特許第6490412号(P6490412)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東芝の特許一覧 ▶ 東芝デバイス&ストレージ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6490412-電子機器 図000002
  • 特許6490412-電子機器 図000003
  • 特許6490412-電子機器 図000004
  • 特許6490412-電子機器 図000005
  • 特許6490412-電子機器 図000006
  • 特許6490412-電子機器 図000007
  • 特許6490412-電子機器 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6490412
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20190318BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
   H05K1/02 E
   H05K1/02 N
   H05K1/02 B
   H05K1/18 J
【請求項の数】4
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-243190(P2014-243190)
(22)【出願日】2014年12月1日
(65)【公開番号】特開2016-105436(P2016-105436A)
(43)【公開日】2016年6月9日
【審査請求日】2017年3月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 展大
(72)【発明者】
【氏名】梶 桂子
(72)【発明者】
【氏名】徳田 孝太
(72)【発明者】
【氏名】船山 貴久
【審査官】 馬場 慎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−317568(JP,A)
【文献】 特開2004−356145(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/049895(WO,A1)
【文献】 特開昭58−106887(JP,A)
【文献】 特開2010−166025(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/00 − 1/02
H05K 1/18
H05K 3/28
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部に収容され、第1の面と、前記第1の面の反対側に位置する第2の面と、絶縁層と、導電層と、第1の補強部と、を有したフレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板の前記第2の面の少なくとも一部を覆うとともに前記フレキシブルプリント配線板に取り付けられた第2の補強部と、
前記フレキシブルプリント配線板の厚さ方向において前記第2の補強部に重なる位置で前記フレキシブルプリント配線板の前記第1の面に実装され、前記導電層に電気的に接続された第1の電気部品と、
前記厚さ方向において前記第2の補強部に重なるとともに前記第1の電気部品から第1の方向に離間した位置で前記フレキシブルプリント配線板の前記第1の面に実装され、前記導電層に電気的に接続された第2の電気部品と、
を具備し、
前記導電層は、少なくとも前記第1の電気部品と前記第2の電気部品との間で前記第1の方向に沿って延びる配線を有し、
前記第1の補強部は、前記第2の補強部から前記厚さ方向に離間するとともに、前記第2の補強部よりも前記第1の電気部品及び前記第2の電気部品の近くに配置され、前記第1の電気部品と前記第2の電気部品との間に亘って設けられるとともに、前記配線を厚さ方向に覆い、
前記第1の補強部は、導体を有し、前記第1の面と前記第2の面との間に位置し、
前記第1の電気部品は、電子部品と、前記電子部品と前記フレキシブルプリント配線板とを部分的に覆い、前記電子部品を囲む覆部と、を有し、
前記第1の補強部は、前記厚さ方向において前記覆部の少なくとも一部に重ねられ、
前記第2の補強部の熱膨張率は、前記フレキシブルプリント配線板の熱膨張率よりも高い、
電子機器。
【請求項2】
前記第1の面を平面視した場合に、前記第1の方向と直交する方向において、前記第1の補強部の長さが、前記第1の電気部品の前記覆部の長さよりも長い、請求項1の電子機器。
【請求項3】
前記導体がグラウンド層を有した、請求項1又は請求項2の電子機器。
【請求項4】
前記フレキシブルプリント配線板を前記第2の補強部に固定する第1の固定部材と、
前記第1の固定部材から前記第1の方向に離間するとともに、前記フレキシブルプリント配線板を前記第2の補強部に固定する第2の固定部材と、
をさらに具備し、
前記第1の電気部品と、前記第2の電気部品とは、前記第1の固定部材と前記第2の固定部材との間に位置する、
請求項1乃至請求項3のいずれか一つの電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の電子機器や部品は、プリント配線板やフレキシブルプリント配線板のような基板を有する。基板は、例えば、種々の電子部品を実装され、筐体や他の部材に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−54329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板に設けられた配線に応力集中が生じる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの実施の形態に係る電子機器は、筐体と、前記筐体の内部に収容され、第1の面と、前記第1の面の反対側に位置する第2の面と、絶縁層と、導電層と、第1の補強部と、を有したフレキシブルプリント配線板と、前記フレキシブルプリント配線板の前記第2の面の少なくとも一部を覆うとともに前記フレキシブルプリント配線板に取り付けられた第2の補強部と、前記フレキシブルプリント配線板の厚さ方向において前記第2の補強部に重なる位置で前記フレキシブルプリント配線板の前記第1の面に実装され、前記導電層に電気的に接続された第1の電気部品と、前記厚さ方向において前記第2の補強部に重なるとともに前記第1の電気部品から第1の方向に離間した位置で前記フレキシブルプリント配線板の前記第1の面に実装され、前記導電層に電気的に接続された第2の電気部品と、を備える。前記導電層は、少なくとも前記第1の電気部品と前記第2の電気部品との間で前記第1の方向に沿って延びる配線を有する。前記第1の補強部は、前記第2の補強部から前記厚さ方向に離間するとともに、前記第2の補強部よりも前記第1の電気部品及び前記第2の電気部品の近くに配置され、前記第1の電気部品と前記第2の電気部品との間に亘って設けられるとともに、前記配線を厚さ方向に覆う。前記第1の補強部は、導体を有し、前記第1の面と前記第2の面との間に位置する。前記第1の電気部品は、電子部品と、前記電子部品と前記フレキシブルプリント配線板とを部分的に覆い、前記電子部品を囲む覆部と、を有する。前記第1の補強部は、前記厚さ方向において前記覆部の少なくとも一部に重ねられる。前記第2の補強部の熱膨張率は、前記フレキシブルプリント配線板の熱膨張率よりも高い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1の実施の形態に係る電子機器を示す斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態のHDDを概略的に示す平面図である。
図3図3は、第1の実施形態のFPCアセンブリの一部を示す平面図である。
図4図4は、第1の実施形態のFPCアセンブリを図3のF4−F4線に沿って示す断面図である。
図5図5は、第2の実施の形態に係るFPCアセンブリの一部を示す平面図である。
図6図6は、第2の実施形態のFPCアセンブリを図5のF6−F6線に沿って示す断面図である。
図7図7は、第3の実施の形態に係るFPCアセンブリの一部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、第1の実施の形態について、図1乃至図4を参照して説明する。なお、実施形態に係る構成要素や、当該要素の説明について、複数の表現を併記することがある。当該構成要素及び説明について、記載されていない他の表現がされることは妨げられない。さらに、複数の表現が記載されない構成要素及び説明について、他の表現がされることは妨げられない。
【0008】
図1は、第1の実施の形態に係る電子機器1を示す斜視図である。電子機器1は、例えばポータブルコンピュータである。電子機器1はこれに限らず、タブレット、スマートフォン、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、テレビジョン受像機、及びディスプレイのような他の電子機器であっても良い。図1に示すように、電子機器1は、筐体10と、ハードディスクドライブ(HDD)11を有する。HDD11は、例えば、装置、部品、及び部分とも称され得る。HDD11は、筐体10に収容されており、図1において破線で示される。
【0009】
図2は、第1の実施形態のHDD11を概略的に示す平面図である。図2に示すように、HDD11は、フレキシブルプリント回路板アセンブリ(以下、FPCアセンブリと称する)15と、ディスク16と、ヘッド17と、プリント回路板(PCB)のような種々の部品とを有する。
【0010】
FPCアセンブリ15は、例えば、ヘッド17のキャリッジに取り付けられ、ヘッド17と、例えばPCBとを接続する。ヘッド17は、ディスク16に対し記録の読み出し及び書き込みを行うために揺動可能である。FPCアセンブリ15は、当該ヘッド17の揺動に応じて湾曲可能である。
【0011】
図3は、第1の実施形態のFPCアセンブリ15の一部を示す平面図である。図4は、第1の実施形態のFPCアセンブリ15を図3のF4−F4線に沿って示す断面図である。図3及び図4は、例えば、FPCアセンブリ15の、ヘッド17に取り付けられた部分を示す。
【0012】
それぞれの図面に示されるように、本明細書において、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、FPCアセンブリ15の幅に沿う。Y軸は、FPCアセンブリ15の長さに沿う。Z軸は、FPCアセンブリ15の厚さに沿う。
【0013】
図4に示すように、FPCアセンブリ15は、フレキシブルプリント配線板(FPC)22と、第1のIC23と、第1のアンダーフィル24と、第2のIC25と、第2のアンダーフィル26と、支持板27と、第1のネジ28と、第2のネジ29とを有する。
【0014】
本実施形態において、FPC22は、フレキシブルプリント配線板及び基板の一例であり、例えば、基部及び部品とも称され得る。第1のIC23及び第1のアンダーフィル24は、第1の電気部品及び第1の部品の一例である。第1のIC23は、電子部品の一例である。第1のアンダーフィル24は、覆部の一例である。第2のIC25及び第2のアンダーフィル26は、第2の電気部品及び第2の部品の一例である。なお、これらの構成要素の対応はあくまで一例であり、例えば、二つの部品の関係によって、第1のIC23及び第1のアンダーフィル24、第2のIC25及び第2のアンダーフィル26、第1のネジ28、及び第2のネジ29が、それぞれ第1の部品又は第2の部品の一例となり得る。支持板27は、第2の補強部の一例であり、例えば、支持部、取付部、部材、及び部分とも称され得る。
【0015】
FPC22は、可撓性を有した基板である。なお、基板はFPC22に限らず、剛性を有したプリント配線板のような他の基板であっても良い。FPC22は、第1の表面22aと、第2の表面22bとを有する。第1の表面22aは、第1の面の一例である。第2の表面22bは、第2の面の一例である。第2の表面22bは、第1の表面22aの反対側に位置する。第1及び第2の表面22a,22bは、それぞれ略平坦に形成されるが、FPC22が曲げられることで共に曲がる。
【0016】
FPC22は、基材31と、第1の導電層32と、第1のカバー層33と、第2の導電層34と、第2のカバー層35とをさらに有する。基材31は、絶縁層の一例であり、例えば、基部、基体、層、部材、及び部分とも称され得る。第1の導電層32は、導電層の一例である。第1及び第2の導電層32,34は、例えば、導電部、金属部、及び部分とも称され得る。第1及び第2のカバー層33,35は、例えば、絶縁部、保護部、及び部分とも称され得る。
【0017】
基材31は、例えばポリエステルやポリイミドのような絶縁性を有した材料によって作られ、可撓性を有したフィルム状の部材である。なお、基材31はこれに限らない。基材31は、第1の面31aと、第2の面31bとを有する。第2の面31bは、第1の面31aの反対側に位置する。
【0018】
第1の導電層32は、銅のような導体によって作られ、基材31の第1の面31aに設けられる。第1の導電層32は、複数の配線32aと、複数のパッド32bとを有する。配線32aは、例えば、パターン、信号線、延部、及び部分とも称され得る。パッド32bは、例えば、ランド、電極、端部、取付部、接続部、及び部分とも称され得る。
【0019】
配線32aは、FPC22に設けられた回路の一部を形成する。配線32aは、例えば、X軸に沿う方向に延びた部分と、Y軸に沿う方向に延びた部分とを有する。X軸に沿う方向は、第1の方向の一例である。なお、配線32aは、他の方向に延びた部分を有しても良い。パッド32bは、配線32aの端部に設けられる。
【0020】
第1のカバー層33は、例えば、合成樹脂によって作られ、絶縁性を有する。第1のカバー層33は、第1の導電層32に重ねられる。このため、基材31と第1のカバー層33との間に、第1の導電層32が位置する。第1のカバー層33が、FPC22の第1の表面22aを形成する。なお、FPC22の第1の表面22aは、他の部材によって形成されても良い。
【0021】
第1のカバー層33は、配線32aを覆って保護する。さらに、第1のカバー層33は、複数の開口部33aを有する。第1のカバー層33は、開口部33aによって、対応するパッド32bを露出させる。
【0022】
第2の導電層34は、銅のような導体によって作られ、基材31の第2の面31bに設けられる。第2の導電層34は、複数のグラウンド層34aを有する。グラウンド層34aは、亘部、第1の補強部、及び導体の一例であり、例えば、ベタグラウンド、パターン、箔、膜、及び部分とも称され得る。
【0023】
グラウンド層34aは、電位をグラウンド電位にするための導体層であり、例えば、配線32aが形成した回路に電気的に接続される。グラウンド層34aは、例えば銅によって作られるため、基材31や第1及び第2のカバー層33,35よりも剛性が高い。
【0024】
第2のカバー層35は、例えば、合成樹脂によって作られ、絶縁性を有する。第2のカバー層35は、第2の導電層34に重ねられる。このため、基材31と第2のカバー層35との間に、第2の導電層34が位置する。第2のカバー層35が、FPC22の第2の表面22bを形成する。なお、FPC22の第2の表面22bは、他の部材によって形成されても良い。第2のカバー層35は、グラウンド層34aを覆って保護する。
【0025】
第1及び第2のIC23,25は、例えば、増幅回路(アンプ)を有した半導体パッケージである。なお、第1及び第2のIC23,25はこれに限らず、他の部品であっても良い。
【0026】
第1及び第2のIC23,25は、複数の端子23a,25aをそれぞれ有する。複数の端子23a,25aは、開口部33aによって露出された対応したパッド32bに、例えば半田付けによって電気的に接続される。これにより、第1及び第2のIC23,25は、FPC22の第1の表面22aに取り付けられ、FPC22に実装される。
【0027】
第1及び第2のIC23,25は、略直方体状に形成され、四つの側縁23b,25bをそれぞれ有する。図3に示すように、側縁23b,25bは、それぞれ、X軸に沿う方向又はY軸に沿う方向に向く。なお、第1及び第2のIC23,25の形状及び向きはこれに限らない。
【0028】
第1のIC23は、第2のIC25から、X軸に沿う方向に離間した位置に配置される。第1のIC23の一つの側縁23bは、第2のIC25の一つの側縁25bと向かい合う。なお、第1及び第2のIC23,25の配置はこれに限らない。
【0029】
第1のアンダーフィル24は、例えば合成樹脂によって作られ、第1のIC23と、FPC22の第1の表面22aとに付着させられる。言い換えると、第1のアンダーフィル24は、第1のIC23とFPC22とを部分的に覆う。これにより、第1のアンダーフィル24は、第1のIC23を、FPC22に保持する。
【0030】
図4に示すように、第1のアンダーフィル24は、第1のIC23とFPC22との間に介在するとともに、第1のIC23の側縁23bに付着してフィレットを形成する。図3のようにFPC22の第1の表面22aを平面視した場合において、第1のアンダーフィル24は、第1のIC23を囲む。
【0031】
第2のアンダーフィル26は、例えば合成樹脂によって作られ、第2のIC25と、FPC22の第1の表面22aとに付着させられる。言い換えると、第2のアンダーフィル26は、第2のIC25とFPC22とを部分的に覆う。これにより、第2のアンダーフィル26は、第2のIC25を、FPC22に保持する。
【0032】
図4に示すように、第2のアンダーフィル26は、第2のIC25とFPC22との間に介在するとともに、第2のIC25の側縁25bに付着してフィレットを形成する。図3のようにFPC22の第1の表面22aを平面視した場合において、第2のアンダーフィル26は、第2のIC25を囲む。
【0033】
第1及び第2のアンダーフィル24,26は、それぞれ外縁24a,26aを有する。外縁24a,26aは、図3のようにFPC22の第1の表面22aを平面視した場合における、第1及び第2のアンダーフィル24,26の外側の端部である。言い換えると、外縁24a,26aは、第1及び第2のアンダーフィル24,26が存在した部分と、FPC22の第1の表面22aが露出した部分との境界である。第1のアンダーフィル24の外縁24aは、第2のアンダーフィル26の外縁26aから離間している。
【0034】
図4に示すように、支持板27は、FPC22の第2の表面22bに取り付けられる。これにより、支持板27は、第2の表面22bの少なくとも一部を覆う。支持板27は、例えば、アルミニウム合金によって作られる。このため、支持板27は、FPC22よりも剛性及び熱伝導率が高い。このため、支持板27は、例えばFPCアセンブリ15の剛性の向上及び放熱に用いられる。さらに、支持板27は、FPC22よりも熱膨張率が高い。なお、支持板27はこれに限らず、例えば、合成樹脂のような他の材料で作られても良い。
【0035】
支持板27は、Z軸に沿う方向において、第1及び第2のIC23,25と第1及び第2のアンダーフィル24,26とに重ねられる。Z軸に沿う方向は、フレキシブルプリント配線板の厚さ方向、の一例である。
【0036】
支持板27は、第2の導電層34のグラウンド層34aの少なくとも一部に、Z軸に沿う方向に重ねられる。支持板27は、グラウンド層34aから、Z軸に沿う方向に離間する。支持板27は、第2の導電層24よりも、第1及び第2のIC23,25と第1及び第2のアンダーフィル24,26とから遠くに配置される。
【0037】
第1及び第2のネジ28,29は、FPC22を支持板27にそれぞれ固定する。第1及び第2のネジ28,29は、ネジ頭28a,29aをそれぞれ有する。ネジ頭28a,29aは、FPC22の第1の表面22aに接触し、FPC22を支持板27に保持する。このため、第1及び第2のネジ28,29は、FPC22に取り付けられる。
【0038】
図3に示すように、第1のネジ28は、第2のネジ29からX軸に沿う方向に離間して配置される。第1のネジ28と第2のネジ29との間に、第1及び第2のIC23,25が位置する。このため、第1及び第2のIC23,25と、第1及び第2のネジ28,29とは、X軸に沿う方向に並べられる。
【0039】
第1のネジ28と第2のIC25との間に、第1のIC23が位置する。第2のネジ29と第1のIC23との間に、第2のIC25が位置する。第1のアンダーフィル24の外縁24aは、第1のネジ28から離間している。第2のアンダーフィル26の外縁26aは、第2のネジ29から離間している。
【0040】
上記のようなFPCアセンブリ15において、第1の導電層32の配線32aの少なくとも一部は、図4に示すようにX軸に沿う方向に延びる。言い換えると、配線32aの少なくとも一部は、第1のIC23から第2のIC25に向かう方向に延びる。なお、X軸に沿う方向は、第1のネジ28から第1のIC23に向かう方向でもあり、第2のネジ29から第2のIC25に向かう方向でもある。
【0041】
図3に破線で示すように、本実施形態の第2の導電層34は、三つのグラウンド層34aを有する。以下、各グラウンド層34aを、グラウンド層34aA,34aB,34aCと個別に称することがある。
【0042】
図3のようにFPC22の第1の表面22aを平面視した場合において、一つのグラウンド層34aAは、FPC22の、第1のアンダーフィル24から第2のアンダーフィル26に亘る領域A1に、少なくとも設けられる。言い換えると、グラウンド層34aAは、FPC22の、第1のIC23及び第1のアンダーフィル24が取り付けられた部分から、第2のIC25及び第2のアンダーフィル26が取り付けられた部分に亘る領域A1に、少なくとも設けられる。すなわち、グラウンド層34aAは、領域A1を含む、より広い領域に設けられる。図3は、領域A1を二点鎖線で示す。
【0043】
領域A1は、対向する第1及び第2のアンダーフィル24,26の外縁24a,26aの間に位置したFPC22の一部である。図3は、説明のため、外縁24a,26aと領域A1の二点鎖線とをずらして示す。
【0044】
本実施形態におけるグラウンド層34aAは、例えば、FPC22の、第1のIC23から第2のIC25に亘る領域を含んだ領域に設けられる。このため、グラウンド層34aAは、第1のアンダーフィル24の一部に重ねられるとともに、第2のアンダーフィル26の一部に重ねられる。言い換えると、X軸に沿う方向において、グラウンド層34aAは、第1及び第2のアンダーフィル24,26の外縁24a,26aが設けられた位置を跨って設けられる。
【0045】
グラウンド層34aAの幅W1は、第1のアンダーフィル24の幅W2よりも長い。幅W1,W2は、第1の表面22aを平面視した場合に、第1のIC23から第2のIC25に向かう方向(X軸に沿う方向)と直交する方向(Y軸に沿う方向)における、グラウンド層34aA及び第1のアンダーフィル24のそれぞれの長さである。
【0046】
以上のように、グラウンド層34aAは、FPC22の、第1のIC23及び第1のアンダーフィル24が取り付けられた部分と、第2のIC25及び第2のアンダーフィル26が取り付けられた部分と、第1及び第2のアンダーフィル24,26の間に位置する部分と、に亘って設けられる。
【0047】
FPC22の、第1のアンダーフィル24から第2のアンダーフィル26に亘る領域A1において、配線32aの少なくとも一部は、X軸に沿う方向に沿って延びる。領域A1に設けられた配線32aは、Z軸に沿う方向において、支持板27に重ねられる。グラウンド層34aAは、当該領域A1に設けられた配線32aを、Z軸に沿う方向に覆う。なお、領域A1の配線32aはこれに限らない。
【0048】
一つのグラウンド層34aBは、FPC22の第1の表面22aを平面視した場合において、FPC22の、第1のアンダーフィル24から第1のネジ28に亘る領域A2に、少なくとも設けられる。言い換えると、グラウンド層34aBは、FPC22の、第1のIC23及び第1のアンダーフィル24が取り付けられた部分から、第1のネジ28が取り付けられた部分に亘る領域A2に、少なくとも設けられる。すなわち、グラウンド層34aBは、領域A2を含む、より広い領域に設けられる。図3は、領域A2を二点鎖線で示す。
【0049】
領域A2は、第1のアンダーフィル24の外縁24aと、第1のネジ28との間に位置するFPC22の略三角形の部分である。図3は、説明のため、外縁24aと領域A2の二点鎖線とをずらして示す。
【0050】
本実施形態におけるグラウンド層34aBは、例えば、FPC22の、第1のIC23から第1のネジ28に亘る領域を含んだ略四角形の領域に設けられる。このため、グラウンド層34aBは、第1のアンダーフィル24の一部に重ねられる。言い換えると、X軸に沿う方向において、グラウンド層34aBは、第1のアンダーフィル24の外縁24aが設けられた位置を跨って設けられる。
【0051】
グラウンド層34aBの幅は、グラウンド層34aAの幅W1に等しい。このため、グラウンド層34aBの幅は、第1のアンダーフィル24の幅W2よりも長い。なお、グラウンド層34aBの幅はこれに限らない。
【0052】
以上のように、グラウンド層34aBは、FPC22の、第1のIC23及び第1のアンダーフィル24が取り付けられた部分と、第1のネジ28が取り付けられた部分と、第1のアンダーフィル24及び第1のネジ28の間に位置する部分と、に亘って設けられる。
【0053】
FPC22の、第1のアンダーフィル24から第1のネジ28に亘る領域A2において、配線32aの少なくとも一部は、X軸に沿う方向に沿って延びる。領域A2に設けられた配線32aは、Z軸に沿う方向において、支持板27に重ねられる。グラウンド層34aBは、当該領域A2に設けられた配線32aを、Z軸に沿う方向に覆う。なお、領域A2の配線32aはこれに限らない。
【0054】
一つのグラウンド層34aCは、FPC22の第1の表面22aを平面視した場合において、FPC22の、第2のアンダーフィル26から第2のネジ29に亘る領域A3に、少なくとも設けられる。言い換えると、グラウンド層34aCは、FPC22の、第2のIC25及び第2のアンダーフィル26が取り付けられた部分から、第2のネジ29が取り付けられた部分に亘る領域A3に、少なくとも設けられる。すなわち、グラウンド層34aCは、領域A3を含む、より広い領域に設けられる。図3は、領域A3を二点鎖線で示す。
【0055】
領域A3は、第2のアンダーフィル26の外縁26aと、第2のネジ29との間に位置するFPC22の略三角形の部分である。図3は、説明のため、外縁26aと領域A3の二点鎖線とをずらして示す。
【0056】
本実施形態におけるグラウンド層34aCは、例えば、FPC22の、第2のIC25から第2のネジ29に亘る領域を含んだ略四角形の領域に設けられる。このため、グラウンド層34aCは、第2のアンダーフィル26の一部に重ねられる。言い換えると、X軸に沿う方向において、グラウンド層34aCは、第2のアンダーフィル26の外縁26aが設けられた位置を跨って設けられる。
【0057】
グラウンド層34aCの幅は、グラウンド層34aAの幅W1に等しい。さらに、第2のアンダーフィル26の幅は、第1のアンダーフィル24の幅W2に等しい。このため、グラウンド層34aCの幅は、第2のアンダーフィル26の幅よりも長い。なお、グラウンド層34aCの幅はこれに限らない。
【0058】
以上のように、グラウンド層34aCは、FPC22の、第2のIC25及び第2のアンダーフィル26が取り付けられた部分と、第2のネジ29が取り付けられた部分と、第2のアンダーフィル26及び第2のネジ29の間に位置する部分と、に亘って設けられる。
【0059】
FPC22の、第2のアンダーフィル26から第2のネジ29に亘る領域A3において、配線32aの少なくとも一部は、X軸に沿う方向に沿って延びる。領域A3に設けられた配線32aは、Z軸に沿う方向において、支持板27に重ねられる。グラウンド層34aCは、当該領域A3に設けられた配線32aを、Z軸に沿う方向に覆う。なお、領域A3の配線32aはこれに限らない。
【0060】
電子機器1のHDD11において、例えば、ヘッド17がディスク16に対し記録の読み出し及び書き込みを行うと、第1及び第2のIC23,25が発熱する。支持板27の熱膨張率がFPC22の熱膨張率よりも高いため、支持板27は、FPC22よりも大きく熱膨張する。このため、第1のネジ28と第2のネジ29との間で、FPC22が引っ張られることがある。
【0061】
FPC22の、第1のIC23及び第1のアンダーフィル24が取り付けられた部分と、第2のIC25及び第2のアンダーフィル26が取り付けられた部分と、第1のネジ28が取り付けられた部分と、第2のネジ29が取り付けられた部分と、第1の面22aが露出した部分との間で、剛性やヤング率のような特性が異なる。このため、例えば上記の引っ張りによる外力がFPC22に作用すると、図3のようにFPC22の第1の表面22aを平面視した場合における各部分の境界において、FPC22に応力集中が発生する可能性がある。
【0062】
例えば、FPC22の、第1のアンダーフィル24の外縁24aが設けられた部分や、第2のアンダーフィル26の外縁26aが設けられた部分において、FPC22に応力集中が発生する可能性がある。この場合、FPC22の当該部分に設けられた配線32aにも応力集中が発生し得る。
【0063】
第2の導電層34のグラウンド層34aAは、図3のようにFPC22の第1の表面22aを平面視した場合において、第1のアンダーフィル24の外縁24aから第2のアンダーフィル26の外縁26aに亘る領域A1に、少なくとも設けられる。言い換えると、外縁24a,26aが設けられた部分と、外縁24a,26aの間の部分とを、グラウンド層34aAが補強する。このため、外縁24a,26aが設けられた部分において配線32aに生じる応力が軽減され、配線32aに応力集中が生じることによる当該配線32aの損傷が抑制される。この場合、第1のIC23及び第1のアンダーフィル24が第1の部品の一例であり、第2のIC25及び第2のアンダーフィル26が第2の部品の一例である。
【0064】
さらに、グラウンド層34aBは、図3のようにFPC22の第1の表面22aを平面視した場合において、第1のアンダーフィル24の外縁24aから第1のネジ28に亘る領域A2に、少なくとも設けられる。言い換えると、外縁24aが設けられた部分と、外縁24a及び第1のネジ28の間の部分とを、グラウンド層34aBが補強する。このため、外縁24aが設けられた部分において配線32aに生じる応力が軽減され、配線32aに応力集中が生じることによる配線32aの損傷が抑制される。この場合、第1のIC23及び第1のアンダーフィル24が第1の部品の一例であり、第1のネジ28が第2の部品の一例である。
【0065】
さらに、グラウンド層34aCは、図3のようにFPC22の第1の表面22aを平面視した場合において、第2のアンダーフィル26の外縁26aから第2のネジ29に亘る領域A3に、少なくとも設けられる。言い換えると、外縁26aが設けられた部分と、外縁26a及び第2のネジ29の間の部分とを、グラウンド層34aCが補強する。このため、外縁26aが設けられた部分において配線32aに生じる応力が軽減され、配線32aに応力集中が生じることによる配線32aの損傷が抑制される。この場合、第2のIC25及び第2のアンダーフィル26が第1の部品の一例であり、第2のネジ29が第2の部品の一例である。
【0066】
以上のように、グラウンド層34aが、FPC22の、第1のIC23及び第1のアンダーフィル24が取り付けられた部分と、第2のIC25及び第2のアンダーフィル26が取り付けられた部分と、第1のネジ28が取り付けられた部分と、第2のネジ29が取り付けられた部分と、の境界及び間の部分を補強する。これにより、配線32aに生じる応力が軽減され、配線32aが損傷することが抑制される。
【0067】
なお、FPC22に作用する外力は、支持板27が熱膨張した場合の引っ張りによる外力に限らない。例えば、ヘッド17が揺動した場合に、FPC22に外力が作用することがある。上記のグラウンド層34aが設けられることで、当該外力がFPC22に作用した場合であっても、配線32aに生じる応力が軽減され、配線32aが損傷することが抑制される。
【0068】
第1の実施の形態に係る電子機器1において、グラウンド層34aが、FPC22の第1の表面22aを平面視した場合における第1のIC23及び第1のアンダーフィル24から第2のIC25及び第2のアンダーフィル26に亘る領域A1に、少なくとも設けられる。これにより、配線32aに生じる応力が軽減され、配線32aに応力集中が生じることによる配線32aの損傷が抑制される。例えば、FPC22の、第1のIC23及び第1のアンダーフィル24と、第2のIC25及び第2のアンダーフィル26とがそれぞれ取り付けられた部分の剛性は、他の部分の剛性と異なる。このような特性の相違によって、例えばFPC22の、第1のIC23及び第1のアンダーフィル24又は第2のIC25及び第2のアンダーフィル26が取り付けられた部分と、他の部分との境界部分において、配線32aに応力集中が生じる可能性がある。しかし、グラウンド層34aが、FPC22の第1のIC23及び第1のアンダーフィル24から第2のIC25及び第2のアンダーフィル26に亘る領域A1に少なくとも設けられることで、上記特性の相違が緩和され、配線32aに生じる応力が軽減される。したがって、配線32aに応力集中が生じることによる配線32aの損傷が抑制される。
【0069】
導体であるグラウンド層34aが、上記のようにFPC22を補強する。これにより、FPC22を補強する他の部材を設けたり、FPC22の材料をより硬く設定したりすることによる電子機器1の製造コストの増大が抑制される。なお、FPC22を補強する導体は、グラウンド層34aに限らず、例えば、信号線、電源層、及び電磁シールドであっても良い。
【0070】
FPC22の、第1のアンダーフィル24の外縁24aが位置する部分は、第1のIC23及び第1のアンダーフィル24が取り付けられた部分と他の部分との境界部分であるため、配線32aに応力集中が生じる可能性がある。グラウンド層34aが第1のアンダーフィル24の少なくとも一部に重ねられることにより、グラウンド層34aが、FPC22の、第1のIC23及び第1のアンダーフィル24が取り付けられた部分と他の部分とに亘って設けられる。これにより、第1のIC23及び第1のアンダーフィル24が取り付けられた部分と他の部分との間の剛性等の特性の相違がより緩和され、FPC22の、第1のアンダーフィル24の外縁24aが位置する部分を通る配線32aに生じる応力が軽減される。したがって、配線32aに応力集中が発生することによる当該配線32aの損傷がさらに抑制される。
【0071】
第1のアンダーフィル24と第2のアンダーフィル26との間の領域A1は、配線32aに応力集中が生じやすい。しかし、グラウンド層34aの幅W1が第1のアンダーフィル24の幅W2よりも広い。すなわち、グラウンド層34aは、当該領域A1を含んだ、より広い領域に設けられ得る。これにより、配線32aに生じる応力が軽減され、配線32aに応力集中が発生することによる当該配線32aの損傷がさらに抑制される。
【0072】
グラウンド層34aが、FPC22を補強する。これにより、FPC22を補強するための他の部材を用意する必要が無く、FPC22を補強する部材を設けることによる電子機器1の製造コストの増大が抑制される。さらに、グラウンド層34aは、例えば配線32aよりも大きく設定されやすいため、FPC22を補強する部分として容易に設定され得る。
【0073】
以下に、第2の実施の形態について、図5及び図6を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
【0074】
図5は、第2の実施の形態に係るFPCアセンブリ15の一部を示す平面図である。図6は、第2の実施形態のFPCアセンブリ15を図5のF6−F6線に沿って示す断面図である。
【0075】
図5に示すように、第2の実施形態のFPCアセンブリ15は、第1及び第2のアンダーフィル24,26の代わりに、アンダーフィル41を有する。第2の実施形態において、アンダーフィル41は、亘部及び第3の補強部の一例であり、例えば、覆部、保持部、固定部、付着部、及び部分とも称され得る。さらに、第1のIC23は第1の部品の一例であり、第2のIC25は第2の部品の一例である。なお、第1の実施形態と同じく、例えば、二つの部品の関係によって、第1のIC23、第2のIC25、第1のネジ28、及び第2のネジ29が、それぞれ第1の部品又は第2の部品の一例となり得る。
【0076】
図6に示すように、アンダーフィル41は、例えば合成樹脂によって作られ、第1のIC23と、第2のIC25と、FPC22の第1の表面22aとに付着させられる。言い換えると、アンダーフィル41は、第1のIC23と、第2のIC25と、FPC22とを部分的に覆う。これにより、アンダーフィル41は、第1及び第2のIC23,25を、FPC22に保持する。
【0077】
アンダーフィル41は、第1のIC23とFPC22との間に介在するとともに、第2のIC25とFPC22との間に介在する。図5のようにFPC22の第1の表面22aを平面視した場合において、アンダーフィル41は、第1のIC23と、第2のIC25とをそれぞれ囲む。
【0078】
図5のようにFPC22の第1の表面22aを平面視した場合において、アンダーフィル41は、FPC22の、第1のIC23から第2のIC25に亘る領域A4に、少なくとも設けられる。言い換えると、アンダーフィル41は、領域A4を含む、より広い領域に設けられる。図5は、領域A4を二点鎖線で示す。
【0079】
領域A4は、対向する第1及び第2のIC23,25の側縁23b,25bの間に位置したFPC22の一部である。図5は、説明のため、側縁23b,25bと領域A4の二点鎖線とをずらして示す。
【0080】
アンダーフィル41は、FPC22と、第1及び第2のIC23,25との間にそれぞれ介在する。このため、アンダーフィル41は、第1及び第2のIC23,25の一部にそれぞれ重ねられる。言い換えると、X軸に沿う方向において、アンダーフィル41は、第1及び第2のIC23,25の側縁23b,25bが設けられた位置を跨って設けられる。
【0081】
本実施形態において、アンダーフィル41の第1のIC23と第2のIC25との間の部分の幅W3は、第1のIC23の幅W4よりも長い。幅W3,W4は、第1の表面22aを平面視した場合に、第1のIC23から第2のIC25に向かう方向(X軸に沿う方向)と直交する方向(Y軸に沿う方向)における、アンダーフィル41及び第1のIC23のそれぞれの部分の長さである。
【0082】
さらに、アンダーフィル41の第1のIC23と第2のIC25との間の部分の幅W3は、アンダーフィル41の第1のIC23を囲む部分の幅W5と、大よそ等しい。なお、アンダーフィル41の幅W3,W5はこれに限らない。
【0083】
以上のように、アンダーフィル41は、FPC22の、第1のIC23が取り付けられた部分と、第2のIC25が取り付けられた部分と、第1及び第2のIC23,25の間に位置する部分と、に亘って設けられる。
【0084】
さらに、アンダーフィル41は、FPC22の第1の表面22aを平面視した場合において、FPC22の、第1のIC23から第1のネジ28に亘る領域A5に、少なくとも設けられる。言い換えると、アンダーフィル41は、領域A5を含む、より広い領域に設けられる。図5は、領域A5を二点鎖線で示す。
【0085】
領域A5は、第1のIC23の側縁23bと、第1のネジ28との間に位置するFPC22の略三角形の部分である。図5は、説明のため、側縁23bと領域A5の二点鎖線とをずらして示す。
【0086】
本実施形態において、アンダーフィル41の第1のIC23と第1のネジ28との間の部分の幅W6は、アンダーフィル41の第1及び第2のIC23,25の間の部分の幅W3に等しい。このため、アンダーフィル41の第1のIC23と第1のネジ28との間の部分の幅W6は、第1のIC23の幅W4よりも長い。
【0087】
以上のように、アンダーフィル41は、FPC22の、第1のIC23が取り付けられた部分と、第1のネジ28が取り付けられた部分と、第1のIC23及び第1のネジ28の間に位置する部分と、に亘って設けられる。
【0088】
さらに、アンダーフィル41は、FPC22の第1の表面22aを平面視した場合において、FPC22の、第2のIC25から第2のネジ29に亘る領域A6に、少なくとも設けられる。言い換えると、アンダーフィル41は、領域A6を含む、より広い領域に設けられる。図5は、領域A6を二点鎖線で示す。
【0089】
領域A6は、第2のIC25の側縁25bと、第2のネジ29との間に位置するFPC22の略三角形の部分である。図5は、説明のため、側縁25bと領域A6の二点鎖線とをずらして示す。
【0090】
本実施形態において、アンダーフィル41の第2のIC25と第2のネジ29との間の部分の幅は、アンダーフィル41の第1及び第2のIC23,25の間の部分の幅W3に等しい。さらに、第2のIC25の幅は、第1のIC23の幅W4に等しい。このため、アンダーフィル41の第2のIC25と第2のネジ29との間の部分の幅は、第2のIC25の幅よりも長い。
【0091】
以上のように、アンダーフィル41は、FPC22の、第2のIC25が取り付けられた部分と、第2のネジ29が取り付けられた部分と、第2のIC25及び第2のネジ29の間に位置する部分と、に亘って設けられる。
【0092】
アンダーフィル41は、図5のようにFPC22の第1の表面22aを平面視した場合において、第1のIC23の側縁23bから第2のIC25の側縁25bに亘る領域A4に、少なくとも設けられる。言い換えると、側縁23b,25bが設けられた部分と、側縁23b,25bの間の部分とを、アンダーフィル41が補強する。このため、例えば側縁23b,25bが設けられた部分において配線32aに生じる応力が軽減され、配線32aに応力集中が生じることによる配線32aの損傷が抑制される。この場合、第1のIC23が第1の部品の一例であり、第2のIC25が第2の部品の一例である。
【0093】
さらに、アンダーフィル41は、図5のようにFPC22の第1の表面22aを平面視した場合において、第1のIC23の側縁23bから第1のネジ28に亘る領域A5に、少なくとも設けられる。言い換えると、側縁23bが設けられた部分と、側縁23b及び第1のネジ28の間の部分とを、アンダーフィル41が補強する。このため、側縁23bが設けられた部分において配線32aに生じる応力が軽減され、配線32aに応力集中が生じることによる配線32aの損傷が抑制される。この場合、第1のIC23が第1の部品の一例であり、第1のネジ28が第2の部品の一例である。
【0094】
さらに、アンダーフィル41は、図5のようにFPC22の第1の表面22aを平面視した場合において、第2のIC25の側縁25bから第2のネジ29に亘る領域A6に、少なくとも設けられる。言い換えると、側縁25bが設けられた部分と、側縁25b及び第2のネジ29の間の部分とを、アンダーフィル41が補強する。このため、側縁25bが設けられた部分において配線32aに生じる応力が軽減され、配線32aに応力集中が生じることによる配線32aの損傷が抑制される。この場合、第2のIC25が第1の部品の一例であり、第2のネジ29が第2の部品の一例である。
【0095】
以上のように、第2の実施形態において、アンダーフィル41がFPC22を補強する。さらに、第1の実施形態と同様に、第2の導電層34のグラウンド層34aが、FPC22を補強する。
【0096】
第2の実施形態の電子機器1において、第1及び第2のIC23,25とFPC22とに付着させられるアンダーフィル41が、FPC22を補強する。これにより、第1のIC23と第2のIC25との間において、FPC22に生じる応力が、アンダーフィル41が設けられない場合よりも均一化される。したがって、配線32aに生じる応力が軽減され、配線32aに応力集中が発生することによる配線32aの損傷がさらに抑制される。FPC22を補強するための他の部材を用意する必要が無く、FPC22を補強する部材を設けることによる電子機器1の製造コストの増大が抑制される。
【0097】
第1のIC23と第2のIC25との間の領域A4は、配線32aに応力集中が生じやすい。しかし、アンダーフィル41の幅W3が、第1のIC23の幅W4よりも広いため、アンダーフィル41が、当該領域A4を含む、より広い領域に設けられ得る。これにより、配線32aに生じる応力が軽減され、配線32aに応力集中が発生することによる配線32aの損傷がさらに抑制される。
【0098】
以下に、第3の実施の形態について、図7を参照して説明する。図7は、第3の実施の形態に係るFPCアセンブリ15の一部を示す平面図である。図7に示すように、第3の実施形態の第1のIC23は、第2のIC25に対して、X軸に沿う方向及びY軸に沿う方向にずらされて配置される。言い換えると、第1及び第2のIC23,25は、XY平面において斜めに配置される。
【0099】
第1の導電層32の配線32aは、例えば、FPC22の、第1及び第2のIC23,25が取り付けられた部分から、X軸に沿う方向又はY軸に沿う方向に延びる。言い換えると、配線32aは、第1及び第2のIC23,25の側縁23b,25bが向く方向に延びる。
【0100】
別の表現をすれば、図7のようにFPC22の第1の表面22aを平面視した場合に、配線32aは、第1のIC23の重心C1から、第2のIC25の重心C2に向かう方向に対して傾斜する方向に延びる。言い換えると、配線32aは、第1の表面22aを平面視した場合における重心C1と重心C2との間で延びた線分L(図7に一点鎖線で示す)に対して交差する方向に延びる。なお、配線32aが延びた方向はこれに限らない。
【0101】
第1のIC23の重心C1は、第1の表面22aを平面視した場合における、第1のIC23の側縁23bによって形成される形状の重心である。言い換えると、第1のIC23の重心C1は、Z軸に沿う方向からの投影図として得られる第1のIC23の形状についての、当該形状の密度が一定であるとして幾何学的に求められる重心である。
【0102】
第2のIC25の重心C2は、第1の表面22aを平面視した場合における、第2のIC25の側縁23bによって形成される形状の重心である。言い換えると、第2のIC25の重心C2は、Z軸に沿う方向からの投影図として得られる第2のIC25の形状についての、当該形状の密度が一定であるとして幾何学的に求められる重心である。
【0103】
第3の実施形態において、支持板27は、開部27aを有する。開部27aは、例えば、支持板27の一つの側縁に開口する切欠きである。なお、開部27aはこれに限らず、例えば、支持板27に設けられた孔であっても良いし、支持板27に設けられた窪みであっても良い。
【0104】
図7のようにFPC22の第1の表面22aを平面視した場合に、配線32aは、開部27aと重なる位置に設けられる。言い換えると、配線32aは、支持板27の、FPC22を支持する部分から外れた位置に設けられる。このため、FPC22の配線32aが設けられた部分は、例えば僅かに撓むことができる。
【0105】
第3の実施形態の電子機器1において、配線32aは、FPC22の第1の表面22aを平面視した場合に、第1のIC23の重心C1から第2のIC25の重心C2に向かう方向に対して傾斜する方向に延びる。このため、配線32aが第1のIC23の重心C1から第2のIC25の重心C2に向かう方向に延びる場合に比べ、配線32aに生じる応力が軽減され、配線32aに応力集中が生じることで当該配線32aが損傷することが抑制される。
【0106】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、亘部が、基板の、前記第1の部品が取り付けられた部分から前記第2の部品が取り付けられた部分に亘る領域、に少なくとも設けられる。これにより、配線に生じる応力が軽減される。
【0107】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0108】
例えば、上記実施の形態において、第1のIC23と第2のIC25とは、FPC22の第1の表面22aに取り付けられる。しかし、第1の部品が取り付けられる面と、第2の部品が取り付けられる面とが異なっても良い。
【0109】
さらに、上記実施の形態において、グラウンド層34aは、基材31の第2の面31bに設けられる。しかし、第1補強部の導体が設けられる面は限定されない。例えば、第1の補強部の導体は、パッドが設けられる面に設けられても良いし、複数の層を有する基板の内部に設けられても良い。
【0110】
さらに、上記実施の形態において、第1及び第2のIC23,25がFPC22に実装された。しかし、三つ以上のICがFPC22に実装されても良い。この場合、当該複数のICに亘ってグラウンド層34aが設けられても良い。
【0111】
さらに、上記実施の形態において、FPC22は、支持板27に取り付けられた。しかし、FPC22は、例えばヘッド17のような他の部材に取り付けられても良い。加えて、FPC22のグラウンド層34aが設けられた部分は、支持板27に取り付けられた部分から外れて設けられても良い。
【0112】
実施形態の基板について付記する。実施形態の基板は、第1の部品が取り付けられるよう構成された第1の部分と、第2の部品が取り付けられるよう構成された第2の部分と、前記第1の部分から前記第2の部分に向かう方向に延びた配線と、前記基板の、前記第1の部分及び前記第2の部分の少なくとも一方が設けられた面を平面視した場合における前記第1の部分から前記第2の部分に亘る領域、に少なくとも設けられた亘部と、を備える。
以下に、出願当初の特許請求の範囲の内容を付記する。
[1]
筐体と、
前記筐体の内部に収容され、第1の面と、前記第1の面の反対側に位置する第2の面と、絶縁層と、導電層と、第1の補強部と、を有したフレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板の前記第2の面の少なくとも一部を覆う第2の補強部と、
前記フレキシブルプリント配線板の厚さ方向において前記第2の補強部に重なる位置で前記フレキシブルプリント配線板の前記第1の面に実装され、前記導電層に電気的に接続された第1の電気部品と、
前記厚さ方向において前記第2の補強部に重なるとともに前記第1の電気部品から第1の方向に離間した位置で前記フレキシブルプリント配線板の前記第1の面に実装され、前記導電層に電気的に接続された第2の電気部品と、
を具備し、
前記導電層は、少なくとも前記第1の電気部品と前記第2の電気部品との間で前記第1の方向に沿って延びる配線を有し、
前記第1の補強部は、前記第2の補強部から前記厚さ方向に離間するとともに、前記第2の補強部よりも前記第1の電気部品及び前記第2の電気部品の近くに配置され、前記第1の電気部品と前記第2の電気部品との間に亘って設けられるとともに、前記配線を厚さ方向に覆った、
電子機器。
[2]
前記第1の補強部が導体を有した、[1]の電子機器。
[3]
前記第1の電気部品は、電子部品と、前記電子部品と前記フレキシブルプリント配線板とを部分的に覆い、前記電子部品を囲む覆部と、を有し、
前記第1の補強部は、前記厚さ方向において前記覆部の少なくとも一部に重ねられた、
[2]の電子機器。
[4]
前記第1の面を平面視した場合に、前記第1の方向と直交する方向において、前記第1の補強部の長さが、前記第1の電気部品の前記覆部の長さよりも長い、[3]の電子機器。
[5]
前記導体がグラウンド層を有した、[2]乃至[4]のいずれか一つの電子機器。
[6]
前記第1の補強部は、前記第1の電気部品及び前記第2の電気部品と前記フレキシブルプリント配線板とに付着させられた、[1]の電子機器。
[7]
前記第1の面を平面視した場合に、前記第1の方向と直交する方向において、前記第1の補強部の長さが、前記第1の電気部品の長さよりも長い、[6]の電子機器。
[8]
前記配線は、前記第1の面を平面視した場合における前記第1の電気部品の重心と、前記第1の面を平面視した場合における前記第2の電気部品の重心との間で延びた線分に対して交差する方向に延びる、[1]乃至[7]のいずれか一つの電子機器。
[9]
基板と、
前記基板に取り付けられた第1の部品と、
前記基板に取り付けられた第2の部品と、
前記基板に設けられ、前記第1の部品から前記第2の部品に向かう方向に延びた配線と、
前記基板の、前記第1の部品が取り付けられた部分から前記第2の部品が取り付けられた部分に亘る領域、に少なくとも設けられた亘部と、
を具備した電子機器。
【符号の説明】
【0113】
10…電子機器、22…FPC、22a…第1の表面、23…第1のIC、24…第1のアンダーフィル、25…第2のIC、26…第2のアンダーフィル、28…第1のネジ、29…第2のネジ、32…第1の導電層、32a…配線、34…第2の導電層、34a,34aA,34aB,34aC…グラウンド層、41…アンダーフィル、A1,A2,A3,A4,A5,A6…領域、W1,W2,W3,W4,W5,W6…幅、C1,C2…重心。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7