(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
月捲りのカレンダー等に各種の予定を記入したり、予定内容が印刷済のスケジュールラベルを貼付することで、当該予定を確認することはよく行なわれることである。例えば、家庭内に被介護者がいる場合、通院・デイサービス・ショートステイなど多岐に亘る介護サービスの予定が組まれ、被介護者はもとより介護を行う介護者もその予定を記憶しておくのは難しいことがあり、月捲りのカレンダーに、各種介護サービスに対応する情報が予め印刷されたスケジュールラベルを貼付したり、このスケジュールラベルと併用して筆記具によってカレンダーに各種介護サービスを記入したりして、カレンダーに予定を記録しておくことが行なわれている。
【0003】
ここで、このようなカレンダーにスケジュールラベルを貼付する態様では、カレンダーとは別途の、各種予定に対応する情報が予め印刷された複数種のスケジュールラベルが面付されたラベルシートから、必要なスケジュールラベルを剥離して、カレンダーに貼付していくことが行なわれるのが通常である。
【0004】
しかし、上記の介護サービスに関するような予定は、年初に1年分が確定するわけではなく、月単位や週単位等で、その都度カレンダーに予定を記録していく必要があり、カレンダーとは別途のラベルシートを用いる場合には、1年間という長期間に亘ってそのラベルシートを保管しなければならないが、ラベルシートは、薄いシート状のものは、年の途中で紛失してしまうことが多々ある。また、そのようなスケジュールラベルとともに筆記具などでカレンダーに何らかの記入を行なう場合に、ラベルと筆記具とが別々にあると不便である。
【0005】
ところで、従来、カレンダーへの予定の記録をより記入の煩雑さを解消するなどする技術として、例えば、下記特許文献1や特許文献2のものが知られる。特許文献1には、予めカレンダー自体に介護サービスの内容を印刷したものが開示されている。しかし、この特許文献1の技術は、使用者がそのカレンダーしか利用することができないという欠点がある。また、特許文献1には、カレンダーとは別体のラベルシートから情報ラベルを剥離してカレンダーに貼付する態様も開示されるが、上記のとおりこの態様はラベルシートを紛失するおそれがある。
【0006】
他方で、特許文献2には、ポケット付きラベルが開示されており、これをカレンダーに貼付することが考えられるが、特許文献2の技術のポケット付きラベルは、貼着面を対象物に張り付けると、貼着した部位、面全体が隠ぺいされるため、カレンダーに貼付するとその日付欄や図柄などが隠蔽されてしまうという欠点があり、使用可能なカレンダーが選ばれるうえ、層構造が複雑であるという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の主たる課題は、カレンダーに貼付するラベルが面付されたラベルシートとしての機能を有しつつ、カレンダーに対してポケット機能を付与でき、もって、ラベルシートの紛失のおそれや、筆記具とともに保管することを容易にした、ラベルシートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決した本発明は以下のとおりである。
【0010】
<請求項1記載の発明>
第一シート材と第二シート材とが積層されてシート状をなしているラベルシートであって、
前記ラベルシートは、ラベル領域とポケット領域とが切り離し線を介して連接され、
前記ラベル領域は;
第一シート材に分離可能線で囲まれるラベル部が形成されているとともに、少なくともラベル部が形成されている部分が、第一シート材、粘着層、剥離層、第二シート材とがこの順に配置された層構造とされており、前記ラベル部を、前記粘着層と前記剥離層との間で分離することでラベルを得ることができ、
前記ポケット領域は;
前記第二シート材に前記切り離し線に並行する第二シート材分離線が形成され、この第二シート材分離線と前記切り離し線との間の部分は前記第一シート材、前記粘着層、前記剥離層、第二シート材がこの順に配置された層構造とされ、前記切り離し線と前記第二シート材分離線との間の一部又は全部が前記粘着層と前記剥離層との間で分離されることで、前記切り離し線と第二シート材分離線との間の部分の前記粘着層が露出され、この露出された粘着層を介して対象物に対して貼付可能となるとともに、
前記第二シート材分離線と前記切り離し線との間の部分に隣接して、第一シート材と第二シート材とが周縁部のみ前記粘着層によって接着されて袋状にされかつ第一シート材にその袋状の部分に開口を形成する開口形成線が形成されてなるポケット部が形成されている、
ことを特徴とするラベルシート。
【0011】
<請求項2記載の発明>
第一シート材と第二シート材と第三シート材とが積層されてシート状をなしているラベルシートであって、
第一シート材に分離可能線で囲まれるラベル部が形成されているとともに、少なくともラベル部が形成されている部分が、第一シート材、第一粘着層、剥離層、第二シート材とがこの順に配置された層構造を有し、前記ラベル部を、前記第一粘着層と前記剥離層との間で分離することでラベルを得ることができ、
かつ、前記第二シート材と前記第三シート材との縁が一致せず、第二シート材の縁部が第三シート材の縁より延出する延出部を有し、この延出部が、第一シート材、前記第一粘着層、前記剥離層、第二シート材の順に配置された層構造とされているとともに第二シート材分離線を有し、この第二シート材分離線により前記延出部の一部又は全部が第一粘着層と剥離層との間で分離されることで、前記第一粘着層の一部が露出され、この露出された第一粘着層を介して対象物に対して貼付可能となるとともに、
前記第二シート材と第三シート材とが周縁部のみ第二粘着層によって接着されて袋状にされかつ前記第一シート材から第二シート材に至る前記袋状の部分に開口を形成する開口形成線が形成されてなるポケット部が形成されている、
ことを特徴とするラベルシート。
【0012】
<請求項3記載の発明>
第一シート材と第二シート材と第三シート材とが積層されてシート状をなしているラベルシートであって、
第一シート材に分離可能線で囲まれるラベル部が形成されているとともに、少なくともラベル部が形成されている部分が、第一シート材、第一粘着層、剥離層、第二シート材とがこの順に配置された層構造を有し、前記ラベル部を、前記第一粘着層と前記剥離層との間で分離することでラベルを得ることができ、
前記第二シート材と第三シート材とが周縁部のみ第二粘着層によって接着されて袋状にされかつ前記第一シート材から第二シート材に至る前記袋状の部分に開口を形成する開口形成線が形成されてなるポケット部を有し、
かつ、前記第二シート材と第三シート材とが第二粘着層によって接着されている部分の一部が、第一シート材、第一粘着層、剥離層、第二シート材、第三シート材の順に配置されているとともに、その一部に前記第三シート材から第二シート材に至る第二第三シート分離線が形成され、この第二第三シート分離線によって、第二シート材及び第三シート材の一部が一体的に分離されることで、前記第一粘着層の一部が露出され、この露出された第一粘着層を介して対象物に対して貼付可能となる、
ことを特徴とするラベルシート。
【0013】
<請求項4記載の発明>
第一シート材の一部に第二シート材が積層されたシート状のラベルシートであって、
前記ラベルシートは、ラベル領域とポケット領域とが切り離し線を介して連接されており、
前記ラベル領域は;
第一シート材に分離可能線で囲まれるラベル部が形成されているとともに、少なくともラベル部が形成されている部分が、第一シート材、粘着層、剥離層、第二シート材とがこの順に配置された層構造とされており、前記ラベル部を、前記粘着層と前記剥離層との間で分離することでラベルを得ることができ、
前記ポケット領域は;
前記第一シート材の第二シート材が重ねられていない部分が第二シート材側に折り返され、その折り返し部分の折り返し縁以外の縁部が前記粘着層によって接着されることで袋状にされかつ前記第一シート材の折り返し部分に対面する部分に前記袋状の部分に開口を形成する開口形成線が形成されてなるポケット部を有するとともに、前記第二シート材の縁が、前記切り離し線と第一シート材の折り返し部分の折り返し先端縁との間に位置し、前記切り離し線と前記第二シート材の縁との間の部分が、第一シート材、前記粘着層、前記剥離層、前記第二シート材がこの順に配置された層構造とされ、前記切り離し線と前記第二シート材の縁との間の部分が、前記粘着層と前記剥離層との間で分離することで、前記切り離し線と前記第二シート材の縁との間の部分に位置していた前記粘着層が露出され、この露出された粘着層を介して対象物に対して貼付可能となる、
ことを特徴とするラベルシート。
【0014】
<請求項5記載の発明>
第一シート材の一部に第二シート材が積層されたシート状のラベルシートであって、
前記ラベルシートは、ラベル領域とポケット領域とが切り離し線を介して連接されており、
前記ラベル領域は;
第一シート材に分離可能線で囲まれるラベル部が形成されているとともに、少なくともラベル部が形成されている部分が、第一シート材、粘着層、剥離層、第二シート材とがこの順に配置された層構造とされており、前記ラベル部を、前記粘着層と前記剥離層との間で分離することでラベルを得ることができ、
前記ポケット領域は;
前記第一シート材の第二シート材が重ねられていない部分が第二シート材と反対側に折り返され、その折り返し部分の折り返し縁以外の縁部が前記とは別の他の粘着層によって接着され、前記第一シート材の折り返し部分の先端縁部を開口とする三方閉じの袋状に形成され、かつ、前記第二シート材の縁が、前記切り離し線を超えて位置し、前記第二シート材の縁と前記切り離し線との間の部分が、第一シート材、前記粘着層、前記剥離層、前記第二シート材がこの順に配置された層構造とされ、前記切り離し線と前記第二シート材の縁との間の部分の一部又は全部が、粘着層と剥離層との間で分離することで、前記切り離し線と前記第二シート材の縁との間の部分に位置していた粘着層が露出され、この露出された粘着層を介して対象物に対して貼付可能となる、
ことを特徴とするラベルシート。
【0015】
(作用効果)
本発明の請求項1、4、5記載の発明は、第一シート材と第二シート材が積層されたシート状をなし、ラベルを有する領域とポケット部を有するポケット領域とが分離可能に連接されている。そして、前記ポケット領域の第二シート材側において一部に粘着層を露出せしめることができるようになっており、これによってラベル領域とポケット領域を分離して、一般的なカレンダーである月捲りカレンダー等に貼着することができる。そして、このようにカレンダー等にポケット領域を貼付することでカレンダーにポケット機能を付与することができる。その一方で、分離したラベル領域には、ラベル部を剥離することでラベルを得ることができ、そのラベルに例えばスケジュールに関する情報を印刷されていれば、これをカレンダーに貼付してスケジュール管理をすることができる。そして、一部のラベルを剥離した後のラベル部がまだ残るラベル領域を前記カレンダー等に貼付したポケット領域に形成されたポケット部に入れて保管することにより、ラベルシートとして機能するラベル領域をカレンダーと一体的に保管することができ、ラベルシートを紛失することが防止される。また、そのポケット部に筆記具等を保管することで、スケジュールが印刷されたラベルと筆記具とを一緒に保管しておくことができる。
【0016】
他方、本発明の請求項2、3記載の発明は、第一シート材、第二シート材、第三シート材が積層されてシート状をなし、第一シート材にラベル部を有し、第二シート材のみ或いは、第二シート材及び第三シート材を一体的に一部分離してカレンダー等に貼付するための粘着層を露出させることができるようになっている。さらに、第一シート材と第二シート材との間に袋状にされた空隙をも有しており、この空隙に対して、開口を形成する開口形成線が第一シート材と第二シート材とに一体的に形成されてポケット部が設けられている。したがって、本発明の請求項2及び請求項3記載の発明は、カレンダーに貼付することで、ラベルシートして機能する部分がカレンダーに貼付されて一体化させるとともに、ポケット機能も付与される。したがって、ラベルシートの紛失が防止されるとともに、ポケット部に筆記具等を入れることで、ラベルシートと筆記具等を一緒に保管することができる。
【0017】
また、本発明の各請求項記載のラベルシートでは、カレンダー等に貼付するラベル部が形成された面と、ポケット領域をカレンダーに貼付する面とが反対面に位置する関係にありながら、ラベルとして機能させるための粘着層とポケット領域をカレンダーに貼付するための粘着層、さらにそれらの粘着層を機能させるための剥離層を一体的に形成することができる構造となっており、製造も容易である。
【発明の効果】
【0018】
よって、本発明によれば、カレンダーに貼付するラベルが面付されたラベルシートとしての機能を有しつつ、カレンダーに対してポケット機能を付与し、このポケットを利用して、ラベルシートとして機能する部分を保管でき、もって、ラベルシートの紛失が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第一実施形態に係るラベルシートの平面図である。
【
図2】本発明の第一実施形態に係るラベルシートの裏面図である。
【
図3】本発明の第一実施形態に係るラベルシートの層構造を説明するための横断面図である。
【
図4】本発明の第一実施形態に係るラベルシートの層構造を説明するための縦断面図である。
【
図5】本発明の第一実施形態に係るラベルシートの粘着層を説明するための図である。
【
図6】本発明の第一実施形態に係るラベルシートの剥離層を説明するための図である。
【
図7】本発明の第二実施形態に係るラベルシートの平面図である。
【
図8】本発明の第二実施形態に係るラベルシートの裏面図である。
【
図9】本発明の第二実施形態に係るラベルシートの層構造を説明するための横断面図である。
【
図10】本発明の第二実施形態に係るラベルシートの層構造を説明するための縦断面図である。
【
図11】本発明の第二実施形態に係るラベルシートの粘着層を説明するための図である。
【
図12】本発明の第三実施形態に係るラベルシートの平面図である
【
図13】本発明の第三実施形態に係るラベルシートの裏面図である。
【
図14】本発明の第三実施形態に係るラベルシートの層構造を説明するための横断面図である。
【
図15】本発明の第三実施形態に係るラベルシートの層構造を説明するための縦断面図である。
【
図16】本発明の第三実施形態に係るラベルシートの粘着層を説明するための図である。
【
図17】本発明の第四実施形態に係るラベルシートの平面図である
【
図18】本発明の第四実施形態に係るラベルシートの裏面図である
【
図19】本発明の第四実施形態に係るラベルシートの層構造を説明するための横断面図である。
【
図20】本発明の第四実施形態に係るラベルシートの層構造を説明するための縦断面図である。
【
図21】本発明の第四実施形態に係るラベルシートの粘着層を説明するための図である。
【
図22】本発明の第四実施形態に係るラベルシートの剥離層を説明するための図である。
【
図23】本発明の第五実施形態に係るラベルシートの平面図である
【
図24】本発明の第五実施形態に係るラベルシートの裏面図である
【
図25】本発明の第五実施形態に係るラベルシートの層構造を説明するための横断面図である。
【
図26】本発明の第五実施形態に係るラベルシートの層構造を説明するための縦断面図である。
【
図27】本発明の第五実施形態に係るラベルシートの粘着層を説明するための図である。
【
図28】本発明の第五実施形態に係るラベルシートの他の粘着層を説明するための図である。
【
図29】本発明の第五実施形態に係るラベルシートの剥離層を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔第一実施形態〕
本発明の第一実施形態を
図1〜6を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係るラベルシートX1の平面図、
図2は、裏面図である。
図3は、
図1及び
図2に示されるA、B、B’、C、Dの各横断面を示す図であり、
図4は、
図1におけるE、F、F’の各縦断面を示す図である。また、
図5は、粘着層11の範囲を説明するための第一シート材10の裏面側からみた図であり、
図6は、剥離層12の範囲を説明するための第二シート材20の表面側からみた図である。なお、
図5及び
図6において、
図1及び
図2に示される英大文字の符号で示される各断面箇所に一致する箇所には、対応する英小文字の符号を記している。
【0021】
第一実施形態に係るラベルシートX1は、第一シート材10と第二シート材20とが積層一体化されシート状をなしている。このラベルシートX1は、ラベル領域1とポケット領域2とを有し、これらが切り離し線3を介して連接されている。切り離し線3は、第一シート材10から第二シート材20に至る深さまで一体的に形成されたミシン目線、アンカット部を有するスリット線等であり、不意に分離することがなく、また、意図して分離しようとした際には容易に裂開して、ラベル領域1とポケット領域2とを分離することができるものである。ミシン目線は、通常のミシン目線のみならず、二重ミシン目線や、ジッパーミシン目線としてもよい。
【0022】
第一シート材10及び第二シート材20は、クラフト紙、上質紙、グラシン紙、パーチメント紙、レーヨン紙、コート紙、合成紙、樹脂フィルムがラミネートされた紙等とすることができる。但し、第一シート材10と第二シート材20の種類は同一である必要はない。
【0023】
他方、前記ラベル領域1には、第一シート材10にミシン目線やスリット線等の他の部分から分離可能とする分離可能線4で囲まれる複数のラベル部5,5…が形成されており、また、特に、
図3のA-A断面、
図4のE-E断面、さらに
図5及び
図6の粘着層11及び剥離層12の領域に示されるとおり、このラベル部5,5…が形成されている部分が、第一シート材10、粘着層11、剥離層12、第二シート材20がこの順の配置された層構造となっている。したがって、前記ラベル部5,5…を、前記分離可能線4によって分離した際には、粘着層11と剥離層12との間で剥離されて一方面が粘着性を示すラベルが得られる。
【0024】
ここで、複数のラベル部5,5…には、カレンダー等に記録しておきたい各種情報が予め印刷されるなどされており、例えば、通院・デイサービス・ショートステイなど介護サービスに対応する情報が文字・図形として印刷され、カレンダーに上記ラベルを剥離して粘着面を介して貼付することで、カレンダーにその介護サービスに関する予定を記録しておくことができるようになっている。
【0025】
他方、特に、図示例のラベルシートX1では、
図4のF-F(F’-F’)断面、
図5及び
図6の粘着層11及び剥離層12の領域に示されるとおり、ラベル領域1のラベル部5,5…が形成されている部分の範囲外であって、切り離し線3の近傍以外の各周縁部13に、剥離層12が設けられておらず、第一シート材10と第二シート材20とが、この各周縁部13において粘着層11によって剥離不能に接着されている。このように第一シート材10と第二シート材20とが周縁部13で剥離不能に接着されていると、一部のラベル部5を剥離しようとした際に、意図せず第一シート材10と第二シート材20とが全部分で完全に剥離してしまう事故が防止されるので望ましい。
【0026】
一方、前記ラベル領域1に連接するポケット領域2は、第二シート材20に切り離し線3に並行して、ミシン目線やスリット線等の第二シート材分離線6が形成されており、また、この第二シート材分離線6と切り離し線3との間の部分14が前記第一シート材10、粘着層11、剥離層12、第二シート材20がこの順に配置された層構造となっている。図示の形態では、第二シート材分離線6は、第二シート材10の一方縁から他方縁に至るように、前記切り離し線3と並行に直線状にスリット線が設けられた態様となっており、第二シート材20の前記切り離し線3と前記第二シート材分離線6との間の部分14の全部が、他の部分から分離し、かつ、前記粘着層11と前記剥離層12との間で剥離されるようになっている。そして、第二シート材20におけるこの切り離し線3と前記第二シート材分離線6との間の部分14が剥離されることで、当該部分14において粘着層11が露出され、この露出された粘着層11を介して対象物に対して貼付可能となるようになる。但し、第二シート材分離線6は、必ずしも図示のように設ける必要はなく環状に形成したり、二本並行に形成してもよい。この場合、第二シート材20における切り離し線3と前記第二シート材分離線6との間の一部が剥離されて粘着層11が露出される。この態様でも粘着層11が露出されるのでポケット領域2をカレンダー等に貼付することはできる。
【0027】
他方、ポケット領域2は、さらに、前記第二シート材分離線6と前記切り離し線3との間の部分14に隣接して、第一シート材10と第二シート材20とが周縁部15のみ前記粘着層11によって接着されて袋状にされた袋部分16を有しており、かつその袋状の部分16に開口を形成する開口形成線7が第一シート材10に形成されたポケット部17が形成されている。したがって、前記第二シート材20における切り離し線3と前記第二シート材分離線6との間の部分14を剥離して、カレンダーにポケット領域2を貼付した際には、前面にポケット部17の開口形成線7が位置し、そこからポケットに対象物を挿入することが可能となる。なお、開口形成線7は、ミシン目線、スリット線、一部にアンカット部を備えるスリット線などとして形成すればよい。
【0028】
他方、本実施形態に係るラベルシートX1では、特に、
図3及び
図4に示される断面構造、
図5及び
図6の粘着層11及び剥離層12の領域から明らかなとおり、ラベル領域1において各ラベルに粘着性を付与するための粘着層11と、ポケット領域2においてこれをカレンダーに貼付するための粘着層11と、ポケット部17を形成するために第一シート材10と第二シート材20とを周縁部15で接着するための粘着層11とが、同一の層として形成されている。また、ラベル領域1において各ラベルを剥離可能にするための剥離層12と、前記第二シート材20における切り離し線3と第二シート材分離線6との間の部分14を剥離可能にするための剥離層12とが同一の層として形成されている。これら粘着層11、剥離層12は、適宜の粘着剤、剥離剤を各シート材10,20に対して、パターン印刷することで容易に形成することができる。より具体的には、第一シート材10に適宜のパターンで粘着層11を形成し、第二シート材20に適宜のパターンで剥離層12を形成した後、これらを貼り合せて積層一体化することで、本実施形態に係るラベルシートX1の層構造を形成することができる。切り離し線3、分離可能線4、第二シート材分離線6、開口形成線等7は、公知のミシン目線形成技術やスリット線形成技術によって、第一シート材10と第二シート材20とを積層したのちに、粘着層11及び剥離層12の形成位置に対応して適宜に形成すればよい。なお、粘着層11の形成に用いる粘着剤は、ラベルとしての貼付機能、ポケット領域の貼付機能を確保できるものであれば、特に限定されない。例えば、既知のホットメルト系、ゴム系、EVA系、オレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ウレタン系等の粘着剤が例示できる。また、剥離層12の形成に用いる剥離剤は、粘着層11に対して容易に剥離可能な状態で接着する既知のものが用いられる。例えば、シリコーン、長鎖アルキルポリマー、ポリオレフィン、アルキド樹脂、フッ素化合物等の剥離剤が例示できる。
【0029】
以上の、本実施形態に係るラベルシートX1では、ポケット領域2とラベル領域1とが分離可能となっていることから、これらを分離して、ポケット領域2をカレンダーに貼付した後、分離したラベル領域1をポケット部17に挿入すれば、ラベルを紛失することが防止される。また、ポケット部17に筆記具等を入れて保管すれば、ラベルとともに使用する頻度の高い筆記具を常に一緒に保管しておくことができる。もちろん、ポケット部17には、ラベル領域1や筆記具以外の予定に関するメモや、払込票等の他の関連物を入れることもできる。また、第一シート材10、粘着層11、剥離層12、第二シート材20の層構造も容易に形成できる態様となっており、製造も容易である。
【0030】
〔第二実施形態〕
次いで、本発明の第二実施形態を
図7〜11を参照しながら説明する。
図7は、本実施形態に係るラベルシートX2の平面図、
図8は、裏面図である。
図9は、
図7及び
図8に示されるG、H、I、Jの各横断面を示す図であり、
図10は、
図7におけるK、L、K’の各縦断面を示す図である。また、
図11は、第二粘着層18の範囲を説明するための第二シート材20の裏面側からみた図である。なお、
図11において、
図7及び
図8に示される英大文字の符号で示される各断面箇所に一致する箇所には、対応する英小文字の符号を記している。
【0031】
第二実施形態に係るラベルシートX2は、第一シート材10と第二シート材20と第三シート材30が積層一体化されシート状をなしている。この第二実施形態のラベルシートX2は、第一実施形態とは異なり、ラベル領域とポケット領域とが平面的に領域分けされておらず、第一シート材10と第二シート材20との積層構造によって主にラベル機能が構成され、第二シート材20と第三シート材30との層構造によって主にポケット機能が構成される。また、各シート10,20,30の積層は、第一シート材10と第二シート材20との間の第一粘着層11、第二シート材20と第三シート材30との間の第二粘着層18とによって主になされている。
【0032】
第二実施形態のラベルシートX2おける第一シート材10、第二シート材20及び第三シート材30は、クラフト紙、上質紙、グラシン紙、パーチメント紙、レーヨン紙、コート紙、合成紙、樹脂フィルムがラミネートされた紙等とすることができる。但し、第一〜第三の各シート材の種類は同一である必要はない。
【0033】
第二実施形態のラベルシートX2における第一シート材10は、上記第一実施形態のラベルシートX1と同様に、第一シート材10にミシン目線やスリット線等の他の部分から分離可能とする分離可能線4で囲まれる複数のラベル部5,5…が形成されており、また、特に、
図9のH-H断面、
図10のL-L断面に示されるとおり、このラベル部5,5…が形成されている部分が、第一シート材10、第一粘着層11、剥離層12、第二シート材2がこの順の配置された層構造を有している。したがって、前記ラベル部5,5…を、前記分離可能線4によって分離した際には、第一粘着層11と剥離層20との間で剥離され、一方面が第一粘着層11に基づく粘着性を示すラベルが得られる。本実施形態に係るラベル部5,5…にも、カレンダー等に記録しておきたい各種情報が予め印刷されるなどされる。
【0034】
他方、本実施形態のラベルシートX2は、特に、第三シート材30の大きさが第二シート材20よりも小さく、第二シート材20と第三シート材30との少なくとも一つの縁が一致しない態様で積層され、第一シート材10と第二シート材20の縁部が第三シート材30の縁31より延出する延出部22を有している。この延出部22においては、第一シート材10、前記第一粘着層11、前記剥離層12、第二シート材20の順に配置された層構造となっている。そして、本実施形態のラベルシートX2では、この延出部22に、ミシン目線やスリット線等の第二シート材分離線6が形成されている。図示の形態の第二シート材分離線6は、延在部22の一方縁から他方縁に至るようにして形成され、ラベルシートX2の一方縁の全部及びその縁に連なる二方の縁の一部と前記第二シート材分離線6で囲まれる範囲が他の部分から分離し、かつ、前記第一粘着層11と前記剥離層12との間で剥離されるようになっている。そして、この延在部22の一部又は全部が剥離されることで、当該部分において第一粘着層11が露出され、この露出された第一粘着層11を介して対象物に対して貼付可能となるようになる。なお、第二シート材分離線6は、必ずしも図示のように設ける必要はなく、延出部22において環状に形成したり、二本並行に形成してもよい。この場合、延在部22の一部が剥離されて第一粘着層11が露出される。この態様でも第一粘着層11が露出されるのでカレンダー等に貼付することができる。なお、第二シート材分離線6によって分離される部分と重なる第一シート材10の部分には、ラベル部5,5…が位置しないようになっている。
【0035】
他方、本実施形態のラベルシートX2は、第三シート材30が第二シート材20に対してその周縁部23のみ第二粘着層18によって接着されており、その周縁の接着部分によって囲まれる空隙16が形成されて袋状となっている。さらに、前記第一シート材10から第二シート材20に至る深さで前記袋状の部分16に開口を形成する開口形成線7が形成されており、前記袋状の部分16とでポケット部17を形成している。
【0036】
この、本実施形態に係るラベルシートX2では、前記第二シート材分離線6での分離によって延出部22において露出された第一粘着層11を介して、カレンダー等に貼付することができ、その貼付により、第一シート材10と第二シート材20との積層構造によって剥離可能とされるラベル5,5…と、第二シート材20と第三シート材30との層構造によって主に形成されるポケット機能が付与される。したがって、カレンダー等に対してラベルシート自体を貼付することになるため、ラベルシートの紛失が防止され、さらに、ポケット部に筆記具等を入れて保管すれば、ラベルとともに使用する頻度の高い筆記具や関連物を常に一緒に保管しておくことができる
【0037】
ここで、本実施形態に係るラベルシートX2は、特に、
図9及び
図10に示される断面構造に示されるように、各ラベル部5,5…に粘着性を付与するための第一粘着層11と、カレンダーに貼付するための延在部22における第一粘着層11とが同一の層として形成されている。特に、本実施形態のラベルシートX2は、第三シート材30の存在によってポケット部17を形成するための第二粘着層18と第一粘着層11とを別途に形成するため、第一シート材10と第二シート材20との層構造を構成するにあたって、パターン印刷等することなく、第一シート材10と第二シート材20との間に全面印刷や全面塗布によって、全面的に第一粘着層11と剥離層12を形成して構成することができるという利点を有する。
【0038】
但し、図示はしないが、第一実施形態のラベルシートX1と同様に、第一シート材10から一部のラベル部5を剥離しようとした際に、意図せず第一シート材10と第二シート材20とが全部分で完全に分離してしまわないように、ラベル部5,5…や延在部22以外の範囲において、剥離層12を形成しない部位を設け、第一シート材10と第二シート材20とが剥離不能に接着される部分を形成してもよい。このように、第一シート材10との第二シート材20との間に剥離層12のない部分を形成することは、適宜の剥離剤を適宜のシート材に対して、パターン印刷すればよい。また、第一シート材10と第二シート材20との非剥離部分を形成するのであれば、前記開口形成線7の近傍、特に開口形成線7に沿って形成するのが望ましい。このように非剥離部位を形成すれば、意図せず第一シート材10と第二シート材20とが全部分で完全に分離してしまう事故が防止されるとともに、特に、ポケット部17に物を挿入する際に、開口縁において第一シート材10と第二シート材20とが剥離して、物が入れづらくなるということもない。
【0039】
他方、本実施形態に係るラベルシートX2の製造は、例えば、第一シート材10に全面的又は適宜のパターンで第一粘着層11を形成し、第二シート材20に全面的又は適宜のパターンで剥離層12を形成し、その後に、これらを貼り合せて積層一体化して、第一シート材10と第二シート材20との中間積層物を形成する。そして、その後に、分離可能線4、第二シート材分離線6、開口形成線等7を公知のミシン目線形成技術やスリット線形成技術によって形成し、次いで、この中間積層物又は第三シート材30に第二粘着層18を適宜の位置に形成して、それらを積層一体化すればよい。第一粘着層11、第二粘着層18の形成に用いる粘着剤や剥離層12の形成に用いる剥離剤は、第一実施形態と同様であり、ホットメルト系、ゴム系、EVA系、オレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ウレタン系等の粘着剤、シリコーン、長鎖アルキルポリマー、ポリオレフィン、アルキド樹脂、フッ素化合物等の剥離剤が例示できる。
【0040】
〔第三実施形態〕
次いで、本発明の第三実施形態を
図12〜16を参照しながら説明する。
図12は、本実施形態に係るラベルシートX3の平面図、
図13は、裏面図である。
図14は、
図12及び
図13に示されるM、N、O、Pの各横断面を示す図であり、
図15は、
図12におけるQ、R、Q’の各縦断面を示す図である。また、
図16は、第二粘着層18の範囲を説明するための第二シート材30の裏面側からみた図である。なお、
図16において、
図12及び
図13に示される英大文字の符号で示される各断面箇所に一致する箇所には、対応する英小文字の符号を記している。
【0041】
本実施形態のラベルシートX3は、上記第二実施形態のラベルシートX2と同様に、第一シート材10と第二シート材20と第三シート材30が積層一体化されシート状をなしているものであり、第一シート材10と第二シート材20との積層構造も同一である。第二実施形態のラベルシートX2とは、カレンダー等に貼付する第一粘着層11を露出させるための構造が相違している。以下、第二実施形態のラベルシートX2と同様の構成については説明を省略し、主に相違する点を説明する。
【0042】
本実施形態に係るラベルシートX3は、第二シート材20と第三シート材30とが第二粘着層18によって周縁部23が接着されて袋状にされ、前記第一シート材10から第二シート材20に至る深さで袋状の部分16に開口を形成する開口形成線7が形成されて、ポケット部17が形成されている。この点は、第二実施形態のラベルシートX2と同様である。
【0043】
本実施形態のラベルシートX3では、第二シート材20と第三シート材30とが第二粘着層18によって剥離不能に接着されている周縁部23の一部分19に、第三シート材30から第二シート材20に至る第二第三シート分離線8が形成されており、この第二第三シート分離線8によって、第二シート材20及び第三シート材30の一部が一体的に分離されることで、前記第一粘着層11の一部が露出され、この露出された第一粘着層11を介して対象物に対して貼付可能となるようになっている(図中、第二第三シート分離線で剥離される部分は符号19で示される)。
【0044】
すなわち、本実施形態のラベルシートX3は、第二シート材20と第三シート材30とが第二粘着層18で剥離不能に接着されている部分が、第一シート材10、第一粘着層11、剥離層12、第二シート材20、第二粘着層18、第三シート剤30の順に配置された層構造となっているため、第二シート材20と第三シート材30とが第二粘着層18によって剥離不能であるとともに、第二シート材20が、第一粘着層11と剥離層12との間で第一シート材10から剥離可能であり、この部分を第二第三シート材分離線8によって他の部分から分離させるようにすることで、第一粘着層11が露出されるようになっている。
【0045】
この第三実施形態に係るラベルシートX3は、第一シート材10、第二シート材20、第三シート材30の大きさを一致させて形成することができ、もって段差のない表裏平面的なシートとすることができる利点がある。例えば、インクジェットプリンタ等で、何らかの印刷したい場合など、紙詰まりなどがし難くなるという利点がある。
【0046】
〔第四実施形態〕
次いで、本発明の第四実施形態を
図17〜22を参照しながら説明する。
図17は、本実施形態に係るラベルシートX4の平面図、
図18は、裏面図である。
図19は、
図17及び
図18に示されるS、T、T’、Uの各横断面を示す図であり、
図20は、
図17におけるV、W、V’の各縦断面を示す図である。また、
図21は、粘着層11の範囲を説明するための第一シート材10の裏面側からみた図であり、
図22は、剥離層12の範囲を説明するための第二シート材20の表面側からみた図である。なお、
図21及び
図22において、
図17及び
図18に示される英大文字の符号で示される各断面箇所に一致する箇所には、対応する英小文字の符号を記している。
【0047】
第四実施形態に係るラベルシートX4は、第一実施形態のラベルシートX1と同様に、第一シート材10と第二シート材20とが積層一体化されシート状をなしており、また、ラベル領域1とポケット領域2とを有し、これらが切り離し線3を介して連接されている。この第四実施形態に係るラベルシートX4は、第一実施形態のラベルシートX1の変形例であり、そのポケット領域2の構造が異なっている。以下、第一実施形態と同様の構成については説明を省略し、主に相違する点を説明する。
【0048】
第四実施形態のラベルシートX4は、特に、
図18の裏面図、
図20の各縦断面図に示されるように、第二シート材20が第一シート材10よりも小さく、第一シート材10の一部に第二シート材20が積層されており、ラベル領域1は、その第一シート材10と第二シート材20との積層された部分となっている。このラベル領域1の構造は、第一実施形態のラベルシートX1と同様である。
【0049】
一方、第四実施形態のラベルシートX4のポケット領域2は、第一シート材10の第二シート材20が重ねられていない部分24が第二シート材20側に折り返され、その折り返し部分25の折り返し縁26以外の縁部27,27が前記粘着層11によって接着されることで袋状にされているとともに、第一シート材10の折り返し部分25に対面する部分に開口形成線7が形成されてポケット部17が形成されている。
【0050】
他方で第四実施形態のラベルシートX4のポケット領域2は、第二シート材20の縁28が、前記切り離し線3と第一シート材10の折り返し部分25の折り返し先端縁29との間に位置するように構成されており、その切り離し線3と前記第二シート材20の縁28との間の部分32は、第一シート材10、粘着層11、剥離層12、第二シート材20がこの順に配置された層構造となっている。
【0051】
したがって、この第四実施形態のラベルシートX4は、ラベル領域1とポケット領域2とを切り離し線3で分離した後には、前記切り離し線3と前記第二シート材20の縁28との間の部分32を、粘着層11と剥離層12との間で剥離して分離除去することが可能となり、このようにすると切り離し線3と前記第二シート材20の縁28との間の部分32に位置していた粘着層11が露出され、この露出された粘着層11を介してカレンダー等の対象物に対して貼付可能となる。
【0052】
この第四実施形態に係るラベルシートX4は、特に、
図19及び
図20に示される断面構造、
図21及び
図22の粘着層11及び剥離層12の領域から明らかなとおり、ラベル領域1において各ラベルに粘着性を付与するための粘着層11と、ポケット領域2においてこれをカレンダーに貼付するための粘着層11と、ポケット部を形成するために第一シート材10の折り返し部分25を接着するための粘着層11とを、同一の層として形成することができ、また、ラベル領域1において各ラベル部5,5…を剥離可能にするための剥離層12と、前記第二シート材20の縁部32を剥離可能にするための剥離層12とを同一の層として形成することができ、製造が容易である。
【0053】
また、第四実施形態のラベルシートX4は、開口形成線7との位置関係で、第一シート材10の折り返し縁26がポケット部17の袋底となるようにすると、ポケット部17の底が第一シート材と第二シート材との粘着層による二枚貼り合せで構成するよりも強度を確保しやすく、第一実施形態の第二シート材分離線6の形成が不要になるという利点がある。
【0054】
〔第五実施形態〕
次いで、本発明の第五実施形態を
図23〜29を参照しながら説明する。
図23は、本実施形態に係るラベルシートX5の平面図、
図24は、裏面図である。
図25は、
図23及び
図24に示されるX、Y、Y’、Zの各横断面を示す図であり、
図26は、
図23におけるII、III、II’の各縦断面を示す図である。また、
図27は、粘着層33の範囲を説明するための第一シート材10の表面側からみた図であり、
図28は、粘着層11の範囲を説明するための第一シート材10の裏面側からみた図である。
図29は、剥離層12の範囲を説明するための第二シート材20の表面側からみた図である。なお、
図27〜
図29において、
図23及び
図24に示される英大文字の符号で示される各断面箇所に一致する箇所には、対応する英小文字の符号を記している。
【0055】
第五実施形態に係るラベルシートX5は、第一実施形態のラベルシートX1及び第四実施形態のラベルシートX4と同様に、第一シート材10と第二シート材20とが積層一体化されシート状をなしており、また、ラベル領域1とポケット領域2とを有し、これらが切り離し線3を介して連接されている。この第五実施形態に係るラベルシートX5は、第四実施形態のラベルシートX4の変形例であり、そのポケット領域2の構造が異なっている。以下、第一実施形態及び第四実施形態と同様の構成については説明を省略し、主に相違する点を説明する。
【0056】
第五実施形態のラベルシートX5は、特に、
図24の裏面図、
図26の各縦断面図に示されるように、第二シート材20が第一シート材10よりも小さく、第一シート材10の一部に第二シート材20が積層されており、ラベル領域1は、その第一シート材10と第二シート材20との積層された部分となっている。このラベル領域1の構造は、第一実施形態及び第四実施形態と同様である。
【0057】
一方、第五実施形態のラベルシートX5のポケット領域2は、第一シート材10の第二シート材20が重ねられていない部分24が第二シート材20と反対面側に折り返されているとともに、その折り返し部分25の折り返し縁26以外の縁部27,27が第一シート材10と第二シート材20との間の粘着層11とは別の他の粘着層33によって接着されて、前記第一シート材10の折り返し部分25の折り返し先端縁27を開口とする三方閉じの袋状に形成されてポケット部17が形成されている。
【0058】
他方で第五実施形態のラベルシートX5のポケット領域2は、ラベル領域1を形成する第二シート材20の縁28が、切り離し線3を超えて位置して、切り離し線3近傍に第一シート材10と第二シート材20との積層領域が形成されている。この第二シート材20の縁28と切り離し線3との間の部分32が、ラベル領域1に続いて第一シート材10、粘着層11、剥離層12、第二シート材20がこの順に配置された層構造とされている。したがって、ラベル領域1とポケット領域2とを切り離し線3で分離した後に、前記切り離し線3と前記第二シート材20の縁28との間の部分32が、前記粘着層11と前記剥離層12との間で剥離して分離除去することが可能であり、この部分32を分離除去することで、切り離し線3と前記第二シート材20の縁28との間の部分32に位置していた粘着層11が露出され、この露出された粘着層11を介してカレンダー等の対象物に対して貼付可能となる。
【0059】
この第五実施形態のラベルシートX5も、第一シート材10の折り返し縁26がポケット部17の袋底となるため、第四実施形態のラベルシートX4と同様にポケット部17の底が第一シート材と第二シート材との粘着層による二枚貼り合せで構成するよりも強度を確保しやすく、第一実施形態の第二シート材分離線6の形成が不要になるという利点がある。さらに、第五実施形態のラベルシートX5は、第一シート材10の折り返し部分25の折り返し先端縁29が開口を形成することになるため、ポケット部17とするためにミシン目線やスリット線等の開口形成線7を形成する必要がないという利点がある。