特許第6490949号(P6490949)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6490949-CO検出燃焼装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6490949
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】CO検出燃焼装置
(51)【国際特許分類】
   F23N 5/00 20060101AFI20190318BHJP
   F23N 5/24 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
   F23N5/00 J
   F23N5/24 107Z
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-231816(P2014-231816)
(22)【出願日】2014年11月14日
(65)【公開番号】特開2016-95090(P2016-95090A)
(43)【公開日】2016年5月26日
【審査請求日】2017年10月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000130651
【氏名又は名称】株式会社サムソン
(72)【発明者】
【氏名】高畠 重俊
(72)【発明者】
【氏名】菊池 太希
(72)【発明者】
【氏名】柴田 慎太郎
【審査官】 佐々木 訓
(56)【参考文献】
【文献】 特開平8−110044(JP,A)
【文献】 特開平5−26439(JP,A)
【文献】 特開平8−233261(JP,A)
【文献】 特開2003−172514(JP,A)
【文献】 特開2008−14551(JP,A)
【文献】 特開2007−217222(JP,A)
【文献】 特開平11−14588(JP,A)
【文献】 特開平7−103471(JP,A)
【文献】 特開2013−249976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23N 5/00 − 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料の供給を制御する燃料供給装置と、燃焼用空気の供給を制御する燃焼用空気供給装置を持ち、燃料と燃焼用空気の供給を行いながら燃焼を行う燃焼装置であって、前記燃焼装置で発生した燃焼排ガスの一部を通す筒状のCOセンサ収容部材を設け、COセンサ収容部材内にCOセンサを設置することで、COセンサ収容部材内を流れる燃焼排ガスのCO濃度を検出することができるようにしている燃焼装置において、燃焼排ガスが前記COセンサ収容部材内に送られることを防止する燃焼排ガス流入防止手段を設けておき、燃焼装置において燃料供給量及び/又は燃焼用空気供給量の変更を行うことで燃料と空気のバランスが崩れる時に、前記の燃焼排ガス流入防止手段により煤を含んだ燃焼排ガスが前記COセンサ収容部材内に入ることを防止するようにしていることを特徴とするCO検出燃焼装置。
【請求項2】
請求項1に記載のCO検出燃焼装置において、前記COセンサ収容部材内に空気を供給することを可能とした空気供給ノズルを設置しておき、燃焼装置において燃料供給量及び/又は燃焼用空気供給量の変更を行っている場合、前記の空気供給ノズルからCOセンサ収容部材内へ空気の供給を行い、COセンサ収容部材内の圧力を上昇させることで燃焼排ガスが前記COセンサ収容部材内に入ることを防止するようにしていることを特徴とするCO検出燃焼装置。
【請求項3】
請求項2に記載のCO検出燃焼装置において、COセンサ設置箇所よりも下流側に
COセンサ収容部材の燃焼排ガス流入部開口面積よりも流路面積を狭める流路制限部材を設置していることを特徴とするCO検出燃焼装置。
【請求項4】
請求項3に記載のCO検出燃焼装置において、COセンサ校正用判定値を設定しておき、空気供給ノズルを通じてCOセンサ収容部材内へ空気供給を行っているときにおけるCOセンサの計測値とCOセンサ校正用判定値の比較を行い、COセンサ計測値がCOセンサ校正用判定値を越えた場合、COセンサ異常の判定を行うものであることを特徴とするCO検出燃焼装置。
【請求項5】
請求項4に記載のCO検出燃焼装置において、燃焼装置への燃料供給は停止し、かつ燃焼装置とCOセンサ収容部材への空気供給は行っている状態でCO値の計測を行い、COセンサ異常の判定を行うものであることを特徴とするCO検出燃焼装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼排ガス中に含まれているCO濃度を検出するCO濃度検出装置を持ったCO検出燃焼装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃焼装置で燃焼を行うと、COが発生する。COの発生量は燃料と燃焼用空気の比率が適正であって良好な燃焼が行われている場合には少ないが、燃料供給量と燃焼用空気供給量のバランスが崩れて燃焼状態が悪化すると、CO発生量は急激に増加する。COは人体にとって有害であるため、特開2013−249976号公報にあるように、CO濃度を検出するCOセンサを燃焼装置の排気通路に設けてCOの発生量を監視することも広く行われている。COセンサを設けた燃焼装置では、燃焼排ガス中のCO濃度を計測することで燃焼の状態を確認することができる。CO濃度の異常を判定するための値を設定しておき、計測したCO値が設定しておいた濃度より高くなったことを検出すると、燃焼状態に異常が発生しているとの判定を行い、燃焼運転を停止することで安全を確保するようにしている。
【0003】
COセンサは、特開2012−52955号公報に記載があるように、燃焼装置で発生した燃焼排ガスを排出する排気通路に設置する。この時、COセンサは筒状のCOセンサ収容部材中に設置しておき、COセンサ収容部材を排気通路内に設置するなどしている。このようにして排気通路6内を流れる燃焼排ガスの一部がCOセンサ収容部材8内を流れるようにしておき、COセンサ収容部材内でCO値を計測する。
【0004】
燃料の供給を制御する燃料供給装置と、燃焼用空気の供給を制御する給気装置を持ち、燃料と燃焼用空気の供給を行いながら燃焼を行う燃焼装置では、燃料供給量と燃焼用空気供給量のバランスが崩れると燃焼不良を引き起こし、COの発生量が増加することがある。そのためにCO発生量を監視しておき、CO発生量が設定値を越えた場合には燃焼系統に何らかの異常が発生しているとして燃焼不良の異常を出力する。異常判定の設定値は、高い値にするほど異常の発生時に異常を見逃す可能性が高まることになり、低い値にするほど異常を発生していない場合にまで異常と誤って検出する可能性が高まることになる。特開平5−26439号公報にあるように、燃焼量を小さな燃焼量と大きな燃焼量で切り替えるようにしている場合、燃焼量の変更時には一時的にCO値が増加することがあった。例えば燃焼量の変更時には燃料供給量は電磁弁の開閉で瞬間的に切り替えているが、燃焼用空気供給量の変更は送風機の回転速度変更によって行うものであれば変更終了までに時間が掛かることになる。燃料供給量の変化速度と燃焼用空気供給量の変化速度に差があるため、燃焼量の変更時に一時的に燃料量と空気量のバランスが崩れることになる。ただし燃焼量変更時に燃料量と空気量のバランスが崩れることによるCO濃度上昇時間は短いものであり、燃焼量の変更が終了して燃料量と空気量のバランスが回復すると、CO値は低下する。
【0005】
この場合にCO値が上昇するのは必然であって異常ではないが、CO値のピーク値が異常判定の設定値を越えると異常発生との判定が行われることになる。この場合、異常判定の設定値が低いほど異常発生との判定が行われやすくなる。そして上記の場合を異常としないようにするために異常判定の設定値を高くした場合には、実際に異常が発生した際に異常発生の判断が遅れるおそれがでてくることになる。
【0006】
なお、燃焼変更時の燃料量と空気量のバランスが崩れるのは短時間であって、異常とする必要はないものであっても、燃料量と空気量のバランスが崩れると燃焼状態が悪化し、不完全燃焼となることによって煤が発生することはある。そして発生した煤がCOセンサに付着して堆積することを繰り返していると、COセンサの検出精度は低下し、CO値を正しく検出することができなくなる。この場合には上記とは逆に、燃焼異常が発生してCO濃度が上昇していても、COセンサではCO値の上昇を検出することができず、異常の発生が見逃されるおそれがでてくることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013−249976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、燃焼によって発生するCOの濃度をCOセンサにて計測している燃焼装置において、異常検出の精度を向上させることのできるCO検出燃焼装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、燃料の供給を制御する燃料供給装置と、燃焼用空気の供給を制御する燃焼用空気供給装置を持ち、燃料と燃焼用空気の供給を行いながら燃焼を行う燃焼装置であって、前記燃焼装置で発生した燃焼排ガスの一部を通す筒状のCOセンサ収容部材を設け、COセンサ収容部材内にCOセンサを設置することで、COセンサ収容部材内を流れる燃焼排ガスのCO濃度を検出することができるようにしている燃焼装置において、燃焼排ガスが前記COセンサ収容部材内に送られることを防止する燃焼排ガス流入防止手段を設けておき、燃焼装置において燃料供給量及び/又は燃焼用空気供給量の変更を行うことで燃料と空気のバランスが崩れる時に、前記の燃焼排ガス流入防止手段により煤を含んだ燃焼排ガスが前記COセンサ収容部材内に入ることを防止するようにしていることを特徴とする
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記のCO検出燃焼装置において、前記COセンサ収容部材内に空気を供給することを可能とした空気供給ノズルを設置しておき、燃焼装置において燃料供給量及び/又は燃焼用空気供給量の変更を行っている場合、前記の空気供給ノズルからCOセンサ収容部材内へ空気の供給を行い、COセンサ収容部材内の圧力を上昇させることで燃焼排ガスが前記COセンサ収容部材内に入ることを防止するようにしていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記のCO検出燃焼装置において、COセンサ設置箇所よりも下流側にCOセンサ収容部材の燃焼排ガス流入部開口面積よりも流路面積を狭める流路制限部材を設置していることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記のCO検出燃焼装置において、COセンサ校正用判定値を設定しておき、空気供給ノズルを通じてCOセンサ収容部材内へ空気供給を行っているときにおけるCOセンサの計測値とCOセンサ校正用判定値の比較を行い、COセンサ計測値がCOセンサ校正用判定値を越えた場合、COセンサ異常の判定を行うものであることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記のCO検出燃焼装置において、燃焼装置への燃料供給は停止し、かつ燃焼装置とCOセンサ収容部材への空気供給は行っている状態でCO値の計測を行い、COセンサ異常の判定を行うものであることを特徴とする。
【0014】
COセンサによるCO濃度の算出は、定常燃焼時における燃焼異常を検出するためのものであって、燃焼量変更時の一時的なCOの増加時には異常とする必要がない。むしろ、燃焼量の変更を行っている時期は、正常な燃焼が行えている場合であっても異常が発生しているとの誤った判断を起こすおそれがあるため、異常の判定は行わない方がよい。また燃焼量の変更を行っている時期に発生した煤がCOセンサに付着すると、異常が発生していても異常は発生していないとの誤った判断を起こすおそれがある。燃焼量の変更を行っている時期には、COセンサ部分に燃焼排ガスが送られないようにすると、燃焼量変更時のCO値の増加によって異常発生との誤判断を行うことをなくすことができる。さらに燃焼量変更時に発生した煤はCOセンサ部分には送られないため、煤の堆積によってCOセンサの検出精度が低下することも無くなり、COセンサの精度低下によって異常が発生しているのに正常との誤判断を起こすことも防止することができる。
【0015】
COセンサ収容部材への燃焼ガス流入防止手段を設けておくことで、通常時はCOセンサ収容部材内を燃焼排ガスが流れるようにしておき、燃焼量変更時には燃焼ガス流入防止手段によってCOセンサ収容部材内への燃焼ガスの流入を防止するということができる。COセンサ収容部材内への燃焼排ガスの流入を防止する手段としては、COセンサ収容部材内に空気を供給することによって、COセンサ収容部材内の圧力を高めることが考えられる。COセンサ収容部材内の圧力が排気通路内の圧力よりも高くなると、燃焼排ガスはCOセンサ収容部材へ入ることができなくなるため、COセンサ収容部材へ燃焼排ガスの流入を防止することができる。
【0016】
また、COセンサ収容部材内に空気を供給することで、COセンサ収容部材内に燃焼排ガスが入らないようにしている場合、COセンサ設置箇所よりも下流側に、COセンサ収容部材の燃焼排ガス流入部開口面積よりも流路面積を狭める流路制限部材を設置しておくと、COセンサ収容部材内への空気供給をした際の圧力上昇効果を高めることができる。
【0017】
そしてCOセンサ収容部材内に空気を供給している場合、COセンサが計測するCOの値は空気中のCO値となる。空気中に含まれているCOの割合は0.1ppm程度のほぼ一定の値であり、燃焼を行っている場合の燃焼排ガスに含まれているCO値(10ppm未満程度)よりも低い値となる。COセンサ収容部材内には空気を送っているときに、COセンサで計測している値が空気のCO値に比べて高くなっていた場合には(例えば1ppm)、COセンサ又は燃焼排ガス流入防止手段の異常が考えられる。
【0018】
この異常判定は、COセンサ又は燃焼排ガス流入防止手段の両方においての異常を検出するのであれば、燃焼運転実施中であってかつCOセンサ収容部材内へ空気供給を行っている状態で行い、COセンサのみの異常を検出するのであれば燃料供給は停止して排気通路へは空気のみを送っている状態で行う。COセンサと燃焼排ガス流入防止手段の両方が正常であれば、燃焼運転実施中であってもCOセンサで計測するCOの値は低いものになるはずであるが、この時にCOの値が高くなった場合には、COセンサと燃焼排ガス流入防止手段のいずれかに異常していると判断することができる。また、燃料供給を停止して燃焼は停止している状態であれば、CO収容部材内に燃焼排ガスが送られることがないため、COセンサのみでの異常を判定することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明を実施することによって、燃焼量変更時の一時的なCO値の増大で燃焼不良発生との誤判断を防止でき、また燃焼量変更時に発生する煤がCOセンサに堆積することによるCOセンサの精度低下も防止することができる。さらにCOセンサの異常を検出することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施例における燃焼装置の概略構成図
図2】本発明の一実施例におけるCOセンサ取付部分の構成図
図3】本発明の一実施例における運転状況を記したタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施例における燃焼装置の概略構成図、図2は一実施例におけるCOセンサ取付部分の構成図、図3は本発明の一実施例における運転状況を記したタイムチャートである。実施例での燃焼装置1は、蒸気を発生するボイラであって、火炎の燃焼を行うバーナ3、燃料をバーナ3へ供給する燃料供給装置4、燃焼用空気をバーナ3へ供給する給気装置5、燃焼排ガスを戸外へ排出する排気通路6などを設けている。燃焼装置1の運転制御は、燃料供給装置4や給気装置5と接続している運転制御装置7にて行うようにしており、運転制御装置7はバーナ3へ供給する燃料量の調節や、バーナ3へ供給する燃焼用空気量の調節などを行う。
【0022】
バーナ3での燃焼によって発生した燃焼排ガスは、排気通路6を通して戸外へ排出する。
COセンサ2は排気通路内に設けたCOセンサ収容部材8内に設置する。COセンサ収容部材8は、排気通路6内を流れる排ガス流に対して上流側と下流側の面を開口し、排ガス流に対して平行方向には壁面を持った筒状の部材であり、排ガスがCOセンサ収容部材8内を流れることができるようにしている。COセンサ収容部材8の下流端部分には、流路制限部材10を設けておき、COセンサ収容部材の燃焼排ガス流入部での開口面積よりも出口部の開口部を狭めるようにしている。COセンサ2は運転制御装置7と接続しておき、COセンサ2で計測したCO濃度の値は運転制御装置7へ出力する。運転制御装置7では、計測したCO値に基づいて燃焼が正常に行えているかの判断を行う。
【0023】
また、COセンサ収容部材8内には、COセンサ2よりも排ガス流の上流側となる部分に空気供給ノズル9を設ける。空気供給ノズル9は、COセンサ収容部材8内に空気の供給を行うことでCOセンサ収容部材8内の圧力を高めるためのものであり、空気の供給手段を接続しておいてCOセンサ収容部材内に空気の供給を行うことができるようにしている。
【0024】
運転制御装置7によるボイラの運転制御は、燃焼量の大きな高燃焼と燃焼量の小さな低燃焼を設定しておき、負荷状況によって燃焼量の増減を行う。燃焼量を複数段階で増減する制御を行う場合、燃焼をオン−オフで制御する場合に比べて発停頻度が少なくなる。このような燃焼装置では、燃焼開始前と燃焼終了後に燃焼室内の換気を行っており、換気することによって燃焼室内の温度が低下するため、燃焼発停の頻度が多くなると効率が低下することになっていた。燃焼を継続したままで燃焼量を増減するのであれば、燃焼発停の頻度は少なくなるため、換気による効率低下が少なくなり、供給する蒸気圧力の変動も少なくなるという効果が得られる。
【0025】
燃焼量の高燃焼と低燃焼の間での切り替えは、燃料供給量と燃焼用空気供給量を増減することで行う。運転制御装置7では、燃焼量ごとに適正な燃料供給量と燃焼用空気量を設定しておき、負荷状況に応じた量の燃料と燃焼用空気を供給する。燃焼量の変更を行う場合、燃料供給量の変更は電磁弁の開閉操作によって行うために短時間で行うことができるが、燃焼用空気供給量を変更する場合には送風機の回転速度変更やダンパの開度変更によって行うために比較的長い時間が必要となる。そのため、燃料供給量の変更操作と燃焼用空気供給量の変更操作を同時に行った場合には、燃料供給量は短時間で変更後の供給量になっているのに、燃焼用空気供給量は変更前の供給量からあまり変化していないということになると、空気比が崩れることになる。
【0026】
ボイラの燃焼を行っている場合、COセンサ2ではCO値の計測を行っておく。バーナ3での燃焼によって発生した燃焼排ガスは、ボイラ内の缶水と熱交換を行うことで温度を低下し、排気通路6を通して戸外へ排出する。その際、排気通路6内に設置しているCOセンサ収容部材8では、上流側と下流側の面を開口させているため、排気通路6内を流れる排ガスの一部はCOセンサ収容部材8内を流れる。COセンサ2は、COセンサ収容部材8内を流れてきた排ガスのCO値を計測し、運転制御装置7へ出力する。
【0027】
運転制御装置7では、燃焼装置の異常を判定するためのCO濃度異常判定値とCOセンサの異常を判定するための校正用判定値を定めておく。CO濃度異常判定値は、ボイラが安定して燃焼している場合におけるCO濃度の値より高い値、校正用判定値はボイラが安定して燃焼している場合におけるCO濃度の値より低い値に設定している。そのため、正常に燃焼を行っている場合におけるCO濃度の計測値は、校正用判定値とCO濃度異常判定値の間の値が計測されることになる。燃焼量の変更時に空気比が変化すると、燃焼排ガス中に含まれているCO濃度も変化する。空気比は、低燃焼や高燃焼で安定した燃焼を行っている場合に最適な値としているが、燃焼量の変更中は空気比が最適値から外れるため、その場合にはCO濃度の値は高くなる。
【0028】
図3のタイムチャートに基づいて説明する。図3のタイムチャートでは低燃焼の状態から開始している。低燃焼では燃料供給を少なくするが、空気供給量も同様に少なくしており、空気比は安定している。低燃焼から高燃焼へ変更する場合、燃料供給量と空気供給量を低燃焼用の供給量から高燃焼用の供給量へ変更する。燃料供給量は電磁弁の開閉で変更するものであり、低燃焼用供給量から高燃焼用供給量への変更は瞬間的に行うことができるが、空気供給量は送風機の回転速度やダンパの開度を変更することで行うため、低燃焼供給量から高燃焼用供給量へは時間を掛けて変更するようにしている。この場合、変更期間中には空気比が変化しており、燃焼排ガスのCO濃度は上昇する。しかし、変更期間中には空気供給ノズルからの空気供給を行っているため、COセンサ収容部材8内は燃焼排ガスではなく空気を充満させることになる。この時、COセンサ設置箇所よりも下流側に、COセンサ収容部材の燃焼排ガス流入部開口面積よりも流路面積を狭める流路制限部材10を設置していると、COセンサ収容部材内への空気供給をした際の圧力上昇効果を高めることができ、少ない空気量でもCOセンサ収容部材内の圧力が高まり、COセンサ収容部材内への排ガスの流入を防止することができる。この場合、COセンサ収容部材8内は燃焼排ガスではなく空気を充満させることになるため、COセンサ2では空気のCO濃度を計測することになり、COセンサ2で検出しているCO濃度計測値は通常時よりも低くなっている。
【0029】
COセンサ収容部材8内への空気供給は、燃焼量の変更期間終了にあわせて終了する。COセンサ収容部材8への空気供給を停止すると、COセンサ収容部材8内に燃焼排ガスが入るため、COセンサ2では燃焼排ガスのCO濃度計測を再開する。燃料供給量と空気供給量の両方が高燃焼用になると、空気比は安定することになる。その後に燃焼量を高燃焼から低燃焼に変更する場合も同様であり、燃焼量変更時にはCOセンサ収容部材8内への空気供給を行う。ここでもCOセンサ収容部材8内を空気で満たすことで、排気通路6を通して排出されている燃焼排ガスがCOセンサ収容部材8内に入らないようにしている。
【0030】
このように燃焼量の変更を行っている時間帯では、空気供給ノズル9からの空気供給を行う。燃焼量変更の時間帯は、低燃焼から高燃焼への変更時、高燃焼から低燃焼への変更時のほか、燃焼停止からの着火時や、燃焼停止の消火時もある。これらの燃焼量変更時に空気供給ノズル9から空気の噴射を行うと、噴射した空気がCOセンサ収容部材8内に充満することになる。空気供給ノズル9から噴射する空気によってCOセンサ収容部材8内の圧力(圧力A)をCOセンサ収容部材周囲の圧力(圧力B)より高めると、排気通路6内を流れている排ガスはCOセンサ収容部材内に入らなくなる。この場合のCOセンサ2で計測している値は、排気通路6内を流れる燃焼排ガスではなく、供給ノズル9から導入している空気のCO値を検出することになるため、COの計測値は低くなっている。そのため、正常な燃焼を行えているのに、燃焼量変更時の一時的なCO値の増大で燃焼不良発生と誤判断することを防止できる。
【0031】
また、燃焼量の変更時には、燃料と空気のバランスが崩れて燃焼が不完全になることがあり、その場合には煤が発生することがあった。煤を含んだ排ガスがCOセンサ収容部材内に入り、煤がCOセンサ2の計測面に付着すると、COセンサ2の検出精度が低下する。しかし上に記載したように、COセンサ収容部材8内への空気供給を行い、燃焼排ガスはCOセンサ収容部材8内に入れないようにしておくと、COセンサ2への煤の付着を防止することができる。そのため、燃焼量変更時に発生する煤がCOセンサに堆積することによるCOセンサの精度低下も防止することができる。
【0032】
また、運転制御装置7ではCOセンサ収容部材8内への空気供給を行っているタイミングでCOセンサ校正のための異常検出を行う。COセンサ収容部材8内へは空気を送っており、COセンサ2では空気のCO値を計測させるようにしている場合、空気のCO値はほぼ一定であるため、この時にCOセンサにて検出しているCO値が本来の値からずれていた場合には、COセンサ又はCOセンサ収容部材8への空気供給に異常が発生していると判定することができる。
【0033】
そしてCOセンサの校正は、燃焼は停止して空気のみを流している状態でCO値を計測することで行える。ボイラでは、燃焼を始める前と燃焼を終えた後に炉内を換気するプレパージとポストパージを行っており、この時に排気通路6を流れる気体は空気のみとなる。ただし燃焼終了直後であるなど、排気通路6内を流れる気体に燃焼排ガスが含まれている可能性はあるため、この場合でも空気供給ノズル9からの空気供給を行いながらCO値の計測を行う。COセンサの校正は、燃焼を停止している場合の方がより正確に行うことができる。
【0034】
なお、本発明は以上説明した実施例に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 燃焼装置
2 COセンサ
3 バーナ
4 燃料供給装置
5 給気装置
6 排気通路
7 運転制御装置
8 COセンサ収容部材
9 空気供給ノズル
10 流路制限部材




図1
図2
図3