(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電源部は、前記第1又は第2の接触検知部が前記第1又は第2の電極と肌面との接触を検知した場合、前記第1又は前記第2の周波数の電圧を第1の強さで印加し、前記第1および第2の接触検知部が前記第1および第2の電極と肌面との接触を検知した場合、前記第1又は前記第2の周波数の電圧を前記第1の強さよりも強い第2の強さで印加する請求項9に記載の美容処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態を図に基づき説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、高周波美容処理装置1を示す斜視図である。
図2は、高周波美容処理装置1の一部の断面を拡大して示す拡大断面図である。
(高周波美容処理装置1について)
図1及び
図2に示すように第1の実施の形態の高周波美容処理装置1は、本体10、電極ヘッド20を有する。施術者が、電極ヘッド20を被施術者の肌面に当接することにより、被施術者の肌面に対して高周波電流を流すことが出来る。この高周波電流によって被施術者の肌に対して美容処理を行うことができる。ここで「美容処理」とは、高周波電流によって肌の老化防止やニキビの治癒、シミやそばかす、その他の肌のトラブルの改善を図ることである。
【0010】
(本体10について)
図2に示すように、本体10には、二次電池30、ペルチェ素子40、ヒートシンク50、冷却ファン60及びこれらを制御する制御回路基板70が収容される。
本体10は、略直方体形状を有する。本体10は、プラスチックを射出成形することに形成される。本体10は、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン及びポリカーボネートなどを難燃性化したプラスチックにより形成することが望ましい。
本体10は、電極ヘッド20が取り付けられる表面部10a及びこの表面部10aの反対側の面である裏面部10bを有する。本体10には、二次電池30の充電回路を商用電源に接続するための電源コード100が着脱自在に取り付けられる(
図1参照)。
【0011】
表面部10aの略中央部には、被施術者によって操作される操作ボタン80が配置値される。操作ボタン80は、液晶パネルに表示されたタッチ式のスイッチであってもよいし機械的なスイッチでもよい。表面部10aの略中央部には、表示部90が設けられる。表示部90は、LEDや液晶表示パネルを備えることができる。
裏面部10bには、冷却ファン60が送風した風を排気するための排気孔10cが所定の間隔ごとに設けられている。
【0012】
(電極ヘッド20について)
電極ヘッド20は、電極基台21、一対の電極22a及び電極22bから構成されている。電極基台21は、プラスチック、非金属またはセラミックなど種々の電気絶縁材料を用いて形成することができる。電極基台21は、断面が台形状となるように形成される。電極基台21は、矩形状の表面21a及び裏面21bを有する。電極基台21は、本体10の先端側に取り付けられている。ここで、裏面21bは、本体10の表面部10aと密着する。一対の電極22a及び電極22b、二次電池30、ペルチェ素子40、ヒートシンク50および冷却ファン60は、電気配線70aによってそれぞれ制御回路基板70に電気的に接続される。
表面21aには、一対の電極22a及び電極22bを保持するための円環状の内側溝部21c及び外側溝部21dが形成されている。ここでは、内側溝部21cは、外側溝部21dよりも小さい径となるように形成されている。
【0013】
内側溝部21c及び外側溝部21dは、周方向に並行している。「周方向に並行する」とは、内側溝部21c及び外側溝部21d間の距離がどこでも略同一であることを意味する。詳細には、
図2に示すように、内側溝部21cは、内側溝部21cの外周縁を含む直径L1が、外側溝部21dの内周縁間の直径L2よりも小さく形成されている。要するに、内側溝部21cと外側溝部21dは所定の間隔をおいて同心円状に形成されている。
電極22aは第1の電極である。電極22aは、略中央が開口する円環形状を有する。電極22aは、平面電極である。電極22aは、被施術者の肌面に当接する平坦状の肌接触面121を有する。電極22aは、電極基台21の内側溝部21cに装着される。電極22aは、肌接触面121を含む一部が電極基台21の表面から突出している。
【0014】
電極22bは第2の電極である。電極22bは、電極22aと同様に略中央が開口する円環形状に形成されている。電極22bは、平面電極である。電極22bは、被施術者の肌面に当接する平坦状の肌接触面122を有する。電極22bは、電極基台21の外側溝部21dに装着される。電極22bは、肌接触面122を含む一部が電極基台21の表面から突出している。
以上説明したように構成された電極22a及び電極22bは、制御回路基板70によって、例えば1[MHz]〜4[MHz]程度の高周波電圧(第1の周波数の高周波電圧:RF電圧)を印加される。したがって電極22a及び電極22bを被施術者の肌面に当てることで電極22a及び電極22bの間の肌に高周波電流を流すことができる。
【0015】
(二次電池30について)
二次電池30は、一対の電極22a及び電極22b、ペルチェ素子40、冷却ファン60、制御回路基板70などに対して電力を供給するための予備電源である。二次電池30は、商用電源から得られる電力によって予め充電可能である。二次電池30によって、商用電源から電力を得ることが困難な屋外や風呂の中でも、高周波美容処理装置1を使用することができる。二次電池30は、例えば、乾電池、キャパシタまたは燃料電池である。
【0016】
(ペルチェ素子40について)
ペルチェ素子40は、異なる金属同士または半導体同士を接合した板状の熱熱電素子である。ペルチェ素子40は発熱面40a及び吸熱面40bを有する。ペルチェ素子40は、電極ヘッド20の裏面21b側に配置される。発熱面40aは、ヒートシンク50と密着する。吸熱面40bは、電極ヘッド20の裏面21bと接着される。
ペルチェ素子40の接合面に電流が流されることによって、発熱面40a及び吸熱面40bにおいて熱の偏りが起こる。すなわち、発熱面40aは熱くなり、吸熱面40bは冷たくなる。
この構成により、ペルチェ素子40では、電極ヘッド20の一対の電極22a、電極22b及び電極基台21の熱が、吸熱面40bに移動する。結果として、ペルチェ素子40によって、電極ヘッド20全体を冷やすことができる。なお、吸熱面40bの周りを断熱材で囲うようにして本体10に収容することが望ましい。このことのよって、発熱面40aの熱が吸熱面40bに回り込み、吸熱面40bの温度が上昇してしまうことを防止することができる。
【0017】
(ヒートシンク50について)
ヒートシンク50は、略直方体状を有する。ヒートシンク50は、熱伝導性の良い金属(例えば、アルミや銅)で形成されている。ヒートシンク50は、電極ヘッド20やペルチェ素子40に比べて十分な肉厚を有しており、これらに比べて熱容量が大きい。ヒートシンク50は、平坦面50a及び平坦面50bを備える。ヒートシンク50は、ペルチェ素子40を介して、電極ヘッド20と熱的に接続されている。平坦面50aは、ペルチェ素子40の発熱面40aと密着する。平坦面50bは、冷却ファン60と密着する。
【0018】
したがって、ペルチェ素子40の発熱面40aの熱が効率よくヒートシンク50に移動する。結果として、ペルチェ素子40を介して電極ヘッド20の熱が効率よくヒートシンク50に移動する。そして、ヒートシンク50に移動した熱は、冷却ファン60によって、排気孔10cから排熱される。ここでは図示を省略したが、ヒートシンク50の表面部には複数の放熱フィンを形成することが望ましい。複数の放熱フィンによって、ヒートシンク50の空気との接触面積が増し、冷却ファン60による排熱の効率が高まる。
冷却ファン60は、排気孔10cの近傍に配置される。冷却ファン60は、モータ62の軸を回転軸とするファン63を有する送風装置である。
【0019】
(制御回路基板70について)
次に
図3を用いて、制御回路基板70について説明する。
図3は制御回路基板70の機能ブロック図である。
図3に示すように、制御回路基板70は、電極制御部171、ペルチェ素子制御部172、ファン制御部173、肌温度検知部174、メモリ部175及びこれらを制御する制御部176を有する。これら電極制御部171〜制御部176は、電子素子(例えば、コンデンサ、コイル、ICチップ、メモリなど)によって構成される。
電極制御部171は、第1の電源部である。電極制御部171は、一対の電極22a及び電極22bへ印加する高周波電圧を生成する発振回路、発振された電圧を昇圧する昇圧回路などを備える。電極制御部171は、1[MHz]〜4[MHz]の周波数の高周波電圧を一対の電極22a及び電極22bに印加できる。
【0020】
ペルチェ素子制御部172は、ペルチェ素子40に電圧を印加して電流を流すことによりペルチェ素子を駆動させることが出来る。この結果、ペルチェ素子40の発熱面40aは発熱し、吸熱面40bの温度は低下する。ペルチェ素子制御部172は、図示を省略したセンサによって、ペルチェ素子40の発熱面40aまたは吸熱面40bの温度を検出することができる。ペルチェ素子制御部172は、ペルチェ素子40の発熱面40aまたは吸熱面40bの温度が略一定となるようにペルチェ素子40の温度制御を行うことが出来る。例えば、ペルチェ素子制御部172がペルチェ素子40に印加する電圧の値を低くしていくにしたがって、ペルチェ素子40の発熱面40aの温度は低下していく。ペルチェ素子40の発熱面40aの温度を高くしたい場合には、ペルチェ素子40に印加する電圧の値を高くすればよい。
ペルチェ素子40に間欠的に電圧を印加することで発熱面40aの温度を一定に保つこともできる。
ファン制御部173は、冷却ファン60を駆動させる。ファン制御部173は、図示を省略したセンサによって、電極ヘッド20の電極基台21やペルチェ素子40の発熱面40aの温度を検出することができる。そして、ファン制御部173は、センサよって検出された発熱面40aや電極基台21の温度に基づいて、これらの温度を一定温度以下にするために冷却ファン60の回転数を可変させることができる。
このようにペルチェ素子制御部172及びまたはファン制御部173によって、ペルチェ素子40の発熱面40aまたは吸熱面40bの温度が略一定となるようにペルチェ素子40の温度制御を行うことが出来る。
【0021】
肌温度検知部174は、電流検知部として機能する。肌温度検知部174は、一対の電極22a及び電極22bと電気的に接続されており、一対の電極22a及び電極22b間に流れる電流を検知する電流計である。
人体の肌に高周波電流を流した場合、肌が発熱する。このとき、肌の温度上昇に伴って肌内部のインピーダンスが徐々に減少することが知られている。したがって、肌の温度上昇に伴って、一対の電極22a及び電極22b間に流れる電流量が増加する。
肌温度検知部174は、検知した電流を被施術者の肌温度を示す数値に変換する。肌温度検知部174は、変換した数値を制御部176に出力する。なお肌温度検知部174として赤外線検知センサを用いてもよい。
【0022】
メモリ部175には高周波美容処理装置1が動作する為のファームウェアやペルチェ素子制御部172、ファン制御部173によって読み出される閾値、肌温度検知部174から出力された被施術者の肌温度を示す数値と比較される閾値などが予め記憶されている。
制御部176は、被施術者による操作ボタン80の押下操作を検知して、電極制御部171などを制御する。制御部176は、肌温度検知部174から出力された被施術者の肌温度を示す数値とメモリ部175から読み出した閾値とを比較する。比較の結果、被施術者の肌温度を示す数値が閾値以上だった場合、制御部176は、電極制御部171を制御して一対の電極22a及び電極22bへの電圧の印加を停止させる。この結果、肌に流れていた高周波電流が流れなくなる。このことによって、被施術者が火傷してしまうことを防止することができる。
【0023】
(高周波美容処理装置1によって得られる効果1)
高周波美容処理装置1によれば、施術者が、被施術者の肌に対して一対の電極22a及び電極22bを当接することによって、高周波電流を被施術者の肌に流すことができる。この高周波電流によって肌の老化防止やニキビの治癒、シミ・そばかすその他の肌のトラブルの改善を図ることが可能となる。
このとき、ペルチェ素子40による熱交換により、一対の電極22a及び電極22bを含む電極ヘッド20全体が冷やされる。
一般的に人間の肌は高周波電流が流されたことによって発熱するが、ペルチェ素子40によって電極ヘッド20全体を冷却することができるので、結果として高周波電流を流されたことによって発生した肌内の熱を除去することができる。
【0024】
詳述すると、ペルチェ素子40によって電極ヘッド20を冷やすことにより、施術者が一対の電極22a及び電極22bを被施術者の肌面に接触させたとき、同時に一対の電極22a及び電極22b近傍の肌を冷やすことができる。この結果、一対の電極22a及び電極22bを介して流れた高周波電流によって発熱した肌をペルチェ素子40によって冷却された電極ヘッド20によって直ちに冷却することができる。
要するに、ペルチェ素子40及びこのペルチェ素子40と熱的に接続する電極ヘッド20は、一対の電極22a及び電極22bを介して流れた高周波電流による肌の過熱防止のための安全装置として機能する。
【0025】
肌面に高周波電流を流した場合、最初に、肌面上から数[μm]〜数[mm]の肌内部が発熱することが知られている。高周波美容処理装置1によれば、ペルチェ素子40によって冷やされた電極ヘッド20表皮から徐々に内部を冷やしていく。
【0026】
(高周波美容処理装置1によって得られる効果2)
ここで、
図4を用いて高周波美容処理装置1によって得られる、さらなる効果について詳細に説明する。
図4は一対の電極22a及び電極22bに流れる高周波電流について説明する図である。
この実施の形態の高周波美容処理装置1によれば、上述のように一対の電極22a及び電極22bが互いに並行かつ同心円状に配設されている。したがって、電極22a及び電極22b間の距離dがどこでも略同一になる。この結果、電極22a及び電極22b間には一様に高周波電流が流れるようになる(
図4の斜線参照)。
【0027】
このことから電極22a及び電極22b間に位置する被施術者の肌に対して、広範囲に、かつ均等に高周波電流を流すことが可能となる。これに対応して、被施術者の肌の発熱面積も広く、かつ通電による刺激も均等になる。例えば、球状電極間に高周波電流を流す場合に比べて、肌の単位面積当たりの発熱量が小さくなる。この結果、従来問題とされていた高周波電流により肌が局所的に熱を持ちやすくなったり、被施術者が不快感を覚えたりすることを防止することができる。
(高周波美容処理装置1によって得られる効果3)
また、高周波美容処理装置1によれば、肌接触面121が平坦に形成されているので、肌接触面121が平坦に形成されていない球状電極よりも電極22aと被施術者の肌面との接触面積が広くなる(電極22bも同様)。
【0028】
この結果、一対の電極22a及び電極22bを被施術者の肌面にあてたときに、被施術者に対してチクチクとした不快感を与えてしまうことを防止することができる。
(高周波美容処理装置1によって得られる効果4)
さらに高周波美容処理装置1によれば、肌温度検知部174を備えることによって、被施術者の肌温度を監視することができる。したがって、被施術者が火傷を負ってしまったりすることをより確実に防止することができる。
【0029】
[第2の実施の形態]
次に、
図5〜
図8を用いて本発明の第2の実施の形態の高周波美容処理装置2について説明する
【0030】
まず、
図5〜
図7を用いて高周波美容処理装置2の構成について説明する。
図5は、高周波美容処理装置2を示す斜視図である。
図6は、高周波美容処理装置2の一部の断面を拡大して示す拡大断面図である。
図7は、高周波美容処理装置2の機能を説明するブロック図である。以下、第1の実施の形態の高周波美容処理装置1と対応する箇所には同一の符号を付け詳細な説明は省略する。
【0031】
図5及び
図6に示すように、高周波美容処理装置2は、本体210、電極ヘッド220、フォトセンサ223a、フォトセンサ223b、超音波振動子225及び制御回路基板270を備える。
【0032】
本体210は、高周波美容処理装置1が備える本体10と対応する形状や構造を有する。ただし、本体210は、ペルチェ素子40、ヒートシンク50及び冷却ファン60を収容しない。したがって、本体210には、排気孔10cが形成されていない。
【0033】
電極ヘッド220は、電極ヘッド20と対応する、形状、構造及び機能を有する。電極ヘッド220は、電極基台221、一対の電極22a及び電極22b、中央電極230から構成されている。
【0034】
一対の電極22a及び電極22b、中央電極230、フォトセンサ223a、フォトセンサ223bおよび超音波振動子225は、電気配線70aによってそれぞれ制御回路基板270に電気的に接続される。
【0035】
電極基台221は、矩形状の表面221a及び裏面221bを有する。表面221aには、一対の電極22a及び電極22b、中央電極230をそれぞれ保持するための円環状の内側溝部21c,外側溝部21d及び中央孔21eが形成されている。表面221aには、センサ取付孔21f及びセンサ取付孔21gが形成されている。
【0036】
中央孔21eは、略正円形状に形成される。中央孔21eは、電極基台221の中央部に位置する。中央孔21eは、表面221aから裏面221bに向かって設けられる。中央孔21eは、内側溝部21c及び外側溝部21dと同心的に配設される。中央孔21eの円周部は、内側溝部21cの円周部と並行している。中央孔21eの円周部と中央孔21eの円周部の間隔は、
図4の距離dと同様に、どこでも略同一になる。中央孔21eには、中央電極230が挿入される。
【0037】
センサ取付孔21f及びセンサ取付孔21gは、内側溝部21c及び外側溝部21d間に配設される。センサ取付孔21f及びセンサ取付孔21gは、本体210の長手方向において、中央孔21eを挟むように配設される。センサ取付孔21fには、フォトセンサ223aが挿入される。センサ取付孔21gには、フォトセンサ223bが挿入される。
【0038】
中央電極230は、第3の電極である。中央電極230は、内部が空洞の略円柱形状を有する。中央電極230は、中央孔21eと対応する形状を有する。中央電極230は、金属で形成することができる。中央電極230には、薄い金属プレートを用いることもできる。
【0039】
中央電極230は、超音波振動子225と接着される。中央電極230は、超音波振動子225から振動が与えられ、超音波振動子225とともに振動する。
中央電極230は、フランジ部230aを備える。フランジ部230aが、電極基台221内部の凹部221cに配置されることで、中央電極230が中央孔21eから脱落することを防止することができる。
【0040】
中央電極230は、電極22bの内径L3よりも小さい。中央電極230の周縁は、電極22aの周縁と並行する。
中央電極230は、肌接触面231を有する。肌接触面231は、被施術者の肌面に当接される。肌接触面231は、平坦形状に形成されている。肌接触面231は、曲面形状に形成することもできる。肌接触面231を曲面形状とすることで、被施術者の肌の曲面に合わせやすくなる。この結果、被施術者の肌と肌接触面231との当接面積を増やすことができる。
【0041】
中央電極230は、肌接触面231を含む一部が表面221aから突出する。
中央電極230と電極22bには、制御回路基板270によって、例えば5[Hz]〜100[kHz]の電圧(第2の周波数の電圧:EMS電圧)が印加される。EMS電圧は、低〜中周波の電圧である。EMS:Electrical Muscle Stimulationとは、筋肉に電気を流し、筋肉を強制的に収縮させることである。収縮した筋肉は、EMS電圧の値が0の時点で元の状態に戻る。このことを繰り返すことによって筋肉の増強を図ることができる。なお、EMS電圧を中央電極230と電極22a間に印加してもよい。EMS電圧を電極22aと電極22b間に印加してもよい。
【0042】
フォトセンサ223aは、第1の接触検知部である。フォトセンサ223bは、第2の接触検知部である。フォトセンサ223a及びフォトセンサ223bは、被施術者の肌面への一対の電極22a及び電極22b、中央電極230の接触を検知する。フォトセンサ223a及びフォトセンサ223bは、例えばフォトダイオードである。フォトセンサ223a及びフォトセンサ223bは、周囲の照度に対応した大きさの電流を制御回路基板270に出力する。
【0043】
超音波振動子225は、電圧を印加されることによって厚み方向に振動する。このとき、超音波振動子225と接着された中央電極230が超音波振動子225の振動に同期して振動する。
【0044】
超音波振動子225の振動は、電極基台221にも伝播する。すなわち、超音波振動子225の振動によって、電極基台221全体が振動する。この振動によるマッサージ効果を被施術者の肌に与えることができる。
【0045】
例えば、中央電極230と電極基台221との間に防振ゴムを介在させたり、中央電極230と電極基台221との間に空間を設けたりすることによって、中央電極230だけを振動させてもよい。
以上が、高周波美容処理装置2の主な構成の説明である。
【0046】
ここで、各部材(一対の電極22a及び電極22b、中央電極230及び超音波振動子225)への電圧の印加のパターンを説明する。高周波美容処理装置2は、下記1〜7のような電圧の印加パターン(以下、動作パターン[1]〜[7]と称す。)を有する。動作パターン[1]〜[6]によって、被施術者の肌に電流を流すことができる。動作パターン[7]によって、被施術者の肌に振動の刺激を与えることができる。
【0047】
[1]RFモード1 :一対の電極22a及び電極22b間にRF電圧が印加される。
[2]RFモード2 :電極22b及び中央電極230間にRF電圧が印加される。
[3]RFモード3 :電極22a及び中央電極230間にRF電圧が印加される。
[4]EMSモード1:一対の電極22a及び電極22b間にEMS電圧が印加される。
[5]EMSモード2:電極22b及び中央電極230間にEMS電圧が印加される。
[6]EMSモード3:電極22a及び中央電極230間にEMS電圧が印加される。
[7]振動モード :超音波振動子225が振動する。
【0048】
高周波美容処理装置2では、上記動作パターン[1]〜[7]を所定時間ごとに順に実行できる。高周波美容処理装置2では、上記動作パターン[1]〜[7]ごとに、動作時間を設定できる。この動作時間は、適宜変更が可能である。
【0049】
高周波美容処理装置2では、上記動作パターン[1]〜[7]を適宜組み合わせて実行することができる。すなわち、高周波美容処理装置2は、上記動作パターン[1]〜[7]のうち、いずれかの動作を行わないこともある。
高周波美容処理装置2では、動作パターン[7]は、他の動作パターン[1]〜[6]と同時に行うこともできる。
【0050】
高周波美容処理装置2では、上記動作パターン[1]〜[7]において、各部材(一対の電極22a及び電極22b、中央電極230及び超音波振動子225)に印加する電圧の強さ(レベル)を変更できる。例えば、高周波美容処理装置2では、各部材ごとに電圧の強さをレベル1(弱)〜レベル5(強)の5段階で変更が可能である。
【0051】
(制御回路基板270について)
上記動作パターン[1]〜[7]の実行のONまたはOFFや電圧のレベルの変更は、制御回路基板270に形成された各種の電子回路によって制御される。
【0052】
図7に示すように制御回路基板270は、電極制御部271、接触検知部272、操作受付部273、表示制御部274、タイマ部275、メモリ部276、電源制御部277及びこれらを制御する制御部278を有する。
【0053】
電極制御部271〜制御部278は、電子素子(例えば、コンデンサ、コイル、ICチップなど)によって構成される。
【0054】
電極制御部271は、RF駆動部271a、EMS駆動部271b、中継部271c、肌温度検知部271d及び超音波振動子駆動部271eを備える。
電極制御部271は、電極制御部171と対応する機能を有する。RF駆動部271aは、第1及び第3の電源部として機能する。RF駆動部271aは、振動制御部として機能する。
【0055】
RF駆動部271aは、DC-AC変換機能を有しRF電圧を生成する発振回路、電圧を昇圧する昇圧回路などを備える。RF駆動部271aは、制御部278から、RF駆動部271aが生成するRF電圧の強さを指示する信号(RF電圧制御信号)を受信する。ここでは、RF駆動部271aが生成するRF電圧の強さは、レベル1〜レベル5で表される。RF電圧制御信号は、このレベル1〜レベル5を示す信号である。RF駆動部271aが生成するRF電圧の強さを示す値は、メモリ部276に予め保持されている。
【0056】
RF駆動部271aは、制御部278から受信した電圧制御信号に対応して、電源制御部277から入力された5[V]の直流電圧をDC-AC変換し、60〜150[V]の範囲で昇圧する。なお、ここで示す昇圧後の電圧の値は、Peak−to−Peak−Valueである。例えば、ここで示した60[V]の交流電圧は、最大値が+30[V]から−30[V]の交流電圧である。この電圧によって被施術者の肌に流れる電流の強さが変化する。RF駆動部271aは、中継部271cを介して電極22a、電極22bまたは中央電極230にRF電圧を印加する。
【0057】
EMS駆動部271bは、DC-AC変換機能を有しEMS電圧を生成する発振回路、電圧を昇圧する昇圧回路などを備える。EMS駆動部271bは、制御部278から、EMS駆動部271bが生成するEMS電圧の強さを指示する信号(EMS電圧制御信号)を受信する。ここでは、EMS駆動部271bが生成するEMS電圧の強さは、レベル1〜レベル5で表される。EMS電圧制御信号は、このレベル1〜レベル5を示す信号である。EMS電圧の強さを示す値は、メモリ部276に予め保持されている。
【0058】
EMS駆動部271bは、制御部278から受信した電圧制御信号に対応して、電源制御部277から入力された5[V]の直流電圧をDC-AC変換し、10〜150[V]の範囲で昇圧する。なお、ここで示す昇圧後の電圧の値は、Peak−to−Peak−Valueである。例えば、ここで示した60[V]の交流電圧は、最大値が+30[V]から−30[V]の交流電圧である。この電圧によって被施術者の肌に流れる電流の強さが変化する。EMS駆動部271bは、中継部271cを介して電極22a、電極22bまたは中央電極230にEMS電圧を印加する。
【0059】
中継部271cはトランジスタやコンデンサなどによって構成されるリレー回路を備える。中継部271cは、制御部278に制御されて、RF駆動部271aに接続される電極(電極22a、電極22bまたは中央電極230)のパターンを切り替える。
【0060】
(パターン1)
中継部271cは、RF駆動部271aに対して、電極22a及び電極22bを接続する。この結果、RF駆動部271aによって、電極22a及び電極22b間にRF電圧が印加される。このとき、中央電極230は、電極22a及び電極22bに対して、電気的に絶縁された状態となる。
【0061】
(パターン2)
中継部271cは、RF駆動部271aに対して、電極22a及び中央電極230を接続する。この結果、RF駆動部271aによって、電極22a及び中央電極230間にRF電圧が印加される。このとき、電極22bは、電極22a及び中央電極230に対して、電気的に絶縁される。
【0062】
(パターン3)
中継部271cは、RF駆動部271aに対して、電極22b及び中央電極230を接続する。この結果、RF駆動部271aによって、電極22b及び中央電極230間にRF電圧が印加される。このとき、電極22aは、電極22b及び中央電極230に対して、電気的に絶縁される。
【0063】
同様に、中継部271cは、制御部278に制御されて、EMS駆動部271bに接続される電極(電極22a、電極22bまたは中央電極230)のパターンを切り替える。EMS駆動部271bと電極22a、電極22bまたは中央電極230が接続されているときには、RF駆動部271aと電極22a、電極22bまたは中央電極230は、電気的に絶縁されている。
【0064】
肌温度検知部271dは、肌温度検知部174と対応する機能を有する。肌温度検知部271dは、電流検知部として機能する。肌温度検知部271dは、RF駆動部271aの駆動によって被施術者の肌に流れた電流の値を検知する。肌温度検知部271dは、検知した電流の値を被施術者の肌温度を示す数値に変換して制御部278に出力する。
【0065】
超音波振動子駆動部271eは、40[kHz]〜4[MHz]の周波数の高周波電圧を超音波振動子225に出力することができる。超音波振動子駆動部271eが、出力する高周波電圧は、超音波振動子225の固有振動数に合わせて、あらかじめ設定されている。
【0066】
超音波振動子駆動部271eは、制御部278に制御されて、超音波振動子225に高周波電圧を印加する。超音波振動子駆動部271eは、DC-AC変換機能を有し高周波電圧を生成する発振回路、電圧を昇圧する昇圧回路などを備える。例えば、超音波振動子駆動部271eは、電源制御部277から入力された5[V]の直流電圧をDC-AC変換し、24[V]まで昇圧することができる。なお、ここで示す昇圧後の電圧の値は、Peak−to−Peak−Valueである。すなわち、ここで示した24[V]の交流電圧は、最大値が+12[V]から−12[V]の交流電圧である。
【0067】
接触検知部272は、フォトセンサ223a及びフォトセンサ223bの出力を常時監視している。接触検知部272には、フォトセンサ223a及びフォトセンサ223bが出力した電流が入力される。
【0068】
接触検知部272は、所定の閾値と入力された電流とを比較する。接触検知部272は、フォトセンサ223aから入力された電流が、閾値よりも小さかった場合、制御部278に対して第1の接触検知信号を出力する。
【0069】
接触検知部272は、フォトセンサ223bから入力された電流が、閾値よりも小さかった場合、制御部278に対して第2の接触検知信号を出力する。また、接触検知部272は、フォトセンサ223aが電流を出力していない場合は、フォトセンサ223aからの電流を0[mA]として扱う。同様に、接触検知部272は、フォトセンサ223bが電流を出力していない場合は、フォトセンサ223bからの電流を0[mA]として扱う。
【0070】
なお、接触検知部272は、電流の値ではなく、フォトセンサ223a及びフォトセンサ223bが出力する信号の電圧の値によって、第1及び2の接触検知信号を制御部278に対して出力してもよい。また、接触検知部272は、閾値と入力された電流の値を比較するのではなく、フォトセンサ223aまたはフォトセンサ223bから電流が入力されたか否かによって制御部278に対して第1または第2の接触検知信号を出力してもよい。
【0071】
操作受付部273は、操作ボタン80の押下操作を検知する。「押下操作」は、例えば、主電源のONまたはOFFである。操作受付部273は、高周波美容処理装置2の動作の切り替えを指示する操作、高周波美容処理装置2の動作時間を設定するための操作も受け付ける。操作受付部273は、電圧のレベルを変更する操作も受け付ける。
【0072】
表示制御部274は、表示部90を制御する。表示制御部274は、例えば、表示部90がLEDで構成されている場合、LEDの発光を制御する。表示制御部274は、例えば、表示部90が液晶ディスプレイを備える場合、液晶ディスプレイに対して画像信号を出力する。
【0073】
タイマ部275は、制御部278に制御されて、時間を計測する。タイマ部275が計測した時間に応じて、高周波美容処理装置2の動作パターン[1]〜[7]が順に切り替えられたり、一定時間経過後に主電源がOFFになったりする。
【0074】
メモリ部276には、高周波美容処理装置2が動作する為のファームウェア、各種の閾値、電圧のレベルを示す情報及びタイマ部275に計測させる時間の情報が予め記憶されている。
【0075】
メモリ部276には、RF駆動部271a、EMS駆動部271b、肌温度検知部271d及び超音波振動子駆動部271eが出力する信号の電圧の値を予め記憶しておくこともできる。メモリ部276には、中継部271cが接続する電極のパターンを示す情報を予め記憶しておくこともできる。
【0076】
電源制御部277には、二次電池30の充電回路や、電源コード100を着脱可能とする電気接点などが形成される。電源制御部277に昇圧回路を設けてもよい。この場合、RF駆動部271aなどに昇圧回路を設けなくてもよい。
【0077】
制御部278は、制御部176と対応する機能を有する。制御部278は、操作受付部273が検知した操作ボタン80の押下操作に基づいて、電極制御部271を制御する。
【0078】
制御部278は、肌温度検知部271dが出力した被施術者の肌温度を示す数値に基づいて、電圧のレベルを変えるようにRF駆動部271aを制御する。制御部278は、接触検知部272が出力した第1または第2の接触検知信号に基づいて、電圧のレベルを変えるようにRF駆動部271aまたはEMS駆動部271bを制御する。
【0079】
(動作説明)
次に
図8を用いて、高周波美容処理装置2の動作について説明する。
図8は、高周波美容処理装置2の動作を示すフローチャートである。
【0080】
(1)初期設定(ステップS100)
例えば、操作ボタン80の押下操作により、主電源がONになる。このとき、高周波美容処理装置2が、自動的に動作パターン[2]RFモード2、動作パターン[7]振動モード及び動作パターン[5]EMSモード2の順に動作する場合がある。
【0081】
この場合、制御部278は、まずメモリ部276から、RF電圧制御値や動作パターン[2]RFモード2の駆動時間などを初期値として読み出す。ここでは一例として、初期値としてレベル3を示すRF電圧制御値が読み出されるものとする。
【0082】
(2)計時開始(ステップS101)
制御部278は、タイマ部275を制御して、読み出した動作パターン[2]RFモード2の駆動時間を計測させる。
【0083】
(3)出力停止処理(ステップS102のNo、S103)
フォトセンサ223a及びフォトセンサ223bが出力した電流が閾値以上の場合がある。例えば、被施術者の肌面に、電極ヘッド220が接触していない場合である。例えば、被施術者の肌面に、電極ヘッド220が、少しだけ接触している場合である。
【0084】
このような場合、接触検知部272は、第1及び第2の接触検知信号を制御部278に出力しない(ステップS102のNo)。したがって、制御部278は、RF駆動部271aを駆動させない。RF駆動部271aがすでに駆動している場合には、制御部278は、RF駆動部271aを停止させる。
この結果、電極22b及び中央電極230間へのRF電圧の印加が停止する(ステップ103)。
【0085】
(4)電極ヘッド220の接触1(ステップS102のYes〜S105)
フォトセンサ223aまたはフォトセンサ223bのどちらか一方が出力した電流が閾値以下の場合がある。例えば、被施術者の肌面に、電極ヘッド220の上側または下側が接触した場合である。
【0086】
この場合、接触検知部272は、第1または第2の接触検知信の一方を制御部278に出力する(ステップS102のYes,ステップS104のNo)。
【0087】
制御部278は、メモリ部276から、RF電圧の強さを示す値として、レベル1を示す値を読み出し、RF駆動部271aにRF電圧制御信号を出力する。この結果、RF駆動部271aは、一番弱いRF電圧を生成する。電極22b及び中央電極230間にレベル1のRF電圧が印加される(ステップS105:第1の印加処理)。この結果、被施術者の肌面には、レベル1に対応する強さのRF電流が流れる。
【0088】
なお、制御部278は、RF駆動部271aに対して、レベル2を示す信号を出力してもよい。
【0089】
(5)電極ヘッド220の接触2(ステップS104のYes)
フォトセンサ223a及びフォトセンサ223bの両方が出力した電流が閾値以下の場合がある。例えば、被施術者の肌面に、電極ヘッド220全体が密着した場合である。この場合、接触検知部272は、第1及び第2の接触検知信を制御部278に出力する(ステップS104のYes)。
【0090】
(6)肌温度検知処理(ステップS106No〜S108)
動作パターン[2]RFモード2場合(ステップS106のNo)、制御部278は、肌温度検知部271dから出力された被施術者の肌温度を示す数値と、メモリ部276に保持された閾値とを比較する(ステップS107)。
【0091】
(7)第2の電圧印加処理(ステップS107のYes,S108)
肌温度検知部271dから出力された被施術者の肌温度を示す数値が閾値以上の場合がある(ステップS107のYes)。この場合、制御部278は、ステップS100で読み込んだレベルよりも1段階弱いレベルの電圧を電極22b及び中央電極230間に印加するようにRF駆動部271aを制御する。
【0092】
ここでは、制御部278は、レベル3よりも1段階弱いレベル2を示す信号をRF駆動部271aに出力する。この結果、RF駆動部271aは、2番目に弱いRF電圧を生成する。したがって、電極22b及び中央電極230間にレベル2のRF電圧が印加される(ステップS108:第2の印加処理)。
【0093】
この結果、被施術者の肌面には、レベル2に対応する強さのRF電流が流れる。なお、ステップS100〜SS107までの間に、操作受付部273が、高周波電圧の強さをレベル5に設定する指示を受け付けている場合がある。この場合、ステップS108において、制御部278は、レベル5よりも1段階低いレベル4を示す信号をRF駆動部271aに出力する。
【0094】
(8)第3の電圧印加処理(ステップS107のNo,S109)
肌温度検知部271dから出力された被施術者の肌温度を示す数値が閾値より低い場合がある(ステップS107のNo)。この場合、制御部278は、RF電圧制御信号として、ステップS100で読み込んだレベルを示す値をRF駆動部271aに出力する。
【0095】
ここでは、制御部278は、レベル3を示す信号を出力する。この結果、RF駆動部271aは、レベル3に対応するRF電圧を生成する。したがって、電極22b及び中央電極230間にレベル3のRF電圧が印加される(ステップS109:第3の印加処理)。
【0096】
この結果、被施術者の肌面には、レベル3に対応する強さのRF電流が流れる。なお、ステップS100〜SS107までの間に、操作受付部273が、高周波電圧の強さをレベル5に設定する指示を受け付けている場合がある。この場合、ステップS109において、制御部278は、レベル5を示す信号をRF駆動部271aに出力する。
【0097】
(9)EMSモードの場合(ステップS106のYes及びステップS109)
動作パターンが[5]EMSモード2の場合がある。EMS電圧を肌面に印加した場合、RF電圧を印加した場合に比べて、肌面の温度が上昇しないことが多い。したがって、動作パターンが[5]EMSモード2の場合、制御部278は、ステップS109を実行する。
【0098】
(10)繰り返し処理(ステップS110)
制御部278は、動作モード[2]RFモード2の期間中は、ステップS102〜S109を繰り返し実行する。タイマ部275によって所定時間が経過した場合(ステップS110のYes)、制御部278は、ステップS101〜S110を繰り返しながら、高周波美容処理装置2を動作パターン[7]、動作パターン[5]EMSモード2に順に切り替える。
【0099】
例えば、高周波美容処理装置2が[5]EMSモード2で動作する場合、制御部278は、メモリ部276から、EMS電圧の強さを示す値などを読み出す。
【0100】
(高周波美容処理装置2によって得られる効果1)
高周波美容処理装置2によれば、高周波美容処理装置1と対応する効果を得ることができる。高周波美容処理装置2によれば、中央電極230を備えることによって、被施術者の肌面との接触面積を増やすことができる。結果として、被施術者の単位面積当たりの肌に流れる電流量が小さくなるので、EMS電圧を肌に印加したときに感じる刺激を低減させやすくなる。
【0101】
(高周波美容処理装置2によって得られる効果2)
高周波美容処理装置2によれば、異なる動作パターンを順に自動的に切り替えることができる。すなわち、異なる刺激を順に被施術者の肌面に与えることができる。結果として、被施術者が高周波美容処理装置2の使用に飽きを感じにくくなり、高周波美容処理装置2を効率よく使用することができる。
【0102】
(高周波美容処理装置2によって得られる効果3)
高周波美容処理装置2では、被施術者の肌面に、電極ヘッド220が確実に接触しているときにRF駆動部271aが駆動するので安全性を高めることができる。
【0103】
(高周波美容処理装置2によって得られる効果4)
高周波美容処理装置2では、フォトセンサ223a及びフォトセンサ223bの出力に応じて、電極22b及び中央電極230などに印加する電圧の強さを変えることができる。例えば、被施術者と電極22bの接触がわずかな面積だった場合、強い電圧を被施術者の肌面に印加することによって、被施術者が不快感を覚えることが多い。
【0104】
高周波美容処理装置2では、電極22b及び中央電極230などに印加する電圧を弱くできるので、被施術者が不快感を覚えることを防止することができる。
【0105】
(高周波美容処理装置2によって得られる効果5)
例えば、高周波美容処理装置2が、動作パターン[1]RFモード1で動作する場合がある。被施術者と電極22bの接触面積がわずかだった場合、被施術者の肌が局所的に発熱してしまう可能性がある。
【0106】
高周波美容処理装置2では、フォトセンサ223a及びフォトセンサ223bの出力に応じて、電極22b及び中央電極230などに印加する電圧の強さを変えることにより、被施術者の肌が局所的に発熱してしまうことを防止できる。
【0107】
[変形例について]
以上、第1及び2の実施の形態を具体的に説明したが、本発明はこの実施の形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
以下、本発明の種々の変形例を説明する。以下の説明では、第1及び第2の実施の形態と対応する箇所には同一の符号をつけ、詳細な説明は省略する。
【0108】
[変形例1]
図9に示すように、電極基台21にタッチセンサ200を設けてもよい。タッチセンサ200は、被施術者の肌面への一対の電極22a及び電極22bの接触を検知する。タッチセンサ200によって、一対の電極22a及び電極22bの接触が検知されたことに対応して、一対の電極22a及び電極22bに高周波電圧が印加される。そしてタッチセンサ200が、被施術者の肌面への一対の電極22a及び電極22bの接触を検知していない場合には、一対の電極22a及び電極22bには高周波電圧は印加されない。
【0109】
このことによって、被施術者の肌面に一対の電極22a及び電極22bが接触した後に、一対の電極22a及び電極22bに高周波電圧が印加されることになる。
【0110】
被施術者の肌面に一対の電極22a及び電極22bが接触する前に一対の電極22a及び電極22bに対して高周波電圧を印加した場合には、体毛などとの接触によって、極めて小さい接触面積で一対の電極22a及び電極22bから被施術者の肌面に高周波電流がながれてしまうことがある。
【0111】
この場合、被施術者はピリピリとした不快な感覚を覚えることが多い。
被施術者の肌面に一対の電極22a及び電極22bが接触した後に一対の電極22a及び電極22bに高周波電圧が印加されることによって、広い接触面積で、被施術者の肌面に高周波電流を流すことができる。この結果、被施術者が不快な感覚を覚えることを防止することができる。
【0112】
タッチセンサ200は、抵抗膜方式、静電容量方式、音波式、赤外線検知式、機械式など種々の方式のものを適用できる。また、タッチセンサ200に代えて、加速度センサを備えるようにしてもよい。例えば、加速度センサが高周波美容処理装置1が動かされたことを検知した場合に、一対の電極22a及び電極22bに高周波電圧が印加される。
[変形例2]
第1及び第2の実施の形態,変形例1では、一対の電極22a及び電極22bをそれぞれ円環状に形成したが、例えば、
図10に示す一対の電極222a及び電極222bのように略角環状としたり、
図11に示す一対の平行電極322a及び平行電極322bように棒状の電極を互いに平行に配置したり、
図12に示す一対の平行電極422a及び平行電極422bのように略三角形状としたりしてもよい。一対の電極22a及び電極22bの形状は略正円形状でもよいし、楕円形状でもよい。
【0113】
[変形例3]
その他の変形例として、例えば本体10や電極ヘッド20の所定の箇所に、一対のイオン導入用電極を設けて、イオン導入法またはイオン導出法によるトリートメントを行えるように構成してもよい。例えば、一対のイオン導入用電極の一方を一対の電極22a及び電極22b間に配設し、他方のイオン導入用電極を本体10の表面部10aに設けるように構成することもできる。
【0114】
[変形例4]
ペルチェ素子に流す電流の方向の正逆を切り替えるためのスイッチを備えるようにしてもよい。
【0115】
[変形例5]
本体10または本体210の形状は、適宜変更可能である。例えば、
図13に示す高周波美容処理装置3のような形状でもよい。
図13は、本体10または本体210のその他の変形例を示す概略図である。
高周波美容処理装置3は、施術者が手で持つハンドリング部311を上面側に有する本体310を備える。
本体310は、上下方向から押しつぶされた球形に類似の形状を有する。本体310の上面には、操作ボタン80や表示部90を配置することがでできる。一対の電極22a及び電極22bなどは、本体310の下面に配置される。
【0116】
[その他の変形例]
以上説明した第1及び2の実施の形態や変形例1〜変形例5に例示された部分的な構成同士を適宜組み合わせたり特定の構成を除くように構成したりすることもできる。
例えば、第1及び2の実施の形態の各要素を除外してもよい。
例えば、RF駆動部271aを備えずともよい。
例えば、電極22a、電極22b、フォトセンサ223aまたはフォトセンサ223bなどを備えずともよい。電極22aを備えない場合、フォトセンサ223a及びフォトセンサ223bは、電極22b及び中央電極230の間に配置される。
操作ボタン80や表示部90などの配置位置も特に限定されない。電極22aなどを楕円形状に形成してもよい。中央電極230を円環形状に形成してもよい。