【課題を解決するための手段】
【0015】
技術水準の欠点を考慮すると、本発明が解決しようとする問題点はこのため、有機フッ素化合物を含む絶縁流体を使用するガス絶縁、特にガス絶縁トランスまたはガス絶縁リアクタを有する電気器具を含む電気装置を提供することであり、当該装置は、非常に安全な方法で、完全な定格電圧へ器具の運転を開始することを可能にする。
【0016】
さらなる態様によれば、本発明はまた、有機フッ素化合物を含む絶縁流体を利用した、ガス絶縁、特にガス絶縁トランスまたはガス絶縁リアクタを備えた電気器具を提供するという問題を解決することを目的とし、当該装置は、負荷条件とは独立に、非常に安全な運転を可能にする。
【0017】
問題は、それぞれ、独立請求項1および19の主題によって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項および請求項の組み合わせで与えられる。
【0018】
請求項1によれば、本発明は、少なくともその一部が有機フッ素化合物を含む誘電絶縁流体を含有する絶縁空間を画成する、トランスの内部空間を囲むハウジングを備えるガス絶縁、特にガス絶縁トランスまたはガス絶縁リアクタを有する電気器具を含む電気装置に関する。電気器具は、さらに、絶縁空間内に配置され絶縁流体に囲まれた電気部品を備え、当該電気部品は、少なくとも1つの巻線を含む。本発明によれば、電気装置は、電力グリッドに少なくとも1つの巻線のうちの1つまたは複数を接続することにより、器具を非動作状態から動作状態にもたらすための電気コネクタを含む。さらに、電気装置は、電気器具が非動作状態にあるときに、少なくとも1つの巻線のうちの1つまたは複数に接続可能な補助電源を備える。
【0019】
本発明の文脈において使用される「巻線」という用語は、広く解釈されるべきであり、特に、それ自体が2つ以上の巻線またはコイルを含む電圧系統の形態の巻線を包含する。
【0020】
「ガス絶縁を有する電気器具」という用語は、ガス絶縁を有する少なくとも1つの構成要素、部分または区画を有する任意の電気器具を広く包含するものとし、また、任意の全体的にガス絶縁された電気器具を包含するものとする。
【0021】
本発明の文脈において使用される「非動作状態」という用語は、特に、すべての巻線が電力グリッドから直流的に絶縁された状態に関する。好ましくは、回路ブレーカおよびアイソレータの組み合わせは、巻線をオフグリッドに維持するために使用され、それぞれの巻線を補助電源に安全に接続する。
【0022】
本発明の文脈において使用される「リアクタ」という用語は、特に、電気リアクタ、より特定的には、電流制限装置、および/または無効電力補償装置のためのものに関する。
【0023】
特に電気器具が動作可能になる前に、すなわち、それが電力グリッドに接続される前に、すなわち、電気器具の開始位相において、補助電源に1つまたは複数の巻線を接続することにより、熱は電力損失によって生成されることができる。これは再び、凝縮された絶縁流体が気体状態にもたらされることを可能とし、このため電気器具の動作を開始する前に、公称組成の絶縁ガスと、その結果として、十分に高い絶縁耐力とが達成される。
【0024】
具体的には、補助電源は、このため、補助電源に接続される少なくとも1つの巻線に熱を発生するように設計されている。これにより、巻線(複数可)は、絶縁空間に存在する絶縁流体の任意の凝縮液を蒸発させるために必要な熱量を発生する発熱素子として機能する。このため、追加の加熱手段は必要とされず、最終的に装置の非常にコンパクトな設計を達成することができる。
【0025】
熱の発生のために、本発明は、無負荷損失、負荷損失、またはその両方を使用することができる。具体的には、交流(AC)電源または直流(DC)電源は、加熱のために使用されることができる。以下でより詳細に説明するように、交流電源が、好ましい。具体的には、交流補助電源は、電気器具の定格負荷の損失に匹敵する電力定格を有するように選択されることができる。
【0026】
しかし、特定のSCADA装置などの電気器具の二次装置への電力供給のためなどに、直流電源が利用可能である場合は、熱は、この直流電源のみを使用して、抵抗損失によって生成されることができる。同一の高周波の磁場がコア内に作成されることにより、巻線に高周波電圧を供給することもさらに可能である。ここで、高周波数とは、電力グリッドの周波数以上の周波数(すなわち、50Hz以上または60Hz以上または16 2/3Hz以上)を広く包含するものとし、特に、kHzの範囲または10kHzの範囲または100kHzの範囲以上である周波数を包含することができる。
【0027】
電気器具、電気コネクタ、補助電源とは別に、電気装置は、たとえばアイソレータといった、さらなる個々の部品を含むことが理解される。
【0028】
上述のように、本発明のガス絶縁を有する電気器具は、好ましくは、ガス絶縁トランスまたはガス絶縁リアクタである。本発明は、このように、動作状態の間に現れる誘電状況に対して、トランスまたはリアクタ、特にその絶縁耐圧を順当に準備するために、トランスまたはリアクタのための固有の巻線(複数可)を、電力グリッド以外の電源に接続することにより、それらを使用する。
【0029】
実施形態によれば、電気器具は、ガス絶縁トランス、特にガス絶縁電力トランスである。この結果、本実施形態の電気部品は、位相ごとの一次巻線と二次巻線とを備えた位相ごとの少なくとも2つの巻線を含み、さらに、磁気コアを備える。これにより、電気コネクタは、電力グリッドに一次巻線を接続することにより、特に開始位相において、トランスを非動作状態から動作状態にもたらすために設計されている。
【0030】
特に、少なくとも2つの巻線は、たとえばここでは主交流電源に接続される巻線といった一次巻線からの部分と、たとえばここでは負荷に接続される巻線といった二次巻線からの部分とを含む。実施形態では、たとえば三次巻線、四次巻線または他の巻線といったさらなる巻線が、存在していてもよい。
【0031】
ガス絶縁トランスの一実施形態では、巻線は、「コア型」トランスの場合のように磁気コアの周りに巻かれることができ、または「シェル型」トランスの場合のように、磁気コアに囲まれることができる。
【0032】
実施形態では、器具は、電力トランスである。
上述したように、補助電源は、補助電源に接続された任意の巻線において熱を生成するように一般的に設計されている。以下でより詳細に説明するように、補助電源は、理想的には、追加の熱素子および/またはファンのような、トランスのさらなる構成要素に電力を供給するために使用されることができる。
【0033】
実施形態では、さらなる電気装置は、補助電源に接続されるべきではない少なくとも1つの巻線を短絡させるための手段を含む。特に、電気器具がオフグリッドである場合、特に、電気器具がグリッドの二次側でグリッドから分離されている場合、そのような手段は、補助電源に接続されていない少なくとも二次巻線または一次巻線を短絡するものとする。
【0034】
補助電源が補助交流電源である上述した実施形態では、電源は、好ましくは、補助交流電源に接続された巻線、特に一次巻線において、少なくとも1つの短絡された巻線、特に二次巻線の定格電流の200%以下、好ましくは150%以下、より好ましくは100%以下の定格電流が生成されるような電圧を誘導するように定格化される。好ましい実施形態によれば、補助交流電源は、少なくとも1つの短絡された巻線で少なくとも定格とほぼ同じかそれ以下の電流が生成されるように、それに接続された巻線で電圧を誘導するように定格化される。
【0035】
実施形態では、補助電源は、電気器具の非動作状態の間に、特に開始位相で、補助電源に接続された少なくとも1つの巻線に抵抗損失を発生させるために、特に、電気器具の二次装置に電力を供給するための、直流(DC)電源である。
【0036】
実施形態では、補助電源は高周波電源である。具体的には、補助電源は、ガス絶縁トランスの非動作状態中、特に開始位相で、ガス絶縁トランスの磁気コアで高周波磁気損失を生成するための高周波電源である。
【0037】
実施形態によれば、電気コネクタは、特に、電力グリッドに接続される状態から補助電源に接続される状態に、および逆に補助電源に接続される状態から電力グリッドに接続される状態に、少なくとも1つの巻線を切り替えるためのスイッチである。これは、電気装置の非常にコンパクトな設計に再び貢献する。
【0038】
実施形態では、電気コネクタは、電気器具を遮断し、オフグリッドにして維持するために、特に、電気器具の一次側をグリッドから遮断し、遮断して維持するために、特に、アイソレータと組み合わされる回路ブレーカを含み、さらに、電気器具がオフグリッドであるとき、特に、電気器具がその一次側でグリッドから分離されるときに、少なくとも1つの巻線のうちの少なくとも1つを補助電源に接続するための接触手段を含む。
【0039】
特定の実施形態によれば、補助電源は、さらに、少なくとも1つのファンおよび/または電気器具に起因する少なくとも1つの追加の熱素子に電力を供給するために設計されている。この文脈では、追加の熱素子は、補助電源に接続された巻線によって形成された熱素子以外のものをいう。ファンおよび追加の熱素子(複数可)は、装置の内部空間内に均一な熱分配を可能にする。これらの構成要素および熱素子として機能する巻線のために同じ電源を使用することにより、非常にコンパクトな設計を実現することができる。
【0040】
上述のように、本発明はさらに、特に上記のような電気装置で使用するための、ガス絶縁器具に関する。
【0041】
電気器具は、ガス絶縁を備え、装置の外部に内部空間から熱を伝達するためのラジエータを含む。ラジエータにより、装置の動作中に生成される過剰な熱を効率よく放出することができる。ラジエータは、電気器具の任意の巻線および/または磁気コア(存在する場合)で発生した熱を運ぶ熱伝達流体を通過させるように設計され、熱伝達流体の流れは、熱伝達流体路を画定する。
【0042】
本発明によれば、熱伝達流体の少なくとも一部がラジエータをバイパスすることを可能とするように、器具はさらに、ラジエータの上流で熱伝達流体路から分岐する、熱伝達流体のためのバイパスチャネルを含む。
【0043】
典型的には、熱伝達流体と絶縁流体は、1つであり同一である。具体的には、それは、熱伝達ガスである。
【0044】
熱伝達流体路は、少なくとも部分的にチャネルの形態、特にチャネル壁に囲まれたチャネルの形態であり得る。
【0045】
完全な一般性において、すなわち、本出願の文脈においてまたはそこから独立に、一般に電気的に中電圧または高電圧の器具に対して、たとえば本明細書に開示された有機フッ素化合物または任意の他のSF
6置換誘電絶縁流体および/またはアーク消火媒体を含有する絶縁流体および/またはアーク消火媒体を使用して、ラジエータは、環境へ熱を伝達するように設計されることができ、またはラジエータによって放出される熱が電気装置または器具をさらに加熱するために使用されることができる。特に、SF
6とは異なる代替ガスを使用する、また特に本明細書に記載の絶縁流体および/またはアーク消火媒体を使用するガス絶縁開閉装置またはその部品のために、熱が使用されることができる。この目的のために、各チャネルは、特にパイプまたはチューブの形態で、さらなる電気装置、特にGISへ、ラジエータから受け取った熱を伝達するために、ハウジングの外側に配置されることができる。
【0046】
上述のように、本発明の電気器具は、好ましくは、ガス絶縁トランスまたはガス絶縁リアクタであり、特に、ガス絶縁トランス、より特定的にはガス絶縁電力トランスである。
【0047】
実施形態では、バイパスチャネルの分岐の下流に、熱伝達流体路が、ラジエータ入口チャネルを形成し、バイパスチャネルの分岐に、バルブ、特に3ポートバルブが、バイパスチャネルおよびラジエータ入口チャネルのそれぞれを少なくとも部分的に開閉するように配置されている。このため、熱伝達流体の流れは、制御されることができ、ラジエータを通過および/またはバイパスする熱伝達流体の量は、トランスの内部空間内の実際の温度の状況に適合されることができる。一方で、気相へと凝縮物をもたらすために熱が必要とされる場合、または、凝縮につながる可能性がある温度低下に対抗するために必要とされる場合は、ラジエータをバイパスする熱伝達流体の量が増加される。他方で、絶縁流体を完全に気体状態に維持するために必要な熱も考慮した上で、過剰な熱が生成される場合、当該過剰な熱は、ラジエータを通過する熱伝達流体のそれぞれの量を指示することによって放出されることができる。
【0048】
熱伝達流体路は、ラジエータに直接に隣接しかつその下流に(伝熱流体の流れの方向によって下流が規定される)、ラジエータ出口チャネルを形成し、バイパスチャネルは、ラジエータからある距離離れて、ラジエータ出口チャネルへと開くことがさらに好ましい。このため、バイパスチャネルを通って導かれる熱伝達流体の一部は、再び熱伝達流体路、こうして、伝達流体の循環に入る。バイパスする熱伝達流体によって運ばれる熱がラジエータへと放出されないという事実のために、比較的高い量の熱エネルギーが循環し、このため、トランス内部空間内で比較的高い温度を維持するのに寄与する。
【0049】
絶縁空間内の温度状況に応じて、熱伝達流体の流れ、特に、バイパスチャネルからのおよび/またはラジエータ出口チャネルからの絶縁空間への熱伝達流体の流れを生成するために、および/または熱伝達流体中に含まれる液体成分を均一に混合するために、ファンが配置されることが特に好ましい場合がある。
【0050】
ファンは、対流によってトランスを冷却するその機能とは別に、また絶縁流体を均一に混合するのに役立ち、このため絶縁空間全体にわたって均一な熱分布と均一な絶縁流体組成物とを達成することができる。CO
2および/またはO
2のようなバックグラウンドガスと組合せて、たとえば、フルオロケトンのような比較的高い比重の絶縁流体成分を使用する場合に、底部領域にフルオロケトンが蓄積し、一定に混合されないかもしれないが、このことは、ファンによって効率的に回避することができるため、これは、特に重要である。ファンは、熱伝達流体の流れを生成し、その流れは温度状況に応じて、ラジエータを通過、および/またはバイパスされることを可能とされる。
【0051】
ファンが提供される場合、複数の異なる冷却モードが実現されることができる。第1のモードによれば、ファンが、非アクティブであり、バイパスチャネルが開いていることにより、最小限の冷却を提供する。ファンを作動させることによって、または少なくとも部分的にバイパスチャネルを閉じることにより、ラジエータを通過する熱伝達流体の量を増やすことによって、冷却は増加されることができる。ファンを作動させ、同時にバイパスチャネルを閉じることによって最大の冷却を得ることができる。
【0052】
電気器具の加熱手順の間に、バイパスチャネルは、典型的には、少なくとも部分的に開かれている。好ましくは、ファンは、この手順の間に動作中であり、これによりバイパスチャネルを少なくとも部分的に通過する熱伝達流体の流れを生成する。
【0053】
本発明の文脈において使用される「ファン」という用語は、広く解釈されるべきであり、ガス流を生成するための任意の装置を包含し、特にベンチレータ、送風機またはポンプを包含する。
【0054】
実施形態によれば、器具はさらに、絶縁流体の凝縮物を回収するための回収タンクを含む。器具は、さらに、凝縮物、特に回収タンク内に含まれる凝集物を蒸発させるための、追加の熱素子を含むことが好ましい。回収タンク内に凝縮された絶縁流体を回収することによって、具体的には回収タンク、特にその壁に、熱エネルギーを伝達することによって、非常に効率的な蒸発を達成することができる。
【0055】
好ましくは、追加の熱素子および/またはファンは、電源用補助電源に接続される。代替的にまたは追加的に、追加の熱素子および/またはファンに、たとえば地熱エネルギーまたは分配熱供給を使用した熱エネルギーによって、供給することも可能である。
【0056】
実施形態によれば、有機フッ素化合物は、フルオロエーテル、特にハイドロフルオロモノエーテル、フルオロケトン、フルオロオレフィン、特にハイドロフルオロオレフィン、およびそれらの混合物からなる群から選択されるが、これは化合物のこれらの分類が、非常に高い絶縁性能、特に高い絶縁耐力(またはブレークダウン電界強度)と同時に、低GWPおよび低毒性を有することが見出されているためである。
【0057】
本発明は、それぞれの絶縁流体が、フルオロエーテル、特にハイドロフルオロモノエーテルと、フルオロケトンと、フルオロオレフィン、特にハイドロフルオロオレフィンとのうちのいずれか1つを含む実施形態、ならびにこれらの少なくとも2種の混合物を含む実施形態の両方を包含する。
【0058】
実施形態では、絶縁流体はさらに、特に空気、空気成分、窒素、酸素、二酸化炭素、窒素酸化物およびこれらの混合物からなる群から選択されるバックグラウンドガスを含む。
【0059】
本発明の文脈において使用される「フルオロエーテル」という用語は、パーフルオロエーテル、すなわち完全にフッ素化されているエーテルと、ハイドロフルオロエーテルすなわち、部分的にのみフッ素化されているエーテルの両方を包含する。「フルオロエーテル」という用語はさらに、飽和化合物ならびに不飽和化合物、すなわち炭素原子間の二重および/または三重結合を含む化合物を包含する。フルオロエーテルの酸素原子に結合された少なくとも部分的にフッ素化されたアルキル鎖は、互いに独立し、直鎖状または分枝状であることができる。
【0060】
「フルオロエーテル」という用語はさらに、非環式および環式エーテルの両方を包含する。このため、酸素原子に結合した2つのアルキル鎖は、必要に応じて環を形成することができる。特に、この用語は、フルオロオキシランを包含する。特定の実施形態において、本発明に係る有機フッ素化合物は、パーフルオロオキシランまたはハイドロフルオロオキシランであり、より特定的には、3〜15個の炭素原子を含むパーフルオロオキシランまたはハイドロフルオロオキシランである。
【0061】
実施形態では、それぞれの絶縁流体は、少なくとも3個の炭素原子を含有するハイドロフルオロモノエーテルである。それらの高い絶縁耐力とは別に、これらのハイドロフルオロモノエーテルは、140℃以上の温度まで、化学的および熱的に安定している。これらは、非毒性であるか、または低い毒性レベルを有する。さらに、それらは、非腐食性および非爆発性である。
【0062】
本明細書で使用する「ハイドロフルオロモノエーテル」という用語は、1つの唯一のエーテル基を有する化合物を指し、2つのアルキル基に結合する当該エーテル基は、互いに独立し、直鎖状または分枝状であることができ、必要に応じて環を形成することができる。化合物は、このため、熱伝達流体中で、2つのエーテル基を含有する化合物、すなわちハイドロフルオロジエステルの使用に関する、たとえば米国特許第7128133B号明細書に開示された化合物とは明らかに対照的である。
【0063】
本明細書で使用する「ハイドロフルオロモノエーテル」という用語は、モノエーテルが部分的に水添され部分的にフッ素化されたものであるとさらに理解されるべきである。それが、異なって構造化されたハイドロフルオロモノエーテルの混合物を含んでもよいように理解されるべきである。「構造的に異なる」という用語は、広義に、ハイドロフルオロモノエーテルの化合式または構造式の任意の違いを包含するものとする。
【0064】
上記のように、少なくとも3個の炭素原子を含有するハイドロフルオロモノエーテルは、比較的高い絶縁耐力を有することが見出されている。具体的には、SF
6の絶縁耐力に対する本発明に係るハイドロフルオロモノエーテルの絶縁耐力の比は、約0.4よりも大きい。
【0065】
また、上述したように、ハイドロフルオロモノエーテルのGWPは低い。好ましくは、GWPは、100年あたり1000未満、より具体的には、100年あたり700未満である。本明細書で言及されるハイドロフルオロモノエーテルは、比較的低い大気寿命を有しており、加えて、オゾン破壊触媒サイクルにおける役割を果たしているハロゲン原子、すなわちCl、BrまたはIを欠いている。本明細書に記載されるハイドロフルオロモノエーテルのオゾン破壊係数(ODP)はゼロであり、これは環境の観点から非常に有利である。
【0066】
少なくとも3個の炭素原子を含有し、このため、−20℃を超える比較的高い沸点を有するハイドロフルオロモノエーテルに対する選好は、一般的にハイドロフルオロモノエーテルの沸点が高くなると共に、誘電強度がより高くなるという知見に基づくものである。
【0067】
他の実施形態によれば、ハイドロフルオロモノエーテルは、正確に3個または4個または5個または6個の炭素原子、特に正確に3個または4個の炭素原子、最も好ましくは正確に3個の炭素原子を含有する。
【0068】
より具体的には、ハイドロフルオロモノエーテルはこのため、水素原子の一部がフッ素原子で各々置換されている、以下の構造式により定義される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物である。
【0069】
【化1-1】
【0070】
【化1-2】
【0071】
3個または4個の炭素原子を含有するハイドロフルオロモノエーテルを使用することにより、器具の巻線の適度な加熱によって気化を達成することができる。このため、器具の動作の前に、そのすべての部分が気体状態になっている絶縁流体を実現することができる。
【0072】
化合物の可燃性を考慮すると、ここにハイドロフルオロモノエーテルの「F率」と簡単に呼ばれる、フッ素および水素原子の合計数に対するフッ素原子の数の比を、少なくとも5〜8であるように選択することができることがさらに有利である。この定義内に入る化合物は、一般的に不燃性であり、このため、最高の安全要件に準拠する絶縁流体をもたらすことが見出されている。
【0073】
他の実施形態によれば、ここで「F/C比」と簡単に呼ばれる、炭素原子の数に対するフッ素原子の数の比は、1.5:1〜2:1の範囲である。このような化合物は、一般的に100年あたり1000未満のGWPを有し、このため、非常に環境に優しい。特にハイドロフルオロモノエーテルは、100年あたり700未満のGWPを有することが好ましい。
【0074】
本発明の他の実施形態によれば、ハイドロフルオロモノエーテルは、一般構造(0)を有する。
C
aH
bF
c−O−C
dH
eF
f (0)
ここで、aとdとは、1〜3の独立な整数であり、a+d=3または4または5または6、特に3または4であり、bとcとは0〜11、特に0〜7の独立な整数であり、b+c=2a+1であり、eとfとは0〜11、特に0〜7の独立な整数であり、e+f=2d+1であり、さらにbとeのうちの少なくとも1つは、1以上であり、cとfのうちの少なくとも1つは、1以上である。
【0075】
これによって、ハイドロフルオロモノエーテルの一般的な構造または式(0)内の望ましい実施形態では、aは1であり、bおよびcは0から3の範囲の独立な整数であり、b+c=3であり、d=2であり、eおよびfは、0から5の範囲の独立な整数であり、e+f=5であり、さらにbとeのうちの少なくとも1つは、1以上であり、さらにcとfのうちの少なくとも1つは、1以上である。
【0076】
より特定の実施形態によれば、一般的な構造(0)におけるcおよびfの正確に1つは、0である。エーテル結合の一方側のフッ素に対応する群は、反対側が非置換のままであり、「偏析(segregation)」と呼ばれる。偏析は、同じ鎖長の分離されていない化合物と比較して沸点を低下させることが見出されている。
【0077】
最も好ましくは、ハイドロフルオロモノエーテルは、ペンタフルオロエチルメチルエーテル(CH
3−O−CF
2CF
3)、および2,2,2−トリフルオロエチル−トリフルオロメチルエーテル(CF
3−O−CH
2CF
3)からなる群から選択される。ペンタフルオロ−エチル−メチルエーテルは、+5.25°Cの沸点、100年あたり697のGWP、0.625のF率を有し、一方、2,2,2−トリフルオロエチル−トリフルオロメチルエーテルは、+11°Cの沸点、100年あたり487のGWP、0.75のF率を有する。それらは両方とも0のODPを有するので、完全に環境に許容可能である。
【0078】
また、ペンタフルオロ−エチル−メチルエーテルは175℃の温度で30日間熱的に安定であること、従って、器具に与えられた動作条件のために完全に適していることが見出されている。より高い分子量のハイドロフルオロモノエーテルの熱安定性の研究は、完全に水添されたメチルまたはエーテル基を含有する群が、部分的に水添された群と比較してより低い熱安定性を有することが示しているので、2,2,2−トリフルオロエチル−トリフルオロメチルエーテルの熱的安定性は、さらに高くなると想定することできる。
【0079】
一般的にハイドロフルオロモノエーテル、およびペンタフルオロ−エチル−メチルエーテル、ならびに2,2,2トリフルオロエチル−トリフルオロメチルエーテルは、特に、人間への毒性の低い危険性を呈する。これは、哺乳動物のHFC(ハイドロフルオロカーボン)試験の利用可能な結果から結論付けることができる。また、商業ハイドロフルオロモノエーテルについて利用可能な情報には、本出願の化合物の発がん性、変異原性、生殖/発達への影響と、他の慢性効果の証拠が与えられていない。
【0080】
より高い分子量の商業的ハイドロフルオロエーテルのために利用可能なデータに基づいて、ハイドロフルオロモノエーテル、特にペンタフルオロ−エチル−メチルエーテル、ならびに2,2,2−トリフルオロエチル−トリフルオロメチルエーテルは、10000ppmより高い致死濃度LC50を有すると結論付けることができ、毒物学的観点からもそれらを適切であるとする。
【0081】
上記のハイドロフルオロモノエーテルは、空気より高い誘電強度を有する。具体的には、1バールのペンタフルオロ−エチル−メチルエーテルは、1バールの空気よりも約2.4倍高い誘電強度を有する。
【0082】
好ましくは55℃以下、より好ましくは40°C以下、特に30°C以下であるその沸点を考慮すると、上述のハイドロフルオロモノエーテル、特にペンタフルオロ−エチル−メチルエーテルおよび2,2,2−トリフルオロエチル−トリフルオロメチルエーテルはそれぞれ、通常動作条件で気体状態である。また、すべての部分が気体状態である絶縁性液体は、器具の動作に先立って達成されることができ、有利である。
【0083】
上記ハイドロフルオロモノエーテルに代替的にまたは追加的に、それぞれの絶縁流体は、4〜12個の炭素原子を含むフルオロケトンを含む。
【0084】
本出願で使用される「フルオロケトン」という用語は、広く解釈されるものとされ、パーフルオロケトンおよびハイドロフルオロケトンの両方を包含するものとし、さらに飽和化合物と不飽和化合物の両方、すなわち、炭素原子間の二重および/または三重結合を含む化合物を包含するものとする。フルオロケトンの少なくとも部分的にフッ素化されたアルキル鎖は、直鎖状または分枝状であり得るか、または必要に応じて1つまたは複数のアルキル基で置換されて環を形成することができる。例示的な実施形態では、フルオロケトンは、パーフルオロケトンである。さらなる例示的な実施形態では、フルオロケトンは、分枝状のアルキル鎖、特に少なくとも部分的にフッ素化されたアルキル鎖を有する。さらに別の例示的な実施形態では、フルオロケトンは、完全飽和化合物である。
【0085】
別の態様によれば、本発明に係る絶縁流体は、4〜12個の炭素原子を有するフルオロケトンを含んでもよく、フルオロケトンの少なくとも部分的にフッ素化されたアルキル鎖は、任意に1つまたは複数のアルキル基で置換された環を形成する。
【0086】
特に、絶縁流体が正確に5個または正確に6個の炭素原子を含有するフルオロケトンまたはそれらの混合物を含むことが好ましい。6個を超える炭素原子を有するより大きな鎖長を有するフルオロケトンと比較して、5個または6個の炭素原子を含むフルオロケトンは、比較的低沸点であるという利点を有し、本発明の装置および器具によって、液化に効率的に対抗することができる。
【0087】
実施形態によれば、フルオロケトンは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された、以下の構造式により定義される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物である。
【0088】
【化2】
【0089】
5個以上の炭素原子を含むフルオロケトンが一般的に人間の安全のための優れた範囲で非毒性であるので、それらはさらに有利である。これは、毒性であり高反応性であるヘキサフルオロアセトン(またはヘキサフルオロプロパノン)などの、4個より少ない炭素原子を有するフルオロケトンとは対照的である。特に、本明細書中で簡潔にフルオロケトンa)と呼ばれる正確に5個の炭素原子を含むフルオロケトン、および正確に6個の炭素原子を含むフルオロケトンは、500℃まで熱的に安定である。
【0090】
特定の実施形態によれば、特に、正確に5個の炭素原子を有し、より具体的に(Ia)から(Ii)に記載の構造式を有するフルオロケトンを含む誘電絶縁流体は、特に、空気、空気成分、窒素、酸素、二酸化炭素、窒素酸化物(NO
2、NO、N
2Oを含むがこれらに限定されない)、およびそれらの混合物からなる群から選択される、バックグラウンドガスをさらに含むことができる。
【0091】
本発明の実施形態では、分枝アルキル鎖を有するフルオロケトン、特にフルオロケトンa)は、それらの沸点が、直鎖アルキル鎖を有する対応する化合物(すなわち同一の分子式を持つ化合物)の沸点よりも低いので、好ましい。
【0092】
実施形態によれば、フルオロケトンa)は、特に、分子式C
5F
10Oを有する、すなわち炭素原子間の二重または三重結合なく完全に飽和しているパーフルオロケトンである。フルオロケトンa)は、より好ましくは、1,1,1,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブタン−2−オン(デカフルオロ−2−メチルブタン−3−オンとも呼ばれる)、1,1,1,3,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン−2−オンと、1,1,1,2,2,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン−3−オンと、オクタフルオロシクロペンタノンと、最も好ましくは1,1,1,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブタン−2−オンと、から成る群から選択することができる。
【0093】
1,1,1,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブタン−2−オンは、以下の構造式(I)で表すことができる。
【0094】
【化3】
【0095】
ここで簡単に「C5−ケトン」という、CF
3C(O)CF(CF
3)
2またはC
5F
10Oという分子を有する1,1,1,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブタン−2−オンは、特に誘電体キャリアガスとの混合物中で高誘電率絶縁性能の利点を有し、非常に低いGWPを有し、低沸点を有するため、特に、高および中電圧絶縁用途のために好ましいことが見出されている。これは、0のODPを有し、実質的に非毒性である。
【0096】
実施形態によれば、異なるフルオロケトン成分の混合物を組合せることによってさらに高い絶縁性能が達成されることができる。実施形態では、ここで上述され、正確に5個の炭素原子を含有し、簡単にフルオロケトンa)と呼ばれるフルオロケトン、および、正確に6個の炭素原子または正確に7個の炭素原子を含有し、ここで簡単にフルオロケトンc)とも呼ばれるフルオロケトンは、好適には同時に誘電絶縁体の一部にすることができる。このため、絶縁流体は、各々がそれ自体で絶縁流体の絶縁耐力に寄与する1つ以上のフルオロケトンを有して達成されることができる。
【0097】
実施形態では、さらにフルオロケトンc)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された、以下の構造式
【0098】
【化4】
【0099】
により定義される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、ならびに、フルオロケトンの少なくとも部分的にフッ素化されたアルキル鎖が1つまたは複数のアルキル基(IIh)によって置換された環を形成している、正確に6個の炭素原子を有する任意のフルオロケトン、および/または、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された、以下の構造式
【0100】
【化5-1】
【0101】
【化5-2】
【0102】
により定義される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、特にドデカフルオロ−シクロヘプタノン、ならびにフルオロケトンの少なくとも部分的にフッ素化されたアルキル鎖が、1つまたはそれ以上のアルキル基(IIIo)によって置換された環を形成する、正確に7個の炭素原子を有する任意のフルオロケトンである。
【0103】
本発明は、(0a)から(0r)、(Ia)から(Ii)、(IIa)から(IIh)、(IIIa)から(IIIo)の構造式に記載の化合物およびそれらの混合物からなる群から選択される各化合物および各化合物の組み合わせを包含する。
【0104】
別の態様によれば、本発明に係る誘電絶縁流体は、フルオロケトンの少なくとも部分的にフッ素化されたアルキル鎖が、任意に1つまたは複数のアルキル基で置換された環を形成している、正確に6個の炭素原子を有するフルオロケトンを含んでもよい。さらに、このような誘電絶縁流体は、特に、空気、空気成分、窒素、酸素、二酸化炭素、窒素酸化物(NO
2、NO、N
2Oを含むがこれらに限定されない)およびこれらの混合物からなる群から選択されたバックグランドガスを含んでもよい。さらに、このような誘電絶縁流体を含む電気器具が開示される。
【0105】
さらに別の態様によれば、絶縁流体は、フルオロケトンの少なくとも部分的にフッ素化されたアルキル鎖が、任意に1つ以上のアルキル基で置換された環を形成している、正確に7個の炭素原子を有するフルオロケトンを含んでもよい。さらに、このような絶縁流体は、特に、空気、空気成分、窒素、酸素、二酸化炭素、窒素酸化物(NO
2、NO、N
2Oを含むがこれらに限定されない)およびこれらの混合物からなる群から選択されたバックグランドガスを含んでもよい。さらに、このような誘電絶縁流体を含む電気器具が開示される。
【0106】
本発明は、(0a)から(0r)、(Ia)から(Ii)、(IIa)から(IIg)、(IIIa)から(IIIn)の構造式に記載の化合物およびそれらの混合物からなる群から選択される各化合物および各化合物の組み合わせを包含する任意の絶縁流体を包含し、絶縁流体は、特に、空気、空気成分、窒素、酸素、二酸化炭素、窒素酸化物(NO
2、NO、N
2Oを含むがこれらに限定されない)およびこれらの混合物からなる群から選択されたバックグランドガスを含んでもよい。さらに、このような絶縁流体を含む電気器具が開示される。
【0107】
本発明による特定の装置および器具の用途に応じて、上述した(「フルオロケトンc)」と指定されたものに該当する)正確に6個の炭素原子を含むフルオロケトンは、それぞれ絶縁空間区画用に好ましくあり得、このようなフルオロケトンは、人間の安全のための優れた範囲で非毒性である。
【0108】
実施形態では、フルオロケトンc)は、フルオロケトンa)と同様に、パーフルオロケトンであり、および/または分枝アルキル鎖、特に少なくとも部分的にフッ素化されたアルキル鎖を有し、および/またはフルオロケトンc)は、完全に飽和化合物を含有する。特に、フルオロケトンc)は、分子式C
6F
12Oを有する、すなわち炭素原子間の二重または三重結合なく完全に飽和する。より好ましくは、フルオロケトンc)は、1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−3−オン(ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンとも呼ばれる)、1,1,1,3,3,4,5,5,5−ノナフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン−2−オン(ドデカフルオロ−4−メチルペンタン−2−オンとも呼ばれる)、1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ペンタン−2−オン(ドデカフルオロ−3−メチルペンタン−2−オンとも呼ばれる)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−3,3−ビス−(トリフルオロメチル)ブタン−2−オン(ドデカフルオロ−3,3−(ジメチル)ブタン−2−オンとも呼ばれる)、ドデカフルオロヘキサン−2−オン、ドデカフルオロヘキサン−3−オン、デカフルオロシクロヘキサノン(総式C
6F
10Oを有する)からなる群から選択され、特に、上述された1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−3−オンである。
【0109】
1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−3−オン(ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンとも呼ばれる)は、以下の構造式(II)で表すことができ、1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン−3−オン(ここでは簡単に「C6−ケトン」ともいい、分子式C
2F
5C(O)CF(CF
3)
2を有する。)は、特にその高い絶縁性と非常に低いGWPの高電圧絶縁用途のために好ましいことが見出される。
【0110】
【化6】
【0111】
具体的には、その減圧された破壊電界強度は、非常に低い誘電強度(E
cr=25kV/(cm×バール)を有する空気のものよりも、はるかに高い、240キロボルト/(cm×バール)ほどである。これは、0のオゾン破壊係数を有し、非毒性である。このため、環境への影響は、SF
6を用いた場合よりもはるかに低く、同時に、人間の安全のための優れた範囲が達成される。
【0112】
上記のように、有機フッ素化合物は、フルオロオレフィン、特に、ハイドロフルオロオレフィンであることができる。より具体的には、フルオロオレフィンまたはハイドロフルオロオレフィンは、それぞれ、正確に3個の炭素原子を含む。
【0113】
実施形態によれば、ハイドロフルオロオレフィンは、1,1,1,2−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、1,2,3,3−テトラフルオロ−2−プロペン(HFO−1234yc)、1,1,3,3−テトラフルオロ−2−プロペン(HFO−1234zc)、1,1,1,3−テトラフルオロ−2−プロペン(HFO−1234ze)、1,1,2,3−テトラフルオロ−2−プロペン(HFO−1234ye)、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225ye)、1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225yc)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225zc)、(Z)1,1,1,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234zeZ)、(Z)1,1,2,3−テトラフルオロ−2−プロペン(HFO−1234yeZ)、(E)1,1,1,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234zeE)、(E)1、1、2、3−テトラフルオロ−2−プロペン(HFO−1234yeE)、(Z)1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225yeZ)、(E)1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225yeE)およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される。
【0114】
本発明はさらに、以下に示す添付の図面により例示される。