特許第6490943号(P6490943)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6490943通信装置、通信接続方法および通信装置制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6490943
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】通信装置、通信接続方法および通信装置制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/16 20090101AFI20190318BHJP
   H04W 48/18 20090101ALI20190318BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20190318BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20190318BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20190318BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
   H04W48/16 132
   H04W48/18 113
   H04W84/10 110
   H04W84/12
   H04W76/10
   H04M1/00 R
【請求項の数】9
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-212903(P2014-212903)
(22)【出願日】2014年10月17日
(65)【公開番号】特開2016-82440(P2016-82440A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 純
【審査官】 久松 和之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−180174(JP,A)
【文献】 特開2000−92541(JP,A)
【文献】 特開2001−273581(JP,A)
【文献】 特開平2−260720(JP,A)
【文献】 特開2014−165781(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
H04M 1/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1接続信号により第1ネットワークに接続処理して、前記第1ネットワークからの第1受信レベルを含む接続状態を通知する第1状態通知信号を出力し、前記第1ネットワークと通信する第1通信手段と、
第2接続信号により第2ネットワークに接続処理して、前記第2ネットワークからの第2受信レベルを含む接続状態を通知する第2状態通知信号を出力し、前記第2ネットワークと通信する第2通信手段と、
前記第1状態通知信号および前記第2状態通知信号に基づいて、前記第1ネットワークまたは前記第2ネットワークと前記接続処理を行うかどうかを判断し、前記判断に基づいて前記第1接続信号または前記第2接続信号を出力する通信制御手段を備え
前記第1ネットワークにおける通信に用いられる周波数である第1周波数と前記第2ネットワークにおける通信に用いられる周波数である第2周波数とは互いに近く、
前記通信制御手段は、前記第2受信レベルが低下して第2の所定の値を下回ったことを検知して前記第1接続信号を出力す
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記通信制御手段が、前記第1受信レベルが上昇して第1の所定の値を上回ったことを検知して前記第1接続信号を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記通信制御手段が、前記第1受信レベルが第1の所定の値を上回らないことを検知して前記第1接続信号を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信制御手段が、前記第1受信レベルと前記第2受信レベルとのレベル差が第3の所定の値を超えたことを検知して前記第1接続信号を出力する
ことを特徴とする請求項1又は3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記第1ネットワークが第1の携帯網である
または/および、
前記第2ネットワークがBluetooth、ZigBee、Wi−Fi、920MHz帯通信または第2の携帯網である
ことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の通信装置。
【請求項6】
前記第2状態通知信号が前記第2ネットワークから受信した第2受信データを含み、
前記通信制御手段が前記第2受信データを第1送信データとして前記第1接続信号に含め、
前記第1通信手段が前記第1送信データを前記第1ネットワークに送信する
ことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の通信装置。
【請求項7】
前記第1状態通知信号が前記第1ネットワークから受信した第1受信データを含み、
前記通信制御手段が前記第1受信データを第2送信データとして前記第2接続信号に含め、
前記第2通信手段が前記第2送信データを前記第2ネットワークに送信する
ことを特徴とする請求項に記載の通信装置。
【請求項8】
第1接続信号により第1ネットワークに接続処理し、前記第1ネットワークからの第1受信レベルを含む接続状態を通知する第1状態通知信号を出力し、前記第1ネットワークと通信し、
第2接続信号により第2ネットワークに接続処理して、前記第2ネットワークからの第2受信レベルを含む接続状態を通知する第2状態通知信号を出力し、前記第2ネットワークと通信し、
前記第1状態通知信号および前記第2状態通知信号に基づいて、前記第1ネットワークまたは前記第2ネットワークと前記接続処理を行うかどうかを判断して、前記判断に基づいて前記第1接続信号または前記第2接続信号を出力し、
前記第1ネットワークにおける通信に用いられる周波数である第1周波数と前記第2ネットワークにおける通信に用いられる周波数である第2周波数とは互いに近く、
前記第2接続信号の前記出力は、前記第2受信レベルが低下して第2の所定の値を下回ったことを検知して行われる
ことを特徴とする通信接続方法。
【請求項9】
第1接続信号により第1ネットワークに接続処理して、前記第1ネットワークからの第1受信レベルを含む接続状態を通知する第1状態通知信号を出力して、前記第1ネットワークと通信する第1通信手段と、
第2接続信号により第2ネットワークに接続処理して、前記第2ネットワークからの第2受信レベルを含む接続状態を通知する第2状態通知信号を出力して、前記第2ネットワークと通信する第2通信手段を備える通信装置のコンピュータを、
前記第1状態通知信号および前記第2状態通知信号に基づいて、前記第1ネットワークまたは前記第2ネットワークと前記接続処理を行うかどうかを判断し、前記判断に基づいて前記第1接続信号または前記第2接続信号を出力する通信制御手段として動作させ
前記第1ネットワークにおける通信に用いられる周波数である第1周波数と前記第2ネットワークにおける通信に用いられる周波数である第2周波数とは互いに近く、
前記第2接続信号の前記出力は、前記第2受信レベルが低下して第2の所定の値を下回ったことを検知して行われ
ことを特徴とする通信装置制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信接続方法および通信装置制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯網やインターネット環境などの整備により、複数のネットワークに接続して使用される通信装置が増えている。例えば、通信機能を備えるセンサのネットワークと接続してセンサ情報を取得して携帯網でセンタに集約するシステムの通信装置は、センサとの通信およびセンタとの通信を担う複数の通信機能を備える。
【0003】
このような通信装置では、通信装置がそれぞれのネットワークと通信するための接続の確度を高める必要がある。接続確度が低いと、通信装置が通信のための接続処理を繰返して、通信装置の電力が無為に消費される。そのため、通信装置がネットワークとの接続確度を高めることは、通信装置の消費電力を抑制し、装置の小型化を図り、適用領域を拡大する上で重要である。
【0004】
特許文献1には、複数の通信ポートを備え、ハードウェア資源を軽装化する集線装置が開示されている。具体的には、特許文献1の技術は、集線装置が備える複数の通信ポートで使用するハードウェア資源を共用してハードウェア資源を軽装化する技術である。
【0005】
特許文献2には、基地局に対して移動局が行う位置登録処理が開示されている。具体的には、特許文献2の技術は、位置登録処理を行うときの移動局の省電力化を図り、バッテリ消費を低減する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−127724号公報(第3−6頁、図1、2)
【特許文献2】特開2004−007762号公報(第5−7頁、図1−3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の技術は、集線装置の複数の通信ポートが使用するハードウェア資源を軽装化するものである。特許文献1の技術は、通信ポートを担う機器アダプタ部からTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)層や機器制御用プロトコル層、機器オブジェクト等を集線装置本体に移して共用することで機器アダプタ部のハードウェアを軽装化するものである。したがって、特許文献1の技術は、通信ポートの接続処理の接続確度を高めるものではない。
【0008】
特許文献2の技術は、位置登録処理が失敗したときに移動局装置が位置登録処理を所定の期間休止させることにより省電力化するものであって、移動局装置の接続処理の接続確度を高めるものではない。
【0009】
このように、特許文献1、2の技術は、各装置の通信のための接続処理の接続確度を高めることができないという課題がある。
【0010】
本発明の目的は、上記の課題に鑑みてなされたもので、通信のための接続処理の接続確度を高めることができる通信装置、通信接続方法および通信装置制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の通信装置は、第1接続信号により第1ネットワークに接続処理して、第1ネットワークからの第1受信レベルを含む接続状態を通知する第1状態通知信号を出力し、第1ネットワークと通信する第1通信手段と、第2接続信号により第2ネットワークに接続処理して、第2ネットワークからの第2受信レベルを含む接続状態を通知する第2状態通知信号を出力し、第2ネットワークと通信する第2通信手段と、第1状態通知信号および第2状態通知信号に基づいて、第1ネットワークまたは第2ネットワークと接続処理を行うかどうかを判断し、判断に基づいて第1接続信号または第2接続信号を出力する通信制御手段を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の通信接続方法は、第1接続信号により第1ネットワークに接続処理し、第1ネットワークからの第1受信レベルを含む接続状態を通知する第1状態通知信号を出力して、第1ネットワークと通信し、第2接続信号により第2ネットワークに接続処理して、第2ネットワークからの第2受信レベルを含む接続状態を通知する第2状態通知信号を出力して、第2ネットワークと通信し、第1状態通知信号および第2状態通知信号に基づいて、第1ネットワークまたは第2ネットワークと接続処理を行うかどうかを判断して、判断に基づいて第1接続信号または第2接続信号を出力することを特徴とする。
【0013】
本発明の通信装置制御プログラムは、第1接続信号により第1ネットワークに接続処理して、第1ネットワークからの第1受信レベルを含む接続状態を通知する第1状態通知信号を出力して、第1ネットワークと通信する第1通信手段と、第2接続信号により第2ネットワークに接続処理して、第2ネットワークからの第2受信レベルを含む接続状態を通知する第2通信状態通知信号を出力して、第2ネットワークと通信する第2通信手段を備える通信装置のコンピュータを、第1状態通知信号および第2状態通知信号に基づいて、第1ネットワークまたは第2ネットワークと接続処理を行うかどうかを判断し、判断に基づいて第1接続信号または第2接続信号を出力する通信制御手段として動作させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、通信のための接続処理の接続確度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態の通信装置の構成例を示したブロックである。
図2】本発明の第1の実施形態の通信装置の動作例を示したフローチャートである。
図3】本発明の第1の実施形態の通信装置の動作例を示した説明図である。
図4】本発明の第2の実施形態の通信装置の構成例を示したブロック図である。
図5】本発明の第2の実施形態の通信装置の動作例を示したフローチャートである。
図6】本発明の第3の実施形態の通信装置の構成例を示したブロック図である。
図7】本発明の第3の実施形態の通信装置の比較部の構成例を示したブロック図である。
図8】本発明の第3の実施形態の通信装置の動作例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の通信装置100の構成例を示したブロック図である。
【0017】
図1を参照して、本実施形態の通信装置100について説明する。通信装置100は、第1通信手段10、第2通信手段20と通信制御手段30を備える。
【0018】
第1通信手段10は、通信制御手段30からの接続信号により第1のネットワーク(図示せず)に「接続処理」を行う。「接続処理」とは、通信装置がネットワークとの通信手順にしたがって、ネットワークと通信するための接続を確保する処理である。
【0019】
例えば、通信装置100が移動端末であり、第1のネットワークが携帯網であれば、移動端末は、携帯網からの受信信号を受信して、同期情報や基地局情報を取得(セルサーチ)する。移動端末は、取得された基地局情報に含まれる基地局IDの基地局に位置登録要求を送信する。移動端末から位置登録要求を受信した基地局は、携帯網での位置登録処理を行い、移動端末に位置登録が完了したことを通知する。移動端末は、位置登録完了の通知を受信して、携帯網への接続処理を完了する。その後、移動端末は、適宜携帯網と通信することができる。
【0020】
このように、通信装置100としての移動端末は、第1のネットワークである携帯網へのセルサーチと位置登録の処理、すなわち接続処理を行うことで、第1のネットワークとの接続を確保することができる。
【0021】
第1通信手段10は、第1のネットワークとの「接続状態」を通知する第1状態通知信号を通信制御手段30に出力して、第1のネットワークと通信する。「接続状態」とは、通信手段とネットワークとの通信の接続状況を示す。第1状態通知信号には、第1通信手段10と第1のネットワークとの通信が正常に接続された状態であるかどうかを示す情報や、第1のネットワークからの受信信号の受信レベルなどが含まれる。
【0022】
上記と同様に、第2通信手段20は、通信制御手段30からの接続信号により第2のネットワーク(図示せず)に接続処理を行う。第2通信手段20は、第2のネットワークとの接続状態を通知する第2状態通知信号を通信制御手段30に出力して、第2のネットワークと通信する。
【0023】
通信制御手段30は、第1状態通知信号および第2状態通知信号に基づいて、第1のネットワークまたは第2のネットワークと接続処理を行うか否かを判断する。通信制御手段30は、判断の結果に基づいて第1接続信号または第2接続信号を出力する。判断の具体的な内容については後述する。
【0024】
図2は、通信装置100の動作例として、第1通信手段10が第1のネットワークに接続処理を行う動作を例示したフローチャートである。図1、2を参照して、通信装置100の動作について説明する。なお、図2では、通信は第1通信手段10と第1のネットワークで行い、第2通信手段20による送受信信号はノイズとみなすことを前提としている。
【0025】
第1通信手段10は、第1のネットワークに接続処理を実行する(S101)。通信制御手段30は、通信装置100の電源立ち上げ時および所定のタイミングで第1通信手段10に第1のネットワークへの接続処理を行わせる。例えば、通信制御手段30は、第1通信手段10に対して第1接続信号を出力して第1のネットワークへの接続を要求する。第1通信手段10は、第1のネットワークとの所定の通信手順にしたがって、第1のネットワークへの接続処理を行う。例えば、第1通信手段10は、第1のネットワークから受信信号を受信する。第1通信手段10は、受信信号に基づいて、第1のネットワークに接続を要求する送信信号を送信する。第1通信手段10は、接続要求に対応する第1のネットワークからの応答信号を待つ。応答信号とは、第1のネットワークが通信装置100の接続要求に対する接続処理が完了したかどうかを示すものである。第1通信手段10は、第1のネットワークからの応答信号に基づいて、第1のネットワークと接続処理が完了したかどうかを示す接続情報と、受信状態を示す、例えば受信信号の受信レベルなどの受信情報を含む第1状態通知信号を出力する。
【0026】
通信制御手段30は、第1通信手段10からの第1状態通知信号に基づいて第1通信手段10と第1のネットワークとの接続処理が完了したかどうかを確認する(S102)。通信制御手段30は、接続処理が完了していれば(S103:Yes)、第1通信手段10を経由した第1のネットワークとの通信を継続して実行する(S103)。
【0027】
一方、通信制御手段30は、接続処理が完了していなければ(S102:No)、接続処理をリトライするためのタイマに初期値を設定してタイマの動作を開始させる(S110)。通信制御手段30は、タイマがカウントアップしたかどうかを確認する(S111)。
【0028】
タイマがカウントアップしていれば(S111:Yes)、通信制御手段30は、ステップS101の処理に戻る。
【0029】
一方、タイマがカウントアップしていなければ(S111:No)、通信制御手段30は、第1状態通知信号に含まれる第1のネットワークからの受信信号の受信レベルが上昇して第1の所定の値を上回ったかどうかを確認する(S112)。
【0030】
受信レベルが上昇して第1の所定の値を上回っていれば(S112:Yes)、通信制御手段30は、ステップS101の処理に戻る。このとき、第1のネットワークからの受信信号の受信レベルが上昇して第1の所定の値を上回っているので、通信制御手段30が第1通信手段10に行わせる接続処理で接続できる確度は高く期待できる。
【0031】
受信レベルが上昇しても第1の所定の値を上回っていなければ(S112:No)、通信制御手段30は、次のステップS113の処理に移る。通信制御手段30は、第2通信手段20からの第2状態通知信号に含まれる第2のネットワークからの受信信号の受信レベルが低下して第2の所定の値を下回ったかどうかを確認する(S113)。
【0032】
受信レベルが低下して第2の所定の値を下回っていれば(S113:Yes)、通信制御手段30は、ステップS101の処理に戻る。このとき、第2のネットワークからの受信信号の受信レベル(第1通信手段10にはノイズレベルとなる)が低下して第2の所定の値を下回っているので、通信制御手段30が第1通信手段10に行わせる接続処理で接続できる確度は高く期待できる。
【0033】
受信レベルが低下しても第2の所定の値を下回っていなければ(S113:No)、通信制御手段30は、ステップS111の処理に戻る。
【0034】
このように、通信制御手段30は、第1のネットワークからの受信信号の受信レベルが上昇しても第1の所定の値を超えていない場合に、第2のネットワークからの受信信号の受信レベルを第2通信手段20から取得する。通信制御手段30は、取得された第2のネットワークからの受信信号の受信レベルをノイズレベルとみなし、ノイズレベルが低下して第2の所定の値を下回っていれば、第1のネットワークへの接続処理を第1通信手段10に要求する。そのため、通信装置100が第1のネットワークに接続処理をリトライする機会を増やし、接続確度を高めることができる。
【0035】
図3は、本実施形態の通信装置100の動作例を示した説明図である。図3は、第1通信手段10が第1のネットワークに接続処理のリトライを行う条件を例示したものである。図3を参照して、通信装置100の動作について説明する。
【0036】
通信制御手段30は、第1のネットワークからの受信信号の受信レベルがアップして第1の所定の値を上回れば(T101に示す)、第2のネットワークからの受信信号の受信レベルに関わりなく、第1通信手段に接続処理を行わせる。
【0037】
さらに、通信制御手段30は、第1のネットワークからの受信信号の受信レベルが上昇しても第1の所定の値を上回っていない場合、第2のネットワークからの受信信号の受信レベルを取得する。通信制御手段30は、取得された受信レベルがダウンして第2の所定の値を下回れば(T102に示す)、第1通信手段10に接続処理を行わせる。
【0038】
なお、図3の表T100に示した記号◎、○、△は、第1通信手段10が第1のネットワークに接続できる度合を示す。記号◎は接続できる度合が最も高く、記号○は度合が中程度で、記号△は度合が低いが接続を期待できることを、それぞれの記号で示す。
【0039】
このように、通信装置100は、第1通信手段10が第1のネットワークに接続する際にノイズとみなされる、第2のネットワークからの受信信号の受信レベルをモニタリングして、第1のネットワークへの接続処理のリトライを判断する。そのため、通信装置100は、第1のネットワークに接続処理をリトライする機会を増やし、接続確度を高めることができる。
【0040】
以上、本実施形態の通信装置は、ネットワークへの通信のための接続処理の機会を増やして、ネットワークに接続できる接続確度を高めることができる。
【0041】
なお、本実施形態では、第1通信手段が第1のネットワークに接続処理を行うと説明した。しかし、第1通信手段が接続処理を行うことに限定されない。第2通信手段が第2のネットワークに接続処理を行う際に、第1のネットワークからの受信レベルをモニタリングして、通信制御手段は第2のネットワークへの接続処理の実行を判断してもよい。このとき、通信制御手段は第1のネットワークからの受信信号の受信レベルをノイズレベルとみなして接続処理の実行を判断する。
【0042】
また、本実施形態では、各通信手段は、対応するネットワークと通信すると説明した。しかし、各通信手段が通信する相手はネットワークに限定されない。各通信手段が通信する相手は、ネットワークであってもよいし、特定の通信装置、通信端末や通信機能を備えたセンサなどであってもよく、所定の通信手順に基づいて通信できる相手であればよい。例えば、通信手段は、宅内の電力制御を行うHEMS(Home Energy Management System)端末や、ガスや水道のモニタリング端末と通信してもよい。電力や、ガス、水道の使用量が通信手段を介して通信装置に取得されてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、通信装置の備える通信手段は2つと説明した。しかし、通信装置の備える通信手段の数は2つに限定されない。すなわち、通信制御手段が通信手段に接続処理を行わせるどうかを判断する際に、その他の通信手段から受信レベルもモニタリングして判断をできればよく、通信手段の数は2つ以上であればよい。
【0044】
また、本実施形態では、通信装置の備える通信手段が接続処理を行うネットワークを携帯網であると説明した。しかし、通信装置が接続処理を行うネットワークの通信方式は携帯網に限定されない。すなわち、通信装置が備える複数の通信手段の通信方式は、同一の通信媒体を使用する、例えば、無線、光、音波を使用するものであればよく、通信方式は限定されない。例えば、通信装置の複数の通信手段が通信媒体として無線を使用するのであれば、通信方式は、移動体通信、衛星通信、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)、920MHz帯通信などの一般の無線通信でよい。また、通信装置の複数の通信手段が通信媒体として無線を使用するのであれば、各通信手段の通信方式は、上記の無線通信が組み合わせられてもよい。すなわち、通信装置が備える複数の通信手段は同一の通信媒体(例えば、無線には無線、光には光、音波には音波)を使用し、相互に近い通信周波数帯を使用していればよい。
【0045】
また、本実施形態では、通信制御手段は、複数の通信手段から受信レベルを取得して、接続処理の実行を判断するものとして説明した。しかし、通信制御手段は、一方の通信手段から受信データを取得して、他方の通信手段に送信データとして出力するデータ中継機能をさらに備えてもよい。例えば、通信制御手段は、携帯網を通じてセンサへの指示情報を受信してセンサに送信し、センサからセンサ情報を取得し、センタにセンサ情報を送信してもよい。例えば、通信装置は、電力や、ガス、水道の使用量を取得して、携帯網を介してセンタに送信してもよい。
【0046】
図2、3に示した通信装置のフローチャートおよび接続処理の判断条件は、本実施形態の通信装置の動作例として示したものであって、通信装置の動作はこのフローチャートおよび判断条件で示されたものに限定されない。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について説明する。図4は、本発明の第2の実施形態の通信装置200の構成例を示したブロック図である。
【0047】
図4を参照して、本実施形態の通信装置200について説明する。通信装置200は、第1通信部11、第2通信部21と通信制御部31を備える。
【0048】
第1通信部11は、送信部12、受信部13、送受信処理部14および識別情報部15を備える。送信部12は、第1の携帯網(図示せず)に送信信号を送信する。受信部13は、第1の携帯網から受信信号を受信する。識別情報部15は、第1の携帯網における通信装置200の第1通信部の「識別情報」を格納する。「識別情報」とは、携帯網において通信装置を識別するため固有情報であって、UIM(User Identity Module)カードに収容される。送受信処理部14は、識別情報部15の識別情報を送信信号に付与して送信部12から送信する送信処理を行い、受信部13からの受信信号に含まれる識別情報を識別情報部15の識別情報と照合して一致していれば受信信号の受信処理を行う。
【0049】
第2通信部21は、送信部22、受信部23、送受信処理部24および識別情報部25を備える。送信部22は、第2の携帯網(図示せず)に送信信号を送信する。受信部23は、第2の携帯網から受信信号を受信する。識別情報部25は、第2の携帯網における通信装置200の第2通信部の識別情報を格納する。送受信処理部24は、識別情報部25の識別情報を送信信号に付与して送信部22から送信する送信処理を行い、受信部23からの受信信号に含まれる識別情報を識別情報部25の識別情報と照合して一致していれば受信信号の受信処理を行う。
【0050】
通信制御部31は、第1状態通知信号および第2状態通知信号に基づいて、第1の携帯網または第2の携帯網と接続処理を行うか否かを判断する。通信制御部31は、判断の結果に基づいて第1接続信号または第2接続信号を出力する。判断の具体的な内容については後述する。
【0051】
図5は、通信装置200の動作例として、第1通信部20が第1の携帯網に接続処理を行う動作を例示したものである。図4、5を参照して、通信装置200の動作について説明する。
【0052】
なお、図5のフローチャートは、図2で説明したステップS101とS102が、ステップS201からS205に変更されていることが、第1の実施形態と相違する。よって、第1の実施形態と同一のステップには同一の参照番号を付記して、その説明を省略し、変更点を説明する。
【0053】
第1通信部11は、第1の携帯網に接続処理としてセルサーチを実行する(S201)。具体的には、通信制御部31は、通信装置200の電源立ち上げ時および所定のタイミングで第1通信部11に第1の携帯網へのセルサーチを行わせる。通信制御部31は、第1通信部11の送受信処理部14に対して第1接続信号を出力して第1の携帯網への接続を要求する。送受信処理部14は、第1の携帯網との所定の通信手順にしたがって、第1携帯網から受信信号を受信する。送受信処理手段14は、受信信号に含まれる第1の携帯網の同期情報と基地局情報を取得できたかどうかを確認する(S202)。
【0054】
送受信処理部14は、同期情報と基地局情報を取得できなければ(S202:No)、ステップ201の処理に戻る。
【0055】
送受信処理部14は、同期情報と基地局情報を取得できれば(S202:Yes)、取得された基地局情報に含まれる基地局IDの基地局に位置登録要求信号を送信する(S203)。位置登録要求信号とは、識別情報部15に格納されている第1通信部11の固有の識別情報を備える、第1の携帯網に存在する通信装置としての登録を、接続処理として要求するものである。そのため、送受信処理部14は、識別情報部15の識別情報を含む位置登録要求信号を作成して、基地局IDが受信された第1の携帯網の基地局に送信する。位置登録要求信号を受信した基地局は、第1の携帯網のホームメモリに位置登録処理を行う。基地局は、位置登録が完了したことを通知する位置登録完了通知信号を送信する。
【0056】
送受信処理部14は、位置登録完了通知信号を受信したかどうかを確認する(S204)。送受信処理部14は、位置登録完了通知信号を受信していれば(S204:Yes)、接続が完了したことを通信制御部31に通知する第1状態通知信号を出力し、通信制御部31は、第1通信部11による第1の携帯網との通信を継続して実行する(S205)。
【0057】
送受信処理部14は、位置登録完了通知信号を受信しなければ(S204:No)、接続が完了していないことを通信制御部31に通知する第1状態通知信号を出力し、通信制御部31は、接続処理をリトライするためのタイマに初期値を設定してタイマの動作を開始させる(S110)。通信制御部31は、タイマがカウントアップしたかどうかを確認する(S111)。
【0058】
タイマがカウントアップしていれば(S111:Yes)、通信制御部31は、ステップS201の処理に戻る。
【0059】
一方、タイマがカウントアップしていなければ(S111:No)、通信制御部31は、第1状態通知信号に含まれる第1の携帯網からの受信信号の受信レベルが上昇して第1の所定の値を上回ったかどうかを確認する(S112)。
【0060】
受信レベルが上昇して第1の所定の値を上回っていれば(S112:Yes)、通信制御部31は、ステップS201の処理に戻る。このとき、第1の携帯網からの受信信号の受信レベルが上昇して第1の所定の値を上回っているので、通信制御部31が送受信処理部14に行わせる接続処理で接続できる確度は高く期待できる。
【0061】
受信レベルが上昇しても第1の所定の値を上回っていなければ(S112:No)、通信制御部段31は、次のステップS113の処理に移る。通信制御部31は、通信部21からの第2状態通知信号に含まれる第2の携帯網からの受信信号の受信レベルが低下して第2の所定の値を下回ったかどうかを確認する(S113)。
【0062】
受信レベルが低下して第2の所定の値を下回っていれば(S113:Yes)、通信制御部31は、ステップS201の処理に戻る。このとき、第2の携帯網からの受信信号の受信レベル(送受信処理14にはノイズレベルとなる)が低下して第2の所定の値を下回っているので、通信制御部31が送受信処理部14に行わせる接続処理で接続できる確度は高く期待できる。
【0063】
受信レベルが低下しても第2の所定の値を下回っていなければ(S113:No)、通信制御部31は、ステップS111の処理に戻る。
【0064】
このように、通信制御部31は、第1の携帯網からの受信信号の受信レベルが上昇しても第1の所定の値を上回っていない場合に、第2の携帯網からの受信信号の受信レベルを送受信処理部24から取得する。通信制御部31は、取得された第2の携帯網からの受信信号の受信レベルをノイズレベルとみなし、ノイズレベルが低下して第2の所定の値を下回っていれば、第1の携帯網への接続処理を送受信処理部14に要求する。そのため、通信装置200が第1の携帯網に接続処理をリトライする機会を増やし、接続確度を高めることができる。
【0065】
以上、本実施形態の通信装置は、第1の実施形態と同様に、ネットワークへの通信のための接続処理の機会を増やして、ネットワークに接続できる接続確度を高めることができる。
【0066】
なお、本実施形態では、第1通信部が第1の携帯網に接続処理を行うと説明した。しかし、第1通信部が接続処理を行うことに限定されない。第2通信部が第2の携帯網に接続処理を行う際に、第1の携帯網からの受信レベルをモニタリングして、通信制御部は第2の携帯網への接続処理の実行を判断してもよい。このとき、通信制御部は、第1の携帯網からの受信信号の受信レベルをノイズレベルとみなして接続処理の実行を判断する。
【0067】
また、本実施形態では、各通信部は、対応するネットワークと通信すると説明した。しかし、各通信部が通信する相手は携帯網に限定されない。各通信部が通信する相手は、携帯網以外のネットワークであってもよいし、特定の通信装置、通信端末や通信機能を備えたセンサなどであってもよく、所定の通信手順に基づいて通信できる相手であればよい。例えば、通信手段は、宅内の電力制御を行うHEMS(Home Energy Management System)端末や、ガスや水道のモニタリング端末と通信してもよい。電力や、ガス、水道の使用量が通信手段を介して通信装置に取得されてもよい。このとき、通信部が通信する相手が特定の通信装置や通信端末であれば、識別情報部には、通信装置の通信部としての固有の識別情報が記憶されていればよい。
【0068】
また、本実施形態では、通信装置の備える通信部は2つと説明した。しかし、通信装置の備える通信部の数は2つに限定されない。すなわち、通信制御部が通信部に接続処理を行わせるかどうかを判断する際に、その他の通信部から受信レベルもモニタリングして判断をできればよく、通信部の数は2つ以上であればよい。
【0069】
また、本実施形態では、通信装置の備える通信部が接続処理を行うネットワークを携帯網であると説明した。しかし、通信装置が接続処理を行うネットワークとの通信は携帯網に限定されない。すなわち、通信装置が備える複数の通信部の通信は、同一の通信媒体を使用する、例えば、無線、光、音波を使用するものであればよく、通信方式は限定されない。例えば、通信装置の複数の通信手段が通信媒体として無線を使用するのであれば、通信方式は、移動体通信、衛星通信、Bluetooth、ZigBee、Wi−Fi、920MHz帯通信などの一般の無線通信でよい。また、通信装置の複数の通信手段が通信媒体として無線を使用するのであれば、各通信手段の通信方式は、上記の無線通信が組み合わせられてもよい。すなわち、通信装置が備える複数の通信部は同一の通信媒体(例えば、無線には無線、光には光、音波には音波)を使用し、相互に近い通信周波数帯を使用していればよい。
【0070】
また、本実施形態では、通信制御部は、複数の通信部から受信レベルを取得して、接続処理の実行を判断するものとして説明した。しかし、通信制御部は、一方の通信部から受信データを取得して、他方の通信部に送信データとして出力するデータ中継機能をさらに備えてもよい。例えば、通信制御部は、携帯網を通じてセンサへの指示情報を受信してセンサに送信し、センサからのセンサ情報を取得して、センタにセンサ情報を送信してもよい。例えば、通信装置は、電力や、ガス、水道の使用量を取得して、携帯網を介してセンタに送信してもよい。
【0071】
図5に示した通信装置のフローチャートは、本実施形態の通信装置の動作例として示したものであって、通信装置の動作はこのフローチャートで示されたものに限定されない。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について説明する。図6は、本発明の第3の実施形態の通信装置300の構成例を示したブロック図である。
【0072】
図6を参照して、本実施形態の通信装置300について説明する。通信装置300は、図4で説明した通信装置200の通信部が変更され、比較部が追加されている点が相違している。よって、同一の構成要素には、同一の名称と同一の付番を付与して説明を省略し、相違点を説明する。
【0073】
通信装置300は、第1通信部41、第2通信部51、比較部60と通信制御部32を備える。
【0074】
第1通信部41は、送信部12、受信部42、送受信処理部43および識別情報部15を備える。送信部12は、第1の携帯網(図示せず)に送信信号を送信する。受信部42は、第1の携帯網から受信信号を受信する。識別情報部15は、第1の携帯網における通信装置300の第1通信部の識別情報を格納する。送受信処理部43は、識別情報部15の識別情報を送信信号に付与して送信部12から送信する送信処理を行い、受信部42からの受信信号に含まれる識別情報を識別情報部15の識別情報と照合して一致していれば受信信号の受信処理を行う。
【0075】
第2通信部51は、送信部22、受信部52、送受信処理部53および識別情報部25を備える。送信部22は、第2の携帯網(図示せず)に送信信号を送信する。受信部52は、第2の携帯網から受信信号を受信する。識別情報部25は、第2の携帯網における通信装置300の第2通信部の識別情報を格納する。送受信処理部53は、識別情報部25の識別情報を送信信号に付与して送信部22から送信する送信処理を行い、受信部52からの受信信号に含まれる識別情報を識別情報部25の識別情報と照合して一致していれば受信信号の受信処理を行う。
【0076】
比較部60には、第1通信部41の受信部42から、第1の携帯網からの第1受信信号と、第2通信部51の受信部52から、第2の携帯網からの第2受信信号が、それぞれ入力される。比較部60では、第1受信信号と第2受信信号の受信レベルが比較され、比較の結果が比較通知信号として通信制御部32に出力される。
【0077】
図7は、本実施形態の比較部60の構成例を示すブロック図である。第1受信信号および第2受信信号は、それぞれ、バンドパスフィルタBPF61、BPF62に入力されて、後段の減算回路63に入力される。減算回路63は、第1受信信号から第2受信信号を減算した結果を後段のアナログ/デジタルコンバータA/D−CONV64に出力する。アナログ/デジタルコンバータA/D−CONV64は、入力された第1受信信号から第2受信信号を減算した結果をアナログ値からデジタル値に変換し、変換されたデジタル値を比較通知信号として出力する。
【0078】
通信制御部32は、第1状態通知信号、第2状態通知信号および比較通知信号に基づいて、第1の携帯網または第2の携帯網と接続処理を行うか否かを判断する。通信制御部32は、判断の結果に基づいて第1接続信号または第2接続信号を出力する。判断の具体的な内容については後述する。
【0079】
図8は、通信装置300の動作例として、第1通信部41が第1の携帯網に接続処理を行う動作を例示したものである。図6、8を参照して、通信装置300の動作について説明する。
【0080】
なお、図8のフローチャートは、図6で説明したステップS112とS113が、ステップS120に変更されていることが、第2の実施形態と相違する。よって、第2の実施形態と同一のステップには同一の参照番号を付記して、その説明を省略し、変更点を説明する。
【0081】
送受信処理部43は、位置登録完了通知信号を受信したかどうかを確認する(S204)。送受信処理部43は、位置登録完了通知信号を受信していれば(S204:Yes)、接続が完了したことを通信制御部32に通知する第1状態通知信号を出力し、通信制御部32は、第1通信部41による第1の携帯網との通信を継続して実行する(S205)。
【0082】
送受信処理部43は、位置登録完了通知信号を受信しなければ(S204:No)、接続が完了していないことを通信制御部32に通知する第1状態通知信号を出力し、通信制御部32は、接続処理をリトライするためのタイマに初期値を設定してタイマの動作を開始させる(S110)。通信制御部32は、タイマがカウントアップしたかどうかを確認する(S111)。
【0083】
タイマがカウントアップしていれば(S111:Yes)、通信制御部32は、ステップS201の処理に戻る。
【0084】
一方、タイマがカウントアップしていなければ(S111:No)、通信制御部32は、比較部60からの比較通知信号に基づいて第1の携帯網からの第1受信信号と第2受信信号の受信レベルの差が第3の所定の値を超えたかどうかを確認する(S120)。
【0085】
受信レベル差が第3の所定の値を超えていれば(S120:Yes)、通信制御部32は、ステップS201の処理に戻る。このとき、第1の携帯網からの受信信号の受信レベルに対する第2の携帯網からの受信信号の受信レベルの差が第3の所定のレベルを超えているので、通信制御部32が送受信処理部43に行わせる接続処理で接続できる確度は高く期待できる。
【0086】
受信レベル差が第3の所定の値を超えていなければ(S120:No)、通信制御部段32は、ステップS111の処理に戻る。
【0087】
このように、通信制御部32は、第1の携帯網からの受信信号の受信レベルに対する第2の携帯網からの受信信号の受信レベルの差が所定の値を超えていれば、第1の携帯網への接続処理を送受信処理部43に要求する。本実施形態は、受信レベルの差を直接演算した比較部60が比較通知信号として演算結果を通知し、通信制御部32が接続処理の判断を行う。したがって、通信装置300は、第1の携帯網からの受信レベルの確認の後、第2の携帯網からの受信レベルの確認を行うという手順を行わなくてもよい。そのため、通信装置300は、リトライする機会をタイムリーに捉えることができるので、さらに接続確度を高めることができる。
【0088】
以上、本実施形態の通信装置は、第2の実施形態と同様に、ネットワークへの通信のための接続処理の機会を増やして、ネットワークに接続できる接続確度を高めることができる。本実施形態は、第2の実施形態よりも接続処理の機会をタイムリーに捉えることができるので、接続確度をさらに高めることができる。
【0089】
なお、本実施形態では、比較部では、第1の携帯網および第2の携帯網からの受信信号を減算回路に入力して受信レベルの差が演算されると説明した。しかし、受信レベルの差が演算される方式は、減算回路によるものに限定されない。例えば、所定の時間内で各受信レベルの平均値がそれぞれ求められ、各平均値の差として、各受信レベルの差が演算されてもよい。求められた各受信レベルの差が比較通知信号として出力されればよい。
【0090】
また、本実施形態では、通信装置の備える通信部は2つと説明したが、通信装置の備える通信部の数は2つに限定されない。すなわち、通信制御部が通信部に接続処理を行わせるかどうかを判断する際に、その他の通信部からの受信信号との受信レベルの差を比較部でそれぞれ比較した比較通知信号に基づいて判断をできればよく、通信部の数は2つ以上であればよい。
【0091】
図8に示した通信装置のフローチャートは、本実施形態の通信装置の動作例として示したものであって、通信装置の動作はこのフローチャートで示されたものに限定されない。
【0092】
なお、本願発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、本願発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更、変形して実施することができる。
【0093】
例えば、第1および第2の実施形態では、各ネットワークからの受信信号の受信レベルに基づいて接続処理を行うかどうかを判断すると説明したが、各受信レベルの所定の時間での平均値を求め、各受信レベルの平均値に基づいて判断されてもよい。
【0094】
また、上述の各実施形態の接続制御に関わる処理は、本発明の通信装置が備えるコンピュータを用いたソフトウェアによって実行されてもよい。すなわち、接続処理の制御を行うコンピュータプログラムが、CPU(図示なし)によって読み込まれ、実行されることによって、接続処理の制御が行われてもよい。プログラムを用いて接続処理の制御を行っても、上述の実施形態の接続処理と同内容の処理を行うことができる。
【0095】
なお、プログラムは、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等、非一時的な媒体に格納されてもよい。
【0096】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
第1接続信号により第1ネットワークに接続処理して、前記第1ネットワークからの第1受信レベルを含む接続状態を通知する第1状態通知信号を出力し、前記第1ネットワークと通信する第1通信手段と、
第2接続信号により第2ネットワークに接続処理して、前記第2ネットワークからの第2受信レベルを含む接続状態を通知する第2状態通知信号を出力し、前記第2ネットワークと通信する第2通信手段と、
前記第1状態通知信号および前記第2状態通知信号に基づいて、前記第1ネットワークまたは前記第2ネットワークと前記接続処理を行うかどうかを判断し、前記判断に基づいて前記第1接続信号または前記第2接続信号を出力する通信制御手段を備える
ことを特徴とする通信装置。
(付記2)
前記通信制御手段が、前記第1受信レベルが上昇して第1の所定の値を上回ったことを検知して前記第1接続信号を出力する
ことを特徴とする付記1に記載の通信装置。
(付記3)
前記通信制御手段が、前記第2受信レベルが低下して第2の所定の値を下回ったことを検知して前記第1接続信号を出力する
ことを特徴とする付記1または2に記載の通信装置。
(付記4)
前記第1受信レベルが第1の所定の値を上回らずしかも前記第2受信レベルが第2の所定の値を下回ったことを検知して前記第1の接続信号を出力する
ことを特徴とする付記1または3に記載の通信装置。
(付記5)
前記通信制御手段が、前記第1受信レベルと前記第2受信レベルとのレベル差が第3の所定の値を超えたことを検知して前記第1接続信号を出力する
ことを特徴とする付記1から3のいずれかに記載の通信装置。
(付記6)
前記通信制御手段が、前記第1受信レベルおよび前記第2受信レベルの所定の時間における、それぞれの平均値に基づいて前記接続処理を行うかどうかの判断を行う
ことを特徴とする付記1から5のいずれかに記載の通信装置。
(付記7)
前記第2ネットワークが前記第1ネットワークの使用周波数帯に近い周波数帯を使用する
ことを特徴とする付記1から6のいずれかに記載の通信装置。
(付記8)
前記第2ネットワークが前記第1ネットワークの使用無線周波数帯に近い周波数帯を使用する
ことを特徴とする付記1から7のいずれかに記載の通信装置。
(付記9)
前記第1ネットワークが第1の携帯網である
ことを特徴とする付記1から8のいずれかに記載の通信装置。
(付記10)
前記第2ネットワークがBluetooth、ZigBee、Wi−Fi、920MHz帯通信または第2の携帯網である
ことを特徴とする付記1から9のいずれかに記載の通信装置。
(付記11)
前記第2ネットワークが前記第1ネットワークの使用光周波数帯に近い周波数帯を使用する
ことを特徴とする付記1から7のいずれかに記載の通信装置。
(付記12)
前記第2ネットワークが前記第1ネットワークの使用音波周波数帯に近い周波数帯を使用する
ことを特徴とする付記1から7のいずれかに記載の通信装置。
(付記13)
前記第2ネットワークが所定の通信装置、または通信機能を備えたセンサである
ことを特徴とする付記1から12のいずれかに記載の通信装置。
(付記14)
前記第2ネットワークがHEMS端末、ガスまたは水道のモニタリング端末である
ことを特徴とする付記1から12のいずれかに記載の通信装置。
(付記15)
前記第2状態通知信号が前記第2ネットワークから受信した第2受信データを含み、
前記通信制御手段が前記第2受信データを第1送信データとして前記第1接続信号に含め、
前記第1通信手段が前記第1送信データを前記第1ネットワークに送信する
ことを特徴とする付記1から14のいずれかに記載の通信装置。
(付記16)
前記第1状態通知信号が前記第1ネットワークから受信した第1受信データを含み、
前記通信制御手段が前記第1受信データを第2送信データとして前記第2接続信号に含め、
前記第2通信手段が前記第2送信データを前記第2ネットワークに送信する
ことを特徴とする付記15に記載の通信装置。
(付記17)
第1接続信号により第1ネットワークに接続処理し、前記第1ネットワークからの第1受信レベルを含む接続状態を通知する第1状態通知信号を出力して、前記第1ネットワークと通信し、
第2接続信号により第2ネットワークに接続処理して、前記第2ネットワークからの第2受信レベルを含む接続状態を通知する第2状態通知信号を出力して、前記第2ネットワークと通信し、
前記第1状態通知信号および前記第2状態通知信号に基づいて、前記第1ネットワークまたは前記第2ネットワークと前記接続処理を行うかどうかを判断して、前記判断に基づいて前記第1接続信号または前記第2接続信号を出力する
ことを特徴とする通信接続方法。
(付記18)
第1接続信号により第1ネットワークに接続処理して、前記第1ネットワークからの第1受信レベルを含む接続状態を通知する第1状態通知信号を出力して、前記第1ネットワークと通信する第1通信手段と、
第2接続信号により第2ネットワークに接続処理して、前記第2ネットワークからの第2受信レベルを含む接続状態を通知する第2状態通知信号を出力して、前記第2ネットワークと通信する第2通信手段を備える通信装置のコンピュータを、
前記第1状態通知信号および前記第2状態通知信号に基づいて、前記第1ネットワークまたは前記第2ネットワークと前記接続処理を行うかどうかを判断し、前記判断に基づいて前記第1接続信号または前記第2接続信号を出力する通信制御手段として動作させる
ことを特徴とする通信装置制御プログラム。
【符号の説明】
【0097】
10 第1通信手段
11、41 第1通信部
12、22 送信部
13、23、42、52 受信部
14、24、43、53 送受信処理部
15、25 識別情報部
20 第2通信手段
21、51 第2通信部
30 通信制御手段
31、32 通信制御部
60 比較部
61、62 BPF
63 減算回路
64 A/D−CONV
100、200、300 通信装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8