特許第6491021号(P6491021)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6491021
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】袋詰め品押え装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 35/58 20060101AFI20190318BHJP
【FI】
   B65B35/58
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-82703(P2015-82703)
(22)【出願日】2015年4月14日
(65)【公開番号】特開2016-199316(P2016-199316A)
(43)【公開日】2016年12月1日
【審査請求日】2018年1月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】308032699
【氏名又は名称】日清食品株式会社
(72)【発明者】
【氏名】三宅 昌也
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 輝行
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−079106(JP,A)
【文献】 特開2004−175401(JP,A)
【文献】 特開2008−273664(JP,A)
【文献】 特開昭60−023107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 35/58
B65B 35/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のカップ容器に投入された袋詰め品をカップ容器の内部に押し下げる袋詰め品の押え装置であって、
カップ容器の位置を規定する手段と、
複数の棒状体を下方部に有する押え部と、
当該押え部を昇降させる昇降手段と、
当該押え部を回転させる回転手段とを備え、
前記昇降手段及び回転手段によって前記押え部をカップ容器上方からカップ容器内部方向に回転させながら下降させて、前記複数の棒状体の先端で前記袋詰め品をカップ容器内部に押し下げる、袋詰め品の押え装置。
【請求項2】
前記複数の棒状体が、押え部の基板上に円形状に配置されているとともに、その内部にも配置されているものであって、前記円形状部分に配置された棒状体の長さが前記内部に配置された棒状体の長さよりも大である、請求項1に記載の袋詰め品押え装置。
【請求項3】
所定のカップ容器に投入された袋詰め品をカップ容器の内部に押し下げる袋詰め品の押え方法であって、
カップ容器の位置を規定する手段と、
複数の棒状体を下方部に有する押え部を昇降させる昇降手段と、
前記押え部を回転させる回転手段と
前記昇降手段及び回転手段によって前記押え部をカップ容器上方からカップ容器内部方向に回転させながら下降させて、前記複数の棒状体の先端で前記袋詰め品をカップ容器内部に押し下げる、袋詰め品の押え方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、カップ容器に投入された具材、調味料、その他の食品等を個別に包装袋に封入した袋詰め品をカップ容器内部に押し下げるための、袋詰め品押え装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従前より、いわゆるカップラーメンと呼称され、例えば、上口を開放した合成樹脂製のカップ容器に袋詰め品を投入し、そのカップ容器の上縁に、シート材からなる蓋を貼り付けて密封したものが一般的に広く知られている。
これらのカップラーメンは、ライン上で順次送られてカップ容器内に投入され充填されていく。ここで、袋詰め品とは、麺塊、具材、薬味、調味料、スープ、その他の商品等を個別に包装袋に封入したものであり、2つ折り等にしたフィルム材の間に被包装品を挟んだ状態で、このフィルム材の周縁を熱溶着する等して密封したものである。
このような袋詰め品をカップ容器に投入するには、袋詰め品の包装袋を負圧によって吸引し、又は爪で引っ掛ける等して保持しつつ、袋詰め品をカップ容器の真上まで移送し、この位置で、包装袋の保持を解除することにより、袋詰め品をカップ容器内に投入する技術が一般的である。
【0003】
しかしながら、麺塊のようにカップ容器の内側をほとんど占める程大きなサイズの包装品をカップ容器に投入する場合、また、カップ容器に麺塊等を投入した後、その上に具材やスープ等の袋詰め品、いわゆる別添パックを投入した場合、麺塊や、別添パックがカップ容器の上縁からはみ出すという問題が生じていた。
さらに、上記の問題は、カップ容器の上縁に蓋を張り付けるに際して、カップ容器の上縁からはみ出した部分が、カップ容器と蓋の間に割り込み、両者の接着を阻害する問題に発展する。さらには、蓋を貼り付けたカップ容器の密封が不完全となる恐れもある。
【0004】
このような問題について、従来、別添パックを人手で押さえるか、円形板で押さえを行っていたが、人の目では見逃しが生じたり、別添物の形状が不定形(例えば、表面に皺がある場合や折れて変形している場合等)の場合、円形平板では押えが不十分という問題があった。
また、例えば、下記特許文献1には、包装袋の隅部が折り曲げられた状態となるようにバキュームホルダで吸引し、その状態で包装袋をカップ容器に投入することで、包装袋がカップ容器の上縁からはみ出すことを防止する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−175401号公報
【0006】
しかしながら、上記方法は、例えば、麺塊の袋詰め品のようなカップ容器の開口部の口径とほぼ同じサイズのものを主な対象とし、特にカップ容器に収容する物が1つの場合は有効であるが、袋詰め品の大きさが異なったり複数ある場合は、設備が煩雑になったり、スペースやコスト面でも大きな負担になったりする場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、煩雑な設備を用いることなく、カップ容器に投入された袋詰め品がカップ容器の縁にはみ出すことを抑制できる、袋詰め品押え装置およびその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らの鋭意研究の結果、枠体等に保持されその位置が規定されたカップ容器に前記袋詰め品を投入した後に、複数の棒状体を有する押え部を上部から下降させて、袋詰め品を下方に押圧することで、前記袋詰め品をカップ容器内部に押し下げることができることを見出して本発明を完成させたのである。
すなわち、本願第一の発明は、
“所定のカップ容器に投入された袋詰め品をカップ容器の内部に押し下げる袋詰め品の押え装置であって、
カップ容器の位置を規定する手段と、
複数の棒状体を下方部に有する押え部と、
当該押え部を昇降させる昇降手段とを備え、
前記昇降手段によって前記押え部をカップ容器上方からカップ容器内部方向に下降させて、前記複数の棒状体の先端で前記袋詰め品をカップ容器内部に押し下げる、袋詰め品の押え装置。“、である。
【0009】
この構成によれば、袋詰め品の形状が不定形であっても、押え部の複数の棒状体により袋詰め品を複数の点で確実に押えながらカップ容器内部に押し下げることができる。これにより、袋詰め品がカップ容器の縁からはみ出すのを抑制できる。また、これによって蓋がシール蓋の場合は、蓋シールの際の噛み込み発生を防止できる。
【0010】
さらに、前記袋詰め品の押え装置において前記押え部を回転させる回転手段を備えていることが好ましい。これによって、当該回転手段と、前記の昇降手段により、前記押え部を回転させながら下降させる方法が有効である。
すなわち、本願第二の発明は、
“さらに、前記押え部を回転させる回転手段を備えた袋詰め品押え装置であって、
前記回転手段と、前記昇降手段により、前記押え部を回転させながら下降させる、請求項1に記載の袋詰め品押え装置。“、である。
【0011】
これによって、前記の昇降手段に加えて回転手段を加えることで、袋詰め品をより効率的にカップ容器内に押し込めることができる。
次に、前記複数の棒状体は、押え部の基板上に円形状に配置されており、その内部にも配置されているものであって、周辺部の円周上の棒状体の長さが内部よりも大であることが好ましい。
すなわち、本願第三の発明は、
“前記複数の棒状体が、押え部の基板上に円形状に配置されているとともに、その内部にも配置されているものであって、前記円形状部分に配置された棒状体の長さが前記内部に配置された棒状体の長さよりも大である、請求項1又は2に記載の袋詰め品押え装置。”、である。
【0012】
さらに、本出願人は、上記の袋詰め品のカップ容器内への押え方法についても意図している。
すなわち、本願第四の発明は、
“所定のカップ容器に投入された袋詰め品をカップ容器の内部に押し下げる袋詰め品の押え方法であって、
カップ容器の位置を規定する工程と、
複数の棒状体を下方部に有する押え部を昇降させる昇降工程と、
前記カップ容器内の前記昇降手段によって前記押え部をカップ容器上方からカップ容器内部方向に下降させて、前記複数の棒状体の先端で前記袋詰め品をカップ容器内部に押し下げる、袋詰め品の押え方法。“、である。
この袋詰め品押え方法によれば、袋詰め品の形状が不定形であっても、押え部の複数の棒状体により袋詰め品を複数の点で確実に押えながらカップ容器内部に押し下げることができる。これにより、袋詰め品がカップ容器の縁からはみ出すのを抑制できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、煩雑な設備を用いることなく、カップ容器に投入された袋詰め品がカップ容器の縁にはみ出すことを抑制できる、袋詰め品押え装置およびその方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第一の実施態様における袋詰め品押え装置を含む袋詰め品押圧システム全体の正面図である。
図2】即席めんの製造ラインを示した斜視図である。
図3】本発明の第一の実施態様における袋詰め品押え装置の正面図である。
図4】本発明の第一の実施態様における押え部の構造を示した説明図である。
図5】本発明の第一の実施態様における袋詰め品押え装置の動作状態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0015】
1 カップ容器の位置規定手段
2 移動板
3 枠体
4 縦棒
5 横棒
7 第一支持棒
9 第一水平棒
11 第一エアーシリンダ(昇降手段)
13 第二水平棒
15 第二エアーシリンダ(昇降手段)
17 押え部
19 袋詰め品押え装置
21 回転基盤(回転手段)
23 棒状体
25 プレート板
27 外輪郭
29 内輪郭
C カップ容器
F 袋詰め品(具材パック)
N 麺塊
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための好適な形態として、第一の実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
図1は、本発明の袋詰め品の押え装置を含む、袋詰め品押えシステム全体について、ラインの進行方向に対して垂直な正面の構成を示した図である(図2の↓方向の正面図である)。
【0017】
尚、特に図示しないが、各エアーシリンダには、空気流路や電磁弁が接続されており、公知の方法で制御されている。
カップめん等のラインにおいては、例えば、図2に示すように、カップ容器Cの位置を規定する手段(カップ容器の位置規定手段)1として、複数のカップ容器Cが移動板2にそのフランジ部を支持されて、その位置が規定されている。
ここで、移動板2にはカップ容器Cをそのフランジ部で支持できるように、カップ容器Cのフランジ部下の形状に一致するような孔部を有しており、当該孔部にカップ容器が挿入される。そして、当該ラインの進行のため、当該移動板2が間歇的に順次移動するように構成されている。
【0018】
図1に示す袋詰め品押えシステムは、各部材を支持する枠体3が設けられている。枠体3はライン幅の両端に垂直に設けられた一対の縦棒4と当該縦棒の上端部同士を繋ぐ横棒5を有している。
当該横棒5の両端部近傍からそれぞれ第一支持棒7が延びており、第一水平棒9に連結されている。当該第一水平棒9にはその中央部に第一エアーシリンダ11が装着されている。
【0019】
第一エアーシリンダ11は垂直方向に伸縮できる3本のロッド12を有しており、当該ロッド12の下方先端部には第二水平棒13が固定されている。
第一エアーシリンダ11は後述する第二エアーシリンダ15の先端に装着された押え部17がカップ容器Cに近接するために、第二水平棒13の下方部に装着された袋詰め品の押え装置19を降下させる際に用いることができる。
また、第二水平棒13の動きを規制するために、第二水平棒13の左右両端部は、前記枠体3の両端の前記縦棒4に設けられたガイド部20と嵌合して、垂直上下方向にスライドできるようになっている。これによって第二水平棒13は上下方向の昇降のみの動きとなるように規制されている。
【0020】
当該第二水平棒13には、所定間隔をおいて8箇所の袋詰め品の押え装置19が装着されている。当該袋詰め品押え装置19は、図3に示すように第二水平棒13の下部に垂下する状態で装着されている。
図3に示すように本発明の第一の実施態様における袋詰め品の押え装置19は、上部に回転手段のための回転基盤21が設けられており、270°の回転が可能となっている。当該回転基板21の下方部には第二エアーシリンダ15が装着されており、当該第二エアーシリンダ15のロッド22の下方先端部に押え部17が設けられている。
【0021】
押え部17は、カップ容器Cに投入された袋詰め品Fをカップ容器Cの内部に押し下げる際に、当該袋詰め品Fに接触して押圧する部材である。押え部17は、複数の棒状体23と、これらを所定の間隔で垂直に配設するためのプレート板25とで構成されている。
棒状体23としては、2以上の細長い円柱、角柱など柱形の形状が好ましく、これらに限定されず他の形態であってもよいことは勿論である。また、棒状体23の長さや太さも特に限定されることはないが、例としては、金属製またはプラスチック製で直径3〜6mmの丸棒で長さが30〜60mm程度のものを例として挙げることができる。
【0022】
尚、棒状体23に限られず、平板等の支持台の表面を複数の突起物が生じるように研磨等して加工するような構成であってもよい。尚、この場合当該突起物が本発明にいう棒状体23に該当するものとなる。
プレート板25は、複数の棒状体23を下方に向けて所定の間隔をおいて垂直に配設するためのものである。
プレート板25としては、例えば、金属製またはプラスチック製で円形状または四角状の平板のものを挙げることができる。このうち、軽量化のため厚みが2〜6mm程度のものが好ましい。
【0023】
押え部17の全体の形状としては、複数の棒状体23が下方部に向けて配設された態様となるが、当該棒状体23は押圧するカップ容器Cの形状及び大きさに応じて、その配設態様を変更することができる。
すなわち、本発明においては、カップ容器内に投入された袋詰め品Fをカップ容器Cの内部に押圧することを目的としているため、棒状体23がカップ容器Cの上部から下降した場合にカップ容器Cの内部に侵入できることが必要となる。
例えば、対象となるカップ容器Cが円形のカップ容器である場合、棒状体23の配設において、複数の棒状体23の外輪郭について当該円形のカップ容器内に侵入できるように、配設された複数の棒状体23の外輪郭の大きさが当該円形のカップ容器Cの形状よりも小であればよい。
【0024】
本発明の第一の実施態様においては、図4に示すように、カップ容器Cの開口部の形状に合わせて棒状体23の外輪郭27を円形状にして、かつ当該円形のカップ容器内に侵入できるように、外輪郭27の大きさが円形のカップ容器Cの開口部の形状よりも小さい円形状となるように配設する態様が挙げられている。
すなわち、円盤状のプレート板25に、外側の円(外輪郭)27と内側の円(内輪郭)29の2本の円に沿って、それぞれ外輪郭27に12本、内輪郭29に4本の断面が丸の棒状体23を下方に向けて垂設する態様を示している。
【0025】
さらに、本第一の実施態様の場合、外輪郭27となる外側の12本の棒状体23の長さに比べて、内輪郭29の4本の棒状体23の長さが小となるように調整している。このようにすることで外輪郭27の12本の棒状体で袋詰め品Fを押圧しつつ、袋詰め品Fの動きによってはさらに内部の棒状体23で当該袋詰め品Fをさらに押圧できる態様となるため、袋詰め品Fのカップ容器内への押圧をより確実なものとすることができる。
前記押え部17は、昇降手段(第二エアーシリンダ15)によりカップ容器Cの上方からカップ容器Cの内部に侵入することができる。本発明の第一の実施態様では、昇降手段としてエアーシリンダ15が設けられている。但し、本発明において昇降手段としては、エアーシリンダに限定されないことは勿論である。
【0026】
また、本第一の実施態様においては、第二水平棒13自体の昇降を制御する第一エアーシリンダ11が設けられているが、このように二段階で押え部17の昇降を制御する態様も有効である。
【0027】
すなわち、本第一の実施態様においては、第二水平棒13に設置された袋詰め品押え装置19全体をカップ容器Cに近づけるように第一エアーシリンダ11が利用されている。次に、各列の袋詰め袋押え装置19にはそれぞれのカップ容器内に棒状体23が侵入できるように第二エアーシリンダ15が設けられている。
各列の袋詰め押え装置19には、それぞれ空気流路と電磁弁が設けられており(図示せず)、各列のライン上の微妙な高低差等の違いにも対応できるよう、細かい制御が可能となるように構成されている。
【0028】
具体的な動作については、第一エアーシリンダ11が伸長することによって、袋詰め品押え装置19がカップ容器Cに近づき、この状態で第二エアーシリンダ15のロッド部22が伸縮することによって当該押え部17がカップ容器Cの内部まで入り込み、袋詰め品Fをカップ容器Cの中に入れ込む。
尚、図1に示す袋詰め品押えシステムにおいては、各列のカップ容器Cを収納した移動板2が紙面に垂直方向に間歇的に移動する構成を採っており、各列の袋詰め品Fの押圧が第二エアーシリンダ15におけるロッド22の伸長によって押圧処理が終了すると、第二エアーシリンダ15が収縮して押え部17がカップ容器Cの上部に戻り、前記移動板2が紙面に垂直方向に進行して、次の列が、新たに本発明の袋詰め品押え装置19の下部に移動される。そして、再度押圧処理が実行される。このように“袋詰め品の押圧→カップ容器を収納した移動板の進行”のサイクルを繰り返し行うことで順次、押圧処理が実行される。
【0029】
次に、本第一の実施態様における押え部17、昇降手段15、11および回転手段21の動作について、即席麺の製造ラインを例にとって説明する。図5を参照して説明する。また、ここでは袋詰め品Fとして具材パックを例として説明する。
本第一の実施態様における袋詰め品押え装置19は、カップ容器Cに投入された具材パックFをカップ容器Cの内部に押し下げる際に用いられる。ここでは、昇降手段15によって押え部17をカップ容器Cの上方からカップ容器Cの内部に下降させて、押え部17の複数の棒状体23で具材パックFを押えながらカップ容器Cの内部に押し下げる場合を例に説明する。
【0030】
カップ容器Cには既に麺塊Nが充填されており、その後に袋詰め品である具材パックFが投入される。具材パックFは公知の投入方法によりカップ容器Cに投入される。その際、予めカップ容器Cに充填された麺塊Nとカップ容器Cの開口部までの距離(ヘッドスペース)が小さい場合、あるいは、具材パックFがカップ容器Cの側面で引っ掛かる場合、図5(1)のように、具材パックFの一部が、カップ容器Cの上縁からはみ出すという問題が起こりやすい。
【0031】
次に、カップ容器Cに投入された具材パックFをカップ容器Cの内部に収容させるため、第二エアーシリンダ(昇降手段)15が伸長することによって押え部17をカップ容器Cの上方からカップ容器Cの内部に下降させる。そして、押え部17に設けた複数の棒状体23を具材パックFに押し当てる。この際、具材パックFの形状が不定形であっても、棒状体23を複数設けていることにより具材パックFを複数の点で確実に押えることができる。さらに、このまま具材パックFを押えながらカップ容器Cの内部に押し下げることができる(図5(2))。
【0032】
また、回転基盤(回転手段)21によって回転を加えてもよい。この場合、回転することによって、袋詰め品である具材パック品Fに周廻りの力が加わる。このように押圧とともに周廻りの力(渦巻き力)を同時に加えることで効果的に、カップ容器内に袋詰め品(具材パック)Fを入れ込むことができる。
カップ容器内に具材パックFを入れ込んだ後において、第二エアーシリンダ(昇降手段)15が収縮することにより押え部17が上昇してカップ容器Cの内部から離脱する(図5(3))。
図1
図2
図3
図4
図5