(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
カチオン性ガラクトマンナンまたはカチオン性キシログルカンが、0.05〜0.7のカチオン置換度を有する、請求項1に記載のコンディショナーおよびレオロジー改質剤。
カチオン性ガラクトマンナンまたはカチオン性キシログルカンが、0.4〜0.7のカチオン置換度を有する、請求項3に記載のコンディショナーおよびレオロジー改質剤。
0.01重量%未満の(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムを含む、請求項1または3に記載のコンディショナーおよびレオロジー改質剤。
以下のステップを含む、請求項1に記載のコンディショナーおよびレオロジー改質剤の調製のための手順:a)100重量部のガラクトマンナンまたはキシログルカンを、1〜600重量部の(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムまたは(2,3−エポキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムと、および0.4〜200重量部の水酸化ナトリウム(または当量の別のアルカリ水酸化物)と、5〜500部の水または20〜100重量%の水を含む5〜500部の水/アルコール混合物中で反応させる;b)0.1〜400重量部の水酸化ナトリウム(または当量の別のアルカリ水酸化物)を、ステップa)で得られた反応生成物に添加し、反応生成物を10〜300分間、30℃〜90℃の間に含まれる温度で混合する;c)混合物のpHを酸で整える;d)ステップc)から得られた混合物を、水および/または溶媒で洗浄せずに、直接乾燥させて破砕する。
ステップa)において、100重量部のガラクトマンナンまたはキシログルカンを、1〜600重量部の(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムと反応させる、請求項8または9に記載の手順。
【背景技術】
【0011】
技術の水準
カチオン性グアー誘導体は、それらの使用が耐水紙の製造において引用される70年代初期から知られている(US 3,589,978);工業的使用のためのカチオン性カシア誘導体は、80年代初期に調製された(FR 2513265)。
化粧品におけるカチオン性グアー誘導体の最初の使用は、グアーのカチオン性誘導体が、通常の洗剤の力の他に、ヘアコンディショニングの特徴を有するいわゆる「2イン1」シャンプーの調製において用いられた1977年に遡る(US 4,061,602)。
【0012】
化粧品において用いられるガラクトマンナンのカチオン性誘導体は、例えば以下のINCI名により知られる:ヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウム塩化物(化学的にはそれは、グアーガム、2−ヒドロキシプロピル2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピルエーテル塩化物である);グアーヒドロキシプロピルトリモニウム塩化物(化学的にはそれは、グアーガム、2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピルエーテル塩化物である);タラ(Caesalpinia Spinosa)ヒドロキシプロピルトリモニウム塩化物(化学的にはそれは、タラガム、2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピルエーテル塩化物である);カシアヒドロキシプロピルトリモニウム塩化物;ローカストビーンヒドロキシプロピルトリモニウム塩化物;フェヌグリーク(Trigonella Foenum-Graecum)ヒドロキシプロピルトリモニウム塩化物。
【0013】
上で引用されるカチオン性誘導体の合成を記載する殆どの特許刊行物は、最終生成物中の不純物の存在の可能性を無視するか、水および/または溶媒で洗浄することによりそれらを除去することを示唆する。
【0014】
US 3,589,978において記載されるものによれば、カチオン化反応は、イソプロパノール、メタノール、エタノールおよびtert-ブタノールなどの溶媒中で行うことができる;同特許の例Aにおいては、反応の終了時、およびアルカリ過剰の中和の後で、生成物を乾燥させ、破砕し、メタノールで洗浄し(これはそれ自体が毒性生成物である)、未反応の四級試薬を除去しようとする。
【0015】
US 4,031,307においては、二相系におけるグアーのカチオン性誘導体の調製が記載される;反応の後で、得られた生成物を、遠心分離または濾過により分離し、好ましくは、合成において用いられた水−溶媒混合物による第1の洗浄ステップにより、および同じ溶媒のより無水の形態による第2の洗浄ステップにより、精製する。
【0016】
US 2001/0051143においては、カチオン性グアー誘導体の調製は、反応の終了時に、85重量%の含水イソプロパノールによる第1の洗浄ステップ、および純粋イソプロパノールによる第2の洗浄ステップを含む;US 2001/0051140においては、反応の終了時に85%wtの含水イソプロパノールによる2回の洗浄ステップを含むグアーカチオン性誘導体の調製が記載される。
ホームおよびパーソナルケア適用のためのカシアカチオン性誘導体は、例えばUS 7,262,157およびUS 7,759,296において報告される。
【0017】
それらの合成のために、US 4,753,659およびUS 5,733,854による官能化法が引用される;これらの特許においては、カチオン化試薬に由来する不純物の存在について、何ら言及されない。
US 7,759,296においては、髪固定剤適用のためのカチオン性カシアの詳細な調製が、例1において報告される;(2,3−エポキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムとの反応の後で、生成物は、イソプロパノールで洗浄される。
【0018】
EP 1739095およびEP 1630176は、タラガム(Caesalpinia spinosaの種子から)、ローカストビーンガム(Ceratonia siliquaの種子から)およびフェヌグリークガム(Trigonelle foenum-graecumの種子から)のガラクトマンナンのカチオン性誘導体の調製、ならびにパーソナルケア適用におけるそれらの使用を開示する。やはり、不純物の存在については何ら言及されておらず、例においては、調製後のカチオン性誘導体は、溶解され、次いでメタノールを用いて沈殿された。
EP 2089435においては、水/溶媒洗浄により、反応混合物からの毒性の試薬の除去が行われる。
【0019】
上で引用される刊行物のいずれも、残留カチオン化剤が化粧品的に受け入れ可能な成分に変換されるステップを記載しない。
【0020】
現在市販されている多くのカチオン性グアー誘導体は、例えばCA 2,023,324において記載されるように、ホウ酸塩で架橋すること、およびそれらを水のみを用いて洗浄することにより、精製される;そのようにして得られたカチオン性グアー誘導体は、少量のホウ素を含む(ホウ酸塩含有(borated)グアー)。
ホウ酸または任意の他のクロスリンカーによる架橋の目的は、生成物を水中で不溶性にし、それにより洗浄可能にする結合を、多糖鎖間に形成することである。
【0021】
ホウ砂の代替物として、グリオキサルおよびチタニウム塩などの他のクロスリンカーが開発されている。
不運なことに、全てのこれらの精製手順は、大量の水および溶媒を含み、いくつかの場合においては、ホウ砂誘導体などの毒性の物質の使用を含む。
【0022】
さらに、高度の、例えば0.4より高い置換度を有するカチオン性多糖または解重合されているカチオン性誘導体を、洗浄することにより工業的に精製することは、それらの相対的に高い可溶性のために、実に難しく、殆ど不可能である。
【0023】
出願人は、今や、第2のさらなるアルカリによる処置を含む、カチオン性ガラクトマンナンおよびキシログルカンの調製のためのプロセスを見出した。この処置は、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムと、または(2,3−エポキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムとの反応の後で行われ、未反応の残留試薬を、非毒性で有益な化粧品的に受け入れられる成分である(2,3−ジヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムに変換する。
【0024】
アルカリによる後処置は、洗浄ステップを回避することを可能にし、全てのpHで可溶性であり、それが成分として用いられる化粧品処方物の毒性学的特徴を損なう毒性の混入物を含まない、カチオン性ガラクトマンナンおよびキシログルカンを生成する。
【0025】
さらに、文献において、例えばStarch/Staerke 33 (1981) Nr. 9, S. 310-312において報告されることにも関わらず、カチオン化後の第2のアルカリ処置の追加は、反応効率およびカチオン置換度に負の影響を及ぼさなず、これらは最高のレベルのままである。
【0026】
本発明の好ましい態様においてはまた、さらなる解重合ステップの追加を必要とすることなく最終生成物の粘度を低下させるために、アルカリによる後処置を用いることも可能である。
【0027】
合成の後でアルカリによる精製のステップを含むカチオン性グアーの調製のためのプロセスは、WO 2001/097761において一般的に記載されている。この特許出願によれば、全プロセスにおいて合計で用いられるアルカリの量は、ガラクトマンナンの重量に基づいて約10〜100重量%で変動し得る。
【0028】
この誘導体化後の処置、アルカリが添加される量および時間、処置条件、ならびに不純物に対する、および置換度に対する、およびカチオン性グアーの最終的な粘度に対するこの処置の影響について、それ以上のことは何ら言及されない。さらに、例Iにおいて、水酸化ナトリウム処置およびその後の中和の後で、カチオン性グアーは、通常どおり溶媒洗浄により精製される。
【0029】
この誘導体化後の処置、アルカリが添加される量および時間、処置条件、ならびに不純物に対する、および置換度に対する、およびカチオン性グアーの最終的な粘度に対するこの処置の影響について、それ以上のことは何ら言及されない。さらに、例Iにおいて、水酸化ナトリウム処置およびその後の中和の後で、カチオン性グアーは、通常どおり溶媒洗浄により精製される。
【0030】
本文において、表現「カチオン置換度」(DS
cat)により、本発明者らは、
1H−NMRにより決定される、多糖の各々の無水グリコシド(anhydroglycosidic)単位上のカチオン基で置換されたヒドロキシル基の平均数を意味する。
表現「ヒドロキシアルキルモル濃度置換」(MS)により、本発明者らは、
1H−NMRにより決定される、多糖の各々の無水グリコシド単位上のヒドロキシアルキル置換基の平均数を意味する。
【0031】
表現「置換の疎水性の程度」(DS
H)により、本発明者らは、ガスクロマトグラフィーにより測定される、多糖の各々の無水グリコシド単位上の疎水性置換基の平均数を意味する。
【0032】
表現「置換のカルボキシアルキル度」(DS
AN)により、本発明者らは、滴定により測定される、多糖の各々の無水グリコシド単位上のカルボキシアルキル基で置換されたヒドロキシル基の平均数を意味する。
【0033】
表現「化粧品組成物」または「パーソナルケア組成物」により、本発明者らは、通常はパーソナルケアのために用いられる組成物、例えばヘアケア生成物、スキンケア生成物および口腔ケア組成物を意味する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
発明の詳細な説明
本発明の好ましい態様によれば、カチオン性ガラクトマンナンまたはキシログルカンの調製のための手順のステップa)において、1〜600重量部の(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウム、および0.4〜200重量部の水酸化ナトリウムを添加する;より好ましくは、手順のステップa)において、10〜180重量部の(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウム、および3〜60重量部の水酸化ナトリウムを添加し、これにより、調製の終了時に、0.05〜0.7の間に含まれるDSを有するカチオン性ガラクトマンナンまたはキシログルカンを得る。
【0039】
上の手順は、その調製が先行技術の洗浄方法では困難であろう、0.4〜0.7の間に含まれるDS
catを有するカチオン性ガラクトマンナンまたはキシログルカンの調製のために、特に好適である。
【0040】
本発明の手順のために有用なアルコールは、好ましくはエタノール、イソプロパノール、またはこれらの混合物である。
好ましくは、手順のステップa)において、50〜200重量部の水または水/アルコール混合物、各々100重量部のガラクトマンナンまたはキシログルカンを用いる。
【0041】
好ましくは、ステップa)において、ガラクトマンナンまたはキシログルカン、アルカリ水酸化物、およびカチオン化剤(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムまたは(2,3−エポキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムを、約1〜4時間にわたり、約40℃〜約80℃の温度で、ステップb)を行う前に、反応させる。最も好ましくは、アルカリ水酸化物を、予め水または水/溶媒混合物と混合したガラクトマンナンまたはキシログルカンに添加し、約15〜45分間にわたり撹拌する;その後、カチオン化剤を添加し、約40℃〜70℃で約1〜3時間にわたり、ステップb)を行う前に、反応させる。
【0042】
本発明のカチオン性誘導体の調製のために有用なガラクトマンナンとして、ガラクトースおよびマンノース単位からなり、加えて少量の他の型の糖単位を含んでもよい、全ての多糖が挙げられる。
【0043】
それらは、主に、Cyamopsis tetragonolobus(グアー)、Ceratonia siliqua(ローカストビーンまたはイナゴマメ)、Caesalpinia spinosa(タラ)、Cassia occidentalis(カシア)、セスバニア属およびTrigonella foenum-graecum(フェヌグリーク)などの多様なマメ科植物の種子の胚乳中で生じる。
【0044】
特に、ガラクトマンナンは、1−4−β−グリコシド結合により一緒に連結されたマンノース単位の主鎖と、それから1−6−α−グリコシド結合により分枝するガラクトース単位からなる。ガラクトース単位に対するマンノース単位の比は、ソースごとに異なり得る。比を増大させるために、フェヌグリークガムは、マンノース対ガラクトースの比は約1:1、セスバニアガムは約1.6:1、グアーガムは約2:1、タラガムは約3:1、ローカストビーンガムまたはイナゴマメガムは約4:1、およびカシアガムは約5:1である。
【0045】
最もよく知られるガラクトマンナンは、Cyamopsis tetragonoloba L.(グアー)、Cesalpinia spinosa L.(タラ)、およびCeratonia siliqua L.(ローカストビーン)からのものである。未置換のマンナンは、完全に水中で不溶性である。マンノース単位の一級ヒドロキシル基(マンノース分子のC−6原子)へのガラクトース単位の1,6−α−グリコシド結合による結合は、水溶性、特に冷水への可溶性を増大する。
【0046】
本明細書において記載されるカチオン性ガラクトマンナンは、小麦粉(粉末)の形態における、「スプリット(split)」の形態におけるガムを用いて調製することができる。
スプリットは、種子の殻および胚芽からの胚乳の機械的分離により、純粋かつ完全な形態において、可能な限り他の処理ステップなしで、得られる。これらのスプリットは、不純物として、種ごとに異なるパーセンテージで、約6〜12パーセントの水分、2〜7パーセントのタンパク質、および2〜7パーセントの酸不溶性残渣を含む。
小麦粉は、通常、約4〜約400メッシュ(ASTM Standard Sieve Series)の粒子サイズの範囲を有する。
【0047】
本発明のカチオン性誘導体を得るために好適なガラクトマンナンは、好ましくは、25℃および20rpmで1.0重量%水溶液に対して測定される、50〜10,000mPa
*sの間に含まれるBrookfield(登録商標)RVT粘度、ならびに典型的には50,000〜3,000,000ダルトンの重量平均分子量(M
w)を有する。
【0048】
好ましい態様において、パーソナルケア組成物および家庭用ケア組成物は、上記の手順により調製されたカチオン性ガラクトマンナンを含む。最も好ましい態様において、カチオン性ガラクトマンナンはグアーガムである。
【0049】
キシログルカンは、全ての維管束植物の一時細胞壁中に生じるヘミセルロースである。本発明の具現化のために有用なキシログルカンの典型的な例は、タマリンドガムである。
タマリンド(Tamarindus Indica)は、熱帯において産生されるマメ科の常緑喬木である。タマリンドガム(タマリンド粉末またはタマリンド穀粒粉末)は、タマリンドの種子を粉砕することにより得られる粉末を抽出および精製することにより得られる。
【0050】
その骨格は、セルロースのものと同様に(1−4)−β−結合で連結されたD−グルコース単位からなり、D−グルコース単位の全ての2番目、3番目および4番目にα−D−(1−6)結合を通して結合した単一のキシロース単位の側鎖を有する。1つのガラクトース単位が、キシロース単位のうちの1つに、β−D−(1−2)結合を通して結合している。グルコース、ガラクトースおよびキシロースの間のモル濃度比は、約3:1:2である。
【0051】
本発明のカチオン性誘導体を得るために好適なキシログルカンガムは、好ましくは、25℃および20rpmで1.0重量%水溶液において測定される、50〜10,000mPa
*sの間に含まれるBrookfield(登録商標)RVT粘度、ならびに典型的には100,000〜1,000,000ダルトンの重量平均分子量(M
w)を有する。
【0052】
本発明の手順は、1または2以上のさらなる誘導体化ステップ、例えばヒドロキシアルキル化、カルボキシアルキル化、疎水化ステップまたはこれらの組み合わせを含んでもよい。
この場合において、本発明のカチオン性ガラクトマンナンおよびキシログルカンはまた、ヒドロキシアルキル置換基(ここでアルキルは、1〜5個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状炭化水素部分を表す(例えばヒドロキシエチル、またはヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル))、疎水性置換基、カルボキシアルキル置換基、またはこれらの組み合わせなどのさらなる置換基を含んでもよい。
【0053】
多糖上にヒドロキシアルキル置換基を導入するためのプロセスは、当該分野において周知である。
典型的には、多糖のヒドロキシアルキル化は、アルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどの試薬との反応により、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基またはヒドロキシブチル基などを得ることにより得られる。
【0054】
生じるヒドロキシアルキルカチオン性ガラクトマンナンおよびキシログルカンは、0.1〜3.0の間、好ましくは0.1〜2.0の間、より好ましくは0.1〜1.5の間に含まれるMSを有してもよい。
本発明のカチオン性ガラクトマンナンおよびキシログルカンの疎水化は、疎水性基の導入により得られる。
【0055】
ガラクトマンナンに対する疎水性基の導入は、例えばEP 323627およびEP 1786840において記載される。同じ方法を、キシログルカンに対して用いることができる。
疎水性基をもたらす典型的な誘導体化剤として、直鎖状または分枝状C
2〜C
24アルキルおよびアルケニルハロゲン化物、C
6〜C
24炭化水素基を含む直鎖状または分枝状アルキルおよびアルケニルエポキシド、ならびにC
4〜C
24直鎖状または分枝状炭化水素基を含むアルキルおよびアルケニルグリシジルエーテルが挙げられる。
【0056】
好適なグリシジルグリシジルエーテル疎水化剤は、例えば、ブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、ヘキサデシルグリシジルエーテル、ベヘニルグリシジルエーテルおよびノニルフェニルグリシジルエーテルであってよい。
代表的なアルキルエポキシドとして、限定されないが、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシオクタデカンおよび1,2−エポキシエイコサンが挙げられる。
【0057】
例示的なハライド疎水化剤として、限定されないが、臭化、塩化およびヨウ化エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、ミリスチル、ヘキサデシル、ステアリルおよびベヘニルが挙げられる。
疎水性修飾を導入するために好適な他の誘導体化剤として、アルキル−およびアルケニル−β−ヒドロキシ−γ−クロロプロピルエーテル、ならびにトリグリセリドのエポキシ誘導体が挙げられる。
【0058】
本発明の好ましい態様において、カチオン性置換基は、2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピルエーテル塩化物であり、疎水性置換基は、6〜24個の炭素原子を有する直鎖状のアルキルまたはアルケニル鎖、またはかかるアルキルまたはアルケニルの混合物を含む。
【0059】
本発明の疎水性に修飾されたカチオン性ガラクトマンナンまたはキシログルカンは、1
*10
−5〜5
*10
−1、好ましくは1
*10
−4〜1
*10
−1の疎水性の置換度(DS
H)を有していてもよい。
さらなる特定の態様において、本発明のカチオン性ガラクトマンナンおよびキシログルカンは、ヒドロキシアルキル置換基および疎水性置換基の両方を含んでもよい。この場合において、MSは、0.1〜3.0の間に含まれ、DS
Hは1
*10
−5〜5
*10
−1の間に含まれる。
【0060】
別の態様において、本発明のカチオン性ガラクトマンナンおよびキシログルカンは、カルボキシアルキル化されている。本発明のカルボキシアルキルカチオン性多糖は、0.01〜1.0の範囲のカルボキシアルキル置換度(DS
AN)を有する。
ハロ−カルボン酸またはそれらの塩を、カルボキシアルキルカチオン性ガラクトマンナンおよびキシログルカンの調製のために用いることができる。調製されるハロ−カルボン酸は、クロロ酢酸である。
【0061】
より好ましい態様において、カチオン性ガラクトマンナンおよびキシログルカンは、カチオン性置換基のみを含み、0.05〜0.7の間、最も好ましくは0.4〜0.7の間に含まれるDS
catを有する。
本発明の具現化のために好適なカチオン性ガラクトマンナンおよびキシログルカンの調製についてのさらなる詳細は、文献において、例えば「Industrial Gums: Polysaccharides and their Derivatives」、第3版、Whistler, Roy L.およびBeMiller, James N.、Academic Press (1993)において、見出すことができる。
【0062】
誘導体化反応(カチオン化、カルボキシアルキル化、ヒドロキシアルキル化、疎水化)は、任意の順序で続くことができる。
例として、本発明のカチオン性ガラクトマンナンおよびキシログルカンがまたヒドロキシアルキル置換基を含む場合、後者は、最後のステップにおいて、カチオン化ステップa)の後で、および任意の疎水化が起きた後で、導入することができる。
【0063】
本発明の手順を特徴づけるステップは、ステップb)である。
ステップb)は、多糖のカチオン化の後、いつ行ってもよいが、好ましくは全ての誘導体化反応を行った後に行う。
【0064】
本発明の好ましい態様において、1〜180重量部、より好ましくは2〜90重量部の水酸化ナトリウム(または当量の他のアルカリ水酸化物)、各々100部のガラクトマンナンまたはキシログルカンを、ステップb)中に添加する。
【0065】
ステップb)の後で、カチオン性多糖のpHを、適切に調製してもよい。反応混合物のpHを調整するために、任意の酸を選択することができ、これは、塩酸および硫酸などの強酸、または酢酸、乳酸、クエン酸、二酸化炭素およびフマル酸などの弱酸を含む。好ましい態様において、酢酸またはフマル酸を用いる。別の好ましい態様において、ステップb)の後で得られた反応混合物のpHを、二酸化炭素の添加により低下させる。用いられる酸の量は、所望されるpH値(これは通常4〜11の間である)に達するために必要とされる量である。
【0066】
本発明の手順は、いくつかの既知の試薬および方法によるさらなる処置、例えば以下を含んでもよい:酸;生化学的酸化剤、例えばガラクトース−オキシダーゼ、マンナナーゼまたは他の鉱組成物;化学的酸化剤、例えば過酸化水素;物理学的方法、例えば高速撹拌、剪断機、熱による方法;これらの試薬および方法の組み合わせ。メタ重亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸水素の無機塩などの試薬もまた、任意に含まれていてもよい。
【0067】
カチオン性多糖の分散性および可溶化の遅延を得るための、ガラクトマンナンまたはキシログルカンの軽度の架橋(例えばホウ砂、グリオキサル、チタニウムまたはアルミニウム塩による)もまた、行ってもよい。
全ての上のさらなる処置はまた、ガラクトマンナンおよびキシログルカンに対して、ステップa)の前に、またはステップb)のすぐ後で行うことができる。
【0068】
別の態様において、カチオン性ガラクトマンナンおよびキシログルカンは、例えばアルカリまたは過酸化水素による酸化などの既知の方法により、あるいは、酵素もしくは熱による解重合、または酸による加水分解などの他の解重合反応により、解重合される。本発明において用いられる解重合されたカチオン性ガラクトマンナンまたはキシログルカンは、好ましくは、アルカリによる処置により調製される。
【0069】
好ましい態様において、本発明の解重合されたカチオン性ガラクトマンナンおよびキシログルカンは、任意の誘導体化の前にガラクトマンナンまたはキシログルカンの分子量を減少させることにより調製される。解重合は、既に言及された方法を用いて行うことができる。
【0070】
調製手順の終了時に、カチオン性ガラクトマンナンまたはキシログルカンを、当該分野において公知の手段を用いて、乾燥させ、回収する。かかる手段の例として、空気乾燥、流動床乾燥、濾過、遠心分離、溶媒の添加、凍結乾燥などが挙げられる。流動床乾燥の使用が特に推奨される。
【0071】
本発明の革新的な側面により、コンディショナーおよびレオロジー改質剤を提供する開示された手順においては、水または溶媒での洗浄による精製は企図されず、これは本発明のさらなる目的である。
【0072】
コンディショナーおよびレオロジー改質剤は、i)0.01〜3、好ましくは0.05〜0.7、より好ましくは0.4〜0.7のカチオン置換度を有する、約60〜約90重量%、好ましくは約70〜約85重量%のカチオン性ガラクトマンナンまたはカチオン性キシログルカン、ii)1%〜10重量%、より好ましくは2.5%〜8重量%の(2,3−ジヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウム、およびiii)0.15重量%未満、より好ましくは0.05重量%未満の(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムを含む。
【0073】
コンディショナーおよびレオロジー改質剤は、いくらかの残留水、通常は1〜10重量%の水をさらに含んでもよい;他のさらなる誘導体化反応に由来するさらなる微量の非毒性の副生成物、例えばプロピレンオキシドに由来するグリコールおよびポリグリコールもまた、通常は0〜15重量%の量で、存在してもよい。
【0074】
存在してもよい他の成分は、アルカリ水酸化物から、および恐らくpHを調整するために添加される酸から誘導される塩であり、これは通常、1〜15重量%の量である。
コンディショナーおよびレオロジー改質剤は、2〜15重量%(650℃で決定される)、通常は8〜15%の
灰分を有する。
【0075】
驚くべきことに、少なくとも典型的な皮膚および髪のクリーニング処方物において、本発明のコンディショナーおよびレオロジー改質剤が、その活性多糖含有量(これは無論、類似体の精製されたカチオン性ガラクトマンナンまたはキシログルカンの者より低い)に基づいて予測されるものよりも高い増粘性能を提供することを見出した。
【0076】
コンディショナーおよびレオロジー改質剤のカチオン性ガラクトマンナンは、50,000〜2,000,000の重量平均分子量(M
w)を有する;カチオン性キシログルカンは、典型的には100,000〜1,000,000ダルトンの重量平均分子量(M
w)を有する。
【0077】
コンディショナーおよびレオロジー改質剤は、水中で1重量%、20rpmおよび20℃において、15〜5000、好ましくは30〜3000のRVT Brookfield粘度を有する。
カチオン性ガラクトマンナンまたはキシログルカンが解重合される場合、それらは、水中で1重量%、20℃、20rpmにおいて、15〜800mPa
*s、好ましくは30〜500mPa
*sのRVT Brookfield(登録商標)粘度を有する。
【0078】
本発明の特に有利な側面により、ステップb)のアルカリによる処置は、カチオン化試薬から生じる毒性の不純物を、洗浄による任意のさらなる精製を必要とすることなく除去すること、ならびにパーソナルケアおよび家庭用ケア適用のために有用なコンディショナーおよびレオロジー改質剤を得ることを可能にする。
【0079】
本発明のコンディショナーおよびレオロジー改質剤ならびにカチオン性ガラクトマンナンまたはキシログルカンは、毒性の溶媒を含まず、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムを含まず、および(2,3−エポキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムを含まない。さらに、コンディショナーおよびレオロジー改質剤は、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムの、または(2,3−エポキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムの反応から形成される、1%〜10重量%の(2,3−ジヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムを含み、これはそれ自体、ジヒドロキシプロピルトリモニウム塩化物のINCI名で知られる化粧品成分である。
【0080】
本発明による手順の明らかな利点は、それが、洗浄による精製が必要とされないという事実に起因して、コンディショナーおよびレオロジー改質剤を高収率で得ることを可能にすることである。
【0081】
表現「(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムを含まない」により、本発明者らは、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムの残留濃度が0.15重量%より低いことを意味する。好ましくは、本発明のコンディショナーおよびレオロジー改質剤ならびにカチオン性ガラクトマンナンおよびキシログルカンは、0.05重量%未満、より好ましくは0.01重量%未満の(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムを含む。
【0082】
表現「(2,3−エポキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムを含まない」により、本発明者らは、(2,3−エポキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムの残留濃度が0.15重量%より低いことを意味する。好ましくは、コンディショナーおよびレオロジー改質剤ならびにカチオン性ガラクトマンナンおよびキシログルカンは、0.05重量%未満、より好ましくは0.01重量%未満の(2,3−エポキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムを含む。
【0083】
有利なことに、本発明のコンディショナーおよびレオロジー改質剤ならびにカチオン性ガラクトマンナンまたはキシログルカンはまた、グリオキサル、ホウ素、または他の架橋剤を含まない。
グリオキサルおよびホウ素化合物は、多糖のカチオン性誘導体の調製において、最終生成物の溶解を促進するために、および/または、粗生成物を一時的に不溶性にして水および/または溶媒での洗浄によるその精製を許諾させるために、しばしば用いられる。
【0084】
本発明のカチオン性ガラクトマンナンおよびキシログルカンは、中程度〜高度な剪断力での撹拌下において、塊を形成することなく溶解するため、グリオキサル、ホウ素化合物または他のクロスリンカーで処置される必要がなく、上で説明される通り、毒性の副生成物を除去するために洗浄する必要がない。
カチオン性ガラクトマンナンおよびカチオン性キシログルカンは、したがって、好ましくは架橋されていない。
【0085】
コンディショナーおよびレオロジー改質剤の溶解において低い撹拌能力が用いられるべきであり、カチオン性ガラクトマンナンまたはカチオン性キシログルカンが塊の形成を回避するために架橋されていない場合、それを予めグリセロールなどの好適な受け入れ可能な有機溶媒中で分散させて、スラリーを形成させ、そのスラリーをパーソナルケア組成物または家庭用ケア組成物に温和に混合しながら添加することが賢明である。
【0086】
特に好ましい態様によれば、コンディショナーおよびレオロジー改質剤は、グリオキサル、ホウ素、および架橋剤(チタニウム塩など)を含まず、0.05〜0.7の間、より好ましくは0.4〜0.7の間に含まれるDS
catを有する。本発明の手順により得られるコンディショナーおよびレオロジー改質剤は、最も特別の化粧品および家庭用ケア組成物における成分として、特に、それらの正の電荷を通して弱い負の電荷を有する基質に結合するそれらの能力に加えて、水溶液を増粘し、そのレオロジーを調節するそれらの能力が利用されるヘアケア組成物における成分として、用いることができる。
【0087】
本発明によるカチオン性ガラクトマンナンに基づくコンディショナーおよびレオロジー改質剤で処置された髪の櫛通りを、先行技術の精製されたカチオン性ガラクトマンナンで処置された髪と比較して試験したところ、予想外にも、前者の性能が著しくより高く、したがってその優れたコンディショニング性能の証左を得た。
【0088】
本発明のコンディショナーおよびレオロジー改質剤はまた、むしろ低い濃度で、例えば処方された化粧品の約0.3重量%の濃度で投与された場合にも、それらのコンディショニングおよび粘性化(viscosifying)の特徴を示す。
本発明のコンディショナーおよびレオロジー改質剤ならびにカチオン性ガラクトマンナンおよびキシログルカンはまた、原材料の毒性の特徴が特に重要である他の工業分野においても、例えば製紙工業においても有用である。
【0089】
それらは、化粧品組成物において、および家庭用ケア組成物において、好ましくは組成物の総重量に対して0.01〜10重量%、より好ましくは0.05〜2重量%の範囲の濃度において、存在してもよい。
【0090】
本発明のコンディショナーおよびレオロジー改質剤は、化粧品組成物において、および家庭用ケア組成物において、その粘度増強、安定化、およびコンディショニングの特性のために、特にシャンプー、ヘアコンディショナー、スキンクリーム、パーソナルまたは家庭用ケア洗剤および柔軟剤の調製において、用いることができる。
本発明による化粧品組成物の例は、ボディ、ハンドおよびフェイスクリーム、スキンコンディショナー、ヘアジェルおよびローション(ヘアセット用ローション、固定剤およびバームなど)、ヘアカラーおよびブリーチ用クリーム、日焼け止め組成物、洗浄、保湿および発汗(perspiring)液、シャンプー、2イン1シャンプー、香料、洗浄用ソープおよびバー、ならびに類似の適用のための他の製品である。
本発明の家庭用ケア組成物として、限定されないが:硬表面洗浄用ジェル、バー、エマルジョンおよび液体組成物、乾燥または湿らせた埃取り剤(dusting)、洗浄および/または消毒用ウェットティッシュ、衣類用洗剤およびコンディショナーが挙げられる。
【0091】
本発明のコンディショナーおよびレオロジー改質剤ならびにカチオン性ガラクトマンナンおよびキシログルカンは、化粧品組成物の脂質成分、例えばオイル、ビタミンおよび皮膚軟化剤の髪および皮膚への沈着、ならびにそれらの香料および芳香の持続を改善しつつ、有効なコンディショニングおよび所望される場合には増粘効果を提供する。
それらは水中で容易に溶解可能であり、それらの増粘効果は、化粧品および家庭用ケア組成物中に通常存在する界面活性剤の存在により損なわれない。
【0092】
本発明の化粧品組成物は、通常の成分、例えば界面活性剤、保湿剤、皮膚軟化剤、日焼け止め剤、セラミドなどの親水性または疎水性の活性剤、抗フリーラジカル剤、昆虫忌避剤、皮膚冷却材、脱臭剤、制汗活性剤、ヘアトリートメント剤、口腔ケア剤、痩身剤、殺菌剤、封鎖剤、抗フケ剤、抗酸化剤、保存剤、塩基性化または酸性化剤、芳香剤、充填剤、色素、他のポリマーおよび乳化剤、ゲル化剤、起泡剤を含む。
【0093】
また、家庭用ケア組成物は、当該分野において慣習的に用いられる成分、例えば界面活性剤、皮膚軟化剤、昆虫忌避剤、殺菌剤、封鎖剤、抗酸化剤、保存剤、塩基性化または酸性化剤、芳香剤、充填剤、色素、他のポリマーおよび乳化剤、ゲル化剤、起泡剤脱臭剤、殺虫剤、洗浄剤、消毒剤、柔軟剤、洗濯洗剤、皿洗い用洗剤を含む。
【0094】
本発明の化粧品組成物および家庭用ケア組成物は、通常また、受け入れ可能な液体溶媒を含み、これは、組成物の最終的な用途にしたがって、皮膚、爪、髪、ウールなどの任意のケラチン物質と適合性である。
受け入れ可能な溶媒は、組成物の総重量の5%〜98%を表してもよい。典型的な受け入れ可能な溶媒は水である。
受け入れ可能な有機溶媒は、水を置き換えるか、または水を部分的に置換することができる。
有機溶媒は、親水性有機溶媒、親油性有機溶媒、両親媒性溶媒またはこれらの混合物であってよい。
【0095】
親水性有機溶媒の例は、1〜8個の炭素原子を有する、直鎖状または分枝状の低級モノアルコール、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノールおよびイソブタノール;6〜80個のエチレンオキシドを有するポリエチレングリコール;ポリオール、例えばプロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセロールおよびソルビトール;アルキル基が1〜5個の炭素原子を有するモノ−またはジアルキルイソソルビド、例えばジメチルイソソルビド;グリコールエーテル、例えばジエチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテル、ならびにプロピレングリコールエーテル、例えばジプロピレングリコールメチルエーテルである。
【0096】
利用可能な両親媒性有機溶媒の中で、本発明者らは、ポリオール、例えばポリプロピレングリコール(PPG)誘導体、例えばポリプロピレングリコールの脂肪酸エステルおよびPPGの脂肪アルコールエーテルに言及する。
利用可能な親油性有機溶媒は、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジオクチルおよび安息香酸アルキルなどの脂肪エステルである。
【0097】
本発明の化粧品組成物および家庭用ケア組成物は、溶液、エマルジョン、分散、ゲル、クリーム、ペースト、バーおよびウェットティッシュの形態であってよい。
それらは、オイル、例えば鉱油、植物油、動物油、合成油、シリコーンオイルおよびこれらの混合物を含んでもよい。
利用可能なオイルの例は、パラフィン、液体ワセリン、ホホバ油、ココナッツ油、スイートアーモンド油、オリーヴ油、菜種油、ヒマシ油、ゴマ油、アヴォガド油、ピーナッツ油、イソパラフィン、アモジメチコン(amodimethicone)、ジメチコノール、シクロペンタシロキサン、およびこれらの混合物である。
【0098】
本発明をよりよく説明するために、本発明による多様なコンディショナーおよびレオロジー改質剤の調製、および例示的な化粧品組成物中のそれらの添加の効果を示すために以下の例を報告する。
例は、単に説明を目的とするために記載され、全ての部およびパーセンテージは、他に示されない限り、重量によるものである。
【0099】
例
例1(比較)
5リットルの撹拌型反応器中で、800gのグアー粉末を室温でロードし、雰囲気を、真空/窒素洗浄により不活化した。520gの1/2の水/イソプロパノール溶液を、激しく撹拌しながら添加した。10分間にわたり撹拌した後で、201gの30%wtの水酸化ナトリウム水溶液を添加し、さらに15分間にわたり撹拌した。284gの65重量%の(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウム(QUAB 188)の水溶液を混合物に添加し、50℃まで2時間にわたり加熱した。反応塊を、次いで40℃まで冷却し、pHを酢酸で約5に調整した。40gのグリオキサル(水中40%)を添加し、生じた混合物を、50℃で1時間にわたり撹拌した。
【0100】
生成物を、水による洗浄により精製した。したがって、200gの反応混合物を、1400gの水道水中に、7より低いpHで分散させ、数分間にわたり撹拌し続け、次いで、真空下で、繊維フィルター上でろ過した。フィルター上のカチオン性グアーを、300gの水道水で、7より低いpHでさらに洗浄した。
このようにして得られたカチオン性グアーを、流動床乾燥機において高温の空気を用いて水分含有量が約3重量%となるまで乾燥させ、次いで破砕した。
【0101】
例2
5リットルの撹拌型反応器中で、800gのグアースプリットを室温でロードし、雰囲気を、真空/窒素洗浄により不活化した。310gの水と180gの30%wtの水酸化ナトリウム水溶液との混合物を、激しく撹拌しながら添加した。30分間にわたり撹拌した後で、256gの65%wtの(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウム(QUAB 188)の水溶液を添加し、混合物を50℃まで2時間にわたり加熱した。180gの30%wtの水酸化ナトリウム水溶液を再び添加し、混合物を50℃でさらに2時間にわたり撹拌した。反応塊を、次いで40℃まで冷却し、pHをフマル酸で約5に調整した。80gの水中で溶解された50gのグリオキサル(水中40%)を添加し、生じた混合物を50℃で40分間にわたり撹拌した。このようにして得られたカチオン性グアーを、流動床乾燥機において高温の空気を用いて水分含有量が約3重量%となるまで乾燥させ、次いで破砕した。
【0102】
例3
5リットルの撹拌型反応器中で、800gのグアースプリットを室温でロードし、雰囲気を、真空/窒素洗浄により不活化した。310gの水と180gの30%wtの水酸化ナトリウム水溶液との混合物を、激しく撹拌しながら添加した。30分間にわたり撹拌した後で、256gの65%wtのQUAB 188の水溶液および200gの水を添加し、混合物を50℃まで2時間にわたり加熱した。さらなる60gの30%wtの水酸化ナトリウム水溶液を混合物に添加し、これを次いで50℃で1時間にわたり処置した。反応塊を、次いで40℃まで冷却し、pHを酢酸で約5に調整した。80gの水中で溶解された50gのグリオキサル(水中40%)を添加し、生じた混合物を、50℃で40分間にわたり撹拌した。このようにして得られたカチオン性グアーを、流動床乾燥機において高温の空気を用いて水分含有量が約3重量%となるまで乾燥させ、次いで破砕した。
【0103】
例4(比較)
5リットルの撹拌型反応器中で、800gのグアースプリットを室温でロードし、雰囲気を、真空/窒素洗浄により不活化した。430gの水と240gの30%wtの水酸化ナトリウム水溶液との混合物を、激しく撹拌しながら添加した。30分間にわたり撹拌した後で、256gの65%wtのQUAB 188の水溶液を混合物に添加し、これを次いで50℃で2時間にわたり処置した。処置の後で、反応塊を40℃まで冷却し、pHを酢酸で約5に調整した。80gの水中で溶解された50gのグリオキサル(水中40%)を添加し、生じた混合物を、50℃で40分間にわたり撹拌した。
カチオン性グアーを、流動床乾燥機において高温の空気を用いて水分含有量が約3重量%となるまで乾燥させ、次いで破砕した。
【0104】
例5
5リットルの撹拌型反応器中で、800gのグアー粉末を室温でロードし、雰囲気を、真空/窒素洗浄により不活化した。180gの水と220gのイソプロピルアルコールとの混合物を添加し、室温で10分間にわたり撹拌した。次いで、180gの30%wtの水酸化ナトリウム水溶液を添加した。15分間にわたり撹拌した後で、256gの65%wtのQUAB 188の水溶液を混合物に添加し、反応塊を50℃まで2時間にわたり加熱した。次いで、180gの水性の30%wtの水酸化ナトリウムおよび180gの水を添加し、基本の処置を50℃で1時間にわたり続けた。塊を、次いで40℃まで冷却し、pHをフマル酸で約5に調整した。63gのイソプロピルアルコール中で溶解された36gのグリオキサル(水中40%)を添加し、生じた混合物を50℃で40分間にわたり撹拌した。溶媒を留去した。カチオン性グアーを、流動床乾燥機において高温の空気を用いて水分含有量が約3重量%となるまで乾燥させ、次いで破砕した。
【0105】
例6
5リットルの撹拌型反応器中で、800gのグアー粉末を室温でロードし、雰囲気を、真空/窒素洗浄により不活化した。245gの30%wtの水酸化ナトリウム水溶液と314gのイソプロピルアルコールとの混合物を添加し、室温で10分間にわたり均質化した。次いで、365gの65%wtのQUAB 188の水溶液を添加し、混合物を50℃まで1時間にわたり加熱した。反応塊を35℃で冷却し、245gの30%wtの水酸化ナトリウムの第2の部分を添加した。混合物を35℃で10分間にわたり均質化し、次いで他の365gの65%wtのQUAB 188の水溶液を添加し、反応塊を2時間にわたり50℃に維持した。塊を、次いで40℃まで冷却し、200gの30%wtの水酸化ナトリウム水溶液の第3の部分を添加した。50℃で2時間にわたり撹拌した後で、反応塊を40℃まで冷却し、pHを酢酸で約5に調整した。溶媒を留去した。カチオン性グアーを、流動床乾燥機において高温の空気を用いて水分含有量が約3重量%となるまで乾燥させ、次いで破砕した。
【0106】
例7
800gのグアー粉末5リットルの撹拌型反応器中に室温でロードした。反応雰囲気を、真空/窒素洗浄により不活化し、そして、激しく撹拌しながら、水(100g)/イソプロパノール(316ml)混合物で希釈した171gの50%のNaOHの水溶液を添加した。反応器から気体を抜き、3回、窒素を再充填した。次いで、80gのプロピレンオキシドをゆっくりと添加し、反応混合物を45minにわたり70〜75℃で撹拌し続けた。
【0107】
その後反応塊を40℃まで冷却し、470gの65%wtのQUAB 188の水溶液を添加し、混合物を50℃まで2時間にわたり加熱した。次いで、171gの50%wtの水酸化ナトリウムおよび100gの水を添加し、反応塊を50℃で2時間にわたり撹拌し続けた。反応塊を、次いで40℃まで冷却し、pHを酢酸で約5に調整した。79gのイソプロピルアルコール中で溶解された50gのグリオキサル(水中40%)を添加し、生じた混合物を50℃で40分間にわたり撹拌した。溶媒を留去した。このようにして得られたカチオン性ヒドロキシプロピルグアーを、流動床乾燥機において高温の空気を用いて乾燥させ、破砕した。プロセスの終了時に、生成物は、約3重量%の水分含有量を有した。
【0108】
例8(比較)
5リットルの撹拌型反応器中で、800gのフェヌグリーク粉末(Fen)を室温でロードし、雰囲気を、真空/窒素洗浄により不活化した。200gの水と320gのイソプロピルアルコールとの混合物を添加し、その後、201gの30%wtの水酸化ナトリウム水溶液を添加した。10分間にわたり室温で攪拌した後、284gの65%wtのQUAB 188の水溶液を添加し、混合物を50℃まで2時間にわたり加熱した。PHを酢酸で約5に調整し、60gのイソプロピルアルコール中に溶解した40gのグリオキサル(水中40%)を添加し、生じた混合物を、50℃で40分間にわたり撹拌した。溶媒を留去した。カチオン性フェヌグリークを、流動床乾燥機において高温の空気を用いて水分含有量が約3重量%となるまで乾燥させ、次いで破砕した。
【0109】
例9
例8に従って調製した80gのカチオン性フェヌグリークを、0.5リットル反応器中にロードした。雰囲気を、真空/窒素洗浄により不活化し、粉末を、20mlの水と32mlのイソプロピルアルコールとの混合物で浸漬した。10分間にわたり撹拌した後で、20gの30%wtの水酸化ナトリウム水溶液を添加し、生じた混合物を1時間にわたり50℃で撹拌した。反応塊を40℃まで冷却し、pHを酢酸で約7に調整した。溶媒を留去した。カチオン性フェヌグリークを、流動床乾燥機において高温の空気を用いて水分含有量が約3重量%となるまで乾燥させ、次いで破砕した。
【0110】
例10
5リットルの撹拌型反応器中で、800gの脱脂(deoiled)タマリンド穀粒粉末(Tam)を室温でロードし、雰囲気を、真空/窒素洗浄により不活化した。100gの水と316gのイソプロピルアルコールとの混合物を添加し、10分間にわたり撹拌した。次いで、171gの50%wtの水酸化ナトリウム水溶液を、混合物に対して噴霧し、これを次いで15分間にわたり均質化した。396gの65%wtのQUAB 188の水溶液を添加し、混合物を50℃まで2時間にわたり加熱した。さらなる171gの50%wtの水酸化ナトリウム水溶液を添加し、基本の処置を50℃でさらに2時間にわたり続けた。反応塊を、次いで40℃まで冷却し、pHを酢酸で約5に調整した。溶媒を留去し、カチオン性タマリンドを、流動床乾燥機において高温の空気を用いて水分含有量が約3重量%となるまで乾燥させ、次いで破砕した。
【0111】
例11
0.5リットルの撹拌型反応器中で、80gのカシア粉末(Cas)を室温でロードし、雰囲気を、真空/窒素洗浄により不活化した。18gの水と22gのイソプロピルアルコールとの混合物を添加し、室温で10分間にわたり撹拌した。18gの30%wtの水酸化ナトリウム水溶液を添加した。15分間の均質化の後で、26gの65%wtのQUAB 188の水溶液を添加し、混合物を50℃まで2時間にわたり加熱した。次いで、18gの30%wtの水酸化ナトリウムおよび18gの水を添加し、反応塊を50℃で1時間にわたり撹拌した。反応塊を、次いで40℃まで冷却し、pHを酢酸で約5に調整した。溶媒を留去した。カチオン性カシアを、流動床乾燥機において高温の空気を用いて水分含有量が約3重量%となるまで乾燥させ、次いで破砕した。
【0112】
例12
5リットルの撹拌型反応器中で、800gのローカストビーンガム(Loc)粉末を室温でロードし、雰囲気を、真空/窒素洗浄により不活化した。210gの50%wtの水酸化ナトリウム水溶液と316gのイソプロピルアルコールとの混合物を添加し、室温で10分間にわたり撹拌した。次いで、485gの65%wtのQUAB 188水溶液を添加し、混合物を50℃まで1時間にわたり加熱した。210gの50%wtの水酸化ナトリウムの第2の部分を添加し、混合物を10分間にわたり均質化した。次いで他の485gの65%wtのQUAB 188の水溶液を添加し、混合物を再び50℃まで2時間にわたり加熱した。210gの50%wtの水酸化ナトリウム水溶液の第3の部分を添加した。50℃で1時間にわたり撹拌した後、反応塊を40℃まで冷却し、pHをフマル酸で約5に調整した。溶媒を留去した。このようにして得られたカチオン性ローカストビーンガムを、流動床乾燥機において高温の空気を用いて水分含有量が約3重量%となるまで乾燥させ、次いで破砕した。
【0113】
例13
グリオキサルを添加し、pHをCO2で約10に調整したことを除いて、例2の手順に従うことにより、カチオン性グアーを調製した。
【0114】
例13
グリオキサルを添加し、pHをCO2で約10に調整したことを除いて、例2の手順に従うことにより、カチオン性グアーを調製した。
【0115】
例の生成物の特徴づけ
(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウム(クロロヒドリン)および(2,3−ジヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウム(グリコール)の含有量の決定を、イオン交換クロマトグラフィーにより行った。電気伝導率検出器を備えたDIONEX ICS 5000 DCイオンクロマトグラフ(Thermo Scientific)、IonPac CG-14、50×4.0mmプレカラム、およびIonPac CS-14、250×4.0mmカラムを用いた。溶離液は、95/5の水/0.1Mメタンスルホン酸溶液であり、流速は1.0ml/minであった。予測される濃度に依存して様々な量の試料を5.0mlのメタノール中で秤量し、10minにわたり激しく撹拌した。試料溶液を、次いで、遠心分離し、水で1:1に希釈し、クロマトグラフ中に注入した。既知濃度の(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウム溶液を参照標準として用いた。クロロヒドリンの同じ応答係数を用いてグリコール含有量を定量した。
【0116】
DS
catおよびMSは、透析および凍結乾燥による反応副生成物からの精製後に、
1H−NMR分析により決定した。
RVT Brookfield(登録商標)粘度は、1%wtの水中の溶液に対して、20rpmおよび20℃で決定した。
例1〜14の生成物のDS
cat、MS、mPa
*s(VB)におけるRVT Brookfield(登録商標)粘度、クロロヒドリンおよびグリコール(重量%)の含有量を、表1において報告する。
手順のステップb)において用いられるNaOHの量(p/100p=100重量部のガラクトマンナンまたはキシログルカンあたりの重量部)およびステップb)の基本の処置の時間の長さもまた、分(時間)で報告する。
【0117】
表1の結果は、本発明の手順が、様々な多糖のレオロジー特性に影響を及ぼすことなく、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチル塩化アンモニウムの残留含有量を、<0.01%(<100ppm)まで、相当に減少させることができることを示す。
【0119】
適用試験
試験1
表2において報告される処方に従って、6種のシャンプーを調製した。
例2および5のカチオン性グアーをコンディショニング剤として用い、例1のカチオン性ガラクトマンナンと、および一般的に用いられるコンディショナーであるUcare JR-30MおよびMerquat 550(それぞれDow Chemical CompanyおよびLubrizol Corp.により市販される)と比較した。
コンディショニング剤を、激しく撹拌しながら水に添加し、シャンプーを調製した;pHを8〜8.5に調整し、そして、ポリマーの完全な膨潤を確実にするために、他の成分を添加する前に約20分間にわたり撹拌した。
【0121】
多糖のカチオン電荷と一級界面活性剤のアニオン電荷との間の有害な相互作用を回避するために、ラウレス硫酸ナトリウムの前にコカミドプロピルベタインを添加した。
混合物を、次いで60℃まで加熱し、その後コカミドMEAを添加した。25℃まで冷却した後で、保存剤を添加し、最後にpHを5〜5.5の間に含まれる値に調整した。
いかなるコンディショナーも添加することなく、当該処方および手順を用いて、対照シャンプーを調製した。
【0122】
様々なシャンプーのRVT Brookfield粘度(20rpm@25℃)を、25℃での3か月後の安定性と共に、表3において報告する。
【表3】
【0123】
本発明のカチオン性多糖(例2および5)は、それらの水中でのより低い増粘性能にもかかわらず、先行技術のカチオン性グアーの性能と類似するかまたはより優れた増粘性能を示す。
【0124】
試験2
表4において報告される処方および以下の製造手順に従って、4種の皮膚洗浄用組成物を調製した:1つずつ、相Aの成分を添加し、70℃まで加熱する。別の容器中で、相Bを加熱する。
コンディショナーを、グリセリン中で激しく撹拌しながら溶解する。
相Bを相A中に持続的に撹拌しながら乳化させ、40℃まで冷却する。必要とされる温度に達したら、相Cを主容器に加え、均質になるまで撹拌する。
最終的なpHは、約5.8〜6.0である。
例13および14のカチオン性グアーをコンディショナーとして用い、例1のカチオン性ガラクトマンナンと、および対照処方物と比較した。
様々な皮膚洗浄用組成物のRVT Brookfield粘度(20rpm@25℃)を、25℃での3か月後の安定性と共に、表5において報告する。
【0127】
例13および14のカチオン性グアーは、それらのより低い水中での増粘性能にもかかわらず、良好な増粘性能を示す。
【0128】
試験3
濡れ時のほぐし(detangling)
表6において報告される処方に従って、4種のシャンプーを調製した。
コンディショナーを、激しく撹拌しながら水に添加し、シャンプーを調製した;pHを8〜8.5に調整し(例13については必要とされない)、ポリマーの完全な膨潤を確実にするために、他の成分を添加する前に、約20分間にわたり撹拌した。
【0130】
ラウレス硫酸ナトリウムの前にコカミドプロピルベタインを添加し、混合物を60℃まで加熱した。冷却後、残りの成分を添加し、pHを5〜5.5に調整した。
いかなるコンディショナーも添加することなく、当該処方および手順を用いて、対照シャンプーを調製した。
様々なシャンプーのRVT Brookfield粘度(25℃で20rpm)を表7において報告する。
【0131】
長さ25cmの脱色されたヨーロッパ人の髪を1グラムの重さおよび約1.5cmの幅を有する見本に組み上げられたもの(Haarhaus Kerling, Germany)を、濡れ時の櫛通り試験のために用いた。
髪見本を、初めに、37℃の流水で60秒間にわたり濡らすことにより洗浄し、60秒間にわたり3.0mlの10%ラウレス硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、次いで、37℃の流水下において60秒間にわたりリンスした。第2のステップにおいて、各々の髪見本を、流水下において60秒間にわたり濡らし、髪1グラムあたり0.5グラムのシャンプーを髪の長さに沿って適用することにより45秒間にわたりシャンプーし、再び37℃の流水下において60秒間にわたりリンスした。
【0132】
シャンプーされた髪見本を、次いで、穏やかに手櫛で梳いて、主なもつれを取り除き、次いで、6回、微細なトゥースコーム(tooth comb)を備えた力量計を用いて、300mm/minで梳いた。梳きサイクルの間に、髪を水で再度濡らして濡れたままに保った。
くし通り力(combing force)対転位曲線を記録した。30〜70mmの間隔の平均のくし通り力を計算した。6回の梳きサイクルの値から、サイクル平均の濡れたくし通り力を、各々の髪見本について計算した。5つの髪見本を、各々のシャンプーで処置し、シャンプーされた試料についての平均のくし通り力を決定するために用いた。力の値が低いほど、シャンプーの濡れコンディショニング効率は高い。
参照として、5つの未処置の髪見本の平均のくし通り力を決定した。
【0133】
くし通り力の減少(Combing Force Reduction)(CFR%)を、下に示される式に従って計算した:
【化1】
式中、
ACFt=処置試料の平均のくし通り力
ACFu=未処置試料の平均のくし通り力
【0134】
結果を表7において報告する。
【表7】
【0135】
例13のコンディショナーは、例1の精製された比較コンディショナーおよび約0.3〜0.6のカチオンDSを有する市販のコンディショナーであるポリクオタニウム10よりもはるかに優れたコンディショニング効果を有した。