(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
既に取得している前記属性ファイルと同じ前記課題ファイルに関連付けられた前記属性ファイルを取得した場合に、前記制御手段は、前記課題への回答の提出方法を、最新の前記属性ファイルで指定された前記提出方法に制限する請求項1に記載の学習者端末。
監督者によって使用される監督者端末と通信可能に接続され、学習者によって使用され、少なくとも近接通信手段を備える通信手段を備える学習者端末の制御プログラムであって、
前記学習者が回答をすべき課題を提示する課題ファイルに関連付けられるとともに、前記課題への回答の提出方法が指定された属性ファイルを記憶する処理と、
前記属性ファイルに前記提出方法として近接通信を用いることが指定されている場合に、前記課題への回答の提出方法を、前記近接通信手段を介した提出方法に制限して前記監督者端末に送信させる処理と
をコンピュータに実行させるための学習者端末の制御プログラム。
監督者によって使用される監督者端末と通信可能に接続され、学習者によって使用され、少なくとも近接通信手段を備える通信手段を備える学習者端末の制御方法であって、
前記学習者が回答をすべき課題を提示する課題ファイルに関連付けられるとともに、前記課題への回答の提出方法が指定された属性ファイルを記憶する工程と、
前記属性ファイルに前記提出方法として近接通信を用いることが指定されている場合に、前記課題への回答の提出方法を、前記近接通信手段を介した提出方法に制限して前記監督者端末に送信させる工程と
を有する学習者端末の制御方法。
学習者によって使用される学習者端末と通信可能に接続され、監督者によって使用され、少なくとも近接通信手段を備える通信手段を備える監督者端末の制御プログラムであって、
前記学習者が回答をすべき課題への回答の提出方法には、前記近接通信手段による提出が含まれており、
前記課題を提示する課題ファイルにおける前記課題への回答の前記提出方法の指定を受け付ける処理をコンピュータに実行させるための監督者端末の制御プログラム。
学習者によって使用される学習者端末と通信可能に接続され、監督者によって使用され、少なくとも近接通信手段を備える通信手段を備える監督者端末の制御方法であって、
前記学習者が回答をすべき課題への回答の提出方法には、前記近接通信手段による提出が含まれており、
前記課題を提示する課題ファイルにおける前記課題への回答の前記提出方法の指定を受け付ける工程を有する監督者端末の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る学習者端末、その制御プログラム及び制御方法、監督者端末、及びその制御プログラム及び制御方法、並びに教育支援システムの一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態に係る学習者端末及び監督者端末は、ノート型PCやタブレットPC等の可搬型情報端末である。
【0017】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るタブレット端末10の概略外観図である。本実施形態においては、携帯型情報端末の一例としてタブレットPCを用いることを例に挙げて説明する。
タブレット端末10は、筐体11を備える。筐体11は、例えば、略矩形であり、正面には画像を表示するタッチパネルディスプレイ(以下「ディスプレイ」という)12が設けられる。本実施形態においては、画像を表示する部分をタッチパネル形式のディスプレイであることを一例として説明しているが、タッチパネル形式でないディスプレイであってもよい。
筐体11の正面又は背面には、カメラ、スピーカー、マイク等が設けられてもよい。さらに、筐体11の側面には、タブレット端末10の電源をオン又はオフするためのボタン等の操作手段や、他の情報処理装置や記憶媒体等と接続可能なUSB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標:High−Definition Multimedia Interface)規格、DVI(Digital Visual Interface)規格等の接続手段等が設けられてもよい。
【0018】
図2は、タブレット端末10のハードウェアの構成を示す概略図である。
タブレット端末10は、CPU(Central Processing Unit)20、ROM(Read Only Memory)21、メモリ22、LCD(Liquid Crystal Display)23、グラフィクスアダプタ24、タッチセンサ25、入力コントローラ26、フラッシュメモリ27、通信デバイス28、電源回路29、加速度センサ30、及びジャイロセンサ31を備えており、各部はバス32を介して直接または間接的に接続されている。なお、ディスプレイ12は、LCD23とタッチセンサ25を含んで構成される。
【0019】
CPU20は、バス32を介して接続されたフラッシュメモリ27に格納されたOS(Operating System)によりタブレット端末10全体の制御を行うとともに、フラッシュメモリ27に格納された各種のプログラムに基づいて処理を実行する機能を有する。また、CPU20は、所定の指示に応じて処理能力の変更を可能とする。
ROM21は、BIOS(Basic Input/Output System)や各種データ等を格納している。
メモリ22は、キャッシュメモリやRAM(Random Access Memory)で構成されており、CPU20の実行プログラム(例えば、制御プログラム)の読み込み、及び実行プログラムによる処理データの書き込みを行う作業領域として利用される書き込み可能なメモリである。
【0020】
LCD23は、CPU20の制御に従って、グラフィクスアダプタ24からのビデオ信号を画像として表示する。
グラフィクスアダプタ24は、CPU20の制御に従って、表示情報をビデオ信号に変換し、変換したビデオ信号をLCD23に出力する。
【0021】
タッチセンサ25は、例えば、静電容量方式のタッチセンサであり、LCD23に対して、タブレット端末10を使用するユーザのタッチ位置を検出して、入力コントローラ26に出力する。タッチセンサ25は、LCD23の画面に表示される各種メニュー、アイコン、ボタン、及びキーボード等の画面オブジェクトを選択して入力操作を行ったり、テキストの入力操作や、スクロールやスワイプ等の画面操作を行うためのものである。
【0022】
入力コントローラ26は、プロセッサがROM等に格納されたプログラムを実行することにより各種処理を行い、タッチセンサ25の動作を制御する。
フラッシュメモリ27は、例えば、Windows(登録商標),iOS(登録商標)、Android(登録商標)等のタブレット端末10全体の制御を行うためのOS、周辺機器類をハードウェア操作するための各種ドライバ、特定業務に向けられたアプリケーション、及び各種データやファイル等を格納する機能を有する。なお、タブレット端末10は、フラッシュメモリ27に替わる記憶手段としてHDD(Hard Disk Drive)等、他の記憶手段を備えてもよい。
【0023】
通信デバイス28は、ネットワークを介して他のデバイスとの通信を制御する。
電源回路29は、ACアダプタ、電池、電池を充電するための充電器、及びDC/DCコンバータ等を備えており、CPU20の制御に従って、各デバイスに電力を供給する。
【0024】
以下に、学校の授業等においてタブレット端末10が用いられ、授業を教える教師(監督者)から、生徒(学習者)に対して与える課題を課題ファイルの形式で配布し、生徒から、課題ファイルに記載された課題への回答を教師に提出する流れについて説明する。
教師(監督者)によって使用されるタブレット端末10を教師用端末(監督者端末)10Aとし、生徒(学習者)によって使用されるタブレット端末10を生徒用端末(学習者端末)10Bとする。教師用端末10Aと生徒用端末10Bは、上述したように例えば、タブレット端末10により実現される。
以下、本実施形態における教師用端末10Aと生徒用端末10Bとが主に備える機能について以下に説明する。
【0025】
図3には、本実施形態に係る教育支援システム1の概略構成が示されている。教育支援システム1は、教師用端末10Aと生徒用端末10Bとを備えており、教師用端末10Aと生徒用端末10Bとはそれぞれ通信可能に接続されている。
【0026】
教師用端末10Aは、通信部40と、入力部(入力手段)70と、属性ファイル作成部
(属性ファイル作成手段)71と、提出方法変更部(提出方法変更手段)72と、記憶部73とを備えている。
通信部40は、少なくとも近接通信を行う近接通信部(近接通信手段)41を備えているが、近接通信部41以外の他の通信部を備えていても良い。
本実施形態においては、
図4に示されるように、通信部40は、近接通信部41と、教室通信部42と、インターネット通信部43とを備えている。
【0027】
近接通信部41は、近接通信によって他の端末と通信するインタフェースであり、本実施形態においては近接通信によって生徒用端末10Bと通信する。近接通信とは、近距離無線通信であり、通信範囲が数十cm以内であることが好ましく、例えば、TransferJet(登録商標)等が一例として挙げられる。換言すると、本実施形態に係る近距離無線通信は、後述する課題への回答の提出において、生徒が自席から監督者の場所まで赴き、両者が顔を合わせられる環境下でないと通信が確立できないような通信をいう。
【0028】
上記のように、教師用端末10Aに設けられる近接通信部41は、生徒用端末10Bから提出される、課題ファイルP(
図5参照)に記載された課題への回答を受信するときに主に使用される。また、教師用端末10Aに設けられる近接通信部41は、生徒用端末10Bに課題ファイルP及び属性ファイルQ(
図5参照)を配布するときに使用されても良い。
近接通信部41を介して、課題に対する回答を生徒から提出させることにより、生徒は、教師が使用する教師用端末10Aに近接通信する程の近距離まで近づく必要が生じ、半ば強制的に生徒が教師の側まで来るので、生徒と教師が会話をする機会が増える。これにより、教師は生徒の表情等から回答に対する自信度を伺がったり、教師と生徒が直接言葉を交わして不明点をフォローする機会が増える。
【0029】
教室通信部42は、授業等が実施される教室内に設けられるネットワークと接続可能なインタフェース(例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.3のイーサネット(登録商標)、IEEE802.11の無線LAN(Local Area Network)等)を介して他の端末と通信可能とされる。
インターネット通信部43は、インターネットに接続可能なインタフェースである。
【0030】
教師用端末10Aの教室通信部42及びインターネット通信部43は、生徒用端末10Bに課題ファイルPおよび/または属性ファイルQを生徒用端末10Bに送信するときに使用されても良いし、生徒用端末10Bから課題に対する回答を受信するときに使用されても良い。ただし、教師用端末10Aの教室通信部42及びインターネット通信部43が課題に対する回答を受信するときに使用されるのは、提出される課題ファイルPに関連する属性ファイルQにて提出方法としてこれら通信部が指定されたときに限る。
【0031】
なお、教室通信部42とインターネット通信部43が同じインタフェースを用いる場合、例えば、それぞれイーサネット(登録商標)のインタフェースを使用する場合には、コネクタを共用として通信デバイス28側で教室通信部42によって教室内のネットワークを使用するときの設定と、インターネット通信部43によってインターネットを使用するときの設定とが適宜選択されるようにするとよい。
【0032】
入力部70は、例えば、キーボード、マウス等のユーザインターフェースであり、生徒が回答をすべき課題を提示する課題ファイルPにおける課題への回答の提出方法の指定を受け付ける。例えば、教師が、教師用端末10Aを操作し、入力部70を介して課題ファイルPに記載された課題への回答の提出方法を指定すると、指定された提出方法の情報が属性ファイル作成部71に出力される。
【0033】
属性ファイル作成部71は、入力部70によって入力された課題ファイルPに記載された課題への回答の提出方法を指定するとともに、該課題ファイルPと関連付けられた属性ファイルQを作成する。具体的には、属性ファイル作成部71は、入力部70から取得した提出方法を、課題ファイルPに関連付けられる属性ファイルQの提出方法として指定し、提出方法、関連付けられる課題ファイルPを識別するための課題ID、課題の科目、課題を与えるクラス等の情報を含んだ属性ファイルQを作成し、記憶部73に記憶させる。
提出方法変更部72は、既に提出方法が指定されている課題ファイルPの属性ファイルQに対して、提出方法の変更を受け付け、提出方法の書き換えを行う。書き換えられた属性ファイルQは、書き換えられたことが識別できるような情報(例えば、属性ファイルQの保存日時等)が加えられ、新たな属性ファイルQとして記憶部73に記憶される。
【0034】
記憶部73は、課題ファイルP及び課題ファイルPに関連付けられる属性ファイルQを記憶している。
課題ファイルPは、生徒から教師に対して回答が必要とされる課題を含んでおり、例えば、生徒によって回答が上書き保存できるようになっていてもよい。
属性ファイルQは、少なくとも関連付けられる課題ファイルPの識別情報(以下「課題ID」という)と関連付けられた課題ファイルPの提出方法とが指定されており、その他にも例えば、関連付けられた課題ファイルPの科目と、課題ファイルPが配布される対象となるクラス等との情報が記載されている。
【0035】
なお、記憶部73に記憶される課題ファイルP及び属性ファイルQが、教師用端末10Aから生徒用端末10Bに配布される配布方法は特に限定されない。例えば、教師用端末10Aと生徒用端末10Bをネットワークで接続し、通信部40を経由して課題ファイルP及び属性ファイルQを生徒用端末10Bに送信して配布してもよい。近接通信部41や教室通信部42を介して課題ファイルP及び属性ファイルQを配布することによって、課題ファイルや属性ファイルQの配布時に、教師が生徒の出席状況を把握でき、インターネット通信部43を介すことで授業を欠席した生徒に対しても課題ファイルP及び属性ファイルQを渡すことができる。
【0036】
また例えば、教師用端末10Aの記憶部73に記憶されている課題ファイルP及び属性ファイルQをフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体に格納させ、可搬媒体を介して生徒用端末10Bに配布してもよい。可搬媒体を介して課題ファイルP及び属性ファイルQを配布することによって、授業を欠席した生徒に対しても課題ファイルP及び属性ファイルQを渡すことができる。
教師用端末10Aから生徒用端末10Bに対し、課題ファイルP及び属性ファイルQはセットで配布されてもよいし、それぞれ別個に配布されても良い。
属性ファイルQは、一旦生徒用端末10Bに配布された後に、教師によって提出方法が変更されることがあるので、そうした場合には変更後の新しい属性ファイルQのみを生徒用端末10Bに配布すれば、配布にかかる時間を短縮できる。
【0037】
生徒用端末10Bは、通信部50と、制御部(制御手段)60と、記憶部61とを備えている。
通信部50は、少なくとも近接通信部(近接通信手段)51を備えているが、近接通信部41以外の他の通信部を備えていても良い。
本実施形態においては、
図4に示されるように、通信部50は、近接通信部51と、教室通信部52と、インターネット通信部53とを備えており、制御部60によって制御される。
近接通信部51は、近接通信によって他の端末と通信するインタフェースであり、本実施形態においては近接通信によって教師用端末10Aと通信する。ここで示す近接通信は、近距離無線通信であり、例えば、TransferJet(登録商標)等が一例として挙げられ、教師用端末10Aに備えられる近接通信部41と同じ、或いは、互換性のある通信方式とする。
【0038】
生徒用端末10Bに設けられる近接通信部51は、教師用端末10Aに対し、課題ファイルPに記載された課題への回答を提出する送信時に主に使用される。また、生徒用端末10Bに設けられる近接通信部51は、教師用端末10Aから課題ファイルP及び属性ファイルQを取得するときに使用されても良い。
教室通信部42は、授業等が実施される教室内に設けられるネットワークと接続可能なインタフェース(例えば、IEEE802.3のイーサネット(登録商標)、IEEE802.11の無線LAN等)を介して他の端末と通信可能とされる。
インターネット通信部43は、インターネットに接続可能なインタフェースである。
【0039】
生徒用端末10Bの教室通信部52及びインターネット通信部53は、教師用端末10Aから課題ファイルPおよび/または属性ファイルQを取得するときに使用されても良いし、教師用端末10Aに対し課題ファイルPに記載された課題への回答を提出するときに使用されても良い。ただし、生徒用端末10Bの教室通信部52及びインターネット通信部53が、課題への回答を提出するときに使用されるのは、提出される課題ファイルPに関連する属性ファイルQにて提出方法としてこれら通信部が指定されたときに限る。
また、教室通信部52とインターネット通信部53が同じインタフェースを用いる場合、教師用端末10Aのときと同様、共用してもよい。
【0040】
制御部60は、属性ファイルQに指定されている提出方法を判別し、判別した提出方法に制限して、属性ファイルQに関連付けられた課題ファイルPに記載された課題への回答を教師用端末10Aに送信させる。例えば、属性ファイルQに提出方法として近接通信を用いることが指定されている場合に、制御部60は、属性ファイルQに関連付けられた課題ファイルPに記載された課題に対する回答を近接通信部51を介して教師用端末10Aに送信させる。
また、既に取得している属性ファイルQと同じ課題ファイルPに関連付けられた属性ファイルQを受信した場合に、制御部60は、課題への回答の提出方法を、最新の属性ファイルQで指定された提出方法に制限して、課題への回答を教師用端末10Aに送信する。
【0041】
記憶部61は、教師用端末10Aから取得した、或いは、可搬媒体を介して取得した課題ファイルP及び属性ファイルQを記憶する。記憶部61に記憶されている課題ファイルPは、生徒が回答をすべき課題が提示されたものであり、生徒によって課題が実施されると課題ファイルPに記載された課題への回答を追加して記載(上書き)し、更新後の課題ファイルP´として記憶部61に記憶させる。記憶部61は、一旦取得した属性ファイルQと同じ課題ファイルPに関連付けられた属性ファイルQ(例えば、教師によって提出方法が変更された新たな属性ファイルQ)を検出すると、古い属性ファイルQに代えて新たな属性ファイルQに置き換える。
【0042】
本実施形態においては、課題ファイルに記載された課題への回答は、課題ファイルPに書き込まれ、回答が書き込まれた課題ファイルP´を教師に提出する態様を一例として挙げるが、課題への回答方法はこの態様に限定されない。例えば、課題ファイルPとは異なる他のファイルに課題への回答が書き込まれ、該他のファイルを課題に対する回答として提出してもよい。また例えば、課題ファイルPは課題自体を伝える役割とし、属性ファイルQは提出方法を伝える役割とし、課題ファイルP及び属性ファイルQを受信した学習者端末のアプリケーションが、課題と提出方法を読み込むとともに、生徒によって入力された課題への回答を識別し、課題への回答の情報を当該アプリケーションから送信するといった態様としてもよい。
【0043】
以下に本実施形態に係る教育支援システム1の作用について
図1から
図5を用いて説明する。ここでは、属性ファイルQは課題ファイルPと一緒に、教室内LANを介して配布することを例に挙げて説明する。
教師用端末10Aの近接通信部41と教室内LAN及び生徒用端末10Bの近接通信部51と教室内LANがそれぞれ接続されており、教室内LANを介して教師用端末10Aと生徒用端末10Bとが通信可能に接続されている。
まず、教師は、教師用端末10Aを操作し、課題ファイルPの提出方法を入力する。具体的には、教師は入力部70から、提出方法を指定する課題ファイルPと、課題ファイルPに対する提出方法と、課題の科目と、課題を出すクラス等との情報を入力する。これらの情報が入力部70を介して入力されると、属性ファイル作成部71により、提出方法を指定する課題ファイルを識別するための課題IDと、提出方法と、課題の科目、課題を出すクラス等との情報が指定された属性ファイルQが作成される。作成された属性ファイルQは、教師用端末10Aの記憶部73に記憶される。
【0044】
教師によって教師用端末10Aから、課題ファイルP及び属性ファイルQを教材として、教室内LANを介して生徒用端末10Bに配布させる操作が行われると、教師用端末10Aの記憶部73から、配布する課題ファイルP及び課題ファイルPに対応する課題IDを有する属性ファイルQが読み出され、読み出された課題ファイルP及び属性ファイルQが教室内LANを介して生徒用端末10Bに送信される。
生徒用端末10Bは、課題ファイルP及び属性ファイルQを受信すると、受信した課題ファイルP及び属性ファイルQを記憶部61に記憶させる。生徒により、生徒用端末10Bにおいて、端末内に保存されている課題をリスト表示させる操作が行われると、記憶部61から課題ファイルP及び属性ファイルQが読み出される。制御部60は、読み出した属性ファイルQに指定されている提出方法を、属性ファイルQに指定された課題IDを有する課題ファイルPに重ねて表示させ、生徒に与えられた課題をアイコン形式で表示させる。そうすると、課題ファイルPと回答の提出方法が組み合わされたアイコンが生徒用端末10Bのディスプレイに表示される(
図6参照)。
【0045】
図6では、課題ファイルP1は、提出方法が教室内LAN及びインターネットと指定されており、課題ファイルP2は、提出方法が近接通信のみと指定されており、課題ファイルP3は、提出方法が教室内LANと指定されている様子を示している。このように、属性ファイルQは、関連する課題ファイルPを識別するための課題IDの情報を備えているので、複数の課題ファイルPがあるとしても、課題ファイルPに対してそれぞれ提出方法が指定でき、課題ファイルP毎に表示できるようになっている。
例えば、生徒が生徒用端末10Bにて課題ファイルP1の課題を実施し、実施した回答内容の保存操作をすると、生徒用端末10Bにおいて課題ファイルP1が読み出されて編集され、課題ファイルP1に記載された課題への回答が保存されたものが回答済み課題ファイルP1´として記憶部61に記憶される。
【0046】
課題ファイルP1(P1´)は、関連付けられる属性ファイルQにて提出方法が教室内LAN及びインターネットが指定されているので、生徒用端末10Bから教室内LANまたはインターネットを介して教師用端末10Aに送信して提出できるものである。例えば、生徒は、生徒用端末10Bにおいて、課題ファイルP1を示すアイコンが右クリックされると、属性ファイルQで指定された提出方法がディスプレイ上にリスト表示される。生徒は、リスト表示された教室内LANまたはインターネットのうちいずれかを選択することにより、生徒用端末10Bから、課題ファイルP1に記載された課題への回答を教師用端末10Aに提出(送信)することができる。
【0047】
また、例えば、生徒が生徒用端末10Bにて課題ファイルP2の課題を実施し、実施した回答内容の保存操作をすると、生徒用端末10Bにおいて課題ファイルP2が読み出されて編集され、課題ファイルP2に記載された課題への回答が保存されたものが回答済み課題ファイルP2´として記憶部61に記憶される。
課題ファイルP2(P2´)は、提出方法が近接通信と指定されているので、生徒用端末10Bから教師用端末10Aには近接通信を介してのみ送信することができる。そのため、課題ファイルP2(P2´)は、教室内LAN及びインターネット等の他のネットワークを介した提出はできない。近接通信によって教師に課題ファイルP2を提出する場合には、生徒は、自席から教師と近距離無線通信が可能な場所まで赴き、教師用端末10Aの近接通信部41と近距離無線通信が可能な位置に生徒用端末10Bを配置させる。
【0048】
教師用端末10Aと生徒用端末10Bが互いに通信可能な状態となった後、生徒は、生徒用端末10Bにおいて、課題ファイルP2を示すアイコンを右クリックし、近接通信(近距離無線通信)によって課題ファイルP2を送信する指示を入力する。そうすると、近接通信を介して生徒用端末10Bから教師用端末10Aに課題への回答が送信される。
【0049】
また、教師が提出方法を変更する操作を行った場合には属性ファイルQが再配布される。教師用端末10Aにおいて、提出方法を変更する課題ファイルPに関連する属性ファイルQが読み出され、読み出された属性ファイルQのうち、提出方法が、入力部70を介して入力された提出方法に書き換えられ、新たな属性ファイルQが作成される。新たな属性ファイルQは、生徒用端末10Bに配布される。
【0050】
生徒用端末10Bは新たな属性ファイルQを受信すると、新たな属性ファイルQに記載される課題IDを参照し、関連付けられる課題ファイルPを識別し、課題ファイルPとともに記憶部73に記憶させる。
生徒は、生徒用端末10Bのディスプレイに表示される新たな提出方法に基づいて、関連する課題ファイルPを教師用端末10Aに提出する。
【0051】
以上説明してきたように、本実施形態に係る生徒用端末10B、その制御プログラム及び制御方法、教師用端末10A、及びその制御プログラム及び制御方法、並びに教育支援システムによれば、課題ファイルPに関連付けられた属性ファイルQに指定されている課題ファイルPに記載された課題への回答の提出方法が参照され、提出方法として近接通信を用いることが指定されている場合には課題ファイルPに記載された課題への回答が生徒用端末10Bの近接通信部41を介して教師用端末10Aに送信される。
このように、生徒用端末10Bは属性ファイルQで指定された提出方法である近接通信を介して課題ファイルPを提出するので、生徒は、教師が使用する教師用端末10Aに近接通信する程の近距離まで近づく必要が生じ、半ば強制的に生徒が教師の側まで来るので、生徒と教師が会話をする機会が増える。これにより、教師は生徒の表情等から回答に対する自信度を伺ったり、教師と生徒が直接言葉を交わして不明点をフォローしたりする機会が増える。
【0052】
また、課題ファイルPに記載された課題への回答の提出方法が変更された場合であっても、新たな属性ファイルQを受信することにより、新たな属性ファイルに指定される提出方法によって教師用端末10Aに送信させることができる。
【0053】
なお、上記実施形態においては、教師用端末に属性ファイル作成部を設け、教師用端末において属性ファイルQの作成が行われることとして説明していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、別途備えられたサーバー等の教師用端末以外の他の端末に属性ファイル作成部を設け、該他の端末で作成された属性ファイルQを、教師用端末10Aで取得し、教師用端末10Aから生徒用端末10Bに配布させてもよい。
【0054】
以上、本発明を、上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、上記実施形態においては、課題ファイルPを提出する場合にアイコンを右クリックし、教師用端末10Aに提出する提出方法を選択した時点で、課題ファイルPの提出(送信)が行われていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、課題ファイルPに関連する属性ファイルQで指定される提出方法が1つしかない場合には、課題ファイルPの右クリックメニューに「送信」メニューを設けておき、「送信」をクリックすることによって課題ファイルPの提出(送信)を指定された1つの提出方法で行わせるようにしてもよい。