特許第6490977号(P6490977)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6490977
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】インサイドドアハンドル構造
(51)【国際特許分類】
   E05B 85/12 20140101AFI20190318BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20190318BHJP
   B60N 3/00 20060101ALI20190318BHJP
   B60N 3/02 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
   E05B85/12 E
   B60J5/04 H
   B60N3/00 C
   B60N3/02 A
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-27823(P2015-27823)
(22)【出願日】2015年2月16日
(65)【公開番号】特開2016-151098(P2016-151098A)
(43)【公開日】2016年8月22日
【審査請求日】2018年1月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】308013436
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】玉置 明浩
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 圭太
(72)【発明者】
【氏名】梶川 弘太
(72)【発明者】
【氏名】笹岡 勝弘
(72)【発明者】
【氏名】野口 尚克
【審査官】 佐々木 龍
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−238040(JP,A)
【文献】 実公昭35−021212(JP,Y1)
【文献】 実公昭35−025699(JP,Y1)
【文献】 実開昭62−103948(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00−85/28
B60J 5/04
B60N 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアトリムから車幅方向内側へ突出して設けられ、サイドドア上下方向に貫通する開口部が形成されてサイドドアを開閉する際の握りとなるドアグリップと、
前記ドアグリップ内の前記開口部に臨む位置に配置され、前記ドアグリップを握ったときの操作力により車幅方向内側へ回転操作されるインサイドドアハンドルと、
を備え、
前記インサイドドアハンドルの初期位置は、車両上方向から見て前記ドアグリップに隠れる位置に設定されており、
前記開口部の下部の開口幅は、前記開口部の上部の開口幅よりも広くなるように設定されている、
インサイドドアハンドル構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インサイドドアハンドル構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ドアロックの解除をするためのインサイドドアハンドルと、ドアを開閉する際の握りとなるドアグリップとが一体化されたインサイドドアハンドル構造が開示されている。また、下記特許文献2には、インサイドドアハンドルをドアグリップとしても使用可能にしたインサイドドアハンドル構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60−080671号公報
【特許文献2】特開平 7−257185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の構造ではインサイドドアハンドルが乗員側から見えるため、見栄えが煩雑になりやすかった。一方、インサイドハンドルが乗員側から見えにくくした構造もあるが、サイドドア開閉操作の安定性については改善の余地があるものであった。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、サイドドア開閉操作の安定性を確保することができ、しかもインサイドドアハンドル周辺の見栄えを向上させることができるインサイドドアハンドル構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明に係るインサイドドアハンドル構造は、ドアトリムから車幅方向内側へ突出して設けられ、サイドドア上下方向に貫通する開口部が形成されてサイドドアを開閉する際の握りとなるドアグリップと、前記ドアグリップ内の前記開口部に臨む位置に配置され、前記ドアグリップを握ったときの操作力により車幅方向内側へ回転操作されるインサイドドアハンドルと、を備え、前記インサイドドアハンドルの初期位置は、車両上方向から見て前記ドアグリップに隠れる位置に設定されており、前記開口部の下部の開口幅は、前記開口部の上部の開口幅よりも広くなるように設定されている。
【0007】
このインサイドドアハンドル構造では、サイドドアを開閉する際の握りとなるドアグリップの内部であって、ドアグリップに形成された開口部に臨む位置にインサイドドアハンドルが配置されている。そして、インサイドドアハンドルは、ドアグリップを握ったときの操作力により車幅方向内側へ回転操作される。このため、ドアロックの解除及びサイドドアの開閉操作の際に手の位置を大きく移動する必要がなく、乗員による操作性が良い。すなわち、ドアグリップを握る動作のままでドアロックの解除をすることができ、サイドドアの開閉が簡便にできる。
【0008】
また、このインサイドドアハンドル構造では、インサイドドアハンドルの初期位置が、車両上方向から見てドアグリップに隠れる位置に設定されている。このため、インサイドドアハンドルの初期位置が車両上方向から見える位置に設定されている構造と比較して、ドアグリップを握った際に意図せずドアロックを解除してしまうことが抑制されている。また、このため、すっきりとした意匠を実現でき、見栄えが向上されている。なお、「車両上方向から見てドアグリップに隠れる位置」とは、車両上方向から見てインサイドドアハンドル全体が完全に隠れる位置だけでなく、インサイドドアハンドルの一部が見えているが実質的にはほぼ全体が隠れている状態を含むものとする。
【0009】
さらに、このインサイドドアハンドル構造では、開口部は貫通して形成されており、開口部の下部の開口幅は開口部の上部の開口幅よりも広くなるように設定されている。このため、ドアグリップの開口部内に物を収容しようとしても開口部の下部から落下するので、収容した物が邪魔をしてドアロックを解除することが出来なくなることが防止されている。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明に係るインサイドドアハンドル構造は、サイドドア開閉操作の安定性を確保することができ、しかもインサイドドアハンドル周辺の見栄えを向上させることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態のインサイドドアハンドル構造が適用されたサイドドアを示す、車室側から見た側面図である。
図2図1の2−2線における端面図である。
図3】(A)は図1の3−3線における端面図であり、(B)は(A)のB−B線における模式的な端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1図3を用いて、本発明の実施形態に係るインサイドドアハンドル構造が適用されたサイドドア10について説明する。なお、各図に適宜示される矢印FRは車両前方(サイドドア10が閉じられた状態における方向、以下同じ)を示しており、又矢印UPは車両上方側を示している。さらに、矢印INは車両幅方向内側を示している。
【0013】
図1に示されるように、サイドドア10は、車室側の意匠面を構成するドアトリム12を備えている。ドアトリム12からはドアアームレスト14が車幅方向内側(車室側)へ突出して設けられている。ドアアームレスト14は、略車両上方を向いた面を構成する上壁16と、略車幅方向内側を向いた面を構成する側壁18と、を含んで構成されている。ドアアームレスト14には、ドアアームレスト14の上部に当たる上壁16の一部から開口し、ドアアームレスト14の下部にまで貫通する開口部20が形成されている。この開口部20に乗員が指を差入れ、ドアアームレスト14を握ることが出来るようになっており、ドアアームレスト14におけるこの部分はサイドドア10の開閉の際の握りとなるドアグリップ22となっている。
【0014】
図2に示されるように、ドアグリップ22の上壁16は、車両上方よりも若干車幅方向内側へ傾いた面を構成するように傾斜して設けられている。上壁16の車幅方向外側端部は車両下方に向かって湾曲し、垂下部24が形成されている。また、上壁16の車幅方向内側端部は、略車両下方に向かって湾曲して側壁18と接続している。側壁18は、車幅方向内側よりも若干車両下方を向いた面を構成しており、ドアトリム12に向かって延びている。この図に示されるドアグリップ22においては、側壁18はドアトリム12にまで到達しておらず、途中に開口部20(の下部)が形成されている。また、ドアトリム12には、車両上下方向におけるドアグリップ22が位置する付近において、車幅方向外側へ湾曲した凹部26が形成されている。
【0015】
この図に示されるように、ドアグリップ22の上壁16の下方であって側壁18の車幅方向外側には(ドアグリップ22の内部には)、サイドドア10のドアロック解除に用いられるインサイドドアハンドル28が設けられている。インサイドドアハンドル28は、略車両前後方向に延在する部材であり、この図には示されない基端部28A(図3参照)において車両上下方向の軸を中心に回動可能に支持されている。この図に実線で示されるインサイドドアハンドル28は乗員により操作されていない初期位置NPを示しており、乗員がドアアームレスト14の開口部20に指を差入れてドアグリップ22を握り、指により二点破線で示されるロック解除位置RPまで移動させることによりドアロックが解除されるようになっている。なお、破線によって示された位置LPはインサイドドアハンドル28のフルストローク位置LPを示している。
【0016】
インサイドドアハンドル28の初期位置NPは、車両上方向から見てインサイドドアハンドル28がドアグリップ22に隠れる位置に設定されている。換言すると、ドアグリップ22の上壁16の車幅方向の幅Wgは、初期位置NPにあるインサイドドアハンドル28を上面視で隠す長さに設定されている。また、初期位置NPからロック解除位置までの解除ストロークWiは、ドアグリップ22を握った乗員が無意識のまま解除することはないが、意識すれば容易に解除できる長さに設定されている。具体的には、例えば、Wgは約45〜55mm、Wiは約15〜20mmになるように設定されている。
【0017】
乗員の指を差入れるために開口されたドアアームレスト14(ドアグリップ22)の開口部20は、ドアアームレスト14の下部にまで貫通して形成されている。開口部20の上部(ドアグリップ22の上部に対応)の開口幅Duは、開口部の下部(ドアグリップ22の下部に対応)の開口幅Dlよりも小さく設定されている。これにより、ドアアームレスト14上部の開口よりも下部の開口の方が開口面積が大きくなるように設定されており、仮に開口部20の上部から物を入れた場合でも下部から落下するようになっている。なお、開口部20の開口幅Du、Dlとは、厳密に車幅方向に沿った幅ではなく、開口部20の車幅方向内側端から外側端までの最短距離を示している(図2のDl参照)。
【0018】
図3に示されるように、インサイドドアハンドル28は車両前後方向の後端部において車両上下方向の軸の周りを回動可能に支持されている。この図に実線で示されたインサイドドアハンドル28は初期位置NPを示しており、二点破線により示されたインサイドドアハンドル28(FP)はフルストローク位置を示している。インサイドドアハンドル28は、ばねなどの付勢力により乗員に操作されない状態では初期位置NPに配置されるようになっており、乗員の指の操作力によりフルストローク位置に向けて移動可能とされている。
【0019】
ドアアームレスト14の開口部20は、車両前後方向を長軸とする略楕円形に形成されており、乗員の指(親指を除いた4本)が充分に入る大きさ(車両前後方向の長さ)に形成されている。具体的には、ドライビングポジションが車両前方寄りとなる低身長者が手を置きやすい位置(指を入れやすい位置)が開口部20の前方側に対応しており他方、高身長者が手を置きやすい位置(指を入れやすい位置)が開口部の後方側に対応している。
【0020】
図3(B)には、図3(A)のB−B線における断面図が模式的に示されている。この図に示されるように、インサイドドアハンドル28の車両前後方向の後端部(基端部28A)では軸P周りに軸支されている一方、車両前後方向前端部(インサイドドアハンドル28の先端部28B)はドアアームレスト14内部に形成された収容部30により車両上下方向から摺動可能に支持されている。
【0021】
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0022】
本実施形態のインサイドドアハンドル構造が適用されたサイドドア10では、サイドドア10を開閉する際の握りとなるドアグリップ22の内部であって、開口部20に臨む位置にインサイドドアハンドル28が配置されている。そして、インサイドドアハンドル28は、ドアグリップ22を握ったときの指による操作力により車幅方向内側へ回転操作される。このため、ドアロックの解除及びサイドドア10の開閉操作の際に手の位置を大きく移動する必要がなく、乗員による操作性が良い。すなわち、ドアグリップ22を握る動作のままでドアロックの解除をすることが出来、サイドドア10の開閉が簡便にできる。
【0023】
また、サイドドア10では、インサイドドアハンドル28の初期位置NPが、車両上方から見てドアグリップ22に隠れる位置に設定されている。このため、インサイドドアハンドル28の初期位置NPが車両上方から見える位置に設定されている構造と比較して、乗員がドアグリップを握った際に意図せずドアロックを解除してしまうことが抑制されている。また、このため、インサイドドアハンドル28が通常乗員から見えることがなく、すっきりとした意匠を実現でき、見栄えが向上されている。
【0024】
さらに、サイドドア10では、ドアアームレスト14の開口部20が貫通して形成されており、ドアアームレスト14上部の開口よりも下部の開口の方が開口幅が広く設定されている。これにより、ドアアームレスト14上部の開口よりも下部の開口の方が開口面積が大きくなるように設定されている。このため、ドアアームレストの開口部20内に物を収容することがなく、収容した物が邪魔をしてドアロックを解除することが出来なくなることが防止されている。
【0025】
また、サイドドア10では、図3に示されるように、インサイドドアハンドル28は車両前後方向の後端部において車両上下方向の軸の周りを回動可能に支持されている。ドアアームレスト14の開口部20は、車両前後方向を長軸とする略楕円形に形成されており、乗員の指が充分に入る大きさに形成されている。具体的には、ドライビングポジションが車両前方よりとなる低身長者が手を置きやすい位置(指を入れやすい位置)が開口部20の前方側に対応しており他方、高身長者が手を置きやすい位置(指を入れやすい位置)が開口部の後方側に対応している。このため、低身長者は回動軸となる基端部28Aから離れた位置を指で操作することになるため、モーメントアームが長く、操作荷重が軽くなりレバー操作を容易に行うことが出来る。他方、高身長者は低身長者の操作荷重より重くなるが、高身長者は一般に握力が大きいので、操作に支障はない。
【0026】
また、サイドドア10では、図3(B)に示されるように、インサイドドアハンドル28の車両前後方向前端部(先端部28B)はドアアームレスト14内部に形成された収容部30により車両上下方向から摺動可能に支持されている。このため、インサイドドアハンドル28は所謂両持ちハリ構造とされているので、インサイドドアハンドル28の車両上下方向の剛性が効率よく向上されている。
【0027】
〔上記実施形態の補足説明〕
なお、上述した実施形態では、ドアアームレスト14の開口部20は、ドアアームレスト14の上壁16における車幅方向外側に寄った位置に形成され、開口部20の車幅方向外側の縁がドアトリム12とされていたが、本発明はこれに限られない。例えば、ドアアームレスト14の車幅方向中間部分に開口部20が形成されていてもよい。
【0028】
また、上述した実施形態では、インサイドドアハンドル28が車両前後方向後方の端部において車両上下方向の軸P周りに回動可能に支持されていたが、本発明はこれに限られない。例えば、インサイドドアハンドルの車両前後方向前方の端部において車両上下方向の軸周りに回動可能に支持されていてもよい。また、車両前後方向の軸周りに回動可能とされたインサイドドアハンドルであってもよい。
【0029】
また、上述した実施形態では、インサイドドアハンドル28がロック解除位置RPまで操作されるとドアロックが解除されるものを説明したが、電気式のドアロックアセンブリーを採用し、ドアロック解除の前提条件として以下の条件が追加されていてもよい。前提条件としては、例えば、パーキングブレーキ信号がONになっていること、車速信号がゼロを示していること、及び車外映像による画像処理で走行していない状況が確認できていることなどが挙げられる。
【符号の説明】
【0030】
10 サイドドア
12 ドアトリム
20 開口部
22 ドアグリップ
28 インサイドドアハンドル
Dl 開口部の下部の開口幅
Du 開口部の上部の開口幅
図1
図2
図3