【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 発行日:平成27年10月8日、刊行物:信濃毎日新聞 ウェブサイトの掲載日:平成27年10月8日、ウェブサイトのアドレス:https://www.gacjp.com/new/151008.html 販売日:平成27年10月22日、配売した場所:コスモシステム株式会社 発行日:平成27年10月1日、刊行物:DENSOハイブリッドパワーコンディショナークーラーカタログ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1冷凍サイクルの前記蒸発用熱交換器と前記第2冷凍サイクルの前記蒸発器を通過する室内側空気の通風方向と、冷却時に前記蒸発用熱交換器及び前記蒸発器の表面に発生する結露水の排水方向とが同一となるように、前記蒸発用熱交換器及び前記蒸発器が配置される、
請求項1または2に記載の一体型空調装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0011】
[実施形態]
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る一体型空調装置1の基本的構造について説明する。本実施形態に係る一体型空調装置1は、設置される建物の室内を冷却するための装置である。一体型空調装置1は、
図1に示すように、沸騰冷却式である第1冷凍サイクル100と、蒸気圧縮式である第2冷凍サイクル200と、これらの第1冷凍サイクル100及び第2冷凍サイクル200をそれぞれ少なくとも1回路以上ずつ内蔵するハウジング9とを具備する。
図1に示す例では、ハウジング9の内部には、第1冷凍サイクル100及び第2冷凍サイクル200がそれぞれ1回路ずつ内蔵されている。
【0012】
ハウジング9は、仕切板2によって、その内部が室内側空気流路3と室外側空気流路6とに区分されている。室内側空気流路3は、室内側空気吸込みダクト4から室内側空気を吸入して、室内側空気吹出しダクト5から室内へ吐出する流路である。室内側空気流路3には室内側送風装置7が設置される。この室内側送風装置7の駆動によって、室内側空気流路3には室内側空気吸込みダクト4から室内側空気吹出しダクト5への方向に沿って室外側空気の流れ11が生成される。本実施形態では、室内側空気吸込みダクト4が上方側、室内側空気吹出しダクト5が下方側に配置され、室内側空気流路3の内部における室外側空気の流れ11の方向は、上方側から下方側への方向となるよう構成されている。
【0013】
室外側空気流路6は、室外側空気を吸入して室外へ吐出する流路である。本実施形態では、室外側空気流路6はさらに、第1冷凍サイクル100の放熱用である室外側空気流路6−1と、第2冷凍サイクル200の放熱用である室外側空気流路6−2とに区分されている。室外側空気流路6−1は、室外側空気の流れ11の方向に沿った上流側に配置され、室外側空気流路6−2は下流側に配置されている。つまり、室外側空気流路6−1が上方側、室外側空気流路6−2が下方側に配置されている。室外側空気流路6−1及び室外側空気流路6−2のそれぞれの吹出口には、室外側送風装置8−1(第1室外側送風装置)及び室外側送風装置8−2(第2室外側送風装置)が設置される。室外側送風装置8−1の駆動によって、室外側空気流路6−1には吸込口から吹出口への方向に沿って室外側空気の流れ12A(第1流れ)が生成され、室外側送風装置8−2の駆動によって、室外側空気流路6−2には吸込口から吹出口への方向に沿って室外側空気の流れ12B(第2流れ)が生成される。
【0014】
第1冷凍サイクル100は、高温の空気から熱を受けて内部の冷媒を沸騰蒸発させる蒸発器101(蒸発用熱交換器)と、低温の空気に放熱しながら内部の冷媒を凝縮液化させる凝縮器102(凝縮用熱交換器)と、を備える。第1冷凍サイクル100は、蒸発器101で気化した冷媒を凝縮器102へと導くガス冷媒接続配管103と、凝縮器102で液化した冷媒を蒸発器101へと戻す液冷媒接続配管104とで、それぞれ蒸発器101と凝縮器102とを接続し、冷媒を循環させる沸騰冷却式冷凍サイクルを構成する。ガス冷媒接続配管103及び液冷媒接続配管104は、蒸発器101と凝縮器102とを接続して冷媒を循環させる冷媒回路を構成する「第1冷媒配管」とも表現することができる。
【0015】
この第1冷凍サイクル100は、一体型空調装置1内において、仕切板2によって分離された室内側空気流路3内に蒸発器101が、室外側空気流路6−1内に凝縮器102が配置される。ガス冷媒接続配管103と液冷媒接続配管104とは、仕切板2を貫通して蒸発器101と凝縮器102とを接続する。
【0016】
また、第1冷凍サイクル100の蒸発器101は、室内側空気流路3内において、第2冷凍サイクル200よりも上流側に設置される。本実施形態においては、蒸発器101は、室内側空気流路3の上流側となる、上方に配置される。
【0017】
第2冷凍サイクル200は、少なくとも圧縮機201と凝縮器202と蒸発器203と減圧装置204とを備える蒸気圧縮式冷凍サイクルである。圧縮機201は、サイクル内の冷媒ガスを圧縮して循環させる。凝縮器202は、圧縮機201から吐出される冷媒ガスを凝縮させる。減圧装置204は、凝縮器202により凝縮液化された冷媒を減圧膨張させる。蒸発器203は、減圧装置204により減圧された冷媒を蒸発させる。圧縮機201、凝縮器202、減圧装置204、蒸発器203は、冷媒配管205(第2冷媒配管)により接続され、冷媒または冷媒ガスを循環させる冷媒回路を構成する。
【0018】
この第2冷凍サイクル200は、一体型空調装置1内において、仕切板2によって分離された室内側空気流路3内に蒸発器203が、室外側空気流路6−2内に凝縮器202が配置される。
【0019】
また、第2冷凍サイクル200の蒸発器203は、室内側空気流路3内において、第1冷凍サイクル100よりも下流側に配置される。本実施形態においては、蒸発器203は、室内側空気流路3の下流側となる、下方に配置される。
【0020】
なお、本実施形態では、減圧装置204が室内側空気流路3内に、圧縮機201が室外側空気流路6−2内に配置された構成となっているが、これらは本実施形態を構成する要因ではなく、必ずしも
図1に示される配置位置である必要はない。
【0021】
本実施形態においては、第1冷凍サイクル100の凝縮器102と、第2冷凍サイクル200の凝縮器202は、それぞれ室外側空気流路6−1,6−2内にて並列に配置され、それぞれ個別に室外側空気によって放熱を行うように配置される。
【0022】
この構成は次のように言い換えることもできる。すなわち、室外側空気流路6−1が、室外から吸入された室外側空気が第1冷凍サイクル100の凝縮器102を通過した後に室外へ吐出される室外側空気の流れ12Aを形成し、室外側空気流路6−2が、室外から吸入された室外側空気が第2冷凍サイクル200の凝縮器202を通過した後に室外へ吐出される室外側空気の流れ12Bを形成する。これらの室外側空気の流れ12A,12Bは、同一方向(
図1では水平方向右側)に空気を吐出するよう構成される。室外側空気流路6−1,6−2は、鉛直方向に積層されるので、これらの内部に配置される第1冷凍サイクル100の凝縮器102と、第2冷凍サイクル200の凝縮器202は、鉛直方向に沿って並んで配置されることになる。
【0023】
また、一体型空調装置1の冷却能力、または運転効率をより高める目的で、第1冷凍サイクル100を複数搭載したり、第2冷凍サイクル200を複数搭載したりすることも可能である。
図2では、第1冷凍サイクル100を2回路(回路100a及び回路100b)、第2冷凍サイクル200を1回路搭載した例を示している。回路100aを構成する蒸発器101a、凝縮器102a、ガス冷媒接続配管103a、及び液冷媒接続配管104aと、回路100bを構成する蒸発器101b、凝縮器102b、ガス冷媒接続配管103b、液冷媒接続配管104bは、
図1の蒸発器101、凝縮器102、ガス冷媒接続配管103、及び液冷媒接続配管104と同様の構成であるので説明を省略する。なお、以下では便宜上、
図2の第1冷凍サイクル100を1回路(
図1の構成)として説明する。
【0024】
図2を参照して、本実施形態に係る一体型空調装置1の使用態様と、動作について説明する。
図2に示すように、一体型空調装置1は、ダクト接続型の空調装置であり、冷却対象である密閉筐体301の外部に設置され、室内側空気吸込みダクト4及び室内側空気吹出しダクト5を介して室内側空気流路3と密閉筐体301の内部とが接続される。密閉筐体301は、電子機器や装置などの発熱体302を収容する密閉化された建物であって、例えば携帯電話の基地局などである。本実施形態では、一体型空調装置1は、上述のように室内側空気吸込みダクト4が上方側、室内側空気吹出しダクト5が下方側に配置され、室内側空気流路3の内部における室外側空気の流れ11は、上方側から下方側への方向となるよう、密閉筐体301に設置されている。
【0025】
密閉筐体301内部では、発熱体302からの排熱が密閉筐体301内部の上部に蓄積しやすい。本実施形態の一体型空調装置1は密閉筐体301内部の上部より、室内側空気吸込ダクト4を通して室内側空気を室内側空気流路3に導入する。
【0026】
室内側空気流路3に導入された室内側空気11は、まず最初に第1冷凍サイクル100の蒸発器101を通過する。その際、室内側空気11の温度により、蒸発器101の内部の冷媒が沸騰気化され、その蒸発潜熱により室内側空気11が冷却される。
【0027】
蒸発器101内部で気化した冷媒は、ガス冷媒接続配管103を通して室外側空気流路6−1内に配置された凝縮器102に達する。そこで、凝縮器102を通過する室外側空気12Aの温度により、凝縮器102の内部の冷媒が凝縮液化され、その凝縮潜熱により室外側空気12に放熱する。凝縮器102内部で液化した冷媒は、液冷媒接続配管104を通して室内側空気流路3の蒸発器101に再び導入される。また、凝縮器102を通過し加熱された室外側空気12Aは、吹出口から室外側空気流路6−1の外部へ排出される。
【0028】
第1冷凍サイクル100の蒸発器101を通過し、冷却された室内側空気11は、次に第2冷凍サイクル200の蒸発器203を通過する。その際、第1冷凍サイクル100において室内側空気11が十分に冷却されていない場合には、第2冷凍サイクル200を運転することで室内側空気11が必要な温度まで冷却される。第2冷凍サイクル200の蒸発器203を通過して冷却された室内側空気は、室内側空気吹出ダクト5を通して密閉筐体301内部の下部側に戻され、発熱体冷却風303として利用される。
【0029】
次に、本実施形態に係る一体型空調装置1の効果について説明する。
【0030】
本実施形態によれば、室内側空気流路3の上流側に沸騰冷却式の第1冷凍サイクル100の蒸発器101が配置され、下流側に蒸気圧縮式の第2冷凍サイクル200の蒸発器203が配置される。また、室内側空気流路3には、室内側送風装置7が設けられ、室内側送風装置7の駆動により、室内側空気の流れ11が生成され、これにより、第1冷凍サイクル100及び第2冷凍サイクル200の熱交換を促進する。
【0031】
この構造により、発熱体302から排熱された高温の室内側空気11は、一体型空調装置1内にて最初に圧縮機等の動力を使用しない第1冷凍サイクル100によって冷却されるため、室外側空気12の温度が低い運転環境下(例えば冬季)においては、第2冷凍サイクル200を運転することなく密閉筐体301内部を冷却することが可能である。また、室外側空気12の温度が高い運転環境下(例えば夏季)において、第1冷凍サイクル100によって十分な冷却性能が得られない場合には、直ちに第2冷凍サイクル200を運転することで密閉筐体301内部を安定して冷却することが可能である。その場合であっても、室内側空気11は第1冷凍サイクル100によってある程度の冷却がされた状態で第2冷凍サイクル200に到達するため、従来のエアコンのみで冷却をおこなう場合に対しては第2冷凍サイクル200が受け持つべき冷却能力は小さくなり、それにより従来のエアコンによる冷却に比べて省動力にて冷却を行うことが可能となる。
【0032】
ここで、
図3を参照して、本実施形態の一体型空調装置1による密閉筐体301の冷却のための消費動力を、通常のエアコンを用いた冷却(比較例)と比較した結果について説明する。ここでは、各種条件として、密閉筐体301の内部の発熱量を30kW、発熱体302からの排熱304の温度を略45℃〜60℃、室外側空気12の温度を日本国内の東京都の各月の平均気温と設定したときの、本実施形態及び比較例の空調装置の消費電力量を試算した。
図3の横軸は1年のうちの各月を示し、
図3の縦軸は消費電力量[kWh]を示す。また、
図3では、網掛け模様の棒グラフが、本実施形態に係る一体型空調装置1の各月の消費電力量を示し、ドット柄の棒グラフが、比較例、すなわち従来のエアコンを密閉筐体301の内部に設置して室内の冷却を行った場合の各月の消費電力量を示す。
図3に示すように、本実施形態に係る一体型空調装置1は、従来のエアコンによる冷却に比べて、1年を通じて常時70〜80%程度の省動力効果が得られることが示された。
【0033】
このように、本実施形態に係る一体型空調装置1は、先に消費電力が相対的に少ない沸騰冷却式の第1冷凍サイクル100を用いて室内側空気の冷却を行い、次に蒸気圧縮式の第2冷凍サイクル200を用いて、外気温との温度差に起因して発生し得る第1冷凍サイクル100による冷却の不足分を補填することによって、外気温度の状態によらず高効率に室内を冷却することが可能となる。
【0034】
また、本実施形態の一体型空調装置1では、室内側空気流路3内にて第1冷凍サイクル100の蒸発器101と第2冷凍サイクル200の蒸発器203とを直列に配置しているため、室内側送風装置7を共用することが可能となっている。そのため、従来技術のように沸騰冷却装置とエアコンとを別々に設置した冷却方式(特許文献1参照)に対して、運転時の動力をより低減することが可能である。さらに、装置を安価に製造することが可能である。
【0035】
さらに、本実施形態の一体型空調装置1は、第1冷凍サイクル100及び第2冷凍サイクル200の各要素を含む、冷却機能を実現するための全ての機器を単一のハウジング9に内蔵する。この構成により、この一体型空調装置1を設置する際には、設置場所での冷媒配管の接続工事や冷媒充填工事が不要であり、空調装置自体の設置および運転準備が非常に容易になる。そのため、従来のエアコン設置工事の際に必要であった配管接続工事や冷媒充填工事において発生しうる接続不良や冷媒洩れ、冷媒充填量間違い等が発生しない。
【0036】
また、本実施形態の一体型空調装置1によれば、ハウジング9は、一体型空調装置1が設置された状態で室内側空気流路3が上方側から下方側へ室内側空気の流れ11を形成するよう構成され、室内側空気流路3の内部において、蒸発器101を上方側位置、蒸発器203を下方側位置に配置する。つまり、室内側空気流路3内の空気の流し方を空調装置の上部から下部に向けて流すような空気流路の構造としたため、密閉筐体301内部の発熱体からの排熱304が滞留しやすい密閉筐体301の上部より室内側空気を導入でき、効率良く密閉筐体301内部を冷却することが可能である。
【0037】
また、本実施形態の一体型空調装置1では、第1冷凍サイクル100の蒸発器101と第2冷凍サイクル200の蒸発器203とが上下方向に直列に配置されているため、第1冷凍サイクル100の蒸発器101にて発生した結露水は、第2冷凍サイクル200の蒸発器203の近傍を通って、第2冷凍サイクル200の蒸発器203の下部に配置されたドレンパン20に集められ、排水経路21を通して速やかに排水される。そのため、蒸発器ごとに個別のドレンパンおよび排水経路を設ける必要がなく、一体型空調装置1の構造を簡素なものとすることが可能である。
【0038】
また、本実施形態の一体型空調装置1によれば、
図1及び
図2に示すように、室内側空気流路3内にて蒸発器101,203を通過する室内側空気の通風方向(室内側空気の流れ11の方向)と、冷却時に蒸発器101,203表面に発生する結露水の排水方向とが略同一方向となるように、第1冷凍サイクル100の蒸発器101と第2冷凍サイクル200の蒸発器203が配置される。この構成により、蒸発器101、203に結露水が発生しても速やかに排水されることとなり、結露水が蒸発器101、203表面に滞留することによる通風抵抗増加による室内側空気11の風量低下を防止することが可能である。
【0039】
また、本実施形態の一体型空調装置1によれば、第1冷凍サイクル100の凝縮器102、及び、第2冷凍サイクル200の凝縮器202は、室外側空気流路6−1,6−2の内部に配置され、室外側空気流路6−1,6−2は、室外から吸入された室外側空気が凝縮器102を通過した後に室外へ吐出される室外側空気の流れ12Aと、室外から吸入された室外側空気が凝縮器202を通過した後に室外へ吐出される室外側空気の流れ12Bとを形成する。この構成により、第1冷凍サイクル100の凝縮器102と、第2冷凍サイクル200の凝縮器202が、それぞれ別系統から導入される室外側空気に放熱を行うことができるので、他方の凝縮器の放熱量の影響を受けることなく高効率な放熱が可能となる。
【0040】
[変形例]
次に、上記実施形態に係る一体型空調装置1の変形例について説明する。
【0041】
上記実施形態では、第1冷凍サイクル100の蒸発器101と第2冷凍サイクル200の蒸発器203とを、室内側空気流路3内にて直列に通風するように配置することとしているが、第2冷凍サイクル200の蒸発器203の取付部側面に室内側空気11をバイパスさせる空気流路(迂回流路)32を設け、そこに室内側空気11をバイパスさせるかどうかを切り替える切替ダンパ31を設けることもできる。これにより、第2冷凍サイクル200を運転せずに冷却可能な条件の時の室内側空気流路3の通風抵抗をさらに低減させ、室内側送風装置7の送風動力をより低減することで冷却運転時の消費動力をより低減することが可能となる。
【0042】
上記実施形態では、第1冷凍サイクル100の凝縮器102と第2冷凍サイクル200の凝縮器202とに対して、それぞれ室外側送風装置8−1、8−2を設けて個別に室外側空気との熱交換をさせているが、十分な送風性能を持つ単一の室外側送風装置を使用して、両方の冷凍サイクルの凝縮器102,202への送風装置を共用で使用してもよい。この場合、2系統の室外側空気流れ12A,12Bは、共通の吹出口に集約される。この構成により、一体型空調装置1の製造コストをより低減できる。
【0043】
上記実施形態では、一体型空調装置1と密閉筐体301とは室内側空気吸込みダクト4と室内側空気吹出しダクト5とで接続される構造としているが、一体型空調装置1と密閉筐体301とを一体化して筐体内の空調機能を一体化した構造としてもよい。この場合、例えば一体型空調装置1は密閉筐体301の内部に設置され、室外側空気流路6−1,6−2が密閉筐体301の室外と接続される構成とすることができる。
【0044】
上記実施形態では、一体型空調装置1のハウジング9に第1冷凍サイクル100と第2冷凍サイクル200とを内蔵した構造としているが、機器の構造として分割されており、装置の設置時に組み立てることによって空調装置として完成する構造であってもよい。言い換えると、ハウジング9が、それぞれがハウジング9の内部空間の一部を含む複数のユニットから成り、これらの複数のユニットを組み立てることにより室内側空気流路3及び室外側空気流路6が形成される構成とすることができる。
【0045】
例えば、(i)第1冷凍サイクル100を内蔵した上部ユニットと第2冷凍サイクル200を内蔵した下部ユニットで構成され、空調装置設置時に上部ユニットと下部ユニットとを結合することによって一体型空調装置1として完成する構造が挙げられる。または、(ii)室内側空気流路3側の室内ユニットと、室外側空気流路6−1、6−2側の室外ユニットとで構成され、空調装置設置時に室内ユニットと室外ユニットとを結合することによって一体型空調装置1として完成する構造が挙げられる。または、(iii)上記(i),(ii)の分割を実施した4つのユニットで構成され、空調装置設置時に4つのユニットを結合することによって一体型空調装置1として完成する構造が挙げられる。
【0046】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0047】
上記実施形態では、一体型空調装置1のハウジング9の内部構造として、室外側空気流路6が、第1冷凍サイクル100の要素を収容する室外側空気流路6−1と、第2冷凍サイクル200の要素を収容する室外側空気流路6−2とに区分される構成を例示したが、室外側空気流路6は、第1冷凍サイクル100の凝縮器102を通過する室外側空気の流れ12Aと、第2冷凍サイクル200の凝縮器202を通過する室外側空気の流れ12Bとを形成することができれば、単一の空間としてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、室外側空気流路6に形成される2系統の室外側空気の流れ12A,12Bが、それぞれ別の吸込口から吸入され、別の吹出口から吐出される構成を例示したが、各流れ12A,12Bが凝縮器102,202を通過する際に2系統に分かれていればよく、吸込口及び吹出口の少なくとも一方が共通であってもよい。