(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6490722
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】スライドレールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A47B 88/57 20170101AFI20190318BHJP
【FI】
A47B88/16 G
A47B88/16 D
【請求項の数】17
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-3771(P2017-3771)
(22)【出願日】2017年1月13日
(65)【公開番号】特開2018-15525(P2018-15525A)
(43)【公開日】2018年2月1日
【審査請求日】2017年1月13日
(31)【優先権主張番号】105124374
(32)【優先日】2016年7月29日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】翁 宗憲
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【審査官】
大谷 純
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−057567(JP,A)
【文献】
米国特許第8240789(US,B2)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0164644(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0308297(US,A1)
【文献】
米国特許第05484197(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0208802(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0174104(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00−88/994
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のレールと、
前記第1のレールに対して第1の位置と第2の位置との間で可動な第2のレールと、
前記第2のレールに対して可動な第3のレールと、
第1の状態又は第2の状態になるように構成されたロック機構であって、該ロック機構が第1の状態にある場合、該ロック機構は、前記第2のレールが前記第1のレールに対して第2の位置から第1の位置の方に動くのを防止するように構成されている、ロック機構と、
前記第2のレールを前記第1のレールに対して前記第2の位置から前記第1の位置の方に動かすことができるようにするために、前記ロック機構を第1の状態から第2の状態に切り替えるため手動で操作されるように構成された操作部材と、
を含み、
前記第2のレールは前記第1のレールの方を向く第1の側と、該第1の側の反対側であり且つ前記第3のレールの側を向く第2の側とを有し、前記操作部材は前記第2のレールの第1の側に位置し、
前記第2のレールは伸長孔をさらに有し、前記操作部材は該伸長孔を貫通するとともに前記第2のレールの第2の側に位置する補助機構を含む、スライドレールアセンブリ。
【請求項2】
前記ロック機構は前記第2のレールに可動に取り付けられるロック部材と、該ロック部材に弾性力を提供するように構成された弾性部材とを含む、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項3】
前記ロック部材を前記第2のレールに枢結するよう構成された枢動部材をさらに含み、前記第1のレールはブロック機構を含み、前記ロック部材が第1の状態にある場合、前記ロック部材は前記ブロック機構をロックするように構成されている、請求項2に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項4】
前記操作部材は前記第2のレールに可動に取り付けられている、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項5】
前記補助機構は、前記操作部材が手動で操作されることに反応して前記ロック機構を駆動し第1の状態から第2の状態に切り替えるように構成されている、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項6】
前記操作部材は細長い孔を有し、前記スライドレールアセンブリは支持部材をさらに含み、該支持部材は、前記操作部材を前記第2のレールに取り付けるために前記細長い孔の一部を貫通する、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項7】
前記第2のレールは当接機構を含み、前記スライドレールアセンブリは解除機構をさらに含み、該解除機構は前記第3のレールに配置されるリンク部材を含み、該リンク部材が第1のリンク状態にある場合、該リンク部材は前記当接機構と当接する位置にあり、前記リンク部材が第2のリンク状態にある場合、該リンク部材は前記当接機構と当接しない位置にある、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項8】
前記解除機構は前記リンク部材に連結される解除部材をさらに含み、前記リンク部材は前記解除部材の操作に反応して第1のリンク状態から第2のリンク状態に切り替わるように構成されている、請求項7に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項9】
第1のレールと、
前記第1のレールに対して引っ込め位置と伸長位置との間で可動な第2のレールと、
前記第2のレールに対して可動な第3のレールと、
前記第2のレールに取り付けられるロック部材であって、該ロック部材は、前記第2のレールが伸長位置に位置している場合に、前記第2のレールが前記第1のレールに対して伸長位置から引っ込め位置の方に動くことができないように前記第1のレールの一部をロックするように構成されている、ロック部材と、
前記第1のレールの前記一部を前記ロック部材からロック解除するために手動で操作されるように構成された操作部材と、
を含み、
前記第2のレールは前記第1のレールの方を向く第1の側と、該第1の側の反対側であり且つ前記第3のレールの側を向く第2の側とを有し、前記操作部材は前記第2のレールの第1の側に位置し、
前記第2のレールは伸長孔をさらに有し、前記操作部材は該伸長孔を貫通するとともに前記第2のレールの第2の側に位置する補助機構を含む、スライドレールアセンブリ。
【請求項10】
弾性部材をさらに含み、前記ロック部材は該弾性部材の弾性力に反応して前記第1のレールの前記一部をロックするよう保持される、請求項9に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項11】
前記補助機構は、前記第1のレールの前記一部を前記ロック部材からロック解除するために、前記操作部材が手動で操作されることに反応して前記ロック部材を駆動するように構成されている、請求項9に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項12】
前記操作部材は前記第2のレールに可動に取り付けられている、請求項9に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項13】
前記操作部材は細長い孔を有し、前記スライドレールアセンブリは支持部材をさらに含み、該支持部材は、前記操作部材を前記第2のレールに取り付けるために前記細長い孔の一部を貫通する、請求項12に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項14】
保持物体をラックに取り付けるように構成されたスライドレールアセンブリであって、当該スライドレールアセンブリは、
第1のブラケット及び第2のブラケットを通じて前記ラックに取り付けられる第1のレールと、
前記第1のレールに対して引っ込め位置と伸長位置との間で可動な第2のレールと、
前記第2のレールに対して可動であり、前記保持物体が取り付けられるように構成された第3のレールと、
前記第2のレールに取り付けられるロック部材であって、該ロック部材は、前記第2のレールが伸長位置に位置している場合に、前記第2のレールが前記第1のレールに対して伸長位置から引っ込め位置の方に動くことができないように前記第1のレールの一部をロックするように構成されている、ロック部材と、
前記第1のレールの前記一部を前記ロック部材からロック解除するために手動で操作されるように構成された操作部材と、
を含み、
前記第2のレールは前記第1のレールの方を向く第1の側と、該第1の側の反対側であり且つ前記第3のレールの側を向く第2の側とを有し、前記操作部材は前記第2のレールの第1の側に位置し、
前記第2のレールは伸長孔をさらに有し、前記操作部材は該伸長孔を貫通するとともに前記第2のレールの第2の側に位置する補助機構を含む、スライドレールアセンブリ。
【請求項15】
弾性部材をさらに含み、前記ロック部材は該弾性部材の弾性力に反応して前記第1のレールの前記一部をロックするよう保持される、請求項14に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項16】
前記第2のレールは当接機構を含み、前記スライドレールアセンブリは解除機構をさらに含み、該解除機構は前記第3のレールに配置されるリンク部材を含み、前記第3のレールが前記第2のレールに対して所定の伸長位置に動かされた場合、該リンク部材は第1のリンク状態にあるとともに前記当接機構と当接する位置にある、請求項15に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項17】
前記解除機構は前記リンク部材に連結される解除部材をさらに含み、前記リンク部材は、該解除部材の操作に反応して、前記当接機構と当接しない位置にあるように第1のリンク状態から第2のリンク状態に切り替わるように構成されている、請求項16に記載のスライドレールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライドレールアセンブリに関し、より具体的には操作部材を操作することを通じて2つのレールの間のロック関係を解除できるスライドレールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スライドレールアセンブリは通例少なくとも2つのレールを含む。スライドレールアセンブリを伸長された状態又は引っ込められた状態するために、係るレールはお互いに対して動かすことができる。
【0003】
特許文献1にはスライドアセンブリが開示されている。係るスライドアセンブリは第1のスライド(10)と、第2のスライド(20)と、第3のスライド(30)とを含む。第1のスライド(10)は停止部(14)及びブロック部(16)を含む。第2のスライドは停止部材(28)と、止めピン(40)を可動に受容するためのスロット(26)とを有する。第1、第2及び第3のスライドが完全な伸長状態にある場合、止めピン(40)及び停止部材(28)はそれぞれ第1のスライドの停止部(14)及びブロック部(16)によって抵抗されるため、第1のスライドと第2のスライドとの間の摺動動作が制限される。第3のスライド(30)が完全な伸長状態から半伸長状態になるように引っ込め方向に沿って引っ込められると、第3のスライド(30)の解除部材(50)によって止めピン(40)が持ち上げられて停止部(14)から外れ、それにより第2のスライド(20)を第1のスライド(10)内に引っ込めることができる。
【0004】
特許文献2にはスライドアセンブリが開示されている。係るスライドアセンブリは第1のレール(10)と、第2のレール(20)と、第3のレール(30)とを含む。第1のレール(10)は位置決め部(16)を含み、他方で第2のレール(20)に位置決め装置(50)が配置されている。位置決め装置(50)は位置決め部材(52)と、位置決め部材(52)に枢結された係合部材(68)とを含む。特許文献2の
図6、
図7及び
図8に示すように、第2のレール(20)が第1のレール(10)に対して伸長方向に沿って引っ張り出された場合、係合部材(68)の係合部(74)は、第1のレール(10)に対して第2のレール(20)を引っ込め方向に沿って動かすことができないように第1のレール(10)の位置決め部(16)の停止端(18)に位置し該停止端に引っ掛かる。そのような状態では、第3のレール(30)は伸長状態になるように第2のレール(20)に対して伸長方向に沿って引っ張り出すことができる。特許文献2の
図9に示すように、第3のレール(30)が第2のレール(20)に対して引っ込め方向に沿って引っ込められると、第3のレール(30)の側壁(34)が係合部材(68)の伸長ウィング部(76)を可動に押圧するため、係合部材(68)が偏向されて係合部(74)を第1のレール(10)の位置決め部(16)の停止端(18)から取り外すことができる。そのため、第2のレール(20)を引っ込め方向に沿って第1のレール(10)に対して引っ込めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7677679号明細書
【特許文献2】米国特許第8240789号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び特許文献2の双方においては、第2のレールを伸長状態から引っ込め方向に沿って第1のレールに対して引っ込めることができるようにするために、第3のレール又は第3のレールに取り付けられる付属品を用いて第2のレールと第1のレールとの間のロック関係を解除する。しかしながら、スライドレールアセンブリの様々な適用環境又は市場の要求にとって、そのようなロック関係を解除するために第2のレールに対して第3のレールを引っ込めることが好適でない場合が時としてある。
【0007】
本発明は、2つのレールの間のロック関係を解除するためにユーザーに操作される操作部材を含むスライドレールアセンブリに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、スライドレールアセンブリは第1のレール、第2のレール、第3のレール、ロック機構及び操作部材を含む。第2のレールは第1のレールに対して第1の位置と第2の位置との間で可動である。第3のレールは第2のレールに対して可動である。ロック機構は第1の状態又は第2の状態になるように構成され、ロック機構が第1の状態にある場合、ロック機構は、第2のレールが第1のレールに対して第2の位置から第1の位置の方に動くのを防止するように構成されている。操作部材は、第2のレールを第1のレールに対して第2の位置から第1の位置の方に動かすことができるようにするために、ロック機構を第1の状態から第2の状態に切り替えるため手動で操作されるように構成されている。
【0009】
ロック機構は第2のレールに可動に取り付けられるロック部材と、該ロック部材に弾性力を提供するように構成された弾性部材とを含むことが好ましい。
【0010】
前記スライドレールアセンブリはロック部材を第2のレールに枢結するよう構成された枢動部材をさらに含み、第1のレールはブロック機構を含み、ロック部材が第1の状態にある場合、ロック部材はブロック機構をロックするように構成されていることが好ましい。
【0011】
操作部材は第2のレールに可動に取り付けられていることが好ましい。
【0012】
第2のレールは第1の側と、該第1の側の反対側の第2の側を有し、操作部材は第2のレールの第1の側に位置することが好ましい。
【0013】
第2のレールは伸長孔をさらに有し、操作部材は該伸長孔を貫通するとともに第2のレールの第2の側に位置する補助機構を含み、該補助機構は、操作部材が手動で操作されることに反応してロック機構を駆動し第1の状態から第2の状態に切り替えるように構成されていることが好ましい。
【0014】
操作部材は細長い孔を有し、前記スライドレールアセンブリは支持部材をさらに含み、該支持部材は、操作部材を第2のレールに取り付けるために細長い孔の一部を貫通することが好ましい。
【0015】
第2のレールは当接機構を含み、前記スライドレールアセンブリは解除機構をさらに含み、該解除機構は第3のレールに配置されるリンク部材を含み、該リンク部材が第1のリンク状態にある場合、該リンク部材は前記当接機構
と当接する位置
にあり、前記リンク部材が第2のリンク状態にある場合、該リンク部材は前記当接機構
と当接しない位置
にあることが好ましい。
【0016】
解除機構はリンク部材に作動的に連結される解除部材をさらに含み、リンク部材は解除部材の操作に反応して第1のリンク状態から第2のリンク状態に切り替わるように構成されていることが好ましい。
【0017】
本発明の別の実施形態によれば、スライドレールアセンブリは第1のレール、第2のレール、第3のレール、ロック部材及び操作部材を含む。第2のレールは第1のレールに対して引っ込め位置と伸長位置との間で可動である。第3のレールは第2のレールに対して可動である。ロック部材は第2のレールに取り付けられ、該ロック部材は、第2のレールが伸長位置に位置している場合に、第2のレールが第1のレールに対して伸長位置から引っ込め位置の方に動くことができないように第1のレールの一部をロックするように構成されている。操作部材は第1のレールの前記一部をロック部材からロック解除するために手動で操作されるように構成されている。
【0018】
本発明のさらに別の実施形態によれば、スライドレールアセンブリは保持物体をラックに取り付けるように構成されている。スライドレールアセンブリは第1のレール、第2のレール、第3のレール、ロック部材及び操作部材を含む。第1のレールは第1のブラケット及び第2のブラケットを通じてラックに取り付けられる。第2のレールは第1のレールに対して引っ込め位置と伸長位置との間で可動である。第3のレールは第2のレールに対して可動であり、保持物体が取り付けられるように構成されている。ロック部材は第2のレールに取り付けられ、該ロック部材は、第2のレールが伸長位置に位置している場合に、第2のレールが第1のレールに対して伸長位置から引っ込め位置の方に動くことができないように第1のレールの一部をロックするように構成されている。操作部材は第1のレールの前記一部をロック部材からロック解除するために手動で操作されるように構成されている。
【0019】
様々な図面に図示する下記の好ましい実施形態の詳細な説明を読み終えた後、本発明の上記の目的及び他の目的が当業者に間違いなく明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る、保持物体をラックに取り付けるように構成されたスライドレールアセンブリと、スライドレールアセンブリを通じてラックの外に動かされた保持物体とを示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリの分解図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る、第3のレールを示す図であり、スライドレールアセンブリの第3のレールは第1のレールに対して伸長状態にある。
【
図4】
図4は、第1のレールの一部の詳細を示すための
図3の領域Aの拡大図である。
【
図5】
図5は、ロック機構のロック部材及び操作部材の部分的な機能を示すための
図3の領域Bの拡大図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に従って操作されるスライドレールアセンブリの操作部材を示す図である。
【
図7】
図7は、第2のレールに対して動くように操作されている
図6の操作部材を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態に係る、引っ込められた状態にあるスライドレールアセンブリを示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態に係る、第1のレールに対して伸長方向に沿って動かされたスライドレールアセンブリの第2のレール及び第3のレールを示す図であり、ロック機構のロック部材は第1のレールの一部と接触する。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態に係る、第1のレールに対して伸長方向に沿ってさらに動かされた第2のレール及び第3のレールを示す図であり、第2のレールを第1のレールに対して引っ込め方向に沿って引っ込めることができないようにロック機構のロック部材が第1のレールの一部をロックする。
【
図11】
図11は、第2のレールを第1のレールに対して引っ込め方向に沿って引っ込めることができるよう第1のレールの一部をロック機構のロック部材からロック解除するために力が加えられた
図10の操作部材を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の一実施形態に係る、スライドレールアセンブリの第3のレールが第2のレールに対して伸長方向に沿ってある位置に動かされた場合に第2のレールの当接機構と当接するリンク部材を示す図であり、作業カートは第3のレールの保持物体を搬送するよう構成されている。
【
図13】
図13は、第2のレールの当接機構に当接するリンク部材を説明するための
図12の領域Aの拡大図である。
【
図14】
図14は、
図12のスライドレールアセンブリの第3のレールが第2のレールに対する場所に位置している場合に、リンク部材を駆動して動かし第2のレールの当接機構から解除するために力が加えられた解除部材を示す図である。
【
図15】
図15は、第2のレールの当接機構から外れたリンク部材を説明するための
図14の領域Aの拡大図である。
【
図16】
図16は、第1のレールに対して引っ込められた
図14のスライドレールアセンブリの第2のレールと、第2のレールから取り外された第3のレールとをを示す図である。
【
図17】
図17は、本発明の一実施形態に係る、伸長状態にあるスライドレールアセンブリと、スライドレールアセンブリ及び環境バリアの間に定義された限定された空間とを示す図である。
【
図18】
図18は、第3のレールの取り外し作業を完了するために、第1のレールに対して引っ込められた第2のレールと、空間が限られた環境で第2のレールから取り外された第3のレールとを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、一対のスライドレールアセンブリ12を通じてラック14に取り付けられた保持物体10を示す図である。保持物体10は電気機器のシャーシ又は引き出しであり得る。ラック14は一対の第1のポスト16a及び一対の第2のポスト16bを含む。具体的には、各スライドレールアセンブリ12は第1のレール18、第2のレール20及び第3のレール22を含む。第1のレール18は、ラック14の第1のポスト16a及び第2のポスト16bに取り付けられるように、それぞれ第1のブラケット24及び第2のブラケット26を備える2つの部分を有する。それに加えて、第3のレール22は保持物体10を取り付けるように構成されている。そのような構成によれば、第2のレール20及び第3のレール22を第1のレール18に対して伸長状態で配置することにより、保持物体10はラック14の外に位置することができる。
【0022】
図2は、スライドレールアセンブリ12の第1のレール18、第2のレール20及び第3のレール22の分解図である。本実施形態では、スライドレールアセンブリ12はロック機構28及び操作部材30をさらに含む。
【0023】
図3及び
図4に示すように、第1のレール18は前端32a及び後端32bを有する。第1のレール18の前端32aと後端32bとの間に部分34が配置されている。部分34はブロック機構36を含む。ブロック機構36は突起、凹部、孔又は溝であり得るが、本発明はこれらに限定されない。具体的には、部分34はリベット留め、溶接、ネジ留め又は係合により第1のレール18に取り付けられる追加の部分であり得る。あるいは、部分34は第1のレール18に直接且つ一体的に形成することもできる。例えば、部分34は機械加工を通じて所定の構造又は形状を有するように第1のレール18に形成することができる。
【0024】
第2のレール20は第1のレール18に対して動かすことができる。さらに、第2のレール20は前端38aと、後端38bと、第1の側40aと、第1の側40aの反対側の第2の側40bとを有する。第2のレール20の第1の側40aは第1のレール18の方を向き、第2のレール20の第2の側40bは第3のレール22の方を向く。
【0025】
図2、
図3及び
図5に示すように、ロック機構28はロック部材42を含む。ロック機構28は弾性部材44をさらに含むことが好ましい。第2のレール20は取り付け孔43を有することが好ましい。ロック部材42は取り付け孔43に対応する場所に位置する。具体的には、ロック部材42は第1の部分46及び第2の部分48を有する。第1の部分46は第2のレール20の第1の側40aから部分的に突出している。第2の部分48は第2のレール20の第2の側40bから部分的に突出している。本実施形態では、スライドレールアセンブリ12は、第1の部分46と第2の部分48との間に配置される枢動部材50をさらに含む。枢動部材50はロック部材42を第2のレール20に枢結するように構成されている。他方、弾性部材44はロック部材42に弾性力を提供するように構成されている。
【0026】
操作部材30は第2のレール20に可動に取り付けられている。操作部材30は第2のレール20の第1の側40aに位置するとともに第2のレール20の長手方向に沿って配置されていることが好ましい。操作部材30は少なくとも1つの細長い孔52を含む。本実施形態では、操作部材30は互いに離間された複数の細長い孔52を含む。スライドレールアセンブリ12は少なくとも1つの支持部材54をさらに含む。本実施形態では、スライドレールアセンブリ12は複数の支持部材54をさらに含む。各支持部材54は、操作部材30を第2のレール20に取り付けるために対応する細長い孔52の一部を貫通する。細長い孔52は長手方向に配置されている。第2のレール20は伸長孔56をさらに含み、伸長孔56は長手方向に配置されていることが好ましい。操作部材30は伸長孔56の一部を貫通する補助機構58を備える。補助機構58は第2のレール20の第2の側40bに位置する。補助機構58が操作部材30に対して折り曲げられるとともに、補助機構58がロック部材42の第2の部分48に対応する場所に位置していることが好ましい。補助機構58は操作部材30に直接且つ一体的に形成することができる。あるいは、本実施形態では、補助機構58はリベット留め、溶接、ネジ留め又は係合により操作部材30に取り付けられる追加の部分であり得る。
【0027】
第2のレール20は当接機構60をさらに含むことが好ましい。当接機構60は機械加工を通じて特定の構造又は形状を有するように第2のレール20に形成できる。あるいは、本発明では、当接機構60を有する追加の部分がリベット留め、溶接、ネジ留め又は係合により第2のレール20に取り付けられている。当接機構60は突起であってもよく、第3のレール22の方を向いている。例えば、当接機構60は第2のレール20の第2の側40bから横方向に突出している。
【0028】
第3のレール22は第2のレール20に対して動かすことができる。さらに、スライドレールアセンブリ12は解除機構62をさらに含む。解除機構62は第3のレール22に配置されるリンク部材64を含む。解除機構62はリンク部材64に作動的に連結される解除部材66をさらに含むことが好ましい。解除部材66は第3のレール22の長手方向に沿って配置されている。
【0029】
図6及び
図7に示すように、操作部材30は第2のレール20に配置されている。ユーザーによって加えられる第1の力F1に反応して操作部材30を第2のレール20に対して動かすことができ、補助機構58は操作部材30が手動で操作されることに反応してさらに動かすことができる。
【0030】
図8に示すように、スライドレールアセンブリ12は引っ込められた状態にある。ロック部材42は枢動部材50により第2のレール20に枢結されている。ロック部材42の第1の部分46はフック部47を有し、ロック部材42の第2の部分48は傾斜面又は湾曲面を有する接触部49を有する。それに加えて、弾性部材44は弾性部45を有する。弾性部材44の弾性部45はロック部材42に弾性力を提供するように構成されている。例えば、弾性部45は、ロック部材42の第1の部分46が第1のレール18の方を向き続けるようにするために第1の部分46に弾性力を提供する。他方、操作部材30は第2のレール20の第1の側40aに位置しており、補助機構58は第2のレール20の第2の側40bに位置している。補助機構58は、第2の部分48の接触部49に対応する位置等のロック部材42の第2の部分48に対応する場所に位置している。
【0031】
図9に示すように、第2のレール20は、伸長方向D1に沿って第1の位置P1(引っ込め位置等)から第1のレール18に対して動かすことができ、第3のレール22は伸長方向D1に沿って第2のレール20に対して動かすことができる。そのため、第2のレール20及び第3のレール22は伸長状態になるように第1のレール18に対して動かすことができる。第2のレール20が第1のレール18に対して伸長方向D1に沿って第1の位置P1から動かされると、ロック部材42の第1の部分46は第1のレール18の部分34と接触する。
【0032】
図10に示すように、第2のレール20が第1のレール18に対して伸長方向D1に沿ってさらに第2の位置P2(伸長位置等)に動かされると、ロック機構28は第1の状態にある。例えば、ロック機構28のロック部材42は、弾性部材44の弾性力に反応して第1の状態にある。具体的には、ロック部材42の第1の部分46のフック部47は、弾性部材44の弾性部45に反応して第1のレール18の部分34をロックするために保持される。ロック機構28が第1の状態にある場合、第2のレール20が第1のレール18に対して第2の位置P2から第1の位置P1の方に引っ込め方向に沿って移動するのをロック機構28のロック部材42が防止できるように、ロック部材42の第1の部分46は第1のレール18の部分34のブロック機構36をロックするように構成されている。即ち、第2のレール20は第1のレール18に対して第2の位置(伸長位置等)から第1の位置(引っ込め位置)の方に動かすことができない。第2のレール20が第1のレール18に対して第2の位置P2に位置している場合、第2のレール20の前端38aは第1のレール18の前端32aを越えて伸長しており、操作部材30の一部も第1のレール18の前端32aを越えて伸長している。他方、第3のレール22は第2のレール20に対して伸長方向D1に沿ってさらに動かすことができる。したがって、第3のレール22の前端は第2のレール20の前端38aを越えて伸長している。そのため、スライドレールアセンブリ12は完全な伸長状態等の伸長状態にある。
【0033】
図11に示すように、スライドレールアセンブリ12が伸長状態にあり、第2のレール20から第1のレール18の部分34をロック解除したいとユーザーが望む場合、ユーザーは、操作部材30がロック機構28を駆動して第1の状態から第2の状態に切り替わるように、操作部材30に第1の力F1を手動で加えることができる(
図6及び
図7も参照のこと)。具体的には、操作部材30は、補助機構58を駆動してロック部材42の第2の部分48の接触部49に当接させ、ロック部材42が偏向されて第1のレール18の部分34が第1の部分46からロック解除されるように、第1の力F1に反応して第2のレール20に対して動かされる。即ち、ロック部材42の第1の部分46が第1のレール18の部分34から取り外される。換言すると、操作部材30が手動で操作されることに反応して、補助機構58はロック部材42を駆動して第1の状態から第2の状態に切り替える。ロック機構28が第2の状態にある場合、第2のレールは第1のレール18に対して第2の位置P2から第1の位置P1の方へと引っ込め方向D2に沿って動かすことができる。
【0034】
図12及び
図13に示すように、解除機構62のリンク部材64は第3のレール22に可動に取り付けられている(枢結等)。本実施形態では、リンク部材64は第3のレール22の壁68と解除部材66との間に位置している。リンク部材64は第1のリンク状態にある。
【0035】
1つの動作モードでは、第3のレール22は保持物体10と共に取り付けられている。第3のレール22が第2のレール20に対し伸長方向D1に沿って所定の伸長位置P3にさらに動かされると、第3のレール22は第2のレール20の前端38aを越えて伸長する。リンク部材64が第1のリンク状態にある場合、リンク部材64は当接機構60
と当接する位置
にある。即ち、第3のレール22が第2のレール20に対して所定の伸長位置P3に位置している場合、第1のリンク状態にあるリンク部材64は、第3のレール22を第2のレール20に対して伸長方向D1に沿ってさらに動かすことができないよう、当接機構60
と当接する位置
にあって第2のレール20の当接機構60
と当接する。そのような状態では、ユーザーは、保持物体10の底部72等の保持物体10の一部を支持するために予め保持物体10を搬送するための作業カート70を準備できる。
【0036】
図14及び
図15に示すように、ユーザーは、第2のレール20から第3のレール22を取り外すために解除部材66に手動で第2の力F2を加えることができる。リンク部材64は、ユーザーによって解除部材66が手動で操作されたことに反応して
、当接機構60
と当接しない位置
にあるように第1のリンク状態から第2のリンク状態に切り替わるよう偏向される。そのような状態では、第3のレール22は第2のレール20から取り外すことができる。
【0037】
さらに、
図16に示すように、保持物体10が作業カート70に支持された状態で第3のレール22を第2のレール20から取り外すために、第2のレール20はユーザーにより第1のレール18に対して引っ込め方向D2に沿って引っ込めることができる(第1のレール18に対して第2のレール20を引っ込め方向D2に沿って引っ込める動作については
図11及び関連の説明を参照のこと。簡潔性のためにさらなる説明を省略する。)。それにより、第3のレール22の取り外し作業が完了する。
【0038】
図17及び
図18に示すように、スライドレールアセンブリ12が伸長状態(完全な伸長状態等)にある場合、スライドレールアセンブリ12は伸長長さLを有する。スライドレールアセンブリが伸長されて伸長長さLを有するとともに、スライドレールアセンブリ12と環境バリア74との間に限られた空間S(狭い空間等)が定義されている場合、ユーザーはスライドレールアセンブリ12又は保持物体10にメンテナンスを施すのが難しい。例えば、環境バリア74のブロックにより、ユーザーにとって第2のレール20から第3のレール22を伸長方向D1に沿って取り外すのが困難である。したがって、本発明のスライドレールアセンブリ12の構成を通じて、ユーザーは、第2のレール20を第1のレール18に対して第2の位置P2から第1の位置P1の方に引っ込め方向D2に沿って動かすことができるように操作部材30を手動で直接操作してロック機構28のロック部材42を駆動し第1の状態から第2の状態に切り替えることができる。そのため、限られた空間Sのような環境であっても、ユーザーは第3のレール22を便利に取り外すことができる。
【0039】
したがって、本発明のロック機構28及び解除機構62は、特定の環境(空間が限られた環境等)でレール(第3のレール22等)又は保持物体10の取り外しを促進するために、操作部材30及び解除部材66がユーザーによって手動で操作されるようにする。
【0040】
当業者であれば、本発明の教示を維持しながら多くの変更及び改良が装置及び方法に加えられ得ることに容易に気付く。したがって、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈すべきである。
【符号の説明】
【0041】
10 保持物体
12 スライドレールアセンブリ
14 ラック
16a 第1のポスト
16b 第2のポスト
18 第1のレール
20 第2のレール
22 第3のレール
24 第1のブラケット
26 第2のブラケット
28 ロック機構
30 操作部材
32a 前端
32b 後端
34 部分
36 ブロック機構
38a 前端
38b 後端
40a 第1の側
40b 第2の側
42 ロック部材
44 弾性部材
46 第1の部分
48 第2の部分
50 枢動部材
52 細長い孔
54 支持部材
56 伸長孔
58 補助機構
60 当接機構
62 解除機構
64 リンク部材
66 解除部材
68 壁
70 作業カート
72 底部
74 環境バリア