(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6490499
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】リズム付加装置およびメトロノームユニット
(51)【国際特許分類】
G04F 5/02 20060101AFI20190318BHJP
【FI】
G04F5/02 C
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-114610(P2015-114610)
(22)【出願日】2015年6月5日
(65)【公開番号】特開2017-3296(P2017-3296A)
(43)【公開日】2017年1月5日
【審査請求日】2018年4月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100166305
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】芹田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】和田 聖治
【審査官】
藤田 憲二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−205824(JP,A)
【文献】
特開昭63−061181(JP,A)
【文献】
特開平09−230068(JP,A)
【文献】
特開2015−068711(JP,A)
【文献】
米国特許第6201769(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04F 5/02
G10H 1/00−7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部音に基づく第1信号を検出する検出部と、
前記第1信号が検出される第1時間間隔を算出する計時部と、
前記第1時間間隔に基づき第2時間間隔を設定するリズム設定部と、
前記第2時間間隔に応じて出力される信号を前記第1信号に付加し第2信号を生成するリズム付加部と、
前記第2信号に基づく音を外部に出力する出力部と、
を備えることを特徴とするリズム付加装置。
【請求項2】
所望の付加リズムを選択できる付加リズム選択部を備え、
前記リズム設定部は、選択された前記付加リズムに基づき前記第1時間間隔を分割することで前記第2時間間隔を設定することを特徴とする請求項1に記載のリズム付加装置。
【請求項3】
前記第1信号はぜんまいを動力とした振子運動から得られる拍子に基づく信号であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリズム付加装置。
【請求項4】
前記第2時間間隔は、前記第1時間間隔を等しい時間間隔に分割した時間間隔であり、
前記第2信号は、前記第2時間間隔で発生する信号の一部を除く信号であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のリズム付加装置。
【請求項5】
前記第2信号を波形変換する信号変換部を備え、
前記信号変換部は、前記第2信号の中の前記第1信号に付加された信号を区別し、周波数、パルス幅、パルス数、および各パルスのデューティ比の少なくとも1つにおいて、前記第1信号に基づく波形とは異なる波形として、前記区別された信号を変換することにより、前記出力部からの出力が複数の音質により構成されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリズム付加装置。
【請求項6】
前記出力部は、前記波形の振幅を増幅する増幅部を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のリズム付加装置。
【請求項7】
ぜんまいを動力とした振子運動から得られる拍子を発する機械式メトロノームと、前記拍子に基づく第1信号を検出する検出部を有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のリズム付加装置と、を備えるメトロノームユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音楽の演奏時などに用いられるリズム付加装置およびメトロノームユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、音楽のリズムを検出し、そのリズムに同期して得られる出力を機械的な振動としてユーザーに伝えることのできるリズム認識装置が知られている(特許文献1)。
しかし、従来の装置においては、検出するリズムと出力するリズムとの同期をとることが目的となっており、出力されたリズムにおいてはユーザーの希望するリズムが反映されているものではなかった。言い換えれば、既存のリズムに対してユーザーが所望するリズムを反映させることが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平6−7320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、既存のリズムに対して所望のリズムを付加できるリズム付加装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係るリズム付加装置は、外部音に基づく第1信号を検出する検出部と、前記第1信号が検出される第1時間間隔を算出する計時部と、前記第1時間間隔に基づき第2時間間隔を設定するリズム設定部と、前記第2時間間隔に応じて出力される信号を前記第1信号に付加し第2信号を生成するリズム付加部と、前記第2信号に基づく音を外部に出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係るリズム付加装置は、所望の付加リズムを選択できる付加リズム選択部を備え、前記リズム設定部は、選択された前記付加リズムに基づき前記第1時間間隔を分割することで前記第2時間間隔を設定することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るリズム付加装置は、前記第1信号はぜんまいを動力とした振子運動から得られる拍子に基づく信号であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るリズム付加装置は、前記第2時間間隔が、前記第1時間間隔を等しい時間間隔に分割した時間間隔であり、前記第2信号は、前記第2時間間隔で発生する信号の一部を除く信号であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るリズム付加装置は、前記第2信号を波形に変換する信号変換部を備え、前記信号変換部は、前記第2信号の中の前記第1信号に付加された信号を区別し、周波数、パルス幅、パルス数、および各パルスのデューティ比の少なくとも1つにおいて、前記第1信号に基づく波形とは異なる波形として、前記区別された信号を変換することにより、前記出力部からの出力が複数の音質により構成されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るリズム付加装置は、前記出力部が、前記波形の振幅を増幅する増幅部を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るメトロノームユニットは、ぜんまいを動力とした振子運動から得られる拍子を発する機械式メトロノームと、前記拍子に基づく第1信号を検出する検出部を有する上述のリズム付加装置とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、既存のリズムに対してユーザーが所望するリズムを反映させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態を構成するブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態において付加できるリズムを示した表である。
【
図4】本発明の実施形態において第1信号と第2信号との関係を示すタイミング図である。
【
図5】本発明の実施形態においてリズム種類に対応する第2信号のタイミング図である。
【
図6】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施形態の動作におけるタイマーAの割り込み処理を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施形態の動作におけるタイマーBの割り込み処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態のリズム付加装置を、図面を参照して説明する。
図1に、本実施形態のブロック図を示す。本実施形態のリズム付加装置100は、検出部20、制御部30、出力部40、リズム選択スイッチ部9、表示部10により構成される。検出部20は、センサー部1、センサー信号波形成形部2を含む。制御部30は、タイマーA3、計時部4、リズム設定部5、リズム選択部6、タイマーB7.リズム付加部8、信号変換部17を含む。出力部40は、リズム信号増幅部11、スピーカ12を含む。リズム信号増幅部11は、音量調節部18に接続されている。
【0015】
図1において、外部から検出部20に入力されるのはテンポ信号W1である。センサー信号波形成形部2で処理され検出部20から出力され制御部30に入力される信号は、第1信号P1である。リズム付加部8においてリズムが付加され出力され信号変換部17に入力される信号は第2信号P2である。信号変換部17から出力され出力部40に入力される信号は変換信号W2である。
【0016】
外部から入力されるテンポ信号W1がセンサー部1に入力されると、入力された信号は電気信号に変換されセンサー信号波形成形部2に送られる。センサー信号波形成形部2では電圧が増幅され、単純なパルス信号に波形成形した第1信号P1に変換され、タイマーA3に入力される。タイマーA3に信号が入力されると割り込みが発生する。タイマーA3でカウントされたカウント値は計時部4に入力され、第1信号の時間間隔に設定され、リズム設定部5に入力される。リズム設定部5では、リズム選択スイッチ部9をユーザーが操作することによりリズム選択部6で選択されたリズムと前記第1信号の時間間隔とから、選択されたリズムに対応した第2信号の時間間隔を計算し、タイマーB7に第2信号の時間間隔を設定する。このとき、リズム選択部6で選択されたリズムは表示部10に表示され、ユーザーが自ら選択したリズムを把握できる。タイマーAの割り込み情報は、計時部4、リズム設定部5、を通してリズム付加部8に入力されリズム付加部8から第2信号の1音目として出力される。タイマーB7では第2信号の前記時間間隔が設定されるとカウントを開始し、オーバーフローすると割り込みが発生する。前記割り込みが発生したタイミングでリズム付加部8は第2信号の2音目以降を出力することで第2信号P2を出力する。リズム付加部8から出力された第2信号P2は信号変換部17において変換信号W2に変換される。リズム信号増幅部11は制御部30からから入力された変換信号W2を増幅しスピーカ12を駆動する。増幅率は、音量調節部18によりユーザーが適宜設定可能である。
【0017】
図4に、
図1の対応するブロックにおける入出力波形として、テンポ信号W1、第1信号P1、第2信号P2.変換信号W2の波形を示す。
外部からセンサー部1に入力されるテンポ信号W1は、複数の音波形が第1時間間隔T1毎に連続する信号として構成される。これら音波形の各々は、種々の周波数で構成され、様々な音質、音色に応じた音波形となる。なお、例えば、「チーン」、「カッ」、「カッ」、「カッ」、というような音として入力されることも想定され、その場合、図示しないが、「チーン」と「カッ」では音波形の継続時間(幅、長さ)が異なることになる。
【0018】
第1信号P1は、センサー部1から出力されたテンポ信号W1がセンサー信号波形成形部2おいて電圧増幅され単純なパルス信号に波形成形された信号である。第1信号P1はテンポ信号W1の音波形とは異なり、複数の矩形波のパルスで構成される。当該複数のパルスの間隔は、テンポ信号W1と同様であり、第1時間間隔T1で繰り返される。
【0019】
第2信号P2は、第1信号P1に、リズム選択部6で選択されたリズムとするための付加リズムが付加された信号である。第2信号P2は、第1信号P1と同様に複数の矩形波のパルスで構成される。当該複数のパルスの間隔は、第1時間間隔T1を分割した第2時間間隔T2となる。よって、第2時間間隔T2は第1時間間隔T1より短い。また、第2時間間隔T2は第1時間間隔T1を均等に等分した時間間隔として設定している。勿論、不均等な時間間隔とすることも可能である。なお、
図4においては、第2信号P2が、後述するリズム番号2に対応する2連符の場合を示している。
【0020】
変換信号W2は、第2信号P2を出力部40に送る前の波形変換された信号である。第2信号P2の複数の矩形波パルスとは異なり、変換信号W2は複数の波形(音信号)により構成される。当該複数の波形の間隔は第2時間間隔T2となる。このとき、第1信号P1に対応する第1時間間隔T1の波形PW1とリズム負荷部8で付加されたパルスに対応する第2時間間隔T2の波形PW2とを同種の波形とすることができる。一方、付加された波形PW2のみを、即ち、第2時間間隔T2として付加されたパルスに対応する波形PW2のみを、第1時間間隔T1の波形に対して異なる周波数とすることができる。また、当該波形PW2を、波形PW1に対して、異なるパルス幅の波形として構成することもできる。また、当該波形PW2を、波形PW1に対して、異なるパルス数の波形として構成することもできる。また、当該波形PW2を、波形PW1に対して、複数のデューティ比を有するパルスにより構成することもできる。これら場合は、ユーザーは、付加されたリズムと元のリズムとが異なる音色で区別される等、個々の識別が容易となり、楽器練習等に役立てることができる。なお、
図4では、第1時間間隔T1と第2時間間隔T2とは、各パルスの立ち上がり時点同士の間隔を示しているが、波形PW1と波形PW2とが所定の条件の場合には、パルスの立下り時点と次のパルスの立上り時点との時間間隔とすることもできる。また、本実施形態では、波形PW1、波形PW2を同一の継続時間(長さ、幅)としているが、異なる継続時間として設定することもできる。また、本実施形態では、波形PW1、波形PW2を種々のパルスにより音信号として構成するが、これに限らず、動物の鳴き声や人の声等をイメージした音声信号とすることもできる。つまり、これら波形を、パルス列により構成されるデジタル音とするだけではなく、アナログ的な、「ワン、ワン」、「ヒヒーン」等の動物の鳴き声や、「いち」、「に」、「さん」、「し」というような人間の音声とすることもできる。これにより、更にユーザーがリズムを有効利用しやすくなる。
【0021】
図2に、本実施形態の外観図を示す。リズム付加装置100は、本体16とセンサー部1とを備える。本体16は、リズムを選択できるリズム選択スイッチ部9と、選択されたリズムを表示する表示部10と、リズム音を発音するスピーカ12と、スピーカ12の音量を調節できる音量調節部18とが内蔵され、センサー部1に繋がっている。本体16とセンサー部1とは有線接続と無線接続とを適宜選択できる。表示部10には、選択され出力されるリズムが音符記号の形態等で表示され、ユーザーが視認しやすく構成される。
【0022】
センサー部1は、機械式メトロノーム200に取付けられている。機械式メトロノームとリズム付加装置100とにより、メトロノームユニット300が構成されている。
センサー部1として、例えば、振動センサーを使用する。ぜんまいを動力源とする振子運動によりテンポを刻む機械式メトロノーム200のテンポ音(拍子信号)をピックアップし、センサー部1に入力されるテンポ信号W1とすれば、機械式メトロノーム200の拍子にリズム音を付加することが出来る。また、センサー部1を人の腕、腰、胸、着衣等に取付けることで人が手を叩いた音をピックアップし、当該音をセンサー部1に入力されるテンポ信号W1とすれば手を叩いた拍子にリズム音を付加することが出来る。
【0023】
図3に、本実施形態で選択できるリズムの種類を示す。リズム番号1は、4分音符であり、第1信号P1と同じタイミングで発音する。リズム番号2は、2連符であり、第1信号の1/2の時間間隔で発音する。リズム番号3は、3連符であり、第1信号の1/3の時間間隔で発音する。リズム番号4は、3連符に休符を組み合わせたリズムであり、第1信号の1/3の時間間隔で発音するが、2音目を休符としているので2音目は発音しない。リズム番号5は、4連符であり、第1信号の1/4の時間間隔で発音する。リズム番号6は、付点8分音符と16分音符を組み合わせたリズムであり、第1信号の1/4を基本の時間間隔として1音目の付点8分音符は第1信号の3/4時間、2音目の16分音符は第1信号の1/4時間として発音する。
【0024】
図5に、リズム番号に対応する第2信号のタイミングを示す。リズム番号1の4分音符に対応するタイミングがP2(1)である。リズム番号2の2連符に対応するタイミングがP2(2)である。リズム番号3の3連符に対応するタイミングがP2(3)である。リズム番号4の休符付き3連符に対応するタイミングがP2(4)である。リズム番号5の4連符に対応するタイミングがP2(5)である。リズム番号6の付点8分音符付き16分音符に対応するタイミングがP2(6)である。なお、第2信号P2は、
図3および
図5に示すリズム以外にもユーザーの要求に応じて設定することが可能である。
【0025】
図6に、本実施形態の制御部30で行う処理のフローチャートを示す。また、
図7に、本実施形態の動作におけるタイマーAの割り込み処理を示すフローチャートを示す。また、
図8に、本実施形態の動作におけるタイマーBの割り込み処理を示すフローチャートを示す。
【0026】
まず、
図6において、スタートするとタイマーAを開始させ(S1)、第1信号入力待機の状態にする。リズム選択スイッチの入力処理(S2)と選択されたリズムを表示する(S3)をループ処理しながら第1信号の入力を待つ。第1信号の入力があるとタイマーA割り込みが発生し、タイマーA割り込み処理に分岐する。
【0027】
図7において、タイマーA割り込みに分岐すると、第2信号の1音目を出力する(S4)。そして、タイマーAのカウント値から第1信号の時間間隔を得て(S5)、第2信号の時間間隔を計算する。第2信号の時間間隔は選択されたリズムに対応して計算される(S6)。リズム番号1の場合は第1信号時間間隔の1/1、リズム番号2の場合は第1信号時間間隔の1/2、リズム番号3と4の場合は第1信号時間間隔の1/3、リズム番号5と6の場合は第1信号時間間隔の1/4とする。求まった第2信号の時間間隔をタイマーBに設定しカウントを開始させる(S7)。カウント開始後タイマーA割り込み処理からリターンする。タイマーBはカウントがオーバーフローするとタイマーB割り込みを発生させ、継続して第2信号の時間間隔のカウントを行う。タイマーBがオーバーフローすると、タイマーB割り込みが発生し、タイマーB割り込み処理に分岐する。
【0028】
図8において、選択されたリズムの第2信号が休符であるか判断する(S8)、休符でなければ第2信号の2音目以降の信号を出力する(S9)、休符の場合は信号を出力しない。選択されたリズムの第2信号の終了を判断し(S10)、終了した場合はタイマーBを停止する(S11)、継続ならばてタイマーBのカウントを続けタイマーB割り込み処理からリターンする。ここで、第2信号の1音目と2音目以降の音色に変化をつけると、リズムの1音目と2音目以降の音が判別しやすくなるので、1音目の音を強調することが出来る。周波数、パルス幅、パルス数、および各パルスのデューティ比の少なくとも1つを変えることで音色や音質に変化を付けて出力する。
【0029】
本実施形態の作用効果としては、外部音に基づく第1信号を検出する検出部と、第1信号が検出される第1時間間隔を算出する計時部と、第1時間間隔に基づき第2時間間隔を設定するリズム設定部と、第2時間間隔に応じて出力される信号を前記第1信号に付加し第2信号を生成するリズム付加部と、前記第2信号に基づく音を外部に出力する出力部と、を備えることにより、既存のリズムに対してユーザーが所望するリズムを任意に付加できる。
【0030】
また、リズム付加装置100が、所望の付加リズムを選択できる付加リズム選択部を備え、リズム設定部は、選択された付加リズムに基づき第1時間間隔を分割することで第2時間間隔を設定することにより、選択された付加リズムに対応した第1信号(四分音符など)とは異なる第2信号(2〜4連符、休符付き連符など)を設定できる。
【0031】
また、本実施形態において、第1信号はぜんまいを動力とした振子運動から得られる拍子に基づく信号であることにより、既存の機械式メトロノームにユーザーの所望するリズムを付加することができ、両方のリズムを合わせたリズムをユーザーが利用することができる。
【0032】
また、第2時間間隔は、第1時間間隔を等しい時間間隔に分割した時間間隔であり、第2信号は、第2時間間隔で発生する信号の一部を除く信号であることにより、休符付き連符を表現したリズムを出力できるので、バラエティに富んだリズムを表現できる。
【0033】
また、本実施形態において、第2信号を波形に変換する信号変換部を備え、信号変換部は、第2信号の中の第1信号に付加された信号を区別し、周波数、パルス幅、パルス数、および各パルスデューティ比の少なくとも1つにおいて、第1信号に基づく波形とは異なる波形として、当該区別された信号を変換することにより、出力部からの出力が複数の音質で構成されることになるため、ユーザーが既存のリズムと付加したリズムとを区別して認識することができるので、音楽練習が容易となる。
【0034】
また、本実施形態において、出力部は、波形の振幅を増幅する増幅部を有することにより、機械式メトロノームからの第1信号で音量が不足するときでも、第2信号が付加された音声は増幅されるので、多人数で利用する場合に有利である。
【0035】
また、ぜんまいを動力とした振子運動から得られる拍子を発する機械式メトロノームと、拍子に基づく第1信号を検出する検出部を有するリズム付加装置とを備えるメトロノームユニットを提供できる。
なお、本発明の実施形態は上述の形態に限定されず、発明趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0036】
1…センサー部
2…センサー信号波形成形部
3…タイマーA
4…計時部
5…リズム設定部
6…リズム選択部
7…タイマーB
8…リズム付加部
9…リズム選択スイッチ部
10…表示部
11…リズム信号増幅部
12…スピーカ
16…本体
17…信号変換部
18…音量調節部
20…検出部
30…制御部
40…出力部
100…リズム付加装置
200…機械式メトロノーム
300…メトロノームユニット
W1…テンポ信号
P1…第1信号
P2…第2信号
W2…変換信号