特許第6490937号(P6490937)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6490937-弾球遊技機 図000002
  • 特許6490937-弾球遊技機 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6490937
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】弾球遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20190318BHJP
【FI】
   A63F7/02 326C
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-207756(P2014-207756)
(22)【出願日】2014年10月9日
(65)【公開番号】特開2016-73570(P2016-73570A)
(43)【公開日】2016年5月12日
【審査請求日】2017年10月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】591044614
【氏名又は名称】株式会社足立ライト工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100112531
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】末廣 義典
【審査官】 眞壁 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−039444(JP,A)
【文献】 特開2006−280750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技板とその前面に平行に設けられた透明板との間に遊技球が転動可能な遊技領域が形成されているとともに、前記透明板を保持する透明板保持枠が開閉可能なるように一側縁にてヒンジされている弾球遊技機であって、前記遊技板と前記透明板とを平行状態を保ったままで前記透明板が前記透明板保持枠のヒンジ側よりも自由端側が前方へ張り出すように平面視で傾斜状なるように配設することにより前記遊技板の裏側の空間が拡張され、該空間にヒンジ側よりも自由端側がより奥行きのある厚みを持った演出装置を収納し、該演出装置の後側に液晶等の図柄変動表示器を表示面が真正面を向くように配設し、該図柄変動表示器の表示が該遊技板の中央に開設された大きな窓孔を通して遊技者の真正面に見られるようにしたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記遊技板の裏側に該遊技板の裏側のほぼ全域を囲うカバー体を配設し、該カバー体の形状は左右で奥行が異なっていて前記自由端側の側面部が前記ヒンジ側の側面部よりも奥行があるものとすることで、前記遊技板の裏側に該カバー体により囲われた空間を形成し、該空間に前記演出装置を収納したことを特徴とする請求項1に記載した弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ,アレンジボール,雀球等の遊技球が転動可能な遊技領域を有する弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にパチンコ遊技機は、遊技球が転動可能な遊技領域が遊技板とその前面に平行に設けられた透明板保持枠との間に形成され、該透明板保持枠は、一側縁がヒンジされ、遊技領域にて球詰まり等が生じた際に該透明板保持枠を開閉できるように構成されている。
また、近時のパチンコ遊技機は、例えば下記特許文献1、2に示されたように、キャラクター等を表示した可動体、或いは、メリーゴーランド、観覧車等の施設を模した回転する可動体等を遊技板に設け、該可動体をモータ,ギア等の制御手段によって複雑に動くようにするとともに、該可動体の動きが遊技者から見られるようにした種々の可動演出装置(一般にギミックと称される)が設けられ、こうした大がかりで複雑な動きをする大型の可動演出装置を備えることにより、パチンコ遊技機の遊技性を向上させ、遊技者の興味を喚起しようとしている。
【0003】
図3にこうした従来のパチンコ遊技機の構造を水平断面図により示す。同図中、100は該遊技機の前面下部に突設された遊技球貯留皿、101は該遊技機の前面下部の一側縁寄りに遊技者が右手で操作し得るように突設された弾球発射用操作ハンドルである。また、102は遊技場の島台に固設される縦長方形状の機枠(外枠とも称される)、103は該機枠102内に設けられた本体枠、104は該本体枠103内に着脱自在に保持された遊技板、105は該本体枠103の一側縁にヒンジされた透明板保持枠、106は該遊技板104の前面に平行なるように該透明板保持枠105に保持された二重の板ガラスからなる透明板である。該遊技板104の前面には多数の遊技釘107および各種入賞口108等を設けることで、該遊技板104と該透明板106との間に遊技球が転動可能な遊技領域109が形成される。なお、110は本体枠103に設けられた施錠装置で、該施錠装置110が前記透明板保持枠105の自由端縁に係合することで該透明板保持枠105が開閉可能にロックされる。そして、遊技領域109にて球詰まり等のトラブルが発生した際に、該施錠装置110を開錠し該透明板保持枠105を矢印で示した方向に回転することで開けられ、そのトラブルに対処し得るようにしている。なお、前記遊技球貯留皿100の前面には種々の遊技スイッチボタン111が設けられている。
そして、遊技板104の裏側にカバー体112が固設され、該カバー体112内に可動体114,115等からなる演出装置116が設けられ、該各可動体の動きが該遊技板104の中央に開設された窓孔117を通して遊技者から見られるようにしている。なお、カバー体112の中央部には表示面が窓孔117を通して遊技者から見られるように液晶等の図柄変動表示器118が取着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−4026号公報
【特許文献2】特開2013−132423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のように、遊技板104に大型の演出装置を設けた場合は、この遊技機の全体の厚さ(奥行)tはさらに厚いものとならざるを得ないが、一般にパチンコ遊技機は遊技場の島台に背中合わせに設置されるので、この厚さtが増すと背後の遊技機或いは壁面と干渉するおそれがある。このため、従来のこうした構造のパチンコ遊技機では、大型の演出装置を設けようとしても設けることができないという問題があった。即ち、遊技性を増大させるために大型の演出装置、或いはよりダイナミックで複雑な動きをする可動演出装置を設けようとしてもその大きさに制限があった。
【0006】
ちなみに、特許文献1に示された可動演出装置では、上記のような状況のもとで複数の可動体をいずれも薄手のものとすることにより遊技機の厚さをなるべく増大させないようにしている。また、特許文献2に示された可動演出装置では、複数の可動体が遊技板と平行な一平面上で回転するように構成されているが、仮に該可動体を前後方向にも動くようにすると、その空間の分だけ遊技機の後方への出っ張りが大きくなるのでできないものであった。
【0007】
また、通常、遊技釘107は、遊技板104の表面に垂直ではなく概ね4〜7°上向きに傾斜して固植することにより、遊技領域109を転動する遊技球を透明板106と衝突し難いように誘導し、その衝突による騒音や透明板106の破損が防止されるようにしている。また、遊技釘107の先端に形成された太い笠状の釘頭部も遊技球と透明板106との衝突を防ぐ作用がある。しかしながら、このように遊技釘107が上向傾斜状であって太い釘頭部がその先端にあると、遊技中の遊技者は常には遊技板104を正面から見るために、転動する遊技球と遊技釘107との接触点(衝突ポイント)がよく見えないという問題がある。即ち、遊技球と遊技釘107との接触点の視認性が悪く、遊技者は遊技板面を斜め上方から覗き込まないとこの接触点がよく見えないという状況であった。
そこで、本発明はこのように演出装置が大型化すると遊技機の厚さが増すという従来の弾球遊技機の問題点を解決するとともに、遊技領域を転動する遊技球の視認性を向上しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために本発明は、遊技板とその前面に平行に設けられた透明板との間に遊技球が転動可能な遊技領域が形成されているとともに、前記透明板を保持する透明板保持枠が開閉可能なるように一側縁にてヒンジされている弾球遊技機であって、前記遊技板と前記透明板とを平行状態を保ったままで前記透明板が前記透明板保持枠のヒンジ側よりも自由端側が前方へ張り出すように平面視で傾斜状なるように配設することにより、前記遊技板の裏側の空間が拡張され、遊技領域を転動する遊技球の視認性が向上されるようにしたことを特徴とする。
【0009】
また本発明は前記弾球遊技機において、前記遊技板は、裏側に演出装置を前記透明板保持枠のヒンジ側よりも自由端側を厚くするように配設したものであることを特徴とする。
また本発明は前記弾球遊技機において、前記遊技板の裏側に演出装置を配設するとともに、図柄変動表示器をその表示面が真正面を向くように該演出装置の後側に配設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る弾球遊技機によれば、遊技機全体の厚みが増すことなく遊技板の裏側に新たな空間ができるので、大きな演出装置などを余裕をもって配設できるようになる。また、本発明に係る弾球遊技機では、遊技板と透明板とが平行状態を保ったままで平面視で傾斜状に配設されていることから、遊技中の遊技者は該遊技板を斜め横方向から見ることになり、このためにわざわざ覗き込まなくても遊技球が遊技釘に衝突する状況をよく観察できるようになり、弾球遊技機の楽しみを増大させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る弾球遊技機の斜視図。
図2図1の弾球遊技機の水平断面図。
図3】従来の弾球遊技機の水平断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に本発明に係る弾球遊技機をパチンコ遊技機の実施形態について図1図2に従い説明する。このパチンコ遊技機は、遊技場の島台に固設される機枠(外枠とも称される)1が縦長方形に形成され、該機枠1の下部一側縁と上部一側縁に受片2,3がそれぞれ前方に向けて突設され、該受片2,3とによって内部の本体枠4の一側縁がヒンジされ、さらに該本体枠4の下部寄りに前方に向けて受片5が突設され、前記受片2と該受片5とによって遊技球貯留皿6の一側縁がヒンジされ、該受片5と前記受片3とによって透明板保持枠7の一側縁がヒンジされている。遊技球貯留皿6の前面には種々の遊技スイッチボタン6aが設けられている。なお、本体枠4の向かって右側下部には弾球発射用操作ハンドル8が前方に向けて突出するように設けられている。
【0013】
前記本体枠4には遊技板10が着脱自在に保持され、該遊技板10には中央に大きな窓孔11が開設されているとともに、該遊技板10の前面に遊技球を誘導するレール12、多数の遊技釘13、風車14および各種入賞口15等が設けられる。また、前記透明板保持枠7には二重の板ガラスからなる透明板16が前記遊技板10の前面と平行なるように保持され、前記遊技板4と該透明板16との間に前記レール12に沿って誘導された遊技球を自重で転動可能なるようにする遊技領域17が形成される。
【0014】
そして、本発明では、前記遊技板4と前記透明板16とを平行状態を保ったままで前記透明板16が前記透明板保持枠7のヒンジ側よりも自由端側が前方へ張り出すように平面視で傾斜角度αをもって配設する。換言すると、弾球遊技機を前後に分割する鉛直状の縦断面と平行な面を図示したように基準面Xとすると、遊技板4と前記透明板16とはこの基準面Xに対して自由端側が前方に張り出すように傾斜角度αをもって配設することになる。なお、図2に示したようにこの傾斜角度αは10度程度が望ましいが、概ね3度から25度程度まで適宜選択し得る。
このため、図1に示したように前記本体枠4の上面板4aは略三角形の形状となり、傾斜によってできた該本体枠4の上縁と透明板保持枠7の上縁との間の三角形状の隙間が該上面板4aによって閉じられるようにしている。また、図2に示したように前記透明板保持枠7の自由端側縁に後方に向けて折れ曲がる側面板7aが形成され、該側面板7aの内側に鉤係合用片7bが設けられる。20は本体枠4に設けられた施錠装置で、前記鉤係合用片7bの先端部が該施錠装置20に係合することで該透明板保持枠7が閉状態に施錠され、前記遊技領域17にて球詰まり等のトラブルが発生した際に、該施錠装置20を開錠操作することで該透明板保持枠7はそのヒンジ部を支点として前方に回転することで開けられる。
【0015】
このように遊技板4と透明板16とを平行状態を保ったままで傾斜状に配設したことにより、該遊技板4の裏側にカバー体21によって囲った平面視で略三角形で遊技板4の高さ程ある略三角柱状の大きな空間22ができる。このため該空間22に大きな演出装置23を配設することが可能となる。またこのために前記カバー体21の形状は、左右で奥行が異なり、前記自由端側の側面部21aが前記ヒンジ側の側面部21bよりも奥行のあるものとなる。また、該空間22に収納される演出装置23についてもヒンジ側よりも自由端側がより奥行きのある厚みを持った略三角柱状のものとなる。このため、この空間22に可動体24,25の他、例えば大きな球形の可動体26をも余裕をもって配設することが可能となる。なお、遊技板4を合成樹脂製の透明な遊技板を用いることで、空間22内の演出効果を増すことができる。
【0016】
また、液晶等の図柄変動表示器27は前記演出装置23の後側であって前記カバー体21の中央部分にその表示面が真正面を向くように配設される。換言すると、図柄変動表示器27の表示面は基準面Xに平行に配置されることとなる。このように図柄変動表示器27を正面に向けて配設することにより、遊技者は該図柄変動表示器27の表示を遊技中でも違和感なく見ることができる。そして、この遊技機の全体の厚さtは従来と変わらなくすることができる。
【0017】
また、遊技球発射装置(図示しない)は、遊技板10の傾斜角度に合わせて発射方向および発射レールを傾斜させることで、遊技球が従来通り遊技板10上の前記レール12に沿って発射されるようにすることができる。ここで、遊技球発射装置を遊技球貯留皿裏面中央位置または右位置に配設すると、遊技球の貯留量が減少するおそれがあるので、遊技球貯留皿裏面左位置に遊技球を真上に向けて打ち出す発射装置を設けるようにしてもよい。
なお、新たにできた空間22には、この実施形態で示したような演出装置に限らず、電源装置や制御回路基板、その他の遊技機部品を配置することもできる。このため遊技機全体としてこれらの部品を配置するスペースに余裕ができる。
【0018】
なお、こうすることによっては透明板16の自由端側が前方へ張り出すが、遊技者はその下方に位置する弾球発射用操作ハンドル8を握って遊技するので、遊技中の遊技者の座位置は従来と変わらない。従って本発明のように構成しても遊技場において遊技中の遊技者の身体が後方の通路に張り出して通行を邪魔するようなおそれはない。また、この張り出しが隣でプレイしている遊技者を邪魔することもない。このため本発明によれば、極めて有効に空間利用をすることができ弾球遊技機の性能を向上させる。
また、本発明に係る弾球遊技機では、遊技板10と透明板16とが平行状態を保ったままで平面視で傾斜状に配設されていることから、遊技中の遊技者は該遊技板10を斜め横方向から見ることになる。このため遊技者は遊技板10を上方からわざわざ覗き込まなくても遊技球が遊技釘13に衝突する状況をよく観察できるようになり、弾球遊技機の楽しみを増大させる。
【符号の説明】
【0019】
1 機枠
4 本体枠
6 遊技球払出皿
7 透明板保持枠
8 弾球発射用操作ハンドル
10 遊技板
11 窓孔
13 遊技釘
16 透明板
17 遊技領域
20 施錠装置
21 カバー体
22 空間
23 演出装置
24,25,26 可動体
27 図柄変動表示器
α 傾斜角度
図1
図2
図3