特許第6490909号(P6490909)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6490909
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】鋸盤および鋸盤制御方法
(51)【国際特許分類】
   B23D 55/08 20060101AFI20190318BHJP
   B23D 47/12 20060101ALI20190318BHJP
   B23D 51/20 20060101ALI20190318BHJP
   B23D 55/00 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
   B23D55/08 L
   B23D47/12
   B23D51/20
   B23D55/00 C
   B23D55/08 Q
【請求項の数】20
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-117340(P2014-117340)
(22)【出願日】2014年6月6日
(65)【公開番号】特開2014-237216(P2014-237216A)
(43)【公開日】2014年12月18日
【審査請求日】2017年6月2日
(31)【優先権主張番号】10 2013 210 573.8
(32)【優先日】2013年6月6日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】592234090
【氏名又は名称】コイロ ベズィッツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー エーデーファウ−ディーンストライストゥングス コマンデイトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・オーベルレ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ・サベル
【審査官】 津田 健嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−032869(JP,A)
【文献】 特開2000−158231(JP,A)
【文献】 特開昭50−015183(JP,A)
【文献】 実開平04−076320(JP,U)
【文献】 特開昭55−005267(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02476531(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23D 55/08
B23D 47/12
B23D 51/20
B23D 55/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のインバータ(14)を有する電気式の鋸駆動部によって駆動される鋸刃体(5)と、鋸刃体(5)を被切削材(3)に対して一定の送り速度で相対移動させる鋸送り機構とを備えた鋸盤の制御において、前記送り速度は鋸刃体(5)が被切削材(3)に食い込む際に空送り速度から切削送り速度に切り替えられ、
前記鋸駆動部から鋸刃体(5)に伝達されるトルクに対応するものであるか、または当該トルクの変化から算定することができるものである物理量の値が、前記第1のインバータ(14)で求められ、
前記空送り速度から前記切削送り速度への切り替えは前記物理量の値に応じて行なわれ
前記鋸送り機構は第2のインバータ(13)を含み、前記空送り速度から前記切削送り速度への切り替えは、前記第1のインバータ(14)から前記第2のインバータ(13)に送られる信号に応じて行なわれることを特徴とする鋸盤制御方法。
【請求項2】
前記第1のインバータ(14)によって前記電気式の鋸駆動部のモータ(15)に供給される有効電流が、前記物理量として使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のインバータ(14)で求められる前記物理量の値はその時間的推移を平滑化するためのフィルタリング法で処理されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記空送り速度から前記切削送り速度への切り替えは、前記第1のインバータ(14)で連続的または間欠的に求められた前記物理量の実値と平均の空送り時値との差に応じて行なわれるか、または前記物理量の実値の上昇によって行なわれるか、あるいはその両方によって行われることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記空送り速度から前記切削送り速度への切り替えは、前記物理量の実値と前記空送り時値との差が閾値を超えることにより行なわれることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記鋸送り機構は前記第2のインバータ(13)によって駆動される送りモータ(12)をことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記空送り速度は、早送り速度としての第1の速度段と接近速度としての第2の速度段とを含み、鋸刃体(5)と被切削材(3)との間の接近行程(20)の領域において、前記早送り速度から前記接近速度への前記鋸送り機構の切り替えが行なわれることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記切削送り速度は前記物理量に応じて制御されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記切削送り速度は、前記鋸駆動部から鋸刃体(5)に伝達されるトルクが実質的に一定に維持されるようにして制御されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記鋸刃体(5)は弾性緩衝状態でまたはプレストレス状態であるいはその両方の状態で被切削材(3)に当接され、その際、前記弾性緩衝またはプレストレスあるいはその両方は前記送り速度の方向に作用する切断力に対して行なわれることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記空送り速度、前記切削送り速度、前記空送り速度と前記切削送り速度との比、の3つのうちの1つ以上が、被切削材(3)の形状寸法または材料素材あるいはその両方に応じて選択可能であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
第1のインバータ(14)を有する電気式の鋸駆動部によって駆動される鋸刃体(5)と、前記鋸刃体(5)を被切削材(3)に対して一定の送り速度で相対移動させる鋸送り機構とを有する鋸盤であって、前記鋸送り機構は、鋸刃体(5)が被切削材(3)に食い込む際に、前記送り速度を空送り速度から切削送り速度に切り替えるように構成され、
前記鋸送り機構は、前記鋸駆動部から鋸刃体(5)に伝達されるトルクに相当する物理量の値、または当該トルクの変化をそれから算定することのできる物理量の値が、前記第1のインバータ(14)で求められるように構成され
前記空送り速度から前記切削送り速度への切り替えは前記物理量の値に応じて行なわれ
前記鋸送り機構は第2のインバータ(13)を含み、前記空送り速度から前記切削送り速度への切り替えは、前記第1のインバータ(14)から前記第2のインバータ(13)に送られる信号に応じて行なわれることを特徴とする鋸盤。
【請求項13】
鋸刃体(5)に前記送り速度方向に作用する切断力を付与する機能または前記送り速度方向に鋸刃体(5)をガイドする機能あるいはその両方の機能を有する手段を備え、当該手段は、鋸刃体(5)を弾性緩衝またはプレストレスあるいはその両方でもって被切削材(3)に当接させる弾性緩衝要素またはプレストレス要素あるいはその両方を備えていることを特徴とする請求項12に記載の鋸盤。
【請求項14】
前記鋸送り機構は前記第2のインバータ(13)によって駆動される送りモータ(12)をことを特徴とする請求項12または13に記載の鋸盤。
【請求項15】
前記第1のインバータ(14)で前記物理量に関する平均の空送り時値を求めることが可能であり、その際、前記空送り速度から前記切削送り速度への切り替えは、前記物理量の実値と前記空送り時値との差に基づいて行なわれることを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載の鋸盤。
【請求項16】
前記空送り速度から前記切削送り速度への切り替えは、前記物理量の実値と前記空送り時値との差が閾値を超えることにより行なわれることを特徴とする請求項15に記載の鋸盤。
【請求項17】
前記鋸送り機構は、前記空送り速度が早送り速度としての第1の速度段と接近速度としての第2の速度段とを有するように構成され、前記鋸刃体(5)と前記被切削材(3)との間の接近行程(20)の領域において、前記早送り速度から前記接近速度への前記鋸送り機構における制御切り替えが行なわれることを特徴とする請求項12から16のいずれか1項に記載の鋸盤。
【請求項18】
前記第1のインバータ(14)は前記切削送り速度を前記物理量に応じて制御することを特徴とする請求項12から17のいずれか1項に記載の鋸盤。
【請求項19】
前記第1のインバータ(14)は前記切削送り速度を、前記鋸駆動部から鋸刃体(5)に伝達されるトルクが実質的に一定に維持されるように制御することを特徴とする請求項18に記載の鋸盤。
【請求項20】
前記空送り速度、前記切削送り速度、前記空送り速度と前記切削送り速度との比、の3つのうちの1つ以上が、被切削材(3)の形状寸法または材料素材あるいはその両方に応じて選択可能であることを特徴とする請求項12から19のいずれか1項に記載の鋸盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のインバータを有する電気式の鋸駆動部によって駆動される鋸刃体と、鋸刃体を被切削材に対して一定の送り速度で相対移動させる鋸送り機構とを備えた鋸盤、およびそのような鋸盤の制御方法に関する。
この種の鋸盤は鋸刃体を含んでおり、当該鋸刃体は鋸駆動部によって駆動される。さらに、駆動される鋸刃体を、被切削材に対して所定の送り速度で相対移動させる鋸送り機構が設けられている。この鋸送り機構は、鋸刃体が被切削材に食い込む際に、鋸刃体の送り駆動速度が、空送り速度から切削送り速度に切り替えられるように形成されている。
【背景技術】
【0002】
上記のような鋸盤は、通例、帯鋸盤としてまたは丸鋸盤として形成されている。ただし、その他の種類の鋸盤とくに弓鋸盤も本発明のうちに含まれる。
【0003】
本発明の主たる適用分野は、金属からなる被切削材の切断ないし鋸挽きに使用される上述した種類の鋸盤に関する。
【0004】
鋸盤の種類に応じ、駆動される鋸刃体−これは、特に、帯鋸歯または丸鋸歯であってもよい−は、被切削材に対して直線状にもしくは旋回軸を中心にして相対移動させられる。その際、被切削材は比較的重量があり、搬送装置によって鋸挽き台上に載置され、そこで締め付け固定される。
【0005】
上記の種類の鋸盤は、通例、種々相違した断面形状を有する被切削材を鋸挽きすることから、新たな被切削材を締め付け固定するために、可能な限り大きな断面形状を有する被切削材に受入れ締め付けスペースを与えることのできるホーム位置に鋸刃体を戻しておくことが必要である。それゆえ、特に、それほど大きな断面形状を有していない被切削材を鋸挽きする場合、鋸刃体は、鋸挽き工程の初めに、鋸刃体が被切削材に食い込んで本来の切断工程を開始し得るようになるまでに、比較的長い送り移動行程を移動しなければならない。また、鋸挽き工程が中断され、鋸刃体が被切削材から引き離されなければならない場合にも、鋸挽き工程の再開時に、鋸刃体は、再び被切削材に食い込んで本来の切断工程を続行できるまでに、比較的長い送り移動行程を移動しなければならない。
【0006】
本来の切断工程、したがって、鋸刃体が被切削材に食い込んで切削作業を実施する際の鋸刃体の送り運動は、当然のことながら、被切削材の特性に依存した−金属からなる被切削材の場合にあっては、ふつう数ミリメートル/秒のレベルでしかない−切削送り速度で行なわれる。本来の切断工程の前後に生ずる鋸挽き工程付随時間をできるだけ短時間に抑えるには、本来の切断工程以外における鋸刃体の送り速度、とりわけ、鋸刃体が被切削材にアプローチする際の送り速度を高めることが不可欠である。鋸刃体が本来の切断工程を開始し得るまでに必要とされる上記の比較的長い移動行程に及ぶ送り移動が上述した切削送り速度でしか移動できないとすれば、鋸盤の生産性を制限することになると共に、これに相応して、コスト高の原因となる大きな無駄時間を生み出してしまうからである。
【0007】
したがって、上述した種類の鋸盤および鋸盤制御方法において、鋸盤の送り速度は、それが被切削材に食い込む際に、相対的に高速である空送り速度から切削送り速度に切り替えられる。したがって、鋸刃体が被切削材にまだ食い込んでいない間は、鋸刃体は被切削材に対してより速く移動し、特に、被切削材に向かって速い速度で降下し、その結果、鋸挽き工程の無駄時間は相応して減少する。ここで、鋸刃体が被切削材に「食い込む際に」とは、空送り速度から切削送り速度への切り替えが被切削材への食い込み開始の直前か、最初に食い込む瞬間か、あるいは鋸刃体が被切削材に食い込み開始した直後に行なわれることを意味している。
【0008】
その際問題なのは、鋸刃体が高すぎる送り速度で被切削材に当接されて当該材料に食い込む場合、鋸刃体は損傷を受けるということである。したがって、空送り速度は比較的低く選択されていなければならない、あるいは、送り速度が適時に空送り速度から切削送り速度に切り替えられて、鋸刃体の損傷が確実に回避されなければならない。
【0009】
これに関して、従来、複数の解決策が提案されている。たとえば、特許文献1及び特許文献2では、帯鋸盤の帯鋸の切断抵抗が持続的に測定され、帯鋸の過負荷を回避すべく、当該測定結果に基づいて送り速度が制御される。同様な帯鋸盤は、特許文献3にも開示されている。さらに、特許文献4では、送り速度は帯鋸盤の帯鋸の回転速度に応じて調節される。帯鋸回転速度が減少すると直ちに、帯鋸の過負荷を回避すべく、送り速度は制動される。特許文献5による油圧駆動式帯鋸盤は、切断抵抗の上昇が監視され、切断抵抗が上昇すると送り速度が低下されるため、送り速度は、ほぼ鋸刃体が被切削材に食い込む際に、空送り速度から切削送り速度に切り替えられる。
【0010】
上記の一連の解決策に共通しているのは、送り速度の切り替えが比較的緩慢に行われるために、鋸刃体の過負荷は被切削材への最初の食い込み時に確実に回避可能であるわけではないという点である。
【0011】
従来の技術におけるその他の対策は、被切削材に関して前もって入力されるか、あるいはセンサによって求められた形状寸法データに基づいて行なわれるために、鋸刃体の送り移動は、鋸刃体が被切削材に食い込む直前に制動可能である。したがって、この場合では、空送り速度から切削送り速度への切り替えは、なお、鋸刃体と被切削材とが最初に接触する前に行なわれることができる。これにより、送り速度が高すぎるために生ずる鋸刃体の損傷は回避されるとはいえ、センサ装備ならびに制御技術上からする付加的なコストが要されあるいは、優れた養成教育を受けた慎重かつ熟練した操作員が必要とされることになり、これがまたもや相応した付加的なコストを招来する結果となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】ドイツ出願公開第2457537号公報
【特許文献2】ドイツ出願公開第10043012号公報
【特許文献3】ドイツ出願公開第3311390号公報
【特許文献4】ドイツ出願公開第2808245号公報
【特許文献5】欧州特許公開第0313429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、空送り速度から切削送り速度への鋸刃体の送り速度の切り替えが確実かつ適時に行なわれ、被切削材への食い込み時の鋸刃体の損傷が回避されると共に、付加的な制御技術コストを要することも、特別な訓練を受けた信頼し得る操作員による操作を必要としない鋸盤に関する技術を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1のインバータを有する電気式の鋸駆動部によって駆動される鋸刃体と、鋸刃体を被切削材に対して一定の送り速度で相対移動させる鋸送り機構とを備えた鋸盤の制御において、上記課題を解決するため、本発明では、前記送り速度は鋸刃体が被切削材に食い込む際に空送り速度から切削送り速度に切り替えられ、前記鋸駆動部から鋸刃体に伝達されるトルクに対応するものであるか、または当該トルクの変化から算定することができるものである物理量の値が、前記第1のインバータで求められ、前記空送り速度から前記切削送り速度への切り替えは前記物理量の値に応じて行なわれる。
【0015】
第1のインバータを有する電気式の鋸駆動部によって駆動される鋸刃体と、前記鋸刃体を被切削材に対して一定の送り速度で相対移動させる鋸送り機構とを有する鋸盤において、上記課題を解決するため、本発明では、前記鋸送り機構は、鋸刃体が被切削材に食い込む際に、前記送り速度を空送り速度から切削送り速度に切り替えるように構成され、前記鋸送り機構は、前記鋸駆動部から鋸刃体に伝達されるトルクに相当する物理量の値、または当該トルクの変化をそれから算定することのできる物理量の値が、前記第1のインバータで求められ、前記空送り速度から前記切削送り速度への切り替えは前記物理量の値に応じて行なわれる。
【0016】
本発明では、まずは、第1のインバータを備えた電気式の鋸駆動部によって駆動される鋸刃体と、鋸刃体を被切削材に対して一定の送り速度で相対移動させる鋸送り機構とを有する本発明による鋸盤ならびに本発明による鋸盤制御方法は、鋸駆動部から鋸刃体に伝達されるトルクに相当するまたは当該トルクの変化をそれから算定することのできる物理量の値が第1のインバータで求められ、鋸刃体が被切削材に食い込む際に、当該物理量の値に応じて、空送り速度から切削送り速度への送り速度の切り替えが行なわれることを特徴としている。なお、ここで言う「インバータ」は広い意味で用いられるべき語句であり、コンバータ回路、コンデンサ、インバーター回路、その他の回路、の任意の組み合わせであってもよいし、単独であってもよい。
【0017】
本発明によれば、高い空送り速度から切削送り速度への切り替えは、付加的な制御・調節技術コストを要することなく、行なうことができる利点を有する。なぜなら、本発明に係る種類の鋸盤には、一般に、鋸刃体つまりは鋸歯または帯鋸を駆動する電動機の制御がインバータによって行なわれる電気式の鋸駆動部が装備されているからである。インバータによって駆動されるモータのフィードバックから、当該インバータで、鋸駆動部から鋸刃体に伝達されるトルクに相当するまたは当該トルクの変化をそれから算定することのできる物理量の値を求めることができる。たとえば、インバータによって電気式の鋸駆動部に流される有効電流は、モータから鋸刃体に与えられるトルクを実時間で推定することを可能にする物理量の1つでもある。
【0018】
鋸駆動部から鋸刃体に伝達されるトルク自体は、鋸刃体が単に空を切っているにすぎないというべきアイドリング(空)相にあるのか、あるいは、鋸刃体が被切削材に食い込んでいるのかに直接的に依存する。被切削材が引っ掛かった際に、つまり、送り相対移動の間に鋸刃体の歯の先端が被切削材に接すると、鋸駆動部から与えられるトルクは、鋸刃体の歯と被切削材との接触によって生み出される抵抗に対する応答として上昇する。これは、鋸駆動部のインバータにおいて、たとえば与えられた有効電流に基づいて実時間で認識することができるため、空送り速度から切削送り速度への切り替えが可能である一方で、なお被切削材はまだ引っ掛かっただけであり、抵抗の高まりによる鋸刃体の損傷または過大な負荷はまだ懸念される状態には至っていない。
【0019】
したがって、本発明により、既存の一般的な鋸盤の装置を利用したとしても、従来達成することのできなかった素早い反応時間で、高い空送り速度から切削送り速度への切り替えがいつ必要であるかが認識でき、鋸刃体の損傷を確実に回避することが可能である。その際、短時間のうちに鋸刃体の負荷の顕著な高まりが生ずるところまで至っていない段階での瞬時の切り替えを行なうことさえ可能である。このことは、鋸刃体の耐久寿命の長期化を可能にする利点を生み出す。
【0020】
それゆえ、本発明は、付加的な制御技術的かつ調整技術的な備品、たとえばセンサ、光電SWなどの付加を要しないという利点をもつだけでなく、鋸駆動部のトルクの変化に現れる鋸刃体に生ずる変化とくに被切削材への鋸刃体の食い込み開始に応じた、特に迅速な反応を得るという優れた利点ももつことになる。
【0021】
この場合、本発明によれば、鋸駆動部から得られるトルクの変化を推定することのできる物理量の値は、インバータだけで求めることができる。なぜなら、このトルクが高まる場合、それがとりもなおさず、鋸刃体が被切削材に接近する送り移動において、鋸刃体が被切削材に到達して被切削材を切断開始するということ直結するからである。この時点が、空送り速度から切削送り速度への切り替えが行なわれなければならない時点である。
【0022】
したがって、本発明の第1の狙いは、鋸挽き工程に際し、送り速度を切削送り速度に低下させるべく、被切削材に最初に食い込む瞬間をセンサなしで把握し得る、センサレスでの物質(被研削材)認識である。これにより、付加的なセンサシステムなしで鋸挽き工程の無駄時間を減少させることができるが、それは鋸刃体の空行程を高速の空送り速度で移動させることができるからである。鋸刃体が直接切断に係わっていない中断された鋸切断に対しても時間的に最適化して再度続行することも本発明によって初めて可能である。
【0023】
送り速度を切り替えるために使用される、第1のインバータで求められる物理量の値に対しては、好ましくは、その時間的推移を平滑化するためのフィルタリング法で処理されるか雑音信号を分離除去する処理が施される。求められる当該物理量の有意な変化は、測定値の平滑化処理の後に、いっそう容易かつ一義的に検出することが可能である。
【0024】
好ましくは、空送り速度から切削送り速度への切り替えは、第1のインバータで連続的または間欠的に求められた物理量の実値と平均の空送り時値との差に応じて行なわれる。平均の空送り時値は一定の鋸盤に関する代表値でもあり、いずれにせよ鋸刃体が空回転している鋸挽き行程の開始時に求めることが可能である。空送り速度から切削送り速度への切り替えは、これとは別に、あるいはこのような差の解析評価に加えて、物理量の実値の有意な上昇をトリガーとしてもよい。後者のケースにあっては、平均の空送り時値を求める必要はない。
【0025】
好適には、空送り速度から切削送り速度への切り替えは、場合により平滑化ないし雑音信号の分離除去された物理量の実値と平均の空送り時値との差に関する閾値および/または物理量の実値の上昇に関する閾値が超過されて初めて行なわれる。この閾値は、本発明による切り替えの感度を調節することができるように、特に被切削材に応じて設定することが可能である。
【0026】
本発明において、本発明による鋸盤、ないしは本発明の鋸盤制御方法によって制御される鋸盤が、鋸駆動部の第1のインバータの他に、鋸送り機構の一部として第2のインバータを含み、第2のインバータが、鋸刃体と被切削材との相対運動をもたらす送りモータを駆動させる場合に、さらなる特別な利点が得られる。第2のインバータが、それが第1のインバータから受け取る信号に応じて、送りモータを空送り速度から切削送り速度に切り替えることにより、本発明による方法が特に容易かつ有利に実現することが可能となる。第1のインバータから第2のインバータへの信号伝達は、たとえば、第1のインバータのディジタルアウトプットまたはそのフィールドバスインタフェースを経て遅延なく行なうことが可能である。したがって、本発明の実現は、第1と第2のインバータを相応してプログラミングすることにより、付加的な制御システム、調節システム、またはセンサ等を装備する必要なく、可能である。
【0027】
本発明の範囲において、第1のインバータから第2のインバータへの直接の信号伝送が好ましいが、それはこれによって鋸駆動部のトルク上昇に対する特に迅速な反応がもたらされ、エレクトロニクス制御系での信号処理によるいかなる遅延も生じないからである。ただし、本発明の範囲において、空送り速度から切削送り速度への切り替えを鋸盤の中央制御装置とくに記憶装置プラグラム式制御装置(SPS)によって行なわせることも可能である。この場合、第1のインバータは送り速度の切り替え信号を中央鋸盤制御装置に通知し、これに応じて、当該制御装置は送り速度を切削送り速度に低下させる。送りモータを駆動させる第2のインバータが設けられている限り、この第2のインバータは中央制御装置によって応答させることが可能である。こうした中央鋸盤制御装置を介した「バイパス方式」は、特に、この制御装置が高速の電子回路を有している場合に設けられと好適である。これによって、制御が、第1のインバータの信号に応答する、複数の可変可能な可能性を得ることができるという利点をもつ。
【0028】
鋸駆動部のトルク上昇と送り速度の切り替えとの間の反応時間が極めて迅速であることにより、切削送り速度とアイドリンク送り速度との比を1:2〜約1:10、適用ケースに応じて1:100およびそれを上回る範囲で選択することが可能である。これによって、鋸刃体が損傷されたりその耐久寿命が短縮されたりする危険を冒すことなく、鋸挽き工程の付随時間を大幅に減少させることができる。
【0029】
無駄時間をさらに大幅に減らすことで、鋸挽き工程に要する時間を短時間に抑えるために、空送り速度を少なくとも2つの速度段に区分し、その際、第1の速度段は早送り速度段として形成され、第2の速度段は接近速度段として形成されるのが好適である。この場合、あらかじめ選択したまたはあらかじめ選択可能な、あるいは場合によりセンサシステムによっても検出可能な、鋸刃体と被切削材との間の接近行程の領域で切り替え−通例、早送り速度から接近速度への制動−を行なうことができるため、早送り速度は本来の空送り速度よりもさらに高速であってよい。
【0030】
本発明の有利な発展態様において、空送り速度ないし接近速度の値を被切削材の寸法および形状に応じて定めることを基本とすることも可能である。被切削材が凸凹した不整な形状を有し、および/または、特に強靭な素材からなっている場合には、鋸刃体の損傷もしくは過大な負荷の発生を回避するために、空送り速度ないし接近速度を低速にすることが好ましいが、他方、被切削材の素材が軟質であり、および/または、たとえば丸棒材料の場合にそうであるように、最初の引っ掻き時に鋸刃体が材料中にわずかに食い込むにすぎない形状を有している場合には、鋸刃体の損傷もしくは過大な負荷の発生を懸念することなく、空送り速度ないし接近速度を相対的に高く選択することが可能である。
【0031】
本発明のさらに別の好ましい発展態様は、本発明により切削送り速度への送り速度の切り替えが行なわれる被切削材への鋸刃体の最初の食い込みに際して鋸歯ごとの送り距離を減少させるために、鋸刃体と被切削材との間の接近行程の領域で鋸刃体の速度を高めることを基本としている。このことは、さらに、空送り速度が特に高く選択される場合に慣性に起因してそうなることでもあるが、空送り速度から切削送り速度への本発明による切り替えが最短時間内に行なわれない場合であっても、被切削材への食い込み時の鋸刃体の負荷を減少させるのに効果的である。
【0032】
同様な理由から、本発明による方法ないし本発明による鋸盤のさらに別の実施形態は、独立したものとしてまたは上述の実施形態との組み合わせで、鋸刃体が弾性緩衝状態でまたはプレストレス状態であるいはその両方の状態で被切削材に当接ガイドされ、その際、弾性緩衝作用ないしプレストレスは送り速度の方向に作用する切断力に対して行なわれるように構成されている。そのために、鋸盤は切断力を付与する手段を含み、当該手段は弾性緩衝要素を備えている。この種の手段は、帯鋸盤の場合、通例、帯鋸用ガイドとくに帯鋸背面ガイドであり、他方、この種の手段は、丸鋸盤の場合、鋸送り機構の一部である。上記の弾性緩衝要素は、たとえば、切断力の強力な高まりないし切断具へのその反作用を弾性緩衝するばねパッケージであってよい。この種の切断力の強力な高まりは、とりわけ、特に高い空送り速度ないし接近速度が選択されて、鋸刃体が被切削材に接当する際に発生する。
【0033】
帯鋸盤にあっては、弾性緩衝要素はまた、とりわけそれがばねまたはばねパッケージとして形成されていれば、帯鋸のプレストレスにも使用することができる。この種のプレストレスは送り速度の方向に行なわれることから、帯鋸は、被切削材に当接する際に、純然たる緩衝作用の場合よりも、全体としてさらに大きく柔軟に引っ込むことができる。
【0034】
最後に、本発明の特に好ましい実施形態であり、かつ第2の狙いとして、鋸駆動部から伝えられるトルクの推定を可能にする第1のインバータで求められる物理量の値は本来の切断工程の制御に使用されて、特に、鋸駆動部から鋸刃体に伝えられるトルクが実質的に一定に維持される。特に、被切削材が円筒状であったり、あるいは異形材であったりする場合には、切断工程中に鋸刃体にかかる負荷は激しく変動する。なぜなら、時には多くの鋸歯が、時には少ない鋸歯が、被切削材に食い込むことになるからである。第1のインバータでの鋸駆動部の反作用の解析評価により、鋸刃体の瞬時負荷を正確に推定することが可能である。鋸刃体の送り速度が、第1のインバータで求められた物理量の実値に応じて、たとえば、鋸駆動部から鋸刃体に伝達されるトルクが実質的に一定となるように制御されれば、鋸刃体にかかる負荷も、被切削材の形状とは関係なく、一定に維持される。被切削材が細身であれば、凸凹した不整な形状の被切削材の場合よりも自動的に高い切削送り速度で鋸断が行なわれるため、本発明により、鋸挽き工程の付随時間が短縮されるだけでなく、本来の切断工程も切削送り速度に関して最適化されると共に、鋸挽き工程のさらなる短縮化も達成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明に基づいて構成された帯鋸盤の概略図である。
図2】上記の帯鋸盤の本発明において重要な構成要素の構成を示す模式図である。
図3】上記の帯鋸盤の種々異なった移動および速度を模式的に示す模式図である。
図4】帯鋸盤に備えられた、ばねによってプレストレスされた帯鋸背面ガイドの概略図である。
図5】本発明による帯鋸盤の駆動制御に関する概略的な基本制御回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付図面を参照して、本発明による制御方法の実施形態の1つによって、駆動制御される、本発明による鋸盤の実施形態の1つを説明する。
図1は、ベース1と、その上に取り付けられた、被切削材3用の鋸挽き台2と、2個の鋸車6の周りをエンドレスに周回する帯鋸5を収容した、ベース1に対して相対可動する帯鋸モジュール4とを有する帯鋸盤を概略的に示したものである。切断領域7において、帯鋸5は、帯鋸ハウジング8の外部に位置し、切断領域7での帯鋸5は、切断領域7の右と左に配置された2つの帯鋸ガイド9によってガイドされる。これらの帯鋸ガイド9は、図4でその一例が示されているが、それぞれ、2つの帯鋸側面ガイドと1つの帯鋸背面ガイドとからなっており、帯鋸背面ガイドはばねパッケージによってプレストレスされているために、帯鋸5は、ばねパッケージの力に抗して、上方に弾性作用によって引っ込むことができる。
【0037】
帯鋸モジュール4はガイド10上に着座し、ベース1に対して上下動することができる。下降移動は帯鋸5の送り移動11である。
【0038】
図1に示した帯鋸盤の本発明上重要な構成要素を概略的に示している図2から理解できるように、ガイド10に沿った帯鋸モジュール4の移動は、第2のインバータ13によって駆動される送りモータ12によって行なわれる。第1のインバータ14は、2個の鋸車6のうちの一方の鋸車の軸上に着座して、当該鋸車を駆動するモータ15を駆動する。したがって、モータ15によって発生させられたトルクは帯鋸5の駆動をもたらし、これによって、帯鋸は鋸刃体駆動速度で2個の鋸車6周りを周回する。第1のインバータ14やモータ15などからなる鋸駆動部によって駆動される帯鋸5の周回走行を一方とし、ガイド10、送りモーラ12、第2のインバータ13などからなる帯鋸送り機構によって駆動される、矢印11で示された帯鋸5の送り移動を他方とした、双方の運動の組み合わせにより、被切削物の切断分離を行う帯鋸動作が作り出される。
【0039】
図3は、本発明による方法の一実施形態を具体的に示したものである。帯鋸モジュール4は、帯鋸5の送り移動11により、被切削材3上に下降させられる。その際、帯鋸5が空行程16のレベルEで被切削材3と接触するまでに、空行程16の距離にわたる移動が行なわれる。その後、被切削材3が鋸切断されるまで、切削作業工程17に沿った帯鋸5の送り移動11が実施される。空行程16の距離にわたる移動は空送り速度で行なわれる。レベルEに達すると、帯鋸5の鋸歯は被切削材3の表面と接触し、当該材料への食い込み侵入を開始する。これによって、帯鋸5の周回走行は制動されるため、モータ15は、帯鋸5の周回走行を維持するために、より高いトルクを鋸車6ないし帯鋸5に与えなければならない。トルク要求の高まりは第1のインバータ14に相応したフィードバックの形で現れ、特には、より高い有効電流が供給されることになる。このことがは第1のインバータ14で認識されて、ディジタルデータ回線18、アナログデータ回線またはバスを経て、第2のインバータ13に伝送され、当該インバータ側は直ちに送りモータ12を空送り速度から切削送り速度に制動する。次いで、本来の切断作業となる、切削作業工程17の通過移動は帯鋸モジュール4ないし帯鋸5によって切削送り速度にて実施される。
【0040】
本発明による方法の第2の実施形態も、同じく、図3に基づいて理解することができる。この場合、帯鋸モジュール4は、早送り速度段としての区間である早送り行程19に沿って、先ず本来の空送り速度に比較してさらに高速の送り速度にて移動する。プリセット可能なレベルAに達すると、第2のインバータ13は送りモータ12を本来の空送り速度に制動し、次いで、接近行程20が本来の空送り速度で通過させられ、その後再び、帯鋸5の最初の鋸歯がレベルEで被切削材3に食い込むと、送り速度は空送り速度から切削送り速度に切り替えられて、第1の実施形態の場合と同様に、鋸切断が完了するまで、切削作業工程17の通過移動は切削送り速度にて行なわれる。
【0041】
第3の実施形態において、切削送り速度は切削作業工程17全体にわたって一定に維持されるのではなく、第1のインバータ14で認識され評価されるモータ15のフィードバックによって、第1のインバータ14が制御信号をバスまたはディジタルないしアナログデータ回線を介して第2のインバータ13に送ることにより、モータ15によって鋸車6と共に帯鋸5に供されるトルクが実質的に一定に維持される。本実施形態において、丸棒ないし円筒状の被切削材3が鋸切断されることから、本来の切断工程開始時つまりレベルEでの切削送り速度は−この段階では、まだ、帯鋸5の若干の鋸歯が同時に被切削材3に食い込んでいるにすぎないために−さしあたってはまだ比較的高く選択することが可能である。ただし、これは鋸挽き作業が進行するにつれて変化し、それは被切削材3がその輪郭に依存して、帯鋸5にとってますます厚さを増すと共に、ますます多くの鋸歯が同時に材料に食い込むようになるからである。モータ15から与えられるトルクを一定に維持されるために、切削送り速度は相応して低下し、こうして、帯鋸5にかかる負荷は最適に保たれる。本来の鋸切断の終了に向かって被切削材3の厚さは再び減少するため、帯鋸5に過度な負荷をかけることなく、切削送り速度を再び引き上げることが可能である。
【0042】
このような制御が行なわれない場合には、帯鋸5を保護するために、切削送り速度は切削作業工程17の全体にわたって最小の値に設定されなければならない。したがって、このような制御により、本来の切断工程に要される時間はさらに短縮されることになる。
【0043】
図4は、鋸刃体−この場合には帯鋸(図中不図示である)−をプレストレスによると共に弾性緩衝作用によって被切削材(またも図中不図示である)に接当させてガイドするために、ばねプレストレスされた帯鋸背面ガイドを有する帯鋸盤の帯鋸ガイド9の概略図を示している。このようなガイドを実現するために、帯鋸ガイド9は、当該ガイド板の間を貫いて滑動する帯鋸(図中不図示である)を側面ガイドする2枚の帯鋸ガイド板21ならびに、ローラ22として形成された、帯鋸の背面上を転動し、帯鋸を送り移動11の方向にプレストレスする帯鋸背面ガイドを含んでいる。そのため、ローラ22は、ロッキング軸24を中心とした2アーム式レバーを形成するロッカ23に軸受け支持されている。レバーの第1のアーム25はローラ22をガイドし、他方、レバーの第2のアーム26は、定置支え台28に固定されて調節ナット29によって長さを変えることができる連結棒27上に着座している。調節ナット29とロッカ23の第2のアーム26との間には、第2のアーム26を支え台28に向かってプレストレスすると同時に、ロッカ23のレバーアーム作用によって、ローラ22も帯鋸(図中不図示である)の背面に向かってプレストレスするコイルばね30が配置されている。被切削材に帯鋸が当接する際に生じる、帯鋸5の送り移動11とは反対向きの帯鋸の移動は、ローラ22がばねプレストレスされて引っ込むことにより、コイルばねによって弾性緩衝される。
【0044】
図5は、本発明によって構成された鋸盤の駆動部の概略的な基本制御回路図を示している。鋸駆動部のための第1のインバータ14と、帯鋸送り機構のための第2のインバータ13と、被切削材をポジショニングするための材料送り装置用の第3のインバータ31とは、バス32を経て、記憶プログラム式制御装置(例えばプログラマブルロジックコントローラ)34の入出力(E/A)モジュールと接続されている。
【0045】
本発明による好ましい実施態様において、第1のインバータ14は、第1のインバータ14のディジタルアウトプットDOから出発する第1の信号回線35を経て、第2のインバータ13のディジタルインプットDIと接続されている。こうして、第1のインバータ14は、第1の信号回線35を経て直接伝達されるディジタル信号により、第2のインバータ13に切削送り速度への切り替えを指令することができる。
【0046】
同じく本発明に含まれているさらに別の実施態様において、第1のインバータ14は、送り速度切り替え信号を直接に記憶プログラム式制御装置34に送るため、第2の信号回線36により、記憶プログラム式制御装置34の入出力(E/A)モジュール33に直接接続されており、当該制御装置は切削送り速度への切り替えを指令することができる。
【0047】
同じく本発明に含まれているさらに別の第3の実施態様は、第1のインバータ14が送り速度切り替え信号をバス32を経て記憶プログラム式制御装置34に送り、そこで信号は再処理されて、送り速度の切り替えに使用されることを本旨としている。
【符号の説明】
【0048】
5:鋸刃体
3:被切削材
12:送りモータ
14:第1のインバータ
15:モータ
13:第2のインバータ
20:接近行程
図1
図2
図3
図4
図5