【課題を解決するための手段】
【0005】
実施例1において、ブロックコポリマーを含む溶液を作製する方法は、ブロックコポリマーを溶媒混合物に溶解して溶液を形成するステップを含み、溶媒混合物は少なくとも2つの溶媒成分を含む。溶媒混合物中のブロックコポリマーの溶解度は、約64℃で少なくとも約7重量%である。溶媒混合物はブロックコポリマーと非反応性である。少なくとも2つの溶媒成分の任意の1つとブロックコポリマーとからなる単一溶媒溶液中のブロックコポリマーの最大溶解度は、約64℃で約1重量%以下である。ブロックコポリマーは、ポリイソブチレンセグメントおよびポリウレタンセグメントを含む。
【0006】
実施例2において、ブロックコポリマーと溶媒混合物との間のハンセン溶解度パラメータ距離が約2MPa
0.5未満である実施例1の方法。
実施例3において、溶媒混合物が2つの溶媒成分、即ち、アセトフェノン、ベンズアルデヒド、シクロヘキサノンおよび桂皮酸エチルからなる群より選択される第1の溶媒成分と、芳香族炭化水素、シクロヘキサン、エチルベンゼン、Solvesso(商標)100、Solvesso(商標)150、トルエンおよびキシレンからなる群より選択される第2の溶媒成分と、からなる実施例1〜2のいずれかの方法。
【0007】
実施例4において、第1の溶媒成分がシクロヘキサノンであり、第2の溶媒成分がトルエンである、実施例1〜3のいずれかの方法。
実施例5において、溶媒混合物が、3つの溶媒成分、即ち、トルエンおよびSolvesso(商標)150からなる群より選択される第1の溶媒成分と、フェニルアセトニトリル、カプロラクトン(イプシロン)、ベンズアルデヒドおよびブチルベンゾエートからなる群より選択される第2の溶媒成分と、ベンジルアセテート、テトラヒドロフラン、2,6−ジメチルピリジン、ベンジルベンゾエートおよびサフロールからなる群より選択される第3の溶媒成分と、からなる実施例1〜2のいずれかの方法。
【0008】
実施例6において、溶媒混合物が少なくとも3つの溶媒成分を含み、同溶媒成分の少なくとも1つが少なくとも約5.1MPa
0.5のハンセン極性溶解度パラメータと、少なくとも約3.8MPa
0.5のハンセン水素結合パラメータとを有する、実施例1の方法。
【0009】
実施例7において、溶媒混合物中のブロックコポリマーの溶解度が約64℃で少なくとも約20重量%である実施例1〜6のいずれかの方法。
実施例8において、ブロックコポリマー層を含む移植可能な医療機器を作製する方法は、請求項1〜7のいずれかに記載のブロックコポリマー溶液を配合するステップと、ブロックコポリマー溶液を移植可能な医療機器に堆積させるステップと、移植可能な医療機器を乾燥させ、溶媒混合物を蒸発させてブロックコポリマー層を残すステップとを含む。
【0010】
実施例9において、堆積するステップが、移植可能な医療機器上へのブロックコポリマー溶液のエレクトロスピニングおよびエレクトロスプレーの少なくとも1つを含む、実施例8の方法。
【0011】
実施例10において、第1の溶媒、第2の溶媒およびブロックコポリマーを含む組成物。ブロックコポリマーは、第1の溶媒および第2の溶媒を含む溶液中に約64℃で約7重量%以上の量でポリイソブチレンセグメントおよびポリウレタンセグメントを含む。第1の溶媒およびブロックコポリマーからなる溶液中のブロックコポリマーの最大溶解度は、約64℃で約1重量%以下である。第2の溶媒およびブロックコポリマーからなる溶液中のブロックコポリマーの最大溶解度は約64℃で約1重量%以下である。
【0012】
実施例11において、第1の溶媒が、アセトフェノン、ベンズアルデヒド、シクロヘキサノンおよび桂皮酸エチルからなる群より選択され、第2の溶媒が、芳香族炭化水素、シクロヘキサン、エチルベンゼン、Solvesso(商標)100、Solvesso(商標)150、トルエンおよびキシレンからなる群より選択される、実施例10の組成物。
【0013】
実施例12において、第1の溶媒がシクロヘキサノンであり、第2の溶媒がトルエンである、実施例10〜11のいずれかの組成物。
実施例13では、実施例10〜12のいずれかの組成物は第3の溶媒をさらに含み、溶媒の少なくとも1つが少なくとも約5.6MPa
0.5の極性ハンセン溶解度パラメータを有し、溶媒の少なくとも1つが少なくとも約4.6MPa
0.5の水素結合ハンセン溶解度パラメータを有し、第3の溶媒とブロックコポリマーからなる溶液中のブロックコポリマーの最大溶解度が約64℃で約1重量%以下である、組成物。
【0014】
実施例14において、実施例10の組成物は第3の溶媒をさらに含み、第1の溶媒は、トルエンおよびSolvesso(商標)150からなる群より選択され、第2の溶媒は、フェニルアセトニトリル、カプロラクトン(イプシロン)、ベンズアルデヒド、およびブチルベンゾエートからなる群より選択され、第3の溶媒は、ベンジルアセテート、テトラヒドロフラン、2,6−ジメチルピリジン、ベンジルベンゾエートおよびサフロールからなる群より選択され、第3の溶媒およびブロックコポリマーからなる溶液中のブロックコポリマーの最大溶解度は約64℃で約1重量%以下である、組成物。
【0015】
実施例15において、第1の溶媒と第2の溶媒を合せたものにおけるブロックコポリマーの溶解度が約64℃で少なくとも約20重量%である、実施例10〜12のいずれかの組成物。
【0016】
実施例16において、ブロックコポリマーを含む溶液を作製する方法は、ブロックコポリマーを溶媒混合物に溶解して溶液を形成するステップを含み、溶媒混合物は少なくとも2つの溶媒成分を含む。溶媒混合物中のブロックコポリマーの溶解度は、約64℃で少なくとも約7重量%である。溶媒混合物はブロックコポリマーと非反応性である。少なくとも2つの溶媒成分の任意の1つとブロックコポリマーとからなる単一溶媒溶液中のブロックコポリマーの最大溶解度は、約64℃で約1重量%以下である。ブロックコポリマーは、ポリイソブチレンセグメントおよびポリウレタンセグメントを含む。
【0017】
実施例17において、ブロックコポリマーと溶媒混合物との間のハンセン溶解度パラメータ距離が約2MPa
0.5未満である実施例16の方法。
実施例18において、溶媒混合物が2つの溶媒成分、即ち、アセトフェノン、ベンズアルデヒド、シクロヘキサノンおよび桂皮酸エチルからなる群より選択される第1の溶媒成分と、芳香族炭化水素、シクロヘキサン、エチルベンゼン、Solvesso(商標)100、Solvesso(商標)150、トルエンおよびキシレンからなる群より選択される第2の溶媒成分と、からなる実施例16〜17のいずれかの方法。
【0018】
実施例19において、第1の溶媒成分がシクロヘキサノンであり、第2の溶媒成分がトルエンである、請求項16〜18のいずれかに記載の方法。
実施例20において、溶媒混合物が、3つの溶媒成分、即ち、トルエンおよびSolvesso(商標)150からなる群より選択される第1の溶媒成分と、フェニルアセトニトリル、カプロラクトン(イプシロン)、ベンズアルデヒドおよびブチルベンゾエートからなる群より選択される第2の溶媒成分と、ベンジルアセテート、テトラヒドロフラン、2,6−ジメチルピリジン、ベンジルベンゾエートおよびサフロールからなる群より選択される第3の溶媒成分と、からなる請求項16〜17のいずれかに記載の方法。
【0019】
実施例21において、溶媒混合物が少なくとも3つの溶媒成分を含み、溶媒成分の少なくとも1つが少なくとも約5.6MPa
0.5の極性ハンセン溶解度パラメータを有し、溶媒成分の少なくとも1つは、少なくとも約4.6MPa
0.5の水素結合ハンセン溶解度パラメータを有する、請求項16〜17のいずれかに記載の方法。
【0020】
実施例22において、溶媒混合物中のブロックコポリマーの溶解度が、約64℃で少なくとも約20重量%である、請求項16〜21のいずれかに記載の方法。
実施例23において、第1の溶媒、第2の溶媒およびブロックコポリマーを含む組成物。ブロックコポリマーは、第1の溶媒および第2の溶媒を含む溶液中に約64℃で約7重量%以上の量でポリイソブチレンセグメントおよびポリウレタンセグメントを含む。第1の溶媒およびブロックコポリマーからなる溶液中のブロックコポリマーの最大溶解度は、約64℃で約1重量%以下である。第2の溶媒およびブロックコポリマーからなる溶液中のブロックコポリマーの最大溶解度は約64℃で約1重量%以下である。
【0021】
実施例24において、第1の溶媒が、アセトフェノン、ベンズアルデヒド、シクロヘキサノンおよび桂皮酸エチルからなる群より選択され、第2の溶媒が、芳香族炭化水素、シクロヘキサン、エチルベンゼン、Solvesso(商標)100、Solvesso(商標)150、トルエンおよびキシレンからなる群より選択される、実施例23の組成物。
【0022】
実施例25において、第1の溶媒がシクロヘキサノンであり、第2の溶媒がトルエンである、実施例23〜24のいずれかの組成物。
実施例26において、実施例23の組成物は第3の溶媒をさらに含み、溶媒の少なくとも1つが少なくとも約5.6MPa
0.5の極性ハンセン溶解度パラメータを有し、溶媒の少なくとも1つが少なくとも約4.6MPa
0.5の水素結合ハンセン溶解度パラメータを有し、第3の溶媒とブロックコポリマーからなる溶液中のブロックコポリマーの最大溶解度が約64℃で約1重量%以下である、組成物。
【0023】
実施例27において、第1の溶媒がトルエンおよびSolvesso(商標)150からなる群より選択され、第2の溶媒が、フェニルアセトニトリル、カプロラクトン(イプシロン)、ベンズアルデヒドおよびブチルベンゾエートからなる群より選択され、第3の溶媒が、ベンジルアセテート、テトラヒドロフラン、2,6−ジメチルピリジン、ベンジルベンゾエートおよびサフロールからなる群より選択され、第3の溶媒およびブロックコポリマーからなる溶液中のブロックコポリマーの最大溶解度は約64℃で約1重量%である、実施例23の組成物。
【0024】
実施例28において、第1の溶媒と第2の溶媒を合せたものにおけるブロックコポリマーの溶解度が、約64℃で少なくとも約20重量%である、実施例23〜25のいずれかの組成物。
【0025】
実施例29において、ブロックコポリマー層を含む移植可能な医療機器を作製する方法は、ブロックコポリマーを含むブロックコポリマー溶液を配合するステップと、ブロックコポリマー溶液を移植可能な医療機器に堆積させるステップと、移植可能な医療機器を乾燥させ、溶媒混合物を蒸発させてブロックコポリマー層を残すステップとを含む。ブロックコポリマー溶液は、約64℃で少なくとも約7重量%の濃度である。ブロックコポリマー溶液を配合するステップは、ブロックコポリマーを溶媒混合物に溶解して溶液を形成することを含み、溶媒混合物は少なくとも2つの溶媒成分を含む。溶媒混合物中のブロックコポリマーの溶解度は、約64℃で少なくとも約7重量%である。溶媒混合物はブロックコポリマーと非反応性である。少なくとも2つの溶媒成分の任意の1つとブロックコポリマーとからなる単一溶媒溶液中のブロックコポリマーの最大溶解度は、約64℃で約1重量%以下である。ブロックコポリマーは、ポリイソブチレンセグメントおよびポリウレタンセグメントを含む。
【0026】
実施例30において、溶媒混合物が2つの溶媒成分、即ち、アセトフェノン、ベンズアルデヒド、シクロヘキサノンおよび桂皮酸エチルからなる群より選択される第1の溶媒成分と、芳香族炭化水素、シクロヘキサン、エチルベンゼン、Solvesso(商標)100、Solvesso(商標)150、トルエンおよびキシレンからなる群より選択される第2の溶媒成分と、からなる実施例29の方法。
【0027】
実施例31において、第1の溶媒成分がシクロヘキサノンであり、第2の溶媒成分がトルエンである、実施例29〜30のいずれかの方法。
実施例32において、溶媒混合物が、3つの溶媒成分、即ち、トルエンおよびSolvesso(商標)150からなる群より選択される第1の溶媒成分と、フェニルアセトニトリル、カプロラクトン(イプシロン)、ベンズアルデヒド、およびブチルベンゾエートからなる群より選択される第2の溶媒成分と、ベンジルアセテート、テトラヒドロフラン、2,6−ジメチルピリジン、ベンジルベンゾエートおよびサフロールからなる群より選択される第3の溶媒成分と、からなる、実施例29の方法。
【0028】
実施例33において、堆積するステップは、移植可能な医療機器上へのブロックコポリマー溶液の、溶媒流延(solvent casting)、スプレーコーティング、または浸漬コーティングのうちの少なくとも1つを含む、請求項29〜32のいずれかに記載の方法。
【0029】
実施例34において、溶媒混合物が少なくとも3つの溶媒成分を含み、溶媒成分の少なくとも1つが少なくとも約5.6MPa
0.5の極性ハンセン溶解度パラメータを有し、溶媒成分の少なくとも1つが少なくとも約4.6MPa
0.5の水素結合ハンセン溶解度パラメータを有する、請求項29の方法。
【0030】
実施例35において、堆積するステップは、移植可能な医療機器上へのブロックコポリマー溶液のエレクトロスピニングおよびエレクトロスプレーの少なくとも1つを含む、請求項29〜32および34のいずれかの方法。
【0031】
複数の実施形態が開示されているが、本発明のさらに他の実施形態は、本発明の例示的実施形態を示し、かつ記載する以下の詳細な説明から当業者には明らかになるであろう。したがって、図面および詳細な説明は、本質的に例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。