【実施例】
【0061】
以下に実施例、比較例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下で用いる%は、特に断らない限り質量%であり、製品を構成する酸化物中の該当する酸化物の質量%である。
【0062】
(実施例1−1)
基材粒子であるセリアジルコニア系複合酸化物(比表面積85m
2/g)10gに対して、硝酸パラジウム水溶液を添加し、エバポレータで真空引きしながら70℃で加熱、蒸発乾固し、600℃で1時間焼成して、Pd担持セリアジルコニア系複合酸化物を得た(第1段階)。得られたPd担持セリアジルコニア系複合酸化物に水を加えて50mLのスラリーとし、撹拌しながら酸化セリウム1.3g相当を含む塩化セリウム溶液を添加し、アンモニア水でpHを6.5に調整、セリウムイオンをPd担持セリアジルコニア系複合酸化物に吸着させた(第2段階)。前記第2段階に続き、前記セリウムイオンを吸着させたPd担持セリアジルコニア系複合酸化物にさらにアンモニア水を添加、pHを9に調整して、Pd担持セリアジルコニア系複合酸化物の表面に水酸化セリウムを沈殿固定させた(第3段階)。
【0063】
前段階で得られたスラリーをヌッチェでろ過し、得られた水酸化セリウム被覆Pd担持セリアジルコニア系複合酸化物を2%アンモニア水50mLで2回リパルプ洗浄した(第4段階)。前記第4段階で得られた固形物を120℃で乾燥後、乳鉢で粉砕し、大気中700℃で3時間焼成し、セリア表面沈殿膜形成Pd担持セリアジルコニア系複合酸化物を得た(第5段階)。得られた表面沈殿膜形成Pd担持セリアジルコニア系複合酸化物中のPd量は0.23%であった。
【0064】
前記5段階により得られた表面沈殿膜形成Pd担持セリアジルコニア系複合酸化物の大気中1150℃の温度条件で24時間加熱する耐久試験後のPdのピークは、
図2に示すとおりである。
【0065】
(比較例1−2)
実施例1−1と同じ基材粒子に対して0.23重量%のPdに相当する硝酸パラジウム水溶液を基材粒子に添加し、エバポレータで真空引きしながら70℃で加熱、蒸発乾固し、600℃で1時間焼成し、さらに、実施例1−1と同じ熱履歴とするため、700℃で3時間焼成して、Pd担持セリアジルコニア系複合酸化物を得た。
【0066】
得られた表面沈殿膜形成なしのPd担持セリアジルコニア系複合酸化物の大気中1150℃の温度条件で24時間加熱する耐久試験後のPd粒子径(粗大化)は、
図2のPdのピークに示すとおりである。実施例1−1と比較例1−2のPdのピークの比較から、実施例の表面沈殿膜を形成したほうが、比較例の表面沈殿膜を形成しなかった場合に比較して、1150℃−24時間の耐久試験後のPdの粗大化が抑制されており、本発明の効果が現れていることが確認できた。
【0067】
(実施例2−1)
実施例1と同じ基材粒子10gに対して、硝酸パラジウム水溶液を添加し、エバポレータで真空引きしながら70℃で加熱、蒸発乾固し、600℃で1時間焼成して、Pd担持セリアジルコニア系複合酸化物を得た。得られたPd担持セリアジルコニア系複合酸化物に水を加え、50mLのスラリーとし、撹拌しながら、酸化イットリウム0.8g相当を含む塩化イットリウム溶液を添加し、アンモニア水でpHを一旦6.5に保持してイットリウムイオンを基材粒子表面に吸着させた後、さらにpHを9に調整、基材粒子の表面に水酸化イットリウムを沈殿固定させた。
【0068】
前段階で得られたスラリーをヌッチェでろ過し、得られた水酸化イットリウム被覆Pd担持セリアジルコニア系複合酸化物を2%アンモニア水50mLで2回リパルプ洗浄した。上記段階で得られた固形物を120℃で乾燥後、乳鉢で粉砕し、焼成は行わず、水酸化イットリウム表面沈殿膜形成Pd担持セリアジルコニア系複合酸化物を得た。
【0069】
得られた表面沈殿膜形成Pd担持セリアジルコニア系複合酸化物のPd含有量は、Pd:0.28%(表面沈殿膜の水酸化イットリウムがイットリアになった場合での含有量)であった。
【0070】
(比較例2−2)
実施例2−1と同じ基材粒子に対して0.28重量%のPdに相当する硝酸パラジウム水溶液を基材粒子に添加し、エバポレータで真空引きしながら70℃で加熱、蒸発乾固し、600℃で1時間焼成し、Pd担持セリアジルコニア系複合酸化物を得た。
【0071】
実施例2−1と比較例2−2の1150℃の温度条件で24時間加熱する耐久試験後のPd粒径を比較すると、
図2と同様の比較から実施例2−1のほうが、1150℃−24時間耐久試験後のPdの粗大化が抑制されており、本発明の効果が現れていたことが確認できた。
【0072】
(実施例3−1)
基材粒子であるアルミナ(比表面積203m
2/g)10gに対して、硝酸パラジウム水溶液を添加し、エバポレータで真空引きしながら70℃で加熱、蒸発乾固し、600℃で1時間焼成して、Pd担持アルミナを得た。得られたPd担持アルミナに水を加え、50mLのスラリーとし、撹拌しながら、酸化セリウム1.5g相当を含む塩化セリウム溶液を添加し、アンモニア水を添加し、pHを一旦6.5に保持してセリウムイオンを基材粒子表面に吸着させた後、さらにpHを9に調整、水酸化セリウムをPd担持アルミナの表面に沈殿固定させた。前段階で得られたスラリーをヌッチェでろ過し、得られた水酸化セリウム被覆Pd担持アルミナをアンモニア水50mLで2回リパルプ洗浄した。
【0073】
上記段階で得られた固形物を120℃で乾燥後、乳鉢で粉砕し、大気中700℃で3時間焼成し、セリア表面沈殿膜形成Pd担持アルミナを得た。最終製品中のPdは0.27%であった。
【0074】
(比較例3−2)
実施例3−1と同じ基材粒子に対して0.27重量%のPdに相当する硝酸パラジウム水溶液を基材粒子に添加し、エバポレータで真空引きしながら70℃で加熱、蒸発乾固し、600℃で1時間焼成し、さらに、実施例3−1と同じ熱履歴とするため、700℃で3時間焼成して、Pd担持アルミナを得た。
【0075】
実施例3−1と比較例3−2を比較すると、
図2と同様に実施例3−1のほうが、1150℃−24時間耐久後のPdの粗大化が抑制されており、本発明の効果が現れていたことが確認できた。
【0076】
(実施例4−1)
基材粒子であるジルコニア(比表面積60m
2/g)10gに対して、硝酸パラジウム水溶液を添加し、エバポレータで真空引きしながら70℃で加熱、蒸発乾固し、600℃で1時間焼成して、Pd担持ジルコニアを得た。得られたPd担持ジルコニアに水を加え、50mLのスラリーとし、撹拌しながら、酸化セリウム1.5g相当を含む塩化セリウム溶液を添加し、アンモニア水を添加し、pHを一旦6.5に保持してセリウムイオンを基材粒子表面に吸着させた後、さらにpHを9に調整、水酸化セリウムをPd担持ジルコニアの表面に沈殿固定させた。
前段階で得られたスラリーをヌッチェでろ過し、得られた水酸化セリウム被覆Pd担持ジルコニアをアンモニア水50mLで2回リパルプ洗浄した。
【0077】
上記段階で得られた固形物を120℃で乾燥後、乳鉢で粉砕し、大気中700℃で3時間焼成し、セリア表面沈殿膜形成Pd担持ジルコニアを得た。最終製品中のPdは0.30%であった。
【0078】
(比較例4−2)
実施例4−1と同じ基材粒子に対して0.30重量%のPdに相当する硝酸パラジウム水溶液を基材粒子に添加し、エバポレータで真空引きしながら70℃で加熱、蒸発乾固し、600℃で1時間焼成し、さらに、実施例4−1と同じ熱履歴とするため、700℃で3時間焼成して、Pd担持ジルコニアを得た。
【0079】
比較例4−2と、実施例4−1を比較すると、実施例4−1のほうが、
図2と同様に、1150℃−24時間耐久後のPdの粗大化が抑制されており、本発明の効果が現れていたことが確認できた。
【0080】
(実施例5−1)
基材粒子であるイットリア安定化ジルコニア(比表面積50m
2/g)10gに対して、硝酸パラジウム水溶液を添加し、エバポレータで真空引きしながら70℃で加熱、蒸発乾固し、600℃で1時間焼成して、Pd担持イットリア安定化ジルコニアを得た。得られたPd担持イットリア安定化ジルコニアに水を加え、50mLのスラリーとし、撹拌しながら、酸化セリウム1.5g相当を含む塩化セリウム溶液を添加し、アンモニア水を添加し、pHを一旦6.5に保持してセリウムイオンを基材粒子表面に吸着させた後、さらにpHを9に調整、水酸化セリウムをPd担持ジルコニアの表面に沈殿固定させた。
前段階で得られたスラリーをヌッチェでろ過し、得られた水酸化セリウム被覆Pd担持イットリア安定化ジルコニアをアンモニア水50mLで2回リパルプ洗浄した。
【0081】
上記段階で得られた固形物を120℃で乾燥後、乳鉢で粉砕し、大気中700℃で3時間焼成し、セリア表面沈殿膜形成Pd担持イットリア安定化ジルコニアを得た。最終製品中のPdは0.33%であった。
【0082】
(比較例5−2)
実施例5−1と同じ基材粒子に対して0.33重量%のPdに相当する硝酸パラジウム水溶液を基材粒子に添加し、エバポレータで真空引きしながら70℃で加熱、蒸発乾固し、600℃で1時間焼成し、さらに、実施例5−1と同じ熱履歴とするため、700℃で3時間焼成して、Pd担持イットリア安定化ジルコニアを得た。
【0083】
実施例5−1と比較すると、
図2と同様に、実施例のほうが、1150℃−24時間耐久後のPdの粗大化が抑制されており、本発明の効果が現れていたことが確認できた。
【0084】
(実施例6−1)
実施例1と同じ基材粒子10gに対して、硝酸パラジウム水溶液を添加し、エバポレータで真空引きしながら70℃で加熱、蒸発乾固し、600℃で1時間焼成して、Pd担持セリアジルコニア系複合酸化物を得た。得られたPd担持セリアジルコニア系複合酸化物に水を加え、50mLのスラリーとし、撹拌しながら、酸化アルミニウム0.7g相当を含む塩化アルミニウム溶液を添加し、アンモニア水を用いて基材粒子の表面に水酸化アルミニウムを沈殿固定させた。水酸化アルミニウムの沈殿固定pHは7.5とした。
【0085】
前段階で得られたスラリーをヌッチェでろ過し、得られた水酸化アルミニウム被覆Pd担持セリアジルコニア系複合酸化物をアンモニア水50mLで2回リパルプ洗浄した。
【0086】
上記段階で得られた固形物を120℃で乾燥後、乳鉢で粉砕し、大気中700℃で3時間焼成し、アルミナ表面沈殿膜形成Pd担持セリアジルコニア系複合酸化物を得た。得られた表面沈殿膜形成Pd担持セリアジルコニア系複合酸化物のPd含有量は、Pd:0.34%であった。
【0087】
(比較例6−2)
実施例6−1と同じ基材粒子に対して0.34重量%のPdに相当する硝酸パラジウム水溶液を基材粒子に添加し、エバポレータで真空引きしながら70℃で加熱、蒸発乾固し、600℃で1時間焼成し、さらに、実施例6−1と同じ熱履歴とするため、700℃で3時間焼成して、Pd担持セリアジルコニア系複合酸化物を得た。
【0088】
実施例6−1と比較例6−2を比較すると、
図2と同様に実施例6−1のほうが、1150℃−24時間耐久後のPdの粗大化が抑制されており、本発明の効果が現れていたことが確認できた。
【0089】
以上の実施例、比較例の結果を纏めて表1に示した。
【0090】
【表1】
【0091】
さらに、実施例1−1において、貴金属としてPdに換えて、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)としたが、実施例1−1と同様に貴金属粒子の粗大化は抑制できた。
また、実施例2−1において、表面沈殿膜として水酸化イットリウムに換えて、水酸化セリウム、水酸化アルミニウムとしたが、実施例2−1と同様に貴金属粒子の粗大化は抑制できた。
また、実施例4−1において、表面沈殿膜としてセリアに換えて、セリアジルコニア、イットリア、イットリア安定ジルコニアとしたが、実施例4−1と同様に貴金属粒子の粗大化は抑制できた。
また、実施例6−1において、表面沈殿膜としてアルミナに換えて、シリカとしたが、実施例6−1と同様に貴金属粒子の粗大化は抑制できた。
【0092】
以上述べたように、本発明によれば、高温等の過酷な環境下でも十分な寿命が得られて耐久性に優れた排ガス浄化触媒および排ガス浄化用ハニカム触媒構造体が得られることが確認できた。