実施形態に係る浄水装置の外観の概略図である。
図4】断面線I−I’に沿った図3の浄水装置の概略的断面図である。
図5】本発明の1つの実施形態に係る浄水装置の概略的断面図である。
図6】本発明の別の実施形態に係る浄水装置の概略的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の詳細な説明において、説明の目的で、開示される実施形態が十分に理解されるよう、多数の具体的詳細を示す。しかしながら、これら具体的詳細がなくとも、1つまたはそれ以上の実施形態が実施され得ることは明らかである。別の場合では、図面を簡潔にするため、周知の構造および装置は概略的に示される。
【0015】
以下、いくつかの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。以下の実施形態において、同じ、または類似する構成要素には、図面において同じ参照符号を使用する。言及すべきこととして、実施形態の内容を簡潔に示すために、図面を単純化しているため、各図面のサイズの比率は、実際の製品に比例していない。そのため、図面は、本発明の範囲に限定されると解釈すべきではない。
【0016】
図1は、本発明の1つの実施形態に係る電解還元モジュールの概略的断面図である。図2は、本発明の1つの実施形態に係る電解還元モジュールのバッフルの上面図である。
【0017】
図1を参照すると、本発明の実施形態が提供する電解還元モジュール10は、電極セット100、第1バッフル108、および第2バッフル110を含む。電極セット100は、陽極102、第1陰極104、および第2陰極106を含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、第1陰極104、陽極102、および第2陰極106は、サンドイッチ構造に積み重ねられる。つまり、陽極102は、第1陰極104と第2陰極106の間に挟まれる。陽極102は、水素発生電位が低い材料を含んでもよく、例えば、電解反応において物質を生成しにくい。例えば、陽極102の材料は、金属、金属合金、金属酸化物、または金属ドープされた金属酸化物からなる群より選択される材料を含む。いくつかの実施形態において、陽極102の材料は、例えば、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、アルミニウム(Al)、金(Au)、白金(Pt)、または上記の組み合わせを含む。いくつかの別の実施形態において、陽極102の材料は、イリジウム酸化物(IrO2)、ルテニウム酸化物(RuO2)、および鉛酸化物(PbO2)等の金属酸化物を含む。さらに別の実施形態において、陽極102の材料は、チタン系イリジウム酸化物(Ti/IrO2)およびチタン系タンタル酸化物(Ti/Ta5)等の金属ドープされた金属酸化物を含む。いくつかの実施形態において、陽極102の材料は、0.2wt%のNaClO水溶液において、0.8V〜1.3Vの範囲の酸素発生電位を有するチタン系イリジウム酸化物を含む。白金は、一般的に、電解還元モジュールの陽極102として使用される。しかしながら、白金の塩素発生電位は、白金の酸素発生電位よりもはるかに少ないため、陽極で塩素沈殿が生じやすい。本発明のいくつかの実施形態において、陽極102としてチタン系イリジウム酸化物を使用する。チタン系イリジウム酸化物の酸素発生電位は、陽極102として白金を使用する電解還元モジュールと比較して、チタン系イリジウム酸化物の塩素発生電位により近いため、本発明において、チタン系イリジウム酸化物を陽極102として使用した時に酸素が発生しやすく、それにより、塩素沈殿が減少する。また、チタン系イリジウム酸化物の陽極102が酸化反応した時、電解液中に物質が生成されないため、水から遊離残留塩素を除去する電解還元モジュール10の性能に影響を与えないようにすることができる。上述した「酸素発生電位」および「塩素発生電位」は、それぞれ水が電解反応した時に陽極102が酸素と塩素を生成する電位を指す。
【0019】
第1陰極104は、第1バッフル108と陽極102の間に配置され、第2陰極106は、第2バッフル110と陽極102の間に配置される。第1陰極104および第2陰極106は、例えば、水素発生電位が低く、且つ比表面積が大きい材料を含んでもよい。0.2wt%のNaClO水溶液において、第1陰極104および第2陰極106に適した材料の水素発生電位は、−1.9V〜−2.4Vの範囲である。第1陰極104対第2陰極106の比表面積の比率は、例えば、1:1である。いくつかの実施形態において、第1陰極104および第2陰極106の材料は、例えば、炭素、ステンレス鋼(stainless steel)、白金(Pt)、チタン(Ti)、インジウム酸化物(IrO2)、水銀(Hg)、あるいは酸化物またはその合金の形態の上記の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、第1陰極104および第2陰極106の材料は、グラファイト(graphite)、ダイアモンド、カーボンナノチューブ、カーボンナノカプセル、炭素60、炭素80、および炭素120等の炭素材料を含む。1つの実施形態において、第1陰極104および第2陰極106の材料は、グラファイトフェルト(graphite felt)を含む。いくつかの実施形態において、0.2wt%のNaClO水溶液において、グラファイトフェルトを材料として使用する第1陰極104および第2陰極106の水素発生電位は、−1.9V〜−2.5Vの範囲である。第1陰極104および第2陰極106の様々な可変材料のうち、グラファイトフェルトは、より大きな比表面積を有する。そのため、グラファイトフェルトを第1陰極104および第2陰極106として選択した時、電解還元反応がより速くなるため、水から遊離残留塩素を除去する電解還元モジュール10の効果を高めることができる。上述した「水素発生電位」は、水が電解反応した時に第1陰極104および第2陰極106が水素を生成する電位を指す。
【0020】
第1陰極104および第2陰極106の比表面積は、それぞれ陽極102の比表面積よりも大きい。第1陰極104および第2陰極106の比表面積が陽極102の比表面積の2〜10倍である時、第1陰極104と第2陰極106、および遊離残留塩素を含有する水の間の接触面積が増加する。つまり、第1陰極104および第2陰極106における電解還元反応の速度が増加するため、水中の遊離残留塩素を除去する効果を高めることができる。いくつかの実施形態において、第1陰極104および第2陰極106の比表面積は、それぞれ陽極102の比表面積の2〜10倍である。いくつかの実施形態において、第1陰極104および第2陰極106の比表面積は、それぞれ陽極102の比表面積の106倍である。
【0021】
いくつかの実施形態において、電解還元モジュール10は、第1陰極104と陽極102の間の距離D1が1mmであり、第2陰極106と陽極102の間の距離D2が1mmである。第1距離D1および第2距離D2は、それぞれ電解還元モジュール10の抵抗に比例する。いくつかの実施形態において、第1距離D1および第2距離D2は、それぞれ1mm〜2mm、またはそれ以下である。いくつかの実施形態において、第1距離D1および第2距離D2は、それぞれ1mmまたはそれ以下である。第1距離D1および第2距離D2(第1陰極104と陽極102の間の距離および第2陰極106と陽極102の間の距離)を上記の範囲内に制御した時に、電解還元モジュール10を実施することができる。また、第1距離D1および第2距離D2を小さくすることにより、電解還元モジュール10の抵抗が下がり、電解性能が上がるため、水から遊離残留塩素を除去する効果を高めることができる。
【0022】
第1バッフル108および第2バッフル110は、第1陰極104および第2陰極106の外側に配置される。いくつかの実施形態において、第1バッフル108および第2バッフル110は、電解還元モジュール10の最も外側に配置される。第1バッフル108および第2バッフル110は、例えば、フレキシブルである。第1バッフル108および第2バッフル110の材料は、無機材料等の絶縁材料を含む。第1バッフル108および第2バッフル110の材料は、例えば、酸化物、窒化物、酸窒化物、またはその組み合わせを含む。1つの実施形態において、第1バッフル108および第2バッフル110の材料は、例えば、ガラスを含む。いくつかの実施形態において、第1バッフル108および第2バッフル110の材料は、例えば、有機材料を含む。第1バッフル108および第2バッフル110の材料は、例えば、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate, PMMA)、ポリプロピレン(polypropylene, PP)、ポリスチレン(polystyrene, PS)、テトラエチルオルトケイ酸塩(tetraethyl orthosilicate, TEOS)、またはその組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、第1バッフル108および第2バッフル110の材料は、例えば、アクリルまたはプラスチックを含んでもよい。
【0023】
第1バッフル108および第2バッフル110の構造、構成、および厚さは、同じであっても、または異なっていてもよい。以下、説明を容易にするため、図2を参照しながら、第1バッフル108を例に挙げて説明する。
【0024】
図2を参照すると、第1バッフル108は、開口107を有し、水が開口107内を流動してもよい。いくつかの実施形態において、第1バッフル108の開口107は、矩形波形、正弦波形、または蛇形等の蛇行形状を有する。図2において、第1バッフル108の開口107は、例えば、矩形波形である。開口107は、例えば、第1端E1および第2端E2を含む。第1端E1は、例えば、水が第1バッフル108に流入する始点であり、第2端E2は、例えば、水が第1バッフル108から流出する終点である。
【0025】
別の方面から見ると、いくつかの実施形態において、第1バッフル108は、外フレーム108aおよび複数の延伸部108bを含む。外フレーム108aは、例えば、長方形、円形、または楕円形である。延伸部108bは、例えば、ストリップ(strip)状、フィン(fin)状、または波形(wave)である。1つの実施形態において、外フレーム108aは、長方形状であり、延伸部108bは、ストリップ状である。延伸部108bは、外フレーム108aに接続され、外フレーム108aに囲まれた領域に延伸する。延伸部108bは、複数の第1延伸部108b1および複数の第2延伸部108b2を含む。いくつかの実施形態において、第1延伸部108b1は、一列に配列され、互いに平行であり、外フレーム108aの一側S1に接続されて第1櫛(comb)形状を形成する。第2延伸部108b2は、一列に配列され、互いに平行であり、外フレーム108aの他側S2に接続されて第2櫛形状を形成する。いくつかの実施形態において、第1延伸部108b1は、一列に配列され、互いに平行ではなく、外フレーム108aの一側S1に接続されて、第1フィン形状を形成し、第2延伸部108b2は、一列に配列され、互いに平行ではなく、且つ外フレーム108aの他側S2に接続されて第2フィン形状を形成する。別の方面から見ると、第1延伸部108b1および第2延伸部108b2は、交互に配置されて、フォーク(fork)形状を形成し、フォーク箇所の間に蛇行空隙が存在する。フォーク箇所の間の蛇行空隙に水が流れることにより、水と、第1陰極104及び第2陰極106との間の接触面積を増やすことができる。
【0026】
隣接する第1延伸部108b1と第2延伸部108b2の間の距離Pは、水の流れに応じて、同じであっても、または異なっていてもよい。それぞれの第1延伸部108b1の第1長さL1は、同じであっても、または異なっていてもよく、それぞれの第2延伸部108b2の第2長さL2は、同じであっても、または異なっていてもよく、第1長さL1および第2長さL2は、同じであっても、または異なっていてもよい。また、各第1延伸部108b1の第1幅W1は、同じであっても、または異なっていてもよく、各第2延伸部108b2の第2幅W2は、同じであっても、または異なっていてもよく、第1幅W1および第2幅W2は、同じであっても、または異なっていてもよい。第1延伸部108b1および第2延伸部108b2の数は、実際の要求に基づいて設計することができる。一般的に、第1延伸部108b1および第2延伸部108b2の数は、第1バッフル108の大きさに比例する。第1延伸部108b1および第2延伸部108b2の数がより大きい時、液体が第1バッフル108内に残留する時間が増加する。そのため、水が第1バッフル108内で流動している時に第1陰極104と接触する時間が増加する。もちろん、第1延伸部108bの数が多すぎると、第1バッフル108の製造コストが増加する。第1バッフル108のサイズが16cm×5.4cmであるいくつかの実施形態において、第1延伸部108b1および第2延伸部108b2の数は、それぞれ4〜12である。第1延伸部108b1および第2延伸部108b2の数が第1バッフル108のサイズに対応し、上述した範囲内にある時、水が第1バッフル108内に残留する時間と第1バッフル108の製造コストの間のバランスを取ることができ、水中の遊離残留塩素を除去する効果をさらに高めることができる。1つの実施形態において、第1延伸部108b1および第2延伸部108b2の数は、それぞれ4である。
【0027】
第1バッフル108の形状設計は、水が第1バッフル108内に残留する時間を延長するため、水が第1バッフル108内を流動する時に第1陰極104と接触する時間が増加する。つまり、第1バッフル108の形状設計は、遊離残留塩素が還元反応する時間を増やすため、水中の遊離残留塩素を除去する効果を高めることができる。さらに、第2バッフル110の構造および形状設計は、第1バッフル108と同じであるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0028】
第1バッフル108および第2バッフル110は、それぞれ第1厚さT1および第2厚さT2を有する。第1厚さT1および第2厚さT2(第1バッフル108および第2バッフル110のそれぞれの厚さ)は、水の収容可能量および電解還元モジュール10の抵抗に影響を与える。第1厚さT1および第2厚さT2が増えると、第1バッフル108および第2バッフル110は、より多くの水を含有することができるが、電解還元モジュール10の抵抗も増加する。しかしながら、第1厚さT1および第2厚さT2が減ると、電解還元モジュール10の抵抗は減少するが、相対的に、第1バッフル108および第2バッフル110内の水の収容可能量が減少する。いくつかの実施形態において、第1厚さT1および第2厚さT2は、それぞれ1mm〜2mmである。第1厚さT1および第2厚さT2が上述した範囲内にある時、第1バッフル108および第2バッフル110内の水の収容可能量と電解還元モジュール10の抵抗の間のバランスを取ることができるため、水中の遊離残留塩素を除去する効果をさらに高めることができる。1つの実施形態において、第1厚さT1および第2厚さT2は、それぞれ2mmである。
【0029】
いくつかの実施形態において、電解還元モジュール10内の水の流動を妨げないという前提で、電解還元モジュール10は、さらに、第1隔離構造112および第2隔離構造114(図1に示す)を含むことができる。第1隔離構造112は、陽極102と第1陰極104の間に配置され、第2隔離構造114は、陽極102と第2陰極106の間に配置される。1つの実施形態に基づく電解還元モジュール10において、第1隔離構造112および第2隔離構造114は、それぞれ第1陰極104から陽極102を隔離し、第2陰極106から陽極102を隔離する。第1隔離構造112および第2隔離構造114の材料は、例えば、絶縁材料である。いくつかの実施形態において、第1隔離構造112および第2隔離構造114の材料は、例えば、無機材料である。例えば、第1隔離構造112および第2隔離構造114の材料は、酸化物、窒化物、酸窒化物、またはその組み合わせを含む。1つの実施形態において、第1隔離構造112および第2隔離構造114の材料は、例えば、ガラスを含む。いくつかの実施形態において、第1隔離構造112および第2隔離構造114の材料は、例えば、有機材料を含む。例えば、第1隔離構造112および第2隔離構造114の材料は、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、テトラエチルオルトケイ酸塩、またはその組み合わせを含む。第1隔離構造112および第2隔離構造114は、例えば、メッシュ(mesh)、パッド(pad)、多孔質(porous)構造、またはその組み合わせの形態である。第1隔離構造112の形態と第2隔離構造114の形態は、同じであっても、または異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、第1隔離構造112および第2隔離構造114は、メッシュまたは多孔質構造の形態である。別のいくつかの実施形態において、第1隔離構造112および第2隔離構造114は、パッドの形態である。
【0030】
図3は、本発明の1つの実施形態に係る浄水装置の外観の概略図である。図4は、断面線I−I’に沿った図3の浄水装置の概略的断面図である。図3および図4に示す浄水装置の電解還元モジュールは、図1の電解還元モジュールと同じであるため、同じ構成要素には、同じ参照符号を使用する。
【0031】
図3および図4を参照すると、いくつかの実施形態において、浄水装置30は、筐体300および複数の電解還元モジュール10a、10b、10c、10dを含む。筐体300は、吸水口300e1および排水口300e2を含む。吸水口300e1および排水口300e2は、水を搬送するよう構成されたパイプライン(図示せず)に接続されるため、それぞれ水を浄水装置30に流入させ、浄水装置30から流出させることができる。いくつかの実施形態において、吸水口300e1および排水口300e2は、筐体300の同じ表面に設置される。別のいくつかの実施形態において、吸水口300e1および排水口300e2は、筐体300の対向する表面に設置される(図示せず)。また、いくつかの実施形態において、吸水口300e1の水平高度は、排水口300e2の水平高度よりも低い。電解還元モジュール10d、10c、10b、および10aは、筐体300内に配置され、平行に配列されるため、図3に示すように、下から上に積み重ねられる。図4に示した浄水装置30において、浄水装置30は、4つの電解還元モジュール10d、10c、10b、および10aを含むが、本発明は、これに限定されない。つまり、浄水装置は、4つ未満、または4つより多い電解還元モジュールを含んでもよい。
【0032】
浄水装置30において、電解還元モジュール10a、10b、10c、および10dを構成する構成要素、構成要素の関係、および構成要素に選択される材料は、例えば、上述した実施形態の電解還元モジュール10と類似するため、ここでは繰り返し説明しない。以下、これらの相違点について説明する。
【0033】
図4を参照すると、いくつかの実施形態において、第1バッフル108は、隣接する電解還元モジュール10aおよび電解還元モジュール10bによって共有され、第2バッフル110は、隣接する電解還元モジュール10bおよび電解還元モジュール10cによって共有される。そのため、浄水装置30内に配置される構成要素を減らすことができる。別の側面から見ると、電解還元モジュール10aにおいて第2バッフル110を省略してもよく、電解還元モジュール10cにおいて第1バッフル108を省略してもよい。そのため、隣接する電解還元モジュール間で第1バッフル108および第2バッフル110を共有することにより、浄水装置30の構造を単純にすることができ、浄水装置30を形成するコストを減らすことができる。
【0034】
いくつかの実施形態において、浄水装置30は、さらに、第1水遮断パッド302および第2水遮断パッド304を含む。第1水遮断パッド302および第2水遮断パッド304は、浄水装置30の最外周側に配置される。つまり、電解還元モジュール10a、10b、10c、および10dは、第1水遮断パッド302と第2水遮断パッド304の間に配置される。いくつかの実施形態において、第1水遮断パッド302および第2水遮断パッド304の材料は、例えば、有機材料を含む。例えば、第1水遮断パッド302および第2水遮断パッド304の材料は、ポリプロピレン、ポリスチレン、またはその組み合わせ等の有機材料を含む。別のいくつかの実施形態において、第1水遮断パッド302および第2水遮断パッド304の材料は、例えば、無機材料を含む。例えば、第1水遮断パッド302および第2水遮断パッド304の材料は、ケイ素化合物、アルミニウム酸化物、窒素酸化物、またはその組み合わせ等の無機材料を含む。1つの実施形態において、第1水遮断パッド302および第2水遮断パッド304の材料は、シリカゲル(silica gel)を含む。第1水遮断パッド302および第2水遮断パッド304は、水が第1バッフル108および第2バッフル110以外の流路から流出するのを防ぐことができるため、水から遊離残留塩素を除去する効果を高めることができる。
【0035】
以下、例を挙げて本発明の実施形態の可能性を証明するが、言及すべきこととして、本発明の実施形態が提供する浄水装置は、これに限定されない。
【0036】
実験例1
【0037】
本実験例において、図4の実施形態を例に挙げると、浄水装置30は、4つの電解還元モジュール10a、10b、10c、および10dを含む。別の側面から見ると、浄水装置30は、交互に配置された4つの陽極および8つの陰極を含む。浄水装置30の陽極の材料は、チタン系イリジウム酸化物を含み、陽極は、シート状のメッシュ電極である。浄水装置30の陰極の材料は、グラファイトフェルトを含み、陰極は、(従来の陰極材料と比較して)比表面積の大きい多孔質電極を含む。本実験例において、浄水装置30は、各陽極の厚さが0.5μmであり、各陰極の厚さが3.5mmであり、各バッフルの厚さが2mmであり、浄水装置30の長さ、幅、および高さがそれぞれ16cm、5.4cm、および2.2cmである。浄水装置30において、導入される水は、229L/分の速さで流動し、1.98秒の間、浄水装置30に残留する。
【0038】
次亜塩素酸塩(hypochlorite)を含有する水が吸水口300e1から浄水装置30に流入した後、発電装置を介して浄水装置30に電力が印加される。したがって、浄水装置30内の水が電力を受け取り、電解反応する。ここで、陽極で酸化反応が起こり、陰極で還元反応が起こる。本実験例の発電装置は、従来の発電装置であるため、構造の詳細については説明を省略する。
【0039】
次亜塩素酸塩を含有する水の電解反応の酸化半反応式、還元半反応式、および酸化還元全反応式は、以下の通りである。
【0040】
[化1]
酸化半反応式:2H2O(l)→O2(g)+4H+(aq)+4e-
還元半反応式:OCl-(aq)+H2O(l)+2e-→Cl-(aq)+2OH-(aq)
酸化還元全反応式:4H2O(l)+2OCl-(aq)→O2(g)+2Cl-(aq)+4H+(aq) +4OH-(aq)
【0041】
次亜塩素酸塩を含有する水が吸水口300e1から浄水装置30に流入し、発電装置が異なる電流および電圧を水に印加した後、60秒、120秒、および180秒後に浄水装置30の排水口300e2から流出する水のpH値、酸化還元電位、および次亜塩素酸塩の含有量を測定して、次亜塩素酸塩の除去率を計算する。
【0042】
下記の表1〜表3は、本実施形態の浄水装置30に異なる電圧および電流を印加する操作を3回行った後に印加した電力と次亜塩素酸塩の除去率の間の関係を示したものである。3回の操作において、水は、浄水装置30の吸水口300e1に流入する前に、それぞれ1.85mg/L、1.80mg/L、および1.73mg/Lの次亜塩素酸塩を含有する。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
表1〜表3からわかるように、浄水装置30に0.3Aの電流と2.7Vの電圧を印加した時、180秒後の次亜塩素酸塩の除去率は、49%であり、浄水装置30に0.5Aの電流と3.5Vの電圧を印加した時、60秒後の次亜塩素酸塩の除去率は、99%に達した。そのため、本実験例は、浄水装置30が水中の次亜塩素酸塩に対して好ましい除去率を有することを証明するため、本実験例の浄水装置30が次亜塩素酸塩を塩素イオンに還元する効果を高めることを意味する。また、本実施形態の浄水装置30に0.5Aの電流と3.5Vの電圧を印加することにより、99%の次亜塩素酸塩の除去率を達成することができるため、本実験例の浄水装置30が少ないエネルギーで効率の高い次亜塩素酸塩を除去できることを意味する。
【0047】
実験例2
【0048】
図5は、本発明の1つの実施形態に係る浄水装置の概略的断面図である。
【0049】
本実験例において、図5の実施形態を例に挙げると、浄水装置50は、2つの電解還元モジュール10aおよび10bを含む。浄水装置50に含まれる電解還元モジュールの構成要素は、浄水装置30に含まれる電解還元モジュール10aまたは10bの構成要素と同じである。浄水装置50の電解還元モジュール10bを例に挙げると、電解還元モジュール10bのバッフル108およびバッフル110は、それぞれ電解還元モジュール10bの最も外側の構成要素である。陰極104は、陽極102とバッフル108の間に挟まれ、陰極106は、陽極102とバッフル110の間に挟まれる。本実験例において、浄水装置50は、陽極102の厚さが0.5μmであり、各陰極104および106の厚さが3.5mmであり、各バッフル108および110の厚さが2mmであり、浄水装置50の長さ、幅、および高さがそれぞれ16cm、5.4cm、および3.2cmである。
【0050】
1.73mg/Lの次亜塩素酸塩を含有する水が吸水口から浄水装置50に流入した後、水が7L/分の速度で流動し、従来の発電装置を介して1Aの電流および6.8Vの電圧が浄水装置50に印加される。したがって、浄水装置50の水溶液は、電力を受け取った後に電解反応する。次亜塩素酸塩の除去率は、180秒後で38.73%である。
【0051】
実験例3
【0052】
図6は、本発明の別のいくつかの実施形態に係る浄水装置の概略的断面図である。
【0053】
本実験例において、図6の実施形態を例に挙げると、浄水装置60は、2つの電解還元モジュール60aおよび60bを含む。浄水装置60に含まれる電解還元モジュールは、浄水装置30に含まれる電解還元モジュールと類似するが、わずかに異なる。これらの相違点について、浄水装置60の電解還元モジュール60bを参照しながら説明する。本実験例において、電解還元モジュール60bの陰極104および陰極106は、それぞれ電解還元モジュール60bの最も外側に設置された構成要素である。バッフル108は、陽極102と陰極104の間に挟まれ、バッフル110は、陽極102と陰極106の間に挟まれる。別の側面から見ると、浄水装置60は、2つの陽極102、3つの陰極104および106、ならびに4つのバッフル108および110を含む。本実験例において、浄水装置60は、陽極102の厚さが0.5μmであり、各陰極104および106の厚さが3.5mmであり、各バッフル108および110の厚さが2mmであり、浄水装置60の長さ、幅、および高さがそれぞれ25cm、9.5cm、および4.5cmである。
【0054】
1.75mg/Lの次亜塩素酸塩を含有する水が吸水口から浄水装置60に流入した後、水が7L/分の速度で流動し、従来の発電装置を介して1Aの電流および6.8Vの電圧が浄水装置60に印加される。したがって、浄水装置60の水溶液は、電力を受け取った後に電解反応する。次亜塩素酸塩の除去率は、180秒後で33.62%である。
【0055】
実験例2および実験例3からわかるように、浄水装置60と比較して、浄水装置50は、還元効果(次亜塩素酸塩を塩素イオンに還元する効果)が比較的高い。つまり、浄水装置50のようにバッフル108および110を電解還元モジュール10aおよび10bの外側に配置した時、次亜塩素酸塩の除去率が比較的高い。
【0056】
以上のように、本発明の実施形態は、電解還元モジュールの第1陰極と第2陰極の比表面積が陽極の比表面積よりもはるかに大きい。したがって、水、第1陰極、および第2陰極の間の接触領域が大幅に増えるため、水から遊離残留塩素を除去する効果を高めることができる。さらに、本発明の実施形態に基づく陽極の材料は、水素発生電位が低いチタン系イリジウム酸化物を含むため、水中の遊離残留塩素が陽極で酸化して塩素を生成するのを防ぐことができる。また、本発明の実施形態が提供する電解還元モジュールは、第1バッフルおよび第2バッフルが蛇行開口を含み、それにより、水が内部を流れる時に第1陰極および第2陰極と接触する時間が増えるため、水中の遊離残留塩素を除去する効果を高めることができる。さらに、本発明の実施形態の浄水装置は、前記電解還元モジュールを含むため、遊離残留塩素を除去する高い効果を提供することができる。さらに、本発明の実施形態の第1バッフルおよび第2バッフルは、隣接する2つの電解還元モジュールによって共有することができる。そのため、浄水装置に配置する必要のある構成部品を減らすことができるため、浄水装置の構造が単純になり、浄水装置の製造コストを減らすことができる。
【0057】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、家庭用の設備に幅広く応用することができ、水中の遊離残留塩素が人体に害を与えるのを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0059】
10、10a、10b、10c、10d、60a、60b 電解還元モジュール
30、50、60 浄水装置
100 電極セット
102 陽極
104 第1陰極
106 第2陰極
107 開口
108 第1バッフル
108a 外フレーム
108b 延伸部
108b1 第1延伸部
108b2 第2延伸部
D1 第1距離
D2 第2距離
L1 第1長さ
L2 第2長さ
E1 第1端
E2 第2端
P 距離
S1 一側
S2 他側
T1 第1厚さ
T2 第2厚さ
W1 第1幅
W2 第2幅
110 第2バッフル
112 第1隔離構造
114 第2隔離構造
300 筐体
300e1 吸水口
300e2 排水口
302 第1水遮断パッド
304 第2水遮断パッド
I−I’ 線
図1
図2
図3
図4
図5
図6