(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接触部材が前記変更部に設置されており、前記変更部が前記変更部の前記接触部材が設置されている部分の前記ヘッド部との距離の変更を行うことにより、前記接触状態の変更を行う、請求項1乃至請求項5のうちのいずれか一に記載された制動機構。
前記変更部が、基体と、前記基体に設置された回転駆動部と、前記回転駆動部により前記基体に設置された状態で周方向に回転し螺旋状の歯を有する回転軸と、前記螺旋状の歯と噛み合わされる歯を有し前記基体に設置され前記基体に対して相対的に移動し得る移動部分とを備え、
前記接触部材が、前記移動部分に設置された、
請求項1乃至請求項6のうちのいずれか一に記載された制動機構。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[構成と動作]
図1は、本実施形態の制動装置を適用し得る記録再生装置の例である記録再生装置411の構成を表すブロック図である。
【0015】
記録再生装置411は、記録再生機構401と制御部402と処理部403と駆動部404とを備える。
【0016】
記録再生機構401は、ヘッド部136と制動部131とを備える。
【0017】
制御部402は、記録再生機構401、処理部403及び駆動部404の各々で行われる動作の順番等を制御する。
【0018】
記録再生機構401のヘッド部136は、処理部403が送る情報を、図示しない記録媒体に記録する。ヘッド部136は、また、前記記録媒体に記録された情報を再生し、再生した情報(再生情報)を処理部403に送る。
【0019】
記録再生機構401の制動部131は、処理部403からの指示情報により、ヘッド部136への接触状態の変更を行う。
【0020】
処理部403は、ヘッド部136から送られた再生情報から、位置誤差情報を導出する。位置誤差情報は、ヘッド部136の
図2を参照して後述する記録再生部が読み取る前記媒体における位置が、前記記録媒体における情報列が記録されているべき位置からずれている程度を表す情報である。位置誤差情報(位置誤差信号)については、例えば、特許文献2に説明があるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0021】
処理部403は、位置誤差情報が所定の範囲外である場合は、制動部131に対し、前述の指示情報を送る。
【0022】
駆動部404は、ヘッド部136が前記記録媒体の記録再生ができるように前記記録媒体を駆動する。
【0023】
なお、記録再生装置411は、記録再生装置411が備える各構成に電力を供給する図示しない電源を備えている。
【0024】
図2は、
図1に表す記録再生機構401の例である記録再生機構401aの構成を表す概念図である。
【0025】
図2(a)は、記録再生機構401aの上面図である。
図2(b)は、記録再生機構401aを
図2(a)に表す線286に沿って切断した場合を想定した断面図である。記録再生機構401aは、磁気テープに対し磁気ヘッドにより情報を記録し、また、前記磁気テープに記録された情報を再生する、記録再生装置の、前記磁気ヘッド近傍の一部である。
図2(a)及び(b)には、前記磁気テープの例であるテープ106aを併せて表してある。
【0026】
なお、本実施形態の説明における上下左右は、対象とする図面における上下左右を表すことする。
【0027】
記録再生機構401aは、制動部131aと、ヘッド部136aと、ガイド101a、101bとを備える。制動部131aの位置291aと、ヘッド部136aの位置291bと、ガイド101aの
図2(a)に表す端部281a、281bと、ガイド101bの端部281c、281dとは、図示しない共通部材により互いに固定されている。制動部131a及びヘッド部136aは、
図1に表す制動部131及びヘッド部136の例である。
【0028】
テープ106aは、
図1に表す駆動部404により駆動され、
図2(b)に表す見方におけるガイド101a、101b上を矢印296aの向きに移動する。
【0029】
ヘッド部136aは、部材116aとヘッド111aとを備える。ヘッド111aは記録再生部108aを備える。
【0030】
ヘッド111aは、記録再生部108aを含む一体不可分の部材である。ここで、一体不可分とは、通常の方法では分解することが難しく、仮に分解したとしたら、分解したものを元通りに組み合わせるのが著しく困難という意味である。
【0031】
ヘッド部136aは、単体の部品の様相を呈し、他の部材への取り付け及び他の部材へからの取り外しが可能であり、いくつかの部品への分解及び分解した部品の再度の組み立てが可能な部分である。
【0032】
記録再生部108aは、テープ106aが矢印296aの向きに移動する際に、テープ106aに記録された磁気情報を電気信号に変換(再生)する。当該電気信号は、
図1に表す記録再生装置411の処理部403に送られる。また、記録再生部108aは、処理部403から送られる信号により、テープ106aに磁気情報を記録する。
【0033】
制動部131aは、位置設定部121aと部材126aとを備える。
【0034】
位置設定部121aは、
図1に表す処理部403から、前述の制動指示情報を受けると、次の動作を行う。
【0035】
位置設定部121aは、部材126aの端部276aがヘッド部136aの部材116aに接触していない場合は、部材126aを矢印296aの向きに移動させる。これにより部材126aの端部276aは、ヘッド部136aの部材116aに接触する。
【0036】
一方、位置設定部121aは、部材126aの端部276aがヘッド部136aの部材116aに接触している場合は、部材126aを矢印296aの逆向きに移動させる。これにより部材126aの端部276aは、ヘッド部136aの部材116aに接触していない状態になる。
【0037】
制動部131aは、上記動作により、記録再生部108aによるテープ106aへの情報の記録再生を妨げるヘッド部136の動きを抑える前述の制動を行う。
【0038】
例えば、当該動きがヘッド部136aの所定の共振による異常振動であるとする。当該共振が、部材126aが部材116aに接触していない状態で発生している場合は、部材126aが部材116aに接触することにより、例えば、ヘッド部136aの共振周波数が変更され得る。そして、当該共振周波数の変更により、前記異常振動が抑えられる場合がある。一方、当該共振が、部材126aが部材116aに接触している状態で発生している場合は、部材126aが部材116aに接触しなくなることにより、ヘッド部136aの共振周波数が変更され得る。そして、当該共振周波数の変更により、前記異常振動が抑えられる場合がある。
【0039】
あるいは、前記動きが、ヘッド部136aのぐらつきである場合も想定され得る。その場合は、部材126aが部材116aに接触することにより、部材126aが部材116aを支え、当該ぐらつきが抑えられる場合がある。
【0040】
さらに、位置設定部121aは、端部276aをヘッド部136aの部材116aに接触させる強さを多段階に切り替えても構わない。端部276aの部材116aへの接触の強さが弱い場合に前記動きが抑えられない場合でも、強い接触により前記動きが抑えられる場合が想定され得る。また、接触の強い場合と接触が無い場合との両方において前記動きが発生する場合でも、弱い接触により前記動きが抑えられる場合も想定され得る。前記多段階の切り替えは、上記場合にも対応した接触状態を調整し得る。
【0041】
部材126aは、変形可能な弾性材料であることがより望ましい。その理由は、部材126aが硬い材料だと、部材126aとヘッド部136aとの接触状態の調整が難しいためである。また、部材126aが硬い材料だと、部材126aを強くヘッド部136aに押し付けた際に、制動部131a又はヘッド部136aにおいて破損が生じる危険性があるからである。部材126aの詳細例は後述する。
【0042】
部材116aの形状及び大きさは任意である。
【0043】
図3は、
図2に表す位置設定部121aの第一の例である位置設定部166abの構成を表す概念図である。
図3(a)は、位置設定部166abの側面図である。
図3(b)は、位置設定部166abの
図3(a)に表す矢印199hの向きを見た場合を想定した図である。また、
図3(c)は、位置設定部166abの
図3(a)に表す矢印199iの向きを見た場合を想定した図である。
【0044】
位置設定部166abは、歯車212aと、駆動部213aと、部材211b乃至211dとを備える。
【0045】
部材211cと部材211dとは、基体146bに固定されている。
【0046】
部材211cには嵌合溝215aが形成されている。嵌合溝215aは、後述の部材211bの嵌合部214aが嵌合した状態で、部材211bを
図3(a)及び
図3(b)における縦方向に移動させることを可能にするための溝である。
【0047】
部材211dには駆動部213aが固定されている。
【0048】
駆動部213aは、駆動部213aの軸217aを順方向及び逆方向に回転させ得る。軸217aには歯車212aが固定されている。駆動部213aは、軸217aを回転させることにより、歯車212aを回転させ得る。
【0049】
歯車212aの歯216bは、部材211bの端部197bに形成された歯216aと噛み合っている。駆動部213aは、歯車212aを回転させることにより、部材211bを、
図3(a)及び
図3(b)における上下方向に移動させる得る。部材211bの移動量は、駆動部213aが軸217aを回転させる回転量により調整し得る。
【0050】
図3に表す構成において、部材211bに対し、
図2に表す部材126aを固定することにより、位置設定部166abは、部材126aを、
図2(b)に表す見方における左右方向に移動させ得る。その際に、部材126aを固定する部材211bの位置は、部材126aが
図2の左右方向に移動し得る限りにおいて任意である。なお、ここでいう、
図2(b)に表す見方における左右方向への移動は、
図2(b)に表す見方における左右方向成分を持つ方向への移動である。当該移動は、
図2(a)に表す見方における上下方向又は
図2(b)に表す見方における上下方向への移動をともなった左右方向への移動であっても構わない。
【0051】
図4は、
図2に表す位置設定部121aの第二の例である位置設定部166bの構成を表す概念図である。
図4(a)は、位置設定部166bの側面図である。また、
図4(b)は、位置設定部166bの
図4(a)に表す矢印199aの向きを見た場合を想定した図である。
【0052】
位置設定部166bは、部材211e、211f、211gと、駆動部213bと、歯車212bと、軸217bとを備える。
【0053】
部材211gの歯車部219aには歯216dが形成されている。
【0054】
部材211gには、部材211eに固定されている軸217bの径よりもやや大きい径の穴222aが形成されている。穴222aには軸217bが挿入されている。部材211gは、軸217bを中心に、矢印199bの向きに回転し得る。部材211gは、軸217bに形成された止め221aにより、軸217bからはずれないようになっている。
【0055】
駆動部213bは部材211eに固定されている。駆動部213bは軸217cを回転駆動することにより歯車212bを回転させ得る。歯車212bの歯216cは部材211gの歯216dと噛み合っている。そのため駆動部213bは、歯車212bを駆動することにより、部材211gを矢印199bの方向に回転させ得る。
【0056】
部材211gの端部197eには部材211fの端部197dが固定されている。そのため、駆動部213bによる歯車212bの駆動により、部材211fの端部197cは、軸217bを中心に、矢印199cの方向に回転し得る。
【0057】
従い、
図2に表す部材126aを端部197cに固定した場合には、位置設定部166bは部材126aを矢印199cの向きに移動させ得る。
【0058】
歯車212bに代えて、具体例の項で後述するような螺旋形状の歯を用い、当該螺旋状の歯を歯216dと噛み合わせる構造を用いても構わない。
【0059】
また、
図3及び
図4に表す構造の代わりに、ソレノイドと呼ばれている駆動素子を用いることも可能である。ソレノイドについては、例えば、非特許文献2に開示がある。ただし、
図2に表す部材126aの端部276aの位置設定を三段階以上にしたい場合は、ソレノイドよりも
図2及び
図3又は後述の具体例に表す方法の方が好ましいと考えられる。
【0060】
図5は、
図2に表す位置設定部121aの動作を表すイメージ図である。位置設定部121aの位置291aと部材116aの位置291bとはともに部材127aに固定されている。
【0061】
図5(a)は、部材126aの端部276aが部材116aの側部271aから離れている状態である。この状態から前述の制動指示情報が到達すると、
図5(b)に表すように、位置設定部121aは長さ281aを長くする。これにより、部材126aは右方に移動し、端部276aは部材116aの側部271aに接触する。
【0062】
図5(b)に表す状態から前述の制動指示情報が到達すると、
図5(a)に表すように、位置設定部121aは長さ281aを短くする。これにより、部材126aは左方に移動し、端部276aは部材116aの側部271aに非接触になる。
【0063】
前述のように位置設定部121aは、部材126aの端部276aの部材116aの側部271aへの接触の強さを複数段階に切り替えても構わない。
【0064】
位置設定部121aが部材126aを接触させるヘッド部136aの部材116aにおける位置は、テープ106aへの磁気情報の記録再生を妨げるヘッド部136の動きの状況により適宜選択され得る。例えば、
図6に表す上面図のように、位置設定部121aは部材126aの端部276aを部材116aの下側の側部271aに向けて接触させ得る構成にすることも可能である。
【0065】
位置設定部121aが部材126aを接触させる箇所は、ヘッド111aでも構わない。
図7に表すように、位置設定部121aの配置は、部材126aの端部276aがヘッド111aに接触され得るように設定されていても構わない。
【0066】
次に、
図2に表す部材126aの詳細例について説明する。
【0067】
図8は、部材126aの第一の例である部材126bを
図5に表す部材116aの側部271aに接触させた様子を表すイメージ図である。
図8(a)乃至(c)は、
図5(a)に表す見方の向きと同じ向きを見た場合を想定した側面図である。
図8(d)乃至(f)は上面図である。
【0068】
部材126bは、ゴム等の弾性部材である。
【0069】
部材126bは、端部276aが側部271aに接触する前は、
図8(a)及び(d)に表す形状である。
【0070】
図8(b)及び(e)に表すように、部材126bは、端部276aが側部271aに軽く接触した状態では、ほとんど変形しない。
【0071】
そして、
図8(c)及び(f)に表すように、部材126bは、位置設定部121aにより右方に移動させられることにより端部276aが側部271aに強く押し付けられた場合には、変形する。
【0072】
そして、部材126bは、その後に、位置設定部121aの端部277aが左方に移動した場合は、
図8(a)及び(d)に表す形状に戻る。
【0073】
部材126bの形状は、
図8に表す形状の他、種々の形状が想定され得る。また、部材126bは必ずしも一様な素材で構成される必要はない。部材126bは、例えば、内部に空洞が存在し、又は、筒状やスポンジ状でも構わない。
【0074】
図9は、部材126aの第二の例である部材126cを
図5に表す部材116aの側部271aに接触させた様子を表すイメージ図である。
図9(a)乃至(c)は、
図5(a)及び(b)に表す見方の向きと同じ向きを見た場合を想定した側面図である。
図9(d)乃至(f)は上面図である。
【0075】
部材126cは、湾曲した板ばね状の部材である。
【0076】
部材126cは、端部276aが側部271aに接触する前は、
図9(a)及び(d)に表す形状である。
【0077】
図9(b)及び(e)に表すように、部材126cは、端部276aが側部271aに軽く接触した状態では、ほとんど変形しない。
【0078】
そして、
図9(c)及び(f)に表すように、部材126cは、位置設定部121aにより右方に移動させられることにより端部276aが側部271aに強く押し付けられた場合には、さらに湾曲する。
【0079】
そして、部材126cは、その後に、位置設定部121aの端部277aが左方に移動した場合は、
図9(a)及び(d)に表す形状に戻る。
【0080】
図10は、部材126aの第三の例である部材126dを
図5に表す部材116aの側部271aに接触させた様子を表すイメージ図である。
図10(a)乃至(c)は、
図5(a)及び(b)に表す見方の向きと同じ向きを見た場合を想定した側面図である。上面図も
図10(a)乃至(c)に表す形状と同様である。
【0082】
部材126dは、端部276aが側部271aに接触する前は、
図10(a)に表す形状である。
【0083】
図10(b)に表すように、部材126dは、端部276aが側部271aに軽く接触した状態では、ほとんど変形しない。
【0084】
そして、
図10(c)に表すように、部材126dは、位置設定部121aにより右方に移動させられることにより端部276aが側部271aに強く押し付けられた場合には、左右方向に縮む。
【0085】
そして、部材126dは、その後に、位置設定部121aの端部277aが左方に移動した場合は、
図10(a)に表す形状に戻る。
【0086】
図11は、部材126aの第四の例である部材126eを
図5に表す部材116aの側部271aに接触させた様子を表すイメージ図である。
図10(a)乃至(c)は、
図5(a)及び(b)に表す見方の向きと同じ向きを見た場合を想定した側面図である。上面図も
図10(a)乃至(c)に表す形状と同様である。
【0087】
部材126eは、スプリングと他の部材とを組み合わせた部材である。当該他の部材は、例えば、弾性部材である。
【0088】
部材126eは、端部276aが側部271aに接触する前は、
図11(a)に表す形状である。
【0089】
図11(b)に表すように、部材126eは、端部276aが側部271aに軽く接触した状態では、ほとんど変形しない。
【0090】
そして、
図11(c)に表すように、部材126eは、位置設定部121aにより右方に移動させられることにより端部276aが側部271aに強く押し付けられた場合には、主にスプリングの部分が左右方向に縮む。
【0091】
そして、部材126eは、その後に、位置設定部121aの端部277aが左方に移動した場合は、
図10(a)に表す形状に戻る。
[処理フロー]
図12は、
図1に表す処理部403が行う
図2に表す制動部131aの制御処理の処理フロー例を表す概念図である。
【0092】
図12に表す処理の前提として、処理部403は、
図2に表すヘッド部136aがテープ106aに記録された情報を再生した再生信号から前述の誤差情報を逐次作成し、
図1に表す記録部405に保持するものとする。
【0093】
まず、処理部403は、例えば、
図2に表すヘッド部136aによるテープ106aに記録された情報の再生開始により、
図12に表す処理をスタートする。
【0094】
そして、処理部403は、S102の処理として、
図1に表す記録部405から最新の位置誤差情報を読み込み、当該位置誤差情報が所定の範囲外であるか否かについての判定を行う。当該所定の範囲は、S102の処理のために予め定められた位置誤差情報についての範囲である。
【0095】
処理部403は、S102の処理による判定結果がnoの場合はS103の処理を行う。
【0096】
一方、処理部403は、S102の処理による判定結果がyesの場合はS106の処理を行う。
【0097】
処理部403は、S103の処理を行う場合は、同処理として、部材126aの端部276aがヘッド部136aの部材116aに接触しているかについての判定を行う。処理部403は、当該判定を、例えば、制動部131aの位置設定部121aを、端部276aが部材116aに接触する状態に設定しているかを判定することにより行う。
【0098】
処理部403は、S103の処理による判定結果がyesの場合は、S104の処理として、端部276aと部材116aとを非接触に設定する。処理部403は当該設定を、位置設定部121aを、端部276aと部材116aとが非接触になる状態に設定することにより行う。
【0099】
そして、処理部403はS105−1の処理を行う。
【0100】
一方、処理部403は、S103の処理による判定結果がnoの場合は、S105の処理として、端部276aと部材116aとを接触させる設定を行う。処理部403は当該設定を、位置設定部121aを、端部276aと部材116aとが接触する状態に設定することにより行う。
【0101】
そして、処理部403はS105−1の処理を行う。
【0102】
処理部403は、S105−1の処理を行う場合は、同処理として、時刻tをゼロに設定し、時刻t=0からの経過時間の測定を開始する。
【0103】
そして、処理部403は、S105−2の処理として、S105−1の処理により設定した時刻t=0から所定時間を経過したかを判定する。S105−2は、S104又はS105の処理を受けて、端部276aとヘッド部136aとが実際に接触し、あるいは、実際に非接触になるのを待つ趣旨で行う処理である。
【0104】
処理部403は、S105−2の処理による判定結果がyesの場合は、S106の処理を行う。
【0105】
一方、処理部403は、S105−2の処理による判定結果がnoの場合は、S105−2の処理を再度行う。
【0106】
処理部403は、S106の処理を行う場合は、同処理として、
図12に表す処理を終了するかについての判定を行う。処理部403は、当該判定を、例えば、終了情報の外部からの入力の有無を判定することにより行う。当該終了情報は、例えば、
図2に表すヘッド部136aによるテープ106aに記録された情報の再生終了により、処理部403に入力される。 処理部403は、S106の処理による判定結果がyesの場合は、
図12に表す処理を終了する。
【0107】
一方、処理部403は、S106の処理による判定結果がnoの場合は、S102の処理を再度行う。
【0108】
図13乃至
図16は、
図1に表す処理部403が行う
図2に表す制動部131aにヘッド部136aへの多段階の接触を行わせる制御処理の処理フロー例を表す概念図である。
【0109】
図13乃至
図16に表す処理の前提として、処理部403は、
図2に表すヘッド部136aがテープ106aに記録された情報を再生した再生信号から前述の誤差情報を逐次作成し、
図1に表す処理部403の記録部405に保持するものとする。
【0110】
まず、処理部403は、例えば、
図2に表すヘッド部136aによるテープ106aに記録された情報の再生開始により、
図12に表す処理をスタートする。
【0111】
そして、処理部403は、S201の処理として、最新の位置誤差情報を
図1に表す記録部405から読み込み、当該位置誤差情報が所定の範囲にあるかについての判定を行う。当該所定の範囲は、S201の処理及び後述のS213、S223及びS233の処理のために予め設定された、位置誤差情報の許容範囲である。
【0112】
処理部403は、S201の処理による判定結果がyesの場合は、S241の処理を行う。
【0113】
一方、処理部403は、S201の処理による判定結果がnoの場合は、S202の処理を行う。
【0114】
処理部403は、S202の処理を行う場合は、同処理として、部材126aの端部276aがヘッド部136aの部材116aに接触しているかについての判定を行う。処理部403は、当該判定を、例えば、位置設定部121aを、部材126aの端部276aがヘッド部136aの部材116aに接触する状態に設定しているかを判定することにより行う。
【0115】
処理部403は、S202の処理による判定結果がyesの場合は、S203の処理を行う。
【0116】
一方、処理部403は、S202の処理による判定結果がnoの場合は、
図14を参照して後述するS210の処理を行い、その後にS241の処理を行う。
【0117】
処理部403は、S203の処理を行う場合は、同処理として、端部276aの部材116aへの接触状態がレベル1かについての判定を行う。レベル1の接触状態は、比較的弱い接触状態である。レベル1の接触状態は、例えば、
図8(b)、(e)、
図9(b)、(e)、
図10(b)及び
図11(b)に表す接触状態である。処理部403は、当該判定を、例えば、位置設定部121aを接触状態がレベル1になるように設定しているかを判定することにより行う。
【0118】
処理部403は、S203の処理による判定結果がyesの場合は、
図15を参照して後述するS220の処理を行い、その後にS241の処理を行う。
【0119】
一方、処理部403は、S203の処理による判定結果がnoの場合は、
図16を参照して後述するS230の処理を行い、その後にS241の処理を行う。S203の処理による判定結果がnoの場合は、端部276aの部材116aへの接触状態がレベル2である場合に相当する。レベル2の接触状態は、レベル1の接触状態よりも強い接触状態である。レベル2の接触状態は、例えば、
図8(c)、(f)、
図9(c)、(f)、
図10(c)及び
図11(c)に表す接触状態である。処理部403は、当該判定を、例えば、位置設定部121aを接触状態がレベル2になるように設定しているかを判定することにより行う。
【0120】
処理部403は、S241の処理を行う場合は、同処理として、
図13乃至
図16に表す処理を終了するかについての判定を行う。処理部403は、当該判定を、例えば終了情報の入力の有無を判定することにより行う。当該終了情報は、例えば、
図2に表すヘッド部136aによるテープ106aに記録された情報の再生終了により、処理部403に入力される。
【0121】
処理部403は、S241による判定結果がyesの場合は、
図13乃至
図16に表す処理を終了する。
【0122】
一方、処理部403は、S241による判定結果がnoの場合は、S201の処理を再度行う。
【0123】
図14は、
図13に表すS210の処理の処理フロー例を表す概念図である。
【0124】
処理部403は、まず、S212の処理として、部材126aの端部のヘッド部136aの部材116aへの接触レベルをレベル1に設定する。処理部403は、当該設定を、位置設定部121aを、端部276aと部材116aとの接触レベルがレベル1になる状態に設定することにより行う。
【0125】
そして、処理部403は、S212−2の処理として、所定時間が経過したかを判定する。S212−2は、S212の処理を受けて、端部276aとヘッド部136aとの接触レベルが実際にレベル1になるのを待つ趣旨で行う処理である。
【0126】
処理部403は、S212−2の処理による判定結果がyesの場合は、S213の処理を行う。
【0127】
一方、処理部403は、S212−2の処理による判定結果がnoの場合は、S212−2の処理を再度行う。
【0128】
処理部403は、S213の処理を行う場合は、同処理として、最新の位置誤差情報を
図1に表す記録部405から読み込み、当該位置誤差情報が前述の所定の範囲にあるかについての判定を行う。
【0129】
処理部403は、S213による判定結果がyesの場合は、
図13に表すS241の処理を行う。
【0130】
一方、処理部403は、S213による判定結果がnoの場合は、S214の処理として、端部276aの部材116aへの接触レベルをレベル2に設定する。処理部403は当該設定を、位置設定部121aを、端部276aと部材116aとの接触レベルがレベル2になる状態に設定することにより行う。
【0131】
そして、処理部403は、S214−2の処理として、所定時間が経過したかを判定する。S214−2は、S214の処理を受けて、端部276aとヘッド部136aとの接触レベルが実際にレベル2になるのを待つ趣旨で行う処理である。
【0132】
処理部403は、S214−2の処理による判定結果がyesの場合は、
図13のS241の処理を行う。
【0133】
一方、処理部403は、S214−2の処理による判定結果がnoの場合は、S214−2の処理を再度行う。
【0134】
図15は、
図13に表すS220の処理の処理フロー例を表す概念図である。
【0135】
処理部403は、
図13に表すS203のyesの次に、S222の処理として、部材126aの端部276aのヘッド部136aの部材116aへの接触レベルをレベル2に設定する。処理部403は当該設定を、位置設定部121aを、端部276aと部材116aとの接触レベルがレベル2になる状態に設定することにより行う。
【0136】
そして、処理部403は、S222−2の処理として、所定時間が経過したかを判定する。S222−2は、S222の処理を受けて、端部276aとヘッド部136aとの接触レベルが実際にレベル2になるのを待つ趣旨で行う処理である。
【0137】
処理部403は、S222−2の処理による判定結果がyesの場合は、S223の処理を行う。
【0138】
一方、処理部403は、S222−2の処理による判定結果がnoの場合は、S222−2の処理を再度行う。
【0139】
処理部403は、S223の処理を行う場合は、同処理として、最新の位置誤差情報を
図1に表す記録部405から読み込み、当該位置誤差情報が前述の所定の範囲にあるかについての判定を行う。
【0140】
処理部403は、S223による判定結果がyesの場合は、
図13に表すS241の処理を行う。
【0141】
一方、処理部403は、S223による判定結果がnoの場合は、端部276aと部材116aとを非接触に設定する。処理部403は当該設定を、位置設定部121aを、端部276aと部材116aとが非接触になる状態に設定することにより行う。
【0142】
そして、処理部403は、S224−2の処理として、所定時間が経過したかを判定する。S224−2は、S224の処理を受けて、端部276aとヘッド部136aとが実際に非接触になるのを待つ趣旨で行う処理である。
【0143】
処理部403は、S224−2の処理による判定結果がyesの場合は、
図13に表すS241の処理を行う。
【0144】
一方、処理部403は、S224−2の処理による判定結果がnoの場合は、S224−2の処理を再度行う。
【0145】
図16は、
図13に表すS230の処理の処理フロー例を表す概念図である。
【0146】
処理部403は、
図13に表すS203のnoの次に、S232の処理として、端部276aと部材116aとを非接触に設定する。処理部403は当該設定を、位置設定部121aを、端部276aと部材116aとが非接触になる状態に設定することにより行う。
【0147】
そして、処理部403は、S232−2の処理として、所定時間が経過したかを判定する。S232−2は、S232の処理を受けて、端部276aとヘッド部136aとが実際に非接触になるのを待つ趣旨で行う処理である。
【0148】
処理部403は、S232−2の処理による判定結果がyesの場合は、S233の処理を行う。
【0149】
一方、処理部403は、S232−2の処理による判定結果がnoの場合は、S232−2の処理を再度行う。
【0150】
そして、S223の処理として、最新の位置誤差情報を
図1に表す記録部405から読み込み、当該位置誤差情報が前述の所定の範囲にあるかについての判定を行う。
【0151】
処理部403は、S233による判定結果がyesの場合は、
図13に表すS241の処理を行う。
【0152】
一方、処理部403は、S233による判定結果がnoの場合は、S234の処理として、端部276aと部材116aとの接触状態をレベル1にする。処理部403は当該設定を、位置設定部121aを、端部276aと部材116aとの接触レベルがレベル1になる状態に設定することにより行う。
【0153】
そして、処理部403は、S234−2の処理として、所定時間が経過したかを判定する。S234−2は、S234の処理を受けて、端部276aとヘッド部136aとの接触状態が実際にレベル1になるのを待つ趣旨で行う処理である。
【0154】
処理部403は、S234−2の処理による判定結果がyesの場合は、
図13に表すS241の処理を行う。
【0155】
一方、処理部403は、S234−2の処理による判定結果がnoの場合は、S234−2の処理を再度行う。
[具体例]
以下、本実施形態の制動部を磁気テープ装置に適用する具体例について説明する。
【0156】
図17は、磁気テープ装置の機構部の具体例である機構部211を表す斜視図である。
【0157】
機構部211は、
図1に表す駆動部404を備える部分である。
【0158】
機構部211は、ローダ機構200と、スレッダ機構201と、リールモータ203と、デッキベース202とを備える。
【0159】
ローダ機構200は、磁気テープを収容した磁気テープカートリッジを機構部211の内部へ搬送する部分である。
【0160】
スレッダ機構201は、機構部211内に設置されたリールへ、磁気テープカートリッジの磁気テープを搬送する機構である。リールモータ203は、磁気テープカートリッジ内のリールを回転させるためのリールモータである。
図17では表されていないが、機構部211は、機構部211が備えるリールを回転させるためのリールモータを、別途備える。
【0161】
デッキベース202は、機構部211の各構成や、ヘッド部、制動部及び制御基板を設置するためのベース部品である。
【0162】
図18は、磁気テープ装置の制御基板の具体例である制御基板102を表す図である。
【0163】
図1に表す制御部402及び処理部403は、ハードウエア構成としては、制御基板102に含まれる部品で構成される。制御基板102は、
図17に表す機構部211の裏側(矢印296bの表す側)に設置されることが想定されている。
【0164】
図19は、制動部、ヘッド部及びデッキベース部の具体例である、制動部131w、ヘッド部136w及び
図17に表すデッキベース202を表す斜視図である。
【0165】
図19に表すデッキベース202は、
図17に表す機構部211の矢印296bの向き(裏側)を見た場合を想定したものである。デッキベース202は、
図2を参照しての説明の際に述べた図示しない共通部材の具体例である。
【0166】
制動部131wは、
図2に表す制動部131aの具体例である。制動部131wの詳細構成は後述する。
【0167】
ヘッド部136wは、
図2に表すヘッド部136aの具体例である。
【0168】
ヘッド部136wは、デッキベース202の位置278aにはめ込まれてねじ300aにより固定されることが想定されている。
【0169】
制動部131wは、デッキベース202の位置278bに載置された上でねじ300bにより固定されることが想定されている。
【0170】
なお、位置278cは、
図17に表すリールモータ203が、
図19に表す見方におけるデッキベース202の下側から載置されることが想定された位置である。
【0171】
また、位置278dは、
図17の説明の際に述べた、機構部211が備えるリールを回転させるためのリールモータが、
図18に表す見方におけるデッキベース202の裏側から載置されることが想定された位置である。
【0172】
図20は、
図19に表すヘッド部136wを表す図である。
【0173】
ヘッド部136wは、ヘッド111wと、ガイド102a、102bと、モータ112aと、ベース部117aとを備える。
【0174】
ヘッド111wは、
図2に表すヘッド111aに相当する部材である。
【0175】
図示しない磁気テープは、ガイド102a、ヘッド111w及びガイド102bの
図20に向かって手前側を左から右へ又は右から左へ通過することが想定されている。そして、ヘッド111aは、磁気テープが通過する際に、磁気テープに記録した磁気情報を電気信号に変換する。そして、ヘッド111wは、変換した電気信号を
図18に表す制御基板102の、
図1に表す処理部403に相当する部分に送る。
【0176】
ヘッド部136wは、
図20では見えないが上記構成以外にヘッド111wの高さ(
図20に表す矢印296dに平行な方向の距離)を変更する機構(高さ変更機構)を備えている。ヘッド111wは、当該高さ変更機構上に固定されている。そして、ヘッド部136wは、モータ112aを駆動することにより、当該高さ変更機構上のヘッド111wの高さを変更することができる。
【0177】
ベース部117aは、ヘッド111w、ガイド102a、102b及びモータ112aを設置するベース部品である。
【0178】
ベース部117a、ガイド102a、102b、モータ112a及び上述の高さ変更機構が、
図2に表す部材116aに相当する。
【0179】
図21は、
図19に表す制動部131wの分解図である。制動部131wは、
図4に表す位置設定部166bを応用して適用した具体例である。
【0180】
制動部131wは、ブラケット用ねじ509と、モータブラケット508と、モータ507とカバー512と、ウォームシャフト504とを備える。制動部131wは、さらに、軸受505a、505bと、ウォームホイールシャフト503と、ウォームホイール502と、ベース部品500とを備える。
【0181】
モータ507の本体208aは、モータブラケット508とブラケット用ねじ509とによりベース部品500に固定されることが想定されている。本体208aは、図示しない電源から供給された電力により、ギア511aを回転駆動する。
【0182】
ウォームシャフト504は、ギア511bと歯551aと、軸218a、218bとを備える。
【0183】
軸218a、218bは、ベース部品500に固定されることが想定される軸受505a、505bに挿入されることが想定されている。そして、ウォームシャフト504は、円周方向に回転し得る。
【0184】
ギア511bは、モータ507及びウォームシャフト504がベース部品500に設置された状態で、モータ507のギア511aと噛み合うことが想定されている。そして、モータ507は、同状態において、ギア511aを回転駆動することにより、ウォームシャフト504を回転駆動し得る。
【0186】
ウォームホイール502は、歯551bと、穴222wと、制振ばね501とを備える。
【0187】
ウォームホイール502は、穴222wにウォームホイールシャフト503を挿入した状態で、ウォームホイールシャフト503によりベース部品500に設置されている。同状態で、ウォームホイール502は、ウォームホイールシャフト503を中心として回転し得る。
【0188】
歯551bは、モータ507、ウォームシャフト504及びウォームホイール502をベース部品500に設置した状態で、ウォームシャフト504の螺旋状の歯551aと噛み合う。
【0189】
制振ばね501は、ウォームホイール502の穴222wの近傍に固定されている。
【0190】
制動部131wは、図示しない電源によりモータ507を駆動することにより、ウォームホイール502の制振ばね501を、ウォームホイールシャフト503を中心として回転させ得る。
【0191】
なお、ウォームホイール502の回転角度は、例えば、モータ507の回転量により調整することができる。あるいは、ウォームホイール502の回転角度は、図示しない光学センサを設置することにより調整しても構わない。
【0192】
制動部131wは、ウォームシャフト504の螺旋状の歯551aとウォームホイール502の歯551bとを噛み合わせる構造にすることにより小型化が図られている。
【0193】
図22は、
図21に表す制動部131wの動作の説明図である。
【0194】
図22(a)は、制動部131wを組み立てた状態を表す図である。
【0195】
図22(b)及び(c)は、制動部131wを組み立てた状態を、カバー512及びベース部品500を図示しないで表した図である。
【0196】
制動部131wは、制振ばね501の位置を、
図22(b)に表す第一の位置と
図22(c)に表す第二の位置との二段階に切り替える。
図22(b)に表す第一の位置から、モータ507を駆動しウォームホイール502を矢印296cの向きに所定の角度に回転させると、制振ばね501は
図22(c)に表す第二の位置になる。
【0197】
図23及び
図24は、
図19に表す制動部131wとヘッド部136wとをデッキベース202に設置した状態での、制動部131wの動作を表す図である。ただし、
図23及び
図24ではデッキベース202は表示を省略してある。
図23及び
図24は、ヘッド部136wについて、
図20に表す矢印296dの向き(裏側)を見た場合を想定した図である。
【0198】
図23は、
図22(a)及び(b)に表す、制振ばね501が前述の第一の位置の状態を表す。当該状態では、制振ばね501はヘッド部136wのベース部117aの接触部298から離れている。
【0199】
図24は、
図22(c)に表す、制振ばね501が前述の第二の位置の状態を表す。当該状態では、制振ばね501はヘッド部136wのベース部117aの接触部298に接触している。
【0200】
以上、本実施形態の記録再生装置を、主に、磁気テープに記録された磁気情報をヘッドで再生する記録再生装置の例について説明した。しかしながら、本実施形態の記録再生装置は、同様の構成を備え同様の課題を持つ記録再生装置であれば、他の記録再生装置であっても構わない。当該他の記録再生装置は、例えば、光ディスクに記録された情報を光学ヘッドで再生等する光ディスク装置である。
[効果]
本実施形態の制動部は、ヘッド部に発生する振動やぐらつきにより、ヘッドが読み取る記録媒体上の位置と、記録媒体における情報が記録された位置との誤差が所定の範囲を超えた場合に、制動用の部材の前記ヘッド部への接触状態を変更する。当該接触状態の変更には、接触していない状態から接触している状態への変更、接触している状態から接触していない状態への変更、及び、接触レベルの変更が含まれる。
【0201】
当該接触状態の変更により、例えば、前記誤差が所定の範囲を超える原因となっている振動の共振周波数の変更により当該振動が収まり、前記誤差が小さくなる場合があり得る。あるいは、例えば、当該接触状態の変更により、前記ヘッド部のぐらつきが抑えられ、前記誤差が小さくなる場合があり得る。
【0202】
そのため、前記制振部は前記接触状態の変更により、前記誤差を改善し得る。
【0203】
なお、前記制振部が、前記接触状態を三段階以上に切り替える場合は、前記振動を抑えあるいは前記ぐらつきを抑え得る前記接触状態を選択し得る確率が高くなる。そのため、前記制振部は、前記接触状態の変更により、前記誤差を改善できる確率をより高め得る。
【0204】
図25は、本発明の最小限の制動機構である制動機構131xの構成を表すブロック図である。
【0205】
制動機構131xは、接触部材126xと、変更部121xとを備える。
【0206】
接触部材126xは、図示しないヘッド部に対して相対的に移動する図示しない媒体に記録された記録情報列の記録情報を読み取る前記ヘッド部に接触し得る。
【0207】
変更部121xは、前記媒体における前記ヘッド部が読み取る位置と前記記録情報列の位置とのずれを表す情報が所定の範囲を超えた場合に、前記接触部材の前記ヘッド部との接触状態の変更を行う。
【0208】
例えば、前記ずれが、前記ヘッドの振動により生じている場合を想定する。その場合は、前記接触状態の変更により前記ヘッドの振動が抑えられ、前記ずれが改善される可能性がある。
【0209】
また、例えば、前記ずれが、前記ヘッドのぐらつきにより生じている場合を想定する。その場合は、前記接触状態の変更により前記ヘッドのぐらつきが抑えられ、前記ずれが改善される可能性がある。
【0210】
従い、制動機構131xは、前記接触部材の前記ヘッド部との接触状態の変更を変更することにより前記ずれを改善できる場合がある。
【0211】
そのため、制動機構131xは、上記構成により、[発明の効果]の項に記載した効果を奏する。
【0212】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で更なる変形、置換、調整を加えることができる。例えば、各図面に示した要素の構成は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。
【0213】
また、上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記述され得るが、以下には限られない。
【0214】
(付記A1)
相対的に移動する媒体に記録された記録情報列の記録情報を読み取るヘッド部に接触し得る接触部材と、
前記媒体における前記ヘッド部が読み取る位置と前記記録情報列の位置とのずれを表す情報が所定の範囲を超えた場合に、前記接触部材の前記ヘッド部との接触状態の変更を行う、変更部と、
を備える制動機構。
【0215】
(付記A2)
前記接触状態の変更が、前記接触部材の前記ヘッド部への接触の有無の変更を含む、付記A1に記載された制動機構。
【0216】
(付記A3)
前記接触状態の変更が、前記接触部材の前記ヘッド部への接触レベルの変更を含む、付記A1又は付記A2に記載された制動機構。
【0217】
(付記A4)
前記接触状態が三段階以上である、付記A1乃至付記A3のうちのいずれか一に記載された制動機構。
【0218】
(付記A5)
前記接触部材が、前記ヘッド部への接触により変形し得る弾性を有する、付記A1乃至付記A4のうちのいずれか一に記載された制動機構。
【0219】
(付記A6)
前記接触部材がばねを備える、付記A1乃至付記A5のうちのいずれか一に記載された制動機構。
【0220】
(付記A7)
前記ばねが板ばねである、付記A6に記載された制動機構。
【0221】
(付記A8)
前記接触部材が前記変更部に設置されており、前記変更部が前記変更部の前記接触部材が設置されている部分の前記ヘッド部との距離の変更を行うことにより、前記接触状態の変更を行う、付記A1乃至付記A7のうちのいずれか一に記載された制動機構。
【0222】
(付記A9)
前記変更部が、基体と、前記基体に設置され歯車を回転駆動させ得る回転駆動部と、前記基体に設置された状態で前記歯車と噛み合わされる歯を有する移動部分とを備え、
前記接触部材が、前記移動部分に設置された、
付記A1乃至付記A8のうちのいずれか一に記載された制動機構。
【0223】
(付記A10)
前記変更部が、基体と、前記基体に設置された回転駆動部と、前記回転駆動部により前記基体に設置された状態で周方向に回転し螺旋状の歯を有する回転軸と、前記螺旋状の歯と噛み合わされる歯を有し前記基体に設置され前記基体に対して相対的に移動し得る移動部分とを備え、
前記接触部材が、前記移動部分に設置された、
付記A1乃至付記A9のうちのいずれか一に記載された制動機構。
【0224】
(付記A11)
前記移動部分が、前記基体に対して相対的に回転し得る回転部分である、
付記A10に記載された制動機構。
【0225】
(付記A12)
前記ずれを表す情報が、前記記録情報を読み取った信号から導出された位置誤差情報である、付記A1乃至付記A11のうちのいずれか一に記載された制動機構。
【0226】
(付記A13)
前記接触状態の変更により前記ヘッド部の振動を抑える場合がある、付記A1乃至付記A12のうちのいずれか一に記載された制動機構。
【0227】
(付記A14)
前記接触状態の変更により前記ヘッド部の共振周波数が変更する場合がある、付記A1乃至付記A13のうちのいずれか一に記載された制動機構。
【0228】
(付記A15)
前記接触状態の変更により前記ヘッド部のぐらつきを抑える場合がある、付記A1乃至付記A14のうちのいずれか一に記載された制動機構。
【0229】
(付記A16)
前記媒体が磁気テープである、付記A1乃至付記A15のうちのいずれか一に記載された制動機構。
【0230】
(付記A17)
前記媒体が光ディスクである、付記A1乃至付記A15のうちのいずれか一に記載された制動機構。
【0231】
(付記B1)
付記A1乃至付記A18のうちのいずれか一に記載された制動機構と前記ヘッド部とを備える、ヘッド構造。
【0232】
(付記C1)
付記B1に記載されたヘッド構造と、
読み取った前記記録情報を処理する処理部と、
前記媒体を前記ヘッド部に対して相対的に移動させる駆動部と、
を備える記録再生装置。
【0233】
(付記D1)
相対的に移動する媒体に記録された記録情報列の記録情報を読み取るヘッド部が読み取る前記媒体における前記ヘッド部が読み取る位置と前記記録情報列の位置とのずれを表す情報が所定の範囲を超えた場合に、前記ヘッド部に接触し得る接触部材の前記ヘッド部との接触状態の変更を行う、制動方法。
【0234】
(付記E1)
相対的に移動する媒体に記録された記録情報列の記録情報を読み取るヘッド部が読み取る前記媒体における前記ヘッド部が読み取るの位置と前記記録情報列の位置とのずれを表す情報が所定の範囲を超えた場合に、前記ヘッド部に接触し得る接触部材の前記ヘッド部との接触状態の変更を行う処理を、コンピュータに実行させる、制動プログラム。