(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6491209
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】ベンチュリ効果を使用して真空吸引力を生成するためのアスピレータにおける流れ制御
(51)【国際特許分類】
F04F 5/48 20060101AFI20190318BHJP
F04F 5/20 20060101ALI20190318BHJP
F04F 5/46 20060101ALI20190318BHJP
F04F 5/54 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
F04F5/48 A
F04F5/20 C
F04F5/46 B
F04F5/54
【請求項の数】20
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-538071(P2016-538071)
(86)(22)【出願日】2014年12月10日
(65)【公表番号】特表2016-540159(P2016-540159A)
(43)【公表日】2016年12月22日
(86)【国際出願番号】US2014069528
(87)【国際公開番号】WO2015089177
(87)【国際公開日】20150618
【審査請求日】2017年12月4日
(31)【優先権主張番号】61/914,061
(32)【優先日】2013年12月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512309299
【氏名又は名称】デイコ アイピー ホールディングス,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】DAYCO IP HOLDINGS,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】キース・ハンプトン
(72)【発明者】
【氏名】ディヴィッド・フレッチャー
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・エム・グレイチェン
(72)【発明者】
【氏名】レックス・ブラヴォ
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・エイチ・ミラー
(72)【発明者】
【氏名】マット・ギルマー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ニーデルト
【審査官】
田谷 宗隆
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−146098(JP,A)
【文献】
米国特許第04446887(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04F 5/48
F04F 5/20
F04F 5/46
F04F 5/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空吸引力を生成するためのアスピレータであって、
流体通路を規定するためのハウジングであるとともに、前記流体通路が、大径開口から小径開口へと漸次的にテーパー形状をなす第1テーパー形状部分と、大径開口から小径開口へと漸次的にテーパー形状をなす第2テーパー形状部分と、を備え、前記第1テーパー形状部分と前記第2テーパー形状部分とが、それらの前記小径開口どうしを対向させつつ、互いに向けて収束している、ハウジングと;
前記第1テーパー形状部分と前記第2テーパー形状部分との間に配置されているとともに前記第1テーパー形状部分と前記第2テーパー形状部分とに対して流体連通したゲートであるとともに、真空吸引ポートに対して流体連通したベンチュリ開口を有した第1ベンチュリチューブと、前記真空吸引ポートに対して流体連通したベンチュリ開口を有した第2ベンチュリチューブと、を備えてなり、前記第1ベンチュリチューブが、この第1ベンチュリチューブを通して流体が流れた際には、真空吸引力を生成し、前記第2ベンチュリチューブが、この第2ベンチュリチューブを通して流体が流れた際には、真空吸引力を生成する、ゲートと;
前記ゲートに対して連結されたアクチュエータであるとともに、前記第1ベンチュリチューブまたは前記第2ベンチュリチューブを前記第1テーパー形状部分および前記第2テーパー形状部分の前記小径開口に対して選択的に位置合わせさせるように前記ゲートを駆動する、アクチュエータと;
を具備している、
ことを特徴とするアスピレータ。
【請求項2】
請求項1記載のアスピレータにおいて、
前記ゲートが、さらに、前記第1テーパー形状部分と前記第2テーパー形状部分との間の流体連通を阻止するための固体表面を備え、
前記アクチュエータが、さらに、前記固体表面または前記第1ベンチュリチューブまたは前記第2ベンチュリチューブを前記第1テーパー形状部分および前記第2テーパー形状部分の前記小径開口に対して選択的に位置合わせさせる、
ことを特徴とするアスピレータ。
【請求項3】
請求項1記載のアスピレータにおいて、
前記第1ベンチュリチューブが、前記流体通路の前記第1テーパー形状部分から前記第2テーパー形状部分へと流体が流れた際に真空吸引力を生成し、
前記第2ベンチュリチューブが、前記流体通路の前記第2テーパー形状部分から前記第1テーパー形状部分へと流体が流れた際に真空吸引力を生成する、
ことを特徴とするアスピレータ。
【請求項4】
請求項1記載のアスピレータにおいて、
前記第1ベンチュリチューブが、選択された際には、前記アスピレータを通して第1質量流速を生成し、
前記第2ベンチュリチューブが、選択された際には、前記アスピレータを通して第2質量流速を生成し、
前記第2質量流速が、前記第1質量流速とは異なるものとされている、
ことを特徴とするアスピレータ。
【請求項5】
請求項4記載のアスピレータにおいて、
前記第1ベンチュリチューブを通しての流れの向きと前記第2ベンチュリチューブを通しての流れの向きとが、互いに同じとされている、
ことを特徴とするアスピレータ。
【請求項6】
請求項1記載のアスピレータにおいて、
前記ゲートが、第1ゲート部材と、第2ゲート部材と、これら第1ゲート部材および第2ゲート部材の間に配置されたバイアス部材と、を備え、
前記バイアス部材が、前記第1ゲート部材および前記第2ゲート部材を、互いに離間する向きに付勢するとともに、前記ハウジングのうちの、前記ゲートを内包しているゲートハウジング部分に対して押圧している、
ことを特徴とするアスピレータ。
【請求項7】
請求項6記載のアスピレータにおいて、
前記バイアス部材が、無端弾性部材、あるいは、1つまたは複数のスプリング、とされている、
ことを特徴とするアスピレータ。
【請求項8】
請求項7記載のアスピレータにおいて、
前記無端弾性部材の付勢力が、前記無端弾性部材と前記第1ゲート部材との間のシール関係を生成するとともに、前記無端弾性部材と前記第2ゲート部材との間のシール関係を生成する、
ことを特徴とするアスピレータ。
【請求項9】
請求項6記載のアスピレータにおいて、
前記第1ベンチュリチューブが、内側開口を有した第1ゲート上側穴と、内側開口を有した第2ゲート上側穴と、を有し、
前記第2ベンチュリチューブが、内側開口を有した第1ゲート下側穴と、内側開口を有した第2ゲート下側穴と、を有し、
前記第2ゲート上側穴の前記内側開口が、前記第1ゲート上側穴の前記内側開口よりも大径とされ、これにより、前記第1ゲート上側穴から、前記第1ゲート部材と前記第2ゲート部材との間のギャップを通して、前記第2ゲート上側穴内へと、流体が流れた際には、前記第1ベンチュリチューブが、真空吸引力を生成し、
前記第2ゲート下側穴の前記内側開口が、前記第1ゲート下側穴の前記内側開口よりも小径とされ、これにより、前記第2ゲート下側穴から、前記第1ゲート部材と前記第2ゲート部材との間のギャップを通して、前記第1ゲート下側穴内へと、流体が流れた際には、前記第2ベンチュリチューブが、真空吸引力を生成する、
ことを特徴とするアスピレータ。
【請求項10】
請求項1記載のアスピレータにおいて、
さらに、前記第2テーパー形状部分と交差するバイパスポートを具備している、
ことを特徴とするアスピレータ。
【請求項11】
請求項8記載のアスピレータにおいて、
前記ゲートが、真空吸引ベントを備え、
この真空吸引ベントが、前記真空吸引ポートと、前記第1ベンチュリチューブの前記ベンチュリ開口と、前記第2ベンチュリチューブの前記ベンチュリ開口と、に対して流体連通している、
ことを特徴とするアスピレータ。
【請求項12】
真空吸引力を生成するためのアスピレータを備えたエンジンシステムであって、
エア供給源に対して接続された原動部分と、エンジンの吸気マニホールドに対して接続された排気部分と、を備えたアスピレータと;
流体通路を規定するためのハウジングであるとともに、前記流体通路が、大径開口から小径開口へと漸次的にテーパー形状をなす第1テーパー形状部分と、大径開口から小径開口へと漸次的にテーパー形状をなす第2テーパー形状部分と、を備え、前記第1テーパー形状部分と前記第2テーパー形状部分とが、それらの前記小径開口どうしを対向させつつ、互いに向けて収束している、ハウジングと;
前記第1テーパー形状部分と前記第2テーパー形状部分との間に配置されているとともに前記第1テーパー形状部分と前記第2テーパー形状部分とに対して流体連通したゲートであるとともに、真空吸引ポートに対して流体連通したベンチュリ開口を有した第1ベンチュリチューブと、前記真空吸引ポートに対して流体連通したベンチュリ開口を有した第2ベンチュリチューブと、を備えてなり、前記第1ベンチュリチューブが、この第1ベンチュリチューブを通して流体が流れた際には、真空吸引力を生成し、前記第2ベンチュリチューブが、この第2ベンチュリチューブを通して流体が流れた際には、真空吸引力を生成する、ゲートと;
前記ゲートに対して連結されたアクチュエータであるとともに、前記第1ベンチュリチューブまたは前記第2ベンチュリチューブを前記第1テーパー形状部分および前記第2テーパー形状部分の前記小径開口に対して選択的に位置合わせさせるように前記ゲートを駆動する、アクチュエータと;
を具備している、
ことを特徴とするエンジンシステム。
【請求項13】
請求項12記載のエンジンシステムにおいて、
前記ゲートが、さらに、前記第1テーパー形状部分と前記第2テーパー形状部分との間の流体連通を阻止するための固体表面を備え、
前記アクチュエータが、さらに、前記固体表面または前記第1ベンチュリチューブまたは前記第2ベンチュリチューブを前記第1テーパー形状部分および前記第2テーパー形状部分の前記小径開口に対して選択的に位置合わせさせる、
ことを特徴とするエンジンシステム。
【請求項14】
請求項12記載のエンジンシステムにおいて、
前記第1ベンチュリチューブの前記ベンチュリ開口が、前記第1テーパー形状部分から前記第2テーパー形状部分へと前記流体通路を通して流体が流れた際に真空吸引力を生成し、
前記第2ベンチュリチューブの前記ベンチュリ開口が、前記第2テーパー形状部分から前記第1テーパー形状部分へと前記流体通路を通して流体が流れた際に真空吸引力を生成する、
ことを特徴とするエンジンシステム。
【請求項15】
請求項12記載のエンジンシステムにおいて、
前記第1ベンチュリチューブが、選択された際には、前記アスピレータを通して第1質量流速を生成し、
前記第2ベンチュリチューブが、選択された際には、前記アスピレータを通して第2質量流速を生成し、
前記第2質量流速が、前記第1質量流速とは異なるものとされている、
ことを特徴とするエンジンシステム。
【請求項16】
請求項15記載のエンジンシステムにおいて、
前記第1ベンチュリチューブを通しての流れの向きと前記第2ベンチュリチューブを通しての流れの向きとが、互いに同じとされている、
ことを特徴とするエンジンシステム。
【請求項17】
請求項12記載のエンジンシステムにおいて、 前記ゲートが、第1ゲート部材と、第2ゲート部材と、これら第1ゲート部材および第2ゲート部材の間に配置されたバイアス部材と、を備え、
前記バイアス部材が、前記第1ゲート部材および前記第2ゲート部材を、互いに離間する向きに付勢するとともに、内部において前記ゲートが並進移動可能とされたゲート経路を規定するゲートハウジング部分に対して押圧している、
ことを特徴とするエンジンシステム。
【請求項18】
請求項17記載のエンジンシステムにおいて、
前記バイアス部材が、無端弾性部材、あるいは、1つまたは複数のスプリング、とされている、
ことを特徴とするエンジンシステム。
【請求項19】
請求項12記載のエンジンシステムにおいて、
前記真空吸引ポートが、真空吸引力を必要とするデバイスに対して接続されている、
ことを特徴とするエンジンシステム。
【請求項20】
真空吸引力を生成するためのアスピレータであって、
流体通路を規定するためのハウジングであるとともに、前記流体通路が、大径開口から小径開口へと漸次的にテーパー形状をなす第1テーパー形状部分と、大径開口から小径開口へと漸次的にテーパー形状をなす第2テーパー形状部分と、を備え、前記第1テーパー形状部分と前記第2テーパー形状部分とが、それらの前記小径開口どうしを対向させつつ、互いに向けて収束している、ハウジングと;
前記第1テーパー形状部分と前記第2テーパー形状部分との間に配置されているとともに前記第1テーパー形状部分と前記第2テーパー形状部分とに対して流体連通したゲートであるとともに、第1穴と第2穴とを備え、前記第1穴が、この第1穴の一部に、前記第1テーパー形状部分から前記第2テーパー形状部分へと前記第1穴を通して流体が流れた際に真空吸引力を生成するベンチュリ開口を有し、前記第2穴が、この第2穴の一部に、前記第2テーパー形状部分から前記第1テーパー形状部分へと前記第2穴を通して流体が流れた際に真空吸引力を生成するベンチュリ開口を有し、前記第1穴内の前記ベンチュリ開口と前記第2穴内の前記ベンチュリ開口とが、真空吸引ポートに対して流体連通している、ゲートと;
前記ゲートに対して連結されたアクチュエータであるとともに、前記第1穴または前記第2穴を前記第1テーパー形状部分および前記第2テーパー形状部分の前記小径開口に対して選択的に位置合わせさせるように前記ゲートを駆動する、アクチュエータと;
を具備している、
ことを特徴とするアスピレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2013年12月10日付けで出願された米国特許予備出願第61/914,061号明細書の優先権を主張するものである。この文献の記載内容は、参考のためここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、ベンチュリ効果を使用して真空吸引力を生成するためのアスピレータに関するものであり、より詳細には、エンジンの様々な動作状態のためにベンチュリ効果の制御を提供し得るよう、エンジンに対して接続されたそのようなアスピレータに関するものである。
【背景技術】
【0003】
エンジンは、例えば自動車エンジンは、ダウンサイズされてブーストされている。これにより、エンジンから利用可能な真空吸引力が低減している。この真空吸引力は、自動車ブレーキブースターによる使用も含めて、多くの潜在的な用途を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】本明細書には、先行技術文献は記載されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の真空吸引力の不足に対する1つの解決手法は、真空吸引ポンプを設置することである。しかしながら、真空吸引ポンプは、大きなコストを必要とするものであるとともに、エンジンに対しての重量負担が大きい。真空吸引ポンプの電力消費は、追加的な発電機容量を必要とし、真空吸引ポンプの効率の悪さが、燃費の改善効果に悪影響を与えてしまう。
【0006】
他の解決手法は、スロットルに対して平行なエンジンエア流通路であるとともに吸気リークと称されるようなエンジンエア流通路を形成することにより真空吸引力を生成するアスピレータを使用することである。このリーク流は、真空吸引力を生成するベンチュリを通過する。既存のアスピレータに関する問題点は、アスピレータによって生成し得る真空吸引質量流量に制限があることであり、アスピレータが消費するエンジンエアの量に制限があることである。
【0007】
個別の真空吸引源は、エンジンがブースト中に、あるいは、不適切なマニホールド真空度でもってエンジンが動作している際に、自動車システムを動作させる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一見地においては、真空吸引力を生成するためのアスピレータが開示され、特に、エンジンのブースト状況下でも吸気マニホールド真空状況下でも真空吸引力を生成するための流れ制御を提供し得るとともに、アスピレータを通しての質量流速の制御を提供し得るアスピレータが開示される。アスピレータは、ブースト時でも吸気マニホールド真空時でも真空吸引力を提供することができる。ブースト時でも吸気マニホールド真空時でも真空吸引力を生成するためには、非雰囲気圧力の印加を、アスピレータの排気端部から原動端部へと切り換える必要がある、あるいは、適正な動作を確保し得るよう、個別のアスピレータに、一方向バルブを設ける必要がある。これは、本出願人による2013年12月11日付けで出願された米国特許予備出願第61/914,724号明細書に記載されている。これに加えて、いくつかの状況においては、流れを阻止し得るよう、個別の閉塞バルブが必要とされる。
【0009】
本発明は、アスピレータに関するものであり、アスピレータは、双方向の流れ制御も含めて、真空吸引力を生成するための流れ制御を提供することができる。アスピレータは、自動車の中の、真空吸引力を必要とするデバイスに対して接続することができる。アスピレータは、このデバイスに対して、各アスピレータの延在長さにわたって延在する通路を通してのエア流によって、真空吸引力を生成する。アスピレータは、ゲートアセンブリの駆動制御によって、原動ポートから排気ポートに向けて流体が流れる際にベンチュリ効果を生成し得るよう構成されているとともに、排気ポートから原動ポートに向けて流体が流れる際にもベンチュリ効果を生成し得るよう構成されている。アセンブリは、流体通路を規定するためのハウジングを具備している。流体通路は、大径開口から小径開口へと漸次的にテーパー形状をなす第1テーパー形状部分と、大径開口から小径開口へと漸次的にテーパー形状をなす第2テーパー形状部分と、を備え、第1テーパー形状部分と第2テーパー形状部分とは、それらの小径開口どうしを対向させつつ、互いに向けて収束している。アスピレータは、第1テーパー形状部分と第2テーパー形状部分との間に配置されているとともに第1テーパー形状部分と第2テーパー形状部分とに対して流体連通したゲートを具備している。これにより、ベンチュリ効果の流れ制御を提供することができる。
【0010】
ゲートは、真空吸引ポートに対して流体連通したベンチュリ開口を有した第1ベンチュリチューブと、真空吸引ポートに対して流体連通したベンチュリ開口を有した第2ベンチュリチューブと、を備えている。第1ベンチュリチューブは、この第1ベンチュリチューブを通して流体が流れた際には、真空吸引力を生成し、第2ベンチュリチューブは、この第2ベンチュリチューブを通して流体が流れた際には、真空吸引力を生成する。ゲートは、さらに、第1テーパー形状部分と第2テーパー形状部分との間の流体連通を阻止するための固体表面を備えることができる。アスピレータは、ゲートに対して連結されたアクチュエータを具備している。アクチュエータは、ゲートを駆動することにより、第1ベンチュリチューブまたは第2ベンチュリチューブまたは固体表面を、第1テーパー形状部分および第2テーパー形状部分の小径開口に対して選択的に位置合わせさせる。一実施形態においては、ハウジングは、さらに、内部においてゲートが並進移動可能とされたゲート経路を規定するゲートハウジング部分を有することができる。
【0011】
他の見地においては、第1ベンチュリチューブは、流体通路の第1テーパー形状部分から第2テーパー形状部分へと流体が流れた際に真空吸引力を生成し、第2ベンチュリチューブは、流体通路の第2テーパー形状部分から第1テーパー形状部分へと流体が流れた際に真空吸引力を生成する。
【0012】
他の見地においては、ゲートアセンブリ内の第1ベンチュリチューブは、選択された際には、アスピレータを通して第1質量流速を生成し、ゲートアセンブリ内の第2ベンチュリチューブは、選択された際には、アスピレータを通して第2質量流速を生成する。一実施形態においては、第2質量流速は、第1質量流速とは異なるものとされる。他の見地においては、第1ベンチュリチューブを通しての流れの向きと第2ベンチュリチューブを通しての流れの向きとは、互いに同じとされる。
【0013】
他の見地においては、ゲートは、第1ゲート部材と、第2ゲート部材と、これら第1ゲート部材および第2ゲート部材の間に配置されたバイアス部材と、を備え、バイアス部材は、第1ゲート部材および第2ゲート部材を、互いに離間する向きに付勢するとともに、ハウジングのうちの、ゲートを内包しているゲートハウジング部分に対して押圧してシール関係とする。バイアス部材は、無端弾性部材、あるいは、1つまたは複数のスプリング、とすることができる。他の見地においては、無端弾性部材の付勢力は、無端弾性部材と第1ゲート部材との間のシール関係を生成するとともに、無端弾性部材と第2ゲート部材との間のシール関係を生成する。
【0014】
他の見地においては、第1ベンチュリチューブは、内側開口を有した第1ゲート上側穴と、内側開口を有した第2ゲート上側穴と、を有し、第2ベンチュリチューブは、内側開口を有した第1ゲート下側穴と、内側開口を有した第2ゲート下側穴と、を有している。第2ゲート上側穴の内側開口は、第1ゲート上側穴の内側開口よりも大径とされ、これにより、第1ゲート上側穴から、第1ゲートと第2ゲートとの間のギャップを通して、第2ゲート上側穴内へと、流体が流れた際には、第1ベンチュリチューブは、真空吸引力を生成することができる。第2ゲート下側穴の内側開口は、第1ゲート下側穴の内側開口よりも大径とされ、これにより、第2ゲート下側穴から、第1ゲートと第2ゲートとの間のギャップを通して、第1ゲート下側穴内へと、流体が流れた際には、第2ベンチュリチューブは、真空吸引力を生成することができる。
【0015】
他の見地においては、アスピレータは、さらに、第2テーパー形状部分と交差するバイパスポートを具備することができる。他の見地においては、ゲートは、真空吸引ベントを備えることができ、この真空吸引ベントは、真空吸引ポートと、第1ベンチュリチューブのベンチュリ開口と、第2ベンチュリチューブのベンチュリ開口と、に対して流体連通している。
【0016】
他の見地においては、エンジンシステムが開示され、このエンジンシステムは、真空吸引力を生成するためのアスピレータを具備している。アスピレータは、エア供給源に対して接続された原動部分と、エンジンの吸気マニホールドに対して接続された排気部分と、を備えている。アスピレータは、流体通路を規定するためのハウジングを具備することができ、流体通路は、大径開口から小径開口へと漸次的にテーパー形状をなす第1テーパー形状部分と、大径開口から小径開口へと漸次的にテーパー形状をなす第2テーパー形状部分と、を備え、第1テーパー形状部分と第2テーパー形状部分とは、それらの小径開口どうしを対向させつつ、互いに向けて収束している。アスピレータは、第1テーパー形状部分と第2テーパー形状部分との間に配置されているとともに第1テーパー形状部分と第2テーパー形状部分とに対して流体連通したゲートを具備している。ゲートは、真空吸引ポートに対して流体連通したベンチュリ開口を有した第1ベンチュリチューブと、真空吸引ポートに対して流体連通したベンチュリ開口を有した第2ベンチュリチューブと、を備えている。第1ベンチュリチューブは、この第1ベンチュリチューブを通して流体が流れた際には、真空吸引力を生成し、第2ベンチュリチューブは、この第2ベンチュリチューブを通して流体が流れた際には、真空吸引力を生成する。アスピレータは、ゲートに対して連結されたアクチュエータを具備し、アクチュエータは、ゲートを駆動することによって、第1ベンチュリチューブまたは第2ベンチュリチューブまたは固体表面を、第1テーパー形状部分および第2テーパー形状部分の小径開口に対して選択的に位置合わせさせる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明によるアスピレータの一実施形態を示す長手方向の側断面図であって、アスピレータは、内部でベンチュリ効果の双方向制御を提供するゲートを具備している。
【
図2】
図1のアスピレータのゲート部分を示す長手方向の側断面図であって、第1ベンチュリ効果位置とされたゲートを図示している。
【
図3】
図1のアスピレータのゲート部分を示す長手方向の側断面図であって、第2ベンチュリ効果位置とされたゲートを図示している。
【
図4】本発明によるアスピレータの他の実施形態を示す長手方向の側断面図であって、アスピレータは、内部でベンチュリ効果の流れ制御を提供するゲートを具備している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の詳細な説明は、添付図面に図示された例示を参照して、本発明の一般的な原理を例示している。添付図面においては、同一の構成部材に対してまた機能的に同様の構成部材に対して、同じ参照符号が付されている。
【0019】
本明細書においては、「流体」という用語は、液体や、懸濁液や、コロイドや、ガスや、プラズマや、これらの組合せ、を意味している。
【0020】
例えば上や下や上側や下側等といったような相対的な用語は、添付図面に図示された様々な特徴点の向きに関して、それら特徴点どうしの相対的な配置関係を説明するために、便宜的に使用されているに過ぎない。それら用語は、図示された向きに本発明が制限されるものと解釈されるべきではない。
【0021】
図1は、エンジンにおいて使用するための、例えば自動車エンジンにおいて使用するための、アスピレータ100の一実施形態を示している。アスピレータ100は、ボディ106と、ゲートアセンブリ170と、を具備している。ボディ106は、通路104を規定しているとともに、エンジンに対して連結可能とされた3つ以上のポートを有している。ゲートアセンブリ170は、通路104を通しての流れを制御する。
図1に示すように、ポートは、(1)一実施形態においては、エンジンのスロットルの上流側において得られたエンジン吸気エアクリーナーからの清浄エアを供給する原動ポート108と、(2)付加的な一方向バルブ111を介して、真空吸引力を必要とするデバイス102に対して接続可能とされた真空吸引ポート110と、(3)一実施形態においては、エンジンのスロットルの下流側に配置されたエンジン吸気マニホールドに対して接続された排気ポート112と、付加的には、(4)バイパスポート114と、を備えている。一実施形態においては、真空吸引力を必要とするデバイス102は、自動車ブレーキブーストデバイスである。真空吸引を必要とするデバイス102は、また、真空リザーバとすることもできる。バイパスポート114は、真空吸引力を必要とするデバイス102に対して接続し得るとともに、付加的には、このバイパスポート114と、真空吸引力を必要とするデバイス102と、の間の流体流通路122内に設けられた一方向バルブ120を有することができる。
【0022】
アスピレータ100の通路104は、
図1に示すように、中央の長手方向軸線Bを有している。通路104は、ボディ106の原動部分116内に第1テーパー形状部分128と、ボディ106の排気部分146内に第2テーパー形状部分129と、を有している。ここで、第1テーパー形状部分128と第2テーパー形状部分129とは、これら第1テーパー形状部分128と第2テーパー形状部分129との間に配置されたゲートアセンブリ170に対して、端部どうしを対向させて(原動部分116の導出端部132と、排気部分146の導入端部134と、を対向させて)、位置合わせされている。ゲートアセンブリ170は、原動部分116と排気部分146との間の流体連通を制御する。導入端部130,134(あるいは、導出端部132,131)は、円形や楕円形や矩形や多角形といったような形状を有することができ、導入端部から延在する連続的な漸次的にテーパー形状とされた内部通路は、限定するものではないけれども、双曲面形状あるいは円錐形状を規定することができる。
【0023】
ボディ106は、以下においてはハウジングと称し得るものであって、ゲートハウジング171を備えている。ゲートハウジング171は、対向壁204,206を有したゲート経路202を規定している。ゲートハウジング171は、以下においては、ゲートハウジング部分と称することができる。ゲートアセンブリ170は、ゲートハウジング171内に配置し得るとともに、ゲート経路202に沿って並進移動可能とすることができる。ゲート経路202は、一般に、アスピレータ100の中央長手方向軸線Bに対して垂直なものとすることができる。ゲートアセンブリ170は、以下においては、ゲートと称し得るものであって、第1穴と第2穴とを備えている。第1穴は、
図1において上側穴184,185の組合せによって示すように、第1穴の一部に、この第1穴を通して流体が流れた際に真空吸引力を生成するベンチュリ開口231を有している。上側穴184,185は、真空吸引ポート110に対して流体流通したベンチュリ開口231を有した第1ベンチュリチューブを構成している。第2穴は、
図1において下側穴186,187の組合せによって示すように、第2穴の一部に、この第2穴を通して流体が流れた際に真空吸引力を生成するベンチュリ開口232を有している。下側穴186,187は、真空吸引ポート110に対して流体流通したベンチュリ開口232を有した第2ベンチュリチューブを構成している。
【0024】
一実施形態においては、第1穴184,185内のベンチュリ開口231は、通路104を通して流体が第1の向きに流れた際に、例えばアスピレータ100の原動部分116からアスピレータ100の排気部分146へと流れた際に、真空吸引力を生成する。また、第2穴186,187内のベンチュリ開口232は、通路104を通して流体が第1の向きとは逆向きの第2の向きに流れた際に、例えばアスピレータ100の排気部分146からアスピレータ100の原動部分116へと流れた際に、真空吸引力を生成する。
【0025】
一実施形態においては、第1穴184,185は、アスピレータ100を通して第1質量流量を生成し得るようなサイズとすることができ、第2穴186,187は、アスピレータ100を通して、第1質量流量とは異なる第2質量流量を生成し得るようなサイズとすることができる。第1質量流量および第2質量流量を使用することにより、アスピレータ100を通しての様々な質量流速を提供することができる。例えば、第2穴186,187は、第1穴184,185と比較して、より小さなサイズのものとすることができる。これにより、アスピレータを通しての流体/エアの質量流れを妨害し得るとともに、エンジン吸気マニホールドに対してのエアの質量流速を制限することができる。
【0026】
一実施形態においては、第1穴184,185および第2穴186,187は、様々な真空吸引圧力を生成し得るように構成することができる。第1穴184,185は、第1穴184,185が、ベンチュリ開口231を超えて流れる流体の流速を第1速度とするような、テーパー形状とすることができる。第2穴186,187は、第2穴186,187が、ベンチュリ開口232を超えて流れる流体の流速を第2速度とするような、テーパー形状とすることができる。第2速度は、第1速度とは異なるものとすることができ、これにより、第1穴184,185内においてベンチュリ開口231によって生成される真空吸引圧力とは異なる真空吸引圧力を得ることができる。第1穴184,185は、第1最狭断面(第1プロファイル)に向けたテーパー形状とすることができ、これにより、第1穴184,185内のベンチュリ開口231を通しての第1流体速度を得ることができる。第2穴186,187は、第2最狭断面(第2プロファイル)に向けたテーパー形状とすることができ、これにより、第2穴186,187内のベンチュリ開口232を通しての第2流体速度を得ることができる。ゲートアセンブリ170は、
図1に示すように、固体表面を有することができる。これにより、アスピレータ100の原動部分116と排気部分146との間の流体流通を妨害することができる。ゲートアセンブリ170は、ゲート経路202内に着座した単一のまたは複数のゲート部材とすることができる。
【0027】
図1に示すように、ゲートアセンブリ170は、以下においてはスプリング付きゲートと称し得るものであって、第1ゲート部材172と、第2ゲート部材174と(これらは、ゲート175として総称される)、これらの間に受領されたバイアス部材と、を備えている。一実施形態においては、バイアス部材は、
図1に示すように、無端弾性バンド176とされる。無端弾性バンド176は、第1ゲート部材172と第2ゲート部材174との間に介装されるものとして、説明することができる。2つのゲート部材とこれらの間に配置された無端弾性バンドとを備えてなるゲートアセンブリの例は、本出願人による2014年4月29日付けで出願された米国特許予備出願第14/473,151号明細書に記載されている。この文献の記載内容は、参考のためここに組み込まれる。各ゲート部材172,174は、それぞれ、他方のゲート部材に対向する表面(以下においては、内表面180,181と称される)の一部として、トラック178,179を有している。各トラック178,179は、内部に、無端弾性バンド176の一部を受領している(着座させている)。無端弾性バンド176は、バイアス部材であって、第1ゲート部材172と第2ゲート部材174とを互いに離間する向きに付勢する。これにより、各外側表面182,183を、ゲートハウジング171によって規定されたゲート経路202の対向壁204,206に対して、押圧している。無端弾性バンド176による付勢力は、第1ゲート部材172と第2ゲート部材174との間における無端弾性バンド176の圧縮の結果とすることができる。
【0028】
次に、
図2に示すように、無端弾性バンド176は、全体的に楕円形状とすることができる。これにより、開放スペースを規定する内周縁220と、外周縁222と、互いに反対側に位置した第1側面224および第2側面226と、を有している。無端弾性バンド176は、第1側面224を一方のトラック178内に受領させた状態でかつ第2側面226を他方のトラック179内に受領させた状態で、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174のトラック178,179内に受領される。無端弾性バンド176がトラック178,179内に着座したときには、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174は、ギャップを規定する距離Dの分だけ、互いに離間される。このギャップにより、流体は、無端弾性バンド176を押圧して流れることができる。無端弾性バンド176は、径方向に膨張可能であり、これにより、無端弾性バンド176を径方向外向きに膨脹させることができ、無端弾性バンド176の外周縁222と、
図2に示す第1位置や
図3に示す第2位置といったような開放状態に応じてゲート175を通して流体が流れる際の第1ゲート部材172および第2ゲート部材174のトラック178,179の一部と、の間のシールを形成する。このシール係合は、アクチュエータ210内への流体のリークを低減させるあるいは防止する。これにより、ゲート175を、より大きなリーク耐性を有したものとすることができる。トラック178,179は、無端弾性バンド176を、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174の外周縁から離間したところに嵌め込み得るように配置されている。この構成は、第1ゲート部材172と第2ゲート部材174との間において無端弾性バンド176の外周縁222まわりにチャネル254を規定する。これにより、ゲート経路202内においてスプリング付きゲート228まわりの流体流通を可能とする。
【0029】
無端弾性バンド176は、また、ゲートを、製造の許容誤差に鈍感なものとする、特に、ゲート経路202の寸法の許容誤差に鈍感なものとする。ゲート経路202は、典型的には、ゲート175の非設置時の幅よりも小さな幅を有するものとして形成される。したがって、無端弾性バンド176は、ゲート175がゲート経路202(あるいは、ポケット)内に挿入されたときには、第1ゲート部材172と第2ゲート部材174との間において圧縮される。ポケット202内に挿入された(楔止めされた)ときに第1ゲート部材172および第2ゲート部材174に対して作用する無端弾性バンド176の付勢力は、それぞれのゲート部材を、ポケットの壁に対してシール係合するように付勢する。これにより、リークを低減することができるあるいは阻止することができる。
【0030】
図4に示すように、他の実施形態においては、バイアス部材は、第1ゲート部材172と第2ゲート部材174との間に介装された1つまたは複数のスプリング176’とされる。スプリング176’は、コイルスプリングやリーフスプリングやトーションスプリングや他のスプリングやこれらの組合せとすることができる。各ゲート部材172,174は、他方のゲート部材に対向した表面(以下においては、内表面180,181と称される)の一部として、1つまたは複数の部分穴178’,179’を有している。各部分穴178’,179’は、スプリング176’の一部を内部に受領している(着座させている)。スプリング176’は、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174を、互いに離間させる向きに付勢する。これにより、各外側表面182,183を、ゲートハウジング171によって規定されたゲート経路202の対向壁204,206に対して、押圧している。スプリング176’による付勢力は、第1ゲート部材172と第2ゲート部材174との間におけるスプリング176’の圧縮の結果とすることができる。スプリング176’は、1つまたは複数の隙間230を有することができる。隙間230は、スプリング176’のコイルどうしの隙間とすることができる、あるいは、スプリング176’と第1ゲート部材172および第2ゲート部材174内の部分穴178’,179’との間の隙間とすることができる。
【0031】
図1〜3に示すように、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174の各々は、上側穴184,185と下側穴186,187とを有している。他の実施形態においては、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174は、貫通している3つの穴を有することができる。
図1〜3に戻ると、第1ゲート部材172は、貫通している上側穴184と下側穴186とを有している。上側穴184および下側穴186(あるいはこれに代えて、第1穴および第2穴)は、図面上において水平方向を向いて、第1ゲート部材172を貫通した向きとされている。上側穴184および下側穴186(あるいはこれに代えて、第1穴および第2穴)の各々は、通路104の長手方向軸線Bに対して全体的に平行とされた中央長手方向軸線を有している。上側穴184は、第1ゲート部材172の外表面182に外側開口190を有しているとともに、第1ゲート部材172の内表面180に内側開口191を有している。外表面182は、ゲートハウジング171に向けて外側を向いており、内表面180は、第2ゲート部材174の内表面181を向いている。外側開口190は、内側開口191よりも大きなものとされており、双方の開口は、円形や楕円形や矩形や他の多角形といったような形状を有することができる。上側穴および下側穴は、外側開口190と内側開口191との間にわたって延在する連続的な漸次的なテーパー形状を有した穴とされている。穴は、限定するものではないけれども、双曲面形状あるいは円錐形状を規定することができる。下側穴186は、第1ゲート部材172の内表面180に内側開口192を有しているとともに、第1ゲート部材172の外表面182に外側開口193を有している。この場合、内側開口192は、外側開口193よりも小さなものとされており、双方の開口は、円形や楕円形や矩形や他の多角形といったような形状を有することができる。上側穴および下側穴は、内側開口192と外側開口193との間にわたって延在する連続的な漸次的なテーパー形状を有した穴とされている。穴は、限定するものではないけれども、双曲面形状あるいは円錐形状を規定することができる。
【0032】
第2ゲート部材174は、貫通している上側穴185と下側穴187とを有している。上側穴185および下側穴187は、図面上において水平方向を向いて、第2ゲート部材174を貫通した向きとされている。上側穴185および下側穴187の各々は、通路104の長手方向軸線Bに対して全体的に平行とされた中央長手方向軸線を有している。上側穴185は、第2ゲート部材174の内表面181に内側開口194を有しているとともに、第2ゲート部材174の外表面183に外側開口195を有している。外表面183は、ゲートハウジング171に向けて外側を向いており、内表面181は、第2ゲート部材174の内表面181を向いている。内側開口194は、外側開口195よりも小さなものとされており、双方の開口は、円形や楕円形や矩形や他の多角形といったような形状を有することができる。上側穴および下側穴は、内側開口194と外側開口195との間にわたって延在する連続的な漸次的なテーパー形状を有した穴とされている。穴は、限定するものではないけれども、双曲面形状あるいは円錐形状を規定することができる。下側穴187は、第2ゲート部材174の外表面183に外側開口196を有しているとともに、第2ゲート部材174の内表面181に内側開口197を有している。この場合、外側開口196は、内側開口197よりも大きなものとされており、双方の開口は、円形や楕円形や矩形や他の多角形といったような形状を有することができる。上側穴および下側穴は、内側開口192と外側開口193との間にわたって延在する連続的な漸次的なテーパー形状を有した穴とされている。穴は、限定するものではないけれども、双曲面形状あるいは円錐形状を規定することができる。ゲートアセンブリ175の上側穴および下側穴は、いくつかの実施形態においては、第1穴と第2穴との間の空間的関係を限定することなく、第1穴および第2穴と称することもできる。
【0033】
図1〜3に示すように、動作時には、ゲートアセンブリ170は、通路104に対して垂直な向きに、並進移動可能とされている。ゲート175の並進移動は、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174に対して連結されたアクチュエータ210によって可能とされている。アクチュエータ210は、
図4に示すように第1ゲート部材172および第2ゲート部材174に対して直接的に連結することができる、あるいは、
図1に示すように第1連結部材213および/または第2連結部材214を介して連結することができる。アクチュエータ210は、通路104内の流れを可能とする位置や通路104内の流れを阻止する位置といったような様々な位置の間にわたって、ゲート175を移動させ得る任意のデバイスとすることができる。一実施形態においては、アクチュエータ210は、本出願人による2014年5月15日付けで出願された米国特許予備出願第14/277,815号明細書に記載された油圧アクチュエータや、本出願人による2014年4月29日付けで出願された米国特許予備出願第14/473,151号明細書に記載されたソレノイドアクチュエータや、米国特許出願公開第2012/0256111号明細書に記載された回転移動から往復移動へのアクチュエータ、とすることができる。これら文献の記載内容は、参考のためここに組み込まれる。
【0034】
図1〜3に示すように、ゲート175は、少なくとも3つの位置を有している。すなわち、(1)
図1に示すような流れ阻止位置であるとともに、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174の固体表面が、通路104の原動部分116の導出端部132に対しておよび通路104の排気部分146の導入端部134に対して付勢された、流れ阻止位置と、(2)
図3に示すような第1流れ位置であるとともに、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174の上側穴184,185が、互いに位置合わせされているとともに通路104に対して位置合わせされていて、第1ベンチュリチューブを通しての流体流れが可能とされた、第1流れ位置と、(3)
図2に示すような第2流れ位置であるとともに、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174の下側穴186,187が、互いに位置合わせされているとともに通路104に対して位置合わせされていて、第2ベンチュリチューブを通しての流体流れが可能とされた、第2流れ位置と、を有している。一実施形態においては、第1流れ位置を使用することにより、第1の向きにおける流体流れに関して、例えば原動部分116から排気部分146への向きにおける流体流れに関して、真空吸引力を生成することができる。また、第2流れ位置を使用することにより、逆向きにおける流体流れに関して、例えば排気部分146から原動部分116への向きにおける流体流れに関して、真空吸引力を生成することができる。一実施形態においては、第1流れ位置および第2流れ位置は、同じ向きにおける流体流れに関して使用されるけれども、互いに異なる内部プロファイルを有していることのために互いに異なる質量流速を生成する。
【0035】
動作時には、アスピレータ100は、ゲートアセンブリ170の上側穴184,185と下側穴186,187とのいずれかを通して流体が流れる際には、ベンチュリ効果を生成する。一実施形態においては、上側穴184,185は、第1の向きにおける流体流れに関してベンチュリ効果を生成し、下側穴186,187は、第1の向きとは逆向きの第2の向きにおける流体流れに関してベンチュリ効果を生成する。
【0036】
図2に示すように、下側穴186,187を通しての流れは、原動ポート108から排気ポート112に向けての流れとされる。第1テーパー形状部分128は、大径端部130から、原動部分116の大径端部130よりも小さい、第1ゲート部材172の下側穴186の内側開口192へと、連続的なテーパー形状を形成する。第1テーパー形状部分128に沿ってのおよび下側穴186に沿ってのこの断面プロファイルの変化は、流体が通過する際に、流体の流速を増大させる。大径端部130、および、第1ゲート部材172の下側穴186の内側開口192は、円形や楕円形や矩形や他の多角形といったような形状を有することができる。その内部は、大径端部130から下側穴186の内側開口192にかけて、連続的に漸次的にテーパー形状となっている。内部の形状は、限定するものではないけれども、双曲面形状や円錐形状を規定することができる。大径端部130と比較しての、内側開口192のサイズは、アスピレータ100を通して流れる際に原動エアがどの程度の速度を得るかに応じて、決定される。
【0037】
第1ゲート部材172の下側穴186の内側開口192のところにおいては、流体流れは、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174の間のギャップDに入り、その後、第1ゲート部材172の下側穴186の内側開口192よりも大径の開口とされた、第2ゲート部材174の下側穴187の内側開口197へと入る。ゲート175を貫通する下側穴186,187が、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174の内表面180,181の間のギャップのところにおいて、プロファイル変化を有していることのために、そのギャップは、ベンチュリ開口232を構成する。このベンチュリ開口232は、原動ポート108から排気ポート112に向けて下側穴186,187を通して流体が流れる際に、ベンチュリ開口232のまわりに真空吸引力を生成する。第2ゲート部材174の下側穴187の内側開口197から、第2ゲート部材174の下側穴187の内表面および第2テーパー形状部分129の内表面は、排気ポート開口131の大径開口のところまで、連続的にかつ漸次的にテーパー形状を形成している。内側開口197は、円形や楕円形や矩形や他の多角形といったような形状を有することができる。その内部は、第2ゲート部材174の下側穴187の内側開口197から排気ポート開口131にかけて、連続的に漸次的にテーパー形状となっている。内部の形状は、限定するものではないけれども、双曲面形状や円錐形状を規定することができる。下側穴186,187は、第2ベンチュリチューブを構成する。この第2ベンチュリチューブのベンチュリ開口232のところで生成される真空吸引力は、第1ゲート部材172のベント212を通して真空吸引ポート110に対して伝達される。これにより、真空吸引ポート110から、第2ゲート部材174の下側穴187内へと、追加的な流体を吸引することができる。ベント212は、第1ゲート部材172内に延在するものとして図示されているけれども、それに代えて、ベント212は、第2ゲート部材174内に配置することもできる。
【0038】
図3に示すように、上側穴184,185を通しての流れは、排気ポート112から原動ポート108に向けての流れとされる。これは、下側穴186,187に関して上述した向きとは、逆向きである。第2テーパー形状部分129は、大径端部131から、
図1,3に示すように排気部分146の大径端部131よりも小さい、第2ゲート部材174の上側穴185の内側開口194へと、連続的なテーパー形状を形成する。第2テーパー形状部分129に沿ってのおよび上側穴185に沿ってのこの断面プロファイルの変化は、流体が通過する際に、流体の流速を増大させる。大径端部131、および、第2ゲート部材174の上側穴185の内側開口194は、円形や楕円形や矩形や他の多角形といったような形状を有することができる。その内部は、大径端部131から上側穴185の内側開口194にかけて、連続的に漸次的にテーパー形状となっている。内部の形状は、限定するものではないけれども、双曲面形状や円錐形状を規定することができる。大径端部131と比較しての、内側開口194のサイズは、アスピレータ100を通して流れる際に原動エアがどの程度の速度を得るかに応じて、決定される。
【0039】
第2ゲート部材174の上側穴185の内側開口194のところにおいては、流体流れは、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174の間のギャップDに入り、その後、第2ゲート部材174の上側穴185の内側開口194よりも大径の開口とされた、第1ゲート部材172の上側穴184の内側開口191へと入る。ゲート175を貫通する上側穴184,185が、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174の内表面180,181の間のギャップのところにおいて、プロファイル変化/寸法変化を有していることのために、そのギャップは、ベンチュリ開口231を構成する。このベンチュリ開口231は、排気ポート112から原動ポート108に向けて上側穴184,185を通して流体が流れる際に、ベンチュリ開口231のまわりに真空吸引力を生成する。第1ゲート部材172の上側穴184の内側開口191から、第1ゲート部材172の上側穴184の内表面および第1テーパー形状部分128の内表面は、原動ポート開口130の大径開口のところまで、連続的にかつ漸次的にテーパー形状を形成している。上側穴184の内側開口191および原動開口130は、円形や楕円形や矩形や他の多角形といったような形状を有することができる。その内部は、連続的に漸次的にテーパー形状となっている内部プロファイルは、限定するものではないけれども、双曲面形状や円錐形状を規定することができる。上側穴184,185は、第1ベンチュリチューブを構成する。この第1ベンチュリチューブのベンチュリ開口231のところで生成される真空吸引力は、第1ゲート部材172のベント212を通して真空吸引ポート110に対して伝達される。これにより、真空吸引ポート110から、第2ゲート部材174の上側穴184内へと、追加的な流体を吸引することができる。下側穴186,187が、原動部分116から排気部分146への流体流れに対してベンチュリ効果を生成し得るものとして説明し、上側穴184,185が、逆向きの流体流れに対してベンチュリ効果を生成し得るものとして説明したけれども、それに代えて、流体の流れの向きは、逆とすることができる。すなわち、上側穴184,185は、原動部分116から排気部分146への流体流れに対してベンチュリ効果を生成し得るとともに、下側穴186,187は、逆向きの流体流れに対し
てベンチュリ効果を生成することができる。
【0040】
図4の実施形態においては、上側穴184,185を通っての流体流れと、下側穴186,187を通っての流体流れとは、互いに同じ向きとされている、例えば、原動部分116から排気部分146への流れとされている。下側穴186,187は、上側穴184,185とは異なる形状および寸法を有することができる。これにより、下側穴186,187がベンチュリ開口232のところにおいて生成する質量流速および/または真空吸引効果は、上側穴184,185がベンチュリ開口231のところにおいて生成する質量流速および/または真空吸引効果と比較して、異なるものとされている。
【0041】
図4に示すように、ゲートアセンブリ170の上側穴184,185および下側穴186,187は、原動部分116から排気部分146への流れに関して真空吸引力を生成し得るよう構成されている。上側穴184,185は、上側穴184,185内のベンチュリ開口231のところにおいて、第1真空吸引力(第1真空吸引圧力)および/または第1質量流速を生成し得るよう構成されている。上側穴184,185は、ベンチュリ開口231を有した第1ベンチュリチューブを構成する。ゲートアセンブリ170が、通路104内に上側穴184,185を位置させるように配置されたときには(
図4は、上側穴184,185が通路104に対して位置合わせされた状況ではなく、下側穴186,187が通路104に対して位置合わせされた状況を図示しているけれども)、テーパー形状部分128は、大径端部130から、原動部分116の大径端部130よりも小さい、第1ゲート部材172の上側穴184の内側開口191へと、連続的なテーパー形状を形成する。テーパー形状部分128に沿ってのおよび上側穴184に沿ってのこの断面プロファイルの変化は、流体が通過する際に、流体の流速を増大させる。大径端部130、および、第1ゲート部材172の上側穴184の内側開口191は、アスピレータ100を通して流れる際に原動エア(流体)がどの程度の速度を得るかを決定する。第1ゲート部材172の上側穴184の内側開口191のところにおいては、流体流れは、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174の間のギャップDに入り、その後、第1ゲート部材172の内側開口191よりも大径の開口とされた、第2ゲート部材174の上側穴185の内側開口194へと入る。ゲート175を貫通する上側穴184,185が、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174の内表面180,181の間のギャップのところにおいて、プロファイル変化を有していることのために、そのギャップは、ベンチュリ開口231を構成する。このベンチュリ開口231は、原動ポート108から排気ポート112に向けて上側穴184,185を通して流体が流れる際に、ベンチュリ開口231のまわりに真空吸引力を生成する。
【0042】
第1ゲート部材172の上側穴184の内側開口191と第2ゲート部材174の上側穴185の内側開口194との間における断面形状(プロファイル)の変化および/または寸法変化は、上側穴184,185によって生成されるベンチュリ効果の大きさを決定し、これにより、第1真空吸引力を決定する。上側穴184,185の寸法および/または断面形状は、また、アスピレータ100を通しての第1質量流速を決定することができる。
【0043】
図4に示すように、ゲートアセンブリ170が、通路104内に下側穴186,187を位置させるように配置されたときには、下側穴186,187内のベンチュリ開口232のところにおいて、第2真空吸引力(第2真空吸引圧力)および/または第2質量流速を生成することができる。下側穴186,187は、ベンチュリ開口232を有した第2ベンチュリチューブを構成する。テーパー形状部分128は、原動ポート108のところの大径導入端部130から、この大径導入端部130よりも小さい、第1ゲート部材172の下側穴186の内側開口192へと、連続的なテーパー形状を形成する。通路104の原動部分116に沿ってのおよび第1ゲート部材172の下側穴186に沿ってのこの断面プロファイルの変化は、流体が通過する際に、流体の流速を増大させる。大径導入端部130および内側開口192の各プロファイルは、アスピレータ100を通して流れる際に原動エア(流体)がどの程度の速度を得るかを決定し、アスピレータ100を通しての流体の質量流速に対して影響を与えることができる。
【0044】
第1ゲート部材172の下側穴186の内側開口192のところにおいては、流体流れは、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174の間のギャップDに入り、その後、第1ゲート部材172の下側穴186の内側開口192よりも大径の開口とされた、第2ゲート部材174の下側穴187の内側開口197へと入る。ゲート175を貫通する下側穴186,187が、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174の内表面180,181の間のギャップのところにおいて、プロファイル変化を有していることのために、そのギャップは、ベンチュリ開口232を構成する。このベンチュリ開口232は、原動ポート108から排気ポート112に向けて下側穴186,187を通して流体が流れる際に、ベンチュリ開口232のまわりに真空吸引力を生成する。
【0045】
第1ゲート部材172の下側穴186の内側開口192と、第2ゲート部材174の下側穴187の内側開口197と、の間における断面形状(プロファイル)の変化および/または寸法変化は、下側穴186,187によって生成されるベンチュリ効果の大きさを決定し、これにより、第2真空吸引力を決定する。下側穴186,187の寸法および/または断面形状は、また、アスピレータ100を通しての第2質量流速を決定することができる。
【0046】
上側穴184,185と下側穴186,187との間の断面形状(プロファイル)および/または寸法の相違は、第1真空吸引力と第2真空吸引力との相違をもたらすことができる。上記の様々な実施形態は、アスピレータ100を使用しているエンジンシステムからの様々な動作要求に応じて、様々な真空吸引圧力を提供することができる。上側穴184,185と下側穴186,187との間の断面形状(プロファイル)および/または寸法の相違は、また、アスピレータ100を通しての第1質量流速と、アスピレータ100を通しての第2質量流速と、の相違をもたらすことができる。このことは、とりわけ、追加的な流れ制御バルブを必要とすることなく、エンジン吸気マニホールドに対してのエアの質量流速を制御し得るという利点をもたらす。
【0047】
図4に示すように、スプリング176’は、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174を互いに離間する向きに付勢しており、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174の間にギャップEを形成している。スプリング176’は、1つまたは複数の隙間230を有している。隙間230により、流体を、スプリング176’の間を通過させることができる。よって、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174のいずれかに配置されたベント212(
図1〜3に図示されている)を設ける必要がない。隙間230は、スプリング176’をなすコイルどうしの間の隙間とすることができる、および/または、スプリング176’と、第1ゲート部材172および第2ゲート部材174の部分穴178’,179’と、の間の隙間とすることができる。
図4に示すように、ゲートアセンブリ170の上側穴184,185と下側穴186,187とのいずれかのところで生成された真空吸引力は、ギャップEへと伝達され、さらに、このギャップEから、スプリング176’の隙間230を通して、あるいは、スプリング176’と第1ゲート部材172および第2ゲート部材174との間の隙間を通して、真空吸引ポート110へと伝達される。通路104と真空吸引ポート110との間の流体連通により、追加的な流体を、真空吸引ポートから第2ゲート部材174の上側穴185内へとまたは下側穴187内へと、吸引することができる。
【0048】
アスピレータ100の付加的なバイパスポート114は、第2テーパー形状部分129に対して流体連通可能であるようににして、上記の排気部分146に対して交差することができる。
図1に示すように、バイパスポート114は、導出端部131の近傍においてなおかつ導出端部131よりも下流側において、第2テーパー形状部分129に対して交差することができる。ボディ106は、その後(すなわち、バイパスポートの交差箇所よりも下流側において)、排気ポート112において終端するまで一様な円筒形状を継続することができる、あるいは、第2テーパー形状部分129の導出端部131から排気ポート112までの内表面上にわたって連続的に漸次的なテーパー形状を有することができる。ボディ106のその部分がテーパー形状であれば、バイパスポート114の性能を改良することができる。各ポート108,110,112,114の各々は、外表面上にコネクタを有することができる。これにより、アスピレータ100を、ホースに対して、あるいは、エンジンの他の特徴物に対して、連結することができる。
図1の実施形態においては、ゲート経路202は、ボディの中央長手方向軸線Bに対して垂直な中央長手方向軸線Cを有している。付加的なバイパスポート114は、同様に、ボディの中央長手方向軸線Bに対して垂直な中央長手方向軸線Aを有している。
【0049】
本発明によるアスピレータ100は、駆動されるゲートアセンブリ170を具備したものであって、アスピレータ100を通して流体がいずれかの向きに流れた際には、
エンジンがブースト状態であるかあるいはマニホールド真空度合いが不適切な動作状態であるかにかかわらず、真空吸引力を生成することができる。これにより、アスピレータ100は、エンジンシステムの真空吸引力要求に応えるために必要な構成部材に関する数やコストを低減することができる。これにより、とりわけ、コストを低減し得るとともに、エンジンシステムの効率を増大させることができる。さらには、アスピレータ100により、アスピレータ100を通してエンジン吸気マニホールドへと流れる流体の質量流速を制御することができる。これにより、とりわけ、エンジン吸気マニホールドに対してのエア流の制御に関するコストを低減することができる。
【符号の説明】
【0050】
100 アスピレータ
102 真空吸引力を必要とするデバイス
104 流体通路
106 ボディ
110 真空吸引ポート
128 第1テーパー形状部分
129 第2テーパー形状部分
170 ゲートアセンブリ
171 ゲートハウジング
172 第1ゲート部材
174 第2ゲート部材
176 無端弾性バンド(バイアス部材)
176’ スプリング(バイアス部材)
184 上側穴、第1穴
185 上側穴、第1穴
186 下側穴、第2穴
187 下側穴、第2穴
202 ゲート経路
210 アクチュエータ
231 ベンチュリ開口
232 ベンチュリ開口