(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6491034
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】コンクリート床版
(51)【国際特許分類】
E01D 19/12 20060101AFI20190318BHJP
E04C 2/06 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
E01D19/12
E04C2/06
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-94770(P2015-94770)
(22)【出願日】2015年5月7日
(65)【公開番号】特開2016-211202(P2016-211202A)
(43)【公開日】2016年12月15日
【審査請求日】2017年11月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000174943
【氏名又は名称】三井住友建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096611
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 清
(72)【発明者】
【氏名】藤原 保久
(72)【発明者】
【氏名】安藤 直文
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 裕司
【審査官】
西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第04432175(US,A)
【文献】
米国特許第05875595(US,A)
【文献】
特開平02−091398(JP,A)
【文献】
特開昭62−141298(JP,A)
【文献】
特開2015−042813(JP,A)
【文献】
特開平07−252807(JP,A)
【文献】
特開2007−211496(JP,A)
【文献】
特開平07−071007(JP,A)
【文献】
特開平04−014516(JP,A)
【文献】
米国特許第04604841(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 19/12
E01D 21/00
E02D 5/10
E04C 2/06
E04C 5/08
E21D 1/00
E21D 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の並設された桁上に架け渡されたプレストレストコンクリート版を、前記桁の軸線方向に複数を配列し、これらのプレキャストコンクリート版を連結して形成されたコンクリート床版であって、
隣り合う第1のプレキャストコンクリート版と第2のプレキャストコンクリート版との接合面を、前記第1のプレキャストコンクリート版から前記第2のプレキャストコンクリート版へ斜めに横切り、湾曲して再び前記第2のプレキャストコンクリート版から前記第1のプレキャストコンクリート版へ前記接合面を横切るように緊張材が配置され、
該緊張材には緊張力が導入されて、該緊張材の両端部がそれぞれ前記プレキャストコンクリート版の前記桁の軸線と直角となる方向の異なる端部に定着されていることを特徴とするコンクリート床版。
【請求項2】
前記緊張材に併せて、隣り合う第1のプレキャストコンクリート版と第2のプレキャストコンクリート版との接合面を、第2のプレキャストコンクリート版から第1のプレキャストコンクリート版へ斜めに横切り、湾曲して再び第2のプレキャストコンクリート版から第1のプレキャストコンクリート版へ前記接合面を横切り、前記緊張材と接合面に関してほぼ対称に対称緊張材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート床版。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁等におけるコンクリート床版に係り、特に複数の桁上に複数のプレキャストコンクリート版を並べ、これらを連結して形成されるコンクリート床版に関するものである。
【背景技術】
【0002】
併設された複数の桁上に、複数のプレキャストコンクリート版を架け渡し、桁の軸線方向に配列された上記プレキャストコンクリート版を互いに連結してコンクリート床版とした橋梁が広く採用されている。コンクリート床版には、輪荷重等の鉛直方向の荷重が作用し、コンクリート床版から桁に鉛直方向の力が伝達される。このとき、コンクリート床版には、桁とほぼ直角方向に曲げモーメント及びせん断力が生じるとともに、プレキャストコンクリート版の連結部分を越えて桁の軸線方向にも曲げモーメント及びせん断力が分布する。したがって、プレキャストコンクリート版の連結部分には、輪荷重によって曲げモーメント及びせん断力が繰り返し作用し、これに対して十分な強度を有することが要求される。
【0003】
プレキャストコンクリート版の連結部分の構造は、例えば特許文献1に記載されているようにコンクリート床版の施工現場で連結部にコンクリートを打設するものが広く採用されている。これは、連結する双方のプレキャストコンクリート版からそれぞれ多数の鉄筋を突出させておき、これらを埋め込むとともに双方のプレキャストコンクリート版と密着するように連結部分のコンクリートを打設するものである。
また、プレキャストコンクリート版の連結部分にプレストレスを導入して接合する構造も知られている。これは、それぞれのプレキャストコンクリート版にダクトを設けておき、これらのダクトに挿通して桁の軸線方向に緊張材を配置する。そして、緊張材の緊張力によって、突き合されたプレキャストコンクリート版の接合面に圧縮力つまりプレストレスを導入する、ものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−324211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
桁の軸線方向に複数のプレキャストコンクリート版を配列したコンクリート床版では、プレキャストコンクリート版の連結する端縁が桁の軸線を横切る方向に形成される。そして、コンクリート床版上に作用する輪荷重が桁の軸線方向に移動し、プレキャストコンクリート版の連結部分を輪荷重が通過するときに、方向が反転するせん断力が繰り返し作用ことになる。このような繰り返し荷重によるコンクリート床版の疲労を抑制するためには、連結部分にプレストレスを導入しておくことが望まれる。
【0006】
しかし、従来の方法のように桁の軸線方向に緊張材を配置してプレキャストコンクリート版の連結部分にプレストレスを導入しようとすると、コンクリート床版の形成時に、プレキャストコンクリート版を配列する作業と緊張材を緊張してプレストレスを導入する作業とを並行することができない。つまり、いくつかのプレキャストコンクリート版を配列するごとに配列する作業を中止し、緊張材を緊張する作業を行うことになる。このため、作業の効率が低下する。
【0007】
一方、コンクリート床版が長期間の使用によって劣化したときには、劣化した一部のプレキャストコンクリート版を交換することが望まれる。このとき、桁の軸線方向に緊張材が配置され、多数のプレキャストコンクリート版にわたって連続する緊張材が配置されていると、一部のプレキャストコンクリート版のみを交換することが難しくなる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、配列されたプレキャストコンクリート版の連結部分で桁の軸線方向にプレストレスが導入されたコンクリート床版であって、効率よく形成することができるとともに、プレキャストコンクリート版の交換を容易に行うことができるコンクリート床版を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 複数の並設された桁上に架け渡されたプレストレストコンクリート版を、前記桁の軸線方向に複数を配列し、これらのプレキャストコンクリート版を連結して形成されたコンクリート床版であって、 隣り合う第1のプレキャストコンクリート版と第2のプレキャストコンクリート版との接合面を、前記第1のプレキャストコンクリート版から前記第2のプレキャストコンクリート版へ斜めに横切り、湾曲して再び前記第2のプレキャストコンクリート版から前記第1のプレキャストコンクリート版へ前記接合面を横切るように緊張材が配置され、 該緊張材には緊張力が導入されて、
該緊張材の両端部がそれぞれ前記プレキャストコンクリート版の前記桁の軸線と直角となる方向の
異なる端部に定着されているコンクリート床版を提供する。
【0010】
このコンクリート床版では、隣り合う第1のプレキャストコンクリート版と第2のプレキャストコンクリート版との接合面を斜めに横切るように緊張材が配置され、これによって接合面にプレストレスが導入される。また、緊張材は桁上に架け渡すように配列されたプレキャストコンクリート版の端縁つまりコンクリート床版の桁の軸線に沿った方向の端縁で緊張材を緊張し、定着することができるので、プレキャストコンクリート版を順次に配列する作業と、追って連結部分に配置した緊張材を緊張する作業とを並行して行うことができる。
一方、緊張材は連結部分ごとに配置されているので、プレキャストコンクリート版を交換する必要が生じたときには、交換が必要となる部分のみを容易に交換することが可能となる。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のコンクリート床版において、 前記緊張材に併せて、隣り合う第1のプレキャストコンクリート版と第2のプレキャストコンクリート版との接合面を、第2のプレキャストコンクリート版から第1のプレキャストコンクリート版へ斜めに横切り、湾曲して再び第2のプレキャストコンクリート版から第1のプレキャストコンクリート版へ前記接合面を横切り、前記緊張材と接合面に関してほぼ対称に対称緊張材が配置されているものとする。
【0012】
このコンクリート床版では、緊張材と対称緊張材とが接合面に関してほぼ対称に配置されているので、連結部分の両側からプレキャストコンクリート版を互いに引き寄せる方向の力が、連結部分に沿って広く分布して作用する。したがって、接合面のプレストレスを均等に近い状態で導入することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明に係るコンクリート床版では、配列されたプレキャストコンクリート版の連結部分に圧縮力を導入して、効率よくコンクリート床版を形成することができるとともに、プレキャストコンクリート版に損傷等が生じたときには、一部のプレキャストコンクリート床版を容易に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態であるコンクリート床版の形成工程の一部を示す概略斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態であるコンクリート床版の一部を示す図であって、プレキャストコンクリート版の連結部分における緊張材の配置例を示す概略平面図である。
【
図3】
図2に示すコンクリート床版におけるプレキャストコンクリート版の連結部分を示す概略断面図である。
【
図4】プレキャストコンクリート版の接合面に設けることができるせん断キーの例を示す概略断面図である。
【
図5】プレキャストコンクリート版の連結部分における緊張材の他の配置例を示す概略平面図である。
【
図6】プレキャストコンクリート版の連結部分における緊張材の他の配置例を示す概略平面図である。
【
図7】プレキャストコンクリート版の連結部分における緊張材の他の配置例を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるコンクリート床版を鋼桁上に形成して橋梁とする作業工程の一部を示す概略斜視図である。
この橋梁は、道路橋として用いられるものであり、複数の鋼桁1を架け渡した上にプレキャストコンクリート版2を並べてコンクリート床版が形成されるものである。
【0016】
上記鋼桁1は、上フランジ11と下フランジ12とこれらを上下に連結するウェブ13とを有し、断面がほぼI型となっており、橋梁の幅方向に所定の間隔を設けて複数が配列されている。これらの鋼桁1は両端付近の二点に支承(図示しない)を設けて単純支持されたものであってもよいし、複数の径間に連続した連続桁とされるもの、ラーメン構造とされるもの等であってもよい。
【0017】
上記プレキャストコンクリート版2は、予め工場又は製作ヤード等においてコンクリートを打設し、形成されたものであって、鉄筋コンクリート構造又はプレストレストコンクリート構造とされる。また、多数の繊維がコンクリートにほぼ一様に混入された繊維補強コンクリートで形成されたものであってもよい。
プレストレストコンクリート構造とするときには、プレストレスをいわゆるポストテンション方式として導入するものであっても、いわゆるプレテンション方式として導入するものであってもよいが、プレテンション方式とするのが望ましい。
【0018】
上記プレキャストコンクリート版2は、鋼桁1の軸線方向の寸法が所定の値に設定されており、鋼桁の軸線と直角となる方向には、橋梁の幅員にほぼ相当する長さとなっている。これらのプレキャストコンクリート版2を、
図1に示すように吊り支持し、複数が配列された鋼桁1上に架け渡すように載置する。このときプレキャストコンクリート版2の両端部が橋梁の両側で鋼桁1より張り出すように支持される。そして、複数のプレキャストコンクリート版2が鋼桁1の軸線方向に順次配列され、隣り合うプレキャストコンクリート版2が互いに連結される。
【0019】
鋼桁1の上フランジ11の上面には、所定の位置にスタッドジベル14が設けられており、この上に配列するプレキャストコンクリート版2の対応する位置には上下に貫通する孔21が形成されている。そして、プレキャストコンクリート版2を鋼桁1上に載置したときには、スタッドジベル14がプレキャストコンクリート版2に形成された孔21内に挿入され、所定の位置にプレキャストコンクリート版2を載置した後に上側からコンクリート又はモルタルを孔21内に充填する。これにより鋼桁1とプレキャストコンクリート版2とを固定することができるものとなっている。
【0020】
隣り合うプレキャストコンクリート版2が互い連結される接合面は、
図3に示すようにほぼ鉛直方向に形成され、双方のプレキャストコンクリート版2を突き合わせたときに、接合面間に大きな隙間が生じないように正確に接合面が形成されている。そして、双方のプレキャストコンクリート版2の接合面間に合成樹脂等の接着剤又はモルタルを充填し、相互間が連続するように接合される。
【0021】
プレキャストコンクリート版2の接合面付近には、
図2に示すように該接合面に沿った方向に緊張材を挿通するためのダクト22が形成されている。これらのダクト22は、
図3に示すようにプレキャストコンクリート版2内に形成され、
図2に示すようにプレキャストコンクリート版2の接合面24を横切って隣り合う双方のプレキャストコンクリート版2a,2bにわたって連続するように形成されている。緊張材25a,25bは、これらのダクト22に挿通され、プレキャストコンクリート版2を配列して形成されるコンクリート床版3の一方の側部23aから反対側の側部23bに至り、両側部23a,23bで定着されるものであるが、途中で接合されるプレキャストコンクリート版2a,2bの接合面24を複数回横切るものとなる。つまり、上記ダクト22a及びこれに挿通される緊張材25aは、コンクリート床版3の一方の側部23aから接合される一方のプレキャストコンクリート版2a内を接合面24に斜め方向から接近し、接合面24を通過して他方のプレキャストコンクリート版2b内に至る。そして、湾曲して再び接合面24に向い、接合面24を通過して一方のプレキャストコンクリート版2a内に戻り、コンクリート床版3の反対側の側部23bに至るものとなっている。また、接合面24に関してほぼ対称となるように他方のプレキャストコンクリート版2bから一方のプレキャストコンクリート版2a内に至り、再び他方のプレキャストコンクリート版2bに戻るようにもダクト22bが形成され、緊張材25bが挿通されている。
上記ダクト22は、それぞれのプレキャストコンクリート版2a,2bを形成するときに筒状となったシース等を埋め込んでおくことによって形成され、プレキャストコンクリート版2a,2bを接合面24で突き合わせるように配列したときに上記のように連続したものとなる。
【0022】
上記ダクト22内には緊張材25a及び本発明の対称緊張材である緊張材25bが挿通され、緊張力が導入された状態で両端がコンクリート床版3の両側部に定着されるものとなっている。緊張材25は、鋼線又は鋼より線等のPC鋼材を用いるものであってもよいし、アラミド繊維等の合成繊維を束ねた緊張材を用いるものであってもよい。
PC鋼材を用いるときには、緩やかな流動が可能な粘性体を被覆したいわゆるアンボンド鋼材や硬化時間が長い流動性がある樹脂で被覆したいわゆるプレグラウト鋼材等を用いるのが望ましい。これらの緊張材は、緊張時における周面の摩擦が小さく、接合面を複数回横切って曲げ角度が大きくなることによる緊張力の低減量を小さく抑えることができる。
また、アラミド繊維等を用いた緊張材を使用するときには、上記ダクト22に挿通した緊張材25に緊張力を導入して両端を保持し、この状態を維持してグラウト材をダクト22内に充填する。そして、グラウト材がして硬化した後に緊張材25の両端部の保持を解放してプレストレスを導入することができる。また、緊張材25に緊張力を導入した状態で両端部付近に設けた定着金具(図示しない)と緊張材との間にグラウト材を充填することもできる。このときには、グラウト材の硬化後に緊張力を解放すると、定着金具を介して緊張材の端部がプレキャストコンクリート版2に定着される。
【0023】
上記のようにプレキャストコンクリート版2が接合されたコンクリート床版3では、プレキャストコンクリート版2の接合面24にプレストレスが導入されており、複数のプレキャストンコンクリート版2が一体となったコンクリート床版3となる。したがって、コンクリート床版上に載荷される輪荷重によって鋼桁1と直角方向に曲げモーメント及びせん断力が作用するとともに、鋼桁1の軸線方向に生じる曲げモーメント及びせん断力に対しても一連のコンクリート床版として挙動する。
【0024】
また、プレキャストコンクリート版2を接合するために緊張材25をダクト22に挿通する作業及び緊張力を導入する作業を、すべてコンクリート床版3の両側部で行うことができるので、コンクリート床版3を形成する工程は、順次プレキャストコンクリート版2を鋼桁1上に配列するとともに、配列されたプレキャストコンクリート版2を接合する作業を同時に行うことができる。したがって、作業の効率が向上する。
【0025】
なお、上記実施の形態では、一方のプレキャストコンクリート版2a内から他方のプレキャストコンクリート版2b内に至り、再び一方のプレキャストコンクリート版2a内に戻る緊張材25aと、他方のプレキャストコンクリート版2b内から一方のプレキャストコンクリート版2a内に至り、再び他方のプレキャストコンクリート版2b内に戻る緊張材25bとは、
図3(a)に示すように、それぞれ一本ずつが配置されたものであるが、
図3(b)に示すように一方の緊張材32aは2本を上下に配置するものであってもよい。
図3(a)に示すように双方の緊張材25a,25bとして一本ずつを配置すると、接合面付近で互いに交差するときに、一方を上方に曲げ上げ、他方を下方に曲げ下げて干渉しないように配置することになる。これに対して、
図3(b)に示すように一方の緊張材32aとして2本を上下に間隔を空けて配置すると、双方の緊張材32a,32bは交差する部分で上下に曲げ上げ又は曲げ下げることなく配置することができ、双方の緊張材の配置位置が干渉するのを回避することができる。そして接合するプレキャストコンクリート版2a,2b接合面で上下方向に均等に近い状態でプレストレスを導入することができる。
【0026】
また、上記実施の形態では、プレキャストコンクリート版2a,2bを互いに接合する接合面24は、ほぼ鉛直な面としたが、
図4に示すようにせん断キーを設けてもよい。
図4(a)は、せん断キーとして一方のプレキャストコンクリート版4aの接合面に断面が台形状となる凸部41を設け、他方のプレキャストコンクリート版4bには対応した形状の凹部42を設けるものである。
図4(b)は、一方のプレキャストコンクリート版5aの接合面が2つの面で形成されるものとし、2つの面で断面が山形となる凸部51を設け、他方のプレキャストコンクリート版5bには対応した形状の凹部52を設けるものである。
【0027】
一方、
図2に示す実施の形態では、緊張材25はコンクリート床版3の側部で、接合面と傾斜角を有する状態でプレキャストコンクリート版2に定着されるものであったが、
図5に示すように緊張材27の定着端と緊張材27が接合面26を横切る位置Aとの間で緊張材27を湾曲させ、緊張材27が接合面26とほぼ平行となった位置でプレキャストコンクリート版6a,6bに定着するものであってもよい。このように定着することにより、緊張材27の端部付近においても、プレキャストコンクリート版6a,6bを互いに引き寄せる方向の力を緊張材27の軸線方向に分布した状態で作用させることができる。
【0028】
また、
図2に示す実施の形態において緊張材25は、一方のプレキャストコンクリート版2aから他方のプレキャストコンクリート版2bに至り、再び一方のプレキャストコンクリート版2aに戻るもので、接合面24を2度斜めに横切るものであったが、これに限定されるものではなく、接合面が鋼桁の軸線と直角方向に長いときには、
図6に示すように緊張材29がプレキャストコンクリート版7a,7bの接合面28を3回以上横切るように配置するものであってもよい。また、
図7に示すように、接合面30に大きな圧縮力を導入するために、一方のプレキャストコンクリート版8aから他方のプレキャストコンクリート版8bに至り、再び一方のプレキャストコンクリート版8aに戻る緊張材31として複数本を同方向に並べて配設するものであってもよい。
【0029】
この他、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の範囲内において適宜に変更して実施することができる。例えば、桁はI型断面の鋼桁に限定されるものではなく、コンクリート床版とともに断面形状が箱型となるもの、複数の箱型が併設されるものであってもよい。また、桁はプレストレストコンクリートで形成されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0030】
1:鋼桁, 2:プレキャストコンクリート版, 3:コンクリート床版, 4,5,6,7,8:プレキャストコンクリート版,
11:鋼桁の上フランジ, 12:鋼桁の下フランジ, 13:鋼桁のウェブ,
21:プレキャストコンクリート版に設けられた孔, 22:ダクト, 23:コンクリート床板の側部, 24:プレキャストコンクリート版の接合面, 25:緊張材, 26:接合面, 27:緊張材, 28:接合面, 29:緊張材, 30:接合面, 31:緊張材, 32a,32b:緊張材