特許第6491202号(P6491202)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6491202サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)の多環阻害剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6491202
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)の多環阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/04 20060101AFI20190318BHJP
   C07D 403/04 20060101ALI20190318BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20190318BHJP
   C07D 417/04 20060101ALI20190318BHJP
   C07D 413/04 20060101ALI20190318BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20190318BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20190318BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20190318BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190318BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20190318BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20190318BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20190318BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
   C07D401/04
   C07D403/04CSP
   C07D471/04 106A
   C07D417/04
   C07D413/04
   A61K31/506
   A61K31/5377
   A61P35/00
   A61P43/00 105
   A61P35/02
   A61P9/00
   A61P29/00
   A61P29/00 101
   A61P37/06
   A61P43/00 111
【請求項の数】40
【全頁数】250
(21)【出願番号】特願2016-524432(P2016-524432)
(86)(22)【出願日】2014年10月17日
(65)【公表番号】特表2016-533379(P2016-533379A)
(43)【公表日】2016年10月27日
(86)【国際出願番号】US2014061232
(87)【国際公開番号】WO2015058140
(87)【国際公開日】20150423
【審査請求日】2017年10月16日
(31)【優先権主張番号】61/893,005
(32)【優先日】2013年10月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399052796
【氏名又は名称】デイナ ファーバー キャンサー インスティチュート,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】グレイ, ナサニエル
(72)【発明者】
【氏名】ザン, ティンフ
(72)【発明者】
【氏名】シブラット, ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ルブラン, メリッサ
(72)【発明者】
【氏名】マリノー, ジェイソン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ムーア, ジョエル
(72)【発明者】
【氏名】スプロット, ケビン
(72)【発明者】
【氏名】シディッキ, エム. アルシャド
(72)【発明者】
【氏名】カブロ, アンジェリカ
(72)【発明者】
【氏名】ミラー, トム
(72)【発明者】
【氏名】ロイ, ステファニー
(72)【発明者】
【氏名】シュミット, ダービー
(72)【発明者】
【氏名】ウィンター, ダナ ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー, マイケル
【審査官】 前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/129195(WO,A1)
【文献】 特表2010−536869(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/092962(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/007486(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 401/00
A61K 31/00
C07D 403/00
C07D 413/00
C07D 417/00
C07D 471/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Ia):
【化405】
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(式中:
環Aは、
【化406】
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からなる群から選択され、環Aは、非置換C−Cアルキルで置換され得;
はCRB2であり、ここで、RB2は、ハロゲン、非置換C−C10カルボシクリル、非置換C1−6アルキルおよび−CNからなる群から選択され
B1は水素であり;
は−N(RL1−であり、ここで、RL1は、水素又は非置換のC1−6アルキルであり;
の各例は、独立に、ハロゲン、−OHおよび非置換のC1−6アルキルからなる群から選択され
は、−NHC(=O)−N(RL2)−1−2アルキレン)−、および−NH−S(O)からなる群から選択され、ここで、RL2の各例は、独立に、水素又は置換のC1−6アルキルであり;
の各例は、独立に、ハロゲンまたは非置換C−Cアルキルであり;
は、式:
【化407】
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から選択され
E1は、水素および−Si(RE1aからなる群から選択され、ここで、RE1aの各例は非置換のC1−6アルキルあり;
E2は、水素および非置換のC1−6アルキルからなる群から選択され
E3は、水素、−N(OC1−10アルキル)C1−10アルキルで置換されていてもよい1−6アルキル、−CHOHおよび−CHN(RE3aからなる群から選択され、RE3aの各例は、独立に、水素、および−COOHで置換されていてもよいC1−6アルキルからなる群から選択されるか、または2つのRE3a基は、結合して、窒素および酸素から選択される1〜2個の環ヘテロ原子を有する5〜6員単環式複素環式環を形成し、該5〜6員単環式複素環式環は、−OC1−6アルキルで置換されていてもよいC1−10アルキルまたはC3−10カルボシクリルで置換されていてもよく
nは、0、1、又は2であり;且つ
pは、0又は1である)
を有する化合物、又はその薬学的に許容できる塩
【請求項2】
B2が、クロロ、シクロプロピル、又は−CNである、請求項に記載の化合物。
【請求項3】
が−NH−である、請求項に記載の化合物。
【請求項4】
の各例が、独立に、フルオロ、−OH、又はメチルである、請求項に記載の化合物。
【請求項5】
nが、である、請求項に記載の化合物。
【請求項6】
が、−NHC(=O)−、または−NH(C1−2アルキレン)−ある、請求項に記載の化合物。
【請求項7】
pが、である、請求項に記載の化合物。
【請求項8】
が、式:
【化408】
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から選択される、請求項に記載の化合物。
【請求項9】
以下
【化409】
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【化410】
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【化411】
[この文献は図面を表示できません]
【化412】
[この文献は図面を表示できません]
【化413】
[この文献は図面を表示できません]
【化414】
[この文献は図面を表示できません]
【化415】
[この文献は図面を表示できません]
【化416】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物のいずれか1つから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
環Aが
【化417】
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である、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
環Cが
【化418】
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であり、「2」が、Lへ結合された環Cの部分を表し、「3」がLへ結合した環Cの部分を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
が、−NH−C(O)−であり、「」が、環Cへの結合点を表し、LおよびLが互いにメタである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】

【化419】
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である、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
前記化合物が、
【化420】
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である、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
前記化合物が、
【化421】
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である、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
前記化合物が、
【化422】
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である、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
前記化合物が、
【化423】
[この文献は図面を表示できません]
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
前記化合物が、
【化424】
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である、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、及び任意選択で、薬学的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項20】
増殖性疾患の治療必要とする対象において増殖性疾患を治療するための治療上有効な量の請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む成物または請求項19に記載の医薬組成物
【請求項21】
前記対象が哺乳動物である、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記対象がヒトである、請求項20に記載の組成物。
【請求項23】
前記増殖性疾患がサイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)の過剰発現または異常な活性と関連している、請求項20に記載の組成物。
【請求項24】
前記増殖性疾患が癌である、請求項20に記載の組成物。
【請求項25】
前記増殖性疾患が白血病である、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記増殖性疾患が慢性リンパ球性白血病(CLL)である、請求項24に記載の組成物。
【請求項27】
前記増殖性疾患がメラノーマである、請求項24に記載の組成物。
【請求項28】
前記増殖性疾患が多発性骨髄腫である、請求項24に記載の組成物。
【請求項29】
前記増殖性疾患が骨癌である、請求項24に記載の組成物。
【請求項30】
前記増殖性疾患が骨肉腫である、請求項24に記載の組成物。
【請求項31】
前記増殖性疾患が乳癌である、請求項24に記載の組成物。
【請求項32】
前記増殖性疾患がトリプルネガティブ乳癌(TNBC)である、請求項24に記載の組成物。
【請求項33】
前記増殖性疾患がユーイング肉腫である、請求項24に記載の組成物。
【請求項34】
前記増殖性疾患が脳癌である、請求項24に記載の組成物。
【請求項35】
前記増殖性疾患が神経芽細胞腫である、請求項24に記載の組成物。
【請求項36】
前記増殖性疾患が肺癌である、請求項24に記載の組成物。
【請求項37】
前記増殖性疾患が小細胞肺癌(SCLC)である、請求項24に記載の組成物。
【請求項38】
前記増殖性疾患が非小細胞肺癌(NSCLC)である、請求項24に記載の組成物。
【請求項39】
前記増殖性疾患が良性新生物である、請求項24に記載の組成物。
【請求項40】
請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、又は請求項19に記載の医薬組成物;及び
前記化合物前記その、又は前記医薬組成物を対象に投与するための、或いは生体試料を、前記化合物前記その、又は前記医薬組成物と接触させるための説明書
を含むキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本発明は、米国特許法119条(e)に基づき、参照により本明細書に組み込まれる2013年10月18日に出願された米国特許出願第61/893,005号明細書の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)ファミリーのメンバーは、増殖において決定的な調節性の役割を果たす。現在、20種類の公知の哺乳類のCDKがある。CDK7−13が転写に関連づけられてきた一方で、CDK1、2、4、及び6のみが、細胞周期との明らかな関連を示す。哺乳類のCDKの中で独特に、CDK7は、細胞周期と転写との両方を制御して、キナーゼ活性を統合する。サイトゾル中で、CDK7はヘテロ三量体複合体として存在し、CDK1/2活性化キナーゼ(CAK)として機能して、それによりCDK1/2中の保存残基のCDK7によるリン酸化が、完全なCDK触媒活性及び細胞周期進行に必要であると考えられている(Desai et al.,“Effects of phosphorylation by CAK on cyclin binding by CDC2 and CDK2.”Mol.Cell Biol.15,345−350(1995);Kaldis et al.,“Analysis of CAK activities from human cells.”Eur.J.Biochem.267,4213−4221(2000);Larochelle et al.,“Requirements for CDK7 in the assembly of CDK1/cyclin B and activation of CDK2 revealed by chemical genetics in human cells.”Mol.Cell 25,839−850(2007))。核の中では、CDK7は、RNAポリメラーゼ(RNAP)II基本転写因子複合体のキナーゼコアを形成し、遺伝子転写の開始で必要な段階であるRNAP IIのC末端ドメイン(CTD)のリン酸化が課されている(Serizawa.et al.,“Association of CDK−activating kinase subunits with transcription factor TFIIH.”Nature 374,280−282(1995);Shiekhattar et al.,“CDK−activating kinase complex is a component of human transcription factor TFIIH.”Nature 374,283−287(1995);Drapkin et al.,“Human cyclin−dependent kinase−activating kinase exists in three distinct complexes.”Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A 93,6488−6493(1996);Liu.et al.,“Two cyclin−dependent kinases promote RNA polymerase II transcription and formation of the scaffold complex.”Mol.Cell Biol.24,1721−1735(2004);Akhtar et al.,“TFIIH kinase places bivalent marks on the carboxy−terminal domain of RNA polymerase II.”Mol.Cell 34,387−393(2009);Glover−Cutter et al.,“TFIIH−associated CDK7 kinase functions in phosphorylation of C−terminal domain Ser7 residues,promoter−proximal pausing,and termination by RNA polymerase II.”Mol.Cell Biol.29,5455−5464(2009))。全体としてCDK7の2つの機能、すなわちCAK及びCTDリン酸化は、細胞の増殖、細胞周期、及び転写の重要な局面を支えている。
RNAP II CTDリン酸化の混乱は、優先的に、抗アポトーシス性BCL−2ファミリーのものを含む、半減期の短いタンパク質をもたらすことが示された(Konig et al.,“The novel cyclin−dependent kinase inhibitor flavopiridol downregulates Bcl−2 and induces growth arrest and apoptosis in chronic B−cell leukemia lines.”Blood 1,4307−4312(1997);Gojo et al.,“The cyclin−dependent kinase inhibitor flavopiridol induces apoptosis in multiple myeloma cells through transcriptional repression and down−regulation of Mcl−1.”Clin.Cancer Res.8,3527−3538(2002))。癌細胞は、BCL−2ファミリーメンバーの上向き調節により、細胞死促進シグナリングを回避する能力を示した(Llambi et al.,“Apoptosis and oncogenesis:give and take in the BCL−2 family.”Curr.Opin.Genet.Dev.21,12−20(2011))。したがって、ヒトCDK7キナーゼ活性の阻害は抗増殖活性をもたらす可能性があり、薬理学的阻害は、癌を含む増殖性疾患の治療に使用できる。実際に、CTDキナーゼを標的とする非選択的汎CDK阻害剤であるフラボピリドールは、慢性リンパ球性白血病(CLL)の治療に有効性を示しているが、毒性プロファイルはよくない(Lin et al.,“Phase II study of flavopiridol in relapsed chronic lymphocytic leukemia demonstrating high response rates in genetically high−risk disease.”J.Clin.Oncol.27,6012−6018(2009);Christian et al.,“Flavopiridol in chronic lymphocytic leukemia:a concise review.”Clin.Lymphoma Myeloma 9 Suppl.3,S179−S185(2009))。選択的なCDK7阻害剤は、CLL及び他の癌の治療のための治療剤として有望であり得る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Desai et al.,“Effects of phosphorylation by CAK on cyclin binding by CDC2 and CDK2.”Mol.Cell Biol.15,345−350(1995)
【非特許文献2】Kaldis et al.,“Analysis of CAK activities from human cells.”Eur.J.Biochem.267,4213−4221(2000)
【非特許文献3】Larochelle et al.,“Requirements for CDK7 in the assembly of CDK1/cyclin B and activation of CDK2 revealed by chemical genetics in human cells.”Mol.Cell 25,839−850(2007)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)(例えば、サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)、サイクリン依存性キナーゼ12(CDK12)、及びサイクリン依存性キナーゼ13(CDK13))は、細胞周期の主要な制御因子である。その連続する活性化と不活性化は、周期を進行させる。CDKの活性化は、正と負のリン酸化、サイクリンのような調節タンパク質の結合及びCDK阻害因子など複数の機構により制御されている。完全なキナーゼ活性を達成するために、ほとんどのCDKは、Tループ中に位置するスレオニン残基のリン酸化を要する。このスレオニン残基は、細胞周期制御において機能する全CDKで保存されている。したがって、このリン酸化を担当する酵素は、CDK活性化キナーゼ又はCAKと称される。CAK複合体は、CDK7、サイクリンH、及びMAT1で構成されていることが見出された。CDK7を含むCAK複合体は、細胞中で主要なCAK活性を構成していると思われる。そのCAK機能に加え、CDK7は、転写において、さらに、おそらくDNA修復においても役割を果たしている。三量体CAK複合体CDK7/サイクリンH/MAT1は、基本転写/DNA修復因子IIH、TFIIHの一成分でもある。TFIIHサブユニットとして、CDK7は、RNAP IIの最大サブユニットのカルボキシ末端領域(CTD)をリン酸化する。これは、CDK7酵素複合体が、細胞中の複数の機能、例えば、細胞周期制御、アポトーシス、転写制御、及びDNA修復に関与していることを示唆する。
【0005】
本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグ、及び組成物を提供する。式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグ、及び組成物は、キナーゼの活性を阻害し得る。特定の実施形態において、キナーゼはCDKである。特定の実施形態において、キナーゼは、CDK7、CDK12、及び/又はCDK13である。特定の実施形態において、式(I)の化合物は、他のキナーゼに比べてCDK7に選択的である。本発明は、キナーゼ(例えば、CDK7)の阻害を研究するための、並びにキナーゼ(例えば、CDK7)の過剰発現及び/又は異常な活性と関連する疾患の予防及び/又は治療のための治療用物質としての、本発明の化合物、並びにその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグ、及び組成物を使用する方法をさらに提供する。特定の実施形態において、本発明の化合物は、対象の増殖性疾患(例えば、癌(例えば、白血病、リンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、乳癌、ユーイング肉腫、骨肉腫、脳癌、神経芽細胞腫、肺癌)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、自己炎症性疾患、及び自己免疫疾患)の予防及び/又は治療に使用される。
【0006】
式(I)の化合物は、CDKの活性を選択的に阻害できる。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、CDK7、CDK12、及び/又はCDK13の活性を選択的に阻害できる。特定の実施形態において、式(I)の化合物は、他のキナーゼに比べて、CDK7の活性を選択的に阻害できる。CDK7の選択的な阻害剤の発見が、CDKファミリーメンバーのキナーゼドメインの高い配列類似性及び構造的類似性により妨害されてきたため、転写に関するサイクリン依存性キナーゼ(tCDK)の選択的阻害剤の開発は、転写の制御への個別の寄与の切り分け及びその治療に関する可能性の評価を可能にするであろう。特定の理論により拘束されることを望まないが、CDK7に対する本発明の化合物の選択性は、CDK7のシステイン(Cys312)残基を共有結合的に修飾する化合物の能力による可能性があり、Cys312はCDK及び他のキナーゼの中で大いに独特である。
【0007】
一態様において、本発明は、式(I):
【化1】
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(式中、環A、L、L、W、RB1、RB2、R、R、R、n、及びpは、本明細書に定義される通りである)
の化合物、並びにその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、及びプロドラッグを提供する。
【0008】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、下式:
【化2】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0009】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、下式:
【化3】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0010】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、下式:
【化4】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0011】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、下式:
【化5】
[この文献は図面を表示できません]

のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0012】
例示的な式(I)の化合物には、図1に描かれた化合物、並びにそのあらゆる薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、及びプロドラッグがあるが、これらに限定されない。
【0013】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は下式:
【化6】
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【化7】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0014】
別の態様において、本発明は、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグ、及び任意選択で薬学的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物を提供する。特定の実施形態において、本明細書に記載される医薬組成物は、治療上有効な量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグを含む。医薬組成物は、増殖性疾患(例えば、癌)又は感染性疾患を治療及び/又は予防するのに有用であり得る。
【0015】
別の態様において、本発明は、増殖性疾患を治療及び/又は予防する方法を提供する。例示的な増殖性疾患には、癌(例えば、白血病、リンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、乳癌、ユーイング肉腫、骨肉腫、脳癌、神経芽細胞腫、肺癌)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、自己炎症性疾患、及び自己免疫疾患がある。他の実施形態において、本発明は、感染性疾患(例えば、ウイルス感染)を治療及び/又は予防する方法を提供する。
【0016】
さらに別の態様において、本発明は、生体試料又は対象中のキナーゼ(例えば、CDK(例えば、CDK7))の発現を下方制御する方法を提供する。特定の実施形態において、方法は、CDK7の発現の特異的な下方制御を含む。
【0017】
本発明の別の態様は、生体試料又は対象においてキナーゼ(例えば、CDK(例えば、CDK7))の活性を阻害する方法に関する。特定の実施形態において、方法は、CDK7の選択的阻害を含む。
【0018】
生体試料又は対象中で転写を阻害する方法も本発明により提供される。CDK7の活性により影響される遺伝子の転写は、本発明の化合物により阻害され得る。
【0019】
本発明は、生体試料又は対象中の細胞成長を阻害する方法も提供する。
【0020】
さらに別の態様において、本発明は、生体試料又は対象中の細胞のアポトーシスを誘導する方法も提供する。
【0021】
本発明の別の態様は、化合物(例えば、式(I)の化合物)のライブラリーをスクリーニングして、対象の増殖性疾患(例えば、癌(例えば、白血病、リンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、乳癌、ユーイング肉腫、骨肉腫、脳癌、神経芽細胞腫、肺癌)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、自己炎症性疾患、及び自己免疫疾患)又は感染性疾患(例えば、ウイルス感染)の治療において、キナーゼ(例えば、CDK7などのCDK)の阻害において、細胞成長の阻害において、細胞のアポトーシスの誘導において、及び/又は転写の阻害において有用な1種以上の化合物を特定する方法に関する。
【0022】
さらに別の態様において、本発明は、対象の増殖性疾患の治療に使用するための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグ、及び組成物を提供する。
【0023】
さらに別の態様において、本発明は、対象の感染性疾患の治療又は予防に使用するための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグ、及び組成物を提供する。特定の実施形態において、感染性疾患はウイルス感染である。
【0024】
本発明の別の態様は、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグ、又はその医薬組成物と共に容器を含むキットに関する。本発明のキットは、単一投与量若しくは複数の投与量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグ、又はその医薬組成物を含み得る。提供されるキットは、対象の増殖性疾患(例えば、癌(例えば、白血病、リンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、乳癌、ユーイング肉腫、骨肉腫、脳癌、神経芽細胞腫、肺癌)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、自己炎症性疾患、及び自己免疫疾患)又は感染性疾患の治療及び/又は予防に有用であり得る。特定の実施形態において、本明細書に記載されるキットは、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグ、又はその医薬組成物を投与するための説明書をさらに含む。
【0025】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細が本明細書に説明される。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、詳細な説明、実施例、及び特許請求の範囲から明らかであろう。
【0026】
定義
具体的な官能基及び化学用語の定義が、以下により詳細に記載される。化学元素は、Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.の表紙裏に従って特定され、具体的な官能基は、その中に記載される通り全般的に定義される。さらに、有機化学の一般原則、並びに具体的な官能部分及び反応性は、Thomas Sorrell,Organic Chemistry,University Science Books,Sausalito,1999;Smith and March,March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley&Sons,Inc.,New York,2001;Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989;及びCarruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987に記載されている。
【0027】
本明細書に記載される化合物は、1つ以上の不斉中心を含むことがあり、そのため、種々の異性体形態、例えば、エナンチオマー及び/又はジアステレオマーで存在し得る。例えば、本明細書に記載される化合物は、個別のエナンチオマー、ジアステレオマー、又は幾何異性体の形態のことも、ラセミ混合物及び1つ以上の立体異性体に富んだ混合物を含む立体異性体の混合物の形態のこともある。異性体は、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及びキラル塩の形成と結晶化を含む、当業者に公知の方法により混合物から単離できる。或いは、好ましい異性体は不斉合成により調製できる。例えば、Jacques et al.,Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley Interscience,New York,1981);Wilen et al.,Tetrahedron 33:2725(1977);Eliel,Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw−Hill,NY,1962);及びWilen,Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p.268(E.L.Eliel,Ed.,Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN 1972)を参照されたい。本発明は、他の異性体を実質的に含まない個別の異性体としての、或いは種々の異性体の混合物としての本明細書に記載される化合物をさらに包含する。
【0028】
ある範囲の値が列記される場合、範囲内の各値及び部分範囲を包含するものとする。例えば、「C1−6」は、C、C、C、C、C、C、C1−6、C1−5、C1−4、C1−3、C1−2、C2−6、C2−5、C2−4、C2−3、C3−6、C3−5、C3−4、C4−6、C4−5、及びC5−6を包含するものとする。
【0029】
「炭化水素鎖」は、置換又は非置換の二価アルキル、アルケニル、又はアルキニル基を指す。炭化水素鎖は、その各交点(「炭素単位」)が、炭化水素鎖の2つの基の間に少なくとも1つの炭素原子を含む少なくとも1つの鎖を含む。例えば、炭化水素鎖−CH(C)−は、1つの炭素単位Cのみを含む。xが正の整数である用語「C炭化水素鎖」は、炭化水素鎖の2つの基の間に、x数の炭素単位を含む炭化水素鎖を指す。xの可能な値が2つ以上ある場合、可能な最小の値のxが炭化水素鎖の定義に使用される。例えば、−CH(C)−は、C炭化水素鎖であり、
【化8】
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は、C炭化水素鎖である。ある範囲の値、例えば、C1−6炭化水素鎖が使用される場合、範囲の意味は本明細書に述べられた通りである。炭化水素鎖は、飽和(例えば、−(CH−)であり得る。炭化水素鎖は不飽和のこともあり、炭化水素鎖中のいずれの箇所にでも1つ以上のC=C及び/又はC≡C結合を含み得る。例えば、−CH=CH−(CH−、−CH−C≡C−CH−、及び−C≡C−CH=CH−は、全て非置換の不飽和炭化水素鎖の例である。特定の実施形態において、炭化水素鎖は、非置換(例えば、−(CH−)である。特定の実施形態において、炭化水素鎖は置換されている(例えば、−CH(C)−及び−CF−)。炭化水素鎖の任意の2つの置換基は結合して、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、又は任意選択で置換されているヘテロアリール環を形成し得る。例えば、
【化9】
[この文献は図面を表示できません]

は、全て炭化水素鎖の例である。対照的に、特定の実施形態において、
【化10】
[この文献は図面を表示できません]

は、本明細書に記載される炭化水素鎖の範囲内にない。
【0030】
「アルキル」は、1〜20個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素基の基を指す(「C1−20アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1〜10個の炭素原子を有する(「C1−10アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1〜9個の炭素原子を有する(「C1−9アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1〜8個の炭素原子を有する(「C1−8アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1〜7個の炭素原子を有する(「C1−7アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を有する(「C1−6アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1〜5個の炭素原子を有する(「C1−5アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1〜4個の炭素原子を有する(「C1−4アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1〜3個の炭素原子を有する(「C1−3アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1〜2個の炭素原子を有する(「C1−2アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1個の炭素原子を有する(「Cアルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、2〜6個の炭素原子を有する(「C2−6アルキル」)。C1−6アルキル基の例には、メチル(C)、エチル(C)、n−プロピル(C)、イソプロピル(C)、n−ブチル(C)、tert−ブチル(C)、sec−ブチル(C)、iso−ブチル(C)、n−ペンチル(C)、3−ペンタニル(C)、アミル(C)、ネオペンチル(C)、3−メチル−2−ブタニル(C)、ターシャリーアミル(C)、及びn−ヘキシル(C)がある。アルキル基の追加の例には、n−ヘプチル(C)、n−オクチル(C)などがある。特記されない限り、アルキル基の各例は、独立に任意選択で置換されており、すなわち非置換(「非置換アルキル」)又は1つ以上の置換基により置換されている(「置換アルキル」)。特定の実施形態において、アルキル基は非置換のC1−10アルキル(例えば、−CH)である。特定の実施形態において、アルキル基は置換されているC1−10アルキルである。
【0031】
「アルケニル」は、2〜20個の炭素原子、1つ以上の炭素−炭素二重結合を有し、三重結合がない直鎖又は分岐鎖の炭化水素基の基を指す(「C2−20アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2〜10個の炭素原子を有する(「C2−10アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2〜9個の炭素原子を有する(「C2−9アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2〜8個の炭素原子を有する(「C2−8アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2〜7個の炭素原子を有する(「C2−7アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2〜6個の炭素原子を有する(「C2−6アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2〜5個の炭素原子を有する(「C2−5アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2〜4個の炭素原子を有する(「C2−4アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2〜3個の炭素原子を有する(「C2−3アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2つの炭素原子を有する(「Cアルケニル」)。1つ以上の炭素−炭素二重結合は、内部(2−ブテニルなど)でも、末端(1−ブテニルなど)でもよい。C2−4アルケニル基の例には、エテニル(C)、1−プロペニル(C)、2−プロペニル(C)、1−ブテニル(C)、2−ブテニル(C)、ブタジエニル(C)などがある。C2−6アルケニル基の例には、上述のC2−4アルケニル基並びにペンテニル(C)、ペンタジエニル(C)、ヘキセニル(C)などがある。アルケニルの追加の例には、ヘプテニル(C)、オクテニル(C)、オクタトリエニル(C)などがある。特記されない限り、アルケニル基の各例は、独立に、任意選択で置換されており、すなわち非置換(「非置換アルケニル」)又は1つ以上の置換基により置換されている(「置換アルケニル」)。特定の実施形態において、アルケニル基は、非置換のC2−10アルケニルである。特定の実施形態において、アルケニル基は、置換されているC2−10アルケニルである。
【0032】
「アルキニル」は、2〜20個の炭素原子、1つ以上の炭素−炭素三重結合、及び任意選択で1つ以上の二重結合を有する直鎖又は分岐鎖炭化水素基の基である(「C2−20アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、2〜10個の炭素原子を有する(「C2−10アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、2〜9個の炭素原子を有する(「C2−9アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、2〜8個の炭素原子を有する(「C2−8アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、2〜7個の炭素原子を有する(「C2−7アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、2〜6個の炭素原子を有する(「C2−6アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、2〜5個の炭素原子を有する(「C2−5アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、2〜4個の炭素原子を有する(「C2−4アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、2〜3個の炭素原子を有する(「C2−3アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、2つの炭素原子を有する(「Cアルキニル」)。1つ以上の炭素−炭素三重結合は、内部(2−ブチニルなど)でも、末端(1−ブチニルなど)でもよい。C2−4アルキニル基の例には、非限定的に、エチニル(C)、1−プロピニル(C)、2−プロピニル(C)、1−ブチニル(C)、2−ブチニル(C)などがある。C2−6アルケニル基の例には、上述のC2−4アルキニル基並びにペンチニル(C)、ヘキシニル(C)などがある。アルキニルの追加の例には、ヘプチニル(C)、オクチニル(C)などがある。特記されない限り、アルキニル基の各例は、独立に任意選択で置換されており、すなわち非置換の(「非置換アルキニル」)又は1つ以上の置換基により置換されている(「置換アルキニル」)。特定の実施形態において、アルキニル基は、非置換のC2−10アルキニルである。特定の実施形態において、アルキニル基は、置換されているC2−10アルキニルである。
【0033】
「カルボシクリル」又は「炭素環式」は、3〜10個の環炭素原子(「C3−10カルボシクリル」)及び非芳香環系中に零のヘテロ原子を有する非芳香族環式炭化水素基の基を指す。いくつかの実施形態において、カルボシクリル基は、3〜8個の環炭素原子を有する(「C3−8カルボシクリル」)。いくつかの実施形態において、カルボシクリル基は、3〜6個の環炭素原子を有する(「C3−6カルボシクリル」)。いくつかの実施形態において、カルボシクリル基は、3〜6個の環炭素原子を有する(「C3−6カルボシクリル」)。いくつかの実施形態において、カルボシクリル基は、5〜10個の環炭素原子を有する(「C5−10カルボシクリル」)。例示的なC3−6カルボシクリル基には、非限定的に、シクロプロピル(C)、シクロプロペニル(C)、シクロブチル(C)、シクロブテニル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)などがある。例示的なC3−8カルボシクリル基には、非限定的に、上述のC3−6カルボシクリル基並びにシクロヘプチル(C)、シクロヘプテニル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、シクロオクテニル(C)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C)などがある。例示的なC3−10カルボシクリル基には、非限定的に、上述のC3−8カルボシクリル基並びにシクロノニル(C)、シクロノネニル(C)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ−1H−インデニル(C)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)などがある。前記例が示す通り、特定の実施形態において、カルボシクリル基は、単環式(「単環式カルボシクリル」)であるか、二環式系(「二環式カルボシクリル」)などの縮合、架橋、若しくはスピロ環系を含み、飽和でも部分的不飽和でもよい。「カルボシクリル」は、先に定義された炭素環式環が1つ以上のアリール又はヘテロアリール基と縮合しており、その場合結合点が炭素環式環上にあり、そのような場合に、炭素の数が炭素環式環系中の炭素の数を明示し続ける環系も含む。特記されない限り、カルボシクリル基の各例は、独立に任意選択で置換されており、すなわち非置換(「非置換カルボシクリル」)又は1つ以上の置換基により置換されている(「置換カルボシクリル」)。特定の実施形態において、カルボシクリル基は、非置換のC3−10カルボシクリルである。特定の実施形態において、カルボシクリル基は、置換されているC3−10カルボシクリルである。
【0034】
いくつかの実施形態において、「カルボシクリル」は、3〜10個の環炭素原子を有する単環式の飽和カルボシクリル基である(「C3−10シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、3〜8個の環炭素原子を有する(「C3−8シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、3〜6個の環炭素原子を有する(「C3−6シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、5〜6個の環炭素原子を有する(「C5−6シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、5〜10個の環炭素原子を有する(「C5−10シクロアルキル」)。C5−6シクロアルキル基の例には、シクロペンチル(C)及びシクロヘキシル(C)がある。C3−6シクロアルキル基の例には、上述のC5−6シクロアルキル基並びにシクロプロピル(C)及びシクロブチル(C)がある。C3−8シクロアルキル基の例には、上述のC3−6シクロアルキル基並びにシクロヘプチル(C)及びシクロオクチル(C)がある。特記されない限り、シクロアルキル基の各例は、独立に非置換(「非置換のシクロアルキル」)又は1つ以上の置換基により置換されている(「置換シクロアルキル」)。特定の実施形態において、シクロアルキル基は、非置換のC3−10シクロアルキルである。特定の実施形態において、シクロアルキル基は、置換されているC3−10シクロアルキルである。
【0035】
「ヘテロシクリル」又は「複素環式」は、環炭素原子及び1〜4個の環ヘテロ原子を有する3〜10員の非芳香環系の基であって、各ヘテロ原子が、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素から独立に選択されるものを指す(「3〜10員ヘテロシクリル」)。1つ以上の窒素原子を含むヘテロシクリル基において、結合点は、原子価が許す通り、炭素原子でも窒素原子でもよい。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)でも、二環式系(「二環式ヘテロシクリル」)など縮合、架橋、若しくはスピロ環系でもよく、飽和でも部分的不飽和でもよい。ヘテロシクリル二環式環系は、一方又は両方の環に1つ以上のヘテロ原子を含み得る。「ヘテロシクリル」は、先に定義された複素環式環が1つ以上のカルボシクリル基と縮合し、結合点がカルボシクリル若しくは複素環式環にある環系か、又は先に定義された複素環式環が1つ以上のアリール又はヘテロアリール基と縮合し、結合点が複素環式環にあり、そのような場合、環員の数が、複素環式環系中の環員の数を明示し続ける環系も含む。特記されない限り、ヘテロシクリルの各例は、独立に任意選択で置換されており、すなわち非置換の(「非置換ヘテロシクリル」)又は1つ以上の置換基により置換されている(「置換ヘテロシクリル」)。特定の実施形態において、ヘテロシクリル基は非置換の3〜10員ヘテロシクリルである。特定の実施形態において、ヘテロシクリル基は、置換されている3〜10員ヘテロシクリルである。
【0036】
いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子及び1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜10員の非芳香環系であって、各ヘテロ原子が、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素から独立に選択されるものである(「5〜10員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子及び1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜8員の非芳香環系であって、各ヘテロ原子が、窒素、酸素、及び硫黄から独立に選択されるものである(「5〜8員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子及び1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜6員の非芳香環系であって、各ヘテロ原子が、窒素、酸素、及び硫黄から独立に選択されるものである(「5〜6員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態において、5〜6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5〜6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1〜2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5〜6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1つの環ヘテロ原子を有する。
【0037】
1つのヘテロ原子を含む例示的な3員ヘテロシクリル基には、非限定的に、アジルジニル(azirdinyl)、オキシラニル、及びチイラニルがある。1つのヘテロ原子を含む例示的な4員ヘテロシクリル基には、非限定的に、アゼチジニル、オキセタニル、及びチエタニルがある。1つのヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリル基には、非限定的に、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、及びピロリル−2,5−ジオンがある。2つのヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリル基には、非限定的に、ジオキソラニル、オキサスルフラニル、ジスルフラニル、及びオキサゾリジン−2−オンがある。3つのヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリル基には、非限定的に、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、及びチアジアゾリニルがある。1つのヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリル基には、非限定的に、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、及びチアニルがある。2つのヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリル基には、非限定的に、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、及びジオキサニルがある。2つのヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリル基には、非限定的に、トリアジナニルがある。1つのヘテロ原子を含む例示的な7員ヘテロシクリル基には、非限定的に、アゼパニル、オキセパニル、及びチエパニルがある。1つのヘテロ原子を含む例示的な8員ヘテロシクリル基には、非限定的に、アゾカニル、オキセカニル、及びチオカニルがある。Cアリール環に縮合した例示的な5員ヘテロシクリル基(本明細書中で5,6−二環式複素環式環とも称される)には、非限定的に、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニルなどがある。アリール環に縮合した例示的な6員ヘテロシクリル基(本明細書において6,6−二環式複素環式環とも称される)には、非限定的に、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどがある。
【0038】
「アリール」は、芳香環系中に提供された6〜14個の環炭素原子及び0個のヘテロ原子を有する単環式又は多環式(例えば、二環式又は三環式)の4n+2芳香環系(例えば、環式配列中に共有された6、10、又は14個のp電子を有する)の基を指す(「C6−14アリール」)。いくつかの実施形態において、アリール基は、6つの環炭素原子を有する(「Cアリール」;例えば、フェニル)。いくつかの実施形態において、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」;例えば、1−ナフチル及び2−ナフチルなどのナフチル)。いくつかの実施形態において、アリール基は、14個の環炭素原子を有する(「C14アリール」;例えば、アントラシル)。「アリール」は、先に定義されたアリール環が1つ以上のカルボシクリル又はヘテロシクリル基と縮合し、結合の基又は点がアリール環上にあり、そのような場合、炭素原子の数が、アリール環系中の炭素原子の数を明示し続ける環系も含む。特記されない限り、アリール基の各例は、独立に任意選択で置換されており、すなわち非置換(「非置換のアリール」)又は1つ以上の置換基により置換されている(「置換されているアリール」)。特定の実施形態において、アリール基は、非置換のC6−14アリールである。特定の実施形態において、アリール基は、置換されているC6−14アリールである。
【0039】
「アラルキル」は、アルキル及びアリールの一部であり、任意選択で置換されているアリール基により置換されている任意選択で置換されているアルキル基を指す。特定の実施形態において、アラルキルは、任意選択で置換されているベンジルである。特定の実施形態において、アラルキルはベンジルである。特定の実施形態において、アラルキルは任意選択で置換されているフェネチルである。特定の実施形態において、アラルキルはフェネチルである。
【0040】
「ヘテロアリール」は、芳香環系中に提供された環炭素原子及び1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜10員の単環式又は二環式4n+2芳香環系(例えば、環式配列中で共有された6又は10個のp電子を有する)の基であり、各ヘテロ原子が、窒素、酸素、及び硫黄から独立に選択されるものである(「5〜10員ヘテロアリール」)。1つ以上の窒素原子を含むヘテロアリール基において、結合点は、原子価が許す通り、炭素原子でも窒素原子でもよい。ヘテロアリール二環式環系は、一方又は両方の環に1つ以上のヘテロ原子を含み得る。「ヘテロアリール」は、先に定義されたヘテロアリール環が1つ以上のカルボシクリル又はヘテロシクリル基と縮合しており、結合点がヘテロアリール環上にあり、そのような場合、環員の数が、ヘテロアリール環系中の環員の数を明示し続けている環系を含む。「ヘテロアリール」は、先に定義されたヘテロアリール環が1つ以上のアリール基と縮合しており、結合点がアリール又はヘテロアリール環上にあり、そのような場合、環員の数が、縮合(アリール/ヘテロアリール)環系中の環員の数を明示する環系も含む。一方の環がヘテロ原子を含まない二環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリルなど)は、結合点がいずれの環の上でもよく、すなわち、ヘテロ原子を有する環(例えば、2−インドリル)でも、ヘテロ原子を含まない環(例えば、5−インドリル)でもよい。
【0041】
いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、芳香環系中に提供された環炭素原子及び1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜10員芳香環系であって、各ヘテロ原子が、窒素、酸素、及び硫黄から独立に選択されるものである(「5〜10員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、芳香環系中に提供された環炭素原子及び1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜8員芳香環系であって、各ヘテロ原子が、窒素、酸素、及び硫黄から独立に選択されるものである(「5〜8員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、芳香環系中に提供された環炭素原子及び1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜6員芳香環系であって、各ヘテロ原子が、窒素、酸素、及び硫黄から独立に選択されるものである(「5〜6員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、5〜6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5〜6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1〜2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5〜6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。特記されない限り、ヘテロアリール基の各例は、独立に任意選択で置換されており、すなわち非置換(「非置換のヘテロアリール」)又は1つ以上の置換基により置換されている(「置換されているヘテロアリール」)。特定の実施形態において、ヘテロアリール基は、非置換5〜14員ヘテロアリールである。特定の実施形態において、ヘテロアリール基は、置換されている5〜14員ヘテロアリールである。
【0042】
1つのヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基には、非限定的に、ピロリル、フラニル、及びチオフェニルがある。2つのヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基には、非限定的に、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、及びイソチアゾリルがある。3つのヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基には、非限定的に、トリアゾリル、オキサジアゾリル、及びチアジアゾリルがある。4つのヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基には、非限定的に、テトラゾリルがある。1つのヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基には、非限定的に、ピリジニルがある。2つのヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基には、非限定的に、ピリダジニル、ピリミジニル、及びピラジニルがある。3又は4つのヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基には、非限定的に、それぞれトリアジニル及びテトラジニルがある。1つのヘテロ原子を含む例示的な7員ヘテロアリール基には、非限定的に、アゼピニル、オキセピニル、及びチエピニルがある。例示的な5,6−二環式ヘテロアリール基には、非限定的に、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル(benzoisofuranyl)、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル(benzthiazolyl)、ベンゾイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル(benzthiadiazolyl)、インドリジニル、及びプリニルがある。例示的な6,6−二環式ヘテロアリール基には、非限定的に、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、及びキナゾリニルがある。
【0043】
「ヘテロアラルキル」は、アルキルとヘテロアリールの一部であり、任意選択で置換されているヘテロアリール基により置換されている任意選択で置換されているアルキル基を指す。
【0044】
「部分的に不飽和」は、少なくとも1つの二重結合又は三重結合を含む基を指す。「部分的に不飽和」な環系は、複数の不飽和部位を有する環を包含するようにさらに意図されるが、本明細書に定義される芳香族基(例えば、アリール又はヘテロアリール基)を含むようには意図されない。同様に、「飽和」は、二重結合も三重結合も含まない、すなわち全て単結合を含む基を指す。
【0045】
二価の連結基であるアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリール基は、接尾辞−エンを使用して、例えば、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、カルボシクリレン、ヘテロシクリレン、アリーレン、及びヘテロアリーレンとさらに称される。
【0046】
用語「任意選択で置換されている」は置換又は非置換を指す。
【0047】
アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリール基は、任意選択で置換されている(例えば、「置換されている」若しくは「非置換の」アルキル、「置換されている」若しくは「非置換の」アルケニル、「置換されている」若しくは「非置換の」アルキニル、「置換されている」若しくは「非置換の」カルボシクリル、「置換されている」若しくは「非置換の」ヘテロシクリル、「置換されている」若しくは「非置換の」アリール、又は「置換されている」若しくは「非置換の」ヘテロアリール基)。一般に、用語「置換されている」は、用語「任意選択で」が前にあろうとなかろうと、基(例えば、炭素又は窒素原子)に存在する少なくとも1つの水素が、許容し得る置換基、例えば、置換と同時に安定な化合物、例えば、転位、環化、脱離、又は他の反応によるなど自然に変換を起こさない化合物をもたらす置換基により置換されることを意味する。特記されない限り、「置換されている」基は、その基の1つ以上の置換可能な位置で置換基を有し、ある所与の構造中で2つ以上の位置が置換される場合、置換基は、各位置で同じ又は異なる。用語「置換されている」は、有機化合物の全ての許容し得る置換基、安定な化合物の形成をもたらす本明細書に記載される置換基のいずれかによる置換を含むように企図される。本発明は、安定な化合物に達するために、あらゆるそのような組み合わせを企図する。本発明の目的上、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基及び/又はヘテロ原子の原子価を満たして安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載のあらゆる好適な置換基を有し得る。
【0048】
例示的な炭素原子置換基には、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−ORaa、−ON(Rbb、−N(Rbb、−N(Rbb、−N(ORcc)Rbb、−SH、−SRaa、−SSRcc、−C(=O)Raa、−COH、−CHO、−C(ORcc、−COaa、−OC(=O)Raa、−OCOaa、−C(=O)N(Rbb、−OC(=O)N(Rbb、−NRbbC(=O)Raa、−NRbbCOaa、−NRbbC(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−OC(=NRbb)N(Rbb、−NRbbC(=NRbb)N(Rbb、−C(=O)NRbbSOaa、−NRbbSOaa、−SON(Rbb、−SOaa、−SOORaa、−OSOaa、−S(=O)Raa、−OS(=O)Raa、−Si(Raa、−OSi(Raa−C(=S)N(Rbb、−C(=O)SRaa、−C(=S)SRaa、−SC(=S)SRaa、−SC(=O)SRaa、−OC(=O)SRaa、−SC(=O)ORaa、−SC(=O)Raa、−P(=O)aa、−OP(=O)aa、−P(=O)(Raa、−OP(=O)(Raa、−OP(=O)(ORcc、−P(=O)N(Rbb、−OP(=O)N(Rbb、−P(=O)(NRbb、−OP(=O)(NRbb、−NRbbP(=O)(ORcc、−NRbbP(=O)(NRbb、−P(Rcc、−P(Rcc、−OP(Rcc、−OP(Rcc、−B(Raa、−B(ORcc、−BRaa(ORcc)、C1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6−14アリール、及び5〜14員ヘテロアリールがあるが、これらに限定されないか(ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、独立に、0、1、2、3、4、又は5つのRdd基により置換されている);
或いは、ある炭素原子上の2つのジェミナル水素は、基=O、=S、=NN(Rbb、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)aa、=NRbb、又は=NORccと交換されており;
aaの各例は、独立に、C1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6−14アリール、及び5〜14員ヘテロアリールから選択されるか、又は2つのRaa基は結合して、3〜14員ヘテロシクリル又は5〜14員ヘテロアリール環を形成し(ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、独立に、0、1、2、3、4、又は5つのRdd基により置換されている);
bbの各例は、独立に、水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)aa、−P(=O)(Raa、−P(=O)N(Rcc、−P(=O)(NRcc、C1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6−14アリール、及び5〜14員ヘテロアリールから選択されるか、又は2つのRbb基は結合して、3〜14員ヘテロシクリル又は5〜14員ヘテロアリール環を形成し(ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、独立に、0、1、2、3、4、又は5つのRdd基により置換されている);
ccの各例は、独立に、水素、C1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6−14アリール、及び5〜14員ヘテロアリールから選択されるか、又は2つのRcc基は結合して、3〜14員ヘテロシクリル又は5〜14員ヘテロアリール環を形成し(ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、独立に、0、1、2、3、4、又は5つのRdd基により置換されている);
ddの各例は、独立に、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−ORee、−ON(Rff、−N(Rff、−N(Rff、−N(ORee)Rff、−SH、−SRee、−SSRee、−C(=O)Ree、−COH、−COee、−OC(=O)Ree、−OCOee、−C(=O)N(Rff、−OC(=O)N(Rff、−NRffC(=O)Ree、−NRffCOee、−NRffC(=O)N(Rff、−C(=NRff)ORee、−OC(=NRff)Ree、−OC(=NRff)ORee、−C(=NRff)N(Rff、−OC(=NRff)N(Rff、−NRffC(=NRff)N(Rff、−NRffSOee、−SON(Rff、−SOee、−SOORee、−OSOee、−S(=O)Ree、−Si(Ree、−OSi(Ree、−C(=S)N(Rff、−C(=O)SRee、−C(=S)SRee、−SC(=S)SRee、−P(=O)ee、−P(=O)(Ree、−OP(=O)(Ree、−OP(=O)(ORee、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜10員ヘテロシクリル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリールから選択されるか(ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、独立に、0、1、2、3、4、又は5つのRgg基により置換されている)、又は2つのジェミナルRdd置換基は結合して=O又は=Sを形成でき;
eeの各例は、独立に、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−10カルボシクリル、C6−10アリール、3〜10員ヘテロシクリル、及び3〜10員ヘテロアリールから選択され(ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、独立に、0、1、2、3、4、又は5つのRgg基により置換されている);
ffの各例は、独立に、水素、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜10員ヘテロシクリル、C6−10アリール、及び5〜10員ヘテロアリールから選択されるか、又は2つのRff基は結合して、3〜14員ヘテロシクリル又は5〜14員ヘテロアリール環を形成し(ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、独立に、0、1、2、3、4、又は5つのRgg基により置換されている);且つ
ggの各例は、独立に、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−OC1−6アルキル、−ON(C1−6アルキル)、−N(C1−6アルキル)、−N(C1−6アルキル)、−NH(C1−6アルキル)、−NH(C1−6アルキル)、−NH、−N(OC1−6アルキル)(C1−6アルキル)、−N(OH)(C1−6アルキル)、−NH(OH)、−SH、−SC1−6アルキル、−SS(C1−6アルキル)、−C(=O)(C1−6アルキル)、−COH、−CO(C1−6アルキル)、−OC(=O)(C1−6アルキル)、−OCO(C1−6アルキル)、−C(=O)NH、−C(=O)N(C1−6アルキル)、−OC(=O)NH(C1−6アルキル)、−NHC(=O)(C1−6アルキル)、−N(C1−6アルキル)C(=O)(C1−6アルキル)、−NHCO(C1−6アルキル)、−NHC(=O)N(C1−6アルキル)、−NHC(=O)NH(C1−6アルキル)、−NHC(=O)NH、−C(=NH)O(C1−6アルキル)、−OC(=NH)(C1−6アルキル)、−OC(=NH)OC1−6アルキル、−C(=NH)N(C1−6アルキル)、−C(=NH)NH(C1−6アルキル)、−C(=NH)NH、−OC(=NH)N(C1−6アルキル)、−OC(NH)NH(C1−6アルキル)、−OC(NH)NH、−NHC(NH)N(C1−6アルキル)、−NHC(=NH)NH、−NHSO(C1−6アルキル)、−SON(C1−6アルキル)、−SONH(C1−6アルキル)、−SONH、−SO1−6アルキル、−SOOC1−6アルキル、−OSO1−6アルキル、−SOC1−6アルキル、−Si(C1−6アルキル)、−OSi(C1−6アルキル)−C(=S)N(C1−6アルキル)、C(=S)NH(C1−6アルキル)、C(=S)NH、−C(=O)S(C1−6アルキル)、−C(=S)SC1−6アルキル、−SC(=S)SC1−6アルキル、−P(=O)(C1−6アルキル)、−P(=O)(C1−6アルキル)、−OP(=O)(C1−6アルキル)、−OP(=O)(OC1−6アルキル)、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−10カルボシクリル、C6−10アリール、3〜10員ヘテロシクリル、5〜10員ヘテロアリールであるか;又は、2つのジェミナルRgg置換基は結合して、=O又は=Sを形成でき;ここで、Xは対イオンである。
【0049】
「対イオン」又は「アニオン性対イオン」は、電子的中性を維持するために、カチオン性四級アミノ基と会合した負に帯電した基である。例示的な対イオンには、ハライドイオン(例えば、F、Cl、Br、I)、NO、ClO、OH、HPO、HSO、スルホナートイオン(例えば、メタンスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、p−トルエンスルホナート、ベンゼンスルホナート、10−カンファースルホナート、ナフタレン−2−スルホナート、ナフタレン−1−スルホン酸−5−スルホナート、エタン−1−スルホン酸−2−スルホナートなど)、及びカルボキシラートイオン(例えば、アセタート、エタノアート、プロパノアート、ベンゾアート、グリセラート、ラクタート、タータラート、グリコラートなど)がある。
【0050】
「ハロ」又は「ハロゲン」は、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)、又はヨウ素(ヨード、−I)を指す。
【0051】
「アシル」は、−C(=O)Raa、−CHO、−COaa、−C(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−C(=O)NRbbSOaa、−C(=S)N(Rbb、−C(=O)SRaa、又は−C(=S)SRaa(ここで、Raa及びRbbは本明細書に定義される通りである)からなる群から選択される部分を指す。
【0052】
「アルコキシ」又は「アルコキシル」は、式:−O−アルキルの基を指す。
【0053】
窒素原子は、原子価が許す通り、置換にも非置換にもなることができ、一級、二級、三級、及び四級窒素原子がある。例示的な窒素原子置換基には、水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)aa、−P(=O)(Raa、−P(=O)N(Rcc、−P(=O)(NRcc、C1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6−14アリール、及び5〜14員ヘテロアリールがあるが、これらに限定されず、又は窒素原子に結合している2つのRcc基は結合して、3〜14員ヘテロシクリル又は5〜14員ヘテロアリール環を形成する(ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、独立に、0、1、2、3、4、又は5つのRdd基により置換されており、Raa、Rbb、Rcc、及びRddは先に定義された通りである)。
【0054】
特定の実施形態において、窒素原子上に存在する置換基は、窒素保護基(アミノ保護基とも称される)である。窒素保護基には、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRcc)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、C1−10アルキル(例えば、アラルキル、ヘテロアラルキル)、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6−14アリール、及び5〜14員ヘテロアリール基があるが、これらに限定されない(ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリール、及びヘテロアリールは、独立に、0、1、2、3、4、又は5つのRdd基により置換されており、Raa、Rbb、Rcc、及びRddは本明細書に定義される通りである)。窒素保護基は当技術分野に周知であり、参照により本明細書に組み込まれるProtecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,3rd edition,John Wiley&Sons,1999に詳述されているものがある。
【0055】
例えば、アミド基(例えば、−C(=O)Raa)などの窒素保護基には、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトフェニルアセトアミド(nitophenylacetamide)、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’−ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロシンナミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミド、及びo−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドがあるが、これらに限定されない。
【0056】
カルバマート基(例えば、−C(=O)ORaa)などの窒素保護基には、メチルカルバマート、エチルカルバマント(carbamante)、9−フルオレニルメチルカルバマート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバマート、9−(2,7−ジブロモ)フルオロエニルメチル(fluoroenylmethyl)カルバマート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバマート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバマート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバマート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバマート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバマート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバマート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバマート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバマート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバマート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルカルバマート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバマート(t−Bumeoc)、2−(2’−及び4’−ピリジル)エチルカルバマート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキシアミド)エチルカルバマート、t−ブチルカルバマート(BOC)、1−アダマンチルカルバマート(Adoc)、ビニルカルバマート(Voc)、アリルカルバマート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバマート(Ipaoc)、シンナミルカルバマート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバマート(Noc)、8−キノリルカルバマート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバマート、アルキルジチオカルバマート、ベンジルカルバマート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバマート(Moz)、p−ニトベンジル(nitobenzyl)カルバマート、p−ブロモベンジルカルバマート、p−クロロベンジルカルバマート、2,4−ジクロロベンジルカルバマート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバマート(Msz)、9−アントリルメチルカルバマート、ジフェニルメチルカルバマート、2−メチルチオエチルカルバマート、2−メチルスルホニルエチルカルバマート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバマート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバマート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバマート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバマート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバマート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバマート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバマート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバマート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバマート、5−ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバマート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバマート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバマート、3,5−ジメトキシベンジルカルバマート、o−ニトロベンジルカルバマート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバマート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバマート、t−アミルカルバマート、S−ベンジルチオカルバマート、p−シアノベンジルカルバマート、シクロブチルカルバマート、シクロヘキシルカルバマート、シクロペンチルカルバマート、シクロプロピルメチルカルバマート、p−デシルオキシベンジルカルバマート、2,2−ジメトキシアシルビニルカルバマート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバマート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバマート、1,1−ジメチルプロピニルカルバマート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバマート、2−フラニルメチルカルバマート、2−ヨードエチルカルバマート、イソボリンル(isoborynl)カルバマート、イソブチルカルバマート、イソニコチニルカルバマート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバマート、1−メチルシクロブチルカルバマート、1−メチルシクロヘキシルカルバマート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバマート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバマート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバマート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバマート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバマート、フェニルカルバマート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバマート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバマート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバマート、及び2,4,6−トリメチルベンジルカルバマートがあるが、これらに限定されない。
【0057】
スルホンアミド基(例えば、−S(=O)aa)などの窒素保護基には、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、及びフェナシルスルホンアミドがあるが、これらに限定されない。
【0058】
他の窒素保護基には、フェノチアジニル−(10)−アシル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノアシル誘導体、N’−フェニルアミノチオアシル誘導体、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N−アセチルメチオニン誘導体、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタンアダクト(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピローリン(pyroolin)−3−イル)アミン、四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボリン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタアシルクロム−又はタングステン)アシル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミダート、ジベンジルホスホロアミダート、ジフェニルホスホロアミダート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、及び3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)があるが、これらに限定されない。
【0059】
特定の実施形態において、酸素原子上に存在する置換基は酸素保護基(ヒドロキシル保護基とも称される)である。酸素保護基には、−Raa、−N(Rbb、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−COaa、−C(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−S(=O)Raa、−SOaa、−Si(Raa、−P(Rcc、−P(Rcc、−P(=O)aa、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORcc、−P(=O)N(Rbb、及び−P(=O)(NRbb(ここで、Raa、Rbb、及びRccは本明細書に定義される通りである)があるが、これらに限定されない。酸素保護基は当技術分野に周知であり、参照により本明細書に組み込まれるProtecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,3rd edition,John Wiley&Sons,1999に詳述されているものがある。
【0060】
例示的な酸素保護基には、メチル、メトキシメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4’’−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4’’−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アンスリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アンスリル、1,3−ベンゾジスルフラン−2−イル、ベンゾイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ホルマート、ベンゾイルホルマート、アセタート、クロロアセテート、ジクロロアセタート、トリクロロアセタート、トリフルオロアセタート、メトキシアセタート、トリフェニルメトキシアセタート、フェノキシアセタート、p−クロロフェノキシアセタート、3−フェニルプロピオナート、4−オキソペンタノアート(レブリナート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノアート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロアート、アダマントアート、クロトナート、4−メトキシクロトナート、ベンゾアート、p−フェニルベンゾアート、2,4,6−トリメチルベンゾアート(メシトアート)、アルキルメチルカーボナート、9−フルオレニルメチルカーボナート(Fmoc)、アルキルエチルカーボナート、アルキル2,2,2−トリクロロエチルカーボナート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカーボナート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカーボナート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボネート(Peoc)、アルキルイソブチルカーボナート、アルキルビニルカーボナートアルキルアリルカーボナート、アルキルp−ニトロフェニルカーボナート、アルキルベンジルカーボナート、アルキルp−メトキシベンジルカーボナート、アルキル3,4−ジメトキシベンジルカーボナート、アルキルo−ニトロベンジルカーボナート、アルキルp−ニトロベンジルカーボナート、アルキルS−ベンジルチオカーボナート、4−エトキシ−1−ナフチルカーボナート、メチルジチオカーボナート、2−ヨードベンゾアート、4−アジドブチラート、4−ニトロ−4−メチルペンタノアート、o−(ジブロモメチル)ベンゾアート、2−ホルミルベンゼンスルホナート、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)ブチラート、2−(メチルチオメトキシメチル)ベンゾアート、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシアセタート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシアセタート、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシアセタート、クロロジフェニルアセタート、イソブチラート、モノスクシノアート(monosuccinoate)、(E)−2−メチル−2−ブテノアート、o−(メトキシアシル)ベンゾアート、α−ナフトアート、ニトラート、アルキルN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミダート、アルキルN−フェニルカルバマート、ボラート、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェナート、スルファート、メタンスルホナート(メシラート)、ベンジルスルホナート、及びトシラート(Ts)があるが、これらに限定されない。
【0061】
特定の実施形態において、硫黄原子上に存在する置換基は硫黄保護基(チオール保護基とも称される)である。硫黄保護基には、−Raa、−N(Rbb、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−COaa、−C(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−S(=O)Raa、−SOaa、−Si(Raa、−P(Rcc、−P(Rcc、−P(=O)aa、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORcc、−P(=O)N(Rbb、及び−P(=O)(NRbb(ここで、Raa、Rbb、及びRccは本明細書に定義される通りである)があるが、これらに限定されない。硫黄保護基は、当技術分野に周知であり、参照により本明細書に組み込まれるProtecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,3rd edition,John Wiley&Sons,1999に詳述されているものがある。
【0062】
用語「脱離基」は、合成有機化学の分野における通常の意味が与えられ、求核試薬により置換されることができる原子又は基を指す。好適な脱離基の例には、ハロゲン(F、Cl、Br、又はI(ヨウ素)など)、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アルカンスルホニルオキシ、アレーンスルホニルオキシ、アルキル−カルボニルオキシ(例えば、アセトキシ)、アリールカルボニルオキシ、アリールオキシ、メトキシ、N,O−ジメチルヒドロキシルアミノ、ピクシル、及びハロホルマートがあるが、これらに限定されない。いくつかの場合に、脱離基は、トルエンスルホナート(トシラート、−OTs)、メタンスルホナート(メシラート、−OMs)、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ(ブロシラート、−OBs)、又はトリフルオロメタンスルホナート(トリフラート、−OTf)などのスルホン酸エステルである。いくつかの場合に、脱離基は、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシなどのブロシラートである。いくつかの場合に、脱離基は、2−ニトロベンゼンスルホニルオキシなどのノシラートである。いくつかの実施形態において、脱離基は、スルホナート含有基である。いくつかの実施形態において、脱離基はトシラート基である。脱離基は、ホスフィンオキシド(例えば、光延反応の間に形成される)でも、エポキシド又は環式スルファートなどの内部脱離基でもよい。脱離基の他の非限定的な例は、水、アンモニア、アルコール類、エーテル部分、チオエーテル部分、ハロゲン化亜鉛、マグネシウム部分、ジアゾニウム塩、及び銅部分である。
【0063】
これらの置換基及び他の例示的な置換基は、詳細な説明、図面、実施例、及び特許請求の範囲において詳細に記載される。本発明は、置換基の上記例示的な一覧により、いかなる方法によっても限定されないものとする。
【0064】
他の定義
以下の定義は、本願全体で使用される、より一般的な用語である。
【0065】
用語「薬学的に許容できる塩」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応など無しにヒト及び下等動物の組織と接触して使用するのに好適であり、妥当なベネフィット/リスク比に見合う塩を指す。薬学的に許容できる塩は、当技術分野に周知である。例えば、Berge et al.は、参照により本明細書に組み込まれるJ.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1−19において薬学的に許容できる塩を詳述している。本発明の化合物の薬学的に許容できる塩には、好適な無機及び有機の酸及び塩基から誘導されるものがある。薬学的に許容できる、非毒性の酸付加塩の例は、塩化水素酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及び過塩素酸などの無機酸又は酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、又はマロン酸などの有機酸により形成されるか、又はイオン交換など当技術分野で公知である他の方法を利用して形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容できる塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などがある。適切な塩基から誘導される塩には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、及びN(C1−4アルキル)塩がある。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムを含む。さらなる薬学的に許容できる塩は、適切な場合、ハライド、ヒドロキシド、カルボキシラート、スルファート、ホスファート、ニトラート、低級アルキルスルホナート、及びアリールスルホナートなどの対イオンを使用して形成される非毒性のアンモニウム、四級アンモニウム、及びアミンカチオンを含む。
【0066】
用語「溶媒和物」は、通常加溶媒分解反応により、溶媒と会合している化合物の形態を指す。この物理的会合は、水素結合を含み得る。従来の溶媒には、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテルなどがある。式(I)の化合物は、例えば、結晶形で調製でき、溶媒和できる。好適な溶媒和物には薬学的に許容できる溶媒和物があり、化学量論的溶媒和物と非化学量論的溶媒和物との両方をさらに含む。特定の場合に、溶媒和物は、例えば、1つ以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれた場合に、単離することができる。「溶媒和物」は、溶液相と分離可能な溶媒和物との両方を包含する。代表的な溶媒和物には、水和物、エタノラート、及びメタノラートがある。
【0067】
用語「水和物」は、水と会合している化合物を指す。典型的には、ある化合物の水和物に含まれている水分子の数は、水和物中の化合物分子の数に対して一定の比率にある。したがって、化合物の水和物は、例えば、一般式R・x HOにより表すことができるが、ここでRは化合物であり、xは0より大きい数である。所与の化合物は、例えば、一水和物(xが1である)、低水和物(xが0より大きく1より小さい数である、例えば、半水和物(R・0.5 HO))、及び多水和物(xが1より大きい数である、例えば、二水和物(R・2 HO)及び六水和物(R・6 HO))を含む、2種以上の水和物を形成できる。
【0068】
用語「互変異性体」は、特定の化合物構造の交換可能な形態であり、水素原子及び電子の転置がさまざまである化合物を指す。そのため、2つの構造は、π電子及び原子(通常H)の動きにより、平衡であり得る。例えば、エノールとケトンは、酸又は塩基による処理により迅速に相互変換するため、互変異性体である。互変異性の別の例は、フェニルニトロメタンのアシ型とニトロ型であり、同様に酸又は塩基による処理により形成される。
【0069】
互変異性の形態は、対象とする化合物の最適な化学的反応性及び生物学的活性の達成に関連することがある。
【0070】
同じ分子式を有するが、その原子の結合の性質若しくは順序が異なるか、又は空間中のその原子の配列が異なる化合物が「異性体」と称されることも理解されたい。空間中のその原子の配列が異なる異性体は「立体異性体」と称される。
【0071】
互いの鏡像でない立体異性体は「ジアステレオマー」と称され、互いの重ね合わせることができない鏡像であるものは「エナンチオマー」と称される。化合物が不斉中心を有する場合、例えば、4つの異なる基に結合している場合、1組のエナンチオマーが可能である。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対配置により特性化でき、カーンとプレローグのR−及びS−順位側により、又は分子が偏光面を回転させる方法により説明され、右旋性又は左旋性(すなわちそれぞれ(+)又は(−)−異性体として)と称される。キラル化合物は、個別のエナンチオマーとしても、その混合物としても存在し得る。等しい比率のエナンチオマーを含む混合物は「ラセミ混合物」と呼ばれる。
【0072】
用語「多形体」は、特定の結晶充填配置にある化合物(又はその塩、水和物、若しくは溶媒和物)の結晶形を指す。多形体は全て同じ元素組成を有する。異なる結晶形は、通常、異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度、硬さ、結晶形状、光学的及び電気的性質、安定性、並びに溶解度を有する。再結晶溶媒、結晶化の速度、保存温度、及び他の因子により、ある結晶形が優勢になり得る。化合物の種々の多形体は、異なる条件下での結晶化により調製できる。
【0073】
用語「プロドラッグ」は、切断可能な基を有し、加溶媒分解により、又は生理的条件下で、インビボで薬学的に活性な式(I)の化合物になる式(I)の化合物の誘導体を含む化合物を指す。そのような例には、エステル誘導体などがあるが、これに限定されない。本発明の化合物の他の誘導体は、その酸形と酸誘導体形のいずれでも活性があるが、酸に感受性のある形態が、多くの場合、哺乳類の生物における溶解度、組織適合性、又は遅延放出の利点を与える(Bundgard,H.,Design of Prodrugs,pp.7−9,21−24,Elsevier,Amsterdam 1985参照)。プロドラッグには、当業者に周知である酸誘導体、例えば、親酸と好適なアルコールとの反応により調製されるエステル、又は親酸化合物と置換若しくは非置換のアミンとの反応により調製されるアミド、又は酸無水物、若しくは混合無水物がある。本発明の化合物に懸垂している酸性基から誘導された単純な脂肪族又は芳香族のエステル、アミド、及び無水物は、特定のプロドラッグである。いくつかの場合に、(アシルオキシ)アルキルエステル又は((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルなどの二重エステルタイプのプロドラッグを調製することが望ましい。式(I)の化合物のC〜Cのアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリール、C−C12置換アリール、及びC−C12アリールアルキルエステルが好ましいことがある。
【0074】
投与が企図される「対象」には、ヒト(すなわち、あらゆる年齢群の男性又は女性、例えば、小児科の対象(例えば、乳児、小児、青年)又は成人の対象(例えば、若年の成人、中年の成人、又は高齢の成人))、及び/又は他の非ヒト動物、例えば、哺乳動物(例えば、霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル);ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、及び/又はイヌなどの商業的に関連ある哺乳動物)及び鳥類(例えば、ニワトリ、カモ、ガチョウ、及び/又はシチメンチョウなどの商業的に関連ある鳥類)があるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、動物は哺乳動物である。動物は、雄でも雌でもよく、成長のいずれの段階でもよい。非ヒト動物は遺伝子導入動物であり得る。
【0075】
用語「投与する」、「投与すること」、又は「投与」は、本発明の化合物、又はその医薬組成物を、埋め込むこと、吸収すること、摂取すること、注射すること、吸入すること、又は他の方法で導入することを指す。
【0076】
用語「治療」、「治療する」、及び「治療すること」は、本明細書に記載される「病理学的な状態」(例えば、疾患、障害、若しくは病態、又はその1つ以上の徴候若しくは症状)を、逆転させること、緩和すること、その発症を遅らせること、又はその進行を阻害することを指す。いくつかの実施形態において、治療は、1つ以上の徴候若しくは症状が現れたか、又は観察された後に投与され得る。他の実施形態において、治療は、疾患又は病態の徴候も症状もない状態で投与され得る。例えば、治療は、症状の始まりの前に高感受性個体に投与され得る(例えば、症状の履歴に照らして、及び/又は遺伝的又は他の感受性因子に照らして)。治療は、症状が解消された後も、例えば、再発を遅延又は予防するために継続されることがある。
【0077】
用語「病態」、「疾患」、及び「障害」は、互換的に使用される。
【0078】
式(I)の化合物の「有効量」は、所望の生物学的応答、すなわち病態の治療を引き出すのに十分な量を指す。当業者により認識される通り、式(I)の化合物の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、治療されている病態、投与方法、並びに対象の年齢及び健康などの因子によって変わり得る。有効量は、治療的な治療と予防的な治療を包含する。例えば、癌を治療する際に、有効量の本発明の化合物は、腫瘍量を減少させ、又は腫瘍の成長若しくは広がりを停止させることができる。
【0079】
式(I)の化合物の「治療上有効な量」は、病態の治療において治療効果を与えるのに十分な、又は病態に関連する1つ以上の症状を遅らせるか若しくは最小限にするのに十分な量である。化合物の治療上有効な量は、単独又は他の療法と組み合わせて、病態の治療において治療効果を与える治療剤の量を意味する。用語「治療上有効な量」は、治療全体を改善し、病態の症状若しくは原因を減少若しくは回避し、又は別の治療剤の治療効能を増大させる量を包含し得る。
【0080】
式(I)の化合物の「予防上有効な量」は、病態若しくは病態に関連する1つ以上の症状を予防するのに十分な、又はその再発を予防するのに十分な量である。化合物の予防上有効な量は、単独又は他の薬剤と組み合わせて、病態の予防において予防効果を与える治療剤の量を意味する。用語「予防上有効な量」は、予防全体を改善し、又は別の予防剤の予防効能を増大させる量を包含し得る。
【0081】
「増殖性疾患」は、細胞の増殖による異常な成長又は広がりにより起こる疾患を指す(Walker,Cambridge Dictionary of Biology;Cambridge University Press:Cambridge,UK,1990)。増殖性疾患は、1)正常に静止期にある細胞の病理学的な増殖;2)細胞の正常な位置からの病理学的な移動(例えば、新生細胞の転移);3)マトリックスメタロプロテイナーゼなどのタンパク質分解酵素(例えば、コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ、及びエラスターゼ)の病理学的な発現;又は4)増殖性網膜症及び腫瘍転移におけるものなどの病理学的な血管新生と関連し得る。例示的な増殖性疾患には、癌(すなわち「悪性新生物」)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、自己炎症性疾患、及び自己免疫疾患がある。
【0082】
用語「新生物」と「腫瘍」は互換的に使用され、異常な組織の塊の成長が正常な組織の成長を超え、それらと調和していない異常な組織の塊を指す。新生物又は腫瘍は、以下の特性:細胞分化の程度(形態及び機能性を含む)、成長速度、局所浸潤、及び転移によって、「良性」のことも「悪性」のこともある。「良性新生物」は、一般的に高分化型であり、悪性新生物よりも特徴的にゆっくりとした成長を有し、原発部位に局在化したままである。さらに、良性新生物は、浸潤し、侵入し、遠隔部位に転移する能力を有さない。例示的な良性新生物には、脂肪腫、軟骨腫、腺腫、軟性線維腫、老人性血管腫、脂漏性角化症、黒子、及び脂腺過形成があるが、これらに限定されない。いくつかの場合において、特定の「良性」腫瘍は、後に悪性新生物になることがあるが、それは、腫瘍の新生細胞の副次集団中の追加の遺伝子変化から生じ得るものであり、これらの腫瘍は「前悪性新生物」と称される。例示的な前悪性新生物は奇形腫である。対照的に、「悪性新生物」は一般的に低分化(退形成)であり、進行性の浸潤、侵入、及び周囲組織の破壊を伴う、特徴的に速い成長を有する。さらに、悪性新生物は、一般的に、遠隔部位に転移する能力を有する。
【0083】
用語「転移」、「転移性」、又は「転移する」は、原発又は元の腫瘍から別の器官又は組織への癌細胞の広がり又は移動を指し、典型的には、続発性(転移性)腫瘍が存在する器官又は組織のものではなく、原発又は元の腫瘍の組織型の「続発性腫瘍」又は「二次性の細胞塊」の存在により特定可能である。例えば、骨に転移した前立腺癌は、転移性前立腺癌であると言われ、骨組織中で成長している癌性前立腺癌細胞を含む。
【0084】
用語「癌」は悪性新生物を指す(Stedman’s Medical Dictionary,25th ed.;Hensyl ed.;Williams&Wilkins:Philadelphia,1990)。例示的な癌には、聴神経腫;腺癌;副腎癌;肛門癌;血管肉腫(例えば、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫(lymphangioendotheliosarcoma)、血管肉腫);虫垂癌;良性単クローン性ガンマグロブリン血症;胆道癌(例えば、胆管癌);膀胱癌;乳癌(例えば、乳腺癌、乳頭状乳癌、乳癌、乳房髄様癌);脳癌(例えば、髄膜腫、神経膠芽腫、グリオーマ(例えば、星状細胞腫、乏突起膠腫)、髄芽腫);気管支癌;カルチノイド腫瘍;子宮頸癌(例えば、子宮頚部腺癌);絨毛癌;脊索腫;頭蓋咽頭腫;大腸癌(例えば、結腸癌、直腸癌、結腸直腸腺癌);結合組織癌;上皮癌;脳室上衣腫;内皮肉腫(例えば、カポジ肉腫、多発性特発性出血性肉腫);子宮内膜癌(例えば、子宮癌、子宮肉腫);食道癌(例えば、食道腺癌、バレット腺癌);ユーイング肉腫;眼癌(例えば、眼内メラノーマ、網膜芽細胞腫);家族性好酸球増多症;胆嚢癌;胃癌(例えば、胃腺癌);消化管間質腫瘍(GIST);胚細胞癌;頭頸部癌(例えば、頭頚部扁平上皮癌、口腔癌(例えば、口腔扁平上皮癌)、咽頭癌(例えば、喉頭癌、咽頭癌、鼻咽頭癌、中咽頭癌));造血器癌(例えば、白血病、例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)(例えば、B細胞ALL、T細胞ALL)、急性骨髄球性白血病(AML)(例えば、B細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄球性白血病(CML)(例えば、B細胞CML、T細胞CML)、及び慢性リンパ球性白血病(CLL)(例えば、B細胞CLL、T細胞CLL));リンパ腫、例えば、ホジキンリンパ腫(HL)(例えば、B細胞HL、T細胞HL)及び非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、B細胞NHL、例えば、びまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(例えば、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、脾辺縁帯B細胞リンパ腫)、縦隔原発B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(すなわちワルデンストレームマクログロブリン血症)、有毛細胞白血病(HCL)、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫及び中枢神経系原発(CNS)リンパ腫;並びにT細胞NHL、例えば、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)(例えば、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)(例えば、菌状息肉腫、セザリー症候群)、血管免疫芽球T細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸症型T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、及び未分化大細胞型リンパ腫);上記の1種以上の白血病/リンパ腫の混合物;並びに多発性骨髄腫(MM))、重鎖病(例えば、α鎖病、γ鎖病、μ鎖病);血管芽腫;下咽頭癌;炎症性筋線維芽細胞腫瘍;免疫細胞性アミロイドーシス;腎臓癌(例えば、腎芽腫、別名ウィルムス腫、腎細胞癌);肝臓癌(例えば、肝細胞癌(HCC)、悪性肝癌);肺癌(例えば、気管支原性癌、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺腺癌);平滑筋肉腫(LMS);肥満細胞症(例えば、全身性肥満細胞症);筋癌;骨髄異形成症候群(MDS);中皮腫;骨髄増殖性疾患(MPD)(例えば、真性多血病(PV)、本態性血小板血症(ET)、原因不明性骨髄様化生(AMM)、別名骨髄線維症(MF)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄球性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、好酸球増加症候群(HES));神経芽細胞腫;神経繊維腫(例えば、1型又は2型の神経線維腫症(NF)、神経鞘腫症);神経内分泌癌(例えば、膵消化管神経内分泌腫瘍(GEP−NET)、カルチノイド腫瘍);骨肉腫(例えば、骨癌);卵巣癌(例えば、嚢胞腺癌、卵巣胎児性癌、卵巣腺癌);乳頭状腺癌;膵臓癌(例えば、膵臓腺癌(andenocarcinoma)、膵管内乳頭粘液性新生物(IPMN)、膵島細胞腫瘍);陰茎癌(例えば、陰茎及び陰嚢のページェット病);松果体腫;原始神経外胚葉性腫瘍(PNT);形質細胞新生物;腫瘍随伴症候群;上皮内新生物;前立腺癌(例えば、前立腺腺癌);直腸癌;横紋筋肉腫;唾液腺癌;皮膚癌(例えば、扁平上皮癌(SCC)、角化棘細胞腫(KA)、メラノーマ、基底細胞癌(BCC));小腸癌(例えば、虫垂癌);軟部組織肉腫(例えば、悪性線維性組織球腫(MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、軟骨肉腫、繊維肉腫、粘液肉腫);皮脂腺癌;小腸癌;汗腺癌;滑膜腫;精巣癌(例えば、精上皮腫、精巣胎児性癌);甲状腺癌(例えば、甲状腺乳頭癌(papillary carcinoma of the thyroid)、甲状腺乳頭癌(papillary thyroid carcinoma)(PTC)、甲状腺髄様癌);尿道癌;膣癌;並びに外陰癌(例えば、外陰部のページェット病)があるが、これらに限定されない。
【0085】
用語「血管新生」は、新たな血管の形成及び成長を指す。正常な血管新生は、創傷の治癒及び創傷後の組織への血流の回復のために、対象の健康な体に起こる。健康な体は、いくつかの手段により、例えば、血管新生−刺激成長因子及び血管新生阻害因子により、血管新生を制御する。癌、糖尿病性失明、加齢黄斑変性、関節リウマチ、及び乾癬などの多くの病態は、異常な(すなわち、増加した又は過度の)血管新生を特徴とする。異常な又は病理学的な血管新生は、正常な体にあるものを超える血管新生、特に、正常な血管新生(例えば、月経又は創傷治癒)に関連しない成体中の血管新生を指す。異常な血管新生は、患部組織に供給し、且つ/又は正常組織を破壊する新たな血管を提供でき、癌の場合、新たな血管は、腫瘍細胞を循環中に逃がし、他の器官に留まらせることができる(腫瘍転移)。特定の実施形態において、血管新生は、病理学的な血管新生である。
【0086】
「炎症性疾患」は、炎症により起こる、炎症から生じる、又は炎症をもたらす疾患を指す。用語「炎症性疾患」は、異常な組織損傷及び/又は細胞死につながる、マクロファージ、顆粒球、及び/又はT−リンパ球による過度な応答を起こす調節不全の炎症性反応も指し得る。炎症性疾患は、急性炎症性病態にも慢性炎症性病態にもなることがあり、感染性の原因からも非感染性の原因からも起こり得る。炎症性疾患には、非限定的に、アテローム性動脈硬化、動脈硬化症、自己免疫疾患、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、リウマチ性多発筋痛(PMR)、痛風関節炎、変性性関節炎、腱炎、滑液包炎、乾癬、嚢胞性線維症、骨関節炎、関節リウマチ、炎症性関節炎、シェーグレン症候群、巨細胞性動脈炎、進行性全身性硬化症(強皮症)、強直性脊椎炎、多発筋炎、皮膚筋炎、天疱瘡、類天疱瘡、糖尿病(例えば、I型)、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、グレーブス病、グッドパスチャー病、混合性結合組織病、硬化性胆管炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、悪性貧血、炎症性皮膚疾患、通常型間質性肺炎(UIP)、アスベスト症、珪肺症、気管支拡張症、ベリリウム症、肺滑石症、塵肺症、サルコイドーシス、剥離性間質性肺炎、リンパ性間質性肺炎、巨細胞性間質性肺炎、細胞性間質性肺炎、外因性アレルギー性肺胞炎、ウェゲナー肉芽腫症及び関連形態の脈管炎(側頭動脈炎及び結節性多発動脈炎)、炎症性皮膚疾患、肝炎、遅延型過敏反応(例えば、ツタウルシ皮膚炎)、肺炎、気道炎症、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、脳炎、即時型過敏反応、喘息、花粉症、アレルギー、急性アナフィラキシー、リウマチ熱、糸球体腎炎、腎盂腎炎、蜂窩織炎、膀胱炎、慢性胆嚢炎、虚血(虚血障害)、再潅流障害、同種異系移植片拒絶、宿主対移植片拒絶、虫垂炎、動脈炎、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、頸管炎、胆管炎、絨毛膜羊膜炎、結膜炎、涙腺炎、皮膚筋炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、小腸結腸炎、上顆炎、副睾丸炎、筋膜炎、線維炎、胃炎、胃腸炎、歯肉炎、回腸炎、虹彩炎、喉頭炎、脊髄炎、心筋炎、腎炎、臍炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、耳炎、膵炎、耳下腺炎、心膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、肺臓炎、直腸炎、前立腺炎、鼻炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、精巣炎、扁桃炎、尿道炎、膀胱炎、ブドウ膜炎、膣炎、血管炎、外陰炎、外陰膣炎、血管炎、慢性気管支炎、骨髄炎、視神経炎、側頭動脈炎、横断性脊髄炎、壊死性筋膜炎、及び壊死性小腸結腸炎がある。
【0087】
「自己免疫疾患」は、体内に通常存在する物質及び組織に対する対象の体の不適当な免疫応答から生じる疾患を指す。換言すると、免疫系は、体のある部分を病原体と間違え、それ自体の細胞を攻撃する。これは、特定の器官に限定されることがあるが(例えば、自己免疫性甲状腺炎において)、様々な場所の特定の組織を含むこともある(例えば、肺と腎臓との両方の基底細胞を冒し得るグッドパスチャー病)。自己免疫疾患の治療は、典型的には、免疫抑制により、例えば、免疫応答を減少させる医薬品による。例示的な自己免疫疾患には、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、壊死性血管炎、リンパ節炎、結節性動脈周囲炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ(rheumatoid,arthritis)、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデス、乾癬、潰瘍性大腸炎、全身性強皮症、皮膚筋炎/多発筋炎、抗リン脂質抗体症候群、強皮症、尋常性天疱瘡、ANCA関連血管炎(例えば、ウェゲナー肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎)、ブドウ膜炎、シェーグレン症候群、クローン病、ライター症候群、強直性脊椎炎、ライム関節炎、ギラン・バレー症候群、橋本甲状腺炎、及び心筋症があるが、これらに限定されない。
【0088】
用語「自己炎症性疾患」は、自己免疫疾患に類似しているが異なる一分類の疾患を指す。自己炎症性疾患と自己免疫疾患は、両群の疾患が、免疫系が対象自体の組織を攻撃することから起こり、増加した炎症をもたらす点で共通の特性を有する。自己炎症性疾患において、対象の生得の免疫系は、不明の理由で炎症を起こす。生得の免疫系は、対象中で自己抗体にも抗原にも遭遇したことがなくても反応する。自己炎症性疾患は、発熱、発疹、又は関節腫脹などの症状を起こす炎症の激しいエピソードを特徴とする。これらの疾患は、重要器官中の血液タンパク質の致命的になりかねない蓄積であるアミロイド症のリスクも有する。自己炎症性疾患には、家族性地中海熱(FMF)、新生児発症多臓器炎症性疾患(NOMID)、腫瘍壊死因子(TNF)受容体関連周期性症候群(TRAPS)、インターロイキン−1受容体拮抗物質欠損症(DIRA)、及びベーチェット病があるが、これらに限定されない。
【0089】
用語「生体試料」は、組織試料(組織切片及び組織の針生検など);細胞試料(例えば、細胞学的スメア(パップ又は血液スメア)若しくは顕微解剖により得られた細胞の試料);生物全体の試料(酵母菌若しくは細菌の試料など);又は細胞分画、断片、若しくは細胞小器官(細胞を溶解し、遠心分離又は他の方法によりその成分を分離して得られるなど)を含むあらゆる試料を指す。生体試料の他の例には、血液、血清、尿、精液、便、脳脊髄液、間質液、粘液、涙、汗、膿、生検組織(例えば、切開生検又は針生検により得られる)、乳頭吸引液、乳汁、膣液、唾液、綿棒(頬側綿棒など)、又は第一の生体試料から誘導される生体分子を含むあらゆる物質がある。生体試料は、遺伝子導入された卵母細胞、精子、胚盤胞、胚、胎児、ドナー細胞、又は細胞核などの遺伝子導入された生体試料も含む。
【0090】
「タンパク質」又は「ペプチド」は、ペプチド結合により連結したアミノ酸残基のポリマーを含む。用語は、あらゆる大きさ、構造、又は機能のタンパク質、ポリペプチド、及びペプチドを指す。典型的には、タンパク質は、少なくとも3つのアミノ酸の長さであろう。タンパク質は、個別のタンパク質もタンパク質の集団も指し得る。本発明のタンパク質は、好ましくは、天然アミノ酸のみを含むが、当技術分野で公知である非天然アミノ酸(すなわち、自然界に存在しないが、ポリペプチド鎖に組み込むことができる化合物)及び/又はアミノ酸アナログも、代替的に利用できる。また、本発明のタンパク質中の1つ以上のアミノ酸を、例えば、炭水化物基、ヒドロキシル基、リン酸基、ファルネシル基、イソファルネシル基、脂肪酸基、コンジュゲーション若しくは官能化のためのリンカーなどの化学成分の付加により、又は他の修飾により修飾できる。タンパク質は、単一の分子でも、多分子複合体でもよい。タンパク質は、天然のタンパク質又はペプチドの断片でもよい。タンパク質は、天然でも、組換え型でも、合成でも、これらの任意の組み合わせでもよい。
【0091】
用語「キナーゼ」は、タンパク質のアミノ酸残基へのリン酸基の付加を触媒するあらゆる酵素を指す。例えば、セリンキナーゼは、タンパク質のセリン残基へのリン酸基の付加を触媒する。特定の実施形態において、キナーゼは、プロテインキナーゼである。キナーゼの例には、CMGCキナーゼ(例えば、サイクリン依存性キナーゼ(CDK、例えば、CDK1、CDK2、CDK2、CDK4、CDK5、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK13、CDK14、CDK16、CDK20)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK、例えば、MAPK1、MAPK3、MAPK4、MAPK6、MAPK7、MAPK8、MAPK9、MAPK10、MAPK11、MAPK12、MAPK13、MAPK14、MAPK15)、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3、例えば、GSK3α、GSK3β)、又はCDC様キナーゼ(CLK、例えば、CLK1、CLK2、CLK3、CLK4))、AGCキナーゼ(例えば、プロテインキナーゼA(PKA)、プロテインキナーゼC(PKC)、プロテインキナーゼG(PKG))、Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼ(CaMキナーゼ、例えば、特殊化されたCaMキナーゼ、多機能性CaMキナーゼ)、カゼインキナーゼ1(CK1、例えば、CK1α、CK1β1、CK1γ1、CK1γ2、CK1γ3、CK1δ、CK1ε)、STEキナーゼ(例えば、酵母Sterile 7、Sterile 11、又はSterile 20キナーゼのホモログ)、チロシンキナーゼ(TK、例えば、受容体型チロシンキナーゼ(RTK)、非受容体型チロシンキナーゼ(nRTK))、及びチロシンキナーゼ様キナーゼ(TKL、例えば、混合系統キナーゼ(MLK)、RAF、セリンスレオニンキナーゼ受容体(STKR)、ロイシンリッチリピートキナーゼ(LRRK)、LIMドメインキナーゼ(LIMK)、精巣に発現する(testis expressed)セリンキナーゼ(TESK)、IL1受容体関連キナーゼ(IRAK)、受容体共役プロテインキナーゼ(RIPK))があるが、これらに限定されない。
【0092】
用語「CDK」は、サイクリン依存性キナーゼを指す。CDKは、調節タンパク質であるサイクリン(例えば、サイクリンH)と結合する。CDKは、その基質をセリン及びスレオニンでリン酸化する。CDK基質のアミノ酸配列中のリン酸化部位の共通配列は[S/T]PX[K/R]であり、ここで、S/Tはリン酸化されたセリン又はスレオニンであり、Pはプロリンであり、Xは任意のアミノ酸であり、Kはリジンであり、Rはアルギニンである。CDKには、CDK1、CDK2、CDK2、CDK4、CDK5、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK14、CDK16、及びCDK20がある。CDK7は、基質が、サイクリンH、MAT1(例えば、MNAT1)、又はサイクリンHとMAT1であるCDKである。
【図面の簡単な説明】
【0093】
図1-1】図1は、例示的な式(I)の化合物の表である。
図1-2】図1は、例示的な式(I)の化合物の表である。
図1-3】図1は、例示的な式(I)の化合物の表である。
図1-4】図1は、例示的な式(I)の化合物の表である。
図1-5】図1は、例示的な式(I)の化合物の表である。
図1-6】図1は、例示的な式(I)の化合物の表である。
図1-7】図1は、例示的な式(I)の化合物の表である。
図1-8】図1は、例示的な式(I)の化合物の表である。
【発明を実施するための形態】
【0094】
本発明は、対象の増殖性疾患の予防及び/又は治療のための、キナーゼの活性を阻害する化合物を提供する。特定の実施形態において、本発明の化合物は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)の活性を阻害する。特定の実施形態において、本発明の化合物は、サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)の活性を阻害する。本発明は、例えば、キナーゼ(例えば、CDK(例えば、CDK7))の活性の阻害を試験する生物学的プローブとして、並びに、例えば、キナーゼ(例えば、CDK(例えば、CDK7))の過剰発現及び/又は異常な活性と関連する疾患の予防及び/又は治療における治療用物質として、本明細書に記載される化合物を使用する方法をさらに提供する。特定の実施形態において、疾患は増殖性疾患である。増殖性疾患には、癌(例えば、白血病、メラノーマ、多発性骨髄腫)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、自己炎症性疾患、及び自己免疫疾患があるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、癌は、キナーゼ(例えば、CDK(例えば、CDK7))の過剰発現及び/又は異常な活性と関連している。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
式(I):
【化1】
[この文献は図面を表示できません]


(式中:
環Aは、式(i−1)〜(i−6):
【化2】
[この文献は図面を表示できません]


のいずれか1つの任意選択で置換されているヘテロアリール環であり、
ここで、
、V、V、V、V、V、V、V、V、V10、V11、V12、V13、V14、及びV15の各例は、独立に、O、S、N、NRA1、C、又はCRA2であり;
A1の各例は、水素、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、及び窒素保護基からなる群から独立に選択され;
A2の各例は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、−CN、−ORA2a、−N(RA2a、及び−SRA2aからなる群から独立に選択され、ここで、RA2aの各出現は、水素、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、窒素原子に結合している場合の窒素保護基、酸素原子に結合している場合の酸素保護基、及び硫黄原子に結合している場合の硫黄保護基からなる群から独立に選択されるか、又は2つのRA2a基は結合して、任意選択で置換されている複素環式環を形成し;且つ
任意選択で、RA1基、RA2基、及びRA2a基のいずれか2つは結合して、任意選択で置換されている炭素環式環、任意選択で置換されている複素環式環、任意選択で置換されているアリール環、又は任意選択で置換されているヘテロアリール環を形成し;
B1は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、−CN、−ORB1a、−N(RB1a、及び−SRB1aからなる群から選択され、ここで、RB1aの各出現は、水素、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、窒素原子に結合している場合の窒素保護基、酸素原子に結合している場合の酸素保護基、及び硫黄原子に結合している場合の硫黄保護基からなる群から独立に選択されるか、又はRB1とRB2とは結合して、任意選択で置換されている炭素環式環、任意選択で置換されている複素環式環、任意選択で置換されているアリール環、又は任意選択で置換されているヘテロアリール環を形成し;
は、N又はCRB2であり、ここで、RB2は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、−CN、−ORB2a、−N(RB2a、及び−SRB2aからなる群から選択されるか、又はRB2とRB1とは結合して、任意選択で置換されている炭素環式環、任意選択で置換されている複素環式環、任意選択で置換されているアリール環、又は任意選択で置換されているヘテロアリール環を形成し、ここで、RB2aの各出現は、水素、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、窒素原子に結合している場合の窒素保護基、酸素原子に結合している場合の酸素保護基、及び硫黄原子に結合している場合の硫黄保護基からなる群から独立に選択されるか、又は2つのRB2a基は結合して、任意選択で置換されている複素環式環を形成し;
は、結合又は任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖であり、任意選択で、前記任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、独立に、−O−、−S−、−NRL1−、−S(=O)−、又は−S(=O)−と交換されており(ここで、RL1は、水素、置換若しくは非置換のC1−6アルキル、又は窒素保護基である)、任意選択で、前記任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖上の2つの置換基は共に、任意選択で置換されている炭素環式環又は任意選択で置換されている複素環式環を形成し;
は、結合又は任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖であり、任意選択で、前記任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、独立に、−O−、−S−、−NRL2−、−S(=O)−、又は−S(=O)−と交換されており(ここで、RL2は、水素、置換若しくは非置換のC1−6アルキル、又は窒素保護基である)、任意選択で、前記任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖上の2つの置換基は共に、任意選択で置換されている炭素環式環又は任意選択で置換されている複素環式環を形成し;
の各例は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、=O、−CN、−ORC1、−N(RC1、及び−SRC1からなる群から独立に選択されるか;又は、2つのR基は共に、任意選択で置換されている、炭素環式環、複素環式環、アリール環、又はヘテロアリール環を形成し、ここで、前記置換されている複素環式環若しくは置換されている炭素環式環上の2つの置換基、又は前記置換されている複素環式環若しくは置換されている炭素環式環上の1つの置換基と第三のR基とは共に、別の任意選択で置換されている複素環式環又は任意選択で置換されている炭素環式環を形成し;ここで、RC1の各出現は、水素、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、窒素原子に結合している場合の窒素保護基、酸素原子に結合している場合の酸素保護基、及び硫黄原子に結合している場合の硫黄保護基からなる群から独立に選択されるか、又は2つのRC1基は結合して、任意選択で置換されている複素環式環を形成し;
nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり;
の各例は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、−CN、−ORD1、−N(RD1、及び−SRD1からなる群から独立に選択され、ここで、RD1の各出現は、水素、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、窒素原子に結合している場合の窒素保護基、酸素原子に結合している場合の酸素保護基、及び硫黄原子に結合している場合の硫黄保護基からなる群から独立に選択されるか、又は2つのRD1基は結合して、任意選択で置換されている複素環式環を形成し;
pは、0、1、2、3、又は4であり;
は、式(ii−1)〜(ii−20):
【化3】
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のいずれか1つのものであり、
は、結合、−O−、−S−、−NRL3a−、又は任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖であり、任意選択で、前記炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、独立に、−O−、−S−、−NRL3a−、−NRL3aC(=O)−、−C(=O)NRL3a−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NRL3aC(=S)−、−C(=S)NRL3a−、トランス−CRL3b=CRL3b−、シス−CRL3b=CRL3b−、−C≡C−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、−NRL3aS(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、又は−NRL3aS(=O)−と交換されており、ここで、RL3aは、水素、置換若しくは非置換のC1−6アルキル、又は窒素保護基であり、ここで、RL3bの各出現は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、及び任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、又は2つのRL3b基は結合して、任意選択で置換されている炭素環式環又は任意選択で置換されている複素環式環を形成し;
は、結合又は任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖であり;
E1は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、−CN、−CHORE1a、−CHN(RE1a、−CHSRE1a、−ORE1a、−N(RE1a、−Si(RE1a、及び−SRE1aからなる群から選択され、ここで、RE1aの各出現は、水素、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、及び任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、又は2つのRE1a基は結合して、任意選択で置換されている複素環式環を形成し;
E2は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、−CN、−CHORE2a、−CHN(RE2a、−CHSRE2a、−ORE2a、−N(RE2a、及び−SRE2aからなる群から選択され、ここで、RE2aの各出現は、水素、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、及び任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、又は2つのRE2a基は結合して、任意選択で置換されている複素環式環を形成し;
E3は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、−CN、−CHORE3a、−CHN(RE3a、−CHSRE3a、−ORE3a、−N(RE3a、及び−SRE3aからなる群から選択され、ここで、RE3aの各出現は、水素、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、及び任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、又は2つのRE3a基は結合して、任意選択で置換されている複素環式環を形成し;
任意選択で、RE1及びRE3、又はRE2及びRE3、又はRE1及びRE2は結合して、任意選択で置換されている炭素環式環又は任意選択で置換されている複素環式環を形成し;
E4は脱離基であり;
E5はハロゲンであり;
Yは、O、S、又はNRE6であり、ここで、RE6は、水素、置換又は非置換のC1−6アルキル、又は窒素保護基であり;
aは、1又は2であり;且つ
zは、0、1、2、3、4、5、又は6である)
の化合物、又はその薬学的に許容できる塩。
(項目2)
式:
【化4】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩である、項目1に記載の化合物。
(項目3)
式:
【化5】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩である、項目1に記載の化合物。
(項目4)
式:
【化6】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩である、項目1に記載の化合物。
(項目5)
式:
【化7】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩である、項目1に記載の化合物。
(項目6)
式:
【化8】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩である、項目1に記載の化合物。
(項目7)
式:
【化9】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩である、項目1に記載の化合物。
(項目8)
式:
【化10】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩である、項目1に記載の化合物。
(項目9)
式:
【化11】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩である、項目1に記載の化合物。
(項目10)
式:
【化12】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩である、項目1に記載の化合物。
(項目11)
式:
【化13】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩である、項目1に記載の化合物。
(項目12)
式:
【化14】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩である、項目1に記載の化合物。
(項目13)
式:
【化15】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩である、項目1に記載の化合物。
(項目14)
式:
【化16】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩である、項目1に記載の化合物。
(項目15)
式:
【化17】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩である、項目1に記載の化合物。
(項目16)
式:
【化18】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩である、項目1に記載の化合物。
(項目17)
環Aが、式:
【化19】
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のものである、項目1〜14のいずれか一項に記載の化合物。
(項目18)
環Aが、式:
【化20】
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のものである、項目17に記載の化合物。
(項目19)
がCRB2である、項目1〜18のいずれか一項に記載の化合物。
(項目20)
B2が、水素、ハロゲン、置換若しくは非置換のC1−6アルキル、置換若しくは非置換のカルボシクリル、−CN、−ORB2a、又は−N(RB2aである、項目1〜19のいずれか一項に記載の化合物。
(項目21)
B2が、水素、ハロゲン、−CN、−ORB2a、−N(RB2a、非置換のC1−6アルキル、1つ以上のハロゲンにより置換されているC1−6アルキル、又は非置換のカルボシクリルであり、ここで、RB2aの各例が、独立に、水素、非置換のC1−6アルキル、又は1つ以上のハロゲンにより置換されているC1−6アルキルである、項目20に記載の化合物。
(項目22)
B2が、水素、ハロゲン、置換若しくは非置換のC1−6アルキル、炭素環式環系中の0、1、若しくは2つの二重結合からなる非置換の3〜6員の単環式カルボシクリル、又は−CNである、項目1〜19のいずれか一項に記載の化合物。
(項目23)
B2が、水素、クロロ、フルオロ、−CH、−C、シクロプロピル、−CF、−CNである、項目1〜19のいずれか一項に記載の化合物。
(項目24)
B1が、水素、ハロゲン、置換若しくは非置換のC1−6アルキル、−CN、−ORB1a、又は−N(RB1aである、項目1〜8又は17〜23のいずれか一項に記載の化合物。
(項目25)
B1が、水素、ハロゲン、−CN、−ORB1a、−N(RB1a、非置換のC1−6アルキル、又は1つ以上のハロゲンにより置換されているC1−6アルキルであり、ここで、RB1aの各例が、独立に、水素、非置換のC1−6アルキル、又は1つ以上のハロゲンにより置換されているC1−6アルキルである、項目24に記載の化合物。
(項目26)
B1が水素である、項目24に記載の化合物。
(項目27)
が、−O−、−S−、−NRL1−、−NRL1−C(RL1a−、−C(RL1a−NRL1−、又は−C(RL1a−であり、ここで、
L1の各例が、独立に、水素又は非置換のC1−6アルキルであり;且つ
L1aの各例が、独立に、水素、ハロゲン、置換若しくは非置換のC1−6アルキル、−CN、−ORL1b、又は−N(RL1bであり、ここで、RL1bの各例が、独立に、水素又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルである、項目1〜10又は17〜26のいずれか一項に記載の化合物。
(項目28)
L1aの各例が、独立に、水素、ハロゲン、−CN、−ORL1b、−N(RL1b、非置換のC1−6アルキル、又は1つ以上のハロゲンにより置換されているC1−6アルキルであり、ここで、RL1bの各例が、独立に、水素、非置換のC1−6アルキル、又は1つ以上のハロゲンにより置換されているC1−6アルキルである、項目27に記載の化合物。
(項目29)
が−NRL1−である、項目27に記載の化合物。
(項目30)
が−NH−である、項目27に記載の化合物。
(項目31)
の各例が、独立に、ハロゲン、=O、−CN、−ORC1、−N(RC1、−C(=O)N(RC1、−C(=O)ORC1、又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルであり、ここで、RC1の各例が、独立に、水素又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルであるか、又は2つのR基が共に、任意選択で置換されている複素環式環又は任意選択で置換されている炭素環式環を形成し、ここで、前記置換されている複素環式環若しくは置換されている炭素環式環上の2つの置換基、又は前記置換されている複素環式環若しくは置換されている炭素環式環上の1つの置換基と第三のR基とが共に、別の任意選択で置換されている複素環式環又は任意選択で置換されている炭素環式環を形成する、項目1〜8又は17〜30のいずれか一項に記載の化合物。
(項目32)
の各例が、独立に、ハロゲン、−ORC1、又は非置換のC1−6アルキルであり、ここで、RC1の各例が、独立に、水素又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルであるか、又は2つのR基が共に、任意選択で置換されている複素環式環又は任意選択で置換されている炭素環式環を形成し、ここで、前記置換されている複素環式環若しくは置換されている炭素環式環上の2つの置換基、又は前記置換されている複素環式環若しくは置換されている炭素環式環上の1つの置換基と第三のR基とが共に、別の任意選択で置換されている複素環式環又は任意選択で置換されている炭素環式環を形成する、項目31に記載の化合物。
(項目33)
の各例が、独立に、フルオロ若しくは−OHであるか、又は環C及びRの全ての例が共に:
【化21】
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を形成し、ここで、「2」と記されている炭素原子がLに結合し、且つ「3」と記されている炭素原子がLに結合する、項目31に記載の化合物。
(項目34)
nが0である、項目1〜8又は17〜33のいずれか一項に記載の化合物。
(項目35)
が、−NRL2C(=O)−、−C(=O)NRL2−、−NRL2S(=O)
−、−S(=O)NRL2−、−NRL2(C1−2アルキレン)−、−(C1−2アルキレン)NRL2−、−NRL2−、−O(C1−2アルキレン)−、又は−(C1−2アルキレン)O−であり、ここで、前記C1−2アルキレンが、ハロゲン、=O、−CN、−ORL2、−N(RL2、−C(=O)N(RL2、−C(=O)ORL2、又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基により任意選択で置換されており、ここで、RL2の各例が、独立に、水素、置換若しくは非置換のC1−6アルキル、又は窒素保護基である、項目1〜10又は17〜34のいずれか一項に記載の化合物。
(項目36)
前記C1−2アルキレンが、ハロゲン、=O、−CN、−ORL2、−N(RL2、−C(=O)N(RL2、−C(=O)ORL2、非置換のC1−6アルキル、又はハロゲン、−CN、−ORL2a、若しくは−N(RL2aからなる群から独立に選択される1つ以上の置換基により置換されているC1−6アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基により任意選択で置換されており、ここで、RL2及びRL2aの各例が、独立に、水素、非置換のC1−6アルキル、又は1つ以上のハロゲンにより置換されているC1−6アルキルである、項目35に記載の化合物。
(項目37)
が、−NHC(=O)−、−C(=O)NH−、−NHS(=O)−、−N(C(O)OC(CH)−、−N(Boc)−CH−、−NH−、−NHCH−、−NMeCH−、−OCH−、又は−NHCH(CF)−である、項目1〜10又は17〜34のいずれか一項に記載の化合物。
(項目38)
の各例が、独立に、ハロゲン、−CN、−ORC1、−N(RC1、−C(=O)N(RC1、−C(=O)ORC1、置換若しくは非置換のC1−6アルキル、又は置換若しくは非置換のヘテロシクリルであり、ここで、RC1の各例が、独立に、水素又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルである、項目1〜8又は17〜37のいずれか一項に記載の化合物。
(項目39)
の各例が、独立に、ハロゲン又は置換若しくは非置換のヘテロシクリルである、項目38に記載の化合物。
(項目40)
の各例が、独立に、フルオロ又はモルホリニルである、項目38に記載の化合物。
(項目41)
pが0である、項目1〜8又は17〜37のいずれか一項に記載の化合物。
(項目42)
が、式:
【化22】
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のものである、項目1〜12又は17〜41のいずれか一項に記載の化合物。
(項目43)
が、式:
【化23】
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のものである、項目42に記載の化合物。
(項目44)
が、式:
【化24】
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のものである、項目42に記載の化合物。
(項目45)
が、式:
【化25】
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のものでない、項目1〜12又は17〜41のいずれか一項に記載の化合物。
(項目46)
式(Ia):
【化26】
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(式中:
環Aは、式:
【化27】
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のものであり;
はCRB2であり、ここで、RB2は、ハロゲン、炭素環式環系中に0、1、若しくは2つの二重結合からなる置換又は非置換の3〜6員の単環式カルボシクリル又は−CNであり;
B1は水素であり;
は−NRL1−であり、ここで、RL1は、水素又は非置換のC1−6アルキルであり;
の各例は、独立に、ハロゲン、−ORC1、又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルであり、ここで、RC1の各例は、独立に、水素又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルであるか、又は2つのRは共に、任意選択で置換されている炭素環式環を形成し;
は、−NRL2C(=O)−、−C(=O)NRL2−、−NRL2(置換若しくは非置換のC1−2アルキレン)−、又は−NRL2−であり、ここで、RL2の各例は、独立に、水素又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルであり;
の各例は、独立に、ハロゲンであり;
は、式:
【化28】
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のものであり;
E1の各例は、独立に、水素、置換若しくは非置換のC1−6アルキル、又は−Si(RE1aであり、ここで、RE1aの各例は、独立に、置換若しくは非置換のC1−6アルキル、又は置換若しくは非置換のフェニルであり;
E2は、水素又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルであり;
E3は、水素又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルであり;
nは、0、1、又は2であり;且つ
pは、0又は1である)
のもの、又はその薬学的に許容できる塩である、項目1に記載の化合物。
(項目47)
がCRB2であり、且つRB2が、クロロ、シクロプロピル、又は−CNである、項目46に記載の化合物。
(項目48)
が−NH−である、項目46又は47に記載の化合物。
(項目49)
の各例が、独立に、フルオロ、−OH、又は−CHであるか、又は環C及びRの全例が共に、
【化29】
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を形成し、ここで、「2」と記されている炭素原子がLに結合し、且つ「3」と記されている炭素原子がLに結合する、項目46〜48のいずれか一項に記載の化合物。
(項目50)
nが、0、1、又は2である、項目46〜49のいずれか一項に記載の化合物。
(項目51)
が、−NHC(=O)−、−C(=O)NH−、−NH(C1−2アルキレン)−、又は−NH−である、項目46〜50のいずれか一項に記載の化合物。
(項目52)
の各例が、独立に、フルオロである、項目46〜51のいずれか一項に記載の化合物。
(項目53)
pが、0又は1である、項目46〜52のいずれか一項に記載の化合物。
(項目54)
が、式:
【化30】
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のものである、項目46〜53のいずれか一項に記載の化合物。
(項目55)
図1に示される化合物のいずれか1つ、又はその薬学的に許容できる塩である、項目1に記載の化合物。
(項目56)
式:
【化31】
[この文献は図面を表示できません]


のもの、又はその薬学的に許容できる塩である、項目1に記載の化合物。
(項目57)
項目1〜56のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、及び任意選択で、薬学的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物。
(項目58)
増殖性疾患の治療を、それを必要とする対象において行うのに使用するための治療上有効な量の前記化合物を含む、項目57に記載の医薬組成物。
(項目59)
増殖性疾患の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記対象に、治療上有効な量の項目1〜56のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、又は項目57若しくは58に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
(項目60)
前記対象が哺乳動物である、項目59に記載の方法。
(項目61)
前記対象がヒトである、項目60に記載の方法。
(項目62)
前記増殖性疾患がサイクリン依存性キナーゼ(CDK)の過剰発現と関連している、項目59〜61のいずれか一項に記載の方法。
(項目63)
前記増殖性疾患がサイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)の過剰発現と関連している、項目62に記載の方法。
(項目64)
前記増殖性疾患が、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)の異常な活性と関連している、項目59〜63のいずれか一項に記載の方法。
(項目65)
前記増殖性疾患が、サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)の異常な活性と関連している、項目64に記載の方法。
(項目66)
前記増殖性疾患が、アポトーシスの阻害と関連している、項目59〜65のいずれか一項に記載の方法。
(項目67)
前記増殖性疾患が癌である、項目59〜66のいずれか一項に記載の方法。
(項目68)
前記増殖性疾患が白血病である、項目67に記載の方法。
(項目69)
前記増殖性疾患が慢性リンパ球性白血病(CLL)である、項目67に記載の方法。
(項目70)
前記増殖性疾患がメラノーマである、項目67に記載の方法。
(項目71)
前記増殖性疾患が多発性骨髄腫である、項目67に記載の方法。
(項目72)
前記増殖性疾患が骨癌である、項目67に記載の方法。
(項目73)
前記増殖性疾患が骨肉腫である、項目67に記載の方法。
(項目74)
前記増殖性疾患が乳癌である、項目67に記載の方法。
(項目75)
前記増殖性疾患がトリプルネガティブ乳癌(TNBC)である、項目67に記載の方法。
(項目76)
前記増殖性疾患がユーイング肉腫である、項目67に記載の方法。
(項目77)
前記増殖性疾患が脳癌である、項目67に記載の方法。
(項目78)
前記増殖性疾患が神経芽細胞腫である、項目67に記載の方法。
(項目79)
前記増殖性疾患が肺癌である、項目67に記載の方法。
(項目80)
前記増殖性疾患が小細胞肺癌(SCLC)である、項目67に記載の方法。
(項目81)
前記増殖性疾患が非小細胞肺癌(NSCLC)である、項目67に記載の方法。
(項目82)
前記増殖性疾患が良性新生物である、項目59〜66のいずれか一項に記載の方法。
(項目83)
前記増殖性疾患が血管新生である、項目59〜66のいずれか一項に記載の方法。
(項目84)
前記増殖性疾患が炎症性疾患である、項目59〜66のいずれか一項に記載の方法。
(項目85)
前記増殖性疾患が関節リウマチである、項目84に記載の方法。
(項目86)
前記増殖性疾患が自己炎症性疾患である、項目59〜66のいずれか一項に記載の方法。
(項目87)
前記増殖性疾患が自己免疫疾患である、項目59〜66のいずれか一項に記載の方法。
(項目88)
生体試料又は対象中のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)の活性を阻害する方法であって、治療上有効な量の項目1〜56のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、又は項目57若しくは58に記載の医薬組成物を前記対象に投与すること、或いは前記生体試料を、治療上有効な量の項目1〜56のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、又は項目57若しくは58に記載の医薬組成物と接触させることを含む方法。
(項目89)
前記サイクリン依存性キナーゼがサイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)である、項目88に記載の方法。
(項目90)
前記化合物が、CDK7のCys312を共有結合的に修飾できる、項目63、65、又は89のいずれか一項に記載の方法。
(項目91)
生体試料又は対象中の転写を阻害する方法であって、治療上有効な量の項目1〜56のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、又は項目57若しくは58に記載の医薬組成物を前記対象に投与すること、或いは前記生体試料を、治療上有効な量の項目1〜56のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、又は項目57若しくは58に記載の医薬組成物と接触させることを含む方法。
(項目92)
生体試料又は対象中の細胞成長を阻害する方法であって、治療上有効な量の項目1〜56のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、又は項目57若しくは58に記載の医薬組成物を前記対象に投与すること、或いは前記生体試料を、治療上有効な量の項目1〜56のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、又は項目57若しくは58に記載の医薬組成物と接触させることを含む方法。
(項目93)
生体試料又は対象中の細胞のアポトーシスを誘導する方法であって、治療上有効な量の項目1〜56のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、又は項目57若しくは58に記載の医薬組成物を前記対象に投与すること、或いは前記生体試料を、治療上有効な量の項目1〜56のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、又は項目57若しくは58に記載の医薬組成物と接触させることを含む方法。
(項目94)
前記対象に、前記化合物、前記その薬学的に許容できる塩、又は前記医薬組成物と組み合わせた治療上有効な量の医薬品を投与することをさらに含む、項目59〜87のいずれか一項に記載の方法。
(項目95)
前記化合物、前記その薬学的に許容できる塩、若しくは前記医薬組成物と組み合わせた治療上有効な量の医薬品を前記対象に投与すること、又は前記生体試料を、前記化合物、前記その薬学的に許容できる塩、若しくは前記医薬組成物と組み合わせた治療上有効な量の医薬品と接触させることをさらに含む、項目88〜93のいずれか一項に記載の方法。
(項目96)
前記医薬品が抗増殖剤である、項目94又は95に記載の方法。
(項目97)
前記医薬品が、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)の阻害剤である、項目94〜96のいずれか一項に記載の方法。
(項目98)
前記医薬品が、サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)の阻害剤である、項目97に記載の方法。
(項目99)
前記医薬品が、CDK7のCys312を共有結合的に修飾できる、項目98に記載の方法。
(項目100)
項目1〜56のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、又は項目57若しくは58に記載の医薬組成物;及び
前記化合物、若しくは前記その薬学的に許容できる塩、又は前記医薬組成物を対象に投与するための、或いは生体試料を、前記化合物、若しくは前記その薬学的に許容できる塩、又は前記医薬組成物と接触させるための説明書
を含むキット。
【0095】
化合物
本発明の一態様において、式(I):
【化11】
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(式中:
環Aは、式(i−1)〜(i−6):
【化12】
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のいずれか1つの任意選択で置換されているヘテロアリール環であり、
ここで、
、V、V、V、V、V、V、V、V、V10、V11、V12、V13、V14、及びV15の各例は、独立に、O、S、N、NRA1、C、又はCRA2であり;
A1の各例は、水素、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、及び窒素保護基からなる群から独立に選択され;
A2の各例は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、−CN、−ORA2a、−N(RA2a、及び−SRA2aからなる群から独立に選択され、ここで、RA2aの各出現は、水素、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、窒素原子に結合している場合の窒素保護基、酸素原子に結合している場合の酸素保護基、及び硫黄原子に結合している場合の硫黄保護基からなる群から独立に選択されるか、又は2つのRA2a基は結合して、任意選択で置換されている複素環式環を形成し;且つ、
任意選択で、RA1基と、RA2基と、RA2a基のいずれか2つは結合して、任意選択で置換されている炭素環式環、任意選択で置換されている複素環式環、任意選択で置換されているアリール環、又は任意選択で置換されているヘテロアリール環を形成し;
B1は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、−CN、−ORB1a、−N(RB1a、及び−SRB1aからなる群から選択され、ここで、RB1aの各出現は、水素、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、窒素原子に結合している場合の窒素保護基、酸素原子に結合している場合の酸素保護基、及び硫黄原子に結合している場合の硫黄保護基からなる群から独立に選択されるか、又はRB1とRB2は結合して、任意選択で置換されている炭素環式環、任意選択で置換されている複素環式環、任意選択で置換されているアリール環、又は任意選択で置換されているヘテロアリール環を形成し;
はN又はCRB2であり、ここで、RB2は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、−CN、−ORB2a、−N(RB2a、及び−SRB2aからなる群から選択されるか、又はRB2とRB1とは結合して、任意選択で置換されている炭素環式環、任意選択で置換されている複素環式環、任意選択で置換されているアリール環、又は任意選択で置換されているヘテロアリール環を形成し、ここで、RB2aの各出現は、水素、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、窒素原子に結合している場合の窒素保護基、酸素原子に結合している場合の酸素保護基、及び硫黄原子に結合している場合の硫黄保護基からなる群から独立に選択されるか、又は2つのRB2a基は結合して、任意選択で置換されている複素環式環を形成し;
は、結合又は任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖であり、任意選択で、任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、独立に、−O−、−S−、−NRL1−、−S(=O)−、又は−S(=O)−と交換されており(ここで、RL1は、水素、置換又は非置換のC1−6アルキル、又は窒素保護基である)、且つ、任意選択で、任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖上の2つの置換基は共に、任意選択で置換されている炭素環式環又は任意選択で置換されている複素環式環を形成し;
は、結合又は任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖であり、任意選択で、任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、独立に、−O−、−S−、−NRL2−、−S(=O)−、又は−S(=O)−と交換されており(ここで、RL2は、水素、置換又は非置換のC1−6アルキル、又は窒素保護基である)、且つ、任意選択で、任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖上の2つの置換基は共に、任意選択で置換されている炭素環式環又は任意選択で置換されている複素環式環を形成し;
の各例は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、=O、−CN、−ORC1、−N(RC1、及び−SRC1からなる群から独立に選択されるか;又は、2つのR基は共に、任意選択で置換されている複素環式環、炭素環式環、アリール環、又はヘテロアリール環を形成し、ここで、置換されている複素環式環若しくは置換されている炭素環式環上の2つの置換基、又は置換されている複素環式環若しくは置換されている炭素環式環上の1つの置換基と第三のR基とは共に、別の任意選択で置換されている複素環式環又は任意選択で置換されている炭素環式環を形成し;
ここで、RC1の各出現は、水素、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、窒素原子に結合している場合の窒素保護基、酸素原子に結合している場合の酸素保護基、及び硫黄原子に結合している場合の硫黄保護基からなる群から独立に選択されるか、又は2つのRC1基は結合して、任意選択で置換されている複素環式環を形成し;
nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり;
の各例は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、−CN、−ORD1、−N(RD1、及び−SRD1からなる群から独立に選択され、ここで、RD1の各出現は、水素、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、窒素原子に結合している場合の窒素保護基、酸素原子に結合している場合の酸素保護基、及び硫黄原子に結合している場合の硫黄保護基からなる群から独立に選択されるか、又は2つのRD1基は結合して、任意選択で置換されている複素環式環を形成し;
pは、0、1、2、3、又は4であり;
は、式(ii−1)〜(ii−20):
【化13】
[この文献は図面を表示できません]

のいずれか1つであり、
は、結合、−O−、−S−、−NRL3a−、又は任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖であり、任意選択で、炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、独立に、−O−、−S−、−NRL3a−、−NRL3aC(=O)−、−C(=O)NRL3a−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NRL3aC(=S)−、−C(=S)NRL3a−、トランス−CRL3b=CRL3b−、シス−CRL3b=CRL3b−、−C≡C−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、−NRL3aS(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、又は−NRL3aS(=O)−と交換されており、ここで、RL3aは、水素、置換又は非置換のC1−6アルキル、又は窒素保護基であり、RL3bの各出現は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、及び任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、又は2つのRL3b基は結合して、任意選択で置換されている炭素環式環又は任意選択で置換されている複素環式環を形成し;
は、結合又は任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖であり;
E1は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、−CN、−CHORE1a、−CHN(RE1a、−CHSRE1a、−ORE1a、−N(RE1a、−Si(RE1a、及び−SRE1aからなる群から選択され、ここで、RE1aの各出現は、水素、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、及び任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、又は2つのRE1a基は結合して、任意選択で置換されている複素環式環を形成し;
E2は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、−CN、−CHORE2a、−CHN(RE2a、−CHSRE2a、−ORE2a、−N(RE2a、及び−SRE2aからなる群から選択され、ここで、RE2aの各出現は、水素、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、及び任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、又は2つのRE2a基は結合して、任意選択で置換されている複素環式環を形成し;
E3は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、−CN、−CHORE3a、−CHN(RE3a、−CHSRE3a、−ORE3a、−N(RE3a、及び−SRE3aからなる群から選択され、ここで、RE3aの各出現は、水素、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルコキシ、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、及び任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、又は2つのRE3a基は結合して、任意選択で置換されている複素環式環を形成し;
任意選択で、RE1及びRE3、又はRE2及びRE3、又はRE1及びRE2は結合して、任意選択で置換されている炭素環式環又は任意選択で置換されている複素環式環を形成し;
E4は脱離基であり;
E5はハロゲンであり;
Yは、O、S、又はNRE6であり、ここで、RE6は、水素、置換又は非置換のC1−6アルキル、又は窒素保護基であり;
aは、1又は2であり;且つ
zは、0、1、2、3、4、5、又は6である)
の化合物、並びにその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、及びプロドラッグが提供される。
【0096】
式(I)の化合物は、環Bに結合している環Aを含む。環Aは、任意選択で置換されている二環式ヘテロアリール環でよい。特定の実施形態において、環Aは、任意選択で置換されている単環式アリール環と縮合している任意選択で置換されている単環式ヘテロアリール環である。特定の実施形態において、環Aは、別の任意選択で置換されている単環式ヘテロアリール環と縮合している任意選択で置換されている単環式ヘテロアリール環である。環Aは、任意選択で置換されている6,5員ヘテロアリール環でも任意選択で置換されている5,6員ヘテロアリール環でもよい。特定の実施形態において、環Aは、任意選択で置換されている単環式6員アリール環と縮合している任意選択で置換されている単環式5員ヘテロアリール環である。特定の実施形態において、環Aは、任意選択で置換されている単環式6員ヘテロアリール環と縮合している任意選択で置換されている単環式5員ヘテロアリール環である。環Bへの環Aの結合点は、原子価が許す通り、環Aのいずれの原子でもよい。特定の実施形態において、環Aは、式(i−1):
【化14】
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のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(i−2):
【化15】
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のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(i−3):
【化16】
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のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(i−4):
【化17】
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のものである。式(I)の化合物において、環AのV、V、V、V、V、V、V、V、及びVは、それぞれ独立に、原子価が許す通り、O、S、N、NRA1、C、又はCRA2でよい。特定の実施形態において、Vは、O、S、N、又はNRA1である。特定の実施形態において、Vは、N又はNRA1である。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化18】
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のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化19】
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のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化20】
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のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化21】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化22】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化23】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化24】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0097】
特定の実施形態において、V、V、V、V、V、V、V、V、及びVの1つのみが、O、S、N、及びNRA1からなる群から選択される。特定の実施形態において、V、V、V、V、V、V、V、V、及びVの1つのみが、N及びNRA1からなる群から選択される。特定の実施形態において、VはN又はNRA1であり;V、V、V、V、V、V、V、及びVは、それぞれ独立に、C又はCRA2であり;したがって、環Aは、任意選択で置換されているインドール環である。特定の実施形態において、環Aは、式(iii−1):
【化25】
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のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(iii−2):
【化26】
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のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(iii−3):
【化27】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化28】
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のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化29】
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のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(iii−4):
【化30】
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のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(iii−5):
【化31】
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のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(iii−6):
【化32】
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のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(iii−7):
【化33】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0098】
特定の実施形態において、V、V、V、V、V、V、V、V、及びVの2つのみが、O、S、N、及びNRA1からなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、V、V、V、V、V、V、V、V、及びVの2つのみが、N及びNRA1からなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、VはN又はNRA1であり;V、V、V、V、V、V、V、及びVの1つのみが、N又はNRA1である。特定の実施形態において、V及びVは、それぞれ独立に、N又はNRA1であり;V、V、V、V、V、V、及びVは、それぞれ独立に、C又はCRA2であり;したがって、環Aは、任意選択で置換されているインダゾール環である。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化34】
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のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化35】
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のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化36】
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のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化37】
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のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化38】
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のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化39】
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のものである。
【0099】
特定の実施形態において、V及びVは、それぞれ独立に、N又はNRA1であり;V、V、V、V、V、V、及びVは、それぞれ独立に、C又はCRA2であり;したがって、環Aは、任意選択で置換されているベンゾイミダゾール環である。特定の実施形態において、環Aは、式(iv−1):
【化40】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(iv−2):
【化41】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(iv−3):
【化42】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(iv−4):
【化43】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(iv−5):
【化44】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(iv−6):
【化45】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0100】
特定の実施形態において、V及びVは、それぞれ独立に、N又はNRA1であり;V、V、V、V、V、V、及びVは、それぞれ独立に、C又はCRA2であり;したがって、環Aは、任意選択で置換されている4−アザインダゾール環である。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化46】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化47】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化48】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化49】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化50】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化51】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0101】
特定の実施形態において、V及びVは、それぞれ独立に、N又はNRA1であり;V、V、V、V、V、V、及びVは、それぞれ独立に、C又はCRA2であり;したがって、環Aは、任意選択で置換されている5−アザインダゾール環である。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化52】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化53】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化54】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化55】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化56】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化57】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0102】
特定の実施形態において、V及びVは、それぞれ独立に、N又はNRA1であり;V、V、V、V、V、V、及びVは、それぞれ独立に、C又はCRA2であり;したがって、環Aは、任意選択で置換されている6−アザインドール環である。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化58】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化59】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化60】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化61】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化62】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化63】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0103】
特定の実施形態において、V及びVは、それぞれ独立に、N又はNRA1であり;V、V、V、V、V、V、及びVは、それぞれ独立に、C又はCRA2であり;したがって、環Aは、任意選択で置換されている7−アザインドール環である。特定の実施形態において、環Aは、式(v−1):
【化64】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(v−2):
【化65】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(v−3):
【化66】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(v−4):
【化67】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(v−5):
【化68】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(v−6):
【化69】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0104】
特定の実施形態において、V及びVは、それぞれ独立に、N又はNRA1であり、V、V、V、V、V、V、及びVは、それぞれ独立に、C又はCRA2であり;したがって、環Aは、任意選択で置換されている8−アザインドール環である。特定の実施形態において、環Aは、式(vi−1):
【化70】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(vi−2):
【化71】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(vi−3):
【化72】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(vi−4):
【化73】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(vi−5):
【化74】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式(vi−6):
【化75】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0105】
特定の実施形態において、V及びVは、それぞれ独立に、N又はNRA1であり;V、V、V、V、V、V、及びVは、それぞれ独立に、C又はCRA2であり;したがって、環Aは、任意選択で置換されている9−アザインドール環である。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化76】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化77】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化78】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化79】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化80】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化81】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0106】
特定の実施形態において、V、V、V、V、V、V、V、V、及びVの3つのみが、O、S、N、及びNRA1からなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、V、V、V、V、V、V、V、V、及びVの3つのみが、N及びNRA1からなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、VはN又はNRA1であり;V、V、V、V、V、V、V、及びVの2つのみが、それぞれ独立に、N又はNRA1である。
【0107】
式(I)の化合物において、環Aは、任意選択で置換されている5員ヘテロアリール環でもよい。特定の実施形態において、環Aは、式(i−5):
【化82】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0108】
式(I)の化合物において、環AのV10、V11、V12、V13、及びV14は、それぞれ独立に、原子価が許す通り、O、S、N、NRA1、C、又はCRA2でよい。特定の実施形態において、V10、V11、V12、V13、及びV14の1つのみが、O、S、N、及びNRA1からなる群から選択される。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化83】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0109】
特定の実施形態において、環Aは、式:
【化84】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0110】
特定の実施形態において、環Aは、式:
【化85】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0111】
特定の実施形態において、V10、V11、V12、V13、及びV14の2つのみが、O、S、N、及びNRA1からなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化86】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0112】
特定の実施形態において、環Aは、式:
【化87】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0113】
特定の実施形態において、環Aは、式:
【化88】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0114】
特定の実施形態において、環Aは、式(vii):
【化89】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0115】
特定の実施形態において、環Aは、式:
【化90】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化91】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化92】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0116】
特定の実施形態において、V10、V11、V12、V13、及びV14の3つのみが、O、S、N、及びNRA1からなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化93】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0117】
特定の実施形態において、環Aは、式:
【化94】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0118】
特定の実施形態において、環Aは、式:
【化95】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0119】
特定の実施形態において、V10、V11、V12、V13、及びV14の4つのみが、N及びNRA1からなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化96】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0120】
式(I)の化合物において、環Aは、任意選択で置換されている6員ヘテロアリール環でもよい。特定の実施形態において、環Aは、式(i−6):
【化97】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。式(I)の化合物において、環AのV10、V11、V12、V13、V14、及びV15は、それぞれ独立に、原子価が許す通り、N、C、又はCRA2でよい。特定の実施形態において、V10、V11、V12、V13、V14、及びV15の1つのみがNである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化98】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0121】
特定の実施形態において、V10、V11、V12、V13、V14、及びV15の2つのみがNである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化99】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0122】
特定の実施形態において、V10、V11、V12、V13、V14、及びV15の3つのみがNである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化100】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0123】
特定の実施形態において、環Aは、式(i−1)、(i−5)、又は(i−6)のものである。特定の実施形態において、環Aは、式:
【化101】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0124】
式(I)の化合物において、環Aは、RA1基が窒素原子に結合している場合、1つ以上のRA1基により置換されていてよい。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例はH(水素)である。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例はハロゲンである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例はF(フッ素)である。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例はCl(塩素)である。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例はBr(臭素)である。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例はI(ヨウ素)である。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は置換されているアシルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は非置換のアシルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例はアセチルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は置換されているアセチルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は置換されているアルキルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は非置換のアルキルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例はC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例はメチルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例はエチルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例はプロピルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例はブチルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は非置換のアルケニルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例はビニルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は非置換のアルキニルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例はエチニルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は置換されているカルボシクリルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は非置換のカルボシクリルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は置換されているヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は非置換のヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は置換されているアリールである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は非置換のアリールである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は置換されているフェニルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は非置換のフェニルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は置換されているピリジルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は非置換のピリジルである。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は窒素保護基である。特定の実施形態において、RA1の少なくとも1つの例は、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、又はTsである。
【0125】
特定の実施形態において、少なくとも1つのRA1は、水素、C1−6アルキル、又は窒素保護基である。特定の実施形態において、RA1の全ての例は、それぞれ独立に、水素、C1−6アルキル、又は窒素保護基である。特定の実施形態において、RA1の全ての例は水素である。
【0126】
式(I)の化合物において、環Aは、RA2基が炭素原子に結合している場合、1つ以上のRA2基により置換されていてよい。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2はHである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2はハロゲンである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2はFである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2はClである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2はBrである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2はI(ヨウ素)である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は置換されているアシルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は非置換のアシルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2はアセチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は置換されているアセチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は置換されているアルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は非置換のアルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2はC1−6アルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2はメチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2はエチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2はプロピルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2はブチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は非置換のアルケニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2はビニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は非置換のアルキニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2はエチニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は置換されているカルボシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は非置換のカルボシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は置換されているヘテロシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は非置換のヘテロシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は置換されているアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は非置換のアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は置換されているフェニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は非置換のフェニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は置換されているピリジルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は非置換のピリジルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は−ORA2aである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は−N(RA2aである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2は−SRA2aである。
【0127】
特定の実施形態において、2つのRA2基は、それぞれ独立に、ハロゲン、任意選択で置換されているアルキル、又は任意選択で置換されているアリールであり;RA2の全ての他の例は水素である。特定の実施形態において、2つのRA2基は、それぞれ独立に、ハロゲン又は任意選択で置換されているアルキルであり;RA2の全ての他の例は水素である。特定の実施形態において、2つのRA2基はハロゲンであり;RA2の全ての他の例は水素である。特定の実施形態において、2つのRA2基は任意選択で置換されているアルキルであり;RA2の全ての他の例は水素である。特定の実施形態において、2つのRA2基はC1−6アルキルであり;RA2の全ての他の例は水素である。特定の実施形態において、2つのRA2基はメチルであり;RA2の全ての他の例は水素である。特定の実施形態において、2つのRA2基はエチルであり;RA2の全ての他の例は水素である。特定の実施形態において、2つのRA2基はプロピルであり;RA2の全ての他の例は水素である。特定の実施形態において、2つのRA2基はブチルであり;RA2の全ての他の例は水素である。特定の実施形態において、2つのRA2基は任意選択で置換されているアリールであり;RA2の全ての他の例は水素である。特定の実施形態において、2つのRA2基は任意選択で置換されているフェニルであり;RA2の全ての他の例は水素である。
【0128】
特定の実施形態において、1つのRA2基は、ハロゲン、任意選択で置換されているアルキル、又は任意選択で置換されているアリールであり;RA2の全ての他の例は水素である。特定の実施形態において、1つのRA2は、ハロゲン又は任意選択で置換されているアルキルであり;RA2の全ての他の例は水素である。特定の実施形態において、1つのRA2はハロゲンであり;RA2の全ての他の例は水素である。特定の実施形態において、1つのRA2は任意選択で置換されているアルキルであり;RA2の全ての他の例は水素である。特定の実施形態において、1つのRA2はC1−6アルキルであり;RA2の全ての他の例は水素である。特定の実施形態において、1つのRA2はメチルであり;RA2の全ての他の例は水素である。特定の実施形態において、1つのRA2はエチルであり;RA2の全ての他の例は水素である。特定の実施形態において、1つのRA2はプロピルであり;RA2の全ての他の例は水素である。特定の実施形態において、1つのRA2はブチルであり;RA2の全ての他の例は水素である。特定の実施形態において、1つのRA2は任意選択で置換されているアリールであり;RA2の全ての他の例は水素である。特定の実施形態において、1つのRA2は任意選択で置換されているフェニルであり;RA2の全ての他の例は水素である。
【0129】
特定の実施形態において、RA2の全ての例は水素である。
【0130】
特定の実施形態において、RA2が、−ORA2a、−N(RA2a、又は−SRA2aである場合、少なくとも1つのRA2aはHである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aはハロゲンである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aはFである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aはClである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aはBrである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aはI(ヨウ素)である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは置換されているアシルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは非置換のアシルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aはアセチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは置換されているアセチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは置換されているアルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは非置換のアルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aはC1−6アルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aはメチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aはエチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aはプロピルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aはブチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは非置換のアルケニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aはビニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは非置換のアルキニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aはエチニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは置換されているカルボシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは非置換のカルボシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは置換されているヘテロシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは非置換のヘテロシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは置換されているアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは非置換のアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは置換されているフェニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは非置換のフェニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは置換されているピリジルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは非置換のピリジルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは窒素原子に結合している場合、窒素保護基である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは、窒素原子に結合している場合、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、又はTsである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは、酸素原子に結合している場合、酸素保護基である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは、酸素原子に結合している場合、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイル、又はベンゾイルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは、硫黄原子に結合している場合、硫黄保護基である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRA2aは、硫黄原子に結合している場合、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニル、又はトリフェニルメチルである。特定の実施形態において、2つのRA2a基は結合して、置換されている複素環式環を形成する。特定の実施形態において、2つのRA2a基は結合して、非置換の複素環式環を形成する。
【0131】
式(I)の化合物において、RA1基と、RA2基と、RA2a基のいずれか2つが結合して、任意選択で置換されている炭素環式環、任意選択で置換されている複素環式環、任意選択で置換されているアリール環、又は任意選択で置換されているヘテロアリール環を形成し得る。特定の実施形態において、RA1の1つの例とRA2の1つの例は結合して、置換されている炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、RA1の1つの例とRA2の1つの例は結合して、非置換の炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、RA1の1つの例とRA2の1つの例は結合して、置換されている複素環式環を形成する。特定の実施形態において、RA1の1つの例とRA2の1つの例は結合して、非置換の複素環式環を形成する。特定の実施形態において、RA1の1つの例とRA2の1つの例は結合して、置換されているアリール環を形成する。特定の実施形態において、RA1の1つの例とRA2の1つの例は結合して、非置換のアリール環を形成する。特定の実施形態において、RA1の1つの例とRA2の1つの例は結合して、置換されているヘテロアリール環を形成する。特定の実施形態において、RA1の1つの例とRA2の1つの例は結合して、非置換のヘテロアリール環を形成する。特定の実施形態において、RA1の1つの例とRA2aの1つの例は結合して、置換されている炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、RA1の1つの例とRA2aの1つの例は結合して、非置換の炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、RA1の1つの例とRA2aの1つの例は結合して、置換されている複素環式環を形成する。特定の実施形態において、RA1の1つの例とRA2aの1つの例は結合して、非置換の複素環式環を形成する。特定の実施形態において、RA1の1つの例とRA2aの1つの例は結合して、置換されているアリール環を形成する。特定の実施形態において、RA1の1つの例とRA2aの1つの例は結合して、非置換のアリール環を形成する。特定の実施形態において、RA1の1つの例とRA2aの1つの例は結合して、置換されているヘテロアリール環を形成する。特定の実施形態において、RA1の1つの例とRA2aの1つの例は結合して、非置換のヘテロアリール環を形成する。特定の実施形態において、RA2aの1つの例とRA2の1つの例は結合して、置換されている炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、RA2aの1つの例とRA2の1つの例は結合して、非置換の炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、RA2aの1つの例とRA2の1つの例は結合して、置換されている複素環式環を形成する。特定の実施形態において、RA2aの1つの例とRA2の1つの例は結合して、非置換の複素環式環を形成する。特定の実施形態において、RA2aの1つの例とRA2の1つの例は結合して、置換されているアリール環を形成する。特定の実施形態において、RA2aの1つの例とRA2の1つの例は結合して、非置換のアリール環を形成する。特定の実施形態において、RA2aの1つの例とRA2の1つの例は結合して、置換されているヘテロアリール環を形成する。特定の実施形態において、RA2aの1つの例とRA2の1つの例は結合して、非置換のヘテロアリール環を形成する。
【0132】
式(I)の化合物は、式:
【化102】
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の置換又は非置換のヘテロアリール環を含む。特定の実施形態において、WはNである。特定の実施形態において、WはCRB2であり;そのため、環Bは、式:
【化103】
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のものである。特定の実施形態において、環Bは、式:
【化104】
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のものである。特定の実施形態において、環Bは、式:
【化105】
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のものである。特定の実施形態において、環Bは、式:
【化106】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Bは、式:
【化107】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Bは、式:
【化108】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Bは、式:
【化109】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Bは、式:
【化110】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Bは、式:
【化111】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Bは、式:
【化112】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Bは、式:
【化113】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0133】
式(I)の化合物において、環Bは置換基RB1を含む。特定の実施形態において、RB1はHである。特定の実施形態において、RB1はハロゲンである。特定の実施形態において、RB1はFである。特定の実施形態において、RB1はClである。特定の実施形態において、RB1はBrである。特定の実施形態において、RB1はI(ヨウ素)である。特定の実施形態において、RB1は置換されているアシルである。特定の実施形態において、RB1は非置換のアシルである。特定の実施形態において、RB1はアセチルである。特定の実施形態において、RB1は置換されているアセチルである。特定の実施形態において、RB1は置換されているアルキルである。特定の実施形態において、RB1は非置換のアルキルである。特定の実施形態において、RB1はC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RB1はメチルである。特定の実施形態において、RB1はエチルである。特定の実施形態において、RB1はプロピルである。特定の実施形態において、RB1はブチルである。特定の実施形態において、RB1は置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、RB1は非置換のアルケニルである。特定の実施形態において、RB1はビニルである。特定の実施形態において、RB1は置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、RB1は非置換のアルキニルである。特定の実施形態において、RB1はエチニルである。特定の実施形態において、RB1は置換されているカルボシクリルである。特定の実施形態において、RB1は非置換のカルボシクリルである。特定の実施形態において、RB1は置換されているアリールである。特定の実施形態において、RB1は非置換のアリールである。特定の実施形態において、RB1は置換されているフェニルである。特定の実施形態において、RB1は非置換のフェニルである。特定の実施形態において、RB1は置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、RB1は非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態において、RB1は置換されているピリジルである。特定の実施形態において、RB1は非置換のピリジルである。特定の実施形態において、RB1は−CNである。特定の実施形態において、RB1は−ORB1aである。特定の実施形態において、RB1は−N(RB1aである。特定の実施形態において、RB1は−SRB1aである。特定の実施形態において、RB1は、水素、ハロゲン、置換若しくは非置換のC1−6アルキル、−CN、−ORB1a、又は−N(RB1aである。特定の実施形態において、RB1は、水素、ハロゲン、−CN、−ORB1a、−N(RB1a、非置換のC1−6アルキル、又は1つ以上のハロゲンにより置換されているC1−6アルキルであり、ここで、RB1aの各例は、独立に、水素、非置換のC1−6アルキル、又は1つ以上のハロゲンにより置換されているC1−6アルキルである。
【0134】
特定の実施形態において、RB1が、−ORB1a、−N(RB1a、又は−SRB1aである場合、RB1aはHである。特定の実施形態において、RB1aはハロゲンである。特定の実施形態において、RB1aはFである。特定の実施形態において、RB1aはClである。特定の実施形態において、RB1aはBrである。特定の実施形態において、RB1aはI(ヨウ素)である。特定の実施形態において、RB1aは置換されているアシルである。特定の実施形態において、RB1aは非置換のアシルである。特定の実施形態において、RB1aはアセチルである。特定の実施形態において、RB1aは置換されているアセチルである。特定の実施形態において、RB1aは置換されているアルキルである。特定の実施形態において、RB1aは非置換のアルキルである。特定の実施形態において、RB1aはC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RB1aはメチルである。特定の実施形態において、RB1aはエチルである。特定の実施形態において、RB1aはプロピルである。特定の実施形態において、RB1aはブチルである。特定の実施形態において、RB1aは置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、RB1aは非置換のアルケニルである。特定の実施形態において、RB1aはビニルである。特定の実施形態において、RB1aは置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、RB1aは非置換のアルキニルである。特定の実施形態において、RB1aはエチニルである。特定の実施形態において、RB1aは置換されているカルボシクリルである。特定の実施形態において、RB1aは非置換のカルボシクリルである。特定の実施形態において、RB1aは置換されているヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RB1aは非置換のヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RB1aは置換されているアリールである。特定の実施形態において、RB1aは非置換のアリールである。特定の実施形態において、RB1aは置換されているフェニルである。特定の実施形態において、RB1aは非置換のフェニルである。特定の実施形態において、RB1aは置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、RB1aは非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態において、RB1aは置換されているピリジルである。特定の実施形態において、RB1aは非置換のピリジルである。特定の実施形態において、RB1aは、窒素原子に結合している場合、窒素保護基である。特定の実施形態において、RB1aは、窒素原子に結合している場合、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、又はTsである。特定の実施形態において、RB1aは、酸素原子に結合している場合、酸素保護基である。特定の実施形態において、RB1aは、酸素原子に結合している場合、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイル、又はベンゾイルである。特定の実施形態において、RB1aは、硫黄原子に結合している場合、硫黄保護基である。特定の実施形態において、RB1aは、硫黄原子に結合している場合、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニル、又はトリフェニルメチルである。
【0135】
式(I)の化合物において、WがCRB2である場合、環Bは置換基RB2も含む。特定の実施形態において、RB2はHである。特定の実施形態において、RB2は、ハロゲン、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、−CN、−ORB2a、−N(RB2a、及び−SRB2aからなる群から選択される。特定の実施形態において、RB2はハロゲンである。特定の実施形態において、RB2はFである。特定の実施形態において、RB2はClである。特定の実施形態において、RB2はBrである。特定の実施形態において、RB2はI(ヨウ素)である。特定の実施形態において、RB2は置換されているアシルである。特定の実施形態において、RB2は非置換のアシルである。特定の実施形態において、RB2はアセチルである。特定の実施形態において、RB2は置換されているアセチルである。特定の実施形態において、RB2は置換されているアルキルである。特定の実施形態において、RB2は非置換のアルキルである。特定の実施形態において、RB2はC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RB2は、部分的にフッ素化されたC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RB2は全フッ素置換されたC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RB2はメチルである。特定の実施形態において、RB2は−CHFである。特定の実施形態において、RB2は−CHFである。特定の実施形態において、RB2は−CFである。特定の実施形態において、RB2はエチルである。特定の実施形態において、RB2は−Cである。特定の実施形態において、RB2はプロピルである。特定の実施形態において、RB2はブチルである。特定の実施形態において、RB2は置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、RB2は非置換のアルケニルである。特定の実施形態において、RB2はビニルである。特定の実施形態において、RB2は置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、RB2は非置換のアルキニルである。特定の実施形態において、RB2はエチニルである。特定の実施形態において、RB2は置換されているカルボシクリルである。特定の実施形態において、RB2は非置換のカルボシクリルである。特定の実施形態において、RB2はシクロプロピルである。特定の実施形態において、RB2はシクロブチルである。特定の実施形態において、RB2はシクロペンチルである。特定の実施形態において、RB2はシクロヘキシルである。特定の実施形態において、RB2はシクロヘプチルである。特定の実施形態において、RB2は置換されているヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RB2は非置換のヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RB2は置換されているアリールである。特定の実施形態において、RB2は非置換のアリールである。特定の実施形態において、RB2は置換されているフェニルである。特定の実施形態において、RB2は非置換のフェニルである。特定の実施形態において、RB2は置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、RB2は非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態において、RB2は置換されているピリジルである。特定の実施形態において、RB2は非置換のピリジルである。特定の実施形態において、RB2は−CNである。特定の実施形態において、RB2は−ORB2aである。特定の実施形態において、RB2は−N(RB2aである。特定の実施形態において、RB2は−SRB2aである。特定の実施形態において、RB2は、水素、ハロゲン、置換若しくは非置換のC1−6アルキル、−CN、−ORB2a、又は−N(RB2aである。特定の実施形態において、RB2は、水素、ハロゲン、−CN、−ORB2a、−N(RB2a、非置換のC1−6アルキル、又は1つ以上のハロゲンにより置換されているC1−6アルキルであり、ここで、RB2aの各例は、独立に、水素、非置換のC1−6アルキル、又は1つ以上のハロゲンにより置換されているC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RB2は、水素、ハロゲン、置換若しくは非置換のC1−6アルキル、置換若しくは非置換のカルボシクリル、−CN、−ORB2a、又は−N(RB2aである。特定の実施形態において、RB2は、水素、ハロゲン、−CN、−ORB2a、−N(RB2a、非置換のC1−6アルキル、1つ以上のハロゲンにより置換されているC1−6アルキル、又は非置換のカルボシクリルであり、ここで、RB2aの各例は、独立に、水素、非置換のC1−6アルキル、又は1つ以上のハロゲンにより置換されているC1−6アルキルである。RB2は、水素、ハロゲン、置換若しくは非置換のC1−6アルキル、炭素環式環系中の0、1、若しくは2つの二重結合からなる非置換の3〜6員の単環式カルボシクリル、又は−CNである。特定の実施形態において、RB2は、水素、クロロ、フルオロ、−CH、−C、シクロプロピル、−CF、又は−CNである。
【0136】
特定の実施形態において、RB2が、−ORB2a、−N(RB2a、又は−SRB2aである場合、RB2aはHである。特定の実施形態において、RB2aはハロゲンである。特定の実施形態において、RB2aはFである。特定の実施形態において、RB2aはClである。特定の実施形態において、RB2aはBrである。特定の実施形態において、RB2aはI(ヨウ素)である。特定の実施形態において、RB2aは置換されているアシルである。特定の実施形態において、RB2aは非置換のアシルである。特定の実施形態において、RB2aはアセチルである。特定の実施形態において、RB2aは置換されているアセチルである。特定の実施形態において、RB2aは置換されているアルキルである。特定の実施形態において、RB2aは非置換のアルキルである。特定の実施形態において、RB2aはC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RB2aはメチルである。特定の実施形態において、RB2aはエチルである。特定の実施形態において、RB2aはプロピルである。特定の実施形態において、RB2aはブチルである。特定の実施形態において、RB2aは置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、RB2aは非置換のアルケニルである。特定の実施形態において、RB2aはビニルである。特定の実施形態において、RB2aは置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、RB2aは非置換のアルキニルである。特定の実施形態において、RB2aはエチニルである。特定の実施形態において、RB2aは置換されているカルボシクリルである。特定の実施形態において、RB2aは非置換のカルボシクリルである。特定の実施形態において、RB2aは置換されているヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RB2aは非置換のヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RB2aは置換されているアリールである。特定の実施形態において、RB2aは非置換のアリールである。特定の実施形態において、RB2aは置換されているフェニルである。特定の実施形態において、RB2aは非置換のフェニルである。特定の実施形態において、RB2aは置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、RB2aは非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態において、RB2aは置換されているピリジルである。特定の実施形態において、RB2aは非置換のピリジルである。特定の実施形態において、RB2aは、窒素原子に結合している場合、窒素保護基である。特定の実施形態において、RB2aは、窒素原子に結合している場合、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、又はTsである。特定の実施形態において、RB2aは、酸素原子に結合している場合、酸素保護基である。特定の実施形態において、RB2aは、酸素原子に結合している場合、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイル、又はベンゾイルである。特定の実施形態において、RB2aは、硫黄原子に結合している場合、硫黄保護基である。特定の実施形態において、RB2aは、硫黄原子に結合している場合、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニル、又はトリフェニルメチルである。特定の実施形態において、2つのRB2a基は結合して、置換されている複素環式環を形成する。特定の実施形態において、2つのRB2a基は結合して、非置換の複素環式環を形成する。
【0137】
式(I)の化合物において、RB1基とRB2基は結合して、環Bに縮合している環を形成し得る。特定の実施形態において、RB1とRB2は結合して、置換されている炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、RB1とRB2は結合して、非置換の炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、RB1とRB2は結合して、置換されている複素環式環を形成する。特定の実施形態において、RB1とRB2は結合して、非置換の複素環式環を形成する。特定の実施形態において、RB1とRB2は結合して、置換されているアリール環を形成する。特定の実施形態において、RB1とRB2は結合して、非置換のアリール環を形成する。特定の実施形態において、RB1とRB2は結合して、置換されているフェニル環を形成する。特定の実施形態において、RB1とRB2は結合して、非置換のフェニル環を形成する。特定の実施形態において、RB1とRB2は結合して、置換されているヘテロアリール環を形成する。特定の実施形態において、RB1とRB2は結合して、非置換のヘテロアリール環を形成する。特定の実施形態において、RB1とRB2は結合して、置換されているピリジル環を形成する。特定の実施形態において、RB1とRB2は結合して、非置換のピリジル環を形成する。
【0138】
特定の実施形態において、環Bは、式:
【化114】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Bは、式:
【化115】
[この文献は図面を表示できません]

(式中:
B3の各例は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、−CN、−ORB3a、−N(RB3a、及び−SRB3aからなる群から選択され、ここで、RB3aの各出現は、水素、任意選択で置換されているアシル、任意選択で置換されているアルキル、任意選択で置換されているアルケニル、任意選択で置換されているアルキニル、任意選択で置換されているカルボシクリル、任意選択で置換されているヘテロシクリル、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、窒素原子に結合している場合の窒素保護基、酸素原子に結合している場合の酸素保護基、及び硫黄原子に結合している場合の硫黄保護基からなる群から独立に選択されるか、又は2つのRB3a基は結合して、任意選択で置換されている複素環式環を形成し;且つ、qは、0、1、2、又は3である)
のものである。
【0139】
特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例はHである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例はハロゲンである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例はFである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例はClである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例はBrである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例はI(ヨウ素)である。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は置換されているアシルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は非置換のアシルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例はアセチルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は置換されているアセチルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は置換されているアルキルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は非置換のアルキルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例はC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例はメチルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例はエチルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例はプロピルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例はブチルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は非置換のアルケニルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例はビニルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は非置換のアルキニルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例はエチニルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は置換されているカルボシクリルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は非置換のカルボシクリルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は置換されているヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は非置換のヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は置換されているアリールである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は非置換のアリールである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は置換されているフェニルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は非置換のフェニルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は置換されているピリジルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は非置換のピリジルである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は−CNである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は−ORB3aである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は−N(RB3aである。特定の実施形態において、RB3の少なくとも1つの例は−SRB3aである。
【0140】
特定の実施形態において、RB3が、−ORB3a、−N(RB3a、又は−SRB3aである場合、RB3aはHである。特定の実施形態において、RB3aはハロゲンである。特定の実施形態において、RB3aはFである。特定の実施形態において、RB3aはClである。特定の実施形態において、RB3aはBrである。特定の実施形態において、RB3aはI(ヨウ素)である。特定の実施形態において、RB3aは置換されているアシルである。特定の実施形態において、RB3aは非置換のアシルである。特定の実施形態において、RB3aはアセチルである。特定の実施形態において、RB3aは置換されているアセチルである。特定の実施形態において、RB3aは置換されているアルキルである。特定の実施形態において、RB3aは非置換のアルキルである。特定の実施形態において、RB3aはC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RB3aはメチルである。特定の実施形態において、RB3aはエチルである。特定の実施形態において、RB3aはプロピルである。特定の実施形態において、RB3aはブチルである。特定の実施形態において、RB3aは置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、RB3aは非置換のアルケニルである。特定の実施形態において、RB3aはビニルである。特定の実施形態において、RB3aは置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、RB3aは非置換のアルキニルである。特定の実施形態において、RB3aはエチニルである。特定の実施形態において、RB3aは置換されているカルボシクリルである。特定の実施形態において、RB3aは非置換のカルボシクリルである。特定の実施形態において、RB3aは置換されているヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RB3aは非置換のヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RB3aは置換されているアリールである。特定の実施形態において、RB3aは非置換のアリールである。特定の実施形態において、RB3aは置換されているフェニルである。特定の実施形態において、RB3aは非置換のフェニルである。特定の実施形態において、RB3aは置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、RB3aは非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態において、RB3aは置換されているピリジルである。特定の実施形態において、RB3aは非置換のピリジルである。特定の実施形態において、RB3aは、窒素原子に結合している場合、窒素保護基である。特定の実施形態において、RB3aは、窒素原子に結合している場合、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、アセチル、又はTsである。特定の実施形態において、RB3aは、酸素原子に結合している場合、酸素保護基である。特定の実施形態において、RB3aは、酸素原子に結合している場合、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイル、又はベンゾイルである。特定の実施形態において、RB3aは、硫黄原子に結合している場合、硫黄保護基である。特定の実施形態において、RB3aは、硫黄原子に結合している場合、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニル、又はトリフェニルメチルである。特定の実施形態において、2つのRB3a基は結合して、置換されている複素環式環を形成する。特定の実施形態において、2つのRB3a基は結合して、非置換の複素環式環を形成する。
【0141】
特定の実施形態において、qは0である。特定の実施形態において、qは1である。特定の実施形態において、qは2である。特定の実施形態において、qは3である。
【0142】
式(I)の化合物において、Lは、環Bと環Cを接続する二価リンカー部分である。Lは、任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖でよく、任意選択で、炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位が、−O−、−S−、−NRL1−、−S(=O)−、又は−S(=O)−と交換されている。特定の実施形態において、Lは、任意選択で置換されているC1−2炭化水素鎖であり、任意選択で、炭化水素鎖の1又は2つの炭素単位が、−O−、−S−、−NRL1−、−S(=O)−、又は−S(=O)−と交換されている。特定の実施形態において、Lは、任意選択で置換されているC炭化水素鎖であり、任意選択で、炭化水素鎖の炭素単位が、−O−、−S−、−NRL1−、−S(=O)−、又は−S(=O)−と交換されている。特定の実施形態において、Lは、−O−、−S−、−NRL1−、−NRL1−C(RL1a−、−C(RL1a−NRL1−、又は−C(RL1a−であり:RL1の各例は、独立に、水素又は非置換のC1−6アルキルであり;RL1aの各例は、独立に、水素、ハロゲン、置換若しくは非置換のC1−6アルキル、−CN、−ORL1b、又は−N(RL1bであり、RL1bの各例は、独立に、水素又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RL1aの各例は、独立に、水素、ハロゲン、−CN、−ORL1b、−N(RL1b、非置換のC1−6アルキル、又は1つ以上のハロゲンにより置換されているC1−6アルキルであり、RL1bの各例は、独立に、水素、非置換のC1−6アルキル、又は1つ以上のハロゲンにより置換されているC1−6アルキルである。特定の実施形態において、Lは−O−である。特定の実施形態において、Lは−S−である。特定の実施形態において、Lは−NRL1−である。特定の実施形態において、Lは−CH−である。特定の実施形態において、Lは、式:−C(=O)NRL1−又は−NRL1C(=O)−のものである。特定の実施形態において、Lは、式:−C(=O)NH−又は−NH(=O)−のものである。特定の実施形態において、Lは、任意選択で置換されているC炭化水素鎖であり、任意選択で、炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位が、−O−、−S−、−NRL1−、−S(=O)−、又は−S(=O)−と交換されている。特定の実施形態において、Lは、任意選択で置換されているC炭化水素鎖であり、任意選択で、炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、−O−、−S−、−NRL1−、−S(=O)−、又は−S(=O)−と交換されている。特定の実施形態において、C1−4炭化水素鎖の少なくとも1つの炭素単位は、ハロゲン、非置換のC1−6アルキル、少なくとも1つの例のハロゲンにより置換されているC1−6アルキル、及びオキソ(=O)からなる群から独立に選択される1つ以上の置換基により置換されている。特定の実施形態において、任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖上の2つの置換基は共に、非置換の炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖上の2つの置換基は共に、置換されている炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖上の2つの置換基は共に、非置換の複素環式環を形成する。特定の実施形態において、任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖上の2つの置換基は共に、置換されている複素環式環を形成する。
【0143】
特定の実施形態において、RL1はHである。特定の実施形態において、RL1は置換されているアルキルである。特定の実施形態において、RL1は非置換のアルキルである。特定の実施形態において、RL1は置換されているC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RL1は非置換のC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RL1はメチルである。特定の実施形態において、RL1はエチルである。特定の実施形態において、RL1はプロピルである。特定の実施形態において、RL1はブチルである。特定の実施形態において、RL1は窒素保護基である。特定の実施形態において、RL1は、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、又はTsである。
【0144】
式(I)の化合物において、Lは、環Bと環Cを連結する二価リンカー部分である。Lは、任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖でよく、任意選択で、炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位が、−O−、−S−、−NRL2−、−S(=O)−、又は−S(=O)−と交換されている。特定の実施形態において、Lは、任意選択で置換されているC1−2炭化水素鎖であり、任意選択で、炭化水素鎖の1又は2つの炭素単位が、−O−、−S−、−NRL2−、−S(=O)−、又は−S(=O)−と交換されている。特定の実施形態において、Lは、−NRL2C(=O)−、−C(=O)NRL2−、−NRL2S(=O)−、−S(=O)NRL2−、−NRL2(C1−2アルキレン)−、又は−(C1−2アルキレン)NRL2−であり、ここで、C1−2アルキレンは、ハロゲン、=O、−CN、−ORL2、−N(RL2、−C(=O)N(RL2、−C(=O)ORL2、又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基により任意選択で置換されており、ここで、RL2の各例は、独立に、水素又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルである。特定の実施形態において、C1−2アルキレンは、ハロゲン、=O、−CN、−ORL2、−N(RL2、−C(=O)N(RL2、−C(=O)ORL2、非置換のC1−6アルキル、又はハロゲン、−CN、−ORL2a、若しくは−N(RL2aからなる群から独立に選択される1つ以上の置換基により置換されているC1−6アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基により任意選択で置換されており、ここで、RL2及びRL2aの各例は、独立に、水素、非置換のC1−6アルキル、又は1つ以上のハロゲンにより置換されているC1−6アルキルである。特定の実施形態において、Lは、−NRL2C(=O)−、−C(=O)NRL2−、−NRL2S(=O)−、−S(=O)NRL2−、−NRL2(C1−2アルキレン)−(例えば、−NRL2−CH−(例えば、−NH−CH−、−NMe−CH−、若しくは−N(Boc)−CH−)、又は−NRL2−CH(置換又は非置換のC1−6アルキル)−(例えば、−NH−CH(CF)−)、−(C1−2アルキレン)NRL2−(例えば、−CH−NRL2−(例えば、−CH−NH−、−CH−NMe−、若しくは−CH−N(Boc)−)、又は−CH(置換又は非置換のC1−6アルキル)−NRL2−(例えば、−CH(CF)−NH−)、−NRL2−(例えば、−NH−)、−O(C1−2アルキレン)−(例えば、−O−CH−)、又は−(C1−2アルキレン)O−(例えば、−CH−O−)であり、ここで、C1−2アルキレンは、ハロゲン、=O、−CN、−ORL2、−N(RL2、−C(=O)N(RL2、−C(=O)ORL2、又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基により任意選択で置換されており、ここで、RL2の各例は、独立に、水素、置換若しくは非置換のC1−6アルキル、又は窒素保護基(例えば、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、又はTs)である。特定の実施形態において、Lは、−NHC(=O)−、−C(=O)NH−、−NHS(=O)−、−N(C(O)OC(CH)−、−N(Boc)−CH−、−NH−、−NHCH−、−NMeCH−、−OCH−、又は−NHCH(CF)−である。特定の実施形態において、Lは、任意選択で置換されているC炭化水素鎖であり、任意選択で、炭化水素鎖の炭素単位は、−O−、−S−、−NRL2−、−S(=O)−、又は−S(=O)−と交換されている。特定の実施形態において、Lは、−O−、−S−、−NRL2−、−NRL2−C(RL2a−、−C(RL2a−NRL2−、又は−C(RL2a−であり、ここで、RL2の各例は、独立に、水素又は非置換のC1−6アルキルであり;RL2aの各例は、独立に、水素、ハロゲン、置換若しくは非置換のC1−6アルキル、−CN、−ORL2b、又は−N(RL2bであり、ここで、RL2bの各例は、独立に、水素又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RL2aの各例は、独立に、水素、ハロゲン、−CN、−ORL2b、−N(RL2b、非置換のC1−6アルキル、又は1つ以上のハロゲンにより置換されているC1−6アルキルであり、ここで、RL2bの各例は、独立に、水素、非置換のC1−6アルキル、又は1つ以上のハロゲンにより置換されているC1−6アルキルである。特定の実施形態において、Lは−O−である。特定の実施形態において、Lは−S−である。特定の実施形態において、Lは−NRL2−(例えば、−NH−又は−N(Me)−)である。特定の実施形態において、Lは−CH−である。特定の実施形態において、Lは、式:−C(=O)NRL2−又は−NRL2C(=O)−のものである。特定の実施形態において、Lは、式:−C(=O)NH−又は−NH(=O)−のものである。特定の実施形態において、Lは、任意選択で置換されているC炭化水素鎖であり、任意選択で、炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、−O−、−S−、−NRL2−、−S(=O)−、又は−S(=O)−と交換されている。特定の実施形態において、Lは、任意選択で置換されているC炭化水素鎖であり、任意選択で、炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、−O−、−S−、−NRL2−、−S(=O)−、又は−S(=O)−と交換されている。特定の実施形態において、C1−4炭化水素鎖の少なくとも1つの炭素単位は、ハロゲン、非置換のC1−6アルキル、少なくとも1つの例のハロゲンにより置換されているC1−6アルキル、及びオキソ(=O)からなる群から独立に選択される1つ以上の置換基により置換されている。特定の実施形態において、任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖上の2つの置換基は共に、非置換の炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖上の2つの置換基は共に、置換されている炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖上の2つの置換基は共に、非置換の複素環式環を形成する。特定の実施形態において、任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖上の2つの置換基は共に、置換されている複素環式環を形成する。
【0145】
特定の実施形態において、RL2はHである。特定の実施形態において、RL2は置換されているアルキルである。特定の実施形態において、RL2は非置換のアルキルである。特定の実施形態において、RL2は置換されているC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RL2は非置換のC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RL2はメチルである。特定の実施形態において、RL2はエチルである。特定の実施形態において、RL2はプロピルである。特定の実施形態において、RL2はブチルである。特定の実施形態において、RL2は窒素保護基である。特定の実施形態において、RL2は、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、又はTsである。
【0146】
式(I)の化合物において、環Cは、任意選択で置換されているシクロへキシレン部分である。特定の実施形態において、環Cは、任意選択で置換されているトランス−シクロへキシレン部分である。特定の実施形態において、環Cは、任意選択で置換されているシス−シクロへキシレン部分である。特定の実施形態において、環Cは、任意選択で置換されている1,2−シクロへキシレン部分である。特定の実施形態において、環Cは、任意選択で置換されている1,3−シクロへキシレン部分である。特定の実施形態において、環Cは、任意選択で置換されている1,4−シクロへキシレン部分である。特定の実施形態において、環Cは、式:
【化116】
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のものである。特定の実施形態において、環Cは、式:
【化117】
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のものである。特定の実施形態において、環Cは、式:
【化118】
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のものである。特定の実施形態において、環Cは、式:
【化119】
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のもの、又はその立体異性形態である。環Cは、非置換でも、1つ以上のR基により置換されていてもよい。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはHである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはハロゲンである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはFである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはClである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはBrである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはI(ヨウ素)である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているアシルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは非置換のアシルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはアセチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているアセチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているアルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは非置換のアルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはC1−6アルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはメチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはエチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはプロピルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはブチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは非置換のアルケニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはビニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは非置換のアルキニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはエチニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているカルボシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは非置換のカルボシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているヘテロシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは非置換のヘテロシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは非置換のアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているフェニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは非置換のフェニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているピリジルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは非置換のピリジルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは=Oである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは−CNである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは−ORC1である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは−N(RC1である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは−SRC1である。特定の実施形態において、Rの各例は、独立に、ハロゲン、=O、−CN、−ORC1、−N(RC1、−C(=O)N(RC1、−C(=O)ORC1、又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルであり、ここで、RC1の各例は、独立に、水素又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルである。特定の実施形態において、Rの各例は、独立に、ハロゲン、=O、−CN、−ORC1、−N(RC1、−C(=O)N(RC1、−C(=O)ORC1、非置換のC1−6アルキル、又はハロゲン、−CN、−ORC1a、若しくは−N(RC1aからなる群から独立に選択される1つ以上の置換基により置換されているC1−6アルキルであり、ここで、RC1及びRC1aの各例は、独立に、水素、非置換のC1−6アルキル、又は1つ以上のハロゲンにより置換されているC1−6アルキルである。
【0147】
特定の実施形態において、Rの2つの例は結合して、任意選択で置換されている炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、Rの2つの例は結合して、任意選択で置換されている複素環式環を形成する。特定の実施形態において、Rの2つの例は結合して、任意選択で置換されているアリール環(例えば、フェニル環)を形成する。特定の実施形態において、Rの2つの例は結合して、任意選択で置換されているヘテロアリール環を形成する。特定の実施形態において、2つのR基が共に、任意選択で置換されている、複素環式環又は炭素環式環を形成する場合、置換されている複素環式環若しくは置換されている炭素環式環上の2つの置換基、又は置換されている複素環式環若しくは置換されている炭素環式環上の1つの置換基と第三のR基とは共に、別の任意選択で置換されている複素環式環又は任意選択で置換されている炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、環CとRの全ての例は共に、炭素環式環系中の0、1、又は2つの二重結合からなる非置換の7〜10員の二環式炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、環CとRの全ての例は共に、非置換のビシクロ[3.1.1]ヘプタニル
【化120】
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を形成する。特定の実施形態において、環CとRの全ての例は共に、炭素環式環系中の0、1、2、3、又は4つの二重結合からなる非置換の8〜14員の三環式炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、環CとRの全ての例は共に、非置換のアダマンチル
【化121】
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を形成する。
【0148】
特定の実施形態において、Rの各例は、独立に、ハロゲン、=O、−CN、−ORC1、−N(RC1、−C(=O)N(RC1、−C(=O)ORC1、又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルであり、ここで、RC1の各例は、独立に、水素又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルであるか、又は2つのR基は共に、任意選択で置換されている複素環式環又は任意選択で置換されている炭素環式環を形成し、ここで、置換されている複素環式環若しくは置換されている炭素環式環上の2つの置換基、又は置換されている複素環式環若しくは置換されている炭素環式環上の1つの置換基と第三のR基とは共に、別の任意選択で置換されている複素環式環又は任意選択で置換されている炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、Rの各例は、独立に、ハロゲン、−ORC1、又は非置換のC1−6アルキルであり、ここで、RC1の各例は、独立に、水素又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルであるか、又は2つのR基は共に、任意選択で置換されている複素環式環又は任意選択で置換されている炭素環式環を形成し、ここで、置換されている複素環式環若しくは置換されている炭素環式環上の2つの置換基、又は置換されている複素環式環若しくは置換されている炭素環式環上の1つの置換基と第三のR基とは共に、別の任意選択で置換されている複素環式環又は任意選択で置換されている炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、Rの各例は、独立に、フルオロ又は−OHであるか、又は環CとRの全ての例は共に、
【化122】
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を形成し、ここで、「2」と記された炭素原子はLに結合し、且つ「3」と記された炭素原子はLに結合する。
【0149】
特定の実施形態において、Rが、−ORC1、−N(RC1、又は−SRC1である場合、少なくとも1つのRC1はHである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1はハロゲンである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1はFである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1はClである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1はBrである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1はI(ヨウ素)である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は置換されているアシルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は非置換のアシルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1はアセチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は置換されているアセチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は置換されているアルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は非置換のアルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1はC1−6アルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1はメチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1はエチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1はプロピルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1はブチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は非置換のアルケニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1はビニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は非置換のアルキニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1はエチニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は置換されているカルボシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は非置換のカルボシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は置換されているヘテロシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は非置換のヘテロシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は置換されているアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は非置換のアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は置換されているフェニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は非置換のフェニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は置換されているピリジルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は非置換のピリジルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は、窒素原子に結合している場合、窒素保護基である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は、窒素原子に結合している場合、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、又はTsである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は、酸素原子に結合している場合、酸素保護基である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は、酸素原子に結合している場合、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイル、又はベンゾイルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は、硫黄原子に結合している場合、硫黄保護基である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRC1は、硫黄原子に結合している場合、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニル、又はトリフェニルメチルである。特定の実施形態において、2つのRC1基は結合して、置換されている複素環式環を形成する。特定の実施形態において、2つのRC1基は結合して、非置換の複素環式環を形成する。
【0150】
環Cは、非置換でも、1つ以上のR基により置換されていてもよい。特定の実施形態において、環Cは非置換であり、そのためnは0である。特定の実施形態において、nは1である。特定の実施形態において、nは2である。特定の実施形態において、nは3である。特定の実施形態において、nは4である。特定の実施形態において、nは5である。特定の実施形態において、nは6である。特定の実施形態において、nは7である。特定の実施形態において、nは8である。特定の実施形態において、nは9である。特定の実施形態において、nは10である。
【0151】
式(I)の化合物において、環Dは置換されているフェニル環である。環Dは、Rにより置換されており、1つ以上のR基により置換されていてもよい。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはHである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはハロゲンである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはFである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはClである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはBrである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはI(ヨウ素)である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているアシルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは非置換のアシルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはアセチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているアセチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているアルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは非置換のアルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはC1−6アルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはメチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはエチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはプロピルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはブチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは非置換のアルケニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはビニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは非置換のアルキニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRはエチニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているカルボシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは非置換のカルボシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているヘテロシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは非置換のヘテロシクリルである。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つの例は、置換又は非置換の、複素環式環系中の0、1、又は2つの二重結合からなる5〜6員の単環式ヘテロシクリルであり、ここで、複素環式環系中の1、2、又は3個の原子は、独立に、窒素、酸素、又は硫黄である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つの例はモルホリニル
【化123】
[この文献は図面を表示できません]

である。特定の実施形態において、Rの各例は、独立に、フルオロ又はモルホリニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは非置換のアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているフェニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは非置換のフェニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは置換されているピリジルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは非置換のピリジルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは−CNである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは−ORD1である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは−N(RD1である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは−SRD1である。特定の実施形態において、Rの各例は、独立に、ハロゲン、−CN、−ORC1、−N(RC1、−C(=O)N(RC1、−C(=O)ORC1、置換若しくは非置換のC1−6アルキル、又は置換若しくは非置換のヘテロシクリルであり、ここで、RC1の各例は、独立に、水素又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルである。特定の実施形態において、Rの各例は、独立に、ハロゲン又は置換若しくは非置換のヘテロシクリルである。
【0152】
特定の実施形態において、Rが、−ORD1、−N(RD1、又は−SRD1である場合、少なくとも1つのRD1はHである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は置換されているアシルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は非置換のアシルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1はアセチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は置換されているアセチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は置換されているアルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は非置換のアルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1はC1−6アルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1はメチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1はエチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1はプロピルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1はブチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は非置換のアルケニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1はビニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は非置換のアルキニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1はエチニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は置換されているカルボシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は非置換のカルボシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は置換されているヘテロシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は非置換のヘテロシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は置換されているアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は非置換のアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は置換されているフェニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は非置換のフェニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は置換されているピリジルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は非置換のピリジルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は、窒素原子に結合している場合、窒素保護基である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRD1は、窒素原子に結合している場合、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、又はTsである。特定の実施形態において、RD1は、酸素原子に結合している場合、酸素保護基である。特定の実施形態において、RD1は、酸素原子に結合している場合、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイル、又はベンゾイルである。特定の実施形態において、RD1は、硫黄原子に結合している場合、硫黄保護基である。特定の実施形態において、RD1は、硫黄原子に結合している場合、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニル、又はトリフェニルメチルである。特定の実施形態において、2つのRD1基は結合して、置換されている複素環式環を形成する。特定の実施形態において、2つのRD1基は結合して、非置換の複素環式環を形成する。
【0153】
環Dは、非置換でも、1つ以上のR基により置換されていてもよい。特定の実施形態において、環Dは非置換であり、そのため、pは0である。特定の実施形態において、pは1である。特定の実施形態において、pは2である。特定の実施形態において、pは3である。特定の実施形態において、pは4である。
【0154】
特定の実施形態において、Rはハロゲンであり;pは1である。特定の実施形態において、RはFであり;pは1である。特定の実施形態において、RはClであり;pは1である。特定の実施形態において、RはBrであり;pは1である。特定の実施形態において、RはI(ヨウ素)であり;pは1である。特定の実施形態において、Rは置換されているアルキルであり;pは1である。特定の実施形態において、Rは非置換のアルキルであり;pは1である。特定の実施形態において、RはC1−6アルキルであり;pは1である。特定の実施形態において、Rはメチルであり;pは1である。特定の実施形態において、Rは、エチル、プロピル、又はブチルであり;pは1である。特定の実施形態において、Rの各例は、独立に、ハロゲン又は任意選択で置換されているアルキルであり;pは2である。特定の実施形態において、Rの各例は、独立に、ハロゲン又はC1−6アルキルであり;pは2である。
【0155】
式(I)の化合物において、環Dは置換基Rも含む。特定の実施形態において、Rは、マイケル受容体部分を含む。このマイケル受容体部分は、キナーゼ(例えば、CDK(例えば、CDK7))のシステイン残基と反応して、キナーゼへの化合物の共有結合を可能にする。特定の実施形態において、共有結合は不可逆的である。他の実施形態において、共有結合は可逆的である。
【0156】
特定の実施形態において、Rは、式(ii−1):
【化124】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−2):
【化125】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−3):
【化126】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−4):
【化127】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−5):
【化128】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−6):
【化129】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−7):
【化130】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−8):
【化131】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−9):
【化132】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−10):
【化133】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−11):
【化134】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−12):
【化135】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−13):
【化136】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−14):
【化137】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−15):
【化138】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−16):
【化139】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−17):
【化140】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−18):
【化141】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−19):
【化142】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−20):
【化143】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−1)又は(ii−3)のものである。
【0157】
特定の実施形態において、RとLは、互いにパラ又はメタである。特定の実施形態において、RとLは互いにメタである。特定の実施形態において、環Dは、式:
【化144】
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のものである。特定の実施形態において、環Dは、式:
【化145】
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のものである。特定の実施形態において、環Dは、式:
【化146】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Dは、式:
【化147】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Dは、式:
【化148】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Dは、式:
【化149】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Dは、式:
【化150】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Dは、式:
【化151】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0158】
特定の実施形態において、RとLは互いにパラである。特定の実施形態において、環Dは、式:
【化152】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Dは、式:
【化153】
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のものである。特定の実施形態において、環Dは、式:
【化154】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Dは、式:
【化155】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Dは、式:
【化156】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。特定の実施形態において、環Dは、式:
【化157】
[この文献は図面を表示できません]

のものである。
【0159】
式(I)の化合物において、Lは二価リンカー部分である。Lは、0〜4つの炭素原子又はヘテロ原子を、Lの骨格中に含み得る。Lは、飽和でも不飽和でもよい。Lは、置換されていても、非置換でもよい。Lは、分岐していても、分岐していなくてもよい。特定の実施形態において、Lは結合である。特定の実施形態において、Lは−O−である。特定の実施形態において、Lは−S−である。特定の実施形態において、Lは−NRL3a−である。特定の実施形態において、Lは−NH−である。特定の実施形態において、Lは置換されているC1−4炭化水素鎖である。特定の実施形態において、Lは非置換のC1−4炭化水素鎖である。特定の実施形態において、Lは−C(RL3b−である。特定の実施形態において、Lは−CHRL3b−である。特定の実施形態において、Lは−CH−である。特定の実施形態において、Lは置換されているC炭化水素鎖である。特定の実施形態において、Lは非置換のC炭化水素鎖である。特定の実施形態において、Lは−C(RL3bC(RL3b−である。特定の実施形態において、Lは−CHCH−である。特定の実施形態において、Lはトランス−CRL3b=CRL3b−である。特定の実施形態において、Lはトランス−CH=CH−である。特定の実施形態において、Lはシス−CRL3b=CRL3b−である。特定の実施形態において、Lはシス−CH=CH−である。特定の実施形態において、Lは−C≡C−である。特定の実施形態において、Lは置換されているC炭化水素鎖である。特定の実施形態において、Lは非置換のC炭化水素鎖である。特定の実施形態において、Lは−(CH−である。特定の実施形態において、Lは−CH=CH−CH−であり、CH=CHはトランス又はシスである。特定の実施形態において、Lは−CH−CH=CH−であり、CH=CHはトランス又はシスである。特定の実施形態において、Lは−C≡C−CH−である。特定の実施形態において、Lは−CH−C≡C−である。特定の実施形態において、Lは置換されているC炭化水素鎖である。特定の実施形態において、Lは非置換のC炭化水素鎖である。特定の実施形態において、Lは−(CH−である。特定の実施形態において、Lは−CH=CH−CH=CH−であり、CH=CHの各例は、独立に、トランス又はシスである。特定の実施形態において、Lは−CH=CH−C≡C−であり、CH=CHはトランス又はシスである。特定の実施形態において、Lは−C≡C−CH=CH−であり、CH=CHはトランス又はシスである。特定の実施形態において、Lは−C≡C−C≡C−である。特定の実施形態において、Lは任意選択で置換されているC1−4炭化水素鎖であり、ここで、炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、−O−、−S−、−NRL3a−、−NRL3aC(=O)−、−C(=O)NRL3a−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NRL3aC(=S)−、−C(=S)NRL3a−、トランス−CRL3b=CRL3b−、シス−CRL3b=CRL3b−、−C≡C−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、又は−NRL3aS(=O)−と交換されている。
【0160】
特定の実施形態において、RL3aはHである。特定の実施形態において、RL3aは置換されているアルキルである。特定の実施形態において、RL3aは非置換のアルキルである。特定の実施形態において、RL3aはC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RL3aはメチルである。特定の実施形態において、RL3aはエチルである。特定の実施形態において、RL3aはプロピルである。特定の実施形態において、RL3aはブチルである。特定の実施形態において、RL3aは窒素保護基である。特定の実施形態において、RL3aは、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、又はTsである。
【0161】
特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bはHである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bはハロゲンである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bはFである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bはClである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bはBrである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bはI(ヨウ素)である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bは置換されているアルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bは非置換のアルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bはC1−6アルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bはメチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bはエチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bはプロピルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bはブチルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bは置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bは非置換のアルケニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bはビニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bは置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bは非置換のアルキニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bはエチニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bは置換されているカルボシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bは非置換のカルボシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bは置換されているヘテロシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bは非置換のヘテロシクリルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bは置換されているアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bは非置換のアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bは置換されているフェニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bは非置換のフェニルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bは置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bは非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bは置換されているピリジルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのRL3bは非置換のピリジルである。特定の実施形態において、2つのRL3b基は結合して、置換されている炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、2つのRL3b基は結合して、非置換の炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、2つのRL3b基は結合して、置換されている複素環式環を形成する。特定の実施形態において、2つのRL3b基は結合して、非置換の複素環式環を形成する。
【0162】
式(I)の化合物において、Lは二価リンカー部分である。Lは、0〜4つの炭素原子又はヘテロ原子を、Lの骨格中に含み得る。Lは、飽和でも、不飽和でもよい。Lは、置換されていても、非置換でもよい。Lは、分岐していても、分岐していなくてもよい。特定の実施形態において、Lは結合である。特定の実施形態において、Lは置換されているC1−4炭化水素鎖である。特定の実施形態において、Lは非置換のC1−4炭化水素鎖である。特定の実施形態において、Lは−C(RL4b−である。特定の実施形態において、Lは−CHRL4b−である。特定の実施形態において、Lは−CH−である。特定の実施形態において、Lは置換されているC炭化水素鎖である。特定の実施形態において、Lは非置換のC炭化水素鎖である。特定の実施形態において、Lは−C(RL4bC(RL4b−である。特定の実施形態において、Lは−CHCH−である。特定の実施形態において、Lはトランス−CRL4b=CRL4b−である。特定の実施形態において、Lはトランス−CH=CH−である。特定の実施形態において、Lはシス−CRL4b=CRL4b−である。特定の実施形態において、Lはシス−CH=CH−である。特定の実施形態において、Lは−C≡C−である。特定の実施形態において、Lは置換されているC炭化水素鎖である。特定の実施形態において、Lは非置換のC炭化水素鎖である。特定の実施形態において、Lは−(CH−である。特定の実施形態において、Lは−CH=CH−CH−であり、CH=CHはトランス又はシスである。特定の実施形態において、Lは−CH−CH=CH−であり、CH=CHはトランス又はシスである。特定の実施形態において、Lは−C≡C−CH−である。特定の実施形態において、Lは−CH−C≡C−である。特定の実施形態において、Lは置換されているC炭化水素鎖である。特定の実施形態において、Lは非置換のC炭化水素鎖である。特定の実施形態において、Lは−(CH−である。特定の実施形態において、Lは−CH=CH−CH=CH−であり、CH=CHの各例は、独立に、トランス又はシスである。特定の実施形態において、Lは−CH=CH−C≡C−であり、CH=CHはトランス又はシスである。特定の実施形態において、Lは−C≡C−CH=CH−であり、CH=CHはトランス又はシスである。特定の実施形態において、Lは−C≡C−C≡C−である。
【0163】
式(I)の化合物において、Rは、置換基RE1を含み得る。特定の実施形態において、RE1はHである。特定の実施形態において、RE1はハロゲンである。特定の実施形態において、RE1はFである。特定の実施形態において、RE1はClである。特定の実施形態において、RE1はBrである。特定の実施形態において、RE1はI(ヨウ素)である。特定の実施形態において、RE1は置換されているアシルである。特定の実施形態において、RE1は非置換のアシルである。特定の実施形態において、RE1はアセチルである。特定の実施形態において、RE1は置換されているアセチルである。特定の実施形態において、RE1は置換されているアルキルである。特定の実施形態において、RE1は非置換のアルキルである。特定の実施形態において、RE1はC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RE1はメチルである。特定の実施形態において、RE1はエチルである。特定の実施形態において、RE1はプロピルである。特定の実施形態において、RE1はブチルである。特定の実施形態において、RE1は置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、RE1は非置換のアルケニルである。特定の実施形態において、RE1はビニルである。特定の実施形態において、RE1は置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、RE1は非置換のアルキニルである。特定の実施形態において、RE1はエチニルである。特定の実施形態において、RE1は置換されているカルボシクリルである。特定の実施形態において、RE1は非置換のカルボシクリルである。特定の実施形態において、RE1は置換されているヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RE1は非置換のヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RE1は置換されているアリールである。特定の実施形態において、RE1は非置換のアリールである。特定の実施形態において、RE1は置換されているフェニルである。特定の実施形態において、RE1は非置換のフェニルである。特定の実施形態において、RE1は置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、RE1は非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態において、RE1は置換されているピリジルである。特定の実施形態において、RE1は非置換のピリジルである。特定の実施形態において、RE1は−CNである。特定の実施形態において、RE1は−ORE1aである。特定の実施形態において、RE1は−N(RE1aである。特定の実施形態において、RE1は−SRE1aである。特定の実施形態において、RE1は−CHORE1aである。特定の実施形態において、RE1は−CHN(RE1aである。特定の実施形態において、RE1は−CHSRE1aである。
【0164】
特定の実施形態において、RE1が、−ORE1a、−N(RE1a、−SRE1a、−CHORE1a、−CHN(RE1a、又は−CHSRE1aである場合、RE1aはHである。特定の実施形態において、RE1は−Si(RE1aであり、任意選択で、RE1aの各例は、独立に、非置換のC1−6アルキル又は非置換のフェニルである。特定の実施形態において、RE1は−Si(Me))である。特定の実施形態において、RE1aは置換されているアシルである。特定の実施形態において、RE1aは非置換のアシルである。特定の実施形態において、RE1aはアセチルである。特定の実施形態において、RE1aは置換されているアセチルである。特定の実施形態において、RE1aは置換されているアルキルである。特定の実施形態において、RE1aは非置換のアルキルである。特定の実施形態において、RE1aはC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RE1aはメチルである。特定の実施形態において、RE1aはエチルである。特定の実施形態において、RE1aはプロピルである。特定の実施形態において、RE1aはブチルである。特定の実施形態において、RE1aは置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、RE1aは非置換のアルケニルである。特定の実施形態において、RE1aはビニルである。特定の実施形態において、RE1aは置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、RE1aは非置換のアルキニルである。特定の実施形態において、RE1aはエチニルである。特定の実施形態において、RE1aは置換されているカルボシクリルである。特定の実施形態において、RE1aは非置換のカルボシクリルである。特定の実施形態において、RE1aは置換されているヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RE1aは非置換のヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RE1aは置換されているアリールである。特定の実施形態において、RE1aは非置換のアリールである。特定の実施形態において、RE1aは置換されているフェニルである。特定の実施形態において、RE1aは非置換のフェニルである。特定の実施形態において、RE1aは置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、RE1aは非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態において、RE1aは置換されているピリジルである。特定の実施形態において、RE1aは非置換のピリジルである。特定の実施形態において、RE1aは、窒素原子に結合している場合、窒素保護基である。特定の実施形態において、RE1aは、窒素原子に結合している場合、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、又はTsである。特定の実施形態において、RE1aは、酸素原子に結合している場合、酸素保護基である。特定の実施形態において、RE1aは、酸素原子に結合している場合、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイル、又はベンゾイルである。特定の実施形態において、RE1aは、硫黄原子に結合している場合、硫黄保護基である。特定の実施形態において、RE1aは、硫黄原子に結合している場合、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニル、又はトリフェニルメチルである。特定の実施形態において、2つのRE1a基は結合して、置換されている複素環式環を形成する。特定の実施形態において、2つのRE1a基は結合して、非置換の複素環式環を形成する。
【0165】
式(I)の化合物において、Rは置換基RE2を含み得る。特定の実施形態において、RE2はHである。特定の実施形態において、RE2はハロゲンである。特定の実施形態において、RE2はFである。特定の実施形態において、RE2はClである。特定の実施形態において、RE2はBrである。特定の実施形態において、RE2はI(ヨウ素)である。特定の実施形態において、RE2は置換されているアシルである。特定の実施形態において、RE2は非置換のアシルである。特定の実施形態において、RE2はアセチルである。特定の実施形態において、RE2は置換されているアセチルである。特定の実施形態において、RE2は置換されているアルキルである。特定の実施形態において、RE2は非置換のアルキルである。特定の実施形態において、RE2はC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RE2はメチルである。特定の実施形態において、RE2はエチルである。特定の実施形態において、RE2はプロピルである。特定の実施形態において、RE2はブチルである。特定の実施形態において、RE2は置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、RE2は非置換のアルケニルである。特定の実施形態において、RE2はビニルである。特定の実施形態において、RE2は置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、RE2は非置換のアルキニルである。特定の実施形態において、RE2はエチニルである。特定の実施形態において、RE2は置換されているカルボシクリルである。特定の実施形態において、RE2は非置換のカルボシクリルである。特定の実施形態において、RE2は置換されているヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RE2は非置換のヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RE2は置換されているアリールである。特定の実施形態において、RE2は非置換のアリールである。特定の実施形態において、RE2は置換されているフェニルである。特定の実施形態において、RE2は非置換のフェニルである。特定の実施形態において、RE2は置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、RE2は非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態において、RE2は置換されているピリジルである。特定の実施形態において、RE2は非置換のピリジルである。特定の実施形態において、RE2は−CNである。特定の実施形態において、RE2は−ORE2aである。特定の実施形態において、RE2は−N(RE2aである。特定の実施形態において、RE2は−SRE2aである。特定の実施形態において、RE2は−CHORE2aである。特定の実施形態において、RE2は−CHN(RE2aである。特定の実施形態において、RE2は−CHSRE2aである。
【0166】
特定の実施形態において、RE2が、−ORE2a、−N(RE2a、−SRE2a、−CHORE2a、−CHN(RE2a、又は−CHSRE2aである場合、RE2aはHである。特定の実施形態において、RE2aは置換されているアシルである。特定の実施形態において、RE2aは非置換のアシルである。特定の実施形態において、RE2aはアセチルである。特定の実施形態において、RE2aは置換されているアセチルである。特定の実施形態において、RE2aは置換されているアルキルである。特定の実施形態において、RE2aは非置換のアルキルである。特定の実施形態において、RE2aはC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RE2aはメチルである。特定の実施形態において、RE2aはエチルである。特定の実施形態において、RE2aはプロピルである。特定の実施形態において、RE2aはブチルである。特定の実施形態において、RE2aは置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、RE2aは非置換のアルケニルである。特定の実施形態において、RE2aはビニルである。特定の実施形態において、RE2aは置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、RE2aは非置換のアルキニルである。特定の実施形態において、RE2aはエチニルである。特定の実施形態において、RE2aは置換されているカルボシクリルである。特定の実施形態において、RE2aは非置換のカルボシクリルである。特定の実施形態において、RE2aは置換されているヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RE2aは非置換のヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RE2aは置換されているアリールである。特定の実施形態において、RE2aは非置換のアリールである。特定の実施形態において、RE2aは置換されているフェニルである。特定の実施形態において、RE2aは非置換のフェニルである。特定の実施形態において、RE2aは置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、RE2aは非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態において、RE2aは置換されているピリジルである。特定の実施形態において、RE2aは非置換のピリジルである。特定の実施形態において、RE2aは、窒素原子に結合している場合、窒素保護基である。特定の実施形態において、RE2aは、窒素原子に結合している場合、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、又はTsである。特定の実施形態において、RE2aは、酸素原子に結合している場合、酸素保護基である。特定の実施形態において、RE2aは、酸素原子に結合している場合、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイル、又はベンゾイルである。特定の実施形態において、RE2aは、硫黄原子に結合している場合、硫黄保護基である。特定の実施形態において、RE2aは、硫黄原子に結合している場合、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニル、又はトリフェニルメチルである。特定の実施形態において、2つのRE2a基は結合して、置換されている複素環式環を形成する。特定の実施形態において、2つのRE2a基は結合して、非置換の複素環式環を形成する。
【0167】
式(I)の化合物において、Rは置換基RE3を含み得る。特定の実施形態において、RE3はHである。特定の実施形態において、RE3はハロゲンである。特定の実施形態において、RE3はFである。特定の実施形態において、RE3はClである。特定の実施形態において、RE3はBrである。特定の実施形態において、RE3はI(ヨウ素)である。特定の実施形態において、RE3は置換されているアシルである。特定の実施形態において、RE3は非置換のアシルである。特定の実施形態において、RE3はアセチルである。特定の実施形態において、RE3は置換されているアセチルである。特定の実施形態において、RE3は置換されているアルキルである。特定の実施形態において、RE3は非置換のアルキルである。特定の実施形態において、RE3はC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RE3はメチルである。特定の実施形態において、RE3はエチルである。特定の実施形態において、RE3はプロピルである。特定の実施形態において、RE3はブチルである。特定の実施形態において、RE3は置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、RE3は非置換のアルケニルである。特定の実施形態において、RE3はビニルである。特定の実施形態において、RE3は置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、RE3は非置換のアルキニルである。特定の実施形態において、RE3はエチニルである。特定の実施形態において、RE3は置換されているカルボシクリルである。特定の実施形態において、RE3は非置換のカルボシクリルである。特定の実施形態において、RE3は置換されているヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RE3は非置換のヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RE3は置換されているアリールである。特定の実施形態において、RE3は非置換のアリールである。特定の実施形態において、RE3は置換されているフェニルである。特定の実施形態において、RE3は非置換のフェニルである。特定の実施形態において、RE3は置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、RE3は非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態において、RE3は置換されているピリジルである。特定の実施形態において、RE3は非置換のピリジルである。特定の実施形態において、RE3は−CNである。特定の実施形態において、RE3は−ORE3aである。特定の実施形態において、RE3は−N(RE3aである。特定の実施形態において、RE3は−SRE3aである。特定の実施形態において、RE3は−CHORE3aである。特定の実施形態において、RE3は−CHN(RE3aである。特定の実施形態において、RE3は−CHSRE3aである。
【0168】
特定の実施形態において、RE3が、−ORE3a、−N(RE3a、−SRE3a、−CHORE3a、−CHN(RE3a、又は−CHSRE3aである場合、RE3aはHである。特定の実施形態において、RE3aは置換されているアシルである。特定の実施形態において、RE3aは非置換のアシルである。特定の実施形態において、RE3aはアセチルである。特定の実施形態において、RE3aは置換されているアセチルである。特定の実施形態において、RE3aは置換されているアルキルである。特定の実施形態において、RE3aは非置換のアルキルである。特定の実施形態において、RE3aはC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RE3aはメチルである。特定の実施形態において、RE3aはエチルである。特定の実施形態において、RE3aはプロピルである。特定の実施形態において、RE3aはブチルである。特定の実施形態において、RE3aは置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、RE3aは非置換のアルケニルである。特定の実施形態において、RE3aはビニルである。特定の実施形態において、RE3aは置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、RE3aは非置換のアルキニルである。特定の実施形態において、RE3aはエチニルである。特定の実施形態において、RE3aは置換されているカルボシクリルである。特定の実施形態において、RE3aは非置換のカルボシクリルである。特定の実施形態において、RE3aは置換されているヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RE3aは非置換のヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RE3aは置換されているアリールである。特定の実施形態において、RE3aは非置換のアリールである。特定の実施形態において、RE3aは置換されているフェニルである。特定の実施形態において、RE3aは非置換のフェニルである。特定の実施形態において、RE3aは置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、RE3aは非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態において、RE3aは置換されているピリジルである。特定の実施形態において、RE3aは非置換のピリジルである。特定の実施形態において、RE3aは、窒素原子に結合している場合、窒素保護基である。特定の実施形態において、RE3aは、窒素原子に結合している場合、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、又はTsである。特定の実施形態において、RE3aは、酸素原子に結合している場合、酸素保護基である。特定の実施形態において、RE3aは、酸素原子に結合している場合、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイル、又はベンゾイルである。特定の実施形態において、RE3aは、硫黄原子に結合している場合、硫黄保護基である。特定の実施形態において、RE3aは、硫黄原子に結合している場合、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニル、又はトリフェニルメチルである。特定の実施形態において、2つのRE3a基は結合して、置換されている複素環式環を形成する。特定の実施形態において、2つのRE3a基は結合して、非置換の複素環式環を形成する。
【0169】
式(I)の化合物において、RE1及びRE3、又はRE2及びRE3、又はRE1及びRE2は結合して、任意選択で置換されている炭素環式環又は任意選択で置換されている複素環式環を形成し得る。特定の実施形態において、RE1とRE3は結合して、任意選択で置換されている炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、RE1とRE3は結合して、任意選択で置換されている複素環式環を形成する。特定の実施形態において、RE2とRE3は結合して、任意選択で置換されている炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、RE2とRE3は結合して、任意選択で置換されている複素環式環を形成する。特定の実施形態において、RE1とRE2は結合して、任意選択で置換されている炭素環式環を形成する。特定の実施形態において、RE1とRE2は結合して、任意選択で置換されている複素環式環を形成する。
【0170】
式(I)の化合物において、Rは置換基RE4を含み得る。特定の実施形態において、RE4は脱離基である。特定の実施形態において、RE4はハロゲンである。特定の実施形態において、RE4はFである。特定の実施形態において、RE4はClである。特定の実施形態において、RE4はBrである。特定の実施形態において、RE4はI(ヨウ素)である。特定の実施形態において、RE4は−OS(=O)E4aである。特定の実施形態において、wは1である。特定の実施形態において、wは2である。特定の実施形態において、RE4は−OMsである。特定の実施形態において、RE4は−OTfである。特定の実施形態において、RE4は−OTsである。特定の実施形態において、RE4は−OBsである。特定の実施形態において、RE4は2−ニトロベンゼンスルホニルオキシである。特定の実施形態において、RE4は−ORE4aである。特定の実施形態において、RE4は−OMeである。特定の実施形態において、RE4は−OCFである。特定の実施形態において、RE4は−OPhである。特定の実施形態において、RE4は−OC(=O)RE4aである。特定の実施形態において、RE4は−OC(=O)Meである。特定の実施形態において、RE4は−OC(=O)CFである。特定の実施形態において、RE4は−OC(=O)Phである。特定の実施形態において、RE4は−OC(=O)Clである。特定の実施形態において、RE4は−OC(=O)ORE4aである。特定の実施形態において、RE4は−OC(=O)OMeである。特定の実施形態において、RE4は−OC(=O)O(t−Bu)である。
【0171】
特定の実施形態において、RE4aは置換されているアルキルである。特定の実施形態において、RE4aは非置換のアルキルである。特定の実施形態において、RE4aはC1−6アルキルである。特定の実施形態において、RE4aはメチルである。特定の実施形態において、RE4aはエチルである。特定の実施形態において、RE4aはプロピルである。特定の実施形態において、RE4aはブチルである。特定の実施形態において、RE4aは置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、RE4aは非置換のアルケニルである。特定の実施形態において、RE4aはビニルである。特定の実施形態において、RE4aは置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、RE4aは非置換のアルキニルである。特定の実施形態において、RE4aはエチニルである。特定の実施形態において、RE4aは置換されているカルボシクリルである。特定の実施形態において、RE4aは非置換のカルボシクリルである。特定の実施形態において、RE4aは置換されているヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RE4aは非置換のヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RE4aは置換されているアリールである。特定の実施形態において、RE4aは非置換のアリールである。特定の実施形態において、RE4aは置換されているフェニルである。特定の実施形態において、RE4aは非置換のフェニルである。特定の実施形態において、RE4aは置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、RE4aは非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態において、RE4aは置換されているピリジルである。特定の実施形態において、RE4aは非置換のピリジルである。
【0172】
式(I)の化合物において、RはY基を含み得る。特定の実施形態において、Yは=Oである。特定の実施形態において、Yは−O−である。特定の実施形態において、Yは=Sである。特定の実施形態において、Yは−S−である。特定の実施形態において、Yは=NRE6である。特定の実施形態において、Yは−NRE6−である。特定の実施形態において、Yは=NHである。特定の実施形態において、Yは−NH−である。特定の実施形態において、RE6はHである。特定の実施形態において、RE6は、置換又は非置換のC1−6アルキル(例えば、−CH)である。特定の実施形態において、RE6は窒素保護基(例えば、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、又はTs)である。
【0173】
式(I)の化合物において、Rは、ハロゲンである置換基RE5を含み得る。特定の実施形態において、RE5は、F、Cl、Br、又はI(ヨウ素)である。
【0174】
特定の実施形態において、aは1である。特定の実施形態において、aは2である。
【0175】
特定の実施形態において、zは0である。特定の実施形態において、zは1である。特定の実施形態において、zは2である。特定の実施形態において、zは3である。特定の実施形態において、zは4である。特定の実施形態において、zは5である。特定の実施形態において、zは6である。特定の実施形態において、Rは式(ii−1)のものであり;RE1は水素である。特定の実施形態において、Rは式(ii−1)のものであり;RE2は水素である。特定の実施形態において、Rは、式(ii−1)のものであり;RE3は水素である。特定の実施形態において、Rは式(ii−1)のものであり;RE2及びRE3はそれぞれ水素である。特定の実施形態において、Rは式(ii−1)のものであり;RE1、RE2、及びRE3はそれぞれ水素である。特定の実施形態において、Rは式(ii−1)のものであり;RE1は−CHN(RE1a)である。特定の実施形態において、Rは式(ii−1)のものであり;RE1は−CHN(RE1a)であり;RE1aはC1−6アルキルである。特定の実施形態において、Rは式(ii−1)のものであり;RE1は−CHN(RE1a)であり;RE1aはメチルである。特定の実施形態において、Rは式(ii−1)のものであり;RE2は−CHN(RE2a)である。特定の実施形態において、Rは式(ii−1)のものであり;RE2は−CHN(RE2a)であり;RE2aはC1−6アルキルである。特定の実施形態において、Rは式(ii−1)のものであり;RE2は−CHN(RE2a)であり;RE2aはメチルである。特定の実施形態において、Rは式(ii−1)のものであり;RE3は−CHN(RE3a)である。特定の実施形態において、Rは式(ii−1)のものであり;RE3は−CHN(RE3a)であり;RE3aはC1−6アルキルである。特定の実施形態において、Rは式(ii−1)のものであり;RE3は−CHN(RE3a)であり;RE3aはメチルである。特定の実施形態において、Rは式(ii−1)のものであり;Yは=Oである。特定の実施形態において、Rは式(ii−1)のものであり;Lは−NRL3a−である。特定の実施形態において、Rは式(ii−1)のものであり;Lは−NH−である。特定の実施形態において、Rは式:
【化158】
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【化159】
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【化160】
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【化161】
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【化162】
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【化163】
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【化164】
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【化165】
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【化166】
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【化167】
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【化168】
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【化169】
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【化170】
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【化171】
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【化172】
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のものである。
【0176】
特定の実施形態において、Rは、式(ii−3)のものであり;RE1は水素である。特定の実施形態において、Rは、式(ii−3)のものであり;RE1は−CHN(RE1a)である。特定の実施形態において、Rは、式(ii−3)のものであり;RE1は−Si(RE1a(例えば、−Si(Me))である。特定の実施形態において、Rは、式(ii−3)のものであり;RE1は−CHN(RE1a)であり;RE1aはC1−6アルキルである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−3)のものであり;RE1は−CHN(RE1a)であり;RE1aはメチルである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−3)のものであり;Yは=Oである。特定の実施形態において、Rは、式(ii−3)のものであり;Lは−NRL3a−である。特定の実施形態において、Rは、式(ii−3)のものであり;Lは−NH−である。
【0177】
特定の実施形態において、Rは、式:
【化173】
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のものである。特定の実施形態において、Rは、式:
【化174】
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のものである。
【0178】
特定の実施形態において、Rは、式:
【化175】
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のものでない。
【0179】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式(Ia):
【化176】
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(式中:
環Aは、置換若しくは非置換の5〜6員の単環式ヘテロアリール又は置換若しくは非置換の9〜10員の二環式ヘテロアリールであり、ここで、ヘテロアリール環系中の1、2、又は3つの原子は、独立に、酸素、窒素、又は硫黄であり;
はCRB2であり、ここで、RB2は、ハロゲン、置換若しくは非置換のカルボシクリル、又は−CNであり;
B1は水素であり;
は−NRL1−であり、ここで、RL1は、水素又は非置換のC1−6アルキルであり;
の各例は、独立に、ハロゲン、−ORC1、又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルであり、ここで、RC1の各例は、独立に、水素又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルであるか、又は2つのRは共に、任意選択で置換されている複素環式環又は任意選択で置換されている炭素環式環を形成し;
は、−NRL2C(=O)−、−C(=O)NRL2−、−NRL2(置換若しくは非置換のC1−2アルキレン)−、又は−NRL2−であり、ここで、RL2の各例は、独立に、水素又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルであり;
の各例は、独立に、ハロゲンであり;
は、式:
【化177】
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のものであり、ここで、RE1、RE2、及びRE3は先に記載の通りであり;
nは、0、1、又は2であり;且つ
pは、0又は1である)
のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0180】
特定の実施形態において、式(Ia)において:
環Aは、式:
【化178】
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のものであり;
はCRB2であり、ここで、RB2は、ハロゲン、炭素環式環系中の0、1、若しくは2つの二重結合からなる置換若しくは非置換の3〜6員の単環式カルボシクリル、又は−CNであり;
B1は水素であり;
は−NRL1−であり、ここで、RL1は、水素又は非置換のC1−6アルキルであり;
の各例は、独立に、ハロゲン、−ORC1、又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルであり、ここで、RC1の各例は、独立に、水素又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルであるか、又は2つのRは共に、任意選択で置換されている炭素環式環を形成し;
は、−NRL2C(=O)−、−C(=O)NRL2−、−NRL2(置換若しくは非置換のC1−2アルキレン)−、又は−NRL2−であり、ここで、RL2の各例は、独立に、水素又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルであり;
の各例は、独立に、ハロゲンであり;
は、式:
【化179】
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のものであり;
E1の各例は、独立に、水素、置換若しくは非置換のC1−6アルキル、又は−Si(RE1aであり、ここで、RE1aの各例は、独立に、置換若しくは非置換のC1−6アルキル、又は置換若しくは非置換のフェニルであり;
E2は、水素又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルであり;
E3は、水素又は置換若しくは非置換のC1−6アルキルであり;
nは、0、1、又は2であり;且つ
pは、0又は1である。
【0181】
特定の実施形態において、式(Ia)において、WはCRB2であり、RB2は、クロロ、シクロプロピル、又は−CNである。特定の実施形態において、式(Ia)において、Lは−NH−である。特定の実施形態において、式(Ia)において、Rの各例は、独立に、フルオロ、−OH、又は−CHであるか、又は環CとRの全ての例は共に、
【化180】
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を形成し、ここで、「2」と記されている炭素原子はLに結合し、且つ「3」と記されている炭素原子はLに結合する。特定の実施形態において、式(Ia)において、nは、0、1、又は2である。特定の実施形態において、式(Ia)において、Lは、−NHC(=O)−、−C(=O)NH−、−NH(C1−2アルキレン)−、又は−NH−である。特定の実施形態において、式(Ia)において、Rの各例は、独立に、フルオロである。特定の実施形態において、式(Ia)において、pは、0又は1である。特定の実施形態において、式(Ia)において、Rは、式:
【化181】
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のものである。
【0182】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化182】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0183】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化183】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0184】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化184】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0185】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化185】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0186】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、下式のもの:
【化186】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0187】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、下式のもの:
【化187】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0188】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化188】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0189】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化189】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0190】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化190】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0191】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化191】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0192】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化192】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0193】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化193】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0194】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化194】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0195】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化195】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0196】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化196】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0197】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化197】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0198】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化198】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0199】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化199】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0200】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化200】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0201】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化201】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0202】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化202】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0203】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化203】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0204】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化204】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0205】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化205】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0206】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化206】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0207】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化207】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0208】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化208】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0209】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化209】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0210】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化210】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0211】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化211】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0212】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化212】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0213】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化213】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0214】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化214】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0215】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化215】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0216】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化216】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0217】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化217】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0218】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、図1に描かれている化合物、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0219】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化218】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0220】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化219】
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のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0221】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
【化220】
[この文献は図面を表示できません]

のもの、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。
【0222】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、化合物100−178のいずれか1つ(例えば、化合物102)、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグである。特定の実施形態において、式(I)の化合物は、化合物100−178のいずれか1つ(例えば、化合物102)、又はその薬学的に許容できる塩である。
【0223】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は実質的に純粋である。特定の実施形態において、式(I)の化合物に、実質的に純粋な立体異性体である。特定の実施形態において、本発明の化合物は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、及びプロドラッグである。特定の実施形態において、本発明の化合物は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容できる塩及び立体異性体である。特定の実施形態において、本発明の化合物は、式(I)の化合物、及びその薬学的に許容できる塩である。特定の実施形態において、本発明の化合物は、式(I)の化合物の立体異性体混合物、及びその薬学的に許容できる塩である。特定の実施形態において、本発明の化合物は、式(I)の化合物のラセミ立体異性体混合物、及びその薬学的に許容できる塩である。
【0224】
本発明の化合物は、CDK(例えば、CDK7、CDK12、及び/又はCDK13)、具体的にはCDK7に結合するための複数の結合モチーフを有し得る。本発明の化合物の環Aは、CDK(例えば、CDK7)のATP−結合部位中の疎水性ポケットに受け入れられ得る。環A及びB上の官能基は、CDK(例えば、CDK7)の残基に結合し得る。例えば、環Aは、CDK(例えば、CDK7)のAsp155と水素結合を形成し得る。Rの官能基は、CDK(例えば、CDK7)と1つ以上の水素結合を形成し得る。さらに、Rのマイケル受容体部分は、CDK(例えば、CDK7)のシステイン残基(例えば、Cys312)と反応して、化合物のCDK(例えば、CDK7)への共有結合を可能にし得る。
【0225】
本発明の化合物は、キナーゼ阻害剤であると考えられる。特定の実施形態において、本発明の化合物はCDK阻害剤である。特定の実施形態において、本発明の化合物はCDK7阻害剤である。特定の実施形態において、本発明の化合物は選択的なCDK阻害剤である(例えば、非CDKキナーゼよりも、CDKを阻害することにおいてより活性がある)。特定の実施形態において、本発明の化合物は選択的なCDK7阻害剤である(例えば、非CDK7キナーゼよりも、CDK7を阻害することにおいてより活性がある)。特定の実施形態において、本発明の化合物は選択的なCDK12阻害剤である。特定の実施形態において、本発明の化合物は選択的なCDK13阻害剤である。本発明の化合物の、第二のキナーゼ(例えば、非CDK7キナーゼ)よりも第一のキナーゼ(例えば、CDK7)に対する選択性は、第二のキナーゼの活性を阻害する本発明の化合物のIC50(半数阻害濃度)値を、第一のキナーゼの活性を阻害する本発明の化合物のIC50値で割った商により測定できる。第二のキナーゼよりも第一のキナーゼに対する本発明の化合物の選択性は、本発明の化合物と第二のキナーゼとの付加物(共有結合又は非−共有結合)のK(解離定数)値を、本発明の化合物と第一のキナーゼとの付加物のK値で割った商によっても測定できる。特定の実施形態において、選択性は、少なくとも約1倍、少なくとも約2倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約30倍、少なくとも約100倍、少なくとも約300倍、少なくとも約1,000倍、少なくとも約3,000倍、少なくとも約10,000倍、少なくとも約30,000倍、又は少なくとも約100,000倍である。特定の実施形態において、IC50値は、機能的アンタゴニスト試験により測定される。特定の実施形態において、IC50値は、競合結合試験により測定される。特定の実施形態において、IC50値は、本明細書に記載される方法により測定される。特定の実施形態において、Kd値は、核磁気共鳴法(例えば、線形化法及びカーブフィッティング法)により測定される。特定の実施形態において、Kd値は、質量分析法(例えば、1リガンド1結合部位(one−ligand one−binding−site)ESI−MS法)により測定される。
【0226】
医薬組成物、キット、及び投与
本発明は、本明細書に記載される式(I)の化合物、例えば、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグ、及び任意選択で、薬学的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物を提供する。特定の実施形態において、本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、及び任意選択で、薬学的に許容できる賦形剤を含む。特定の実施形態において、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグは、有効量で医薬組成物中に与えられる。特定の実施形態において、有効量は治療上有効な量である。特定の実施形態において、有効量は予防上有効な量である。
【0227】
本明細書に記載される医薬組成物は、薬理学の分野で公知であるいずれの方法によっても調製できる。一般に、そのような調製方法は、式(I)の化合物(「有効成分」)を担体及び/又は1種以上の他の副成分と合わせる工程、次いで、必要且つ/又は望ましい場合、付形する工程、且つ/又は製品を所望の単一又は複数投与量単位に包装する工程を含む。
【0228】
医薬組成物は、小分けせずに、単一投薬単位として、且つ/又は複数の単一投薬単位として、調製、包装、及び/又は販売できる。「投薬単位」は、所定量の有効成分を含む医薬組成物の個別の量である。有効成分の量は、一般に、対象に投与される有効成分の用量、及び/又はそのような用量の便利な分数、例えば、そのような用量の2分の1若しくは3分の1などに等しい。
【0229】
本発明の医薬組成物中の有効成分、薬学的に許容できる賦形剤、及び/又はあらゆる追加成分の相対量は、治療される対象の個性、体格、及び/又は病態により、さらに組成物が投与される予定の経路により変わるであろう。例としては、組成物は、0.1%〜100%(w/w)の有効成分を含み得る。
【0230】
提供される医薬組成物の製造に使用される薬学的に許容できる賦形剤には、不活性な希釈剤、分散化剤及び/若しくは顆粒化剤、界面活性剤及び/若しくは乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存剤、緩衝剤、滑沢剤、並びに/又は油類がある。カカオバター及び坐剤用の蝋、着色剤、コーティング剤、甘味剤、着香剤、及び芳香剤などの賦形剤も組成物に存在してよい。
【0231】
例示的な希釈剤には、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウムラクトース、スクロース、セルロース、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉砂糖、及びこれらの混合物がある。
【0232】
例示的な造粒剤及び/又は分散化剤には、ポテトスターチ、コーンスターチ、タピオカスターチ、デンプングリコール酸ナトリウム、粘土、アルギン酸、グアーガム、柑橘類パルプ、寒天、ベントナイト、セルロース、及び木製品、海綿、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、シリケート、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニル−ピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチルスターチナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファ化されたスターチ(スターチ1500)、微結晶性スターチ、水不溶性スターチ、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム(ビーガム)、ラウリル硫酸ナトリウム、四級アンモニウム化合物、及びこれらの混合物がある。
【0233】
例示的な界面活性剤及び/又は乳化剤には、天然の乳化剤(例えば、アラビアゴム、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドルクス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、蝋、及びレシチン)、コロイド状粘土(例えば、ベントナイト(ケイ酸アルミニウム)及びビーガム(ケイ酸マグネシウムアルミニウム))、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール類(例えば、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、トリアセチンモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、グリセリルモノステアレート、及びプロピレングリコールモノステアレート、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えば、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、及びカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(ツイン20)、ポリオキシエチレンソルビタン(ツイン60)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(ツイン80)、ソルビタンモノパルミテート(スパン40)、ソルビタンモノステアレート(スパン60)、ソルビタントリステアレート(スパン65)、モノオレイン酸グリセリル、ソルビタンモノオレエート(スパン80))、ポリオキシエチレンエステル(例えば、ポリオキシエチレンモノステアレート(Myrj 45)、ポリオキシエチレン水添ヒマシ油、ポリエトキシ化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアレート及びソルトール(Solutol))、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、クレモフォール(商標))、ポリオキシエチレンエーテル、(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(Brij 30))、ポリ(ビニル−ピロリドン)、ジエチレングリコールモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリル酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、プルロニックF−68、ポロキサマー−188、セトリモニウムブロミド、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドキュセートナトリウム、及び/又はこれらの混合物がある。
【0234】
例示的な結合剤には、スターチ(例えば、コーンスターチ及びスターチペースト)、ゼラチン、糖類(例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトールなど)、天然及び合成ゴム(例えば、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、トチャカ抽出物、パンワールゴム(panwar gum)、ガッチゴム、イサポール殻の粘液(mucilage of isapol husks)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニル−ピロリドン)、ケイ酸マグネシウムアルミニウム(ビーガム)、及びカラマツアラボガラクタン)、アルギナート、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、無機カルシウム塩、ケイ酸、ポリメタクリレート、蝋、水、アルコール、並びに/又はこれらの混合物がある。
【0235】
例示的な保存剤には、酸化防止剤、キレート剤、抗菌性保存剤、抗真菌性保存剤、アルコール保存剤、酸性保存剤、及び他の保存剤がある。特定の実施形態において、保存剤は酸化防止剤である。他の実施形態において、保存剤はキレート剤である。
【0236】
例示的な酸化防止剤には、アルファトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アコルビル(acorbyl)、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、ピロ亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、及び亜硫酸ナトリウムがある。
【0237】
例示的なキレート剤には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)並びにその塩及び水和物(例えば、エデト酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二カリウムなど)、クエン酸並びにその塩及び水和物(例えば、クエン酸一水和物)、フマル酸並びにその塩及び水和物、リンゴ酸並びにその塩及び水和物、リン酸並びにその塩及び水和物、並びに酒石酸並びにその塩及び水和物がある。例示的な抗菌性保存剤には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、及びチメロサールがある。
【0238】
例示的な抗真菌性保存剤には、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、及びソルビン酸がある。
【0239】
例示的なアルコール保存剤には、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール系化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシ安息香酸エステル、及びフェニルエチルアルコールがある。
【0240】
例示的な酸性保存剤には、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、β−カロテン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、及びフィチン酸がある。
【0241】
他の保存剤には、トコフェロール、酢酸トコフェロール、メシル酸デテロキシム(deteroxime)、セトリミド、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエンド(hydroxytoluened)(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸カリウム、Glydant Plus、Phenonip、メチルパラベン、Germall 115、Germaben II、Neolone、Kathon、及びEuxylがある。
【0242】
例示的な緩衝剤には、クエン酸緩衝溶液、酢酸緩衝溶液、リン酸緩衝溶液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D−グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、第二リン酸カルシウム、リン酸、第三リン酸カルシウム、水酸化リン酸カルシウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物(potassium mixtures)、第二リン酸カリウム、第一リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、パイロジェン除去水、等張性食塩水、リンゲル液、エチルアルコール、及びこれらの混合物がある。
【0243】
例示的な滑沢剤には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物がある。
【0244】
例示的な天然油には、アーモンド油、杏仁油、アボカドオイル、ババスーオイル、ベルガモットオイル、ブラックカレント(current)シードオイル、ルリジサオイル、ケードオイル、カモミール油、キャノーラ油、キャラウェーオイル、カルナバオイル、ヒマシ油、シナモンオイル、カカオバターオイル、ココナツ油、タラの肝油、コーヒー油、トウモロコシ油、綿実油、エミューオイル、ユーカリオイル、マツヨイグサ油、魚油、亜麻仁油、ゲラニオール油、カボチャ(gourd)油、グレープシードオイル、ヘイゼルナッツオイル、ヒソップオイル、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバオイル、ククイナッツオイル、ラバンジンオイル、ラベンダーオイル、レモンオイル、アオモジ油、マカデミアナッツオイル、マローオイル、マンゴーシードオイル、メドウフォームシード油、ミンクオイル、ナツメグオイル、オリーブオイル、オレンジオイル、オレンジラフィー油、パーム油、パーム核油、桃仁油、ピーナッツ油、ケシ油、パンプキンシード油、ナタネ油、米ぬか油、ローズマリーオイル、ベニバナ油、白檀油、サザンカ油、セイバリー油、シーバックソーンオイル、ゴマ油、シアバターオイル、シリコーンオイル、大豆油、ヒマワリ油、ティーツリーオイル、アザミオイル、椿油、ベチバーオイル、クルミ油、及びコムギ胚芽油がある。例示的な合成油には、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーンオイル、及びこれらの混合物があるが、これらに限定されない。
【0245】
経口及び非経口投与用の液体剤形には、薬学的に許容できる乳剤、マイクロエマルション、液剤、懸濁剤、シロップ剤、及びエリキシル剤がある。有効成分に加えて、液体剤形は、当技術分野に通常使用される不活性な希釈剤、例えば、水又は他の溶媒、可溶化剤、及び乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類(例えば、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブオイル、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステル、並びにこれらの混合物などを含み得る。不活性な希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味剤、着香剤、並びに芳香剤などの補助剤を含み得る。非経口投与用の特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートは、クレモフォール(商標)、アルコール類、油類、変性油類、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、及びこれらの混合物などの可溶化剤と混合される。
【0246】
注射用調製物、例えば、滅菌注射用水性又は油性懸濁剤は、公知の技術に従って、好適な分散化剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を使用して製剤できる。滅菌注射用調製物は、非毒性の非経口的に許容できる希釈剤又は溶媒中の、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液としての滅菌注射用液剤でも、懸濁剤でも、乳剤でもよい。利用可能な許容できるビヒクル及び溶媒の中に、水、米国薬局方リンゲル液、及び等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌不揮発油が、溶媒又は懸濁媒体として、従来利用されている。この目的のために、合成のモノ又はジグリセリドを含むあらゆる刺激のない不揮発油が利用できる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射液の調製に使用される。
【0247】
注射用製剤は、例えば、細菌捕捉フィルターに通す濾過によっても、滅菌水又は他の滅菌注射用媒体に使用前に溶解又は分散できる滅菌固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことによっても滅菌できる。
【0248】
薬物の効果を延長するために、多くの場合、皮下又は筋肉内注射からの薬物の吸収を遅くすることが望ましい。これは、水溶性に乏しい結晶性又は非晶質物質の液体懸濁液の使用により達成できる。その場合、薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、それはまた結晶サイズ及び結晶形に依存し得る。或いは、非経口的に投与された薬物形態の遅延された吸収は、薬物を油性ビヒクル中に溶解又は懸濁させることにより達成される。
【0249】
直腸又は膣内投与用の組成物は、典型的には、本発明のコンジュゲートを、周囲温度では固体であるが、体温では液体であり、したがって直腸又は膣内で融解して有効成分を放出するカカオバター、ポリエチレングリコール、又は坐剤用ワックスなどの好適な非刺激性賦形剤又は担体と混合して調製できる坐剤である。
【0250】
経口投与用の固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、及び顆粒剤がある。そのような固体剤形において、有効成分は、クエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウムなどの少なくとも1種の不活性な、薬学的に許容できる賦形剤又は担体、及び/又は(a)充填剤若しくは増量剤、例えば、スターチ、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸など、(b)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギナート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、及びアラビアゴムなど、(c)保水剤、例えばグリセロールなど、(d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ポテトスターチ又はタピオカスターチ、アルギン酸、特定のシリケート、及び炭酸ナトリウムなど、(e)溶解遅延剤、例えばパラフィンなど、(f)吸収加速剤、例えば、四級アンモニウム化合物など、(g)湿潤剤、例えば、セチルアルコール及びグリセロールモノステアラートなど、(h)吸収剤、例えば、カオリン及びベントナイト粘土など、並びに(i)滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物などと混合される。カプセル剤、錠剤、及び丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含み得る。
【0251】
類似のタイプの固体組成物を、ラクトース又は乳糖などの賦形剤並びに高分子量ポリエチレングリコールなどを利用して、軟質及び硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として利用できる。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤、及び顆粒剤の固体剤形は、腸溶性コーティング及び薬理学の分野に周知である他のコーティングなどのコーティング及びシェルにより調製できる。それらは、任意選択で乳白剤を含み、有効成分を、腸管の特定部分でのみ、又は腸管の特定部分で優先的に、任意選択で遅延した方法で放出する組成であり得る。利用できる埋め込み組成物の例には、ポリマー性物質及び蝋がある。類似のタイプの固体組成物を、ラクトース又は乳糖などの賦形剤並びに高分子量ポリエチレングリコールなどを利用して、軟質及び硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として利用できる。
【0252】
有効成分は、上述の1種以上の賦形剤と共にマイクロカプセル化されていてもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤、及び顆粒剤の固体剤形は、腸溶性コーティング、放出制御コーティング、及び医薬製剤分野に周知である他のコーティングなどのコーティング及びシェルにより調製できる。そのような固体剤形において、有効成分は、スクロース、ラクトース、又はスターチなどの少なくとも1種の不活性な希釈剤と混合できる。そのような剤形は、常道である通り、不活性な希釈剤以外の追加の物質、例えば、ステアリン酸マグネシウム及び微結晶性セルロースなどの打錠滑沢剤及び他の打錠助剤を含んでよい。カプセル剤、錠剤、及び丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含み得る。それらは、任意選択で乳白剤を含み、有効成分を、腸管の特定部分でのみ、又は腸管の特定部分で優先的に、任意選択で遅延した方法で放出する組成であり得る。利用できる埋め込み組成物の例にはポリマー性物質及び蝋がある。
【0253】
本発明の化合物の局所及び/又は経皮投与用の剤形には、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、液剤、スプレー剤、吸入剤、及び/又はパッチ剤があり得る。一般的に、有効成分は、滅菌条件下で、薬学的に許容できる担体及び/又は必要とされる保存剤及び/又は要求され得る緩衝剤と混合される。さらに、本発明は、経皮パッチの使用も企図するが、それは、体への有効成分の制御された送達を与える追加の利点を有することが多い。そのような剤形は、例えば、有効成分を適正な媒体中に溶解及び/又は分散させることにより調製できる。或いは又は追加的に、速度制御膜を与えることにより、並びに/又は有効成分をポリマーマトリクス及び/若しくはゲルに分散させることにより速度を制御できる。
【0254】
本明細書に記載される皮内医薬組成物を送達するのに使用される好適な装置には、米国特許第4,886,499号明細書;同第5,190,521号明細書;同第5,328,483号明細書;同第5,527,288号明細書;同第4,270,537号明細書;同第5,015,235号明細書;同第5,141,496号明細書;及び同第5,417,662号明細書に記載のものなどの短針装置(short needle devices)がある。皮内組成物は、国際公開第99/34850号パンフレット及びその機能的均等物に記載のものなど、針の皮膚への有効侵入長さを制限する装置により投与できる。液体ジェットインジェクターにより、且つ/又は角質層を貫通し真皮に到達するジェットを作り出す針により液体ワクチンを真皮に送達するジェット注射装置が好適である。ジェット注射装置は、例えば、米国特許第5,480,381号明細書;同第5,599,302号明細書;同第5,334,144号明細書;同第5,993,412号明細書;同第5,649,912号明細書;同第5,569,189号明細書;同第5,704,911号明細書;同第5,383,851号明細書;同第5,893,397号明細書;同第5,466,220号明細書;同第5,339,163号明細書;同第5,312,335号明細書;同第5,503,627号明細書;同第5,064,413号明細書;同第5,520,639号明細書;同第4,596,556号明細書;同第4,790,824号明細書;同第4,941,880号明細書;同第4,940,460号明細書;並びにPCT公報国際公開第97/37705号パンフレット及び国際公開第97/13537号パンフレットに記載されている。圧縮気体を使用して粉末形態の化合物を皮膚の外層を通して真皮まで加速する衝撃(Ballistic)粉末/粒子送達装置が好適である。或いは、又は追加的に、従来のシリンジを、皮内投与の古典的なマントゥー法に使用できる。
【0255】
局所投与に好適な製剤には、レニメント剤、ローション剤などの液体及び/若しくは半液体調製物、クリーム剤、軟膏剤、及び/若しくはペースト剤などの水中油型及び/若しくは油中水型エマルション、並びに/又は液剤及び/若しくは懸濁剤があるが、これらに限定されない。局所投与可能な製剤は、例えば、約1%〜約10%(w/w)の有効成分を含み得るが、有効成分の濃度は、溶媒に対する有効成分の溶解度限界と同じくらい高くなり得る。局所投与用の製剤は、本明細書に記載される追加成分を1種以上さらに含み得る。
【0256】
本発明の医薬組成物は、口腔を経る肺投与に好適な製剤で、調製、包装、及び/又は販売できる。そのような製剤は、有効成分を含み、約0.5〜約7ナノメートル又は約1〜約6ナノメートルの範囲の直径を有する乾燥粒子を含み得る。そのような組成物は、簡便には、噴射剤の流れが向けられて粉末を分散できる乾燥粉末貯蔵器を含む装置を利用する、及び/又は密封された容器中で低沸点の噴射剤に溶解及び/又は懸濁されている有効成分を含む装置など自己推進溶媒/粉末分散容器を利用する投与のための乾燥粉末の形態である。そのような粉末は、少なくとも98重量%の粒子が0.5ナノメートルを超える直径を有し、数で少なくとも95%の粒子が7ナノメートル未満の直径を有する粒子を含む。或いは、少なくとも95重量%の粒子が1ナノメートルを超える直径を有し、数で少なくとも90%の粒子が6ナノメートル未満の直径を有する。乾燥散剤組成物は、糖などの固体の微細粉末希釈剤を含んでよく、簡便には投薬単位形態で提供される。
【0257】
低沸点噴射剤は、一般に、大気圧で65°F未満の沸点を有する液体噴射剤を含む。一般的に、噴射剤は組成物の50〜99.9%(w/w)を構成し、有効成分は組成物の0.1〜20%(w/w)を構成し得る。噴射剤は、液体非イオン性及び/若しくは固体アニオン性の界面活性剤並びに/又は固体希釈剤(有効成分を含む粒子と同じ程度の粒径を有し得る)などの追加成分をさらに含み得る。
【0258】
肺送達用に製剤された本発明の医薬組成物は、有効成分を、液剤及び/又は懸濁剤の液滴の形態で提供し得る。そのような製剤は、有効成分を含む任意選択で滅菌された水性及び/又は希アルコール性液剤及び/又は懸濁剤として調製、包装、及び/又は販売でき、いずれの噴霧及び/又は微粒化装置を利用しても簡便に投与できる。そのような製剤は、サッカリンナトリウムなどの着香剤、揮発性の油、緩衝剤、界面活性剤、及び/又はメチルヒドロキシベンゾアートなどの保存剤を含むがこれらに限定されない1種以上の追加成分をさらに含み得る。この投与経路により与えられる液滴は、約0.1〜約200ナノメートルの範囲の平均直径を有し得る。
【0259】
肺送達に有用であると本明細書に記載される製剤は、本発明の医薬組成物の鼻腔内送達に有用である。鼻腔内投与に好適な別の製剤は、有効成分を含み、約0.2〜500マイクロメートルの平均粒子を有する粗い粉末である。そのような製剤は、鼻孔近くに保持された散剤の容器から鼻腔を通る急速な吸入により投与される。
【0260】
鼻腔内投与のための製剤は、例えば、約0.1%(w/w)ほど〜100%(w/w)もの有効成分を含むことがあり、本明細書に記載される追加成分の1種以上を含み得る。本発明の医薬組成物は、頬側投与用の製剤で調製、包装、及び/又は販売できる。そのような製剤は、例えば、従来の方法を利用して製造された錠剤及び/又はロゼンジ剤の形態でよく、例えば、0.1〜20%(w/w)の有効成分を含み得るが、残部は、口内で溶解可能及び/又は分解可能な組成物及び、任意選択で、本明細書に記載される追加成分の1種以上を含む。或いは、頬側投与用の製剤は、有効成分を含む、散剤並びに/又はエアゾール化及び/若しくは微粒化された液剤及び/若しくは懸濁剤を含み得る。そのような粉末化、エアゾール化、及び/又はエアゾール化された製剤は、分散されると、約0.1〜約200ナノメートルの範囲の平均粒径及び/又は液滴サイズを有することがあり、本明細書に記載される追加成分の1種以上をさらに含み得る。
【0261】
本発明の医薬組成物は、眼への投与用の製剤で調製、包装、及び/又は販売できる。そのような製剤は、例えば、水性又は油性液体担体中の有効成分の、例えば0.1/1.0%(w/w)液剤及び/又は懸濁剤を含む点眼剤の形態でよい。そのような点眼剤は、緩衝剤、塩類、及び/又は本明細書に記載される追加成分の1種以上の他のものをさらに含み得る。他の眼に投与できる有用な製剤には、微結晶形及び/又はリポソーマル調製物中に有効成分を含むものがある。点耳剤及び/又は点眼剤は、本発明の範囲内にあると企図される。
【0262】
本明細書に提供される医薬組成物の説明は、主にヒトへの投与に好適な医薬組成物を対象にするが、そのような組成物が一般に全種類の動物への投与に好適であることが当業者により理解されるであろう。組成物を種々の動物への投与に好適にするための、ヒトへの投与に好適な医薬組成物の修飾は十分に理解されており、技量のある獣医学の薬理学者は、通常の実験によりそのような修飾を設計及び/又は実施できる。
【0263】
本明細書に提供される化合物は、典型的には、投与の容易さ及び用量の均一性のために、単位剤形に製剤される。しかし、本発明の組成物の総一日使用量が、担当医により、健全な医学的判断の範囲内で決定されることが理解されるであろう。特定の対象又は生物の具体的な治療上有効な投与量レベルは、治療されている疾患及び疾患の重症度;利用される具体的な有効成分の活性;利用される具体的な組成物;対象の年齢、体重、全般的な健康、性別、及び食事;利用される具体的な有効成分の投与の時間、投与経路、及び排泄速度;治療期間;利用される具体的な有効成分と組み合わせて、又は同時に使用される薬物;並びに医療技術分野に周知である同様の因子を含む種々の因子に依存するであろう。
【0264】
本明細書に提供される化合物及び組成物は、腸内(例えば、経口)、非経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、髄腔内、皮下、心室内、経皮、皮間(interdermal)、直腸、膣内、腹腔内、局所(散剤、軟膏剤、クリーム剤、及び/又は液滴として)、粘膜、鼻腔内、頬側(bucal)、舌下を含むあらゆる経路により;気管内滴下、気管支滴下、及び/若しくは吸入により;並びに/又は口腔スプレー、鼻腔内スプレー、及び/又はエアゾールとして投与できる。具体的に企図される経路は、経口投与、静脈内投与(例えば、全身静注)、血液及び/若しくはリンパ供給による局所投与、並びに/又は患部への直接投与である。一般に、最適な投与経路は、薬剤の性質(例えば、消化管の環境中でのその安定性)、及び/又は対象の状態(例えば、対象が経口投与に耐えられるか否か)を含む種々の因子によるであろう。
【0265】
有効量を達成するのに要する化合物の正確な量は、例えば、対象の種、年齢、及び全般的な状態、副作用又は障害の重症度、特定の化合物の特性、投与方法などによって、対象によりさまざまであろう。所望の用量は、1日3回、1日2回、1日1回、1日ごと、3日ごと、毎週、2週ごと、3週ごと、又は4週ごとに送達できる。特定の実施形態において、所望の用量は、多回投与(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又はそれを超える投与)を利用して送達できる。
【0266】
特定の実施形態において、70kgの成人のヒトへの1日に1回以上の投与のための化合物の有効量は、単位剤形あたり、約0.0001mg〜約3000mg、約0.0001mg〜約2000mg、約0.0001mg〜約1000mg、約0.001mg〜約1000mg、約0.01mg〜約1000mg、約0.1mg〜約1000mg、約1mg〜約1000mg、約1mg〜約100mg、約10mg〜約1000mg、又は約100mg〜約1000mgの化合物を含み得る。
【0267】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、所望の治療効果を得るために、1日あたり対象の体重の1kgあたり約0.001mg〜約100mg、約0.01mg〜約50mg、好ましくは約0.1mg〜約40mg、好ましくは約0.5mg〜約30mg、約0.01mg〜約10mg、約0.1mg〜約10mg、より好ましくは約1mg〜約25mgを、1日1回以上送達するのに十分な用量レベルであり得る。
【0268】
本明細書に記載される投与量範囲が、提供される医薬組成物の成人への投与用の指針を与えることが認識されるであろう。例えば、小児又は青年に投与すべき量は、開業医又は当業者により決定でき、成人への投与より低いことも、同じこともある。
【0269】
本明細書に記載される化合物又は組成物が、1種以上の追加の医薬品と組み合わせて投与できることも認識されるであろう。化合物又は組成物は、そのバイオアベイラビリティを改善し、その代謝を減少且つ/若しくは変化させ、その排泄を阻害し、且つ/又は体内でのその分布を変える追加の医薬品と組み合わせて投与できる。利用される療法が、同じ疾患に対して所望の効果を達成し得ること、及び/又はそれが異なる効果を達成し得ることも認識されるであろう。
【0270】
化合物又は組成物は、1種以上の追加の医薬品と同時でも、その前でも、その後でも投与でき、それは、例えば、併用療法として有用になり得る。医薬品は、治療上活性のある薬剤を含む。医薬品は、予防上活性のある薬剤を含む。各追加医薬品は、その医薬品のために決定された投与量及び/又はタイムスケジュールで投与できる。追加の医薬品は、互いに一緒に、且つ/又は本明細書に記載される化合物若しくは組成物と共に単一の投与量で投与することも、異なる投与量で別々に投与することもできる。レジメンで利用する特定の組み合わせは、本発明の化合物の追加の医薬品との適合性並びに/又は達成すべき所望の治療的及び/若しくは予防的な効果を考慮に入れるであろう。一般に、組み合わせて利用される追加の医薬品が、個別に利用されるレベルを超えないレベルで使用されることが予測される。いくつかの実施形態において、組み合わせて利用されるレベルは、個別に利用されるものよりも低いであろう。
【0271】
例示的な追加の医薬品には、抗増殖剤、抗癌剤、抗糖尿病剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、及び疼痛緩和剤があるが、これらに限定されない。医薬品には、薬物化合物などの有機小分子(例えば、連邦規則集(CFR)に規定される通り米国食品医薬品局により認可された化合物)、ペプチド、タンパク質、炭水化物、単糖類、オリゴ糖類、多糖類、核タンパク質、ムコタンパク質、リポタンパク質、合成のポリペプチド又はタンパク質、タンパク質、糖タンパク質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミン、及び細胞に連結した小分子がある。
【0272】
キット(例えば、医薬品パック)も本発明により包含される。本発明のキットは、増殖性疾患(例えば、癌(例えば、白血病、リンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、乳癌、ユーイング肉腫、骨肉腫、脳癌、神経芽細胞腫、肺癌)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、自己炎症性疾患、又は自己免疫疾患)の予防及び/又は治療に有用であり得る。提供されるキットは、本発明の医薬組成物又は化合物及び容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、及び/若しくはディスペンサーパッケージ、又は他の好適な容器)を含み得る。いくつかの実施形態において、提供されるキットは、本発明の医薬組成物又は化合物の希釈又は懸濁のための医薬賦形剤を含む第二の容器を、任意選択でさらに含み得る。いくつかの実施形態において、容器及び第二の容器中に提供される本発明の医薬組成物又は化合物は組み合わされて、1つの単位剤形を形成する。
【0273】
このように、一態様において、本明細書に記載される化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、及びプロドラッグ、又はその医薬組成物を含む第一の容器を含むキットが提供される。特定の実施形態において、本発明のキットは、本明細書に記載される化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、又はその医薬組成物を含む第一の容器を含む。特定の実施形態において、キットは、対象の増殖性疾患を予防及び/又は治療するのに有用である。特定の実施形態において、キットは、化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、及びプロドラッグ、又はその医薬組成物を、対象に投与して、増殖性疾患を予防及び/又は治療するための説明書をさらに含む。
【0274】
治療の方法及び用途
本発明は、対象の増殖性疾患(例えば、癌、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、自己炎症性疾患、若しくは自己免疫疾患)又は感染性疾患(例えば、ウイルス性疾患)の治療又は予防の方法も提供する。
【0275】
特定の実施形態において、治療されている対象は哺乳動物である。特定の実施形態において、対象はヒトである。特定の実施形態において、対象は、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、又はヤギなどの飼育動物である。特定の実施形態において、対象は、イヌ又はネコなどの伴侶動物である。特定の実施形態において、対象は、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、又はヤギなどの家畜動物である。特定の実施形態において、対象は動物園の動物である。別の実施形態において、対象は、齧歯動物、イヌ、又は非ヒト霊長類などの研究動物である。特定の実施形態において、対象は、遺伝子導入マウス又は遺伝子導入ブタなどの非ヒト遺伝子導入動物である。
【0276】
式(I)の化合物を使用して治療又は予防すべき増殖性疾患は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)などのキナーゼの過剰発現と関連していることがある。真核細胞分裂のプロセスは、G1、S、G2、及びMと称される一連の連続的な期におおまかに分けることができる。細胞周期の種々の期を通る正しい進行は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)として知られるタンパク質のファミリー及びサイクリンと称される様々なセットのその同種のタンパク質パートナーの空間的及び時間的制御に精密に依存することが示された。CDKは、配列依存的状況において様々なポリペプチドのリン酸化においてATPを基質として利用できるCDC2(CDK1としても知られる)相同性セリン−スレオニンキナーゼタンパク質である。サイクリンは、特定のCDKパートナータンパク質への結合及びそれに対する選択性の定義に使用される「サイクリンボックス」と称される、およそ100アミノ酸を含む相同性領域を特徴とするタンパク質のファミリーである。
【0277】
細胞周期全体にわたる種々のCDK及びサイクリンの発現レベル、分解速度、及び活性化レベルの変更は、一連のCDK/サイクリン複合体の周期的な形成をもたらし、そこでCDKは酵素的に活性である。これらの複合体の形成は、別個の細胞周期チェックポイントの通過を制御し、それにより細胞分裂のプロセスが継続できる。所与の細胞周期チェックポイントで、不可欠な生化学的基準を満たすことができないと、すなわち、必要とされるCDK/サイクリン複合体が形成できないと、細胞周期停止及び/又は細胞アポトーシスが起こり得る。異常な細胞増殖は、多くの場合、正しい細胞周期制御の喪失に帰され得ることが多い。したがって、CDK酵素活性の阻害は、異常に分裂している細胞がその分裂を停止でき、且つ/又は殺され得る手段を提供する。CDK、及びCDK複合体、並びに細胞周期の媒介におけるそれらの重要な役割の多様性は、定義される生化学的根拠に基づいて選択される広いスペクトルの潜在的な治療標的を与える。
【0278】
CDKファミリーのメンバーであるCDK7は、元々、三量体CDK活性化キナーゼ(CAK)複合体の触媒サブユニットとして単離された。この複合体は、CDK7、サイクリンH、及びMAT1からなるが、インビトロで有糸分裂促進因子の活性化を担当する。CDK7が基本転写修復因子IIH(TFIIH)の成分でもあるという発見は、TFIIHの一部としての転写における役割と、三量体CAK複合体としての細胞周期の制御における役割のCDK7の二重の役割を意味した。TFIIHは、RNAポリメラーゼII(RNAP II)により触媒される転写に要する因子として特定されたマルチサブユニットタンパク質複合体であり、その後に、この複合体は、ヌクレオチド切除修復において重要な役割を果たすことが見出された。CDK7は、少なくとも3つの複合体、すなわち、三量体CAK複合体、XPD(すなわちERCC2、転写共役ヌクレオチド切除修復に関与するタンパク質)との四元複合体、及び9サブユニットTFIIH複合体の成分である。CAK及びCTDリン酸化におけるCDK7の2つの機能は、細胞増殖、細胞周期、及び転写の重要な面を支持する。CDK7の過剰発現は、アポトーシスを阻害し、転写及び細胞増殖を促進し、且つ/又はDNA修復を混乱させ、したがって、増殖性疾患を起こす。特定の実施形態において、式(I)の化合物を使用して治療又は予防すべき増殖性疾患は、CDK(例えば、CDK7)の過剰発現と関連し得る。式(I)の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、及びプロドラッグ、又はその医薬組成物は、CDK(例えば、CDK7)の発現を下方制御できる。
【0279】
増殖性疾患は、CDK(例えば、CDK7)の異常な活性と関連し得る。CDK(例えば、CDK7)の異常な活性は、CDKの上昇した、且つ/又は不適当な活性であり得る。細胞周期進行の脱制御は増殖性疾患の特徴であり、増殖性疾患の大多数は、多くの場合、上昇した、且つ/又は不適当なCDK活性化により、CDK(例えば、CDK7)活性のある成分に異常を有する。CDK7の触媒活性の阻害は、細胞周期CDKのリン酸化をブロックすることにより、細胞周期進行を阻害すると期待され、細胞分裂のエフェクターの転写をさらに阻害するであろう。特定の実施形態において、CDK7は過剰発現されておらず、CDK7の活性は上昇し、且つ/又は不適当である。特定の他の実施形態において、CDK7は過剰発現されており、CDK7の活性は上昇し、且つ/又は不適当である。式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグ、及び組成物は、CDK7の活性を阻害することができ、増殖性疾患の治療及び/又は予防に有用になり得る。
【0280】
他の実施形態において、式(I)の化合物を使用して治療又は予防すべき増殖性疾患は、典型的には、CDK12の異常な活性と関連しているであろう。CDK12の異常な活性は、CDK12の上昇した、且つ/又は不適当な(例えば、異常な)活性であり得る。特定の実施形態において、CDK12は過剰発現されておらず、CDK12の活性は、上昇し、且つ/又は不適当である。特定の他の実施形態において、CDK12は過剰発現されており、CDK12の活性は、上昇し、且つ/又は不適当である。式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、及び組成物は、CDK12の活性を阻害することができ、増殖性疾患の治療及び/又は予防に有用になり得る。
【0281】
他の実施形態において、式(I)の化合物を使用して治療又は予防すべき増殖性疾患は、典型的には、CDK13の異常な活性と関連するであろう。CDK13の異常な活性は、CDK13の上昇した、且つ/又は不適当な(例えば、異常な)活性であり得る。特定の実施形態において、CDK13は過剰発現されておらず、CDK13の活性は、上昇し、且つ/又は不適当である。特定の他の実施形態において、CDK13は過剰発現されており、CDK13の活性は、上昇し、且つ/又は不適当である。式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、及び組成物は、CDK13の活性を阻害することができ、増殖性疾患の治療及び/又は予防に有用になり得る。
【0282】
増殖性疾患は、生体試料又は対象中の細胞のアポトーシスの阻害とも関連し得る。本明細書に記載されるか、又は当技術分野で公知である全種類の生体試料が、本発明の範囲内にあると企図される。アポトーシスは、プログラムされた細胞死のプロセスである。アポトーシスの阻害は、制御されていない細胞増殖をもたらし、そのため、増殖性疾患を起こし得る。細胞周期CDK(CDK1、2、4、及び6)は、CDK7/サイクリンH(CAKとも呼ばれる)によるリン酸化により活性化される。したがって、CDK7を阻害すれば、細胞周期CDKを活性化できないために、細胞周期における複数のポイントで細胞周期停止が起こるであろう。CDK7は、RNAP IIのCTDのリン酸化により転写を活性化する。CTDリン酸化の阻害は、転写を阻害し、アポトーシス制御に関与するものを含む短命なタンパク質の発現を減少させることが示されてきた。RNAポリメラーゼの停止が、p53(タンパク質53又は腫瘍タンパク質53としても知られる、TP53遺伝子によりヒトにおいてコードされている腫瘍抑制タンパク質)を活性化し、アポトーシスにつながり得ることが当技術分野に認識されている。そのため、CDK7の活性の阻害は、アポトーシスの誘導により細胞傷害性を起こすと期待される。式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグ、及び組成物は、アポトーシスを誘導することができ、したがって、増殖性疾患の治療及び/又は予防に有用になり得る。
【0283】
特定の実施形態において、式(I)の化合物を使用して治療又は予防すべき増殖性疾患は癌である。本明細書に開示されるか、又は当技術分野で公知である全種類の癌が、本発明の範囲内にあると企図される。特定の実施形態において、増殖性疾患は、BCL−2抗アポトーシスタンパク質(例えば、MCL−1及び/又はXIAP)への依存性に関連している癌である。特定の実施形態において、増殖性疾患は、MYC(転写因子をコードする遺伝子)の過剰発現と関連している癌である。特定の実施形態において、増殖性疾患は血液系悪性腫瘍である。特定の実施形態において、増殖性疾患は血液癌である。特定の実施形態において、増殖性疾患は血液系悪性腫瘍である。特定の実施形態において、増殖性疾患は白血病である。特定の実施形態において、増殖性疾患は慢性リンパ球性白血病(CLL)である。特定の実施形態において、増殖性疾患は急性リンパ芽球性白血病(ALL)である。特定の実施形態において、増殖性疾患はT細胞急性リンパ芽球性白血病(T−ALL)である。特定の実施形態において、増殖性疾患は慢性骨髄性白血病(CML)である。特定の実施形態において、増殖性疾患は急性骨髄性白血病(AML)である。特定の実施形態において、増殖性疾患は急性単球性白血病(AMoL)である。特定の実施形態において、増殖性疾患はリンパ腫である。特定の実施形態において、増殖性疾患はホジキンリンパ腫である。特定の実施形態において、増殖性疾患は非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態において、増殖性疾患は多発性骨髄腫である。特定の実施形態において、増殖性疾患はメラノーマである。特定の実施形態において、増殖性疾患は乳癌である。特定の実施形態において、増殖性疾患はトリプルネガティブ乳癌(TNBC)である。特定の実施形態において、増殖性疾患は骨癌である。特定の実施形態において、増殖性疾患は骨肉腫である。特定の実施形態において、増殖性疾患はユーイング肉腫である。いくつかの実施形態において、増殖性疾患は脳癌である。いくつかの実施形態において、増殖性疾患は神経芽細胞腫である。いくつかの実施形態において、増殖性疾患は肺癌である。いくつかの実施形態において、増殖性疾患は小細胞肺癌(SCLC)である。いくつかの実施形態において、増殖性疾患は非小細胞肺癌である。いくつかの実施形態において、増殖性疾患は良性新生物である。本明細書に開示されるか、又は当技術分野で公知である全種類の良性新生物が、本発明の範囲内にあると企図される。いくつかの実施形態において、増殖性疾患は血管新生と関連している。本明細書に開示されるか、又は当技術分野で公知である全種類の血管新生が、本発明の範囲内にあると企図される。特定の実施形態において、増殖性疾患は炎症性疾患である。本明細書に開示されるか、又は当技術分野で公知である全種類の炎症性疾患が、本発明の範囲内にあると企図される。特定の実施形態において、炎症性疾患は関節リウマチである。いくつかの実施形態において、増殖性疾患は自己炎症性疾患である。本明細書に開示されるか、又は当技術分野で公知である全種類の自己炎症性疾患が、本発明の範囲内にあると企図される。いくつかの実施形態において、増殖性疾患は自己免疫疾患である。本明細書に開示されるか、又は当技術分野で公知である全種類の自己免疫疾患が、本発明の範囲内にあると企図される。
【0284】
特定の実施形態において、式(I)の化合物を使用して治療又は予防すべき感染性疾患はウイルス性疾患である。そのようなウイルス感染は、参照により全体としてそれぞれ本明細書に組み込まれる2012年4月11日に出願された米国仮特許出願第61/622,828号明細書及び2013年3月15日に出願された国際PCT出願PCT/米国特許出願公開第2013/032488号明細書に記載されている。
【0285】
本明細書に記載される細胞は、異常細胞であり得る。細胞は、インビトロでもインビボでもよい。特定の実施形態において、細胞は増殖細胞である。特定の実施形態において、細胞は血液細胞である。特定の実施形態において、細胞はリンパ球である。特定の実施形態において、細胞はB細胞である。特定の実施形態において、細胞はT細胞である。特定の実施形態において、細胞は癌細胞である。特定の実施形態において、細胞は白血病細胞である。特定の実施形態において、細胞はCLL細胞である。特定の実施形態において、細胞はメラノーマ細胞である。特定の実施形態において、細胞は多発性骨髄腫細胞である。特定の実施形態において、細胞は良性新生細胞である。特定の実施形態において、細胞は内皮細胞である。特定の実施形態において、細胞は免疫細胞である。
【0286】
別の態様において、本発明は、生体試料又は対象中のCDK(例えば、CDK7、CDK1、CDK2、CDK5、CDK8、CDK9、CDK12、CDK13)の発現を下方制御する方法を提供する。別の態様において、本発明は、生体試料又は対象中のIRAK1、JNK1、JNK2、又はMLK3の発現を下方制御する方法を提供する。
【0287】
本発明の別の態様は、生体試料又は対象中のキナーゼの活性を阻害する方法に関する。特定の実施形態において、キナーゼはCDKである。特定の実施形態において、キナーゼはCDK7である。他の実施形態において、キナーゼはCDK12又はCDK13である。特定の実施形態において、キナーゼの活性は、キナーゼの異常な活性である。特定の実施形態において、キナーゼの活性の阻害は不可逆的である。他の実施形態において、キナーゼの活性の阻害は可逆的である。特定の実施形態において、キナーゼの活性を阻害する方法は、式(I)の化合物をキナーゼに付けることを含む。
【0288】
生体試料又は対象中の転写を阻害する方法も本発明に提供される。
【0289】
本発明は、生体試料又は対象中の細胞成長を阻害する方法も提供する。
【0290】
さらに別の態様において、本発明は、生体試料又は対象中の細胞のアポトーシスを誘導する方法を提供する。
【0291】
特定の実施形態において、本明細書に記載される方法は、有効量の式(I)の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグ、若しくはその医薬組成物を対象に投与すること又は生体試料を、有効量の式(I)の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグ、若しくはその医薬組成物と接触させることを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される方法は、有効量の式(I)の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、若しくはその医薬組成物を対象に投与すること又は生体試料を、有効量の式(I)の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、若しくはその医薬組成物と接触させることを含む。特定の実施形態において、化合物は、生体試料と接触させられる。特定の実施形態において、化合物は、対象に投与される。特定の実施形態において、化合物は、本明細書に記載される1種以上の追加の医薬品と組み合わせて投与される。追加の医薬品は、抗増殖剤でよい。特定の実施形態において、追加の医薬品は抗癌剤である。追加の医薬品は、キナーゼ阻害剤でもよい。特定の実施形態において、追加の医薬品は、CDKの阻害剤である。特定の実施形態において、追加の医薬品はCDK7の阻害剤である。特定の実施形態において、追加の医薬品はCDK7の選択的阻害剤である。特定の実施形態において、追加の医薬品はCDK7の非選択的阻害剤である。特定の実施形態において、追加の医薬品は、フラボピリドール、トリプトリド、SNS−032(BMS−387032)、PHA−767491、PHA−793887、BS−181、(S)−CR8、(R)−CR8、又はNU6140である。特定の実施形態において、追加の医薬品は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)の阻害剤である。特定の実施形態において、追加の医薬品は、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3)の阻害剤である。特定の実施形態において、追加の医薬品は、AGCキナーゼの阻害剤である。特定の実施形態において、追加の医薬品は、CaMキナーゼの阻害剤である。特定の実施形態において、追加の医薬品は、カゼインキナーゼ1の阻害剤である。特定の実施形態において、追加の医薬品は、STEキナーゼの阻害剤である。特定の実施形態において、追加の医薬品は、チロシンキナーゼの阻害剤である。
【0292】
いくつかの実施形態において、追加の医薬品は、トポイソメラーゼ阻害剤、MCL1阻害剤、BCL−2阻害剤、BCL−xL阻害剤、BRD4阻害剤、CDK9阻害剤、十文字ヒストンデメチラーゼ阻害剤、又はDNA損傷誘発剤である。いくつかの実施形態において、追加の医薬品は、エトポシド、オバトクラックス、ナビトクラックス、JQ1、4−(((5’−クロロ−2’−(((1R,4R)−4−(((R)−1−メトキシプロパン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−[2,4’−ビピリジン]−6−イル)アミノ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニトリル、JIB04、又はシスプラチンである。いくつかの実施形態において、追加の医薬品は、エトポシド、オバトクラックス、又はナビトクラックスであり、治療すべき疾患は乳癌、例えば、トリプルネガティブ乳癌、HER2陽性乳癌、ER陽性乳癌、又はER/PR陽性乳癌である。いくつかの実施形態において、追加の医薬品はエトポシド、JIB04、又はシスプラチンであり、治療すべき疾患はユーイング肉腫である。いくつかの実施形態において、追加の医薬品は、JQ1又はNVP2であり、治療すべき疾患は、白血病、例えば、急性骨髄性白血病、骨髄芽球性白血病、前骨髄球性白血病、骨髄単球性白血病、単球性白血病、単芽球性白血病、又は巨核芽球性白血病である。特定の実施形態において、本明細書に記載される医薬組成物は、本明細書に記載される追加の医薬品の組み合わせをさらに含む。
【0293】
本発明の化合物又は組成物は、生体試料又は対象中で、追加の医薬品により誘発されるCDK7の阻害を相乗的に増大させ得る。そのため、本発明の化合物又は組成物と追加の医薬品との組み合わせは、本発明の化合物又は組成物なしで追加の医薬品を使用した治療に抵抗性のある増殖性疾患の治療に有用になり得る。
【0294】
本発明の別の態様は、化合物のライブラリーをスクリーニングして、増殖性疾患の治療に、キナーゼ(例えば、CDK7、CDK12、CDK13などのCDK)の阻害に、細胞成長の阻害に、細胞のアポトーシスの誘導に、及び/又は転写の阻害に有用である1種以上の化合物を特定する方法に関する。特定の実施形態において、化合物のライブラリーは、式(I)の化合物のライブラリーである。ライブラリーをスクリーニングする方法は、少なくとも2つの異なる式(I)の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグ、又はその医薬組成物を与えること;及び異なる式(I)の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、若しくはプロドラッグ、又はその医薬組成物を使用して少なくとも1つのアッセイを実施して、増殖性疾患と関連する1つ以上の特性を検出することを含む。特定の実施形態において、ライブラリーをスクリーニングする方法は、少なくとも2つの異なる式(I)の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、又はその医薬組成物を与えること;及び異なる式(I)の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、又はその医薬組成物を使用して少なくとも1つのアッセイを実施して、増殖性疾患と関連する1つ以上の特性を検出することを含む。検出すべき特性は、増殖性疾患と関連する所望の特性でよい。特定の実施形態において、所望の特性は抗増殖である。特定の実施形態において、所望の特性は抗癌である。特定の実施形態において、所望の特性はキナーゼの阻害である。特定の実施形態において、所望の特性はCDKの阻害である。特定の実施形態において、所望の特性はCDK7の阻害である。特定の実施形態において、所望の特性は、CDK(例えば、CDK7)などのキナーゼの下方制御である。特定の実施形態において、所望の特性は、細胞のアポトーシスの誘導である。特定の実施形態において、所望の特性は転写の阻害である。検出すべき特性は、増殖性疾患、細胞成長、細胞のアポトーシス、及び/又は転写と関連する望ましくない特性でもよい。特定の実施形態において、望ましくない特性は細胞成長の誘導である。特定の実施形態において、望ましくない特性は細胞のアポトーシスの阻害である。特定の実施形態において、望ましくない特性は転写の誘導である。
【0295】
異なる式(I)の化合物は、天然源から(例えば、Sternberg et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.USA,(1995)92:1609−1613参照)提供されることも、コンビナトリアルケミストリーなどの合成法(例えば、Ecker et al.,Bio/Technology,(1995)13:351−360及び米国特許第5,571,902号明細書参照)により発生することもある。特定の実施形態において、異なる化合物は、液相又は溶液合成により提供される。特定の実施形態において、異なる化合物は、固相合成により提供される。特定の実施形態において、異なる化合物は、ハイスループット、パラレル、又はコンビナトリアル合成により提供される。特定の実施形態において、異なる化合物は、ロースループット合成により提供される。特定の実施形態において、異なる化合物は、ワンポット合成により提供される。異なる化合物は、ロボットによっても、手作業によっても提供できる。特定の実施形態において、少なくとも2つの異なる本発明の化合物を提供する工程は、少なくとも2つの異なる本発明の化合物を、少なくとも2つの容器に配列させ、そこで化合物が固体担体と結合し、化合物を固体担体から切断し、切断された化合物を溶媒に溶解させることを含む。固体担体には、ビーズ(例えば、樹脂ビーズ及び磁気ビーズ)、中空線維、中実線維、プレート、皿、フレーク、メッシュ、スクリーン、及び膜があるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、固体担体はビーズである。特定の実施形態において、1つの固体担体は、少なくとも50nmolの化合物を担持できる。特定の実施形態において、1つの固体担体は、少なくとも100nmolの化合物を担持できる。特定の実施形態において、1つの固体担体は、少なくとも200nmolの化合物を担持できる。各容器は、担体に結合した1種以上の本発明の化合物を含み得る。特定の実施形態において、各容器は、担体に結合した1種の本発明の化合物を含む。固体担体及び/又は化合物は、化合物の特定又は検出のために、1種以上の標識剤により標識されていてよい。容器は、マイクロタイタープレートのウェルでよい。溶媒は、無機溶媒でも、有機溶媒でも、それらの混合物でもよい。配列、切断、及び溶解の工程は、ロボットによっても、手作業によっても実施できる。
【0296】
典型的には、化合物のライブラリーをスクリーニングする方法は、少なくとも1つのアッセイを含む。特定の実施形態において、アッセイは、本明細書に記載される増殖性疾患と関連した1つ以上の特性を検出するために実施される。アッセイは、サンドイッチタイプアッセイ、競合結合アッセイ、一工程直接試験、2工程試験、又はブロットアッセイなどの免疫アッセイでよい。少なくとも1つのアッセイを実施する工程は、ロボットによっても、手作業でも実施できる。特定の実施形態において、キナーゼの活性は阻害される。特定の実施形態において、CDKの活性は阻害される。特定の実施形態において、CDK7の活性は阻害される。特定の実施形態において、CDK(例えば、CDK7)などのキナーゼの発現は下方制御される。特定の実施形態において、細胞のアポトーシスは誘導される。特定の実施形態において、転写は阻害される。さらに別の態様において、本発明は、対象の増殖性疾患の治療に使用するための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグ、及び組成物を提供する。特定の実施形態において、対象の増殖性疾患の治療に使用するための、本明細書に記載される化合物、並びにその薬学的に許容できる塩及び組成物が本発明により提供される。特定の実施形態において、細胞成長の阻害に使用するための、本明細書に記載される化合物、並びにその薬学的に許容できる塩及び組成物が本発明により提供される。特定の実施形態において、細胞中にアポトーシスを誘導するのに使用するための、本明細書に記載される化合物、並びにその薬学的に許容できる塩及び組成物が本発明により提供される。特定の実施形態において、転写の阻害に使用するための、本明細書に記載される化合物、並びにその薬学的に許容できる塩及び組成物が本発明により提供される。
【0297】
別の態様において、本発明は、サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)に対する潜在的な結合化合物の設計及び/又は特定の方法であって、
(a)PDB.orgで1UA2として一般に利用可能な、解析済みのX線構造の座標を有するCDK7の三次元表示をコンピューター上で生じさせる工程;
(b)工程(a)のCDK7の三次元構造において、システイン−312の近くで結合ポケットを形成するアミノ酸残基を特定する工程;
(c)活性部位の三次元モデルを発生させる工程;
(d)活性部位の三次元モデルを使用して、活性部位に潜在的に結合する化合物を設計及び/又は選択する工程;並びに
(e)潜在的な結合化合物を合成及び/又は選択する工程
を含む方法を開示する。
【0298】
特定の実施形態において、結合ポケットはCDK7活性部位を含む。
【0299】
特定の実施形態において、結合ポケットは、CDK7アミノ酸フェニルアラニン−93、アスパラギン酸−92、アスパラギン酸−97、アスパラギン−142、及びロイシン−144、メチオニン−94、リジン−41、並びにフェニルアラニン−91を含む。
【0300】
別の態様において、本発明は、サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)と結合する化合物を特定する方法であって、システイン−312、フェニルアラニン−93、アスパラギン酸−92、アスパラギン酸−97、アスパラギン−142、及びロイシン−144、メチオニン−94、リジン−41、並びにフェニルアラニン−91の原子座標を使用して、CDK7に結合する化合物をコンピューターにより特定することを含む方法を開示する。
【0301】
別の態様において、本発明は、サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)の結合化合物を特定する方法であって、
(a)CDK7の一組の原子座標を提供する工程;及び
(b)工程(a)の座標を使用して、CDK7に結合する結合化合物をインシリコで特定する工程
を含む方法を開示する。
【0302】
別の態様において、本発明は、疾患の治療のための薬物候補を特定する方法であって、
a)利用可能な原子座標を利用して、CDK7の三次元構造を形成すること;
b)CDK7の構造との最良適合を有する試験化合物を選択すること;及び
c)任意選択で、CDK7活性を変化させる試験化合物の能力をアッセイすること
を含み、CDK7活性を変化させる試験化合物が、疾患治療のための薬物候補と考えられる方法を開示する。
【実施例】
【0303】
本明細書に記載される本発明がより詳細に理解され得るために、以下の実施例が説明される。本願に記載される合成実施例及び生物学的実施例は、本明細書に提供される化合物、医薬組成物、及び方法を説明するために与えられ、決してその範囲を限定すると解釈されないものとする。
【0304】
化合物の合成
本明細書に提供される化合物は、以下の一般的な方法及び手順を利用して、容易に利用可能な出発物質から調製できる。例えば、以下のスキーム1を参照されたい。典型的又は好ましいプロセス条件(すなわち反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられる場合、特記されない限り他のプロセス条件も利用可能であることが認識されるであろう。最適な反応条件は、使用される特定の反応物及び溶媒により変わり得るが、そのような条件は、定型化した最適化手順により当業者により決定できる。
【化221】
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試薬及び条件:(1)1,2−ジメトキシメタノール、DIPEA、120℃;(2)ピリジン、80℃;(3)SnCl、酢酸エチル、及びメタノール;(4)(a)4−ブロモブタ−2−エノイルクロリド、CHCN、NHMe、0℃〜室温;(b)1M NaOH、1,4−ジオキサン、室温。
【0305】
さらに、当業者には明らかである通り、特定の官能基が望ましくない反応を受けるのを防ぐには、従来の保護基が必要になり得る。特定の官能基のための好適な保護基の選択並びに保護及び脱保護の好適な条件は当技術分野に周知である。例えば、多くの保護基、並びにその導入及び除去は、Greene et al.,Protecting Groups in Organic Synthesis,Second Edition,Wiley,New York,1991、及びそれに引用されている参考文献に記載されている。
【0306】
図1に例示されているものなど、本発明の化合物は、本明細書に記載される方法又はそれぞれ参照により本明細書に全体として組み込まれる、2011年11月17日に出願された米国仮特許出願第61/561,078号明細書、及び2012年11月16日に出願され、2013年5月23日に国際公開第2013/074986号パンフレットで公開された国際PCT出願PCT/米国特許出願公開第2012/065618号明細書に記載された方法により合成できる。図1に示される化合物の例示的な合成は本明細書に詳述される。
【0307】
【表1】
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【0308】
【表2】
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【0309】
実施例1.N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物102)
(1S,3R)−3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ2,2−ジメチルプロピオナート
【化222】
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(1R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサン−カルボン酸(8.77g、36.1mmol)のトルエン(Tol)溶液に、EtN(5.53mL、39.7mmol)及びDPPA(7.7mL、36.1mmol)を加えた。生じた溶液を110℃で2時間撹拌し、80℃に冷却した。ベンジルアルコール(4.66mL、45.1mmol)及びトリエチルアミン(5.53mL、39.7mmol)を加え、混合物を80℃で20時間撹拌した。冷却した溶液をEtOAc(100mL)及び水(50mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、SiOクロマトグラフィー(ヘキサン中EtOAc、1〜100%の勾配)により精製すると、標記化合物(9.89g、28.4mmol、収率79%)を白色の固体として得た。
【0310】
tert−ブチル(1S,3R)−3−アミノシクロヘキシルカルバマート
【化223】
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(1S,3R)−3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ2,2−ジメチルプロピオナート(10g、28.4mmol)の脱気したEtOH(473mL)溶液に、10%w/w Pd/C(450mg)を加えた。反応混合物を、H下で(1気圧)5時間撹拌した。反応混合物をセライト(登録商標)のパッドに通して濾過し(EtOHで洗浄)、濾液を減圧下で濃縮すると、標記化合物(6.08g、28.4mmol、収率100%)を白色の固体として得た。
【0311】
tert−ブチル(1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバマート
【化224】
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3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(2.91g、7.20mmol)と、tert−ブチル(1S,3R)−3−アミノシクロヘキシルカルバマート(1.24g、5.76mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(1.05mL、6.05mmol)のNMP(14.5mL)溶液を、マイクロ波(MW)反応器中で、135℃で1.5時間加熱した。混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM中EtOAc、0〜30%の勾配)により精製すると、標記化合物(1.88g、3.23mmol、収率56%)を薄黄色の泡として得た。
【0312】
(1R,3S)−N1−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン・HCl
【化225】
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tert−ブチル(1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバマート(1.88g、3.23mmol)のDCM(16.1mL)溶液に、HClの溶液(ジオキサン中4N、12.11mL、48.44mmol)を加えた。生じた混合物を、室温で1.5時間撹拌してから、減圧下で濃縮すると、標記化合物(1.72g、3.10mmol、収率96%)を薄黄色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0313】
tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート
【化226】
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(1R,3S)−N1−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミンHCl塩(840mg、1.62mmol)と、4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)安息香酸(462mg、1.95mmol)と、HBTU(924mg、2.44mmol)と、EtN(680μL、4.87mmol)のDMF(8.0mL)溶液を、室温で一晩撹拌した。混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、飽和NaHCO(10mL)、水(10mL)、及びブライン(10mL)で洗浄した。有機層を(MgSOで)乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると標記化合物を与え、それをさらに精製せずに次の工程に使用した(1.14g、1.62mmol、収率100%)。
【0314】
tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)−フェニルカルバマート
【化227】
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tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート(2.84g、4.05mmol)と5M NaOH(12mL、60.8mmol)のジオキサン(40mL)と水(10mL)中の溶液を、75℃で3時間加熱した。冷却した混合物を減圧下で濃縮して、ジオキサンを除いた。水(5mL)を加え、生じた混合物を5分間にわたり超音波処理した。固体が形成し、濾過し、水(3×5mL)で洗浄した。固体を高真空下で乾燥させると、標記化合物(2.27g、2.27mmol、収率100%)を白色の固体として得た。
【0315】
4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド
【化228】
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tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート(2.27g、4.05mmol)DCM(20mL)の溶液を、TFA(3.10mL、40.53mmol)で処理し、室温で一晩撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、DCM(1mL)で希釈し、塩基性pH(約8)まで飽和NaHCO(2mL)により処理し、5分間にわたり超音波処理した。固体が形成し、濾過し、水(3×5mL)で洗浄した。固体を高真空下で乾燥させると、標記化合物(1.86g、4.05mmol、収率100%)を黄色の固体として得た。
【0316】
N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド
【化229】
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4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド(1.47g、3.19mmol)とDIPEA(1.67ml、9.57mmol)のTHF(21mL)とNMP(8mL)中の冷溶液(−60℃)に、(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリド(10.8mL、3.19mmol)の54.2mg/mLのTHF溶液を加えた。−60℃で16時間後、SiO(5g)を加え、混合物を減圧下で蒸発させた。生じたブロミドを、SiOクロマトグラフィー(DCM中THF、0〜70%の勾配)により精製すると、中間体ブロミド(1.17g)を白色の固体として得た。ブロミドをNMP(7.5mL)に溶解させ、−20℃に冷却し、2MのジメチルアミンのTHF溶液(6.38mL、12.76mmol)を加えた。混合物を−20℃で20分間撹拌し、ゆっくりと室温まで温めた。THFを減圧下で蒸発させ、残渣を、逆相クロマトグラフィー(0.1%HCOOH、HO中ACN、0〜50%勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(1.92g、1.31mmol、収率41%)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 11.83(s,1H),10.26(s,1H),8.58(s,1H),8.47(s,1H),8.35−8.18(m,2H),7.81(d,J=8.7Hz,2H),7.70(d,J=8.7Hz,2H),7.48(d,J=8.4Hz,1H),7.32(d,J=7.9Hz,1H),7.28−7.03(m,2H),6.75(dt,J=15.4,5.8Hz,1H),6.28(d,J=15.5Hz,1H),3.95(s,2H),3.07(d,J=5.4Hz,2H),2.18(s,6H),2.11−1.71(m,3H),1.57−1.22(m,4H)ppm.MS(m/z):572.4[M+1]
【0317】
実施例2.(E)−N−(3−((5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物100)
−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン
【化230】
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3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(402mg)の1,2−ジメトキシルメタノール溶液に、シクロヘキサン−1,3−ジアミン(114mg、1.0当量)及びジイソプロピルエチルアミン(129mg、1.0当量)を加えた。溶液を、2時間120℃で加熱した。冷却した溶液を100mLのCHCl/i−PrOH(4:1)で希釈し、次いで水で洗浄した。揮発物を除去し、粗製残渣を、CHCl/メタノール(10:1)を使用してシリカゲルクロマトグラフィーにより分離すると、標記生成物(300mg、収率62%)を与えた。
【0318】
N−(3−((5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)−4−ニトロベンズアミド
【化231】
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先の工程の生成物(300mg)の10mLのCHCl中の撹拌溶液に、4−ニトロベンゾイルクロリド(113mg、1.0当量)を室温で加えた。反応混合物を、2時間80℃に加熱し、次いで、減圧下で濃縮した。生じた粗生成物を、CHCl/メタノール(10:1)を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物(310mg、収率80%)を与えた。
【0319】
4−アミノ−N−(3−((5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド
【化232】
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先の工程で得られたニトロ化合物(310mg)を、30mLの酢酸エチル/メタノール(5:1)に懸濁させ、SnCl(232mg、2.5当量)で処理した。80℃で2時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO水溶液に注いだ。混合物を10分間撹拌し、次いで、水相を100mLのクロロホルム/2−プロパノール(4:1)で抽出した。合わせた有機層を水及びブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、セライト(登録商標)のパッドに通して濾過し、減圧下で濃縮した。生じた粗生成物を、CHCl/メタノール(10:1)を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物(177mg、収率60%)を与えた。
【0320】
(E)−N−(3−((5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド
【化233】
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先の工程で得られたアニリン生成物(60mg)の10mLのアセトニトリル中の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(13mg、1.0当量)を加えた。反応混合物を0℃に冷却し、次いで、CHCl中の4−クロロブタ−2−エノイルクロリド(54mg、3.0当量)で処理した。反応混合物を0℃で10分間撹拌し、次いで、ジメチルアミンのTHF溶液で処理した。次いで、反応混合物を室温に温め、1時間撹拌し、減圧下で濃縮した。生じた粗生成物を、分取HPLCにより精製した。次いで、得られた生成物を、5mLの1,4−ジオキサンと5mLの1M NaOHに溶解させた。溶液を、室温で2時間撹拌し、次いで、5mLの1M HClを加えた。次いで、溶液を30mLのクロロホルム/2−プロパノール(4:1)で希釈し、有機層を水で洗浄した。溶媒を除去すると粗生成物を与え、それをHPLCにより精製すると、最終生成物(23mg、収率40%)を与えた。MS 572(M+1)。
【0321】
実施例3.(E)−N−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカニル)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物108)
ジベンジルトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1,3−ジイルジカルバマート
【化234】
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トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1,3−ジカルボン酸(500mg、2.230mmol)のトルエン(9mL)溶液を、EtN(0.68mL、4.91mmol)及びDPPA(0.96mL、4.46mmol)で処理し、110℃で1時間加熱した。混合物を80℃に冷却し、次いでベンジルアルコール(0.580mL、5.574mmol)及びEtN(0.68mL、4.91mmol)で処理した。生じた混合物を80℃で20時間加熱し、冷却後、混合物をEtOAc(50mL)及びHO(50mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機液層をブライン(50mL)で洗浄し、濾過し、蒸発乾固させた。残渣をSiOクロマトグラフィー(Hex/EtOAc 0〜70%勾配)により精製すると、標記化合物(800mg、1.97mmol、88%)を透明な油として得た。
【0322】
トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1,3−ジアミン
【化235】
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ジベンジルトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1,3−ジイルジカルバマート(773mg、0.223mmol)の脱気したEtOH(45mL)溶液を、10%w/w Pd/C(356mg)で処理した。混合物を18時間水素下(1気圧)で撹拌してから、セライト(登録商標)のパッドで濾過した(EtOH)。濾液を減圧下で蒸発させると、標記化合物(348mg、2.10mmol、94%)を無色の油として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0323】
N1−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1,3−ジアミン
【化236】
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3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(450mg、1.11mmol)と、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1,3−ジアミン(278mg、1.67mmol)と、DIPEA(0.29mL、1.67mmol)のNMP(11mL)溶液を135℃(マイクロ波)で75分間加熱した。冷却した混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、HO(15mL)、ブライン(15mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、C18クロマトグラフィー(HO/ACN+0.1%HCOH 5〜100%勾配)により精製すると、標記化合物(168mg、0.315mmol、28%)を薄橙色の油として得た。
【0324】
tert−ブチル4−(3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカニルカルバモイル)フェニルカルバマート
【化237】
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N1−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1,3−ジアミン(193mg、0.360mmol)と4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)安息香酸(86mg、0.360mmol)の4:1のDCM/DMF(5mL)中の溶液を、HBTU(274mg、0.720mmol)及びDIPEA(0.19mL、1.08mmol)で処理した。生じた混合物を室温で18時間撹拌し、DCM(20mL)及び飽和NaHCO(10mL)で希釈した。層を分離し、有機層をDCM(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0〜50%勾配)により精製すると、標記化合物(70mg、0.093mmol、26%)を薄黄色の油として得た。
【0325】
4−アミノ−N−(3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカニル)ベンズアミド.TFA
【化238】
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tert−ブチル4−(3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカニルカルバモイル)フェニルカルバマート(70mg、0.093 mmoL)のDCM(2mL)溶液を、TFA(1.1mL、13.94mmol)で処理した。生じた混合物を、室温で1時間撹拌してから、蒸発乾固させた。残渣を高真空下で乾燥させると、標記化合物(71mg、0.093mmol、100%)を薄黄色の油として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0326】
4−アミノ−N−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカンキシル(decanxyl))ベンズアミド
【化239】
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4−アミノ−N−(3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカニル)ベンズアミドの溶液.TFA(47mg、0.072mmol)のジオキサン(1.5mL)溶液を、NaOHの5M水溶液(0.29mL、1.44mmol)で処理し、70℃で4時間加熱した。冷却した混合物を、ph=7までHClの1M水溶液で処理し、EtOAc(3×10mL)で抽出し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣を、C18クロマトグラフィー(HO/ACN+0.1%HCOH 5〜100%勾配)により精製すると、標記化合物(9.5mg、0.019mmol、26%)を白色の固体として得た。
【0327】
(E)−N−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカニル)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド
【化240】
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4−アミノ−N−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカンキシル)ベンズアミドとDIPEA(0.0403mmol)の1:1のNMP/THF(1.6mL)中の−60℃の溶液を、(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリドの54.2mg/mLのDCM溶液(,0.0141mmol)で処理した。生じた混合物を−60℃で1時間撹拌してから、ジメチルアミンの2MのTHF溶液(,0.0807mmol)を加えた。生じた混合物を室温に温めてから蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 0〜100%勾配)により精製すると、凍結乾燥後に、標記化合物(2.0mg、0.003mmol、24%)を黄色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.81(s,1H),10.23(s,1H),8.60(br s,1H),8.38(s,1H),8.26(s,1H),7.76(d,J=8.8Hz,2H),7.67(d,J=8.8Hz,2H),7.61(s,1H),7.47(d,J=8.1Hz,1H),7.19(t,J=7.3Hz,1H),7.15(d,J=6.8Hz,1H),6.82(s,1H),6.75(dt,J=15.5,5.9Hz,1H),6.27(d,J=15.4Hz,1H),3.06−3.01(m,2H),2.20−2.14(m,2H),2.17(s,6H),2.07−2.03(m,4H),1.61(s,2H),0.97(d,J=6.5Hz,6H).;MS(m/z):624.69[M+1]
【0328】
実施例4.(+/−)−N−(−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−5−ヒドロキシシクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物109)
(+/−)−5−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)シクロヘキサン−1,3−ジアミン
【化241】
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tert−ブチル((+/−)−3,5−ジアジドシクロヘキシルオキシ)ジメチルシラン(300mg、1.01mmol)(New J.Chem.,2005,29,1152−1158に従って調製)の脱気したMeOH(7mL)溶液を、10%Pd/C(108mg、0.10mmol)で処理し、水素下(1気圧)で2時間撹拌した。生じた混合物をセライト(登録商標)のパッドで濾過し、濾液を蒸発乾固させると、標記化合物(227mg、0.930mmol、92%)をベージュ色の固体として残し、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0329】
(+/−)−5−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−N−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン
【化242】
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3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(340mg、0.84mmol)と、(+/−)−5−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)シクロヘキサン−1,3−ジアミン(226mg、0.93mmol)と、DIPEA(,0.93mmol)のNMP(1.4mL)溶液を、135℃(マイクロ波)で25分間加熱した。冷却した混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、HO(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、C18クロマトグラフィー(HO/ACN+0.1%HCOH 5〜80%勾配)により精製すると、標記化合物(97mg、0.158mmol、19%)を薄黄色の固体として得た。
【0330】
(+/−)−tert−ブチル4−(−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート
【化243】
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(+/−)−5−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−N−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン(97mg、0.16mmol)と4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)安息香酸(38mg、0.16mmol)のDCM(1.1mL)溶液を、HBTU(120mg、0.32mmol)とDIPEA(0.48mmol)で処理した。生じた混合物を室温で18時間撹拌し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0〜50%勾配)により精製すると、標記化合物(93mg、0.111mmol、71%)を薄黄色の油として得た。
【0331】
(+/−)−4−アミノ−N−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−5−ヒドロキシシクロヘキシル)ベンズアミド
【化244】
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(+/−)−tert−ブチル4−(−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート(93.0mg、0.112mmol)のTHF(4.5mL)溶液を、1MのTBAFのTHF溶液(0.168mmol)で処理し、室温で2日間撹拌した。生じた混合物を蒸発乾固させ、残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 10〜100%の勾配)により精製すると、標記化合物(32mg、0.067mmol、60%)を黄色の固体として得た。
【0332】
(+/−)−N−(−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−5−ヒドロキシシクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド
【化245】
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(+/−)−4−アミノ−N−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−5−ヒドロキシシクロヘキシル)ベンズアミド(15.7mg、0.033mmol)とDIPEA(0.099mmol)の1:1のNMP/THF(2.1mL)中の−60℃の溶液を、(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリドの54.2mg/mLのDCM溶液(0.099mmol)で処理した。生じた混合物を、−60℃で1時間30分撹拌してから、2MのジメチルアミンのTHF溶液(0.099mmol)を加えた。生じた混合物を室温に温めてから、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 5〜50%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に、標記化合物(10.6mg、0.018mmol、55%)を黄色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.81(d,J=2.6Hz,1H),10.26(s,1H),8.67(d,J=8.2Hz,1H),8.46(d,J=2.8Hz,1H),8.31−8.20(m,1H),8.13(d,J=8.4Hz,1H),7.80(d,J=8.8Hz,2H),7.69(d,J=8.8Hz,2H),7.47(d,J=8.5Hz,1H),7.32−7.22(m,1H),7.20(t,J=7.2Hz,2H),6.75(dt,J=15.4,5.9Hz,1H),6.27(dt,J=15.4,1.1Hz,1H),4.69(s(br),1H),4.55−4.40(m,1H),4.40−4.21(m,1H),4.18−4.10(m,1H),3.06(dd,J=5.8,1.1Hz,2H),2.31−2.19(m,1H),2.17(s,6H),1.99−1.80(m,2H),1.55−1.43(m,2H),1.43−1.26(m,1H);MS(m/z):588.65[M+1]
【0333】
実施例5.N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−((E)−4−モルホリノブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物110)
(1S,3R)−3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ2,2−ジメチルプロピオナート
【化246】
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(1R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸(Tetrahedron:Asymmetry 2010(21),864−866に従って調製)(8.77g、36.1mmol)の溶液に、EtN(5.53mL、39.7mmol)及びDPPA(7.7mL、36.1mmol)を加えた。生じた溶液を、110℃で2時間撹拌し、次いで、80℃に冷却した。ベンジルアルコール(4.66mL、45.1mmol)及びトリエチルアミン(5.53mL、39.7mmol)を加え、混合物を80℃で20時間撹拌した。冷却した溶液をEtOAc(100mL)及びHO(50mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機液を乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(Hex/EtOAc 1〜100%の勾配)により精製すると、標記化合物(9.89g、28.4mmol、79%)を白色の固体として得た。
【0334】
tert−ブチル(1S,3R)−3−アミノシクロヘキシルカルバマート
【化247】
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(1S,3R)−3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ2,2−ジメチルプロピオナート(10g、28.4mmol)の脱気したEtOH(473mL)溶液に、10%w/w Pd/C(450mg)を加えた。反応混合物を、H下(1気圧)で5時間撹拌した。反応混合物をセライト(登録商標)のパッドに通して濾過し(EtOH)、次いで濾液を蒸発乾固させると、標記化合物(6.08g、28.4mmol、100%)を白色の固体として得た。
【0335】
tert−ブチル(1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバマート
【化248】
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3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(2.91g、7.20mmol)と、tert−ブチル(1S,3R)−3−アミノシクロヘキシルカルバマート(1.24g、5.76mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(1.05mL、6.05mmol)のNMP(14.5mL)溶液を、135℃(mW)で1時間30分加熱した。混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、HO(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0〜30%の勾配)により精製すると、標記化合物(1.88g、3.23mmol、56%)を薄黄色の泡として得た。
【0336】
(1R,3S)−N−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン.HCl
【化249】
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tert−ブチル(1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバマート(1.88g、3.23mmol)のDCM(16.1mL)溶液に、4NのHClのジオキサン溶液(12.11mL、48.44mmol)を加えた。生じた混合物を室温で1.5時間撹拌してから蒸発乾固させると、標記化合物(1.72g、3.10mmol、96%)を薄黄色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0337】
tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート
【化250】
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(1R,3S)−N−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン.HCl(840mg、1.62mmol)と、4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)安息香酸(462mg、1.95mmol)と、HBTU(924mg、2.44mmol)と、EtN(4.87mmol)のDMF(8.0mL)溶液を、室温で一晩撹拌した。混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、飽和NaHCO(10mL)、HO(10mL)、及びブライン(10mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、標記化合物を与え、それをさらに精製せずに次の工程に使用した(1.14g、1.62mmol、100%)。
【0338】
4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド.HCl
【化251】
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tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート(1.14g、1.62mmol)のDCM(10mL)溶液を、4MのHClのジオキサン溶液(8.1mL、32.4mmol)で処理し、室温で3時間撹拌した。生じた混合物を蒸発乾固させると、標記化合物(948mg、1.62mmol、100%)を薄黄色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0339】
4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド
【化252】
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4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド.HCl(1.72g、3.10mmol)とNaOH 5M(9.3mL、46.5mmol)のジオキサン(20mL)溶液を、75℃で2.5時間撹拌した。冷却した混合物を濃縮し、DCM(100mL)及びHO(20mL)で希釈した。層を分離し、水層をDCM(3×20mL)で抽出し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させると、標記化合物(1.20g、2.60mmol、84%)を白色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0340】
4−((E)−4−ブロモブタ−2−エンアミド)−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド
【化253】
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4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド(1.47g、3.19mmol)とDIPEA(1.67ml、9.57mmol)の3:1のTHF/NMP(30mL)中の冷溶液(−60℃)を、(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリド(10.8mL、3.19mmol)の54.2mg/mLのTHF溶液で処理した。16時間(−60℃)後、SiO(5g)を加え、混合物を蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/THF 0〜70%の勾配)により精製すると、標記化合物(1.17g、1.92mmol、60%)を白色の固体として得た。
【0341】
N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−((E)−4−モルホリノブタ−2−エンアミド)ベンズアミド
【化254】
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4−((E)−4−ブロモブタ−2−エンアミド)−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド(102.05mg、0.1678mmol)とDIPEA(0.1678mmol)の、2:1のTHF/NMP(2.5mL)中の冷却した(−40℃)溶液を、モルホリン(0.5033mmol)で処理し、室温で一晩撹拌した。揮発物を蒸発により除去し、残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 0〜60%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(53.0mg、0.086mmol、51%)をクリーム状の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.82(brs,1H),10.24(s,1H),8.61(brs,1H),8.47(s,1H),8.26(s,1H),8.21(d,J=7.9Hz,1H),7.82(d,J=8.8Hz,2H),7.70(d,J=8.8Hz,2H),7.49(d,J=8.9Hz,1H),7.30(d,J=8.1Hz,1H),7.23−7.11(m,2H),6.74(dt,J=13.6,7.8Hz,1H),6.29(d,J=15.4Hz,1H),3.96(brs,3H),3.60(t,4H),3.13(dd,J=5.8,1.3Hz,2H),2.39(brs,4H),2.20(brs,1H),2.01(brs,1H),1.88(brs,2H),1.45(brs,2H),1.36−1.20(m,2H);MS(m/z):614.67[M+1]
【0342】
実施例6.N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−((E)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物111)
【化255】
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4−((E)−4−ブロモブタ−2−エンアミド)−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド(105mg、0.173mmol)とDIPEA(0.173mmol)の、冷却した(−20℃)2:1のTHF/NMP(2.5mL)中の溶液を、N−メチルピペラジン(0.518mmol)で処理し、室温で2時間撹拌した。揮発物を蒸発により除去し、残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 0〜60%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(57.6mg、0.092mmol、53%)を薄黄色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.83(s,1H),10.24(s,1H),8.60(s,1H),8.46(s,1H),8.25(s,1H),8.23−8.14(m,2H),7.81(d,J=8.8Hz,2H),7.70(d,J=8.8Hz,2H),7.54−7.42(m,1H),7.29(d,J=8.0Hz,1H),7.26−7.11(m,2H),6.74(dt,J=15.4,5.9Hz,1H),6.27(d,J=15.4Hz,1H),3.94(s,2H),3.11(d,J=4.8Hz,2H),2.36(d,J=1.8Hz,6H),2.25−2.11(m,4H),2.11−1.93(m,1H),1.93−1.69(m,2H),1.45(s,2H),1.37−1.17(m,2H);MS(m/z):627.71[M+1]
【0343】
実施例7.4−アクリルアミド−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド(化合物112)
【化256】
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実施例1と同様に調製した4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド(100mg、0.2169mmol)とDIPEA(0.651mmol)の7:1のTHF/NMP(8mL)中の冷(−60℃)溶液を、アクリロイルクロリド(0.228mmol)で処理した。−60℃で30分後、混合物を室温に温め、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 70〜100%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(45.0mg、0.087mmol、40%)をクリーム状の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.82(s,1H),10.33(s,1H),8.60(s,1H),8.46(s,1H),8.30−8.13(m,2H),7.83(d,J=8.8Hz,2H),7.72(d,J=8.8Hz,2H),7.49(d,J=9.1Hz,1H),7.30(d,J=8.1Hz,1H),7.21(s,2H),6.44(dd,J=17.0,10.2Hz,1H),6.28(dd,J=17.0,1.9Hz,1H),5.78(dd,J=10.1,1.9Hz,1H),3.95(s,2H),2.21(s,1H),2.08(d,J=6.4Hz,1H),1.88(d,J=27.3Hz,2H),1.45(s,2H),1.30(d,J=11.3Hz,2H);MS(m/z):515.57[M+1]
【0344】
実施例8.N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−メタクリルアミドベンズアミド(化合物113)
【化257】
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実施例1と同様に調製した4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド(100mg、0.217mmol)とDIPEA(0.651mmol)の7:1のTHF/NMP(8mL)中の冷(−60℃)溶液を、メタクリロイルクロリド(0.228mmol)で処理した。−60℃で2時間後、混合物を室温に温め、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 70〜100%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(38.0mg、0.072mmol、33%)を薄黄色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.83(s,1H),9.95(s,1H),8.58(br s,1H),8.46(s,1H),8.32−8.15(m,2H),7.81(d,J=8.8Hz,2H),7.75(d,J=8.8Hz,2H),7.49(d,J=8.8Hz,1H),7.30(d,J=8.1Hz,1H),7.26−7.10(m,2H),5.83(s,1H),5.54(s,1H),3.94(br s,2H),2.21(br s,1H),2.06−1.98(m,1H),1.95(s,3H),1.90−1.80(m,2H),1.52−1.38(m,2H),1.38−1.08(m,2H);MS(m/z):529.62[M+1]
【0345】
実施例9.(1S,3R,E)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−N−(4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)フェニル)シクロヘキサンカルボキサミド(化合物114)
(1S,3R)−メチル3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシラート
【化258】
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(1R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸(Tetrahedron:Asymmetry 2010(21),864−866に従って調製)(1.0g、4.11mmol)と、KCO(474mg、3.43mmol)と、MeI(0.21mL、3.43mmol)のDMF(8mL)溶液を、室温で72時間撹拌した。生じた混合物を、HO(30mL)及びEtOAc(100mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させると、標記化合物(1.35g、4.11mmol、100%)を薄橙色の固体として残し、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0346】
(1S,3R)−メチル3−アミノシクロヘキサンカルボキシラート.HCl
【化259】
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(1S,3R)−メチル3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシラート(1.058g、4.111mmol)のDCM(20.6mL)溶液を、4MのHClのジオキサン溶液(10.3mL、10.3mmol)で処理し、16時間撹拌した。混合物を濃縮乾固させると、標記化合物(739mg、3.81mmol、93%)を薄黄色の固体として残し、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0347】
(1S,3R)−メチル3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキサンカルボキシラート
【化260】
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3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(1.401g、3.464mmol)と、(1S,3R)−メチル3−アミノシクロヘキサンカルボキシラート.HCl(639mg、3.299mmol)と、DIPEA(1.7mL、9.90mmol)のNMP(13mL)溶液を、135℃(マイクロ波)で25分間加熱した。冷却した混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、HO(15mL)、ブライン(15mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0〜10%の勾配)により精製すると、標記化合物(900mg、1.71mmol、52%)を白色の泡として得た。
【0348】
(1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸
【化261】
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(1S,3R)−メチル3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキサンカルボキシラート(200mg、0.38mmol)のTHF溶液を、0.55MのLiOH.HOのHO溶液(0.8mL、0.4mmol)で処理し、室温で週末の間撹拌した。混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、pHが2〜3に達するまで1M HClにより酸性化した。層を分離し、水層をEtOAc(3×10mL)で抽出し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させると、標記化合物(108mg、0.211mmol、56%)を白色の固体として残し、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0349】
tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキサンカルボキサミド)フェニルカルバマート
【化262】
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(1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸(108mg、0.21mmol)とtert−ブチル4−アミノフェニルカルバマート(44mg、0.21mmol)のDCM(1.4mL)溶液を、HBTU(160mg、0.42mmol)及びDIPEA(0.11mL、0.63mmol)で処理した。生じた混合物を室温で18時間撹拌し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(Hex/EtOAc 15〜100%の勾配)により精製すると、標記化合物(144mg、0.205mmol、97%)を薄黄色の油として得た。
【0350】
(1S,3R)−N−(4−アミノフェニル)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキサンカルボキサミド.TFA
【化263】
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tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキサンカルボキサミド)フェニルカルバマート(144mg、0.21mmol)のDCM(1mL)溶液を、TFA(0.16mL、2.05mmol)で処理し、室温で1時間撹拌した。混合物を蒸発乾固させると、標記化合物(142mg、0.811mmol、97%)を黄色の固体として得た。
【0351】
(1S,3R)−N−(4−アミノフェニル)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキサンカルボキサミド
【化264】
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(1S,3R)−N−(4−アミノフェニル)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキサンカルボキサミド.TFA(142mg、0.20mmol)のジオキサン(1.4mL)溶液を、5MのNaOHの水溶液(0.81mL、4.07mmol)で処理し、75℃で3時間撹拌した。冷却した混合物を蒸発乾固させ、HO(2mL)を残渣に加えた。生じた固体を濾過し、HO(2×1mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、標記化合物(90mg、0.195mmol、96%)を白色の固体として残し、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0352】
(1S,3R,E)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−N−(4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)フェニル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化265】
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(1S,3R)−N−(4−アミノフェニル)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキサンカルボキサミド(79.0mg、0.171mmol)とDIPEA(0.514mmol)の、3:1のNMP/THF(7.0mL)中の冷却した(−60℃)溶液を、54.2mg/mLの(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリドのDCM溶液(0.180mmol)で処理した。生じた混合物を−60℃で1時間撹拌してから、2MのジメチルアミンのTHF溶液(0.514mmol)を加えた。生じた混合物を室温に温めてから、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 5〜60%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(24.2mg、0.042mmol、25%)を黄色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.84(s,1H),9.97(s,1H),9.84(s,1H),8.76−8.51(m,1H),8.47(s,1H),8.24(s,J=14.8Hz,1H),7.54(q,J=9.2Hz,4H),7.49(d,J=7.5Hz,1H),7.28(d,J=7.7Hz,1H),7.25−7.12(m,2H),6.69(dt,J=15.4,5.9Hz,1H),6.24(d,J=15.4Hz,1H),4.05−3.73(m,2H),3.04(d,J=4.9Hz,2H),2.17(s,6H),2.13−2.04(m,1H),1.94−1.77(m,2H),1.68−1.17(m,5H);MS(m/z):572.59[M+1]
【0353】
実施例10.N−((1S,3R)−3−(5−シクロプロピル−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物115)ベンジル(1S,3R)−3−アミノシクロヘキシルカルバマート.HCl
【化266】
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実施例1と同様に調製した(1R,3S)−3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ2,2−ジメチルプロピオナート(1.50g、4.31mmol)のDCM(43mL)溶液を、4MのHClのジオキサン溶液(16mL、64.6mmol)で処理し、室温で2時間撹拌した。生じた溶液を蒸発乾固させると、標記化合物(1.23g、4.31mmol、100%)を白色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0354】
ベンジル(1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバマート
【化267】
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3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(791mg、1.96mmol)と、ベンジル(1S,3R)−3−アミノシクロヘキシルカルバマート(613mg、2.15mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(0.75mL、4.31mmol)のNMP(20.0mL)溶液を、135℃(mW)で30分間加熱した。混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、HO(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(Hex/EtOAc 5〜70%の勾配)により精製すると、標記化合物(1.04g、1.69mmol、40%)を黄色の固体として得た。
【0355】
ベンジル(1S,3R)−3−(5−シクロプロピル−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバマート
【化268】
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ベンジル(1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバマート(実施例1と同様に調製)(500mg、0.812mmol)と、CsCO(794mg、2.435mmol)と、カリウムシクロプロピルトリフルオロボラート(360mg、2.435mmol)の2:1のトルエン/HO(15mL)中の脱気した溶液を、脱気したトルエン(2mL)中のPd(OAc)(9mg、0.04mmol)とブチルジ−1−アダマンチルホスフィン(29mg、0.08mmol)の事前に混合した溶液で処理し、140℃(マイクロ波)で2時間加熱した。冷却した混合物をEtOAc(50mL)及び飽和NaHCO(20mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(Hex/EtOAc 0〜60%の勾配)により精製すると、標記化合物(324mg、0.521mmol、64%)を薄黄色の固体として得た。
【0356】
(1R,3S)−N−(5−シクロプロピル−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン
【化269】
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ベンジル(1S,3R)−3−(5−シクロプロピル−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバマート(778mg、1.250mmol)の脱気したMeOH(60mL)溶液を、10%湿潤Pd/C(150mg)で処理し、H下(1気圧)で6時間撹拌した。混合物をセライト(登録商標)で濾過し(MeOH)、濾液を蒸発乾固させると、標記化合物(610mg、1.25mmol、75%)を白色の泡として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0357】
tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(5−シクロプロピル−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート
【化270】
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(1R,3S)−N−(5−シクロプロピル−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン(457mg、0.937mmol)と4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)安息香酸(245mg、1.031mmol)のDMF(10mL)溶液を、HBTU(533mg、1.406mmol)とDIPEA(245μL、1.406mmol)で処理した。生じた混合物を、室温で一晩撹拌し、EtOAc(50mL)及び飽和NaHCO(20mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させると、標記化合物(662mg、0.936mmol、100%)を黄色の固体として残し、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0358】
tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(5−シクロプロピル−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート
【化271】
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tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(5−シクロプロピル−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート(663mg、0.938mmol)のジオキサン(10mL)溶液を、2MのNaOH溶液(7mL、14mmol)で処理し、70℃で1時間加熱した。冷却した混合物をMeTHF(20mL)で希釈し、層を分離した。水層をMeTHF(3×20mL)で抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させると、標記化合物(531mg、0.937mmol、99.9%)を薄黄色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0359】
4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−シクロプロピル−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド.HCl
【化272】
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tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(5−シクロプロピル−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート(531mg、0.938mmol)のDCM(10mL)溶液を、4MのHClのジオキサン溶液(3.50mL、14.0mmol)で処理し、室温で2時間撹拌した。生じた混合物を蒸発乾固させると、標記化合物(471mg、0.938mmol、100%)を白色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0360】
N−((1S,3R)−3−(5−シクロプロピル−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド
【化273】
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4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−シクロプロピル−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド.HCl(471mg、0.936mmol)とDIPEA(4.68mmol)の4:1のNMP/THF(25mL)中の冷却した(−60℃)溶液を、54.2mg/mLの(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリドのDCM溶液(2.7mL、0.796mmol)で処理した。生じた混合物を−60℃で1時間撹拌してから、2MのジメチルアミンのTHF溶液(2.8mL、5.62mmol)を加えた。生じた混合物を室温に温めてから、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 0〜30%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(102mg、0.176mmol、19%)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.63(s,1H),10.24(s,1H),8.68(brs,1H),8.29(d,J=2.9Hz,1H),8.19(d,J=7.9Hz,1H),8.05(s,1H),7.81(d,J=8.8Hz,2H),7.70(d,J=8.8Hz,2H),7.47−7.45(m,1H),7.17−7.15(m,2H),6.81−6.72(m,2H),6.29(dt,1H),3.94(brs,2H),3.05(dd,J=5.9,1.3Hz,2H),2.21−2.17(m,7H),2.05−1.77(m,4H),1.49−1.41(m,2H),1.30−1.24(m,2H),0.97−0.95(m,2H),0.59(brs,2H);MS(m/z):578.76[M+1]
【0361】
実施例11.N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物116)
tert−ブチル(1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバマート
【化274】
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2,5−ジクロロ−4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン(173mg、0.0.764mmol)と、tert−ブチル(1S,3R)−3−アミノシクロヘキシルカルバマート(182mg、0.849mmol)と、DIPEA(0.16mL、0.892mmol)のNMP 7.1mL)溶液を135℃(マイクロ波)で60分間加熱した。冷却した混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、HO(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0〜70%の勾配)により精製すると、標記化合物(185mg、0.458mmol、54%)を薄黄色の泡として得た。
【0362】
(1R,3S)−N−(5−クロロ−4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン.HCl
【化275】
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tert−ブチル(1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバマート(210mg、0.520mmol)のDCM(2.6mL)溶液を、4MのHClのジオキサン溶液(1.3mL、5.130mmol)で処理し、室温で2時間撹拌した。生じた混合物を蒸発乾固させると、標記化合物(177mg、0.520mmol、100%)を薄黄色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0363】
tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート
【化276】
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(1R,3S)−N−(5−クロロ−4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン.HCl(297mg、0.783mmol)と4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)安息香酸(149mg、0.626mmol)のDMF(5.2mL)溶液を、HBTU(297mg、0.783mmol)とDIPEA(2.087mmol)で処理した。生じた混合物を室温で一晩撹拌し、EtOAc(30mL)及び飽和NaHCO(15mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0〜100%の勾配)により精製すると、標記化合物(227mg、0.434mmol、83%)を薄黄色の固体として得た。
【0364】
4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド
【化277】
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tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート(166mg、0.317mmol)のDCM(3.2mL)溶液を、4MのHClのジオキサン溶液(0.79mL、3.17mmol)で処理し、室温で16時間処理した。生じた混合物を蒸発乾固させ、EtOAc(20mL)及び飽和NaHCO(10mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させると、標記化合物(134mg、0.317mmol、100%)を白色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0365】
N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド
【化278】
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4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド(125mg、0.296mmol)とDIPEA(0.887mmol)の3:1のNMP/THF(9.0mL)中の冷却した(−60℃)溶液を、54.2mg/mLの(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリドのDCM溶液(1.04mL、0.310mmol)で処理した。生じた混合物を−60℃で30分間撹拌してから、2MのジメチルアミンのTHF溶液(1.8mL、3.55mmol)を加えた。生じた混合物を室温に温めてから、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 0〜100%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(40mg、0.075mmol、25%)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 10.25(s,1H),8.88(br s,1H),8.69(d,J=3.6Hz,1H),8.46(s,1H),8.18(d,J=7.6Hz,1H),8.13(br s,1H),7.80(d,J=8.5Hz,2H),7.70(d,J=8.5Hz,2H),7.68(br s,1H),7.55(br s,1H),6.75(dt,J=15.2,5.9Hz,1H),6.28(d,J=15.3Hz,1H),3.83−3.80(m,2H),3.06(d,J=5.4Hz,2H),2.17(s,6H),2.14−2.11(m,1H),1.91(d,J=10.4Hz,1H),1.79(t,J=10.9Hz,2H),1.37(dd,J=23.7,11.9Hz,2H),1.24(dt,J=41.9,20.1Hz,2H);MS(m/z):534.59[M+1]
【0366】
実施例12.N−((1S,3R)−3−(5−シアノ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物117)
4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−シアノ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド
【化279】
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4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド(実施例1と同様に調製)(222mg、0.369mmol)の脱気したDMA(4mL)溶液を、DMA(3mL)中のZn(2.4mg、0.04mmol)と、Pddba(33.8mg、0.04mmol)と、X−Phos(35.2mg、0.07mmol)と、Zn(CN)(26.0mg、0.22mmol)の事前に混合して脱気した溶液で処理し、95℃で18時間加熱した。冷却した混合物をEtOAc(40mL)で希釈し、HO(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0〜70%の勾配)により精製すると、標記化合物(113mg、0.191mmol、52%)を薄黄色の固体として得た。
【0367】
4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−シアノ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド
【化280】
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4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−シアノ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド(33mg、0.0549mmol)のジオキサン(3.8mL)溶液を、5MのNaOH溶液(0.275mmol)で処理し、50℃で43時間加熱した。冷却した混合物を、3のpHに到達するまで1MのHCl溶液で処理し、混合物を蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 80〜100%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(48mg、0.106mmol、55%)を白色の固体として得た。
【0368】
N−((1S,3R)−3−(5−シアノ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド
【化281】
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4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−シアノ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド(50.6mg、0.112mmol)とDIPEA(0.336mmol)の3:1のNMP/THF(4.0mL)中の冷却した(−60℃)溶液を、54.2mg/mLの(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリドのDCM溶液(0.673mmol)で処理した。生じた混合物を−60℃で30分間撹拌してから、2MのジメチルアミンのTHF溶液(0.673mmol)を加えた。生じた混合物を室温に温めてから、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 0〜100%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(47mg、0.083mmol、75%)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)回転異性体1 δ 12.00(br s,1H),10.25(d,J=3.4Hz,1H),8.57(s,1H),8.55−8.41(m,2H),8.27−8.11(m,2H),7.81(d,J=8.6Hz,2H),7.76−7.64(m,2H),7.52(dd,J=12.5,8.1Hz,1H),7.32−7.15(m,2H),6.75(dt,J=15.3,5.8Hz,1H),6.27(d,J=15.3Hz,1H),4.12−3.76(m,2H),3.06(d,J=5.7Hz,2H),2.24(d,J=10.0Hz,1H),2.17(s,6H),2.04(d,J=7.0Hz,1H),1.95−1.77(m,2H),1.58−1.38(m,2H),1.39−1.24(m,2H).回転異性体2 δ 11.96(br s,1H),10.25(d,J=3.4Hz,1H),8.71(d,J=8.2Hz,1H),8.65(s,1H),8.55−8.41(m,1H),8.27−8.11(m,2H),7.81(d,J=8.6Hz,2H),7.76−7.64(m,2H),7.52(dd,J=12.5,8.1Hz,1H),7.32−7.15(m,2H),6.75(dt,J=15.3,5.8Hz,1H),6.27(d,J=15.3Hz,1H),4.12−3.76(m,2H),3.06(d,J=5.7Hz,2H),2.24(d,J=10.0Hz,1H),2.17(s,6H),2.04(d,J=7.0Hz,1H),1.95−1.77(m,2H),1.58−1.38(m,2H),1.39−1.24(m,2H);MS(m/z):563.64[M+1]
【0369】
実施例13.N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−(3−メチルブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物118)
【化282】
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実施例1と同様に調製した4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド(50.0mg、0.1085mmol)とDIPEA(0.325mmol)の7:1のTHF/NMP(4mL)中の冷(−60℃)溶液を、3,3−ジメチルアクリロイルクロリド(0.114mmol)で処理した。−60℃で2時間後、混合物を室温に温め、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 70〜100%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(26.0mg、0.048mmol、44%)を薄黄色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.82(s,1H),10.01(s,1H),8.61(s,1H),8.46(s,1H),8.25(s,1H),8.19(d,J=7.9Hz,1H),7.79(d,J=8.7Hz,2H),7.67(d,J=8.7Hz,2H),7.48(d,J=8.6Hz,1H),7.29(d,J=8.0Hz,1H),7.21(s,2H),5.87(s,1H),4.11(d,J=4.7Hz,1H),3.94(br s,1H),3.17(d,J=4.3Hz,2H),2.21(d,J=40.8Hz,1H),2.16(s,3H),2.04−1.97(m,1H),1.87(s,3H),1.50−1.37(m,2H),1.37−1.20(m,2H);MS(m/z):543.61[M+1]
【0370】
実施例14.(+/−)−N−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−5−フルオロシクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物119)
(+/−)−1,3−ジアジド−5−フルオロシクロヘキサン
【化283】
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(+/−)−3,5−ジアジドシクロヘキサノール(New J.Chem.,2005,29,1152−1158に従って調製)の冷却した(−78℃)DCM(30mL)溶液を、滴下してMe−DAST(2.74mmol)で処理し、この温度で18時間撹拌した。NaHCOの飽和溶液(10mL)を加え、層を分離し、水層をEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(Hex/EtO 0〜5%の勾配)により精製すると、標記化合物(141mg、0.349mmol、35%)を無色の油として得た。
【0371】
(+/−)−5−フルオロシクロヘキサン−1,3−ジアミン
【化284】
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(+/−)−1,3−ジアジド−5−フルオロシクロヘキサン(141mg、0.77mmol)の脱気したMeOH(5mL)溶液を、10%Pd/C(81mg、0.08mmol)で処理し、H下(1気圧)で5時間撹拌した。生じた混合物をセライト(登録商標)で濾過し(MeOH)、濾液を蒸発乾固させると、標記化合物(77mg、0.583mmol、76%)をベージュ色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0372】
(+/−)−tert−ブチル4−(−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−5−フルオロシクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート
【化285】
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3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(180mg、0.45mmol)と、(+/−)−5−フルオロシクロヘキサン−1,3−ジアミン(77mg、0.58mmol)と、DIPEA(3.54mmol)のNMP(3mL)溶液を、135℃(マイクロ波)で25分間加熱した。次いで、冷却した混合物を、4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)安息香酸(93mg、0.45mmol)と、HBTU(338mg、0.89mmol)と、DIPEA(0.23mL、1.34mmol)で処理した。生じた混合物を室温で一晩撹拌し、次いで、EtOAc(30mL)及び飽和NaHCO(10mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(Hex/EtOAc 0〜100%の勾配)により精製すると、標記化合物(198mg、0.275mmol、62%)を茶色がかった固体として得た。
【0373】
(+/−)−4−アミノ−N−(3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−5−フルオロシクロヘキシル)ベンズアミド.TFA
【化286】
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(+/−)−tert−ブチル4−(−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−5−フルオロシクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート(198mg、0.28mmol)のDCM(1.2mL)溶液を、TFA(2.75mmol)で処理し、室温で2時間撹拌した。混合物を蒸発乾固させると、標記化合物(205mg、0.28mmol、100%)を薄黄色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0374】
(+/−)−4−アミノ−N−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−5−フルオロシクロヘキシル)ベンズアミド
【化287】
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(+/−)−4−アミノ−N−(3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−5−フルオロシクロヘキシル)ベンズアミド.TFA(256mg、0.36mmol)のジオキサン(2.4mL)溶液を、5MのNaOHの水溶液(1.43mL、7.15mmol)で処理し、75℃で一晩撹拌した。冷却した混合物を蒸発乾固させ、生じた固体をHO(2mL)に懸濁させ、濾過した。固体をHO(2×2ml)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、標記化合物(96mg、0.208mmol、58%)を白色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0375】
4−アミノ−N−((1R,3S,5S)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−5−フルオロシクロヘキシル)ベンズアミド
【化288】
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(+/−)−4−アミノ−N−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−5−フルオロシクロヘキシル)ベンズアミド(76mg、0.165mmol)の両エナンチオマーを、分取キラルHPLC(ChiralPak IB、5μm、20×250mm;Hex/MeOH/DCM 70:15:15)を使用して分離すると、標記化合物(21.9mg、0.047、29%)を白色の固体として得た。
【0376】
(+/−)−N−((1R,3S,5S)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−5−フルオロシクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物119)
化合物119は、4−アミノ−N−((1S,3R,5R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−5−フルオロシクロヘキシル)ベンズアミドを、(+/−)−4−アミノ−N−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−5−フルオロシクロヘキシル)ベンズアミドに替えた以外、本明細書で実施例15に記載される方法を利用して調製した。
【0377】
実施例15.N−((1S,3R,5R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−5−フルオロシクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物120)
【化289】
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実施例14と同様に調製した4−アミノ−N−((1S,3R,5R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−5−フルオロシクロヘキシル)ベンズアミド(51mg、0.106mmol)とDIPEA(0.139mmol)の1:3のNMP/THF(4.3mL)中の冷却した(−60℃)溶液を、54.2mg/mLの(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリドのDCM溶液(0.032mmol)で処理した。生じた混合物を−60℃で40分間撹拌してから、2MのジメチルアミンのTHF溶液(0.319mmol)を加えた。生じた混合物を室温に温めてから、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 5〜60%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(4.6mg、0.0078mmol、24%)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.91(s,1H),10.32(s,1H),8.47(s,1H),8.44−8.37(m,1H),8.34(d,J=8.0Hz,1H),8.28(s,1H),7.82(d,J=8.7Hz,2H),7.72(d,J=8.6Hz,2H),7.49(d,J=8.6Hz,1H),7.42(d,J=7.9Hz,1H),7.30−7.12(m,2H),6.75(dt,J=15.3,5.9Hz,1H),6.29(d,J=15.4Hz,1H),4.80(dm,J=48.2Hz,1H),4.15−3.89(m,2H),3.06(d,J=5.4Hz,2H),2.49−2.35(m,2H),2.35−2.27(m,1H),2.17(s,6H),1.57(dd,J=21.9,10.9Hz,2H),1.49−1.35(m,1H);MS(m/z):590.64[M+1]
【0378】
実施例16.N−((1R,3S,5S)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−5−フルオロシクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物173)
【化290】
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実施例14と同様に調製した4−アミノ−N−((1R,3S,5S)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−5−フルオロシクロヘキシル)ベンズアミド(20.0mg、0.042mmol)とDIPEA(0.125mmol)の1:3のNMP/THF(1.6mL)中の冷却した(−60℃)溶液を、54.2mg/mLの(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリドのDCM溶液(0.044mmol)で処理した。生じた混合物を−60℃で40分間撹拌してから、2MのジメチルアミンのTHF溶液(0.125mmol)を加えた。生じた混合物を室温に温めてから、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 5〜60%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(3.6mg、0.006mmol、55%)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.91(s,1H),10.32(s,1H),8.47(s,1H),8.44−8.37(m,1H),8.34(d,J=8.0Hz,1H),8.28(s,1H),7.82(d,J=8.7Hz,2H),7.72(d,J=8.6Hz,2H),7.49(d,J=8.6Hz,1H),7.42(d,J=7.9Hz,1H),7.30−7.12(m,2H),6.75(dt,J=15.3,5.9Hz,1H),6.29(d,J=15.4Hz,1H),4.80(dm,J=48.2Hz,1H),4.15−3.89(m,2H),3.06(d,J=5.4Hz,2H),2.49−2.35(m,2H),2.35−2.27(m,1H),2.17(s,6H),1.57(dd,J=21.9,10.9Hz,2H),1.49−1.35(m,1H);MS(m/z):590.61[M+1]
【0379】
実施例17.(E)−N−(5−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1−イル)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物121)
−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1,5−ジアミン
【化291】
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3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(300mg、0.742mmol)と、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1,5−ジアミン(国際公開第2006012395号パンフレットの通り調製)(120mg、0.951mmol)と、DIPEA(0.816mmol)のNMP(5mL)溶液を、135℃(マイクロ波)で2時間加熱した。冷却した混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、HO(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/MeOH 0〜20%の勾配)により精製すると、標記化合物(202mg、0.409mmol、55%)を黄色い泡として得た。
【0380】
tert−ブチル4−(5−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1−イルカルバモイル)フェニルカルバマート
【化292】
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−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1,5−ジアミン(202mg、0.409mmol)と4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)安息香酸(116mg、0.491mmol)のDMF(5.0mL)溶液を、HBTU(233mg、0.613mmol)とDIPEA(0.818mmol)で処理した。生じた混合物を室温で一晩撹拌し、EtOAc(30mL)及び飽和NaHCO(15mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させると、標記化合物(291mg、0.408mmol、100%)を茶色の油として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0381】
4−アミノ−N−(5−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1−イル)ベンズアミド.TFA
【化293】
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tert−ブチル4−(5−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1−イルカルバモイル)フェニルカルバマート(291mg、0.408mmol)のDCM(4mL)溶液を、TFA(1.56mL、20.4mmol)で処理し、室温で1時間撹拌した。混合物を蒸発乾固させると、標記化合物(250mg、0.408mmol、100%)を帯黄色の油として得た。
【0382】
4−アミノ−N−(5−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1−イル)ベンズアミド
【化294】
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4−アミノ−N−(5−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1−イル)ベンズアミド.TFA(250mg、0.408mmol)のジオキサン(10mL)溶液を、1MのNaOH溶液(6.0mL、6.0mmol)で処理し、75℃で1時間加熱した。冷却した混合物をMe−THF(30mL)で希釈し、有機層をHO(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させると、標記化合物(193mg、0.408mmol、100%)をクリーム状の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0383】
(E)−N−(5−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1−イル)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド
【化295】
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4−アミノ−N−(5−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1−イル)ベンズアミド(75mg、0.1586mmol)とDIPEA(0.476mmol)の1:5のNMP/THF(10mL)中の冷却した(−60℃)溶液を、54.2mg/mLの(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリドのDCM溶液(0.143mmol)で処理した。生じた混合物を−60℃で2時間撹拌してから、2MのジメチルアミンのTHF溶液(0.951mmol)を加えた。生じた混合物を室温に温めてから、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 5〜60%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(41mg、0.070mmol、44%)を黄色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.81(d,J=2.7Hz,1H),10.24(s,1H),8.58(brs,1H),8.45−8.31(m,2H),8.25(s,1H),7.77(d,J=8.7Hz,2H),7.68(d,J=8.8Hz,2H),7.58(s,1H),7.48(d,J=8.0Hz,1H),7.23−7.10(m,2H),6.75(dt,J=15.4,5.9Hz,1H),6.27(dt,J=15.3,1.6Hz,1H),3.05(dd,J=5.9,1.4Hz,2H),2.41(d,J=7.7Hz,2H),2.17(s,6H),2.06(brs,2H),1.95(brs,2H),1.87(brs,2H);MS(m/z):584.67[M+1]
【0384】
実施例18.(+/−)−N−(5−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−3,3−ジフルオロシクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物122)並びに立体異性体化合物139及び174
(+/−)−ジベンジル−5,5−ジフルオロシクロヘキサン−1,3−ジイルジカルバマート
【化296】
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(+/−)−5,5−ジフルオロシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸(国際公開第2011005608号パンフレットの通り調製)(454mg、2.18mmol)のトルエン(10mL)溶液を、EtN(4.80mmol)とDPPA(4.36mmol)で処理し、110℃で1時間加熱した。溶液を80℃に冷却し、EtN(4.80mmol)とBnOH(4.80mmol)で処理し、この温度で一晩撹拌した。冷却した混合物を、EtOAc(50mL)及びHO(20mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、ヘキサン(10mL)でトリチュレートし、それに続いてEtO(5mL)でトリチュレートし、固体を濾過し、ヘキサンで洗浄すると、標記化合物(694mg、1.66mmol、76%)をクリーム状の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0385】
(+/−)−5,5−ジフルオロシクロヘキサン−1,3−ジアミン
【化297】
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(+/−)−ジベンジル−5,5−ジフルオロシクロヘキサン−1,3−ジイルジカルバマート(694mg、1.66mmol)の脱気したMeOH(100mL)溶液を、10%Pd/C(100mg)で処理し、H下(1気圧)で5時間撹拌した。生じた混合物をセライト(登録商標)で濾過し(MeOH)、濾液を蒸発乾固させると、標記化合物(249mg、1.66mmol、100%)を無色の油として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0386】
(+/−)−N−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサン−1,3−ジアミン
【化298】
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3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(560mg、1.380mmol)と、(+/−)−5,5−ジフルオロシクロヘキサン−1,3−ジアミン(249mg、1.658mmol)と、DIPEA(1.518mmol)のNMP(15mL)溶液を、135℃(マイクロ波)で40分間加熱した。冷却した混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、HO(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/MeOH 0〜20%の勾配)により精製すると、標記化合物(192mg、0.371mmol、27%)を黄色い泡として得た。
【0387】
(+/−)−tert−ブチル4−(5−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−3,3−ジフルオロシクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート
【化299】
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(+/−)−N−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサン−1,3−ジアミン(192mg、0.370mmol)と4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)安息香酸(105mg、0.444mmol)のDMF(6.0mL)溶液を、HBTU(211mg、0.555mmol)とDIPEA(0.740mmol)で処理した。生じた混合物を室温で一晩撹拌し、EtOAc(30mL)及び飽和NaHCO(15mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させると、標記化合物(272mg、0.370mmol、100%)を茶色の油として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0388】
(+/−)−4−アミノ−N−(5−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−3,3−ジフルオロシクロヘキシル)ベンズアミド.TFA
【化300】
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(+/−)−tert−ブチル4−(5−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−3,3−ジフルオロシクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート(272mg、0.370mmol)のDCM(4mL)溶液を、TFA(1.45mL、19.0mmol)で処理し、室温で2時間撹拌した。生じた混合物を蒸発乾固させると、標記化合物(235mg、0.370mmol、100%)を茶色がかった油として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0389】
(+/−)−4−アミノ−N−(5−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−3,3−ジフルオロシクロヘキシル)ベンズアミド
【化301】
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(+/−)−4−アミノ−N−(5−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−3,3−ジフルオロシクロヘキシル)ベンズアミド.TFA(235mg、0.370mmol)のジオキサン(10mL)溶液を、1MのNaOH水溶液(6.0mL、6.0mmol)で処理し、75℃で2時間加熱した。揮発物を蒸発により除去し、水層をMeTHF(30mL)で抽出した。有機層をHO(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させると、標記化合物(157mg、0.316mmol、85%)を黄色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0390】
4−アミノ−N−((1R,5S)−5−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−3,3−ジフルオロシクロヘキシル)ベンズアミド
【化302】
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(+/−)−4−アミノ−N−(5−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−3,3−ジフルオロシクロヘキシル)ベンズアミド(62mg、0.125mmol)の両エナンチオマーを、分取キラルHPLC(ChiralPak IB、5μm、20×250mm;Hex/MeOH/DCM 64:18:18)を利用して分離すると、標記化合物(19.1mg、0.038、31%)を白色の固体として得た。
【0391】
N−((1R,5S)−5−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−3,3−ジフルオロシクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物174)
【化303】
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4−アミノ−N−((1R,5S)−5−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−3,3−ジフルオロシクロヘキシル)ベンズアミド(19.1mg、0.038mmol)とDIPEA(0.124mmol)の、1:5のNMP/THF(4mL)中の冷却した(−60℃)溶液を、54.2mg/mLの(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリドのDCM溶液(0.0370mmol)で処理した。生じた混合物を−60℃で2時間撹拌してから、2MのジメチルアミンのTHF溶液(0.247mmol)を加えた。生じた混合物を室温に温めてから蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 5〜60%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(12mg、0.020mmol、53%)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.86(brs,1H),10.27(s,1H),8.56(brs,1H),8.48(d,J=2.7Hz,1H),8.40(d,J=8.0Hz,1H),8.29(brs,1H),7.84−7.77(m,2H),7.72(d,J=8.9Hz,2H),7.47(dd,J=19.2,8.2Hz,2H),7.22−7.17(m,2H),6.75(dt,J=15.4,5.9Hz,1H),6.27(dt,J=15.4,1.6Hz,1H),4.20(brs,3H),3.05(dd,J=5.9,1.5Hz,2H),2.35(brs,1H),2.25(brs,1H),2.17(s,6H),2.03−1.88(m,2H),1.63(brs,1H);MS(m/z):608.32[M+1]。化合物139を同様に調製した。
【0392】
実施例19.(E)−N−(4−(N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)スルファモイル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド(化合物123)
N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−ニトロベンゼンスルホンアミド
【化304】
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実施例1と同様に調製した(1R,3S)−N1−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン(150mg、0.289mmol)のpyr(2.2mL)溶液を、4−ニトロベンゼン−1−スルホニルクロリド(64mg、0.289mmol)で処理し、90℃で16時間加熱した。冷却した混合物を蒸発乾固させ、残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0〜100%の勾配)により精製すると、標記化合物(147mg、0.220mmol、76%)を黄色い泡として得た。
【0393】
4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンゼンスルホンアミド
【化305】
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N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−ニトロベンゼンスルホンアミド(147mg、0.223mmol)の、5:1のEtOAc/MeOH(4mL)中の溶液を、SnCl.10HO(126mg、0.557mmol)で処理し、密封した管中で90℃で4時間加熱した。冷却した混合物を飽和NaHCO(10mL)で希釈し、次いで、室温で20分間撹拌し、水層を、4:1のCHCl/IPA(3×30mL)で抽出した。合わせた有機有機層を、HO(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、セライト(登録商標)のパッドに通して濾過し(4:1のCHCl/IPA)、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0〜80%の勾配)により精製すると、標記化合物(109mg、0.171mmol、77%)を無色の油として得た。
【0394】
4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンゼンスルホンアミド
【化306】
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4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンゼンスルホンアミド(109mg、0.171mmol)のジオキサン(3.4mL)溶液を、5MのNaOH水溶液(0.855mmol)で処理し、一晩50℃で加熱した。冷却した混合物を、pHが7に達するまで1MのHCl水溶液で処理し、次いで混合物を蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/MeOH 0〜20%の勾配)により精製すると、標記化合物(50mg、0.101mmol、59%)を薄黄色の固体として得た。
【0395】
(E)−N−(4−(N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)スルファモイル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド
【化307】
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4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンゼンスルホンアミド(43mg、0.0865mmol)とDIPEA(0.260mmol)の1:3のNMP/THF(4mL)中の冷却した(−60℃)溶液を、54.2mg/mLの(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリドのDCM溶液(0.0908mmol)で処理した。生じた混合物を−60℃で2時間撹拌してから、2MのジメチルアミンのTHF溶液(0.519mmol)を加えた。生じた混合物を室温に温めてから、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 0〜100%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(11mg、0.018mmol、21%)を薄黄色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.82(s,1H),10.38(s,1H),8.69−8.52(m,1H),8.44(s,1H),8.35(s,1H),8.19(s,1H),7.79(ddt,J=44.8,36.5,18.1Hz,4H),7.64(s,1H),7.48(d,J=8.2Hz,1H),7.23−7.14(m,2H),7.12(d,J=7.6Hz,1H),6.77(dt,J=15.3,5.8Hz,1H),6.28(d,J=15.2Hz,1H),3.87−3.64(m,2H),3.06(d,J=4.4Hz,2H),2.49(s,5H),2.18(s,5H),2.03−1.78(m,3H),1.65(ddd,J=26.9,8.9,3.4Hz,2H),1.29−0.99(m,4H);MS(m/z):608.60[M+1]
【0396】
実施例20.N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−((E)−4−ヒドロキシブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物124)
【化308】
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実施例1と同様に調製した4−((E)−4−ブロモブタ−2−エンアミド)−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド(45mg、0.074mmol)とDIPEA(0.273mmol)の2:1のNMP/HO(3mL)中の溶液を、80℃で4時間加熱した。冷却した混合物を蒸発乾固させ、残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 0〜100%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(7.5mg、0.014mmol、18%)を薄黄色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.83(s,1H),10.25(s,1H),8.60(br s,1H),8.46(s,1H),8.27−8.17(m,2H),7.81(d,J=8.8Hz,2H),7.71(d,J=8.8Hz,2H),7.49(d,J=9.1Hz,1H),7.30(d,J=8.0Hz,1H),7.24−7.15(m,2H),6.90(dt,J=15.3,3.6Hz,1H),6.35(dt,J=15.2,2.1Hz,1H),5.13(s,1H),4.18(s,2H),3.94(br s,2H),2.25−2.17(m,1H),2.07−1.95(m,1H),1.92−1.80(m,2H),1.50−1.37(m,2H),1.36−1.23(m,2H);MS(m/z):545.62[M+1]
【0397】
実施例21.N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−2−フルオロベンズアミド(化合物164)
N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−2−フルオロ−4−ニトロベンズアミド
【化309】
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実施例1と同様に調製した(1R,3S)−N1−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン.HCl(150mg、0.29mmol)と2−フルオロ−4−ニトロ安息香酸(54mg、0.29mmol)のDCM(1.9mL)溶液を、HBTU(219mg、0.58mmol)とDIPEA(0.870mmol)で処理した。生じた混合物を室温で一晩撹拌し、EtOAc(30mL)及び飽和NaHCO(15mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0〜50%の勾配)により精製すると、標記化合物(174mg、0.268mmol、93%)をベージュ色の固体として得た。
【0398】
4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−2−フルオロベンズアミド
【化310】
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N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−2−フルオロ−4−ニトロベンズアミド(174mg、0.27mmol)の5:1のEtOAc/MeOH(5mL)中の溶液を、SnCl.10HO(151mg、0.67mmol)で処理し、密封した管中で80℃で5時間加熱した。冷却した混合物を飽和NaHCO(10mL)で希釈し、次いで室温で20分間撹拌し、それに続いて水層をEtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機有機層を、HO(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させると、標記化合物(147mg、0.237mmol、88%)を薄黄色の固体として得て、それを、さらに修飾せずに次の工程に使用した。
【0399】
4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−2−フルオロベンズアミド
【化311】
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4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−2−フルオロベンズアミド(146mg、0.24mmol)のジオキサン(1.6mL)溶液を5MのNaOH水溶液(4.72mmol)で処理し、75℃で一晩加熱した。冷却した混合物を、MeTHF(20mL)及びHO(10mL)で希釈した。層を分離し、水層を、MeTHF(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/THF 0〜60%の勾配)により精製すると、標記化合物(98mg、0.205mmol、67%)を白色の固体として得た。
【0400】
N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−2−フルオロベンズアミド
【化312】
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4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−2−フルオロベンズアミド(98mg、0.205mmol)とDIPEA(0.614mmol)の1:2のNMP/THF(8mL)中の冷却した(−60℃)溶液を、54.2mg/mLの(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリドのDCM溶液(0.215mmol)で処理した。生じた混合物を−60℃で2時間撹拌してから、2MのジメチルアミンのTHF溶液(0.614mmol)を加えた。生じた混合物を室温に温めてから、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 0〜60%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(17mg、0.029mmol、14%)を明るい白色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.83(s,1H),10.41(s,1H),8.73−8.52(m,1H),8.47(d,J=2.8Hz,1H),8.25(s,J=14.8Hz,1H),8.10(d,J=7.2Hz,1H),7.72(dd,J=13.1,1.8Hz,1H),7.54(t,J=8.4Hz,1H),7.51−7.45(m,1H),7.34(dd,J=8.5,1.9Hz,1H),7.28(d,J=8.0Hz,1H),7.24−7.15(m,2H),6.77(dt,J=15.4,5.8Hz,1H),6.26(dt,J=15.3,1.5Hz,1H),3.99−3.81(m,2H),3.06(dd,J=5.8,1.3Hz,2H),2.29−2.20(m,1H),2.17(s,6H),2.05−1.94(m,1H),1.93−1.86(m,1H),1.82(d,J=13.2Hz,1H),1.48−1.34(m,2H),1.32−1.21(m,2H);MS(m/z):590.60[M+1]
【0401】
実施例22.N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−3−フルオロベンズアミド(化合物126)
4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−3−フルオロベンズアミド
【化313】
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実施例1と同様に調製した(1R,3S)−N1−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン.HCl(150mg、0.29mmol)と4−アミノ−3−フルオロ安息香酸(45mg、0.29mmol)のDMF(1.9mL)溶液を、HBTU(219mg、0.58mmol)とDIPEA(0.870mmol)で処理した。生じた混合物を室温で一晩撹拌し、MeTHF(30mL)及び飽和NaHCO(15mL)で希釈した。層を分離し、水層をMeTHF(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0〜100%の勾配)により精製すると、標記化合物(178mg、0.287mmol、99%)を薄黄色の固体として得た。
【0402】
4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−3−フルオロベンズアミド
【化314】
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4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−3−フルオロベンズアミド(179mg、0.29mmol)のジオキサン(1.9mL)溶液を、5MのNaOH水溶液(1.16mL、5.78mmol)で処理し、75℃で一晩加熱した。冷却した混合物をMeTHF(20mL)及びHO(10mL)で希釈した。層を分離し、水層を、MeTHF(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/THF 0〜60%の勾配)により精製すると、標記化合物(89mg、0.185mmol、64%)を白色の固体として得た。
【0403】
N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−3−フルオロベンズアミド
【化315】
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4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−3−フルオロベンズアミド(83.8mg、0.175mmol)とDIPEA(0.525mmol)の1:2のNMP/THF(7mL)中の冷却した(−60℃)溶液を、54.2mg/mLの(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリドのDCM溶液(0.184mmol)で処理した。生じた混合物を−60℃で2時間撹拌してから、2MのジメチルアミンのTHF溶液(0.614mmol)を与えた。生じた混合物を室温に温めてから、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 0〜60%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(23mg、0.039mmol、22%)を薄黄色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.85(s,1H),10.01(s,1H),8.72−8.53(m,1H),8.47(d,J=1.8Hz,1H),8.35(d,J=7.9Hz,1H),8.25(s,1H),8.16(t,J=8.2Hz,1H),7.73(dd,J=11.9,1.9Hz,1H),7.69(dd,J=8.5,1.7Hz,1H),7.51−7.45(m,1H),7.30(d,J=8.0Hz,1H),7.24−7.17(m,2H),6.77(dt,J=15.4,5.9Hz,1H),6.49(d,J=15.4Hz,1H),4.05−3.83(m,2H),3.05(dd,J=5.9,1.2Hz,2H),2.28−2.18(m,1H),2.17(s,6H),2.08−1.93(m,1H),1.93−1.78(m,2H),1.51−1.37(m,2H),1.35−1.23(m,2H);MS(m/z):590.67[M+1]
【0404】
実施例23.tert−ブチル(1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル(4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンジル)カルバマート(化合物127)
(1R,3S)−N1−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)−N3−(4−ニトロベンジル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン
【化316】
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(1R,3S)−N1−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン.HCl(295mg、0.57mmol)のDCE(5.7mL)懸濁液を、連続的に、DIPEA(0.57mmol)と、AcOH(0.28mmol)と、4−ニトロベンズアルデヒド(86mg、0.57mmol)と、NaBH(OAc)(181mg、0.85mmol)で処理した。生じた混合物を室温で48時間撹拌してから、DCM(30mL)、飽和NaHCO(5ML)、及びブライン(5mL)で希釈した。層を分離し、有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させると、標記化合物(302mg、0.489mmol、86%)を黄色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0405】
tert−ブチル(1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル(4−ニトロベンジル)カルバマート
【化317】
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(1R,3S)−N1−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)−N3−(4−ニトロベンジル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン(302mg、0.489mmol)とDIPEA(0.61mmol)の溶液を、BocO(134mg、0.61mmol)で処理し、室温で一晩撹拌した。生じた混合物をDCM(30mL)、及び飽和NaHCO(5mL)、及びブライン(5mL)で希釈した。層を分離し、有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0〜25%の勾配)により精製すると、標記化合物(343mg、0.478mmol、98%)を薄黄色の固体として得た。
【0406】
tert−ブチル4−アミノベンジル((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)カルバマート
【化318】
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tert−ブチル(1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル(4−ニトロベンジル)カルバマート(212mg、0.30mmol)の、2:1のMeOH/THF(3.0mL)中の溶液を、連続的に、NiCl.6HO(35mg、0.15mmol)とNaBH(45mg、1.18mmol)で処理した。生じた混合物を室温で15分間撹拌してから、EtOAc(15mL)及びHO(10mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0〜50%の勾配)により精製すると、標記化合物(106mg、0.154mmol、52%)を薄黄色の固体として得た。
【0407】
tert−ブチル4−アミノベンジル((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)カルバマート
【化319】
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tert−ブチル4−アミノベンジル((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)カルバマート(136mg、0.20mmol)のジオキサン(1.3mL)溶液を、5MのNaOH水溶液(0.40mL、1.98mmol)で処理し、65℃で5時間加熱した。冷却した混合物を濃縮乾固し、残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 0〜60%の勾配)により精製すると、標記化合物(100mg、0.183mmol、92%)をベージュ色の固体として得た。
【0408】
tert−ブチル(1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル(4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンジル)カルバマート
【化320】
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tert−ブチル4−アミノベンジル((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)カルバマート(99.5mg、0.182mmol)とDIPEA(0.546mmol)の1:2のNMP/THF(7mL)中の冷却した(−60℃)溶液を、54.2mg/mLの(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリドのDCM溶液(0.191mmol)で処理した。生じた混合物を−60℃で30分間撹拌してから、2MのジメチルアミンのTHF溶液(0.546mmol)を加えた。生じた混合物を室温に温め、この温度で3時間撹拌してから蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 0〜60%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(68mg、0.103mmol、57%)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.83(s,1H),9.99(s,1H),8.73−8.49(m,1H),8.45(d,J=2.6Hz,1H),8.26−8.17(m,1H),7.56(d,J=4.2Hz,2H),7.49(d,J=6.0Hz,1H),7.24−7.11(m,5H),6.69(dt,J=15.4,5.9Hz,1H),6.23(d,J=15.4Hz,1H),4.41−4.21(m,2H),4.08−3.69(m,2H),3.03(dd,J=5.9,1.3Hz,2H),2.16(s,6H),1.98−1.84(m,2H),1.81−1.68(m,1H),1.68−1.52(m,2H),1.50−1.40(m,2H),1.31(s,9H),1.20−1.09(m,1H);MS(m/z):658.69[M+1]
【0409】
実施例24.(E)−N−(4−(((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルアミノ)メチル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド(化合物129)
【化321】
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実施例23と同様に調製したtert−ブチル(1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル(4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンジル)カルバマート(9.8mg、0.02mmol)のDCM(3mL)溶液を、TFA(0.15mmol)で処理し、室温で3時間撹拌した。生じた混合物を蒸発乾固させ、残渣をMeTHF(20mL)及び飽和NaHCO(5mL)で希釈した。層を分離し、有機層を、飽和NaHCO(2×5mL)、ブライン(5mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 0〜60%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(4.8mg、0.0086mmol、58%)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.83(s,1H),10.09(s,1H),8.75−8.48(m,1H),8.47(d,J=2.9Hz,1H),8.25(s,1H),8.17(s,1H),7.63(d,J=7.6Hz,2H),7.48(d,J=8.2Hz,1H),7.36−7.30(m,2H),7.20(t,J=7.6Hz,1H),7.16−7.00(m,1H),6.73(dt,J=15.4,5.9Hz,1H),6.54(s,1H),6.27(d,J=15.4Hz,1H),3.91(s,2H),3.06(d,J=4.7Hz,2H),2.92−2.81(m,2H),2.18(s,J=5.9Hz,6H),2.08−2.02(m,1H),1.98(t,J=3.4Hz,1H),1.88−1.77(m,2H),1.37−1.21(m,4H);MS(m/z):558.66[M+1]
【0410】
実施例25.N−(5−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1−イル)−4−(3−(トリメチルシリル)プロピオルアミド)ベンズアミド(化合物130)
【化322】
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TMS−プロピン酸(10mg、0.07mmol)とDCC(14mg、0.07mmol)のDCM(1mL)溶液を、実施例17と同様に調製した4−アミノ−N−(5−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1−イル)ベンズアミド(29mg、0.06mmol)とDMAP(触媒量)で処理した。混合物を室温で一晩撹拌し、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 5〜60%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(2.0mg、0.0034mmol、5.5%)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.83(s,1H),10.93(s,1H),8.58(s,1H),8.51(s,1H),8.46(s,1H),8.38(s,1H),7.81−7.74(m,2H),7.66−7.57(m,3H),7.49(d,J=8.0Hz,1H),7.21(t,J=7.0Hz,1H),7.15(t,J=7.5Hz,1H),6.84(s,2H),2.45−2.35(m,2H),2.17(brs,2H),2.07(brs,2H),1.95(d,J=6.6Hz,2H),1.88(brs,2H),0.26(s,9H);MS(m/z):597.63[M+1]
【0411】
実施例26 2−(((E)−4−(4−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルアミノ)−4−オキソブタ−2−エニル)(メチル)アミノ)酢酸(化合物131)
メチル2−(((E)−4−(4−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルアミノ)−4−オキソブタ−2−エニル)(メチル)アミノ)アセタート
【化323】
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実施例1と同様に調製した4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド(40mg、0.067mmol)とDIPEA(0.200mmol)の1:6のNMP/THF(6.8mL)中の冷却した(−60℃)溶液を、54.2mg/mLの(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリドのDCM溶液(0.067mmol)で処理した。生じた混合物を−60℃で1時間撹拌してからメチル2−(メチルアミノ)アセタート.HCl(18.7mg、0.134mmol)を加えた。生じた混合物を室温に温め、この温度で一晩撹拌してから、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/MeOH 0〜20%の勾配)により精製すると、標記化合物(25mg、0.032mmol、49%)を白色の固体として得た。
【0412】
2−(((E)−4−(4−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルアミノ)−4−オキソブタ−2−エニル)(メチル)アミノ)酢酸
【化324】
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メチル2−(((E)−4−(4−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルアミノ)−4−オキソブタ−2−エニル)(メチル)アミノ)アセタート(25mg、0.032mmol)のMeOH(1mL)溶液を、1MのNaOH水溶液(0.096mmol)で処理し、室温で一晩撹拌した。生じた混合物を蒸発乾固させ、残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 5〜60%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(5.0mg、0.0081mmol、25%)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.82(brs,1H),10.27(s,1H),8.61(brs,1H),8.46(s,1H),8.29−8.14(m,2H),7.80(t,J=9.8Hz,2H),7.70(d,J=8.7Hz,1H),7.65(d,J=8.5Hz,1H),7.47(d,J=9.1Hz,1H),7.29(d,J=8.0Hz,1H),7.24−7.17(m,2H),6.75(dt,J=15.3Hz,J=5.9Hz,1H),6.29(d,J=15.4Hz,1H),3.94(brs,4H),2.60(brs,1H),2.34(d,3H),2.20(brs,1H),2.00(brs,1H),1.85(brs,2H),1.53−1.20(m,5H);MS(m/z):616.32[M+1]
【0413】
実施例27 N−((1S,3R)−3−(4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物132)
tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート
【化325】
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実施例1と同様に調製したtert−ブチル4−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート(148mg、0.211mmol)の脱気したMeOH(10mL)溶液を、10%Pd/C(25mg)で処理し、H下(50psi)で一晩撹拌した。生じた混合物をセライト(登録商標)で濾過し(MeOH)、濾液を蒸発乾固させると、標記化合物と塩素化されたピリミジンとの分離不能な混合物を与え、それを精製せずに次の工程に使用した。
【0414】
N−((1S,3R)−3−(4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−アミノベンズアミド
【化326】
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tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート(100mg、先の工程の塩素化されたピリミジンとの混合物として)のDCM(2.0mL)溶液を、4MのHClのジオキサン溶液(750mL、3.0mmol)で処理し、室温で4時間撹拌した。混合物を蒸発乾固させ、残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 5〜60%の勾配)により精製すると、標記化合物(12.5mg、0.0081mmol、25%)を白色の固体として得た。
【0415】
N−((1S,3R)−3−(4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド
【化327】
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N−((1S,3R)−3−(4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−4−アミノベンズアミド(12.5mg、0.0293mmol)とDIPEA(0.088mmol)の1:3のNMP/THF(3.0mL)中の冷却した(−60℃)溶液を、54.2mg/mLの(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリドのDCM溶液(0.029mmol)で処理した。生じた混合物を−60℃で1時間撹拌してから、2MのジメチルアミンのTHF溶液(0.176mmol)を加えた。生じた混合物を室温に温めてから、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 5〜70%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(2.0mg、0.0037mmol、13%)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.68(s,1H),10.26(s,1H),8.46(brs,1H),8.24−8.19(s,1H),8.13(d,J=5.4Hz,1H),7.82(d,J=8.8Hz,2H),7.70(d,J=8.8Hz,2H),7.45−7.43(m,1H),7.17(brs,2H),7.00(d,J=5.3Hz,1H),6.93(d,J=7.7Hz,1H),6.78−6.73(dt,1H),6.31−6.26(m,2H),3.97(brs,3H),3.06(d,J=4.5Hz,2H),2.17(s,6H),2.09−1.96(brs,1H),1.93−1.78(m,2H),1.50−1.25(m,4H);MS(m/z):538.71[M+1]
【0416】
実施例28 4−アクリルアミド−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−2−モルホリノベンズアミド(化合物133)
2−モルホリノ−4−ニトロ安息香酸
【化328】
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メチル2−フルオロ−4−ニトロベンゾアート(200mg、1.00mmol)とモルホリン(8.04mmol)のNMP(2.1mL)溶液を、140℃(マイクロ波)で35分間加熱した。冷却した混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、HO(10mL)及びブライン(10ml)で洗浄した。合わせた水層を、1MのHCl水溶液でpH=2に酸性化し、DCM(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を、フェーズカートリッジセパレーター(phase cartridge separator)に通して乾燥させ、蒸発乾固させると、標記化合物をモルホリンとの混合物として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0417】
N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−2−モルホリノ−4−ニトロベンズアミド
【化329】
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実施例1と同様に調製した(1R,3S)−N1−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン(50mg、0.104mmol)と2−モルホリノ−4−ニトロ安息香酸(29mg、0.114mmol)のDMF(5.0mL)溶液を、EtN(0.311mmol)とHBTU(59mg、0.156mmol)で処理した。生じた混合物を室温で一晩撹拌し、EtOAc(20mL)及び飽和NaHCO(10mL)で希釈した。層を分離し、有機層をブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0〜70%の勾配)により精製すると、標記化合物(48mg、0.067mmol、65%)を薄黄色の固体として得た。
【0418】
4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−2−モルホリノベンズアミド
【化330】
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N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−2−モルホリノ−4−ニトロベンズアミド(76mg、0.106mmol)の2:1のMeOH/THF(1mL)中の冷却した(0℃)溶液を、連続的に、NiCl.6HO(12.6mg、0.053mmol)とNaBH(16.1mg、0.425mmol)で処理した。生じた黒色の混合物を、室温で15分間撹拌してから、EtOAc(20mL)及びHO(10mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0〜70%の勾配)により精製すると、標記化合物(26mg、0.038mmol、36%)を薄黄色の固体として得た。
【0419】
4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−2−モルホリノベンズアミド
【化331】
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4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−2−モルホリノベンズアミド(24mg、0.035mmol)のジオキサン(0.35mL)溶液を、2MのNaOH水溶液(0.525mmol)で処理し、室温で一晩撹拌し、60℃で2時間撹拌した。冷却した混合物を濃縮して揮発物を除去し、生じたものをMeTHF(15mL)及びHO(10mL)で希釈した。層を分離し、水層をMeTHF(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させると、標記化合物(19mg、0.0248mmol、71%)を薄黄色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0420】
4−アクリルアミド−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−2−モルホリノベンズアミド
【化332】
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4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)−2−モルホリノベンズアミド(19mg、0.0348mmol)とDIPEA(0.104mmol)の、1:6のNMP/THF(0.8mL)中の冷却した(−60℃)溶液を、アクリロイルクロリド(0.0365mmol)で処理した。生じた混合物を−20℃で一晩撹拌し、次いで、室温に温めてから蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 0〜70%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(11mg、0.018mmol、51%)を薄黄色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.85(s,1H),10.35(s,1H),9.20(s,1H),8.60(bs,1H),8.49(d,J=12.2Hz,1H),8.25(s,1H),7.72(d,J=8.6Hz,1H),7.63(s,1H),7.52−7.46(m,1H),7.43(dd,J=8.5,1.8Hz,1H),7.29(d,J=8.0Hz,1H),7.20(t,J=5.8Hz,2H),6.43(dd,J=16.9,10.1Hz,1H),6.27(dd,J=17.0,1.9Hz,1H),5.78(dd,J=10.1,1.9Hz,1H),4.06(s,1H),3.95(s,2H),3.80−3.53(m,3H),2.87(s,4H),2.02(s,2H),1.83(s,1H),1.60−1.35(m,2H),1.35−1.09(m,2H);MS(m/z):600.34[M+1]
【0421】
実施例29.3−アクリルアミド−N−((トランス)−4−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド(化合物135)
(トランス)−N1−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン
【化333】
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3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(500mg、1.24mmol)と、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン(170mg、1.49mmol)と、DIPEA(1.49mmol)のNMP(15mL)溶液を135℃(マイクロ波)で40分間加熱した。冷却した混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、HO(60mL)、ブライン(60mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/MeOH 5〜30%の勾配)により精製すると、標記化合物(298mg、0.618mmol、50%)を白色の固体として得た。
【0422】
tert−ブチル3−(トランス−4−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート
【化334】
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(トランス)−N1−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン(125mg、0.260mmol)と3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)安息香酸(69mg、0.290mmol)のDMF(2.5mL)溶液を、DIPEA(0.390mmol)とHBTU(148mg、0.390mmol)で処理した。生じた混合物を室温で一晩撹拌し、EtOAc(20mL)及び飽和NaHCO(10mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させると、標記化合物(182mg、0.290mmol、100%)を黄色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0423】
tert−ブチル3−(トランス−4−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート
【化335】
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tert−ブチル3−(トランス−4−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート(182mg、0.290mmol)のジオキサン(3.0mL)溶液を、2MのNaOH水溶液(2.5mL、5.00mmol)で処理し、70℃で1時間撹拌した。冷却した混合物を蒸発乾固させ、残渣をMeTHF(20mL)とHO(10mL)に溶解させた。層を分離し、水層をMeTHF(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させると、標記化合物(163mg、0.290mmol、100%)を黄色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0424】
3−アミノ−N−(トランス−4−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド.HCl
【化336】
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tert−ブチル3−(トランス−4−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート(163mg、0.290mmol)のDCM(3.0mL)溶液を、4MのHClのジオキサン溶液(1.10mL、4.54mmol)で処理し、室温で30分間撹拌した。生じた混合物を蒸発乾固させると、標記化合物(144mg、0.290mmol、100%)を黄色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0425】
3−アクリルアミド−N−((トランス)−4−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド
【化337】
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3−アミノ−N−(トランス−4−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド.HCl(67mg、0.135mmol)とDIPEA(0.54mmol)の3:1のTHF/NMP(4.0mL)中の冷却した(−78℃)溶液を、アクリロイルクロリド(0.1283mmol)で処理し、この温度で30分間撹拌した。生じた混合物を室温に温め、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 0〜60%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(40mg、0.078mmol、58%)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.84(brs,1H),10.30(s,1H),8.63(brs,1H),8.48(s,1H),8.31(brs,1H),8.22(d,1H),8.02(s,1H),7.90(d,J=7.9Hz,1H),7.55(d,J=7.7Hz,1H),7.50(d,J=6.5Hz,1H),7.41(t,J=7.9Hz,1H),7.23−7.19(m,3H),6.45(dd,J=17.0,10.1Hz,1H),6.28(dd,J=17.0,1.9Hz,1H),5.78(dd,J=10.1,1.9Hz,3H),4.06(brs,1H),3.82(brs,2H),2.11−1.91(m,3H),1.56−1.42(m,3H);MS(m/z):515.33[M+1]
【0426】
実施例30.N−(4−((R)−1−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−2,2,2−トリフルオロエチル)フェニル)アクリルアミド(化合物136)
tert−ブチル(1R,3S)−3−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルカルバマート
【化338】
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(1S,3R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸(Tetrahedron:Asymmetry 2010(21),864−866に従って調製)(1.24g、5.09mmol)の冷却した(0℃)THF(34mL)溶液を、2MのBH.MeSのTHF溶液(3.7mL、7.38mmol)で処理し、室温で一晩撹拌した。生じた溶液を1MのHCl水溶液(20mL)で処理し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させると、標記化合物(1.17g、5.09mmol、100%)を無色の油として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0427】
(R)−tert−ブチル3−メチレンシクロヘキシルカルバマート
【化339】
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tert−ブチル(1R,3S)−3−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルカルバマート(200mg、0.87mmol)の冷却した(0℃)トルエン(6mL)溶液を、連続的に、イミダゾール(148mg、2.18mmol)と、PPh(572mg、2.18mmol)と、I(288mg、1.13mmol)で処理した。生じた混合物を室温で一晩撹拌してから、飽和NaHCO溶液(10mL)、5%Na溶液(10mL)、及びDCM(30mL)で希釈した。層を分離し、水層をDCM(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣をトルエン(10mL)に溶解させ、DBU(1.74mmol)で処理し、80℃で一晩加熱した。冷却した混合物を、飽和NHCl溶液(10mL)及びEtOAc(20mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(Hex/EtOAc 5〜30%の勾配)により精製すると、標記化合物(72mg、0.341mmol、39%)を白色の固体として得た。
【0428】
(R)−tert−ブチル3−オキソシクロヘキシルカルバマート
【化340】
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を、(R)−tert−ブチル3−メチレンシクロヘキシルカルバマート(424mg、2.01mmol)の冷却した(−78℃)DCM(40mL)溶液に30分間バブリングし、その時点でPPh(917mg、6.02mmol)を加えた。生じた混合物を室温に温め、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(Hex/EtOAc 0〜60%の勾配)により精製すると、標記化合物(415mg、1.95mmol、97%)を白色の固体として得た。
【0429】
tert−ブチル(1R,3S)−3−((R)−1−(4−ブロモフェニル)−2,2,2トリフルオロエチルアミノ)シクロヘキシルカルバマート
【化341】
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(R)−1−(4−ブロモフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタンアミン.HCl(Org.Lett.2005,7,2,355−358に従って調製)(501mg、1.72mmol)のDCE(16.4mL)溶液を、連続的に、DIPEA(1.81mmol)と、AcOH(0.82mmol)と、(R)−tert−ブチル3−オキソシクロヘキシルカルバマート(350mg、1.64mmol)と、NaBH(OAc)(522mg、2.46mmol)で処理した。生じた混合物を室温で16時間撹拌し、次いで、DCM(20mL)及び飽和NaHCO溶液(10mL)で希釈した。層を分離し、有機層をブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(Hex/EtOAc 5〜50%の勾配)により精製すると、標記化合物(356mg、0.789mmol、48%)を、白色の固体としてのトランス異性体(0.123mg、0.273、17%)と共に、白色の固体として得た。
【0430】
(1S,3R)−N1−((R)−1−(4−ブロモフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン.HCl
【化342】
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tert−ブチル(1R,3S)−3−((R)−1−(4−ブロモフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミノ)シクロヘキシルカルバマート(144mg、0.32mmol)のDCM(0.65mL)溶液を、4MのHClのジオキサン溶液(1.60mL、6.38mmol)で処理し、室温で1時間撹拌した。生じた混合物を蒸発乾固させると、標記化合物(121mg、0.312mmol、98%)をベージュ色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0431】
(1S,3R)−N1−((R)−1−(4−ブロモフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル)−N3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン
【化343】
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3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(155mg、0.380mmol)と、(1S,3R)−N1−((R)−1−(4−ブロモフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン.HCl(126mg、0.325mmol)と、DIPEA(1.15mmol)のNMP(2.6mL)溶液を、145℃(マイクロ波)で90分間加熱した。冷却した混合物をMeTHF(20mL)で希釈し、HO(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(Hex/EtOAc 0〜100%の勾配)により精製すると、標記化合物(141mg、0.196mmol、60%)を薄黄色の泡として得た。
【0432】
tert−ブチル4−((R)−1−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−2,2,2−トリフルオロエチル)フェニルカルバマート
【化344】
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(1S,3R)−N1−((R)−1−(4−ブロモフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル)−N3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン(141mg、0.196mmol)と、t−ブチルカルバマート(28mg、0.24mmol)と、Pd(OAc)(1.3mg、0.01mmol)と、Xphos(8.4mg、0.02mmol)と、CsCO(90mg、0.27mmol)の脱気したジオキサン(2.0mL)溶液を、90℃で12時間加熱した。冷却した混合物をセライト(登録商標)で濾過し(EtOAc)、濾液を蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(Hex/EtOAc 0〜100%の勾配)により精製すると、標記化合物(未知の不純物との混合物として191mg)を薄黄色の泡として得た。
【0433】
(1S,3R)−N1−((R)−1−(4−アミノフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル)−N3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン
【化345】
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tert−ブチル4−((R)−1−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−2,2,2−トリフルオロエチル)フェニルカルバマート(未知の不純物との混合物として191mg)のDCM(0.4mL)溶液を、4MのHClのジオキサン溶液(2.94mmol)で処理し、室温で30分間撹拌した。生じた混合物を蒸発乾固させ、ジオキサン(1.3mL)に懸濁させ、5MのNaOH水溶液(2.94mmol)で処理した。生じた混合物を室温で5時間撹拌し、MeTHF(20mL)及びHO(10mL)で希釈した。層を分離し、水層をMeTHF(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/THF 0〜50%の勾配)により精製すると、標記化合物(59mg、0.115mmol、2工程で58%)を薄黄色の固体として得た。
【0434】
N−(4−((R)−1−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−2,2,2−トリフルオロエチル)フェニル)アクリルアミド
【化346】
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(1S,3R)−N1−((R)−1−(4−アミノフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル)−N3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン(59mg、0.114mmol)とDIPEA(0.341mmol)の3:1のTHF/NMP(2.0mL)中の冷却した(−78℃)溶液を、アクリロイルクロリド(0.116mmol)で処理し、この温度で60分間撹拌した。生じた混合物を室温に温め、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 0〜60%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(21.8mg、0.038mmol、34%)を黄色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.81(s,1H),10.20(s,1H),8.69(br s,1H),8.45(d,J=3.0Hz,1H),8.44−8.36(m,1H),8.22(s,1H),7.65(d,J=7.4Hz,2H),7.47(d,J=8.2Hz,2H),7.46−7.41(m,1H),7.28−7.20(m,1H),7.20−7.11(m,1H),7.02−6.86(m,1H),6.44(dd,J=17.0,10.1Hz,1H),6.26(dd,J=17.0,1.9Hz,1H),5.76(dd,J=10.1,1.9Hz,1H),4.54−4.41(m,1H),3.87−3.72(m,1H),3.72−3.56(m,1H),2.64(dd,J=5.8,4.0Hz,1H),2.30−2.19(m,1H),1.83−1.74(m,1H),1.73−1.64(m,1H),1.27−1.12(m,3H),1.01(dd,J=21.6,10.5Hz,1H);MS(m/z):569.55[M+1]
【0435】
実施例31 4−アクリルアミド−N−((1S,3R)−3−(5−フルオロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド(化合物137)
3−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール
【化347】
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2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(500mg、2.99mmol)と、1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イルボロン酸(947mg g、3.14mmol)と、CsCO(1.95g、5.99mmol)と、Pd(PPh(346mg、0.30mmol)の2:1のジオキサン/HO(30ml)中の脱気した溶液を、100℃で一晩加熱した。冷却した混合物をEtOAc(50mL)及び飽和NaHCO(20mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM)により精製すると、標記化合物(599mg、1.55mmol、52%)を薄橙色の油として得た。
【0436】
tert−ブチル(1S,3R)−3−(5−フルオロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバマート
【化348】
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3−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(250mg、0.64mmol)と、実施例1と同様に調製したtert−ブチル(1S,3R)−3−アミノシクロヘキシルカルバマート(138mg、0.64mmol)と、DIPEA(1.93mmol)のNMP(4.3mL)溶液を、140℃(マイクロ波)で60分間加熱した。冷却した混合物をMeTHF(30mL)で希釈し、HO(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0〜30%の勾配)により精製すると、標記化合物(76mg、0.134mmol、21%)を薄黄色の固体として得た。
【0437】
(1R,3S)−N1−(5−フルオロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン.HCl
【化349】
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tert−ブチル(1S,3R)−3−(5−フルオロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバマート(76mg、0.134mmol)のジオキサン(0.3mL)溶液を、4MのHClのジオキサン溶液(1.34mmol)で処理し、室温で1時間撹拌した。生じた混合物を蒸発乾固させると、標記化合物(64mg、0.127mmol、95%)を白色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0438】
tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(5−フルオロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート
【化350】
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(1R,3S)−N1−(5−フルオロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン.HCl(64mg、0.127mmol)と4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)安息香酸(27mg、0.130mmol)のDMF(0.85mL)溶液を、DIPEA(0.51mmol)とHBTU(97mg、0.256mmol)で処理した。生じた混合物を室温で一晩撹拌し、EtOAc(20mL)及び飽和NaHCO(10mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0〜100%の勾配)により精製すると、標記化合物(87mg、0.127mmol、100%)を薄黄色の固体として得た。
【0439】
tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(5−フルオロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート
【化351】
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tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(5−フルオロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート(87mg、0.127mmol)のジオキサン(0.85ml)溶液を、5MのNaOH水溶液(1.91mmol)で処理し、65℃で5時間加熱した。冷却した混合物を蒸発乾固させ、残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/THF 0〜50%の勾配)により精製すると、標記化合物(59mg、0.108mmol、85%)を薄黄色の固体として得た。
【0440】
4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−フルオロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド.HCl
【化352】
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tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(5−フルオロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート(59mg、0.108mmol)のジオキサン溶液を、4MのHClのジオキサン溶液(1.62mmol)で処理し、室温で一晩撹拌した。生じた混合物を蒸発乾固させると、標記化合物(52mg、0.108mmol、100%)を白色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0441】
4−アクリルアミド−N−((1S,3R)−3−(5−フルオロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド
【化353】
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4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−フルオロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド.HCl(52mg、0.108mmol)とDIPEA(0.324mmol)の5:2のTHF/NMP(2.1mL)中の冷却した(−78℃)溶液を、アクリロイルクロリド(0.110mmol)で処理し、この温度で90分間撹拌した。生じた混合物を室温に温め、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 0〜70%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(24.3mg、0.049mmol、45%)を薄黄色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.78(d,J=2.4Hz,1H),10.27(s,1H),8.63(br s,1H),8.19−8.13(m,2H),8.03(t,J=3.0Hz,1H),7.76(d,J=8.8Hz,2H),7.65(d,J=8.8Hz,2H),7.45−7.39(m,1H),7.15(dd,J=6.1,3.0Hz,2H),6.97(d,J=7.8Hz,1H),6.37(dd,J=17.0,10.1Hz,1H),6.21(dd,J=17.0,1.9Hz,1H),5.72(dd,J=10.1,1.9Hz,1H),3.99−3.85(m,1H),3.85−3.72(m,1H),2.23−2.13(m,1H),2.00−1.90(m,1H),1.85−1.72(m,2H),1.45−1.29(m,2H),1.30−1.12(m,2H);MS(m/z):499.58[M+1]
【0442】
実施例32 4−アクリルアミド−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド(化合物138)
tert−ブチル(1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバマート
【化354】
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3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン(J.Med.Chem,2013,56(17),7025−7048に従って調製)(223mg、0.84mmol)と、実施例1と同様に調製したtert−ブチル(1S,3R)−3−アミノシクロヘキシルカルバマート(200mg、0.933mmol)と、DIPEA(0.980mmol)のNMP(7.8mL)溶液を、135℃(マイクロ波)で30分間加熱した。冷却した混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、HO(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/MeOH 0〜12%の勾配)により精製すると、標記化合物(280mg、0.632mmol、68%)を橙色の泡として得た。
【0443】
(1R,3S)−N1−(5−クロロ−4−(ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン.HCl
【化355】
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tert−ブチル(1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバマート(280mg、0.632mmol)のDCM(4.1mL)溶液を、4MのHClのジオキサン溶液(2.04mL、8.165mmol)で処理し、室温で5時間撹拌した。混合物をEtOAc(5mL)及びHO(5mL)で希釈し、形成した沈殿物を濾過し、EtOAcで洗浄すると、標記化合物(142mg、0.415mmol、66%)を白色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0444】
tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート
【化356】
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(1R,3S)−N1−(5−クロロ−4−(ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン.HCl(140mg、0.408mmol)と4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)安息香酸(116mg、0.49mmol)のDMF(4.1mL)溶液を、DIPEA(1.63mmol)とHBTU(232mg、0.613mmol)で処理した。生じた混合物を室温で一晩撹拌し、EtOAc(30mL)及び飽和NaHCO(10mL)で希釈した。層を分離し、有機層をブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(Hex/EtOAc 0〜100%の勾配)により精製すると、標記化合物(229mg、0.408mmol、100%)を、橙色の油として得た。
【0445】
4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド.HCl
【化357】
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tert−ブチル4−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート(229mg、0.408mmol)のDCM(1.0mL)溶液を、4MのHClのジオキサン溶液(2.0mL、8.0mmol)で処理し、室温で1時間撹拌した。生じた混合物を蒸発乾固させ、残渣をEtOAc中でトリチュレートした。固体を濾過し、EtOAcで洗浄すると、標記化合物(28mg、0.061mmol、15%)をベージュ色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0446】
4−アクリルアミド−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド
【化358】
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4−アミノ−N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド.HCl(28mg、0.0606mmol)とDIPEA(0.303mmol)の5:2のTHF/NMP(2.5mL)中の冷却した(−78℃)溶液を、アクリロイルクロリド(0.0636mmol)で処理し、この温度で2時間撹拌した。生じた混合物を室温に温め、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 0〜65%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(3.4mg、0.007mmol、11%)を薄黄色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 10.34(s,1H),8.93(s,1H),8.86(d,J=6.9Hz,1H),8.66−8.57(m,1H),8.50−8.42(m,1H),8.31(s,1H),8.23(d,J=9.5Hz,1H),7.82(d,J=8.8Hz,2H),7.72(d,J=8.8Hz,2H),7.70−7.48(m,1H),7.44(d,J=7.8Hz,1H),7.16(t,J=6.8Hz,1H),6.44(dd,J=17.0,10.1Hz,1H),6.28(dd,J=17.0,1.9Hz,1H),5.78(dd,J=10.1,1.9Hz,1H),4.10−3.94(m,1H),3.90−3.80(m,2H),2.25−2.01(m,1H),2.00−1.90(m,1H),1.87−1.80(m,2H),1.45−1.39(m,2H),1.38−1.20(m,2H);MS(m/z):516.61[M+1]
【0447】
実施例33.4−アクリルアミド−N−((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(1H−インダゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド(化合物151)
3−ヨード−1H−インダゾール
【化359】
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1H−インダゾール(5g、42.32mmol)とNaOH(3.4g、84.6mmol)のDMF(50mL)中の混合物に、I(16.1g、63.4mmol)を一度に25℃で加え、混合物を6時間撹拌した。混合物を濃縮し、水(150mL,)で希釈し、EA(100mL×3)で抽出し、合わせた有機相を飽和ブライン(200mL×2)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物(8g、77.5%)を白色の固体として得た。
【0448】
tert−ブチル3−ヨード−1H−インダゾール−1−カルボキシラート
【化360】
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3−ヨード−1H−インダゾール(8g、32.7mmol)とBocO(8.6g、39.2mmol)のMeCN(100mL)中の混合物に、NaOH(2.0g、49.1mmol)を25℃で加え、混合物を12時間撹拌した。混合物を水(150mL)に注ぎ、EA(50mL×2)で抽出し、合わせた有機相を、飽和ブライン(200mL×2)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物(11.2g、97.5%)を白色の固体として得た。MS(m/z):477.2[M+1]
【化361】
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【0449】
tert−ブチル3−(トリメチルスタンニル)−1H−インダゾール−1−カルボキシラート
tert−ブチル3−ヨードインダゾール−1−カルボキシラート(4.0g、11.6mmol)と、SnMe(5.7g、17.4mmol)と、Pd(PPh(1.3g、1.2mmol)のトルエン(20mL)中の混合物を、110℃に加熱し、12時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮すると、標記化合物(4.43g、粗製)を与え、それを次の工程に直接使用した。MS(m/z):327.0[M+1]
【0450】
tert−ブチル3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1H−インダゾール−1−カルボキシラート
【化362】
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tert−ブチル3−トリメチルスタンニルインダゾール−1−カルボキシラート(5.0g、13.1mmol)と、2,4,5−トリクロロピリミジン(2.4g、13.1mmol)と、Pd(PPh(1.5g、1.3mmol)のトルエン(100mL)中の混合物を、110℃に加熱し、12時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物(1.5g、2工程で31.3%)を与えた。
【0451】
ベンジル((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(1H−インダゾール3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバマート
【化363】
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tert−ブチル3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)インダゾール−1−カルボキシラート(1g、2.74mmol)と、ベンジルN−[(1S,3R)−3−アミノシクロヘキシル]カルバマート(0.816g、3.3mmol)と、DIPEA(2.1g、16.2mmol)のNMP(20mL)中の混合物を、マイクロ波により135℃で45分間撹拌した。混合物を水(20mL)に注ぎ、酢酸エチル(20mL×2)で抽出し、合わせた有機相を飽和ブライン(20mL×3)で抽出し、無水NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製すると、標記化合物(0.75g、57.3%)を黄色の固体として得た。MS(m/z):477.2[M+1]
【0452】
5−クロロ−N−((1R,3S)−3−(ピペラジン−1−イル)シクロヘキシル)−4−(ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−アミン
【化364】
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ベンジルN−[(1S,3R)−3−[[5−クロロ−4−(1H−インダゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ]シクロヘキシル]カルバマート(0.7g、1.5mmol)のDCM(10mL)中の混合物に、TMSI(1.47g、7.3mmol)を25℃で加え、混合物を12時間撹拌した。混合物を水(20mL)に注ぎ、酢酸エチル(10mL×2)で抽出し、水相を真空下で濃縮すると、標記化合物(0.32g、粗製)を与えた。
【0453】
tert−ブチル(4−(((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(1H−インダゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバモイル)フェニル)カルバマート
【化365】
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(1R,3S)−N1−[5−クロロ−4−(1H−インダゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル]シクロヘキサン−1,3−ジアミン(300mg、0.9mmol)と4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)安息香酸(249.1mg、1.1mmol)のDMF(10mL)中の混合物に、HATU(499.1mg、1.3mmol)とDIPEA(226.2mg、1.8mmol)を30℃で加え、混合物を12時間撹拌した。混合物を水(50mL)に注ぎ、EA(20mL×2)で抽出し、合わせた有機相を飽和ブライン(50mL×2)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物(200mg、2工程で25.8%)を与えた。MS(m/z):562.1[M+1]
【0454】
4−アミノ−N−((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(1H−インダゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド
【化366】
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tert−ブチルN−[4−[[(1S,3R)−3−[[5−クロロ−4−(1H−インダゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ]シクロヘキシル]カルバモイル]フェニル]カルバマート(200mg、0.35mmol)のHCl/MeOH(20mL)中の混合物を、25℃で2時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮すると、標記化合物(150mg、粗製)を与えた。MS(m/z):462.2[M+1]
【0455】
4−アクリルアミド−N−((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(1H−インダゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド
【化367】
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4−アミノ−N−[(1S,3R)−3−[[5−クロロ−4−(1H−インダゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ]シクロヘキシル]ベンズアミド(150.0mg、0.32mmol)とEtN(65.7mg、0.65mmol)のDMF(5mL)中の混合物に、アクリロイルクロリド(44.1mg、0.49mmol)を25℃で加え、混合物を2時間撹拌した。混合物をMeOH(2mL)に加え、蒸発させ、残渣を分取HPLCにより精製すると、標記化合物(10mg、2工程で5.4%)を黄色の固体として得た。H NMR:(MeOD−d,400MHz)δ 8.49(d,J=8.38Hz,1H),8.44(s,1H),7.78−7.84(m,2H),7.71−7.77(m,2H),7.67(d,J=8.38Hz,1H),7.50(t,J=7.50Hz,1H),7.40(t,J=7.50Hz,1H),6.34−6.49(m,2H),5.79(dd,J=9.48,2.43Hz,1H),4.10(br.s.,2H),2.46(d,J=11.03Hz,1H),2.18(d,J=10.58Hz,1H),1.94−2.10(m,2H),1.52−1.68(m,2H),1.33−1.51(m,2H).MS(m/z):516.2[M+1]
【0456】
実施例34.N−((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物154)
3−ヨード−2−メチル−1H−インドール
【化368】
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2−メチル−1H−インドール(20g、152.47mmol)とKOH(21.39g、381.18mmol)のDMF(200mL)中の混合物に、I(38.7g、152.47mmol)を30℃で加え、混合物を12時間撹拌した。混合物を水に注ぎ、EAで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をカラム(PE:EA=15:1)により精製すると、標記化合物(25g、63.8%)を与えた。
【0457】
3−ヨード−2−メチル−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール
【化369】
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3−ヨード−2−メチル−1H−インドール(25g、97.25mmol)のDMF(320mL)溶液に、NaH(4.67g、116.70mmol)を0℃で加え、混合物を30℃で1時間撹拌した。次いで、ベンゼンスルホニルクロリド(18.04g、102.11mmol)を加え、混合物を30℃で8時間撹拌した。混合物を水に注ぎ、EAで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をカラム(PE:EA=20:1)により精製すると、標記化合物(28g、72.8%)を与えた。
【0458】
3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−2−メチル−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール
【化370】
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3−ヨード−2−メチル−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(20g、50.35mmol)のTHF(400mL)溶液に、i−PrMgCl・LiCl(14.63g、100.70mmol)を−78℃で加え、混合物をN下で1時間撹拌した。次いで、2,5−ジクロロピリミジン(15g、100.70mmol)を−78℃で加え、反応物を30℃で3時間撹拌し、その時点でTHF(10mL)中のHO(115.80mmol)を0℃で加えた。最後に、DDQ(22.86g、100.70mmol)を加え、最終混合物を30℃で6時間撹拌した。混合物を濃縮し、水で希釈し、EAで抽出し、有機層を濃縮した。残渣をカラム(PE:EA=10:1)により精製すると、標記化合物(6g、28.5%)を与えた。
【0459】
ベンジル((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(2−メチル−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバマート
【化371】
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3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−2−メチル−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(5.0g、11.95mmol)と、ベンジル((1S,3R)−3−アミノシクロヘキシル)カルバマート(3.4g、11.95mmol)と、DIEA(5.41g、41.83mmol)の、DMF(30mL)とEtOH(30mL)中の混合物を、120℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をカラム(PE:EA=4:1)により精製すると、標記化合物(5.1g、67.7%)を与えた。
【0460】
(1R,3S)−N1−(5−クロロ−4−(2−メチル−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン
【化372】
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ベンジル((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(2−メチル−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバマート(5.0g、7.93mmol)とPd/C(0.80g)のMeOH(100mL)中の混合物を、25℃で24時間H下(40psi)で撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮すると、標記化合物(2.7g、粗製)を与えた。
【0461】
tert−ブチル(4−(((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(2−メチル−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバモイル)フェニル)カルバマート
【化373】
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(1R,3S)−N1−(5−クロロ−4−(2−メチル−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミントリフルオロメタンスルホナート(1.5g、3.02mmol)と、4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)安息香酸(0.72g、3.02mol)と、HATU(1.21g、3.18mmol)と、DIEA(0.47g、3.63mmol)のDMF(30mL)中の混合物を、30℃で6時間撹拌した。反応溶液を水に注ぎ、EAで抽出し、有機層を乾燥させ、濃縮すると、標記化合物(2.0g、粗製)を与えた。
【0462】
tert−ブチル(4−(((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバモイル)フェニル)カルバマート
【化374】
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tert−ブチル(4−(((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(2−メチル−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバモイル)フェニル)カルバマート(1.8g、2.52mmol)と、KCO(6.97g、0.44mmol)と、モルホリン(0.44g、5.04mmol)のEtOH(50mL)中の混合物を、70℃で12時間撹拌した。混合物を濾過し、濃縮した。残渣を分取HPLC(酸性条件)により精製すると、標記化合物(0.63g、43.6%)を与えた。
【0463】
4−アミノ−N−((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド
【化375】
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tert−ブチル(4−(((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバモイル)フェニル)カルバマート(700mg、1.22mmol)のEA(5mL)溶液に、HCl/EA(25mL)の溶液を加え、混合物を30℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮すると、標記化合物(500mg、80.1%)を与えた。
【0464】
N−((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド
【化376】
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(E)−4−ブロモブタ−2−エン酸(28mg、0.168mmol)のDCM(2mL)溶液に、オキサリルジクロリド(22.45mg、0.176mmol)と一滴のDMFを0℃で加えた。混合物を30℃で1時間撹拌し、次いで、4−アミノ−N−((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド塩酸塩(80mg、168.43mmol)とDIEA(174.14mg、1.35mmol)のDCM(2mL)とTHF(2mL)中の溶液に30℃で加え、混合物を2時間撹拌した。ジメチルアミン(7.59mg、168.43μmol)を加え、混合物を30℃で3時間撹拌し、その後混合物を濃縮し、残渣を分取HPLC(中性条件)により精製すると、標記化合物(15mg、13.1%)を与えた。H NMR(DMSO,400MHz)δ 8.34(s,1H),8.17(d,J=8.0Hz,1H),7.82(d,J=8.0Hz,2H),7.75(d,J=8.8Hz,2H),7.41(d,J=8.0Hz,2H),7.35−7.31(m,2H),7.07−7.05(m,2H),6.77−6.74(m,1H),6.28(d,J=16.4Hz,1H),3.82(br,2H),3.06(d,J=4.8Hz,1H),2.45(s,3H),2.18(s.,6H),1.93−1.91(m,1H),1.79(br,2H),1.39−1.27(m,7H).MS(m/z):586.3[M+1]
【0465】
実施例35.4−アクリルアミド−N−((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド(化合物153)
【化377】
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4−アミノ−N−((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド(200mg、0.42mmol)とTEA(340.8mg、0.42mmol)のDCM(7mL)中の混合物に、アクリロイルクロリド(38.1mg、0.42mmol)のDCM(3mL)溶液を0℃で加え、混合物を30℃で3時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣を分取HPLC(中性条件)により精製すると、標記化合物(32mg、14.3%)を白色の固体として得た。H NMR(DMSO−d,400MHz)δ 11.46(br,1H),10.34(s,1H),8.35(s,1H),8.19(d,J=8Hz,1H),7.83(d,J=8Hz,1H),7.73(d,J=8Hz,1H),7.42−7.32(m,3H),7.06−7.01(m,2H),6.45−6.42(m,1H),6.29(d,J=16Hz,1H),5.79(d,J=9.2Hz,1H),3.82(br.s.,3H),2.46(s,3H),2.15(d,J=8.4Hz,1H),1.93(d,J=8.4Hz,1H),1.80(br.s.,2H),1.41−1.26(m,4H).MS(m/z):529.2[M+1]
【0466】
実施例36.N−(3−((((1R,4R)−4−((5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)オキシ)メチル)フェニル)アクリルアミド(化合物155)
2−((1R,4R)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)イソインドリン−1,3−ジオン
【化378】
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イソベンゾフラン−1,3−ジオン(25.0g、168mmol)のDMF(160mL)とトルエン(160mL)中の25℃の溶液に、(1R,4R)−4−アミノシクロヘキサノール(19.4g、168mmol)を加えた。反応物を130℃に加熱し、12時間撹拌した。反応物をHO(200mL)で希釈し、混合物を濾過し、フィルターケーキを乾燥させ、圧力下で蒸発させると、標記化合物(30.0g、72.5%)を与えた。
【0467】
3−ニトロベンジル2,2,2−トリクロロアセトイミダート
【化379】
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(3−ニトロフェニル)メタノール(12.0g、78.4mmol)とDBU(2.4g、15.7mmol)のDCM(200mL)溶液に、3,3,3−トリクロロプロパンニトリル(18.6g、117.5mmol)を0℃で加えた。混合物を25℃で12時間撹拌し、その後反応物を真空中で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EA=20:1)により精製すると、標記化合物(20.0g、85.8%)を与えた。
【0468】
2−((1R,4R)−4−((3−ニトロベンジル)オキシ)シクロヘキシル)イソインドリン−1,3−ジオン
【化380】
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2−((1R,4R)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)イソインドリン−1,3−ジオン(20.0g、81.5mmol)と3−ニトロベンジル2,2,2−トリクロロアセトイミダート(36.4g、122.3mmol)のDCM(200mL)溶液に、CFSOH(271.8mg、1.2mmol)を25℃で加えた。2時間後、反応物をNaHCO溶液(100mL)でクエンチし、水性液をDCM(50mL×4)で抽出した。有機相をNaSOで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EA=10:1)により精製すると、標記化合物(8.0g、25.8%)を与えた。
【0469】
(1R,4R)−4−((3−ニトロベンジル)オキシ)シクロヘキサンアミン
【化381】
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2−((1R,4R)−4−((3−ニトロベンジル)オキシ)シクロヘキシル)イソインドリン−1,3−ジオン(8.0g、21mmol)をEtOH(100mL)に溶かし、次いでN(1.35g、42mmol)を加えた。生じた混合物を80℃で12時間加熱した。次いで、混合物を濾過し、濾液を濃縮し、分取HPLC(TFA条件)により精製すると、標記化合物(0.3g、5.7%)を与えた。MS(m/z):251.3[M+1]
【0470】
5−クロロ−N−((1R,4R)−4−((3−ニトロベンジル)オキシ)シクロヘキシル)−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミン
【化382】
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3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(250mg、0.62mmol)と(1R,4R)−4−((3−ニトロベンジル)オキシ)シクロヘキサンアミン(154.8mg、0.62mmol)のEtOH(10mL)とDMF(10mL)中の溶液に、DIPEA(0.4mg、3.09mmol)を加えた。反応物を25℃で10分間撹拌し、次いで、120℃に加熱し、12時間撹拌した。反応物を濃縮し、HO(20mL)で希釈し、DCM(20mL×3)で抽出した。有機液を濃縮し、残渣をカラム(PE/EA=5:1)により精製すると、標記化合物(180mg、47.1%)を与えた。
【0471】
N−((1R,4R)−4−((3−アミノベンジル)オキシ)シクロヘキシル)−5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミン
【化383】
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5−クロロ−N−((1R,4R)−4−((3−ニトロベンジル)オキシ)シクロヘキシル)−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミン(200mg、0.32mmol)のEtOH(5mL)とHO(5mL)中の溶液に、Fe(90.4mg、1.60mmol)及びNHCl(17.3mg、0.32mmol)を加えた。反応物を60℃に加熱し、12時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮すると、標記化合物(150mg、粗製)を黄色の固体として得た。MS(m/z):588[M+1]
【0472】
N−((1R,4R)−4−((3−アミノベンジル)オキシ)シクロヘキシル)−5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミン
【化384】
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N−((1R,4R)−4−((3−アミノベンジル)オキシ)シクロヘキシル)−5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミン(150mg、0.25mmol)のMeOH(5mL)溶液に、KCO(105.7mg、0.76mmol)を加えた。混合物を25℃で12時間撹拌した。反応物を濃縮し、次いで残渣をHO(20mL)で希釈し、DCM(20mL×3)で抽出し、有機液を乾燥させ、濾過し、濃縮すると、標記化合物(120mg、粗製)を薄黄色の固体として得た。MS(m/z):448[M+1]
【0473】
N−(3−((((1R,4R)−4−((5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)オキシ)メチル)フェニル)アクリルアミド
【化385】
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N−((1R,4R)−4−((3−アミノベンジル)オキシ)シクロヘキシル)−5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミン(80mg、0.18mmol)とTEA(54.2mg、0.54mmol)のDCM(5mL)溶液に、アクリロイルクロリド(24.5mg、0.27mmol)を0℃で加え、反応物を25℃で2時間撹拌した。反応物をNHCl溶液(50mL)で希釈し、DCM(20mL×3)で抽出し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣を分取HPLC(中性(netutral)条件)により精製すると、標記化合物(13mg、14.5%)を薄黄色の固体として得た。H NMR:(MeOD,400MHz)δ 8.64(d,J=7.94Hz,1H),8.48(s,1H),8.14(s,1H),7.69(s,1H),7.59(d,J=7.94Hz,1H),7.46(d,J=7.94Hz,1H),7.32(t,J=7.94Hz,1H),7.07−7.29(m,3H),6.32−6.51(m,2H),5.77(dd,J=9.70,2.21Hz,1H),4.60(s,4H),3.94(br.s.,1H),3.48(d,J=10.14Hz,1H),2.21(d,J=9.26Hz,2H),1.27−1.59(m,4H).MS(m/z):502[M+1]
【0474】
実施例37.N−(4−((((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(1H−インダゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)メチル)フェニル)アクリルアミド(化合物162)
(1R,3S)−N1−(5−クロロ−4−(1H−インダゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)−N3−(4−ニトロベンジル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン
【化386】
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(1R,3S)−N1−(5−クロロ−4−(1H−インダゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン(500mg、1.3mmol)と、4−ニトロベンズアルデヒド(294mg、1.9mmol)のDMF(10mL)とAcOH(0.5mL)中の混合物を、30℃で12時間撹拌した。次いで、NaBHCN(163mg、2.6mmol)を加え、混合物を30℃で2時間撹拌した。混合物を水(100mL)に注ぎ、EA(50mL×3)で抽出し、有機層を濃縮した。残渣を分取HPLC(TFA条件)により直接精製すると、標記化合物(200mg、31.7%)を与えた。MS(m/z):478.2[M+1]
【0475】
tert−ベンジル((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(1H−インドール−4−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバマート
【化387】
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(1R,3S)−N1−(5−クロロ−4−(1H−インダゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)−N3−(4−ニトロベンジル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン(200mg、0.42mmol)と(Boc)O(137mg、0.63mmol)のCHCl(20mL)中の混合物に、DIPEA(108mg、0.84mmol)をN下で加えた。混合物を80℃に加熱し、12時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC(TFA条件)により精製すると、標記化合物(180mg、74.4%)を与えた。MS(m/z):578.2[M+1]
【0476】
tert−ブチル4−アミノベンジル((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(1H−インダゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバマート
【化388】
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tert−ブチル((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(1H−インダゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)(4−ニトロベンジル)カルバマート(400mg、0.7mmol)とNHCl(74mg、1.4mmol)のEtOH(10mL)とHO(1mL)中の混合物に、Fe(193mg、3.5mmol)を25℃で加えた。混合物を80℃に加熱し、12時間撹拌した。混合物を水(20mL)に注ぎ、EA(10mL×2)で抽出し、有機層を真空中で濃縮し、フラッシュカラムにより精製すると、標記化合物(230mg、60.6%)を茶色の固体として得た。
【0477】
tert−ブチル4−アクリルアミドベンジル((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(1H−インダゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバマート
【化389】
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tert−ブチル4−アミノベンジル((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(1H−インダゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバマート(200mg、0.36mmol)とDIPEA(47.2g、0.36mmol)のDCM(10mL)中の混合物に、アクリロイルクロリド(29.7mg、0.32mmol)を30℃でN下で加え、混合物を2時間撹拌した。混合物を水(20mL)に注ぎ、DCM(10mL×2)で抽出し、有機層を濃縮すると、標記化合物(200mg、粗製)を与え、それを次の工程で直接使用した。
【0478】
N−(4−((((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(1H−インダゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)メチル)フェニル)アクリルアミド
【化390】
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tert−ブチル4−アクリルアミドベンジル((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(1H−インダゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバマート(150mg、0.32mmol)のDCM(10mL)とTFA(0.5mL)中の混合物を30℃で12時間N下で撹拌した。混合物を濃縮し、残渣を分取HPLC(HCl条件)により精製すると、化合物162(50mg、29.9%)を与えた。H NMR:(MeOH,400MHz)δ 8.50(br.s.,1H),8.32(d,J=8.38Hz,1H),7.72(d,J=8.38Hz,2H),7.64(d,J=7.94Hz,1H),7.51(br.s.,1H),7.44(d,J=8.38Hz,2H),7.30(t,J=7.28Hz,1H),6.34−6.48(m,2H),5.79(dd,J=9.48,2.43Hz,1H),4.21(s,2H),4.06(br.s.,2H),2.67(d,J=9.70Hz,1H),2.28(d,J=11.03Hz,1H),2.18(d,J=7.94Hz,1H),2.06(d,J=12.79Hz,1H),1.36−1.65(m,4H).MS(m/z):502.3[M+1]
【0479】
実施例38.(+/−)−N−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−1−メチルシクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物175)
tert−ブチル(1R,3S)−3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルシクロヘキシルカルバマート
【化391】
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国際公開第2010/148197号パンフレットの通り調製した(1S,3R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸(100mg、0.389mmol)のトルエン(1.5mL)溶液をEtN(0.43mmol)とDPPA(0.39mmol)で処理し、110℃で1時間加熱した。混合物を80℃に冷却し、ベンジルアルコール(0.41mmol)とEtN(0.43mmol)で処理した。生じた混合物を80℃で20時間加熱した。次いで、冷却した混合物をEtOAc(20mL)及びHO(10mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機液層をブライン(10mL)で洗浄し、濾過し、蒸発乾固させた。残渣をSiOクロマトグラフィー(Hex/EtOAc 0〜50%の勾配)により精製すると、標記化合物(59mg、0.180mmol、46%)を無色の油として得た。
【0480】
(+/−)−ベンジル−3−アミノ−1−メチルシクロヘキシルカルバマート.HCl
【化392】
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tert−ブチル(1R,3S)−3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルシクロヘキシルカルバマート(45mg、0.124mmol)のDCM(0.6mL)溶液を、4MのHClのジオキサン溶液(2.48mmol)で処理し、室温で1時間撹拌した。混合物を蒸発乾固させると、標記化合物(37mg、0.124mmol、100%)を白色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程で使用した。
【0481】
(+/−)−ベンジル−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−1−メチルシクロヘキシルカルバマート
【化393】
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3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(63mg、0.155mmol)と、(+/−)−ベンジル−3−アミノ−1−メチルシクロヘキシルカルバマート.HCl(37mg、0.124mmol)と、DIPEA(0.254mmol)のNMP(0.5mL)溶液を、135℃(マイクロ波)で25分間加熱した。冷却した混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、HO(5mL)、ブライン(5mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0〜30%の勾配)により精製すると、標記化合物(52mg、0.083mmol、66%)を黄色い泡として得た。
【0482】
(+/−)−N1−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)−3−メチルシクロヘキサン−1,3−ジアミン
【化394】
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(+/−)−ベンジル−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−1−メチルシクロヘキシルカルバマート(51mg、0.081mmol)の冷却した(−78℃)DCM(0.32mL)溶液を、1MのBBrのDCM溶液(0.097mmol)で処理し、ゆっくりと室温に温めた。MeOH(1ML)を混合物に加え、生じた溶液を室温で1時間撹拌した。生じた混合物を蒸発乾固させると、標記化合物(40mg、0.081mmol、100%)を黄色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0483】
(+/−)−tert−ブチル4−(3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−1−メチルシクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート
【化395】
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(+/−)−ベンジル−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−1−メチルシクロヘキシルカルバマート(40mg、0.81mmol)と4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)安息香酸(23mg、0.97mmol)のDMF(0.4mL)溶液を、HBTU(46mg、0.121mmol)とEtN(0.242mmol)で処理した。生じた混合物を室温で一晩撹拌し、EtOAc(10mL)及び飽和NaHCO(10mL)で希釈した。層を分離し、水層をAtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/EtOAc 0〜100%の勾配)により精製すると、標記化合物(48mg、0.067mmol、83%)をベージュ色の固体として得た。
【0484】
(+/−)−tert−ブチル4−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−1−メチルシクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート
【化396】
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(+/−)−tert−ブチル4−(3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−1−メチルシクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート(45mg、0.063mmol)のジオキサン(0.6mL)溶液を、2MのNaOH水溶液(0.944mmol)で処理し、60℃で1時間加熱した。冷却した混合物をMeTHF(20mL)及びHO(10mL)で希釈した。層を分離し、水層をMeTHF(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させると、標記化合物(36mg、0.063mmol、100%)を黄色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0485】
(+/−)−4−アミノ−N−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−1−メチルシクロヘキシル)ベンズアミド
【化397】
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(+/−)−tert−ブチル4−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−1−メチルシクロヘキシルカルバモイル)フェニルカルバマート(36mg、0.063mmol)のDCM溶液を、4MのHClのジオキサン溶液(0.939mmol)で処理し、室温で一晩撹拌した。生じた混合物をMeTHF(10mL)及び飽和NaHCO(5mL)で希釈した。層を分離し、水層をMeTHF(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させると、標記化合物(30mg、0.063mmol、100%)を薄黄色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0486】
(+/−)−N−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−1−メチルシクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド
【化398】
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(+/−)−4−アミノ−N−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−1−メチルシクロヘキシル)ベンズアミド(29mg、0.0611mmol)とDIPEA(0.183mmol)の冷却した(−60℃)THF(0.4mL)溶液を、54.2mg/mLの(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリドのDCM溶液(0.055mmol)で処理した。生じた混合物を−60℃で2時間撹拌してから2MのジメチルアミンのTHF溶液(0.244mmol)を加えた。生じた混合物を室温に温め、この温度で45分間撹拌してから蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 0〜60%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(15mg、0.026mmol、41%)を白色の固体として得た。
【0487】
実施例39.N−((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−1−メチルシクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物176)
【化399】
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(+/−)−N−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−1−メチルシクロヘキシル)−4−((E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(12mg、0.020mmol)の両エナンチオマーを、分取キラルHPLC(ChiralPak IB、5μm、20×250mm;Hex/MeOH/DCM 64/18/18)を使用して分離すると、凍結乾燥後に標記化合物(2.1mg、0.0036、18%)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.84(s,1H),10.34(s,1H),8.66(bs,1H),8.47(d,J=2.9Hz,1H),8.25(s,2H),7.77(d,J=8.8Hz,2H),7.69(d,J=8.8Hz,2H),7.63(s,1H),7.49(d,J=8.0Hz,1H),7.17(ddd,J=30.1,15.1,7.2Hz,3H),6.76(dt,J=15.4,6.4Hz,1H),6.35(d,J=15.2Hz,1H),4.06(bs,1H),2.40(s,6H),1.96(bs,2H),1.86−1.63(m,3H),1.63−1.43(m,4H),1.38(s,3H);MS(m/z):586.64[M+1]
【0488】
実施例40 N−(4−((((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)(メチル)アミノ)メチル)フェニル)アクリルアミド(化合物178)
tert−ブチル4−(((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルアミノ)メチル)フェニルカルバマート
【化400】
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実施例1と同様に調製した(1R,3S)−N1−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン(180mg、0.373mmol)と、tert−ブチル4−ホルミルフェニルカルバマート(124mg、0.822mmol)と、AcOH(0.221mmol)のDCM(3.7mL)溶液を、NaBH(OAc)(198mg、0.934mmol)で処理し、室温で一晩撹拌した。生じた混合物を、DCM(20mL)及び飽和NaHCO(10mL)で希釈した。層を分離し、水層をDCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/MeOH 0〜12%の勾配)により精製すると、標記化合物(178mg、0.259mmol、69%)を白色の泡として得た。
【0489】
tert−ブチル4−((((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)(メチル)アミノ)メチル)フェニルカルバマート
【化401】
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tert−ブチル4−(((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルアミノ)メチル)フェニルカルバマート(178mg、0.259mmol)と、パラホルムアルデヒド(14mg、0.466mmol)と、AcOH(0.259mmol)のDCM(4.3mL)溶液を、NaBH(OAc)(132mg、0.622mmol)で処理し、室温で40時間撹拌した。生じた混合物をDCM(20mL)及び飽和NaHCO(10mL)で希釈した。層を分離し、水層をDCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/MeOH 0〜12%の勾配)により精製すると、標記化合物(96mg、0.137mmol、53%)を白色の泡として得た。
【0490】
tert−ブチル4−((((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)(メチル)アミノ)メチル)フェニルカルバマート
【化402】
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tert−ブチル4−((((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)(メチル)アミノ)メチル)フェニルカルバマート(96mg、0.137mmol)のジオキサン(2.7mL)溶液を、5MのNaOH水溶液(0.55mL、2.74mmol)で処理し、65℃で2時間加熱した。冷却した混合物をHO(5mL)及びMeTHF(10mL)で希釈した。層を分離し、水層をMeTHF(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を、SiOクロマトグラフィー(DCM/MeOH 0〜12%の勾配)により精製すると、標記化合物(57mg、0.102mmol、74%)を薄黄色の泡として得た。
【0491】
(1S,3R)−N1−(4−アミノベンジル)−N3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)−N1−メチルシクロヘキサン−1,3−ジアミン.HCl
【化403】
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tert−ブチル4−((((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)(メチル)アミノ)メチル)フェニルカルバマート(57mg、0.101mmol)のDCM(2.0mL)溶液を、4MのHClのジオキサン溶液(1.0mL、4.06mmol)で処理し、室温で18時間撹拌した。生じた混合物を蒸発乾固させると、標記化合物(50mg、0.101mmol、100%)を山吹色の固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0492】
N−(4−((((1S,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル)(メチル)アミノ)メチル)フェニル)アクリルアミド
【化404】
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(1S,3R)−N1−(4−アミノベンジル)−N3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)−N1−メチルシクロヘキサン−1,3−ジアミン.HCl(50mg、0.101mmol)とDIPEA(0.408mmol)の5/2のTHF:NMP(4.0mL)中の冷却した(−78℃)溶液を、アクリロイルクロリド(0.107mmol)で処理し、この温度で1時間撹拌した。生じた混合物を室温に温め、蒸発乾固させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(C18、HO/ACN+0.1%HCOH 0〜100%の勾配)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物(26.3mg、0.051mmol、50%)を薄黄色の固体として得た。H NMR(500MHz,d−DMSO)δ 11.82(s,1H),10.09(s,1H),8.56(br s,1H),8.55(s,1H),8.47(s,1H),8.24(s,1H),7.61(d,J=8.2Hz,2H),7.48(d,J=8.2Hz,1H),7.27−7.13(m,4H),7.08(br s,1H),6.42(dd,J=17.0,10.1Hz,1H),6.24(dd,J=17.0,2.0Hz,1H),5.73(dd,J=10.2,1.9Hz,1H),3.89(br s,1H),3.52−3.48(m,2H),3.03(br s,1H),2.10(s,3H),2.02−1.76(m,3H),1.40− 1.22(m,5H);MS(m/z):515.29[M+1]
【0493】
実施例41.本発明の他の例示的な化合物の合成
本発明の他の例示的な化合物を、前記実施例の1つ以上に変更を加えて合成した。表1Bにおいて、具体的な実施例及び変更を、H NMR(δ(ppm))及びMS(m/z[M+1])特性化データと共に、各化合物に対して示す。化合物番号(「化合物番号」)は、図1に示される化合物番号(「化合物番号」)に対応する。
【0494】
【表3】
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【0495】
【表4】
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【0496】
【表5】
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【0497】
【表6】
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【0498】
【表7】
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【0499】
【表8】
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【0500】
化合物の生物学的アッセイ
実施例42.キナーゼ活性の阻害
本発明の化合物を、Life Technologies(商標)(Grand Island、New York)で、種々の異なるキナーゼに対する活性に関して、その市販のAdapta(登録商標)(CDK7、CDK9/サイクリンT1、及びIRAK1キナーゼ用)、Z’−Lyte(登録商標)(CDK1、CDK2、CDK5/p25、CDK5/p35、JNK1、及びJNK2キナーゼ用)、及びLanthaScreen Eu(登録商標)(CDK8、CDK9/サイクリンK、及びMLK3用)キナーゼアッセイサービスを利用してアッセイした。試験化合物を、CDK7以外の全キナーゼに対して、1%DMSO中100nM及び1μMの最終濃度で試験した。CDK7に関しては、試験化合物を、一連の3倍段階希釈で10μM〜0.514nMの範囲の濃度で試験した。各キナーゼに対して使用する基質を含む、これらのアッセイの詳細なプロトコルは、Life Technologiesウェブサイト上など(www.lifetechnologies.com/us/en/home/life−science/drug−discovery/target−and−lead−identification−and−validation/kinasebiology/kinase−activity−assays.html)、当技術分野で公知である。例示的な結果は、IC50計算値(表1C及び2)又は活性の阻害パーセント(表3A〜3C)として表す。表1C及び2において、「A」は、100nM未満のIC50計算値を表し;「B」は、100nM以上1μM未満のIC50計算値を表し;「C」は、1μM以上のIC50計算値を表す。表3A〜3Cにおいて、「A」は、試験化合物による70%を超えるキナーゼの阻害を表し、「B」は、両端を含めて50%〜70%の阻害を表し;且つ「C」は、50%未満の阻害を表す。アッセイで各キナーゼに対して使用した補因子は以下の通りであった:CDK1:サイクリンB;CDK2:サイクリンA;CDK5:示される通りp25又はp35;CDK7:サイクリンH及びMNAT1;CDK8:サイクリンC;CDK9:示される通りサイクリンK又はサイクリンT1;IRAK1:ヒストンH3(1−20)ペプチド;JNK1:必要とされない;JNK2:必要とされない;MLK3:必要とされない。
【0501】
【表9】
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【0502】
【表10】
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【0503】
【表11】
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【0504】
【表12】
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【0505】
【表13】
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【0506】
本発明の例示的な化合物を、Caliper/LabChip EZ Reader(Perkin Elmer、Waltham、MA)を利用して開発されたアッセイを利用して、CDK7に対する阻害活性に関してさらに試験した。このプロトコルにおいて、全ペプチド活性の一部として生じたリン酸化されたペプチド基質の濃度を、インキュベーション期間(30分)の後にモニターするが、これは、生じたリン酸化されたペプチドの全部分が阻害されないキナーゼの20%未満であるように選択した。本発明の化合物を、一連の3倍段階希釈で、10μM〜0.514nMの範囲の濃度でアッセイし、20mM MES、pH 6.75;6mM MgCl;0.01%ツイン20;及び0.05mg/mL BSAを含む緩衝液中で、CDK7/サイクリンH/MAT1三量体複合体(10nM)、ATP(2mM)、及び「FAM−CDK7tide」ペプチド基質(2μM、以下の配列を有する合成されたフルオロフォア標識ペプチド:5−FAM−YSPTSPSYSPTSPSYSPTSPSKKKK)と共にインキュベートした。選択された試験化合物に関してIC50値を記録し、表4に報告するが、「A」は、100nM未満の計算されたIC50を表し、「B」は、両端を含む100nM〜1μMの計算されたIC50を表し、且つ「C」は、1μmを超える計算されたIC50を表す。
【0507】
【表14】
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【0508】
実施例43.細胞増殖の阻害
本発明の例示的な化合物を、種々の癌細胞株の増殖を阻害するその能力に関して、異なる濃度(10μM〜316pM;0.5log段階希釈)で試験した。公知のCDK阻害剤フラボピリドール及びトリプトリドを陽性対照として使用した。以下に示す培地中で、細胞を成長させた。全細胞株に、FBS(Life Technologies)及び100U・mL−1ペニシリン、100μg・mL−1ストレプトマイシン(Invitrogen)を補い、加湿されたチャンバー中で、5%COの存在下で、37℃で培養した。増殖アッセイは、72時間の期間にわたり実施した。CellTiter−Glo(登録商標)(Promega Corporation、Madison、WI USA)を使用して、製造業者の指示に従い、CellTiter−Glo(登録商標)キットと共に供給される試薬を利用して化合物の抗増殖効果を評価した。
【0509】
以下の癌細胞株を、示される培地条件で試験した。
血液癌細胞株
− ジャーカット − RPMI 1640+10%FBS+1%Glutamax
− HL60 − RPMI 1640+10%FBS+1%Glutamax
− THP−1 − RPMI 1640+10%FBS+1%Glutamax+0.05mM 2−メルカプトエタノール
− MV4−11 − RPMI 1640+10%FBS+1%Glutamax
− RS4−11 − RPMI 1640+10%FBS+1%Glutamax
乳癌細胞株
− hTERT−HME1 − 乳腺上皮細胞基本培地(500mL;Lonza CC−3151)+2mL BPE+0.5mL hEGF+0.5mLヒドロコルチゾン+0.5mL GA−1000+0.5mLインスリン(Lonza CC−4136)+100ng/mLコレラ毒素
− MDA−MB231 − リーボヴィッツのL−15培地+10%FBS+1%Glutamax
− MCF7 − RPMI 1640+10%FBS+1%Glutamax
− MCF10A − 乳腺上皮細胞基本培地(500mL;Lonza CC−3151)+2mL BPE+0.5mL hEGF+0.5mLヒドロコルチゾン+0.5mL GA−1000+0.5mLインスリン(Lonza CC−4136)+100ng/mLコレラ毒素
− SKBR3 − マッコイ5a改変培地+10%FBS
− T47D − RPMI 1640+10%FBS+1%Glutamax+0.2単位/mlウシインスリン
骨肉腫細胞株
− 143B − EMEM+10%FBS+15μg/mlブロモ−デオキシウリジン(BUdR)+2mMグルタミン+1%非必須アミノ酸(NEAA)
− MNNG−HOS Cl#5 − EMEM+10%FBS
− SAOS − マッコイ5a改変培地+10%FBS+2mM L−Glut
− MG−63 − EMEM+10%FBS
ユーイング肉腫細胞株
− Hs863T − DMEM(4mM L−Glut、4.5g/Lグルコース、1mMピルビン酸、1.5g/l炭酸水素ナトリウム)+10%FBS
− Hs822T − DMEM(4mM L−Glut、4.5g/Lグルコース、1mMピルビン酸、1.5g/l炭酸水素ナトリウム)+10%FBS
− A673 − DMEM(4mM L−Glut、4.5g/Lグルコース、1mMピルビン酸、1.5g/l炭酸水素ナトリウム)+10%FBS
− SK−ES−1 − マッコイ5a改変培地(改変−1.5mM L−glut、2.2g/L炭酸水素ナトリウム)+15%FBS
− RD−ES − RPMI 1640+15%FBS
【0510】
これらのアッセイの例示的な結果を表5A〜5Dに示すが、「A」は、500nM未満のIC50値を表し;「B」は、両端を含む500nM〜5μMのIC50値を表し;「C」は、5μMを超えるIC50値を表す。
【0511】
【表15】
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【0512】
【表16】
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【0513】
【表17】
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【0514】
【表18】
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【0515】
均等物及び範囲
請求項において、「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「前記(the)」などの冠詞は、反対又は文脈から明らかに他の状態であると示されない限り、1つ又は2つ以上を意味し得る。群の1つ以上の要素の間に「又は(or)」を含む請求項又は説明は、反対又は文脈から明らかに他の状態であると示されない限り、1つ、2つ以上、又は全ての群要素が、所与の製品又はプロセスに存在し、利用され、又は他の方法で関連する場合に満たされていると考えられる。本発明は、群のまさに1つの要素が、所与の製品又はプロセスに存在し、利用され、又は他の方法で関連する実施形態を含む。本発明は、2つ以上の、又は全ての群要素が、所与の製品又はプロセスに存在し、利用され、又は他の方法で関連する実施形態を含む。
【0516】
さらに、本発明は、列記された請求項の1つ以上からの1つ以上の限定、要素、節、及び記述用語が、別の請求項に導入されている全変形形態、組み合わせ、及び変更形態を包含する。例えば、別の請求項に従属しているあらゆる請求項は、同じ基本請求項に従属している他の請求項に見られる1つ以上の限定を含むように修飾され得る。要素が、例えば、マーカッシュグループ形式でリストとして表される場合、要素の各サブグループも開示され、あらゆる要素はその群から除かれ得る。一般に、本発明又は本発明の態様が、特定の要素及び/又は特徴を含むと称される場合、本発明の特定の実施形態又は本発明の態様は、そのような要素及び/又は特徴からなり、又は基本的にそれらからなることが理解されるべきである。単純にする目的で、それらの実施形態は本明細書中でその言葉で具体的に述べられなかった。用語「含んでいる(comprising)」及び「含んでいる(containing)」は開放的であることが意図され、追加の要素又は工程の包含を許すことも留意される。範囲が与えられる場合、終点も含まれる。さらに、特記されない限り又は文脈及び当業者の理解から明らかに他の状態であると示されない限り、範囲として表される値は、文脈上そうでないとする明確な指示がない限り、本発明の異なる実施形態における述べられた範囲内のあらゆる具体的な値又は部分範囲を、その範囲の下限の単位の10分の1まで仮定し得る。
【0517】
本願は、種々の登録特許、公開された特許出願、学術論文、及び他の刊行物に言及し、それらは全て参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれた参考文献と本明細書との間に矛盾がある場合、本明細書が優先するものとする。さらに、従来技術に分類される本発明のあらゆる特定の実施形態は、明示的に、請求項の1つ以上から除外され得る。そのような実施形態は当業者に公知であると思われるため、それらは、除外が本明細書において明示的に述べられていなくても、除外され得る。本発明のあらゆる特定の実施形態は、従来技術の存在に関連しているかどうかにかかわらず、あらゆる理由で、いずれの請求項からも除外できる。
【0518】
当業者は、わずかに定型的な実験を利用して、本明細書に記載される具体的な実施形態の多くの均等物を認識し、又は確かめることができるであろう。本明細書に記載される本実施形態の範囲は、上記の説明に限定されるものではなく、添付される特許請求の範囲に述べられる通りである。当業者は、以下の特許請求の範囲に定義される通り、この説明に対する種々の変更形態及び改良形態が、本発明の趣旨又は範囲から逸脱せずになされ得ることを認識するであろう。
図1-1】
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図1-2】
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図1-3】
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図1-4】
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図1-5】
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図1-6】
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図1-7】
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図1-8】
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