(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
サーバーと通信し、外部端末により前記サーバーを介して遠隔制御可能に設けられ、ユーザーインターフェースのためのコントロールパネル及びWi−Fi通信モジュールを有する洗濯装置であって、
前記コントロールパネルは、ユーザーの選択により遠隔サービス活性化を設定又は解除するための遠隔サービス活性化入力部を備え、
前記洗濯装置が前記サーバーと通信接続されるときのみ、前記遠隔サービス活性化が設定され、
前記遠隔サービス活性化は、前記遠隔サービス活性化入力部によってのみ設定され、前記外部端末によって設定されず、
前記洗濯装置が、前記外部端末を介してアクセスポイント情報を受信し、前記サーバーに登録された後、前記洗濯装置は、前記Wi−Fi通信モジュールとアクセスポイント(AP)を介して前記サーバーに通信接続する、洗濯装置。
前記コントロールパネルは電源ボタンを備え、前記遠隔サービス活性化が設定された場合に、前記電源ボタンのユーザーによる入力と前記遠隔サービス活性化入力部を介したユーザーによる解除から選択されるいずれか一つによってのみ、前記洗濯装置において手動で前記遠隔サービス活性化が解除される、請求項1に記載の洗濯装置。
前記遠隔サービス活性化が設定された場合に、遠隔制御を用いた前記洗濯装置の作動終了による洗濯装置の電源オフ、又は遠隔制御を用いた洗濯装置の電源オフによって、前記遠隔サービス活性化が解除される、請求項1に記載の洗濯装置。
前記遠隔サービス活性化入力部は、前記遠隔サービス活性化を設定又は解除するために、オプション選択部を介した入力に必要な押圧時間よりも長い時間押圧される、請求項8に記載の洗濯装置。
前記遠隔サービス活性化入力部は、前記洗濯装置本来の機能の選択のために備えられ、その他の入力方法を用いて前記遠隔サービス活性化を設定又は解除するように設けられる、請求項1に記載の洗濯装置。
前記Wi−Fi通信モジュールは、前記サーバーとの通信接続のための設定モード、及び通信のための使用モードを支援し、前記設定モードを動作させるための入力部が前記コントロールパネルに備えられる、請求項1に記載の洗濯装置。
前記外部端末を介して前記設定モードへの接続が行われた後、前記Wi−Fi通信モジュールと接続する前記APのSSID情報、及び前記洗濯装置を前記サーバーに登録させるために必要なユーザー情報を、前記外部端末を介して入力することにより、前記設定モードが前記使用モードに切り替わる、請求項12に記載の洗濯装置。
前記遠隔制御は、前記洗濯装置が前記サーバーからコース入力命令、オプション入力命令、洗濯装置の作動開始命令、洗濯装置の作動一時停止命令、及び電源オフ命令を受信して行われる、請求項1に記載の洗濯装置。
前記洗濯装置の動作開始を表示する段階と前記洗濯装置の動作状態を表示する段階において、前記表示部に前記アイコンが表示される、請求項17に記載の洗濯装置の制御方法。
前記遠隔サービス活性化入力部を介したユーザーによる解除及びユーザーにより実行される前記洗濯装置の電源オフから選択されるいずれか一つによって、前記洗濯装置の遠隔サービス活性化が解除され、前記アイコンが表示されない、請求項17に記載の洗濯装置の制御方法。
遠隔サービス活性化が設定された状態において、前記サーバーから遠隔制御命令を受信すると、前記洗濯装置は前記サーバーに前記洗濯装置の状態情報を送信する、請求項16に記載の洗濯装置の制御方法。
前記状態情報は、遠隔制御待機状態、前記洗濯装置が動作中の状態、動作一時停止状態及び予約動作状態の中から選択された少なくとも一つを含む、請求項20に記載の洗濯装置の制御方法。
前記遠隔サービス活性化入力部で入力が発生すると、前記表示部に前記遠隔サービス活性化の設定又は解除メニューが表示される段階をさらに含む、請求項16に記載の洗濯装置の制御方法。
前記遠隔サービス活性化設定メニュー又は解除メニューのいずれか一つを選択して入力可能な方法が前記表示部に表示される段階をさらに含む、請求項23に記載の洗濯装置の制御方法。
前記家電製品の前記遠隔サービス活性化が設定されている場合に、前記サーバーは前記外部端末に前記家電製品の可変動作情報を送信し、前記外部端末は受信された可変動作情報に基づいて前記家電製品が動作するように命令信号を前記サーバーに送信する、請求項25に記載のオンラインシステム。
【発明を実施するための形態】
【0089】
以下、添付の図面を参照して、本発明に係る家電製品及びこれを含むオンラインシステムの好適な実施例を詳細に説明する。
【0090】
図2は、本発明を具現できるオンラインシステムの一実施例を示しており、各家庭に位置している家電製品がサーバーに通信接続して管理される全体構成を示す概略図である。
【0091】
遠隔サービスを行うために、サービス対象となる全ての家電製品を管理するためのサーバー10が必要である。サービス対象の家電製品20,21は、サーバー10に通信接続して、該サーバー10から伝送された命令を実行する。サービス要請は家電製品20を介してサーバーに受け付けられるとよい。また、ユーザーから家電製品以外の手段を介してサービス要請を受付受けるために、インターネットサイト(以下、「ユーザーサイト」という。)60(
図4参照)、外部端末又はユーザー端末40などの別の手段が備えられてもよい。遠隔サービスの具体的な例は後述する。
【0092】
ここで、外部端末又はユーザー端末40は、携帯電話、スマートフォン、ノートパソコン、コンピュータなどのように、家電製品やサーバーとは別に備えられる機器を意味し、外部と通信可能に通信モジュールを有している。
【0093】
家電製品の管理を行ったり、又は家電製品を介してサービスを供給する事業者は、上記サーバーを構築することによって遠隔サービスを提供することができる。そして、必要によって、上記のようなユーザーサイトなどを構築してもよい。
【0094】
ユーザーは、サーバー10からの遠隔サービスを受けることのできる製品20を購買して遠隔サービスを受けるとよい。このような製品は、サーバー10と通信するための通信モジュールと、該サーバーから伝送された命令を実行するためのクライアント側プロトコルなどが設けられた製品であればよい。一方、既存の製品であって、サーバーのサービスを受けることのできない製品のために、上記のような通信モジュール及びクライアント側プロトコルを備えた別個の装置が用いられてもよい。ユーザーは、この別個の装置を購買して既存製品に接続することによってサービスを受けることができる。
【0095】
サーバー10から遠隔サービスを受けようとする家電製品20は、固有のデバイスIDにてサーバー10に登録されて管理されるとよい。
【0096】
家電製品20からサーバー10にアクセスすると、サーバー10は、上記デバイスIDで当該家電製品を特定すればよい。サーバー10には、デバイスIDに加えて、当該家電製品の特性情報(例えば、製品種類、モデル情報など)が登録されていてもよい。ここで、デバイスIDは、製品種類やモデル情報のような製品の特性情報とは無関係に生成されることもあるが、製品の特性情報が一緒にコード化されていればよい。すると、サーバー10はデバイスIDのみをもって当該製品の種類やモデル情報を認識することができる。
【0097】
ユーザーは、サーバー10に登録された家電製品20に対しては、その家電製品を介してサービスを要請してサービスを受けることができる。例えば、冷蔵庫21のディスプレイ窓(表示部)を介して所望のサービスを選択して入力すると、当該サービスを冷蔵庫21がサーバー10に要請すればよい。
【0098】
一方、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、オーブン、エアコン、浄水器などの家電製品がユーザーと常に隣接した所に位置しているわけではない。例えば、家電製品は家にあり、ユーザーは会社にいる場合がある。この場合は、家電製品20を介してサーバーにサービスを要請することが困難である。そして、このような家電製品は、様々な情報を入力したり様々な情報をディスプレイする装置が設けられていない場合が多い。したがって、スマートフォンのように常にユーザーが携帯している外部端末40を用いてサーバーにサービスを要請してもよい。そのために、外部端末40にはサービス要請のための応用プログラム(Application、アプリケーション)が設置されるとよい。スマートフォンのような外部端末40は、様々な情報を入力したりディスプレイする装置が設けられており、極めて便利にサービスを要請することができる。
【0099】
また、後述するが、上記アプリケーションを介して家電製品を遠隔管理、遠隔制御、モニタリング、診断などをすることもできる。これらの機能が、前述した遠隔サービスの一例である。
【0100】
この場合、外部端末40はサーバー10と直接通信し、サーバー10は家電製品21,22と通信する。このように、ユーザーは外部端末40を介して、遠隔サービスを要請し、サービス実行及び完了などの情報も容易に把握することができる。
【0101】
ここで、外部端末40は家電製品と直接通信しないことが好ましい。そのためには家電製品に外部端末との通信のための別個のハードウェア及びソフトウェアが必要となるからである。また、外部端末40の通信環境は家電製品の通信環境に比べて安定していないことがある。外部端末40の方が頻繁に移動するからである。
【0102】
これに対し、家電製品は建物内に固定して使用されるのが一般的であるため、建物内のAPを介して安定して当該サーバーと通信可能である。したがって、外部端末はサーバーを経て家電製品と間接的に通信することが好ましい。これにより、家電製品の費用上昇を抑制すると共に、安定且つ持続して遠隔制御サービスが提供できる。
【0103】
しかし、このようなサービスを要請して行うには、ユーザーの外部端末40、サービスを受ける家電製品20、及びサーバー10の関係が特定されればよい。すなわち、家電製品20を介してサーバー10にアクセスする場合は、該家電製品のIDを用いてアクセスするため、サーバーではサービス対象を容易に特定することができる。しかし、家電製品20を介さない場合には、どのようにサービス対象の家電製品を特定するかを決定する必要がある場合もある。
【0104】
これは、サーバー20が特定ユーザーと該特定ユーザーの家電製品にのみ遠隔サービスを提供せず、遠隔サービスを受け得る家電製品の全てに対して理論的にこのような遠隔サービスを提供できるからである。
【0105】
一例として、ユーザーは、ユーザーサイト(60、
図4参照)に接続して、サービスを受けようとする家電製品固有のデバイスIDを入力しながらサービスを要請してもよい。ユーザーは、該ユーザーサイトに会員加入し、ユーザーIDとパスワードを受け取ることができる。ユーザーは、ユーザーサイトにログインして、自身が保有している家電製品を全て登録すればよい。ユーザーサイトに登録された家電製品は、当該ユーザーIDと共にサーバーに登録されるとよい。これは、ユーザーサイトから自動でサーバーにユーザーID、及びユーザーIDとマッチングされた家電製品のデバイスIDを伝送することによってなされてもよい。このような過程により、サーバーは、ユーザーに関するユーザー情報及び家電製品に関する家電製品情報を保存するようになる。勿論、ユーザー情報及び家電製品情報は互いにマッチングされてサーバーに保存される。
【0106】
一方、ユーザーは、外部端末40に設置されたアプリケーションを介してユーザーサイトに会員加入してユーザーIDとパスワードを受け取ってもよい。勿論、これを用いて自身が保有している家電製品を全て登録してもよい。このアプリケーションは、特定家電製品の遠隔サービスのために作られたものであってもよく、複数個の家電製品の遠隔サービスのために作られたものであってもよい。これについての具体的な事項は後述する。
【0107】
また、前述したように、ユーザーはユーザーサイトに接続して、ユーザーID及びパスワードを含むユーザー情報をサーバーに登録することができる。ユーザーは、このようなユーザー情報を用いて家電製品から直接、その家電製品をサーバーに登録してもよい。すなわち、家電製品を介してその家電製品をサーバーに登録してもよい。この家電製品は、サーバーアドレスとユーザーサイトアドレスを有することができ、家電製品はこのユーザー情報と家電製品の情報をサーバーに送信して両者間の通信を開始することができる。この時、サーバーは家電製品とユーザーとをマッチングさせる。
【0108】
これにより、サーバーは、特定ユーザーが特定家電製品を有していること、及び該特定製品がどこに設置されているかなどの情報を把握することができる。
【0109】
家電製品20を介したサーバー10への登録は、後述する活性化(activation)手順においてより詳細に説明される。
【0110】
いずれの場合も、ユーザーがIDを受け取ると、そのIDはユーザーの家電製品情報、すなわちデバイスIDのような製品の固有情報と共にサーバー10に登録されて管理されるとよい。このようなユーザー情報と家電製品の情報は互いにマッチングされているため、いずれか一方を用いて他方を特定することができる。
【0111】
ユーザーサイト、外部端末40又は家電製品20を介してユーザーから受け付けられたサービスは、運営者がサーバー10に該当の管理サービスのための命令を下すことによって実行されてよい。又は、サーバーのオープンAPIを介してユーザーサイト、外部端末又は家電製品が直接サーバーと通信してそのサーバーに直接管理要請をしてもよい。
【0112】
サーバー10には管理サービスのためのサーバー側プロトコルが備えられており、このサーバー側プロトコルは、製品のクライアント側管理プロトコルと連動して、要請された遠隔サービスを行うようになる。
【0113】
サーバー10と家電製品20間の上記のような管理サービス実行のためのプロトコルとして、OMA DM(Open Mobile Alliance Device Management)プロトコルが用いられるとよい。したがって、OMA DMプロトコルを用いる場合、サーバー側はDMサーバーとし、家電製品側はDMクライアントとすればよい。勿論、OMA DM以外の他のソリューションが用いられてもよい。本実施例ではOMA DMプロトコルを用いるが、本発明はこれに限定されない。
【0114】
サーバーは、役割によって複数のサーバーに分離されてもよい。
図2では、サーバー10が、DMサーバー(DM Server)、通知サーバー(Notify Server)、DLサーバー、ONMサーバー、レガシーサーバー(Legacy Server)などに分離されている。このようにサーバーが役割によって分離されると、特定サービスを行う際、DMサーバーは他のサービスのための準備又は実行ができる。これにより、同時に複数のサービスが処理可能になる。
【0115】
これらのサーバーは該当の対象に直接アクセスしてその役割を行うことがある。
【0116】
一部のサーバーは、サービス対象の家電製品に直接アクセス可能に設けられることがある。例えば、通知サーバーは、対象家電製品に直接通知を伝送し、DLサーバーは、アップグレードしたファームウェアを直接対象家電製品に伝送してもよい。
【0117】
サーバー10は、管理サービスの内容によって異なるように構成されてもよい。例えば、ファームウェアアップデートのみをサービス内容とする場合には、DMサーバー、通知サーバー、DLサーバーによりサービスがなされ、それ以外のサーバーはなくてもよい。また、ユーザーにファームウェアアップデートに関する通知手順無しでサービスを行う場合には、通知サーバーもなくてもよい。
【0118】
本実施例ではファームウェアアップデート、ソフトウェア(各種コンテンツを含む)管理、家電製品診断、家電製品モニタリング、冷蔵庫流通期限報知、冷蔵庫フードリスト(food list)提供、洗濯コースアップグレードなどを考慮していることから、
図2のようなサーバー構成としただけで、本発明が
図2のようなサーバー構成に限定されるものではない。
【0119】
以下では、オンラインシステムのそれぞれの構成、及び通信環境についてより詳細に説明する。下記の内容全てが必ずしも必須のものではない。また、本明細書の他の部分で説明されることにより追加される構成があってもよい。
【0120】
(1)サーバーは次のように構成されるとよい。
【0122】
DMサーバーの役割は、DMクライアントに管理命令を下すことである。すなわち、管理命令によってファームウェアアップデート(モデムファームウェア/OS)管理作業、ソフトウェア管理作業、診断管理作業などを遠隔で処理する管理機能を提供する。DMサーバーは、セッションマネジメント(Session Management)領域、セキュリティーマネジメント(Security Management)領域、DMプロトコルプロセス(DM Protocol Process)領域、及びシンクMLプロトコルエンジン(SyncML Protocol Engine)領域などを含むとよい。
【0124】
DLサーバーは、DLクライアントにファイルを伝送する。すなわち、DD(Download Descriptor)を用いて、伝送しようとするファイルの情報を伝達し、DLクライアントが正確にファイルをダウンロードする機能を提供する。ここで、DLクライアントは、ファイルがダウンロードされる家電製品を意味する。ダウンロードされるファイルには、ファームウェアアップデートパッケージとソフトウェア管理パッケージがある。DLサーバーは、セッションマネジメント(Session Management)領域、パッケージマネジメント(Package Management)領域、及びダウンロード(Download)領域などを含むとよい。
【0125】
3)ONMサーバー又はユーザーポータル(User Portal)
【0126】
ONMサーバーの役割は、DM又はDLサーバー及びレガシーサーバーとインターフェースし、ビジネスロジックが具現される。運営者は、ONMサーバーの管理ウェブページを介して管理命令を下したり、管理情報を照会すればよい。
【0127】
ユーザーポータルは、ONMの一部機能を一般のユーザーに提供する。この時、DMサーバーのオープンAPIを介して具現される。ユーザーは、ユーザーポータルを介してDMサーバーに管理サービス要請すればよい。
【0128】
4)レガシーサーバー(Lagacy Server)
【0129】
ONMサーバーと連動するレガシーサーバーの代表には、端末機情報が伝達されるサーバーと、ユーザー情報が伝達されるサーバーがある。すなわち、ユーザー情報又は家電製品の情報をONMサーバーに伝達してビジネスロジックを具現するための情報を提供する。
【0130】
5)通知サーバー(Notify Server)
【0131】
通知サーバーは、DMサーバーの通知メッセージを家電製品に伝送する。通知サーバーはセッションジェネレーション(Session Generation)領域及びスケジュールマネジメント(Schedule Management)領域などを含むとよい。
【0132】
仮に、家電製品が私設網(private network)に存在すると、該家電製品との接続を維持するために、サーバー側に特別に構成される接続マネジャー(Connection Manager)が必要となることがある。家電製品がブーティング後に自動でTCP接続を要請すればよく、接続マネジャーは、要請されたTCP接続を維持する。DMサーバーはこれを通じて通知メッセージを伝達する。
【0133】
6)オープンAPI(Open API)
【0134】
スマートフォンのような移動通信端末機のアプリケーションは、DMサーバーで提供されるオープンAPIを介して家電製品を遠隔で管理すればよい。オープンAPIの詳細は後述する。
【0135】
(2)家電製品には次のような構成が含まれるとよい。
【0137】
家電製品には通信モジュールが設置される。通信モジュールの種類は限定されず、有線通信モジュールでもよく、無線通信モジュールでもよい。
【0138】
例示的に、Wi−Fi可能な通信モジュールでもよく、PLC通信又はジグビー(Zigbee)通信可能なモジュールでもよい。
【0139】
2)DMクライアント(DM Client)
【0140】
DMクライアントの主な役割は、DMサーバーの管理命令を実行することである。すなわち、DMサーバーの管理命令によってファームウェアアップデート管理作業、ソフトウェア管理作業、診断管理作業、制御管理作業を遠隔で処理する管理機能を提供する。
【0141】
図3には、DMクライアントが家電製品に備えられた一例を示す。TFTディスプレイを具備した家電製品では、TFTの回路ボード(ディスプレイボード)にDMクライアントが搭載されるとよい。
図3で、メインボードは、当該家電製品の本来の機能を行うための回路ボードである。例えば、一般に、洗濯機であると、洗濯を行うために給水弁を制御し、ドラムに連結されたモーターを制御するためのメインコントローラーがメインボードに設けられるとよい。
【0142】
DMクライアントは、家電製品のメインボードに搭載されてもよいが、管理サービスを要請するためにディスプレイ窓が多く使用されるから、ディスプレイボードに搭載する方がよい。
【0143】
3)DLクライアント(DL Client)
【0144】
DLクライアントの主な役割は、DLサーバーからパッケージファイル(ファームウェアアップデートパッケージ、ソフトウェア管理パッケージ等)をダウンロードすることである。DMクライアントからダウンロードサーバーURLを受け取り、そのダウンロードサーバーに接続してDD(Download Descriptor)取り込んでダウンロード作業を実行する。
【0146】
管理サービス内容に従って家電製品で要請された管理サービス命令を実行する役割を担う。例えば、アップデートエージェント(Update Agent)は、ファームウェアアップデートのためにダウンロードされているアップデートパッケージを用いて新規ファームウェアを生成する役割を担う。アップデートエージェントはメーカーにより様々に具現されてもよい。
【0148】
デーモンは、家電製品がサーバーに周期的に接続することを処理する役割を担う。家電製品において電源コードが抜けていない以上、デーモンは常にon状態を維持することが好ましい。例えば、洗濯機の電源がOFF状態であっても、洗濯機の電源コードがソケットに接続している以上、デーモンは常にon状態を維持すればよい。仮に、サーバーの要請に応じて洗濯機の電源をオンさせる必要がある場合、デーモンはメインボードにパワーをオンさせるように命令を伝送すればよい。
【0149】
6)ユーザーインターフェース(UI;User Interface)
【0150】
管理サービスを行うためにユーザーの承認を受ける必要がある場合もあり、ユーザーが家電製品を介して管理サービスを要請する場合もある。ユーザーインターフェースには、家電製品のTFT LCD窓が用いられるとよい。特に、タッチLCD又はLEDディスプレイでユーザーインターフェースを提供するとよい。ディスプレイ画面には管理サービスのための画面がポップアップされるとよい。このような管理サービス画面は、ユーザーID及びパスワードを入力できるようになっていればよい。ここで、ユーザーID及びパスワードは、ユーザーサイトを介して会員加入しながら受け取ったID及びパスワードであればよい。サーバーシステムは、このID及びパスワードを用いてユーザーを確認することができる。端末機でサービス要請をするとき、端末機はユーザーID及びパスワード、デバイスID、及びサービスの要請情報などをサーバーシステムに伝送すればよい。
【0151】
しかし、前述したユーザーインターフェースが全て家電製品に備えられるわけではない。家電製品本来の機能を実行するためのユーザーインターフェースに加えて、付加的に管理サービスのためのインターフェースを具現することには、費用と空間がかかるためである。
【0152】
例えば、文字などの入力手段や多量の情報を表示する表示部(ディスプレイ部)を、洗濯装置、エアコン、掃除機、オーブンなどの家電製品に具現することは容易でない。
【0153】
このような家電製品の管理サービスを実行するためにはスマートフォンのような外部端末を利用すればよい。スマートフォンのような外部端末は、自体の通信モジュール、メモリー、OS、入力手段及びディスプレイ部を有しているからである。最近では、タッチLCDやLEDを備えた外部端末が広く普及されている。そのため、家電製品においてのユーザーインターフェースの限界を、このような外部端末で補完したり拡張すればよい。その具体例は後述する。
【0154】
(3)以下では、家電製品とサーバーとの通信環境について説明する。
【0155】
基本的には、上記の管理サービスを行うのに好適ないかなる通信環境も利用可能である。
【0156】
図2には、家電製品20に無線インターネット通信モジュールが適用され、AP(Access Point、共有機)30を用いてインターネットを介してサーバー10と通信する例が示されている。
【0157】
家電製品20を始点としてサーバー10までの通信経路を考慮すると、AP以降は共用インターネットであり、AP以前は私設インターネットに該当する。家電製品21,22はそれぞれ、AP 30から私設IPが与えられ、AP 30自体は固有のIPを有する。
【0158】
サーバー10もIPを有するが、サーバーのIPは固有のIPであればよい。したがって、家電製品の通信モジュール、例えば、Wi−Fiモジュールはサーバーの固有IPを有することが好ましい。活性化手順により、家電製品がサーバーのIPに接続し、両者間の通信がなされるようにするとよい。
【0159】
以降、サーバー10が家電製品20の位置を知るように、DMクライアントはDMサーバーに継続して信号を送信すればよい。AP 30は、当該家電製品が接続しているポート情報と自身の固有IP情報をDMサーバーに送り、これに基づいてDMサーバーはDMクライアントの位置を知る。勿論、家電製品からAP 30の情報とAP 30に接続しているポート情報をAPを介してサーバー10に送ってもよい。したがって、家電製品20からデバイスID情報も併せてサーバーに伝送すると、サーバーシステムは、どの家電製品がどこに位置しているかがわかり、その情報を用いて家電製品にアクセス可能になる。この時、ユーザーID及びパスワードも共に伝送すればよい。
【0160】
これにより、サーバー10は、特定ユーザーの特定家電製品20がどこに位置しているか知ることができ、よって、家電製品やユーザーの外部端末から特定サービスがサーバーに要請されたとき、容易に特定家電製品を決定してそれを行うことが可能である。
【0161】
4)管理者ポータル(Admin Portal)
【0162】
管理者ポータルは、必須のものではないが、管理者が業務を效率的に行えるようにする役割を担う。例えば、ファームウェアアップデートでは、ファームウェアをアップデートして登録する管理者と、登録されたファームウェアアップデートファイルを検証する管理者などが管理者ポータルを介して相互協業するとよい。管理者ポータルは、ファームウェアアップグレードプロセス(Firmware Upgrade Process)領域、ソフトウェアアップグレードプロセス(Software Upgrade Process)領域、デバイスマネジメント(Device Magement)領域、システム管理(System Admin)領域、統計処理(Statistics)領域などを含むとよい。
【0163】
以下では、管理サービスの内容及び手順について説明する。
【0164】
(1)会員加入及び家電製品の活性化(Activation)
【0165】
図4は、会員加入及び家電製品の活性化について示している。
【0166】
ユーザーは、前述したように、ユーザーサイト60に接続して会員加入をしながらユーザーIDとパスワードを受け取ることができる。
【0167】
家電製品活性化は、ユーザーの家電製品20をサーバー10に登録する手順といえる。家電製品のディスプレイ画面には、ユーザーID(User ID)、パスワードなどを入力できる窓がポップアップされるとよく、ユーザーはその画面を介して活性化手順を行えばよい。ユーザーが自身のID及びパスワードを画面に入力し、活性化のための命令を入力すると、家電製品は、ユーザーID、パスワード、デバイスID及び家電製品の特性情報などをユーザーサイト60に伝送する。このとき、家電製品20には、入力されたユーザーID及びパスワードが保存されてもよい。これにより、当該ユーザーID及びパスワードをユーザーの認証に用いてもよい。
【0168】
デバイスIDは、家電製品20にあらかじめ入力されていてもよく、活性化手順を行う際に自動で家電製品内において生成されてもよい。又は、家電製品を購買して初めてオンさせる時に自動でデバイスIDが生成されてもよい。
【0169】
家電製品の特性情報としては、家電製品のモデル情報、製品コード、製造日、生産製品番号などを含むとよい。
【0170】
また、活性化手順において家電製品は、家電製品のパスワード、サービスURL、及びサーバーのID及びパスワードを共に伝送すればよい。活性化手順においてユーザーサイト60に伝送する情報のうち、ユーザーIDとパスワード以外の情報は、家電製品20において自動で生成されたり、あらかじめ入力されている状態であればよい。
【0171】
活性化手順によりユーザーサイト60は家電製品20から前述の情報を受信することができる。ユーザーサイトは、そのユーザーIDに該当の家電製品を登録する。これにより、ユーザーサイトに、ユーザーID別に、そのユーザーが使用する家電製品20を登録することができる。
【0172】
その後、ユーザーサイト60はサーバー10にユーザーID及びパスワード、デバイスID、家電製品の特性情報などを伝送する。この時、サーバーのID及びパスワードも併せて伝送されてもよい。
【0173】
サーバー10は、伝送された情報に対してまず認証を行う。認証に成功すると、ユーザーID及びパスワード、デバイスID、製品特性情報などがサーバーに登録される。この時、デバイスパスワードが併せて伝送されてもよい。
【0174】
このような活性化手順は、サーバー及びユーザーサイトに接続可能ないかなる通信環境でも行うことができる。例えば、製品を購入した購入先で活性化手順を行ってもよい。
【0176】
ユーザーは、サービスを受けようとする該当の家電製品20のディスプレイ画面でサービス要請を行うことができる。例えば、家電製品20のディスプレイ画面に所望のサービスの画面をポップアップさせ、ユーザーID及びパスワードを入力した後、サービス要請を行えばよい。この時、当該家電製品ではサービス要請に関する情報に加えて、ユーザーID及びパスワードとデバイスIDも伝送すればよい。
【0177】
また、ユーザーはユーザーサイト60を介して所望のサービスを要請してもよい。ユーザーサイトには管理サービスを要請できるウェブページが設けられていればよく、ユーザーはこのウェブページで所望の管理サービスを要請してもよい。ユーザーからサービスが要請されると、ユーザーサイトは、サービス要請に関する情報をサーバーシステムに伝送すればいい。この時、ユーザーID及びパスワードとデバイスIDも共に伝送されるとよい。
【0178】
また、ユーザーは顧客コールセンターに電話をかけてサービス要請をしてもよい。顧客コールセンターはARSシステムで管理サービスを受け付けるようにしてもよい。
【0179】
一方、スマートフォンのような動通信端末機(外部端末)を介してサービス要請をしてもよい。
図5の(a)は、管理サービスのためのスマートフォンアプリケーションをダウンロードする例を示している。また、
図5の(b)には、スマートフォン(外部端末)、顧客コールセンター又は家電製品を介してサービスを要請する例を示している。
【0180】
スマートフォンを介してサービス要請をする場合に、ユーザーは、スマートフォンに設置された管理サービスアプリケーションを始動した後、ユーザーID及びパスワードを入力しながらサービスを要請すればよい。スマートフォンは、サービス要請のために、サービス要請に関する情報をサーバーシステムに伝送し、ユーザーID及びパスワードとデバイスIDも併せて伝送してもよい。
【0181】
様々な方法で家電製品に対する遠隔サービスをDMサーバーに要請すると、DMサーバーは家電製品に対する遠隔サービスを行う。遠隔サービス実行が完了すると、その完了を家電製品からDMサーバーに通知する。家電製品ではなく外部端末などを介して遠隔サービスを要請した場合には、遠隔サービスの完了をDMサーバーから外部端末に通知する。
【0182】
したがって、ユーザーは直接家電製品を用いなくとも、外部端末を介して家電製品の遠隔サービスを要請し、その結果を容易に把握することができる。
【0183】
(3)家電製品遠隔制御(製品コントロール)
【0184】
製品を遠隔で制御することが可能である。制御管理はDMサーバーにより開始され、バックグラウンド(Background)で動作すればよい。そのため、MMIを介したユーザーとの相互作用、インターラプトの発生は考慮しなくてもよい。
【0185】
冷蔵庫であると、冷蔵室の温度、冷凍室の温度、コンバーチブルルームの温度又はモード(冷凍食品モード、肉類モード、野菜モードなど)、特急冷凍制御(オン/オフを含む)、冷蔵庫動作モード制御(一般モード、テストモード、LQCモード、展示モード、スマート診断など)、ディスペンサー制御(砕けた氷モード、水モード、角氷モードなど)を制御項目とすればよい。
【0186】
洗濯機であると、電源オフ、運転実行、運転中止などが制御項目となればよい。さらに、予約変更、洗濯コース選択、洗濯コースのオプション選択、スチーム選択などが制御項目になってもよい。また、しわ防止機能が洗濯コース終了後に実行されるように制御してもよい。このような制御管理は、スマートフォンのアプリケーションを用いてオープンAPIを経てDMサーバーを介して行われるとよい。
【0187】
制御管理のための手順を
図6に示しており、その詳細は次の通りである。
【0188】
1.制御項目照会/実行要請:運営者又はユーザーは、ONMサーバーの管理画面を用いて制御項目照会/実行作業をONMサーバーに要請する。
【0189】
2.作業登録及び通知要請:ONMサーバーはDMサーバーに、制御/実行作業の要請及び通知(Notification)メッセージを用いた家電製品への通知を要請する。
【0190】
3.通知要請:DMサーバーは、通知(Notify)サーバーに製品通知要請をする。
【0191】
4.通知メッセージ伝送:家電製品に通知メッセージを伝達する。
【0192】
5.制御作業進行:家電製品は、DMサーバーの通知メッセージに基づいてDMサーバーに接続して制御作業を進行する。
【0193】
家電製品のDMクライアントはDMサーバーとOMA DMプロトコルを用いて相互連動し、制御管理は、家電製品内のDMクライアントとコントロールエージェント(Control Agent)が連動して行う。
【0194】
制御管理の開始主体はDMサーバーであり、DMセッションモードはバックグラウンド(Background)であればよい。DMサーバーから通知メッセージ(Notification Message)をDMクライアントが受けて制御管理を始める。
【0196】
診断は、家電製品の診断のためのサービスである。例えば、洗濯機に故障などの問題があると考えられると、ユーザーは診断サービスを要請すればよい。洗濯機は、診断命令を受けると、診断プログラムを始動して診断に必要なデータを収集すればよい。
【0197】
家電製品は、平常の運転中にイベント(event)データ又はログデータ(log data)を収集するとよい。このようなデータを診断データとして活用してもよい。すなわち、診断要請がない場合にも診断データが収集されるようにするとよい。例えば、洗濯機のドラムが回転しないイベントが発生した場合に、このイベントデータを記録して保管すればよい。これにより、診断要請がある場合に、これまで収集して記録しておいたデータと、診断プログラムを駆動して収集したデータを併せてサーバーシステムに伝送することもできる。
【0198】
診断データは、洗濯機では、モーターの実働率データ、洗濯機に負荷される電力データ、タブ又はドラム内部の温度データ、給水弁の作動に関するデータ、排水弁の作動に関するデータなどが含まれるとよい。
【0199】
また、冷蔵庫では、冷却ファンの作動に関するデータ、冷蔵室又は冷凍室の温度データ、コンプレッサー作動に関するデータ、膨脹弁などの各種弁の作動に関するデータ、アイスメーカーの作動に関するデータなどが含まれるとよい。
【0200】
なお、診断データには、ユーザーインターフェースに該当するディスプレイ部又は入力部の作動に関するデータ、水位センサー(洗濯機の場合)、各種温度センサー(例えば、洗濯機のタブ内の温度を感知するセンサー、冷蔵庫の冷蔵室又は冷凍室などの温度センサーなど)の作動に関するデータが含まれてもよい。
【0201】
診断データには、命令実行時間及びデータ発生時間の情報が含まれてもよい。このような診断データはサーバーに伝送され、サーバーは分析プログラムを始動して診断結果を出すことができる。
【0202】
診断の要請は、スマートフォンを介して行われてもよく、ユーザーが顧客センターに要請し、顧客センターがサーバーシステムに接続してなされてもよい。また、家電製品にエラーが発生すると、そのエラー情報をサーバーに伝送して診断が実行されてもよい。
【0203】
診断のためのオープンAPIのインターフェースは、開始インターフェースのみを提供するように設計されるとよい。すなわち、診断を始めたのち中止するインターフェースは提供されなくてもよい。
【0204】
図7には、診断のための手順を示しており、それについての説明は下記の通りである。診断手順は、後述するモニタリング手順と同一であるから、
図7に共に示す。
【0205】
1.診断/モニタリング設定要請:運営者又はユーザーは診断サーバーの管理画面を用いて診断/モニタリングのための条件及び実行開始を要請する。
【0206】
2.作業登録及び通知要請:管理サーバーはDMサーバーに、診断/モニタリングのための条件及び実行開始要請及び通知を要請する。
【0207】
3.通知要請:DMサーバーは通知サーバーに、端末機への通知を要請する。
【0208】
4.通知メッセージ伝送:通知サーバーは端末機に通知メッセージを伝達する。
【0209】
5.診断/モニタリング設定:DMサーバーはDMクライアントに、診断/モニタリングのための条件及び実行開始を要請する。
【0210】
6.診断/モニタリング結果通知/データ照会:端末機のDMクライアント(DiagMon Agent)は、診断/モニタリングが完了すると、DMサーバーにその結果を通知(Alertメッセージ)する。
【0211】
診断/モニタリング管理の開始主体は、DMサーバー又はユーザーであり、DMセッションモードはバックグラウンドであればよい。
【0212】
DMサーバーによる開始の場合は、DMサーバーから通知メッセージ(Notification Message)をDMクライアントが受けて開始する。そして、ユーザーによる開始の場合は、ユーザーは家電製品の画面で診断/モニタリングを開始し、家電製品は、診断/モニタリングが完了した後、DMクライアントを実行する。
【0213】
一方、診断を行う他の実施形態を説明する。これは、ユーザーが家電製品の作動音や診断音をサーバーに伝送することに関する。例えば、ユーザーは、該当家電製品の作動時に発生する作動音や診断のための診断音を、移動通信端末機を介してサーバーシステムに伝送してもよい。サーバーシステムは、該作動音又は診断音を分析して当該家電製品を診断することができる。ユーザーがその作動音又は診断音をサーバーシステムに伝送する方法には様々なものがある。例えば、ユーザーがサービスセンターに電話をかけて家電製品の作動音又は診断音を移動通信端末機の受話器を介して伝送し、サービスセンターはそれをサーバーに伝送してもよい。
【0214】
サービスセンターは、上記のような作動音又は診断音を自動伝送するためのARSシステムを備えていればよい。また、ユーザーは、診断のためのプログラムが設置された移動通信端末(例えば、スマートフォン)を利用してもよい。すなわち、診断のための診断音を、移動通信端末機に設置された診断プログラムを用いてサーバーに伝送するとよい。このとき、サーバーに直接伝送してもよく、又はユーザーサイトに伝送し、ユーザーサイトがサーバーに伝送してもよい。
【0215】
サーバーシステムは、上記作動音を分析して診断を行うプログラムを有していればよい。このプログラムは、上記診断音サウンドデータを分析してエラーコード又は状態情報に変換することができる。このような診断結果は、ユーザーの移動通信端末機に伝送されてもよく、又は該当の家電製品に伝送されてもよい。
【0217】
モニタリングは、家電製品のモニタリングに関するサービスである。モニタリングが要請されると、家電製品はモニタリングデータをサーバーシステムに伝送することができる。
【0218】
例えば、洗濯機にモニタリングデータを要請すると、洗濯機は、モニタリングのためのプログラムを始動してモニタリングデータを収集した後、それをサーバーに伝送する。このとき、モニタリングデータには、モニタリング命令実行時間、モニタリングデータ発生時間の情報が含まれるとよい。そして、モニタリング実行要請があると、モニタリングを始めてからはモニタリングデータを反復的に伝達するようにするとよい。
【0219】
冷蔵庫であると、特急冷凍状態か否か、ハイジーンフィルター(Hygiene Filter)状態(例えば、on状態かauto状態か)、冷蔵庫動作モード、ディスペンサー状態、エラー状態、ドアの開閉状態などがモニタリング項目に含まれるとよい。洗濯機であると、運転状態、運転中のコース残余時間、初期設定時間、洗濯コース種類、すすぎレベル、脱水RPM、コース実行のためにセッティングされた温度、予約洗濯時間などがモニタリング項目に含まれるとよい。
【0220】
モニタリングサービスは、スマートフォンのような外部端末を介して要請され、且つその結果を照会できるようにすればよい。モニタリングのためのオープンAPIのインターフェースは、開始及び終了インターフェースを両方とも提供するように設計されるとよい。モニタリングのための手順は、
図7に示した通りである。
【0221】
以上では、
図2乃至
図7を参照して、本発明を具現できる家電製品及びこれを含むオンラインシステムの一実施例について詳細に説明した。
【0222】
以下では、
図8及び
図9を参照して、家電製品の通信接続方法及びそのための構成について詳細に説明する。
【0223】
家電製品20は窮極としてはサーバー10と通信しなければならない。そのためには、まず家庭内のAP 30と通信しなければならない。そのため、家電製品20には通信モジュールが搭載されたり接続されなければならない。具体的に、通信モジュールはWi−Fi通信モジュール25であればよい。
【0224】
まず、家電製品20のコントロールパネル100に備えられた電源選択部140を介して家電製品20に電源を印加する。このとき、Wi−Fi通信モジュール25にも電源が印加される。
【0225】
図8に示すように、コントロールパネル100には状態表示部130が備えられるとよい。一方、状態表示部130はタッチディスプレイであるとよい。該タッチディスプレイは、家電製品の全ての状態をディスプレイし、このディスプレイをタッチすることによって大部分の動作や条件を選択できるようにすればよい。なお、文字や数字などの入力を可能にしてもよい。この場合、タッチディスプレイにキーバッドを表示し、ユーザーがキーバッドを介して入力できるようにするとよい。
【0226】
したがって、コントロールパネル100には、家電製品の電源を印加する電源ボタン140とタッチディスプレイ130以外の別の入力手段や表示手段は省かれてもよい。勿論、電源ボタン140もタッチディスプレイ130と同様に、タッチ入力可能なものにしてもよい。このようなタッチディスプレイの機能性により、ユーザーは、当該家電製品をサーバーに容易に通信接続させることが可能になる。
【0227】
しかし、家電製品、特に洗濯装置では、
図8に示したタッチスクリーン形態の状態表示部130を用いたユーザーインターフェース具現が一般的でないこともある。すなわち、
図1に示したユーザーインターフェースが一般的である場合もある。
【0228】
図1に示したように、文字などを入力できるインターフェースや様々な形態の画面を表示できる表示部が備えられていない家電製品も多い。そのため、家電製品20をAP 30と通信可能にすることは容易でない。
【0229】
図1に示したようなユーザーインターフェースを有する家電製品の通信接続は、
図9に示すようにすればよい。
【0230】
家電製品の通信接続のために、Wi−Fi通信モジュール25は、通信接続のための設定モード、及び通信可能な使用モードを支援するようにすることが好ましい。すなわち、Wi−Fi通信モジュール25が通信接続するためには設定モードを行う必要があり、設定モードで通信接続されると使用モードに切り替わる。したがって、通信接続のためにはまず、Wi−Fi通信モジュール25の設定モードを動作させる。
【0231】
ここでいう設定モードは、APと通信可能にするためのモードである。このことから、APモードとも呼ばれる。また、使用モードは、APを介して家電製品がサーバーと通信可能な状態であり、いつでも遠隔管理サービス実行のために情報を送受信できる状態である。すなわち、遠隔サービス実行のための待機状態ということができる。したがって、使用モードを接続モード又は待機モードと呼んでもよい。
【0232】
設定モードの動作のために入力手段がWi−Fi通信モジュール25に備えられるとよい。しかし、多くの場合、Wi−Fi通信モジュール25は家電製品20に内蔵されたり、単純な形態で家電製品20に装着されている。そのため、上記入力手段は家電製品に備えられることがある。
【0233】
しかし、
図1に示したように、このような機能のみのための入力手段をコントロールパネル100に備えることは容易でない。大量生産のために、特定機能選択のみのための入力手段を具備することが必要でない場合もあるからである。そして、このような通信接続によって遠隔管理サービスを行うことは家電製品本来の機能ではなく、付加的な機能であるからである。すなわち、必要によって追加されたり省略されてもよいオプションであるからである。したがって、既存に備えられた入力手段のうち特定の入力部をユーザーが選択することによって上記設定モードを動作させることが好ましい。
【0234】
例えば、コントロールパネル100には予約ボタン123が備えられている。ユーザーは、予約ボタン123を押して洗濯コースの終了時点を選択することができる。一例として、予約ボタン123を選択して4時間経過後に洗濯コースが終了するように選択できる。洗濯機の制御部(例えば、
図3のメインボード)は、洗濯コースに2時間がかかる場合、2時間は作動を停止し、2時間経過後に洗濯コースを行うように洗濯機の作動を制御すればよい。
【0235】
この予約ボタンは他の入力部に比べて使用頻度が少ない。したがって、この予約ボタンを介して設定モードを作動させることが好ましい。ここで、予約ボタンの入力方法を異にする必要がある。例えば、予約ボタンの押下時間を別々にし、本来の予約機能選択や設定モード作動選択のいずれか一方を選択するとよい。すなわち、一つのボタンを用いてボタンの押下時間を異ならせ、異なった機能を選択するようにすることができる。
【0236】
このように、特定入力部の選択、例えば予約ボタンを3秒以上押すことによって、Wi−Fi通信モジュールは設定モードに動作できる。しかし、設定のための別個の手段、例えばユーザー情報や接続可能ネットワーク情報などを表示したり入力できる手段が家電製品20には設けられないことがある。
【0237】
したがって、設定モードは外部端末を介して接続されるようにすることが好ましい。ここで、外部端末は、Wi−Fi通信モジュール、文字入力手段、表示手段、中央処理処置(CPU)、運営体制(OS)及び記憶手段を備えている機器であると好ましい。一例として、ノートパソコンやスマートフォンであればよい。
【0238】
この外部端末は、Wi−Fi通信モジュール又は家電製品に代えて、Wi−Fi通信モジュールをAP 30と接続させる役割を担う。そのため、設定モードにおいて外部端末40を介してアクセスポイント(AP)30のSSID(Service Set IDentifier、無線LAN名)情報、及び家電製品登録のためのユーザー情報を取り込む。
【0239】
外部端末40には接続可能なSSIDが表示され、ユーザーは、それらSSIDの中から、持続的に接続するSSID、例えば家庭で使用するSSIDを選択する。ここで、無線LANに保安設定がされていると、外部端末はSSID選択及びそのパスワードを共に入力しなければならない。したがって、SSID情報はSSIDのパスワードを含むとよい。
【0240】
このようなユーザー情報とSSID情報を受信して、Wi−Fi通信モジュールは使用モードに切り替わる。ここで、SSID情報及びユーザー情報の入力時に、これらの情報が自動で保存されることが好ましい。これにより、後では別の設定モード動作無しで持続して通信が可能になる。すなわち、当該情報を用いて使用モードではAPに自動で接続することとなる。これで、家電製品20は特定AP 30と無線LAN通信が可能になる。すなわち、近距離通信が可能になる。
【0241】
一方、通信モジュールは、接続しようとするサーバー10のアドレスやユーザーサイトのアドレスを有していればよい。ここで、サーバーのアドレス又はユーザーサイトのアドレスは固定IPであると好ましい。したがって、使用モードにおいて家電製品20はAP 30を介してサーバー10と通信可能になる。したがって、使用モード切替え時にAPを介して、家電製品にあらかじめ保存されたユーザー情報と製品情報をサーバー10に自動登録するようになる。ユーザーサイトは、家電製品から伝達するユーザー情報と家電製品情報を認証するのに用いられるとよい。
【0242】
ここで、ユーザー情報は、前述のユーザーサイトを介してサーバー10にあらかじめ保存された情報である場合もある。したがって、サーバー10は、ユーザーサイト60を介してあらかじめ保存されたユーザー情報と製品情報を、使用モード切替え時に受信される情報と比較して保存する。これにより、サーバー10は特定ユーザー及びその特定家電製品を認識するようになる。特に、特定家電製品の位置を認識可能になる。
【0243】
一方、Wi−Fi通信モジュール25は、設定モード動作のための固定アドレスを有する。スマートフォンやノートパソコンのような外部端末40でこの固定アドレスを入力して設定モードに接続することができる。すなわち、家電製品のWi−Fiモデム設定モードのウェブに接続することとなる。この固定アドレスは、一例として、192.1.xx.xxの形態で指定されるとよい。外部端末40の設定モード接続は、通信モジュール25の入力手段及び表示手段を外部端末40を用いて拡張できるということを意味する。
【0244】
設定モードのウェブに接続すると、製品登録ページ(例えば、
図12)が表示され、ここでユーザーは必要な情報を入力して製品をサーバーに登録させることができる。
【0245】
したがって、ユーザーは外部端末40を介して通信モジュール25を設定モードから使用モードに容易に切り替えることができる。これは、家電製品20に別個の入力装置や表示装置のようなハードウェアの追加又は変更無しで行われることを意味する。そして、別個として備えられた外部端末40を利用することによって、家電製品の価格上昇も防止することができる。
【0246】
家電製品20は、
図1及び
図10に示すような状態表示部130を備えることができる。したがって、このような状態表示部130から、ユーザーは設定モード接続及び使用モード切替えを容易に認識することができる。これについて説明する。
【0247】
電源選択部140を押すと、状態表示部130には、
図10に示すように、洗濯コース選択のための案内文句が表示されるようになる。すなわち、家電製品がユーザーの選択を要請する案内文句が表示される。勿論、このような案内文句は、電源が印加されると最初に表示される文句でよい。言い換えると、初期画面である。
【0248】
その後、設定モードを動作させると、状態表示部130には、
図11に示すように、Wi−Fi設定モードが動作していることを表示することが好ましい。前述したように、設定モードの動作は、特定選択部の選択により実行すればよい。例えば、予約ボタン123を3秒以上押すことによって設定モードを動作させるとよい。ユーザーは、命令に対応する動作が実行されていることを、状態表示部130から明確に認知することができる。
【0249】
また、設定モードにおいて状態表示部130には、設定モード接続のための固定アドレス、及び接続するSSIDの情報が少なくとも一つ表示されることが好ましい。したがって、ユーザーは、当該固定アドレスを外部端末40に容易に入力したり、外部端末40を介して通信モジュールのSSIDに接続することができる。
【0250】
外部端末40で固定アドレスを入力して設定モードに接続した画面の一例が、
図12に示されている。ユーザーAP、すなわち接続しようとするSSID情報(SSID名及び/又はSSIDパスワード)を入力し得る画面、ユーザーのIDとパスワードを入力し得画面が示されている。
【0251】
上記ユーザーのIDとパスワードは、前述のユーザーサイト60などを介して既に設定された情報であることもあり、したがって、このような入力を登録すると家電製品20がサーバー10に登録される。
【0252】
ここで、家電製品20の設定モードが活性化された状態でのみ、外部端末40が設定モードのウェブページに接続できるようにすることが好ましい。これは、ユーザーがサーバーに接続させようとする家電製品と、実際サーバーに接続する家電製品とを一致させるためである。
【0253】
具体的に、家電製品20の設定モードが活性化された状態でスマートフォンにより家電製品20の通信モジュールの固定アドレスを入力することによって、該スマートフォンと家電製品20は互いに通信接続することができる。したがって、家電製品20はこのスマートフォンを介してユーザー情報及び接続するユーザーAP情報を受信し、これを用いてAPに接続することができる。家電製品がAPに接続すると、家電製品は使用モードに切り替わる。この時、家電製品は、サーバー又はユーザーサイトと認証手続を経て正常にサーバーに登録される。
【0254】
また、家電製品20の設定モードが活性化された状態でスマートフォンは家電製品20の通信モジュールに直接接続してもよい。すなわち、
図11に示すSSIDにスマートフォンを接続させることが可能である。言い換えると、家電製品20の通信モジュールのWi−Fiネットワーク(例えば、
図11のabcd)にスマートフォンを接続させることが可能である。スマートフォンと家電製品間にWi−Fi接続がされると、スマートフォン上には、
図12に示す画面、すなわち設定モードウェブページが表示され、これを介して家電製品を実際家庭内のユーザーAPと接続させることが可能である。
【0255】
一方、外部端末40に固定アドレスを入力したり、又は外部端末40を家電製品20のWi−Fiネットワークに接続させた後、ユーザー情報とユーザーAP情報を入力すると、家電製品20の状態表示部130には、例えば、
図13に示す画面が表示される。家電製品、特に、Wi−Fi通信モジュール25は、スマートフォンを介して受信した情報を用いてユーザーAPと接続を試みる。そのため、状態表示部130には「Wi−Fi設定中」という情報が表示されることが好ましい。
【0256】
このようなWi−Fi設定中に、家電製品20はサーバー又はユーザーサイトと互いに認証する手順が実行されてよい。したがって、Wi−Fi設定が完了すると、家電製品はサーバーに直接登録されたり、ユーザーサイトを介してサーバーに登録された状態であるといえる。
【0257】
Wi−Fi設定モードが完了すると、
図13の画面は、
図14に例示した画面に切り替わるとよい。すなわち、Wi−Fi設定が完了したという情報を表示し、併せてWi−Fiアイコン131が表示されるとよい。以降、Wi−Fiアイコンは通信接続中には続けて表示される。
【0258】
このような過程により、ユーザーは家電製品を容易にサーバーに登録させることができ、家電製品をユーザーAPを介してサーバーと接続させることができる。
【0259】
設定時間、例えば3秒が経過すると、
図14の画面は、初期画面、すなわち
図10に示した画面に切り替わればよい。勿論、
図10の画面においてWi−Fiアイコン131がさらに表示され、Wi−Fi接続となっていることを表すことが好ましい。
【0260】
このような家電製品状態表示部130の特徴及びWi−Fiモジュールの特徴により、ユーザーは容易で迅速に家電製品をサーバー10に登録させ、以降、遠隔サービスを利用することが可能になる。そして、このような通信接続が設定されると、後では、電源が印加されると自動で通信接続がなされる。
【0261】
一方、外部端末40を家電製品の通信接続のための補助的手段として用いることに止まらず、外部端末40を用いて家電製品の管理サービスを容易に利用することもできる。同様に、外部端末40の拡張された入力手段及び表示手段を活用することができる。
【0262】
外部端末40を用いた家電製品の遠隔サービス要請のために、外部端末40には、家電製品20の遠隔制御、遠隔診断、ファームウェア又はソフトウェアアップデート及びモニタリングのうち少なくとも一つを要請して実行させるためのアプリケーションが備えられていればよい。
【0263】
このアプリケーションの初期実行時、ユーザーの情報がサーバーに伝送され、該ユーザーに対応する家電製品と通信して、要請されたサービスを実行するようになる。一方、このアプリケーションには、遠隔サービス可能な製品が表示されるとよい。そして、アプリケーションは、これらの製品のうち、実際にユーザーが有している製品を選択するように設けられるとよい。もしユーザーの製品がサーバーに登録されていないと、このアプリケーションを用いて製品をサーバーに登録させてもよい。
【0264】
以下では、上記アプリケーションを介して遠隔サービス、特に遠隔制御を行うことについて詳細に説明する。
【0265】
まず、アプリケーションを実行すると、
図15に例示した画面が外部端末に表示されるとよい。ユーザーが遠隔制御メニュー(スマート遠隔制御)を押すと、サーバーにログインするための画面が表示され、これは
図16に例示されている。ユーザーは、この画面で国家選択(サーバー選択)、ユーザーID及びパスワードを入力してログインメニューを選択することによってサーバーに接続することができる。ここで、サーバー選択は、複数個のサーバーのうちいずれか一つを選択する場合にのみ表示されるとよく、使用言語を選択するために表示されてもよい。
【0266】
このようなログイン画面は、最初ログインの場合にのみ表示され、後では自動でログインされるとよい。しかし、他人が任意にこのようなアプリケーションを実行することもあるので、アプリケーションを実行する度に、少なくともユーザーのパスワードを受信してログインすることが好ましい。
【0267】
ログイン後、サーバーは、ユーザーがサーバーに登録されたか否か判断する。もし、登録されなかった場合は、外部端末は、ユーザーサイトを表示して登録を要請してもよく、ユーザーサイトに直接接続されてもよい。勿論、このようなユーザーサイト表示は、ログイン画面で表示されてもよい。
【0268】
サーバーは、ユーザーが登録されると、該ユーザーの家電製品が登録されたか否かを確認できる。したがって、外部端末では、登録された家電製品があるとそれを表示する。もし、登録された家電製品が複数個であれば、ユーザーは、そのうち、サービスを受けるための特定製品を選択すればいい。例えば、ユーザーの洗濯機と乾燥機がサーバーに登録された場合、ユーザーは洗濯機を選択して洗濯機を遠隔制御することがある。一方、乾燥機を選択して乾燥機を遠隔制御してもよい。その後、ユーザーは、アプリケーションを介して特定製品の遠隔サービスを要請することかできる。
【0269】
一方、ユーザーの家電製品がサーバーに登録されていない場合、
図16に示した「製品登録する方法」のメニューを選択して製品をサーバーに登録させるとよい。このような登録手順は、前述した通りである。
【0270】
上記アプリケーションは、特定製品群、例えば洗濯装置(洗濯機、乾燥機、リフレッシャー等)のためのものであってもよく、或いは、特定製品、例えば洗濯機のためのものであってもよい。そのため、ユーザーがアプリケーションを実行するということは、特定製品群又は特定製品のサービスを希望する意味である。したがって、ユーザーがこのようなアプリケーションを実行すると、特定製品群又は特定製品のユーザー情報を入力してサーバーにログインするということを意味する。したがって、ログイン後、サーバーは、当該家電製品がユーザー情報と共に該サーバーに登録されているか否かを判断する。
【0271】
ユーザーログイン後、当該アプリケーションと関連した製品が登録されていないと、
図17に例示するように、製品が表示されない。したがって、この画面を介して製品登録をしてもよい。勿論、洗濯機のみが登録された場合は洗濯機が表示され、複数個の製品が登録された場合には複数個の製品が表示されてもよい。ユーザーは、遠隔サービスのための家電製品をタッチしてその家電製品に対して遠隔サービスを要請することができる。
【0272】
図16又は
図17に示した「製品登録する方法」をユーザーが選択することは、前述した家電製品の設定モード接続を意味する。すなわち、それぞれの家電製品のWi−Fi通信モジュールは設定モードのための固定アドレスを有することができるが、この製品登録する方法を選択するということは、アプリケーションが当該固定アドレスに接続するということを意味する。勿論、家電製品の設定モード接続のためには、当該家電製品でWi−Fi通信モジュールの設定モードを動作させなければならない。以降の、外部端末と家電製品の状態表示部130に関する事項、家電製品の通信接続とサーバーへの登録は、
図9乃至
図14で説明した通りにすればよい。
【0273】
一方、製品をサーバーに登録する時に重要なのは、どのユーザーの製品であり、且つどこに位置している製品であるかをサーバーが把握できるようにすることである。したがって、製品登録時にユーザーの情報がサーバーに伝送されなければならない。また、APアドレスに関する情報もサーバーに伝送されなければならない。前述したWi−Fi通信モジュールの設定モード接続は、当該製品にユーザーの情報をマッチングさせるためのものといえる。したがって、外部端末と家電製品間に信号を送受信する必要はない。
【0274】
例えば、設定モード動作で家電製品がユーザーAPを自ら探すことができる。そして、外部端末でAP情報、家電製品情報(例えば、洗濯機であるか等)、ユーザー情報をサーバー又は固定アドレスサイトに伝送することができる。したがって、サーバーは、このような情報から、特定APに現在接続しようとする家電製品のユーザー、及び家電製品情報が把握できる。そして、ユーザー情報は前記通信モジュールに伝送されて保存されるとよい。
【0275】
これにより、家電製品の通信モジュールと外部端末間に信号を送受信するためのプロトコル設定やハードウェアの追加が不要になる。したがって、費用追加無しで容易に家電製品をサーバーに登録させることが可能になる。
【0276】
勿論、前述したように、家電製品20の通信モジュールは、一方的にスマートフォンを介してのみ信号を受信するようにしてもよい。すなわち、スマートフォンを介してユーザー情報とユーザーAP情報を単純に受信し、これを用いてAPを介してサーバーに接続してもよい。同様に、このような場合にも通信モジュールと外部端末間に信号を送受信するためのプロトコル設定やハードウェアの追加は不要になる。
【0277】
これは、家電製品20がスマートフォンと直接通信してスマートフォンを介して直接遠隔制御されることはないということを意味する。すなわち、スマートフォンは、サーバーと通信し、家電製品とは直接通信しないことを意味する。言い換えると、遠隔管理サービスはサーバーを介して行われることを意味する。これにより、家電製品20がスマートフォンのような外部端末と通信するための手段を備えなくて済み、家電製品の価格上昇を抑えることができる。また、サーバーで各家電製品やユーザーに関する様々な履歴管理、情報蓄積及び更新、ユーザー趣向分析などが可能になる。したがって、カスタマイズドサービスが可能になり、様々な形態でこのような情報を活用することができる。
【0278】
ユーザーは、このようなアプリケーションを用いて家電製品をより容易にサーバーに登録させることが可能になる。そして、このようなアプリケーションを用いて、前述した様々な管理サービスを行うことが可能になる。
【0279】
以上、ユーザーと家電製品をサーバーに登録する方法や手順、そのための家電製品の特徴及びオンラインサービスの特徴について詳細に説明した。
【0280】
以下では、ユーザーと家電製品がサーバーに登録された後、外部端末を用いて家電製品のオンラインサービスを具現する実施例について詳細に説明する。特に、洗濯機の遠隔制御に関する実施例を詳細に説明する。
【0281】
洗濯装置のような家電製品が無条件で遠隔制御可能であることは望ましくない。洗濯機のドアが開いている場合、洗濯機に洗剤が投入されていない場合など、洗濯機が作動準備されていない場合に、遠隔制御は意味がないからである。なお、ユーザーが直接洗濯機を操作するのでないから、遠隔制御時に、洗濯機を直接操作しようとする他のユーザーとの関係において混線が起こる恐れがある。また、遠隔制御による予期せぬ安全事故が起こる恐れもある。
【0282】
一般に、洗濯装置のような家電製品は多くの人が共通に使用する。そのため、実際に洗濯装置を介したユーザーインターフェースと遠隔制御を介したユーザーインターフェース間で混線が起こる恐れがある。例えば、ある人は洗濯装置を遠隔制御しようとし、他の人は洗濯装置のコントロールパネルを直接操作しようとする場合がある。
【0283】
また、洗濯装置を直接操作しようとする時、遠隔制御により洗濯装置が突然作動し、安全事故が発生することもある。遠隔制御は単純にソフトウェアを駆動させることではなく、ドラム、給水弁、ヒーターなどのハードウェアを駆動させることであるからである。
【0284】
そこで、一つの家電製品を同時に使用する複数のユーザー間に混線を防止し、安全性を増大させられる方案が望まれる。
【0285】
以下では、遠隔制御を具現しながら、ユーザー間に混線を防止して安全性を増大させることができる本発明に係る好適な実施例を詳細に説明する。
【0286】
このような問題を解決し、遠隔制御を選択的に可能にさせるには、洗濯機に遠隔制御選択部が備えられていればよい。遠隔制御が選択された場合、このような情報はサーバーに伝送されるとよい。勿論、ユーザーがアプリケーションを介して洗濯装置の状態情報を要請する時、サーバーでこのような情報を受信してもよい。
【0287】
遠隔制御は、簡単に言えば、外部端末、例えばスマートフォンのアプリケーションを介して洗濯機の作動などを制御することを意味する。これを容易にするために、スマートフォンと洗濯機との間にサーバーが備えられることが好ましい。
【0288】
図18には、本実施例に適用可能なコントロールパネル100が示されている。これは、
図1に示したコントロールパネル100と略同様の構成を有している。すなわち、コントロールパネルの構造とハードウェアをそのまま使用できるため、多種のモデルを生産する生産者にとっては製品の製造費を削減することができる。
【0289】
本実施例に係る家電製品は、遠隔サービスのためにユーザーが選択できる遠隔サービス活性化入力部123を備えている。この入力部123は、コントロールパネル100に備えられることが好ましい。したがって、遠隔制御をするか否かは家電製品で直接選択するようにし、このような選択がある場合に限って遠隔制御を可能にすることが好ましい。
【0290】
遠隔サービス活性化入力部123はボタンの形態にするとよい。ユーザーが該入力部123の機能を直観的に把握できるように、入力部123には「スマート」という文句が記載されていればよい。このような入力部123を用いて、ユーザーは遠隔サービス活性化を設定又は解除できる。
【0291】
ここで、遠隔サービス活性化は、家電製品以外の外部端末40によりサーバー10を介して遠隔サービスを受けることができる状態を意味する。すなわち、外部端末40により家電製品を遠隔制御できる状態を意味する。
【0292】
このような遠隔サービス活性化設定は、ユーザーが家電製品を遠隔制御するという意思を直接入力したものと理解すればよい。したがって、このような意思が家電製品に表示されることが好ましい。これは、他のユーザーが家電製品から、遠隔サービス活性化状態を容易に把握できるようにし、両者間に混線が起こるのを未然に防止するためである。
【0293】
例えば、他のユーザーが家電製品を使用しようとする時、このような遠隔サービス活性化状態を知らないと、遠隔制御により家電製品が駆動してしまう恐れがある。また、遠隔制御をしようとしたが、既に他のユーザーが家電製品を使用してしまうこともある。
【0294】
したがって、遠隔制御の前提条件としてこのような遠隔サービス活性化入力部123が備えられることが好ましい。勿論、遠隔サービス活性化が設定されると、このような状態が家電製品で効果的に表示されることがより好ましい。遠隔サービス活性化入力部123は、遠隔サービス活性化の設定と解除のみのために備えられる入力部であればよい。
【0295】
ここで、遠隔サービス活性化設定と解除は、ユーザーの過ちではなく、ユーザーの意志で入力されるようにすることが好ましい。言い換えると、意図しなかった入力がないようにすることが好ましい。したがって、遠隔サービス活性化設定と解除は、他の入力、例えばコース選択部やオプション選択部を用いた入力に比べて遥かに厳格な方法で入力されるようにすることが好ましい。
【0296】
ユーザーが電源入力部140を押し、家電製品に電源が印加されると、状態表示部130には、
図10に示したような初期画面が表示されるとよい。ユーザーは、遠隔サービス活性化入力部123を介して遠隔サービス活性化を設定してもよい。勿論、設定後、遠隔サービス活性化入力部123を介して解除も可能である。
【0297】
一般的なオプション選択部120を介した入力は、ボタンなどを押すだけで入力がなされる。すなわち、押す時間の長短にかかわらず入力がなされる。しかし、遠隔サービス活性化入力部123は、ユーザーの強力な意志が表現される場合にのみ、入力されるようにすることが好ましい。そのために、遠隔サービス活性化入力部123がボタン形態で備えられた場合、他の入力部に比べて長い時間、例えば3秒以上押す場合にのみ入力がなされるようにすればよい。
【0298】
ここで、遠隔サービス活性化入力部123は、押す時間によらず、押している状態では入力部123が正常に作動している旨を表示する必要がある。そのために、遠隔サービス活性化入力部123に連携して発光する表示部123aが備えられるとよい。
【0299】
ユーザーが遠隔サービス活性化解除状態で、該入力部123を押し始めると、表示部123aが発光し、例えば3秒以上押し続けると、後述する
図19に示す画面が状態表示部130に表示されるとよい。
【0300】
表示部123aの発光は、遠隔サービス活性化が解除されるまで持続するとよい。すなわち、
図19に示す画面が表示され、遠隔サービス活性化が設定されるまで発光する。そして、設定状態では解除時まで持続して発光すればよい。
【0301】
逆に、遠隔サービス活性化設定状態で、入力部123を押し始めると、表示部123aの発光は解除される。したがって、設定と解除状態にかかわらず、入力部123を押し始めると、発光状態が解除状態に替わったり、解除状態が発光状態に替わる。したがって、ユーザーは直観的に入力部123が正常に作動していることが把握できる。これにより、遠隔サービス活性化入力部123の入力方法を他の入力方法とは別にすることによって、起こり得るユーザーの混同を未然に防止することができる。
【0302】
一方、
図18に示すように、洗濯120a及びすすぎ120bを同時に押すことによって、ボタンロックを選択してもよい。すなわち、隠された形態の入力部である。これにより、子供によるボタン操作を防ぐことができる。
【0303】
このようなボタンロック選択と同様、遠隔サービス活性化入力部123も隠された形態の入力部にしてもよい。すなわち、遠隔制御活性化入力部は、本来の機能選択のために備えられたボタンを、入力方法を別にすることによって、遠隔制御活性化が設定又は解除されるようにしてもよい。
【0304】
例えば、脱水120c及び水温120dの2つのボタンで具現された槽殺菌コースの隠された入力部を、遠隔サービス活性化入力部123に切り替えてもよい。すなわち、脱水と水温に関するオプションをそれぞれ選択できる2つのボタンを同時に押し、且つその入力方法を槽殺菌コースのそれと別にすることで、遠隔サービス活性化の設定及び解除を行ってもよい。
【0305】
これにより、ユーザーが、遠隔サービス活性化の入力が家電製品でいかなる機能を行うものであるかを明確に認知し、強力な意志で遠隔サービス活性化を入力できるようにすることができる。
【0306】
ユーザーが遠隔サービス活性化入力部123を選択すれば、状態表示部130には
図19に示したような画面が表示されるとよい。すなわち、遠隔サービス活性化設定又は解除を選択できるメニューが表示されるとよい。ユーザーは、コース表示部110の操作などにより両者のいずれか一方を選択し、スタート/一時停止入力部150を入力してそれを設定することができる。
【0307】
すなわち、
図19に示した状態でスタート/一時停止入力部150を選択して、スマート機能遠隔サービス活性化を設定すればよい。これにより、遠隔サービス活性化入力部123と状態表示部130を介して、ユーザーが遠隔サービス活性化の設定と解除を明確に認知して選択することが可能になる。勿論、状態表示部130がタッチスクリーンである場合には、単純にメニューをタッチすることで選択すればよい。
【0308】
遠隔サービス活性化が設定されると、
図20に示すように、遠隔サービス活性化が設定されたことが状態表示部130に表示されるとよい。したがって、ユーザーは、遠隔サービス活性化を設定することが、遠隔制御可能である旨を設定することであることを明確に認知することが可能になる。なお、
図20に示すように、遠隔サービス活性化を解除する方法が案内されてもよい。
【0309】
一方、
図20に示した画面は、遠隔制御命令があるまで維持されることが好ましい。これにより、遠隔制御をしようとするユーザー以外のユーザーが、家電製品の現在状態を容易に把握することができる。なお、遠隔サービス活性化が設定されると、状態表示部130には、遠隔制御が可能であることを表す遠隔制御アイコン132が表示されてもよい。遠隔制御アイコン132には、遠隔制御可能であることをユーザーが直観的に把握できるように「RC」、すなわち「Remote Control」の略字が含まれてもよい。
【0310】
遠隔サービス活性化が設定されると、家電製品には様々な形態で遠隔サービス活性化が設定されたことを表示するとよい。前述した、表示部123aの発光、状態表示部130状の案内文句、そして状態表示部130の遠隔制御アイコン132などの様々な表示により、遠隔サービス活性化設定状態を直観的に把握できるようにすればよい。そのため、家電製品に接近した他のユーザーはこのような状態を把握し、余計に家電製品を操作しなくなる。よって、ユーザーの間で混線が発生する恐れがない。
【0311】
一方、遠隔制御は、家電製品の通信接続を前提とするといえる。そのため、家電製品がサーバーと通信接続した状態でのみ遠隔サービス活性化が設定されるようにすることが好ましい。したがって、家電製品がサーバーと通信接続しない状態で遠隔サービス活性化入力部123の入力があると、状態表示部130には通信接続をまずしてほしい旨の案内メッセージが表示されることがある。しかし、サーバーとの通信接続が一応なされると、後には自動で通信接続がなされる。すなわち、電源を印加すると直ちに通信接続がなされるとよい。そのため、通信接続前に遠隔サービス活性化を入力する場合は多くはないだろう。
【0312】
前述したように、遠隔サービス活性化設定は、ユーザーが遠隔制御をするという強力な意志を家電製品に入力したことである。なお、家電製品においてもこのようなユーザーの強力な意志が前述した様々な方法で表示されている。したがって、このようなユーザーの強力な意志にもかかわらず家電製品を他のユーザーが直接操作することは好ましくない。さらに、子供が無意味にコントロールパネル100を操作して遠隔サービス活性化設定状態を解除することも好ましくない。
【0313】
本実施例では、このような問題を解決するために、遠隔サービス活性化が設定された状態ではコース選択部110、オプション選択部120が不活性化されることが好ましい。すなわち、入力が不可能な状態となることが好ましい。同様に、スタート/一時停止入力部150も不活性化されることが好ましい。このような不活性化状態で、コース選択やオプション選択が発生すると、警告音が鳴り、不活性化状態である旨をユーザーに知らせることが好ましい。
【0314】
本実施例において、ユーザーの遠隔制御に対する強力な意志にもかかわらず、洗濯装置を直接操作する必要になる場合がある。すなわち、洗濯装置に問題が発生したり、又は洗濯装置を直ちに使用する必要になる場合がある。
【0315】
例えば、ユーザーが外出して遠隔制御をしようとしたが、予想よりも早く帰宅して遠隔制御の必要性がなくなる場合がある。また、夫婦のうち一人がまず帰宅し、残りの人が遠隔制御する必要がなくなる場合もある。
【0316】
したがって、遠隔サービス活性化設定状態で、前述した遠隔サービス活性化入力部123を用いた解除が可能である他、電源選択部140による電源オフも可能であることが好ましい。このような電源オフにより自動で遠隔サービス活性化が解除されることが好ましい。電源オフは、急迫な状況で洗濯装置の作動を停止させることを意味する。前述したように、遠隔サービス活性化設定及び解除は多少厳格で複雑になされる。そのため、急迫な状況で容易に対処するために、遠隔サービス活性化設定状態にもかかわらず電源選択部140の入力は可能となるようにすることが好ましい。
【0317】
一方、遠隔サービス活性化設定状態では常にドアロックにすることが好ましい。いつ遠隔制御命令が発生するか知らないからである。また、前述したドアロック入力部を介したドアロックの設定及び解除も不活性化されることが好ましい。これは結局、コントロールパネル100において、遠隔サービス活性化設定状態では、電源選択部140及び遠隔サービス活性化入力部123の入力のみ可能であるということを意味する。
【0318】
なお、遠隔サービス活性化が設定された場合に、遠隔サービス活性化の解除時までドアロックとすることが好ましい。これは、ドアロックが解除された状態で遠隔制御されて家電製品が動作することを防止するためてある。このようなドアロックは、状態表示部130に「ドアロック」又は「扉ロット」などと表示されるとよい。
【0319】
前述したように、家電製品を介して遠隔サービス活性化が設定されると、はじめて外部端末を介した遠隔制御が可能になる。そして、遠隔制御が行われるまで、家電製品には
図20に示すように、遠隔制御待機状態である旨を表示するとよい。
【0320】
一方、家電製品では電源選択部140及び遠隔サービス活性化入力部123のみの操作が可能であればよい。したがって、これらを用いてしか遠隔サービス活性化を解除することができない。遠隔制御により家電製品の動作が開始され完了すると、家電製品は自動で電源をオフする。したがって、この場合にも遠隔サービス活性化が解除されるとよい。
【0321】
そして、外部端末では遠隔サービス活性化を設定できないようにすることが好ましい。家電製品の現状態が遠隔制御できない場合もあるからである。例えば、ドアが開いている状態では遠隔制御が不可能であるからである。したがって、外部端末では、電源オフを用いて遠隔サービス活性化を間接的に解除できるようにする必要がある。
【0322】
以下では、遠隔サービスのためのサーバー、家電製品及び外部端末間の作用関係、家電製品と外部端末での表示状態などについて詳細に説明する。
【0323】
外部端末40を介した家電製品20、例えば洗濯機の遠隔制御のためのフローを、
図21を参照して説明する。
【0324】
外部端末40を介してユーザー情報をサーバー10に送信し、サーバー10にログインする段階(S1)が行われることがある。そのためには、
図15乃至
図17で前述した、アプリケーション実行、製品登録、ユーザーIDとパスワードを含むユーザー情報の入力が先行されればよい。
【0325】
ユーザーが外部端末40を介してサーバー10にログインすると、サーバー10では該ユーザー情報に基づいて遠隔サービス遠隔制御のための家電製品を特定する。すなわち、家電製品のユーザー及び家電製品の位置を特定する。言い換えると、遠隔制御をする家電製品を特定する。そして、特定された家電製品の遠隔サービス活性化が設定されているか否かを確認する(S2)。
【0326】
家電製品20の特定には様々な方法がある。
【0327】
まず、サーバー10で、外部端末40から受信されるユーザー情報、及び該ユーザー情報とマッチングされてサーバー10に保存されている家電製品情報を用いて、当該家電製品を特定することができる。また、サーバー10で、上記ユーザー情報と共に外部端末から受信される家電製品情報を用いて、遠隔サービスのための家電製品を特定してもよい。この場合には、外部端末で実行されるアプリケーションが、一つの家電製品、例えば洗濯機のみのためのものであればよい。すなわち、ユーザー情報と家電製品情報とが一対一でマッチングされた場合であるといえる。これにより、サーバーは、どのユーザーが自身の特定家電製品を遠隔制御しようとするかという情報を把握することができる。これにより、サーバーはユーザー情報に基づいて家電製品を特定することができる。
【0328】
同様に、外部端末で実行されるアプリケーションが複数個の家電製品のためのものである場合もある。すなわち、ユーザー情報に対して複数個の家電製品情報がマッチングされた場合であるといえる。ユーザーがログインを通じて又はログイン後に遠隔制御しようとするいずれか一つの家電製品を選択することができる。例えば、乾燥機や洗濯機のうち、洗濯機を選択することができる。したがって、サーバーは、この場合にもどのユーザーが自身の特定家電製品を遠隔制御しようとするかという情報を把握できる。これにより、サーバーはユーザー通報を用いて家電製品、例えば洗濯機を特定することができる。
【0329】
上記確認段階は、サーバー10から家電製品20へ状態情報を要請し、これに対して家電製品20は状態情報をサーバーに伝送することによってなされるとよい。この状態情報がサーバー10で伝送されると、サーバー10は外部端末40にその状態情報を伝送する(S3)。
【0330】
家電製品20の電源がオフされた状態であるか、又は遠隔サービス活性化が設定されていない状態では遠隔制御が不可能である。そのため、遠隔サービス活性化が設定されていない状態又は電源オフにより状態確認が不可能な場合には、この状態情報が外部端末40に受信されて表示されるとよい。
図22には、遠隔制御が不可能な状態が外部端末に表示された様子を示している。
【0331】
一方、遠隔制御活性化が設定されている状態は、家電製品は遠隔制御が可能な状態である。したがって、現在の家電製品の状態情報がサーバーを介して外部端末に伝送されて表示されることが可能である。ここで、状態情報は、遠隔サービス活性化が設定されているか否か、遠隔制御待機中、家電製品動作中、家電製品動作の一時停止中、及び予約中という状態を含むとよい。
【0332】
遠隔サービス活性化が設定された状態であると、現在の家電製品状態は、遠隔制御待機中、家電製品動作中、家電製品動作の一時停止中、及び予約中という状態のうち少なくとも一つに該当する。したがって、現在の家電製品状態をサーバーを介して外部端末で受信して表示するとよい。遠隔制御の初期には遠隔制御待機中の状態であろう。
図23には、遠隔制御待機中の状態が外部端末に表示された例を示している。
【0333】
サーバー10は、家電製品を介して受け取ったりサーバー10自体に保存された家電製品情報から、当該家電製品のモデルを把握でき、これにより、当該モデルが有する様々な可変動作情報を有することができる。
【0334】
洗濯装置であると、上記可変動作情報は、洗いや乾燥コース、各コース実行のための様々なオプションであればよい。オプションは、洗濯程度(汚染程度)、すすぎ回数、洗濯水の温度、脱水程度、スチーム使用の有無などのような様々なオプションであればよい。すなわち、特定モデル別に可変動作情報は異なるように設定されてもよい。例えば、スチーム機能を有しないモデルついては、可変動作情報にスチーム使用の有無の情報が含まれる必要がない。なお、選択できるコースやコース数もモデル別に異なるとよい。
【0335】
したがって、家電製品が遠隔サービス活性化設定状態であると、サーバーは、家電製品情報に該当する可変動作情報を特定する。そして、サーバー10から外部端末40に家電製品の可変動作情報を送信すればよい(S4)。
【0336】
図23に示すように、遠隔制御待機中の状態が外部端末40に表示されることがある。この場合は、まだ家電製品が動作する前である。したがって、前述したように、サーバーを介して受信した可変動作情報が、
図23に示すように、併せて表示されるのが好ましい。
【0337】
この可変動作情報は外部端末で変更可能な情報であればよい。そのため、ユーザーは外部端末を介して、コースメニューで特定コースを選択し、オプションメニューでそれぞれのオプションを選択してもよい。そして、洗濯開始メニューを選択して洗濯装置が洗濯を開始するように遠隔制御すればよい。すなわち、外部端末40で前記受信された可変動作情報に基づいて家電製品が動作するように命令信号を送信することができる(S5)。なお、外部端末40で可変動作情報をセッティングし、セッティングされた可変動作情報に基づいて家電製品が動作するように命令してもよい。このような命令はサーバー10を経て家電製品20に伝達され、これにより家電製品が動作する(S6)。
【0338】
一方、
図23に示すように、遠隔制御待機中の状態では、遠隔で家電製品の電源オフを命令することもあり、このような命令により家電製品の電源がオフされてもよい。
【0339】
外部端末への表示に加えて、家電製品にも遠隔制御が開始された旨を表示することが好ましい。すなわち、遠隔制御により家電製品が動作するという点が設定時間の間に表示された後、家電製品が動作することが好ましい。
【0340】
サーバーを介して遠隔制御命令が受信されると、家電製品の状態表示部130の画面は、
図20の画面から
図24に示す画面へと切り替わるとよい。すなわち、遠隔制御により作動を開始することを設定時間、例えば5初間表示してから、
図25に示すように家電製品の動作状態を表示するように変更されるとよい。
【0341】
一方、家電製品が動作をすると、家電製品は動作状態をサーバーに伝達すればよい(S7)。勿論、家電製品の状態表示部130にも、
図25に示したような動作状態を表示することが好ましい。そして、この動作状態は外部端末40に伝送され、
図26に示すように、外部端末で家電製品の動作状態を表示することができる(S8)。
【0342】
洗濯装置であると、現在実行中のコースの種類、又は選択されて実行中のオプションを表示すればよい。また、洗い行程、すすぎ行程及び脱水行程のうちいずれの行程が進行中であるかを表示してもよい。勿論、洗濯完了までの残余時間のような時間情報も表示可能である。
【0343】
家電製品の動作状態を表示する時、
図26に示すように、家電製品の電源をオフするように命令することがある。また、家電製品の動作を一時停止するように命令することもある。すなわち、外部端末に表示された一時停止メニュー又は電源オフメニューを選択することによって、家電製品の動作を一時停止させたり電源をオフしたりしてもよい。
【0344】
家電製品の動作は、洗濯装置の場合、ドラム駆動や給水などのようなハードウェアの駆動である。したがって、家電製品の動作中には可能なかぎり遠隔制御は最小化するとよい。そのため、電源オフや一時停止命令のみ可能とすればよい。勿論、後述するしわ除去機能選択は、即座の制御でないため、家電製品の動作中にも可能である。
【0345】
一時停止状態が外部端末と家電製品に表示された例が、
図27及び
図28にそれぞれ示されている。一時停止状態で、セッティングされた可変動作情報を変更することができる。そして、一時停止状態では再び開始を選択できるようにすることが好ましい。したがって、外部端末に一時停止状態が表示されると、再び開始メニューが表示され、これを選択して家電製品の動作を再び開始すればよい。
【0346】
前述したように、家電製品の状態情報は予約情報である場合もある。したがって、外部端末機には家電製品の予約状態が表示されることがある。
図29は、洗濯機が予約状態の時、外部端末に表示される一例を示し、作動完了まで残った時間、選択された洗濯コース、設定コースの細部オプション及び予約時間変更メニューのうち、一つ以上が表示されるとよい。
【0347】
ここで、予約状態、すなわち、予約中という意味は、現在から設定された時間、すなわち表示された時間が経過すると洗濯が完了するという意味であり、現在洗濯が行われていない状態を意味する。
【0348】
図30は、
図29に示した外部端末の表示に対応する洗濯機の状態表示部130を示している。同様に、洗濯機の状態表示部130には、予約中、残余時間及び細部オプションなどが表示されるとよい。
【0349】
洗濯機が予約中である場合、ユーザーは外部端末を介して予約時間変更を行ってもよい。すなわち、
図29に示した予約時間変更を押すことで予約時間を変更してもよい。
【0350】
洗濯機が予約状態の時、予約された洗濯コースの細部オプション、すなわち、設定コースの細部値をチェックしたり変更してもよい。すなわち、サーバーから受信して表示する可変動作情報をセッティングしてもよい。そして、洗濯機の電源をオフしたり洗濯機の動作を一時停止させたりしてもよい。
【0351】
図31には、予約時間変更を選択した場合に生成されるポップアップ窓の一例が示されている。ユーザーは、ポップアップ窓で所望の予約時間を変更してもよい。予約時間を変更して確認する場合、又は変更を取消すと、該ポップアップ窓は消え、
図29の画面に切り替わる。この時、洗濯完了まで残った時間は、変更された時間が表示される。すなわち、3時間を4時間に変更した場合、
図29で3時間が4時間に変更される。
【0352】
図32には、予約時間が外部端末を介して変更された場合における、状態表示部130の一例を示す。予約時間が変更されたという情報、及び変更された残余時間の情報が表示されるとよい。その後、設定時間経過後(例えば3秒経過後)に
図30の画面に切り替わる。勿論、残余時間は3時間から4時間と変更して表示される。
【0353】
予約により家電製品が作動をすると、家電製品と外部端末にはそれぞれ、
図25と
図26に示した画面が表示されるとよい。
【0354】
一方、家電製品が洗濯装置であると、外部端末を介してしわ防止機能を選択できるようにしてもよい。
【0355】
しわ防止機能は、コース終了後にもドラムを駆動して洗濯物のしわ発生を防止する機能のことを意味する。洗濯や乾燥が終了すると、ドラム内の洗濯物は自重によりドラムの底部に集まっている。特に、洗濯終了後には洗濯物に水分が残留しているため、荷重によりしわ発生がより大きくなる。また、洗濯物が絡み合っているとしわ発生は一層大きくなる。
【0356】
したがって、持続的、周期的又は間欠的にドラムを駆動することによって洗濯物にしわが寄ることを防止する必要がある。
【0357】
乾燥機や洗濯乾燥機では、冷風をドラム内の洗濯物に供給するとよい。したがって、冷風をドラム内に持続的、周期的又は間欠的に供給することも可能である。
【0358】
しわ防止機能は、コース終了後に長時間ドラム内に洗濯物が放置される場合に極めて有効である。したがって、しわ防止機能は外部端末でのみ選択して実行されるようにすればよい。すなわち、洗濯機、乾燥機又は洗濯乾燥機のコントロールパネルにはこのしわ防止機能を選択できる選択部が備えられなくてもよい。ユーザーが直接コントロールパネルを操作して洗濯を行う場合には、長時間ドラム内に洗濯物が放置されることが殆どないからである。
【0359】
したがって、遠隔制御が設定される場合にのみ、外部端末によりしわ防止機能が選択されるようにすることが好ましい。
【0360】
図26に示すように、ユーザーは、外部端末に表示されるしわ防止選択をすることによってしわ防止機能実行を選択することができる。しわ防止実行時間はデフォルトと入力されることが好ましい。例えば、4時間とあらかじめ設定されることが好ましい。短い時間を設定すると、依然として洗濯物が長時間防止される恐れがあるからである。また、長い時間を設定すると、ユーザーが洗濯機のいずれかのボタンを押すことでしわ防止を容易に解除できるからである。
【0361】
例えば、
図26に示すように、洗濯終了まで1時間50分が残っており、ユーザーが家に到着するまで3時間が残っているとすれば、ユーザーはしわ防止を選択すればよい。したがって、たとえユーザーが5時間後に家に到着してもしわ防止機能は実行されており、ユーザーは家に帰って洗濯機のいずれかのボタンを押して洗濯機の動作を停止させるとよい。
【0362】
外部端末を介してしわ防止が選択されるとき、家電製品には、
図33に示す画面が表示されるとよい。
【0363】
図25に示した以前の画面から
図33に示す画面に切り替わり、洗濯中という情報の代わりに、しわ防止が選択されたことが表示される。なお、しわ防止が完了する時間が表示されるとよい。以降、後設定時間経過後、
図26に示した画面、すなわち、以前の画面に切り替わると好ましい。
【0364】
図34は、コース実行が終了した場合に、洗濯機の状態表示部の一例を示している。しわ防止機能が実行されない場合は、一定時間経過後に洗濯機の電源はオフする。しかし、しわ防止機能が実行される場合は、洗濯機の電源がオフされず、
図35に示すように、しわ防止が実行中であることが表示されるとよい。ユーザーがより明確に現在の洗濯機の状態が把握できるように、この場合、
図34の画面と
図35の画面が一定時間交互に表示されてもよい。
【0365】
一方、前述したしわ防止機能選択は、洗濯装置が動作している時だけでなく、予約状態で動作待機中の場合にも可能である。したがって、
図29に示すように、予約状態においてしわ防止機能を選択してもよい。なお、洗濯装置に、しわ防止機能が選択されることを表示することが好ましい。このような表示は、
図33と
図35に示したしわ防止アイコン133にすればよい。状態表示部130にアイロン形態のアイコンを表示し、しわ防止機能が設定されていること、又は実行中であることを表示することができる。
【0366】
前述したように、遠隔サービス活性化設定状態で、現在家電製品の状態が遠隔制御待機、動作中、一時停止中及び予約中のうちいずれか一つであればよい。なお、この状態情報は家電製品のエラー又は通信接続エラー情報を含むこともある。
【0367】
家電製品のエラー、例えば、給水されない問題のようなエラー情報は、家電製品からサーバーを介して外部端末に伝達されて表示されるとよい。この場合、外部端末ではモニタリングしかできず、エラーに対する措置は家電製品で行われるべきである。
【0368】
また、外部端末から諸命令をサーバーに伝達するが、それに対するリターン情報が受信されないと、外部端末では通信接続エラー情報が表示されるとよい。このような通信接続エラーは、サーバーと外部端末間の通信接続問題の場合もあり、サーバーと家電製品間の通信接続問題の場合もある。
【0369】
このような通信接続エラーは、リターン情報又は状態情報が設定時間において外部端末で受信されない場合に表示されるとよい。
【0370】
以下では、家電製品、特に洗濯装置自体で遠隔制御に関する情報を效果的に表示するための制御方法を説明する。
【0371】
洗濯装置はサーバーと通信可能に設けられ、且つサーバーと通信接続しているか否かを表示する状態表示部を有するコントロールパネルを備えるとよい。そして、この洗濯装置は、遠隔サービス活性化を設定したり解除するための遠隔サービス活性化入力部123を備えていてもよい。
【0372】
まず、遠隔サービス活性化が設定されると、その解除時まで状態表示部130に遠隔サービス活性化設定状態であることを表すアイコン132を持続的に表示する。勿論、このような遠隔サービス活性化設定は、洗濯装置とサーバー間の通信接続を前提とすればよい。る。したがって、状態表示部130にサーバーとの通信接続中であることを表示することができる。この場合、表示部130に通信接続状態である旨を表すアイコン131が持続的に表示されるとよい。
【0373】
したがって、ユーザーは、状態表示部130に表示されたアイコン131,132から、直観的に通信接続状態、及び遠隔サービス活性化状態が把握できる。
【0374】
一方、ユーザーは、洗濯装置の現在状態を直観的に把握できるのが好ましい。そのために、サーバーから遠隔制御命令を受信するまで、アイコン132表示と共に、状態表示部130に遠隔サービス活性化が設定された状態であることを案内する情報が表示されるとよい。これにより、ユーザーは、洗濯装置が現在遠隔制御待機中であることが明確に把握できる。
【0375】
そして、サーバーから遠隔制御命令を受信すると、アイコン132と共に、状態表示部に洗濯装置の動作開始を表示すればよい。すなわち、まもなく洗濯装置が動作を開始するという案内情報が表示されるとよい。これにより、洗濯装置に接近したユーザーが洗濯装置の突然な動作により混同することを防ぐことができる。
【0376】
なお、この動作開始表示後に、所定時間、例えば5秒が経過すると、アイコン132表示と共に、状態表示部130に洗濯装置の動作状態を表示する。
【0377】
したがって、状態表示部130でアイコンと案内情報を表示することによって、洗濯装置に接近したユーザーは現在の洗濯装置状態を直観的に把握することができる。これにより、遠隔制御をするユーザーと洗濯装置に接近したユーザーの間で混線が起こることを防止することができる。