特許第6490840号(P6490840)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6490840
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】メモリデバイス
(51)【国際特許分類】
   G11C 11/408 20060101AFI20190318BHJP
   G11C 8/10 20060101ALI20190318BHJP
   G11C 8/12 20060101ALI20190318BHJP
   G11C 5/02 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
   G11C11/408 140
   G11C8/10
   G11C8/12
   G11C5/02 100
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-789(P2018-789)
(22)【出願日】2018年1月5日
【審査請求日】2018年1月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】512167426
【氏名又は名称】華邦電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Winbond Electronics Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】中岡 裕司
【審査官】 後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−053102(JP,A)
【文献】 特開2011−090754(JP,A)
【文献】 特開2002−025251(JP,A)
【文献】 特開2001−052485(JP,A)
【文献】 特開2000−322883(JP,A)
【文献】 特開2000−048558(JP,A)
【文献】 特開平10−302471(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 11/408
G11C 5/02
G11C 8/10
G11C 8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが複数のメモリセルアレイを含む少なくとも一つのメモリバンクと、
前記少なくとも一つのメモリバンクに接続され、それぞれが複数の第1のアドレスデコーダを含む少なくとも一つの第1のアドレスデコーダセットと、
前記少なくとも一つのメモリバンクに接続され、それぞれが複数の第2のアドレスデコーダを含み、複数のコラム選択線を受信して、前記メモリセルアレイのメモリセルに対してアクセス操作を行う少なくとも一つの第2のアドレスデコーダセットと、を含み、
前記複数のコラム選択線は複数のコラム選択線群に分けられ、各コラム選択線群はそれぞれ対応する前記第2のアドレスデコーダに分配し、各コラム選択線群において分配されたコラム選択線の数は前記コラム選択線の総数より小さいメモリデバイス。
【請求項2】
前記少なくとも一つの第1のアドレスデコーダセットと前記少なくとも一つの第2のアドレスデコーダセットは前記少なくとも一つのメモリバンクの同じ側面に設けられる請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記各コラム選択線群において分配されたコラム選択線の前記数は、前記コラム選択線の総数を前記コラム選択線群の総数で割ったものに等しい請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記コラム選択線の総数は64であり、前記コラム選択線群の総数は4であり、前記コラム選択線群において分配されたコラム選択線の数は16である請求項3に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
それぞれが隣り合うメモリセルアレイの間に設けられる複数のセンサ増幅器セットをさらに含み、
前記センサ増幅器セットの総数は前記第2のアドレスデコーダセットの総数に等しく、
前記各コラム選択線群において分配されたコラム選択線の前記数は、前記コラム選択線の総数を前記センサ増幅器セットの総数で割ったものに等しい請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記センサ増幅器セットの総数は4であり、各メモリバンクの前記メモリセルアレイの数は5である請求項に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
前記第1のアドレスデコーダはXデコーダであり、前記第2のアドレスデコーダはYデコーダである請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項8】
前記少なくとも一つのメモリバンクのグローバルデータ信号線に接続され、前記グローバルデータ信号線の信号を強化するのに用いられるリードライト増幅器をさらに含む請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項9】
外部デバイスからメモリアドレス信号を取得し、前記メモリアドレス信号を一時保存するのに用いられるコラムアドレスバッファと、
前記コラムアドレスバッファに接続され、前記メモリアドレス信号をデコードして、前記コラム選択線に変換させるのに用いられるコラムアドレスデコーダと、をさらに含む請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項10】
DRAM又はSDRAMである請求項1に記載のメモリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメモリ技術に関し、特にメモリデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の電子デバイスは、一般的に大量のデータを迅速に処理可能である必要があり、且つ、電子デバイスのサイズもコンパクトになるように設計されることが望まれている。したがって、電子デバイスに使用される半導体メモリデバイスも大容量を有しつつ、サイズをより小さくすることが求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
半導体メモリデバイスは大まかに、操作性質に基づき、揮発性メモリデバイスや不揮発性メモリデバイスに分類される。揮発性メモリデバイスは電源を印加していない場合、保存されているデータを失い、不揮発性メモリデバイスは電源を印加していない場合でも、保存されているデータを残すことができる。半導体メモリデバイスの回路構造を設計する時、アドレスデコーダは一般的にメモリセルアレイの周囲に設けられ、チップサイズを縮小する。全てのアドレスデコーダ(例えば、Xデコーダ及びYデコーダ)をいずれもメモリセルアレイの同じ側面に設ける場合、チップサイズを効果的に縮小できる。しかしながら、メモリセルアレイの同じ側面に位置する配線は多く、複雑すぎて、半導体メモリデバイスの回路構造は配線計画を行うことを困難にする可能性がある。
【0004】
これに鑑みて、本発明は、アドレスデコーダ(特に、Yデコーダ)の配線数を適切に減らして、アドレスデコーダが占める論理回路の面積を減らして、メモリデバイスの設計難度を低減させるメモリデバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のメモリデバイスは、少なくとも一つのメモリバンクと、少なくとも一つの第1のアドレスデコーダセットと、少なくとも一つの第2のアドレスデコーダセットと、を含む。少なくとも一つのメモリバンクはそれぞれが複数のメモリセルアレイを含む。第1のアドレスデコーダセットは少なくとも一つのメモリバンクに接続される。第1のアドレスデコーダセットはそれぞれが複数の第1のアドレスデコーダを含む。少なくとも一つの第2のアドレスデコーダセットは前記少なくとも一つのメモリバンクに接続される。第2のアドレスデコーダセットはそれぞれが複数の第2のアドレスデコーダを含む。前記少なくとも一つの第2のアドレスデコーダセットは複数のコラム選択線を受信して、前記メモリセルアレイのメモリセルに対してアクセス操作を行う。前記複数のコラム選択線は複数のコラム選択線群に分けられ、各コラム選択線群はそれぞれ対応する前記第2のアドレスデコーダに分配し、各コラム選択線群において分配されたコラム選択線の数は前記コラム選択線の総数より小さい。
【発明の効果】
【0006】
上述に基づき、本発明の実施例に記載のメモリデバイスは、センサ増幅器セットSAsのケースの数(例えば、4種類のケース)によって64本のコラム選択線CSLを4セットのコラム選択線群に分け、各コラム選択線群は16本のコラム選択線CSLを備え、これらのコラム選択線群をそれぞれ4つの第2のアドレスデコーダYDECに分配する。このように、各第2のアドレスデコーダYDECが接続しようとする配線は、当初の64本のコラム選択線から16本のコラム選択線に減り、第2のアドレスデコーダYDEC内部の論理回路もその配線面積を節約できる。一方、第1のアドレスデコーダXDEC及び第2のアドレスデコーダYDECをメモリバンクの同じ側面に設ける配線難度も低減させる。
【0007】
本発明の上述した特徴と利点を更に明確化するために、以下に、実施例を挙げて図面と共に詳細な内容を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例に符合するメモリデバイスのブロック図である。
図2】実施例に符合する図1のメモリバンクA、第1のアドレスデコーダXDEC、第2のアドレスデコーダYDECの位置関係図である。
図3】別の実施例に符合するメモリバンクA、第1のアドレスデコーダXDEC、第2のアドレスデコーダYDECの位置関係図である。
図4】本発明の第1の実施例に基づくメモリデバイスのブロック図である。
図5図4のメモリバンクA、第1のアドレスデコーダXDEC、第2のアドレスデコーダYDECの位置関係図である。
図6】本発明の第2の実施例に基づくメモリデバイスのブロック図である。
図7図6のサブデータ増幅器SubAMPの回路図である。
図8】本発明の第1の実施例及び第2の実施例に基づくメモリデバイスの各信号の波形図である。
図9】データ切換回路と周辺回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は実施例に符合するメモリデバイス100のブロック図である。図2は実施例に符合する図1のメモリバンクA 110A、第1のアドレスデコーダXDEC、第2のアドレスデコーダYDECの位置関係図である。データが揮発するか否かに基づき、メモリの種類を分ける場合、メモリデバイス100はDRAM、SDRAM、SRAM(Pseudo SRAM)であってもよい。メモリのメモリセルデバイスに基づき、メモリの種類を分ける場合、メモリデバイス100はNANDゲート型フラッシュメモリデバイス又は抵抗性メモリであってもよい。図1及び図2を同時に参照すると、メモリデバイス100は、少なくとも一つのメモリバンクと、少なくとも一つの第1のアドレスデコーダセットXDECsと、少なくとも一つの第2のアドレスデコーダセットYDECsと、を含む。第1のアドレスデコーダセットXDECsはそれぞれが複数の第1のアドレスデコーダXDEC(又は、X軸アドレスデコーダと称する)を含む。第1のアドレスデコーダXDECはワード線デコーダ(word line decoder)と称してもよい。第2のアドレスデコーダセットYDECsはそれぞれが複数の第2のアドレスデコーダYDEC(又は、Y軸アドレスデコーダと称する)を含む。第2のアドレスデコーダYDECはコラム選択線デコーダ(column select line decoder)と称してもよい。本実施例は、4つのメモリバンク(メモリバンクA 110A、メモリバンクB 110B、メモリバンクC 110C、メモリバンクD 110D)を前記メモリバンクの例とする。メモリデバイス100は、データ信号を増幅するための複数のリードライト増幅器RWAMPをさらに含む。これらのリードライト増幅器RWAMPはメモリバンクA 110AとメモリバンクB 110Bとの間及びメモリバンクC 110CとメモリバンクD 110Dとの間に設けられる。リードライト増幅器RWAMPはグローバルデータ信号線の信号を強化して、信号減衰を回避できる。第1のアドレスデコーダXDECはメモリバンクA 110Aの第1の側面EG1に沿って設けられてもよく、第2のアドレスデコーダYDECはメモリバンクA 110Aの第2の側面EG2に沿って設けられてもよい。第2のアドレスデコーダYDECの設置位置に近い第1の側面EG1は、第2のアドレスデコーダYDECの設置位置に近い第2の側面EG2と異なる。換言すると、第1のアドレスデコーダXDECはメモリバンクに対して縦向きに設けられ、第2のアドレスデコーダYDECはメモリバンクに対して横向きに設けられる。
【0010】
図2図1のメモリバンクA 110Aの詳細な構造図である。メモリバンクA 110Aはメモリセルアレイ1 211〜メモリセルアレイ5 215を含む。メモリバンクA 110Aは複数のセンサ増幅器セットSAs 220をさらに含む。各センサ増幅器セットSAs 220はいずれも二つのメモリセルアレイの間に設けられる。例えば、メモリセルアレイ211とメモリセルアレイ212との間、メモリセルアレイ212とメモリセルアレイ213との間、メモリセルアレイ213とメモリセルアレイ214との間、メモリセルアレイ214とメモリセルアレイ215との間のいずれにもセンサ増幅器セットSAs 220を設ける。各センサ増幅器セットSAs 220に、複数のセンサ増幅器を含む。センサ増幅器の数はメモリセルアレイのメモリセルの数に従って決まる。
【0011】
図1のメモリデバイス100は、コラムアドレスバッファ(Column address buffer)120と、コラムアドレスデコーダ(Column address decoder)130と、を含む。コラムアドレスバッファ120は外部(例えば、メモリデバイス100を実装する電子デバイス)からメモリアドレス信号ADDiを取得し、メモリアドレス信号ADDiを一時保存する。コラムアドレスデコーダ130はメモリアドレス信号ADDiをデコードして、コラム選択線(column select line)CSLに変換させる。本実施例の図1のコラム選択線CSLは、図2のコラム選択線CSL00_00〜CSL63_00及びCSL00_31〜CSL63_31に用いてもよい。本実施例のコラム選択線CSLは64本のデータ線からなる。図2のメモリバンクA 110Aに、複数のデータ切換回路230をさらに含む。図2の第2のアドレスデコーダYDECは、2セットのコラム選択線(CSL00_00〜CSL63_00及びCSL00_31〜CSL63_31)によってそれぞれ異なるメモリセルアレイのアクセス操作を行う。詳細には、各メモリセルアレイ212〜215は、コラム選択線CSL00_00〜CSL63_00及びCSL00_31〜CSL63_31の延伸方向に基づき、複数のブロックに分けられ、これらのブロック及びデータ切換回路230に基づき、メモリセルアクセスの操作を部分的に行う。第2のアドレスデコーダYDECは、コラム選択線CSL00_00〜CSL63_00及びCSL00_31〜CSL63_31を受信して、対応するメモリセルブロックを選択し、選択されたメモリセルブロックに対して書込み操作又は読取り操作を行って、ローカルデータ信号線、グローバルデータ信号線、グローバルデータ品質信号線及びデータ切換回路230によってメモリセルにアクセスする。
【0012】
本実施例において、ローカルデータ信号線は、LDQAiN_0、LDQAjN_1、LDQAiN_2、LDQAjN_3、LDQAmN_0、LDQAnN_1、LDQAmN_2、LDQAnN_3、LDQAiT_0、LDQAjT_1、LDQAiT_2、LDQAjT_3、LDQAmT_0、LDQAnT_1、LDQAmT_2及びLDQAnT_3を含み、グローバルデータ信号線は、MDQiN、MDQiT、MDQjN、MDQjT、MDQmN、MDQmT、MDQnN及びMDQnTを含み、グローバルデータ品質信号線はQDQiTを含み、i、j、m、nは正の整数であってもよく、且つ、iは0〜3のうちの一つであってもよく、jは4〜7のうちの一つであってもよく、mは120〜123のうちの一つであってもよく、nは124〜127のうちの一つであってもよい。即ち、i、j、m、nは4種類の異なる数字に分けられ、センサ増幅器セットSAsに4種類のケース(case)を備えさせる。
【0013】
図1及び図2の第2のアドレスデコーダYDECはいずれもメモリバンクの間に設けられ、例えば、第2のアドレスデコーダYDECはメモリバンクA 110AとメモリバンクB 110Bとの間及びメモリバンクC 110CとメモリバンクD 110Dとの間に設けられる。メモリデバイス100の容量が大きい場合、図1の回路構造は十分に効果を発揮できる。しかしながら、メモリデバイス100の容量が小さい場合、第2のアドレスデコーダYDECとリードライト増幅器RWAMPの数が多く、メモリデバイス100のチップサイズは相対的に大きくなり、問題を形成する。この問題を解決するために、図3に示すように、第1のアドレスデコーダXDEC及び第2のアドレスデコーダYDECをメモリバンクの同じ側面(例えば、第1の側面EG1)に設けてもよい。
【0014】
図3は別の実施例に符合するメモリバンクA、第1のアドレスデコーダXDEC、第2のアドレスデコーダYDECの位置関係図である。図3図2との間の主な差異は、第2のアドレスデコーダYDECの設置位置はメモリバンクA 110Aの第1の側面EG1に近く、第1のアドレスデコーダXDECの設置位置にさらに近いことである。換言すると、第1のアドレスデコーダXDEC及び第2のアドレスデコーダYDECはいずれも縦向き配置の方式で実現されてもよい。
【0015】
本実施例において、図3の各センサ増幅器セットSAsは各第2のアドレスデコーダYDECに対応して設けられ、各第2のアドレスデコーダYDECはいずれも全てのコラム選択線CSL(例えば、コラム選択線CSL00〜CSL63)に接続される。本実施例のセンサ増幅器セットSAsは4種類のケースを備え、且つ、これらのケースはいずれも第2のアドレスデコーダYDECが制御を行う必要がある。このように、メモリバンクA 110Aの第1の側面EG1に位置する配線は十分多く、複雑になる。即ち、第1の側面EG1において、当初の第1のアドレスデコーダXDECの配線構造以外に、さらに、第2のアドレスデコーダYDECのコラム選択線CSLに対する配線構造を増加させる必要がある。これらの配線は、図3のメモリバンクA 110Aのその他の側面に設けることはできず、メモリデバイスの設計難度を増大させる。
【0016】
センサ増幅器セットSAsは第2のアドレスデコーダYDECが制御を行う必要があり、第2のアドレスデコーダYDECに対応して設けられたメモリセルアレイは、実質的に64本全てのコラム選択線CSLがアドレス選択を行う必要は無く、したがって、本発明の実施例は、センサ増幅器セットSAsのケースの数(例えば、4種類のケース)によって64本のコラム選択線CSLを4セットのコラム選択線群CSLG1〜CSLG4に分け、各コラム選択線CSLは16本だけのコラム選択線CSLを備え、これらのコラム選択線群CSLG1〜CSLG4をそれぞれ4つの第2のアドレスデコーダYDECに分配する。このように、各第2のアドレスデコーダYDECが接続しようとする配線は、当初の64本のコラム選択線から16本のコラム選択線に減り、第2のアドレスデコーダYDEC内部の論理回路もその配線面積を節約できる。一方、第1のアドレスデコーダXDEC及び第2のアドレスデコーダYDECをメモリバンクの同じ側面に設ける配線難度も低減させる。詳細な実施方式は、本発明に符合する以下の実施例を参照されたい。
【0017】
図4は本発明の第1の実施例に基づくメモリデバイス400のブロック図である。図5図4のメモリバンクA 410A、第1のアドレスデコーダXDEC、第2のアドレスデコーダYDECの位置関係図である。メモリデバイス400は、複数のメモリバンク(例えば、メモリバンクA 410A、メモリバンクB 410B、メモリバンクC 410C、メモリバンクD 410D)と、複数の第1のアドレスデコーダセットXDECsと、複数の第2のアドレスデコーダセットYDECsと、を含む。図5のメモリバンクA 410Aはメモリセルアレイ1 511〜メモリセルアレイ5 515を含む。本発明の実施例のこれらのメモリバンク410A〜410Dは縦向きに設けられ、第1のアドレスデコーダセットXDECsの複数の第1のアドレスデコーダXDEC及び第2のアドレスデコーダセットYDECsの複数の第2のアドレスデコーダYDECも縦向きに設けられる。換言すると、図5において、メモリバンクA 410Aが対応する複数の第1のアドレスデコーダXDEC及び複数の第2のアドレスデコーダYDECはいずれも第1の側面EG1に沿って設けられる。メモリデバイス400はメモリセルアレイの間にさらに複数のセンサ増幅器セットSAs 520を含む。各センサ増幅器セットSAs 520は二つの隣り合うメモリセルアレイの間に設けられる。例えば、メモリセルアレイ511とメモリセルアレイ512との間、メモリセルアレイ512とメモリセルアレイ513との間、メモリセルアレイ513とメモリセルアレイ514との間、メモリセルアレイ514とメモリセルアレイ515との間のいずれにもセンサ増幅器セットSAs 520を設ける。図4のリードライト増幅器RWAMP、第1のアドレスデコーダセットXDECs及びメモリバンク410A〜410Dと、図2及び図3のリードライト増幅器RWAMP、第1のアドレスデコーダセットXDECs及びメモリバンク110A〜110Dの機能及び回路構造は同じである。
【0018】
本発明の実施例に符合する図5図3との間の最大の差異は、コラム選択線CSL0〜CSL63はセンサ増幅器セットSAsが備えるケースの数に基づき(本実施例の各センサ増幅器セットSAsはいずれも4種類のケースを備える)、4つのコラム選択線群CSLG1〜CSLG4に分けられ、各コラム選択線群CSLG1〜CSLG4はコラム選択線CSL0〜CSL63を平均的に分配する。各コラム選択線群CSLG1〜CSLG4は、センサ増幅器セットSAsに対応する第2のアドレスデコーダYDECに分配する。換言すると、コラム選択線群CSLG1はコラム選択線CSL0〜CSL15を含み、コラム選択線群CSLG2はコラム選択線CSL16〜CSL31を含み、コラム選択線群CSLG3はコラム選択線CSL32〜CSL47を含み、コラム選択線群CSLG4はコラム選択線CSL48〜CSL63を含む。1つ目の第2のアドレスデコーダYDEC 531はコラム選択線群CSLG1に接続され、2つ目の第2のアドレスデコーダYDEC 532はコラム選択線群CSLG2に接続され、3つ目の第2のアドレスデコーダYDEC 533はコラム選択線群CSLG3に接続され、4つ目の第2のアドレスデコーダYDEC 534はコラム選択線群CSLG4に接続されることである。
【0019】
このように、第2のアドレスデコーダYDECに接続されるコラム選択線の数は減り、各第2のアドレスデコーダYDECが占める論理回路の面積は対応して減る。例えば、図3の64本のコラム選択線CSL00〜63に接続される第2のアドレスデコーダYDECが使用する論理回路の面積と図5の16本のコラム選択線に接続される第2のアドレスデコーダYDECが使用する論理回路の面積との比はほぼ4:1である。また、各第2のアドレスデコーダYDECはそれぞれ異なるコラム選択線群CSLG1〜CSLG4に接続され、コラム選択線が受ける信号減損を少なくし、したがって、図4において、図1のように、一般的に多く必要とされるリードライト増幅器RWAMPを必要としない。且つ、一つのリードライト増幅器RWAMPを必要とするだけで、図4及び図5に示すメモリデバイス400の複数のグローバルデータ信号線は、追加のグローバルデータ品質信号線(図1に示すQDQiT)を用いて、リードライト増幅器RWAMPを制御及び共有する必要は無い。このように、メモリデバイス400の容量が小さい場合、本発明の実施例はチップサイズを低減でき、コストを節約できる。
【0020】
図6は本発明の第2の実施例に基づくメモリデバイス600のブロック図である。図6図4と相似しており、両者の主な差異は、グローバルデータ信号線(例えば、図6のMDQiN及びMDQiT)がメモリバンク610A〜610Dの数が多いことによって、長すぎる時、サブデータ増幅器SubAMP 650を設けてグローバルデータ信号線MDQiN及びMDQiTの信号を助長し、信号減衰を回避できる。図6の多くの部材(例えば、メモリバンクA 610A〜メモリバンクD 610D、第1のアドレスデコーダセットXDECs及びリードライト増幅器RWAMP)はいずれも図4の同じ名称の部品の機能及び回路構造と同じである。
【0021】
図7図6のサブデータ増幅器SubAMP 650の回路図である。サブデータ増幅器SubAMP 650は第1のトランジスタM1と、第2のトランジスタM2と、制御トランジスタMC1と、を含んでもよい。第1のトランジスタM1の第一端(ドレイン端)はグローバルデータ信号線MDQiN及び第2のトランジスタM2の制御端(ゲート端)に接続される。第2のトランジスタM2の第一端(ドレイン端)はグローバルデータ信号線MDQiT及び第1のトランジスタM1の制御端(ゲート端)に接続される。第1のトランジスタM1の第二端(ソース端)及び第2のトランジスタM2の第二端(ソース端)はいずれも制御トランジスタMC1の第一端(ドレイン端)に接続される。制御トランジスタMC1の第二端(ソース端)は接地され、且つ、制御トランジスタMC1の制御端(ゲート端)はサブデータ増幅器SubAMPの始動信号SDAEを受信する。したがって、始動信号SDAEが有効の時、第1のトランジスタM1及び第2のトランジスタM2によってグローバルデータ信号線MDQiN及びMDQiTを拡大できる。
【0022】
図8は本発明の第1の実施例及び第2の実施例に基づくメモリデバイス400及び600の各信号の波形図である。図8の信号CLKはクロック信号であり、信号ADDiはメモリアドレス信号ADDiである。『Aj(A)』はメモリバンクA 410Aに位置するメモリアドレスを表し、『Ak(B)』はメモリバンクB 410Bに位置するメモリアドレスを表し、『Al(C)』はメモリバンクC 410Cに位置するメモリアドレスを表し、『Am(D)』はメモリバンクD 410Dに位置するメモリアドレスを表す。信号CMDは外部の電子デバイスがメモリデバイス400/600に発するコマンドであり、本実施例は『Write』が対応する書込み操作を例とする。信号DQrは外部の電子デバイスがメモリデバイス400/600に送信するデータ数値である。信号MDQnN/TはメモリバンクA 410A、メモリバンクB 410B、メモリバンクC 410C、メモリバンクD 410Dのグローバルデータ信号線の信号である。信号CSLA、CSLB、CSLC及びCSLDはそれぞれメモリバンクA 410A、メモリバンクB 410B、メモリバンクC 410C、メモリバンクD 410Dのコラム選択線の信号である。例えば、信号CSLAは図5のコラム選択線CSL00〜CSL63の信号である。信号LDQAiN/T_0,3、LDQBiN/T_0,3、LDQCiN/T_0,3及びLDQDiN/T_0,3はそれぞれメモリバンクA 410A、メモリバンクB 410B、メモリバンクC 410C、メモリバンクD 410Dのローカルデータ信号線の信号である。例えば、信号LDQAiN/T_0,3は表5のローカルデータ信号線LDQAiN_0、LDQAjN_1、LDQAiN_2、LDQAjN_3、LDQAmN_0、LDQAnN_1、LDQAmN_2、LDQAnN_3、LDQAiT_0、LDQAjT_1、LDQAiT_2、LDQAjT_3、LDQAmT_0、LDQAnT_1、LDQAmT_2及びLDQAnT_3の信号である。信号MDQSA、MDQSB、MDQSC及びMDQSDはそれぞれメモリバンクA 410A、メモリバンクB 410B、メモリバンクC 410C、メモリバンクD 410Dのローカルデータ信号線とグローバルデータ信号線との間の切換信号である。
【0023】
ここで、図8が採用するメモリデバイスは、DDR3 SDRAM(Double−Data−Rate Three Synchronous Dynamic Random Access Memory)であり、且つ、図8はデータをメモリバンクA 410A〜メモリバンクD 410Dに書込む書込みシーケンスを示すと仮定する。メモリアドレス信号ADDiのメモリアドレスが『Aj(A)』である時、信号MDQSAはロジックハイになり(図8の矢印821を参照)、メモリバンクA 410Aのコラム選択線の信号CSLAもこれと共にロジックハイになる。一方、メモリバンクA 410Aのローカルデータ信号線の信号LDQAiN/T_0,3及びグローバルデータ信号線の信号MDQnN/Tも書き込まれたデータ(例えば、データA1〜A8)に基づきこれと共に変動する。矢印821で示す場合に同様に、メモリアドレス信号ADDiのメモリアドレスが『Ak(B)』である時、信号MDQSBはロジックハイになり(図8の矢印822を参照)、メモリバンクB 410Bのコラム選択線の信号CSLBもこれと共にロジックハイになり、メモリバンクB 410Bのローカルデータ信号線の信号LDQBiN/T_0,3及びグローバルデータ信号線の信号MDQnN/Tも書き込まれたデータ(例えば、データB1〜B8)に基づきこれと共に変動する。メモリアドレス信号ADDiのメモリアドレスが『Al(C)』である時、信号MDQSCはロジックハイになり(図8の矢印823を参照)、メモリバンクC 410Cのコラム選択線の信号CSLCもこれと共にロジックハイになり、メモリバンクC 410Cのローカルデータ信号線の信号LDQCiN/T_0,3及びグローバルデータ信号線の信号MDQnN/Tも書き込まれたデータ(例えば、データC1〜C8)に基づきこれと共に変動する。メモリアドレス信号ADDiのメモリアドレスが『Am(D)』である時、信号MDQSDはロジックハイになり(図8の矢印824を参照)、メモリバンクD 410Dのコラム選択線の信号CSLDもこれと共にロジックハイになり、メモリバンクD 410Dのローカルデータ信号線の信号LDQDiN/T_0,3及びグローバルデータ信号線の信号MDQnN/Tも書き込まれたデータ(例えば、データD1〜D8)に基づきこれと共に変動する。
【0024】
図9はデータ切換回路230と周辺回路の回路図である。データ切換回路230は主にローカルデータ信号線とグローバルデータ信号線との間の切換信号によってメモリセルのデータにアクセスする。図9の回路は主に、複数のメモリセルMCと、センサ増幅器SAと、データ切換回路230と、を含む。メモリセルMCはビット線BLN、BLT及びワード線WLn、WLmとの交差部分に存在する。センサ増幅器SAはそれぞれコラム選択線CSLi、CSLjによってメモリセルMCのデータをローカルデータ信号線LDQ_N、LDQ_Tに送信し、ローカルデータ信号線LDQ_N、LDQ_Tの信号を強化する。データ切換回路230は主に、第1グループのトランジスタMLN、MLTと、第2グループのトランジスタMMN、MMTと、を含む。切換信号MDQSが無効(ロジックロー)の時、第1グループのトランジスタMLN、MLTはいずれもONにしてローカルデータ信号線LDQ_N、LDQ_Tの信号を電圧VHFに等しくする。切換信号MDQSが有効(ロジックハイ)且つコラム選択線CSLi、CSLjが有効(ロジックハイ)の時、センサ増幅器SAはメモリセルMCのデータをローカルデータ信号線LDQ_N、LDQ_Tに送信し、且つ、第2グループのトランジスタMMN、MMTはいずれもオンにしてローカルデータ信号線LDQ_N、LDQ_Tのデータをグローバルデータ信号線MDQiN及びMDQiTに伝送して、メモリセルMCのデータをグローバルデータ信号線MDQiN及びMDQiTに伝送することを実現する。
【0025】
以上より、本発明の実施例に記載のメモリデバイスは、センサ増幅器セットSAsのケースの数(例えば、4種類のケース)によって64本のコラム選択線CSLを4セットのコラム選択線群に分け、各コラム選択線群は16本のコラム選択線CSLを備え、これらのコラム選択線群をそれぞれ4つの第2のアドレスデコーダYDECに分配する。このように、各第2のアドレスデコーダYDECが接続しようとする配線は、当初の64本のコラム選択線から16本のコラム選択線に減り、第2のアドレスデコーダYDEC内部の論理回路もその配線面積を節約できる。一方、第1のアドレスデコーダXDEC及び第2のアドレスデコーダYDECをメモリバンクの同じ側面に設ける配線難度も低減させる。
【0026】
本文は以上の実施例のように示したが、本発明を限定するためではなく、当業者が本発明の精神の範囲から逸脱しない範囲において、変更又は修正することが可能であるが故に、本発明の保護範囲は専利請求の範囲で限定したものを基準とする。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、DRAM又はSDRAMに用いられるメモリデバイスに関する。本発明のメモリデバイスは、アドレスデコーダの配線数を適切に減らして、アドレスデコーダが占める論理回路の面積を低減させて、メモリデバイスの設計難度を低減させる。
【符号の説明】
【0028】
100:メモリデバイス
110A、410A、610A:メモリバンクA
110B、410B、610B:メモリバンクB
110C、410C、610C:メモリバンクC
110D、410D、610D:メモリバンクD
120:コラムアドレスバッファ
130:コラムアドレスデコーダ
211、511:メモリセルアレイ1
212、512:メモリセルアレイ2
213、513:メモリセルアレイ3
214、514:メモリセルアレイ4
215、515:メモリセルアレイ5
220、520:センサ増幅器セット
230:データ切換回路
531〜534、YDEC:第2のアドレスデコーダ
821〜824:矢印
ADDi:メモリアドレス信号
XDEC:第1のアドレスデコーダ
XDECs:第1のアドレスデコーダセット
YDECs:第2のアドレスデコーダセット
SAs:センサ増幅器セット
SA:センサ増幅器
EG1:メモリバンクの第1の側面
EG2:メモリバンクの第2の側面
LDQAiN_0、LDQAjN_1、LDQAiN_2、LDQAjN_3、LDQAmN_0、LDQAnN_1、LDQAmN_2、LDQAnN_3、LDQAiT_0、LDQAjT_1、LDQAiT_2、LDQAjT_3、LDQAmT_0、LDQAnT_1、LDQAmT_2、LDQAnT_3、LDQ_N、LDQ_T:ローカルデータ信号線
MDQiN、MDQiT、MDQjN、MDQjT、MDQmN、MDQmT、MDQnN、MDQnT:グローバルデータ信号線
QDQiT:グローバルデータ品質信号線
CSLG1〜CSLG4:コラム選択線群
CSL、CSL00〜CS63、CSL00〜CSL15、CSL16〜CSL31、CSL32〜CSL47、CSL48〜CSL63:コラム選択線
CSLA、CSLB、CSLC、CSLD:コラム選択線の信号
RWAMP:リードライト増幅器
650、SubAMP:サブデータ増幅器
M1:第1のトランジスタ
M2:第2のトランジスタ
MC1:制御トランジスタ
SDAE:サブデータ増幅器の始動信号
Aj(A):メモリバンクAのメモリアドレス
Ak(B):メモリバンクBのメモリアドレス
Al(C):メモリバンクCのメモリアドレス
Am(D):メモリバンクDのメモリアドレス
Write:書込み操作
CMD:外部の電子デバイスがメモリデバイスに発するコマンド
DQr:外部の電子デバイスがメモリデバイスに送信するデータ数値
A1〜A8、B1〜B8、C1〜C8、D1〜D8:データ
MDQSA、MDQSB、MDQSC、MDQSD、MDQS:ローカルデータ信号線とグローバルデータ信号線との間の切換信号
LDQAiN/T_0,3、LDQBiN/T_0,3、LDQCiN/T_0,3、LDQDiN/T_0,3:ローカルデータ信号線の信号
MDQnN/T:グローバルデータ信号線の信号
BLN、BLT:ビット線
WLn、WLm:ワード線
MLN、MLT:第1グループのトランジスタ
MMN、MMT:第2グループのトランジスタ
MC:メモリセル
CLK:クロック信号
VHF:電圧
【要約】      (修正有)
【課題】Yデコーダの配線数を適切に減らし、メモリデバイスの設計難度を低減させるメモリデバイスを提供する。
【解決手段】メモリデバイスは、少なくとも一つのメモリバンクと、少なくとも一つの第1のアドレスデコーダセットと、少なくとも一つの第2のアドレスデコーダセットと、を含む。少なくとも一つのメモリバンクはそれぞれが複数のメモリセルアレイを含む。第2のアドレスデコーダセットは、それぞれが複数の第2のアドレスデコーダを含む。少なくとも一つの第2のアドレスデコーダセットは、複数のコラム選択線を受信して、少なくとも一つのメモリセルアレイのメモリセルに対してアクセス操作を行う。複数のコラム選択線は、複数のコラム選択線群に分けられる。各コラム選択線群は、それぞれ対応する前記第2のアドレスデコーダに分配する。各コラム選択線群において分配されたコラム選択線の数は、コラム選択線の総数より小さい。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9