特許第6490568号(P6490568)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6490568
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20190318BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20190318BHJP
   G03G 21/20 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
   G03G15/08 220
   G03G21/14
   G03G21/20
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-231231(P2015-231231)
(22)【出願日】2015年11月27日
(65)【公開番号】特開2017-97245(P2017-97245A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2018年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】591044164
【氏名又は名称】株式会社沖データ
(74)【代理人】
【識別番号】100083840
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 敏治
【審査官】 松山 紗希
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−265431(JP,A)
【文献】 特開2012−098676(JP,A)
【文献】 特開2010−134407(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0131146(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 21/14
G03G 21/20
G03G 15/02
G03G 15/16
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
像担持体と、
前記像担持体に現像剤を供給して、前記像担持体に現像剤像を形成する現像ローラと、
前記現像ローラと接触し、前記現像ローラに現像剤を供給する供給ローラと、
前記画像形成装置の内部の温度を検出する第1の温度検出部と、
前記第1の温度検出部で検出される温度が予め定められた第1の閾値以上となった後に、前記第1の温度検出部で検出される温度が、前記第1の閾値よりも低い第2の閾値以下となった場合に、媒体に画像を形成することなく前記現像ローラを回転させる制御部と、を備えること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記像担持体、前記現像ローラ及び前記供給ローラを用いて媒体に画像を形成した後に、前記第1の温度検出部で検出される温度は、前記第1の閾値と比較されること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記像担持体、前記現像ローラ及び前記供給ローラを用いて媒体に画像を形成する前に、前記第1の温度検出部で検出される温度は、前記第2の閾値と比較されること
を特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置が設置されている部屋の温度を検出する第2の温度検出部をさらに備え、
前記第2の閾値は、前記第2の温度検出部で検出された温度であること
を特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記像担持体の回転数が多いほど、前記現像ローラを回転させる回数を増やすこと
を特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記像担持体の残りの寿命が少ないほど、前記現像ローラを回転させる回数を増やすこと
を特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2の閾値は、前記第1の閾値よりも低い予め定められた温度であること
を特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1の温度検出部で検出される温度と、前記第1の閾値との差分が大きいほど、前記現像ローラを回転させる回数を増やすこと
を特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1の温度検出部は、前記像担持体、前記現像ローラ及び前記供給ローラを含む現像装置の温度を検出すること
を特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1の温度検出部は、前記像担持体に接触する転写ベルトの温度を検出することで、前記現像装置の温度を検出すること
を特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、横筋の発生を防止する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、特許文献1に記載されている画像形成装置が使用されている。特許文献1に記載されている画像形成装置は、トナー規制部材の規制を受けて回転する現像ローラ上にトナー層を形成し、該トナー層のトナーを像担持体に供給し、該像担持体上にトナー画像を形成する。そして、この画像形成装置は、像担持体上に形成されるトナー画像をドット単位で計算するカウント手段と、計算値が所定の基準値以上であると、現像ローラに印加する電圧を変更する制御手段とを備えている。
【0003】
従来の画像形成装置は、トナー画像をドット単位で計算し、印刷Dutyが高いと、現像ローラに印加する電圧を調整して、現像ローラに供給するトナー量の増大を図る。現像ローラに供給するトナー量が増大すると、供給後のトナー層において厚さ寸法が低い個所にも十分にトナーが供給される。これにより、トナー規制部材の押圧によるエネルギーを多くのトナー粒子で受けることができ、このエネルギーを各トナー粒子で分散させて、各トナー粒子間の振動を抑え、振動による摩擦熱の発生を抑えることができる。このため、従来の画像形成装置は、トナー温度の上昇を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−39555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、昨今の接触現像方式の現像剤は、低温定着トナーに推移しており、従来技術によるトナー温度の抑制では、十分な効果が得られない場合がある。特に高温環境下で連続して印刷することにより温度が上昇したトナーは、要素部材が接触している部分において融着し、温度低下と共に固着するため、印刷された画像において、横筋が発生する問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、高温環境下で連続して画像形成を行った場合でも、横筋が発生しないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る画像形成装置は、媒体に画像を形成する画像形成装置であって、像担持体と、前記像担持体に現像剤を供給して、前記像担持体に現像剤像を形成する現像ローラと、前記現像ローラと接触し、前記現像ローラに現像剤を供給する供給ローラと、前記画像形成装置の内部の温度を検出する第1の温度検出部と、前記第1の温度検出部で検出される温度が予め定められた第1の閾値以上となった後に、前記第1の温度検出部で検出される温度が、前記第1の閾値よりも低い第2の閾値以下となった場合に、媒体に画像を形成することなく前記現像ローラを回転させる制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、高温環境下で連続して画像形成を行った場合でも、横筋が発生しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1〜3に係るプリンタの構成を概略的に示す断面図である。
図2】実施の形態1〜3における現像装置の構成を概略的に示す断面図である。
図3】実施の形態1〜3におけるプリンタの制御系の構成を概略的に示すブロック図である。
図4】実施の形態1〜3における印刷面に発生する横筋を説明する概略図である。
図5】実施の形態1〜3における温度と横筋の関係を示した表である。
図6】実施の形態1に係るプリンタの動作を示すフローチャートである。
図7】実施の形態2に係るプリンタの動作を示すフローチャートである。
図8】実施の形態3に係るプリンタの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る画像形成装置としてのプリンタ100の構成を概略的に示す断面図である。
プリンタ100は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各現像剤であるトナーに対応して、現像剤収容体としてのトナーカートリッジ101K、101C、101M、101Y(以下、各々を特に区別する必要がない場合には、トナーカートリッジ101という)と、現像装置110K、110C、110M、110Y(以下、各々を特に区別する必要がない場合には、現像装置110という)と、転写ローラ120K、120C、120M、120Y(以下、各々を特に区別する必要がない場合には、転写ローラ120という)と、露光ユニットとしてのLED(Light Emitting Diode)ヘッド121K,121C、121M、121Y(以下、各々を特に区別する必要がない場合には、LEDヘッド121という)とを備える。また、プリンタ100は、給紙カセット122と、定着ユニット123と、用紙搬送経路124とを備える。
【0011】
トナーカートリッジ101は、各色の現像剤としてのトナーを収容する。
現像装置110は、トナー像を形成する。現像装置110は、媒体としての用紙の給紙側から排出側にかけての用紙搬送経路124に沿って、図1に示されている矢印Z方向に順次配設されている。現像装置110K、110C、110M、110Yは、現像するトナーの色のみが異なり、他のベース構成は同一である。
【0012】
図2は、現像装置110の構成を概略的に示す断面図である。
現像装置110は、像坦持体としての感光ドラム111と、帯電部材としての帯電ローラ112と、現像部材としての現像ローラ113と、現像剤層厚規制部材としての現像ブレード114と、供給部材としての供給ローラ115と、現像剤除去部材としてのクリーニングブレード116と、搬送部117とを備える。
【0013】
感光ドラム111は、像を担持する像担持体である。感光ドラム111は、導電性支持体と光導電層とによって構成される有機系感光体である。導電性支持体は、アルミニウム等の金属パイプに、ブロッキング層が形成されている。光導電層は、電荷発生層及び電荷輸送層が順次積層されている。
【0014】
帯電ローラ112は、感光ドラム111表面を均一に帯電させる。帯電ローラ112は、金属シャフトと、エピクロルヒドリンゴム等の半導電性ゴム層とによって構成されている。また、帯電ローラ112は、感光ドラム111と所定の圧接量をもって当接しており、感光ドラム111の回転により従動回転する。
【0015】
現像ローラ113は、トナーを感光ドラム111に供給して、感光ドラム111に現像剤像であるトナー像を現像する。現像ローラ113は、金属シャフトと半導電性ウレタンゴム層とによって構成されている。現像ローラ113は、感光ドラム111と所定の圧接量をもって当接しており、感光ドラム111の回転に対して、回転軸周りの回転方向が反対方向に所定の周速比をもって回転する。
【0016】
現像ブレード114は、現像ローラ113に供給されたトナーの層厚を規制する。現像ブレード114は、例えば、厚さ0.08mmで、現像ローラ113の長手方向の長さと略同じ長さを有し、トナーの層厚を規制する金属薄板部材である。現像ブレード114の長手方向の一端側は図示せぬフレームに固定され、他端側はその先端部から僅かに内側の部分が現像ローラ113と当接するように配置されている。
【0017】
供給ローラ115は、現像ローラ113にトナーを供給する。供給ローラ115は、金属製シャフトと、半導電性発泡シリコーンスポンジ層とによって構成されている。供給ローラ115は、現像ローラ113と所定の圧接量をもって当接しており、現像ローラ113の回転に対して、当接部でカウンタ方向に所定の周速比を持って回転する。
【0018】
クリーニングブレード116は、用紙に転写されなかった、感光ドラム111上に残留する残留トナーを除去する清掃手段である。クリーニングブレード116は、例えば、その一端が感光ドラム111と所定の圧接量をもって当接する位置に配置されたウレタンゴム部材である。
【0019】
搬送部117は、クリーニングブレード116により除去された残留トナーを廃棄トナーとして搬送する搬送手段である。搬送部117は、クリーニングブレード116により除去された残留トナー及び付着物を廃棄トナーとして、感光ドラム111の回転軸方向手前側に向けて搬送する。その後、廃棄トナーは、図1に示されている、廃棄トナー収集路125を通って、廃棄トナー回収部126へ回収される。
【0020】
なお、トナーカートリッジ101及び現像装置110は、いずれもプリンタ100における交換ユニットである。従って、収容するトナーが消費された場合又は構成部品が劣化した場合等に、これらを交換することが可能である。
【0021】
図1に示されている転写ローラ120は、感光ドラム111に対向した位置に配置されており、転写ベルト127で搬送されてきた用紙に、感光ドラム111に形成されたトナー像を転写する。転写ベルト127は、用紙を静電吸着して搬送する。転写ベルト127は、後述する駆動モータから動力を得て回転する図示せぬドライブローラと、このドライブローラと対を成す図示せぬテンションローラとに掛け渡されている。
【0022】
LEDヘッド121は、感光ドラム111の表面に光を照射して静電潜像を形成させる。LEDヘッド121は、例えば、発光素子としてのLEDと、レンズアレイとを備える。
【0023】
給紙カセット122は、用紙Pを収容する。給紙カセット122は、内部に用紙Pを積層した状態で収容し、プリンタ100の下部に着脱自在に装着されている。なお、給紙カセット122の上部には用紙Pを1枚ずつ捌いて繰り出すホッピングローラ等を備えた図示せぬ用紙給紙部が配置されている。
【0024】
定着ユニット123は、転写ローラ120により用紙Pに転写されたトナー像を定着させる。定着ユニット123は、用紙搬送経路124の下流側に配設され、加熱ローラ123a、加圧ローラ123b、図示せぬサーミスタ及び図示せぬ加熱ヒータを備える。加熱ローラ123aは、例えば、アルミニウム等からなる中空円筒状の芯金にシリコンゴムの耐熱弾性層を被覆し、その上にPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロルアルキルビニルエーテル共重合体)チューブを被覆することによって形成されている。そして、その芯金内には、例えば、ハロゲンランプ等の加熱ヒータが設けられている。加圧ローラ123bは、例えば、アルミニウム等からなる芯金にシリコンゴムの耐熱弾性層を被覆し、その上にPFAチューブを被覆した構成であり、加熱ローラ123aとの間に圧接する部分が形成されるように配設されている。サーミスタは、加熱ローラ123aの表面温度を検出する。サーミスタは、加熱ローラ123aの近傍に非接触で配設される。
【0025】
用紙搬送経路124は、プリンタ100のロワーフレームに対して概ねS字状に形成されている。
【0026】
図1に示されているように、プリンタ100は、装置内温度検出部としての第1の温度センサ128と、室温検出部としての第2の温度センサ129とを備えている。
第1の温度センサ128は、プリンタ100の内部の温度を検出する第1の温度検出部である。ここでは、第1の温度センサ128は、転写ベルト127に接触されていて、転写ベルト127の温度を検出することで、現像装置110(の内部)の温度を検出する。
第2の温度センサ129は、図示しないOP(オペレーションパネル)内に搭載されており、プリンタ100が設置されている部屋の温度を検出する第2の温度検出部である。
【0027】
図3は、プリンタ100の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。
プリンタ100は、制御部130と、通信インターフェイス(以下、通信I/Fという)140と、インターフェイス制御部(以下、I/F制御部という)141と、受信メモリ142と、画像データ編集メモリ143と、操作部144と、センサ群145とを備える。
【0028】
制御部130は、プリンタ100での処理を制御する。例えば、制御部130は、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポート及びタイマ等によって構成される。制御部130は、図示されない上位装置から、通信I/F140及びI/F制御部141を介して、印刷データ(画像形成データ)及び制御コマンドを受信して、プリンタ100の全体のシーケンスを制御し印刷動作(画像形成データ)を行う。
【0029】
制御部130は、ドラムカウンタ131と、算出部132と、記憶部133とを備える。
ドラムカウンタ131は、印刷動作中に回転した感光ドラム111の回転数をカウントする。
【0030】
算出部132は、センサ群145から読み取った温度又はドラムカウンタ131の回転数を基に算術を行い、回転フラグ発生の有無を決定する。
例えば、算出部132は、第1の温度センサ128で検出される温度が、予め定められた第1の閾値以上である第1の条件が満たされると、回転フラグを発生させる。
そして、算出部132は、回転フラグを発生させた後に、第1の温度センサ128で検出される温度が、第1の閾値よりも低い第2の閾値以下となる第2の条件が満たされた場合に、媒体に画像を形成することなく現像ローラ113を回転させる。
【0031】
なお、算出部132は、感光ドラム111、現像ローラ113及び供給ローラ115を用いて媒体に画像を形成した後に、第1の条件が満たされるか否かを判断することが望ましい。
また、算出部132は、例えば、感光ドラム111、現像ローラ113及び供給ローラ115を用いて媒体に画像を形成する前に、第2の条件が満たされるか否かを判断することが望ましい。
具体的には、算出部132は、第1の印刷データに基づいて、媒体に画像を形成した後に、第1の条件が満たされるか否かを判断し、第1の印刷データの後に処理される第2の印刷データに基づいて、媒体に画像を形成する前に、第2の条件が満たされるか否かを判断することが望ましい。
ここで、第1の閾値は、予め定められた温度である。また、第2の閾値は、第1の閾値よりも低い温度であり、第2の温度センサ129で検出される室温でもよく、また、予め定められた温度でもよい。
【0032】
記憶部133は、制御部130での処理に必要なプログラム及びデータを記憶する。例えば、記憶部133は、算出部132で発生された回転フラグを記憶する。また、記憶部133は、ドラムカウンタ131でカウントされたカウント値を記憶してもよい。
【0033】
通信I/F140は、図示されない上位装置と通信を行い、印刷データ及び制御コマンドを受信する。
I/F制御部141は、通信I/F140を制御する。例えば、I/F制御部141は、通信I/F140で受信された印刷データを受信メモリ142に一時的に記憶させるとともに、通信I/F140で受信された制御コマンドを制御部130に与える。
なお、通信I/F140及びI/F制御部141により、図示しない上位装置等の他の情報処理装置と通信を行う通信部が構成される。
この通信部は、NIC(Netword Interface Card)により実現することができる。
【0034】
受信メモリ142は、図示しない上位装置から、通信I/F140及びI/F制御部141を介して受信された印刷データを一時的に記憶する。
画像データ編集メモリ143は、受信メモリ142に記憶された印刷データを受け取るとともに、その印刷データを編集処理することによって形成された画像データを記憶する。
【0035】
操作部144は、プリンタ100の状態を表示するためのLED等の表示部及びプリンタ100に操作者からの指示を与えるためのスイッチ等の入力部を備える。
センサ群145は、プリンタ100の動作状態を監視するための各種のセンサである。センサ群145は、例えば用紙位置検出センサ、温湿度センサ及び濃度センサ等からなる。なお、センサ群145には、上述した第1の温度センサ128及び第2の温度センサ129が含まれる。
【0036】
また、プリンタ100は、帯電ローラ用電源150と、現像ローラ用電源151と、供給ローラ用電源152と、転写ローラ用電源153と、ヒューズ用電源154と、ヘッド駆動制御部155と、定着制御部156と、搬送モータ制御部157と、駆動制御部158とを備える。なお、これらは、制御部130により制御される。
【0037】
帯電ローラ用電源150は、制御部130の指示によって帯電ローラ112に電圧を印加し、感光ドラム111の表面を帯電させる。
現像ローラ用電源151は、感光ドラム111の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させるために現像ローラ113に所定の電圧を印加する。
供給ローラ用電源152は、現像ローラ113にトナーを供給するために、供給ローラ115に所定の電圧を印加する。
転写ローラ用電源153は、感光ドラム111に形成されたトナー像を記録用の煤体である用紙Pに転写するために、転写ローラ120に所定の電圧を印加する。
なお、帯電ローラ用電源150、現像ローラ用電源151及び供給ローラ用電源152は、制御部130の指示によって電圧を変更することができるようになっている。
【0038】
ヒューズ用電源154は、現像装置110が未使用品か否かを判別するヒューズ160に電流を流す。
ヘッド駆動制御部155は、画像データ編集メモリ143に記憶された画像データをLEDヘッド121に送り、そのLEDヘッド121を駆動する。
定着制御部156は、転写されたトナー像を用紙Pに定着するために、定着手段としての定着ユニット123に電圧を印加する。
搬送モータ制御部157は、用紙Pを搬送するための用紙搬送モータ161の制御を行う。搬送モータ制御部157は、制御部130の指示によって所定のタイミングで用紙Pを搬送したり、停止させたりする。
駆動制御部158は、感光ドラム111を動作させるための駆動モータ162を駆動する。駆動制御部158によって駆動モータ162が駆動されると、図2に示されるように、感光ドラム111が矢印方向に回転するとともに、帯電ローラ112、現像ローラ113及び供給ローラ115がそれぞれ矢印方向に回転する。従って、駆動制御部158及び駆動モータ162は、現像ローラ113を回転させる駆動部163として機能する。なお、駆動制御部158は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート及びタイマ等によって構成される。
【0039】
次に、プリンタでの動作について説明する。
プリンタ100では、制御部130が、通信I/F140及びI/F制御部141を介して、印刷データを受信することにより、プリンタ100全体のシーケンスを制御して印刷動作を行う。
【0040】
印刷データ受信後に、現像装置110では、駆動制御部158により駆動モータ162が回転され、トナーカートリッジ101よりトナーが補充される。また、搬送モータ制御部157が用紙搬送モータ161を駆動させることで、給紙カセット122内の用紙Pが図1の矢印X方向に給紙される。この用紙Pは、用紙搬送経路124に沿って、図1の矢印Z方向に搬送される。
【0041】
搬送された用紙Pは、現像装置110K、110C、110M、110Yの下を順次通過し、感光ドラム111K、111C、111M、111Y上に形成されたトナー像が転写ローラ120K、120C、120M、120Yにより転写され、定着ユニット123にて定着後、プリンタ100外へ排出される。
【0042】
現像装置110K、110C、110M、110Y単体での基本動作は同一であるため、以下一つの現像装置110に関して説明する。
感光ドラム111の表面は、帯電ローラ112により一様均一に帯電され、LEDヘッド121が照射する光により静電潜像が形成される。
帯電ローラ112には、トナーと同極性のバイアス電圧を印加する帯電ローラ用電源150が接続されており、帯電ローラ用電源150から印加されたバイアス電圧により、感光ドラム111の表面は、一様均一に帯電される。
【0043】
現像ローラ113には、トナーと同極性及び逆極性の何れかのバイアス電圧を印加する現像ローラ用電源151が接続されており、現像ローラ用電源151から印加されたバイアス電圧によって、帯電されたトナーが感光ドラム111上の静電潜像に付着する。
現像ブレード114には、トナーと同極性及び逆極性の何れかのバイアス電圧を印加する現像ローラ用電源151又は供給ローラ用電源152が接続されており、印加されたバイアス電圧及び当接圧によって現像ローラ113上のトナーが帯電及び層規制される。
【0044】
供給ローラ115には、トナーと同極性及び逆極性の何れかのバイアス電圧を印加する供給ローラ用電源152が接続されており、供給ローラ用電源152から印加されたバイアス電圧によって、トナーカートリッジ101から補充されたトナーが現像ローラ113に供給される。また、供給ローラ115は、現像ローラ113との当接摩擦力によりトナーを帯電し、また、現像ローラ113上の未現像トナーを掻きとる。
【0045】
クリーニングブレード116は、感光ドラム111の表面上に残留するトナーを掻き取ることで、感光ドラム111の表面をクリーニングする。また、微量ではあるが転写ベルト127から感光ドラム111の表面に付着した付着物もクリーニングする。
搬送部117は、クリーニングブレード116により除去された残留トナー及び付着物を廃棄トナーとして搬送する。搬送部117によって搬送された廃棄トナーは、図1に示されている、廃棄トナー収集路125を通って、廃棄トナー回収部126まで搬送される。
【0046】
図2に示されているように、トナーカートリッジ101内には、攪拌供給機構102が存在し、未使用のトナーを現像装置110に補充する。
【0047】
転写ローラ120には、トナーと逆極性のバイアス電圧を印加する転写ローラ用電源153が接続されており、転写ローラ用電源153から印加されたバイアス電圧により、感光ドラム111に形成されたトナー像を用紙Pに転写する。
LEDヘッド121は、入力された画像データに基づいて、ヘッド駆動制御部155により制御されて、感光ドラム111の表面に光を照射し、光照射部分の電位を光減衰させて静電潜像を形成する。
【0048】
給紙カセット122内部から矢印X方向に給紙された用紙Pは、図示せぬ搬送ローラによって現像装置110下に搬送される。
定着ユニット123では、サーミスタにより検出された加熱ローラ123aの表面温度に基づき、定着制御部156が加熱ヒータを制御することで、加熱ローラ123aの表面温度は、所定の温度に維持される。トナー像が転写された用紙Pが所定の温度に維持された加熱ローラ123aと加圧ローラ123bとから形成される圧接部分を通過することで、熱及び圧力が付与され、用紙Pにトナー像が定着される。
【0049】
ところで、プリンタ100で連続印刷(画像形成)を行った後、プリンタ100を放置しておくと、放置明けの動作開始直後の印刷面(画像形成面)に横筋が発生するという問題がある。まず、横筋に関して説明する。
【0050】
図4は、印刷面に発生する横筋を説明する概略図である。
図4に示されているように、横筋は、用紙Pの印刷面PSに周期的に発生するスジL1〜L7である。スジL1〜L7の周期は、主に現像ローラ113が回転する周期で発生する。
【0051】
図2に示されている現像装置110内のトナーは、連続印刷で多大なストレスを受けている。特に、現像装置110の部材間の接圧部分では、接触帯電による摩擦熱でトナーが溶けやすい状態になっている。スジL1〜L7は、そのトナーが融着し、温度低下とともに部材に固着したものである。現像ローラ113の回転周期で発生するスジL1〜L7は、現像ローラ113と感光ドラム111との接圧部分で最も強く発生し、次いで、現像ブレード114との接圧部分、供給ローラ115との接圧部分の順番で強く発生する。
【0052】
また、横筋は、印刷毎に発生するものではなく、ある一定の環境下で発生する。その環境は、以下に示す二つの条件がともに満たされた場合である。
一つ目の条件は、現像装置110内の温度が上昇し、プリンタ100としては高温環境下で連続印刷を行ったことである。
二つ目の条件は、温度が上昇した現像装置110が稼動せずに一定期間放置され、その温度が低下することである。
現像装置110の温度が上昇した状態で印字を続けている場合、あるいは現像装置110の温度が低下した状態単独では、横筋は発生せず、あくまで高温上昇からの低下といった二つの条件が組み合わさって発生する。
【0053】
図5は、温度と横筋の関係を示した表である。
図5に示されているベルト温度は、転写ベルト127の温度で第1の温度センサ128から読み取られた値である。ここでの値は、連続印刷後に、現像装置110が温度上昇した時の転写ベルト127の温度である。実施の形態1では、転写ベルト127温度をセンシングしているが、現像装置110内の温度が判別出来ればこれに限られるものではない。現像装置110に含まれる特定の部分に第1の温度センサ128が取り付けられていてもよく、現像装置110に含まれる特定の部分に接触する他の部分に第1の温度センサ128が取り付けられていてもよい。
【0054】
図5にプロットされている「○」及び「×」は、横筋の発生有無を表している。「○」が印刷面に横筋が発生しなかったことを示し、「×」が印刷面に横筋が発生したことを示す。
そして、上昇した現像装置110内の温度が室温に戻った状態で印刷を行うことで、この横筋の発生の有無の判定を行っている。
【0055】
図5に示されている表から分かるように、横筋は、連続印刷後(放置前)の転写ベルト127の温度がある一定値以上になると発生している。その時の温度を閾値T1(第1の閾値)とすると、この例では、T1=35℃となる。
この例での現像装置110内の温度、特に、現像ローラ113の表面の温度は、転写ベルト127の温度プラス10℃で推移しているので、閾値T1時の現像ローラ113表面の温度は、約45℃である。
トナー単体のガラス転移温度は45℃より高く、単体で溶けることはないが、現像ローラ113と接圧した部材間にあり、ストレスを受けたトナーは、その部材間の圧力と、現像ローラ113の表面近傍の蓄熱で融着しやすい状態となる。このため、トナーは、現像ローラ113の外周に固着すると考えられる。ここで求められた閾値温度T1は、実験的に求められるものであり、また、トナー単体のガラス転移温度マイナス5℃〜20℃が目安となる。
【0056】
図6は、実施の形態1に係るプリンタ100の動作を示すフローチャートである。
まず、プリンタ100の動作をスタートして、通信I/F140が印刷データを受信する(S10)。受信された印刷データは、I/F制御部141を介して、受信メモリ142に送られ、さらに、制御部130にて処理されて画像データとして画像データ編集メモリ143に格納される。
【0057】
算出部132は、記憶部133に回転フラグが記憶されているか否かを判断する(S11)。回転フラグが記憶されている場合(S11でYES)には、処理はステップS12に進み、回転フラグが記憶されていない場合(S11でNO)には、処理はステップS15に進む。
【0058】
ステップS12では、算出部132は、第1の温度センサ128により検出される、転写ベルト127の温度Taが、第2の温度センサ129により検出される室温以下か否かを判断する。この温度Taが室温以下である場合(S12でYES)には、処理はステップS13に進み、この温度Taが室温より高ければ、処理はステップS15に進む。
【0059】
ステップS13では、算出部132は、駆動制御部158に指示することで、現像装置110の空回転動作を行う。空回転動作は、印刷(画像形成)を行わずに、現像装置110を回転させるものである。空回転動作では、少なくとも、現像ローラ113が供給ローラ115と圧接した状態で、回転すればよい。なお、感光ドラムユニットが分離タイプの場合は、現像ユニットだけが回転すればよい。空回転動作の目的は、発生した横筋を印刷前に消失することである。現像ローラ113の外周部に固着したトナーは、供給ローラ115がカウンタ方向に圧接回転することで掻き落とすことができる。
【0060】
なお、空回転動作では、帯電ローラ112、現像ローラ113、供給ローラ115及び転写ローラ120への電圧は印加してもしなくてもよい。ここでは、帯電ローラ112には、−900V〜−1200Vの電圧(実施の形態1では、−1030V)が印加され、現像ローラ113には、−100V〜−500Vの電圧(実施の形態1では、−125V)が印加され、供給ローラ115には、−100V〜−500Vの電圧(実施の形態1では、−240V)が印加され、及び、転写ローラ120には、1000V〜4000Vの電圧(実施の形態1では、2300V)が印加されている。
また、感光ドラム111への電圧の印加も任意である。
【0061】
次に、算出部132は、記憶部133に記憶されている回転フラグを削除する(S14)。そして、処理はステップS15に進む。
【0062】
ステップS15では、制御部130は、プリンタ100の各部を制御して、印刷(画像形成)を実行する。
そして、算出部132は、再度、記憶部133に回転フラグが記憶されているか否かを判断する(S16)。回転フラグが記憶されている場合(S16でYES)には、処理は終了する。回転フラグが記憶されていない場合(S16でNO)には、処理はステップS17に進む。
【0063】
ステップS17では、算出部132は、第1の温度センサ128により検出される、転写ベルト127の温度Taが、予め定められた閾値T1℃以上であるか否かを判断する。温度TaがT1℃以上である場合(S17でYES)には、処理はステップS18に進み、温度TaがT1℃未満である場合(S17でNO)には、処理は終了する。
【0064】
ステップS18では、算出部132は、記憶部133に回転フラグを記憶させる。そして、処理は終了し、その後、処理はステップS10に戻る。
【0065】
実施の形態1によれば、プリンタ100は、連続印刷で上昇した現像装置110内の温度を転写ベルト127で読み取り、設けた閾値温度で回転フラグを発生させる。そして、プリンタ100は、回転フラグに基づいて、横筋が発生する条件下で、次JOBの印刷前に現像装置110を空回転させる。これにより、現像ローラ113外周部に固着したトナーを供給ローラ115が掻き落とし、印刷前に横筋を消失することができる。結果、高温環境下又は連続耐久印刷後においても、良好な画像を得ることができる。なお、1度、回転フラグが記憶された場合には、算出部132は、第1の温度センサ128で検出された温度が室温以下となるまで、ジョブが受信される度に、第1の温度センサ128で検出された温度が室温以下となったか否かを判断する。
【0066】
実施の形態2.
図1に示されているように、実施の形態2に係るプリンタ200は、実施の形態1に係るプリンタ100と同様に構成されている。
図3に示されているように、実施の形態2に係るプリンタ200は、制御部230と、通信I/F140と、I/F制御部141と、受信メモリ142と、画像データ編集メモリ143と、操作部144と、センサ群145とを備える。実施の形態2に係るプリンタ200は、制御部230での処理を除いて、実施の形態1に係るプリンタ100と同様に構成されている。
【0067】
制御部230は、ドラムカウンタ131と、算出部232と、記憶部133とを備える。実施の形態2における制御部230は、算出部232での処理を除いて、実施の形態1における制御部130と同様に構成されている。
【0068】
算出部232は、センサ群145から読み取った温度又はドラムカウンタ131の回転数を基に算術を行い、回転フラグ発生の有無を決定する。
実施の形態2における算出部232は、第1の温度センサ128で検出される温度が、予め定められた閾値T1から低下すればするほど、言い換えると、第1の温度センサ128で検出される温度と、閾値T1との差分が大きいほど、現像装置110の空回転動作の回数が多くなるように、現像装置110を制御する。
【0069】
図7は、実施の形態2に係るプリンタ100の動作を示すフローチャートである。
図7において、図6のフローチャートの処理と同様の処理については、図6と同様の符号が付されている。
【0070】
図7のステップS10及びステップS11の処理は、図6のステップS10及びステップS11の処理と同様である。但し、図7では、ステップS11において、回転フラグが記憶されていると判断された場合(S11でYES)には、処理はステップS22に進む。
【0071】
ステップS22では、算出部232は、第1の温度センサ128により検出される、転写ベルト127の温度Taを取得して、この温度Taの、予め定められた閾値T1からの低下の程度(差分)を算出する。
そして、算出部232は、この低下の程度が、予め定められた閾値(ここでは、3℃)未満である場合には、処理はステップS15に進む。なお、閾値T1は、予め定められた温度であるため、ここでは、算出部232は、転写ベルト127の温度Taが、予め定められた温度(閾値T1−3℃)以下であるか否かを判断していることとなる。
【0072】
一方、算出部232は、この低下の程度が、予め定められた閾値以上である場合には、低下の程度が大きいほど、現像装置110の空回転動作の回数が多くなるように、現像装置110を制御する。例えば、算出部232は、この低下の程度が、3℃以上、かつ、6℃未満である場合には、処理をステップS23−1に進める。また、算出部232は、この低下の程度が、6℃以上、かつ、9℃未満である場合には、処理をステップS23−2に進める。さらに、算出部232は、この低下の程度が、9℃以上である場合には、処理をステップS23−3に進める。
【0073】
ステップS23−1では、算出部232は、駆動制御部158に指示することで、現像装置110に予め定められたサイズの媒体(ここでは、A4)の縦方向1枚分の空回転動作を行わせる。そして、処理はステップS14に進む。
ステップS23−2では、算出部232は、駆動制御部158に指示することで、現像装置110に予め定められたサイズの媒体(ここでは、A4)の縦方向2枚分の空回転動作を行わせる。そして、処理はステップS14に進む。
ステップS23−3では、算出部232は、駆動制御部158に指示することで、現像装置110に予め定められたサイズの媒体(ここでは、A4)の縦方向3枚分の空回転動作を行わせる。そして、処理はステップS14に進む。
【0074】
前述したように横筋は、温度上昇と下降の組み合わせで発生しており、上昇後次動作までの温度差が大きい程、現像ローラ113にトナーが固着しやすいため、消失させるまでに必要な回転動作回数が多くなる。このため、実施の形態2では、この温度差に応じて、現像装置110の回転動作の回数を変えている。
【0075】
図7のステップS14〜ステップS18の処理は、図6のステップS14〜ステップS18の処理と同様である。
【0076】
実施の形態2によれば、回転フラグが発生する閾値温度T1と、回転フラグ発生後次JOBの転写ベルト127温度Taとの差分を算出し、その値により現像装置110の空回転回数を決定する。これにより、プリンタ200は、トナー固着スジを消失するのに必要な最低限の回転回数を、現像ローラ113に行わせることができる。
【0077】
実施の形態3.
図1に示されているように、実施の形態3に係るプリンタ300は、実施の形態1に係るプリンタ100と同様に構成されている。
図3に示されているように、実施の形態3に係るプリンタ200は、制御部330と、通信I/F140と、I/F制御部141と、受信メモリ142と、画像データ編集メモリ143と、操作部144と、センサ群145とを備える。実施の形態3に係るプリンタ300は、制御部330での処理を除いて、実施の形態1に係るプリンタ100と同様に構成されている。
【0078】
制御部330は、ドラムカウンタ131と、算出部332と、記憶部133とを備える。実施の形態3における制御部330は、算出部332での処理を除いて、実施の形態1における制御部130と同様に構成されている。
【0079】
算出部332は、センサ群145から読み取った温度又はドラムカウンタ131の回転数を基に算術を行い、回転フラグ発生の有無を決定する。
実施の形態3における算出部332は、感光ドラム111の回転数が多いほど、現像装置110の空回転動作の回数が多くなるように、現像装置110を制御する。ここで、感光ドラム111の回転数が多いほど、感光ドラム111の残りの寿命が短くなるため、感光ドラム111の残りの寿命が短くなるほど、現像装置110の空回転動作の回数が多くなる。
【0080】
図8は、実施の形態3に係るプリンタ300の動作を示すフローチャートである。
図8において、図6のフローチャートの処理と同様の処理については、図6と同様の符号が付されている。
【0081】
図8のステップS10〜ステップS12の処理は、図6のステップS10〜ステップS12の処理と同様である。但し、図8では、温度Taが室温以下である場合(S12でYES)には、処理はステップS32に進む。
【0082】
ステップS32では、算出部332は、ドラムカウンタ131からカウント値を取得する。
そして、算出部332は、取得されたカウント値が大きいほど、現像装置110の空回転動作の回数が多くなるように、現像装置110を制御する。例えば、算出部232は、このカウント値が10,000未満である場合には、処理をステップS33−1に進める。また、算出部332は、このカウント値が、10,000以上、かつ、20,000未満である場合には、処理をステップS33−2に進める。さらに、算出部332は、このカウント値が20,000以上である場合には、処理をステップS33−3に進める。
【0083】
ステップS33−1では、算出部332は、駆動制御部158に指示することで、現像装置110に予め定められたサイズの媒体(ここでは、A4)の縦方向1枚分の空回転動作を行わせる。そして、処理はステップS14に進む。
ステップS33−2では、算出部332は、駆動制御部158に指示することで、現像装置110に予め定められたサイズの媒体(ここでは、A4)の縦方向2枚分の空回転動作を行わせる。そして、処理はステップS14に進む。
ステップS33−3では、算出部332は、駆動制御部158に指示することで、現像装置110に予め定められたサイズの媒体(ここでは、A4)の縦方向3枚分の空回転動作を行わせる。そして、処理はステップS14に進む。
【0084】
カウント値が大きくなるほど現像装置110の空回転回数も多くなるが、これはカウント値が大きくなるほどトナーが劣化し、劣化したトナーほど現像ローラ113に固着しやすいため、消失するのに必要な空回転回数が多くなるからである。このため、実施の形態3では、このカウント値に応じて、現像装置110の回転動作の回数を変えている。
【0085】
図8のステップS14〜ステップS18の処理は、図6のステップS14〜ステップS18の処理と同様である。
【0086】
実施の形態3によれば、回転フラグ実行時の現像装置110空回転回数をドラムカウンタ131の値から決定することで、トナー固着スジを消失するのに必要な空回転を余剰に回すことなく、消失に必要な最低限の回転回数で行うことができる。
【0087】
以上に記載した実施の形態1〜3では、画像形成装置の例としてプリンタ100〜300を用いて説明したが、画像形成装置は、MFP(Multi Function Printer)、ファクシミリ又は複写装置等の装置であってもよい。
【符号の説明】
【0088】
100,200,300 プリンタ、 101 トナーカートリッジ、 110 現像装置、 111 感光ドラム、 112 帯電ローラ、 113 現像ローラ、 114 現像ブレード、 115 供給ローラ、 116 クリーニングブレード、 117 搬送部、 120 転写ローラ、 121 LEDヘッド、 122 給紙カセット、 123 定着ユニット、 124 用紙搬送経路、 130,230,330 制御部、 131 ドラムカウンタ、 132,232,332 算出部、 133 記憶部、 140 通信I/F、 141 I/F制御部、 142 受信メモリ、 143 画像データ編集メモリ、 144 操作部、 145 センサ群、 150 帯電ローラ用電源、 151 現像ローラ用電源、 152 供給ローラ用電源、 153 転写ローラ用電源、 154 ヒューズ用電源、 155 ヘッド駆動制御部、 156 定着制御部、 157 搬送モータ制御部、 158 駆動制御部、 163 駆動部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8