(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら下記順序にて詳細に説明する。
1.接続構造体の製造方法
2.実施例
【0012】
<1.接続構造体の製造方法>
本実施の形態に係る接続構造体の製造方法は、プリフラックス処理された端子上に酸性基を有する(メタ)アクリレートを塗布する塗布工程と、第1の回路部材の端子と第2の回路部材の端子とを、アクリル系重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有する回路接続材料を用いて接続する接続工程とを有する。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリル酸エステル(アクリレート)とメタクリル酸エステル(メタクリレート)とを包含する意味である。
【0013】
第1の回路部材及び第2の回路部材は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。第1の回路部材としては、例えば、プリント配線板(PWB)、LCD(Liquid Crystal Display)パネル用途のガラス基板等を挙げることができる。また、第2の回路部材としては、例えば、COF(Chip On Film)などのフレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuits)、テープキャリアパッケージ(TCP)基板、IC(Integrated Circuit)等を挙げることができる。
【0014】
第1の回路部材又は第2の回路部材へのプリフラックス処理(OSP処理:Organic Solderability Preservative)は、例えば、ベンゾイミダゾール化合物、アゾール化合物等を含有する酸性水溶液の水溶性プリフラックスを、スプレー法、シャワー法、浸漬法等により作用させることにより行われる。これにより、第1の回路部材又は第2の回路部材の少なくとも一方の端子上に有機膜を成膜することができる。
【0015】
以下、各工程について詳細に説明する。
【0016】
[塗布工程]
塗布工程では、プリフラックス処理された端子上に酸性基を有する(メタ)アクリレートを塗布する。プリフラックス処理された端子は、第1の回路部材又は第2の回路部材の少なくとも一方が有している。両者がプリフラックス処理された端子を有する場合、第1の回路部材及び第2の回路部材に対し、酸性基を有する(メタ)アクリレートを塗布すればよい。
【0017】
また、塗布工程では、酸性基を有する(メタ)アクリレートの塗布厚みが0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。酸性基を有する(メタ)アクリレートの塗布厚みが0.1μm未満である場合、プリフラックス成分を十分に分解することができないことがあり、塗布厚みが10μmを超える場合、圧着時に回路接続材料中に完全に取り込まれず、端子上に残存する酸成分が配線を腐食する虞がある。
【0018】
酸性基を有する(メタ)アクリレートの塗布方法としては、スプレーや浸漬、綿棒等に酸成分を浸み込ませて端子上を軽くこする等、既存の方法が挙げられる。
【0019】
酸性基を有する(メタ)アクリレートにおいて、酸性基は、リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシル基、スルホン酸基から選択される1種以上であることが好ましい。
【0020】
リン酸エステル基又はリン酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレンオキシド変性フェノキシ化リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ブトキシ化リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性オクチルオキシ化リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、カルボキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートフタル酸変性物等が挙げられる。また、スルホン酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−スルホエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの酸性基を有する(メタ)アクリレートは、1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
【0021】
また、酸性基を有する(メタ)アクリレートの酸価は、200KOHmg/g以上であることが好ましい。酸価が200KOHmg/g未満である場合、プリフラックス成分を十分に分解することができないことがある。なお、酸価は、JIS K 2501などで規定された方法で測定され、試料1g中に含まれる全酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウム(KOH)のミリグラム(mg)数として示される。
【0022】
[接続工程]
接続工程では、第1の回路部材の端子と第2の回路部材の端子とを、アクリル系重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有する回路接続材料を用いて接続する。
【0023】
回路接続材料は、アクリル系重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有する。これにより、酸性基を有する(メタ)アクリレートが回路接続材料中に取り込まれるため、高い接続信頼性を得ることができる。
【0024】
アクリル系重合性化合物としては、ポリエチレングリコールジアクリレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、o−フタル酸ジグリシジルエーテルアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、エポキシアクリレート、及びこれらに相当する(メタ)アクリレートを挙げることができる。これらの中でも、硬化物の凝集力の向上、導通信頼性の向上、接着性の向上などのため、ポリエチレングリコールジアクリレート、ウレタンアクリレートなどを併用することが好ましい。
【0025】
ラジカル重合開始剤は、熱重合型又は光重合型のいずれも用いることができる。
【0026】
熱重合型のラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物、アゾ系化合物等が挙げられる。有機過酸化物としては、ジラウロイルパーオキサイド(1分間半減期温度116.4℃)、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド(1分間半減期温度128.2℃)、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド(1分間半減期温度131.1℃)、ジベンゾイルパーオキサイド(1分間半減期温度 130.0℃)、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート(1分間半減期温度160.3℃)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(1分間半減期温度166.8℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(1分間半減期温度124.3℃)、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド(1分間半減期温度112.6℃)、t−ブチル パーオキシピバレート(1分間半減期温度110.3℃)等が挙げられる。アゾ系化合物としては、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル(1分半減期温度116.0℃)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(1分半減期温度119.0℃)、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカーボニトリル(1分半減期温度141.0℃)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(1分半減期温度119.0℃)、1,1’−アゾビス−(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)(1分半減期温度111.0℃)等が挙げられる。
【0027】
光重合型のラジカル重合開始剤としては、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のチオキサントン類;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類等が挙げられる。
【0028】
これらのラジカル重合開始剤は1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることが可能である。
【0029】
また、回路接続材料に配合する他の添加物として、必要に応じて、膜形成樹脂、アクリルゴム、各種アクリルモノマー等の希釈用モノマー、充填剤、軟化剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤等を含有することができる。また、導電性粒子を添加することで導電性接着剤とすることができる。
【0030】
膜形成樹脂としては、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド、EVA等の熱可塑性エラストマー等を使用することができる。これらの中でも、耐熱性、接着性のために、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンより合成されるビスフェノールA型フェノキシ樹脂を用いることが好ましい。
【0031】
また、回路接続材料は、20%圧縮変位時の圧縮硬さが7000N/mm
2以上11000N/mm
2以下である導電性粒子を含有することが好ましく、さらに好ましくは20%圧縮変位時の圧縮硬さが8000N/mm
2以上10000N/mm
2以下である導電性粒子を含有する。これにより、導電性粒子が、プリフラックス成分を突き破って、接続用電極の表面に容易に到達し、確実な電気的接続を図ることができる。
【0032】
導電性粒子としては、樹脂粒子の表面にNi、Au等の金属をコートしたもの、樹脂粒子としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル・スチレン(AS)樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、スチレン系樹脂等の粒子を用いることができる。
【0033】
また、導電性粒子は、表面に突起を有することが好ましい。表面に突起を有することにより、プリフラックス処理された電極表面上の有機膜を容易に突き破ることができ、良好な接続抵抗を得ることができる。
【0034】
熱重合型の回路接続材料を用いて、第1の回路部材の端子と第2の回路部材の端子とを接続する場合は、例えばヒートツールなどの圧着ツールを用いて、第2の回路部材を押圧することにより行われる。ここで、所定温度は、圧着時における回路接続材料の温度をいう。また、所定温度は、100℃以上200℃以下であることが好ましい。
【0035】
また、光重合型の回路接続材料を用いて、第1の回路部材の端子と第2の回路部材の端子とを接続する場合は、例えば圧着ツールを用いて、第2の回路部材を押圧しながら紫外線を照射することにより行われる。
【0036】
また、圧着ツールと第2の回路部材との間に緩衝材を介装して圧着してもよい。緩衝材を介装することにより、押圧ばらつきを低減できると共に、圧着ツールが汚れるのを防止することができる。
【0037】
圧着ツールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、押圧対象よりも大面積である押圧部材を用いて押圧を1回で行ってもよく、また、押圧対象よりも小面積である押圧部材を用いて押圧を数回に分けて行ってもよい。
【0038】
圧着ツールの先端形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平面状、曲面状などが挙げられる。なお、先端形状が曲面状である場合、曲面状に沿って押圧することが好ましい。
【0039】
このような接続構造体の製造方法によれば、(メタ)アクリロイル基を含有する酸成分をプリフラックスで処理された端子に塗布し、さらに、アクリルモノマーを含有する異方性導電フィルムを用いて接続するため、(メタ)アクリル成分は圧着時に共重合反応を起こし、異方性導電フィルム中に取り込まれる。これにより、第1の回路部材又は第2の回路部材の少なくとも一方の端子がプリフラックスで処理されている場合でも、プリフラックス成分を分解して良好な導通を確保することができるとともに、経時変化によって酸成分が配線を腐食するのを防止することができる。
【実施例】
【0040】
<2.実施例>
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例では、プリフラックス処理(OSP処理:Organic Solderability Preservative)されたプリント基板の端子上に酸性基を有する(メタ)アクリレートを塗布した後、プリント基板の端子とフレキシブルプリント基板との端子とを、アクリル系の異方性導電フィルムを用いて接続させ、接続構造体を作製した。そして、接続構造体の接続抵抗について評価した。
【0041】
また、圧縮硬さの異なる導電性粒子を作製し、これを含有する異方性導電フィルムを用いて作製した接続構造体の接続抵抗について評価した。
【0042】
接続構造体の作製、接続抵抗の評価、導電性粒子の作製、及び導電性粒子の圧縮硬さの測定は、次のように行った。
【0043】
[接続構造体の作製]
実施例及び比較例で作製した異方性導電フィルムを用いて、評価用のCOF(200μP、Cu8μmt−Snメッキ、S’perflex基材)と、評価用のPWB(200μP、Cu35μmt−OSP処理、FR−4基材)との接続を行った。なお、PWBは、Top温度が250℃のリフローを3回通したものを使用した。
【0044】
先ず、PWBの端子上に、酸性基を有する(メタ)アクリレートを塗布した。次に、2.0mm幅にスリットされた異方性導電フィルムをCOFに貼り付け、PWBと位置合わせした後、圧着条件:170℃−3MPa−5sec、緩衝材:250μmtシリコンラバー、及び加熱ツール:2.0mm幅にて圧着し、接続構造体を作製した。
【0045】
[接続抵抗の評価]
作製した接続構造体について、初期、及びヒートサイクル試験(−40℃(30min)←→100℃(30min)、250cycle)後の接続抵抗を測定した。4端子法を用いて接続構造体に電流1mAを流したときの接続抵抗を測定した。接続抵抗が、0.2Ω未満のものを「○」、0.2Ω以上0.5Ω未満のものを「△」、及び0.5Ω以上のものを「×」と評価した。
【0046】
[導電性粒子の作製]
(導電性粒子1)
ジビニルベンゼン、スチレン、及びブチルメタクリレートの混合比を調整した溶液に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイドを投入して、均一攪拌しながら加熱を行い、重合反応を行うことにより微粒子分散液を得た。微粒子分散液をろ過し減圧乾燥することにより微粒子の凝集体であるブロック体を得た。そして、ブロック体を粉砕することにより、樹脂コア粒子として個数平均粒子径5.0μmのジビニルベンゼン系樹脂粒子を作製した。
【0047】
個数平均粒子経5.0μmのジビニルベンゼン系樹脂粒子(5.0g)に、パラジウム触媒を浸漬法により担持させた。次いで、この樹脂粒子に対し、硫酸ニッケル六水和物、次亜リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、トリエタノールアミン及び硝酸タリウムから調製された無電解ニッケルメッキ液(pH12、メッキ液温50℃)を用いて無電解ニッケルメッキを行った後、アルコール置換し、真空乾燥させ、ニッケルメッキ粒子を得た。得られた導電性粒子1の個数平均粒子径は5.0μmであり、硬度は、8120N/mm
2であった。
【0048】
(導電性粒子2)
ジビニルベンゼン、スチレン、及びブチルメタクリレートの混合比を適宜変更すること以外は、導電性粒子1の製造例と同様にして、個数平均粒子径が5.0μm、及び硬度が10520N/mm
2である導電性粒子2を作製した。
【0049】
(導電性粒子3)
ジビニルベンゼン、スチレン、及びブチルメタクリレートの混合比を適宜変更すること以外は、導電性粒子1の製造例と同様にして、個数平均粒子径が5.0μm、及び硬度が6890N/mm
2である導電性粒子3を作製した。
【0050】
(導電性粒子4)
ジビニルベンゼン、スチレン、及びブチルメタクリレートの混合比を適宜変更すること以外は、導電性粒子1の製造例と同様にして、個数平均粒子径が5.0μm、及び硬度が11070N/mm
2である導電性粒子4を作製した。
【0051】
[導電性粒子の圧縮硬さの測定]
導電性粒子の20%圧縮変位時の圧縮硬さを微小圧縮試験機(PCT−200、島津製作所(株))を用いて測定した。
【0052】
<2.1 酸性基を有する(メタ)アクリレートの塗布について>
<実施例1>
ビスA型エポキシタイプフェノキシ樹脂(商品名:YP−50、新日鐵化学(株)製)を50質量部、2官能アクリルモノマー(商品名:A−200、新中村化学(株)製)を20質量部、ウレタンアクリレート(商品名:U−2PPA、新中村化学(株)製)を20質量部、ジラウロイルパーオキサイド(商品名:ナイパーBW、日本油脂(株)製)を5質量部、及び、導電性粒子1を5部常法により均一に混合することにより異方性導電接着層組成物を調整した。これらの組成物を剥離ポリエステルフィルムに塗布し、70℃の熱風を5分間吹き掛けて乾燥することにより異方性導電フィルムを作製した。
【0053】
先ず、PWBの端子上に、酸性基を有する(メタ)アクリレートとして、リン酸エステル型アクリレート(酸価:275KOHmg/g、商品名:PM−2、日本化薬(株)製)を厚み1.0μmで塗布した。次に、2.0mm幅にスリットされた異方性導電フィルムをCOFに貼り付け、PWBと位置合わせした後、圧着条件:170℃−3MPa−5sec、緩衝材:250μmtシリコンラバー、及び加熱ツール:2.0mm幅にて圧着し、接続構造体を作製した。表1に示すように、実施例1における接続抵抗の評価は初期で○、ヒートサイクル試験後で○であった。
【0054】
<実施例2>
PWBの端子上に、リン酸エステル型アクリレート(酸価:275KOHmg/g、商品名:PM−2、日本化薬(株)製)を厚み0.1μmで塗布した後、PWB側に異方性導電フィルムを貼り付け、COFと位置合わせした以外は、実施例1と同様にして接続構造体を作製した。表1に示すように、実施例2における接続抵抗の評価は初期で△、ヒートサイクル試験後で△であった。
【0055】
<実施例3>
PWBの端子上に、リン酸エステル型アクリレート(酸価:275KOHmg/g、商品名:PM−2、日本化薬(株)製)を厚み10.0μmで塗布した以外は、実施例1と同様にして接続構造体を作製した。表1に示すように、実施例3における接続抵抗の評価は初期で△、ヒートサイクル試験後で△であった。
【0056】
<実施例4>
PWBの端子上に、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート(酸価:205KOHmg/g、商品名:アロニックスM−5400、東亜合成化学(株)製)を厚み1.0μmで塗布した以外は、実施例1と同様にして接続構造体を作製した。表1に示すように、実施例4における接続抵抗の評価は初期で○、ヒートサイクル試験後で○であった。
【0057】
<実施例5>
PWBの端子上に、ペンタエリスリトールトリアクリレートフタル酸変性物(酸価:81KOHmg/g、商品名:PE3A−MP、共栄社化学(株)製)を厚み1.0μmで塗布した以外は、実施例1と同様にして接続構造体を作製した。表1に示すように、実施例5における接続抵抗の評価は初期で△、ヒートサイクル試験後で△であった。
【0058】
<比較例1>
PWBの端子上に、リン酸エステル型アクリレートの水添物(酸価:275KOHmg/g、商品名:PM−2水添物、日本化薬(株)製)を厚み1.0μmで塗布した以外は、実施例1と同様にして接続構造体を作製した。表1に示すように、比較例1における接続抵抗の評価は初期で○、ヒートサイクル試験後で×であった。
【0059】
<比較例2>
PWBの端子上に何も塗布しなかった以外は、実施例1と同様にして接続構造体を作製した。表1に示すように、比較例2における接続抵抗の評価は初期で×、ヒートサイクル試験後で×であった。
【0060】
【表1】
【0061】
比較例1は、アクリレートの水添物であるため、アクリル系の異方性導電フィルムの硬化反応に取り込まれず、ヒートサイクル試験後の接続抵抗が上昇した。また、比較例2は、PWBの端子上に、酸性基を有する(メタ)アクリレートを塗布していないため、端子上のプリフラックス成分により接続抵抗が上昇した。
【0062】
実施例1〜5は、PWBの端子上に、酸性基を有する(メタ)アクリレートを塗布したため、端子上のプリフラックス成分を分解し、プリフラックス膜の実質的厚さを減少させ、良好な接続抵抗を得ることができた。また、酸性基を有する(メタ)アクリレートは、異方性導電フィルム中に取り込まれて硬化するため、高い接続信頼性を得ることができた。
【0063】
また、実施例1、4、5より、酸性基を有する(メタ)アクリレートの酸価が、200KOHmg/g以上であることにより、高い接続信頼性が得られることがわかった。
【0064】
<2.1 導電性粒子の圧縮硬さについて>
<実施例6>
導電性粒子1に代えて導電性粒子2を異方性導電フィルムに配合した以外は、実施例1と同様にして接続構造体を作製した。表2に示すように、実施例6における接続抵抗の評価は初期で○、ヒートサイクル試験後で○であった。
【0065】
<実施例7>
導電性粒子1に代えて導電性粒子3を異方性導電フィルムに配合した以外は、実施例1と同様にして接続構造体を作製した。表2に示すように、実施例6における接続抵抗の評価は初期で○、ヒートサイクル試験後で△であった。
【0066】
<実施例8>
導電性粒子1に代えて導電性粒子4を異方性導電フィルムに配合した以外は、実施例1と同様にして接続構造体を作製した。表2に示すように、実施例6における接続抵抗の評価は初期で○、ヒートサイクル試験後で△であった。
【0067】
【表2】
【0068】
実施例1、6〜8は、20%圧縮硬さが約7000N/mm
2以上11000N/mm
2以下である導電性粒子を用いているため、良好な接続抵抗が得られた。特に、20%圧縮硬さが約8000N/mm
2以上10000N/mm
2以下である導電性粒子を用いた実施例1、6は、さらに良好な接続抵抗が得られた。導電性粒子の圧縮硬さが小さすぎると、導電性粒子がフラックス成分を突き破ることができずに接続抵抗が上昇し、導電性粒子の圧縮硬さが大きすぎると、導電性粒子の反発力が大きすぎてヒートサイクル試験における端子間距離の変動に導電性粒子が追従できず、導通抵抗が上昇する傾向にあった。