(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態による注入医療デバイスの上面斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態による、作動される前の段階(pre-activated stage:以下、作動前段階)のボタンと針カバーとの間の関係を示す斜視図である。
【
図4】上部カバーが除去された、作動前段階における
図1のデバイスの上面斜視図である。
【
図5】作動前段階における
図1のデバイスのパワーパックの部品の相互作用を示す部分斜視図である。
【
図7】
図1のデバイスのバレルプランジャ(barrel plunger)の斜視図である。
【
図8】
図1のデバイスの外側入れ子式部材の斜視図である。
【
図9】
図1のデバイスの針駆動プランジャ斜視図である。
【
図11】
図1のデバイスのレバーの底面斜視図である。
【
図12】
図1のデバイスの針アームの斜視図である。
【
図13】
図1のデバイスの針作動スライダの斜視図である。
【
図14】
図1のデバイスのスイッチアームの上面斜視図である。
【
図15】
図1のデバイスのスイッチアームの底面斜視図である。
【
図16】
図1のデバイスのロッカー(rocker)の斜視図である。
【
図18】
図1のデバイスのバルブカバーの一側面の斜視図である。
【
図20】明瞭にするためにいくつかの要素が除去された、作動前段階における
図1のデバイスの斜視図である。
【
図21】上面カバーが除去された、第1の作動段階における
図1のデバイスの上面斜視図である。
【
図22】上面カバーが除去された、第1の作動段階における
図1のデバイスの断面図である。
【
図23】上面カバーが除去された、第2の作動段階における
図1のデバイスの断面図である。
【
図24】第2の作動段階における
図1のデバイスの上面斜視図である。
【
図25】本発明の実施形態によるポート、患者針、および針カバー部分の断面図である。
【
図26】本発明の実施形態による
図25のポートおよび患者針ならびにボタンロック部分の上面斜視図である。
【
図27】本発明の実施形態によるボタン引き戻し機構の上面斜視図である。
【
図28】本発明の実施形態によるボタン引き戻し機構の上面斜視図である。
【
図29】本発明の別の実施形態によるボタン引き戻し機構の上面斜視図である。
【
図30】本発明の別の実施形態によるボタン引き戻し機構の上面斜視図である。
【
図31】本発明の別の実施形態によるボタン引き戻し機構の底面斜視図である。
【
図32】本発明の実施形態による薬物送達デバイスの作動を選択的に防止するためのロック機構(locking mechanism)の上面斜視図である。
【
図34】本発明の実施形態による段階表示機構の実施形態の上面斜視図である。
【
図35】本発明の実施形態による段階表示機構の実施形態の底面斜視図である。
【
図36】本発明の別の実施形態による針作動スライダの上面斜視図である。
【
図37】本発明の別の実施形態による上面カバーの部分上面斜視図である。
【
図38】本発明の別の実施形態によるスイッチアームの上面斜視図である。
【
図39】本発明の別の実施形態による
図38のスイッチアームおよび針作動スライダの上面斜視図である。
【
図40】本発明の実施形態による底面カバーの部分上面斜視図である。
【
図42】本発明の別の実施形態によるスイッチアームの上面斜視図である。
【
図43】本発明の別の実施形態によるスイッチアームの底面斜視図である。
【
図45】本発明の実施形態による別の針アームの上面斜視図である。
【
図46】本発明の実施形態による別の針アームの上面斜視図である。
【
図47】本発明の実施形態によるポートの上面斜視図である。
【
図48】
図1のデバイスのパワーモジュール要素の後面斜視図である。
【
図49】本発明の別の実施形態によるパワーモジュール要素の後面斜視図である。
【
図50】本発明の別の実施形態によるシャッターラッチ機構の底面斜視図である。
【
図51】本発明の別の実施形態によるシャッターラッチ機構の底面斜視図である。
【
図52】本発明の実施形態によるフレームの後面斜視断面図である。
【
図53】本発明の実施形態による針駆動プランジャの上面斜視図である。
【
図54】本発明の実施形態による針駆動プランジャの上面斜視図である。
【
図55】本発明の実施形態によるシャッターの上面斜視図である。
【
図56】本発明の実施形態によるシャッターの上面斜視図である。
【
図57】本発明の実施形態による2ピースバレルプランジャの上面斜視分解図である。
【
図58】本発明の別の実施形態によるプランジャリンク(plunger link)の上面斜視図である。
【
図59】上面カバーが除去された、作動前段階における本発明の実施形態による医療デバイスの上方斜視後面図である。
【
図60】いくつかの要素が除去された、
図59のデバイスの上方斜視前面図である。
【
図61】本発明の別の実施形態によるロッカーの上面斜視図である。
【
図62】本発明の実施形態によるバルブアセンブリの部分の分解上面斜視図である。
【
図63】本発明の実施形態によるバルブアセンブリの断面斜視平面図である。
【
図66】本発明の別の実施形態によるバルブアセンブリの底面斜視図である。
【
図68】シリンジを収容するためのタブ(tub)の斜視図である。
【
図69】本発明の実施形態による流体経路サブアセンブリの斜視図である。
【
図70】
図69の流体経路サブアセンブリの分解斜視図である。
【
図71】
図1のデバイス内への流体経路サブアセンブリの設置を示す斜視図である。
【
図72】本発明の別の実施形態による流体経路サブアセンブリの斜視図である。
【
図73】明瞭にするためにバルブカバーが除去された、
図72の流体経路サブアセンブリの部分断面図である。
【
図74】
図72の流体経路サブアセンブリの拡大された部分断面図である。
【
図75】
図72の流体経路サブアセンブリの隔壁ホルダの斜視図である。
【
図76】
図72の流体経路サブアセンブリのコネクタの斜視図である。
【
図77】
図1のデバイスのアセンブリのプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態の上記および/または他の態様および利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明からより容易に認識されよう。
【0012】
以下では、添付の図面に示される本発明の実施形態が詳細に参照され、図面では、全体を通して同様の参照番号が同様の要素を参照する。本明細書に説明される実施形態は、図面を参照することにより本発明を例示するが限定はしない。当業者には理解されるように、上へ、下へ、底面、および上面などの用語は相対的であり、例示を助けるために使用されるが限定するものではない。
【0013】
図1は、患者に薬剤を注入するための注入デバイスすなわち注入器100の上面斜視図である。薬剤受容者以外のユーザ(たとえば医療専門家)がデバイス100を使用することができるが、簡潔にするため、以下では用語「ユーザ」が患者または他のユーザを指すために利用される。デバイス100は、一緒に本体106を形成する上面カバー102および底面カバー104を有する。デバイス100はまた、リザーバまたはシリンジバレル108、ボタン110、およびステータスビューポート(status viewport)112を含む。ステータスビューポート112を通して、後でより詳細に説明されるように、ユーザは、薬剤の注入の進捗を見ることができる。たとえば、デバイス100は、3つの段階、すなわち、(作動の準備ができている)作動前段階、第1の作動段階、および投与終了段階すなわち第2の作動段階において機能することができる。一実施形態によれば、インジケータが、ビューポート112を通して目視可能になっており、これら3つの段階のそれぞれを表示する。例として、3つの段階を表すために3つのカラーが使用され得る。他の例として、3つの番号、3つの記号、3つの文字、または3つの語または句が、ビューポート112を通して目視可能になっており、3つの段階を表す。一実施形態によれば、
図1に示すように、ビューポート112の部分113が傾斜されている。これは、ビューポート112内へ光を反射し、ユーザがデバイス100のステータスを見るのを補助する。
【0014】
図2は、取り外し可能な針カバー114を含むデバイス100の底面斜視図である。好ましくは、針カバー114は、ツーショット成形プロセスで製造される。
図2に示されるように、針カバー114のつまみ(tab)116は、好ましくは、デバイス200の底部に実質的に平行にまたは当接して折り重なり、デバイス200の底部には、デバイスを患者の皮膚に付着するための接着物(adhesive)118がある。一実施形態によれば、接着物118は、底面カバー104の片側に固着され、反対側に患者接着物を有する接着性パッドである。好ましくは、取り外し可能な接着性ライナーが、患者接着物を保護し、デバイスを患者の皮膚に固着する前に除去される。
【0015】
一実施形態によれば、
図2に示されるように、底面カバー104はまた、1つまたはもっと多いアクセススロット119を含み、それを通して、組立者は、デバイス100の組立中に、たとえば、ボタン110および/または針カバー114にアクセスすることができる。
【0016】
図3は、作動前段階におけるボタン110と針カバー114との間の関係を示す斜視図である。
図3に示されるように、針カバー114は、底面カバー104を貫通して延び、ボタン110の係合孔122に係合する安全延長部120を含む。この係合は、針カバー114の除去前に、ボタン110がデバイス100を動かし作動させることを防止する。
【0017】
一実施形態によれば、安全延長部120および針カバー114は、単体構造として一体化して形成される。別の実施形態によれば、安全延長部120は、当初は別個の要素として形成され、その後、たとえば、安全延長部を針カバー114の凹部に嵌め込む、または接着物を使用することによって、針カバー114に接合される。
【0018】
針カバー114を除去するために、ユーザは、底面カバー104に対して実質的に直角に延びるようにヒンジ117(たとえば一体ヒンジ117)を中心につまみ116を展開して、デバイス100から針カバー114を引き出し、それにより、中空患者針124からカバーを外し、ボタン110の動きを可能にする。好ましくは、ユーザは、解放ライナーを除去し、次いで針シールド114を除去し、それにより、後でより詳細に説明されるようにボタン110を動くように解放する。オプションで、ユーザは針カバー114を除去した後に接着物118から解放ライナーを除去し、または、それらは組み合わされたやり方で除去される。
【0019】
一実施形態によれば、解放ライナーと針カバー114が連結され、注入デバイスからの除去後に解放ライナーは針カバー114上に保持される。そのような実施形態は、ユーザが連結された解放ライナーおよび針カバー114のリサイクルまたは廃棄を容易にすることを可能にする。解放ライナーと針カバーを連結する方法の例は、その開示がその全体として本明細書に組み込まれている同一人に所有された特許文献3として発行された国際出願に見出され得る。
【0020】
図4は、上部カバー102が除去された、作動前段階におけるデバイス100の上面斜視図である。デバイス100は、バルブカバー126、ロッカー128、針アーム130、ピボット134を中心に回動するレバー132、シャッター136、およびシャッター136を収容しその動きを案内するフレーム138を含む。参照のために、シャッター136は本体106の第1の端部に配置され、ロッカー128は本体106の第2の端部に配置されている。
【0021】
図5〜
図9は、作動前段階におけるデバイス100のパワーパック1380のいくつかの部品を示す。特に、
図5は、作動前段階におけるいくつかの部品のシャッター136との相互作用を示す部分斜視図である。明瞭にするため、シャッター136は
図5では透明であるものとして示されているが、シャッターの不透明度は本発明の範囲から逸脱することなく変化し得ることは、当業者には理解されよう。
図6は、
図5に示された部品の分解斜視図である。
図7は、バレルプランジャ152を示し、
図8は、外側入れ子式部材146を示し、
図9は、針駆動プランジャ166を示す。オプションで、パワーパック1380はフレーム138も含む。
【0022】
図6に最も明瞭に示されるように、シャッター136は、実質的にU字形にされたアーム切欠き部140、および、外側入れ子式部材146のスライドアーム144をスライド式に収容するための貫通アームスロット142を含む。シャッター136はまた、後でより詳細に説明されるように、ノッチ149をその上部に有するバレルプランジャ切欠き部148、および、バレルプランジャ152に係合するためのバレルプランジャ係合面150を有する。加えて、シャッター136は、シャッターラッチ156に選択的に係合するための水平に配向されたラッチスロット154を有する。さらに、シャッター136は、やはり後でより詳細に説明されるように、針駆動プランジャ166と係合するための第1の係合面162および第2の係合面164を画定する付勢アーム158および針駆動切欠き部160を含む。付勢アーム158は、デバイス100のバレル側に向けてシャッター136を付勢する。
【0023】
図5に示されるように、作動前段階において、バレルプランジャ152は、外側入れ子式部材146内に配置され、(
図6に最も良く示される)バレルシャッター係合構造168でシャッター136のバレルプランジャ係合面150に係合する。一実施形態によれば、バレルシャッター係合構造168は、一対の切欠き部によって、作動前段階においてシャッター136のノッチ149と係合するブリッジ構造169がその間に配置された状態で、画定される。バレルプランジャ152はまた、ストッパ172が配置される(たとえば、
図21参照)ストッパシート170、および一対の片持ちプランジャアーム174を含む。一対のプランジャフック176はそれぞれ、
図7に示されるように、片持ちプランジャアーム174の自由端に配置される。
【0024】
バレルスプリング178は、その第1の端部でフレーム138に係合する。バレルスプリング178は、バレルプランジャ152の環状キャビティ177内に配置され(
図7参照)、バレルスプリング178は、その第2の端部でバレルプランジャ152の内部に係合する。したがって、バレルスプリング178は、本体106の第2の端部に向けてバレルプランジャ152を付勢する。
【0025】
図5、
図6、および
図8に示されるように、外側入れ子式部材146は、その第1の端部から延びる一対のスライドアーム144を有し、また、バレルプランジャ152のたいおうする係合スロット182と係合する第2の端部から延びる一対の歯180を有する。加えて、片持ちアーム181および足部183が、外側入れ子部材146およびそれに連結された要素が揺動するのを防止するように、組立中に半径方向に内方へわずかにへこまされたまたは曲げられた安定化特徴部を形成する。作動前段階において、スライドアーム144は、シャッター136のアームスロット142およびアーム切欠き部140にスライド式に係合する。後でより詳細に説明されるように、および
図8に最も良く示されるように、加えて、外側入れ子式部材146は、バレルプランジャのプランジャフック176がスライド式に配置される止め溝182を有する。言い換えれば、溝182は、外側入れ子式部材146の内部の軸方向長さ全体には渡らない。
【0026】
図5、
図6、および
図9に示されるように、針駆動プランジャ166は、その第1の端部において、第1の作動段階中にシャッター136の第2の係合面164に係合するための第2の係合構造186を有する。一実施形態によれば、第2の係合構造186は、針駆動プランジャ166から延びる足部である。針駆動プランジャ166の反対側の第2の端部には、突出部188、ならびにスプリング係合面192およびスライダ係合面194を有するフランジ190がある。後でより詳細に説明されるように(
図20に示されるように)、突出部188およびスライダ係合面194は、位置針作動スライダ196に係合し、それを位置決めする。
【0027】
針駆動プランジャ166はまた、針駆動スプリング200を支持するための円筒部分198と、作動前段階中にシャッター136の第1の係合面162に係合するための第1の係合構造202とを有する。
図5、
図6、および
図9に示されるように、一実施形態における第1の係合構造202は針駆動プランジャ166の横溝である。一実施形態によれば、横溝の少なくとも1つの側面は傾けられまたは傾斜される。針駆動スプリング200は、スプリングの第1の端部でフレーム138に係合し、スプリングの第2の端部でフランジ190のスプリング係合面192に係合する。
【0028】
一実施形態によれば、シャッターラッチ156は、底面カバー104上に回動可能に配置され、シャッター136のラッチスロット154に選択的に係合するためのフック184を有する。先に言及されたように、作動前段階中に、シャッターラッチ156のフック184がラッチスロット154と係合される。加えて、
図10に示されるように、レバー132の阻止アーム204がシャッターラッチ156に係合し、それが回動するのを防止し、そうすることにより、フック184をラッチスロット154と係合するように維持し、したがって、シャッター136が動くのを防止する。一実施形態によれば、シャッターラッチは、たとえばスプリング(図示せず)によって、シャッター136から離れるように付勢される。
【0029】
図11は、レバー132の底面斜視図であり、先に説明された横方向に延びるピボット134および阻止アーム204を含み、また、デバイス100の動作中に針アーム130を付勢する負荷要素218を含む。レバーピボット134は、底面カバー102におけるレバーピボット取付け具135のたいおうする対(
図4参照)に可動に係合する。
【0030】
図12に示されるように、針アーム130は、第1の端部から横方向に延びる一対の戻り止めまたはウィング210、および第2の端部から横方向に延びる一対のピボット212を含む。ピボット212は、底面カバー102におけるアームピボット取付け具213のたいおうする対(
図4参照)に係合する。ポート238が針アーム130の第1の端部に取り付けられ、患者針124が針ハブまたはポート238から延びている。一実施形態によれば、患者針124は、尖った末端を備える中空であり、外科用ステンレス鋼で作られ、29ゲージを有し、約4〜6mmの皮下穿通のための11.5mmの全長を有する。患者針124の材料、ゲージ、端部処理、および長さが、本発明の範囲から逸脱することなく変更し得ることは当業者には理解されよう。たとえば、患者針の長さおよびゲージは、皮下注入または皮内注入のために最適化され得る。連結チューブ228(たとえば、
図27参照)は、バルブプレート232とポート238を連結して薬剤流路の部分を形成する。
【0031】
図13を参照すると、針アクチュエータまたはスダイダ196が、一対の負荷クリフ(loading cliffs)214、一対の深さ停止部216、一対の針引き戻しランプ(needle-retracting ramps)222、一対のピボットランプ224、および一対のピボットレッジ(pivot ledges)220を有する。後でより詳細に説明されるように、デバイス100の動作中に、スライダ196は、デバイス100の第2の端部に向かって動き、それによってデバイス100の部品のいくつかの動きを制御する。たとえば、可撓性針アーム130のウィング210が、作動前段階中に負荷クリフ214上に配置される。第1の作動段階中に、後でより詳細に説明されるように、スライダ196の変位により、ウィング210が負荷クリフ214から滑り落ちて深さ停止部216に接触し、深さ停止部216が患者針124の挿入深さを制限する。また、(
図11に示される)レバー132の負荷要素218がピボットレッジ220の下に配置され、それにより、レバー132およびボタン110が第1の作動段階中に持ち上がることを防止する。さらに、第2の作動段階中に、ウィング210が針引き戻しランプ222に乗って進むので、針124がデバイス100内に引き戻され、スライダ196がさらに前方へ移動するときに、負荷要素218がピボットランプ224によって持ち上げられるので、ボタン110が持ち上げられる。針引き戻しランプの角度は、本発明の範囲から逸脱することなく、針を引く望ましいタイミングまたは速度をもたらすように変更されてよい。
【0032】
スライダ196はまた、ステータスビューポート112を通して、作動前段階、第1の作動段階、および第2の作動段階をそれぞれ表示するための領域227、229、および231を有する段階表示構造226を含む。先に言及されたように、これらの領域のそれぞれは、デバイス100の動作の異なる段階を表すための異なる色、番号、文字、語、句、これらのインジケータの組み合わせ、または何らかの他のインジケータを有することができる。一実施形態によれば、
図13に示されるように、領域227、229、および231を収容する段階表示構造226の面が、ビューポート112に合致し、したがってビューポート112を通してより容易に目視可能であるように角度を付けて配置される。
【0033】
スライダ196の第2の端部は、
図14および
図15に示されるスイッチアーム206に接触する。スイッチアーム206は、その底部から延びる一対の脚柱(leg posts)を有し、
図16に示されるロッカー128のスイッチカラー(switch collar)246に係合するための、その上部から延びるロッカー柱208を有する。ロッカー128の中央部分248が、底面カバー104上の柱を中心に枢動し、プレート係合構造250が、ロッカー128のスイッチカラー246から反対の端部に配置される。ロッカー128の寸法、たとえば、スイッチカラー246と中央部分248との間の距離、または中央部分248とプレート係合構造250との間の距離が、所望される機械的利点をロッカーに与えるために本発明の範囲から逸脱することなく修正され得ることは、当業者には理解されよう。たとえば、ロッカー128の力出力に対するロッカーへの力入力の比は、好ましくは0.8:1.0から1.0:1.0である。比が増大するに従って、バルブを開くために針駆動スプリング200から必要とされる力が低減される。
【0034】
図17に示されるように、プレート係合構造250はバルブプレート232に係合する。一実施形態によれば、バルブプレート232は、プレート係合構造250に可動に連結される。しかしながら、好ましくは、プレート係合構造250は、バルブプレート232に単純に接触する。バルブプレート232は、バルブプレート232の運動中にバルブカバー126に対するバルブプレートの配向を維持する複数の案内ウィング252を含む。バルブプレート232はまた、中空バルブ針234に流体連結されたバルブポート254を含む。連結チューブ228すなわちチューブ228は、針アーム130の端部に配置されたポート238にバルブポート254を連結する。明瞭にするため、連結チューブ228は図面の大半から省略されているが、たとえば
図27には示されている。
【0035】
図18に示されるように、バルブカバー126は、バルブプレート232の案内ウィング252に対応する複数のスロット256を有する。スロット256は、バルブカバー126に対するバルブプレート232の変位の際に、案内ウィング252を案内する。バルブカバー126の反対側は、シリンジバレル108をバルブカバー126と固着するために、
図19に示されるように、フック260がその自由端に配置された一対の片持ちアーム258を含む。
【0036】
図20は、例示目的のためにいくつかの要素が除去された、作動前段階におけるデバイス100の斜視図である。針駆動プランジャ166の突出部188およびスライダ係合面194は、その第1の端部でスライダ196に係合する。第2の端部において、スライダ196が可動スイッチアーム206に係合し、その柱208がロッカー128に係合する。針アーム130の戻り止めまたはウィング210が、スライダ196の負荷クリフ214上に配置される。
【0037】
接着性ライナーを除去した後、ユーザは、デバイス100をユーザの皮膚に固着する。デバイス100を作動させて(
図21および
図22に示される)第1の作動段階に入れるために、ユーザはボタン110を前方へスライドさせ、前進運動の終わりにボタン110を押し下げる。一実施形態によれば、ユーザにとって、これは単一の運動のように感じる。たとえば、それは、ランプの上部に平坦な(水平の)部分を有するランプ上でボタン110をスライドさせるように感じられ得る。ボタン110を下向きに押すことが、ピボット134を中心にレバー132を回動させる。このレバー回動が、負荷要素218を下へ動かして、可撓性針アーム130の中央部分を曲げさせ、それにより針アーム130に負荷を与える。言い換えれば、針アーム130の中央部分の曲がりが、針アーム130の第1の端部(したがって患者針124)を付勢して下がるように回動させる。しかしながら、ウィング210が依然として負荷クリフ214上に位置するので、患者針124はデバイス100内に維持される。
【0038】
いったんレバー132が回動すると、阻止アーム204はもはやシャッターラッチ156の動きを阻止しない。また、いったんシャッターラッチ156が動くことを可能にされると、針駆動プランジャ166がスプリング178によって本体106の第2の端部に向けて付勢されるので、針駆動プランジャ166が動き、針駆動プランジャ166の第1の係合構造202の傾斜側面がシャッター136を上方に変位させる。これは、針駆動プランジャ166およびバレルプランジャ152を解放して、それぞれのスプリング178および200の力を受けて本体106の第2の端部に向けて長手方向に前方へ動くようにする。針駆動プランジャ166は、第2の係合構造186がシャッター136の第2の係合面164に接触するまで前方へ動く。スプリング200は、プランジャ166を前方へ動かし続ける。本発明の範囲から逸脱することなくイベントのタイミングが変更され得るが、負荷要素218は、針駆動プランジャ166の最初の前方への動きに先立って患者針を付勢することが好ましい。
【0039】
第2の係合構造186が第2の係合面164に接触するまでの針駆動プランジャ166の前方変位は、本体106の第2の端部に向けて前方へスライダ196を長手方向に変位させる。簡潔に言えば、このスライダ196の変位は、患者針124を本体106の外側に(患者の皮膚内に)延びるようにさせ、バルブを開かせ、それにより、チューブ228を通して、および中空患者針124を通して、薬剤がシリンジバレル108から流れるのを可能にする。
【0040】
より詳細には、スライダ196がプランジャ166を介してスプリング200の力を受けて動くと、負荷クリフ214の端部がウィング210に到達し、負荷要素218によって誘起された付勢により、
図22に示されるように、患者針が迅速に下がるように回動して本体106の外側に患者の皮膚内へ伸びる。ウィング210が、深さ停止部216に接触して患者針124の動きを制限する。言い換えれば、患者針124の挿入深さは、患者針124の長さおよび深さ停止部216の高さによって決定される。
【0041】
加えて、スライダ196がスプリング200の力を受けて前方へ動くと、スライダ196のピボットレッジ220が、レバー132の負荷要素218上を動き、それにより、レバー132およびボタン110が上方に動くことを防止し、針アーム130に対する負荷を維持する。スライダ196の前方への動きはまた、スイッチアーム206を前方へ変位させる。
図21に示されるような柱208のロッカー128との係合により、スイッチアーム206の前進運動がロッカーピボット230を中心にロッカー128を回動させ、それにより、バルブプレート232を底面カバー204の第1端部に向けて変位させる。
【0042】
一実施形態によれば、バルブは、シリンジ108の前方端に配置されたバルブ隔壁236(たとえば、
図31参照)、およびバルブプレート232に固定して連結されたバルブ針234を含む。一実施形態によれば、バルブ針234は、円錐形チップおよび側部ポートを有するwhitacre針である(
図31参照)。whitacre針234の形状は、バルブ隔壁236のコアリング(coring)を防止する。バルブ針234がロッカー128の運動によって変位されると、側部ポートがバルブ隔壁を通り抜けシリンジ108内の薬剤と連通する。バルブ針234はチューブ228と連通し、チューブ228は、針アーム130上でポート238において患者針124に連結される。他のバルブ機構またはバルブアセンブリが本発明の範囲から逸脱することなく使用され得ることは、当業者には理解されよう。たとえば、図示されていないが、バルブ針が、本体106に対して固定されることが可能であり、バルブ隔壁が、シリンジ108と患者針124との間の流体連結を完成するように動くことが可能である。加えて、後でより詳細に説明されるように、針および隔壁なしのバルブ機構またはアセンブリが採用されてもよい。
【0043】
さらにまた、スライダ196が前方へ動くと、ステータスビューポート112を通して目視可能になっている段階表示構造226の部分が、領域227から領域229に変わり、作動前段階から第1の作動段階への変更を示す。また、スライダ196がスイッチアーム206を前方へ押すと、予め定められた移動距離の後、スイッチアーム206の脚柱244が底部カバー204の(
図20に最も良く示される)床凹部242に入り、スイッチアーム206が降下する。後でより詳細に説明されるように、これは、スライダ196の第2または前方端部が第2の作動段階中にスイッチアーム206の部分上を移動することを可能にする。この機能性は、本体106の範囲内のスライダ196のより大きな移動を可能にする。言い換えれば、それはデバイス100をよりコンパクトにすることができる。
【0044】
また第1の駆動段階中に、先に言及されたように、バレルプランジャ152は、バレルスプリング178の力を受けて本体106の第2の端部に向けて長手方向に前方へ動き、それにより、ストッパ172を前方へ動かす。これは、シリンジ108内の薬剤を加圧する。
【0045】
好ましくは、シャッター136からのバレルプランジャ152および針作動プランジャ166の解放は実質的に同時であるが、それらの解放およびその後の前進運動は独立している。それぞれのプランジャまたは他の要素の移動距離を変更することにより、イベントのタイミングが決定され得る。たとえば、一実施形態によれば、バルブの開放の前に薬剤を加圧することが好ましい。
【0046】
図5および
図6に戻って参照すると、バレルプランジャ152が、第1の作動段階中に薬剤をチューブ228および患者針124を通して前方へ動かし押したとき、バレルプランジャフック176が止め溝182の止め端部に係合する。バレルプランジャ152の継続される前進運動が、外側入れ子式部材146を前方へ引っ張る。スライドアーム144がシャッター136との係合から外れてスライドすると、シャッター136の付勢アーム158が底面カバー104のバレル側に向けてシャッター136を変位させ、それにより、第2の作動段階または投与終了段階を自動的に開始させる。スライドアームの長さを変更して、投与終了段階開始のタイミングを変更することが可能である。
【0047】
シャッター136が底面カバー104のバレル側に向かって変位すると、シャッター136の第2の係合面164が針駆動プランジャ166の第2の係合構造または足186との係合から外れてスライドする。針駆動スプリング200による継続される前方への付勢により、針駆動プランジャ166は、さらに前方へ変位し、スライダ196をさらに前方へスイッチアーム206の後部分上に追いやる。簡潔に言えば、このスライダ196の2次的な前方への動きは、患者針124を引き戻し、レバー132を上方へ回動させ、ボタン110を上昇させ、ステータスビューポート212を通して投与終了インジケータ231を目視可能になるようにする。
【0048】
より詳細には、スライダ196が第2の作動段階中にさらに前方へ動くと、スライダ196の針引き戻しランプ222がウィング210に係合し、それにより、患者針124を本体106内に引き戻す。同様に、スライダ196のさらなる前進運動により、スライダ196のピボットランプ224がレバー132の負荷要素218に係合し、ピボット134を中心にレバー132を逆に回動させ、それにより、
図23に示されるように、針アーム130の負荷を解放し、ボタン110を上昇させる。
【0049】
図24に示されるように、スライダ196の2次的な動きにより、ステータスビューポート112を通して目視可能になる段階表示構造226の部分は、領域231に変わり、第1の作動段階から第2の作動段階(または投与終了段階)への変更を示す。一実施形態によれば、スライダ196の継続される前進運動は本体106に対する干渉により阻止される。
【0050】
投与終了段階が達成されると、ユーザは、ユーザの皮膚からデバイス100を除去し、デバイス100を安全に廃棄することができる。
【0051】
図25および
図26は、針カバー400の別の実施形態を示す。
図25は、ポート300と、患者針124と、つまみ304を含む針カバー部分302との断面図である。チューブ228の一端部はバルブプレート232に連結し、他端部はポート300に連結する。一実施形態によれば、針カバー302は、第1の成形ショット部分306および第2の成形ショット部分308を有するツーショット成形プロセスで製造される。
図26に示されるように、針カバー部分302と組み合わせて、ボタンロック部分402が針カバー400を形成する。ボタンロック部分402は、先に説明された安全延長部120と同様の様式でボタンまたは駆動ボタンに係合する安全延長部404を含む。後でより詳細に説明されるように、この実施形態は、(ポート、患者針、および流体経路の他の部品と共に)針カバー部分302がボタンロック部分402を伴う組立に先立って滅菌されることを可能にする。ボタンロック部402および針カバー部分302は、いくつかの異なる方法で、またはスナップ嵌合特徴部、摩擦嵌合、および接着物を含む方法の組み合わせで接合され得る。
【0052】
医療デバイスは、針カバーの除去に続いてボタンが変位されるがデバイスを作動させるのに十分に変位されない場合に駆動ボタンを初期位置に引き戻すための特徴部を含むことができる。たとえば、
図27および
図28は、駆動ボタン406を引き戻すための機構を示す。固定されたピン410は、レバーまたはリフトレバー408内に固定して配置され、可動ピン412は、ボタン406の下側に固定して連結されるが、リフトレバー408のスロット414内を動くことを可能にされる。一実施形態によれば、ピン410および412は摩擦によって所定の位置に保持されるが、ピン410および412を固着する接着物などの他の方法が、本発明の範囲から逸脱することなく採用されてもよい。スプリング416は、ピン410および412を連結する。ボタン406が、デバイスを作動するのに不十分な距離だけ変位されてその後に解放される場合、スプリング416は、可動ピン(ひいてはボタン406)をその初期位置に引き戻す。たとえば、ユーザがデバイスを作動させるのにボタン406に十分な力を加えず、次いでそれを解放した場合、ボタン406はその初期位置に戻ることになる。この特徴部は、偶発的駆動を防止するのを助け、デバイス組立を支援する。
【0053】
図29〜
図31は、同じ目的を達成するための別の実施形態を示す。ピンでなく、リフトレバー418とボタン420の両方がフックを含む。より具体的には、
図29および
図30に示されるように、レバー418は、その上部に配置されたレバーフック422を有し、
図31に示されるように、ボタン420は、その底部側に配置されたボタンフック424を有する。スプリング426が、2つのフック422および424を連結する。ボタンフック424は、ボタンが変位されたときにレバー418のスロット428内を移動する。先に説明された実施形態と同様に、針カバーの除去の後、デバイスを作動させるのに不十分な距離だけボタンが変位され、次いで解放された場合、スプリング426は、ボタンフック424(ひいてはボタン420)を
図29に示されるその初期位置に引き戻す。加えて、スロット428、およびレバー418の後部へのレバーフック422の配置が、針が引き戻されたときに針アームおよびポートのための追加的間隔をもたらす。
【0054】
図32は、本発明の実施形態による薬物送達デバイスの作動を選択的に防止するためのロック機構の斜視図である。機構は、安全延長部432を有する針カバー430、リフトレバー434、および駆動ボタン436を含む。ボタン436は、安全延長部432の基端の横方向寸法に実質的に等しい距離だけ横方向に隔離された、一対の可撓性片持ちスナップアーム438を含む。一対の角度付けされたロック突出部440が、スナップアーム438の自由端にそれぞれ配置される。
【0055】
図32および
図33に示されるように、リフトレバー434は、スナップアーム438が乗って進む軌道442を含む。一実施形態によれば、軌道442は、各側部における戻り止め444および446の対を有する。初期位置において針カバー430の除去の前に、スナップアーム438が、針カバー430によって所定の位置に保持され、または軌道442に対してロックされる。言い換えれば、安全延長部432は、スナップアーム438が、互いに向けて変位すること、および戻り止め444から係合解除することを防止する。針カバー430が除去されると、ユーザはデバイスの第2の端部に向けて前方へボタン436をスライドさせることができる。ボタン436のこの動きの間、戻り止め444の前方の角度付けされた面、およびロック突出部440の前方の角度付けされた面により、スナップアーム438の自由端が横方向に変形しまたは互いに対して曲がり、それにより、ロック突出部が戻り止め440から係合解除して戻り止め446に係合することを可能にする。これが生じた後、一実施形態によれば、戻り止め446の後方の角度付けされた面とロック突出部440後方の角度付けされた面との相互作用により、ユーザは、ボタンをその初期位置に戻すことができない。
【0056】
したがって、一実施形態によれば、駆動ボタン436は、少なくとも1つの片持ちスナップアーム438を含み、針カバー除去の前に、スナップアーム438がデバイスにおける戻り止め444に係合し、安全延長部432は、スナップアーム439に接触し、スナップアーム438が戻り止め444から係合解除することを防止する。
【0057】
ボタン436が初期位置にあって針カバー430が除去されたとき、ユーザがスナップアーム438を内方に曲げてロック突出部440を戻り止め446と係合させるのに十分な力を加えない限り、スナップアーム438の可撓性と組み合わされた、戻り止め444の前方の角度付けされた面とロック突出部440の前方の角度付けされた面との相互作用が、戻り止め444と係合されたロック突出部によって、ボタン436がその初期位置に戻るようにする。
【0058】
ロック突出部440の前方の角度付けされた面と戻り止め444の前方面との角度は、医療デバイスを作動させるためにユーザに必要とされる力特性を調整するために修正され得る。たとえば、ロック突出部440の前方面とスナップアーム438の直線部分の間の鈍角を増大して(また、戻り止め444の前方面のたいおうする角度を修正して)、戻り止め444との相互作用に打ち克ってデバイスを作動させるためにユーザによって必要とされる力の量を低下させることが可能である。好ましくは、デバイスを作動させるために必要とされる力は、約4〜10N(0.9〜2.2lb
F)である。
【0059】
図13に示された段階表示構造226と対照的に、ステージ表示機構の別の実施形態が
図34および
図35に示される。機構は、インジケータ448およびインジケータガイド450を含む。インジケータガイド450は、上面カバー452に固定して連結され、片持ちアーム454と、インジケータ448を垂直に支持し案内するガイドスロット456とを含む。片持ちアーム454の自由端は、インジケータ面458および角度付けされたスライド面460を含む。作動前に、インジケータ面458は、上面カバー452のステータスビューポートを通して目視可能になっており、デバイスがまだ作動されていないことを示す。この実施形態は、デバイス内の流体経路を組み立てるためのさらなる空間を提供する。
【0060】
インジケータの上面は、第1の作動段階464を示す領域、および第2の作動段階466を示す領域を含む。インジケータの端部は、片持ちアーム454の角度付けされたスライド面460に対して実質的に相補的な角度付けされた面468を有する。デバイスが組み立てられるとき、インジケータ448は、針作動スライダまたはスライダ462に隣接し接触するが、スライダ462に連結されない。代わりに、作動の後に、スライダが変位するに従ってスライダがインジケータを動かす。
【0061】
より具体的には、先に説明されたように、第1の作動段階中に、スライダ462が(ユーザへの針挿入を可能にする)第1の距離だけ前方へ変位する。この実施形態では、スライダの最初の前方変位が、インジケータ448も前方へ変位させる。インジケータ448の前方変位が、角度付けされた面468が角度付けされたスライド面460に乗って進むようにし、片持ちアーム454の自由端を下方に曲げ、ステータスビューポートを通して第1の作動段階464を示す領域を表示する。第2の作動段階中に、スライダ462は、第2の距離だけ前方へ変位し、インジケータ448を前方へ変位して、ステータスビューポートを通して第2の作動段階466を示す領域を表示する。
【0062】
図36は、針作動スライダまたはスライダ470の別の実施形態を示す。スライダ196と同様に、この実施形態では、スライダ470は、それに固定して連結された段階表示構造472を含む。しかし、この実施形態では、段階表示構造472は、前方端に配置されるのではなく、スライダ470の側部に配置される。段階表示構造472は、作動前段階474を示す領域、第1の作動段階476を示す領域、および、第2の作動段階478を示す領域を含む。
図37に示されるように、様々な段階表示領域(474、476、および478)は、上面カバー482のステータスビューポート480を通して目視可能になっている。
【0063】
図38は、スイッチアームまたはフリップアーム(flip arm)484の別の実施形態を示す。デバイスの作動の前に、スイッチアーム484の後部分は、
図39に示されるように、針作動スライダ462の凹部にある。加えて、
図40および
図41に示されるように、底面カバー486は、スイッチアーム484の動きを案内するためのスイッチアーム軌道488を含む。
図41は、デバイスの作動の前のスイッチアームを示す。前方突出部490は、上方軌道部分492上に位置し、スイッチアーム484の後部分は、初期軌道位置494上に位置する。
【0064】
作動に続いて、第1の作動段階中に、スライダ462が第1の距離だけ前方へ変位し、スイッチアーム484の後部分が初期軌道部分から下方軌道部分496上へ降りるまで、(ロッカーを回動させるように)スイッチアーム484を前方へ変位させる。このようにしてスイッチアーム484の後部分を低下させることにより、第2の作動段階中にスイッチアーム484をさらに変位させることなく、スライダ462はスイッチアーム484の後部分を通過することができる。この構成は、スライダ462がより長い内部総距離を移動することを可能にする。
【0065】
図42および
図43はそれぞれ、本発明の別の実施形態によるスイッチアームまたはフリップアーム498の上面斜視図および底面斜視図である。スイッチアーム498は、一対の後方片持ちアーム500を含み、それぞれが、その自由端にスナップ突出部502を有する。スイッチアーム498はまた、スイッチアーム498の動きを案内するための、底面カバーにおけるガイド軌道(図示せず)に乗って進む、その底部に配置されたガイドレール504を含む。
【0066】
作動の前に、スナップ突出部502はスライダ470の前方端に休止している。作動に続いて、第1の作動段階中に、スライダ470が第1の距離だけ前方へ変位し、(ロッカーを回動させるように)スイッチアーム498をその最終前方位置まで前方へ変位させる。一実施形態によれば、第2の作動段階の始めに、スライダ470はさらに前方へ変位するが、スイッチアーム498がさらに前方へ変位しないので、スライダ470の前方端がスナップ突出部502の角度付けされた面に乗って進み、2つの片持ちアーム500を互いに対して曲げる。
図44に示されるように、スライダ470のさらなる前進運動はスナップ突出部502を迂回し、それにより、スライダ470がさらに前方へ依然として移動することを可能にする。別の実施形態によれば、スライダ470の前方端は、第1の作動段階中に、その移動の終わりにスナップ突出部502を迂回する。加えて、
図44に示されるように、また後でより詳細に説明されるように、スライダ470は、針駆動プランジャとの位置合わせのための後方突出部471を含む。
【0067】
図45および
図46は、針アームの代替的実施形態を示す。
図45に示されるように、針アーム506は、流体経路のチューブの設置を案内し横方向の変位を防止するための二対の実質的に垂直のガイド柱508を含む。対照的に、
図46の針アーム510は、設置中にチューブが固着される二対のスナップガイド512を含む。加えて、一実施形態によれば、ピボット514および対応するピボットヨーク(pivot yokes)516(たとえば、
図40参照)がある。
【0068】
図47は、本発明の実施形態によるポート518の上面斜視図である。チューブと垂直の連結を形成する先に説明されたポート300(たとえば、
図25参照)と対照的に、ポート518は、チューブと実質的に水平の連結を形成する。これは、設置中のチューブのより小さい曲げ、および針が引き戻された後のチューブのための追加的間隔を可能にする。
【0069】
図48は、デバイス100の後面斜視図であり、デバイス100の作動の前のフレーム138、シャッター136、および針駆動プランジャ166の相対的配置を示す。対照的に、
図49は、フレーム520の別の実施形態を示し、このフレームは、シャッターをその上部を除いて囲み、針駆動プランジャ522の底部をその移動中に支持する。
【0070】
図50は、本発明の実施形態によるシャッターラッチ機構523の底面斜視図である。この実施形態のシャッターラッチ機構は、作動の前に示されたリフトレバー418、ラッチビーム424、シャッターラッチ526、およびシャッター528を含む。(
図30にも示されている)リフトレバー418は、シャッター528と係合されたシャッターラッチ526を維持するラッチビーム424に係合する持ち上げアーム530を含む。ラッチビーム524は、長い部分532および短い部分534を有するL字形にされた要素である。一実施形態によれば、短い部分534は、フレーム520のポケットで固着される。好ましくは、ラッチビーム424は、シートメタルまたはスプリングメタルで作られ、強度があるが可撓性がある。
【0071】
動作に際して、デバイスが作動されると、リフトレバー418の前部分が(ボタンに対するユーザの力により)下がるように回動し、それにより、リフトレバー418の後部分を上がるように回動させ、ラッチビーム524の長い部分532を持ち上げまたは曲げ、それがもはやシャッターラッチ526に接触せずシャッターラッチ526を支持しないようにする。その後、先に説明された実施形態と同様に、シャッターラッチ526がシャッター528から解放され、針駆動プランジャ522がシャッター528を持ち上げる。
【0072】
図51は、シャッターラッチ機構535の底面斜視図であり、
図52は、フレームまたはパワーモジュールフレーム541の後面斜視断面図である。この実施形態のシャッターラッチ機構は、本発明の実施形態による、作動の前に示されたリフトレバー434、スイングアーム536、シャッターラッチ538、およびシャッター540を含む。(
図33にも示されている)リフトレバー434は、シャッター540と係合されたシャッターラッチ538を選択的に維持するスイングアーム536に係合する持ち上げアーム542を含む。
【0073】
スイングアーム536は、スタッド543(
図52参照)でフレーム541に回動可能に連結され、好ましくはプラスチックで作られる。作動の前に、スイングアーム536の自由端はフレーム突出部545の下に配置される。動作に際して、デバイスが作動されると、リフトレバー434の前部分が(ボタンに対するユーザの力により)下がるように回動し、それにより、持ち上げアーム542を上昇させ、スイングアーム536を回動させ、したがって、自由端がフレーム突出部545の上に配置され、スイングアーム536がシャッターラッチ538に接触せずそれを支持しないようになる。その後、先に説明された実施形態と同様に、シャッターラッチ538がシャッター540から解放され、針駆動プランジャ548(
図54参照)がシャッター540を持ち上げる。
【0074】
図50に示されたシャッターラッチ機構523と対照的に、
図51および
図52に示される実施形態では、スイングアーム536およびシャッターラッチ538が、シャッター540およびフレーム541の後側に配置される。より長い持ち上げアーム542と組み合わされたこの構成は、持ち上げアームの有効な移動を増大させる。加えて、プラスチックからスイングアームを作り、機構内にその構成を作ることができることは、デバイスの作動の前のクリープを防止する助けになる。
【0075】
図53および
図54は、本発明の実施形態による針駆動プランジャの上面斜視図である。(
図9に示されている)先に説明された針駆動プランジャ166と比較して、(
図49にも示されている)針駆動プランジャ522は、より低い第1の係合構造544を有し、第2の係合構造546は角度付けされている。
図54の針駆動プランジャ548は、より低い第1の係合構造550および角度付けされた第2の係合構造552を有する同様の構成を有する。加えて、針駆動プランジャ548は、(
図44に示されている)スライダの後方突出部471を受け入れる前方開口を備えるキャビティ533を有する。プランジャ548とスライダ470を連結することにより、キャビティ553と後方突出部471との間の相互作用が、プランジャ548に対するその移動の際の位置合わせおよび案内を実現する。針駆動プランジャ522および548は、プラスチック、または金属たとえばアルミニウムで作られ得る。
【0076】
より低い第1の係合構造544および550は、シャッターを高く持ち上げず、角度付けされた第2の係合構造546および552は、外側入れ子部材146のスライドアーム144が変位しシャッターにもはや接触しなくなると、シャッターに横の力を与え、それにより、シャッター136の付勢アーム158の必要性を取り除く。したがって、先に説明されたシャッター136とは対照的に、(
図50および
図55に示される)シャッター528および(
図51および56に示される)シャッター540は、そのような付勢アームを欠いている。
【0077】
図57は、プランジャ部分556およびプランジャリンク558を含む2ピースバレルプランジャ554の実施形態を示す。一実施形態によれば、プランジャ部分556とプランジャリンク558の両方が十字形状を有する。プランジャ部分十字形はバレルストッパに係合し、プランジャリンク十字形はプランジャ部分十字形の内部に係合し、2つの要素を固着し、それらの相対的回動を防止する。十字形以外の形状が、本発明の範囲から逸脱することなく使用され得る。
【0078】
図58は、本発明の別の実施形態によるプランジャリンク560を示す。プランジャリンク560は、針駆動プランジャの第1の係合構造と協力してシャッターを持ち上げるためのリフトランプ562を含む。両方の要素に実質的に同時に実質的に同じ高さにシャッターを持ち上げさせることは、シャッターが持ち上げ中に破損する(rack)可能性を低下させる。
【0079】
図59は、先に説明された特徴部の選択された1つを組み込む医療デバイス600の上面斜視図である。たとえば、デバイス600は、フレーム541、スイングアーム536、針カバー430、リフトレバー434、駆動ボタン436、針作動スライダ470、針アーム506、およびスイッチアーム498を含む。デバイス600はまた、
図59に示されるように。ロッカー604を含むバルブアセンブリ602、バルブ解放キャップ606、および、バルブ解放キャップ606の周りに配置された隔壁取付け具(septum fitting)608を含む。隔壁取付け具608は、患者針に流体連結するチューブ610に連結された側部ポート618を有する。
【0080】
図60および
図61に示されるように、ロッカーの第1の端部で、スイッチアーム498の柱にインターフェースするカラー611が開き、その第2すなわちバルブ端部で、ロッカー604が一対のアーム612を有する。ロッカーアーム612の端部は、角度付けされた面614を含む。後でより詳細に説明されるように、デバイス600が作動し次第、ロッカーアームが、隔壁取付け具の片持ちベースアーム616を広げる。
【0081】
図62は、バルブアセンブリ602の追加の部品を示す分解図であり、
図63は、バルブアセンブリ602の断面斜視平面図である。隔壁取付け具608は、その第1の端部に歯620を含み、歯620は、一体プラグバルブ624の第1の端部に配置された歯622に対応し、隔壁取付け具608とプラグバルブ624との間の相対的回動を防止する。プラグバルブ624は、シリンジバレル108の先端と流体連通する中央内腔を有し、また、中央内腔と連結し隔壁取付け具の側部ポート618と整合された側部ポート626を有する。バルブ解放キャップ606は、作動前位置でバルブ解放キャップ606を固着するための端部ブロック634と、隔壁取付け具608とバルブ解放キャップ606との間の相対的回動を防止するために、隔壁取付け具608の位置合わせ面に乗って進むガイドブロック636とを含む。
【0082】
作動の前に、
図63に示されるように、隔壁取付け具608のベースアーム616の自由端に突出部を保持することが、バルブ解放キャップ606の端部ブロック634を保持する。内側スプリング630が、バルブ解放キャップ606のキャビティ632内に配置され、シリンジバレル108に向けてバルブインパクタ(valve impactor)628を付勢する。内側スプリング630の力を受けて、バルブインパクタは、プラグバルブの端部に接触しそれを弾性的に変形させ、それにより、内部バルブ突出部638が、シリンジバレル先端626を封止し、シリンジバレル108内の薬剤が側部ポート626および618を通して流れるのを防止するようにする。
【0083】
作動の後、
図64に示されるように、ロッカーアーム612がシリンジバレル108に対して回動すると、それらは、開き突出部617に接触しそれを変位させ、隔壁取付け具の片持ちベースアーム616の自由端を開き、保持突出部619から端部ブロック634を解放する。その後、
図65に示されるように、ロッカーアーム612は、開き突出部617を迂回し、スプリング630は、シリンジバレル108から離れるようにバルブ解放キャップを押しやる。スプリング630はもはや実質的にバルブインパクタ628を付勢していないので、プラグバルブ624は、その変形されていない形状に戻り、シリンジバレル108の先端との封止係合を解除するように内部バルブ突出部638を変位させ、シリンジバレル108内の薬剤が側部ポート626および618を通って流れることを可能にする。
【0084】
図66は、バルブアセンブリ640の底面斜視図であり、
図67は、バルブアセンブリ640の部分断面平面図である。
図66および
図67は、デバイス作動の前の状態を示す。バルブアセンブリは、蓋保持器644にヒンジ式に連結された蓋642と、シリンジバレル108の先端に連結されたバルブケース646と、バルブケース内に配置され、シリンジバレル108の内部と流体連通する中央内腔650を有するバルブ本体648と、弾性バルブ部材652と、バルブ部材652をバルブ本体648に固着するカバー654とを含む。
【0085】
蓋保持器644は、蓋642を選択的に保持するためにキャッチ658を有する片持ち保持アーム656を含む。蓋642は、バルブ部材652を選択的に圧縮してバルブ本体の中央内腔650を封止するための蓋突出部660を含む。バルブ部材652は、バルブ部材652が蓋642によって圧縮されたときに中央内腔650を封止する1つまたはもっと多い封止突出部662(たとえば、突出部および環)を含む。バルブ部材652はまた、チューブを介して患者針と連通するための側部ポート664を含む。
【0086】
デバイス作動の後、角度付けされたロッカーアーム(図示せず)が、保持アーム656を楔式に上げて、蓋642からキャッチ658を解放する。蓋642が解放されると、バルブ本体648が、その変形されていない形状に戻り、中央内腔650を開封しながら蓋をシリンジバレル108から離れるように回動させ、それにより、薬剤がシリンジバレル108から、中央内腔650を通して、およびバルブ本体648の内部を通して、側部ポート664へ流れることを可能にする。
【0087】
針および隔壁を別にして、特に指定されない限り、本明細書に説明されている医療デバイスの部品の好ましい材料は、ABSなどの適切なプラスチックである。他の適切なプラスチックが採用されてもよい。
【0088】
図68は、10mL BD Hypak(商標)シリンジなどのシリンジを収容し処理する(たとえば充填する)ためのタブ262を示す。任意のサイズのシリンジが使用されてよく、それに応じてタブがサイズ設定され構成され得ることは、当業者には理解されよう。タブは、4インチタブとしてよく、タブ当たり42バレル(6.677m
3)(Hypak(商標)シリンジ)を収容することができる。後でより詳細に説明されるように、デバイス100のための製造プロセスは、そのようなタブおよび標準的シリンジ処理機器の使用を可能にする部品を利用する。
【0089】
図69は、本発明の実施形態による流体経路サブアセンブリ264の斜視図であり、
図70は、流体経路サブアセンブリ264の分解斜視図である。流体経路サブアセンブリ264は、シリンジバレル108と、ストッパ172(
図69および
図70には図示せず)と、バルブカバー126と、シリンジバレル108をバルブカバー126に連結するためのアダプタ266と、中空バルブ針234と、バルブプレート232と、バルブプレート232がバルブカバー126に対して動くのを選択的に防止するためのロック要素またはロック268とを含む。一実施形態によれば、バルブ隔壁236はアダプタ266内に配置される。流体経路サブアセンブリ264はまた、連結チューブ228と、ポートまたは針ハブ238と、中空患者針124と、針カバー114と、底面カバー104内への設置の前に流体経路サブアセンブリ264の部品を保持するための犠牲保持器270とを含む。
【0090】
言い換えれば、流体経路サブアセンブリ264は、薬剤流体に接触するデバイスの要素のすべて、ならびに保持器270およびロック要素268を含む。また、後でより詳細に説明されるように、流体経路サブアセンブリ264の要素からバレル108およびストッパ172を引いたものが、流れ経路サブアセンブリ272を形成する。この実施形態における流体経路サブアセンブリ264はデバイス100で使用されると想定されているが、流体経路サブアセンブリは、自動注入装置、薬剤ペン、および流体経路で無菌性の維持を必要とする実質的にあらゆる事前に充填されるデバイスなど、他のタイプのデバイスで利用されてもよい。
【0091】
好ましくは、保持器270は再使用可能である。一実施形態によれば、保持器はまた、流れ経路サブアセンブリ272(および流体経路サブアセンブリ264)をその中心長手軸を中心に釣り合わせるための釣合い特徴部または釣合い重り274(
図69参照)を含む。言い換えれば、好ましくは、流れ経路サブアセンブリ272の重心が中心長手軸上に配置され、サブアセンブリ272が中心長手軸を中心に回動式に釣り合わされる。
【0092】
釣合い重り274は、保持器270に連結可能とすることができ、あるいは保持器270の本体と一体に形成されることができる。一実施形態によれば、釣合い重り274は保持器270の本体に対して調整可能である。たとえば、釣合い重り274は、保持器270の本体上の異なる位置に取り付けられる。あるいは、釣合い重り274が保持器の本体と一体に形成される場合、たとえば、片持ちアームの端部における重みとして、アームは釣合い重り274を配置するために変形されまたは曲げられ得る。後でより詳細に論じられるように、検査中に、流体経路サブアセンブリ264が、その中心長手軸(たとえば、
図69の軸A)を中心に高速で回動され、したがって、それはその軸を中心に回動式に釣り合わされる。
【0093】
図69に最も明瞭に示されるように、保持器270は、連結チューブ228をループさせ格納するための経路を有する。これは、連結チューブ228の空間効率的な格納、およびチューブ228の保護を実現する。また、保持器270は、流体経路サブアセンブリ264の簡便な取扱いを実現する。
【0094】
組み立てられると、10mL BD Hypack(商標)バレルと実質的に同じサイズである流体経路サブアセンブリ264は、42個の流体経路サブアセンブリ264を収容できる4インチタブ内に詰め込まれる。流体経路サブアセンブリ264内の他の部品のため、シリンジバレル108は、10mL BD Hypak(商標)バレルより小さい。一実施形態によれば、シリンジバレル108は、約2〜5mLの薬剤で充填され得る。Hypak(商標)バレルに対する流体経路サブアセンブリ264のサイズ類似性のため、Hypak(商標)バレルを充填し動かすために規格化された機器が、流体経路サブアセンブリ264を充填し動かすために利用されてよい。
【0095】
シリンジバレル108が薬剤で充填され、ストッパ172がバレル108に挿入されると、薬剤流体経路は自己完結され、したがって滅菌パッケージ化または格納は必要とされない。代わりに、流体経路サブアセンブリ264が格納され、その後、標準的クリーンルームでデバイス100内に設置される。
【0096】
流体経路サブアセンブリ264を底面カバー104内に設置するために、設置者は保持器270からチューブ228をほどき、次いで、チューブ228は廃棄、再使用、またはリサイクルされる。設置者は、
図71に示されるように、針ハブまたはポート238を針アーム130の端部で固着し、バレル108およびバルブカバー126を底面カバー104に挿入する。その後、設置者は、ロック要素268を除去し、次いで、ロック要素は廃棄、再使用、またはリサイクルされる。
【0097】
図25および
図72〜76は、流体経路サブアセンブリ278の別の実施形態を示す。保持器280は、第1の保持部材282および第2の保持部材284を含む。この実施形態では、シリンジバレル108、ストッパ172、バルブカバー126、バルブプレート232、バルブ針234、患者針124、およびチューブ228は、先に説明されたものと実質的に同様である。したがって、これらの要素の説明は簡潔にするために省略される。加えて、明瞭にするため、バルブカバー126は
図73から省略されている。
【0098】
図73および
図74に示されるように、第1の保持部材282および第2の保持部材284は、バルブプレート232に係合しバルブカバー126内のその位置を固定するための内方に突出する壁を有する。したがって、(先に説明されたロック要素268のような)別個のロック要素の使用なしに、保持器280は、バルブカバー126に対するバルブプレート232の動きを阻止する。オプションで、保持器280は、流路アセンブリ278の流路アセンブリ278の重心がその中心長手軸にあることを確実にするために、先に説明された釣合い重り274と同様の釣合い重り(図示せず)を有する。
【0099】
2ピースアダプタ288は、隔壁ホルダ290と、シリンジバレル108の先端のネックに連結するためのコネクタ292とを含む。隔壁ホルダ290は、whitacreバルブ針234によって穿刺されるバルブ隔壁294を固着する。バルブカバー126のアーム258およびフック260は、バルブカバー126内に2ピースアダプタ288を固着する。一実施形態によれば、
図75および
図76に示されるように、隔壁ホルダ290およびコネクタ292は、互いに固着するための嵌合ねじ296および298を有する。
【0100】
図77は、デバイス100のアセンブリのプロセス310を示すフローチャートである。動作312で、組立者は、デバイス100のスプリング部品、たとえば、バレルスプリング178および針駆動スプリング200を取得または製造する。同様に、動作314で、組立者は、射出成形部品、たとえば、本体106、針駆動プランジャ166、外側入れ子部材146、および保持器270または280を成形または取得する。同様に、動作316で、組立者は、主容器、たとえば、シリンジバレル108を取得または製造する。そして、動作318で、組立者は、流れ経路サブアセンブリ272の残りの部品、たとえば、患者針124、バルブ針234、チューブ228、およびストッパ172を取得または製造する。
【0101】
その後、動作320で、組立者は、スプリング部品および適切な射出形成部品、たとえば、針駆動プランジャ166およびバレルプランジャ152を使用して、パワーパック1380を組み立てる。加えて、動作322で、流体経路サブアセンブリ264または278が組み立てられる。部品の残り、すなわち、パワーパック1380または流体経路サブアセンブリ264もしくは278内に無い部品が、デバイス本体1060内へ組み立てられる。
【0102】
組み立てられた流体経路サブアセンブリ264または278は、パッケージ化され(動作326)、次いで滅菌され(動作328)、それにより、自己完結された滅菌された流体経路サブアセンブリ264または278を提供し、このサブアセンブリは、薬剤の無菌充填(動作330)のために、別の場所、たとえば製薬業者へ出荷され得る。充填に続いて、流体経路サブアセンブリ264または278は、その中心長手軸の周りの高速回転中に、たとえば、レーザ検査システムなどの光ベースの検査システムによって、品質を検査される。本発明の流体経路サブアセンブリの1つの利点は、それが、BD Hypak(商標)シリンジなどのシリンジを処理するために規格化された機器を使用して、処理(すなわち、パッケージ化、滅菌、充填、検査)され得ることである。検査を合格したこれらの流体経路サブアセンブリは、次いで、パワーパック1380と共にデバイス本体1060へと組み立てられてデバイスを完成することができる(動作334)。
【0103】
本発明の少数の実施形態のみが示され説明されているが、本発明は説明された実施形態に限定されない。むしろ、本発明の原理および趣旨から逸脱することなく、これらの実施形態に変更が行われ得ることは当業者には理解されよう。特に、当業者は、多くの他の手法で上述された様々な例示的実施形態の様々な要素の様々な技術的態様を容易に組み合わせることができ、それらのすべては、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定義される本発明の範囲内であると考えられることに留意されたい。